JP3614969B2 - Polyester compositions, monofilaments and industrial fabrics - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防汚性に優れ、さらには優れた防汚性と耐加水分解性とを兼ね備えたポリエステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメントおよび該ポリエステルモノフィラメントを用いた工業用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは、優れた抗張力・耐酸性・寸法安定性を有するため、各種工業用部品、衣料用および工業用繊維材料、各種織物などに広く使用されてきた。例えば、モノフィラメントとして、抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネットコンベア、抄紙ワイヤー、フィルター、各種ブラシ、筆毛、印刷スクリーン紗などに用いられてきた。
【0003】
しかしながら、ポリエステル製品は、汚れやすいことと、高温・高湿度雰囲気下で加水分解を起こしやすいという問題を有していたため、従来から種々の改善が行なわれてきた。
【0004】
汚れやすい例として、例えば、ポリエステルモノフィラメント製の抄紙ワイヤー(パルプの漉上げ工程用織物)や抄紙ドライヤーキャンバス(紙の乾燥工程用織物)等では、木材ピッチ、回収古紙に使用されていた糊剤、パルプ、製紙原液中に添加されている添料、サイズ剤、紙力増強剤、インクなどからなる汚れが付着・蓄積するため、これらワイヤーおよびキャンバスの洗浄を頻繁に行なうことを余儀なくされる。また、例えば、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネットコンベアでは融着したポリエチレン等がベルト布に付着・蓄積したものが、別の不織布製品に付着して製品品位が低下したりするなどの問題がを有していた。更に、フィルターに用いた場合、汚れ付着のためにケーキの剥離性が悪く、濾過効率が低くなるという問題を有していた。
【0005】
従って、ポリエステルの汚れやすいという欠点を改善するため、例えば、フッ素を含有する化合物でポリエステル繊維を後処理する技術(特開昭52−5400号公報、特開昭58−46123号公報)、ポリエステルにパーフルオロアルキルスルホン酸塩(モノマー)を添加する技術(特開昭59−66449号公報)、ポリエステルにエチレンとモノクロルトリフルオロエチレンをブレンドする技術(特開平5−302212号公報)などが知られている。
【0006】
一方、加水分解しやすい例としては、例えば、ポリエステルモノフィラメントを抄紙ドライヤーキャンバスの構成素材として使用した場合は、使用中にポリエステルモノフィラメントが加水分解劣化による強度低下を起こすため、長期間の使用に耐えることが困難であった。このため、このポリエステルモノフィラメントの耐加水分解性を改善するための種々の提案がなされてきた。
【0007】
ポリエステルモノフィラメントの耐加水分解性を向上させるための手段の一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン1、ポリスチレン等を特定量添加するポリエステルモノフィラメント(特開昭51−136923号公報)が知られているが、この技術で得られるものフィラメントは強度が低く、かつ耐加水分解性が向上効果も小さく、実用的でない。
【0008】
また、エポキシ化合物を添加してポリエステルの加水分解性を向上せしめる方法が知られている。例えば、ポリエステルにグリシジルフタルイミドを添加する方法(特公昭61−4843号公報)、ポリエステルにアルカリ金属の存在下、エポキシ化合物を添加する方法(特公昭61−42728号公報)、ポリエステルにオキサゾリン化合物を方法(特公昭63−8133号公報、特公昭61−48531号公報、特公昭61−57182号公報、特公昭57−161122号公報、特公昭61−48532号公報)が知られており、それなりの耐加水分解性向上効果は得られるが、現在求められている高いレベルの耐加水分解性を満足することはできない。
【0009】
また、カルボジイミド化合物を添加することによりポリエステルの耐加水分解性を向上せしめる方法が知られている。例えば、モノまたはビスカルボジイミド化合物を添加し、短時間で混練紡糸し未反応カルボジイミドを含有しないフィラメントを形成させる方法(特開昭50−95517号公報)、分子内に3個以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物を添加する方法(特公昭38−15220号公報)、カルボキシル末端基がカルボジイミドとの反応でキャップされ、遊離のモノ及び/又はビスカルボジイミド化合物30〜200ppmと遊離のポリカルボジイミド又はなお反応性を有するポリカルボジイミド基を含む反応生成物を少なくとも0.02重量%含有するポリエステル繊維及びフィラメント(特開平4−289221号公報)が提案されている。また、特定量のリンを含むポリエステルに特定のカルボジイミド化合物を添加する工業用ポリエステルモノフィラメントの製造方法(特開昭57−205518号公報)および特定のカルボジイミド化合物を未反応の状態で特定量残存させた抄紙キャンバス用ポリエステルモノフィラメント(特開昭58−23916号公報)を提案するなど種々の改善がなされてきた。さらに、本願発明者らは、本願の組成物およびモノフィラメントの構成要件の一つである、ポリマ成分が、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下のポリエステルと、弗素原子を含有しない熱可塑性ポリマからなり、該ポリマ成分が未反応の状態のカルボジイミド化合物を特定量含有するポリエステル組成物およびポリエステルモノフィラメントを提案し、近年要求される極めて高いレベルの耐加水分解性ポリエステルを提供することを可能にした(特開平7−258524号公報) 。また、ポリエステルに優れた防汚性と耐加水分解性の両性能を同時に発現せしめる技術として、末端カルボキシル基濃度が10当量/ポリエステル106 g以下であって、カルボジイミド化合物を未反応の状態で0.005〜1.5重量%含有し、かつエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体等の出願時点で入手可能な弗素系重合体を0.01〜30重量%含有したポリエステルモノフィラメント(国際公開番号 WO 92/07126号公報)を提案し広く使用されてきた。
【0010】
しかしながら、近年、資源保護の見地から回収古紙のリサイクルの普及による抄紙ワイヤーおよび抄紙ドライヤーキャンバスへの古紙由来の汚れ付着の増加、および紙の生産性を高めるための抄紙速度アップに伴うドライヤー温度の高温化が進み、従来より更に優れた防汚性と耐加水分解性を兼ね備えたポリエステル素材の提供が強く求められるようになった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した要求に鑑み、従来のものより更に一層優れた防汚性と極めて高いレベルの耐加水分解性を兼ね備えたポリエステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメントおよび該ポリエステルモノフィラメントを使用した各種工業用織物、抄紙用ドライヤーキャンバスに関するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記した目的は、新規な弗素樹脂を使用した技術、すなわち、
1.ポリエステル99.9〜70重量%と、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビニリデンを主体とする共重合体を0.1〜30重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメント、工業用織物、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、フィルターもしくはサーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベアないしは、
2.ポリエステルの末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下であり、該ポリエステル組成物が未反応の状態のカルボジイミド化合物を0.005〜1.5重量%含有する上記のポリエステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメント、工業用織物、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、フィルターもしくはサーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベアないしは、3.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである上記のポリエステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメント、工業用織物、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤー、フィルターもしくはサーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベアによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルはポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)、およびポリブチレンテレフタレートを主体とするものが好ましく、PETがより好ましいものであるが、そのジカルボン酸成分の一部をイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換えてもよく、グリコール成分の一部をジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコールなどで置き換えてもよい。更に、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、硼酸などの鎖分岐剤を少量併用することもできる。
【0014】
また、好ましいポリエステルとしては上記のポリエステル以外に、ポリエチレンナフタレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートを挙げることができるが、そのジカルボン酸成分の一部をイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換えてもよく、グリコール成分の一部をジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリアルキレングリコールなどで置き換えてもよい。また本発明に使用するポリエステルには、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、難燃剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種フッ素系界面活性剤、各種強化繊維類などが添加されていてもよい。
【0015】
該ポリエステルの極限粘度は、通常は0.6以上であればよいが、0.7以上あると、強度に優れるため好ましい。ここで極限粘度はオルソクロロフェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた極限粘度であり、〔η〕で表わされる。該ポリエステルの末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下であると耐加水分解性が良好なものとなるため好適である。(末端カルボキシル基濃度はPohlにより、Anal. Chem. ,24 1614 (1954)に記載された方法で測定される。)末端カルボキシル基濃度が10当量/106 g以下のポリエステル組成物およびポリエステルモノフィラメントを得るには、末端カルボキシル基濃度が10当量/106 gより多いポリエステルを固相重合することで、末端カルボキシル基濃度を10当量/106 g以下にしてもよく、また、溶融状態のポリエステルに、モノまたはジエポキシ化合物、あるいはモノまたはビスオキサゾリン化合物、あるいはカルボジイミド化合物を適量反応させてもよいが、本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維、ポリエステルモノフィラメント等が未反応のカルボジイミド化合物を0.005重量%以上含有するものである場合には、カルボジイミド化合物を使用するのが有利である。
【0016】
カルボジイミド化合物としては、1分子中に1個または2個以上のカルボジイミド基を有する化合物であればいかなるものでもよいが、例えば、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジフェニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert. −ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド,下記一般式で示される芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。
【0017】
【化1】
(式中のRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜20の整数を表す)
これらのカルボジイミド化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択しポリエステルに含有させればよいが、ポリエステルに添加後の安定性から、芳香族骨格を有する化合物が有利な傾向にあり、中でもN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert. −ブチルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミドなどが有利な傾向にあり、特にN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(以下、TICという)が好適である。
【0018】
本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維あるいはポリエステルモノフィラメントのポリマ成分が、未反応の状態の該カルボジイミド化合物を0.005重量%以上、1.5重量%以下含有するものであると、耐加水分解性が優れたものとなるため好適である。また、未反応の状態の該カルボジイミド化合物の含有量が、0.01重量%以上、1.2重量%以下であると更に好適である。未反応の状態の該カルボジイミド化合物の含有量が0.005重量%より少ない場合は耐加水分解性を一層向上させる効果が少なく、1.5重量%より多い場合は物性が低下しやすくなる。ここで、本発明における未反応の状態のカルボジイミド化合物の含有量は、ポリマ成分に対する外割りの重量%である。
【0019】
本発明にいうポリエステル組成物、ポリエステル繊維あるいはポリエステルモノフィラメント中の未反応の状態のカルボジイミド化合物の含有量は次の方法で測定したものである。
(1)100mlメスフラスコに試料約200mgを秤取する。
(2)ヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム(容量比1/1)2mlを加えて試料を溶解させる。
(3)試料が溶解したら、クロロホルム8mlを加える。
(4)アセトニトリル/クロロホルム(容量比9/1)を徐々に加えポリマを析出させながら100mlとする。
(5)試料溶液を目開き0.45μmのディスクフィルターで濾過し、HPLCで定量分析する。HPLC分析条件は次の通り。
カラム:Inertsil ODS−2 4.6mm×250mm
移動相:アセトニトリル/水(容量比94/6)
流 量:1.5ml/min.
試料量:20μl
検出器:UV(280nm)
ポリエステルに未反応の状態の該カルボジイミド化合物を0.005重量%以上、1.5重量%以下含有させるには、原料となるポリエステルの末端カルボキシル基濃度および反応条件などから、反応後のポリエステル中の、未反応で残存する該カルボジイミド化合物が0.005重量%以上、1.5重量%以下の濃度になる量の該カルボジイミド化合物をポリエステルに添加し、反応させればよい。 本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維あるいはポリエステルモノフィラメントが、未反応の状態の該カルボジイミド化合物を0.005重量%以上、1.5重量%以下含有するものである場合には、本発明の効果を効率よく発現させるために、ポリエステル中にリン化合物を、リン原子として50ppm 以下で、かつ下記の一般式の範囲内の量含有させることができる。
5×10−3≦P≦M+8×10−3
(式中のPはポリエステルを構成する二塩基酸に対するリン原子のモル%であり、Mはポリエステル樹脂中の金属で、周期律表II族、VII 族、VIII族でかつ第3,4周期の内より選択された1種もしくは2種以上の金属原子のポリエステルを構成する二塩基酸に対するモル%である。また、M=0であってもよい。)
【0020】
本発明で用いる4フッ化エチレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビニリデンを主体とする共重合体(以下、フッ素系三元共重合体という)は、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレンおよびフッ化ビニリデンの3成分が共重合されていれば該3成分の共重合比率はいかなるものでもよいが、4フッ化エチレン5〜80モル%、6フッ化プロピレン2〜35モル%およびフッ化ビニリデン5〜90モル%からなるフッ素系三元共重合体が好ましく、4フッ化エチレン30〜70モル%、6フッ化プロピレン10〜30モル%およびフッ化ビニリデン10〜50モル%からなるフッ素系三元共重合体がさらに好ましい。上記3成分に加えて他の成分を共重合したものでもよい。他の共重合成分としては、例えば、エチレンなどのα−オレフィン類、トリフルオロモノクロルエチレンおよびトリフルオロパーフルオロオキシエチレンなどを挙げることができる。該フッ素系三元共重合体の融点はおよそ70℃〜200℃の範囲であるが、100℃〜190℃の融点を示すものが好ましい傾向にある。
【0021】
該フッ素系三元共重合体の製造は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法などの公知のラジカル重合法により製造することができるが、工業的には乳化重合法、懸濁重合法が好適である。また、該フッ素系三元共重合体は市販品として、THVTM(住友スリーエム(株)製品)が知られている。
【0022】
本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維およびポリエステルモノフィラメントに含まれる該フッ素系三元共重合体は、0.1重量%以上、30重量%以下であることが必要であり、0.3重量%以上、25重量%以下がより好ましく、0.5重量%以上、15重量%以下が更に好ましい。0.1重量%より少ない場合は防汚性が不十分であり、また30重量%より多い場合はモノフィラメントの物性を損なう。
【0023】
ポリエステルとフッ素系三元共重合体との混合は、重縮合反応終了直後の溶融状態のポリエステルにフッ素系三元共重合体を添加し混練させる方法、ポリエステルのチップにフッ素系三元共重合体のチップあるいは粉体を添加・混合した後に混練缶あるいはエクストルダなどで混練させる方法などにより行うことができる。本発明のポリエステル組成物は上記した方法でポリエステルとフッ素系三元共重合体とを混練した後、任意の形状に成形することにより行なうことができる。 また、本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維およびモノフィラメント等が未反応のカルボジイミド化合物を含有する場合には、エクストルダの入り口またはベント部等から所定量のカルボジイミド化合物を添加しながら、該カルボジイミド化合物とポリエステルチップとフッ素系三元共重合体の所定量とをエクストルダ中で混練した後、任意の形状に成形することにより行なうことができる。例えば、ポリエステル繊維およびモノフィラメント等の場合には、ポリエステル、フッ素系三元共重合体および未反応のカルボジイミド化合物を予め溶融混練して作成したペレットを用いて、公知の方法で紡糸・延伸・熱セット等を行なう方法、あるいは、フッ素系三元共重合体および未反応のカルボジイミド化合物をエクストルダ中で混練した後、エクストルダ先端に設けた紡糸口金より紡出し、公知の条件で冷却・延伸・熱セットを行なう方法により製造する方法を挙げることができる。また紡出前に“スタティックミキサー”や“ハイミキサー”等の流線入替器を組み合わせ使用することもできる。
【0024】
本発明のポリエステル組成物中におけるフッ素系三元共重合体は、組成物が延伸を伴わない成形品の場合にはポリエステル樹脂中にフッ素系三元共重合体が複数の略粒子状に分散して存在し、繊維およびモノフィラメントのように延伸を受けたものである場合には、ポリエステル中で延伸方向に複数の細く寸断された筋状で存在する。
【0025】
また本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維およびポリエステルモノフィラメントには、ポリエステル、フッ素系三元共重合体、未反応カルボジイミド化合物以外に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、各種ゴム、ポリウレタン等をブレンドすることもできる。
【0026】
本発明のポリエステル繊維としては、マルチフィラメントおよびモノフィラメントである。
【0027】
また、本発明のモノフィラメントとは、1本の単糸からなる連続糸である。
【0028】
該ポリエステル繊維およびモノフィラメントの繊維軸方向に垂直な断面の形状(以下、断面形状もしくは断面という)は、円、扁平、正方形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドッグボーン状、繭型などいかなる断面形状を有するものでもよい。本発明のモノフィラメントを工業用織物の構成素材として用いる場合には、該モノフィラメントの断面形状が円もしくは扁平の形状が好ましい。特に、該モノフィラメントが抄紙用ドライヤーキャンバスの経糸である場合には、防汚性を有効に発現させることとキャンバスの平坦性という観点から該モノフィラメントの断面形状が扁平なものが好ましく用いられる。本発明における扁平とは、楕円、正方形もしくは長方形のことであるが、数学的に定義される正確な楕円、正方形もしくは長方形以外に、概ね楕円、正方形もしくは長方形に類似した形状、例えば正方形および長方形の4角を丸くした形状を含むものである。また、楕円の場合は、該楕円の中心で直角に交わる長軸の長さ(LD)と短軸の長さ (SD)とが次式を満足する関係にあり、正方形もしくは長方形の場合は、長方形の長辺の長さ(LD)と短辺の長さ(SD)とが次式を満足する関係にあることが好ましい。
1.0≦LD/SD≦10
該モノフィラメント断面の重心を通る線分の長さは、用途によって適宜選択できるが、0.05〜2.5mmの範囲が好ましい。また、糸の必要強度は用途により異なるが、概ね3.0g/デニール以上であることが好ましい。
【0029】
また、本発明のポリエステル繊維およびポリエステルモノフィラメントは、ポリエステルとフッ素系三元共重合体とからなる単一構造糸以外に、フッ素系三元共重合体を含まないポリエステルを芯成分とし、フッ素系三元共重合体を含有するポリエステルを鞘成分とする芯鞘複合構造糸であってもよい。
【0030】
本発明のポリエステル組成物、ポリエステル繊維およびポリエステルモノフィラメントは、不織布、ステープルファイバーおよび綿状などの繊維状、コネクター、自動車ワイパーなどの成形物、ボトル、フィルム、シート等いかなる形状の物でもよく、優れた防汚性と耐加水分解性とを有しているため、衣料用および各種工業用織物、電子部品、自動車部品、ボトル、フィルム、シート等に好ましく用いることができる。
【0031】
本発明のポリエステル繊維は、優れた防汚性あるいは優れた防汚性と耐加水分解性を有しているため、スキーウエア、柔道着、トレーニングウエア、サッカー・バレーボール等の各種スポーツ用ユニホーム等のスポーツ衣料およびクリーン作業着、食品業用作業着、エプロン、テーブルクロス、不織布製各種フィルターおよび高温の水蒸気中で滅菌消毒が行われる医療用着衣、医療器具等の用途に好適に用いることができる。
【0032】
本発明の工業用織物とは、本発明のポリエステルモノフィラメントを少なくとも一部に使用した、抄紙ワイヤー(紙漉き用の網)、抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネットコンベア、各種フィルター等のことであり、本発明のポリエステルモノフィラメントを少なくとも一部の構成素材として用いることにより、汚れにくく、洗浄により汚れの落ちやすい防汚性に優れた工業用織物あるいは防汚性と共に、高温・多湿な雰囲気で使用した時の加水分解劣化が大幅に抑制された工業用織物となる。
【0033】
ここで抄紙ワイヤーとは、一重織、二重織および三重織など様々な織物として、紙の漉き上げ工程で使用される織物のことで長網あるいは丸網などとして用いられるものである。また、抄紙ドライヤーキャンバスとは、一重織、二重織および三重織など様々な織物として、抄紙機のドライヤー内で紙を乾燥させるために使用される織物のことである。また、サーマルボンド法不織布の熱接着工程用ネットコンベアとは、不織布を構成する低融点のポリエチレンのような熱接着性繊維を融着させるために不織布を炉中に通過させるための織物であり、一重織、二重織などの織物である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
以下の実施例においては、本発明のポリエステル組成物の好ましい一形態例であるモノフィラメント、工業用織物の好ましい一形態例である抄紙ドライヤーキャンバスおよびポリエステル繊維の好ましい一形態例であるタフタについて具体的に説明する。なお、以下の実施例における特性値は、各実施例の中で特に記さない限り、次に示す方法によって測定したものである。
【0035】
1.モノフィラメントの防汚性評価
(1)汚染液の調整
タルク 1 重量部
アルキルケテンダイマー 0.5重量部
アクリルアミド 0.5重量部
水 98 重量部
(2)上記調整汚染液を300rpmで撹拌しながら、秤量済みのモノフィラメントを浴比1:5000で5秒間浸漬し70℃で1分間乾燥する操作を10回繰り返し、汚れ付着サンプルを得た。
(3)汚れの付着したサンプルを秤量し、汚れ付着量を求めた。
(4)汚れ量は、フッ素系三元共重合体を含有しないPETモノフィラメントの汚れ付着量を100とした時の指数で比較した。
【0036】
2.タフタの汚染・洗浄性評価
(1)汚染剤
A.油性汚染剤
(a)ステアリン酸 12.5重量%
(b)オレイン酸 12.5重量%
(c)硬化油 12.5重量%
(d)オリーブ油 12.5重量%
(e)セチルアルコール 8.5重量%
(f)固形パラフィン 21.5重量%
(g)コレステロール 5.0重量%
(h)カーボンブラック 15.0重量%
B.乾性汚染剤
(a)粘土 55.0重量%
(b)ポルトランドセメント 17.0重量%
(c)シリカゲル 17.0重量%
(d)酸化第2鉄 0.5重量%
(e)n−デカン 8.75重量%
(f)カーボンブラック 1.75重量%
(2)試験手順
A.約45cm×45cmの試験試料を1枚採取する1)。
【0037】
B.自動反転渦巻き式電気洗濯機の洗濯槽に40±2℃の0.2%弱アルカリ性合成洗剤 (JIS K3371 弱アルカリ性・第1種) 液25リットルを入れ、さらに試験試料と追加布2)を合わせた重さが約500gになるように調整した後、洗たく機の強条件で25分間洗濯する。
【0038】
C.試験試料と追加布を洗たく機付属の遠心脱水機3)に移し、約30秒間脱水後、再び常温水を満たした洗濯槽3)に移す。水をオーバーフローさせながら10分間すすぐ。この操作を2度繰返す。
【0039】
D.試験試料をしぼらずに取り出し、たて方向を垂直にし、一辺を吊り下げて自然乾燥する。
【0040】
E.洗たく後の試験試料から5cm×10cmの試験片を5枚採取する。
その内の1枚を汚染判定用標準試験片とする。
【0041】
F.ラウンダメータ形洗たく試験機4)付属の450ml試験ビンに汚染液 5)50mlと直径6.4mmのステンレス鋼球10個を入れて40±2℃に予熱する。
【0042】
G.試験ビンに、あらかじめ水で湿潤させた試験片4枚を入れて密閉し試験機に取り付けて40±2℃で20分間回転する。
【0043】
H.試験ビンから試験片を取り出し、約3リットルの常温水で1分間すすぎ、試験片をろ紙で押えて表面に付着している余分の汚れを取り除く。この操作をもう一度繰返し、水平状態で24時間以上放置して自然乾燥する。
【0044】
I.汚染後の試験片とE項の汚染判定用標準試験片との間に見える色の開きと、汚染用グレースケールの各色票間に見える色の開きとを比較して、 汚染の程度を等級区分し、汚染性を4枚の平均値で表わす(1級(汚大)〜5級(汚小))。
【0045】
J.引き続き、自動反転渦巻き式電気洗濯機の洗濯槽に40±2℃の0.2%弱アルカリ性合成洗剤 (JIS K3371 弱アルカリ性・第1種) 液25リットルを入れ、汚染後の試験片2枚と追加布2)を合わせた重さ500gの布を入れて、洗濯機の強条件で5分間洗う。
【0046】
K.試験試料と追加布を洗たく機付属の遠心脱水機に移し、約30秒間脱水後、再び常温水を満たした洗濯槽に移す。水をオーバーフローさせながら2分間水洗する。この操作を2度繰返す。
【0047】
L.試験片をしぼらずに取り出し、ろ紙で軽く押さえて水を切り水平状態で自然乾燥する。
【0048】
M.汚染後の試験片とE項の汚染判定用標準試験片との間に見える色の開きと、汚染用グレースケールの各色票間に見える色の開きとを比較して、 洗浄の程度を等級区分し、洗浄性を2枚の平均値で表わす(1級(汚大)〜5級(汚小))。
【0049】
注 1)洗たく中に端糸がほつれる場合は縁かがりミシンなどで端糸のほつれを防止する。
【0050】
2)約45cm×約45cmの試験試料と同程度の布を適当な枚数使用する。
【0051】
3)洗たく槽および脱水槽に洗剤が残らないように、あらかじめよく洗浄する。
【0052】
4)JIS L0821に規定されているもの。
【0053】
5)弱アルカリ性合成洗剤 (JIS K3371 弱アルカリ性・第1種) と次に示す汚染剤の重量比が7:3になるように秤量し、洗剤を乳鉢ですりつぶし、それに汚染剤を加えてねり合わせた後、少量の水を数回に分けて加えながらさらにねり合わせて、汚染剤濃度が0.075%になるように希釈する。汚染剤は、上記した油性汚染剤と乾性汚染剤を3:1の割合で十分混合したもの用いる。
【0054】
3.モノフィラメントの撥水・撥油性
扁平(略長方形)断面モノフィラメントの接触角を次に示す方法で測定した。 接触角が大きいほど撥水・撥油性が高いことを表す。
(1)(株)エルマ光学社製ゴニオメーター式接触角測定装置使用
(2)水接触角:蒸留水, 油接触角:デカリン使用
(3)液滴量:5μl
(4)測定温度:20℃
【0055】
4.モノフィラメントの引張試験
JIS L1013−1992に準拠して行なった。
(1)サンプルつかみ間隔 25cm
(2)引張速度 30cm/min.
(3)試験温度 20℃
【0056】
5.モノフィラメントの耐加水分解性試験
モノフィラメントを100リットルオートクレーブに入れ、121℃飽和水蒸気中 で10日間、12日間、15日間処理した後、該処理後のモノフィラメントの 強力を上記のモノフィラメントの引張試験により求め、処理前のモノフィラメ ントの強力と比較した強力保持率を耐加水分解性の尺度とした(以下、加水分 解後の強力保持率という)。加水分解後の強力保持率が高いほど耐加水分解性 が優れることを表す。
【0057】
実施例1,比較実施例1
極限粘度0.93、末端カルボキシル基濃度13当量/106 gのPET乾燥チップを準備した(以下、PETチップという)。一方、フッ素系三元共重合体として4フッ化エチレン約60モル%、6フッ化プロピレン約20モル%およびフッ化ビニリデン約20モル%からなる共重合体(THVTM500G(住友スリーエム(株)製品),融点約175℃,265℃荷重5KgにおけるMFR約10g/10分)(以下、THV500Gという)を準備した。本発明のポリエステル組成物の代表例として、次の方法でモノフィラメントの製造と評価を行なった。
【0058】
PETチップとTHV500Gチップとを、重量比でPET/THV500G=93/7の割合で混合してエクストルダに供給した。280℃で3分間溶融混練された溶融ポリマをギアポンプを経て紡糸パック内の濾過層および流線入替器(米国ケミックス社の「スターティックミキサー」)を通して扁平断面糸用紡糸口金より紡出した。紡出モノフィラメントを80℃の湯浴で冷却後、常法に従い合計5.0倍に延伸および熱セットを行ない、長辺0.56mm、短辺0.28mmの略長方形断面(扁平断面)のモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの強度、接触角測定結果、防汚性の評価結果を表1に示す。比較のためにTHV500Gを用いないこと以外は実施例1と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を比較実施例1として表1に併示する。
【0059】
実施例2〜9,比較実施例2〜3
実施例1におけるPETチップとTHV500Gチップとの配合量を表1記載のように変更したこと以外は実施例1と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を表1に併示する。
【0060】
比較実施例4
実施例2におけるTHV500Gチップをエチレン・テトラフルオロエチレンランダム共重合体(ダイキン工業(株)製品、ネオフロンTMEP−521、以下、EP−521という)に変更したこと以外は実施例2と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を表1に併示する。
【0061】
実施例10〜11
実施例1におけるTHV500Gチップを、4フッ化エチレン約50モル%、6フッ化プロピレン約20モル%およびフッ化ビニリデン約30モル%からなる共重合体(THVTM400G(住友スリーエム(株)製品),融点約155℃,265℃荷重5KgにおけるMFR約10g/10分)(以下、THV400Gという)に変更したこと(実施例10)以外は実施例1と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を表1に併示する。同様に4フッ化エチレン約40モル%、6フッ化プロピレン約20モル%およびフッ化ビニリデン約40モル%からなる共重合体(THVTM200G(住友スリーエム(株)製品),融点約120℃,265℃荷重5KgにおけるMFR約20g/10分)(以下、THV200Gという)に変更したこと(実施例10)以外は実施例1と同様に行なって得たモノフィラメントの結果を表1に併示する。
【0062】
【表1】
以上の結果から、本発明のポリエステルモノフィラメントは撥水・撥油性と防汚性に優れ、十分な強度を有していることがわかる。
【0063】
実施例12〜17、比較実施例5
実施例1における、PETチップとTHV500Gチップとを1軸エクストルダに供給する際に、該1軸エクストルダの入り口で液体TICを表2に示す重量比となるように計量しながら供給したこと以外は、実施例1と同様に行なって扁平断面モノフィラメントを得た。このモノフィラメントの強伸度、接触角測定結果、防汚性指数、該モノフィラメント中の未反応カルボジイミド化合物(以下、未反応TICという)含有量、COOH末端基濃度および加水分解後の強力保持率等の特性を表2に示す。比較のために実施例15におけるTHV500Gチップを加えずに、THV500G相当量のPETチップを加えたこと以外は実施例15と同様にして得たモノフィラメントの結果を表2に併示する。
【0064】
【表2】
以上の結果から、本発明のポリエステル組成物の好ましい一形態例であるモノフィラメントが未反応TICを0.005〜1.5重量%含有すると、優れた防汚性と十分な強伸度に加えて、優れた耐加水分解性を兼ね備えているものであることと、該モノフィラメントの未反応TIC含有量が0.01〜1.2重量%であると、防汚性と耐加水分解性と強伸度とのバランスが一層優れたものであることがわかる。
【0065】
実施例18、比較実施例6
工業用織物としての適性を評価するために、実施例1で得たモノフィラメントを経糸および緯糸に用いて平織物を作成した。この平織物の一部を切り取り、前記した汚染液に浸漬した後、100℃で30分間乾燥して汚れた平織物の重量を測定した。この汚れカンバスを中性界面活性剤0.5重量%を含有する水中で超音波洗浄を3分間行ない、水洗後乾燥して洗浄後の平織物の重量を測定した。洗浄前後の重量差から求めた汚れ付着量は0.7重量%であった。(実施例18)比較のために実施例18におけるモノフィラメントを比較実施例1で得たモノフィラメントに変更したこと以外は実施例18と同様に行なった場合の汚れ付着量は2.1重量%であった。(比較実施例7)
この結果から、本発明のモノフィラメントを用いた工業用織物は防汚性に優れるものであることがわかる。
【0066】
実施例19
実施例15におけるモノフィラメントの紡糸に用いた扁平断面糸用口金を円形断面糸用口金に変更して、直径0.46mmの円形断面を有するモノフィラメントを製造した。
【0067】
この円形断面モノフィラメントを緯糸に用い、実施例15で得た扁平断面を有するモノフィラメントを経糸に用いて抄紙ドライヤー用綾織キャンバス(以下、キャンバスという)を作成した。このキャンバスを中性紙抄紙機のドライヤーに装着し、140℃で8か月間、紙の乾燥に使用した後、キャンバスを取り外した。この使用後のキャンバスにおける経糸の、使用前のキャンバスにおける経糸の強力に対する強力残存率は74%であった。また、この使用後のキャンバスの一部を切り取り重量を測定後、中性界面活性剤0.5重量%を含有する水中で超音波洗浄を3分間行ない、水洗後乾燥して洗浄後の平織物の重量を測定する方法で求めた汚れ付着率は1.1重量%であった。
【0068】
比較実施例7
比較実施例4におけるモノフィラメントの紡糸に用いた扁平断面糸用口金を円形断面糸用口金に変更して、直径0.46mmの円形断面を有するモノフィラメントを製造した。
この円形断面モノフィラメントを緯糸に用い、比較実施例4で得た扁平断面を有するモノフィラメントを経糸に用いてキャンバスを作成した。このキャンバスを中性紙抄紙機のドライヤーに装着し、140℃で8か月間紙の乾燥に使用した後、キャンバスを取り外した。この使用後のキャンバスにおける経糸の、使用前のキャンバスにおける経糸の強力に対する強力残存率は70%であった。また、この使用後のキャンバスの一部を切り取り重量を測定後、中性界面活性剤0.5重量%を含有する水中で超音波洗浄を3分間行ない、水洗後乾燥して洗浄後の平織物の重量を測定する方法で求めた汚れ付着率は3.5重量%であった。
【0069】
以上の結果から、本発明の抄紙ドライヤーキャンバスは、優れた耐加水分解性と防汚性とを兼ね備えたものであることがわかる。
【0070】
実施例20〜22、比較実施例8
極限粘度0.65のPETチップを準備した。このPETチップとTHV500Gチップ、THV400G、THV200Gとを第3表に示す重量比で混合してエクストルダ型紡糸機に供給し、290℃のポリマ温度で、0.3mmφ×16孔数の紡糸口金より紡出させ、速度800m/分で巻き取った。次いで延伸温度120℃、延伸倍率3.5倍で延伸し、75D/16フィラメントの延伸糸を得た。この延伸糸を緯糸に用いてタフタに製織した。このタフタの汚染・洗浄性評価結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
以上の結果から、本発明のマルチフィラメントは、優れた防汚性を有するものであることがわかる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyester composition, polyester fiber, polyester monofilament, and industrial fabric using the polyester monofilament having excellent antifouling properties, and further having excellent antifouling properties and hydrolysis resistance.
[0002]
[Prior art]
Polyester has excellent tensile strength, acid resistance, and dimensional stability, and thus has been widely used in various industrial parts, clothing and industrial fiber materials, various fabrics, and the like. For example, it has been used as a monofilament for a paper-making dryer canvas, a thermal-bonding non-woven fabric net conveyor, a paper-making wire, a filter, various brushes, brushes, a printing screen wrinkle and the like.
[0003]
However, since polyester products have the problem that they are easily soiled and easily hydrolyze in a high temperature / high humidity atmosphere, various improvements have been made.
[0004]
Examples of easily contaminated materials include, for example, polyester monofilament papermaking wires (pulp weaving process fabrics) and papermaking dryer canvas (paper drying process fabrics). Since dirt consisting of additives, sizing agents, paper strength enhancers, inks, and the like added in pulp and papermaking stock solutions adheres and accumulates, these wires and canvas must be washed frequently. In addition, for example, in the net conveyor for thermal bonding process of thermal bond method nonwoven fabric, fused polyethylene etc. adheres to and accumulates on the belt fabric, and the quality of the product deteriorates due to adhesion to another nonwoven fabric product. Had. Furthermore, when used in a filter, there is a problem that the peelability of the cake is poor due to adhesion of dirt and the filtration efficiency is lowered.
[0005]
Accordingly, in order to improve the disadvantage that the polyester is easily soiled, for example, a technique for post-processing polyester fibers with a fluorine-containing compound (JP 52-5400, JP 58-46123), polyester A technique for adding perfluoroalkyl sulfonate (monomer) (Japanese Patent Laid-Open No. 59-66449), a technique for blending polyester with ethylene and monochlorotrifluoroethylene (Japanese Patent Laid-Open No. 5-302212), and the like are known. Yes.
[0006]
On the other hand, as an example that is easily hydrolyzed, for example, when polyester monofilament is used as a constituent material of a paper-making dryer canvas, the polyester monofilament causes a decrease in strength due to hydrolysis degradation during use, so it can withstand long-term use. It was difficult. For this reason, various proposals have been made to improve the hydrolysis resistance of the polyester monofilament.
[0007]
As an example of means for improving the hydrolysis resistance of a polyester monofilament, a polyester monofilament to which a specific amount of polyethylene, polypropylene, polybutene, poly-4-methylpentene 1, polystyrene or the like is added (Japanese Patent Laid-Open No. 51-136923) However, filaments obtained by this technique are not practical because of their low strength and low hydrolysis resistance.
[0008]
A method for improving the hydrolyzability of polyester by adding an epoxy compound is also known. For example, a method of adding glycidyl phthalimide to polyester (Japanese Patent Publication No. 61-4843), a method of adding an epoxy compound in the presence of an alkali metal to polyester (Japanese Patent Publication No. 61-42728), and a method of using an oxazoline compound to polyester (Japanese Patent Publication No. 63-8133, Japanese Patent Publication No. 61-48531, Japanese Patent Publication No. 61-57182, Japanese Patent Publication No. 57-161122, Japanese Patent Publication No. 61-48532). Although the effect of improving hydrolyzability is obtained, the high level of hydrolysis resistance currently required cannot be satisfied.
[0009]
Moreover, the method of improving the hydrolysis resistance of polyester by adding a carbodiimide compound is known. For example, a method of adding a mono- or biscarbodiimide compound, kneading and spinning in a short time to form a filament containing no unreacted carbodiimide (Japanese Patent Laid-Open No. 50-95517), having 3 or more carbodiimide groups in the molecule A method of adding a polycarbodiimide compound (Japanese Patent Publication No. 38-15220), carboxyl end groups are capped by reaction with carbodiimide, and 30 to 200 ppm of free mono- and / or biscarbodiimide compound and free polycarbodiimide or still reactive A polyester fiber and a filament (JP-A-4-289221) containing at least 0.02% by weight of a reaction product containing a polycarbodiimide group having a structure has been proposed. Also, a method for producing an industrial polyester monofilament in which a specific carbodiimide compound is added to a polyester containing a specific amount of phosphorus (JP-A-57-205518) and a specific amount of the specific carbodiimide compound are left unreacted. Various improvements have been made, for example, by proposing a polyester monofilament for papermaking canvas (Japanese Patent Laid-Open No. 58-23916). Furthermore, the inventors of the present application have a polymer component, which is one of the constituents of the composition and monofilament of the present application, having a terminal carboxyl group concentration of 10 equivalents / 10.6The polyester composition and polyester monofilament comprising a specific amount of a carbodiimide compound having an unreacted polymer component comprising a polyester having a g or less and a thermoplastic polymer containing no fluorine atom. It was possible to provide a hydrolysis-resistant polyester (Japanese Patent Laid-Open No. 7-258524). Further, as a technique for simultaneously developing both the antifouling property and the hydrolysis resistance excellent in polyester, the terminal carboxyl group concentration is 10 equivalents / polyester 106a fluorine-based polymer that is 0.005 to 1.5 wt% in an unreacted state and is available at the time of filing, such as an ethylene / tetrafluoroethylene copolymer. A polyester monofilament (International Publication No. WO 92/07126) containing 01 to 30% by weight has been proposed and widely used.
[0010]
However, in recent years, from the standpoint of resource conservation, the increase in waste paper-derived stains on papermaking wire and papermaking dryer canvas due to the widespread recycling of recovered paper, and the higher dryer temperature associated with increased papermaking speed to increase paper productivity As a result, the provision of a polyester material having antifouling properties and hydrolysis resistance that are even better than before has been strongly demanded.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above-described requirements, the present invention provides polyester compositions, polyester fibers, polyester monofilaments, and various industries using the polyester monofilaments, which have a further excellent antifouling property and a very high level of hydrolysis resistance than conventional ones. The present invention relates to textile fabrics and dryer canvas for papermaking.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The above-mentioned object of the present invention is the technology using a novel fluorine resin, that is,
1. A polyester composition and polyester comprising 99.9 to 70% by weight of polyester and 0.1 to 30% by weight of a copolymer mainly composed of tetrafluoroethylene, propylene hexafluoride and vinylidene fluoride Fiber, polyester monofilament, industrial fabric, paper dryer canvas, paper making wire, filter or thermal bond method non-woven fabric net conveyor for thermal bonding process or
2. The terminal carboxyl group concentration of the polyester is 10 equivalent / 106g or less, and the polyester composition containing 0.005 to 1.5% by weight of a carbodiimide compound in an unreacted state, the polyester fiber, the polyester monofilament, the industrial fabric, the papermaking dryer canvas, the papermaking 2. Net conveyor for wire, filter or thermal bond nonwoven fabric thermal bonding process or It is achieved by the above-mentioned polyester composition in which the polyester is polyethylene terephthalate, polyester fiber, polyester monofilament, industrial fabric, paper dryer canvas, paper-making wire, filter, or net bond conveyor for thermal bonding non-woven fabric thermal bonding process.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
The polyester of the present invention is preferably composed mainly of polyethylene terephthalate (hereinafter referred to as PET) and polybutylene terephthalate, and more preferably PET, but a part of the dicarboxylic acid component is isophthalic acid, 2,6- It may be replaced with naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid, adipic acid, sebacic acid, dimer acid, sulfonic acid metal salt-substituted isophthalic acid, etc., and part of the glycol component is diethylene glycol, neopentyl glycol, 1,4 -It may be replaced with cyclohexanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, polyalkylene glycol or the like. Furthermore, a small amount of a chain branching agent such as pentaerythritol, trimethylolpropane, trimellitic acid, trimesic acid, boric acid can be used in combination.
[0014]
Examples of preferable polyesters include polyethylene naphthalate and polycyclohexanedimethylene terephthalate in addition to the above polyesters, and some of the dicarboxylic acid components are isophthalic acid, 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid, adipic acid, Sebacic acid, dimer acid, sulfonic acid metal salt-substituted isophthalic acid or the like may be replaced, and a part of the glycol component may be replaced with diethylene glycol, neopentyl glycol, 1,4-cyclohexanediol, polyalkylene glycol or the like. The polyester used in the present invention includes various inorganic particles such as titanium oxide, silicon oxide, calcium carbonate, silicon nitride, clay, talc, kaolin, and zirconium acid, and particles such as crosslinked polymer particles and various metal particles. Other known antioxidants, sequestering agents, ion exchange agents, anti-coloring agents, light-proofing agents, flame retardants, inclusion compounds, antistatic agents, various coloring agents, waxes, silicone oils, various fluorosurfactants Agents, various reinforcing fibers and the like may be added.
[0015]
The intrinsic viscosity of the polyester is usually 0.6 or more, but 0.7 or more is preferable because of excellent strength. Here, the intrinsic viscosity is an intrinsic viscosity obtained from a viscosity measured at 25 ° C. in an orthochlorophenol solution, and is represented by [η]. The terminal carboxyl group concentration of the polyester is 10 equivalents / 10.6If it is g or less, the hydrolysis resistance is good, which is preferable. (Terminal carboxyl group concentration was determined by Pohl, Anal. Chem.,24 1614 (1954). ) Terminal carboxyl group concentration is 10 equivalent / 106g to obtain a polyester composition and a polyester monofilament having a terminal carboxyl group concentration of 10 equivalents / 106The amount of terminal carboxyl group concentration is 10 equivalents / 10 by solid-phase polymerization of more than g of polyester.6In addition, a mono- or diepoxy compound, a mono- or bisoxazoline compound, or a carbodiimide compound may be allowed to react with the molten polyester. When the monofilament or the like contains 0.005% by weight or more of an unreacted carbodiimide compound, it is advantageous to use a carbodiimide compound.
[0016]
The carbodiimide compound may be any compound as long as it has one or more carbodiimide groups in one molecule. For example, N, N'-di-o-triylcarbodiimide, N, N'- Diphenylcarbodiimide, N, N′-dioctyldecylcarbodiimide, N, N′-di-2,6-dimethylphenylcarbodiimide, N-triyl-N′-cyclohexylcarbodiimide, N, N′-di-2,6-diisopropylphenyl Carbodiimide, N, N'-di-2,6-di-tert. -Butylphenylcarbodiimide, N-triyl-N'-phenylcarbodiimide, N, N'-di-p-nitrophenylcarbodiimide, N, N'-di-p-aminophenylcarbodiimide, N, N'-di-p- Hydroxyphenylcarbodiimide, N, N'-di-cyclohexylcarbodiimide, N, N'-di-p-triylcarbodiimide, p-phenylene-bis-di-o-triylcarbodiimide, p-phenylene-bis-dicyclohexylcarbodiimide, Examples include hexamethylene-bis-dicyclohexylcarbodiimide, ethylene-bis-diphenylcarbodiimide, and aromatic polycarbodiimide represented by the following general formula.
[0017]
[Chemical 1]
(R in the formula represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, and n represents an integer of 2 to 20)
One or two or more compounds may be arbitrarily selected from these carbodiimide compounds and contained in the polyester, but compounds having an aromatic skeleton tend to be advantageous from the viewpoint of stability after addition to the polyester. N, N'-di-2,6-diisopropylphenylcarbodiimide, N, N'-di-2,6-di-tert. -Butylphenylcarbodiimide, N, N'-di-2,6-dimethylphenylcarbodiimide, N, N'-di-o-triylcarbodiimide, etc. tend to be advantageous, especially N, N'-di-2, 6-diisopropylphenylcarbodiimide (hereinafter referred to as TIC) is preferred.
[0018]
Hydrolysis resistance when the polymer component of the polyester composition, polyester fiber or polyester monofilament of the present invention contains 0.005% by weight or more and 1.5% by weight or less of the carbodiimide compound in an unreacted state. Is preferable because it is excellent. Further, it is more preferable that the content of the carbodiimide compound in an unreacted state is 0.01% by weight or more and 1.2% by weight or less. When the content of the carbodiimide compound in an unreacted state is less than 0.005% by weight, the effect of further improving the hydrolysis resistance is small, and when it is more than 1.5% by weight, the physical properties tend to be lowered. Here, the content of the carbodiimide compound in an unreacted state in the present invention is an outer weight% of the polymer component.
[0019]
The content of the unreacted carbodiimide compound in the polyester composition, polyester fiber or polyester monofilament according to the present invention is measured by the following method.
(1) Weigh about 200 mg of sample into a 100 ml volumetric flask.
(2) Add 2 ml of hexafluoroisopropanol / chloroform (volume ratio 1/1) to dissolve the sample.
(3) When the sample is dissolved, add 8 ml of chloroform.
(4) Acetonitrile / chloroform (volume ratio 9/1) is gradually added to make 100 ml while polymer is precipitated.
(5) The sample solution is filtered through a disk filter having an aperture of 0.45 μm and quantitatively analyzed by HPLC. The HPLC analysis conditions are as follows.
Column: Inertsil ODS-2 4.6 mm × 250 mm
Mobile phase: acetonitrile / water (volume ratio 94/6)
Flow rate: 1.5 ml / min.
Sample volume: 20 μl
Detector: UV (280 nm)
In order to contain 0.005% by weight or more and 1.5% by weight or less of the carbodiimide compound in an unreacted state in the polyester, from the terminal carboxyl group concentration of the polyester as a raw material and reaction conditions, The amount of the carbodiimide compound remaining in the unreacted carbodiimide compound may be 0.005% by weight or more and 1.5% by weight or less added to the polyester and reacted. When the polyester composition, polyester fiber or polyester monofilament of the present invention contains 0.005% by weight or more and 1.5% by weight or less of the carbodiimide compound in an unreacted state, the effects of the present invention are obtained. In order to express efficiently, a phosphorus compound can be contained in the polyester in an amount of 50 ppm or less as a phosphorus atom and within the range of the following general formula.
5 × 10-3≦ P ≦ M + 8 × 10-3
(In the formula, P is the mol% of the phosphorus atom with respect to the dibasic acid constituting the polyester, M is a metal in the polyester resin, and includes groups II, VII, VIII of the periodic table and the third and fourth periods. It is a mol% with respect to the dibasic acid constituting the polyester of one or more metal atoms selected from among them, and M may be 0.)
[0020]
A copolymer mainly composed of tetrafluoroethylene, propylene hexafluoride and vinylidene fluoride used in the present invention (hereinafter referred to as a fluorine-based terpolymer) is composed of tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene and fluoride. As long as the three components of vinylidene are copolymerized, the copolymerization ratio of the three components may be any, but 5 to 80 mol% of tetrafluoroethylene, 2 to 35 mol% of propylene hexafluoride and 5 to 5 of vinylidene fluoride A fluorine-based terpolymer composed of 90 mol% is preferred, and a fluorine-based ternary copolymer composed of 30 to 70 mol% of tetrafluoroethylene, 10 to 30 mol% of propylene hexafluoride and 10 to 50 mol% of vinylidene fluoride. More preferred are polymers. In addition to the above three components, other components may be copolymerized. Examples of other copolymer components include α-olefins such as ethylene, trifluoromonochloroethylene, and trifluoroperfluorooxyethylene. The melting point of the fluorinated terpolymer is in the range of about 70 ° C. to 200 ° C., but a melting point of 100 ° C. to 190 ° C. tends to be preferable.
[0021]
The fluorine-based terpolymer can be produced by a known radical polymerization method such as an emulsion polymerization method, a suspension polymerization method, or a solution polymerization method. Legal is preferred. In addition, the fluorine-based terpolymer is commercially available as THV.TM(Sumitomo 3M Co., Ltd. product) is known.
[0022]
The fluorine-based terpolymer contained in the polyester composition, polyester fiber and polyester monofilament of the present invention needs to be 0.1% by weight or more and 30% by weight or less, and 0.3% by weight or more. 25% by weight or less is more preferable, and 0.5% by weight or more and 15% by weight or less is still more preferable. When it is less than 0.1% by weight, the antifouling property is insufficient, and when it is more than 30% by weight, the physical properties of the monofilament are impaired.
[0023]
Mixing of polyester and fluorinated terpolymer is a method of adding and kneading the fluorinated terpolymer to the melted polyester immediately after completion of the polycondensation reaction, and a fluorinated terpolymer on the polyester chip. This method can be performed by adding or mixing the chips or powder and then kneading them with a kneading can or an extruder. The polyester composition of the present invention can be obtained by kneading a polyester and a fluorinated terpolymer with the method described above and then molding the polyester into an arbitrary shape. Further, when the polyester composition, polyester fiber, monofilament, etc. of the present invention contains an unreacted carbodiimide compound, the carbodiimide compound and the polyester are added while adding a predetermined amount of the carbodiimide compound from the entrance or vent portion of the extruder. After kneading a chip and a predetermined amount of the fluorinated terpolymer in an extruder, it can be carried out by molding into an arbitrary shape. For example, in the case of polyester fibers and monofilaments, spinning, stretching and heat setting are performed by a known method using pellets prepared by pre-melting and kneading polyester, a fluorinated terpolymer and an unreacted carbodiimide compound. Or after kneading the fluorinated terpolymer and unreacted carbodiimide compound in an extruder, spinning from a spinneret provided at the end of the extruder, and cooling, stretching, and heat setting under known conditions The manufacturing method can be mentioned by the method of performing. A streamline changer such as a “static mixer” or “high mixer” can be used in combination before spinning.
[0024]
In the case of the fluorinated terpolymer in the polyester composition of the present invention, in the case where the composition is a molded article without stretching, the fluorinated terpolymer is dispersed in a plurality of substantially particles in the polyester resin. In the case of a fiber and a monofilament that has been stretched, it is present in a plurality of finely cut streaks in the stretching direction in the polyester.
[0025]
The polyester composition, polyester fiber and polyester monofilament of the present invention can be blended with epoxy resin, silicone resin, various rubbers, polyurethane, etc. in addition to polyester, fluorine-based terpolymer and unreacted carbodiimide compound. .
[0026]
The polyester fibers of the present invention are multifilaments and monofilaments.
[0027]
The monofilament of the present invention is a continuous yarn composed of one single yarn.
[0028]
The shape of the cross section perpendicular to the fiber axis direction of the polyester fiber and monofilament (hereinafter referred to as cross-sectional shape or cross-section) is a circle, a flat shape, a square shape, a half-moon shape, a triangle shape, a polygon shape having five or more corners, a multi-leaf shape, and a dog bone shape. Any cross-sectional shape such as a bowl shape may be used. When the monofilament of the present invention is used as a constituent material for industrial fabric, the cross-sectional shape of the monofilament is preferably circular or flat. In particular, when the monofilament is a warp of a papermaking dryer canvas, a monofilament having a flat cross-sectional shape is preferably used from the viewpoint of effectively exhibiting antifouling properties and flatness of the canvas. The flat in the present invention means an ellipse, a square or a rectangle. In addition to an exact ellipse, a square or a rectangle defined mathematically, a shape substantially similar to an ellipse, a square or a rectangle, for example, a square and a rectangle. It includes a shape with rounded four corners. In the case of an ellipse, the length of the major axis (LD) and the length of the minor axis (SD) intersecting at right angles at the center of the ellipse satisfy the following equation. It is preferable that the long side length (LD) and the short side length (SD) of the rectangle satisfy the following expression.
1.0 ≦ LD / SD ≦ 10
The length of the line segment passing through the center of gravity of the monofilament cross section can be appropriately selected depending on the application, but is preferably in the range of 0.05 to 2.5 mm. Further, the required strength of the yarn varies depending on the use, but is preferably about 3.0 g / denier or more.
[0029]
In addition, the polyester fiber and polyester monofilament of the present invention include, as a core component, a polyester that does not contain a fluorinated terpolymer, in addition to a single structural yarn composed of polyester and a fluorinated terpolymer. A core-sheath composite structure yarn having a polyester containing an original copolymer as a sheath component may be used.
[0030]
The polyester composition, polyester fiber and polyester monofilament of the present invention may be any shape such as non-woven fabric, fiber such as staple fiber and cotton, connector, molded product such as automobile wiper, bottle, film, sheet, etc. Since it has antifouling properties and hydrolysis resistance, it can be preferably used for clothing and various industrial fabrics, electronic parts, automobile parts, bottles, films, sheets and the like.
[0031]
Since the polyester fiber of the present invention has excellent antifouling properties or excellent antifouling properties and hydrolysis resistance, it can be used in various sports uniforms such as ski wear, judo wear, training wear, soccer and volleyball. It can be suitably used for sports clothing and clean work clothes, food work clothes, aprons, table cloths, various non-woven fabric filters, medical clothes that are sterilized and disinfected in high-temperature steam, medical equipment, and the like.
[0032]
The industrial fabric of the present invention is a paper making wire (paper making net), a paper making dryer canvas, a thermal bond method non-woven fabric net conveyor, various filters, etc., using at least part of the polyester monofilament of the present invention. By using the polyester monofilament of the present invention as at least a part of the constituent material, it is resistant to soiling and is easy to remove by washing. It becomes an industrial fabric in which hydrolysis degradation when used in an atmosphere is greatly suppressed.
[0033]
Here, the papermaking wire is a woven fabric used in the paper winding process as various woven fabrics such as single woven fabric, double woven fabric, and triple woven fabric, and is used as a long mesh or a circular mesh. A paper dryer canvas is a fabric used for drying paper in a dryer of a paper machine as various fabrics such as single weave, double weave and triple weave. Moreover, the net conveyor for the thermal bonding process of the thermal bond method nonwoven fabric is a woven fabric for allowing the nonwoven fabric to pass through a furnace in order to fuse the thermal adhesive fibers such as low melting point polyethylene constituting the nonwoven fabric, This is a single woven or double woven fabric.
[0034]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples.
In the following examples, monofilaments which are preferable examples of the polyester composition of the present invention, papermaking dryer canvas which is preferable examples of industrial fabrics, and taffeta which is preferable examples of polyester fibers are specifically described. explain. The characteristic values in the following examples are measured by the following methods unless otherwise specified in each example.
[0035]
1. Antifouling evaluation of monofilament
(1) Adjustment of contaminated liquid
1 part by weight of talc
Alkyl ketene dimer 0.5 parts by weight
Acrylamide 0.5 parts by weight
98 parts by weight of water
(2) While stirring the adjusted contaminated liquid at 300 rpm, the operation of immersing the weighed monofilament at a bath ratio of 1: 5000 for 5 seconds and drying at 70 ° C. for 1 minute was repeated 10 times to obtain a soiled sample.
(3) The soiled sample was weighed to determine the amount of soiling.
(4) The amount of soiling was compared by an index when the amount of soiling adhesion of PET monofilament containing no fluorine-based terpolymer was 100.
[0036]
2. Evaluation of taffeta contamination and cleanability
(1) Contaminant
A. Oily pollutant
(A) Stearic acid 12.5% by weight
(B) Oleic acid 12.5% by weight
(C) Hardened oil 12.5% by weight
(D) Olive oil 12.5% by weight
(E) Cetyl alcohol 8.5% by weight
(F) Solid paraffin 21.5% by weight
(G) Cholesterol 5.0% by weight
(H) Carbon black 15.0% by weight
B. Dry pollutant
(A) Clay 55.0% by weight
(B) Portland cement 17.0% by weight
(C) Silica gel 17.0% by weight
(D) Ferric oxide 0.5 wt%
(E) n-decane 8.75% by weight
(F) Carbon black 1.75% by weight
(2) Test procedure
A. Take one test sample of about 45cm x 45cm1).
[0037]
B. Put 25 liters of 0.2% weak alkaline synthetic detergent (JIS K3371 weakly alkaline, first type) at 40 ± 2 ° C in the washing tub of the automatic reversing swirl type electric washing machine.2)After adjusting so that the combined weight becomes about 500 g, it is washed for 25 minutes under the strong condition of the washing machine.
[0038]
C. Centrifugal dehydrator attached to machine for washing test sample and additional cloth3)After washing for about 30 seconds, the washing tub filled with room temperature water again3)Move to. Rinse for 10 minutes with water overflow. This operation is repeated twice.
[0039]
D. Take out the test sample without squeezing it, make the vertical direction vertical, hang one side and air dry.
[0040]
E. Five test pieces of 5 cm × 10 cm are collected from the test sample after washing.
One of them is used as a standard test piece for contamination determination.
[0041]
F. Round meter type washing machine4)Contaminated liquid in the included 450 ml test bottle5)Add 50 ml and 10 stainless steel balls with a diameter of 6.4 mm and preheat to 40 ± 2 ° C.
[0042]
G. Four test pieces that have been wetted with water in advance are put in a test bottle, sealed, attached to a tester, and rotated at 40 ± 2 ° C. for 20 minutes.
[0043]
H. Remove the test piece from the test bottle, rinse with about 3 liters of room temperature water for 1 minute, and press the test piece with filter paper to remove excess dirt adhering to the surface. This operation is repeated once more and left to stand for 24 hours or more in a horizontal state to dry naturally.
[0044]
I. The degree of contamination is categorized by comparing the color gap between the specimen after contamination and the standard specimen for contamination judgment in section E with the color gap visible between each color chart on the pollution gray scale. In addition, the contamination property is expressed by an average value of four sheets (first grade (dirty) to fifth grade (dirty)).
[0045]
J. et al. Next, 25 liters of 0.2% slightly alkaline synthetic detergent (JIS K3371 weakly alkaline, first type) at 40 ± 2 ° C was put into the washing tub of the automatic reversing swirl type electric washing machine. Additional cloth2)Put a 500g weight of fabric and wash for 5 minutes under the strong conditions of the washing machine.
[0046]
K. Transfer the test sample and additional cloth to a centrifugal dehydrator attached to the machine, dehydrate for about 30 seconds, and then transfer again to a washing tub filled with room temperature water. Wash with water for 2 minutes while allowing the water to overflow. This operation is repeated twice.
[0047]
L. Remove the test piece without squeezing it, press lightly with filter paper to drain the water, and dry naturally in a horizontal state.
[0048]
M.M. The degree of cleaning is graded by comparing the color gap between the specimen after contamination and the standard specimen for contamination judgment in section E with the color gap visible between each color chart of the pollution gray scale. The detergency is expressed by the average value of the two sheets (first grade (dirty) to fifth grade (dirty)).
[0049]
Note 1) If the end thread frays during washing, prevent the end thread from fraying with an edge sewing machine.
[0050]
2) Use an appropriate number of cloths of the same size as the test sample of about 45 cm x about 45 cm.
[0051]
3) Wash well in advance so that no detergent remains in the washing tank and dehydration tank.
[0052]
4) Those specified in JIS L0821.
[0053]
5) Weakly alkaline synthetic detergent (JIS K3371 Weakly alkaline, type 1) and the following contaminants are weighed so that the weight ratio is 7: 3. Grind the detergent in a mortar and add the contaminant to the paste. After that, a small amount of water is added in several portions, and the mixture is further twisted to dilute so that the contaminant concentration becomes 0.075%. As the pollutant, the above-mentioned oily pollutant and dry pollutant are sufficiently mixed at a ratio of 3: 1.
[0054]
3. Monofilament water and oil repellency
The contact angle of a flat (substantially rectangular) cross-section monofilament was measured by the following method. The larger the contact angle, the higher the water / oil repellency.
(1) Using a goniometer-type contact angle measuring device manufactured by Elma Optical Co., Ltd.
(2) Water contact angle: distilled water, oil contact angle: Decalin used
(3) Droplet volume: 5 μl
(4) Measurement temperature: 20 ° C
[0055]
4). Monofilament tensile test
This was performed in accordance with JIS L1013-1992.
(1) Sample grip interval 25cm
(2) Tensile speed 30 cm / min.
(3) Test temperature 20 ° C
[0056]
5). Hydrolysis resistance test of monofilament
The monofilament is placed in a 100 liter autoclave and treated for 10 days, 12 days, and 15 days in 121 ° C. saturated steam, and then the strength of the monofilament after the treatment is determined by the above-described monofilament tensile test. Was used as a measure of hydrolysis resistance (hereinafter referred to as strong retention after hydrolysis). The higher the strength retention after hydrolysis, the better the hydrolysis resistance.
[0057]
Example 1, Comparative Example 1
Intrinsic viscosity 0.93, terminal carboxyl group concentration 13 equivalent / 106g dry PET chips were prepared (hereinafter referred to as PET chips). On the other hand, a copolymer (THV) comprising about 60 mol% of tetrafluoroethylene, about 20 mol% of propylene hexafluoride and about 20 mol% of vinylidene fluoride as a fluorinated terpolymer.TM500G (Sumitomo 3M Co., Ltd. product), melting point: about 175 ° C., 265 ° C., MFR at a load of 5 kg (about 10 g / 10 min) (hereinafter referred to as THV500G) was prepared. As a representative example of the polyester composition of the present invention, monofilaments were produced and evaluated by the following methods.
[0058]
A PET chip and a THV500G chip were mixed at a weight ratio of PET / THV500G = 93/7 and supplied to the extruder. The molten polymer melt-kneaded at 280 ° C. for 3 minutes was spun from a spinneret for flat cross-section yarns through a gear pump through a filtration layer in a spinning pack and a streamline changer (“Stark Mixer” manufactured by Chemix, USA). The spun monofilament is cooled in a hot water bath at 80 ° C., and stretched and heat-set by a total of 5.0 times according to a conventional method, and has a substantially rectangular cross section (flat cross section) having a long side of 0.56 mm and a short side of 0.28 mm. Got. Table 1 shows the strength, contact angle measurement results, and antifouling evaluation results of this monofilament. For comparison, the results of monofilaments obtained in the same manner as in Example 1 except that THV500G is not used are also shown in Table 1 as Comparative Example 1.
[0059]
Examples 2-9, Comparative Examples 2-3
Table 1 also shows the results of monofilaments obtained in the same manner as in Example 1 except that the blending amounts of the PET chip and the THV500G chip in Example 1 were changed as shown in Table 1.
[0060]
Comparative Example 4
The THV500G chip in Example 2 was replaced with an ethylene / tetrafluoroethylene random copolymer (product of Daikin Industries, Ltd., NEOFRON).TMTable 1 also shows the results of monofilaments obtained in the same manner as in Example 2 except that it was changed to EP-521 (hereinafter referred to as EP-521).
[0061]
Examples 10-11
The THV500G chip in Example 1 is a copolymer (THV) comprising about 50 mol% of tetrafluoroethylene, about 20 mol% of propylene hexafluoride and about 30 mol% of vinylidene fluoride.TM400G (product of Sumitomo 3M Co., Ltd.), melting point of about 155 ° C., MFR of about 10 g / 10 min at 265 ° C. under 5 kg load (hereinafter referred to as THV400G) (Example 10), except for Example 10 Table 1 shows the results of the monofilament obtained. Similarly, a copolymer (THV) comprising about 40 mol% of tetrafluoroethylene, about 20 mol% of propylene hexafluoride and about 40 mol% of vinylidene fluoride.TM200G (Sumitomo 3M Co., Ltd.), melting point: about 120 ° C., MFR at about 265 ° C. under 5 kg load (about 20 g / 10 minutes) (hereinafter referred to as THV200G) (Example 10) Table 1 shows the results of the monofilament obtained.
[0062]
[Table 1]
From the above results, it can be seen that the polyester monofilament of the present invention is excellent in water and oil repellency and antifouling properties and has sufficient strength.
[0063]
Examples 12-17, Comparative Example 5
In Example 1, when supplying the PET chip and the THV500G chip to the single-screw extruder, except that the liquid TIC was supplied while being measured so as to have the weight ratio shown in Table 2 at the entrance of the single-screw extruder, It carried out similarly to Example 1 and obtained the flat cross-section monofilament. The monofilament strength, contact angle measurement results, antifouling index, unreacted carbodiimide compound (hereinafter referred to as unreacted TIC) content in the monofilament, COOH end group concentration, strength retention after hydrolysis, etc. The characteristics are shown in Table 2. For comparison, the results of monofilaments obtained in the same manner as in Example 15 except that a THV500G chip equivalent amount of PET chip was added without adding the THV500G chip in Example 15 are also shown in Table 2.
[0064]
[Table 2]
From the above results, when the monofilament which is a preferred embodiment of the polyester composition of the present invention contains 0.005 to 1.5% by weight of unreacted TIC, in addition to excellent antifouling properties and sufficient strength and elongation. When the monofilament has an unreacted TIC content of 0.01 to 1.2% by weight, antifouling properties, hydrolysis resistance and strong stretching It can be seen that the balance with the degree is even better.
[0065]
Example 18, Comparative Example 6
In order to evaluate suitability as an industrial fabric, a plain fabric was prepared using the monofilament obtained in Example 1 for warp and weft. A portion of this plain woven fabric was cut out, immersed in the above-mentioned contaminated liquid, dried at 100 ° C. for 30 minutes, and the weight of the stained plain woven fabric was measured. The soil canvas was subjected to ultrasonic cleaning in water containing 0.5% by weight of a neutral surfactant for 3 minutes, washed with water and dried, and the weight of the washed plain fabric was measured. The amount of dirt adhered determined from the weight difference before and after washing was 0.7% by weight. (Example 18) For comparison, the amount of dirt adhered was 2.1% by weight in the same manner as in Example 18 except that the monofilament in Example 18 was changed to the monofilament obtained in Comparative Example 1. It was. (Comparative Example 7)
From this result, it can be seen that the industrial fabric using the monofilament of the present invention is excellent in antifouling property.
[0066]
Example 19
The flat cross-sectional yarn cap used for spinning the monofilament in Example 15 was changed to a circular cross-sectional yarn cap to produce a monofilament having a circular cross section with a diameter of 0.46 mm.
[0067]
A twill weave canvas (hereinafter referred to as “canvas”) for a papermaking dryer was prepared using the circular monofilament as a weft and the monofilament having a flat cross section obtained in Example 15 as a warp. The canvas was attached to a dryer of a neutral paper machine, used for paper drying at 140 ° C. for 8 months, and then the canvas was removed. The residual strength of the warp on the canvas after use with respect to the warp strength on the canvas before use was 74%. Further, after cutting out a portion of the canvas after use and measuring the weight, ultrasonic washing is performed in water containing 0.5% by weight of a neutral surfactant for 3 minutes, followed by washing with water and drying to wash the plain fabric. The soil adhesion rate determined by the method of measuring the weight of the ink was 1.1% by weight.
[0068]
Comparative Example 7
The flat cross-sectional yarn base used for spinning the monofilament in Comparative Example 4 was changed to a circular cross-sectional yarn base to produce a monofilament having a circular cross section with a diameter of 0.46 mm.
A canvas was prepared using this circular monofilament monofilament as a weft and the monofilament having a flat cross section obtained in Comparative Example 4 as a warp. This canvas was attached to a dryer of a neutral paper machine and used for drying the paper at 140 ° C. for 8 months, and then the canvas was removed. The residual strength of the warp on the canvas after use with respect to the warp strength on the canvas before use was 70%. Further, after cutting out a portion of the canvas after use and measuring the weight, ultrasonic washing is performed in water containing 0.5% by weight of a neutral surfactant for 3 minutes, followed by washing with water and drying to wash the plain fabric. The soil adhesion rate determined by the method of measuring the weight of the product was 3.5% by weight.
[0069]
From the above results, it can be seen that the paper dryer canvas of the present invention has both excellent hydrolysis resistance and antifouling properties.
[0070]
Examples 20-22, Comparative Example 8
A PET chip having an intrinsic viscosity of 0.65 was prepared. This PET chip and THV500G chip, THV400G, and THV200G are mixed at a weight ratio shown in Table 3 and supplied to an extruder spinning machine. The polymer temperature is 290 ° C., and spinning is performed from a spinneret of 0.3 mmφ × 16 holes And wound up at a speed of 800 m / min. Subsequently, it was drawn at a drawing temperature of 120 ° C. and a draw ratio of 3.5 times to obtain a drawn yarn of 75D / 16 filament. This stretched yarn was used as weft and woven into taffeta. Table 3 shows the evaluation results of contamination and cleaning properties of this taffeta.
[0071]
[Table 3]
From the above results, it can be seen that the multifilament of the present invention has excellent antifouling properties.
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