JP3614972B2 - sewing machine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば布等の縫製機または刺繍機として好適に用いられるミシンに関し、特に、ミシン針の針孔に対して上糸等を自動的に挿通できるようにしたミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ミシン本体と、該ミシン本体に設けられミシン針を往復動させつつ、天秤を揺動させるヘッド部と、該ヘッド部上に設けられ、複数の上糸をそれぞれ個別に収納する糸収納部とからなり、該糸収納部の各上糸に対応して前記ヘッド部の下端側には複数本のミシン針を設け、該各ミシン針に対して糸収納部からの各糸を予め個別に挿通(糸通し)した状態で該各ミシン針のうちいずれか一のミシン針を針選択機構により選択的に駆動するようにした縫製機または刺繍機等のミシンは知られている。
【0003】
そして、この種の従来技術によるミシンでは、前記ヘッド部の下端側に設けた複数本のミシン針に対して、前記糸収納部からの各糸を予め手動操作等によって個別に糸通しを行い、この状態で各ミシン針のうちいずれか一のミシン針を針選択機構で選択しつつ、選択したミシン針をヘッド部で運針させることにより布等に縫製を施すようにしている。
【0004】
この場合、前記糸収納部には複数本の上糸用ボビンが回転可能に配設され、該各ボビンには互いに種類の異なる上糸がそれぞれ巻回されると共に、使用頻度の高い上糸が2〜3本程度のボビンに巻回され、これらの各ボビンが前記糸収納部内に収められている。そして、前記針選択機構でミシン針の選択を行ったときには、これらの各ボビンから上糸が個別に繰り出され、前記布等に対して縫製による縫い目を形成することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術にあっては、ミシン本体のヘッド部に複数のミシン針を設け、該各ミシン針に対して糸収納部からの各糸を予め手動等で個別に糸通しを行った後に、縫製作業に先立って各ミシン針のいずれかを針選択機構で選択する構成としているから、ヘッド部全体が大型化するばかりでなく、ヘッド部に設けた複数本のミシン針には予め特定の上糸をそれぞれ手作業で挿通しておく必要があり、縫製作業または刺繍作業等を自動化する上で大きな障害になるという問題がある。
【0006】
また、例えば特開昭61−89365号公報、特開平6−154453号公報、特開平6−182077号公報および特開平7−671号公報等に記載されたミシン(以下、他の従来技術という)では、例えばヘッド部に設けた1本のミシン針に対して複数の糸のいずれかを選択的に挿通できるようにし、ヘッド部全体の小型化を図るようにする提案がなされている。
【0007】
しかし、このような他の従来技術にあっても、縫製作業の途中で糸切れが発生したときに、ミシン針から古い糸を抜き取って新しい糸をミシン針に自動的に糸通しするのが難しく、特に、新しい糸の先端側に糸端を整形(形成)しつつ、整形した糸端側をミシン針の針孔に向けて円滑に誘導し高い確率で糸通しするのが難しいという問題がある。
【0008】
また、縫製作業の途中で使用中の糸が完全に消費され、糸を使い終ったような場合には、糸張力が低下することにより糸切れとしては検出できるが、糸が完全に消費されたことにより糸切れが生じたのか否かは判別できず、その後の縫製作業を効率的に行うことが難しくなるという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明はヘッド部に設けたミシン針に対して複数の糸のいずれかを選択的に挿通でき、ヘッド部全体を小型化できると共に、ミシン動作の途中で糸を使い終ったような場合でも円滑に対処でき、糸選択や糸通しを自動化することによって縫製作業または刺繍作業を自動化できるようにしたミシンを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ミシン本体と、該ミシン本体に設けられ、ミシン針を往復動させつつ、天秤を揺動させるヘッド部と、該ヘッド部に設けられ、少なくとも前記天秤およびミシン針に糸を挿通するための糸道を形成する糸道形成手段と、同一種類の糸を含む複数の糸をそれぞれ個別に収納する糸収納手段と、該糸収納手段に収納した複数の糸を前記ヘッド部に設けた前記糸道の一端側に向けてそれぞれ個別に導くための糸案内手段と、該糸案内手段により導かれた複数の糸のうち、いずれか一の糸を選択する糸選択手段と、該糸選択手段で選択した前記一の糸を前記糸道の一端側に向け予め決められた送り量をもって送り出す糸送出手段と、該糸送出手段により前記糸道に向けて送り出された前記糸の先端側を切断して糸端の形状を整える糸端整形手段と、該糸端整形手段と前記糸道との間に設けられ、該糸端整形手段により切断され前記糸道内に残った糸を吸引して前記糸道の外部に除去する糸吸引除去手段と、前記糸道内に気体を流通させることにより、前記糸端整形手段で予め糸端が整えられた前記糸を前記糸道の他端側に向けて誘導し、この糸を糸端側から前記ミシン針の針孔に挿通する糸誘導手段と、前記糸収納手段に収納した複数の糸のうち少なくとも前記糸選択手段で選択した糸が、前記ミシン本体のミシン動作により使い終わった状態となったか否かを糸の費消として検出する糸費消検出手段と、前記糸案内手段で導かれる各糸の糸位置を記憶エリア内に予め記憶し、自動糸通し制御を行うコントローラとを備え、該コントローラは、前記糸費消検出手段により前記糸の費消を検出したときに、記憶エリア内での前記糸位置の記憶内容に基づいて次なる糸を前記糸選択手段で選択させつつ、前記糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させてなる構成を採用している。
【0011】
このように構成することにより、糸収納手段から糸案内手段を介して導かれる複数の糸のうち、いずれか一の糸を糸選択手段で選択したときに、この選択した糸を糸送出手段によって糸道の一端側に向け予め決められた送り量分だけ送り出しつつ、糸端整形手段により糸送出手段で送り出された糸の先端側を切断して糸端の形状を整えることができ、前記糸道側に残留した糸は、糸吸引除去手段により吸引して糸道の外部に除去することができる。即ち、自動糸通し制御を行うコントローラは、糸案内手段で導かれる各糸の糸位置を予め記憶しているから、糸選択手段による糸選択を前記糸位置の記憶内容に基づいて制御でき、その後は糸送出手段、糸端整形手段および糸吸引除去手段を順次作動させることにより、糸送出手段による糸の送り出し制御、糸端整形手段による糸端の形状を整える制御を自動化できると共に、このときに糸道側に残留した糸を、糸吸引除去手段により自動的に吸引して前記糸道の外部に除去することができる。そして、この状態で前記糸道内に気体を流通させることにより、糸端が整形された糸を前記糸道の他端側に向け糸誘導手段で円滑に誘導でき、この糸を糸端側からミシン針の針孔に挿通することができる。また、ミシン本体のミシン動作により使用中の糸を使い終ったような場合には、これを糸の費消として糸費消検出手段で検出できるので、このときには、前記糸道側に残留した古い糸を糸吸引除去手段により吸引して糸道の外部に除去することができ、前回の古い糸が糸道の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。そして、例えば糸収納手段に収納した同一種類(色)の糸を前記糸選択手段で選択することにより、同一種類(色)の新しい糸を糸誘導手段で糸道に沿って誘導しつつ、前記ミシン針に自動糸通しすることができる。
【0015】
即ち、コントローラは、糸費消検出手段で糸の費消を検出したときに、前記糸位置の記憶内容に基づいて次なる糸を前記糸選択手段で選択させつつ、糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させることができる。そして、例えば同一種類(色)の糸を糸収納手段に予め収納しておくことにより、糸の費消後にも同一種類(色)の糸を必要に応じて円滑に補給することができる。これにより、ミシン動作の途中で使用中の糸を費消して使い終った場合でも、これを糸費消検出手段で検出しつつ、前記糸道側に残留した古い糸を糸吸引除去手段で吸引して外部に除去することができ、その後に糸誘導手段で同一種類の新しい糸を糸道に沿って誘導するときに、前回の古い糸が糸道の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、前記ミシン動作の途中で糸切れが発生したか否かを検出する糸切れセンサを備え、前記コントローラは、該糸切れセンサで糸切れを検出したときに、前記ミシン動作を停止させた状態で、前記糸送出手段および糸端整形手段の作動を制御すると共に、前記糸誘導手段で新しい糸を糸道に沿って誘導する前に、前記糸吸引除去手段により前記糸道側に残った古い糸を吸引して該糸道の外部に除去する構成としている。
【0017】
これにより、コントローラは、糸切れセンサにより例えば上糸の糸切れを検出したときに、前記糸位置の記憶内容に基づいて糸切れした糸と同じ糸を前記糸選択手段で選択させつつ、糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させることができる。そして、このような糸切れの発生時にも、該当する糸の補給を円滑に行うことができる。即ち、ミシン動作の途中で糸切れが発生したときには、これを糸切れセンサで検出しつつ、前記糸道側に残留した糸を糸吸引除去手段で吸引して外部に除去することができ、その後に糸誘導手段で新しい糸を糸道に沿って誘導するときに、前回の古い糸が糸道の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0025】
ここで、図1ないし図10は本発明の第1の実施例によるミシンを、刺繍機として用いた場合を例に挙げて示している。
【0026】
図において、1は刺繍機の本体部を構成するミシン本体を示し、該ミシン本体1は、基台2と、該基台2上に設けられたヘッド部3とから構成されている。そして、ミシン本体1のヘッド部3は、基台2上に固着された大端部3Aと、該大端部3Aの上端側から基台2と略平行に延びた腕部3Bと、該腕部3Bの先端側から下向きに突出し基台2上の刺繍枠(図示せず)と対向する小端部3Cとから大略構成されている。
【0027】
4はヘッド部3の腕部3B基端側に設けられた弾み車を示し、該弾み車4はヘッド部3の腕部3B内を小端部3C側に向けて伸長する主軸(図示せず)に連結され、この主軸は基台2側に設けた後述の主軸モータ73(図8参照)によって弾み車4と共に回転駆動される。
【0028】
ここで、ヘッド部3の小端部3C内には主軸の回転を上,下の往復運動に変換する駆動部(図示せず)が設けられ、この駆動部は後述の天秤11を上,下に揺動させると共に、小端部3Cの下端側から基台2側に向けて図2に示す如く突出した針軸5およびミシン針6を上,下に駆動する構成となっている。また、基台2内にはミシン針6の先端と対向する位置に針板7および下糸(図示せず)が巻回された下糸ボビン8等が配設されている。
【0029】
9は腕部3Bの先端側に位置してヘッド部3の前面側に設けられた糸調子を示し、該糸調子9は図4および図6に示すように、外周側に後述の上糸43を引っ掛けることにより上糸43に張力を与える糸取りばね10を備え、上糸43を天秤11側に向けて低摩擦給糸による糸補給を行うものである。そして、糸調子9は上糸43に、例えば25〜50g程度の張力を与え、ミシン針6等により上糸43がこの張力を越えて引っ張られるときに、天秤11側に向けて上糸43が給糸されるのを許すようになっている。
【0030】
11はヘッド部3の小端部3C前面側に配設された天秤を示し、該天秤11はヘッド部3の駆動部によりミシン針6とほぼ同期して上,下に揺動され、下向きに揺動するときにはミシン針6との間で上糸43に僅かなたるみを与え、上糸43をミシン針6側に給糸させる。また、天秤11は上向きに揺動されるときに、ミシン針6により刺繍布上に形成した縫い目(いずれも図示せず)と糸調子9等との間で上糸43を引っ張り上げるようにして該上糸43に張力を与え、前記縫い目の糸締めと上糸43の繰り出しとを行うようになっている。
【0031】
12は天秤11よりも下側の位置でヘッド部3の小端部3C前面に固定して設けられた糸掛けで、該糸掛け12は天秤11の糸穴11Aに挿通された上糸43を小端部3Cの下端前面側に摺動可能に掛止めし、天秤11の糸穴11Aからミシン針6の針孔6Aに向けて上糸43を円滑に給糸させるものである。
【0032】
13は腕部3Bの先端側および小端部3Cの前面側に設けられた糸道形成機構を示し、該糸道形成機構13は図4ないし図6等に示す如く、ヘッド部3の小端部3Cに固定して設けられた固定部としての固定板14と、該固定板14に対してガイド15,15,…を介して衝合、離間可能に配設された可動部としての可動板16とからなり、該可動板16には固定板14との衝合面側に位置して糸道としての蛇行状糸道17が形成されている。そして、該蛇行状糸道17は可動板16の衝合面に、例えば0.5〜1mm程度の深さをもった断面U字状の凹溝を刻設することにより天秤11等の前,後に亘って曲線状または直線状に延びる細溝として形成されている。
【0033】
ここで、蛇行状糸道17は図6に示すように、後述する糸導入検知器63の位置から下向きに延びる直線状糸道部17Aと、該直線状糸道部17Aの下端側から糸調子9の周囲に沿って曲線状に延び、糸取りばね10等に上糸43を挿通するための糸調子用糸道部17Bと、該糸調子用糸道部17Bの先端側から天秤11の前,後に亘り略U字状またはV字状をなして延び、天秤11の糸穴11Aに上糸43を挿通させるための天秤用糸道部17Cとからなり、該天秤用糸道部17Cの先端側は糸掛け12の位置へと下向きに開口している。
【0034】
この場合、糸道形成機構13の固定板14と可動板16とはそれぞれの衝合面が平滑面として形成され、互いに気密状態で衝合可能となっている。そして、糸道形成機構13の可動板16は後述のアクチュエータ18等により図5中の矢示A1 方向に押動され、固定板14の衝合面上に可動板16の衝合面を気密状態で密着させることにより、蛇行状糸道17を固定板14との間にエア通路として形成する。また、糸道形成機構13の固定板14と可動板16とには、天秤11等が上,下に揺動するのを許す後述の天秤用ガイド穴70等が形成されている。
【0035】
18は糸道形成機構13の固定板14と可動板16との間に設けられた糸道開放手段としてのアクチュエータを示し、該アクチュエータ18は外部からエア圧が給排されることにより可動板16を各ガイド15に沿って矢示A1 ,A2 方向に駆動し、該可動板16を固定板14に対して衝合または離間させる。そして、アクチュエータ18は図5に示す如く、可動板16を固定板14から矢示A2 方向に離間させることにより蛇行状糸道17を開放し、上糸43を蛇行状糸道17からフリーな状態とする。
【0036】
ここで、蛇行状糸道17は可動板16の衝合面側に断面U字状の細溝として形成しているから、ミシン針6への糸通し後にアクチュエータ18で可動板16を矢示A2 方向に移動させ固定板14から離間させるときに、蛇行状糸道17内から上糸43を自動的に離脱させることができ、ミシン針6の駆動時に上糸43が蛇行状糸道17に引っ掛かったりするのを防止するようになっている。そして、この状態では天秤11の揺動に応じて糸調子9等により上糸43に張力が付与され、該上糸43はミシン針6側に向けて低摩擦給糸される。
【0037】
19はヘッド部3の小端部3C前面側に設けられた他の糸道形成機構を示し、該糸道形成機構19は図4ないし図6に示す如く、小端部3Cの下端側に固定されミシン針6の位置まで下向きに延びた固定部としての固定板20と、該固定板20に対しガイド21,21を介して衝合、離間可能に配設された可動部としての可動板22とからなり、該可動板22には固定板20との衝合面側に位置して下向きに延びる中継糸道23が、例えば0.5〜1mm程度の深さをもった断面U字状の凹溝からなる細溝として形成されている。
【0038】
ここで、中継糸道23は図5および図6等に示すように、上端側が天秤用糸道部17Cの先端(下端)側に対向して開口し下端側が下向きに延びる直線状糸道部23Aと、該直線状糸道部23Aの下端側から一定の曲率をもって略L字状に屈曲し後述の糸姿勢矯正器25に向けて水平方向に延びる曲線状糸道部23Bとから構成されている。なお、糸道形成機構19の固定板20および可動板22は細長い平板状に形成され、その下端側は中継糸道23の曲線状糸道部23Bに沿って略L字状に湾曲している。また、糸道形成機構19の固定板20および可動板22についてもそれぞれの衝合面が平滑面として形成され、互いに気密状態で衝合可能となっている。
【0039】
24は糸道形成機構19の固定板20と可動板22との間に設けられた糸道開放手段としてのアクチュエータを示し、該アクチュエータ24は外部からエア圧が給排されることにより可動板22を各ガイド21に沿って駆動し、該可動板22を固定板20に対して衝合または離間させる。そして、アクチュエータ24により可動板22を固定板20に図6に示す如く衝合させたときには、可動板22と固定板20との間に中継糸道23がエア通路として形成され、可動板22を固定板20から図6中の矢示B方向に離間させたときには、中継糸道23が開放され上糸43を中継糸道23からフリーな状態とする。
【0040】
25は糸道形成機構19の下端側とミシン針6との間に進退可能に配設された糸姿勢矯正部としての糸姿勢矯正器を示し、該糸姿勢矯正器25は図5ないし図9に示す如く、後述する揺動アーム37の延長部37A上に設けられ上,下に2分割されるノズル半割体26A,26Bと、該ノズル半割体26A,26B間に形成されミシン針6の針孔6Aに向けて直線状に延びるノズル状糸道27と、ノズル半割体26A,26Bに隣接して揺動アーム37の延長部37A上に設けられノズル半割体26A,26Bを上下方向で衝合、離間させるエアシリンダ等の矯正シリンダ28とから構成されている。
【0041】
そして、該矯正シリンダ28は図5に示す如くノズル半割体26A,26Bを互いに衝合させたときに該ノズル半割体26A,26B間にノズル状糸道27を形成し、該ノズル状糸道27はこの状態で一端側が曲線状糸道部23Bの先端側に正対し他端側がミシン針6の針孔6Aと正対する。また、矯正シリンダ28によってノズル半割体26Bをノズル半割体26Aから上方に離間させたときにはノズル状糸道27が開放され、該ノズル状糸道27から上糸43をフリーな状態とする。
【0042】
さらに、ノズル半割体26Aの一端側にはエア導入口26Cが形成され、該エア導入口26Cは外部の圧気源からのエアをエア給排弁(いずれも図示せず)等を介してノズル状糸道27の下流側に向け噴出させる。そして、糸姿勢矯正器25はノズル状糸道27の一端側を曲線状糸道部23Bの先端側に正対させ、他端側をミシン針6の針孔6Aと正対させた状態で、エア導入口26Cからのエアをノズル状糸道27の下流側に向けて噴出させることにより、上糸43の糸姿勢をノズル状糸道27内で直線状に矯正しつつ、後述の糸吸引器30と協働して上糸43をミシン針6の針孔6Aに挿通させる。
【0043】
29,29,…はノズル半割体26A,26Bに形成されたエア逃し孔で、該各エア逃し孔29は一端側がノズル状糸道27の中間部位に連通し、他端側が一定の傾斜角をもってノズル半割体26A,26Bの下流側へと延び外部に開口している。そして、該各エア逃し孔29はノズル状糸道27内に前記エアが滞留すると、このエアをノズル半割体26A,26Bの外部に排出させることによりノズル状糸道27内での円滑なエアの流れを補償している。
【0044】
30はミシン針6の針孔6Aを挟んで糸姿勢矯正器25のノズル状糸道27と対向するように揺動アーム37に取付けられた糸吸引部としての糸吸引器で、該糸吸引器30は一端側が小径の糸吸引孔30Aとなってミシン針6の針孔6Aに対向し、他端側は上糸43の引出部30Bとなっている。また、糸吸引器30の長さ方向中間部にはエア導入口30Cが形成され、該エア導入口30Cは前記圧気源からのエアを引出部30B側に向けて流通させる。そして、このときのエア流により糸吸引孔30A側には負圧が発生し、これによって糸姿勢矯正器25からの上糸43はミシン針6の針孔6Aに挿通されつつ、糸吸引孔30Aを介して引出部30Bの位置まで導かれることになる。
【0045】
ここで、糸姿勢矯正器25および糸吸引器30は前記糸道形成機構13,19と共に糸道形成手段を構成し、糸姿勢矯正器25の矯正シリンダ28は糸道開放手段の一部を構成しているものである。また、エア導入口26C,30Cおよび各エア逃し孔29は後述の給排ノズル66〜69等と共に上糸43の糸誘導手段を構成し、気体としてのエア流により上糸43をミシン針6の針孔6Aに向けて誘導するものである。
【0046】
31は糸吸引器30の引出部30Bに対向して揺動アーム37に設けられた糸通し検出手段としての糸通し検知器を示し、該糸通し検知器31は光センサ等からなり、糸吸引器30の引出部30Bから上糸43の先端側が引出されているか否かを検知することによって、ミシン針6に上糸43が挿通されたか否かを検出するものである。そして、糸通し検知器31はミシン針6に上糸43が挿通されたことを検出すると、糸通し完了信号を後述のコントローラ76(図8参照)に出力し、後述の位置決めモータ32等を作動させる。
【0047】
32はヘッド部3の小端部3C背面側に支持プレート33を介して取付けられた位置決めモータを示し、該位置決めモータ32はステッピングモータ等からなり、回転軸32Aの一端側には駆動ギヤ34が固着されている。また、回転軸32Aの他端側には手動つまみ32Bが設けられ、該手動つまみ32Bは位置決めモータ32の回転軸32Aを手動で適宜に回転できるようになっている。
【0048】
35は位置決めモータ32の下側にブラケット等を介して取付けられた軸受装置、36は該軸受装置35に回転可能に支持された従動ギヤを示し、該従動ギヤ36は駆動ギヤ34に噛合し位置決めモータ32によって回転される。
【0049】
37は基端側が従動ギヤ36に固着され、先端側が下方に延びた連結部材としての揺動アームを示し、該揺動アーム37の先端側には図5に示す如く、ミシン針6の下側を水平方向に延びた延長部37Aが一体に設けられ、該延長部37Aは糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを一体的に支持する構成となっている。そして、揺動アーム37は位置決めモータ32により図7に示す矢示C方向に揺動され、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを図7中に実線で示す糸吸引位置と二点鎖線で示す退避位置とに進退させるものである。
【0050】
ここで、揺動アーム37は位置決めモータ32等と共に糸姿勢矯正器25、糸吸引器30の糸道開放機構38を構成し、該糸道開放機構38はミシン針6への糸通し後に前記蛇行状糸道17、中継糸道23およびノズル状糸道27等を開放する糸道開放手段を前記アクチュエータ18,24と共に構成している。
【0051】
39,40は揺動アーム37の揺動位置を検出する位置検出器を示し、位置検出器39は糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とが図7中に実線で示す糸吸引位置に達したか否かを揺動アーム37を介して検出し、位置検出器40は糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とが図7中に二点鎖線で示す退避位置に達したか否かを揺動アーム37を介して検出するものである。
【0052】
41,41,…はミシン本体1のヘッド部3から離間して所定位置に配設された糸収納手段となるチーズケースを示し、該各チーズケース41は図1に示す如くヘッド部3の上方に合計10〜15個程度設けられ、その上端側には後述する各糸案内チューブ46の基端側が接続されている。そして、各チーズケース41内にはそれぞれボビン42を介して糸としての上糸43が巻回状態で収納され、これらの各上糸43は互いに種類(色)の異なる糸等で構成されている。なお、各チーズケース41内に収納した各上糸43のうち使用頻度の高い上糸43については同一種類(色)のものを、例えば2本のチーズケース41内にボビン42を介して収納している。
【0053】
44は各チーズケース41から離間してヘッド部3の上方に配設された糸案内手段としての上糸43用のガイドホルダを示し、該ガイドホルダ44には図1および図2に示す如く、各チーズケース41に対応した個数の糸調子45,45,…と糸案内チューブ46,46,…の先端側とが取付けられ、該各糸案内チューブ46の基端側は各チーズケース41の上端側に接続されている。そして、各チーズケース41からの上糸43は各糸案内チューブ46を介して各糸調子45へと案内され、該各糸調子45により一定の張力が付与された状態で後述の各糸保持器55に導かれる。
【0054】
47,47,…は各糸調子45の下側に位置してガイドホルダ44に取付けられた糸費消検出手段としての糸費消センサを示し、該各糸費消センサ47は光センサ等からなり、図2に示すように各糸調子45に対応する個数をもってガイドホルダ44の長さ方向に列設されている。また、各糸費消センサ47の前,後には上下方向に離間して平板状の糸掛け48,48が配設され、各糸調子45からの上糸43は前,後の糸掛け48,48等を介して張力を与えた状態で各糸費消センサ47内に挿通されている。
【0055】
ここで、各糸費消センサ47はそれぞれの内部に上糸43が挿通されているか否かを検知することにより、各チーズケース41内に収納したそれぞれの上糸43がミシン動作により完全に消費されたか、即ち上糸43がミシン動作で順次消費され使い終った状態になったか否かを糸導入検知器63よりも上流側で検出するものである。この結果、ミシン本体1のヘッド部3側で上糸43に糸切れが発生したとしても、この場合には各糸費消センサ47内には上糸43が挿通されたまま保持されるから、糸切れ時と糸費消(使い終り)時とをコントローラ76側で確実に識別できるようになる。
【0056】
49は各チーズケース41から導かれる各上糸43のうち、いずれか一の上糸43を選択する糸選択手段としての上糸選択機構で、該上糸選択機構49は図2ないし図4に示す如く、ガイドホルダ44と糸導入検知器63との間に位置してミシン本体1のヘッド部3上に移動可能に配設されたスライダ50と、該スライダ50をラック51、ピニオン52等を介してヘッド部3の横方向(図3中の矢示D方向)にスライドさせる糸選択モータ53とから大略構成されている。
【0057】
ここで、糸選択モータ53はステッピングモータ等からなり、スライダ50をラック51、ピニオン52等を介してヘッド部3の横方向(矢示D方向)に定ピッチでスライドさせることにより、前記各上糸43のうちいずれか一の上糸43を後述する送出しローラ57の位置に選択的に移動させる。
【0058】
54はスライダ50に回転可能に設けられたガイドローラで、該ガイドローラ54は後述の押付シリンダ60により図4中に実線で示す作動位置と点線で示す非作動位置とに進退され、作動位置では送出しローラ57に従動して回転することにより該送出しローラ57との間で選択した上糸43が後述の糸導入器62側に向けて送り出されるのを補償するものである。また、ガイドローラ54は非作動位置に後退したときに送出しローラ57から離間し、該送出しローラ57による上糸43の送り出しを停止させるようになる。
【0059】
55,55,…は各チーズケース41から導かれる各上糸43の先端側を一時的に保持する糸保持手段としての糸保持器を示し、該各糸保持器55は図2に例示するようにスライダ50上に各チーズケース41(各糸調子45)に対応する個数をもって一列に配設されている。そして、各糸保持器55は前記各上糸43のうち、上糸選択機構49で選択した上糸43が糸導入器62側に送り出されるのを許すと共に、残余の各上糸43を待機状態に保持する構成となっている。
【0060】
56は上糸選択機構49で選択した上糸43を糸導入器62側に送り出す糸送出手段としての上糸送出機構を示し、該上糸送出機構56は図4に示す如く、ガイドローラ54との間で上糸43の先端側を挟持する送出しローラ57と、該送出しローラ57をベルト58等を介して回転駆動する駆動モータ59とから大略構成されている。
【0061】
ここで、駆動モータ59はステッピングモータ等からなり、前記ガイドローラ54が作動位置にあるときに送出しローラ57を一定の回転量をもって回転駆動する。そして、該送出しローラ57はこのときにガイドローラ54との間で上糸43を挟持しつつ、該ガイドローラ54と共に定回転することにより、前記上糸43を糸導入器62側に向けて予め決められた送り量分だけ送り出す構成となっている。
【0062】
60は前記ガイドローラ54を送出しローラ57に対して進退させる押付シリンダを示し、該押付シリンダ60は図4に示す如く、ロッド60Aを上,下に伸縮させるエアシリンダ等によって構成され、ロッド60Aの伸長時にはアーム61を介してガイドローラ54を作動位置へと揺動させる。そして、ガイドローラ54はこのときに送出しローラ57へと押付けられ、送出しローラ57に従動して回転する。また、押付シリンダ60のロッド60Aが縮小したときには、ガイドローラ54がアーム61を介して図4中に点線で示す非作動位置へと後退し、このときにガイドローラ54は送出しローラ57から離間して該送出しローラ57による上糸43の送出しを停止させる。
【0063】
62,62,…はミシン本体1のヘッド部3と送出しローラ57との間に配設された糸導入器を示し、該各糸導入器62は図2中に例示する如く、各糸保持器55と上,下で対向するように各糸保持器55に対応する個数をもって一列に配設されている。そして、各糸導入器62は上糸43の選択時に上糸選択機構49のスライダ50と共に矢示D方向に移動され、各糸導入器62のうちいずれか一の糸導入器62(選択した上糸43に対応した糸導入器62)が糸導入検知器63と上,下で対向するようになる。
【0064】
また、各糸導入器62は外部からエアが給排されることにより、該糸導入器62内に糸導入検知器63側に向けたエア流を発生させ、このときのエア流によって上糸43が糸導入器62内に挿通(誘導)される。そして、送出しローラ57から一定の送り量をもって送り出された上糸43の先端側は糸導入器62内に挿通された状態で、さらに下向きに送り出されることにより糸導入検知器63を介して糸道形成機構13の直線状糸道部17A内へと導入されるようになる。
【0065】
63は糸導入器62と糸道形成機構13の直線状糸道部17Aとの間に配設された糸導入検知器を示し、該糸導入検知器63は光センサ等からなり、前記上糸43の先端側が糸導入器62を介して直線状糸道部17A内に導入されたか否かを検出する。
【0066】
64は糸導入検知器63の下側に位置して直線状糸道部17Aの上端側に進退可能に配設された糸端整形手段としての糸切り機構を示し、該糸切り機構64は糸導入検知器63により上糸43の先端側を検出したときに、図6に示す作動位置へと矢示E1 方向に進出し、直線状糸道部17A内に導入された上糸43の先端側を強制的に切断するものである。
【0067】
ここで、糸切り機構64はソレノイド等の電磁アクチュエータによって駆動され、直線状糸道部17A内で上糸43の先端側を切断することにより、この上糸43の先端側にエッジ状の糸端を形成(整形)する。また、糸切り機構64は上糸43の先端側に糸端を形成(整形)した後に、図6に示す矢示E2 方向へと後退し給排ノズル66,67等からのエアにより上糸43が蛇行状糸道17内へと円滑に誘導されるのを補償する。
【0068】
65は糸切り機構64の下側に位置して糸道形成機構13の固定板14と可動板16との間に配設された糸吸引除去手段としての糸吸取り器を示し、該糸吸取り器65は図4および図6に示すように、一端側が給排ノズル66の近傍位置に開口し他端側が糸道形成機構13の外部に開口するノズル筒として構成されている。そして、糸吸取り器65は糸切り機構64の作動時等に前記圧気源からのエアで矢示F方向のエア流を発生させ、前記上糸43の先端側から糸切り機構64により切断された糸屑を矢示F方向に外部へと排出させる。
【0069】
また、ミシン動作の途中等で糸切れや糸費消(上糸43の使い終り)が発生したときにも、糸吸取り器65は前記圧気源からのエアで矢示F方向のエア流を発生させることにより、例えばミシン駆動時に糸道形成機構13の固定板14と可動板16との間を通過してミシン針6側に供給されていた糸(これまで使用していた古い糸)を矢示F方向に吸取るように吸引し、糸道形成機構13内に残った古い糸を外部へと排出させる。
【0070】
66,67は蛇行状糸道17の途中に配設された糸誘導手段としての給排ノズルを示し、該給排ノズル66,67は前記圧気源からのエアをエア給排弁等を介して蛇行状糸道17内に給排することにより、該蛇行状糸道17内に負圧または正圧を発生させ、前記糸端が整形された上糸43を蛇行状糸道17に沿って一端(上流端)側から他端(下流端)側へと誘導するものである。
【0071】
ここで、給排ノズル66は直線状糸道部17Aの一端(上端)側に配設され、前記圧気源からのエアにより上糸43を直線状糸道部17Aおよび糸調子用糸道部17Bの下流側へと誘導する。また、給排ノズル67は天秤用糸道部17Cの途中部位に配設され、給排ノズル66からのエア流により天秤用糸道部17Cへと誘導されてきた上糸43を該天秤用糸道部17Cの下流側へと給排ノズル67からのエア流によって誘導する。
【0072】
68,69は中継糸道23の途中に配設された糸誘導手段としての給排ノズルを示し、該給排ノズル68,69は前記圧気源からのエアをエア給排弁等を介して中継糸道23内に給排することにより該中継糸道23内に負圧または正圧を発生させ、前記糸端が整形された上糸43を中継糸道23に沿って一端(上流端)側から他端(下流端)側へと誘導するものである。
【0073】
ここで、給排ノズル68,69は直線状糸道部23Aの一端(上端)側と他端(下端)側とに離間して配設され、前記給排ノズル67からのエア流により直線状糸道部23A内へと誘導されてきた上糸43を下端側の曲線状糸道部23Bに向けて誘導する。そして、給排ノズル69は曲線状糸道部23Bに向けてエアを給排することにより、この上糸43を曲線状糸道部23Bから糸姿勢矯正器25のノズル状糸道27内へと誘導する。
【0074】
70は糸道形成機構13の固定板14および可動板16に形成された天秤用ガイド穴で、該天秤用ガイド穴70は図6等に示す如く天秤11の揺動軌跡に沿って上下方向に一定の長さで延び、ミシン動作時に天秤11が上,下に揺動するのを許すようになっている。また、糸道形成機構13の固定板14および可動板16には、上部側が天秤用ガイド穴70の上端まで該天秤用ガイド穴70に沿って延び、下部側が天秤用ガイド穴70から一定の曲率をもって分岐した円弧状のレバー用ガイド穴70Aが形成されている。そして、該レバー用ガイド穴70Aは後述する糸さばきレバー71の糸掛け部71B側が図6中の矢示G方向に揺動されるのを許す構成となっている。
【0075】
71は糸道形成機構13と共にミシン本体1のヘッド部3に設けられた糸さばきレバーを示し、該糸さばきレバー71は基端側が回動中心71Aとなって糸さばきモータ72の出力軸に連結され、先端側がレバー用ガイド穴70A内に挿入された糸掛け部71Bとなっている。そして、糸さばきレバー71は糸掛け部71Bがミシン針6への糸通し時に、図6中に実線で示す如く天秤11に接近して糸穴11Aと左,右で対面するように天秤用糸道部17Cの途中部位に配置され、ミシン針6への糸通し後には図6中に点線で示す如く糸さばきモータ72により矢示G方向に回動され天秤11から大きく離間される。
【0076】
この結果、糸道形成機構13の蛇行状糸道17等を開放した状態で、糸さばきレバー71の糸掛け部71Bを天秤11から大きく離間させることにより、曲線状の蛇行状糸道17等に沿ってたるみ状態にある上糸43を、天秤11の糸穴11Aと糸さばきレバー71の糸掛け部71Bとの間で引っ張ることができ、その後のミシン動作に先立って上糸43のたるみを確実に吸収することができる。
【0077】
73はミシン本体1の基台2側に設けられる駆動源としての主軸モータで、該主軸モータ73は図8に示す如くコントローラ76の出力側に接続され、コントローラ76からの駆動信号により前記ヘッド部3側の主軸等を回転駆動する。
【0078】
74は主軸モータ73の回転位置を検出する回転位置検出手段としての回転センサで、該回転センサ74は主軸モータ73の回転角(位置)を検出し、その検出信号をコントローラ76に出力する。そして、コントローラ76は回転センサ74からの検出信号に基づいてミシン針6の針先位置や天秤11の揺動位置等を監視するようになっている。
【0079】
75はミシン本体1のヘッド部3等に設けられる糸切れセンサを示し、該糸切れセンサ75は通常のミシン動作(刺繍作業)の途中で上糸43または下糸に糸切れが発生するとこれを検出し、その検出信号をコントローラ76に出力することによってミシン動作を自動的に停止させる。
【0080】
さらに、76はマイクロコンピュータ等によって構成されたコントローラを示し、該コントローラ76は図8に示す如くその入力側が糸通し検知器31、位置検出器39,40、糸費消センサ47、糸導入検知器63、回転センサ74および糸切れセンサ75等に接続され、出力側が糸道開放用のアクチュエータ18,24、矯正シリンダ28、位置決めモータ32、糸選択モータ53、駆動モータ59、糸切り機構64、糸吸取り器65、糸さばきモータ72、主軸モータ73および刺繍枠の枠移動機構(図示せず)等に接続されている。
【0081】
そして、コントローラ76はその記憶回路内に図9および図10に示すプログラム等を格納し、自動糸通し制御処理等を行うようになっている。また、コントローラ76の記憶回路にはその記憶エリア76A内に、糸通しを行うときに予め天秤11を揺動配置すべき天秤11の上死点位置に対応した主軸モータ73の回転位置と、各チーズケース41から各糸案内チューブ46等を介して各糸保持器55へと導かれたそれぞれの上糸43,43,…の糸位置等とが更新可能に格納されている。
【0082】
本実施例による刺繍機の自動糸通し装置は上述の如き構成を有するもので、次に図9および図10等を参照してコントローラ76による自動糸通し制御処理等について説明する。
【0083】
まず、刺繍機の運転準備作業として各チーズケース41内に収納した各上糸43の先端側を各糸案内チューブ46を介して各糸調子45へと案内し、該各糸調子45により各上糸43に一定の張力を付与しつつ、この状態でそれぞれの上糸43を各糸費消センサ47等を介して各糸保持器55へと導くようにする。
【0084】
そして、各糸保持器55を通過した各上糸43を送出しローラ57によりガイドローラ54を介して各糸導入器62側へと送り出しつつ、このときに各糸導入器62に外部からエアを給排して該各糸導入器62内に糸導入検知器63側に向けたエア流を発生させることにより、各上糸43をそれぞれの糸導入器62内に挿通(誘導)し、この状態で各上糸43を各糸保持器55で保持させるようにする。また、コントローラ76の記憶エリア76A内には各糸保持器55でクランプされ待機状態にある各上糸43の糸位置を、キーボード(図示せず)等の手動操作で予め記憶させるようにする。
【0085】
次に、この状態で処理動作をスタートさせると、ステップ1では回転センサ74から出力される主軸モータ73の回転位置信号(検出信号)に基づいて天秤11の揺動位置を読込む。そして、ステップ2では天秤11が糸通し位置となる上死点位置まで揺動しているか否かを判定し、「NO」と判定する間はステップ3に移って主軸モータ73を回転駆動し、天秤11を上死点位置まで揺動させる。このとき、ミシン針6は天秤11の動きにほぼ連動するように主軸モータ73で駆動(移動)され、ミシン針6は針先が予め決められた糸通し位置(針板7上から一定寸法だけ離れた高さ位置)に達するようになる。
【0086】
そして、ステップ2で「YES」と判定したときには天秤11が上死点位置となり、該天秤11はミシン針6の針先と共に予め決められた糸通し位置に達しているから、主軸モータ73の回転を停止させて次なるステップ4に移り、糸道形成処理を実行し糸姿勢矯正器25のノズル半割体26A,26Bを互いに衝合させてノズル状糸道27を形成すると共に、糸道開放機構38の位置決めモータ32で揺動アーム37を揺動させることにより、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを図7に実線で示す糸吸引位置とし、糸姿勢矯正器25のノズル状糸道27と糸吸引器30の糸吸引孔30Aとをミシン針6の針孔6Aに対向(正対)させるようにする。
【0087】
さらに、ステップ4の糸道形成処理では糸道形成機構13の可動板16を固定板14に衝合(密着)させ、該固定板14と可動板16との間に蛇行状糸道17を形成すると共に、糸道形成機構19の可動板22を固定板20に衝合(密着)させ、該固定板20と可動板22との間に中継糸道23を形成する。そして、該中継糸道23の曲線状糸道部23B先端側を糸姿勢矯正器25のノズル状糸道27に正対させるようにする。また、このときに糸さばきモータ72により糸さばきレバー71を図6に実線で示す糸通し位置まで上昇させ、糸さばきレバー71の糸掛け部71Bを天秤11の糸穴11Aと左,右で正対させるようにする。
【0088】
次に、ステップ5では上糸43の選択処理を実行すべく、上糸選択機構49の糸選択モータ53でスライダ50をラック51、ピニオン52等を介してヘッド部3の横方向(図3中の矢示D方向)にスライドさせることにより、各糸保持器55でスライダ50上に保持された各上糸43のうち、いずれか1本の上糸43の先端を上糸送出機構56の送出しローラ57とガイドローラ54との間に挟持可能な状態に導く。また、このときに対応する糸導入器62にエアを送り込み、糸保持器55でクランプされている上糸43の先端(下端)側をエア流で真直ぐに伸長させ、糸導入検知器63内へと上糸43の先端側を導くことにより糸導入を検知できるようにする。
【0089】
そして、この状態で次なるステップ6に移って押付シリンダ60のロッド60Aを伸長させ、ガイドローラ54を図4に実線で示す作動位置にアーム61を介して揺動させることにより、ガイドローラ54を送出しローラ57に押付けるようにする。次に、この状態で糸保持器55による上糸43の保持を解除しつつ、上糸送出機構56の駆動モータ59を作動させ、送出しローラ57を一定の回転量をもって回転駆動することにより、前記上糸43の先端側を糸導入検知器63を介して蛇行状糸道17内へと予め決められた送り量(例えば2cm程度)分だけ送り出す。
【0090】
かくして、この上糸43の先端側が糸導入検知器63を介して糸道形成機構13の直線状糸道部17A内に導入されてくると、ステップ7では糸導入検知器63からの検知信号に基づいて糸切り機構64を作動させ、直線状糸道部17A内で上糸43の先端側を切断し、この上糸43の先端側にエッジ状の糸端を形成(整形)する。
【0091】
そして、次なるステップ8では糸吸取り器65によって前記圧気源からのエアで矢示F方向のエア流を発生させ、前記上糸43の先端側から糸切り機構64により切断された糸屑を図4中の矢示F方向に吸引除去し、この糸屑を直線状糸道部17Aの外部へと矢示F方向に排出させる。
【0092】
次に、この状態でステップ9に移って自動糸通し処理を実行し、糸道形成機構13,19の給排ノズル66〜69からエアを給排することにより、蛇行状糸道17および中継糸道23内に負圧または正圧によるエア流を発生させ、先端側にエッジ状の糸端が形成された上糸43を蛇行状糸道17の直線状糸道部17Aから糸調子用糸道部17B、天秤用糸道部17Cおよび中継糸道23の直線状糸道部23A、曲線状糸道部23Bへと円滑に誘導する。
【0093】
この場合、エア流により上糸43を蛇行状糸道17および中継糸道23等に沿って誘導すると、上糸43は過剰に速い速度で誘導される傾向にあるので、前記上糸送出機構56の送出しローラ57でガイドローラ54を従動させつつ、上糸43を糸導入器62側に向けて徐々に送り出し、蛇行状糸道17および中継糸道23内等における上糸43の移動速度を所望の速さに抑えるようにする。
【0094】
そして、上糸43の糸端側が糸調子用糸道部17Bを通過するときに、糸調子9の周囲および糸取りばね10に上糸43を挿通させると共に、上糸43の糸端側が天秤用糸道部17Cを通過するときに、糸さばきレバー71の糸掛け部71Bおよび天秤11の糸穴11A内に上糸43を糸端側から挿通し、この上糸43を中継糸道23の曲線状糸道部23Bから糸姿勢矯正器25へと誘導する。
【0095】
さらに、糸姿勢矯正器25および糸吸引器30側では圧気源からのエアをエア導入口26Cを介してノズル状糸道27の下流側に向けて噴出させると共に、エア導入口30Cからは糸吸引器30の引出部30B側に向けてエアを流通させ、このときのエア流により糸吸引孔30A側に負圧を発生させる。そして、糸姿勢矯正器25はこの状態でノズル状糸道27の一端側が曲線状糸道部23Bの先端側に正対し、他端側がミシン針6の針孔6Aと正対しているから、エア導入口26Cからのエアをノズル状糸道27の下流側に向けて噴出させることにより、上糸43の糸姿勢をノズル状糸道27内で直線状に矯正しつつ、糸吸引器30と協働して上糸43をミシン針6の針孔6Aに挿通させる。
【0096】
また、糸吸引器30側では糸吸引孔30A内に発生した負圧により、糸姿勢矯正器25からの上糸43をミシン針6の針孔6Aを介して糸吸引孔30A内に吸引し、ミシン針6の針孔6Aに挿通された上糸43の先端側を糸吸引孔30Aを介して引出部30Bの位置へと導くようにする。そして、糸吸引器30の引出部30Bから上糸43の先端側が引出されるようになると、これを糸通し検知器31で検知することにより、ステップ10で「YES」として自動糸通しの完了を判定処理する。
【0097】
次に、ミシン針6への糸通しが完了すると、前記糸導入器62へのエア供給を停止すると共に、給排ノズル66〜69およびエア導入口26C,30C等へのエア供給を停止する。そして、図10に示すステップ11に移って糸道の開放処理を実行し、糸姿勢矯正器25のノズル状糸道27を矯正シリンダ28で開放すると共に、糸道開放機構38の位置決めモータ32で揺動アーム37を矢示C方向に揺動させることによって、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを図7に実線で示す糸吸引位置から二点鎖線で示す退避位置に退避させるようにする。
【0098】
さらに、糸道形成機構13の可動板16をアクチュエータ18により図5に示す如く固定板14から離間させ、ミシン針6への糸通し後に蛇行状糸道17を開放すると共に、糸道形成機構19の可動板22をアクチュエータ24で図6に示す矢示B方向に移動させ、該可動板22を固定板20から離間させることによって中継糸道23を開放する。この結果、ミシン針6への糸通し時に蛇行状糸道17、中継糸道23およびノズル状糸道27内に導かれた上糸43はこれらの糸道17,23,27等に対してフリーな状態となる。
【0099】
次に、この状態でステップ12に移って糸さばきレバー71を糸さばきモータ72により、円弧状のレバー用ガイド穴70Aに沿って下向きに下降(揺動)させ、糸さばきレバー71の糸掛け部71Bを天秤11から大きく離間させる。そして、糸道形成機構13の蛇行状糸道17等を開放した状態で、糸さばきレバー71の糸掛け部71Bを天秤11から大きく離間させることにより、曲線状の蛇行状糸道17等に沿ってたるみ状態にある上糸43を、図6中に二点鎖線で示す如く天秤11の糸穴11Aと糸さばきレバー71の糸掛け部71Bとの間で引っ張り、その後のミシン動作に先立って上糸43のたるみを吸収しておくようにする。
【0100】
次に、この状態でガイドローラ54を押付シリンダ60により図4中に点線で示す非作動位置まで後退させ、ミシン動作時に上糸43の円滑な給糸が可能な状態にする。なお、この場合に糸通しが終った段階で、糸通しを行った上糸43を対応する糸保持器55でクランプした後に、前述の糸道開放処理、ガイドローラ54の後退動作および糸さばきレバー71による上糸43のたるみ吸収処理等を行い、その後に糸保持器55によるクランプを解除するようにしてもよい。
【0101】
次に、ステップ13に移って主軸モータ73および刺繍枠の枠移動機構等を刺繍データに基づいて駆動し、ミシン針6を運針させることによるミシン動作(刺繍作業)を実行させる。そして、ミシン針6の運針時には上糸43がこれらの糸道17,23,27等に対してフリーな状態に保持され、この上糸43は天秤11の揺動に応じて糸調子9等により張力が付与されつつ、ミシン針6側に向け低摩擦給糸されるから、通常のミシン動作時等には上糸43が蛇行状糸道17、中継糸道23およびノズル状糸道27等に引っ掛かったりするのを確実に防止できる。
【0102】
一方、ステップ14ではミシン針6の駆動途中等で糸切れが発生したか否かを糸切れセンサ75からの信号に基づいて判定し、「YES」と判定したときには上糸43等に糸切れが発生しているから、ステップ15に移って糸吸取り器65を作動させ、前記圧気源からのエアで矢示F方向のエア流を発生させつつ、上糸43を糸切り機構64で切断することにより、例えば糸道形成機構13の固定板14と可動板16との間等から糸切れの発生した古い糸を糸吸取り器65で矢示F方向に吸引し、糸道形成機構13内に残った古い糸を外部へと排出させる。
【0103】
また、ステップ14で「NO」と判定したときにはステップ16に移って、例えば使用中の上糸43が完全に消費された糸費消の状態であるか否かを糸費消センサ47からの信号に基づいて判定し、「YES」と判定したときには前記各チーズケース41内に収納した同一種類の上糸43をミシン針6に自動糸通しすべく、使用済み(糸の費消状態)となった上糸43を糸切り機構64およびカッター(図示せず)等で切断し、この切断された古い糸をステップ15に移って糸吸取り器65により外部へと排出させる。
【0104】
そして、ステップ15の排出処理を実行した後には、図9に示すステップ1に戻ってこれ以降の処理を再開させ、例えば前記糸費消の場合には前回と同一種類の上糸43をステップ5で上糸選択機構49により選択し、ステップ5では選択した上糸43を上糸送出機構56の送出しローラ57で糸導入検知器63側に向けて一定の送り量(例えば2cm程度)分だけ送り出す。
【0105】
また、次なるステップ7で糸切り機構64を作動させて上糸43の先端側に糸端を形成し、ステップ8で糸屑を吸引しつつ、ステップ9以降に移って自動糸通しを再び実行する。なお、図10に示すステップ17で「YES」と判定したときにはミシン動作(刺繍)の完了時であるから、処理動作を終了させる。
【0106】
かくして、本実施例によれば、ミシン本体1のヘッド部3に蛇行状糸道17、中継糸道23およびノズル状糸道27等を形成する糸道形成機構13,19、糸姿勢矯正器25および糸吸引器30等を設けると共に、ヘッド部3上には各チーズケース41からの各上糸43を上糸選択機構49のスライダ50上に案内する各糸案内チューブ46、該各糸案内チューブ46によりスライダ50上の各糸保持器55側に導かれた各上糸43のうち、いずれか一の上糸43を選択する上糸選択機構49、該上糸選択機構49で選択した上糸43を前記蛇行状糸道17側に向け予め決められた送り量をもって送り出す上糸送出機構56および該上糸送出機構56で送り出された上糸43の先端側を切断して糸端の形状を整える糸切り機構64を設ける構成としている。
【0107】
この結果、各糸案内チューブ46で導かれる複数の上糸43のうち、いずれか1本の上糸43を上糸選択機構49で選択でき、この選択した上糸43を上糸送出機構56によって蛇行状糸道17に向け一定の送り量分だけ正確に送り出すことができると共に、この一定量分だけ送り出された上糸43の先端側を糸切り機構64により確実に切断でき、該上糸43の先端側にエッジ状の糸端を形成(整形)することができる。
【0108】
そして、前記蛇行状糸道17、中継糸道23およびノズル状糸道27等には圧気源からのエアを流通させることにより、前記糸端が整えられた上糸43をこれらの糸道17,23,27等の一端側から他端側に向けて誘導し、この上糸43を糸端側からミシン針6の針孔6A内に挿通させる構成としたから、糸端が整形された上糸43を糸道17,23,27等の一端側から他端側に向けてエア流により円滑に誘導でき、この上糸43を糸端側からミシン針6の針孔6Aに安定させて挿通することができる。
【0109】
この場合、糸道形成機構13の可動板16にはその衝合面側に蛇行状糸道17を断面U字状の細溝として形成し、固定板14の衝合面は平滑面となっているから、給排ノズル66,67から蛇行状糸道17内にエアを吹き付けると、このエアの流れは可動板16の蛇行状糸道17と固定板14の平滑面との間で固定板14の壁面に沿って噴流の如く流がれるようになり、このときの噴流により蛇行状糸道17のほぼ中心位置に沿って上糸43を下流側へと円滑に誘導することができる。また、糸道形成機構19の中継糸道23側でもこれと同様の作用を得ることができ、中継糸道23の下流側へと上糸43を円滑に誘導できる。
【0110】
さらに、少なくとも天秤11に上糸43を挿通するため該天秤11の前,後に亘って曲線状または直線状に延びる蛇行状糸道17と、該蛇行状糸道17の下側に中継糸道23を介して配設され、ミシン針6の針孔6Aに上糸43を直線状に供給する糸姿勢矯正器25と、該糸姿勢矯正器25とミシン針6の針孔6Aを介して対向するように配設され、糸姿勢矯正器25からの上糸43を吸引してミシン針6の針孔6Aに通す糸吸引器30とを備える構成としている。
【0111】
この結果、前記糸道17,23,27等にエアを流通させることによって、糸端の形状が整えられた上糸43を蛇行状糸道17に沿って誘導しつつ、天秤11に円滑に挿通できると共に、糸姿勢矯正器25ではミシン針6の針孔6Aに向けて上糸43を直線状に供給でき、糸姿勢矯正器25からの上糸43を糸吸引器30で吸引することにより、この上糸43を糸端側からミシン針6の針孔6Aに確実に挿通することができる。
【0112】
一方、糸道形成機構13,19の可動板16,22には固定板14,20との衝合面側に蛇行状糸道17,中継糸道23をそれぞれ断面U字状の細溝として形成しているから、ミシン針6への糸通し後にアクチュエータ18,24で可動板16,22を移動させ固定板14,20から離間させるときに、可動板16,22の移動により上糸43に振動を加えるようにして可動板16,22の蛇行状糸道17,中継糸道23内から上糸43を確実に離脱させることができる。
【0113】
また、ミシン本体1のヘッド部3には糸道形成機構13と共に糸さばきレバー71を設け、該糸さばきレバー71の糸掛け部71Bをミシン針6への糸通し時には、図6中に実線で示す如く天秤11の糸穴11Aと左,右で正対するように天秤用糸道部17Cの途中部位に配置し、ミシン針6への糸通し後には糸さばきレバー71の糸掛け部71Bを、図6中に点線で示す如く糸さばきモータ72により矢示G方向に回動し、天秤11から大きく離間させる構成としている。
【0114】
この結果、糸通し検知器31でミシン針6に対する糸通しを検出したときにはアクチュエータ18,24を作動させ、蛇行状糸道17および中継糸道23等を自動的に開放できると共に、糸さばきレバー71を回動して糸掛け部71Bを天秤11から離間させることにより、曲線状をなす蛇行状糸道17等に沿ってたるみ状態にある上糸43を、天秤11と糸さばきレバー71の糸掛け部71Bとの間で引っ張ることができ、その後のミシン動作時には上糸43に張力を与えてミシン針6への糸供給を円滑に行うことができる。
【0115】
さらに、ガイドホルダ44には各糸調子45の下側に位置して該各糸調子45に対応する個数をもった各糸費消センサ47を列設し、該各糸費消センサ47により上糸43がミシン動作で順次消費され、使い終った状態になったか否かを糸導入検知器63よりも上流側で検出する構成としたから、糸切れセンサ75による上糸43の糸切れ時と上糸43の糸費消による使い終り時とをコントローラ76側で確実に識別でき、上糸43の糸切れ時と糸費消時とを区別してその後の自動糸通しを円滑に行うことができる。
【0116】
そして、コントローラ76の記憶エリア76A内には各糸案内チューブ46等から導かれる各上糸43の糸位置を予め記憶しているから、各糸費消センサ47で糸の費消を検出したり、糸切れセンサ75で上糸43の糸切れを検出したりしたときに、前記糸位置の記憶内容に基づき次に選択すべき上糸43を上糸選択機構49で間違いなく選択でき、例えば同一種類の上糸43をチーズケース41内に予め収納しておくことにより、糸の費消後にも同一種類の上糸43を必要に応じて円滑に補給することができる。
【0117】
さらにまた、糸切り機構64と蛇行状糸道17との間には、給排ノズル66,67等で新しい上糸43を蛇行状糸道17に沿って誘導する前に、糸道形成機構13の固定板14と可動板16との間に残った古い糸を糸吸取り器65で外部に吸引する構成としているから、ミシン動作の途中で使用中の上糸43を費消して使い終った場合でも、これを糸費消センサ47で検出しつつ、糸道形成機構13側に残留した使用済みの上糸43を糸吸取り器65で外部に吸引除去でき、その後に蛇行状糸道17に沿って新しい上糸43を誘導するときに、前回の古い糸が蛇行状糸道17の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。
【0118】
従って、本実施例によれば、ヘッド部3に設けたミシン針6の針孔6Aに対して複数本の上糸43,43,…のいずれか1本を選択的に挿通でき、糸選択や糸通しを自動化できると共に、ヘッド部3側に従来技術のような針選択機構等を設ける必要がなくなり、ヘッド部3の構造を簡素化して全体を小型化でき、ミシン針6の針孔6Aに向けて上糸43を円滑に誘導することができる。
【0119】
また、糸吸引器30の引出部30B側にはミシン針6に上糸43が挿通されたか否かを検知する糸通し検知器31を設け、該糸通し検知器31からの信号に基づきミシン針6への糸通し後には給排ノズル66〜69等からのエア流を停止させ、アクチュエータ18,24等により糸道形成機構13,19の蛇行状糸道17、中継糸道23等を開放する構成としているから、糸通し検知器31でミシン針6に対する上糸43の挿通を検出したときには、アクチュエータ18,24等を自動的に作動させ糸道形成機構13,19の蛇行状糸道17、中継糸道23等を開放することができると共に、糸さばきレバー71で上糸43のたるみを自動的に吸収でき、この状態でミシン動作を行わせることによりミシン針6への上糸43の供給を円滑に行うことができる。
【0120】
さらに、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを揺動アーム37の延長部37A等を介して一体化し、ミシン針6への糸通し後には糸道開放機構38の位置決めモータ32により、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とをミシン針6の針孔6Aと対向する位置から図10に示す如く退避させる構成としているから、これらの糸姿勢矯正器25や糸吸引器30等がミシン針6の運針動作に邪魔になったりするのを確実に防止できる。
【0121】
さらにまた、糸切り機構64の下側には糸道形成機構13の固定板14と可動板16との間に位置して糸吸取り器65を設けているから、例えばミシン針6の運針動作の途中で糸切れや糸費消等が発生したとしても、糸切れや糸費消の発生した古い糸を糸吸取り器65で蛇行状糸道17の外部に吸引でき、該蛇行状糸道17内に残った古い糸を外部へと確実に排出することができる。
【0122】
従って、刺繍柄の作成(ミシン動作)途中で糸切れや糸費消等が発生しても、ミシン針6や天秤11等から古い糸を自動的に抜き取りつつ、コントローラ76による糸位置の記憶内容に基づいて必要に応じた上糸43の糸選択を自動的に行うことができ、この場合でも新しい上糸43の先端側に糸端を整形(形成)しつつ、整形した糸端側をミシン針6の針孔6Aに向けて円滑に誘導でき、非常に高い確率で糸通しを行うことができる等の効果を奏する。
【0123】
なお、前記第1の実施例では、図9および図10に示すプログラムのうちステップ5の処理が、本発明の特徴事項の一部をなす糸選択制御手段の具体例を示すものである。
【0124】
次に、図11は本発明の第2の実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付しその説明を省略するものとする。しかし、本実施例の特徴は、各チーズケース41から離間してヘッド部3の上方に配設した上糸43用のガイドホルダ81に、第1の各糸調子82と第2の各糸調子83とをそれぞれ上,下に直列に設け、これらの各糸調子82,83により糸張力調整手段を構成するようにしたことにある。
【0125】
ここで、ガイドホルダ81および各糸調子82は前記第1の実施例で述べたガイドホルダ44および各糸調子45とほぼ同様に構成され、該各糸調子82は各チーズケース41に対応した個数をもってガイドホルダ81上に1列に配設されている。また、各糸調子83は各糸調子82の下側に該各糸調子82と同一の個数をもって列設され、各糸調子83は前記第1の実施例で述べた糸調子9と同様に糸取りばね(図示せず)をそれぞれ備えることにより、例えば25〜50g程度の張力を各上糸43に付与する構成となっている。
【0126】
さらに、糸道形成機構13の可動板16には固定板14との衝合面側に位置して蛇行状糸道84が形成され、該蛇行状糸道84は前記第1の実施例で述べた蛇行状糸道17に比較して単純な形状となっている。そして、蛇行状糸道84は、糸導入検知器63の位置から下向きに延びる直線状糸道部84Aと、該直線状糸道部84Aの下端側から天秤11の前,後に亘って略S字状に延びる天秤用糸道部84Bからなり、該天秤用糸道部84Aの先端(下端)側は糸掛け12の位置へと下向きに開口している。
【0127】
かくして、このように構成される本実施例でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施例では、各上糸43用のガイドホルダ81に第1の各糸調子82と第2の各糸調子83と直列に設ける構成としたから、第1の実施例のように糸道形成機構13による蛇行状糸道17の途中に糸調子9等を設ける必要がなくなり、糸道形成機構13による蛇行状糸道84の形状を大幅に簡略化でき、給排ノズル66,67からのエア流により上糸43を蛇行状糸道84に沿ってきわめて円滑に誘導することができる。
【0128】
なお、前記第1の実施例では、ミシン針6に対する糸通しを行うときに、主軸モータ73の回転位置を制御することにより、例えば天秤11が上死点位置となる所定の糸通し位置に配置するものとして述べたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば弾み車4に定位置センサ等を設け、この定位置センサからの検出信号に基づき天秤11およびミシン針6の針先を所定の糸通し位置に自動停止させるようにしてもよい。
【0129】
また、前記第1の実施例では、ミシン針6に対する糸通し後に糸吸引器30の糸吸引孔30A等から上糸43が自動的に抜け出すものとして、糸吸引器30は糸姿勢矯正器25のように2分割構造を採らない場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えば糸通し検知器31側に糸掴み等を設ける構成とした場合には糸吸引器30を2分割構造とするのがよい。
【0130】
さらに、前記各実施例では、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを揺動アーム37の延長部37A等を介して一体化し、ミシン針6への糸通し後には糸道開放機構38の位置決めモータ32により、糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とをミシン針6の針孔6Aと対向する位置から図7中の矢示C方向に退避させる構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば糸姿勢矯正器25と糸吸引器30とを別々に退避させる構成とし、糸姿勢矯正器25のみを退避させた状態で糸吸引器30により上糸43の先端側をさらに吸引して、蛇行状糸道17(84)側での上糸43のたるみ等を吸収し、その後に糸吸引器30を退避させる構成としてもよい。
【0131】
一方、前記第1の実施例では、矯正シリンダ28および押付シリンダ60等をエアシリンダで構成するものとして述べたが、これに替えて、例えば電磁ソレノイド等のアクチュエータを用いてもよい。また、揺動アーム37の揺動位置を検出する位置検出器39,40に替えて、例えば位置決めモータ32にロータリエンコーダ等を付設し、これによって、揺動アーム37の揺動位置を検出する構成としてもよい。
【0132】
さらに、前記各実施例では、自動糸通し装置を単頭式の刺繍機に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば多頭式の刺繍機または通常の縫製機としての工業用ミシン等に適用してもよいものである。
【0133】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明では、ミシン本体のヘッド部に天秤およびミシン針に糸を挿通するための糸道を形成する糸道形成手段を設けると共に、糸収納手段からの複数の糸を該糸道形成手段による糸道の一端側に向けて導くための糸案内手段と、該糸案内手段により導かれた複数の糸のうちいずれか一の糸を選択する糸選択手段と、該糸選択手段で選択した糸を前記糸道の一端側に向け予め決められた送り量をもって送り出す糸送出手段と、該糸送出手段で送り出された糸の先端側を切断して糸端の形状を整える糸端整形手段と、該糸端整形手段により切断され前記糸道内に残った前記糸を吸引して糸道の外部に除去する糸吸引除去手段と、前記糸道内に気体を流通させることにより前記糸を糸道の他端側に向けて誘導し該糸を糸端側から前記ミシン針に挿通する糸誘導手段と、ミシン動作により使用中の糸を使い終えたか否かを糸の費消として検出する糸費消検出手段と、前記糸案内手段で導かれる各糸の糸位置を記憶エリア内に予め記憶し、自動糸通し制御を行うコントローラとを備え、該コントローラは、前記糸費消検出手段により前記糸の費消を検出したときに、記憶エリア内での前記糸位置の記憶内容に基づいて次なる糸を前記糸選択手段で選択させつつ、前記糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させる構成としたので、糸収納手段から糸案内手段を介して導かれる複数の糸のうち、いずれか一の糸を糸選択手段で選択したときに、この選択した糸を糸送出手段によって糸道の一端側に向け予め決められた送り量分だけ送り出しつつ、糸端整形手段により糸送出手段で送り出された糸の先端側を切断して糸端の形状を確実に整えることができ、前記糸道側に残留した糸は、糸吸引除去手段により吸引して糸道の外部に除去することができる。
【0134】
即ち、自動糸通し制御を行うコントローラは、糸案内手段で導かれる各糸の糸位置を予め記憶しているので、糸選択手段による糸選択を前記糸位置の記憶内容に基づいて制御でき、その後は糸送出手段、糸端整形手段および糸吸引除去手段を順次作動させることができる。これにより、糸送出手段による糸の送り出し制御、糸端整形手段による糸端の形状を整える制御を自動化できると共に、このときに糸道側に残留した糸を、糸吸引除去手段により自動的に吸引して前記糸道の外部に除去することができる。そして、この状態で前記糸道内に気体を流通させることにより、糸端が整形された糸を糸道の他端側に向け糸誘導手段で円滑に誘導でき、この糸を糸端側からミシン針の針孔に円滑に挿通することができる。また、ミシン本体のミシン動作により使用中の糸を使い終ったような場合には、これを糸の費消として糸費消検出手段で検出できるので、このときには、前記糸道側に残留した古い糸を糸吸引除去手段により吸引して糸道の外部に除去することができ、前回の古い糸が糸道の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。そして、例えば糸収納手段に収納した同一種類(色)の新しい糸を前記糸選択手段で選択することにより、同一種類(色)の新しい糸を糸誘導手段で糸道に沿って誘導しつつ、前記ミシン針に自動糸通しすることができる。従って、ヘッド部に設けたミシン針に対して複数の糸のいずれかを選択的に挿通でき、ヘッド部全体を小型化できると共に、ミシン動作の途中で糸を使い終ったような場合でも円滑に対処でき、糸選択や糸通しを確実に自動化することができる。
【0136】
この場合、前記コントローラは、前記糸費消検出手段により糸の費消を検出したときに、記憶エリア内での前記糸位置の記憶内容に基づいて次なる糸を前記糸選択手段で選択させつつ、前記糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させる構成としているので、前記コントローラは、糸費消検出手段で糸の費消を検出したときに、前記糸位置の記憶内容に基づいて次なる糸を前記糸選択手段で選択させつつ、糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させることができる。そして、例えば同一種類(色)の糸を糸収納手段に予め収納しておくことにより、糸の費消後にも同一種類(色)の糸を必要に応じて円滑に補給することができる。即ち、ミシン動作の途中で使用中の糸を費消して使い終った場合でも、これを糸費消検出手段で検出しつつ、前記糸道側に残留した古い糸を糸吸引除去手段で吸引して外部に除去することができ、その後に糸誘導手段で同一種類の新しい糸を糸道に沿って誘導するときに、前回の古い糸が糸道の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。そして、糸端整形手段で整形した糸の糸端側をミシン針の針孔に向けて円滑に誘導でき、非常に高い確率で糸通しを行うことができる。
【0137】
また、請求項2に記載の発明は、前記ミシン動作の途中で糸切れが発生したか否かを検出する糸切れセンサを備え、前記コントローラは、該糸切れセンサで糸切れを検出したときに、前記ミシン動作を停止させた状態で、前記糸送出手段および糸端整形手段の作動を制御すると共に、前記糸誘導手段で新しい糸を糸道に沿って誘導する前に、前記糸吸引除去手段により前記糸道側に残った古い糸を吸引して該糸道の外部に除去する構成としているので、コントローラは、糸切れセンサにより例えば上糸の糸切れを検出したときに、前記糸位置の記憶内容に基づいて糸切れした糸と同じ糸を前記糸選択手段で選択させつつ、糸送出手段、糸端整形手段、糸吸引除去手段および糸誘導手段を順次作動させることができる。そして、このような糸切れの発生時にも、該当する糸の補給を円滑に行うことができる。即ち、ミシン動作の途中で糸切れが発生したときには、これを糸切れセンサで検出しつつ、前記糸道側に残留した糸を糸吸引除去手段で吸引して外部に除去することができ、その後に糸誘導手段で新しい糸を糸道に沿って誘導するときに、前回の古い糸が糸道の途中等に挟まって滞留したりするのを確実に防止できる。そして、糸端整形手段で整形した糸の糸端側をミシン針の針孔に向けて円滑に誘導でき、非常に高い確率で糸通しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による刺繍機の自動糸通し装置等を示す一部破断の正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向断面図である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向断面図である。
【図4】図1中の要部拡大図である。
【図5】図2中の要部拡大図である。
【図6】図1中の糸道形成機構等を拡大して示す一部破断の正面図である。
【図7】糸吸引器等を糸吸引位置に配置した状態を示す図5の左側面図である。
【図8】刺繍機のコントローラ等を示す制御ブロック図である。
【図9】図8中のコントローラによる自動糸通し制御処理等を示す流れ図である。
【図10】図9に続く自動糸通し制御処理等を示す流れ図である。
【図11】本発明の第2の実施例による刺繍機の自動糸通し装置を示す一部破断の正面図である。
【符号の説明】
1 ミシン本体
2 基台
3 ヘッド部
5 針軸
6 ミシン針
9,45 糸調子
10 糸取りばね
11 天秤
12 糸掛け
13,19 糸道形成機構(糸道形成手段)
14,20 固定板(固定部)
16,22 可動板(可動部)
17,84 蛇行状糸道
18,24 アクチュエータ(糸道開放手段)
23 中継糸道
25 糸姿勢矯正器(糸姿勢矯正部)
26C,30C エア導入口(糸誘導手段)
27 ノズル状糸道
28 矯正シリンダ(糸道開放手段)
30 糸吸引器(糸吸引部)
31 糸通し検知器(糸通し検出手段)
32 位置決めモータ
37 揺動アーム(連結部材)
38 糸道開放機構(糸道開放手段)
41 チーズケース
42 ボビン
43 上糸
44,81 ガイドホルダ
46 糸案内チューブ(糸案内手段)
47 糸費消センサ(糸費消検出手段)
49 上糸選択機構(糸選択手段)
55 糸保持器(糸保持手段)
56 上糸送出機構(糸送出手段)
62 糸導入器
63 糸導入検知器
64 糸切り機構(糸端整形手段)
65 糸吸取り器(糸吸引除去手段)
66,67,68,69 給排ノズル(糸誘導手段)
70 天秤用ガイド穴
70A レバー用ガイド穴
71 糸さばきレバー
72 糸さばきモータ
73 主軸モータ
74 回転センサ
75 糸切れセンサ
76 コントローラ
82,83 糸調子(糸張力調整手段)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sewing machine suitably used as a sewing machine or an embroidery machine for cloth, for example, and more particularly to a sewing machine that can automatically insert an upper thread into a needle hole of a sewing machine needle.
[0002]
[Prior art]
Generally, a sewing machine main body, a head part provided on the sewing machine body for reciprocating a sewing needle and swinging a balance, and a yarn storage part provided on the head part for individually storing a plurality of upper threads A plurality of sewing needles are provided on the lower end side of the head portion corresponding to each upper thread of the yarn storage portion, and each thread from the yarn storage portion is individually and individually attached to each sewing needle. A sewing machine such as a sewing machine or an embroidery machine in which any one of the sewing needles is selectively driven by a needle selection mechanism in a state of being inserted (threaded) is known.
[0003]
And in this type of prior art sewing machine, threading each thread from the thread storage part individually by manual operation or the like individually for a plurality of sewing needles provided on the lower end side of the head part, In this state, one of the sewing needles is selected by the needle selection mechanism, and the selected sewing needle is moved by the head portion so that the cloth is sewn.
[0004]
In this case, a plurality of upper thread bobbins are rotatably arranged in the thread storage portion, and different types of upper threads are wound around the bobbins, and frequently used upper threads are wound. The bobbin is wound around about 2 to 3 bobbins, and each of these bobbins is housed in the yarn housing portion. When the sewing needle is selected by the needle selection mechanism, the upper thread is individually fed out from each of these bobbins, and a seam is formed by sewing on the cloth or the like.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-described prior art, a plurality of sewing needles are provided in the head portion of the sewing machine body, and each thread from the thread storage portion is individually threaded manually in advance with respect to each sewing needle. Later, it is configured to select one of the sewing needles with the needle selection mechanism prior to the sewing work, so that not only the entire head portion is enlarged, but also the plurality of sewing needles provided in the head portion are specified in advance. Therefore, there is a problem in that it is a great obstacle to automating sewing work or embroidery work.
[0006]
Further, for example, sewing machines described in JP-A-61-89365, JP-A-6-154453, JP-A-6-182077, JP-A-7-671, and the like (hereinafter referred to as other conventional techniques). Then, for example, a proposal has been made to allow one of a plurality of threads to be selectively inserted into a single sewing needle provided in the head portion, thereby reducing the size of the entire head portion.
[0007]
However, even in such other conventional techniques, it is difficult to automatically remove the old thread from the sewing needle and automatically thread the new thread through the sewing needle when thread breakage occurs during the sewing operation. In particular, there is a problem that it is difficult to smoothly guide the shaped yarn end side toward the needle hole of the sewing needle and to thread the yarn with high probability while shaping (forming) the yarn end on the tip side of a new yarn. .
[0008]
Also, if the thread being used is completely consumed during the sewing operation and the thread is used up, it can be detected as a thread break due to a decrease in thread tension, but the thread is completely consumed. Therefore, it cannot be determined whether or not the thread breakage has occurred, and there is a problem that it is difficult to efficiently perform the subsequent sewing work.
[0009]
The present invention has been made in view of the above-described problems of the prior art, and the present invention can selectively insert one of a plurality of threads into a sewing needle provided in the head portion, and can reduce the size of the entire head portion. Even when the thread is used up in the middle of the sewing machine operation, it can be handled smoothly, and thread selection and threading are automated. By doing so, sewing work or embroidery work can be automated The purpose is to provide such a sewing machine.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problem, the invention described in
[0011]
With this configuration, when any one of the plurality of yarns guided from the yarn storage unit via the yarn guide unit is selected by the yarn selection unit, the selected yarn is transmitted by the yarn delivery unit. The yarn end shape can be adjusted by cutting the leading end side of the yarn sent out by the yarn sending means by the yarn end shaping means while sending it by a predetermined feed amount toward one end side of the yarn path. The yarn remaining on the road side can be sucked by the yarn suction removing means and removed outside the yarn path. That is, since the controller that performs automatic threading control stores in advance the thread position of each thread guided by the thread guide means, the thread selection by the thread selecting means can be controlled based on the stored contents of the thread position, and thereafter By automatically operating the yarn feeding means, the yarn end shaping means and the yarn suction removing means, the yarn feeding control by the yarn feeding means and the control for adjusting the shape of the yarn end by the yarn end shaping means can be automated. The yarn remaining on the yarn path side can be automatically sucked by the yarn suction removing means and removed to the outside of the yarn path. In this state, the gas is allowed to flow through the yarn path, so that the yarn with the shaped end can be smoothly guided to the other end side of the yarn path by the yarn guiding means. It can be inserted into the needle hole of the needle. In addition, when the used thread is used up due to the sewing operation of the sewing machine body, it can be detected by the thread consumption detecting means as the consumption of the thread. At this time, the old thread remaining on the yarn path side can be detected. The yarn can be sucked and removed from the yarn path by the yarn suction / removal means, and the previous old yarn can be reliably prevented from staying in the middle of the yarn path. Then, for example, by selecting the same type (color) of yarn stored in the yarn storage means with the yarn selection means, while guiding a new yarn of the same type (color) along the yarn path with the yarn guide means, Automatic threading can be performed on the sewing needle.
[0015]
That is The controller, when detecting the consumption of the yarn by the yarn consumption detecting means, causes the yarn selecting means to select the next yarn based on the stored contents of the yarn position, while the yarn sending means, the yarn end shaping means, the yarn The suction removing means and the yarn guiding means can be operated sequentially. For example, by storing the same type (color) of yarn in the yarn storage means in advance, the same type (color) of yarn can be smoothly supplied as needed even after the yarn is consumed. This Even when the used yarn is consumed during the sewing operation, the old yarn remaining on the yarn path side is sucked by the yarn suction removing means while being detected by the yarn consumption detecting means. After that, when a new yarn of the same type is guided along the yarn path by the yarn guiding means, it is ensured that the previous old yarn is stuck in the middle of the yarn path, etc. Can be prevented.
[0016]
Also ,
[0017]
As a result, the controller detects the thread breakage of the upper thread, for example, based on the stored contents of the thread position. Same as broken thread The yarn sending means, the yarn end shaping means, the yarn suction removing means, and the yarn guiding means can be sequentially operated while the yarn is selected by the yarn selecting means. Even when such yarn breakage occurs, the corresponding yarn can be smoothly supplied. That is, when a yarn breakage occurs during the sewing operation, the yarn remaining on the yarn path side can be sucked and removed to the outside while being detected by the yarn breakage sensor, When the new yarn is guided along the yarn path by the yarn guiding means, it is possible to reliably prevent the previous old yarn from being caught in the middle of the yarn path or the like.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0025]
Here, FIGS. 1 to 10 show an example in which the sewing machine according to the first embodiment of the present invention is used as an embroidery machine.
[0026]
In the figure,
[0027]
[0028]
Here, in the
[0029]
[0030]
[0031]
[0032]
[0033]
Here, as shown in FIG. 6, the meandering
[0034]
In this case, the fixed
[0035]
[0036]
Here, since the meandering
[0037]
[0038]
Here, as shown in FIG. 5 and FIG. 6 and the like, the
[0039]
[0040]
[0041]
The
[0042]
Further, an
[0043]
29, 29,... Are air escape holes formed in the nozzle halves 26A, 26B. Each of the air escape holes 29 communicates with an intermediate portion of the nozzle-
[0044]
[0045]
Here, the
[0046]
[0047]
[0048]
[0049]
[0050]
Here, the
[0051]
[0052]
41, 41,... Indicate cheese cases serving as yarn storage means disposed at predetermined positions apart from the
[0053]
44 shows a guide holder for the
[0054]
[0055]
Here, each yarn
[0056]
49 is an upper thread selection mechanism as a thread selection means for selecting one of the
[0057]
Here, the
[0058]
A
[0059]
55 denote yarn holders as yarn holding means for temporarily holding the tip end side of each
[0060]
[0061]
Here, the
[0062]
[0063]
62, 62,... Indicate thread introducers disposed between the
[0064]
In addition, each of the
[0065]
[0066]
[0067]
Here, the
[0068]
Denoted at 65 is a yarn sucker as a yarn sucking / removing means located below the
[0069]
Also, when yarn breakage or yarn consumption (end of use of the upper thread 43) occurs during the sewing operation or the like, the
[0070]
[0071]
Here, the supply /
[0072]
[0073]
Here, the supply /
[0074]
[0075]
[0076]
As a result, with the
[0077]
Reference numeral 73 denotes a spindle motor as a drive source provided on the
[0078]
[0079]
[0080]
Further, 76 denotes a controller constituted by a microcomputer or the like. As shown in FIG. 8, the
[0081]
The
[0082]
The automatic threading device of the embroidery machine according to the present embodiment has the above-described configuration. Next, automatic threading control processing by the
[0083]
First, as an operation preparation operation of the embroidery machine, the leading end side of each
[0084]
Then, each
[0085]
Next, when the processing operation is started in this state, in
[0086]
When it is determined as “YES” in
[0087]
Further, in the yarn path forming process in
[0088]
Next, in
[0089]
In this state, the process proceeds to the
[0090]
Thus, when the leading end side of the
[0091]
In the
[0092]
Next, in this state, the process proceeds to step 9 to execute an automatic threading process, and air is supplied / discharged from the supply /
[0093]
In this case, if the
[0094]
When the thread end side of the
[0095]
Further, on the
[0096]
On the
[0097]
Next, when the threading to the
[0098]
Further, the
[0099]
Next, the process proceeds to step 12 in this state, and the
[0100]
Next, in this state, the
[0101]
Next, the process proceeds to step 13 where the spindle motor 73 and the frame moving mechanism of the embroidery frame are driven based on the embroidery data to execute a sewing operation (embroidery work) by moving the
[0102]
On the other hand, in
[0103]
If “NO” is determined in
[0104]
Then, after the discharge process of
[0105]
In the
[0106]
Thus, according to the present embodiment, the thread
[0107]
As a result, any one of the
[0108]
Then, air from a pressure source is circulated through the meandering
[0109]
In this case, the
[0110]
Furthermore, in order to insert the
[0111]
As a result, air is circulated through the
[0112]
On the other hand, on the
[0113]
Further, the
[0114]
As a result, when the threading
[0115]
Further, the
[0116]
Since the yarn position of each
[0117]
Furthermore, before the new
[0118]
Therefore, according to the present embodiment, any one of the plurality of
[0119]
Further, a threading
[0120]
Further, the
[0121]
Furthermore, since the
[0122]
Therefore, even if thread breakage or thread cost consumption occurs during the creation of the embroidery pattern (sewing operation), the old thread is automatically removed from the
[0123]
In the first embodiment, the processing of
[0124]
Next, FIG. 11 shows a second embodiment of the present invention. In this embodiment, the same components as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and the description thereof is omitted. However, the present embodiment is characterized in that the
[0125]
Here, the
[0126]
Further, a meandering
[0127]
Thus, in the present embodiment configured as described above, substantially the same operation and effect as in the first embodiment can be obtained. In particular, in the present embodiment, the
[0128]
In the first embodiment, when threading the
[0129]
In the first embodiment, it is assumed that the
[0130]
Furthermore, in each of the above-described embodiments, the
[0131]
On the other hand, in the first embodiment, the
[0132]
Further, in each of the above-described embodiments, the case where the automatic threading device is applied to a single-head embroidery machine has been described as an example. However, the present invention is not limited thereto, and for example, a multi-head embroidery machine or normal sewing is performed. The present invention may be applied to an industrial sewing machine as a machine.
[0133]
【The invention's effect】
As described above in detail, in the invention according to
[0134]
That is, since the controller that performs automatic threading control stores in advance the thread position of each thread guided by the thread guide means, the thread selection by the thread selecting means can be controlled based on the stored contents of the thread position, and thereafter Can sequentially operate the yarn feeding means, the yarn end shaping means and the yarn suction removing means. This makes it possible to automate the yarn feeding control by the yarn feeding means and the control for adjusting the shape of the yarn end by the yarn end shaping means, and the yarn remaining on the yarn path at this time is automatically sucked by the yarn suction removing means. And can be removed outside the yarn path. In this state, the gas is allowed to flow through the yarn path so that the yarn whose shape is formed can be smoothly guided to the other end of the yarn path by the yarn guiding means. Can be smoothly inserted into the needle hole. In addition, when the used thread is used up due to the sewing operation of the sewing machine body, it can be detected by the thread consumption detecting means as the consumption of the thread. At this time, the old thread remaining on the yarn path side can be detected. The yarn can be sucked and removed from the yarn path by the yarn suction / removal means, and the previous old yarn can be reliably prevented from staying in the middle of the yarn path. And, for example, by selecting a new thread of the same type (color) stored in the thread storage means by the thread selection means, while guiding a new thread of the same type (color) along the yarn path by the thread guide means, Automatic threading can be performed on the sewing needle. Therefore, one of a plurality of threads can be selectively inserted into the sewing needle provided in the head section, and the entire head section can be reduced in size, and even when the thread is used up in the middle of the sewing operation smoothly The thread selection and threading can be reliably automated.
[0136]
In this case, The controller, when the consumption of the yarn is detected by the yarn consumption cancellation detecting means, allows the yarn selection means to select the next yarn based on the stored contents of the yarn position in the storage area, the yarn sending means, Since the yarn end shaping means, the yarn suction removing means and the yarn guiding means are sequentially operated, when the controller detects the consumption of the yarn by the yarn cost consumption detecting means, the controller performs the next operation based on the stored contents of the yarn position. The yarn sending means, the yarn end shaping means, the yarn suction removing means, and the yarn guiding means can be sequentially operated while selecting the yarn to be formed by the yarn selecting means. For example, by storing the same type (color) of yarn in the yarn storage means in advance, the same type (color) of yarn can be smoothly supplied as needed even after the yarn is consumed. That is, even when the used yarn is consumed during the sewing operation and used up, the old yarn remaining on the yarn path side is sucked by the yarn suction removing means while detecting this by the yarn consumption detecting means. It can be removed to the outside, and when a new yarn of the same type is guided along the yarn path by the yarn guiding means, it is ensured that the previous old yarn stays caught in the middle of the yarn path, etc. Can be prevented. Then, the yarn end side of the yarn shaped by the yarn end shaping means can be smoothly guided toward the needle hole of the sewing needle, and threading can be performed with a very high probability.
[0137]
Also , Claims 2 The invention described in (1) further includes a yarn break sensor that detects whether or not a yarn break has occurred during the sewing operation, and the controller performs the sewing operation when the yarn break sensor detects the yarn break. In the stopped state, the front Writing The operation of the feeding means and the yarn end shaping means is controlled, and before the new yarn is guided along the yarn path by the yarn guiding means, the old yarn remaining on the yarn path side is sucked by the yarn suction removing means. Therefore, when the controller detects, for example, the thread breakage of the upper thread by the thread breakage sensor, the controller is based on the stored contents of the thread position. Same as broken thread The yarn sending means, the yarn end shaping means, the yarn suction removing means, and the yarn guiding means can be sequentially operated while the yarn is selected by the yarn selecting means. Even when such yarn breakage occurs, the corresponding yarn can be smoothly supplied. That is, when a yarn breakage occurs during the sewing operation, the yarn remaining on the yarn path side can be sucked and removed to the outside while being detected by the yarn breakage sensor, When the new yarn is guided along the yarn path by the yarn guiding means, it is possible to reliably prevent the previous old yarn from being caught in the middle of the yarn path or the like. Then, the yarn end side of the yarn shaped by the yarn end shaping means can be smoothly guided toward the needle hole of the sewing needle, and threading can be performed with a very high probability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially broken front view showing an automatic threading device and the like of an embroidery machine according to a first embodiment of the present invention.
2 is a cross-sectional view in the direction of arrows II-II in FIG.
3 is a cross-sectional view in the direction of arrows III-III in FIG.
4 is an enlarged view of a main part in FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is an enlarged view of a main part in FIG. 2;
6 is a partially cutaway front view showing the yarn path forming mechanism and the like in FIG. 1 in an enlarged manner. FIG.
7 is a left side view of FIG. 5 showing a state in which a yarn suction device and the like are arranged at a yarn suction position.
FIG. 8 is a control block diagram showing a controller and the like of the embroidery machine.
9 is a flowchart showing an automatic threading control process and the like by the controller in FIG.
10 is a flowchart showing automatic threading control processing and the like following FIG. 9;
FIG. 11 is a partially broken front view showing an automatic threading device of an embroidery machine according to a second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Sewing machine
2 base
3 Head
5 Needle shaft
6 Sewing needle
9,45 Thread tension
10 Thread take-up spring
11 Balance
12 Thread hook
13, 19 Yarn path forming mechanism (yarn path forming means)
14,20 Fixed plate (fixed part)
16, 22 Movable plate (movable part)
17,84 Serpentine thread path
18, 24 Actuator (thread path opening means)
23 Relay Yarn
25 Thread posture corrector (Thread posture corrector)
26C, 30C air inlet (thread guide means)
27 Nozzle thread path
28 Straightening cylinder (thread path opening means)
30 Thread suction unit (Thread suction part)
31 Threading detector (Threading detection means)
32 Positioning motor
37 Swing arm (connecting member)
38 Yarn path opening mechanism (yarn path opening means)
41 Cheese case
42 bobbins
43 Upper thread
44, 81 Guide holder
46 Thread guide tube (Thread guide means)
47 Yarn Expenditure Sensor (Thread Expenditure Detection Means)
49 Upper thread selection mechanism (thread selection means)
55 Thread retainer (Thread retaining means)
56 Upper thread delivery mechanism (yarn delivery means)
62 Thread introducer
63 Yarn introduction detector
64 Thread trimming mechanism (thread end shaping means)
65 Thread sucker (Thread suction and removal means)
66, 67, 68, 69 Supply / discharge nozzle (thread guiding means)
70 Guide hole for balance
70A Lever guide hole
71 Thread separation lever
72 Thread separation motor
73 Spindle motor
74 Rotation sensor
75 Thread breakage sensor
76 controller
82, 83 Thread tension (Thread tension adjusting means)
Claims (2)
該ミシン本体(1)に設けられ、ミシン針(6)を往復動させつつ、天秤(11)を揺動させるヘッド部(3)と、
該ヘッド部(3)に設けられ、少なくとも前記天秤(11)およびミシン針(6)に糸(43)を挿通するための糸道(17,23,27)を形成する糸道形成手段(13,19,25,30)と、
同一種類の糸(43)を含む複数の糸(43)をそれぞれ個別に収納する糸収納手段(41)と、
該糸収納手段(41)に収納した複数の糸(43)を前記ヘッド部(3)に設けた前記糸道(17)の一端側に向けてそれぞれ個別に導くための糸案内手段(44)と、
該糸案内手段(44)により導かれた複数の糸(43)のうち、いずれか一の糸(43)を選択する糸選択手段(49)と、
該糸選択手段(49)で選択した前記一の糸(43)を前記糸道(17)の一端側に向け予め決められた送り量をもって送り出す糸送出手段(56)と、
該糸送出手段(56)により前記糸道(17)に向けて送り出された前記糸(43)の先端側を切断して糸端の形状を整える糸端整形手段(64)と、
該糸端整形手段(64)と前記糸道(17)との間に設けられ、該糸端整形手段(64)により切断され前記糸道(17)内に残った糸を吸引して前記糸道(17)の外部に除去する糸吸引除去手段(65)と、
前記糸道(17,23,27)内に気体を流通させることにより、前記糸端整形手段(64)で予め糸端が整えられた前記糸(43)を前記糸道(17,23,27)の他端側に向けて誘導し、この糸(43)を糸端側から前記ミシン針(6)の針孔(6A)に挿通する糸誘導手段(66,67,68,69,26C,30C)と、
前記糸収納手段(41)に収納した複数の糸(43)のうち少なくとも前記糸選択手段(49)で選択した糸(43)が、前記ミシン本体(1)のミシン動作により使い終わった状態となったか否かを糸の費消として検出する糸費消検出手段(47)と、
前記糸案内手段(44)で導かれる各糸(43)の糸位置を記憶エリア(76A)内に予め記憶し、自動糸通し制御を行うコントローラ(76)とを備え、
該コントローラ(76)は、前記糸費消検出手段(47)により前記糸(43)の費消を検出したときに、記憶エリア(76A)内での前記糸位置の記憶内容に基づいて次なる糸(43)を前記糸選択手段(49)で選択させつつ、前記糸送出手段(56)、糸端整形手段(64)、糸吸引除去手段(65)および糸誘導手段(66,67,68,69,26C,30C)を順次作動させる構成としてなるミシン。Sewing machine body (1),
A head portion (3) provided on the sewing machine main body (1), for swinging the balance (11) while reciprocating the sewing needle (6);
Thread path forming means (13) provided in the head portion (3) and forming thread paths (17, 23, 27) for inserting the thread (43) into at least the balance (11) and the sewing needle (6). , 19, 25, 30),
Thread storage means (41) for individually storing a plurality of threads (43) including the same type of thread (43);
Thread guide means (44) for individually guiding a plurality of threads (43) stored in the thread storage means (41) toward one end side of the yarn path (17) provided in the head portion (3). When,
Thread selection means (49) for selecting any one of the plurality of threads (43) guided by the thread guide means (44);
Yarn sending means (56) for feeding the one yarn (43) selected by the yarn selecting means (49) toward one end of the yarn path (17) with a predetermined feed amount;
A yarn end shaping means (64) for cutting the tip side of the yarn (43) fed toward the yarn path (17) by the yarn feeding means (56) and adjusting the shape of the yarn end;
The yarn that is provided between the yarn end shaping means (64) and the yarn path (17), is cut by the yarn end shaping means (64) and remains in the yarn path (17), and the yarn is sucked. Thread suction and removal means (65) for removing outside the road (17);
By allowing gas to flow through the yarn path (17, 23, 27), the yarn (43) whose yarn end is preliminarily prepared by the yarn end shaping means (64) is passed through the yarn path (17, 23, 27). Thread guide means (66, 67, 68, 69, 26C, threaded through the needle hole (6A) of the sewing needle (6) from the yarn end side. 30C) and
A state in which at least the thread (43) selected by the thread selection means (49) among the plurality of threads (43) stored in the thread storage means (41) has been used due to the sewing operation of the sewing machine body (1); Thread cost consumption detecting means (47) for detecting whether or not the yarn has been consumed as thread consumption ,
A controller (76) for previously storing the yarn position of each yarn (43) guided by the yarn guide means (44) in the storage area (76A) and performing automatic threading control;
The controller (76) detects the next yarn (43A) based on the stored contents of the yarn position in the storage area (76A) when the yarn cost consumption detecting means (47) detects the consumption of the yarn (43). 43) is selected by the yarn selecting means (49), while the yarn sending means (56), the yarn end shaping means (64), the yarn suction removing means (65) and the yarn guiding means (66, 67, 68, 69). , 26C, 30C) sequentially configuration and then formed by a sewing machine to operate the.
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