JP3607534B2 - 光波長多重装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光波長多重装置に関し、特に変調された光DSB(Double Side Band)信号を光SSB(Single Side Band)信号に変換してから多重化する光波長多重装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光信号伝送、光信号処理技術の発展に伴い、波長多重技術(以下、WDMという)を用いた伝送システムの大容量化を実現することが必要になってきている。ところが、現状の光増幅器の主流であるエルビウム添加光ファイバ増幅器(以下、EDFAという)は、その利得帯域が限られているため、WDMによって大容量化を実現するためには光信号帯域の狭帯域化を行う必要がある。これには、光片側波帯(以下、SSBという)通信方式を用いることが有効であり、従来においては、光SSB信号を作り出すために、光バンドパスフィルタによって一方の側波帯のみを切り出す方法もしくはヒルベルト変換器を用いた方法等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法は種々の問題点を有する。すなわち、前者の方法は、鋭い遮断特性を持つバンドパスフィルタを必要とするが、そのようなフィルタを作製することは困難であった。また、後者の方法は、ヒルベルト変換器を実現するために移相器を用いる必要があるが、信号波が広帯域になった場合に信号帯域全体において移相器の位相シフト量を一様にすることが困難であった。
【0004】
一方、WDM方式を用いる場合、上述のどちらの方法においても、多重する波長ごとに光SSB信号発生器を用意する必要があるため、システムが高価になってしまうという問題がある。そのため、光SSB信号をWDMシステムに導入することは困難であった。
【0005】
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、急峻な遮断特性を持つバンドパスフィルタもしくは一様な位相シフトを有する光ヒルベルト変換器を構成可能とし、WDMシステムにおいても光DSB信号から光SSB信号への一括変換を可能とする光波長多重装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明に係る光波長多重装置は、互いに搬送波周波数の異なる複数の両側波帯光信号を、片側波帯光信号に変換してから、多重化して出力する光波長多重装置において、それぞれ異なる搬送波周波数の両側波帯光信号を出力する複数の光源と、上記複数の両側波帯光信号を多重化して得られた第1の波長多重光信号を出力する波長多重手段と、からなるユニットを複数備え、さらに、上記各ユニットから上記第1の波長多重光信号が供給され、上記第1の波長多重光信号をフーリエ変換して第1の周波数分布光信号を生成するとともに、この第1の周波数分布光信号の片側波帯を抑圧して第2の周波数分布光信号を生成し、この第2の周波数分布光信号を逆フーリエ変換して得られた第2の波長多重光信号を出力する光信号変換手段と、上記各ユニットから供給される上記第2の波長多重光信号を合波してから出力する合波手段とを備えたものである。
【0007】
また、本発明は、その他の態様として、以下に記載するものも含む。
すなわち、互いに搬送波周波数の異なる複数の両側波帯光信号を、片側波帯光信号に変換してから、多重化して出力する光波長多重装置において、それぞれ異なる搬送波周波数の両側波帯光信号を出力する複数の光源と、上記複数の両側波帯光信号を多重化して得られた第1の波長多重光信号を出力する波長多重手段と、上記第1の波長多重光信号を2分岐して出力する分岐手段と、上記2分岐されたうちの一方の光信号の光路長差を調整する遅延手段と、上記2分岐されたうちの他方の光信号であってその片側波帯の位相が180度反転された光信号(以下、第2の波長多重光信号という)と上記遅延手段から出力された光信号とを合波して得られた第3の波長多重光信号を出力する合波手段と、からなるユニットを複数備え、さらに、上記各ユニットから上記第1の波長多重光信号が供給され、上記第1の波長多重光信号をフーリエ変換して第1の周波数分布光信号を生成するとともに、この第1の周波数分布光信号の片側波帯の位相を180度反転させることにより第2の周波数分布光信号を生成し、この第2の周波数分布光信号を逆フーリエ変換して得られた上記第2の波長多重光信号を出力する光信号変換手段と、上記各ユニットから供給される上記第3の波長多重光信号を合波してから出力する合波手段とを備えたものでもよい。
【0008】
また、上記光信号変換手段は、供給された光信号のフーリエ変換および逆フーリエ変換を行うアレイ導波路格子と、上記フーリエ変換された光信号の片側波帯を抑圧する空間フィルタとで構成されていてもよい。
また、上記光信号変換手段は、供給された光信号のフーリエ変換および逆フーリエ変換を行うアレイ導波路格子と、上記フーリエ変換された光信号の片側波帯の位相を180度反転させる空間フィルタとで構成されていてもよい。
また、上記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に交互に形成された金ミラーおよび無反射コーティングとで構成されていてもよい。
また、上記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に1/4波長の段差を有した状態で形成された金ミラーとで構成されていてもよい。
また、上記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に交互に形成された金ミラーおよび無反射コーティングと、上記石英基板の裏面に形成された無反射コーティングとで構成されていてもよい。
また、上記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に1/2波長の段差を有した状態で形成された無反射コーティングと、上記石英基板の裏面に形成された無反射コーティングとで構成されていてもよい。
また、上記光信号変換手段は、上記片側波帯の抑圧に加えて、さらに上記第1の周波数分布光信号の搬送波成分を抑圧する手段であってもよい。
さらに、上記光信号変換手段は、上記片側波帯の位相を180度反転させることに加えて、さらに上記第1の周波数分布光信号の搬送波成分の位相を180度反転させる手段であってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。これは25GHz間隔、8波長の波長多重光SSB光源を構成している。同図に示すように、本実施の形態は、レーザダイオードアレイ101と、波長多重装置1と、ファイバ伝送路110と、受信器2とで構成されている
【0011】
光波長多重装置1は、波長多重回路102と、サーキュレータ103と、アレイ導波路格子(以下、AWGという)光SSB変換回路104と、光カプラ105と、EDFA106と、光バンドパスフィルタ107と、EDFA108と、光バンドパスフィルタ109とで構成されている。また、受信器2は、分散補償ファイバ111と、EDFA112と、光バンドパスフィルタ113と、波長多重信号分離回路114と、フォトダイオード115とで構成されている。
【0012】
ここで、光波長多重装置1の詳細について述べる。
レーザダイオードアレイ101は、強度変調器付きのレーザダイオードを4個の並べたものであり、それぞれ独立に10Gbit/sの疑似ランダム信号で強度変調器を駆動する。各レーザダイオードの中心周波数は、50GHzの周波数間隔となるように設定されている。
波長多重回路102は、レーザダイオードアレイ101によって生成された各光信号を多重化し、波長多重光信号を生成する回路である。
【0013】
なお、レーザダイオードアレイ101および波長多重回路102は、波長多重光源を構成している。また、同図から明らかなように本実施の形態では、波長多重光源を2台用いており、一方の波長多重光源は他方の波長多重光源に対して、周波数軸上で波長を25GHzシフトさせている。ただし、波長多重光源の台数およびシフトする波長等は、上述のものに限られない。必要に応じて適宜設定することができる。
【0014】
サーキュレータ103は、3個のポートを有し、例えば第1ポートに入力した光を第2ポートに出力し、第2ポートに入力した光を第3ポートに出力する。ただし、第3ポートに入力した光を第1ポートから出力することはない。図1においては、波長多重回路102から供給された光信号をAWG光SSB変換回路104に供給し、AWG光SSB変換回路104から供給された光信号を光カプラ105に供給する。
【0015】
AWG光SSB変換回路104は、2本の入出力導波路をもつ反射型のアレイ導波路格子光SSB変換回路である。詳細については後述する。
光カプラ105は、AWG光SSB変換回路104から出力された光信号を合波する。
EDFA106は、AWG光SSB変換回路104の損失を補償するためのエルビウム添加光ファイバ増幅器である。
光バンドパスフィルタ107は、EDFA106の自然放出光を除去する。
EDFA108は、ブースターアンプとして機能するエルビウム添加光ファイバ増幅器である。
光バンドパスフィルタ109は、EDFA108の自然放出光を除去する。
【0016】
一方、光波長多重装置1の性能を確認するために設けられた受信器2の詳細は、以下のとおりである。
【0017】
分散補償ファイバ111は、ファイバ伝送路110の分散を補償する。伝送路の分散が全く存在しないか、または、存在しても実用上問題ない場合においては、この分散補償ファイバ111を省略してもよい。
EDFA112は、エルビウム添加光ファイバ増幅器である。
光バンドパスフィルタ113は、EDFA112の自然放出光を除去する。
【0018】
波長多重信号分離回路114は、波長多重された光信号を波長毎に分離する。
フォトダイオード115は、波長分離された光信号を受信し、電気信号に変換する。ここでは、レーザダイオードアレイ101の個数と対応するように、計8個のフォトダイオードが配設されている。
【0019】
図2は、図1に係るAWG光SSB変換回路104の詳細を示す平面図である。同図に示すように、AWG光SSB変換回路104は、2本の導波路201と、スラブ導波路202と、アレイ導波路203と、スラブ導波路204と、空間フィルタ205とを備えている。
【0020】
導波路201は、信号光を入射および出射させるための2本の導波路である。
スラブ導波路202は、導波路201を介して供給された光信号をアレイ導波路203に分配する機能、および、アレイ導波路203から供給された光信号を逆フーリエ変換する機能を持つ。2本の導波路201とスラブ導波路との接続面における間隔は100μmである。
アレイ導波路203は、入射信号光を時間−空間変換する機能を持つ。
【0021】
スラブ導波路204は、アレイ導波路203の出力光をそれぞれフーリエ変換する機能を持つ。つまり、スラブ導波路204のアレイ導波路203に接続された端面に対して反対側の端面(焦点面)では、入力光信号の周波数成分が空間的に展開されており、空間軸と周波数軸とは線分散を通じて互いに比例関係にある。
【0022】
空間フィルタ205は、その位置をマイクロメータ(図示せず)によって微動させることができる。本実施の形態では、空間フィルタ205はスラブ導波路204の焦点面にほぼ密着させているが、さらにスラブ導波路204の焦点面上にレンズを設けることも可能であり、その場合、結合効率の改善が期待できる。
【0023】
なお、本実施の形態で用いたアレイ導波路は、その中心波長が1,552nmであり、その本数が378本、回折次数(隣接導波路の光路長差を波長で除した値)が「327」である。スラブ導波路204の焦点面における線分散は250MHz/μmであり、周波数分解能は約2.2GHzである。
【0024】
また、図2における導波路は、以下のようにして作られる。まず、単結晶シリコンの基板上に火炎加水分解体積法(以下、FHD法という)によって下部クラッド層、コア層の順にガラス微粒子膜として堆積させた後、アニール炉中で高温に加熱し、シリコン基板上を覆う透明なガラス膜を形成する。その後、導波路の形にパターニングを施し、ドライエッチングを用いて、不要なコア層を除去した後、再びFHD法を用いて上部クラッド層を堆積させ、高温に加熱して上部クラッド層を透明化させる。ただし、InP等の半導体層にコア層としてInGaAsP等のクラッドよりも屈折率の高い半導体をエピタキシャル成長させ、パターニングおよびエッチングによって作製した半導体の導波路構造やコアを重水素化PMMA、クラッドを紫外線硬化樹脂とするようなポリマーからなる導波路構造等についても同様の機能を持つことは明らかである。この場合、使用したい波長域において材料が十分透明であることが望ましい。
【0025】
さらに、AWG光SSB変換回路104の構成は、図2に示した反射型のものに限られるものではない。すなわち、図3に示すようにアレイ導波路格子を2個用い、透過型の空間フィルタ205を用いてもよい。その場合、導波路201の一方が波長多重回路102に接続され、他方が光カプラ105に接続される構成となるため、図1に示したサーキュレータ103は不要となる。
【0026】
ここで、本実施の形態の動作原理について、図4,5を参照して説明する。
【0027】
図4(a)は、波長多重光信号を示す波形図、図4(b)は空間フィルタ205の詳細を示す断面図、図4(c)は片側波帯の抑圧された波長多重光信号を示す波形図である。また、図5(d)は片側波帯の抑圧された波長多重光信号を示す波形図、図5(e)は片側波帯の抑圧された2種類の波長多重光信号を多重化した状態を示す波形図である。
【0028】
図4(b)に示される空間フィルタ205は、以下のようにして作製される。石英基板306上にレジストでパターニングし、金を蒸着してリフトオフした後、再度パターニングし、金ミラー304を形成する。そして、金が蒸着されていない、すなわち石英基板306が露出している部分に、無反射(以下、ARという)コーティング303を形成する。金ミラー304およびARコーティング303の幅は、それぞれ50μmであり、この金ミラー/ARコーティング対を200μm周期で4回繰り返して配置している。
【0029】
この200μmの空間幅は、AWG光SSB変換回路104の焦点面における線分散の値から、50GHzの周波数幅に相当することになる。このようにして作製したフィルタをスラブ導波路204の焦点面近傍に配置することで、AWG光SSB変換回路104は光SSB信号変換器として機能する。
【0030】
AWG光SSB変換回路104の一方の入出力導波路201に入力した波長多重光源からの出力信号は、AWG104中のスラブ導波路204の焦点面近傍において、その光周波数スペクトルが空間上に比例的に分布する。一般的に、光源を強度変調器によって変調した場合の光周波数スペクトルは、図4(a)に示すように光源の周波数であるベースバンド周波数301の低周波数と高周波数側にそれぞれ下側波帯302と上側波帯303を形成する。このような光スペクトルを図4(b)のようなフィルタによってフィルタリングを行うと、一方の側波帯のみARコーティングによって抑圧され、フィルタリング後の光スペクトルは図4(c)のように光SSB信号になる。
【0031】
また、他方の入出力導波路から入力した波長多重光源からの出力信号は、入出力導波路のスラブ導波路202との接続面における間隔が100μmであることから、スラブ導波路204の焦点面近傍においてそのスペクトル分布は空間的に100μmシフトする。その結果、同一の空間フィルタ205によって他方の入出力導波路から入力した周波数を全体的に25GHzシフトさせた他方の波長多重信号も光SSB信号になる。これらの出力信号は周波数軸上では図5(d)のように50GHz間隔の光SSB信号になる。
【0032】
これらの出力信号を光カプラ105によって合波することで、図5(e)のように25GHz間隔、8波の光SSB信号が生成される。本実施の形態では全搬送波SSB方式になるように周波数フィルタリングを行ったが、搬送波成分も抑圧されるように空間フィルタ205の配置を行うことにより、抑圧搬送波SSB方式にすることも可能である。その場合は、受信側で局所発信器とミキサーによって信号を復元することが必要になる。
【0033】
なお、実際に1.55μmの光通信波長帯のレーザを用いて、10Gbit/s、25GHz間隔の8チャネルのWDM信号を生成し、DSB信号のままの場合と、SSB信号に変換した場合について100kmのシングルモードファイバの伝送を行い、その符号誤り率特性を比較したところ、最小受信感度は測定誤差範囲内の0.1dBの範囲内で一致していた。また、その時の側波帯抑圧比は、約20dBであった。さらに、分散耐力を測定したところ、最小受信感度が1dB劣化する分散幅はDSB方式の2倍と良好な値であった。本実施の形態では、空間フィルタを微動機構によって動かす構成としたが、微動機構を用いずに焦点面にフィルタを接着したり、焦点面に直接パターニングを施し、金等の金属を蒸着することで、パタンミラーを配置すれば、可変性は失われるものの、長期安定性の高い光SSB変換器を安価に作製することができる。
【0034】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。これも第1の実施の形態と同様に、50GHz間隔の波長多重光源を2個備え、一方は他方に対して、全体的に周波数が25GHzずれるように構成されている。同図に示すように、本実施の形態は、レーザダイオードアレイ101と、光波長多重装置1と、ファイバ伝送路110と、受信器2とで構成されている。
【0035】
光波長多重装置1は、波長多重回路102と、光カプラ401および402と、光遅延回路403と、サーキュレータ103と、AWG光SSB変換回路104と、光カプラ105と、EDFA106と、光バンドパスフィルタ107と、EDFA108と、光バンドパスフィルタ109とで構成されている。また、受信器2は、分散補償ファイバ111と、EDFA112と、光バンドパスフィルタ113と、波長多重信号分離回路114と、フォトダイオード115とで構成されている。
【0036】
光波長多重装置1の詳細は以下のとおりである。
光カプラ401は、波長多重装置102の出力光を2つの光路に分岐する。
光カプラ402は、2つに分岐された光路を1つの光路に合波する。
光遅延回路403は、光カプラ401によって分岐された2つの光路長差を等しくする。本実施の形態において、光遅延回路403は、アレイ導波路格子104における光損失を補償するために急峻な曲率半径を持つ光導波路で構成しているが、別個に光減衰器を直列につなぐことによって損失補償を行ってもよいし、サーキュレータ103の直後に光アンプを直列に接続することでも損失補償が可能である。
受信器2の構成は、図1に示したものと同等であるため、説明を省略する。
【0037】
なお、本実施の形態で用いたAWG光SSB変換回路104は、中心波長が1,584nmであり、その本数は378本、回折次数(隣接導波路の光路長差を波長で除した値)は「53」である。スラブ導波路204の焦点面における線分散は1.25GHz/μmであり、周波数分解能は約12.7GHzである。また、入出力導波路201のスラブ導波路202との接続面における導波路間隔は20μmになっている
【0038】
ここで、本実施の形態の動作原理について、図7,8を参照して説明する。
【0039】
図7(a)は、波長多重光信号を示す波形図、図7(b)は空間フィルタ205の詳細を示す断面図、図7(c)は片側波帯が180度反転された波長多重光信号を示す波形図、図7(d)は片側波帯の抑圧された波長多重光信号を示す波形図である。また、図8(e)は片側波帯の抑圧された波長多重光信号を示す波形図、図8(e)は片側波帯の抑圧された2種類の波長多重光信号を多重化した状態を示す波形図である。
【0040】
図7(b)に示す空間フィルタ205は、以下のようにして作られる。まず、石英基板306は、深さが1/4波長に相当する4本の段差が設けられている。各溝の幅は20μmであり、4本の溝の周期は40μmとなっている。溝の作製方法は以下のとおりである。まず、石英基板上にレジストで40μm周期のラインアンドスペースをパターニングし、緩衝フッ酸溶液でその段差が1,584nmの1/4になるように正確にエッチングする。そして、レジストを除去した後、全面に金を蒸着する。
【0041】
本実施の形態では、スペクトルに位相シフトを与える溝の深さは一定としたが、波長多重される周波数帯域幅が高帯域になる場合には、位相シフトが正確に波長の1/2になるように、各溝毎に独立して石英基板306をエッチングすることが望ましい。
【0042】
また、本実施の形態で用いたAWGにおける40μmの空間幅は、50GHzの周波数幅に相当する。このようにして作製された空間フィルタ205をスラブ導波路204の焦点面近傍に配置することにより、図6に示す光カプラ401、AWG光SSB変換回路104、光カプラ402および光遅延回路403は、光SSB信号変換器として機能する。
【0043】
波長多重された信号は、AWG光SSB変換回路104中のスラブ導波路204の焦点面近傍において、その光周波数スペクトルが空間上に比例的に分布している。一般的に光源を強度変調器によって変調した場合の光周波数スペクトルは図7(a)に示すように光源の周波数であるベースバンド周波数301の低周波数と高周波数側にそれぞれ下側波帯302と上側波帯303を形成する。
【0044】
このような光スペクトルを図7(b)のようなフィルタによってフィルタリングすると、一方の側波帯のみ1/2波長だけ遅れ、位相が180度ずれることで、フィルタリング後の光スペクトルは図7(c)のようになる。光カプラによって分岐された、AWG光SSB変換回路104を通過しない側の光スペクトルは図7(a)のままである。したがって、光遅延回路403によって、AWG光SSB変換回路104で生じた遅延を補償した後、合波して干渉させることにより図7(d)に示す光SSB信号が得られる。また、他方の入出力導波路から入力した波長多重光源からの出力信号は、入出力導波路のスラブ導波路202との接続面における間隔が20μmであることから、スラブ導波路204の焦点面近傍において、そのスペクトル分布は空間的に20μmシフトする。
【0045】
その結果、同一の空間フィルタ205によって他方の入出力導波路から入力した信号も光SSB信号になる。これらの出力信号は、周波数軸上で図8(e)のように50GHz間隔の光SSB信号になる。これらの出力信号を光カプラ105によって合波することで、図8(f)に示すように25GHz間隔、8波の光SSB信号が生成される。本実施の形態では、全搬送波SSB方式になるように周波数フィルタリングを行ったが、搬送波成分も位相を反転させるように空間フィルタ205の配置を行うことにより、抑圧搬送波SSB方式にすることも可能である。その場合は、受信側で局所発信器とミキサーによって信号を復元することが必要になる。
【0046】
また、本実施の形態においては、光カプラ401によって分けられた2つの光路における波長分散の差は検出できなかったが、例えばアレイ導波路格子104が過剰分散を持った場合等では、2つの光路において波長分散の差が生じる。この場合には、いずれかの光路中に分散補償器を挿入してもよいし、または光カプラの合波部において波長分散の差が消失するように、図7(b)に示した位相フィルタの位相遅延量を周波数ごとに変化させることでも可能である。
【0047】
なお、実際に1.58μmの光通信波長帯のレーザを用いて、10Gbit/s、25GHz間隔の8チャネルWDM信号を生成し、DSB信号のままの場合と、SSB信号に変換した場合について100kmの分散シフトファイバの伝送を行い、その符号誤り率特性を比較した。その結果、最小受信感度は測定誤差範囲内の0.1dBの範囲内で一致していた。また、その時の側波帯抑圧比は約25dBであった。分散耐力を測定したところ、第1の実施の形態と同様に最小受信感度が1dB劣化する分散幅はDSB方式の1.9倍と良好な値であった。
【0048】
[第3,4の実施の形態]
図9(a)は本発明の第3の実施の形態を示す断面図、図9(b)は本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。同図(a)に示すように、図4(b)に示した石英基板306の主表面に金ミラー304およびARコーティング305を形成し、石英基板306の裏面にARコーティング305を形成してもよい。本実施の形態に係る空間フィルタは、第1の実施の形態に適用することができる。
また、同図(b)に示すように、図7(b)に示した石英基板306の主表面にARコーティング305のみを形成し、石英基板306の裏面にARコーティング305を形成してもよい。この場合、基板上には40μmの周期毎に、深さが1/2波長の段差が設けられている。本実施の形態に係る空間フィルタは、第2の実施の形態に適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明は、アレイ導波路格子と空間フィルタとを組み合わせることで、急峻な遮断特性を持つバンドパスフィルタもしくは一様な位相シフトを有する光ヒルベルト変換器を構成可能とする。そして、WDMシステムにおいても光DSB信号から光SSB信号への一括変換を可能とする光波長多重装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態(波長多重装置)を示すブロック図である。
【図2】AWG光SSB変換回路の一例示す平面図である。
【図3】AWG光SSB変換回路のその他の例を示す平面図である。
【図4】(a)光源を強度変調回路によって変調した場合の光周波数スペクトルを示す波形図、(b)空間フィルタを示す断面図、(c)フィルタリング後のスペクトルを示す波形図である。
【図5】(d)50GHz間隔の光SSB信号を示す波形図、(e)25GHz間隔の光SSB信号を示す波形図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態(波長多重装置)を示すブロック図である。
【図7】(a)光源を強度変調回路によって変調した場合の光周波数スペクトルを示す波形図、(b)空間フィルタを示す断面図、(c)フィルタリング後のスペクトルを示す波形図、(d)光SSB信号を示す波形図である。
【図8】(e)50GHz間隔の光SSB信号を示す波形図、(f)25GHz間隔の光SSB信号を示す波形図である。
【図9】(a)本発明の第3の実施の形態に係る空間フィルタを示す断面図、(b)本発明の第4の実施の形態に係る空間フィルタを示す断面図である。
【符号の説明】
1…光波長多重装置、2…受信器、101…レーザダイオードアレイ、102…波長多重回路、103…サーキュレータ、104…アレイ導波路格子(AWG)光SSB変換回路、105…光カプラ、106…エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)、107…光バンドパスフィルタ、108…EDFA、109…光バンドパスフィルタ、110…ファイバ伝送路、111…分散補償ファイバ、112…EDFA、113…光バンドパスフィルタ、114…波長多重信号分離回路、115…フォトダイオード、201…導波路、202…スラブ導波路、203…アレイ導波路、204…スラブ導波路、205…空間フィルタ、301…ベースバンド周波数、302…下側波帯、303…上側波帯、304…金ミラー、305…無反射(AR)コーティング、306…石英基板、401…光カプラ、402…光カプラ、403…光遅延回路。

Claims (10)

  1. 互いに搬送波周波数の異なる複数の両側波帯光信号を、片側波帯光信号に変換してから、多重化して出力する光波長多重装置において、
    それぞれ異なる搬送波周波数の両側波帯光信号を出力する複数の光源と、前記複数の両側波帯光信号を多重化して得られた第1の波長多重光信号を出力する波長多重手段と、からなるユニットを複数備え、さらに、
    前記各ユニットから前記第1の波長多重光信号が供給され、前記第1の波長多重光信号をフーリエ変換して第1の周波数分布光信号を生成するとともに、この第1の周波数分布光信号の片側波帯を抑圧して第2の周波数分布光信号を生成し、この第2の周波数分布光信号を逆フーリエ変換して得られた第2の波長多重光信号を出力する光信号変換手段と、
    前記各ユニットから供給される前記第2の波長多重光信号を合波してから出力する合波手段と
    を備えたことを特徴とする光波長多重装置。
  2. 互いに搬送波周波数の異なる複数の両側波帯光信号を、片側波帯光信号に変換してから、多重化して出力する光波長多重装置において、
    それぞれ異なる搬送波周波数の両側波帯光信号を出力する複数の光源と、前記複数の両側波帯光信号を多重化して得られた第1の波長多重光信号を出力する波長多重手段と、前記第1の波長多重光信号を2分岐して出力する分岐手段と、前記2分岐されたうちの一方の光信号の光路長差を調整する遅延手段と、前記2分岐されたうちの他方の光信号であってその片側波帯の位相が180度反転された光信号(以下、第2の波長多重光信号という)と前記遅延手段から出力された光信号とを合波して得られた第3の波長多重光信号を出力する合波手段と、からなるユニットを複数備え、さらに、
    前記各ユニットから前記第1の波長多重光信号が供給され、前記第1の波長多重光信号をフーリエ変換して第1の周波数分布光信号を生成するとともに、この第1の周波数分布光信号の片側波帯の位相を180度反転させることにより第2の周波数分布光信号を生成し、この第2の周波数分布光信号を逆フーリエ変換して得られた前記第2の波長多重光信号を出力する光信号変換手段と、
    前記各ユニットから供給される前記第3の波長多重光信号を合波してから出力する合波手段と
    を備えたことを特徴とする光波長多重装置。
  3. 請求項1において、
    前記光信号変換手段は、供給された光信号のフーリエ変換および逆フーリエ変換を行うアレイ導波路格子と、前記フーリエ変換された光信号の片側波帯を抑圧する空間フィルタとで構成されていることを特徴とする光波長多重装置。
  4. 請求項2において、
    前記光信号変換手段は、供給された光信号のフーリエ変換および逆フーリエ変換を行うアレイ導波路格子と、前記フーリエ変換された光信号の片側波帯の位相を180度反転させる空間フィルタとで構成されていることを特徴とする光波長多重装置。
  5. 請求項3において、
    前記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に交互に形成された金ミラーおよび無反射コーティングとで構成されていることを特徴とする光波長多重装置。
  6. 請求項4において、
    前記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に1/4波長の段差を有した状態で形成された金ミラーとで構成されていることを特徴とする光波長多重装置。
  7. 請求項3において、
    前記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に交互に形成された金ミラーおよび無反射コーティングと、前記石英基板の裏面に形成された無反射コーティングとで構成されていることを特徴とする光波長多重装置。
  8. 請求項4において、
    前記空間フィルタは、石英基板と、この石英基板の主表面に所定周期毎に1/2波長の段差を有した状態で形成された無反射コーティングと、前記石英基板の裏面に形成された無反射コーティングとで構成されていることを特徴とする光波長多重装置。
  9. 請求項1において、
    前記光信号変換手段は、前記片側波帯の抑圧に加えて、さらに前記第1の周波数分布光信号の搬送波成分を抑圧する手段であることを特徴とする光波長多重装置。
  10. 請求項2において、
    前記光信号変換手段は、前記片側波帯の位相を180度反転させることに加えて、さらに前記第1の周波数分布光信号の搬送波成分の位相を180度反転させる手段であることを特徴とする光波長多重装置。
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