JP3613127B2 - パケットスイッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の入力インタフェース部から入力されるIPパケット等の可変長パケットを、そのパケットの内部情報に基づき複数の出力インタフェース部のうちの特定の出力インタフェース部へ出力させるパケットスイッチ装置関し、特に、入力インタフェース部にセルが所定数蓄積された場合、又は、セルの蓄積開始後、所定時間が経過した場合に、蓄積されているセルを出力インタフェース部へ送出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パケットスイッチ装置では、可変長パケットを固定長セルに分割してスイッチングを行っている。このスイッチングの際に、従来のパケットスイッチ装置においては、通常、1セル単位でスイッチ調停等を行い、1セル単位でスイッチングを行っていた。
【0003】
例えば、伝送路から入力された1500byte(バイト)のパケットは、64byteごとの24個の固定長のセルに分割され、1セルずつパケットスイッチ装置内部で宛先出力インタフェース部へ転送されていた。そして、出力インタフェース部で24個のセルから元の1500byteのパケットを組立て、出力回線の伝送路に出力していた。
【0004】
伝送路上のパケットの伝送速度が低速の場合には、各セルに十分なスイッチング時間を確保することができ、問題なくスイッチ調停等のスイッチスケジューリングを行うことができる。
ところが、伝送路が高速の場合には、1つのセルのスイッチ調停のために確保できる時間が短くなり、高速で動作するスイッチ調停回路が必要となる。しかし、スイッチ調停回路の高速化には限界がある。
【0005】
そこで、伝送路が高速になった場合に、複数セル単位でスイッチする方法が提案されている。その結果、伝送路の速度が、スイッチ調停回路の限界動作速度の例えば4倍になった場合、4セルずつスイッチすれば、4セル分の時間でスイッチ調停することが可能となる。このため、スイッチ調停回路を高速化する必要はなくなる。
【0006】
そして、例えばM(Mは、正の整数。)セル単位でスイッチ調停する場合、M個のセルが到着を待って、スイッチ調停回路(スケジューラ)に宛先出力インタフェースへのスイッチ接続要求を行うようにする。そして、スケジューラからスイッチ許可信号がくれば、M個のセルを出力インタフェースへ送出する。
【0007】
しかし、蓄積されたセル数だけをスイッチ接続要求の条件とすると、到着したセルがMセル未満の場合、次のパケットが到着してMセルになるまで待つことになる。その結果、入力回線から次のパケットが入力されないと、蓄積数がM個に満たないセルはいつまでもスイッチングされずに残ってしまうことになる。
【0008】
そこで、セルの蓄積数の条件とは別に、蓄積されたセルが出力されるまでの待ち時間に制限が設けられている。すなわち、蓄積セルがM個になるか、又は、蓄積セルがMセル未満でも最初のセルが到着してから設定された固定時間が経過すると、スイッチ調停回路に宛先出力インタフェースへのスイッチ要求を出すことになる。そして、調停回路からのスイッチ許可信号を受け取り、セルを宛先の出力インタフェースへ出力する。
【0009】
そして、セル待ち時間が短ければ、セルがM個蓄積されるまるまでの待ち時間が短くなるので、スイッチ調停ですぐに許可となれば、セルが出力インタフェース部に届くまでの遅延時間を短くすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術においては、セル待ち時間が固定長であるため、パケットのトラフィック量によっては、却ってスイッチ転送効率が悪くなるという問題点があった。
【0011】
すなわち、セル待ち時間の固定時間が経過したことにより出力されたMセル未満のセル群には、スイッチされるMセル分の中に空きセルが含まれる。このため、この固定時間が短くなると、セルがM個蓄積される前にスイッチ要求がされる数が増加する。その結果、空きセルが送出される割合が高くなり、転送効率が低下する。
その上、この固定時間が短くなると、スイッチ要求が増加して、スイッチを通るトラフィック量が増加する。その結果、スイッチ調停での待ち時間が増大し、トータルの遅延時間が増大することになる。
【0012】
これに対して、セル待ち時間の固定時間が長い場合、空きセルが含まれる割合は低くなる。しかし、トラフィック量が少ないと、M個分のセルが溜まるまで、又は、固定時間が経過するまで、セルの送出が長時間待たされることになる。このため、遅延時間が増大することになる。
したがって、セル待ち時間が固定時間であると、トラフィック量によっては遅延特性が悪くなる場合があり、効率良いスイッチングを実現することが困難となる。
【0013】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、スケジューラを高速動作させることなく、効率良いスイッチングを実現することができるパケットスイッチ装置提供を目的とする。
【0014】
なお、従来の入力バッファ型ATMスイッチ回路の一例が、特開平7−297831号公報に開示されている。この公報に開示の技術によれば、セルの遅延レベルと、バッファ内蓄積可能時間と、入力バッファ内のセル数とに基づいて、重み付けをしておき、同一の出力先にセルの出力が要求された場合に、最も重み付けの重い入力バッファからのセルを優先的に出力している。
しかし、上記公報に開示の技術においては、セルの待ち時間すなわちバッファ内蓄積可能時間の制限時間を超えたセルは廃棄されたとみなされ、そもそも伝送されていなかった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成を図るため、本発明の請求項1記載のパケットスイッチ装置、出力回線ごとに設けられ、スイッチ部から入力されるセルのトラフィック量を検出する出力インタフェース部と、全ての出力インタフェース部からトラフィック量が入力され、全ての出力インタフェース部ごとのトラフィック量をトラフィック情報として出力するトラフィック管理部と、入力回線ごとに設けられ、入力回線から入力されたパケットを分解して固定長のセルを生成し、セルを送出されるべき出力インタフェース部別に蓄積するとともに、トラフィック情報に基づいて、出力インタフェース部ごとの所定の待ち時間を変更する入力インタフェース部と、いずれかの入力インタフェース部といずれかの出力インタフェース部とを選択的に接続するスイッチ部と、いずれかの入力インタフェース部において、いずれかの出力インタフェース部へ送出すべきセルが所定数蓄積された場合、又は、当該出力インタフェース部へ送出すべき現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてから所定の待ち時間が経過した場合に、当該入力インタフェース部と当該出力インタフェース部とを接続するように前記スイッチ部を制御するスケジューラとを備えた構成としてある。
【0016】
また、請求項2記載の発明によれば、所定の待ち時間は、トラフィック量の多い出力インタフェース部へ送出されるべきセルについては長く、トラフィック量の少ない出力インタフェース部へ送出されるべきセルについては短くなるように変更される構成としてある。
【0017】
また、請求項3記載の発明によれば、入力インタフェース部は、入力された可変長のパケットを分解して固定長のセルを生成するパケット分解部と、セルを、送出すべき出力インタフェース部別に蓄積する入力バッファ部と、入力バッファ部に蓄積されたセル数を出力インタフェース部別に検出するとともに、現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてからの経過時間を出力インタフェース別に検出し、検出されたセル数が、いずれかの出力インタフェース部について所定数に達した場合、又は、検出された経過時間が、いずれかの出力インタフェース部について所定の待ち時間に達した場合に、当該出力インタフェース部との接続要求信号をスケジューラへ出力し、かつ、トラフィック情報に基づいて、出力インタフェース部ごとの所定の待ち時間を変更する入力バッファ管理部とを備える構成としてある。
【0018】
また、請求項4記載の発明によれば、入力バッファ管理部は、現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてからの経過時間を出力インタフェース別に検出するタイマカウンタ部と、入力バッファ部に蓄積されたセル数を出力インタフェース部別に検出し、検出されたセル数が、いずれかの出力インタフェース部について所定数に達した場合、又は、タイマカウンタ部により検出された経過時間が、いずれかの出力インタフェース部について所定の待ち時間に達した場合に、当該出力インタフェース部との接続要求信号をスケジューラへ出力し、かつ、トラフィック情報に基づいて、出力インタフェース部ごとの所定の待ち時間を変更するバッファ/タイマ管理部とを備える構成としてある。
【0019】
また、請求項5記載の発明によれば、入力バッファ部は、出力インタフェース部ごとに入力バッファを備え、入力バッファの各々は、パケットの優先順位別の複数のバッファを備えた構成としてある。
【0020】
また、請求項6記載の発明によれば、入力バッファ管理部は、セルを送出するバッファに蓄積されたセル数が所定数未満の場合に、同一出力インタフェース部宛ての他の優先順位のバッファに蓄積されているセルを追加して、所定数となったセルを送出する構成としてある。
【0021】
また、請求項7記載の発明によれば、出力インタフェース部は、セルを、送出元の入力インタフェース部別に蓄積する出力バッファ部と、セルから可変長パケットを組み立てるパケット組み立て部と、スイッチ部から当該出力インタフェース部に入力されるセルのトラフィック量を検出する出力バッファ管理部とを備える構成としてある。
【0023】
このように、本発明のパケットスイッチ装置よれば、セルを送出されるべき出力インタフェース部別に蓄積し、複数セル単位でセルを送出する。このため、所定蓄積数分の時間で調停スケジューリングができる。これにより、スイッチ要求の調停を行うスケジューラを低速回路で実現できる。
【0024】
さらに、スイッチ部から当該出力インタフェース部に入力されるセルのトラフィック量に基づいて変更する。これにより、例えば、ある出力インタフェース宛のパケットが集中しトラフィックが増大した場合、その出力インタフェースへのセル送出待ち時間を長くして、Mセル未満でセルがスイッチされる割合を少なくし、トラフィック量を減らすことができる。したがって、パケットスイッチ装置のスイッチ転送効率を向上させ、スイッチスループットを向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態のパケットスイッチ装置の概略構成を説明するためのブロック図である。図1に示すように、第一実施形態のパケットスイッチ装置は、n(nは正の整数。)個の入力インタフェース部3(3−1、3−2、…、3−n)と、n個の出力インタフェース部4(4−1、4−2、…、4−n)と、n×nのクロスポイントスイッチ5と、スケジューラ6と、トラフィック管理部7とにより構成されている。
【0026】
入力インタフェース部3は、n本の入力回線1(1−1、1−2、…、1−n)ごとにそれぞれ設けられている。また、出力インタフェース部4は、n本の出力回線2(2−1、2−2、…、2−n)ごとにそれぞれ設けられている。
そして、入力インタフェース部3では、入力回線1から入力されたパケットを分解して固定長のセルを生成し、当該セルを送出されるべき出力インタフェース部別に蓄積する。
【0027】
クロスポイントスイッチ5は、いずれかの入力インタフェース部3といずれかの出力インタフェース部4とを、セルを宛先の出力インタフェース部4へ送出するように選択的に接続する。この接続は、スケジューラ6によって制御されている。
【0028】
スケジューラ6は、入力インタフェース部3からのスイッチ要求を調停し、クロスポイントスイッチ5を制御している。このスイッチ要求は、いずれかの入力インタフェース部3において、いずれかの出力インタフェース部4へ送出すべきセルが所定数蓄積された場合、又は、当該出力インタフェース部4へ送出すべき現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてから所定の待ち時間が経過した場合に、その入力インタフェース部3から出力される。
なお、本発明においては、スケジューラ6のスケジューリング方式は特に限定されず、任意好適な方式を採用することができる。例えば、各入力インタフェース部が平等に割当てされるように、ラウンドロビンを行うと良い。
【0029】
また、出力インタフェース部4は、クロスポイントスイッチ5より入力されたセルからパケットを組み立て、そのパケットを出力回線2へ出力する。さらに、出力インタフェース部4は、クロスポイントスイッチ5から当該出力インタフェース部4に入力されるセルのトラフィック量を検出する。
【0030】
また、トラフィック管理部7には、全ての出力インタフェース部4からトラフィック量が入力される。すなわち、トラフィック管理部7には、n個のトラフィック量が入力される。そして、トラフィック管理部7は、全ての出力インタフェース部4分のn個のトラフィック量を含むトラフィック情報を出力する。
【0031】
そして、入力インタフェース部3は、トラフィック情報に基づいて、出力インタフェース部4ごとの所定の待ち時間を変更する。すなわち、トラフィック量の多い出力インタフェース部へ送出されるべきセルについては、所定の待ち時間を長くし、一方、トラフィック量の少ない出力インタフェース部へ送出されるべきセルについては、所定の待ち時間を短くするように変更する。
【0032】
トラフィック量と所定の待ち時間との関係は、任意好適な関係とすることができる。例えば、所定の待ち時間を、下記の式(1)に示すように、トラフィック量に比例させても良い。
(所定の待ち時間)=A×(トラフィック量)…(1)
ただし、Aは、比例定数を表す。
【0033】
また、例えば、所定の待ち時間を、下記の式(2)に示すように、トラフィック量の関数としても良い。
(所定の待ち時間)=f(トラフィック量)…(2)
ただし、f( )は、所望の関数を表す。
【0034】
このように所定の待ち時間を変更することにより、例えば、ある出力インタフェース宛のパケットが集中しトラフィックが増大した場合、その出力インタフェース部へのセル送出待ち時間を長くして、所定数の未満でセルがスイッチされる割合を少なくし、トラフィック量を減らすことができる。その結果、パケットスイッチ装置のスイッチ転送効率を向上させ、スイッチスループットを向上させることができる。
【0035】
次に、本実施形態のパケットスイッチ装置の各構成部分のより具体的な構成について説明する。
まず、図2を参照して、入力インタフェース部3の構成について説明する。
図2に示すように、この入力インタフェース部3は、パケット分解部31と、入力バッファ部32と、入力バッファ管理部33とにより構成されている。
【0036】
パケット分解部31は、入力された可変長のパケットを分解して、固定長のセルを生成する。本実施形態では、例えば、入力回線1から入力された1500byteのパケットを、64byteごとに分割して、24個の固定長のセルを生成する。
さらに、パケット分解部31は、可変長パケットのヘッダの内容から、セルを転送すべき出力インタフェース部4を決定する。
【0037】
入力バッファ32は、各出力インタフェース4にそれぞれ対応するn個の入力バッファ321〜32nを備えている。そして、入力バッファ32は、パケット分解部31で生成されたセルを、送出すべき出力インタフェース部別に、入力バッファに蓄積する。
【0038】
入力バッファ管理部33は、入力バッファ部32に蓄積されたセル数を出力インタフェース部別に検出するとともに、現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてからの経過時間を出力インタフェース別に検出する。
そして、入力バッファ管理部33は、検出されたセル数がいずれかの出力インタフェース部について所定数に達した場合、又は、検出された経過時間がいずれかの出力インタフェース部4について所定の待ち時間に達した場合に、当該出力インタフェース部との接続要求信号をスケジューラ6へ出力する。
【0039】
本実施形態では、この所定数を4セルとする。この場合、例えば、入力バッファ321に蓄積されたセル数が4個に達すると、入力バッファ管理部33は、スケジューラ6へスイッチ要求を送出する。そして、スケジューラ6からスイッチ許可情報を受け取ると、入力バッファ管理部33は、入力バッファ321に格納されていた4個のセルを、クロスポイントスイッチ5へ送出する。
【0040】
次に、図3を参照して、出力インタフェース部4の構成について説明する。
図3に示すように、この出力インタフェース部4は、パケット組立部41と、出力バッファ部42と、出力バッファ管理部43とにより構成されている。
【0041】
出力バッファ部42は、各入力インタフェース部3にそれぞれ対応するn個の出力バッファ421〜42nを備えている。そして、出力バッファ部42は、クロスポイントスイッチ5から入力されたセルを、該当する送出元の入力インタフェース部4に対応する出力バッファに格納する。
【0042】
パケット組立部41は、出力バッファ部42に格納されたセルから元の可変長パケットを組み立てる。そして、パケット組立部41は、パケットを出力回線2へ出力する。
【0043】
出力バッファ管理部43は、出力バッファ部42へ格納されたセルの管理をする。さらに、出力バッファ管理部43は、クロスポイントスイッチ5から当該出力インタフェース部に入力されるセルのトラフィック量を検出する。そして、検出されたトラフィック量は、トラフィック管理部7へ送られる。
【0044】
そして、トラフィック管理部7は、各出力インタフェース部4から送られてきたn個のトラフィック量をまとめてトラフィック情報として、各入力インタフェース部3の入力バッファ管理部33へ送出する。
【0045】
次に、図4を参照して、入力バッファ管理部33の構成について説明する。
図4に示すように、入力バッファ管理部33は、n個のタイマカウンタ部332(332−1〜332−n)と、n個のバッファ/タイマ管理部331(331−1〜331−n)と、入力バッファインタフェース部333と、スケジューラインタフェース部334と、トラフィック管理部インタフェース部335とにより構成されている。
【0046】
各タイマカウンタ部332(332−1〜332−n)は、入力バッファ32内に出力インタフェース別に設けられた各入力バッファ321〜32nにそれぞれ対応して設けられている。そして、各タイマカウンタ部332は、対応する入力バッファ321〜32nについて、現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてからの経過時間をそれぞれ計測する。
【0047】
そして、タイマカウンタ部332には、トラフィック管理部331の指示によって、所定の待ち時間に相当する限界カウント値が設定されている。そして、タイマカウンタ部332は、経過時間をカウントし、カウント値が限界カウント値に達すると、バッファ/タイマ管理部332にカウント終了を通知する。
【0048】
各バッファ/タイマ管理部331(331−1〜331−n)は、n個のタイマカウンタ部332(332−1〜332−n)にそれぞれ対応して設けられている。そして、各バッファ/タイマ管理部331は、対応するタイマカウンタ部332を管理するとともに、そのタイマカウンタ部332の対応する入力バッファも管理する。
【0049】
すなわち、バッファ/タイマ管理部331は、入力バッファインタフェース部33を介して、対応する入力バッファに蓄積されたセル数を検出するとともに、その入力バッファについてタイマカウンタ部332で計測されている経過時間も検出する。
【0050】
そして、いずれかの入力バッファにおいて、検出されたセル数が、いずれかの出力インタフェース部について所定数(例えば4個)に達した場合、又は、タイマカウンタ部332により検出された経過時間が、いずれかの出力インタフェース部について所定の待ち時間に達した場合、その入力バッファの対応する出力インタフェース部との接続要求信号(スイッチ接続)を、スケジューラインタフェース部334を介して、スケジューラ6へ出力する。
【0051】
そして、スケジューラ6からスケジューラインタフェース部334を介して、スイッチ許可を送受信すると、バッファ/タイマ管理部331は、入力バッファインタフェース部333を介して、セル転送指示を入力バッファ部32へ入出力する。
【0052】
トラフィック管理部インタフェース部335には、トラフィック管理部7からトラフィック情報が入力される。そして、トラフィック管理部インタフェース部335は、トラフィック情報を、出力インタフェース部ごとのn個のトラフィック量の情報に分け、該当する出力インタフェース部に対応する入力バッファを担当するバッファ/タイマ管理部331へそれぞれ送出する。
【0053】
トラフィック量が入力された各バッファ/タイマ管理部331は、そのトラフィック量に基づいて、出力インタフェース部ごとの所定の待ち時間を変更する。具体的には、バッファ/タイマ管理部331は、トラフィック情報に基づいた新しい所定の待ち時間に相当するカウント値を、タイマカウンタ部332に設定する。
このように、所定の待ち時間をトラフィック量に基づいて変更することにより、パケットスイッチ装置のスイッチ転送効率を向上させることができる。
【0054】
次に、本実施形態のパケットスイッチ装置の動作例について説明する。
入力回線1から入力インタフェース部3へ可変長パケットが入力されると、パケット分解部31は、パケット内のパケットヘッダから転送すべき出力インタフェース部4を特定し、パケットを固定長のセルに分解して、転送すべき宛先出力インタフェース番号と分解したセルを入力バッファ部32へ送出する。
【0055】
入力バッファ部32は、受け取ったセルを、そのセルの宛先出力インタフェース4に対応する入力バッファ321〜32nに蓄積するとともに、入力バッファ管理部へ入力セル数等を通知する。入力バッファ部32のこの動作は、パケットが入力される都度行われ、入力バッファ管理部33において、セル情報が管理される。
【0056】
入力バッファ管理部33は、入力バッファ部32からセル入力の通知を受け取ると、該当する宛先出力インタフェース部4に対応するタイマカウンタ部332のタイマのカウントをスタートさせる。
さらに、入力バッファ管理部33は、入力された入力セル数もカウントし、所定数セル蓄積、又は、タイマカウンタが設定されたセル待ち時間になると、スケジューラ6へ該当出力インタフェース4へのスイッチ要求を行う。
【0057】
入力バッファ管理部33からのスイッチ要求を受け取ったスケジューラ6は、スケジューリングアルゴリズムに基づき要求の調停を行い、スイッチ割り当てができた要求に対してスイッチ許可信号を返送するとともに、n×nクロスポイントスイッチ5を制御し、スイッチ許可を返送した入力インタフェース部3からのセルが許可された出力インタフェース4へ出力されるようにする。
【0058】
スイッチ許可信号を受け取った入力インタフェース部3の入力バッファ管理部33は、許可された宛先のセルを入力バッファ部32からクロスポイントスイッチ5へ出力する。入力インタフェース部3から出力されたセルは、スケジューラ6からスイッチ許可信号通りスイッチングするよう制御されたクロスポイントスイッチ5を通って、宛先の出力インタフェース部4へ出力される。
【0059】
出力インタフェース部4は、クロスポイントスイッチ5から受信したセルを、出力バッファ部42内の送信元の入力インタフェース別の出力バッファ421〜42nに蓄積する。出力バッファ管理部43は、出力バッファ部42から受信セル数とセル内のパケット情報を受け取り、受信セルの管理を行う。
【0060】
さらに、出力バッファ管理部43は、1パケット分のセルを受信すると、出力バッファ42部から1パケット分のセルをパケット組立部41へ送信する。パケット組立部41はセルをパケットに組立て出力回線2へ出力する。
以上の動作により入力回線1から入力インタフェース部3へ入力されたパケットは、宛先の出力インタフェース部4を経て出力回線2へ出力される。
【0061】
上記動作の中で、出力バッファ管理部43は、クロスポイントスイッチ5から出力バッファ部42へ入力されるセルを、一定周期でカウントすることにより、入力されるセルのトラフィック量を監視する。監視したトラフィック量は、一定周期で出力バッファ管理部43からトラフィック管理部7へ通知される。
トラフィック管理部7は、全出力インタフェース部4からのトラフィック量を受信し、それらトラフィック量をまとめてトラフィック情報として、全入力インタフェース4の入力バッファ管理部33へ一定周期で通知する。
【0062】
入力バッファ管理部33のトラフィック管理部インタフェース部335は、トラフィック管理部7からの全出力インタフェース4のトラフィック情報を出力インタフェース4ごとに分解し、該当する宛先出力インタフェース4のトラフィック情報を各々のバッファ/タイマ管理部331へ通知する。
バッファ/タイマ管理部331は、受信したトラフィック情報からトラフィック量に応じたセル待ち時間を決定し、タイマカウンタ332に所定のセル待ち時間を設定する。所定のセル待ち時間は、トラフィック量が多ければ大きく、トラフィック量が少なくなれば小さな値が設定される。
【0063】
このようにして出力インタフェース4へ入力されるセルのトラフィック量に応じて入力バッファ部32のセル待ち時間を、宛先出力インタフェースごとに一定周期で変更を行う。これにより、トラフィック量が少ないときには所定の待ち時間を短くし、トラフィック量が多いときには所定の待ち時間を長くし、スイッチ効率を向上させることができる。
【0064】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
第二実施形態では、パケットに優先順位が与えられている場合に、この優先順位に従っスイッチ転送するパケットスイッチ装置及びその制御方法の例について説明する。
【0065】
第二実施形態においては、入力インタフェース部3の入力バッファ部32aは、出力インタフェース部4ごとに入力バッファ321a〜32naを備えている。そして、入力バッファ321a〜32naの各々には、パケットの優先順位1〜p別の複数のバッファ81〜8pが設けられている。
【0066】
入力回線1から入力インタフェース部3へ入力されたパケットは、パケット分解部31において、セルに分解されるともに、ヘッダの内容によって優先順位が決定される。
パケット分解部31から入力バッファ部32aへ入力されたセルは、宛先出力インタフェース部とセル優先順位とによって個別にバッファ81〜8pのいずれかに蓄積される。
【0067】
さらに、入力バッファ管理部33においても、宛先出力インタフェース及びセル優先順位ごとに、セルの入出力が管理される。そして、スイッチ要求及びスイッチ許可も、宛先出力インタフェースのセル優先順位ごとに行われる。
【0068】
次に、X番目の出力インタフェース部4X宛てのセルであって、Y番目の優先順位用のバッファ8Yに蓄積されていたセル(以下、「セルXY」と表記する。)についてスイッチ許可された場合の動作例について説明する。
【0069】
セルXYについてスイッチ許可された際に、そのバッファ8Yに所定数(例えば4)未満のセルしか蓄積されていない場合、同じ出力インタフェース4Xを宛先とする入力バッファ32X内の他のバッファ8q(1≦q≦p、q≠Y)内に、セルが蓄積されているか否かを確認する。
【0070】
そして、他のバッファ8q内にセルが蓄積されている場合には、そのバッファ8q内のセルXqをセルXYに追加し、所定数4セルとして、スイッチ転送を行う。
なお、追加されるセルXqの優先順位は、セルXYの優先順位よりも高くても良いし、低くても良い。
【0071】
そして、出力インタフェース4に入力されたセルXY及びセルXqは、それぞれ優先順位別に分けられて、それぞれ優先順位別に設けられたバッファ(図示せず)に格納される。
【0072】
このように制御することで、セルが所定数未満でスイッチ転送される割合を減らすこと、すなわち、空セルが含まれる割合を減らすことができるので、スイッチ転送効率を向上させることができる。
【0073】
上述した実施の形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は、種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態においては、所定数を4セルとした例について説明したが、本発明では、所定数はこれに限定されない。所定数を任意好適な値とすることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、スイッチ部から当該出力インタフェース部に入力されるセルのトラフィック量に基づいて変更する。これにより、スケジューラを高速動作させることなく、パケットスイッチ装置のスイッチ転送効率を向上させ、スイッチスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のパケットスイッチ装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】入力インタフェース部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】出力インタフェース部の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】入力インタフェース部内の入力バッファ管理部の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】第二実施形態における入力インタフェース部内の入力バッファ部の構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1(1−1〜1−n) 入力回線
2(2−1〜2−n) 出力回線
3(3−1〜3−n) 入力インタフェース部
4(4−1〜4−n) 出力インタフェース部
5 クロスポイントスイッチ
6 スケジューラ
7 トラフィック管理部
31 パケット分解部
32 入力バッファ部
33 入力バッファ管理部
41 パケット組立部
42 出力バッファ部
43 出力バッファ管理部
81〜8p 優先順位別バッファ
321〜32n、321a〜32na 入力バッファ
421〜42n 出力バッファ
331(331−1〜331−n) バッファ/タイマ管理部
332(332−1〜332−n) タイマカウンタ部
333 入力バッファインタフェース部
334 スケジューラインタフェース部
335 トラフィック管理部インタフェース部

Claims (7)

  1. 出力回線ごとに設けられ、スイッチ部から入力されるセルのトラフィック量を検出する出力インタフェース部と、
    全ての前記出力インタフェース部から前記トラフィック量が入力され、全ての前記出力インタフェース部ごとのトラフィック量をトラフィック情報として出力するトラフィック管理部と、
    入力回線ごとに設けられ、前記入力回線から入力されたパケットを分解して固定長のセルを生成し、当該セルを送出されるべき出力インタフェース部別に蓄積するとともに、前記トラフィック情報に基づいて、前記出力インタフェース部ごとの所定の待ち時間を変更する入力インタフェース部と、
    いずれかの前記入力インタフェース部といずれかの前記出力インタフェース部とを選択的に接続するスイッチ部と、
    いずれかの前記入力インタフェース部において、いずれかの前記出力インタフェース部へ送出すべきセルが所定数蓄積された場合、又は、当該出力インタフェース部へ送出すべき現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてから前記所定の待ち時間が経過した場合に、当該入力インタフェース部と当該出力インタフェース部とを接続するように前記スイッチ部を制御するスケジューラと、
    を備えたことを特徴とするパケットスイッチ装置。
  2. 前記所定の待ち時間は、
    前記トラフィック量の多い出力インタフェース部へ送出されるべきセルについては長く、
    前記トラフィック量の少ない出力インタフェース部へ送出されるべきセルについては短くなるように変更される
    ことを特徴とする請求項1記載のパケットスイッチ装置。
  3. 前記入力インタフェース部は、
    入力された可変長のパケットを分解して固定長のセルを生成するパケット分解部と、
    前記セルを、送出すべき出力インタフェース部別に蓄積する入力バッファ部と、
    前記入力バッファ部に蓄積されたセル数を前記出力インタフェース部別に検出するとともに、現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてからの経過時間を前記出力インタフェース別に検出し、検出されたセル数がいずれかの前記出力インタフェース部について前記所定数に達した場合、又は、検出された経過時間がいずれかの前記出力インタフェース部について前記所定の待ち時間に達した場合に、当該出力インタフェース部との接続要求信号を前記スケジューラへ出力し、かつ、前記トラフィック情報に基づいて、前記出力インタフェース部ごとの前記所定の待ち時間を変更する入力バッファ管理部と
    を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のパケットスイッチ装置。
  4. 前記入力バッファ管理部は、
    現在蓄積されている最初のセルが蓄積されてからの経過時間を前記出力インタフェース別に検出するタイマカウンタ部と、
    前記入力バッファ部に蓄積されたセル数を前記出力インタフェース部別に検出し、検出されたセル数がいずれかの前記出力インタフェース部について前記所定数に達した場合、又は、前記タイマカウンタ部により検出された経過時間がいずれかの前記出力インタフェース部について前記所定の待ち時間に達した場合に、当該出力インタフェース部との接続要求信号を前記スケジューラへ出力し、かつ、前記トラフィック情報に基づいて、前記出力インタフェース部ごとの前記所定の待ち時間を変更するバッファ/タイマ管理部と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載のパケットスイッチ装置。
  5. 前記入力バッファ部は、前記出力インタフェース部ごとに入力バッファを備え、
    前記入力バッファの各々は、パケットの優先順位別の複数のバッファを備え、
    前記入力バッファ管理部は、前記バッファごとにセルを送出する
    ことを特徴とする請求項3又は4記載のパケットスイッチ装置。
  6. 前記入力バッファ管理部は、セルを送出するバッファに蓄積されたセル数が前記所定数未満の場合に、同一出力インタフェース部宛ての他の優先順位のバッファに蓄積されているセルを追加して、前記所定数となったセルを送出する
    ことを特徴とする請求項5記載のパケットスイッチ装置。
  7. 前記出力インタフェース部は、
    前記セルを、送出元の入力インタフェース部別に蓄積する出力バッファ部と、
    前記セルから可変長パケットを組み立てるパケット組み立て部と、
    前記スイッチ部から当該出力インタフェース部に入力されるセルのトラフィック量を検出する出力バッファ管理部と
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパケットスイッチ装置。
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