JP3628877B2 - オイルリングのスペーサエキスパンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用ピストンの組み合わせオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のピストンに形成されたピストンリング溝に組み付けられるピストンリングには、同機関のシリンダ内壁面にある潤滑用オイルの量を調整し、余分なオイルをかき落とすオイルリングがある。従来、このようなオイルリングとしては、例えば、特開昭60−220263号公報に記載されたものが知られている。すなわち、同公報記載のオイルリングは図6にその平面構造が示されるように、略ドーナツ板状に形成されたサイドレール60及び半径方向に変位する波形に形成されたスペーサエキスパンダ61によって構成されている。上記サイドレール60は上記シリンダ内壁面に当接するように上記ピストンリング溝に装着されてオイルをかき落とすためのものであり、上記スペーサエキスパンダ61は同サイドレール60を上記シリンダ内壁面側に付勢するためのものである。
【0003】
ところで、上記公報に記載された半径方向に変位する波形に形成されたスペーサエキスパンダ61の場合、その構造上、幅を薄くしてその張力を低減し、燃料消費率の低減を図ることが難しいことから、近年は、図7に示すようにスペーサエキスパンダの軸方向(幅方向)に変位する波形に形成されたもので薄幅のものが採用される傾向にある。
【0004】
このようなスペーサエキスパンダの細部形状について図8に基づき説明する。なお、同図8において、図8(a)は図7に示したスペーサエキスパンダ51を内周側から見た部分側面図であり、図8(b)は同スペーサエキスパンダ51を外周側から見た部分側面図である。
【0005】
同図8(a),(b)に示されるように、内周側の波形52の高さ(幅)W11は外周側の波形53の高さ(幅)W12に比べて高く形成されている。なお、前記サイドレールは、このように異なる高さ(幅)W11,W12の波形52,53を有するスペーサエキスパンダ51の外壁と前記ピストンリング溝の内壁とによって形成される空間に収容される。
【0006】
次に、上記スペーサエキスパンダ51をオイルリング溝に組み付ける作業態様について、図9に基づき説明する。なお、図9は上記組み付け作業を行う組付機40等を示す部分断面図である。
【0007】
同図9に示されるように、上記スペーサエキスパンダ51は作業台31上に固定された円筒状の組付機マガジン32の周りに若干外側に広げられるように弾性変形された状態で嵌められ、複数段に積み重ねられている。ピストン1は、同ピストン1のオイルリング溝2の上端(図9では下端)の高さと上記組付機マガジン32の上面の高さとが一致するように上記組付機マガジン32に逆さに挿入され、図示しない支持装置によって支持されている。
【0008】
一方、組付機40の支柱41には、同支柱41の上下方向に移動可能な支持棒42が設けられている。同支持棒42は図示しない圧力(空気圧)回路により、ピストン1が上記組付機マガジン32に上述のように配置される都度、上記スペーサエキスパンダ51の幅(内周側の波形52の高さ)W11ずつ上方に移動される。上記支持棒42の先端側には、上記組付機マガジン32が貫通される孔44の形成された略ドーナツ板状の押出部材43が設けられている。
【0009】
ここで、上記支持棒42は上記押出部材43の上面が上記積み重ねられたスペーサエキスパンダ51の最下段に位置するスペーサエキスパンダの下端に当接するように配置される。そして、上記支持棒42は上述したように、ピストン1が配置される都度、上記スペーサエキスパンダ51の幅W11ずつ上方に移動される。これにより、各スペーサエキスパンダ51は順次押し上げられ、最上段に位置するスペーサエキスパンダ51は組付機マガジン32の外に押し出される。押し出されたスペーサエキスパンダ51はその弾性力によって本来の形状に戻る際、その下段に位置するスペーサエキスパンダ51から分離され(以下、このような分離を「切り出し」という)、上記オイルリング溝2に嵌められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記スペーサエキスパンダ51は通常、先の図8(a),(b)に示されるように、外周側の波形53の両側端部53aが内周側の波形52の両側端部52aに比べて外側に突き出た形状となっていることから、上記切り出しの際の次のような不都合も無視できないものとなっている。
【0011】
すなわち、スペーサエキスパンダ51が上記組み付け作業のために積み重ねられた状態では、その内周側から見て図10(a)に示されるように、またその外周側から見て図10(b)に示されるようになる。これら図10(a),(b)に示されるように、外周側の波形53の両側端部53aが内周側の波形52の両側端部52aよりも外側に突き出た形状を有して積み重ねられたスペーサエキスパンダ51は、内周側の波形52の両側端部52aで接触せず、外周側の波形53の両側端部53aで接触するようになる。このため、上述のように最上段に位置するスペーサエキスパンダ51が切り出される際、その下段に位置するスペーサエキスパンダ51と完全に分離するまではそれらが互いに干渉するようになる。そして、このように互いに干渉する期間が長くなることで、前記オイルリング溝2に正確に嵌まらなくなるなど、押し出されたスペーサエキスパンダ51の切り出しに支障が生じることがある。
【0012】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、こうした組付機による切り出しを円滑、且つ、確実なものとすることのできるオイルリングのスペーサエキスパンダを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、両端が開放された円環状の形状を有し、拡径された状態で円筒状のマガジンに複数積み重ねられて装着されたものがその幅分ずつ一方向にシフトされて同マガジンの一方端から外されることにより自らの弾性力によってその内側への付勢を受け、ピストンのオイルリング溝に組み付けられるオイルリングのスペーサエキスパンダであって、その内周面及び外周面は共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形は外周側の波形よりも大きな波高値を有し、前記複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接されることをその要旨とするものである。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオイルリングのスペーサエキスパンダにおいて、前記内周側の波形の両側端部は前記外周側の波形の両側端部よりも外側に突き出てなることをその要旨とするものである。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のオイルリングのスペーサエキスパンダにおいて、前記内周側の波形の変位の基準位置における該内周側の波形の接線が前記円環の軸方向の直線に対して形成する角度は、前記外周側の波形の同変位の基準位置における該外周側の波形の接線が同円環の軸方向の直線に対して形成する角度よりも小さいことをその要旨とするものである。
【0016】
請求項1〜3に記載の発明の構成によれば、オイルリングのスペーサエキスパンダの内周面及び外周面は共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形は外周側の波形よりも大きな波高値を有し、複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接される。したがって、拡径された状態で円筒状のマガジンに複数積み重ねられて装着されたスペーサエキスパンダをその幅分ずつ一方向にシフトして同マガジンの一方端から外すことにより、同スペーサエキスパンダをピストンのオイルリング溝に組み付ける作業は、隣り合うスペーサエキスパンダの内周側の波形同士が互いに分離するだけの極めて短い干渉期間をもって実質的に完了する。このため、オイルリング溝に組み付けるスペーサエキスパンダの切り出しもより円滑に、しかも確実に行われるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るオイルリングのスペーサエキスパンダの一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本実施の形態のスペーサエキスパンダが組み付けられるピストンの概要を示す側面図である。
図1に示されるように、略有蓋円筒状に形成されたピストン1には、その円周方向に沿って3つのピストンリング溝2,3,4が形成されている。ピストンリング溝3,4には、それぞれ略ドーナツ板状のコンプレッションリング6,7が組み付けられている。これらコンプレッションリング6,7はピストン1と同ピストン1を収容するシリンダとの間をシールして、混合気や燃焼ガスの漏れを防止するためのものである。また、ピストンリング溝2には、2本のサイドレール9及びスペーサエキスパンダ11からなるオイルリング5が組み付けられている。このオイルリング5は上記シリンダの内壁面にある潤滑用オイルの量を調整し、余分なオイルをかき落とすためのものである。上記サイドレール9は略ドーナツ板状に形成されており、上記シリンダの内壁面に当接するように上記ピストンリング溝2に装着されてオイルをかき落とす。また、上記スペーサエキスパンダ11は上記サイドレール9を上記シリンダの内壁面側に付勢する。
【0019】
次に、本実施の形態におけるスペーサエキスパンダ11の構造について図2〜図4に基づき更に説明する。
図2に平面構造が示されるように、スペーサエキスパンダ11は内周面11aと外周面11bとを備えており、開口部11cにおいて開放されている。
【0020】
上記内周面11aと外周面11bの形状について図3及び図4を参照して更に詳述する。なお、図3(a)はスペーサエキスパンダ11を内周側から見た部分側面図であり、図3(b)は同スペーサエキスパンダ11を外周側から見た部分側面図である。また、図4は図3(a)の4−4線に沿った断面図である。
【0021】
同図3(a),(b)及び図4に示されるように、上記内周面11aは当該スペーサエキスパンダ11の幅方向に変位する内周側の波形12の繰り返しによって形成されており、上記外周面11bは同内周側の波形12に対応して同じく幅方向に変位する外周側の波形13の繰り返しによって形成されている。そして、上記内周側の波形12の高さ(幅)W1は上記外周側の波形13の高さ(幅)W2に比べて高く形成されている。そして、前記サイドレール9(図1)は、このように異なる高さ(幅)W1,W2の波形12,13を有するスペーサエキスパンダ11の外壁と前記ピストンリング溝2の内壁とによって形成される空間に収容される。なお、上記内周側、外周側の波形12,13の中間は上記高さ(幅)W1,W2よりも低い高さ(幅)W3を有する波形が繰り返されて形成されている。
【0022】
ここで、スペーサエキスパンダ11の内周側の波形12及び外周側の波形13の幅W1,W2の2等分線Hが、同内周側の波形12及び外周側の波形13に交わる位置を変位の基準位置とする。そして、この基準位置における内周側の波形12及び外周側の波形13の幅方向(スペーサエキスパンダ11の円環の軸方向)の直線を直線Vとし、同基準位置における内周側の波形12及び外周側の波形13の接線をそれぞれ直線L1及び直線L2とすると、本実施の形態に係るスペーサエキスパンダ11においては、図3(a),(b)に示されるように、直線Vと直線L1とにより形成される角度θ1は、直線Vと直線L2とにより形成される角度θ2よりも小さく形成されて、内周側の波形12の両側端部12aが外周側の波形13の両側端部13aよりも外側に突き出る形状とされている。
【0023】
このように形成されたスペーサエキスパンダ11を積み重ねた状態について、図5に基づき説明する。ここで、図5は2つのスペーサエキスパンダ11が積み重ねられた状態を示す部分側面図であり、図5(a)は同エキスパンダ11の内周側から、図5(b)は外周側からそれぞれ見たものである。内周側の波形12の両側端部12aは外周側の波形13の両側端部13aよりも外側に突き出た形状となっているため、図5(a),(b)に示されるように、積み重ねられたスペーサエキスパンダ11は内周側の波形12の両側端部12aで接触しており、外周側の波形13の両側端部13aは分離されている。
【0024】
したがって、このようなスペーサエキスパンダ11を先の図9に例示した組付機40を通じてピストン1のオイルリング溝2に組み付ける場合には、支持棒42の同スペーサエキスパンダ11の幅(内周側の波形12の高さ)W1ずつの上方移動に伴い、都度最上段に位置するスペーサエキスパンダ11が自らの弾性力によってその内側への付勢を受け、順次切り出されていくこととなるが、ここでは上述のように、各隣り合うスペーサエキスパンダ11が内周側の波形12の両側端部12aのみで接触しているため、同切り出しはそれら内周側の波形12の両側端部12aが互いに分離するだけの極めて短い干渉期間をもって実質的に完了する。このため、オイルリング溝2に組み付けられるスペーサエキスパンダ11の切り出しもより円滑に、しかも確実に行われるようになる。
【0025】
ちなみに、こうした組み付け作業に際し、従来のスペーサエキスパンダ52においては、1時間に2回程度、オイルリング溝2に正確に嵌まらないなどの組み付け不良が生じる可能性がある。またその1回当たりの組み付け不良につき、上記組付機40も2分程度、一時停止させる必要がある。すなわち、1時間当たり約4分の時間損失を招いていた。例えば、1分当たり1つの組み付け作業が完了すると仮定すると、本実施の形態に係るスペーサエキスパンダ11の場合、このような損失時間(4分)を解消することによって1時間当たり4つの組み付け作業を余分に行うことができるようにもなる。
【0026】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)ピストン1のオイルリング溝2に組み付けられるスペーサエキスパンダ11の切り出しを円滑、且つ確実に行って、その不良等の発生を好適に防止することができる。そしてこのような切り出し不良に伴う組付機40の一時停止等も解消でき、同組み付けに係る作業性を大幅に向上することができる。
【0027】
なお、本実施の形態においては、角度θ1,θ2の設定により、内周側の波形12の両側端部12aを外周側の波形13の両側端部13aよりも外側に突き出させる形状としたが、こうした形状を得るための手法は任意である。要は、内周側の波形12の両側端部12aが外周側の波形13の両側端部13aよりも外側に突き出る形状であればよい。そして更には、スペーサエキスパンダ11の複数の積み重ねに際し、内周側の波形同士が当接される形状でさえあればよい。
【0028】
次に、以上の実施の形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(1)両端が開放された円環状の形状を有するオイルリング用スペーサエキスパンダを拡径した状態で円筒状のマガジンに複数積み重ねて装着し、これを当該スペーサエキスパンダの幅分ずつ一方向にシフトして該マガジンの一方端から外すことにより、同マガジンの一方端に対応して配置したピストンのオイルリング溝に前記スペーサエキスパンダをその自らの弾性力に基づき組み付けるオイルリング用スペーサエキスパンダの組み付け方法において、前記スペーサエキスパンダとして、その内周面及び外周面が共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形が外周側の波形よりも大きな波高値を有し、前記複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接されるスペーサエキスパンダを用いることを特徴とするオイルリング用スペーサエキスパンダの組み付け方法。
【0029】
同組み付け方法によれば、スペーサエキスパンダとして、その内周面及び外周面が共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形が外周側の波形よりも大きな波高値を有し、前記複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接されるスペーサエキスパンダを用いることにより、同組み付け作業は、隣り合うスペーサエキスパンダの内周側の波形同士が互いに分離するだけの極めて短い干渉期間をもって実質的に完了する。このため、スペーサエキスパンダの切り出しを円滑、且つ確実に行って、その不良等の発生を好適に防止することができる。そしてこのような切り出し不良に伴う組付機の一時停止等も解消でき、同組み付けに係る作業性を大幅に向上することができる。
【0030】
(2)両端が開放された円環状の形状を有するオイルリング用スペーサエキスパンダを拡径した状態で円筒状のマガジンに複数積み重ねて装着し、これを当該スペーサエキスパンダの幅分ずつ一方向にシフトして該マガジンの一方端から外すことにより、同マガジンの一方端に対応して配置したピストンのオイルリング溝に前記スペーサエキスパンダをその自らの弾性力に基づき組み付けるオイルリング用スペーサエキスパンダの組み付け装置において、前記スペーサエキスパンダとして、その内周面及び外周面が共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形が外周側の波形よりも大きな波高値を有し、前記複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接されるスペーサエキスパンダを用いることを特徴とするオイルリング用スペーサエキスパンダの組み付け装置。
【0031】
同組み付け装置によれば、スペーサエキスパンダとして、その内周面及び外周面が共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形が外周側の波形よりも大きな波高値を有し、前記複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接されるスペーサエキスパンダを用いることにより、同組み付け作業は、隣り合うスペーサエキスパンダの内周側の波形同士が互いに分離するだけの極めて短い干渉期間をもって実質的に完了する。このため、スペーサエキスパンダの切り出しを円滑、且つ確実に行って、その不良等の発生を好適に防止することができる。そしてこのような切り出し不良に伴う組付機の一時停止等も解消でき、同組み付けに係る作業性を大幅に向上することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明では、ピストンのオイルリング溝に組み付けられるスペーサエキスパンダの切り出しを円滑、且つ確実に行って、その不良等の発生を好適に防止することができる。そしてこのような切り出し不良に伴う組付機の一時停止等も解消でき、同組み付けに係る作業性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスペーサエキスパンダの一実施の形態が適用されるピストンを示す側面図。
【図2】同実施の形態のスペーサエキスパンダを示す平面図。
【図3】同実施の形態のスペーサエキスパンダを示す部分側面図。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図。
【図5】同実施の形態のスペーサエキスパンダを重ねた状態を示す部分側面図。
【図6】従来のスペーサエキスパンダの一例を示す平面図。
【図7】従来のスペーサエキスパンダの他の例を示す平面図。
【図8】図7に示した従来のスペーサエキスパンダの側面形状を示す部分側面図。
【図9】同スペーサエキスパンダの組み付け態様を示す部分断面図。
【図10】同スペーサエキスパンダを重ねた状態を示す部分側面図。
【符号の説明】
1…ピストン、2…オイルリング溝、5…オイルリング、11…スペーサエキスパンダ、11a…内周面、11b…外周面、11c…開口部、12…外周側の波形、12a,13a…端部、13…内周側の波形、32…組付機マガジン。

Claims (3)

  1. 両端が開放された円環状の形状を有し、拡径された状態で円筒状のマガジンに複数積み重ねられて装着されたものがその幅分ずつ一方向にシフトされて同マガジンの一方端から外されることにより自らの弾性力によってその内側への付勢を受け、ピストンのオイルリング溝に組み付けられるオイルリングのスペーサエキスパンダであって、
    その内周面及び外周面は共に円環の軸方向に変位する波形に形成されるとともに、内周側の波形は外周側の波形よりも大きな波高値を有し、前記複数の積み重ねに際してはこの内周側の波形同士が当接される
    ことを特徴とするオイルリングのスペーサエキスパンダ。
  2. 前記内周側の波形の両側端部は前記外周側の波形の両側端部よりも外側に突き出てなる
    請求項1記載のオイルリングのスペーサエキスパンダ。
  3. 前記内周側の波形の変位の基準位置における該内周側の波形の接線が前記円環の軸方向の直線に対して形成する角度は、前記外周側の波形の同変位の基準位置における該外周側の波形の接線が同円環の軸方向の直線に対して形成する角度よりも小さい
    請求項2記載のオイルリングのスペーサエキスパンダ。
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