JP3608167B2 - 人工生体材料 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、人工骨、人工骨充填材などに好適な人工生体材料に関する。
【0002】
【背景技術】
骨欠損部等を修復する人工生体材料として、金属、セラミックス材料が知られている。例えばチタン、チタン合金、コバルト−クロム合金、ステンレスなどの金属、アルミナ、ジルコニア、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム(TCP)等からなる材料は、生体親和性に優れた材料として知られている。これらの生体親和性に優れた材料を生体内の骨欠損部に埋入すると、数週間から数ヶ月間で自家骨(自然骨)と化学的に結合する。治癒期間の短縮の点から、これら人工骨と自家骨の早期の接合(結合:融合)が望まれていた。
【0003】
このような事情から、生体親和性だけでなく、生体活性をも有する材料が求められており、例えばアパタイト(Ca10(PO4)6OH2)、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)等のリン酸カルシウム系結晶、酸化チタン(粒状)、シリカゲルなどの表面にOH基、COOH基などの親水基を有した被膜が形成された人工生体材料が提案されている(特開平6−23030号公報等)。
【0004】
しかし、これらの生体材料においても未だ生体活性が十分でなく、自然骨と結合するのに長時間を要した(4〜8週間:上記公報表1〜3参照)。このため初期固定の際、金属ワイヤ、プレート等の治具を用いる必要がある等の問題点があり、さらに短期間で自然骨と結合可能な人工生体材料の出現が希求されている。
【0005】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、高い生体活性を有し、自然骨と従来に比して短期間で結合可能な人工生体材料を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的(課題)を解決するために、本発明者らは、鋭意開発に努力をした結果、酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体が高い生体活性を有することを見出し、また、該ナノチューブ体に金属イオン、リン酸イオン、チタン系複酸化物から選ばれた一種以上を担持させれば、さらに生体活性が高性能化されることを見出して、各請求項記載の人工生体材料及び複合人工生体材料に想到した。
【0007】
酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体は、骨形成に重要な役割を果たす膠原細繊維と同様の形状をしておりアパタイト結晶の早期の析出が見込まれること、200〜400m2/gの大きな比表面積を有し、かつその表面に多くのOH基を有しており生体との馴染みが良いため、骨欠損箇所に埋植した場合、従来の酸化チタン(粒状など)では考えられなかった生体親和性及び生体活性を有し、短期間で自然骨と結合することが可能となった。
【0008】
そして、酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体に生体中に含まれる金属イオン又はリン酸イオンを担持させることにより、生体内でこれらのイオンが除放されて人工生体材料近傍のイオン濃度が高くなることで、アパタイト結晶に対する過飽和度が大きくなるため、アパタイト結晶が析出し易くなる。このことは、生体骨が、このアパタイト結晶を介して材料と結合するので好ましい。
【0009】
特に、金属イオンとしてCaを担持することが望ましい。形成成分である酸化チタンにCaが担持されているため、生体中に埋入すると、人工生体材料付近の骨に対する過飽和度が大きくなるのみならず、Caイオンと体液中のリン酸イオン(PO4 2−)が反応して材料表面に生体類似のアパタイトが生成し易くなり、後述の試験例(実施例)で示す如く、Caイオンが担持されていない場合に比べて、極めて短期間のうちに自然骨(自家骨)と結合する。
【0010】
ナノチューブ体表面に担持される金属イオンの形態としては、ナノチューブ体を構成する酸化チタンの結晶構造に影響(変化)を与えずに化合物(例えば、水酸化物等)の形態で付着/吸着(配位を含む。)しているものばかりでなく、上記ナノチューブ体の酸化チタンの結晶構造に実質的な影響(変化)を与えるチタン系複酸化物の形態で担持されているものも含む。チタン系複酸化物としては、例えば、2K2O・11TiO2・3H2O、CaO・TiO2を挙げることができる。
【0011】
上記酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体は、例えば、外径:5〜80nmのものを用いることができる。
【0012】
上記金属イオン、リン酸イオン、チタン系複酸化物の担持は、酸化チタン及び又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体を生体に含まれる無機イオン(金属イオンとリン酸イオン)を含有する水溶液により行う。この水溶液は、単独の金属イオンあるいはリン酸イオン成分から構成される水溶液、また金属イオン及びリン酸イオンの複数成分から構成される水溶液でもよい。また、ナノチューブ体へのイオン担持は、異なる金属イオン及び/又はリン酸イオンから構成される水溶液を用いて繰り返しおこなってもよい。
【0013】
上記イオンの酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体への担持は、好ましくは、濃度0.1〜10mol/Lの金属イオン及び/又はリン酸イオンを含む水溶液で、温度:室温〜80℃の条件下で行う。
【0014】
本発明は、基材上に前記ナノチューブ体を全成分又は主体成分とするナノチューブ体層が全面又は部分的に形成されてなる複合人工生体材料とすることもできる。
【0015】
該複合人工生体材料のより好ましい構成は、それぞれ、下記の如くになる。
【0016】
▲1▼酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体に、金属イオン、リン酸イオン、チタン系複酸化物から選ばれた一種以上が担持されてなるものであることを特徴とする複合人工生体材料。
【0017】
▲2▼基材が、チタン、チタン合金、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム系材料、酸化チタンのいずれかであることを特徴とする。
【0018】
上記構成のないし上記製造方法で製造した本発明の人工生体材料又は複合人工生体材料は、極めて高い生体活性を示すため、短期間で自然骨と強固に結合することができる。このため初期固定の際に治具を用いる必要がなく、人工骨さらには充填骨として好適である。
【0019】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の人工生体材料は、酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体を全成分又は主体成分(機能成分)とするものであるが、望ましい機能は、ナノチューブ体に生体内に存在する金属イオン、リン酸イオン、チタン系複酸化物から選ばれた一種以上が担持されてなることを特徴とするもの、特に、金属イオンとしてCaを担持させたものが最良の形態である。
【0020】
なお、ナノチューブ体を主体成分(機能成分)にするとは、ナノチューブ体に他の生体材料、例えばポリ乳酸、コラーゲン、ジルコニア、アルミナ、リン酸カルシウム系結晶などを混合したものをいう。
【0021】
ここで、ナノチューブ体としては、特開平10−152323号公報で提案されている酸化チタンからなるナノチューブ体、チタニア系複酸化物からなるナノチューブ体、あるいはこの双方からなるナノチューブ体でもよいが、ナノチューブ体は(例えば、外径5〜80nm、内径3〜70nm)、比表面積が大であり、生体内に埋入したとき、体液と接する面積が大きくなり短期に自然骨(自家骨)との接合が可能となることから望ましい。
【0022】
酸化チタンナノチューブ体の製造は、結晶チタニアをアルカリ処理して製造する。具体的には、NaOH水溶液のNaOH濃度:13〜65wt%×温度:18〜160℃×時間:1〜50時間、望ましくはNaOH濃度:18〜55wt%×温度:18〜120℃×時間:1〜50時間、さらに望ましくは、NaOH濃度:30〜50wt%×温度:50〜120℃×時間:2〜20時間の条件下で行う。
【0023】
また、本発明で使用する酸化チタンナノチューブ体は、上記公報に記載されている如く、当該アルカリ処理(水洗浄を含む)後、図1で示す如く、中和処理・水処理(洗浄)をおこなったものでもよいが、当該工程(図中の〔 〕工程)を経ないで製造したものでもよい。金属イオン又はリン酸イオンを担持する場合、中和処理の段階で各イオンを含有する水溶液を用いると(この段階で金属イオンを担持すると、ナノチューブに取り込まれるイオン量が増大する。この時、チタン酸カルシウム等の複酸化物が形成されやすくなる。このため、酸化チタンナノチューブ体の全体又はその一部が、チタン酸カルシウムなどのチタン系複酸化物のナノチューブ体に変わる。このことは、Ca以外の金属を用いても同様である)、各イオンがナノチューブ内に取り込まれ易くなり、担持量を大きくできる。
【0024】
金属イオンとしては、Ca、Na、K等を挙げることができる。それらをナノチューブ体に担持させる場合、通常、水溶性の大きい塩化物、酢酸物、硝酸物などが望ましい。例えば、Caの場合、塩化カルシウム(CaCl2)、硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)、酢酸カルシウム(Ca(CH3COO)2)水溶液が望ましいが、人体に悪影響を与えない他のCa化合物(カルシウム塩)なら任意である。例えば、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム等を挙げることができる。Na、Kについても同様である。
【0025】
担持処理の条件は、例えば塩化カルシウム水溶液を使用して浸漬処理する場合、CaCl2の濃度を1〜50wt%×温度:室温〜80℃×時間:5分〜24時間、望ましくは濃度:2〜35wt%×温度:室温〜60℃×時間:5分〜5時間とする。なお、担持の方法は、他の慣用手段、例えば、噴霧(スプレー)などによってもよい。
【0026】
チタン系複酸化物の担持は、上記方法により金属イオンを担持した後、200〜800℃で加熱処理をすることによりなされる。
【0027】
上記方法で作製した酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなるナノチューブ体をそのまま骨欠損箇所、治療箇所に適用(埋入)する利用法の他、上記ナノチューブ体粉末を所望の形にプレス成型することも可能である。更にはプレス体を温度:200〜1200℃×時間:10〜400分、望ましくは300〜800℃×60〜160分の条件で加熱処理(焼成処理)を行うことにより高強度のナノチューブ体からなる成形体を得ることができる。さらに焼結体にイオン担持してもよい。イオンの担持法は、上記で示した方法と同様の方法で行うことができる。
【0028】
次に、本発明の別態様である複合人工生体材料について説明をする。
【0029】
図2に示す如く、基材12上にナノチューブ体14を全成分又は主体成分とするナノチューブ体塗膜(ナノチューブ体層)16が全面又は部分的に形成したものである。
【0030】
ここで基材12としては、生体為害性のないものなら特に限定されない。例えば、酸化チタン、チタン、チタン合金、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム系材料等を好適に使用可能である。これらのうちで、チタンの上にチタニア層(酸化チタン層)を形成したものが、同じく酸化チタン及び/又はチタン系複合酸化物からなるナノチューブ体との密着性(シンタリングによる)を確保して望ましい。
【0031】
そして、ナノチューブ体層(被膜)の形成は、前記と同様にして調製したナノチューブ体(イオン担持処理したものを含む。)の分散液を塗布(浸漬、スピンコート)した後、焼成して行う(図3参照)。この場合の焼成温度は、例えば温度:300〜800℃×時間1〜3時間とする。なお、塗布の代わりに、溶射によりナノチューブ体を被膜してもよい。また、ナノチューブ体層の厚みは通常10nm〜10μm程度とする。
【0032】
なお、ナノチューブ体としてイオン担持処理していないものを使用する場合には、後工程としてイオン担持処理(図中の〔 〕工程)を行ってもよい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の効果を確認するために行った各実施例及び比較例について説明をする。
【0034】
<ナノチューブ体の調製>
各実施例におけるナノチューブ体は、以下方法により調製したものである。
【0035】
図1に示す如く、市販各酸化チタン粉末、あるいはゾルゲル法で作製した酸化チタン粉末を原料として、
▲1▼アルカリ浸漬処理した後、蒸留水で洗浄する。
【0036】
▲2▼アルカリ浸漬処理、蒸留水による洗浄に引き続きHCl、CaCl2などの水溶液による中和処理、蒸留水で洗浄する。
【0037】
ことで、ナノチューブ体(外径約8nm×肉厚約1.5nm)を調製した。
【0038】
中和処理に金属イオンを含んだ水溶液を用いると、例えばCaCl2水溶液を用いた場合、Ca−Ti−Oからなるチタン系複酸化物を形成し易くなる。
【0039】
なお、「ゾルゲル」と表示した原料である酸化チタン粉末は、以下方法により調製したものである。
【0040】
(1−x)TiO2・SiO2(x=0.8)のモル比となるように、テトライソブトキシチタン及びテトラエトキシシランをエタノール及び水で溶解混合した加水分解ゾルを、希塩酸(0.1N)を加水分解触媒として、アルコキシド100mL、水100mLに対して8mL加えて加水分解後、150h放置してゲル化させた。該ゲル化物を、600℃×2hの条件で電気炉により加熱処理を行った。そして、該加熱処理体をアルミナ乳鉢で粉砕してチタニア粉末(粒径<320メッシュ:DIN)を調製した。
【0041】
<実施例1>
図1の方法に基づいて、ナノチューブ体を合成した。ゾルゲル法で作製した酸化チタン粉末を、表示の条件で化学処理した後、0.1MのHCl水溶液中で中和処理した後、洗浄処理を行って得た(イオン担持をしない)酸化チタンナノチューブ体を表1に示す条件で調製し、実施例1の人工生体材料とした。
【0042】
<実施例2>
図1の方法に基づいて、ナノチューブ体を合成した。表1・2・3に示す各条件で調製した各ナノチューブ体を、同じく各条件の水溶液中に浸漬して、ナノチューブ体に各イオンを担持させた。そして、蒸留水を用いて、各イオン担持量が表示濃度(担持イオン濃度:wt%)になるまで洗浄して各実施例の人工生体材料を調製した。
【0043】
イオン濃度は、得られたナノチューブ体を塩酸などで溶解し溶液とした後、原子吸光分析(AAS:Atomic Absorption Spectroscopy)及び誘導結合プラズマ法(ICP:Inductive Coupled Plasma)により、粉末中に含まれるNa、K、Ca、Ti、Si、Pなどのイオン量を測定することにより求めた。
【0044】
実施例2−1、2−4のナノチューブ体は、中和処理したチューブ体の一部又は全体が酸化チタン系複酸化物より構成されている。
【0045】
実施例2−7〜2−9は、異なるイオンから成る水溶液を用いて2回のイオン担持処理を行った。実施例2−10は、KとCaイオンを含んだ水溶液(混合液)を用いてイオン担持処理を行った。実施例2−11は、アルカリ処理、水洗浄、中和処理、水洗浄を行って酸化チタンナノチューブ体を合成した後、Caイオンの担持をした。このイオン担持試料を、500℃で焼成し、ナノチューブ表面層にチタン系複酸化物を担持させた。
【0046】
<実施例3>
図1の方法に基づいて、Caイオンの担持をしたナノチューブ体を表3に示す条件で合成した。該ナノチューブ体の分散溶液(濃度:1g/50mL)を基材(チタン金属板)に対して浸漬塗布を行った後、500℃で400分の条件で焼成を行った(担持処理なしの図3に基づく)。基材は、チタン金属板(20mm□×1mmt)を400℃、2時間大気中で熱処理して表面にチタン酸化物層を形成したものである。
【0047】
<評価試験>
上記で調製した各実施例及び比較例を試料とし、下記擬似体液中に1日浸漬して擬似骨生成能力を、擬似骨の生成量で評価した。
【0048】
擬似体液・・・組成(単位mM/L)Na+:142.0,K+:5.0、Mg2+:2.5,Ca2+:2.5,Cl−:147.8,HCO3 −:4.2,HPO4 2−:1.0,SO4 2−:0.5
pH:7.40、温度:36.5℃
生成量の測定及びその評価基準はそれぞれ下記の如くとした。
【0049】
▲1▼生成量測定方法:走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electric Microscopy)
擬似生体液に浸漬した試料を取り出し、水洗・乾燥した後、顕微鏡観察した。観察視野中に存在する擬似骨を目視により評価した。
【0050】
▲2▼評価基準:
×・・・生成せず、△・・・全体の約50%前後、○・・・全体の80%前後、
◎・・・全体の約100%
上記(in vitro)試験の評価結果を表1に示すが、各実施例のCa、K、Na等の金属イオンを又はリン酸イオン(PO4 3−)を担持した試料は、比較例1・2の無担持試料および比較例3の市販のチタニアにCaイオンを担持させた場合と比べ骨形成能力に著しく優れていることが分かる。
【0051】
特に、原料粉末結晶型がアナタ−スに限ってみると、Caイオンを担持(中和処理による担持を含む。)させた実施例2−1・4・6及び実施例3は、Caを担持していない実施例1に比しては勿論、そうでないCa以外のイオン(カリウム又はリン酸)を担持させた実施例2−2・3に比しても、骨形成能力に優れていることが分かる。
【0052】
また、原料粉末結晶型がアナタース/ルチルの場合、Caイオンを担持させた実施例2−5・7は、アナタ−スにCa以外のイオンを担持させた実施例2−2・3と骨形成能力は同等であるが、Ca及びリン酸イオンの双方を担持させた実施例2−9は骨形成能力に優れていることが分かる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
さらに、実施例2−6の試料をラットの大腿骨に人為的に形成した欠陥部に挿入し、手術後の経過を観察した。それらの結果、術後1〜2週間以内で自然骨との結合(融合)が見られた。
【0057】
【産業上の利用可能性】
以上、本発明を人工骨、人工骨充填剤に適用する場合を例に採り説明したが、本発明の思想は、他の骨以外の組織(軟骨)における生体材料としての適用も期待できるものである。その場合は、生体親和性のある天然又は合成高分子材料を基材とし、該基材上に酸化チタン層を例えば前述の如く物理的薄膜形成法により形成する。合成高分子としては、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリル酸メチル、超高分子量PE等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工生体材料の製造流れ図である。
【図2】本発明の複合人工生体材料のイメージ図である。
【図3】本発明の複合人工生体材料の製造流れ図である。
【符号の説明】
12・・・基材
14・・・酸化チタン層
16・・・ナノチューブ体層
Claims (10)
- 骨形成能が要求される、人工骨又は人工骨充填材として使用する人工生体材料であって、酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなり、外径:5〜80nmのナノチューブ体を全成分又は主体成分とすることを特徴とする人工生体材料。
- 前記ナノチューブ体に、さらに、金属イオン、リン酸イオン、チタン系複酸化物から選ばれた一種以上が担持されてなることを特徴とする請求項1記載の人工生体材料。
- 前記金属イオンとして、カルシウム、ナトリウム、カリウムから選ばれた一種以上が担持されてなることを特徴とする請求項2記載の人工生体材料。
- 請求項2記載の人工生体材料を製造する方法であって、前記ナノチューブ体を、金属イオン及び/又はリン酸イオンの含有水溶液と接触させて前記各イオンの担持を行うことを特徴とする人工生体材料の製造方法。
- 骨形成能が要求される、人工骨又は人工骨充填材として使用する複合人工生体材料であって、基材上に酸化チタン及び/又はチタン系複酸化物からなり、外径:5〜80nmのナノチューブ体を全成分又は主体成分とするナノチューブ層が前面又は部分的に形成されてなることを特徴とする複合人工生体材料。
- 前記ナノチューブ体に、さらに、金属イオン、リン酸イオン、チタン系複酸化物から選ばれた一種以上が担持されてなることを特徴とする請求項5記載の複合人工生体材料。
- 前記金属イオンとして、カルシウム、ナトリウム、カリウムから選ばれた一種以上が担持されてなることを特徴とする請求項6記載の複合人工生体材料。
- 前記基材が、チタン、チタン合金、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム系材料、酸化チタンのいずれかであることを特徴とする請求項5記載の複合人工生体材料。
- 請求項1記載の人工生体材料を製造する方法において、前記チタン系複酸化物からなるナノチューブ体を、結晶チタニアをアルカリ処理した後、中和処理の段階で金属イオン又はリン酸イオンを含有する水溶液を用いて製造することを特徴とする人工生体材料の製造方法
- 請求項5記載の複合人工生体材料を製造する方法において、前記チタン系複酸化物からなるナノチューブ体を、結晶チタニアをアルカリ処理した後、中和処理の段階で金属イオン、リン酸イオンを含有する水溶液を用いることを特徴とする複合人工生体材料の製造方法。
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