JP3620884B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は画像処理装置に関するものであり、特に、輪郭線全体の長さの半分を超える部分が互に直角または平行な直線により構成される対象物を画像処理する装置の処理精度あるいは処理速度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像処理対象物には、外形が直線のみにより規定されるものや、直線および曲線により規定されるもの等、種々のものがある。プリント基板等の装着対象材に装着される電子部品はその例である。電子部品の中には、リードを有さない角形チップ,コンデンサ等、全体の外形が概して四角形を成すものや、直方体状の半導体チップの2辺あるいは4辺からそれぞれリードが突出させられたフラットパッケージ型の電子部品のリードのように、電子部品の一部である画像処理対象物が概して四角形を成すものがある。
ここにおいて、「概して四角形」なる用語は、長方形や正方形のように、互いに平行な2本の直線と、それら平行直線と直交する2本の直線とによって規定され、4個の角がいずれも尖っているものは勿論、長方形や正方形の4個の角部に丸みが付けられたり面取りが施されたものや、各辺が概して直線を成すが一部に凹凸を有するものなどをも含む用語として使用する。なお、上記リードの像は、互いに平行な2側縁とそれらに直角な先端縁とを有するが、基端側の縁は必ずしも明瞭な直線とはならないことが多い。しかし、リードの輪郭を特定する場合に、基端側の縁の重要度は低く、このような場合には概して四角形と見なして差し支えない。
【0003】
電子部品の装着対象物への装着時には、電子部品供給装置により供給される電子部品は吸着ノズル等の部品保持具によって保持された後、撮像装置により撮像される。そして、撮像により得られた画像データに基づいて、電子部品の中心の位置ずれ(位置誤差)および電子部品の中心まわりの回転位置ずれ(角度誤差)が算出され、それら誤差が修正されて装着対象材に装着される。また、電子部品の形状,寸法を求めて、電子部品が装着すべき電子部品であるか否かが判定される場合もある。これら電子部品の位置誤差および角度誤差,形状,寸法等は、多くの場合、電子部品の輪郭に基づいて取得される。
【0004】
電子部品装着装置の画像処理装置においては一般に、撮像装置として固体イメージセンサが使用され、多くの場合、電子部品の投影像が取得される。例えば、電子部品を間に挟んで発光器,反射板等の投光体とCCD(チャージ カップルド デバイス)カメラが配置され、CCDカメラの撮像面に配列された多数の感光素子のうち電子部品に対応する感光素子への光の入射量が少なく、背景に対応する感光素子への光の入射量が多く、電荷量に差が生ずることを利用して投影像が取得されるのである。多数の感光素子から転送される電荷量に応じた電気信号をしきい値と比較し、2値化データを作成すれば、電子部品に対応する画素の画像データは0、背景に対応する画素の画像データは1になる。1個の感光素子が撮像面の1画素を構成するのである。
したがって、画像データが0である画素の集合のうちの、最も外側の画素の集合が電子部品の輪郭を表すことになる。これら画素の予め定められた点(通常は中心点であるため、以下中心点として説明する)を輪郭点、輪郭点を結ぶ線を輪郭線と称することとする。ただし、輪郭を特定するために、すべての輪郭点を特定することは不可欠ではなく、例えば、画像面上にX軸およびY軸にそれぞれ平行な複数本ずつの走査線を設定し、それら走査線上における輪郭点の集合により輪郭を特定することも可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像処理装置においては、電子部品の輪郭を特定できないか、誤った特定が行われてしまうことがあり、あるいは特定に長時間を要する問題があった。また、画像処理対象物の輪郭から角度誤差、すなわち傾斜角度を取得すれば、取得に時間がかかる問題があった。
例えば、電子部品を保持した吸着ノズルの一部が電子部品の輪郭からはみ出せば、吸着ノズルの電子部品からはみ出した部分の輪郭が電子部品の輪郭として検出されてしまい、電子部品の正確な輪郭が得られない。吸着ノズルの電子部品からのはみ出しによるノイズデータを含んだままで画像データを処理すれば、画像処理対象物の輪郭検出精度が低下することを避け得ない。
【0006】
ノイズデータを除去することが可能な場合もあるが、この場合には処理時間が長くなることを避け得ない。例えば、輪郭線上の複数の輪郭点を検出して輪郭を特定する場合、検出した複数の輪郭点(輪郭を規定する画素の中心点)の組合わせと吸着ノズルの半径とに基づいて、輪郭点の中から部品吸着ノズルのはみ出しにより得られた輪郭点を排除すれば、電子部品の輪郭検出精度を向上させることができる。互いに隣接する3個以上の輪郭点を1組とし、その組に属する輪郭点の組合わせを順次変えつつ、それら輪郭点が吸着ノズルの輪郭の円弧と同じ半径の円弧上に位置するか否かを判定し、判定の結果が肯定である輪郭点の組を排除するのであるが、輪郭点の組合わせ数が多く、処理に時間がかかる。その上、吸着ノズル以外の物の像が影響して輪郭検出精度が低下することを回避することができない。
【0007】
また、撮像装置の撮像面やレンズに埃等が付着し、その影響で誤った画像データが作成され、電子部品の輪郭が正確に特定されないこともある。
さらに、電子部品自体に何らかの欠陥があるが、その欠陥は無視し、欠陥がない部分の輪郭のみに基づいて電子部品の位置等を特定したい場合もあるが、この場合にも欠陥の影響で位置検出精度等が低下することを避け得ない。
以上は、電子部品の輪郭の特定を例として説明したが、撮像対象物が何であり、撮像装置や撮像方法がいかなるものであっても同様の問題が存在する。
そこで、請求項1の発明は、輪郭線全体の長さの半分を超える部分が互いに直角または平行な直線により構成される画像処理対象物について得られた画像データにノイズデータが混入しても、画像処理対象物の傾斜角度を正確にかつ迅速に決定することができる画像処理装置を得ることを課題として為されたものであり、請求項2および3の各発明はそれぞれ、外形が、互いに平行な2本の直線と、それら平行直線に対して直角な少なくとも1本の直線とを含み、概して四角形を成す画像処理対象物について得られた画像データにノイズデータが混入しても、画像処理対象物の輪郭を正確にかつ迅速に特定することができる画像処理装置を得ることを課題として為されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る画像処理装置は、上記の課題を解決するために、(A)多数の画素により構成される撮像面を有し、前記画像処理対象物を撮像して各画素の入光量に対応した階調値を画像データとして取得する撮像装置と、(B)前記多数の画素の各々について取得された前記階調値に基づいて、階調値が前記画像処理対象物の像と背景の像との境界線を検出するための境界線検出用階調値に等しい多数の境界点の位置を補間演算する境界点位置決定手段と、(C)その境界点位置決定手段により決定された多数の境界点の互いに隣接するものを結ぶ線分である多数の境界線分の傾斜角度を求め、それら傾斜角度の分布から前記画像処理対象物の前記撮像面の座標軸に対する傾斜角度を決定する傾斜角度決定手段とを含むように構成される。
【0009】
請求項2の発明に係る画像処理装置は、請求項1の発明に係る画像処理装置と同様な(A)撮像装置,(B)境界点位置決定手段および(C)傾斜角度決定手段と、(D)その傾斜角度決定手段により決定された傾斜角度に基づいて画像処理対象物の輪郭を規定する輪郭規定要素を決定する輪郭規定要素決定手段とを含むように構成される。
【0010】
【作用】
請求項1の発明に係る画像処理装置においてはまず、撮像装置によって、画像処理対象物を撮像して各画素の入光量に対応した階調値が画像データとして取得される。そして、多数の画素の各々について取得された階調値に基づいて、境界点位置決定手段により、階調値が境界線検出用階調値に等しい多数の境界点の位置が補間演算される。それら補間演算により取得された多数の境界点の互いに隣接するものを結ぶ線分である多数の境界線分の傾斜角度が、傾斜角度決定手段により求められ、それら傾斜角度の分布から画像処理対象物の撮像面の座標軸に対する傾斜角度が決定される。
画像処理対象物の像を構成する画素について得られた階調値と、背景の像を構成する画素について得られた階調値との間には、顕著な大きさの差があり、その差の境界位置が画像処理対象物の境界位置である。この境界位置は、画像処理対象物に属する画素の位置データ(座標値)および階調値と、背景の像を構成する画素の位置データおよび階調値とに基づく補間演算により取得可能である。
階調値は、例えば、各画素における照度を表すものとすることができる。この場合、照度値がしきい照度値である位置が境界位置となる。境界線のデータは、全境界位置を表すデータでもよく、複数の走査線上等、特定の境界位置を表すデータの集合であってもよい。
上記のように、多数の境界線分の傾斜角度の分布から傾斜角度が決定される場合は、境界線データにノイズデータが混入していても支障なく画像処理対象物の傾斜角度が決定される。
画像処理対象物の傾斜は輪郭線の傾斜であり、互いに直角または平行な直線が輪郭線全体の長さの半分を超える画像処理対象物の場合、それら互いに直角または平行な直線が撮像面の座標軸に対して成す傾斜角度を画像処理対象物の傾斜角度とすることができる。互いに直角な2本の直線は、位相を90度異にするが、撮像面の座標軸に対する傾斜角度は同じであり、画像処理対象物の輪郭線全体の長さの半分を超える直線により得られる傾斜角度が画像処理対象物の傾斜角度とされる。
【0011】
なお、ここにおいて「輪郭」とは、撮像される物の外形を規定する外側輪郭であることもあり、撮像される物の外形線の内側に設けられた模様や凹凸等を規定する内側輪郭であることもあり、外側輪郭と内側輪郭との両方であることもある。光源と感光素子とが画像処理対象物を挟んで反対の位置に設けられ、いわゆるバックライトにより画像処理対象物の投影像が取得される場合は外側輪郭が得られる。光源と感光素子とが画像処理対象物に対して同じ側に設けられ、いわゆるフロントライトにより画像処理対象物の正面像が取得される場合は内側輪郭のみ、または内側輪郭と外側輪郭との両方が得られる。
【0012】
請求項2の発明に係る画像処理装置においては、傾斜角度決定手段により決定された傾斜角度に基づいて、輪郭規定要素が決定される。境界点位置決定手段により決定された多数の境界点の位置のデータには、前述のように、吸着ノズルの輪郭等に基づくノイズデータが混入することがあるが、画像処理対象物が概して四角形を成すことを利用すれば、ノイズデータを除去することができる。ただし、画像処理対象物が撮像面の座標軸に対して傾斜していることもあるため、まず、傾斜角度決定手段により、境界線データに基づいて画像処理対象物の傾斜角度が決定され、その上で、輪郭規定要素決定手段により画像処理対象物の輪郭を規定する輪郭規定要素が決定される。「輪郭規定要素」とは、例えば、画像処理対象物の輪郭を規定する複数の直線もしくは複数の頂点、あるいは直線と頂点との組合わせであり、輪郭規定要素の決定前に傾斜角度を決定することは一見不可能なようであるが、画像処理対象物がほぼ四角形であることが予め判っている場合には、後に実施例において説明するように、輪郭規定要素より前に傾斜角度を決定することができるのである。輪郭規定要素が直線である場合には、その直線を表す式やその直線上に位置する複数の点の座標の集合で表され、頂点である場合にはその座標で表される。
【0013】
【発明の効果】
このように請求項1の発明によれば、対象物の撮像により取得された画像データにノイズデータが混入していても、対象物の傾斜角度を正確にかつ迅速に決定することができる。
請求項2の発明によれば、対象物の撮像により取得された画像データにノイズデータが混入していても、輪郭規定要素の決定前に傾斜角度を決定することによって、画像処理対象物の輪郭を正確にかつ迅速に特定することができる。
【0014】
【発明の望ましい実施態様】
以下、本発明の望ましい実施態様を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。
【0015】
(1)前記輪郭規定要素決定手段が、
前記境界点位置決定手段により決定された多数の境界点の集合により構成される境界線に属し、傾斜角度が前記傾斜角度決定手段により決定された傾斜角度とほぼ等しい線分を前記画像処理対象物の輪郭線の構成要素である輪郭候補線分として抽出する輪郭候補線分抽出手段と、
その輪郭候補線分抽出手段により抽出された輪郭候補線分群から、互いに直角であって、端点間の距離が設定値以下である2本の輪郭候補線分を輪郭線分として選出する輪郭線分選出手段と、
その輪郭線分選出手段により選出された輪郭線分の群に基づいて前記輪郭規定要素を決定する手段と
を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置(請求項3)
画像処理対象物の傾斜角度にほぼ等しい角度で傾斜した線分が必ずしも輪郭線分であるとは限らず、輪郭候補線分から輪郭線分が選出される。
(2)さらに、前記輪郭規定要素決定手段により決定された輪郭規定要素と画像処理対象物の寸法データとに基づいて、画像処理対象物が目標とする対象物であるか否かの判定を行う判定手段を含む請求項2または (1) に記載の画像処理装置(請求項4)
(3)前記境界点位置決定手段が、前記撮像面を構成する多数の画素の各々について得られた画像データが表す背景の階調値と、前記画像処理対象物の階調値とに基づいて、前記境界線検出用階調値を算出する境界線検出用階調値決定手段を含む請求項1,2, (1) 項, (2) のいずれかに記載の画像処理装置(請求項5)
撮像装置は、画像処理対象物に光を照射し、画像処理対象物の像を得るのであるが、光源が画像処理対象物の背後から光を照射するバックライトであって撮像面に画像処理対象物の投影像が形成される場合でも、光源が画像処理対象物の正面から光を照射するフロントライトであって、撮像面に画像処理対象物の正面像が形成される場合でも、撮像面を構成する画素のうち、画像処理対象物に対応する画素と背景に対応する画素とでは光の入射量や波長分布等光学的特性が異なり、画像処理対象物に対応する画素の階調値と背景に対応する画素の階調値とが異なる。そのため、境界線検出用階調値を決定し、多数の画素の画像データが表す階調値に基づいて境界点位置を決定することができる。
例えば、実施例の項において述べるように、画像データが照度値(入光量)を表す階調値で作成される場合、しきい照度値を設定して境界線検出用階調値とし、各画素の照度値と座標値とに基づいて照度値がしきい照度値となる点の座標値を補間演算し、得られた座標値で境界点位置を表すことができる。
(4)前記境界点位置決定手段が、中心が前記境界線の両側に位置しかつ互いに隣接する2個の画素の前記階調値に基づいて、それら2個の画素の中心を結ぶ格子線分上において階調値が前記境界線検出用階調値になる境界点の位置を補間演算するものである請求項1,2, (1) 項ないし (3) のいずれかに記載の画像処理装置(請求項6)
【0016】
【実施例】
以下、本発明を電子部品装着装置の画像処理装置に適用した実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に画像処理装置の構成を概略的に示す。10は部品吸着ノズルであり、負圧により電子部品12を吸着する。電子部品12は長方形のものであり、本来は互いに直角な2辺がそれぞれX軸とY軸とに平行な姿勢で吸着ノズル10に吸着されるべきものであるが、誤差として比較的小さい傾斜角度が生ずるものとする。
部品吸着ノズル10には光源としての発光体14が取り付けられており、電子部品12に背後から光を照射する。発光体14はバックライトなのである。発光体14は板状を成し、乳白色の拡散板により覆われた多数の発光ダイオードを備えており、拡散板から下方へ光を放射する。発光体14から照射され、電子部品12の輪郭の外側を通った光はレンズ16により集光され、CCDカメラ18に入光させられる。
【0017】
CCDカメラ18は、図2に示すように、多数の感光素子20が平面状に配列されて成る固体撮像器によって構成された撮像面22を備えており、各感光素子20にはそれぞれ入射した光の量に応じた電荷が蓄積され、電荷量に応じた電気信号である電圧信号が感光素子20毎に出力される。この電圧信号はアナログ信号であり、CCDカメラコントローラ24からデータ処理装置26へ送られて電子部品12のサイズ,中心位置,傾斜角度等が求められる。データ処理装置26は映像信号受信器28を備えており、CCDカメラコントローラ24から出力された電圧信号は映像信号受信器28によって受信された後、画像メモリコントローラ30へ出力され、画像メモリコントローラ30によって画像メモリ32に格納される。
【0018】
画像メモリ32は、各々撮像面22の各画素(固体撮像器の各感光素子)に対応付けられ、各画素のX,Y座標値により指定可能な1バイト(8ビット)ずつの記憶領域を多数有している。各記憶領域には各感光素子20の照度を256階調で表すデータが格納可能とされているのであり、画像メモリコントローラ30は、映像信号受信器28から送られて来た映像信号に基づいて階調データを生成し、画像メモリ32の所定の記憶領域に記憶させる。
【0019】
データ処理装置26は、CPU34を有している。CPU34には、データ処理実行等のためのプログラムを記憶するROMにより構成されるプログラムメモリ36と、RAMにより構成されるワーキングメモリ38とが接続されており、CPU34がデータ処理プログラムに従って電子部品12について取得された画像データを処理することにより、吸着された電子部品12が装着すべき電子部品12であるか否かの判定,電子部品12のサイズ,中心位置,傾斜角度の演算等が行われる。CPU34にはまた、CRTインタフェース40を介してモニタディスプレイ装置としてのCRT装置42が接続されており、データ処理の経過および結果等がCRT装置42の画面44(図7参照)に表示される。なお、ここでは理解を容易にするために、画面44の最小構成単位は撮像面22の1画素に対応させられているものとする。
【0020】
以下、CCDカメラ18の撮像により得られた画像データの処理を説明する。
まず、画像メモリ32に記憶された撮像面22の全部の画素の照度(感光素子20の電圧)に対応する階調データに基づいて、図3に示すヒストグラムが作成される。このヒストグラムの横軸は256階調で表される電圧値、縦軸は画素数である。電子部品12の像を形成する感光素子20と、背景の像を形成する感光素子20とでは入光量が大きく異なり、ヒストグラムを作成すれば、大小2つのピーク値A1 ,A2 が得られる。
【0021】
この2つのピーク値A1 ,A2 に基づいて電子部品12と背景との境界線を決定するしきい値が演算される。大きい方のピーク値A2 から小さい方のピーク値A1 を引いた値の65パーセントに相当する値をピーク値A1 に加えた値がしきい値とされる。発光板14が電子部品12に対してCCDカメラ18とは反対側に設けられたバックライトであり、撮像面22には電子部品12の投影像が形成されるため、電圧値(照度値)がしきい値より大きい画素は背景の像を形成する画素であり、しきい値より小さい画素は電子部品12の像を形成する画素であることとなる。
【0022】
このしきい値に基づいて電子部品12の像を表す画素のうちで最も外側に位置する画素(以下、境界線構成画素と称する)が検出される。まず、電圧値がしきい値以下である画素が検出される。図4に示すように、部品吸着ノズル10の中心位置O(撮像面22の原点位置と一致させられている)から出発し、撮像面22のX軸方向において正方向側に位置する画素の1つ1つについて、電圧値がしきい値以下であるか否かが判定される。当初、電圧値はしきい値より小さく、電圧値がしきい値より大きい画素が検出されれば、境界線検出方向が変えられ、Y軸方向を正方向側に進んで境界線構成画素の検出が行われる。境界線構成画素の検出は、反時計方向に行われるのである。
【0023】
例えば、前記2つのピーク値A1 ,A2 がそれぞれ20,200であり、しきい値が137であるとすれば、図5に示すように、電圧値が127の画素に隣接し、電圧値が151である画素が検出されたならば、この画素にX軸方向において負方向側に隣接する画素(電圧値が127である画素)が境界線構成画素とされる。次に、その境界線構成画素に対してY軸方向において正方向側に隣接する画素の電圧値が調べられる。境界線検出方向が変えられるのであり、この画素の電圧値がしきい値以下であれば、この画素にX軸方向において正方向側に隣接する画素の電圧値が調べられ、しきい値より大きければ、この電圧値がしきい値より大きい画素にX軸方向において負方向側に隣接する画素が境界線構成画素とされる。
なお、境界線検出方向が変えられた後、電圧値がしきい値以下である画素に対してX軸方向において正方向側に隣接する画素の電圧値もしきい値以下であれば、更にX軸方向において正方向側に隣接する画素の電圧値がしきい値以下であるかが調べられる。電圧値がしきい値より大きい画素が見つかるまでX軸方向において正方向側に隣接する画素の1つ1つについて電圧値が調べられる。
【0024】
Y軸方向を正方向に進んで境界線構成画素の検出が行われ、角に至れば、境界線構成画素(電圧値が128である画素)に対してY軸方向において正方向側に隣接する画素(電圧値が156である画素)の電圧値がしきい値より大きくなる。そのため、境界線検出方向が変えられ、境界線構成画素に対してX軸方向において負方向側に隣接する画素(電圧値が116である画素)の電圧値がしきい値以下であるか否かが調べられ、しきい値以下であれば、その画素に対してY軸方向において正方向側に隣接する画素(電圧値が151である画素)の電圧値がしきい値以下であるか否かが調べられる。この画素の電圧値がしきい値より大きければ、この画素にY軸方向において負方向側に隣接する画素が境界線構成画素とされ、次にこの境界線構成画素についてX軸方向において負方向側に隣接する画素の電圧値がしきい値以下であるか否かが調べられる。
【0025】
X軸方向あるいはY軸方向において隣接する2個ずつの画素の一方の電圧値がしきい値以下であり、他方の電圧値がしきい値より大きいとき、電圧値がしきい値以下である画素が境界線構成画素とされ、電圧値がしきい値より大きい画素が背景構成画素とされる。境界線構成画素の位置データ(境界線構成画素の中心の撮像面22上における座標値)は、隣接する背景構成画素の位置データ(背景構成画素の中心の撮像面22上における座標値)および方向データと共にワーキングメモリ38の境界線構成画素データメモリに記憶される。方向データとは、境界線構成画素がほぼ撮像面22のX軸方向に延びる境界線を構成する画素であるか、ほぼY軸方向に延びる境界線を構成する画素であるかのデータである。いずれの方向に延びる境界線を構成する画素であるかは、境界線構成画素の検出方向からわかる。電圧値がしきい値以下である画素を境界線構成画素であると決定した背景構成画素が、境界線構成画素とX軸方向において隣接する場合には、その境界線構成画素はほぼY軸方向に延びる境界線を構成する画素であり、Y軸方向において隣接する場合には、境界線構成画素はほぼX軸方向に延びる境界線を構成する画素であり、画素毎に方向データが付される。図5において電圧値が128である画素のように角の画素、あるいは45度に近い角度で傾斜した境界線を構成する画素についてはX軸方向とY軸方向との両方向において背景構成画素が隣接する。この場合にはX軸方向とY軸方向との両方の方向データが付される。
【0026】
以上のようにして、反時計方向で境界線構成画素の検出が行われ、最初に検出された境界線構成画素(図5において電圧値が127である画素)が再び検出されたならば、すべての境界線構成画素の検出が終了したとしてCRT装置42に境界線が表示される。図6に示すように、部品吸着ノズル10が電子部品12を輪郭線から外へはみ出して吸着したとすれば、CRT装置42の画面44には、図7に示すように電子部品12および部品吸着ノズル10の輪郭線により構成される境界線(正確には境界線構成画素の集合)46が表示される。
【0027】
次いで、電子部品12の撮像面22の座標軸に対する傾斜角度が決定される。まず、境界線構成画素と、その境界線構成画素に対して境界線を間に挟んで隣接する画素との2個の画素の位置と電圧値とに基づく補間演算により、それら2個の画素の中心間に、電圧値がしきい値になると推定される境界点が決定される。
境界線を間に挟んで隣接する2個の画素の一方は、境界線構成画素であり、他方は背景構成画素である。これらは境界線構成画素の検出時に対にされてワーキングメモリ38の境界線構成画素データメモリに記憶されており、これら隣接する2個の画素の座標値と電圧値とから比例計算により電圧値がしきい値となる境界点の座標値が決定される。決定された境界点の位置データ(撮像面22上における座標値)は、その境界点が境界線のほぼX軸方向に延びる部分を構成するか、ほぼY軸方向に延びる部分を構成するかを表す方向データと共にワーキングメモリ38の境界点データメモリに記憶される。境界点の属性を表す属性データの一種である方向データが、境界点の位置データと共に記憶されるのである。
【0028】
全部の境界線構成画素および隣接する背景構成画素に基づいて境界点位置が決定されたならば、これら多数の境界点のうち、隣接する2個を一対とし、それら境界点対を結ぶ線分を境界線分とし、それら境界点対の座標値に基づいて境界線分のX軸とY軸とのいずれか一方に対する傾斜角度が演算される。
境界点対が境界線のほぼX軸方向に延びる部分を構成するか、ほぼY軸方向に延びる部分を構成するかによって、得られる傾斜角度が90度(またはπ/4ラジアン)異なる。そのため、全部の境界点対に基づいて演算された傾斜角度を用いてヒストグラムを作成すれば、2つピーク値が得られ、大きい方の傾斜角度から90度(またはπ/4ラジアン)を引いた値と、小さい方の値との平均値が求められ、電子部品12の撮像面22の座標軸に対する傾斜角度とされてワーキングメモリ38の傾斜角度メモリに記憶される。また、得られた傾斜角度は、図8に示すようにCRT装置42に線分48で表示される。なお、図8には、傾斜角度と境界線46との関係をわかり易くするために、境界線46が二点鎖線で示されているが、実際には境界線46は画面44に表示されない。
【0029】
次に、境界点位置データおよび傾斜角度データに基づいて、境界線の中から、電子部品12の像の輪郭を形成する輪郭線分の候補である輪郭候補線分が抽出される。輪郭候補線分の抽出は、境界点の中から、電子部品12の傾斜角度とほぼ等しい角度で傾斜した線分を構成する境界点を抽出することにより行われる。
【0030】
多数の境界点のうちの任意の一つが仮に輪郭候補線分の始点とされて、その境界点に始点データが付されるとともに、その境界点を通り、傾斜角度が電子部品12の傾斜角度に等しい直線の式(1)または(2)が演算される。境界点が、境界線のほぼX軸方向に延びる部分を構成する場合には、直線の一次係数として傾斜角度θに対応する値aが用いられ、Y軸方向に延びる部分を構成する場合には、傾斜角度(θ+90)に対応する値cが用いられる。
1 =ax1 +b1 ・・・・(1)
1 =cy1 +d1 ・・・・(2)
【0031】
ここでは、図4に示したように部品吸着ノズル10の中心位置Oから出発して撮像面22のX軸方向に向かって走査された場合に検出された境界線構成画素に対応する境界点が輪郭線候補線分を構成する境界点であるか否かが判定されるものとする。この場合には、境界線はほぼY軸方向に延びているのが普通であるから、まず(2)式の演算が行われ、続いて、隣接する境界点を通り、傾斜角度が電子部品12の傾斜角度に等しい直線の式(3)が演算され、この直線式のx切片が(4)式を満足するか否かにより、2番目の境界点が1番目の境界点と共に電子部品12の傾斜角度とほぼ等しい角度で傾斜する境界線分を構成するか否かが判定される。(4)式は、ある境界点が電子部品12の傾斜角度とほぼ等しい角度で傾斜する輪郭線分を構成するか否かを判定するために、それより前に判定が行われたすべての境界点(始点データが付された境界点に続くすべての境界点)の座標値に基づいて得られた直線式の各x切片の値の平均値にΔdを加減することによりx切片の範囲を設定する式であり、この設定範囲内にx切片の値があれば、そのx切片が得られた境界点は、始点データが付された境界点を始点とする輪郭候補線分を構成する点とされるのである。
2 =cy2 +d2 ・・・・(3)
【0032】
【数1】
Figure 0003620884
【0033】
始点データが付された境界点から現に判定が行われる境界点までのすべての境界点が同じ輪郭候補線分を構成する点であることを正確に判定するためには、すべての境界点が、勾配がcでx軸方向の幅が2Δdである帯状の領域内に存在することを確認する必要があり、(4)式のdn をd1 ,d2 ,d3 ・・・,dn に変更する必要がある。本発明はこの判定手段を排除するものではないが、計算量が多くなって処理時間が延びるため、過去の境界点についての判定は行わず、新たな境界点のみについて判定を行うこととしたのである。
このようにして判定する場合には、始点データが付された境界点やそれに近接する境界点が実際には輪郭候補線分を構成する点ではないにもかかわらず、輪郭候補線分を構成する点であると判定される可能性がある。x切片の平均値は、平均されるx切片の数の増加に従って変化し、この変化は判定される境界点が始点データが付された境界点から離れるに従って、すなわち、平均されるx切片の数が多くなるに従って小さくなるのが普通であるが、始点データが付された境界点やそれに近接した境界点の判定時にはかなり大きく変化する可能性があり、そのため、例えば、始点データが付された1番目の境界点に隣接する2番目の境界点は(4)式を満足し、3番目の境界点も(4)式を満足するが、その3番目の境界点の判定時における(4)式を1番目の境界点が満足しないことはあり得るのである。しかし、誤って輪郭候補線分を構成する点であると判定される境界点の数はそれほど多くないため、この誤りは実用上問題にならない。
【0034】
上記の判定を繰り返すうち、x切片の値が設定範囲から外れる境界点が現れれば、その境界点は輪郭候補線分を構成する点ではないと判定され、その境界点自体に始点データが付されるとともに、その境界点より1個前の境界点に終点データが付される。以下、始点データが付された境界点以降の境界点について上記の場合と同様の判定が実行される。
なお、始点データが付された境界点から終点データが付された境界点までの境界点の位置データの群が、始点データおよび終点データと共に輪郭候補線分データとしてワーキングメモリ38の輪郭候補線分データメモリに記憶されるのであるが、同じ輪郭候補線分を構成する境界点と判定された境界点の数が設定個数以下である場合には、これら境界点により構成される直線は実際に輪郭線分である可能性はないとして、輪郭候補線分データメモリから削除される。すなわち、長さ下限値より長い直線でなければ輪郭候補線分とはされないのであり、これによりノイズデータの影響の一部が排除される。
また、輪郭候補線分データメモリに記憶された輪郭候補線分データの作成時に設定されていた最後のx切片の設定範囲が後の処理のために、輪郭候補線分データメモリに記憶された輪郭候補線分データと関連付けられてワーキングメモリ38の設定範囲データメモリに記憶される。
【0035】
判定される境界点が電子部品の角部を規定する境界点になれば、その境界点について得られる直線式のx切片の値が設定範囲から外れる。ただし、x切片の値が設定範囲から外れても、ノイズデータによって外れたのか、角であるため外れたのかはわからない。また、電子部品12の角はほぼ直角に尖っていることが予定されており、理想的には角に対応する境界点の方向データはX,Y両方向であるはずであるが、実際には電子部品の角に多少の丸みが付いていることもあるため、境界線の角部近傍においては各境界点の方向データがX軸方向となったり、Y軸方向となったり、あるいは両方向となったりする。
そのため、境界点に付された方向データが両方向のデータである場合には、その境界点が輪郭候補線分を構成することはあり得ないと判定されて、その境界点を通る直線およびそれの切片の演算、ならびに切片が設定範囲内にあるか否かの判定のすべてが省略されるとともに、その直前に輪郭候補線部を構成すると判定された境界点に終点データが付される。そして、再び方向データがX軸方向あるいはY軸方向である境界点が現れれば、その境界点に始点データが付され、方向データがY軸方向データであれば前記(4)式を用いた判定が行われ、X軸方向データであれば、下記(5)式によりy切片bn が求められ、(6)式を用いた判定が行われる。なお、Δbは前記Δdと同じ大きさの微小値である。
n =axn +bn ・・・・(5)
【0036】
【数2】
Figure 0003620884
【0037】
境界点が連続してほぼX軸方向に延びる輪郭候補線分を構成するようになれば、すなわち境界点について演算された直線式のy切片がそれに先立って演算された直線式のy切片の値に基づいて設定される範囲内に収まるようになれば、それら連続する境界点のデータが輪郭候補線分データとして輪郭候補線分データメモリに記憶される。
【0038】
境界線を1周し、1番最初に直線式が演算された境界点に戻ってきたとき、その境界点について再度直線式が演算され、その直線式のx切片が設定範囲内にあれば、その境界点は輪郭候補線分の途中にある点であって始点ではないとして、その境界点に先に付された始点データが消去される。その境界点の前後の境界点が1本の輪郭候補線分を構成する状態とされるのである。
【0039】
すべての輪郭候補線分が求められたならば、図9に示すように、CRT装置42に輪郭候補線分が表示される。図から明らかなように、部品吸着ノズル10の電子部品12からはみ出した部分により構成される円弧部分は、ほぼX軸方向およびY軸方向に延びる一部分を除いて傾斜角度が電子部品12の傾斜角度と異なるため、輪郭候補線分として抽出されず、ここでもノイズデータ(部品吸着ノズル10のはみ出しに基づくノイズデータ)の影響の一部が排除される。
また、境界点が輪郭候補線分を構成する点であるか否かは、境界点1つ1つについて調べられるため、角部の検出に遅れがなく、輪郭候補線分を角のすぐ近くまで精度良く抽出することができる。
【0040】
続いて、抽出された輪郭候補線分の群から、輪郭線分が選出される。ほぼX軸方向に延びる一対の輪郭候補線分と、それら輪郭候補線分の延長線間にあって、輪郭候補線分に直角な別の輪郭候補線分との組が取り出される。ほぼX軸方向に延びるかほぼY軸方向に延びるかは、輪郭候補線分を構成する境界点のデータに付された方向データからわかる。
【0041】
電子部品12を例に取れば、まず、図10に示すように、抽出された輪郭候補線分a,b,c,d,e,fの群から、X軸に平行な一対の輪郭候補線分a,dと、それら輪郭候補線分a,dの延長線間にあって、輪郭候補線分a,dに直角な輪郭候補線分cとの組が取り出される。輪郭候補線分aとdとの間には、直角な輪郭候補線分が2本(b,c)あり、X軸方向に平行な一対の輪郭候補線分がX軸方向において負側へ延長されるときには、それら延長線間にある輪郭候補線分のうち、X座標値が小さい方の輪郭候補線分が先に取り出されるのである。なお、X軸方向に平行な一対の輪郭候補線分がX軸方向において正側へ延長されるとき、それら延長線間に複数本の直角な輪郭候補線分があれば、それら輪郭候補線分のうち、X座標値が大きい方の輪郭候補線分から先に取り出される。
そして、ほぼX軸に平行な一方の輪郭候補線分aと、直角な輪郭候補線分cとの端点間の距離が設定値以下であるか否かが判定される。輪郭候補線分の抽出時に、各輪郭候補線分の始点と終点とにはそれぞれ始点データおよび終点データが付されており、端点間の距離が設定値以下であるか否かが判定される2本の輪郭候補線分のうち、輪郭候補線分の抽出方向において上流側に位置する輪郭候補線分、すなわち輪郭候補線分aの終点と下流側に位置する輪郭候補線分、すなわち輪郭候補線分cの始点とについて、それらの間の距離が設定値以下であるか否かが判定される。
【0042】
図10に示すように、電子部品12の場合、輪郭候補線分aと輪郭候補線分cとの間の距離が設定値より大きいため、これら輪郭候補線分a,cにより規定される角は電子部品12の角ではないと判定される。それに対して、輪郭候補線分cとdとの間の距離は設定値より小さいため、これら輪郭候補線分c,dにより規定される角は電子部品12の角であり、かつ輪郭候補線分cとdとは輪郭線分であると判定される。
次に、輪郭候補線分a,b,dの組について同様の判定が行われるが、これら輪郭候補線分の始点と終点との距離はいずれも設定値より大きいため、これら輪郭候補線分a,b,dの組は電子部品12の輪郭を規定する組ではないと判定される。
輪郭候補線分f,c,dの組についても同様な判定が行われる。輪郭候補線分bは、輪郭候補線分f,dの各延長線の間にないため、判定は行われない。輪郭候補線分cとdとの組は輪郭線分であると判定されるが、輪郭候補線分fとcとの組は輪郭線分ではないと判定される。
輪郭候補線分a,b,fの組についても同様な判定が行われるが、輪郭候補線分aとbとの組,輪郭候補線分fとbとの組はいずれも始点,終点間の距離が設定値より大きいため、輪郭線分の組ではないと判定される。
【0043】
次に、図11に示すように、輪郭候補線分d,e,fの組が取り出され、同様の判定が行われるが、ほぼX軸に平行な輪郭候補線分dと直角な輪郭候補線分eとの始点,終点間の距離、および輪郭候補線分fとeとの始点,終点間の距離はいずれも設定値以下であるため、輪郭候補線分dとeとの組、輪郭候補線分fとeとの組はいずれも電子部品12の角を規定するものであり、輪郭線分であると判定される。
【0044】
輪郭候補線分a,e,dの組についても同様な判定が行われ、輪郭候補線分dとeとの組は輪郭線分であると判定されるが、輪郭候補線分aとeとの組は輪郭線分の組ではないと判定される。
なお、ほぼX軸方向に平行な一対の輪郭候補線分の延長線間に直角な輪郭候補線分がなければ、輪郭線分の選出は行われない。
以上の処理の結果、輪郭候補線分c,d,e,fが輪郭線分として選出される。
【0045】
以上で輪郭線分の選出処理を終了することも可能であるが、本実施例においては、輪郭線分選出の信頼性を高めるために、さらに確認処理が行われるようになっている。
この処理の第一段階は、複数の輪郭線候補線分のうち、複数本に分かれてはいるが、実際には1本の輪郭線分の複数部分である輪郭線分の群を捜す処理である。図9において、輪郭線分dは1本の直線となっているが、例えばこの直線で表される電子部品12の辺の像に比較的小さい欠陥があったとすれば、この欠陥に基づくノイズデータの影響によって輪郭線分dは複数本の直線に分断される。そのような場合に、これら複数本の輪郭線分が一直線上に位置することが確認されれば、これら複数本の輪郭線分を1本の輪郭線分の各一部として扱うことができる。複数本の輪郭線分が一直線上に位置するか否かの判定は、それら複数本の輪郭線分に関連付けて前記設定範囲データメモリに記憶されたx切片あるいはy切片の設定範囲が実質的に一致するか否か、具体的には、例えば両設定範囲の上限値と下限値との中間値の差が設定差以下であるか否かによって行われる。
【0046】
このようにして、互いに一直線上に位置すると判定された複数本の輪郭線分の長さの総和が演算され、この総和が総和下限値以上であれば、それら輪郭線分が真に輪郭線分であることが確認される。このようにすれば、画像の比較的小さい欠陥により輪郭線分が短い輪郭線分に分断された場合でも、高い信頼性をもって輪郭線分を特定することができる。換言すれば、総和が総和下限値より短ければ、これら輪郭線分は輪郭線分ではないとされるのであり、これによって、ノイズデータに基づいて偶然に複数の輪郭線分が一直線上に並んだ場合との混同を避けることができる。
【0047】
なお、本実施例においては、上記確認が輪郭線分の選出後に行われるようにされているが、輪郭線分の選出前に同様の処理が行われ、判定の結果が肯定になった輪郭候補線分の中からのみ輪郭線分の選出が行われるようにすることも可能である。
また、実質的に一直線上に位置すると判定された複数の輪郭候補線分のうち、両端に位置する一方の輪郭候補線分の始点から他方の輪郭候補線分の終点までを1本の輪郭候補線分に置き換え、その輪郭候補線分について輪郭線分の選出が行われるようにすることも可能である。このようにすれば、短く分断された輪郭候補線分が多数生じた場合における輪郭線分選出に要する処理時間を短縮することができる。
これら2つの態様の場合には、本処理は確認処理ではなく、輪郭線分選出の第一段階処理であると考える方が自然である。
【0048】
図9の例において、輪郭候補線分c,d,eが十分な長さを有しているが、輪郭候補線分fは比較的短い。しかも、この輪郭候補線分fと一直線上に位置する他の輪郭候補線分はないため、一直線上に位置する輪郭候補線分の長さの総和は、輪郭候補線分f自体の長さと同じである。したがって、輪郭候補線分fの長さが長さ下限値より短く、輪郭候補線分ではないとすれば、電子部品12の2個の角は特定されたが、残る2個の角が特定されないため、電子部品12の形状が長方形であるとわかっていても、その形状,寸法を特定することはできない。
【0049】
それに対し、輪郭候補線分fの長さが設定長さ以上であり、輪郭候補線分であるとすれば、電子部品12の3個の角が特定されることとなり、電子部品12の形状がほぼ長方形であるとわかっているため、4個の頂点の位置を特定することができる。図12に○印で示す輪郭線分の始点,終点を結ぶ線分の延長線の交点が電子部品12の頂点であり、本実施例においては、検出された4個の頂点が電子部品12の輪郭を規定する輪郭規定要素であることになる。
このように4個の頂点が特定されれば、それらの位置データに基づいて電子部品12のサイズ,中心位置,傾斜角度等を演算することができ、電子部品12が装着すべき電子部品12であるか否かの判定,正しい位置に装着するために修正すべき中心位置誤差および回転位置誤差等の取得が可能となる。
【0050】
なお、電子部品12のサイズ,中心位置,傾斜角度等は、輪郭線分を構成している多数の境界点の位置データに基づいて演算することも可能であり、上記のように単純に輪郭線分の始点,終点のみの位置データに基づいて演算する場合より高い精度でサイズ等を取得することができる。例えば、各輪郭線分を構成しているすべての境界点の位置データに基づいてそれら境界点の回帰直線を求め、それら回帰直線自体、またはそれら回帰直線同士の交点である4個の頂点を輪郭規定要素として電子部品12のサイズ等の取得、あるいは種々の検査を行うことができる。
【0051】
その一例は、電子部品12の辺の平行,垂直の検査である。これは、上記4個の頂点もしくは4本の回帰直線により規定される長方形(正確には四辺形)の4辺のうち、2辺ずつが互いに平行で、それら平行な2辺の各組に属する1辺ずつが互いに垂直であるか否かを調べる検査である。この検査の結果、平行度および直角度が設定値より悪い場合は電子部品12は、目標とする電子部品ではないか、あるいは許容範囲を越える製造誤差を有する電子部品であるなど、何らかの瑕疵があるとされ、その電子部品はプリント基板に装着されないようにされる。
【0052】
また、2組2辺が平行,垂直であれば、4個の頂点の座標から得られる4辺の長さと、予めデータベースに記憶された電子部品12の辺の長さとが比較され、部品吸着ノズル10が吸着した電子部品がプリント基板に装着すべき電子部品であるか否かが判定される。また、2短辺の中点を通る直線と、2長辺の中点を通る直線との交点が中心位置とされ、この中心位置に基づいて電子部品12の水平面内におけるX軸方向およびY軸方向の位置ずれが算出される。
なお、電子部品12の傾斜角度としては、境界線構成要素の検出に続いて実行される傾斜角度の決定処理において決定された傾斜角度を使用してもよく、前記輪郭線分や回帰直線の平均傾斜角度を使用してもよい。
【0053】
上記電子部品の中心位置や傾斜角度の演算結果、サイズや形状の製造誤差等の演算結果等はCRT装置42の画面44に表示される。図13はその一例を示す図であり、円は吸着ノズル10の輪郭線を示し、十字線は吸着ノズル10の中心を示す。また、3個の長方形のうち、中間の図形が電子部品12の輪郭線であり、他の大小2つの図形は公差範囲の上限および下限を示す。
【0054】
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、CCDカメラ18およびCCDカメラコントローラ24と、データ処理装置26の映像信号受信器28,画像メモリコントローラ30および画像メモリ32とにより撮像装置が構成されている。電子部品12が画像処理対象物の一例であり、図3に示す2つのピーク値A1 ,A2 に基づいて演算される電子部品12と背景との境界線を決定するしきい値が境界線検出用階調値の一例である。
データ処理装置26の、しきい値に基づいて電子部品12の像を表す画素のうちで最も外側に位置する画素(境界線構成画素)を検出する部分、または、補間演算により境界点の位置を特定する部分により、境界線データ作成手段が構成されている。
データ処理装置26の、前記「境界線構成画素と、その境界線構成画素に対して境界線を間に挟んで隣接する画素との2個の画素の位置と電圧値とに基づく補間演算により、それら2個の画素の中心間に、電圧値がしきい値になると推定される境界点を決定する」部分により境界点位置決定手段が構成され、前記「多数の境界点のうち、隣接する2個を一対とし、それら境界点対を結ぶ線分を境界線分とし、それら境界点対の座標値に基づいて境界線分のX軸とY軸とのいずれか一方に対する傾斜角度を演算する」部分(この部分により境界線分傾斜角演算手段が構成されている)と、前記「全部の境界点対に基づいて演算された傾斜角度を用いてヒストグラムを作成して2つピーク値を得、大きい方の傾斜角度から90度(またはπ/4ラジアン)を引いた値と、小さい方の値との平均値を求めて、電子部品12の撮像面22の座標軸に対する傾斜角度を得る」部分とにより傾斜角度決定手段が構成されている。
ほぼ長方形の電子部品12の4個の頂点が輪郭規定要素の一例であり、データ処理装置26の、4個の頂点の位置を特定する部分が輪郭規定要素決定手段の一例である。
データ処理装置26の、境界点位置データおよび傾斜角度データに基づいて、境界線の中から、電子部品12の像の輪郭を形成する輪郭線分の候補である輪郭候補線分を抽出する部分、すなわち、境界点の中から、電子部品12の傾斜角度とほぼ等しい角度で傾斜した線分を構成する境界点を抽出する部分により、輪郭候補線分抽出手段が構成されている。
データ処理装置26の、抽出された輪郭候補線分の群から輪郭線分を選出する部分、例えば、ほぼX軸方向に延びる一対の輪郭候補線分と、それら輪郭候補線分の延長線間にあって、輪郭候補線分に直角な別の輪郭候補線分との組を取り出す部分により、組処理手段が構成されており、この組処理手段は輪郭線分選出手段の一種である。
データ処理装置26の、互いに一直線上に位置すると判定された複数本の輪郭線分の長さの総和を演算し、その総和が総和下限値以上であれば、それら輪郭線分が真に輪郭線分であると確認する部分により、輪郭線分選出手段の一種としての合計長さ基準輪郭候補線分群選出手段が構成され、上記総和を演算する前に、始点データが付された境界点から終点データが付された境界点までの境界点の位置データの群に属する境界点の数が設定個数以下である場合に、これら境界点により構成される直線は実際に輪郭線分である可能性はないとして、輪郭候補線分データメモリから削除する部分により、短輪郭候補線分排除手段が構成されている。
【0055】
次に、部品吸着ノズル10が電子部品50を輪郭線からはみ出すことなく吸着した場合の画像処理の例を図14〜図19に基づいて簡単に説明する。
この電子部品50は、長方形の4個の角のうち、隣接する2個の角が円弧状を成し、残りの2個の角部が直線的に切り欠かれるとともに、4辺のうち、相対向する2辺に外向きに凸の突部が設けられた形状を有する。この電子部品50の場合も電子部品12の場合と同様に、画素データに基づいて境界線データが作成され、図14に示すように境界線52(正確には境界線構成画素の集合)が画面44に表示される。
【0056】
次いで電子部品50の傾斜角度が検出され、図15に示すように線分48で表示された後、図16に示すように、輪郭候補線分a〜hが抽出される。このとき、部分円弧状の角部および切欠角部は傾斜角度が電子部品50の傾斜角度とは異なるため、排除される。そして、X軸にほぼ平行な輪郭候補線分a,eと、それら輪郭候補線分a,eの延長線間にある直角な輪郭候補線分b,c,dとの組について処理が行われる。輪郭候補線分cは一直線上に位置する他の輪郭候補線分がなく、かつそれ自体の長さが総和下限値より短いため、排除される。また、輪郭候補線分a,eはそれぞれ1本で総和下限値以上あり、また、輪郭候補線分b,dは各長さの総和が総和下限値以上あるため、輪郭候補線分とされ、かつ、輪郭候補線分bの始点から輪郭候補線分dの終点までが1本の輪郭候補線分(b+d)とされる。
すなわち、本実施例においては、一直線上にある複数の輪郭候補線分の総和が総和下限値以上であるか否かの判定と、1本の輪郭候補線分への置換とが、輪郭線分の選出前に行われるのである。
最後に、輪郭候補線分a,(b+d),e,(h+f)について、互いの始点と終点との間の距離が設定距離以下であるか否かの判定により、輪郭線分の選出が行われ、選出結果が図17に示すようにCRT装置42の画面44に表示される。
【0057】
そして、図18に示すように、上記4本の輪郭線分の合計8個の始点および終点が取得されるとともに、これら8個の点から電子部品50の4個の頂点が決定され、電子部品50のサイズ,中心位置,傾斜角度等が演算され、最終結果が図19に示すように画面44に表示される。
【0058】
なお、請求項1の発明は、図20に示すように、六角形状の画像処理対象物60を処理する装置にも適用することができる。この画像処理対象物60の輪郭を構成する6本の輪郭線分62a〜62fのうち、62aと62dとが互いに平行であって、かつそれらの長さの和が6本の輪郭線分62a〜62fの長さの和の半分を超える。
この画像処理対象物60についても前記実施例と同様に、多数の境界点位置を含む境界線データが作成されるとともに、隣接する2個を一対とする境界点を結ぶ境界線分毎に傾斜角度が演算され、ヒストグラムが作成されて撮像面の座標軸に対する傾斜角度が決定される。このとき、ヒストグラムのピーク値を形成するのは、互いに平行であって、長さの和が輪郭線全体の半分を超える輪郭線分62a,62dを規定する多数の境界点に基づいて得られた傾斜角度である。
ノイズが生じなければ、長さの和が輪郭線全体の半分を超える輪郭線分について得られた傾斜角度が画像処理対象物の傾斜角度になり、傾斜角度が誤りなく決定されるが、ノイズの発生により傾斜角度が誤って決定される恐れがある。互いに直角または平行な直線であって、長さの和が輪郭線全体の半分を超える直線の他に、互いに直角または平行な直線であって、長さの和が輪郭線全体の半分より小さい直線が少なくとも1組含まれる場合、ノイズの発生により傾斜角度のピーク値が逆転し、傾斜角度が誤って決定されることがあるのである。互いに平行または直角な直線の長さの和の輪郭線全体に占める割合が大きく、他の輪郭線との差が大きいほど、ノイズが発生しても逆転を生ずることは少なくなる。
互いに直角または平行な直線の長さの和が輪郭線全体の長さの半分を超えれば、画像処理対象物の傾斜角度を決定することができ、65%を超えれば殆ど誤りなく決定することができ、80%を超えれば一層誤りなく決定することができる。
【0059】
図21に示す画像処理対象物70のように、互いに平行な2本の輪郭線分72a,72bと、それら輪郭線分72a,72bの各両端点を結ぶ円弧状の輪郭線分72c,72dとを含む画像処理対象物の場合、輪郭線分72c,72dについて境界線データを作成するとき、輪郭線分72c,72dは互いに傾斜角度の異なる多数の直線に分割されるため、互いに平行な2本の輪郭線分72a,72bの輪郭線全体に占める割合が小さくても、画像処理対象物の傾斜角度を誤りなく決定することができる。
【0060】
なお、上記各実施例においては、一直線上に並ぶ1本以上の輪郭候補線分の各長さが長さ下限値以下でないこと,一直線状に並ぶ1本以上の輪郭候補線分の各長さの総和が総和下限値以上であること,互いに直角な輪郭候補線分の始点と終点との間の距離が設定値以下であることという条件をすべて満たすか否かにより、輪郭線分の決定が行われたが、これら条件のすべてを満たすことは不可欠ではなく、1つまたは2つ以上の条件の適宜の組合わせを満足すれば輪郭線分であると決定されるようにすることも可能である。
条件が多いほど電子部品12の輪郭を正確に検出することができるが、逆に、輪郭の検出が不可能であるとの結論に達する検出エラーの発生率が高くなり、電子部品の装着率が低下するため、条件を緩くした方がよい場合もあるのである。
【0061】
また、画像処理対象物の撮像面の座標軸に対する傾斜角度は、上記各実施例におけるように、隣接する2個ずつの境界点対により規定される境界線分の角度を求め、ヒストグラムを作成してピーク値から傾斜角度を決定してもよく、あるいは2個ずつの境界点対から得られた全部の傾斜角度の平均を求めて画像処理対象物の傾斜角度としてもよい。境界点に基づいて得られる多数の傾斜角度の平均的値を傾斜角度とすればよいのである。
【0062】
さらに、境界線のほぼX軸方向に延びる部分を構成する多数の境界点のうちN個(例えば10個)おきの境界点、あるいはM本おきの画素格子線上における境界点のY座標値とX座標値とに基づいて傾斜角度を求め、得られた複数の傾斜角度のヒストグラムを作成してピーク値から画像処理対象物の傾斜角度を決定してもよく、複数の傾斜角度の平均値を画像処理対象物の傾斜角度としてもよい。
特に、画像データが2値化データで作成される場合には、このようにしなければ、適正に傾斜角度を求めることができない。画像データが2値化データである場合に、すべての境界線構成画素に基づいて傾斜角度を演算しようとすれば、互いに隣接する2つの境界点間の傾斜角度は0度か90度かであって、これらのヒストグラムを作成することは意味がなく、また、これらの単純平均は、両端の境界点の座標値のみから演算した傾斜角度と同じになってしまうからである。
なお、画像データが2値化データである場合には、境界線構成画素の中心点、あるいは境界線構成画素の中心点とそれに隣接する背景構成画素の中心点とを結ぶ線分の中点を境界点とすればよい。
【0063】
また、傾斜角度は、境界線のうち、ほぼX軸方向に延びる部分とほぼY軸方向に延びる部分とのうちの一方のみを構成する境界点を用いて決定してもよい。
さらに、画像処理対象物の全輪郭線を決定する必要がない場合には必要な部分のみが決定されるようにしてもよい。
【0064】
また、輪郭候補線分の抽出時に、N個(例えば10個)の境界点について、隣接する2個ずつの境界点について傾斜角度を求め、それら傾斜角度の平均値が画像処理対象物の傾斜角度とほぼ等しければ、それらN個の境界点が輪郭候補線分を構成する点であるとしてもよく、あるいはN個の境界点のうち、1個目とN個目との境界点を用いて傾斜角度を求め、画像処理対象物の傾斜角度と等しければ、それらN個の境界点が輪郭候補線分を構成する点であるとしてもよい。
【0065】
さらに、画像処理対象物の輪郭線が閉曲線を描いていることも不可欠ではない。例えば、フラットパッケージ型電子部品の各リードを画像処理対象物とすることも可能なのである。リードの投影像は基端側の縁が曖昧な形状になるが、他の3つの縁は明瞭な線を描き、かつ全体としてほぼ四角形を成すことが多いため、各リードを本発明装置の画像処理対象物とすることができるのである。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電子部品装着装置用画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】上記画像処理装置の構成要素であるCCDカメラの撮像面の一部を概念的に示す図である。
【図3】上記画像処理装置において電子部品の撮像により得られた照度データ(電圧データ)のヒストグラムである。
【図4】上記画像処理装置において電子部品の像と背景の像との境界線の検出を概念的に説明する図である。
【図5】上記境界線の検出を具体的に説明する図である。
【図6】上記電子部品が吸着ノズルにより吸着された状態を概略的に示す平面図である。
【図7】上記吸着ノズルおよび電子部品の像と背景の像との境界線がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図8】上記吸着ノズルにより吸着された電子部品の傾斜角度がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図9】図7に示す境界線から抽出された輪郭候補線分群がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図10】上記輪郭候補線分群を用いた電子部品の角部の検出を説明する図である。
【図11】上記輪郭候補線分群を用いた電子部品の別の角部の検出を説明する図である。
【図12】上記輪郭候補線分群を用いて検出された輪郭線分の端点がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図13】画像処理の結果がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図14】別の種類の電子部品について検出された境界線がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図15】図14に示す電子部品の傾斜角度がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図16】図14に示す電子部品の境界線から抽出された輪郭候補線分群がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図17】図16に示す輪郭候補線分から選出された輪郭線分がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図18】図14に示す電子部品について選出された輪郭線分の端点がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図19】図14に示す電子部品の画像処理結果がCRT装置の画面に表示された状態を示す図である。
【図20】請求項1の発明に係る画像処理装置により傾斜角度が決定される画像処理対象物の例を示す図である。
【図21】請求項1の発明に係る画像処理装置により傾斜角度が決定される画像処理対象物の別の例を示す図である。
【符号の説明】
12 電子部品
18 CCDカメラ
22 撮像面
26 データ処理装置
34 CPU
46 境界線
50 電子部品
52 境界線
60,70 画像処理対象物

Claims (6)

  1. 輪郭線全体の長さの半分を超える部分が互に直角または平行な直線により構成される画像処理対象物の画像処理装置であって、
    多数の画素により構成される撮像面を有し、前記画像処理対象物を撮像して各画素の入光量に対応した階調値を画像データとして取得する撮像装置と、
    前記多数の画素の各々について取得された前記階調値に基づいて、階調値が前記画像処理対象物の像と背景の像との境界線を検出するための境界線検出用階調値に等しい多数の境界点の位置を補間演算する境界点位置決定手段と、
    その境界点位置決定手段により決定された多数の境界点の互いに隣接するものを結ぶ線分である多数の境界線分の傾斜角度を求め、それら傾斜角度の分布から前記画像処理対象物の前記撮像面の座標軸に対する傾斜角度を決定する傾斜角度決定手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 外形が、互いに平行な2本の直線と、それら平行直線に対して直角な少なくとも1本の直線とを含み、概して四角形を成す画像処理対象物の画像処理装置であって、
    多数の画素により構成される撮像面を有し、前記画像処理対象物を撮像して各画素の入光量に対応した階調値を画像データとして取得する撮像装置と、
    前記多数の画素の各々について取得された前記階調値に基づいて、階調値が前記画像処理対象物の像と背景の像との境界線を検出するための境界線検出用階調値に等しい多数の境界点の位置を補間演算する境界点位置決定手段と、
    その境界点位置決定手段により決定された多数の境界点の互いに隣接するものを結ぶ線分である多数の境界線分の傾斜角度を求め、それら傾斜角度の分布から前記画像処理対象物の前記撮像面の座標軸に対する傾斜角度を決定する傾斜角度決定手段と、
    その傾斜角度決定手段により決定された傾斜角度に基づいて前記画像処理対象物の輪郭を規定する輪郭規定要素を決定する輪郭規定要素決定手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記輪郭規定要素決定手段が、
    前記境界点位置決定手段により決定された多数の境界点の集合により構成される境界線に属し、傾斜角度が前記傾斜角度決定手段により決定された傾斜角度とほぼ等しい線分を前記画像処理対象物の輪郭線の構成要素である輪郭候補線分として抽出する輪郭候補線分抽出手段と、
    その輪郭候補線分抽出手段により抽出された輪郭候補線分群から、互いに直角であって、端点間の距離が設定値以下である2本の輪郭候補線分を輪郭線分として選出する輪郭線分選出手段と、
    その輪郭線分選出手段により選出された輪郭線分の群に基づいて前記輪郭規定要素を決定する手段と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. さらに、前記輪郭規定要素決定手段により決定された輪郭規定要素と画像処理対象物の寸法データとに基づいて、画像処理対象物が目標とする対象物であるか否かの判定を行う判定手段を含む請求項2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記境界点位置決定手段が、前記撮像面を構成する多数の画素の各々について得られた画像データが表す背景の階調値と、前記画像処理対象物の階調値とに基づいて、前記境界線検出用階調値を算出する境界線検出用階調値決定手段を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記境界点位置決定手段が、中心が前記境界線の両側に位置しかつ互いに隣接する2個の画素の前記階調値に基づいて、それら2個の画素の中心を結ぶ格子線分上において階調値が前記境界線検出用階調値になる境界点の位置を補間演算するものである請求項1ないしのいずれかに記載の画像処理装置。
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