JP3626799B2 - フラットケーブルの結束具 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、フラットケーブルの結束具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械等の機器の配線には、従来はワイヤケーブルを用い、これらを結束して用いていたが、最近の機器の配線には、配線材としてフラットケーブルが多く用いられようになってきている。例えば工作機械の電装ボックスのように、内部に多数のフラットケーブルによって配線する場合には、これらのフラットケーブルが乱雑にならないように結束具を用いて結束し、電装ボックス等の壁部に固定している。
【0003】
従来技術におけるように、ワイヤケーブルによって配線する場合には、多数のワイヤケーブルを結束バンドで結束したり(例えば実公昭45−23091号公報)、閉鎖状の保持部とこれと一体に形成されたアンカー部とからなる差し込み保持具を用い、保持部内に多数のワイヤケーブルを結束し、アンカー部を保持孔に容易に外れないように差し込んで保持するようにしたもの(実公昭53−10560号公報)など種々の手段が講じられていた。
【0004】
しかし、フラットケーブルの結束に関してはワイヤケーブルとは断面形状が異なり、多数のフラットケーブルを結束する場合には多数枚を積層して結束しなければならないので、保持部の断面形状を長方形としたものが用いられている。現在採用されているフラットケーブルの結束具としては、図5に示すように、複数のフラットケーブルを積層状に結束するようにしたものがある。すなわち、長方形の支持板21の片側に保持部材22を立設し、その先端部にヒンジ23を介して固定板24を揺動自在に設け、固定板の反対側を立ち曲げて、その先端部に係合爪部24aを設けてある。そして、この係合爪部24aを支持板21の反対側に設けた係合片25に係合させるようにしてある。係合爪部24aと係合片25との着脱は容易であり、内部にフラットケーブルCを積層した後に、固定板24を閉じて係合爪部と係合片とを係合することによって固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術では、多数のフラットケーブルを積層した状態で結束し、かつ固定してあるので、ある特定のフラットケーブルを修理・交換などのために取り外す際には、全体のフラットケーブルを取り外さなければならないため、フラットケーブルの保守が煩鎖となる問題がある。そこで本発明の目的は、結束された多数のフラットケーブルから任意のフラットケーブルを容易に取り出せるようにすることにより、フラットケーブルの修理・交換等の保守作業を容易にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るフラットケーブルの結束具は、弾性を有する板材を蛇腹状に折り曲げて形成してあるセパレータの互いに対向する各挾持板部間に結束対象となる個々のフラットケーブルをそれぞれ挿脱可能にしたところに特徴を有する。このセパレータによってフラットケーブルを個別に挾持して固定することによりフラットケーブルの修理・交換等の保守作業が容易化する。フラットケーブルを挾持したセパレータは、互いに対向して立接する係止部間にセパレータを載置する支持板と、コ字状に形成され、上記フラットケーブルを挾持した上記セパレータを取り囲むように支持板の係止部に着脱可能に係合し、セパレータを支持板との間に圧縮状態で収納する固定板とによって結束してフラットケーブルを結束している。支持板は壁面等に当接した状態に固定ねじまたは粘着テープで固着可能である。上記した支持板には、好ましくは、平面形状がコ字状の凹部側が対向するように形成され、この内側にセパレータを折り畳んだ状態で収納してセパレータの位置ずれを規制する規制部が設けてある。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本発明に係るフラットケーブルの結束具Kは、基板となる支持板1と複数のフラットケーブルCを分離状態で挾持するセパレータ2及びこれらのフラットケーブルを結束して固定する固定板3とからなる。
【0008】
支持板1は、プラスチック成形品からなり、結束すべきフラットケーブルの幅に対応した長さと、これらのフラットケーブルを結束するのに必要な強度を有するようにするために十分な幅を有する(図2参照)。支持板1の両端部近傍には、結束具Kを壁等にねじ止め固定するための固着手段としての1例である固定ねじが貫通可能な透孔4,4が設けてある。
【0009】
各透孔4,4の内方には、平面形状がコ字状に形成された係止部(規制部)5,5が立設してある。係止部5,5はセパレータ2が位置ずれしないようにセパレータの移動を規制するもので、コの字の凹部側が対向するように位置し、その内側にセパレータを折り畳んだ状態で収納可能である。係止部5,5の腹部の中央部にはそれぞれ固定板3を係止する係止爪6,6が設けてある。
【0010】
支持板1の下面には、結束具Kを壁面等に固着するための固着手段である粘着テープ7が貼付してある。粘着テープ7は、離型紙7aを剥して支持板の下面を当接するだけで容易に壁面等に固着可能である。
【0011】
セパレータ2は、マイラーまたはポリエチレンなどの弾性を有する帯状のプラスチック材からなる。このプラスチック材の中間位置を複数個所で等間隔に折り曲げ可能とし、交互に積層可能な蛇腹状に形成し、弾性力によって各折り目が開くようにしたものからなる。各折り目間に位置する挾持板部2aの数は、結束すべきフラットケーブルの数に対応したものとすればよく、例えば4枚,8枚などとする。また、長さは、係止部5,5の脚部間の距離wよりも大きくしてあり、幅は脚部の内側の間隔dよりも小さくしてある。
【0012】
セパレータ2の各挾持板部2aの各側部は、各折り目によって折り曲げ自在に連続し、各反対側は開口部となっている。この開口部からフラットケーブルCを挿置することによりこれを挾持可能である。従ってフラットケーブルの幅はこれよりも小となる。
【0013】
固定板3は、りん青銅板またはステンレス板など弾性を備えた金属薄板を実質的にコ字状に形成したものからなる。コ字状となっている固定板の両脚片3a,3aの間隔Wは、係止部の対向間隔よりもやや大きくしてある。各脚片3aの中程には、外側へ鉤状に屈折してなる係合部3b,3bが形成してある。固定板3の横幅は、支持板の係止部5の両脚部5a,5a間の間隔dよりもわずかに小さくしてあり、固定板を上から被せるように係合させ、これらの係止部の内側に挿脱可能である。
【0014】
なお、セパレータ2の平面の形状は、フラットケーブルCに対する直交方向の大きさが、固定板3の両脚片間の間隔dよりも小さくかつ、対向する係止部5,5の両脚部の先端間の距離wよりも大きいことが必要である。また、フラットケーブルCの長手方向の幅は、係止部4の両脚部間の間隔dよりも小さいことが必要である(図2参照)。
【0015】
フラットケーブルCの結束は、図1(a)に示すように、セパレータ2の各挾持板部2a…間にフラットケーブルを挿入し、セパレータに複数のフラットケーブルを挾持した状態で、下端面から順に支持板の係止部5,5間に載置してゆく。次に固定板3をこれらのフラットケーブルCを挾持したセパレータ2を取り囲むようにしてこれを係止部5,5内に係合させる。固定板3が押し込まれると、係止爪6と係合部3bとが係合して離脱不能となり、複数のフラットケーブルCは、セパレータ2によって個別に分離された状態で圧縮されて固定される(図1(b)参照)。
【0016】
図3は、本発明に係る結束具Kを用いて複数のフラットケーブルCを壁部等に固着した状態を示している。結束具Kは固着手段である固定ねじ8によってねじ止め固定されており、積層されたフラットケーブルのうちのどれかを分岐する場合には、その途中を適宜に折り曲げて分岐固定される。
【0017】
フラットケーブルの結束を解く場合には、両脚片3a,3aを内側に押し込み、係合片3b,3bと係止部6,6との係合を外すと、支持板1と固定板3とが分離する。これにより両者間に圧縮状態で収納されていたセパレータ2が浮上し、挾持板部間に挾持されていたフラットケーブルCを個々に取り外し可能である。ここで特定のフラットケーブルを取り外して修理または交換などを行い、再び元の場所に戻して、固定板3を支持板1に固定する。
【0018】
図4は、他の実施形態における固定板を示している。図示するように、固定板13の両脚片13a,13aにはそれぞれ係合部13bが形成してある点では同一であるが、これに加えて、両脚片13aの両側部のそれぞれに支持板に対する横方向へのずれを防ぐためのストッパ部13c,13cが設けてある。固定板13を支持板1に取付け可能とするには、係止部5にストッパ部13c,13c間の間隔に対応する溝部(図示せず)が形成されるか、または係止部5がストッパ部13c,13c間の間隔に対応する横幅を有する単純な直線的壁形状に変更される。
【0019】
また、両脚片13a,13a間を連絡している腹部13dの両側部には、それぞれ立ち曲げ部13eが形成してあり、フラットケーブルを結束したときの最上位の挾持板部を係止可能にしてある。
【0020】
上記した実施形態においては、セパレータ2としてプラスチック材を採用してあるが、これをステンレス板やりん青銅板などの弾性を備えた金属板に置き換えてもよい。また、係止部6には爪部が1段だけ設けてあるが、これを複数段とすることによって結束可能なフラットケーブルの数の範囲を大きくすることも可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のフラットケーブルの一部をセパレータの挾持板部の間に挿脱可能な状態に挾持して、支持板と固定板とによって結束するものであるので、修理または交換などのために個々のフラットケーブルを取り出すことが可能になり、フラットケーブルのメンテナンスが容易になる。
【0022】
また、固定板または支持板にセパレータの位置ずれを規制する規制部が設けてあるので,フラットケーブルを挾持したセパレータが位置ずれを起こすことがないので、常に整然としたフラットケーブルの結束状態を維持可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図であり、(a)は結束前の状態を示し、(b)は結束した状態を示している。
【図2】本発明の一実施形態における固定板の平面図である。
【図3】本発明に係る結束具を用いて複数のフラットケーブルを結束して壁等に固定した状態を示す正面図である。
【図4】他の実施形態における固定板を示す斜視図である。
【図5】従来技術における結束具の説明図である。
【符号の説明】
C フラットケーブル
K 結束具
1 支持板
2 セパレータ
2a 挾持板部
3,13 固定板
4,7 固着手段
5 規制部
Claims (2)
- 弾性を有する板材を蛇腹状に折り曲げて形成してあり、互いに対向する各挾持板部間に結束対象となるフラットケーブルをそれぞれ挿脱可能なセパレータと、
下面を壁面等に当接した状態に固定ねじまたは粘着テープで固着され、上面に互いに対向して立接する係止部間に上記セパレータを載置する支持板と、
コ字状に形成され、上記フラットケーブルを挾持した上記セパレータを取り囲むように上記支持板の上記係止部に着脱可能に係合し、上記セパレータを上記支持板との間に圧縮状態で収納する固定板とを有する
ことを特徴とするフラットケーブルの結束具。 - 請求項1において、上記支持板には、平面形状がコ字状の凹部側が対向するように形成され、当該対向する凹部の内側に上記セパレータを折り畳んだ状態で収納して上記セパレータの位置ずれを規制する規制部が設けてあることを特徴とするフラットケーブルの結束具。
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JPH09112744A JPH09112744A (ja) | 1997-05-02 |
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Family Applications (1)
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1995
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