JP3610264B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配向膜の形成時にラビング処理を行う液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、薄型でありかつ消費電力が低いという特徴を生かして、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等のOA機器、電子手帳等の携帯情報機器、およびモニタを備えたカメラ一体型ビデオテープレコーダ(VTR)等に、広く用いられている。液晶表示装置は、複数の画素が行列状に配置されて構成された液晶表示素子を少なくとも備えている。液晶表示装置は、陰極線管およびEL表示装置に代表される自発光型の表示装置とは異なり、液晶表示素子外部からの光を利用して表示を行う。透過型の液晶表示装置では、蛍光管等で実現される背面光源が液晶表示素子の背面に配置されており、背面光源から発せられて液晶表示素子に入射する光が表示に利用される。反射型の液晶表示装置では、液晶表示素子の背面に反射板が配置されており、液晶表示素子の前面から液晶表示素子に入射する外光が表示に利用される。
【0003】
透過型液晶表示装置は、背面光源を用いて表示を行うので、装置周囲の明るさに影響されることなく、明るくコントラストが高い表示を行うことができる。背面光源の消費電力は透過型液晶表示装置の全消費電力の50%以上を占めるので、透過型液晶表示装置全体の消費電力は大きくなりやすい。また透過型液晶表示装置は、極端に明るい環境下におかれた場合、たとえば晴天下では、視認性が低下しやすい。反射型液晶表示装置は、背面光源を使用しないので、装置全体の消費電力を大幅に少なくすることができる。反射型液晶表示装置は、装置周囲の明るさ等、使用環境に応じて、表示の明るさおよびコントラストが左右される。
【0004】
本願出願人は、透過型および反射型液晶表示装置の問題点を解決するために、透過型と反射型との両方の機能を合わせ持った透過反射両用型液晶表示装置(以後「両用型LCD」と略称する)を、特開平11−109417号公報において提案している。両用型LCDは、液晶表示素子の1画素分の領域内に、背面光源からの光が透過可能である透過領域と、外光を反射可能である反射領域とが作込まれている。装置周囲が暗い場合、両用型LCDは、背面光源から発せられて透過領域を通過した光を利用して表示を行う透過型液晶表示装置として用いられる。装置周囲が明るい場合、両用型LCDは、光反射率の高い反射領域において外光を反射して表示を行う反射型液晶表示装置として用いられる。
【0005】
両用型LCDに備えられる透過反射両用型(以後「両用型」と略称する)の液晶表示素子において、液晶層は、絶縁性の基板を含む主基板部と透光性を有する基板を含む対向基板部との間に介在される。図7は、両用型LCD内の液晶表示素子の主基板部の2画素分の領域の部分拡大平面図である。図8は、図7の主基板部のA−A端面図である。図7の液晶表示素子は、スイッチング素子として3端子素子を用いたアクティブマトリクス型の構成になっている。
【0006】
主基板部1において、絶縁性の第1基板2の液晶層側表面の1画素分の領域3には、透過領域4と反射領域5とが設定されている。透過領域3には、ITO(インジウム−錫酸化物)から形成されて光を透過可能である画素電極透過部6が配置されている。反射領域4には、アルミニウムから形成されて光を反射可能である画素電極反射部7が配置されている。画素電極透過部6と画素電極反射部7とが、1画素分の画素電極8を構成している。画素電極反射部7と第1基板2との間には、絶縁材料の樹脂から成る調整層9が介在されている。第1基板表面の画素領域3の周囲には、画素電極8の制御に関わる配線10が配設されている。調整層9は、反射領域5だけでなく、画素領域3の周囲の領域にも延在されており、配線10を覆っている。主基板部1の液晶層に最近接する位置に、配向膜11が設けられる。なお図7では、配向膜11の一部分が省略されている。
【0007】
両用型LCDが少なくとも液晶表示素子の前面側に偏光板を配置した構成になっているならば、両用型LCDが透過型液晶表示装置として動作する場合における表示に用いる光の実効の光路長と、両用型LCDが反射型液晶表示装置として動作する場合における表示に用いる光の実効の光路長との整合性を図る必要がある。調整層9は光路長調整のための部材である。調整層9の層厚を調整することによって、透過領域4の液晶層の層厚と反射領域5の液晶層の層厚との差が調整されて、前述の2通りの光路長が整合される。調整層9の層厚は、液晶層の透過領域に面する部分の層厚の半分程度になっており、液晶層の透過領域に面する部分の層厚が5.0μmである場合、調整層9の層厚は2.5μmになっている。
【0008】
両用型の液晶表示素子は、場合によっては、画素毎に、付加容量部を備えている。図9は、付加容量部を備えた両用型の液晶表示素子の主基板部13の2画素分の領域の部分拡大平面図である。図10は、図7の主基板部13のB−B端面図である。図9の液晶表示素子の主基板部13以外の構成は、図7の液晶表示素子の構成と等しい。図9の主基板部13の部品のうち、図7の主基板部1の部品と同じ機能を有する部品には、同じ参照符を付して説明は省略する。なお図9の平面図では、配向膜11の一部分の記載が省略されている。
【0009】
図9の液晶表示素子は、スイッチング素子として3端子素子を用いたアクティブマトリクス型の構成になっている。図9の主基板部13において、付加容量用の共通配線14は、画素電極反射部7の直下の位置を通り、かつ制御用配線10と平行になるように、第1基板2の液晶層側表面に配置されている。共通配線14と画素電極反射部7とが調整層9を介して重畳する部分が、画素の付加容量部15として機能する。画素電極透過部6は反射領域4に延在されており、調整層9を介して画素電極反射部7と重なっている。画素電極反射部7は、調整層9に設けられたコンタクトホール16を介して、画素電極透過部6と、電気的に接続されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図7〜図10で説明した両用型LCDの液晶表示素子の主基板部1,13では、液晶層厚の調整層9に起因して、透過領域4と反射領域5との境界近傍の配向膜11表面に段差が生じる。調整層9に起因する配向膜11の段差は、基板表面全体にわたり、各所に生じている。
【0011】
主基板部1,13の配向膜11は、画素電極8形成後の第1基板2上に配向膜の材料を塗布し、塗布された材料からなる薄膜に配向処理を施すことによって、形成される。配向処理のために、具体的には、ラビングローラが、塗布材料からなる薄膜表面を、所定の圧力を加えつつ、所定のラビング方向18にラビングする。主基板部1,13に調整層9が設けられている場合、薄膜表面に凹凸があるので、薄膜表面の凹部は凸部に比べて配向処理の効果が弱くなり、配向膜表面全体が均一に配向処理されない。
【0012】
図7の主基板部において、配向膜11表面内の調整層9に起因した段差がある部分である壁面は、テーパ形状になっている。配向膜11の壁面のうち、ラビング方向18に対向する壁面21近傍の液晶分子22のプレティルト角は、テーパ形状の影響を受けた分だけ、配向膜11表面の段差のない平坦な部分23近傍の液晶分子24のプレティルト角と異なるが、両者の液晶分子22,24のティルトする方向は相互に等しい。ラビング方向18に対向する壁面21は、表示に影響を殆ど与えない。配向膜11表面のラビング方向の反対方向に対向する壁面25の近傍の液晶分子26は該壁面25に沿って立上がろうとするため、該壁面25近傍の液晶分子26がティルトする方向は、配向膜11表面の段差のない平坦な部分23近傍の液晶分子24がティルトする方向とは異なっている。ラビング方向18と反対方向に対向する壁面25近傍の液晶分子26は、所定のティルト方向とは逆方向に傾く状態、いわゆるリバースティルトの状態になっている。この結果、ラビング方向18と反対方向に対向する壁面25がある領域と液晶分子が正常に配向している領域との間にディスクリネーションライン27が生じ、ラビング方向18と反対方向に対向する壁面25がある領域にリバースティルトドメイン28が生じる。これによって図7の主基板部1を有する両用型LCDの表示品位が低下する。
【0013】
図9の主基板部13では、1画素分の領域内の配向膜表面において、共通配線14に重なる部分と配線10に重なる部分とが、凸状になっている。これら凸状部分のラビング方向と反対方向に対向する壁面29,30近傍の液晶分子は、リバースティルトの状態になっている。この結果、ラビング方向18の反対方向に対向する壁面29,30がある領域と液晶分子が正常に配向している領域との間にディスクリネーションライン27が生じ、ラビング方向18と反対方向に対向する壁面29,30がある領域にリバースティルトドメイン28が生じるため、図9の主基板部13を有する両用型LCDの表示品位が低下する。
【0014】
本発明の目的は、ラビング処理を用いて形成された配向膜を有する液晶表示素子において、ラビング方向18の反対方向に対向する配向膜壁面をできるだけ減らすことによって、配向不良に起因する表示不良の発生が防止されている液晶表示素子を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、間隔を空けて相互に対向する第1基板および第2基板と、
第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、
第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、
第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電極と、
第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向する対向電極と、
第1基板と第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間膜とを含み、
第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程とによって製造され、
層間膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、
前記第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁面を、予め定められるラビング方向の反対方向以外の方向に対して対向するように規定することを特徴とする液晶表示素子である。
【0016】
本発明に従えば、第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁面を、予め定められるラビング方向の反対方向以外の方向に対して対向するように規定する。換言すれば、液晶表示素子において、第1基板側の第1配向膜に、ラビング方向と反対方向に対向する壁面が存在しない。これによって液晶表示装置において、ラビング方向と反対方向に対向する壁面に起因するリバースティルトドメインおよびディスクリネーションが発生しない。したがって液晶表示素子におけるディスクリネーションに起因する表示品位の低下が防止される。
【0017】
また本発明の液晶表示素子は、前記第1配向膜の壁面は、前記ラビング方向の反対方向およびラビング方向以外の方向に対して対向していることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、液晶表示素子において、第1基板側の第1配向膜に、層間膜に起因しかつラビング方向およびラビング方向の反対方向に対向する壁面の両方が存在しない。第1配向膜をこのように形成するには、層間膜が、ラビング方向と長手方向が略平行であるような帯状の形状に形成されていればよい。これによって前記反対方向に対向する壁面の原因になる層間膜の端を、容易かつ完全に無くすことができる。
【0019】
本発明は、間隔を空けて相互に対向する第1基板および第2基板と、
第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、
第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、
第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電極と、
第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向する対向電極と、
第1基板と第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間膜とを含み、
第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程とによって製造され、
層間膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、
ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極が配置された領域内にある第1配向膜表面の第1基板表面からの高さが等しい部分は、連続していることを特徴とする液晶表示素子である。
【0020】
本発明に従えば、液晶表示素子において、ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの各画素電極が配置された領域内の段差が等しい部分、すなわち前記第1配向膜内の基板表面から高さが等しい部分が連続するように、層間膜の開口部は設けられている。これによって隣合う2つの画素電極の間にありラビング方向と反対方向と対向する第1配向膜壁面の大きさが、該壁面に起因するディスクリネーションが表示品位に影響を与えない程度に、充分に小さくなる。このように液晶表示装置は、ラビング方向の反対方向に対向する壁面をできるだけ減らすように構成されているので、液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を、確実に防止することができる。
【0021】
本発明は、間隔を空けて相互に対向する第1基板および第2基板と、
第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、
第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、
第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電極と、
第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向する対向電極と、
第1基板と第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間膜とを含み、
第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程とによって製造され、
前記層間膜の開口部は、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極にまたがって重なっており、前記層間膜の開口部は、前記ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極のうちのラビング方向側にある一方画素電極のラビング方向側の端から、該2つの画素電極のうちの該反対方向側にある他方画素電極の該反対方向側の端に至っていることを特徴とする液晶表示素子である。
【0022】
本発明に従えば、液晶表示素子において、層間膜の開口部は、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極にまたがるように形成されている。これによって、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極の間に、層間膜が存在しない領域が形成される。前記隣合う2つの画素電極のうちの一方画素電極の層間膜と重ならない領域は、画素電極間の層間膜のない領域を介して、前記隣合う2つの画素電極のうちの他方画素電極の層間膜と重ならない領域と連続する。このように画素電極の層間膜と重ならない領域が画素毎に独立しないで連続している場合、連続している領域内に、層間膜の端に起因する第1配向膜壁面は存在しない。これによって本発明の液晶表示装置における層間膜の端に起因しラビング方向の反対方向に対向する第1配向膜壁面の数または大きさが、従来技術の液晶表示素子における層間膜の端に起因しラビング方向の反対方向に対向する第1配向膜壁面の数または大きさよりも減少する。このように液晶表示装置は、ラビング方向の反対方向に対向する壁面をできるだけ減らすように構成されているので、液晶表示素子におけるディスクリネーションに起因する表示品位の低下が確実に防止される。そして層間膜の開口部は、前記ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極のうちのラビング方向側にある一方画素電極のラビング方向側の端から、該2つの画素電極のうちの該反対方向側にある他方画素電極の該反対方向側の端に至っている。これによって、前記一方画素電極のラビング方向側の端から他方画素電極の該反対方向側の端までの領域内に、層間膜の端に起因して前記反対方向に対向する第1配向膜壁面は存在しない。このような層間膜を有する液晶表示装置では、ラビング方向と反対方向に対向する壁面に起因するリバースティルトドメインおよびディスクリネーションが発生しない。したがって液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を防止することができる。
【0025】
また本発明の液晶表示素子は、前記層間膜の開口部のラビング方向に直交する方向側の端は、ラビング方向と略平行であることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、液晶表示素子において、層間膜の開口部のラビング方向に直交する方向側の端は、ラビング方向に略平行になっている。これによって、ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの画素電極の間に、ラビング方向の反対方向と対向する配向膜壁面が存在しない。したがって液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を、さらに確実に防止することができる。
【0027】
また本発明の液晶表示素子は、前記第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁面のうち、前記ラビング方向に対して対向している壁面の段差は、前記液晶層の前記画素電極に対向する部分の最大層厚の1割未満であることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、液晶表示素子において、第1基板側の配向膜のラビング方向の反対方向に対して対向している壁面の段差は、0より大きく、かつ液晶層の画素電極に対向する部分の最大層厚の1割未満の値になっている。前記最大層厚の1割未満の段差を有する壁面は、ラビング処理に影響を与えない。ゆえに、層間膜の画素電極上の端面に重なる第1配向膜壁面がラビング方向の反対方向以外の方向、またはラビング方向および前記反対方向以外の方向に対向しつつ、第1配向膜に残されているラビング方向の反対方向に対向する第1配向膜壁面の段差が前記最大層厚の1割未満に抑えられているならば、リバースティルトドメインおよびディスクリネーションの発生を防止することができる。これによって液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を確実に防止することができる。
【0029】
また本発明の液晶表示素子は、前記画素電極は、光を透過する透過部と、前記液晶層側から到来する光を反射する反射部とから構成され、
前記層間膜は、前記画素電極の反射部と前記第1基板との間に配置され、
前記層間膜の開口部は、前記画素電極の透過部と重なり、
前記第1基板と前記画素電極透過部と前記液晶層と前記対向電極と前記第2基板とを順次通過する第1光路を通過した光、および前記第2基板と前記対向電極と前記液晶層とを通過し前記画素電極反射部で反射されて前記液晶層と前記対向電極と前記第2基板とを再通過する第2光路を通過した光のうちの少なくとも一方が、表示に用いられ、
第1光路の通過前後の光の位相差と第2光路の通過前後の光の位相差とが一致するように、前記層間膜の膜厚が設定されていることを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、液晶表示素子は透過反射両用型の構成になっている。液晶表示素子の層間膜は、第1光路の通過前後の光の位相差と第2光路の通過前後の光の位相差の整合に用いられている。このような液晶表示素子において、第1基板側の第1配向膜表面のラビング方向の反対方向に対向する壁面は存在しないかまたはできるだけ減少されているので、該壁面に起因するリバースティルトドメインおよびディスクリネーションの発生が充分に抑えられる。したがって両用型の液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態である両用型の液晶表示素子33が有する主基板部33Aの部分拡大平面図である。図2は、図1の液晶表示素子33を備えた透過反射両用型液晶表示装置(以後「両用型LCD」と略称する)31の部分拡大断面図である。図1と図2とを合わせて説明する。図2の両用型LCD31の断面は、図1の主基板部33AのC−C断面を含む。なお図1の平面図において、後述する第1配向膜45の一部分の記載が省略されている。
【0032】
両用型LCD31は、両用型の液晶表示素子33の他に、第1偏光板35、第2偏光板36、第1光学補償板37、第2光学補償板38、および光源39を含む。各光学補償板37,38は、1/4波長板で実現されている。液晶表示素子33は、概略的には、第1基板41、第2基板42、液晶層43、第1配向膜45、第2配向膜46、複数の画素電極47、画素電極47と同数の対向電極48、および液晶層厚の調整層49を含む。
【0033】
第1基板41と第2基板42とは、透光性を有し、間隔を空けて対向配置される。2枚の基板41,42のうちの少なくとも第1基板41は、絶縁性を有する。液晶層43は、2枚の基板41,42の間に配置される。第1配向膜45は第1基板41と液晶層43との間に配置される。第2配向膜46は、第2基板42と液晶層43との間に配置される。2枚の配向膜45,46は、液晶層43に最近接する。全画素電極47は、第1基板41と第1配向膜45との間に配置される。各対向電極48は、第2基板42と第2配向膜46との間に配置され、かつ各画素電極47と対向する。調整層49は、第1基板41と第1配向膜47との間に介在される層間膜であり、少なくとも1つの開口部50を有している。調整層49の単一の開口部50は、後述するラビング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画素電極と重なるように、配置されている。
【0034】
画素電極47と対向電極48とによって挟まれた部分が、画素を構成している。第1基板41の液晶層23側の一方表面51内の各画素電極47が配置された領域を、画素領域52と称する。液晶表示素子33内の第1基板41および第1基板41と液晶層43との間の部材から成る部分を、「主基板部33A」と総称する。第1配向膜45は、主基板部33A内のどの部材よりも液晶層63に最近接する。液晶表示素子33内の第2基板42および第2基板42と液晶層43との間の部材から成る部分を、「対向基板部33B」と総称する。
【0035】
第1配向膜45は、第1基板41の一方表面51に既に配置された画素電極47および調整層49に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方向53に薄膜をラビングする工程とによって製造される。第2配向膜45は、第1配向膜45と同様に、薄膜の成膜工程とラビング工程とによって製造されても良く、その他の製造手法、たとえば蒸着法を用いて製造されてもよい。
【0036】
第1配向膜45の段差のある部分の表面(以後「壁面」と称する)は、ラビング方向53と反対の方向(以後「逆ラビング方向」と称する)55以外の方向に対して対向していることが好ましい。逆ラビング方向55に対向する壁面が第1配向膜45に残っている場合、残っている壁面の段差は、0よりも大きく、かつ液晶層43の画素電極47に対向する部分の最大層厚dtの1割未満の値であることが好ましい。本実施の形態では、第1配向膜45の壁面のうち、画素領域52内にある調整層49の端面を覆う配向膜壁面54は逆ラビング方向55およびラビング方向53以外の残余方向に対して対向しており、第1配向膜45と第1基板41との間にある全部材のうちの調整層49以外の残余部材の端面を覆う配向膜壁面の段差は、前記最大層厚dtの1割未満になっている。
【0037】
本実施の形態では、液晶表示素子33が両用型であるので、画素電極47は、光を反射可能な導電性材料からなる反射部47と、光を透過可能な導電性材料からなる透過部48とから構成される。画素電極反射部57は、画素領域52内の光を反射させるべき反射領域71に配置される。画素電極透過部58は、画素領域52内の光を透過させるべき透過領域72に配置される。
【0038】
両用型液晶表示素子33において、調整層49は、液晶層43の画素電極反射部57に対向する部分の層厚、すなわち液晶層反射部の層厚drを調整するために用いられる。調整層49は、反射部47と第1基板41との間に介在される。調整層49の開口部50は、第1基板41表面の法線方向から見て、透過部58と重なっている。両用型の液晶表示素子33において、液晶層43の画素電極47に対向する部分の最大層厚dtは、液晶層43の画素電極透過部58に対向する部分の層厚、すなわち液晶層透過部の層厚である。
【0039】
2枚の偏光板35,36は、液晶表示素子33を挟んで対向している。第1光学補償板37は、第1偏光板35と第1基板41との間に介在される。第2光学補償板38は、第2偏光板36と第2基板42との間に介在される。第1偏光板35は、第1光学補償板37と光源39との間に介在される。両用型LCD31の第2偏光板36側が両用型LCD31の前面側であり、両用型LCDの光源39側が両用型LCD31の背面側である。使用者は、両用型LCD31の前面側から両用型LCD31に臨む。
【0040】
本実施の形態では、さらに詳しくは、液晶表示素子33はカラー表示が可能なアクティブマトリクス型の液晶表示素子であるので、液晶表示素子33は、複数本の走査線61、複数本の信号線62、層間絶縁膜63、画素電極47と同数のスイッチング素子65、複数のカラーフィルタ層69、および遮光層70をさらに含む。本実施の形態では、スイッチング素子65は、3端子素子である薄膜トランジスタ(TFT)で実現されている。1画素につき、画素電極反射部57は2つある。液晶表示素子33の具体的構成は、以下のとおりである。
【0041】
第1基板41は、透光性および絶縁性を有する基板の一方面に、絶縁性を有するベースコート膜が成膜されている構成になっている。全走査線61は、相互に平行にかつ相互に間隔を空けて、第1基板41の一方表面51に配置される。全信号線62は、相互に平行にかつ相互に間隔を空けて、第1基板41の一方表面51に配置される。走査線61の長手方向と信号線62の長手方向とは、第1基板41の一方表面51の法線方向から見て、直交している。本実施の形態では、信号線62の長手方向が、ラビング方向53と平行になっている。層間絶縁膜63は、走査線61と信号線62との間に介在され、かつ第1基板41の一方表面51全体を覆っている。画素電極47および調整層49は、層間絶縁膜63と第1配向膜45との間に介在される。
【0042】
走査線61と信号線62とによって囲まれた矩形領域が、画素領域52に相当する。複数の画素領域52は行列状に並んでいる。画素領域の配列の列または行の方向は、ラビング方向52と略平行になっている。単一の画素領域52において、反射領域71は透過領域72によって2つに分断されている。調整層49の表面には、連続する波状の凹凸が形成されている。調整層49表面に凹凸を形成するために、調整層49は感光性の樹脂膜によって形成されることが好ましい。
【0043】
画素電極47は、各画素領域52に1つずつ配置される。第1基板41の法線方向から見て、単一画素領域52では、単一の画素電極透過部58が2つの画素電極反射部57の間に配置される。画素電極反射部57は、反射率が比較的高い導電性材料から形成されればよく、たとえばアルミニウムによって形成される。画素電極透過部58は、透過率が比較的高い導電性材料から形成されればよく、たとえばITO(錫−インジウム−酸化物)から形成される。反射部47および透過部58は、アルミニウムおよびITO以外の別の材料から形成されていてもよい。
【0044】
単一画素電極47を構成する2つの画素電極反射部57および画素電極透過部58は、電気的に接続されている。接続のために、各画素電極反射部57の端部は、調整層49の端面を覆って延伸され、画素電極透過部58と直接接触している。これによって画素電極反射部57と画素電極透過部58とを容易に接続することができる。画素電極反射部57と画素電極透過部58との接続のための構成は、上記の構成に限らず、他の構成でもよい。たとえば調整層49の左右の画素電極反射部57の直下の位置にコンタクトホールがそれぞれ形成され、画素電極透過部58が該コンタクトホールの直下の位置まで延伸されていて、左右の画素電極反射部57は該コンタクトホールを介して画素電極透過部58に接続されていてもよい。
【0045】
各画素領域52の隅部に、スイッチング素子であるTFT65が1つずつ配置される。TFT65のゲート電極66は走査線61と接続され、TFT65のソース電極67は信号線62と接続される。TFT65のドレイン電極68と画素電極反射部57との間には、前述の調整層49が介在されている。ドレイン電極68は、調整層49に設けられたコンタクトホールを介して、図面左側の画素電極反射部57と接続される。画素電極47とTFT65との接続のための構成は、上記の構成に限らず、他の構成でもよい。たとえば図面左側の画素電極反射部57とドレイン電極とを調整層49のコンタクトホールを介して接続する代わりに、TFT65のドレイン電極68の一部分が延伸され、ドレイン電極68の延在部が図面左側の画素電極反射部57の直下の調整層49と層間絶縁膜63との間に配置され、該延在部を介してドレイン電極68が画素電極透過部58に接続されていてもよい。これによって画素電極47とドレイン電極68とを容易に接続することができる。
【0046】
カラーフィルタ層69および遮光層70は、第2基板41と第2配向膜46との間に介在される。カラーフィルタ層69は画素電極47と対向しており、遮光層70はブラックマトリクスとして、画素領域52の間の領域、たとえば走査線61および信号線62の配置された領域と対向している。本実施の形態では全画素の対向電極48が一体化されて1枚の透明電極を構成している。
【0047】
液晶層43は、主基板部33Aと対向基板部33Bとを、配向膜45,46同士を向かい合わせてかつ間隔を空けて配置し、両基板部の間に液晶材料を封入して形成される。本実施の形態では、液晶層23は、誘電異方性が正である液晶材料から形成される。正の誘電異方性を有する液晶材料は、本実施の形態では、メルク社製のZLI−3926(商品名)またはメルク社製のZLI−4792(商品名)で実現される。両基板部33A,33Bの間隔は、液晶層23の透過部の層厚dtが約5.0μmになるように調整されている。調整層49の層厚は、透過部層厚dtの約半分、本実施の形態では約2.5μmに設定されている。
【0048】
2枚の配向膜45,46は、画素電極47と対向電極48との間に電圧が生じていない間、液晶層43内の液晶分子の長軸方向が、基板41,42の液晶層側表面と略平行になりかつラビング方向53と平行に配向するように、液晶分子の配向状態を規制する。第1配向膜45がJSR社製AL4552(商品名)であり液晶材料がメルク社製のZLI−3926である場合、電圧無印加時の液晶分子のプレティルト角は、2度以上3度以下である。電圧無印加時に液晶分子がプレティルトを有しているので、画素電極47と対向電極48との間に電圧が印加された場合、液晶分子がプレティルトを成している方向に、液晶分子が一様に立上がり、第1基板41表面とほぼ垂直な方向に再配向する。
【0049】
各光学補償板37,38が1/4波長板であり、液晶層43が正の誘電異方性を有する正の平行配向液晶層である場合、第1偏光板35の偏光軸に平行な方向と第1光学補償板37の遅相軸に平行な方向とが45度の角度を成すように、第1偏光板35および第1光学補償板37が配置される。かつ第2偏光板36の偏光軸に平行な方向と第2光学補償板38の遅相軸に平行な方向とが45度の角度を成すように、第2偏光板36および第2光学補償板38が配置される。第1光学補償板37の遅相軸と第2光学補償板38の遅相軸とは相互に平行になっている。これによって両用型LCD31は、ノーマリホワイト型になる。
【0050】
図1の液晶表示素子33の主基板部の製造工程は、以下のとおりである。最初に、第1基板41を形成するために、透光性および絶縁性を有する基板の一方面に、絶縁性を有するベースコート膜が成膜される。ベースコート膜は、たとえばTaまたはSi0から形成される。次いで、ベースコート膜の上に、遮光性および導電性を有する材料から成る薄膜がスパッタリング法を用いて成膜され、該薄膜が所定形状にパターニングされる。これによって走査線61およびTFT65のゲート電極66とが形成される。走査線61およびゲート電極66の材料は、金属材料、たとえばアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、またはタンタル(Ta)で実現される。
【0051】
次いで、第1基板41上に、走査線61およびゲート電極66を覆うように、、層間絶縁膜63が積層される。層間絶縁膜63は、たとえば、P−CVD法を用いて、走査線製造後の第1基板41上に、SiNxが層厚が3000Åになるまで積層され、この結果形成されるSiNxの薄膜が層間絶縁膜63として用いられる。層間絶縁膜63は、絶縁性を高めるために、2層構造になっていてもよい。層間絶縁膜63が2層構造である場合、最初に走査線61およびゲート電極66の表面が陽極酸化され、次いで陽極酸化処理後の第1基板41上に、CVD法を用いてSiNxが積層される。この結果得られる陽極酸化膜とSiNx薄膜とが、層間絶縁膜63を構成する。
【0052】
層間絶縁膜63形成後、TFT65のチャネル層の材料から形成される第1の薄膜が、CVD法を用いて層間絶縁膜63上に成膜される。第1薄膜の成膜から連続して、次いでTFT65の電極コンタクト層の材料から形成される第2の薄膜が、CVD法を用いて第1薄膜上に成膜される。第1薄膜は、たとえばアモルファスシリコン膜で実現される。第2薄膜は、たとえば、リン等の不純物がドーピングされたアモルファスシリコン膜、またはリン等の不純物がドーピングされた微結晶シリコン膜で実現される。第1薄膜の層厚は1500Åであり、第2薄膜の層厚は500Åである。次いで、HClとSFとの混合ガスを利用するドライエッチング法を用いて、第1薄膜および第2薄膜が所定形状にパターニングされる。これによって、TFT65のチャネル層およびTFT65の電極コンタクト層とが形成される。
【0053】
次いで、TFT65のチャネル層および電極コンタクト層を覆うように、第1基板41上に、透光性および導電性を有する材料から成る第3薄膜が、スパッタリング法を用いて成膜される。第3薄膜の材料は、たとえばITOで実現される。続いて、第3薄膜上に、遮光性および導電性を有する材料から成るぢ4薄膜が、積層して成膜される。第4薄膜の材料は、たとえば金属材料、たとえばアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、またはタンタル(Ta)で実現される。次いで、第3薄膜と第4薄膜とが所定形状にパターニングされる。この結果、TFT65のソース電極67、TFT65のドレイン電極68、信号線62、および画素電極透過部58が形成される。ソース電極67、ドレイン電極68、および信号線62は、第3薄膜の一部分から成る層と第4薄膜の一部分から成る層ととの2層構造になっている。画素電極透過部58は、第3薄膜の一部分だけから形成されている。次いで、TFT65を覆うように、絶縁性の材料から成り層厚が3000Åである第5薄膜が、CVD法を用いて成膜され、所定形状にパターニングされ、さらに所定位置にコンタクトホールが形成される。これによってTFT65の保護膜が成膜される。なお図1には、保護膜は図示されていない。
【0054】
次いで、絶縁性を有する感光性樹脂が、TFT65、走査線61、信号線62および画素電極透過部58を覆うように、第1基板41上に塗布される。感光性樹脂の薄膜の層厚は、約4μmである。樹脂塗布後、感光性樹脂の薄膜に対して、露光処理、現像処理、および熱処理が加えられる。この結果、感光性樹脂の薄膜表面に、複数の滑らかな凹凸が形成される。凹凸完成後、感光性樹脂薄膜から、保護膜のコンタクトホールの上の部分と透過領域72上の部分と透過境界領域76上の部分とが除去される。これによって、調整層49が完成する。本実施の形態では、調整層49の材料として、東京応化社製のOFPR−800(商品名)が用いられている。調整層49の材料は、感光性の樹脂材料であれば、OFPR−800に限らず、他の材料、たとえば東京応化社製のOMR−83,OMR−85,ONNR−20,OFPR−2,OFPR−830,またはOFPR−500(商品名)であってもよい。あるいは、調整層49の材料は、Shipley社製のTF−20,1300−27,1400−27(商品名)等であってもよく、あるいは東レ社製のフォトニース(商品名)、積水ファインケミカル社性のRW−1(商品名)、日本化薬社製のR001,R633(商品名)であってもよい。
【0055】
調整層完成後、スパッタリング法を用いて、光反射性および導電性を有する材料から成る薄膜が、調整層49を覆うように成膜され、該薄膜が所定形状にパターニングされる。この結果画素電極反射部57が完成する。反射部57の材料は、たとえば金属材料、たとえばアルミニウム(Al)、またはモリブデン(Mo)で実現される。反射部57は2層構造になっていてもよく、この場合反射部57は、層厚が1000Åのアルミニウムの膜片と層厚が500Åのモリブデンの膜片とが積層されて形成される。表面に凹凸がある調整層49の上に薄膜を成膜しパターニングして反射部57が形成される場合、反射部57表面にも凹凸が形成される。このように、表面に凹凸がある反射部57は、良好な反射率および散乱特性を有することができる。
【0056】
画素電極反射部完成後、第1配向膜45の材料から成る薄膜が、調整層49と画素電極反射部57と画素電極透過部58とを覆うように、第1基板41上に成膜される。第1配向膜45の材料は、たとえば、JSR社製のオプトマーAL4552LL(商品名)で実現される。次いで、ラビング処理として、ラビングローラが、成膜された薄膜の表面を、所定の圧力を加えつつ、所定のラビング方向53にラビングする。この結果配向膜45が完成する、
以上の工程によって、液晶表示素子33の主基板部33Aが完成する。なお液晶表示素子33の具体的な構成および製造方法において説明した液晶表示素子33の構成部品の具体的形状、具体的材質、および製造方法等は、液晶表示素子33の最適例の1つである。液晶表示素子33の構成は、第1配向膜45表面から逆ラビング方向55に対向する壁面をできるだけ減少させるための構成であれば、詳細構成は上記の説明に限らない。
【0057】
図2を参照して、両用型LCD31の表示モードについて説明する。両用型LCD31が反射型LCDとして動作する場合である反射モードでは、画素領域52の反射領域71を通過する光が、表示に用いられる。両用型LCD31が透過型LCDとして動作する場合である透過モードでは、画素領域52の透過領域72を通過する光が、表示に用いられる。画素から表示に用いられる光が射出されるか否かは、画素の画素電極47および対向電極48間に所定電界が印加されているか否かに応じて定まる。
【0058】
任意の単一画素において、反射モード時の光の振舞いは以下のとおりである。第2偏光板36の表面から液晶表示素子33内に入射した光は、第2偏光板36を通過することによって、第2偏光板36の偏光軸と平行な方向に振動する直線偏光になる。第2偏光板36の偏光軸と第2光学補償板38の遅相軸とは45度を成しているので、第2偏光板36通過後の直線偏光は、第2光学補償板38に入射し通過することによって、円偏光になる。円偏光は、液晶表示素子33の対向基板部33Bを通過して、第2基板42側から液晶層43に入射する。
【0059】
単一画素の画素電極47および対向電極48間に予め定める電圧が印加されている場合、該画素電極および対向電極間の液晶層43内に所定の電界が発生する。液晶層43が正の誘電異方性を示す液晶材料から形成されているならば、任意画素の画素電極47および対向電極48間の液晶層43の液晶分子は、基板41,42の表面に水平な方向に配向していた状態から、基板41,42の表面にほぼ垂直な方向に再配向している。ゆえに任意画素内の電極47,48間の液晶層43の屈折率異方性はごく僅かであり、該液晶層43を光が通過することによって生じる位相差は、ほぼ0である。ゆえに第2光学補償板38通過後の円偏光が所定電圧が印加された電極47,48間の液晶層43に入射した場合、円偏光を崩さないまま、第2基板42から第1基板41に向かう方向に進行して液晶層43を通過し、第1基板41上にある画素電極反射部57で反射される。
【0060】
反射された円偏光は、液晶層43に第1基板41側から再入射し、円偏光を崩さないまま、第1基板41から第2基板42に向かう方向に進行して液晶層43を通過し、対向基板部33Bを通過して、再び第2光学補償板38に入射する。再入射した円偏光は、第2光学補償板38を通過することによって、第2偏光板36の偏光軸とは直交する方向に振動する直線偏光になる。第2偏光板36再通過後の直線偏光は、偏光軸と直交する方向に振動しているので、第2偏光板36を通過することなく、第2偏光板36に吸収される。このように、画素電極47および対向電極48間に所定電界が発生している場合、画素は黒表示になる。
【0061】
単一画素の画素電極47および対向電極48間に所定電圧が印加されていない場合、該画素電極47および対向電極48間の液晶層43内に所定電界が発生しないので、該液晶層43内の液晶分子は、基板41,42の表面に水平な方向に配向している状態を保つ。ゆえに画素電極47および対向電極48間の液晶層43の屈折率異方性は充分に大きい。ゆえに第2光学補償板38通過後の円偏光が所定電圧が印加されていない電極47,48間の液晶層43に入射した場合、円偏光は、これら両電極47,48間の液晶層43を通過すると、該液晶層43の複屈折に起因して楕円偏光になる。
【0062】
液晶層43通過後の楕円偏光は、第1基板41上にある画素電極反射部57で反射され、液晶層43に第1基板41側から再入射する。再入射した楕円偏光は、液晶層43を通過することによってさらに偏光状態が崩され、再び第2光学補償板38に入射する。再入射した楕円光は、第2光学補償板38を通過しても、第2偏光板36の偏光軸と直交する方向に振動する直線偏光にはならない。したがって第2光学補償板38通過後の光の全偏光成分のうち、第2偏光板36の偏光軸と平行な方向に振動する成分が、第2偏光板36を通過する。このように、画素電極47および対向電極48間に所定電界が発生していない場合、画素は白表示になる。
【0063】
任意の単一画素において、透過モード時の光の振舞いは以下のとおりである。第1偏光板35の表面から液晶表示素子33内に入射した光は、第1偏光板35を通過することによって、第1偏光板35の偏光軸と平行な方向に振動する直線偏光になる。第1偏光板35の偏光軸と第1光学補償板37の遅相軸とは45度を成しているので、第1偏光板35通過後の直線偏光は、第1光学補償板37に入射し通過することによって、円偏光になる。円偏光は、液晶表示素子33の主基板部33Aの透過領域72を通過して、第1基板41側から液晶層43に入射する。
【0064】
単一画素の画素電極47および対向電極48間に所定電界が発生している場合、液晶層43のこれら両電極47,48に挟まれた部分を光が通過することによって生じる位相差は、ほぼ0である。任意画素の液晶層43内に所定電界が生じているならば、液晶層43入射後の円偏光は、円偏光を崩さないまま、第1基板41から第2基板42に向かう方向に進行して、液晶層43を通過して、第2光学補償板38に入射する。第1光学補償板37の遅相軸と第2光学補償板38との遅相軸とは揃っているので、液晶層43通過後の円偏光は、第2光学補償板38を通過することによって、第2偏光板36の偏光軸とは直交する方向に振動する直線偏光になる。第2偏光板36再通過後の直線偏光は、第2偏光板36に吸収される。このように、画素電極47および対向電極48間に所定電界が発生している場合、画素は黒表示になる。
【0065】
単一画素の画素電極47および対向電極48間に所定電界が発生していない場合、第1光学補償板37通過後の円偏光は、これら両電極47,48間の液晶層43を通過すると、該液晶層43の複屈折に起因して、楕円偏光になる。楕円偏光は、第2光学補償板38に入射する。液晶層43通過後の楕円偏光は、第2光学補償板38を通過しても、第2偏光板36の偏光軸と直交する方向に振動する直線偏光にはならない。したがって第2光学補償板38通過後の光の全偏光成分のうち、第2偏光板36の偏光軸と平行な方向に振動する成分が、第2偏光板36を通過する。このように、画素電極47および対向電極48間に所定電界が発生していない場合、画素は白表示になる。
【0066】
以上説明したように、両用型LCD31では、反射モードおよび透過モードのどちらでも、画素毎に、画素電極47および対向電極48間の電圧を調整することによって、第2偏光板38を通過する光の光量を調整することができる。したがって両用型LCD31において、階調表示が可能になる。また以上説明したように、両用型LCD31では、液晶が正の誘電異方性を有しているので、反射モードおよび透過モードのどちらでも、画素電極47および対向電極48間に電圧が印加されていない状態で画素が白表示になり、電圧が印加された状態で画素が黒表示になる。すなわち両用型LCD31は、いわゆるノーマリホワイト型の表示を行う。
【0067】
第1の実施の形態の両用型LCD31では、上述した透過モードにおいて第1偏光板37通過後から第2偏光板38に入射するまでの光路L1の通過前後の光の位相差と、上述した反射モードにおいて第2偏光板38通過後から第2偏光板38に再入射するまでの光路L2の通過前後の光の位相差とは、一致していることが好ましい。透過モードの光路L1の位相差と反射モードの光路L2の位相差とが一致している場合、透過モード時に白表示される画素の輝度と、反射モード時に白表示される画素の輝度とが一致する。
【0068】
透過モードの光路L1は、第1光学補償板37と液晶表示素子33の第1光路L3と第2光学補償板38をこの順で通過する光路である。第1光路L3は、主基板部33Aの透過領域72内の部分と、液晶層43と、対向基板部33Bのカラーフィルタ層69とをこの順で通過する光路である。反射モードの光路L2は、すなわち、第2光学補償板38を通過して液晶表示素子33に第2基板42側から入射し、液晶表示素子の第2光路L4を通過して第2基板42側から射出し、第2光学補償板38を再通過する光路である。第2光路L4は、対向基板部33Bと液晶層43とをこの順で通過して画素電極反射部57で反射され、液晶層43と対向基板部33Bとをこの順で再通過する光路である。
【0069】
反射モードの光路L2の位相差および透過モードの光路L1の位相差は、どちらも1波長条件、すなわち2πになっていることが最も好ましい。透過モードの光路L1の位相差が1波長条件である場合、光路L1を通過して第2偏光板36に再入射する光が第2偏光板36の透過軸(=偏光軸)と平行に振動する直線偏光になるので、第2偏光板36を透過する光の光量が最大になり、白表示される画素の輝度が最大になる。同様に、反射モードの光路L2の位相差が1波長条件である場合、光路L2を通過して第2偏光板36に再入射する光が第2偏光板36の透過軸(=偏光軸)と平行に振動する直線偏光になるので、第2偏光板36を透過する光の光量が最大になり、白表示される画素の輝度が最大になる。
【0070】
一方および第2光学補償板37,38がどちらも1/4波長板である場合、透過モードの光路L1の位相差を1波長条件にするには、第1光路L3の通過前後の光の位相差が1/2波長条件、すなわちπになるように、画素電極透過部58と対向電極48との間の液晶層43である透過領域の液晶層43の層厚dtを調整すればよい。第2光学補償板38が1/4波長板である場合、反射モードの光路L2の位相差を1波長条件にするには、対向基板部33Bと液晶層とを通過して画素電極反射部57に至る光路L5の通過後の光の位相差が1/4波長条件、すなわち2分のπ(π/2)になるように、画素電極反射部57と対向電極48との間の液晶層43である反射領域の液晶層43の層厚drを調整する。これによって、対向基板部33Bから画素電極反射部57までの光路L5の往復に相当する第2経路L4の通過前後の光の位相差が1/2波長条件になるので、反射モードの光路L2の位相差は1波長条件になる。
【0071】
主基板部33Aと対向基板部33Bとの間に介在される液晶層43の層厚を部分的に変更するために、画素電極反射部57と第1基板41との間に、調整層49が介在されている。主基板部33Aと対向基板部33Bとの間隔は透過領域の液晶層43の層厚dtに応じて調整され、かつ調整層49の層厚は透過領域の液晶層43の層厚dtと反射領域の液晶層43の層厚drとの差に応じて調整される。このような調整層49の層厚は、主基板部33A内の第1基板上の他の部品、たとえば画素電極47や走査線61よりも充分に厚い。ゆえに第1配向膜45の調整層49の端と重なる部分に生じている段差は、第1配向膜45の主基板部33Aの他の部品の端と重なる部分に生じている段差よりも大きく、リバースチルトドメインの原因になりやすい。そこで第1の実施の形態では、調整層49の端に起因する第1配向膜45の壁面のうち、逆ラビング方向に対向する壁面を少なくとも除くことによって、リバースチルトドメインの発生を防止している。
【0072】
図3は図1の両用型LCD31の液晶表示素子33の主基板部33Aの2画素分の領域およびその周囲の拡大平面図である。図3は図1の拡大平面図を簡略化して示すものである。図4は、図3の主基板部33AのD−D断面図である。D−D断面は、第1配向膜45のラビング方向53と平行であり、かつ画素電極透過部58を通っている。図3の2画素分の領域には2つの画素電極47が配置されており、該2つの画素電極は、ラビング方向53に略平行に並んで隣合っている。図3および図4を用いて、主基板部33Aの第1配向膜45から逆ラビング方向55と対向する壁面を除くための構成を詳細に説明する。
【0073】
なお図3および図4を用いた説明において、ラビング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47のうちのラビング方向53側にある一方画素電極47および該一方画素電極47が配置される画素領域52を「上側画素電極47A」「上側画素領域52」と記し、該2つの画素電極47のうちの逆ラビング方向55側にある他方画素電極47および該他方画素電極47が配置される画素領域52を「下側画素電極47B」「下側画素領域52B」と記す。なお図3および図4を用いた説明において、部材または領域のラビング方向53側の一端を「上端」と記し、部材または領域の逆ラビング方向55側の他端を「下端」と記す。なお本明細書で「左」「右」とは、どちらもラビング方向53に直交する方向であり、かつ左方向は右方向の逆方向である。さらに図3の平面図では、第1配向膜45の一部分の記載が省略されている。
【0074】
調整層49は、基本的には、第1配向膜45表面の逆ラビング方向55に対向する壁面ができるだけ減少するように、パターン形成されている。このために調整層49の開口部50は、基本的には、ラビング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47A,47Bにまたがっている。すなわち、調整層49の開口部50の上端が、上側画素電極47Aと第1配向膜45との間にあり、調整層49の開口部の下端が、下側画素電極47Bと第1配向膜45との間にある。
【0075】
両用型の液晶表示素子33では、画素電極反射部57と第1基板41との間に調整層49が介在され、調整層49の開口部50は第1基板41の法線方向から見て画素電極透過部58と重なる位置に配置される。このために調整層49は、第1基板41表面の法線方向から見て、2つの画素領域52の反射領域71に挟まれた領域(以後「反射境界領域」と称する)75および反射領域71だけに存在する。調整層49の開口部50は、第1基板41表面の法線方向から見て、上側画素電極52Aの透過領域72と下側画素領域52Bの透過領域72に挟まれた領域(以後「透過境界領域」と称する)76,ならびに上側画素領域52Aおよび下側画素領域52Bの透過領域72と一致するように、形成されている。なお図3では、反射境界領域75および透過境界領域76に、斜線を付している。
【0076】
第1の実施の形態では、逆ラビング方向55に対向する壁面およびラビング方向53に対向する壁面の両方が第1配向膜45に生じないように、調整層49はパターン形成されている。このために、単一画素領域52において、透過領域72が、該画素領域52の上端73から下端74に至る帯状の領域に形成されている。これによって、調整層49の開口部50は、第1基板41の法線方向から見て、上側画素電極47Aの上端から下側画素電極47Bの下端に至るように形成される。すなわち調整層49の開口部50の上端が上側画素電極47Aの上端と重なり、該開口部50の下端が下側画素電極47Bの下端と重なる。このような構成の開口部50が画素単位で繰返し形成されれていれば、ラビング方向に略平行に1列に並ぶ画素電極と重なる開口部が順次連続して、1本の開口部になる。
【0077】
さらに単一画素領域72の透過領域72は、左右の側端がラビング方向53と略平行になっている。上側画素領域52Aの右側端は、下側画素領域52Bの右側端の延長線上に位置し、上側画素領域52Aの左側端は、下側画素領域52Bの左側端の延長線上に位置する。このような構成の透過領域72が画素単位で繰返されれていれば、ラビング方向に略平行に1列に並ぶ画素領域52の透過領域72と該透過領域72間の透過境界領域76とが順次連続して、左右の側端がラビング方向53と略平行である1本の帯状領域になる。調整層49を配置する必要のない前記帯状領域と重なるように開口部50は形成されればよいので、ラビング方向53と長手方向が略平行なストライプ状の膜片に調整層49をパターン形成することが可能になる。これによって、調整層49の端は逆ラビング方向55と略平行になり、逆ラビング方向55に対向する端は調整層49に存在しなくなる。
【0078】
長手方向がラビング方向53と略平行な帯状に形成された調整層49の上に第1配向膜45が形成される場合、第1配向膜45表面に、調整層49の端に起因し逆ラビング方向55に対向する壁面は存在しない。以上説明したように、逆ラビング方向53に対向する壁面だけでなく、ラビング方向53に対向する壁面も第1配向膜45表面から除かれるように調整層49が形成される場合、調整層49は帯状に形成されれば良いので、調整層49のパターン形成が容易になる。
【0079】
図1〜図4で説明した第1の実施の形態の両用型の液晶表示素子33と、図7および図8で説明した第1の従来技術の両用型の液晶表示素子とを比較すると、以下の構成に違いがある。
【0080】
第1従来技術の両用型液晶表示素子の液晶層厚の調整層および第1配向膜以外の構成は、第1の実施の形態の両用型液晶表示素子33と等しい。すなわち第1従来技術の液晶表示素子の第1基板の液晶層側の一方表面には、走査線と信号線とが相互に直交するように配置されており、層間絶縁膜が走査線と信号線との間に配置される。走査線および信号線によって区分された矩形領域である画素領域3内の反射領域5に画素電極反射部7が配置され、画素領域3内の透過領域4に画素電極透過部6が配置される。配向膜は、上記構成の画素電極8形成後の第1基板2上に第1配向膜45の材料を塗布し、これによって成膜された薄膜を所定のラビング方向53にラビングすることによって、形成される。このような構成の主基板部1は、誘電異方性が正である平行配向液晶層を介して、図2で説明した構成と等しい対向基板部に貼合わされる。第1従来技術においても、両用型LCDの透過領域のリタデーション(位相差)と両用型LCDの反射領域のリタデーションとを一致させるために、調整層9の層厚は透過領域の液晶層の層厚の半分程度になっている。
【0081】
第1従来技術において、反射領域5は「口」型であり、透過領域4を取囲んでいる。ゆえに、第1基板2の法線方向から見て、第1従来技術の第1配向膜表面の反射領域5と透過領域4との境界に重なる位置に、逆ラビング方向55に対向する壁面25が存在し、該壁面25の段差は液晶層の画素電極に対向する部分の最大層厚の1割よりも大きいので、該壁面25近傍にリバースチルトドメイン26が発生する。この結果、ラビング方向18と反対方向に対向する壁面25がある領域と液晶分子が正常に配向している領域との間にディスクリネーションライン27が生じるので、両用型LCDのコントラストおよび応答速度が低下する。この結果、両用型LCDの表示品位が低下する。
【0082】
図1〜図4に示す第1の実施の形態の液晶表示素子33の第1配向膜45の表面には、調整層49に起因し逆ラビング方向55に対向する壁面が存在しないので、該壁面に起因するリバースチルトドメインおよびディスクリネーションラインが発生しない。これによって第1の実施の形態の液晶表示素子33は、液晶層43内の液晶分子を均一に配向させることができる。したがって第1の実施の形態の両用型LCD31のコントラストおよび応答速度が第1従来技術よりも向上するので、第1の実施の形態の両用型LCD31の表示品位が、従来技術の両用型LCDの表示品位よりも向上する。
【0083】
逆ラビング方向55に対向する配向膜壁面の段差が、液晶層23の画素電極47に対向する部分の最大層厚dtの1割の高さよりも大きい場合、該配向膜壁面はディスクリネーションを引起こす。逆ラビング方向55に対向する配向膜壁面は、段差が0より大きく前記最大層厚dtの1割以下の高さであるならば、第1配向膜45表面に残っていても、LCDの表示品位に影響を与えない。たとえば図1〜図4の両用型LCD31では、走査線61の端および画素電極透過部58の端と第1配向膜45とが重なる位置に、逆ラビング方向55に対向する配向膜壁面やラビング方向53に対向する配向膜壁面が残っている。これら残っている壁面の段差は高々0.1μm以上0.3μm以下の高さであり、液晶層23の透過部の層厚dtが5.0μmであるので、残っている段差に起因してリバースチルトドメインが発生することはない。
【0084】
このように、逆ラビング方向55に対向する壁面が配向膜表面内に残っている場合、該壁面の段差が0より大きく液晶層23の画素部の最大層厚dtの1割以下に抑ええられているならば、ディスクリネーションおよびリバースチルトドメインの発生が防止されるので、液晶層43内の液晶分子を良好な表示に充分な程度に均一に配向させることができる。ゆえに逆ラビング方向55に対向する端が存在しないように調整層をパターニングする代わりに、配向膜壁面の段差が0より大きく最大層厚dtの1割以下になるように、第1配向膜45と基板41との間の部品を構成してもよい。
【0085】
第1配向膜45と第1基板41との間の部材のテーパ角が、0度より大きく、第1基板41に対する液晶分子のプレティルト角未満の角度である場合、該部材の端を覆う第1配向膜45の壁面近傍の液晶分子の配向はリバースティルトにならない。一般的にプレティルト角は1度〜9度であるので、部材のテーパ角はプレティルト角以上になっている。所定の段差を有する配向膜壁面においては、該壁面が覆う部材端のテーパ角が小さいほど、ディスクリネーションが発生しにくくなる。
【0086】
本件出願人は、第1の実施の形態の液晶表示素子33を備えた両用型LCDと、第1従来技術の液晶表示素子を備えた両用型LCDとをそれぞれ製造して、両者の両用型LCDの表示状態を観察した。第1の実施の形態の両用型LCDの詳細構成は、上述した製造工程で説明された構成である。第1従来技術の両用型LCDの詳細構成は、調整層および画素電極の平面形状だけが第1の実施の形態の両用型LCDと異なり、他の構成は第1の実施の形態の両用型LCDと等しい。第1従来技術の両用型LCDを前面側から光学顕微鏡を用いて観察したところ、逆ラビング方向に対向する配向膜壁面が存在する箇所近傍に、ディスクリネーションラインの発生が確認された。第1の実施の形態の両用型LCDを前面側から光学顕微鏡を用いて観察したところ、ディスクリネーションラインは発生していなかった。
【0087】
本件出願人は、さらに、第1従来技術の両用型LCDのコントラストと、第1の実施の形態の両用型LCDのコントラストとをそれぞれ測定し、比較した。この結果、第1の実施の形態の両用型LCDのコントラストは、第1従来技術の両用型LCDのコントラストよりも、10%〜20%向上していた。これは以下の理由に基づく。ディスクリネーションラインは、画素を黒表示する際に画素からの光漏れを発生させるので、両用型LCDのコントラスト低下の原因になる。第1の実施の形態の両用型LCDにはディスクリネーションラインが発生していないので、ディスクリネーションラインに起因する光漏れがなくなったため、第1の実施の形態の両用型LCDコントラストが向上している。
【0088】
このように、第1の実施の形態の液晶表示素子33を備えた両用型LCDにおいては、第1従来技術の液晶表示素子を備えた両用型LCDよりも、表示品位が向上している。第1の実施の形態の液晶表示素子33と第1従来技術の液晶表示素子の構成とは、調整層49および画素電極47の平面形状だけが異なる。したがって、従来技術の液晶表示素子の構成および製造工程に微小な変更を加えるだけで、第1の実施の形態の液晶表示素子33の設計および製造工程の設計が可能なので、第1の実施の形態の液晶表示素子33の実現は容易である。
【0089】
なお第1の実施の形態では、第1配向膜45に平行配向処理が施されている。これに限らず、第1配向膜45には、垂直配向処理が施されてもよい。垂直配向処理を伴う第1配向膜45の形成手法は、たとえば以下のとおりである。まず最初に、垂直配向膜の材料からなり膜厚が80nmである薄膜が、画素電極47形成後の第1基板41上に印刷技術を用いて成膜される。垂直配向膜の材料は、たとえば日本合成ゴム(株)製のJALS2004である。成膜後の薄膜は180度で2時間焼成される。焼成後の薄膜の表面が、レーヨン製の布を巻き付けたラビングローラによって、ラビング方向53にラビングされる。ラビング処理時のラビングローラの回転数は100rpmであり、ローラに対する基板の移動速度は1分あたり100mm(100mm/mim)である。これによって垂直配向処理が施された第1配向膜45が完成する。第1配向膜45に垂直配向処理が施される場合でも、平行配向処理が施された場合と同様に、両用型LCD31の表示品位は向上される。
【0090】
図5は、本発明の第2の実施の形態である液晶表示素子が有する主基板部101の2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大部分平面図である。図6は、図5の主基板部101のE−E断面図である。図5と図6とを合わせて説明する。なお第2の実施の形態の液晶表示素子は、第1の実施の形態の液晶表示素子33の主基板部33Aを図5の主基板部101に置換えた構成になっている。図5の主基板部101の部品のうち、図1の主基板部33Aの部品と同じ機能を有する部品には、同じ参照符を付して説明は省略する。なお図5および図6を用いた説明において、「上側画素電極47A」「上側画素領域52」「下側画素電極47B」「下側画素領域52B」「上端」「下端」「右」「左」の定義は、図3および図4の説明における定義と等しい。図5の2画素分の領域には2つの画素電極47が配置されており、該2つの画素電極は、ラビング方向53に略平行に並んで隣合っている。E−E断面は、第1配向膜45のラビング方向53と平行であり、かつ画素電極透過部58を通っている。さらに図5の平面図では、第1配向45の一部分の記載が省略されており、反射境界領域および透過境界領域に斜線が付してある。
【0091】
図5の主基板部101は、図1の主基板部33Aの各画素領域52に、付加容量部103のための付加容量配線103を追加した構成になっている。付加容量配線103が層間絶縁膜63を介して画素電極47に重畳している部分が、付加容量部104として機能する。付加容量配線103は、本実施の形態では、付加容量配線103は、画素領域52の中央部を通り、かつ長手方向がラビング方向53と直交する方向と平行になるように、層間絶縁膜63と第1基板41との間に配置されている。第1基板41の法線方向から見て付加容量配線103と重なる位置では、画素電極透過部58の延在部と画素電極反射部57とが調整層49を介して重なり合っている。反射部57と透過部58延在部との間の調整層49にはコンタクトホール105が設けられており、画素電極透過部58の延在部と画素電極反射部57とはコンタクトホール105を介して接続されている。このような主基板部101を備えた第2の実施の形態の両用型の液晶表示素子を有する両用型LCDは、第1の実施の形態の両用型LCD31の液晶表示素子33を、第2の実施の形態の液晶表示素子に置換えた構成になっている。
【0092】
付加容量配線103は一般的に遮光性を有する導電性材料から形成されるので、付加容量配線103が配置された領域を透過領域72として用いることは難しい。このために第2の実施の形態では、画素電極反射部57が「H」状に形成されており、付加容量配線103が配置された領域は反射領域71に含まれている。この結果単一の画素領域52において、透過領域72は、上端が画素領域52の上端73と重なっている第1領域111と、一端が画素領域52の下端74と重なっている第2領域112との2つに分断されている。
【0093】
調整層49は、第1配向膜45にある逆ラビング方向55に対向する壁面の数をできるだけ減少させるために、ラビング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47A,47Bが配置された領域113において、第1配向膜45表面の第1基板41表面からの高さが等しい部分が連続するように、調整層49は形成される。このために調整層49の開口部50は、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47A,47Bにまたがっている。
【0094】
図5の構成では、具体的には、下側画素領域52Bの第1領域111と上側画素領域52Aの第2領域112とが、該2つの画素領域52A,52B間にある透過境界領域76とそれぞれ接しているので、これら3つの領域111,112,76が連続し単一領域を形成している。調整層49の開口部50は、第1基板41の法線方向から見て、これら3つの領域111,112,76から形成される単一領域と重なっている。これによって、上側および下側画素電極52A,52Bが配置された領域113内の第1配向膜45表面内の第1基板41酔う面からの高さが等しい部分は、画素領域52を越えて相互に連続するので、ラビング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画素領域52の間の領域およびその近傍には、逆ラビング方向55に対向する壁面が存在しない。この結果第1配向膜52の単一の画素領域52内にある部分の表面において、逆ラビング方向55に対向する壁面107およびラビング方向53に対向する壁面108は、調整層49の付加容量配線103と重なる部分の端にだけ起因して生じる。
【0095】
図5および図6に示す第2の実施の形態の液晶表示素子の主基板部101と、図9および図10に示す第2従来技術の液晶表示素子の主基板部13とを比較すると、以下の構成に違いがある。第2従来技術の主基板部13では、反射領域の平面形状は「8」の字型なので、調整層9は、反射領域7だけでなく、画素領域の四方周囲全体に配置される。この結果第2従来技術の主基板部13の配向膜11の単一画素領域8内にある部分の表面には、逆ラビング方向53に対向する壁面が2カ所存在する。第2の実施の形態の主基板部101では、反射領域71の平面形状は「H」型であり、かつ透過領域72だけでなく透過境界領域76からも調整層49が除かれている。この結果第2の実施の形態の主基板部101の配向膜45の単一画素領域52内にある部分の表面には、逆ラビング方向53に対向する壁面が付加容量配線103上に1カ所だけ存在する。
【0096】
このように第2の実施の形態の主基板部101における逆ラビング方向53に対向する配向膜壁面の数は、第2従来技術の主基板部13における逆ラビング方向53に対向する配向膜壁面の数の半分になっている。これによってこのように第2の実施の形態の主基板部101を有する液晶表示素子におけるディスクリネーションラインが発生する可能性のある箇所は、第2従来技術の主基板部13を有する液晶表示素子におけるディスクリネーションラインが発生する可能性のある箇所よりも半減するので、第2の実施の形態の液晶表示素子の表示品位は第2従来技術の液晶表示素子の表示品位よりも向上する。このように第2の実施の形態の液晶表示素子は、画素電極反射部の面積を従来技術から殆ど変えることなく、画素領域周縁部におけるリバースチルトを防止することができる。
【0097】
なお第2の実施の形態の主基板部101の第1配向膜45には、走査線61の端および画素電極透過部58の端と第1配向膜45とが重なる領域に、逆ラビング方向55に対向する壁面やラビング方向53に対向する壁面が残っている。これら残っている壁面の段差は高々0.1μm以上0.3μm以下の高さであり、液晶層23の透過部の層厚dtが5.0μmであるので、第1の実施の形態で説明した理由に基づき、残っている段差に起因してリバースチルトドメインが発生することはないことが分かっているので、これら段差に起因した表示品位の低下は起こらない。
【0098】
第1および第2の実施の形態の液晶表示素子は、本発明の液晶表示素子の例示であり、主要な構成が等しければ、他の様々な構成で実現することができる。特に液晶表示素子の各構成部品の詳細な構成は、同じ効果が得られるならば、上述の構成に限らず他の構成によって実現されてもよい。
【0099】
たとえば、両用型の液晶表示素子の構成部品のうち、調整層49が反射領域71および反射境界領域76だけに配置されて透過領域72および透過境界領域76から除かれている構成になっていれば、他の部品の構成は第1および第2の実施の形態で説明した構成に限らず、他の構成であってもよい。これによって両用型の液晶表示素子の主基板部の第1配向膜45は逆ラビング方向55に対向する壁面ができるだけ少なくなるように形成されるので、ディスクリネーションラインおよびリバースチルトドメインに起因する両用型LCDの表示品位の低下が抑えられる。
【0100】
また第1および第2の実施の形態の液晶表示素子がTN型またはSTN型になっているので、両用型LCDが偏光板を用いた構成になっているが、液晶表示素子はこれに限らず、他の構成、たとえばGH型であってもよい。両用型LCDが偏光板を用いない構成であっても、第1および第2の実施の形態の両用型LCDと同様に、液晶層透過部の実効的な層厚と液晶層反射部の実効的な層厚とを一致させることが好ましい。すなわち液晶層透過部の第1光路L3通過前後の光の位相差が、液晶層反射部の第2光路L4通過前後の光の位相差と一致するように、液晶層反射部の層厚drを調整層49を用いて調整することが好ましい。たとえば液晶表示素子がGH型である場合、液晶層透過部の実効的な層厚が液晶層反射部の実効的な層厚と一致しているならば、液晶層透過部における二色比と液晶層反射層部における二色比とを合わせることができる。
【0101】
また配向膜45表面の逆ラビング方向55に対向する壁面ができるだけ少なくなるように形成された液晶表示素子は、配向処理としてラビング処理が施された配向膜を有する液晶表示素子であれば、両用型液晶表示素子に限らず、他の型の液晶表示素子、たとえば投射型液晶表示素子であってもよい。さらに除去対象となる配向膜壁面は、調整層49の端を覆う壁面に限らず、配向膜と基板との間のどのような部材の端を覆っていても良い。さらに第1および第2の実施の形態では、段差を除去する対象の配向膜は主基板部33A,101の第1配向膜45を段差除去対象の配向膜としているが、対向基板部33Bの第2配向膜46に、液晶層の画素領域52に対向する部分の最大層厚dtの1割以上の段差を有し逆ラビング方向に対向する壁面が対向基板部33Bの第2配向膜46に生じるならば、主基板部33A,101からの壁面除去手法と同様の手法で、対向基板部33Bから壁面を除去してもよい。
【0102】
第1基板41の法線方向から見て、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47A,47Bの透過領域72が単一の調整層開口部50と重なる場合、上側画素領域52Aの透過領域72の左右の側端から、下側画素領域52Bの透過領域72の左右の側端の延長線までの、ラビング方向53の直交方向の距離は、左右それぞれにおいて、できるだけ短いことが好ましい。これは以下の理由に基づく。上側画素領域52Aの透過領域72の左右の側端が下側画素領域52Bの透過領域72の左右の側端の延長線からずれている場合、開口部50の左右の側端に逆ラビング方向55に対向する部分が存在し、該部分は、配向膜表面に逆ラビング方向55に対向する壁面が生じる原因になる。上側画素領域52Aの透過領域72の左右の側端から下側画素領域52Bの透過領域72の左右の側端延長線までの左右方向の距離が小さいほど、開口部50の左右の側端の逆ラビング方向55に対向する部分が小さくなるので、逆ラビング方向55に対向する配向膜壁面が小さくなり、液晶分子の配向に与える影響が小さくなる。
【0103】
第1および第2の実施の形態の液晶表示素子において、調整層49の開口部50の左右の側端のうちの少なくとも一方は、ラビング方向53と略平行になっていることが最も好ましい。調整層49の開口部50の左右の側端をラビング方向53と略平行にするには、上側画素領域52Aの透過領域72の左右の側端から下側画素領域52Bの透過領域72の左右の側端延長線までの左右方向の距離を0にすればよい。これによって、ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの画素電極の間に、ラビング方向の反対方向と対向する配向膜壁面が存在しない。したがって液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を、さらに確実に防止することができる。
【0104】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、液晶表示素子において、第1基板と第1配向膜との間に、開口部を有する層間膜と画素電極とが配置される。また第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁面を、予め定められるラビング方向の反対方向以外の方向に対して対向するように規定する。これによって液晶表示素子の表示品位の低下が防止される。また本発明によれば、液晶表示素子において、第1基板側の第1配向膜に、層間膜に起因しかつラビング方向およびラビング方向の反対方向に対向する壁面の両方が存在しない。これによって前記反対方向に対向する壁面の原因になる層間膜の端を、容易かつ完全に無くすことができる。
【0105】
また以上のように本発明によれば、液晶表示素子において、ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの各画素電極が配置された領域内にある前記第1配向膜の基板表面から高さが等しい部分が連続するように、層間膜の開口部は設けられている。このように液晶表示装置は、ラビング方向の反対方向に対向する壁面をできるだけ減らすように構成されているので、液晶表示素子は、表示品位の低下を確実に防止することができる。
【0106】
さらにまた以上のように本発明によれば、液晶表示素子において、層間膜の開口部は、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極にまたがるように形成されている。これによって画素電極と層間膜とが重ならない領域が画素毎に独立しないで連続しているので、液晶表示素子はラビング方向の反対方向に対向する壁面をできるだけ減らすように構成されている。ゆえに液晶表示素子の表示品位の低下が確実に防止される。そして層間膜の開口部は、前記ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極のうちのラビング方向側にある一方画素電極のラビング方向側の端から、該2つの画素電極のうちの該反対方向側にある他方画素電極の該反対方向側の端に至っている。これによって液晶表示素子は、表示品位の低下をさらに防止することができる。さらにまた本発明によれば、液晶表示素子において、層間膜の開口部のラビング方向に直交する方向側の端は、ラビング方向に略平行になっている。これによって液晶表示素子は、表示品位の低下を、さらに確実に防止することができる。また本発明によれば、液晶表示素子において、第1基板側の第1配向膜のラビング方向の反対方向に対して対向している壁面の段差は、0より大きく、かつ液晶層の画素電極に対向する部分の最大層厚の1割未満の値になっている。これによって液晶表示素子は、表示品位の低下を確実に防止することができる。
【0108】
さらにまた本発明によれば、液晶表示素子は透過反射両用型であり、層間膜は、表示に用いる光の光路の通過前後の光の位相差の整合に用いられている。層間膜に起因しラビング方向の反対方向に対向する壁面の発生ができるだけ抑えられているので、両用型の液晶表示素子は表示品位の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である液晶表示素子33が有する主基板部33Aの1画素分の領域およびその周囲の拡大部分平面図である。
【図2】図1の液晶表示素子33を備えた両用型LCD31の部分拡大断面図である。
【図3】図1の液晶表示素子33の主基板部33Aの2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大部分平面図である。
【図4】図3の液晶表示素子33の主基板部33Aの1画素分の領域のD−D断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である液晶表示素子が有する主基板部101の2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大部分平面図である。
【図6】図5の液晶表示素子の主基板部101の1画素分の領域のE−E断面図である。
【図7】第1従来技術の液晶表示素子が有する主基板部1の2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大部分平面図である。
【図8】図7の液晶表示素子の主基板部1の1画素分の領域のA−A断面図である。
【図9】第2従来技術の液晶表示素子が有する主基板部13の2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大部分平面図である。
【図10】図9の液晶表示素子の主基板部13の1画素分の領域のB−B断面図である。
【符号の説明】
41 第1基板
42 第2基板
43 液晶層
45 第1配向膜
46 第2配向膜
47 画素電極
48 対向電極
49 調整層
50 調整層の開口部
52 画素領域
53 ラビング方向
55 ラビング方向の反対方向
54 第1配向膜の端面
57 画素電極の反射部
58 画素電極の透過部
71 画素領域の反射領域
72 画素領域の透過領域
75 反射境界領域
76 透過境界領域
dt 液晶層の画素電極に対向する部分の最大層厚

Claims (7)

  1. 間隔を空けて相互に対向する第1基板および第2基板と、
    第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、
    第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、
    第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電極と、
    第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向する対向電極と、
    第1基板と第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間膜とを含み、
    第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程とによって製造され、
    層間膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、
    前記第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁面を、予め定められるラビング方向の反対方向以外の方向に対して対向するように規定することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記第1配向膜の壁面は、前記ラビング方向の反対方向およびラビング方向以外の方向に対して対向していることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 層間膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、
    ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極が配置された領域内にある第1配向膜表面の第1基板表面からの高さが等しい部分は、連続していることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  4. 間隔を空けて相互に対向する第1基板および第2基板と、
    第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、
    第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、
    第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電極と、
    第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向する対向電極と、
    第1基板と第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間膜とを含み、
    第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程とによって製造され、
    前記層間膜の開口部は、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極にまたがって重なっており、前記層間膜の開口部は、前記ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極のうちのラビング方向側にある一方画素電極のラビング方向側の端から、該2つの画素電極のうちの該反対方向側にある他方画素電極の該反対方向側の端に至っていることを特徴とする液晶表示素子。
  5. 前記層間膜の開口部のラビング方向に直交する方向側の端は、ラビング方向と略平行であることを特徴とする請求項4記載の液晶表示素子。
  6. 前記第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁面のうち、前記ラビング方向に対して対向している壁面の段差は、前記液晶層の前記画素電極に対向する部分の最大層厚の1割未満であることを特徴とする請求項4記載の液晶表示素子。
  7. 前記画素電極は、光を透過する透過部と、前記液晶層側から到来する光を反射する反射部とから構成され、
    前記層間膜は、前記画素電極の反射部と前記第1基板との間に配置され、
    前記層間膜の開口部は、前記画素電極の透過部と重なり、
    前記第1基板と前記画素電極透過部と前記液晶層と前記対向電極と前記第2基板とを順次通過する第1光路を通過した光、および前記第2基板と前記対向電極と前記液晶層とを通過し前記画素電極反射部で反射されて前記液晶層と前記対向電極と前記第2基板とを再通過する第2光路を通過した光のうちの少なくとも一方が、表示に用いられ、
    第1光路の通過前後の光の位相差と第2光路の通過前後の光の位相差とが一致するように、前記層間膜の膜厚が設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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