JP3621096B2 - 予備成形パネルより形成されたパネル熱交換器 - Google Patents
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Description
熱可塑性ポリマーより形成されたパネル熱交換器及びかかる熱交換器の製造方法は公知である。例えば、熱可塑性ポリマーより形成された多くの熱交換器及びその製造方法が、エー・ジェー・セサロニの1991年2月21日付けPCT特許出願WO91/02209、及びここに引用された公告特許明細書において明らかにされる。管式の熱交換器もまた1990年5月8日付け米国特許4923004においてイー・エル・フレッチャー及びティー・エッチ・コーにより説明される。構造の好ましい材料は脂肪族ポリアミドである。
熱可塑性ポリマーより形成されたパネル熱交換器は上述の公告文書に説明された技術により作られてきたが、パネル熱交換器の製造及び使用に更なる融通性と経済性とを加えるため、構造及び製造方法の改良が有益である。
今日では、管とマニホルドとを有する予備成形されたパネルより形成されたパネル熱交換器が見いだされている。
従って、本発明は、パネル熱交換器用のパネルであって:
単一の層内にあってかつ横並びで間隔を空けられた複数の管;及び第1と第2のマニホルドであって、前記マニホルドの各が連続した周囲壁を有する板状のものでありかつ前記板状体の少なくも一方の面が平面であり、前記第1と第2のマニホルドの各の前記平面の少なくも一方が開口し更に前記壁の一部分が板状体の面内でこれを貫通する複数の通路を有する前記第1と第2のマニホルドを備え、
前記第1と第2のマニホルドの開口面の間を管により連通するように前記複数の管の各がその両側の端部において前記第1と第2のマニホルドの通路に接合され;
前記マニホルドは、これを同様なマニホルドに面と面とを合わせて接合することができ、マニホルドの周囲壁は接合面において管の平面と同一面にありそして前記マニホルドは少なくも前記接合されている面において開口しているパネルである。
本発明のパネルの好ましい実施例では、通路は平行であり更に管は好ましくは平行である。
別の実施例においては、管の直径は一平面内にある。
更に別の実施例では、管が直線である。
更に、本発明は、
積層状に重ねられた関係で一緒に接合された少なくも2個のパネルを備え、各パネルが単一の層内の複数の管と第1、第2のマニホルドとを備え、前記管は横並びで間隔を空けられ更に前記マニホルドの各は連続した周囲壁を有する板状のものでありかつ前記板状体の少なくも一方の面が平面であり、前記第1と第2のマニホルドの各の前記平面の少なくも一方が開口し更に前記壁の一部分が板状体の面内でこれを貫通する複数の通路を有する前記第1と第2のマニホルドを備え、
前記第1と第2のマニホルドの開口面の間を管により連通するように前記複数の管の各がその両側の端部において前記第1と第2のマニホルドの通路に接合され;
一方のパネルの前記マニホルドが面と面とを合わせかつ水密状態にある第2のパネルのマニホルドに接合され、マニホルドの前記周囲壁は接合面において管の平面と同一面にあり更に前記マニホルドは少なくも前記接合面において開口している
パネル熱交換器を提供する。
本発明はパネル熱交換器用のパネルに関する。パネル熱交換器は、複数のかかるパネルを層状に一緒に接合することによりパネルから形成される。本発明は特に図面を参照し説明されるであろう。図面において、
図1はパネルの面の図式的描写であり;
図2及び3はパネルのマニホルドの図式的描写であり;
図4及び5はパネルのマニホルドの別の実施例の図式的描写であり;そして、
図6はパネル熱交換器を形成している層状配列の複数のパネルの図式的描写である。
ここでは、第1と第2のマニホルド及び入り口と出口のマニホルドを参照する。多くの場合、かかる表現は、図2に示された形式の実施例に関するものを除いて同義である。
図1を参照すれば、(一般に11で示された)パネルは、入り口マニホルド12、出口マニホルド13及び複数の管14より形成されたとして示される。入り口マニホルド12と出口マニホルド13との間に管14が置かれ、これらの管は互いに平行で間隔を空けて横並び状態にある。複数の管14は図2−6に容易に見られるように同一平面内にある。入り口マニホルド12と出口マニホルド13の各は、各マニホルドの周囲を形成している壁15によって形成されたとして示される。この壁のない場合は各マニホルドは開かれる。示された実施例は一方の端部の入り口マニホルド及び他方の端部の出口マニホルドを有するが、パネルの他方の端部のマニホルド又は室を流体の流れの反転用として、図2に示されたように入り口と出口のマニホルドを同じ端部にあるようにすることができる。即ち、管の幾つかを一方の方向の流れに使用し、残りの管を別の方向の流れに使用する。この実施例の場合は、パネルは、一方の端部には図2のマニホルドを、他方の端部には図3のマニホルドを持つであろう。
図2は、第1のマニホルド22と第2のマニホルド23とを有するパネル端部21を示す。第1のマニホルド22は隔壁24により第2のマニホルド23から分離される。管25は、通路26を経て第1のマニホルド22と連通する。同様に管27は、通路28を経て第2のマニホルド23と連通する。
図3は、マニホルドがただ1個だけであることを除いて図2と同様である。即ち、図2の隔壁24がなくされている。図3はマニホルド32を有するパネル端部31を示す。管33は通路34を経てマニホルド32と連通する。
図4は、図2に示されたパネル端部21と類似設計の端部部分41を示す。しかし、パネル端部21を形成するためには、向かい合った2個の端部部分41が必要である。図4は、第1のマニホルド42と第2のマニホルド43とを有する端部部分41を示す。第1のマニホルド42は、隔壁44により第2のマニホルド43から分離される。端部部分41は、図2の管25と27の位置に相当した位置に溝45と46を持つ。溝45と46とは円形断面のものであり、かつ管25と27を受け入れる寸法のものである。
図5は、図4の線A−Aに沿った端部部分41の断面図である。端部部分部材51は、実質的に半円形断面であって管を受け入れるようにされた溝52を有するとして示される。
図6は、入り口62と出口63とを有するパネル熱交換器61を示す。入り口62と出口63とは複数のパネル64により一緒に連結される。パネル64の各は、複数の管65が入り口62から出口63に延びている上述の構造のものである。出口63は、管65の通路66を示すために部分的に切り取られて示される。入り口62と出口63とは、特に図2及び3において先に説明された形式のマニホルドを面と面とを合わせて一緒に連結することにより形成される。
管は真っすぐでかつ互いに平行であるとして図面に示されるが、これは好ましい実施例であること及び管の横並びの別の配置を使用し得ることを理解すべきである。例えば、管を非直線、即ち湾曲又はループ状又はその他の便宜な形状とすることができる。
ここに説明されたパネルを製造するために多くの製造技術を使用することができる。管はその各端部においてマニホルドに接合される。マニホルドは、中に管を差し込み接合することができる通路のある壁を有することを特徴とすることができる。或いは、図4に示された形式の端部部分を使用し、管の端部を溝内に置き;次にマニホルドを完成するために管の上に第2の端部部分を置き、接合を行いマニホルドを形成するためにプレス内で加熱するようにすることができる。
マニホルドのデザインは、熱交換器の構造及び熱交換器を通る流れの希望のパターンに応じて選定される。例えば、流れのパターンを一方の端部から他方の端部に直行させる場合は、図3に示された形式のマニホルドを2個、一方を入り口マニホルドとし他方を出口マニホルドとして使用する。或いは、図2に示された形式のマニホルドを一方の端部に使用し、図3に示された形式のマニホルドを他方の端部に使用することができる。運転の際は、流体は、入り口マニホルド22から管25を通ってマニホルド32に流れ、更に管27を通って出口マニホルド28に戻る。この後者の運転モードにおいては、入り口及び出口のマニホルドはパネルの同じ端部にあり、パネルの反対側の端部のマニホルドは単にパネルを通る流れの方向を反転させるだけである。マニホルドは少なくも1面で開口されることが必要であるが、マニホルドのその他の面を覆うようにシムを使用し、これにより、流体の経路の拘束によりパネル熱交換器内の流体の滞留時間を希望の如く維持するように、流れのパターンを変え得ることが理解されるであろう。
パネル熱交換器は、選択的にシムを含んだ所望の形状に必要な数のパネルを取り上げ、両方のマニホルドが共同作用して水密の入り口及び出口を形成するように面と面とを合わせてパネルを置くことにより形成される。次いで、マニホルド部分が、パネル、特にマニホルドの製造に使用されたポリマーに応じて、熱及び/又は接着剤を使用して互いに接合される。流体が熱交換器に入りこれを通過して出ることができるように、入り口及び出口には適切な連結具が必要である。
運転の際は、流体は入り口、例えば入り口62に入り、管(65)を通り出口63に至るであろう。パネル熱交換器は、通常は、パネル熱交換器の作動の効率及び効果を上げるために、流体がパネル熱交換器の一方の側から他方の側に、例えばジグザグ状に数回通過するような構成のマニホルドを有するであろう。
具体化の際、隣接し重ねられたパネルの管の中心は整列されず、例えば直径の半分だけ食い違いにされる。管のこのような食い違いは熱交換の効率化に有利であると考えられる。
シートは、これを種々の組成のポリマーより形成することができる。選定される組成は、主として熱交換器に対して意図された最終用途及び特に使用温度及び熱交換器を通る流体と熱交換器外部の流体、例えば空気を含んだ使用環境に依存するであろう。自動車用の場合は、流体は時には塩分又はその他の腐食性物質又は研磨性物質を含んだ空気であり、また流体は液体、例えばラジエーター液であり得る。管とマニホルドの双方に対して同じ又は類似のポリマー組成物を使うことが好ましいが、管とマニホルドとを異なったポリマーより作ることができる。必要なことは容認し得る接合を達し得ることである。
好ましい構造のポリマーはポリアミドである。ポリアミドの例は、6−12の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸と6−12の炭素原子を有する脂肪族第一級ジアミンとの縮合重合により形成されたポリアミドである。或いは、ポリアミドは、6−12の炭素原子を有する脂肪族ラクタム又はα,ω−アミノカルボン酸の縮合重合により形成することができる。更に、ポリアミドは、かかるジカルボン酸、ジアミン、ラクタム及びアミノカルボン酸の混合物の共重合により形成することができる。ジカルボン酸の例は、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7−ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8−オクタン二酸(スベリン酸)、1,9−ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10−デカン二酸(セバシン酸)及び1,12−ドデカン二酸である。ジアミンの例は、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン及び1,12−ドデカメチレンジアミンである。ラクタムの例はカプロラクタムである。α,ω−アミノカルボン酸の例は、アミノオクタン酸、アミノデカン酸及びアミノドデカン酸である。ポリアミドの好ましい例は、ポリヘキサメチレンアジポアミド及びポリカプロラクタムであり、これらはそれぞれナイロン66及びナイロン6としても知られる。
本発明のパネル及びシートは、特に、それらの製造に使用されるポリマーとしてポリアミドの使用を参照して説明された。しかし、その他のポリマーを使用し得ることを理解すべきであり、考察すべき主な要点は、パネル熱交換器の使用環境、例えばパネル熱交換器を通過する流体の特性、使用温度と圧力及び同等事項である。使用し得るその他の熱可塑性ポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロカーボンポリマー、ポリエステル、熱可塑性及び熱硬化性エラストマー、例えばポリエーテルエステルエラストマー、ネオプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、並びにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)エラストマー、ポリ塩化ビニル及びポリウレタンである。管はプラスチック管が好ましいが金属管とすることができることを理解すべきである。
本発明の好ましい実施例においては、パネルの製造に使用される管の厚さは0.7mm以下、特に0.07−0.50mmの範囲、特別には0.12−0.30mmである。
パネル熱交換器の製造に使用されるポリマーの組成は、安定剤、顔料、ガラス繊維を含んだ充填剤、及び本技術の熟練者に受け入れられるであろう類似品を含むことができる。
管及びマニホルドのポリマー成分は、パネル熱交換器の使用目的に応じて同一又は異なったものとすることができる。熱交換器からの流体の漏洩防止のため、パネル熱交換器の総てのシールは水密シールであることが必要である。
このパネル熱交換器及び製造工程が、熱交換器の融通性がありかつ比較的単純な製造技術を提供する。単純な型及び製造技術を使用することができる。パネル熱交換器は、予備成形されかつ在庫があり入手容易である。パネルの適切な選定により異なった形状のパネル組合せを使用でき、複数の流れのパターンが可能となる。
熱交換器を製造するポリマー及び熱交換器の意図された使用環境に応じて、熱交換器を種々の最終用途に使用できる。ある実施例では、パネル熱交換器は、これを自動車用の最終用途、例えば水及び潤滑油の冷却システムに使用することができる。別の実施例では、海上を航行する船舶を含んだ海事用の最終用途に使用できる。パネル熱交換器は、これを需要の少ない最終用途、例えば冷凍、及び部屋、床及び同等品を含んだ空調用熱交換器、並びに家庭用にも使用することができる。
本発明は以下の例により説明される。
例1
本発明の実例として、図6を参照して説明された形式のパネル熱交換器がポリヘキサメチレンアジポアミド組成より製造された。マニホルドは図2に示された形状のものである。各パネルは、10本の管及び入り口と出口のマニホルドより構成される。パネル熱交換器は6個のパネルを持つ。管は壁厚が0.36mmで外形が4.3mmであり、ポリヘキサメチレンアジポアミド組成の押出しにより形成された。
パネルは、エー・ジェー・セサロニの1988年10月19日付け、欧州特許出願287271に説明された形式の接着剤を使用して管をマニホルドの通路内に接合することにより形成された。接合を行うために熱が加えられた。同じ技術を使用してパネルよりパネル熱交換器が形成された。
出来上がったパネル熱交換器が試験され、水密であることが見いだされた。
Claims (1)
- 単一の層内にあってかつ横並びで配置された複数の管(14,25,27,33)、及び
第1と第2のマニホルド(12,13)を具備し、
該マニホルドの各々が、室を取り囲む連続した周囲壁(15)を有する板の形状を有し、該板の少なくも一方の面が平面であり、該第1と第2のマニホルドの各々の該平面の少なくも1つが開口しており、
該管が、両端において、該第1及び第2のマニホルドに取り付けられていて、該第1及び第2のマニホルドの開口面の間の該管及び該マニホルドの室を介する流体流れ連通を提供し、
該マニホルドが、同様なマニホルドに面と面とを合わせて取り付けることができ、接合面において該マニホルドの該周囲壁が該管の平面と同一面にあり、該マニホルドは少なくも該接合面において開口しており、
該管及び該マニホルドが、熱可塑性ポリマから製造されているパネル熱交換器用のパネルにおいて、
該管(14,25,27,33)が、間隔を置いて配置されており、
複数の通路(26,28,34)が、該壁の区分を介して設けられており、該管の各々が、分離した通路に接合されており、
該管が、該第1のマニホルド及び該第2のマニホルドに接合によって、取り付けられており、
該マニホルドが、同様なマニホルドに接合によって取り付けることができることを特徴とするパネル熱交換器用のパネル。
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