JP3619864B2 - 複合型水質浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、生活雑排水等の汚染水を浄化するための水質浄化装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、生活雑排水等の汚染水は、窒素化合物やリン,有機物等を含有していることから、かかる汚染水が河川や排水路に流入することにより、河川や排水路が富栄養化されて、悪臭や水質汚濁,水生物への悪影響等の問題が引き起こされる可能性のあることが知られている。
【0003】
そこで、流水路中の汚染水を浄化する装置として、特開平11−57755号公報には、溝部を有するポーラスコンクリート構造体の溝部内に、マットと水質浄化材を配置すると共に、マット等に水生植物を植栽した構造を有し、ポーラスコンクリートと水質浄化材(活性炭等)および水生植物によって水質浄化を行うようにした水質浄化装置が提案されている。
【0004】
しかしながら、かかる従来構造の装置では、合成乃至は天然の繊維からなるマットを培地として水生植物を植栽していたことから、水生植物を刈り取る際に、マットから水生植物の根を外し難く、かかるマット自体が有害な廃棄物となってしまうという問題があった。また、そのようなマット自体には、あまり有効な浄化作用が期待できず、装置全体としての浄化能力にも問題があった。
【0005】
一方、小沼や湾等の静水域の浄化装置として、特開2000−37144号公報には、イカダに支持せしめた貝殻培地に水生植物を植栽した構造を有し、貝殻と水生植物によって水質浄化を行うようにした水質浄化装置が知られている。かかる水質浄化装置においては、貝殻を培地とすることによって、貝殻の浄化作用も期待できると共に、産業廃棄物としての貝殻を有効利用することも出来る。また、水生植物の刈り取り時等において、水生植物を培地から容易に分離することも出来るのである。
【0006】
しかしながら、このような貝殻培地を備えた水質浄化装置について本発明者等が検討したところ、貝殻に水生植物を組み合わせた装置による水質浄化効果は、静水中では有効であるが、流水中では十分な効果が発揮され難く、流水速度が大きくなると著しく浄化能力が低下してしまうことが、新たに見出された。そのために、特開2000−37144号公報に記載の水質浄化装置は、静水域の浄化装置としては有効であるものの、河川や排水路等の流水路では十分な浄化効果が発揮され難く、生活雑廃水や農業用水などの浄化装置としては必ずしも有効なものではなかったのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、簡単な構造で、流水路中に配設されて、有効な水質浄化効果を発揮し得る、貝殻培地を利用した新規な構造の複合型水質浄化装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下の記載に各記載において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
すなわち、複合型水質浄化装置に関する本発明は、以下の〔A〜F〕の構成を、全て具備することを特徴とする。なお、以下の括弧内の符号は、後述する実施形態に例示された各対応する構成との対応関係を示すことにより理解を補助するためのものである。
〔A〕汚染水が連続的に通水せしめられて浄化される、それぞれ区画形成された第一の領域(24a又は68a),第二の領域(24b又は68b),第三の領域(24c又は68d),第四の領域(24d又は68e,f)を、通水方向で直列的に有している構成。
〔B〕第一の領域(24a又は68a)にはポーラスコンクリート製の木粉収容箱体(18a又は64a)が略充填状態で設置されており、この木粉収容箱体(18a又は64a)の中には、木粉(34又は76)を収容している構成。
〔C〕第二の領域(24b又は68b)には蠣殻等の貝殻(16又は62)が収容されており、パピルス等の水生植物(14又は60)を植栽している構成。
〔D〕第一の領域(24a又は68a)と第二の領域(24b又は68b)は、両領域の底部間に設けられた通水孔(36又は78))で連通されており、該第二の領域(24b又は68b)には底部から上方に向けて通水されるようになっている構成。
〔E〕第三の領域(24c又は68d)には鹿沼土(44又は82)を収容している構成。
〔F〕第四の領域(24d又は68e,f)にはポーラスコンクリート製で蓋付き構造の木炭収容箱体(18c又は64b,c)が略充填状態で収容されており、この木炭収容箱体(18b又は64b,c)の中には木炭(14又は90,100)を収容している構成。
【0010】
このような本発明に従う構造とされた複合型水質浄化装置においては、ポーラスコンクリート製の通水性収容箱体およびかかる通水性収容箱体の収容空所に収容配置された水質浄化材によって、貝殻培地を通水せしめられる汚染水の最大流量を調節することが出来るのであり、貝殻培地を通水せしめられる汚染水の流速を制限することによって、貝殻培地における所期の水質浄化能力を有効に得ることが出来るのであり、通水性収容箱体の収容空所に収容配置された水質浄化材による水質浄化能力もより効果的に得ることが出来るのである。
【0011】
しかも、流速制限作用を発揮するポーラスコンクリート自体も、有効な水質改善乃至は浄化作用を発揮し得ることに加えて、通水性収容箱体の収容空所に水質浄化材を収容配置するようになっていることから、水質浄化材の種類、延いては水質浄化能力を、任意に且つ大きな自由度で設定することが出来るのであり、それによって、複合型水質浄化装置全体としての水質浄化能力を、適用される汚染水の種類等に応じて容易にチューニングすることが可能となり、高度な浄化作用を容易に得ることが出来るのである。
【0012】
また、本発明において貝殻培地の上流側に設置されるポーラスコンクリート製の通水性収容箱体の収容空所に収容配置される水質浄化材として、汚染水に含まれる比較的大きな汚染物質を吸着できるおがくず等の木粉が採用されると共に、貝殻培地の下流側に設置されるポーラスコンクリート製の通水性収容箱体の収容空所に収容配置される水質浄化材として、汚染水に含まれる比較的小さな汚染物質を吸着できる鹿沼土が採用される。これによって、複合型水質浄化装置全体の水質浄化能力をより向上せしめることが可能となるのである。
【0014】
また、ポーラスコンクリートの空隙率は、通水性等を考慮すると、好ましくは10〜30%、より好ましくは15〜25%とされる。また、ポーラスコンクリートを形成するに際して用いる混和材として、蠣殻の粉末やゼオライト粉末等の水質浄化作用を向上せしめるようなものを採用することも可能であり、それによって、ポーラスコンクリート自体の水質浄化能力が向上され得る。
【0015】
また、貝殻培地に採用される貝殻としては、各種の貝殻が採用可能であり、特に蠣殻が好適に採用される。それによって、産業廃棄物として問題となっている蠣殻を有効利用することが出来るのである。
【0016】
また、水生植物としては、従来から公知の各種の水生植物が採用可能であるが、特に、パピルス等が好適に採用される。それによって、水生植物を刈り取る回数が少なくなり、手間が省ける。また、水生植物は、貝殻培地に植栽されていることから、水生植物を植え替える際に、貝殻培地から分離しやすくなっており、それによって、水生植物の植え替え時の作業効率が向上され得る。
【0017】
また、本発明前記通水性収容箱体が、それぞれポーラスコンクリートで形成された上方に開口する箱本体と、該箱本体の上面に重ね合わせられて該箱本体の開口を覆蓋する蓋体とによって有利に構成される。このような構造とされた複合型水質浄化装置においては、通水性収容箱体の箱本体の開口部を蓋体で覆蓋することが出来ることから、箱本体に収容された水質浄化材の外部への流出を防止することが出来ると共に、例えば、箱本体を流水路中に水没させた状態で使用すること等によって、箱本体に収容された水質浄化材の全体に通水させて水質浄化材の有効容積を向上させることも出来る。
【0018】
また、本発明は、貝殻培地の上流側の通水性収容箱体の収容空所におが屑が収容配置されていることにより、汚染水中の比較的大きな物質を吸着することが出来ると共に、下流側の通水性収容箱体の収容空所には、木炭が収容配置されていることから、汚染水中の比較的小さな物質を吸着することが可能となり、それによって、より効率的に汚染水を浄化することが出来るのである。
【0019】
また、本発明前記流水路において、前記貝殻培地と前記上流側及び下流側の通水性収容箱体を流通せしめられる前記汚染水の流体流路に対してバイパス流路を並設しても良い。このような構造とされた複合型水質浄化装置においては、流水路の流水量が変化するような場合において、その増加分をバイパス流路に逃してやることが可能となり、それによって、貝殻培地を通水せしめられる汚染水の流量乃至は流速を制限しつつ、流路全体の流水量を十分に確保することが出来るのである。
【0020】
なお、かかるバイパス流路としては、例えば、汚染水の流入口の付近に越流構造の堰を設けて、浄化装置における汚染水の最大流量を超えた場合にかかる堰を越流せしめるようにすることにより、貝殻培地や上流側及び下流側の通水性収容箱体の上方をバイパス流路として利用したり、或いは、複合型水質浄化装置の側方への逃し堰を設けて、浄化装置における汚染水の最大流量を超えた場合に、かかる逃し堰を越流させて、汚染水を、別に並設したバイパス流路に逃がすようにすることも可能である。
【0021】
また、本発明では、それぞれポーラスコンクリート製とされた、木片を収容する通水性箱体と木炭を収容する通水性箱体とを、何れも、前述のように蓋で開口を覆蓋した箱体構造として、それら各箱体を水没させることによって、通水性収容箱体の上方をバイパス流路として利用することが可能となり、別途バイパス流路を構成する必要がなくなる。その結果、複合型水質浄化装置の構造を簡単にすることも出来るのである。
【0022】
また、本発明は、貝殻培地において底部から上方に向けて通水されることから、貝殻培地の全体に汚染水を通水せしめることが可能となり、それによって、所期の水質浄化能力を一層効率的に得ることが出来ると共に、処理能力の高い浄化装置をコンパクトに構成することも可能となるのである。
【0023】
また、本発明前記貝殻培地と、前記上流側及び下流側の各通水性収容箱体を含んで構成された複数の異なる浄化領域を、所定の外部ケース内に形成された流水路に配設せしめた構造も、好適に採用される。このような構造とされた複合型水質浄化装置においては、外部ケース内に複数の異なる浄化領域が設けられていることから、例えば、ポンプ等で汲み上げられた汚染水を浄化することが出来るようになり、既存の排水路に対しても、排水路自体に対する特別な改造作業を行うことなく、容易に設置することが可能となる。また、外部ケースが採用されていることから、該外部ケースの強度や構造等を適当に設計することによって、複合型水質浄化装置を設置する場所を移動することも可能となし得る。
【0024】
なお、本態様において外部ケースとしては、ステンレス鋼やコンクリート等のように通水性を有しないものが好適に採用されるが、漏水が許容される場所では、木等のケースを採用しても良い。
【0025】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0026】
先ず、図1,2には、本発明の第一の実施形態としての複合型水質浄化装置10が示されている。かかる複合型水質浄化装置10は、汚染水が通水せしめられる流水路12上に水生植物14が植栽された貝殻培地16と、かかる貝殻培地16を挟んで複数の通水性収容箱体としての水質浄化槽18が配設された構造とされており、流水路12を通水せしめられる汚染水を、水生植物14,貝殻培地16および水質浄化槽18によって浄化するようになっている。なお、以下の説明において、図1,2の左側を上流側とすると共に、図1,2の右側を下流側とする。
【0027】
より詳細には、流水路12は、コンクリートによって形成されており、上側に開口して略一定の矩形断面形状でストレートに延びる凹溝形状を有している。また、流水路12の一部には、長手方向に所定の長さに亘って、他の部分よりも深底とされた深底部20が形成されている。この深底部20の深さ寸法は、深底部20の長手方向両側に位置する浅底部分よりも十分大きな深さ寸法を有していると共に、深底部20の幅寸法は、流水路12の内側幅寸法と略同じとされている。また、深底部20には、複数(本実施形態では3つ)の仕切壁22が設けられている。
【0028】
これらの仕切壁22a〜cは、木やコンクリート等によって形成された矩形平板形状とされており、深底部20を幅方向に仕切るようにして、互いに流水方向で所定距離を隔てて位置固定に配設されている。それによって、深底部20は、流水方向に複数(本実施形態では4つ)の領域24a〜dに区分されている。そして、深底部20の最も上流側(図1,2中左端)の領域24aには、上流側水質浄化槽18aが配設されている。
【0029】
この上流側水質浄化槽18aは、上流側水質浄化槽本体26と蓋体28によって構成されている。上流側水質浄化槽本体26は、上側に開口する凹所31を備えた矩形箱体形状を有しており、その高さ寸法は、流水路12の浅底面から深底部20の底面までの寸法よりも十分大きくされていると共に、深底部20の深さ寸法よりは小さくされている。また、上側水質浄化槽本体26の幅寸法は、流水路12の内側幅寸法より僅かに小さくされていると共に、その厚さ方向の寸法は、領域24aの流水方向の長さよりも十分に小さくされており、本実施形態では、領域24aにおける流水方向の長さの略1/2とされている。
【0030】
また、上流側水質浄化槽18aの上端部には、上流側の壁部から上方に延び出した突出壁部30が一体形成されている。なお、突出壁部30は、上流側水質浄化槽18aの周壁部より僅かに薄肉とされており、凹所31の開口周縁部には、蓋体28を受ける段差が形成されている。
【0031】
また、蓋体28は、上流側水質浄化槽本体26の凹所31を全体に亘って覆蓋し得る大きさの矩形板形状を有しており、蓋体28が上流側水質浄化槽本体26の開口端面に重ね合わされることによって、凹所31の開口部が覆蓋されており、以て、上流側水質浄化槽18aの内部に、周囲を上流側水質浄化槽本体26と蓋体28で囲まれた構造の収容空所32が形成されている。
【0032】
なお、本実施形態における上流側水質浄化槽本体26および蓋体28の材質としては、ポーラスコンクリートが採用されており、その空隙率は、好ましくは10〜30%、より好ましくは15〜25%とされている。それによって、上流側水質浄化槽18aの壁部と収容空所32を通じての汚染水の通水が許容されるようになっている。
【0033】
また、収容空所32は、水質浄化材としてのおが屑34が、収容空所32の略全体を埋め尽くすように収容配置されている。なお、図面には明示されていないが、かかるおが屑34は、木小片を含んでいても良く、適当な大きさの目を有する網状袋に入れられた状態で収容空所32に収容配置されている。
【0034】
そして、このような構造とされた上流側水質浄化槽18aは、深底部20に設けられた領域24aの流水方向略中央部分に位置するようにして、収容配置されている。また、このように上流側水質浄化槽18aが領域24aに収容配置された状態において、上流側水質浄化槽18aの上端面は、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも上方に位置せしめられるようになっていると共に、突出壁部30の突出先端面は、流水路12の開口端面よりも下方に位置せしめられている。更にまた、本実施形態では、収容空所32に収容されたおが屑34が通常水位より上方まで配されている。
【0035】
さらに、領域24aの長手方向一方の壁部を構成する仕切壁22aの下端部には、仕切壁22aを厚さ方向に貫通する通水孔36が形成されている。この通水孔36の幅寸法は、仕切壁22aの略全幅とされていると共に、その高さ寸法は仕切壁22aの高さ寸法よりも十分小さくされている。また、仕切壁22aの上端面は、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも上方に位置せしめられていると共に、流水路12の開口端面よりも十分下方に位置せしめられている。
【0036】
そして、かかる通水孔36を通じて、汚染水が領域24aから下流側の領域24bに導入されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、通水孔36によって領域24aの流出口と領域24bの流入口が形成されている。また、領域24bには、貝殻培地16が設けられている。
【0037】
かかる貝殻培地16は、領域24aがその開口端部近くまで蠣殻で埋め尽くされることによって構成されており、その上端部には、水生植物14が植栽されている。なお、本実施形態では、水生植物14としてパピルスが採用されている。また、貝殻培地16の上端面は、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられていると共に、流水路12の浅底面よりも僅かに下方に位置せしめられている。
【0038】
また、領域24bの下流側の壁部を構成する仕切壁22bの突出先端面は、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも所定量だけ下方に位置せしめられていると共に、貝殻培地16の上端面よりも上方に位置せしめられている。それによって、仕切壁22bを越流して汚染水が領域24bから下流側の領域24cに導かれるようになっていると共に、貝殻培地16を構成する蠣殻が下流側の領域24cへ流出することが防止されている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、仕切壁22bの上方によって領域24bの流出口と領域24cの流入口が形成されている。また、領域24cには、第一の下流側水質浄化槽18bが設けられている。
【0039】
この第一の下流側水質浄化槽18bは、上流側水質浄化槽18aと同様に、第一の下流側水質浄化槽本体38と蓋体40によって構成されている。第一の下流側水質浄化槽本体38は、上側に開口する矩形箱体形状を有しており、その高さ寸法は、流水路12の浅底面から深底部20の底面までの寸法と略同じとされている。また、第一の下流側水質浄化槽本体38の幅寸法は、流水路12の内側幅寸法より僅かに小さくされていると共に、その流水方向の寸法は、領域24cよりも僅かに小さくされている。
【0040】
さらに、蓋体40は、第一の下流側水質浄化槽本体38の開口部に対応した矩形平板形状とされており、第一の下流側水質浄化槽本体38の開口部に重ね合わせられることにより、第一の下流側水質浄化槽本体38の開口部が覆蓋されるようになっている。そして、蓋体40が第一の下流側水質浄化槽本体38の開口端面に重ね合わせられた状態下において、第一の下流側水質浄化槽18bの内部には、第一の下流側水質浄化槽本体38と蓋体40で周囲を囲まれた収容空所42が形成されている。なお、第一の下流側水質浄化槽本体38および蓋体40の材質としては、上流側水質浄化槽本体26と同様のポーラスコンクリートが採用されており、それによって、第一の下流側水質浄化槽18bおよび収容空所42を通じての汚染水の通水が許容されるようになっている。
【0041】
また、収容空所42には、水質浄化材としての鹿沼土44が収容配置されている。かかる鹿沼土44は、必要に応じてプレスや焼成等の処理が施されてペレット状に加工された矩形ブロック形状とされており、収容空所42の略全体を埋め尽くすように収容配置されている。特に本実施形態では、矩形ブロック形状の鹿沼土44が、整列された状態で積み重ねるようにして配されている。
【0042】
そして、このような構造とされた第一の下流側水質浄化槽18bは、深底部20に設けられた領域24cに嵌め込まれるようにして、収容配置されるようになっている。また、このように第一の下流側水質浄化槽18bが領域24cに収容配置された状態下において、第一の下流側水質浄化槽18bの上端面(蓋体40の上面)は、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられるようになっている。
【0043】
さらに、領域24cの下流側の壁部を構成する仕切壁22cの下端部には、通水孔46が形成されている。この通水孔46は、前記通水孔36と同様に、略一定の矩形断面形状で仕切壁22cを厚さ方向に貫通するように形成されており、その幅寸法は仕切壁22cの幅寸法と略同じとされていると共に、その高さ寸法は仕切壁22cの高さ寸法よりも十分小さくされている。また、仕切壁22cの上端面は、流水路12の浅底面よりも上方に位置せしめられていると共に、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも上方に位置せしめられており、その高さは仕切壁22aと略同じとされている。
【0044】
そして、かかる通水孔46を通じて、汚染水が領域24cから下流側の領域24dに導入されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態においては、通水孔46によって領域24cの流出口と領域24dの流入口が形成されている。また、領域24dには、第二の下流側水質浄化槽18cが設けられている。
【0045】
この第二の下流側水質浄化槽18cは、第二の下流側水質浄化槽本体48と蓋体50によって構成されており、第一の下流側水質浄化槽本体18bと同様な構造とされている。即ち、第二の下流側水質浄化槽18cの内部には、第二の下流側水質浄化槽本体48の開口部に蓋体50が重ね合わせられて収容空所52が形成されていると共に、第二の下流側水質浄化槽本体48および蓋体50がポーラスコンクリートで形成されており、第二の下流側水質浄化槽18cの壁部と収容空所52を通じての汚染水の通水が許容されるようになっている。また、かかる収容空所52には、その全体を埋め尽くすようにして、水質浄化材としての木炭54が収容配置されている。
【0046】
そして、このような構造とされた第二の下流側水質浄化槽18cは、深底部20に設けられた領域24dに嵌め込まれるようにして、収容配置されている。また、このように第二の下流側水質浄化槽18cが領域24dに収容配置された状態下において、第二の下流側水質浄化槽18cの上端面(蓋体50の上面)は、流水路12の浅底面よりも上方に位置せしめられていると共に、流水路12を通水せしめられる汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられるようになっている。
【0047】
ここにおいて、本実施形態では、上流側水質浄化槽18aや第一及び第二の下流側水質浄化槽18b,18cは、蓋体28,40,50によって、開口部が覆蓋された構造とされていることにより、領域24aに導入される汚染水の水位が上昇したとしても、汚染水が堰構造の仕切壁22a,22cを越流して、上流側水質浄化槽18aや第一及び第二の下流側水質浄化槽18b,18cの上側を流れていくようになっている。それによって、領域24aから流水路12の外部に汚染水が溢れることを防止することが出来るのである。このことから明らかなように、本実施形態では、上流側水質浄化槽18aと第一及び第二の下流側水質浄化槽18b,18cの上端面と深底部20が形成された位置における流水路12の側壁部によって、バイパス流路が構成されているのである。
【0048】
また、上述の説明から明らかなように、本実施形態の複合型水質浄化装置10においては、各領域24a〜dは、上流側から下流側に向って直列的に設けられており、更に、各領域24a〜dの流入口および流出口は、それらの何れか一方が鉛直上方に位置せしめられていると共に、他方が鉛直下方に位置せしめられている。
【0049】
このような構造とされた複合型水質浄化装置10においては、上流側から流れてくる汚染水が、領域24aの上流側水質浄化槽18aに導入されて、上流側水質浄化槽18aを上流側の端面から下流側の端面に向って通水されるようになっている。それによって、上流側水質浄化槽18aを形成するポーラスコンクリートおよび収容空所32に収容配置されたおが屑34によって、水質浄化作用が発揮されて、領域24aに導入された汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の上流側水質浄化槽18aにおいては、上流側水質浄化槽18aを形成するポーラスコンクリートによって、汚染水中のリンが吸着されるようになっていると共に、おが屑34によって、汚染水中の微細な浮遊物質が吸着されるようになっている。
【0050】
次に、上流側水質浄化槽18aによって浄化された汚染水は、通水孔36を通じて、貝殻培地16に導入されて、貝殻培地16を下方から上方に向って通水されるようになっている。その際、貝殻培地16を形成する蠣殻や水生植物14によって、水質浄化作用が発揮されて、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の貝殻培地16においては、貝殻培地16を構成する蠣殻によって、汚染水中の微細な浮遊物質やリン,2価の金属が吸着されるようになっていると共に、水生植物14によって汚染水中の窒素やリンが吸着されるようになっている。
【0051】
続いて、貝殻培地16で浄化された汚染水は、仕切壁22bを乗越えるようにして、第一の下流側水質浄化槽18bに導入されるようになっており、第一の下流側水質浄化槽18bを上方から下方に向って通水されるようになっている。その際、第一の下流側水質浄化槽18bを形成するポーラスコンクリートおよび収容空所42に収容配置された鹿沼土44によって、水質浄化作用が発揮されるようになっており、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の第一の下流側水質浄化槽18bにおいては、第一の下流側水質浄化槽18bを形成するポーラスコンクリートによって、汚染水中のリンが吸着されるようになっていると共に、収容空所42に収容配置された鹿沼土44によって、汚染水中の窒素やリンが吸着されるようになっている。
【0052】
さらに、第一の下流側水質浄化槽18bによって浄化された汚染水は、通水孔46を通じて、第二の下流側水質浄化槽18cに導入されるようになっており、第二の下流側水質浄化槽18cを下方から上方に向って通水されるようになっている。その際、第二の下流側水質浄化槽18cを形成するポーラスコンクリートおよび収容空所52に収容配置された木炭54によって、水質浄化作用が発揮されるようになっており、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の第二の下流側水質浄化槽18cにおいては、第二の下流側水質浄化槽18cを形成するポーラスコンクリートによって、汚染水中のリンが吸着されるようになっていると共に、収容空所52に収容配置された木炭54によって、汚染水中の微小有機物が吸着されるようになっている。
【0053】
そして、第二の下流側水質浄化槽18cによって、浄化された汚染水は、流水路12を更に下流に向って流れていくのである。
【0054】
従って、このような構造とされた複合型水質浄化装置10においては、貝殻培地16の上流側に設けられた上流側水質浄化槽18aおよび収容空所32に収容配置されたおが屑34によって、貝殻培地16に導入される汚染水の最大流量を調節することが出来るのであり、それによって、貝殻培地16における所期の水質浄化能力を有利に発揮することが出来るのである。その結果、複合型水質浄化装置10全体の水質浄化能力を高度に維持することも可能となる。
【0055】
また、本実施形態においては、上流側水質浄化槽18aや第一及び第二の下流側水質浄化槽18b,18cは、蓋体28,40,50によって、開口部が覆蓋された構造とされており、汚染水が通水された際に、収容空所32,42,52に収容配置されたおが屑34,鹿沼土44および木炭54が外部に流出するのを防止することが出来る。
【0056】
次に、図3には、本発明の第二の実施形態としての複合型水質浄化装置56が示されている。かかる複合型水質浄化装置56は、外部ケース58内に水生植物60が植栽された貝殻培地62と、かかる貝殻培地62を挟んで複数(本実施形態では4つ)の水質浄化槽64が設けられた構造とされており、汚染水をかかるかかる貝殻培地62と水質浄化槽64に通水せしめることにより、汚染水を浄化するようになっている。なお、以下の説明において、図3中の左側を上流側とし、右側を下流側とする。
【0057】
より詳細には、外部ケース58は、ステンレス鋼等の通水性を有しない材質によって形成された全体として上側に開口する矩形箱体形状を呈している。また、外部ケース58の内部には、複数(本実施形態では5つ)の仕切壁66が設けられている。この仕切壁66は、ステンレス鋼等の通水性を有しない材質によって形成された薄肉の矩形板形状とされており、その幅寸法は、外部ケース58の全幅にわたっている。そして、複数(本実施形態では5つ)の仕切壁66は、互いに平行な状態で、且つ、外部ケース58の幅方向に平行な状態で外部ケース58に一体的に形成されている。それによって、外部ケース58は、長手方向に複数(本実施形態では6つ)の領域68に分断されている。そして、外部ケース58の最も上流側(図3中左端)の領域68aには、上流側水質浄化槽64aが配設されている。
【0058】
この上流側水質浄化槽64aは、上流側水質浄化槽本体70と蓋体72によって構成されている。上流側水質浄化槽本体70は、上側に開口する矩形箱体形状を有しており、その高さ寸法は、外部ケース58の深さ寸法よりも小さくされている。また、上流側水質浄化槽本体70の幅寸法は、外部ケース58の内側幅寸法より僅かに小さくされていると共に、その厚さ方向の寸法は、領域68aの流水方向の長さよりも僅かに小さくされている。
【0059】
また、蓋体72は、上流側水質浄化槽本体70の開口部に対応する矩形板形状を有しており、蓋体72が上流側水質浄化槽本体70の開口部に重ね合わされることによって、上流側水質浄化槽本体70の開口部が覆蓋されるようになっている。そして、このように上流側水質浄化槽本体70の開口部が蓋体72によって覆蓋された状態下において、上流側水質浄化槽64aの内部に矩形断面でストレートに所定長さで延びる収容空所74が、外部空間に対して略遮断された状態で形成されている。なお、本実施形態における上流側水質浄化槽本体70および蓋体72の材質としては、前記第一の実施形態における上流側水質浄化槽本体(26)の材質と同様なポーラスコンクリートが採用されており、それによって、上流側水質浄化槽64aおよび収容空所74を通じての汚染水の通水が許容されるようになっている。
【0060】
また、収容空所74に対して、水質浄化材としてのおが屑76が収容空所74の略全体を埋め尽くすように収容配置されている。なお、図面には明示されていないが、かかるおが屑76は、適当な大きさの目を有する網状袋に入れられた状態で収容空所74に収容配置されている。
【0061】
そして、このような構造とされた上流側水質浄化槽64aは、外部ケース58の最も上流側(図3中左端)の領域68aに嵌め込まれるようにして収容配置される。また、このように上流側水質浄化槽64aが領域68aに収容配置された状態下において、上流側水質浄化槽64aの上端面は、外部ケース58の開口端面よりも下方に位置せしめられていると共に、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられている。更に、領域68aの下流側の壁部を構成する仕切壁66aの下端部には、通水孔78が形成されている。この通水孔78は、略一定の矩形断面形状で仕切壁66aを厚さ方向に貫通するように形成されており、その幅寸法は、仕切壁66aの幅寸法と略同じとされていると共に、その高さ寸法は、仕切壁66aの高さ寸法よりも十分に小さくされている。なお、仕切壁66aの上端面は、外部ケース58の開口端面と面一とされている。
【0062】
そして、かかる通水孔78を通じて、汚染水が領域68aから隣接する領域68bに導入されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、通水孔78によって領域68aの流出口と領域68bの流入口が形成されている。また、領域68bには、貝殻培地62が設けられている。
【0063】
この貝殻培地62は、領域68bが、その略全体を蠣殻で埋め尽くされることによって構成されていると共に、その上端部には、水生植物60が植栽されている。なお、本実施形態においては、水生植物60としてパピルスが採用されている。
【0064】
そして、このような構造とされた貝殻培地62は、蠣殻が、外部ケース58の領域68bの略全体を埋め尽くすように収容配置されることによって形成されており、このように貝殻培地62が領域68bに形成された状態において、貝殻培地62の上端面は、外部ケース58の開口端面よりも下方に位置せしめられていると共に、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられている。更に、領域68bの下流側の壁部を構成する仕切壁66bの上端面は、貝殻培地62の上端面よりも上方に位置せしめられていると共に、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられている。それによって、汚染水が領域68bから下流側の領域68cに導入可能となっていると共に、貝殻培地62を形成する蠣殻が下流側の領域68cへ流出することを防止できるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態においては、仕切壁66bの上方によって、領域68bの流出口と領域68cの流入口が形成されている。
【0065】
また、領域68cには、汚染水を浄化するための水質浄化槽等は設けられていない。そのため、領域68cに導入された汚染水は、そのまま下流側の領域68dに導入されるようになっている。また、かかる領域68cの長手方向の長さは、上流側水質浄化槽64aが収容配置された領域68aの長手方向の寸法よりも十分に小さくされている。更に、領域68cの下流側の壁部を構成する仕切壁66cの下端部には、通水孔80が形成されている。かかる通水孔80は、略一定の矩形断面で仕切壁66cを厚さ方向に貫通するように形成されており、その幅寸法は仕切壁66cの幅寸法と略同じとされていると共に、その高さ寸法は、仕切壁66cの高さ寸法よりも十分小さくされている。なお、仕切壁66cの上端面は、外部ケース58の開口端面と面一とされている。
【0066】
そして、かかる通水孔80を通じて、領域64cから下流側の領域64dに汚染水が導入されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態においては、通水孔80によって、領域64cの流出口と領域64dの流入口が形成されている。
【0067】
また、領域64dには、水質浄化材としての鹿沼土82が収容配置されている。かかる鹿沼土82は、ペレット状に加工された矩形ブロック形状を有しており、領域64dに整列された状態で、領域64dの略全体を埋め尽くすとように収容配置されている。なお、図面には明示されていないが、ペレット状に加工された鹿沼土82には、空隙が形成されている。
【0068】
そして、このように鹿沼土82が領域68dの略全体を埋め尽くすように収容配置された状態において、鹿沼土82の上端面は、外部ケース58の開口端面よりも下方に位置せしめられていると共に、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられている。更に、領域68dの下流側の壁部を構成する仕切壁66dの上端面は、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられていると共に、鹿沼土82の上端面よりも上方に位置せしめられている。それによって、領域68dから下流側の領域68eに汚染水が導入可能となっていると共に、鹿沼土82が下流側の領域68eに流出するのを防止できるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態においては、仕切壁66dの上方によって、領域68dの流出口と領域68eの流入口が形成されている。また、領域68eには、第一の下流側水質浄化槽64bが設けられている。
【0069】
この第一の下流側水質浄化槽64bは、第一の下流側水質浄化槽本体84と蓋体86によって構成されている。第一の下流側水質浄化槽本体84は、上側に開口する矩形箱体形状を有しており、その長手方向及び幅方向の寸法は、領域66eの長手方向及び幅方向の寸法よりも僅かに小さくされていると共に、その高さ方向の寸法は、領域66eの深さ寸法よりも小さくされている。また、第一の下流側水質浄化槽64bの長手方向の寸法は、貝殻培地62が形成された領域68bの長手方向の寸法よりも充分に小さくされていると共に、鹿沼土82が収容配置された領域66dの長手方向の寸法と略同じ大きさとされている。
【0070】
また、蓋体86は、第一の下流側水質浄化槽本体84の開口部に対応する矩形板形状を有している。そして、かかる蓋体86が第一の下流側水質浄化槽本体84の開口部に重ね合わされて、第一の下流側水質浄化槽本体84の開口部が覆蓋されることにより、第一の下流側水質浄化槽64bの内部に矩形断面でストレートに所定長さで延びる収容空所88が、外部空間に対して略遮断された状態で形成されている。なお、第一の下流側水質浄化槽本体84および蓋体86の材質としては、前記第一の実施形態における上流側水質浄化槽本体(26)と同様なポーラスコンクリートが採用されており、それによって、第一の下流側水質浄化槽64bおよび収容空所88を通じての汚染水の通水が許容されるようになっている。
【0071】
また、かかる収容空所88には、その全体を埋め尽くすように、水質浄化材としての木炭90が収容配置されている。
【0072】
そして、このような構造とされた第一の下流側水質浄化槽64bは、木炭90を収容配置した状態で、外部ケース58の領域68eに収容配置されている。また、このように第一の下流側水質浄化槽64bが領域68eに収容配置された状態下において、第一の下流側水質浄化槽64bの上端面は、外部ケース58の開口端面よりも下方に位置せしめられていると共に、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられている。更に、領域68eの下流側の壁部を構成する仕切壁66eの下端部には、通水孔92が形成されている。かかる通水孔92は、略一定の矩形断面形状で仕切壁66eを厚さ方向に貫通するように形成されており、その幅寸法は、仕切壁66eの幅寸法と略同じとされていると共に、その高さ寸法は、仕切壁66eの高さ寸法よりも十分小さくされている。
【0073】
そして、かかる通水孔92を通じて、汚染水が領域68eから下流側の領域68fに導入されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態においては、通水孔92によって、領域68eの流出口と領域68fの流入口が形成されている。また、領域68fには、第二の下流側水質浄化槽64bが設けられている。
【0074】
この第二の下流側水質浄化槽64bは、第二の下流側水質浄化槽本体94と蓋体96によって構成されている。第二の下流側水質浄化槽本体94は、上側に開口する矩形箱体形状を有しており、その長手方向及び幅方向の寸法は、領域68fの長手方向及び幅方向の寸法より僅かに小さくされていると共に、その高さ方向の寸法は、外部ケース58の深さ寸法よりも小さくされている。なお、第二の下流側水質浄化槽94の長手方向の寸法は、第一の下流側水質浄化槽64bの長手方向の寸法の略1.5倍とされている。
【0075】
また、蓋体96は、第二の下流側水質浄化槽本体94の開口部に対応する矩形板形状を有している。そして、かかる蓋体96が第二の下流側水質浄化槽本体94の開口部に重ね合わされて、第二の下流側水質浄化槽本体94の開口部が覆蓋されることにより、第二の下流側水質浄化槽64bの内部に矩形断面でストレートに所定長さで延びる収容空所98が、外部空間に対して略遮断された状態で形成されている。なお、第二の下流側水質浄化槽本体94および蓋体96の材質としては、前記第一の実施形態における上流側水質浄化槽本体(26)と同様なポーラスコンクリートが採用されており、それによって、第二の下流側水質浄化槽64bおよび収容空所98を通じての汚染水の通水が許容されるようになっている。
【0076】
また、かかる収容空所98には、その全体を埋め尽くすように、水質浄化材としての木炭100が収容配置されている。
【0077】
そして、このような構造とされた第二の下流側水質浄化槽64bは、木炭100を収容配置した状態で、外部ケース58の領域68fに嵌め込まれるようにして収容配置されている。また、このように第二の下流側水質浄化槽64bが領域68fに収容配置された状態下において、第二の下流側水質浄化槽64bの上端面は、外部ケース58の開口端面よりも下方に位置せしめられていると共に、汚染水の通常の水位よりも下方に位置せしめられている。
【0078】
さらに、領域68fを下流側の壁部を構成する外部ケース58の長手方向一方の側壁部には、その上端部付近において、汚染水を外部ケース58から外部に排出するための排水口102が設けられており、それによって、汚染水を外部ケース58の外側に排出することが可能となるのである。
【0079】
ここにおいて、本実施形態では、上流側水質浄化槽64aや第一及び第二の下流側水質浄化槽64b,64cが、蓋体72,86,96によって、開口部が覆蓋された構造とされていることから、例えば、外部ケース58の周壁部の高さを仕切壁66a〜eよりも充分に大きくしておくことによって、領域68aに導入される汚染水の水位が上昇した場合に、上流側水質浄化槽64aや第一及び第二の下流側水質浄化槽64b,64cの上側を流れていくようにすることが可能である。それによって、汚染水の増水や浄化槽の目詰まり等に際しても、領域68aから外部ケース58の外部に汚染水が溢れることを防止することが出来るのである。また、このような構成を採用した場合には、上流側水質浄化槽64aと第一及び第二の下流側水質浄化槽64b,64cの上端面と外部ケース58の側壁部によって、バイパス流路が構成されることとなる。
【0080】
また、上述の説明から明らかなように、本実施形態の複合型水質浄化装置56においては、各領域68a〜fは、上流側から下流側に向って直列的に設けられており、更に、各領域68a〜fの流入口および流出口は、それらの何れか一方が鉛直上方に位置せしめられていると共に、他方が鉛直下方に位置せしめられている。
【0081】
このような構造とされた複合型水質浄化装置56においては、例えば、陸上に設置されて、農業用排水路103の汚染水を、ポンプ104によって複合型水質浄化装置56の上流側水質浄化槽64aに上方から導入するようにされる。なお、かかるポンプ104は、従来から公知の渦巻き型遠心ポンプ等を採用することが可能であり、かかるポンプ104を駆動するモータの電源は、太陽光発電によって得ることも可能である。
【0082】
そして、上流側水質浄化槽64aに導入された汚染水は、上流側水質浄化槽64aを上側から下側に向って通水せしめられるようになっており、それによって、上流側水質浄化槽64aを形成するポーラスコンクリートおよび収容空所74に収容配置されたおが屑76によって、水質浄化作用が発揮されて、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の上流側水質浄化槽64aにおいては、上流側水質浄化槽64aを形成するポーラスコンクリートによって、汚染水中のリンが吸着されるようになっていると共に、おが屑76によって、汚染水中の微細な浮遊物質が吸着されるようになっている。
【0083】
そして、上流側水質浄化槽64aで浄化された汚染水は、通水孔78を通じて、貝殻培地62に導入されて貝殻培地62を下方から上方に向って通水されるようになっている。その際、貝殻培地62を形成する蠣殻や水生植物60によって、水質浄化作用が発揮されて、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の貝殻培地62においては、貝殻培地62を構成する蠣殻によって、汚染水中の微細な浮遊物質やリン,2価の金属が吸着されるようになっていると共に、水生植物60によって汚染水中の窒素やリンが吸着されるようになっている。
【0084】
そして、貝殻培地62で浄化された汚染水は、仕切壁66bを乗越えるようにして、領域68cに導入されると共に、通水孔80を通じて鹿沼土82が収容配置された領域68dに導入されるようになっており、鹿沼土82が収容配置された領域68dを下方から上方に向って通水されるようになっている。その際、領域68dに収容配置された鹿沼土82によって、水質浄化作用が発揮されるようになっており、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態においては、鹿沼土82によって、汚染水中の窒素やリンが吸着されるようになっている。
【0085】
そして、鹿沼土82によって浄化された汚染水は、仕切壁66dを乗越えるようにして、第一の下流側水質浄化槽64bに導入されて、第一の下流側水質浄化槽64bを上方から下方に向って通水されるようになっている。更に、第一の下流側水質浄化槽64bによって浄化された汚染水は、通水孔92を通じて、第二の下流側水質浄化槽64cに導入されて、第二の下流側水質浄化槽64cを下方から上方に向って通水されるようになっている。そして、第一及び第二の下流側水質浄化槽64b,64cを形成するポーラスコンクリートおよび収容空所88,98に収容配置された木炭90,100によって、水質浄化作用が発揮されるようになっており、汚染水が浄化されるようになっている。特に、本実施形態の第一及び第二の下流側水質浄化槽64b,64cにおいては、第一及び第二の下流側水質浄化槽64b,64cを形成するポーラスコンクリートによって、汚染水中のリンが吸着されるようになっていると共に、木炭90,100によって、汚染水中の微小有機物が吸着されるようになっている。
【0086】
そして、第二の下流側水質浄化槽64cによって浄化された汚染水は、排出口102から外部ケース58の外部に排出されるようになっており、それによって、浄化された汚染水が農業用排水路103に返戻されるようになっている。
【0087】
従って、このような構造とされた複合型水質浄化装置56においても、前記第一の実施形態と同様な効果を得ることが出来るのであり、また、本実施形態においては、第一の下流側水質浄化槽64bおよび第二の下流側水質浄化槽64cの収容空所88,98には、何れも木炭90,100が収容配置されていることから、例えば、水質浄化能力が低下した場合において、片方ずつ交換することが可能であり、それによって、装置全体の水質浄化能力を高度に維持することが出来るのである。
【0088】
また、本実施形態では、領域68cが設けられていることから、最も下流側に設けられた領域68fに収容配置されている第二の下流側水質浄化槽64cにおいて、汚染水を下方から上方に向けて通水せしめることが出来るのであり、それによって、第二の下流側水質浄化槽64cの所期の水質浄化能力を有利に発揮することが出来るのである。
【0089】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0090】
例えば、前記第二の実施形態において、バイパス流路を設けることも可能であり、具体的には、図4,5に示されるような構造が好適に採用される。
【0091】
すなわち、図4,5には、本発明の第三の実施形態としての複合型水質浄化装置106が示されている。かかる複合型水質浄化装置106は、前記第二の実施形態の装置(56)に比して、その側方にバイパス流路108が設けられている。なお、以下の説明において、前記第二の実施形態と同様の部材及び部位については、第二の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0092】
より詳細には、上流側水質浄化槽64aが収容配置される領域68aの側壁部を形成する外部ケース58の側壁部の一方において、その開口端部付近に貫通孔110が形成されている。かかる貫通孔110は、略一定の円形断面で外部ケース58の一方の側壁部を貫通するようにして形成されている。また、貫通孔110の外部には、バイパス流路108が接続されている。かかるバイパス流路108は、塩化ビニル管やステンレス鋼管等によって形成されており、その長手方向一方の端部が外部ケース58に形成された貫通孔110に接続されていると共に、他方の端部が農業用排水路103に開口位置せしめられている。
【0093】
このような構造とされた複合型水質浄化装置106においても、前記第二の実施形態と同様の効果を得ることが出来るのであり、特に、領域68aに規定量以上の汚染水が汲み上げられた場合には、貫通孔110からバイパス流路108を通じて汚染水が農業用排水路103に返戻されることにより、外部ケース58からのあふれ出しが防止されるようになっている。
【0094】
また、前記第二〜第三の実施形態において、浄化された汚染水は、農業用排水路に返戻されていたが、別途設けた貯水槽に導いたり、特定の用途に供したりするようにしても良い。
【0095】
また、前記実施形態において、貝殻培地は一つしか採用されていなかったが、任意の箇所に追加して複数個採用することも可能である。更に、上流側の通水性収容箱体および下流側の通水性収容箱体の数も前記実施形態の数に限定されるものではなく、また、それらの収容空所に収容配置される水質浄化材も前記実施形態のものに限定されるものではなく、要求される水質浄化機能により、適宜に設定,変更可能である。
【0096】
また、前記実施形態において、各領域で曝気を行なうことも可能であり、それによって、水質浄化能力の向上が図られ得る。
【0097】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0098】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにする。
【0099】
なお、以下の実施例に用いた複合型水質浄化装置の基本構造は、何れも、上述の発明の実施形態に記載されている第二の実施形態の複合型水質浄化装置と同じものである。また、本実施例で採用した複合型水質浄化装置全体において、上流側水質浄化槽が収容されている領域の大きさは、長手方向の寸法が150mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされている。更に、貝殻培地が収容されている領域の大きさは、長手方向の寸法が1310mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされている。また、貝殻培地が収容されている領域の下流側の領域の大きさは、長手方向の寸法が50mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされている。更に、鹿沼土が収容されている領域の大きさは、長手方向の寸法が200mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされている。また、第一の下流側水質浄化槽が収容されている空所の大きさは、長手方向の寸法が200mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされている。更に、第二の下流側水質浄化槽が収容されている空所の大きさは、長手方向の寸法が350mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされている。
【0100】
また、上流側水質浄化槽の大きさは、長手方向の寸法が140mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされていると共に、その収容空所の大きさは、長手方向の寸法が40mm,幅寸法が480mm,高さ方向の寸法が400mmとされている。更に、第一の下流側水質浄化槽の大きさは、長手方向の寸法が190mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が450mmとされていると共に、その収容空所の大きさは、長手方向の寸法が60mm,幅寸法が480mm,高さ方向の寸法が400mmとされている。また、第二の下流側水質浄化槽の大きさは、長手方向の寸法が340mm,幅寸法が580mm,高さ方向の寸法が400mmとされていると共に、その収容空所の大きさは、長手方向の寸法が200mm,幅寸法が480mm,高さ方向の寸法が350mmとされている。
【0101】
また、上流側水質浄化槽と第一及び第二の下流側水質浄化槽は、セメント,水,骨材,混和剤および混和材によって形成した。かかるセメントは、普通セメントを使用した。また、骨材は6号砕石を使用した。更に、混和剤は、高性能減水剤を使用した。また、混和材は、シリカフュームを使用した。
【0102】
そして、セメントに対する水の割合が21〜23%になるように、且つ、空隙率が略20%となるように調合した。その際、練り混ぜ方法としては、セメント,水,混和剤および混和材を先に練るペースト先練り法を用いて、練り混ぜ機によって略5分練り混ぜた。また、ペーストと骨材の練り混ぜ時間は、1分30秒程度であった。そして、所定の型枠に流し込んだ後、養生することにより、上流側水質浄化槽と第一及び第二の下流側水質浄化槽を製造した。
【0103】
また、おが屑は、略8mmの大きさの製材くずや小片を使用した。更に、木炭は、宮川周辺の廃材を利用して作製した木炭を使用した。また、貝殻培地を形成する蠣殻としては、蠣殻を、5mm角ぐらいに粉砕したものを使用した。
【0104】
さらに、鹿沼土は、5mm程度の粒子の表面に水を噴霧した後、ベントナイトを混合した。その際、水及びベントナイトは、鹿沼土に対して重量パーセントで、それぞれ、10%とした。次に、この混合物を、成形機で1kg/mm以下の圧力で成型し、150度の温度で1時間乾燥させた後に、600度の温度で1時間燒結させて、ペレット状にした。なお、ペレット状に加工した鹿沼土は、縦100mm,横40mm,高さ40mmの直方体であった。
【0105】
(第一実施例)
生活排水主体の排水をポンプで汲み上げて複合型水質浄化装置に導入し、かかる排水を複合型水質浄化装置によって浄化した。また、排水を浄化する前と後でNH−N,NO−N,PO−P,T−N,T−P,COD,BODおよびSSの各濃度を測定した。その結果を表1に示す。なお、複合型水質浄化装置を通水せしめられる水の流速は、1.38リットル/分であった。また、NH−Nの濃度は、インドフェノール法によって測定した。更に、NO−Nの濃度は、フェノールジスルフォン酸法によって測定した。また、PO−Pの濃度は、トルオーグ法によって測定した。更に、T−NおよびT−Pは、ペルオキソ2硫酸塩カリウムによる分解法によって測定した。また、CODとは、排水の100度における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量のことであり、BODとは、排水を20度で5日間放置した時の好気性微生物により消費された溶存酸素量のことである。更に、SSは、ろ紙による濾過法によって得た。
【0106】
【表1】
Figure 0003619864
【0107】
表1の結果から明らかなように、前述の如き本実施例構造とされた複合型水質浄化装置を用いることにより、生活排水主体の排水に含まれる各汚染物質の濃度を低下させることが出来ることが認められる。
【0108】
(第二実施例)
生活排水主体の排水をポンプで汲み上げて複合型水質浄化装置に導入し、かかる排水を複合型水質浄化装置によって浄化した。また、排水を浄化する前と後でNH−N,NO−N,PO−P,T−N,T−P,COD,BODおよびSSの各濃度を上記第一実施例と同様に、測定した。その結果を表2に示す。なお、複合型水質浄化装置を通水せしめられる水の流速は、3.96リットル/分であった。
【0109】
【表2】
Figure 0003619864
【0110】
表2の結果から明らかなように、前述の如き本実施例構造とされた複合型水質浄化装置を用いることにより、生活排水主体の排水に含まれる各汚染物質の濃度を低下させることが出来ることが認められる。
【0111】
(第三実施例)
生活排水主体の排水をポンプで汲み上げて複合型水質浄化装置に導入し、かかる排水を複合型水質浄化装置によって浄化した。また、排水を浄化する前と後でNH−N,NO−N,PO−P,T−N,T−P,COD,BODおよびSSの各濃度を上記第一実施例と同様に、測定した。その結果を表3に示す。なお、複合型水質浄化装置を通水せしめられる水の流速は、1.38リットル/分であった。
【0112】
【表3】
Figure 0003619864
【0113】
表3の結果から明らかなように、前述の如き本実施例構造とされた複合型水質浄化装置を用いることにより、生活排水主体の排水に含まれる各汚染物質の濃度を低下させることが出来ることが認められる。
【0114】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた複合型水質浄化装置においては、通水性収容箱体およびかかる通水性収容箱体の収容空所に収容配置された水質浄化材によって、貝殻培地を通水せしめられる汚染水の最大流量を調節することが出来ることから、貝殻培地における所期の水質浄化作用を有利に得ることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての複合型水質浄化装置の断面図であり、図2におけるI−I断面に相当する図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態における複合型水質浄化装置の断面図である。
【図4】本発明の第三の実施形態としての複合型水質浄化装置の断面図であり、図5におけるIV−IV断面に相当する図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【符号の説明】
10 複合型水質浄化装置
12 流水路
14 水生植物
16 貝殻培地
18 水質浄化槽
32 収容空所
34 おが屑
42 収容空所
44 鹿沼土
52 収容空所
54 木炭

Claims (6)

  1. 以下の〔A〜F〕の構成を、全て具備することを特徴とする複合型水質浄化装置。
    〔A〕汚染水が連続的に通水せしめられて浄化される、それぞれ区画形成された第一の領域(24a又は68a),第二の領域(24b又は68b),第三の領域(24c又は68d),第四の領域(24d又は68e,f)を、通水方向で直列的に有している構成。
    〔B〕第一の領域(24a又は68a)にはポーラスコンクリート製の木粉収容箱体(18a又は64a)が略充填状態で設置されており、この木粉収容箱体(18a又は64a)の中には、木粉(34又は76)を収容している構成。
    〔C〕第二の領域(24b又は68b)には蠣殻等の貝殻(16又は62)が収容されており、パピルス等の水生植物(14又は60)を植栽している構成。
    〔D〕第一の領域(24a又は68a)と第二の領域(24b又は68b)は、両領域の底部間に設けられた通水孔(36又は78))で連通されており、該第二の領域(24b又は68b)には底部から上方に向けて通水されるようになっている構成。
    〔E〕第三の領域(24c又は68d)には鹿沼土(44又は82)を収容している構成。
    〔F〕第四の領域(24d又は68e,f)にはポーラスコンクリート製で蓋付き構造の木炭収容箱体(18c又は64b,c)が略充填状態で収容されており、この木炭収容箱体(18b又は64b,c)の中には木炭(14又は90,100)を収容している構成。
  2. 少なくとも前記第三の領域(24c又は68d)には、曝気を行うようになっている請求項1に記載の複合型水質浄化装置。
  3. 前記第四の領域(24d又は68e,f)において、前記木炭収容箱体(18c又は64b,c)が、通水される汚染水に水没されるようになっている請求項1又は2に記載の複合型水質浄化装置。
  4. 前記第一の領域(24a又は68a)に設置されたポーラスコンクリート製の木粉収容箱体(18a又は64a)が、蓋付き構造とされて、通水される汚染水に水没されるようになっている請求項1乃至3の何れかに記載の複合型水質浄化装置。
  5. 前記第三の領域(24c)には、ポーラスコンクリート製で蓋付き構造の鹿沼土収容箱体(18b)が、略充填状態で設置されて且つ通水される汚染水に水没されるようになっており、この鹿沼土収容箱体(18b)の中には、鹿沼土(44)が収容されている請求項1乃至4の何れかに記載の複合型水質浄化装置。
  6. 前記第二の領域(68b)と前記第三の領域(68d)の間に中空の連通領域(68c)が形成されており、該第二の領域(68b)を底部から上方に流通せしめられた汚染水が、該第二の領域(68b)と該連通領域(68c)を仕切る仕切壁(66b)を越流して該連通領域(68c)に導かれて、該連通領域(68c)を底部側に流下し、該連通領域(68c)の底部から該第三の領域(68d)に導入されるようになっていることにより、該第三の領域(68d)において底部から上方に向けて通水されるようになっている請求項1乃至4の何れかに記載の複合型水質浄化装置。
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