JP3607881B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はインバータ装置に関し、特に、太陽電池などの独立した直流電源が発生する直流電力を交流電力に変換し、家庭用,事務用の一般交流負荷あるいは既存の商用電力系統に電力を供給するインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電源である太陽電池は、太陽の日射強度がある場合には直流電力を出力する。それは二次電池などの他のエネルギー源を介在しなくても太陽電池のみで直流電力を出力でき、有害な物質を排出しないため、シンプルでクリーンなエネルギー源として知られている。
【0003】
この太陽電池が発生する直流電力を交流電力に変換して一般交流負荷、あるいは既存の商用電力系統に電力を供給するインバータ装置からの電力データを表示する装置として、インバータ外部に電力計を含んだモニタシステムを設けた表示装置が、たとえば特開平10−201106号公報に記載されている。
【0004】
図4はそのようなモニタシステムの従来例を示す概略ブロック図である。図4において、インバータ101は、太陽電池102から出力された直流電力を商用電力系統103と同一の位相および周波数50/60Hzを持つ交流電力に変換して商用電力系統103もしくは家庭内電気負荷104に供給する。モニタシステム105は電力計測部106と表示部107とから構成され、さらにはRS232C通信回線によりパーソナルコンピュータ108に出力できる。
【0005】
モニタシステム105は複数の電力計を電力計測部106に有しており、電力計測部106ではインバータ101から出力された交流電力を分電盤109を介して計測し、商用電力系統103からの買電電力および売電電力を分電盤109を介して計測している。そして、計測されたその電力を表示部107に表示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の手法では、建造物屋内にモニタシステム105を設置するためのスペースを専用に設ける必要がある。また、モニタシステム105として専用の表示装置と複数の電力計を設ける必要があり、システム全体のコストアップにつながるおそれがある。さらに、表示装置に表示されるデータは電力などに制限されており、またモニタシステム単体ではデータを自由に加工したりすることができなかった。さらに、パーソナルコンピュータをモニタシステムに接続するとデータの加工は可能となるが、モニタシステムとパーソナルコンピュータとを結んでいるRSC232C通信回線は最長でも10m程度であり、パーソナルコンピュータの設置場所はモニタシステムの近くに限定されるという不便さがあった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、インバータ装置と既設されている外部ネットワークとのデータ送受信機能に関して、建造物の屋内に専用の設置スペースを設けることなく、また専用の電力計および表示装置を必要とせず、装置全体のコストダウンを図り、インバータから外部へ出力するデータは電力データに制限されず、自由にデータ加工を行なうことができ、さらにインバータが建造物の屋外に設置されてもデータの送受信が可能なインバータ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るインバータ装置は、直流電源の電力をスイッチング回路の開閉動作により交流電力に変換し、負荷あるいは既存の商用電力系統に供給するインバータ装置において、外部からの要求に応じて内部データを出力するデータ出力手段を備え、データ出力手段は、直流電源から入力された直流電力の瞬時値を演算する第1の演算手段と、直流電力を変換した交流電力の瞬時値を演算する第2の演算手段と、交流電力の積算値を演算する第3の演算手段と、インバータの状態を監視する監視手段と、第1,第2,第3の演算手段および監視手段によって演算されたデータを記憶するデータ記憶手段と、外部からの送信要求を受信する受信手段と、データ記憶手段に記憶されているデータを外部へ通信回線を介して送信する送信手段とを含み、第3の演算手段によって演算される交流電力の積算値は外部から任意の値に設定可能であることを特徴とする。
【0009】
これにより、たとえば外部ネットワークにインバータ内部データを出力できるため、外部ネットワークで自由にインバータ内部のデータの表示や加工が可能となる。また、外部に電力計などの専用装置を用いることなくインバータ装置内部データを入手できるので、装置全体のコストダウンを図ることができ、さらには建造物の屋内に専用の設置スペースを設ける必要がないので、省スペース化を図ることができる。
【0011】
また、外部ネットワークにインバータ内部で演算した瞬時直流電力データや瞬時交流電力データや積算交流電力データおよびインバータの状態データを出力できる。また、瞬時直流電力データと瞬時交流電力データとを外部ネットワークに出力することでインバータの変換効率データを計算できる。また、第3の演算手段で演算する交流電力の積算値を外部ネットワークから任意の値に設定することができる。
【0013】
好ましくは、データ記憶手段に記憶された交流電力の積算値と外部に記憶された交流電力の積算値とが異なる場合は、データ記憶手段に記憶された交流電力の積算値は外部に記憶された前記交流電力の積算値に修正される。
【0014】
これによりインバータ装置を交換した場合に外部ネットワークが記憶している交流電力の積算値とインバータ装置が記憶している交流電力の積算値が異なっても、自動的に外部ネットワークが記憶する交流電力の積算値に修正することができるので、データの継続性を損なうことがない。
【0015】
また、この発明に係る他のインバータ装置は、直流電源の電力をスイッチング回路の開閉動作により交流電力に変換し、負荷あるいは既存の商用電力系統に供給するインバータ装置であって、外部からの要求があったことに応じて内部データを出力するデータ出力手段を備え、データ出力手段は、直流電源から入力された直流電力の瞬時値を演算する第1の演算手段と、直流電力を変換した交流電力の瞬時値を演算する第2の演算手段と、交流電力の積算値を演算する第3の演算手段と、インバータの状態を監視する監視手段と、インバータの運転時に第1,第2,第3の演算手段および監視手段によって演算されたデータを記憶する第1のデータ記憶手段と、インバータの停止時に第1のデータ記憶手段の記憶内容を記憶する第2のデータ記憶手段と、外部からの送信要求を受信する受信手段と、第1のデータ記憶手段に記憶されているデータを外部へ通信回線を介して送信する送信手段とを含むことを特徴とする。
これによりインバータ運転時にはデータを高速に書換えて記憶し、インバータ停止時には直流電源がなくなってもデータを保存することが可能になる。
好ましくは、第1のデータ記憶手段は揮発性メモリであり、第2のデータ記憶手段は不揮発性メモリであり、前記データ出力手段は、さらに、インバータの運転開始時は不揮発性メモリの記憶内容を揮発性メモリに書込み、インバータの運転終了時は揮発性メモリの記憶内容を不揮発性メモリに書込む制御手段を含む。
これによりインバータ運転時にはサンプリングごとにデータを更新する必要があり、データ記憶に揮発性メモリを使用することで、データを高速に書換えて記憶することができ、またインバータ停止時にはデータ保存に不揮発性メモリを使用することで、直流電源がなくなってもデータを消失することがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態のインバータ装置を示す回路図である。図1において、インバータ装置1は太陽電池2から出力された直流電力を商用電力系統3と同一の位相および周波数50/60Hzを持つ交流電力に変換し、分電盤27を介して商用電力系統3および電気的負荷4に供給する。
【0019】
インバータ装置1は逆流防止ダイオード5と、直流コンデンサ6と、DCヒューズ7と、高周波インバータブリッジ8と、高周波トランス9と、ダイオードブリッジ10と、フィルタ回路11と、低周波インバータブリッジ12と、ACフィルタ13と、ACヒューズ14と、連係リレー15と、インバータ入力電流検出器16と、インバータ出力電流検出器17と、制御回路18とを有している。
【0020】
逆流防止ダイオード5はインバータ装置1側から太陽電池2側に直流電流が逆流するのを防止する。直流コンデンサ6は太陽電池2から入力される直流電力の変動を抑制する。DCヒューズ7は短絡時などに直流コンデンサ6から定格以上の電流が流れた際に電力を遮断してインバータ装置1を保護する。高周波インバータブリッジ8はインバータ装置1に入力された直流電力を高周波交流電圧(数十〜数百kHz)に変換する。
【0021】
高周波トランス9は太陽電池2側(1次側)と商用電力系統3側(2次側)とを絶縁するものであり、ダイオードブリッジ10は高周波トランス9の2次側に出力された高周波交流を整流する。フィルタ回路11は互いに並列に接続されたDCリアクトル11aおよびコンデンサ11bとによって構成されており、整流波形に含まれる高周波成分の除去および平滑を行なう。低周波インバータブリッジ12はフィルタ回路11の後段に接続されて全波整流形状の直流を低周波(50/60〜数百Hz)で折返し制御を行ない、低周波の正弦波交流を形成する。
【0022】
ACフィルタ13はACリアクトル13aとコンデンサ13bとから構成されて高調波成分の吸収を行なっており、ACヒューズ14は短絡時などに商用電力系統3から定格以上の電流が流れた際に電流を遮断してインバータ装置1を保護している。連係リレー15は商用電力系統3側との連係および切り離しを行なっている。インバータ入力電流検出器16は直流コンデンサ6の前段でインバータ入力電流信号Iinを検出して制御回路18に出力する。インバータ出力電流検出器17は低周波インバータブリッジ12の後段でインバータ出力電流信号Ioutを検出して制御回路18に出力する。
【0023】
制御回路18はインバータブリッジ制御系18aとインバータ内部データ制御系18bとから構成されている。インバータブリッジ制御系18aは太陽電池2からの入力電力に基づいてPWM変調制御を行なって高周波インバータブリッジ8の4つのスイッチング素子Q1〜Q4に制御信号を与え、これらのスイッチング素子Q1〜Q4をオン/オフ制御する。インバータブリッジ制御系18aは連係リレー15の前段から検出されたインバータ出力電圧信号(交流電圧)Voutに基づいて、低周波インバータブリッジ12の4つのスイッチング素子S1〜S4をオン/オフ制御する。インバータデータ制御系18bはインバータ装置1の内部データDoutを外部ネットワーク上のマルチ回線ルータ19に出力する。
【0024】
図2はインバータデータ制御系18bのより具体的なブロック図である。図2において、インバータデータ制御系18bは太陽電池2から入力された直流電力を演算する瞬時直流電力演算部20と、直流電力を変換した交流電力の瞬時値を演算する瞬時交流電力演算部21と、交流電力の積算値を演算する積算交流電力演算部22と、インバータの状態を監視する状態監視部23と、これら演算部や監視部からのデータを記憶するデータ記憶部24と、マルチ回線ルータ19からの通信要求を受信する送信要求受信部25と、インバータ装置1の内部データをマルチ回線ルータ19へ通信回線を介して送信するデータ送信部26とを含む。
【0025】
図3はこの発明の一実施例の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、上記構成のインバータ装置1の制御回路18におけるインバータデータ制御系18bの動作について、図1〜図3を参照して説明する。通常、1日の朝方時に日射強度がだんだんと強くなり、図3に示すステップ(図示ではSPと略称する)SP1において、太陽電池2からの入力電圧Vinがインバータ装置1の起動電圧Vstartを上回ったことを判別すると、インバータ装置1は運転を開始するが、ステップSP2において、運転を開始する直前にデータ記憶部24内の保存メモリ24dに記憶されていた各データを瞬時メモリ24a,積算メモリ24b,状態メモリ24cに書込む。そして、ステップSP3においてインバータ装置1は運転を開始する。
【0026】
日射強度のある昼間時において、インバータ装置1が運転を行なっている間は、ステップSP4において、サンプリングごとに瞬時直流電力演算部20に直流コンデンサ6の両端から検出した直流電圧Vinとインバータ入力電流検出器16から検出した直流電流Iinが入力されて瞬時直流電力データPinが演算され、ステップSP5において、データ記憶部24の瞬時メモリ24aに記憶される。また、瞬時交流電力演算部21にコンデンサ13bの両端から検出した交流電圧Voutとインバータ出力電流検出器17から検出した交流電流Ioutが入力され、瞬時交流電力データPoutが演算されてデータ記憶部24の瞬時メモリ24aに記憶される。さらに、瞬時交流電力データPoutは積算交流電力演算部22に入力され、ステップSP6において積算交流電力データΣPoutが演算され、ステップSP7においてデータ記憶部24の積算メモリ24bに記憶される。
【0027】
また、インバータ装置1の正常または故障などの状態を監視している状態監視部23は、ステップSP8において、インバータ装置1の状態に変化があるか否かを判別し、DCヒューズ7,高周波インバータブリッジ8,高周波トランス9,低周波インバータブリッジ12,ACヒューズ14の部品の中から状態信号が入力されると、ステップSP9においてデータ記憶部24の状態メモリ24cに記憶される。これらのメモリ24a,24b,24cはたとえばRAMという揮発性メモリが使用される。
【0028】
次に、ステップSP10において、マルチ回線ルータ19からの送信要求Srを送信要求受信部25で受信しているか否かを確認する。もし、送信要求Srがなければ、再び順次データおよび積算データの演算を行ない、データ記憶部24にデータを記憶する。もし、送信要求Srがあれば、ステップSP11においてまずその内容が積算交流電力データΣPoutの修正であるか否かを確認する。データ修正でなければ、ステップSP14においてマルチ回線ルータ19からの送信要求Srを受信した送信要求受信部25は直ちにデータ送信部26にマルチ回線ルータ19へデータを送るように指令する。
【0029】
すなわち、データ送信部26はデータ記憶部24内の瞬時メモリ24a,積算メモリ24b,状態メモリ24cに記憶している最新のデータをデータ送信部26に送るように指令し、データ記憶部24から最新のデータを受取る。そして、データ送信部26はステップSP15において、マルチ回線ルータ19にインバータ内部データDoutを出力する。また、送信要求Srが積算交流電力データΣPoutの修正であれば、以下のように処理が行なわれる。
【0030】
すなわち、インバータ装置1がマルチ回線ルータ19へ出力したデータのうち、積算交流電力データΣPoutについてマルチ回線ルータ19が記憶しているデータ値と異なっている場合(たとえばインバータ装置1を交換した場合に外部管理サーバであるマルチ回線ルータ19が記憶している積算交流電力ΣPoutのデータ値とインバータ装置1が出力するデータ値が異なる場合がある。)、ステップSP12およびSP13において、マルチ回線ルータ19からインバータ装置1に積算交流電力データを修正して出力するように送信要求Srが送られてくるが、ステップSP14において送信要求Srを受信した送信要求受信部25は、直ちにデータ送信部26にマルチ回線ルータ19へ修正した積算交流電力ΣPoutのデータを送るように指令する。
【0031】
データ送信部26はステップSP15において、データ記憶部24に記憶している最新の積算交流電力データΣPoutをマルチ回線ルータ19が記憶しているデータ値に修正してデータ送信部26に送るように指令し、データ記憶部24から修正したデータを受取る。そして、データ送信部26はマルチ回線ルータ19に修正したインバータ内部データDoutを出力する。このように、マルチ回線ルータ19が記憶している交流電力の積算値とインバータ装置1が記憶している交流電力の積算値が異なっていても、自動的にマルチ回線ルータ19が記憶する交流電力の積算値に修正することができるので、データの継続性を損なうことはない。
【0032】
次に、ステップSP16において太陽電池2からの入力電圧Vinがインバータ装置1の停止電圧Vstopを下回っているか否かが確認される。下回らない場合は、ステップSP4において再び瞬時データおよび積算データの演算を行なう。もし、下回る場合、すなわち夕方時などの日射強度がだんだんと少なくなり、太陽電池2からの入力電圧Vinがインバータ装置1の停止電圧を下回るとインバータ装置1は運転を停止するが、停止する直前のステップSP17においてデータ記憶部24内の瞬時メモリ24a,積算メモリ24b,状態メモリ24cで更新されていた各データは保存メモリ24dに書込まれて保存される。この保存メモリ24dは、たとえばE2ROMという不揮発性メモリを用いることによりインバータ装置1が停止し、電源が失われてもデータは保存され続け、消失することはない。そして、各データが保存された後にステップSP18においてインバータ装置1は停止する。
【0033】
また、夜間はインバータ装置1が停止しているため、マルチ回線ルータ19から送信要求Srが送られてきてもインバータ装置1は送信することはない。また、商用電力系統3が停電した場合は、インバータ装置1は出力を停止し、商用電力系統3が復電するまで待機状態に入る。このとき、マルチ回線ルータ19は停電しているため、インバータ装置1に送信要求Srが送られてくることはない。
【0034】
次に、インバータ装置1がマルチ回線ルータ19に出力する内部データに関して説明する。出力する内部データのうち、瞬時交流電力データPoutおよび積算交流電力データΣPoutに関しては、同じデータ形式でかつ値が0であるデータを対にしてデータ記憶部24に記憶される。これはマルチ回線ルータ19ではインバータ装置1から入力される瞬時交流電力データPoutおよび積算交流電力データΣPoutの他に、分電盤27から商用電力系統3へ売電される売電電力データPsおよび商用電力系統3から買電する買電電力データPbが入力されており、これら2種類の入力系統の異なるデータをマルチ回線ルータ19で容易に管理するためにしたものであり、瞬時交流電力データおよび積算交流電力データごとに分電盤27からのデータ形式である「売電電力,買電電力」にインバータ装置1からのデータ形式を合わせる。
【0035】
合わせ方については、インバータ装置1からは分電盤27および商用電力系統3へ向かって電力が流れるので、流れる方向が同じ売電電力Psのデータ位置にPoutを、流れる方向が反対の買電電力Pbのデータ位置に0を入れて記憶する。すなわち、分電盤27からマルチ回線ルータ19に入力される瞬時交流電力データ形式が「売電電力Ps,買電電力Pb」とすると、インバータ装置1から出力される瞬時交流電力データ形式は「Pout,0」となる。
【0036】
また、積算交流電力データ形式については分電盤27からマルチ回線ルータ19に入力される積算交流電力データ形式が「売電電力ΣPs,買電電力ΣPb」とすると、インバータ装置1から出力される積算交流電力データ形式は、「ΣPout,0」となる。このように売電電力データの瞬時データと積算データ用として、インバータ装置1から出力される瞬時交流電力データと積算交流電力データには、それぞれ同じデータ形式でかつ0であるデータを組合せる。これにより、マルチ回線ルータ19でインバータ装置1から受取るデータと分電盤27から受取るデータ形式が一致するので、データの取扱がしやすくなる。
【0037】
また、インバータ装置1とマルチ回線ルータ19との間のデータはRS485通信規格に基づいているが、これはRS485規格が最長1km程度まで通信可能なため、インバータ装置1が屋内設置可能な場合においても、屋内に設置されるマルチ回線ルータ19に接続可能である。
【0038】
また、外部ネットワーク上のマルチ回線ルータ19にインバータ装置1の内部データDoutを出力することにより、外部ネットワーク上のシステム管理コンピュータなどでデータを自由に加工して表示することができ、さらに外部ネットワーク上の分電盤27から入力される商用電力系統3および電気的負荷4への売電電力Ps,買電電力Pbとを併せて建造物内の電力管理をすることができる。
【0039】
以上の操作を行なうことにより、インバータ装置内部で演算されたデータを外部ネットワークに出力して省スペース化および低コスト化を図り、出力されたデータは自由に加工することができ、さらにはインバータが建造物の屋外に設置されても屋内の外部ネットワークとデータの送受信が可能なインバータ装置を提供できる。
【0040】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、外部ネットワークにインバータ内部データを出力することができるため、外部ネットワークで自由にインバータ内部データの表示,加工が可能となる。また、インバータ装置外部に電力計などの専用装置を用いることなく、インバータ内部データを入手できるので、建造物の屋内に専用の設置スペースを設ける必要がない。さらに、専用装置を必要としないので装置全体のコストダウンを図ることができる。
【0042】
また、外部のインバータ内部で演算した瞬時直流電力データと瞬時交流電力データと積算交流データとインバータの状態データを出力可能なため、外部ネットワークで自由にインバータ内部データの表示・加工を行なうことができる。また、瞬時直流電力データを外部ネットワークに出力することで、瞬時交流電力データと併せてインバータの変換効率データを求めることができる。
【0043】
さらに、外部ネットワークには交流電力に関してインバータ装置から出力された瞬時および積算データ(売電力)の他に商用電力系統から得られた瞬時および積算データ(買電力)が入力されるため、双方のデータフォーマットを統一させる必要があり、インバータ装置が出力する交流電力の瞬時および積算データに商用電力系統からのデータとしてデータ値0を対にすることにより、外部ネットワークにおけるデータの利便性を向上できる。
【0044】
さらに、交流電力の積算値は外部ネットワークから任意の値を設定可能であるので、インバータ装置を更改した場合に外部ネットワークが記憶している交流電力の積算値とインバータ装置が記憶している交流電力の積算値が異なっても、自動的に外部ネットワークが記憶する交流電力の積算値に修正することができるので、データの継続性を損なうことがない。
【0045】
さらに、インバータ運転時にはデータ保存に揮発性メモリを使用することで瞬時データを高速に書換えて記憶することができ、インバータ停止時にはデータ保存に不揮発性メモリを使用することで、直流電源がなくなってもデータを消失することがない。
【0046】
さらに、RS485規格に基づいた通信回線は最長1km程度まで使用できるため、インバータを建造物の屋内に設置した場合でも屋内にある外部ネットワークに接続することができるので、屋内にインバータを設置するスペースを設ける必要がなく、美観を保つことができる。
【0047】
さらに、直流電源は太陽電池であることにより、昼間時に日射強度がある限り交流電力を発電できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のインバータ装置の回路図である。
【図2】図1に示したインバータデータ制御系の具体的なブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】従来例のインバータ装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 インバータ装置、2 太陽電池、3 商用電力系統、4 電気的負荷、5逆流防止ダイオード、6 直流コンデンサ、7 DCヒューズ、8 高周波インバータブリッジ、9 高周波トランス、10 ダイオードブリッジ、11 フィルタ回路、11a DCリアクトル、11b コンデンサ、12 低周波インバータブリッジ、13 ACフィルタ、13a ACリアクトル、13b コンデンサ、14 ACヒューズ、15 連係リレー、16 インバータ入力電流検出器、17 インバータ出力電流検出器、18 制御回路、18a インバータブリッジ制御系、18b インバータデータ制御系、19 マルチ回線ルータ、20 瞬時直流電力演算部、21 瞬時交流電力演算部、22 積算交流電力演算部、23 状態監視部、24 データ記憶部、24a 瞬時メモリ、24b 積算メモリ、24c 状態メモリ、24d 保存メモリ、25 送信要求受信部、26 データ送信部、27 分電盤。
Claims (4)
- 直流電源の電力をスイッチング回路の開閉動作により交流電力に変換し、負荷あるいは既存の商用電力系統に供給するインバータ装置であって、
外部からの要求があったことに応じて内部データを出力するデータ出力手段を備え、
前記データ出力手段は、
前記直流電源から入力された直流電力の瞬時値を演算する第1の演算手段と、
前記直流電力を変換した交流電力の瞬時値を演算する第2の演算手段と、
前記交流電力の積算値を演算する第3の演算手段と、
前記インバータの状態を監視する監視手段と、
前記第1,第2,第3の演算手段および監視手段によって演算されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記外部からの送信要求を受信する受信手段と、
前記データ記憶手段に記憶されているデータを外部へ通信回線を介して送信する送信手段とを含み、
前記第3の演算手段によって演算される前記交流電力の積算値は外部から任意の値に設定可能であることを特徴とする、インバータ装置。 - 前記データ記憶手段に記憶された前記交流電力の積算値と外部に記憶された前記交流電力の積算値とが異なる場合は、前記データ記憶手段に記憶された前記交流電力の積算値は外部に記憶された前記交流電力の積算値に修正されることを特徴とする、請求項1に記載のインバータ装置。
- 直流電源の電力をスイッチング回路の開閉動作により交流電力に変換し、負荷あるいは既存の商用電力系統に供給するインバータ装置であって、
外部からの要求があったことに応じて内部データを出力するデータ出力手段を備え、
前記データ出力手段は、
前記直流電源から入力された直流電力の瞬時値を演算する第1の演算手段と、
前記直流電力を変換した交流電力の瞬時値を演算する第2の演算手段と、
前記交流電力の積算値を演算する第3の演算手段と、
前記インバータの状態を監視する監視手段と、
前記インバータの運転時に前記第1,第2,第3の演算手段および監視手段によって演算されたデータを記憶する第1のデータ記憶手段と、
前記インバータの停止時に前記第1のデータ記憶手段の記憶内容を記憶する第2のデータ記憶手段と、
前記外部からの送信要求を受信する受信手段と、
前記第1のデータ記憶手段に記憶されているデータを外部へ通信回線を介して送信する送信手段とを含むことを特徴とする、インバータ装置。 - 前記第1のデータ記憶手段は揮発性メモリであり、
前記第2のデータ記憶手段は不揮発性メモリであり、
前記データ出力手段は、さらに、インバータの運転開始時は前記不揮発性メモリの記憶内容を前記揮発性メモリに書込み、前記インバータの運転終了時は前記揮発性メモリの記憶内容を前記不揮発性メモリに書込む制御手段を含むことを特徴とする、請求項3に記載のインバータ装置。
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