JP3612923B2 - Spindle head device in machine tools - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好適には切削工具や被加工物を保持して高速回転する主軸をベアリングにより回転自在に支持する工作機械用の主軸ヘッド装置に関し、特に、前記ベアリングを潤滑する潤滑液の供給・回収経路を改良した主軸ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にマシニングセンタ等の切削加工用工作機械においては、切削工具をその先端開口に保持する工具主軸は転がりベアリングを介して主軸ヘッドの本体内に回転自在に支持される。最近では、アルミ素材の高能率加工の要求に伴い、工具主軸を例えば毎分5万回転程の高速で回転することが要求されている。
【0003】
従来のこの種の主軸ヘッドにおいては、軸受ハウジングとして機能する主軸ヘッド本体内に工具主軸と平行に延びる通常断面円形の潤滑流体の供給通路と回収通路が形成される。主軸ヘッド本体の後部に開口する供給口から圧送される潤滑流体は、供給通路を介して主軸ヘッド本体の前部に配置されるベアリングの一側まで導かれ、この一側からジェット流としてベアリングの内外輪間に向けて噴出されてベアリングのボール転動面を冷却・潤滑し、その後回収通路を経て主軸ヘッドの後部に開口する回収口から潤滑流体供給装置へ回収される。
【0004】
ここで、潤滑流体がミスト状の気体である場合には、複数の供給通路を工具主軸の軸芯を中心とする熱対称に配置し、複数の回収通路も同様な熱対称に配置して、供給通路を通過する潤滑気体と回収通路を通過する潤滑気体との温度差による主軸ヘッドの熱変形を排除することができる。この場合、工具主軸が水平に支持される場合でも、潤滑流体が気体であるので、ベアリングを冷却した後の潤滑気体を回収する上で問題を生じることはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工具主軸を水平に支持する横形工作機械の主軸ヘッド装置において油などの潤滑液を潤滑流体として使用する場合では、潤滑油の供給・回収経路を重力に逆行しない配置として潤滑油が自然流として流れやすくするための考慮が必要となる。具体的には、供給通路を工具主軸の上部に設けると共に、回収経路を工具主軸の下部に設けることが要求される。
【0006】
このように供給通路と回収通路をハウジング内で上下に分けて配置すると、ベアリングを潤滑・冷却した潤滑油の温度上昇によりこれら通路を通過する潤滑油に温度差が生じる。このため、通路の配置が熱的に非対称となり、工具主軸の上部にある主軸ヘッドの部位の熱膨張は小さいが下部にある部位の熱膨張が大きいため、主軸ヘッドは前端部を上向き傾向として熱変形する。この結果、この主軸ヘッド装置を用いるとき加工穴の真直度が損なわれる等の加工精度上の問題を生じる。
【0007】
従って、本発明の目的は、潤滑流体の供給通路と回収通路を主軸ヘッドに熱的に非対称に配置する構成においてもこれら通路を通過する潤滑流体の温度差が起因する主軸ヘッドの熱変形を防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来の主軸ヘッド装置に係わる上述した課題および本発明の目的は、下記の手段により解決され達成される。
本発明の主軸ヘッド装置においては、主軸をこの軸方向に離間した第1および第2ベアリングによりハウジング内に回転自在に支持する。ハウジングには主軸の前端部を支持する第1ベアリングから主軸軸線方向の第2ベアリング側に後退した位置に取付部を設け、この取付部においてハウジングを例えばスライド運動するキャリアに固定する。潤滑液供給装置から前記第1ベアリングに潤滑液を供給する供給経路および第1ベアリングに供給された潤滑液を前記潤滑液供給装置に回収する回収経路を主軸の径方向の両側にそれぞれ設ける。前記回収経路と供給経路の少なくとも一方、好適には回収経路を、前記潤滑液供給装置に接続され前記取付部の近辺に開口する接続ポートと、前記ハウジング内に形成され前記第1ベアリングの近傍から前記径方向に延びる径方向通路と、さらに、この接続ポートおよび前記径方向通路を中継する通路であってこの通路を通過する潤滑液の熱が前記ハウジングに伝導されるのを防止する中継通路とで構成する。
【0009】
斯かる構成により、前記取付部から前記第1ベアリングまでの軸方向の部分において前記ハウジングの径方向の両側に温度差が生じることが防止され、この結果、前記ハウジングの前記径方向の両側部の熱変形に差が生じることが排除される。
好適には、請求項2に記載されるように、主軸が第1および第2転がりベアリングにより水平に支持される横形工作機械用の主軸ヘッド装置に適用され、前記供給経路および回収経路を主軸の上側および下側にそれぞれ配置する。この場合、前記供給経路および回収経路の各々の中継通路を前記主軸の軸線方向に延びる中継パイプで構成し、この中継パイプを前記接続ポートおよび前記径方向通路に接続して前記ハウジングの外部に配置する。前記中継パイプをハウジングの外部に配置することにより、中継パイプからハウジングへの熱伝導が確実に防止される。
【0010】
請求項3に記載されるように、中継パイプを断熱材料にて形成し、ハウジングの内部に埋設する他の実施の形態も採用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2において、10は横形マシニングセンタの直立コラムを示し、このコラム10の前面に形成したY軸ガイド11に沿って主軸ヘッドキャリア12は図1の紙面と垂直なX軸方向の両端部において案内され、図略の送り機構により上下動される。キャリア12は、その中央部においてZ軸方向に貫通穴12aが開口され、この貫通穴12a内に主軸ヘッド20の後方円筒部20aを密嵌合して支持している。
【0012】
主軸ヘッド20は、大略円筒状をなし、後方円筒部20aの前側に円盤状の取付部としてのフランジ20fが形成され、このフランジ20fにおいてキャリア12の前面に複数のボルト21にて固着されている。
主軸ヘッド20の外殻をなすハウジング22は、前記後方円筒部20a,フランジ20fおよびこのフランジ20fの前面から前方に延びる前方円筒部20bを有するハウジング本体23と、この本体23の前端開口に嵌合固定されたフロントハウジング24と、このフロントハウジング24の前端に固着されたフロントキャップ25とで構成されている。
【0013】
工具主軸26は、ハウジング本体23の後部に収容された一対の後部転がりベアリング27a,27bとフロントハウジング24内に収容された一対の前部転がりベアリング28a,28bとによりハウジング22内でZ軸と平行な水平軸線の周りで回転のみ可能に支持されている。工具主軸26を回転駆動するビルトイン・モータ30は、前部転がりベアリング28a,28bと後部転がりベアリング27a,27bとの間でハウジング22内に収容されている。モータ30は、公知のインバータ制御により速度指令値に対して実際の回転速度が追従するようにした交流サーボモータである。
【0014】
より詳細には、モータ30のステータ31は、その外周が冷却ジャケットスリーブ32を介して本体23の内孔に嵌合支持されている。一方、モータ30のロータ(図示省略)は、工具主軸26上に固定されている。ジャケットスリーブ32は本体23の内孔との嵌合面に螺旋状の冷却液通路35が形成され、冷却液をこの通路35を通して循環することにより、モータ30を冷却するようにしている。
【0015】
工具主軸26は、工具引張機構を内蔵し、前端に開口する工具装着穴に受け入れた切削工具Tをクランプし、その後端から突出する前記工具引張機構のドローバー37が釈放駆動シリンダ38のピストンロッド39により前方に押動される時、切削工具Tをアンクランプすることができる。釈放駆動シリンダ38は、ハウジング本体23の後端部に支持されたブラケット40内に設けられている。
【0016】
本発明は、前部ベアリング28a,28bに潤滑液を供給しかつそこから回収する潤滑液の循環機構に特徴を有する。この循環機構は、図1に示す潤滑油供給装置45の電機モータM駆動式の供給ポンプP1から供給される潤滑油を前部ベアリング28a,28bに導く供給経路46と、転がりベアリング28a,28bに供給された潤滑液を回収ポンプP2のバキューム作用により回収する回収経路47とで構成される。
【0017】
供給経路46は主軸ヘッド20の上側に配設され、ハウジング本体23の後面に開口すると共にフランジ20fまで工具主軸26と大略平行に延びてハウジング本体23内に形成される2本(図1および図2は1本のみ示す)の軸方向通路48a,48bを含む。これら2本の軸方向通路48a,48bは、図3から理解できるように、工具主軸26の軸線を含む垂線に対し15度旋回した線対称位置でフランジ20fの前面に開口している。この開口端は、接続ポート49として機能する。
【0018】
図2に明示されるように、フロントハウジング24内には、フランジ20fに開口する2本の軸方向通路48a,48bと同一角度位置に形成される2本の径方向通路50a,50bが径方向に形成されている。これら径方向通路50a,50bの外端は、フロントハウジング24の外周面に固着された2個のエルボ継手51a,51bの直角通路の一端と連通している。各エルボ継手51a,51bの直角通路の他端は供給用の中継パイプ52a,52bの前端を液密的に嵌合し、また対応する軸方向通路48a,48bのフランジ20f上の2つの接続ポート49を液密的に閉塞する接続駒53a,53bは各中継パイプ52a,52bの後端を液密的に嵌合している。
【0019】
一方、径方向通路の一方50aの内端は、フロントハウジング24の軸受内孔55に開口し、他方の径方向通路50bはフロントハウジング24の径方向中間部で軸線方向に延びる中間軸方向通路を経て一対の前部転がりベアリング28a,28bの中間位置から内方に進出して軸受内孔55に開口している。一対の前部転がりベアリング28a,28bの外輪は、フロントハウジング24の前後端にボルトにより固着されたフロントキャップ25と軸受押さえ56との間において、間座57,58により軸方向位置が規制されて所定の間隔で位置決めされている。
【0020】
軸受押さえ56の軸受内孔55に嵌合する円筒部の外周には、半周環状溝が形成され、この半周環状溝は径方向通路50aの内方端から潤滑油の供給を受けるべく連通している。軸受押さえ56の円筒部の前端面には、半周環状溝と連通すると共に、転がりベアリング28bの内外輪間の環状空間に向けて潤滑油を噴出する一対のノズル56a(図2では一方のみ図示)が径方向に対向する角度位置に設けられている。
【0021】
同様に、間座57の外周には半周環状溝が形成され、この半周環状溝は他方の径方向通路50bの内方端から潤滑油の供給を受けるべく連通している。間座57の前端には、半周環状溝と連通すると共に転がりベアリング28aの内外輪間の環状空間に向けて潤滑油を噴出する一対のノズル57a(図2では一方のみ図示)が径方向に対向する角度位置に配設されている。
【0022】
一方、前記回収経路47は、図3に示すように、フロントハウジング24の外周の下部に固着した3個のエルボ継手60a〜60cを含む。中央のエルボ継手60bは工具主軸26の直下にあり、この両隣のエルボ継手60a,60cは各々25度離間して配置されている。これらエルボ継手60a〜60cの直角穴の一方に連通する3本の径方向通路61a〜61cがフロントハウジング24に形成され、中央の径方向通路61bはフロントハウジング24の内孔に直接開口し、そこから軸受押さえ56の連通穴56bを経てロータスリーブ34との間の環状隙間に開口している。
【0023】
エルボ継手60a,60cに通じる径方向通路61a,61bは、途中で軸方向の前方に屈曲してそれぞれ間座57,58に対応する位置で再び径方向内方に延びて軸受内孔55に開口している。間座57,58は、それぞれの連通穴57b,58bを介して、これら径方向通路61a,61cを転がりベアリング28a,28b間の空間と、ベアリング28aの前側空間とに接続している。なお、外輪間座58とこれに対向する内輪間座はラビリンスシールを構成するような形状となっている。
【0024】
エルボ継手60a〜60cは、工具主軸26と平行に設けた3本の回収用の中継パイプ62a〜62cの前端を液密的に嵌合している。これら中継パイプ62a〜62cは、ハウジング本体22の外部においてこのハウジング本体22の外周下部を取り巻くように配設されている。ハウジング本体22のフランジ20fの前端面には、前述した接続駒53a,53bと同一構成の接続駒63a〜63cが図3に示すようにエルボ継手60a〜60cと対応する角度位置に固着されている。
【0025】
これら接続駒63a〜63cは、中継パイプ62a〜62cの後端を液密的に嵌合しており、これら中継パイブ62a〜62cを通って回収される潤滑油をフランジ20fの前面に開口した3つの接続ポート63(図1参照)に導き、こられ接続ポートからハウジング本体22内に形成した3本の軸方向通路64a〜64cに導くようになっている。図1では工具主軸26直下の通路64bのみ図示している。回収ポンプP2は、これら軸方向通路64a〜63cのハウジング本体22の後端面に開口する回収口から潤滑油を吸い込み、潤滑油供給装置45のリザーバへ還流する。
【0026】
なお、図1において、符号70a,70bは後部転がりベアリング27a,27bに潤滑油を供給する2本の供給通路を示し、符号71a〜71cは転がりベアリング27a,27bに供給された潤滑油を回収する3本の回収通路を示す。これら供給通路70a,70bは、それぞれが中継パイプ52a,52bに対応する角度位相で配設されて供給ポンプP1に接続され、これに対し、回収通路71a〜71cはそれぞれが中継パイプ62a〜62cに対応する角度位相に配設されて吸込ポンプP2に接続されている。
【0027】
また、図1において、符号72〜75は、ゴムチューブ等で構成されるフレキシブルパイプを示し、符号77は、潤滑油供給装置45のリザーバ内の潤滑油を温度制御する油温制御装置を示す。
次ぎに、上記のように構成された実施の態様の作用について説明する。
加工動作のために工具主軸26の起動指令が与えられると、サーボモータ30が駆動され、図略のロータと一体の工具主軸26が回転される。工具主軸26の回転動作に関連して、潤滑油供給装置45のモータMが回転され、供給ポンプP1は軸方向通路48a,48bおよび通路70a,70bに潤滑油を約10kgf/cmの圧力で供給する。同時に、吸込ポンプP2が軸方向通路64a〜64c,通路71a〜71cから潤滑油を吸引する。
【0028】
軸方向通路48a,48bに供給された潤滑油は、接続ポート49,中継パイプ52a,52bを経てフロントハウジング24内の径方向通路50a,50bに導入され、さらに外輪スペーサ57の一対のノズル57aから前部転がりベアリング28aに噴出されると共に、軸受押え56の一対のノズル56aから前部転がりベアリング28bに噴出される。各ベアリング28a,28bに噴出された潤滑油ジェットは、これらベアリング28a,28bの内外輪の転動面を冷却および潤滑作用する。
【0029】
前部転がりベアリング28a,28bに供給された潤滑油は、フロントハウジング22内に形成した3本の回収用径方向通路61a〜61cおよびエルボ継手60a〜60cを経て回収用の中継パイプ62a〜62に導かれ、そこから接続ポート63および軸方向通路64a〜64cを経て吸込ポンプP2によりリザーバ内へ還流される。
【0030】
転がりベアリング28a,28bを冷却した潤滑油は温められて温度上昇した状態で回収用の中継パイプ62a〜62cへ導入される。従って、供給用の中継パイプ52a〜52bを通過する潤滑油と回収用の中継パイプ62a〜62cを通過する潤滑油は、かなりの温度差を持つことになる。
ハウジング本体23の上側と下側でかなりの温度差が生じる場合、ハウジング本体23の下側部が取付基準であるフランジ20fを起点として上側部よりも大きく熱膨張し、この結果、前部転がりベアリング28a,28bを嵌合するフロントハウジング24がその前面を上向きに傾斜させる傾向に熱変形し、工具主軸26に装着された工具Tはその軸線が先端側を上向きにして傾斜する。このような熱変形による工具軸線の傾斜は、図略の被加工物の加工精度を低下させる。
【0031】
しかしながら、図示された本発明の実施の態様においては、回収用の中継パイプ62a〜62cと供給用の中継パイプ52a,52bをハウジング本体23の外部に配置してハウジング本体23のフランジ20fの前方部分にこれらパイプ62a〜62c,52a,52bを通過する潤滑油の熱が伝達されないようにしている。このため、ハウジング本体23の上側部分と下側部分とには顕著な温度差が生じなく、この温度差が起因する上述した不具合が解消される。
【0032】
回収される潤滑油の熱は、この潤滑油が軸方向通路64a〜64cを通過する際にハウジング本体22のフランジ20fより後方の部分に伝達され、このためこの後方の部分においてはその上側部分よりも下側部分の方が後方に大きく熱変形する。しかしながら、ハウジング本体23はフランジ20fが熱変形の起点となるので、フランジ部20fの後方部分の熱変形はそれよりも前方部分の熱変形に殆ど影響しない。
【0033】
特に、図示の実施の形態においては、後部転がりベアリング27a,27bは、常時後方に付勢された図略の軸受ケース内に収納されているので、フランジ20fより後方部分の熱変形は、この軸受ケースの後方への微小移動により吸収され、フランジ20fの前方部分へ影響するのを防止している。
供給通路70a,70bに供給された潤滑油は、後部転がりベアリング27a,27b冷却および潤滑し、回収通路71a〜71cを経て潤滑油供給装置45へ還流される。
【0034】
図4は、本発明による他の実施の形態の要部を示すもので、この他の実施の形態においては、ハウジング本体23の外部に配設される回収用中継パイプ62a〜62cに代えて、公知の断熱材料で形成された回収用中継パイプ162a〜162cが使用され、これら断熱パイプ162a〜162cはハウジング本体22内およびフロントハウジング24内に同心に形成した穴に嵌合される。
【0035】
前部転がりベアリング28a,28bを潤滑した潤滑油は、フロントハウジング24の径方向通路61a〜61cから対応する断熱パイプ162a〜162cの先端部に形成した横穴を通ってこれら断熱パイプ162a〜162c内へ吸引され、これらからハウジング本体23内の軸方向通路64a〜64cへ導かれて潤滑油供給装置45へ還流される。
【0036】
この他の実施の形態においては、回収用の中継パイプ162a〜162cをハウジング本体23内に配置しているが、これらパイプの材質を断熱材料とすることにより通過する潤滑油の熱がハウジング本体23に伝導されることを防止している。
この他の実施の形態における供給用の中継パイプの構成は、図示省略されているが、中継パイプ162a〜162cと同一の構成が採用され、ハウジング本体23内に埋設される。なお、図4において、符号163は、各回収用の中継パイプ162a〜162cの挿入穴の開口端を閉塞するためにフロントハウジング22に固着されたプラグを示す。
【0037】
上述した各実施の態様においては潤滑油供給経路を2本とし潤滑油回収経路を3本としているが、このような構成は前部転がりベアリング28a,28bへ均等に潤滑油を供給でき、またこれらベアリングの両側の空間および中間の空間から確実に潤滑油を回収できる点において有利である。しかしながら、供給および回収経路をそれぞれ1本づつとし、供給経路は前部転がりベアリング28a,28bの直前で2つに分岐し、回収経路はフロントハウジング23内では3つの通路とすると共にこれら3つの通路を回収用中継パイプに至る直前で1つに集合させる構成としてもよい。
【0038】
また、上記した実施の態様においては、供給用の軸方向通路48a,48bおよび回収用の軸方向通路64a〜64cをハウジング本体22に形成しているが、これら軸方向通路の各々の一部は主軸ヘッドと一体のキャリア12内に形成してもよい。
さらに、本発明における中継パイプの構成は、主軸26の前側と後側をそれぞれ転がりベアリングにて支持する主軸ヘッド装置に好適に使用されるが、主軸26を転がりベアリング以外のベアリング、例えば流体軸受にて支持する形式の主軸ヘッド装置において流体軸受に軸受流体を供給する手段としても応用できる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、主軸の前側部を回転支持する第1ベアリングから軸方向に大きく後退したハウジングの部位に形成した取付部において主軸ヘッドをキャリアに固定し、また前記第1ベアリングと潤滑液供給装置との間を接続する供給経路および回収経路を前記主軸の径方向の両側にを設けた主軸ヘッド装置において、前記供給経路および回収経路の少なくとも一方、望ましくは回収経路について、前記取付部近辺に開口した接続ポートと前記第1ベアリングの近辺にて前記ハウジング内に径方向に形成した径方向通路とを中継する通路を設け、この中継通路を通過する潤滑液の熱が前記ハウジングに伝導されないように構成したので、前記ハウジングの前記第1ベアリングと前記取付部まで軸方向における部分の径方向の両側が熱的にアンバランスになることが防止され、この結果ハウジングの前記径方向の両側の熱膨張差が起因する主軸の回転精度上および加工精度上の不具合が排除できる。
【0040】
特に、請求項2の発明のように前記中継通路をパイプで構成してハウジングの外部に配置した場合では、この中継パイプとハウジングとの間に空間が形成されるので、中継パイプからハウジングへの熱伝導が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様を示す一部断面側面図。
【図2】本発明の実施の態様の前端部を拡大して示す縦断面図。
【図3】本発明の実施の態様の拡大正面図。
【図4】本発明の他の実施の態様の一部縦断面図。
【符号の説明】
10・・・工作機械のコラム
12・・・キャリア(Y軸スライド)
20・・・主軸ヘッド
20f・・・フランジ部(取付部)
22・・・ハウジング
26・・・・工具主軸
28a,28b・・・前部転がりベアリング
27a,27b・・・後部転がりベアリング
30・・・・サーボモータ
45・・・潤滑油供給装置
49,63・・・・接続ポート
51a,51b,60a〜60c・・・エルボ継手
48a,48b,64a〜64c・・・軸方向通路
50a,50b,61a〜61c・・・回収径方向通路
52a,52b,62a〜62c・・・中継パイプ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a spindle head device for a machine tool that preferably supports a spindle that rotates at high speed while holding a cutting tool or a work piece by a bearing, and in particular, supplies and supplies a lubricating liquid for lubricating the bearing. The present invention relates to a spindle head device having an improved recovery path.
[0002]
[Prior art]
In general, in a cutting machine tool such as a machining center, a tool spindle that holds a cutting tool in a tip opening thereof is rotatably supported in a main body of a spindle head via a rolling bearing. Recently, with the demand for high-efficiency machining of aluminum materials, it is required to rotate the tool spindle at a high speed of about 50,000 revolutions per minute, for example.
[0003]
In a conventional spindle head of this type, a supply passage and a collection passage for a lubricating fluid having a generally circular cross section extending in parallel with the tool spindle are formed in a spindle head body that functions as a bearing housing. Lubricating fluid pumped from the supply port that opens at the rear of the spindle head body is guided to one side of the bearing disposed at the front of the spindle head body through the supply passage, and from this one side as a jet flow, It is ejected between the inner and outer rings to cool and lubricate the ball rolling surface of the bearing, and then is recovered to the lubricating fluid supply device through a recovery passage and opened at the rear part of the spindle head.
[0004]
Here, when the lubricating fluid is a mist-like gas, the plurality of supply passages are arranged in a thermal symmetry around the axis of the tool spindle, and the plurality of recovery passages are arranged in the same thermal symmetry, Thermal deformation of the spindle head due to a temperature difference between the lubricating gas passing through the supply passage and the lubricating gas passing through the recovery passage can be eliminated. In this case, even when the tool spindle is supported horizontally, since the lubricating fluid is a gas, there is no problem in collecting the lubricating gas after cooling the bearing.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a lubricant such as oil is used as a lubricating fluid in a spindle head device of a horizontal machine tool that horizontally supports the tool spindle, the lubricating oil is naturally flown by arranging the lubricating oil supply / recovery path so as not to run against gravity. Consideration to make it easier to flow is necessary. Specifically, it is required to provide the supply passage in the upper part of the tool spindle and provide the recovery path in the lower part of the tool spindle.
[0006]
When the supply passage and the recovery passage are arranged separately in the upper and lower parts in the housing as described above, a temperature difference occurs in the lubricating oil passing through these passages due to a rise in the temperature of the lubricating oil that has lubricated and cooled the bearing. For this reason, the arrangement of the passages is thermally asymmetric, and the thermal expansion of the part of the spindle head at the upper part of the tool spindle is small but the thermal expansion of the part at the lower part is large. Deform. As a result, when this spindle head device is used, there arises a problem in machining accuracy such as the straightness of the machining hole being impaired.
[0007]
Accordingly, an object of the present invention is to prevent thermal deformation of the spindle head due to the temperature difference of the lubricating fluid passing through these passages even in a configuration in which the supply passage and the recovery passage of the lubricant are thermally asymmetrically arranged in the spindle head. There is to do.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The above-described problems related to the conventional spindle head device and the object of the present invention are solved and achieved by the following means.
In the spindle head device of the present invention, the spindle is rotatably supported in the housing by the first and second bearings spaced apart in the axial direction. The housing is provided with a mounting portion at a position retracted from the first bearing supporting the front end portion of the main shaft to the second bearing side in the main shaft axis direction, and the housing is fixed to a carrier that slides, for example. A supply path for supplying the lubricant to the first bearing from the lubricant supply apparatus and a recovery path for recovering the lubricant supplied to the first bearing to the lubricant supply apparatus are provided on both sides in the radial direction of the main shaft. At least one of the recovery path and the supply path, preferably the recovery path, is connected to the lubricating liquid supply device and opens in the vicinity of the mounting portion, and is formed in the housing from the vicinity of the first bearing. A radial passage that extends in the radial direction, and a relay passage that relays the connection port and the radial passage, and prevents the heat of the lubricating liquid that passes through the passage from being conducted to the housing. Consists of.
[0009]
With such a configuration, it is possible to prevent a temperature difference from occurring on both sides in the radial direction of the housing in the axial portion from the mounting portion to the first bearing, and as a result, on both sides in the radial direction of the housing. A difference in thermal deformation is eliminated.
Preferably, as described in claim 2, the present invention is applied to a spindle head device for a horizontal machine tool in which the spindle is horizontally supported by first and second rolling bearings, and the supply path and the recovery path are connected to the spindle. Arrange on the upper and lower sides respectively. In this case, each of the relay passages of the supply path and the recovery path is constituted by a relay pipe extending in the axial direction of the main shaft, and the relay pipe is connected to the connection port and the radial passage and arranged outside the housing. To do. By disposing the relay pipe outside the housing, heat conduction from the relay pipe to the housing is reliably prevented.
[0010]
As described in claim 3, another embodiment in which the relay pipe is formed of a heat insulating material and embedded in the housing can also be adopted.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1 and 2, reference numeral 10 denotes an upright column of a horizontal machining center. A spindle head carrier 12 extends along the Y-axis guide 11 formed on the front surface of the column 10 at both ends in the X-axis direction perpendicular to the paper surface of FIG. And is moved up and down by a feed mechanism (not shown). The carrier 12 has a through hole 12a opened in the Z-axis direction at the center thereof, and the rear cylindrical portion 20a of the spindle head 20 is closely fitted and supported in the through hole 12a.
[0012]
The spindle head 20 has a substantially cylindrical shape, and a flange 20f as a disk-shaped mounting portion is formed on the front side of the rear cylindrical portion 20a. The flange 20f is fixed to the front surface of the carrier 12 with a plurality of bolts 21. .
A housing 22 forming an outer shell of the spindle head 20 is fitted into a housing main body 23 having the rear cylindrical portion 20a, the flange 20f, and a front cylindrical portion 20b extending forward from the front surface of the flange 20f, and a front end opening of the main body 23. The front housing 24 is fixed, and the front cap 25 is fixed to the front end of the front housing 24.
[0013]
The tool spindle 26 is parallel to the Z axis in the housing 22 by a pair of rear rolling bearings 27 a and 27 b housed in the rear part of the housing body 23 and a pair of front rolling bearings 28 a and 28 b housed in the front housing 24. It is supported so that it can only rotate around a horizontal axis. A built-in motor 30 that rotationally drives the tool spindle 26 is accommodated in the housing 22 between the front rolling bearings 28a and 28b and the rear rolling bearings 27a and 27b. The motor 30 is an AC servomotor in which the actual rotational speed follows the speed command value by known inverter control.
[0014]
More specifically, the outer periphery of the stator 31 of the motor 30 is fitted and supported in the inner hole of the main body 23 via the cooling jacket sleeve 32. On the other hand, the rotor (not shown) of the motor 30 is fixed on the tool spindle 26. The jacket sleeve 32 is formed with a spiral coolant passage 35 on the fitting surface with the inner hole of the main body 23, and the motor 30 is cooled by circulating the coolant through the passage 35.
[0015]
The tool spindle 26 has a built-in tool pulling mechanism, clamps the cutting tool T received in the tool mounting hole opened at the front end, and the draw bar 37 of the tool pulling mechanism protruding from the rear end is a piston rod 39 of the release drive cylinder 38. The cutting tool T can be unclamped when pushed forward by. The release drive cylinder 38 is provided in a bracket 40 supported at the rear end of the housing body 23.
[0016]
The present invention is characterized by a lubricating fluid circulation mechanism that supplies lubricating liquid to the front bearings 28a and 28b and collects the lubricating liquid therefrom. This circulation mechanism includes a supply path 46 that guides the lubricating oil supplied from the electric motor M drive type supply pump P1 of the lubricating oil supply device 45 shown in FIG. 1 to the front bearings 28a and 28b, and the rolling bearings 28a and 28b. The recovery path 47 is configured to recover the supplied lubricating liquid by the vacuum action of the recovery pump P2.
[0017]
The supply path 46 is disposed on the upper side of the main spindle head 20 and opens in the rear surface of the housing main body 23, and extends in substantially parallel to the tool main spindle 26 to the flange 20f and is formed in the housing main body 23 (FIGS. 1 and 2). 2 includes only one axial passage 48a, 48b. As can be understood from FIG. 3, these two axial passages 48 a and 48 b open to the front surface of the flange 20 f at a line-symmetrical position rotated 15 degrees with respect to a normal line including the axis of the tool spindle 26. This open end functions as a connection port 49.
[0018]
As clearly shown in FIG. 2, in the front housing 24, two radial passages 50a and 50b formed at the same angular positions as the two axial passages 48a and 48b opened in the flange 20f are radially provided. Is formed. The outer ends of the radial passages 50a and 50b communicate with one end of the right-angle passages of the two elbow joints 51a and 51b fixed to the outer peripheral surface of the front housing 24. The other ends of the right-angle passages of the elbow joints 51a and 51b are fluid-tightly fitted to the front ends of the supply relay pipes 52a and 52b, and two connection ports on the flange 20f of the corresponding axial passages 48a and 48b. Connection pieces 53a and 53b for liquid-tightly closing 49 are fitted in a liquid-tight manner at the rear ends of the relay pipes 52a and 52b.
[0019]
On the other hand, the inner end of one of the radial passages 50a opens into the bearing inner hole 55 of the front housing 24, and the other radial passage 50b is an intermediate axial passage that extends in the axial direction at the radial intermediate portion of the front housing 24. After that, it advances inward from an intermediate position between the pair of front rolling bearings 28 a and 28 b and opens in the bearing inner hole 55. The outer rings of the pair of front rolling bearings 28 a and 28 b are regulated in the axial direction by the spacers 57 and 58 between the front cap 25 fixed to the front and rear ends of the front housing 24 by bolts and the bearing holder 56. Positioned at a predetermined interval.
[0020]
A semicircular annular groove is formed on the outer periphery of the cylindrical portion that fits into the bearing inner hole 55 of the bearing retainer 56, and this semicircular annular groove communicates with the supply of lubricating oil from the inner end of the radial passage 50a. Yes. A pair of nozzles 56a (only one of them is shown in FIG. 2) communicates with the semicircular annular groove on the front end surface of the cylindrical portion of the bearing retainer 56 and jets lubricating oil toward the annular space between the inner and outer rings of the rolling bearing 28b. Are provided at angular positions opposed to each other in the radial direction.
[0021]
Similarly, a half-circular annular groove is formed on the outer periphery of the spacer 57, and this half-circular annular groove communicates with the supply of lubricating oil from the inner end of the other radial passage 50b. At the front end of the spacer 57, a pair of nozzles 57a (only one of which is shown in FIG. 2) that are in communication with the half-circular annular groove and jet lubricant oil toward the annular space between the inner and outer rings of the rolling bearing 28a face each other in the radial direction. Is disposed at an angular position.
[0022]
On the other hand, the collection path 47 includes three elbow joints 60a to 60c fixed to the lower part of the outer periphery of the front housing 24 as shown in FIG. The central elbow joint 60b is directly below the tool main shaft 26, and the adjacent elbow joints 60a and 60c are arranged 25 degrees apart from each other. Three radial passages 61a to 61c communicating with one of the right-angle holes of the elbow joints 60a to 60c are formed in the front housing 24, and the central radial passage 61b opens directly into the inner hole of the front housing 24. To the annular sleeve between the rotor sleeve 34 and the communication hole 56 b of the bearing retainer 56.
[0023]
The radial passages 61a and 61b communicating with the elbow joints 60a and 60c are bent forward in the axial direction and extend radially inward again at positions corresponding to the spacers 57 and 58 to open to the bearing inner hole 55. doing. The spacers 57 and 58 connect these radial passages 61a and 61c to the space between the rolling bearings 28a and 28b and the front space of the bearing 28a through the respective communication holes 57b and 58b. The outer ring spacer 58 and the inner ring spacer opposite thereto are shaped to form a labyrinth seal.
[0024]
The elbow joints 60 a to 60 c are liquid-tightly fitted to the front ends of the three collection relay pipes 62 a to 62 c provided in parallel with the tool spindle 26. These relay pipes 62 a to 62 c are arranged outside the housing body 22 so as to surround the lower outer periphery of the housing body 22. On the front end face of the flange 20f of the housing body 22, connection pieces 63a to 63c having the same configuration as the connection pieces 53a and 53b described above are fixed at angular positions corresponding to the elbow joints 60a to 60c as shown in FIG. .
[0025]
These connection pieces 63a to 63c are liquid-tightly fitted to the rear ends of the relay pipes 62a to 62c, and the lubricating oil recovered through the relay pipes 62a to 62c is opened to the front surface of the flange 20f. It leads to one connection port 63 (see FIG. 1), and leads from these connection ports to three axial passages 64a to 64c formed in the housing body 22. In FIG. 1, only the passage 64b directly below the tool spindle 26 is shown. The recovery pump P <b> 2 sucks the lubricating oil from a recovery port that opens in the rear end face of the housing body 22 of these axial passages 64 a to 63 c and returns to the reservoir of the lubricating oil supply device 45.
[0026]
In FIG. 1, reference numerals 70a and 70b denote two supply passages for supplying lubricating oil to the rear rolling bearings 27a and 27b, and reference numerals 71a to 71c recover the lubricating oil supplied to the rolling bearings 27a and 27b. Three collection passages are shown. These supply passages 70a and 70b are respectively arranged at an angular phase corresponding to the relay pipes 52a and 52b and connected to the supply pump P1, whereas the recovery passages 71a to 71c are respectively connected to the relay pipes 62a to 62c. It is arranged at a corresponding angular phase and is connected to the suction pump P2.
[0027]
In FIG. 1, reference numerals 72 to 75 denote flexible pipes formed of rubber tubes or the like, and reference numeral 77 denotes an oil temperature control device that controls the temperature of the lubricating oil in the reservoir of the lubricating oil supply device 45.
Next, the operation of the embodiment configured as described above will be described.
When an activation command for the tool spindle 26 is given for the machining operation, the servo motor 30 is driven, and the tool spindle 26 integrated with a rotor (not shown) is rotated. In association with the rotation operation of the tool spindle 26, the motor M of the lubricating oil supply device 45 is rotated, and the supply pump P1 supplies the lubricating oil to the axial passages 48a and 48b and the passages 70a and 70b at a pressure of about 10 kgf / cm 2 . Supply. At the same time, the suction pump P2 sucks lubricating oil from the axial passages 64a to 64c and the passages 71a to 71c.
[0028]
Lubricating oil supplied to the axial passages 48 a and 48 b is introduced into the radial passages 50 a and 50 b in the front housing 24 through the connection port 49 and the relay pipes 52 a and 52 b, and further from a pair of nozzles 57 a of the outer ring spacer 57. While being ejected to the front rolling bearing 28a, it is ejected from the pair of nozzles 56a of the bearing retainer 56 to the front rolling bearing 28b. The lubricating oil jets ejected to the bearings 28a and 28b cool and lubricate the rolling surfaces of the inner and outer rings of the bearings 28a and 28b.
[0029]
Lubricating oil supplied to the front rolling bearings 28a and 28b passes through three recovery radial passages 61a to 61c and elbow joints 60a to 60c formed in the front housing 22, and then to the recovery relay pipes 62a to 62. From there, it is returned to the reservoir by the suction pump P2 through the connection port 63 and the axial passages 64a to 64c.
[0030]
The lubricating oil that has cooled the rolling bearings 28a and 28b is warmed and introduced into the recovery relay pipes 62a to 62c in a state where the temperature has risen. Therefore, the lubricating oil passing through the supply relay pipes 52a to 52b and the lubricating oil passing through the recovery relay pipes 62a to 62c have a considerable temperature difference.
When a considerable temperature difference occurs between the upper side and the lower side of the housing main body 23, the lower side portion of the housing main body 23 is thermally expanded larger than the upper side portion from the flange 20f as a mounting reference, and as a result, the front rolling bearing The front housing 24 into which 28a and 28b are fitted is thermally deformed so that the front surface thereof is inclined upward, and the tool T mounted on the tool spindle 26 is inclined with the axis thereof facing upward. The inclination of the tool axis line due to such thermal deformation reduces the machining accuracy of a workpiece not shown.
[0031]
However, in the illustrated embodiment of the present invention, the relay pipes 62a to 62c for recovery and the relay pipes 52a and 52b for supply are arranged outside the housing body 23, and the front portion of the flange 20f of the housing body 23 is shown. The heat of the lubricating oil passing through these pipes 62a to 62c, 52a, 52b is prevented from being transmitted. For this reason, a significant temperature difference does not occur between the upper part and the lower part of the housing body 23, and the above-described problems caused by this temperature difference are eliminated.
[0032]
The heat of the recovered lubricating oil is transmitted to the rear part of the housing body 22 from the flange 20f when the lubricating oil passes through the axial passages 64a to 64c. The lower part is greatly thermally deformed rearward. However, since the housing 20 has the flange 20f as a starting point of thermal deformation, the thermal deformation of the rear portion of the flange portion 20f hardly affects the thermal deformation of the front portion.
[0033]
In particular, in the illustrated embodiment, the rear rolling bearings 27a and 27b are housed in a bearing case (not shown) that is always urged rearward. It is absorbed by a minute movement toward the rear of the case and prevents the front portion of the flange 20f from being affected.
The lubricating oil supplied to the supply passages 70a and 70b cools and lubricates the rear rolling bearings 27a and 27b, and is returned to the lubricating oil supply device 45 through the recovery passages 71a to 71c.
[0034]
FIG. 4 shows a main part of another embodiment according to the present invention. In this other embodiment, instead of the collection relay pipes 62a to 62c disposed outside the housing body 23, FIG. Collection relay pipes 162a to 162c made of a known heat insulating material are used, and these heat insulating pipes 162a to 162c are fitted into holes formed concentrically in the housing main body 22 and the front housing 24.
[0035]
Lubricating oil that has lubricated the front rolling bearings 28a and 28b passes from the radial passages 61a to 61c of the front housing 24 into the heat insulating pipes 162a to 162c through the lateral holes formed at the distal ends of the corresponding heat insulating pipes 162a to 162c. They are sucked, led from these to the axial passages 64 a to 64 c in the housing body 23, and returned to the lubricating oil supply device 45.
[0036]
In the other embodiment, the relay pipes 162a to 162c for recovery are arranged in the housing main body 23. However, the heat of the lubricating oil that passes by making the material of these pipes a heat insulating material is the housing main body 23. To prevent conduction.
Although the configuration of the relay pipe for supply in this other embodiment is omitted in the drawing, the same configuration as that of the relay pipes 162a to 162c is adopted and embedded in the housing body 23. In FIG. 4, reference numeral 163 denotes a plug fixed to the front housing 22 in order to close the opening end of the insertion hole of each of the collection relay pipes 162a to 162c.
[0037]
In each of the embodiments described above, there are two lubricating oil supply paths and three lubricating oil recovery paths, but such a configuration can supply lubricating oil evenly to the front rolling bearings 28a and 28b. This is advantageous in that the lubricating oil can be reliably recovered from the space on both sides and the middle space of the bearing. However, one supply path and one recovery path are provided, the supply path branches into two immediately before the front rolling bearings 28a and 28b, and the recovery path includes three passages in the front housing 23 and these three passages. It is good also as a structure which gathers together just before reaching a collection | recovery relay pipe.
[0038]
In the above-described embodiment, the supply-use axial passages 48a and 48b and the collection-use axial passages 64a to 64c are formed in the housing body 22, but a part of each of these axial passages is formed. You may form in the carrier 12 integral with a spindle head.
Furthermore, the structure of the relay pipe in the present invention is preferably used for a spindle head device that supports the front side and the rear side of the main shaft 26 by rolling bearings. The main shaft 26 is used as a bearing other than the rolling bearing, for example, a fluid bearing. It can also be applied as means for supplying bearing fluid to a fluid bearing in a spindle head device of the type supported by
[0039]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, the spindle head is fixed to the carrier at the mounting portion formed in the portion of the housing that is largely retracted in the axial direction from the first bearing that rotatably supports the front side portion of the spindle. In a spindle head device in which a supply path and a recovery path for connecting between the first bearing and the lubricating liquid supply apparatus are provided on both sides in the radial direction of the main shaft, at least one of the supply path and the recovery path, preferably the recovery path And a passage for relaying a connection port opened in the vicinity of the attachment portion and a radial passage formed in the radial direction in the housing in the vicinity of the first bearing, and heat of the lubricating liquid passing through the relay passage. Is not conducted to the housing, so that the radial direction of the portion in the axial direction from the first bearing to the mounting portion of the housing On both sides are prevented from being thermally unbalanced, as a result the difference in thermal expansion between the both sides of the radial direction of the housing can malfunction elimination on rotational accuracy and on the processing accuracy of the originating spindle.
[0040]
In particular, as in the invention of claim 2, when the relay passage is constituted by a pipe and is arranged outside the housing, a space is formed between the relay pipe and the housing. Heat conduction is reliably prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional side view showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged longitudinal sectional view showing a front end portion of an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an enlarged front view of an embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a partial longitudinal sectional view of another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 ... Column of machine tool 12 ... Carrier (Y-axis slide)
20 ... Spindle head 20f ... Flange (mounting part)
22 ... Housing 26 ... Tool spindles 28a, 28b ... Front rolling bearings 27a, 27b ... Rear rolling bearings 30 ... Servo motor 45 ... Lubricating oil supply devices 49, 63 ... ... Connection ports 51a, 51b, 60a to 60c ... Elbow joints 48a, 48b, 64a to 64c ... Axial passages 50a, 50b, 61a to 61c ... Recovery radial passages 52a, 52b, 62a ... 62c ... Relay pipe

Claims (3)

工具またはワークを着脱自在に装着する前端側とこの前端側から離間した後端側にて主軸をそれぞれ第1および第2ベアリングを介してハウジング内に回転自在に支持し、前記ハウジングを前記主軸の前端側を支持する第1ベアリングから軸方向の後方に離れた位置で前記ハウジングに形成した取付部においてサポート部材に固着し、また潤滑液供給手段から前記第1ベアリングに潤滑液を供給する供給経路とこの第1ベアリングに供給された潤滑液を前記潤滑液供給手段へ回収する回収経路とを前記主軸の径方向に対向して設けた工作機械における主軸ヘッドにおいて、前記供給経路および回収経路のうちの少なくとも一方を、前記第1ベアリングの配置位置近傍において前記ハウジング内に径方向に形成した径方向通路と、この径方向通路から前記主軸の軸線方向に離間した前記取付部の近辺に開口されると共に前記潤滑液供給手段に接続する接続ポートと、さらに、この接続ポートおよび前記径方向通路を中継する通路であってこの通路を通過する潤滑液の熱が前記ハウジングに伝導されるのを防止する中継通路とで構成したことを特徴とする工作機械における主軸ヘッド装置。A main shaft is rotatably supported in the housing via first and second bearings at a front end side where a tool or a workpiece is detachably mounted and a rear end side separated from the front end side, and the housing is supported on the main shaft. A supply path that is fixed to the support member at a mounting portion formed on the housing at a position rearward in the axial direction from the first bearing that supports the front end side, and that supplies the lubricant from the lubricant supply means to the first bearing. And a recovery path for recovering the lubricating liquid supplied to the first bearing to the lubricating liquid supply means, in a spindle head in a machine tool provided opposite to the radial direction of the main spindle, of the supply path and the recovery path A radial passage formed radially in the housing in the vicinity of the position where the first bearing is disposed, and the radial passage. A connection port that is opened in the vicinity of the mounting portion that is spaced apart from the main shaft in the axial direction and is connected to the lubricating liquid supply means, and a passage that relays the connection port and the radial passage. A spindle head device in a machine tool, comprising: a relay passage for preventing heat of the lubricating liquid passing through the housing from being conducted to the housing. 請求項1に記載の主軸ヘッド装置において、前記第1および第2ベアリングは転がりベアリングであり、前記主軸は水平軸線の周りに回転可能に支持され、前記供給経路と回収経路はそれぞれ前記主軸の径方向に対向する上側および下側に配設され、さらに、前記供給経路および回収経路の各々を構成する前記中継通路は前記ハウジングの外部で前記主軸の軸線方向に延設され前記接続ポートおよび前記径方向通路に接続された中継パイプにより構成されることを特徴とする主軸ヘッド装置。2. The spindle head device according to claim 1, wherein the first and second bearings are rolling bearings, the spindle is supported to be rotatable around a horizontal axis, and the supply path and the recovery path each have a diameter of the spindle. The relay passages that are disposed on the upper side and the lower side that are opposed to each other in the direction and that constitute each of the supply path and the recovery path extend in the axial direction of the main shaft outside the housing, and are connected to the connection port and the diameter. A spindle head device comprising a relay pipe connected to a direction passage. 請求項1に記載の主軸ヘッド装置において、前記第1および第2ベアリングは転がりベアリングであり、前記主軸は水平軸線の周りに回転可能に支持され、前記供給経路と回収経路はそれぞれ前記主軸の径方向に対向する上側および下側に配設され、さらに、前記供給経路および回収経路の各々を構成する中継通路は前記ハウジングの内部で前記主軸の軸線方向に延設され前記接続ポートおよび前記径方向通路に接続された断熱材料製の中継パイプにより構成されることを特徴とする主軸ヘッド装置。2. The spindle head device according to claim 1, wherein the first and second bearings are rolling bearings, the spindle is supported to be rotatable around a horizontal axis, and the supply path and the recovery path each have a diameter of the spindle. The relay passages that are disposed on the upper side and the lower side that are opposite to each other and that constitute each of the supply path and the recovery path extend in the axial direction of the main shaft inside the housing, and are connected to the connection port and the radial direction. A spindle head device comprising a relay pipe made of a heat insulating material connected to a passage.
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