JP3601115B2 - 複合材料、その製造方法、および複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法 - Google Patents

複合材料、その製造方法、および複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐熱性、剛性、耐溶媒性等の特性が必要な部材に利用できる、有機物と無機物とよりなる複合材料とその製造方法、および該複合材料中の有機物と無機物との分量を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘土鉱物等の無機物と、ポリアミド等の有機物とを複合化させた複合材料が提案されている。この複合材料は、無機物と有機物との両者の特性を発揮できるとして利用価値が高いものである。
【0003】
例えば、層状粘土鉱物等の層状無機物と有機物との複合材料がポリマー重合触媒等に利用されている(特開昭51−109998号公報、特開昭62−72723号公報、特開昭62−64827号公報、特開平5−306370号公報、特開平5−32406号公報等)。このうち、特開昭51−109998号公報、特開昭62−72723号公報、特開昭62−64827号公報では、層状粘土鉱物を利用し、その層間の陽イオンをアミノ酸イオン等でイオン交換を行い、層状粘土鉱物を有機化し、その後、これを出発原料として重合触媒あるいは複合体等を形成している。また、特開平5−306370号公報、特開平5−32406号公報では、上記層状粘土鉱物の代わりにリン酸ジルコニウム型層状物質を利用し、上記と同様にして重合触媒や複合体等を形成している。
【0004】
特開平5−306370号公報を例にすると、以下のように有機物と無機物との複合材料を製造している。
【0005】
α−あるいはγ−リン酸ジルコニウムを水中に分散懸濁させ、それに12−アミノドデカン酸を添加して2〜6時間攪拌する。その後これを数日室温で静置した後、濾別、洗浄、乾燥を行うことにより、リン酸ジルコニウム12−アミノドデカン酸誘導体を得ている。これとε−カプロラクタムおよびアミノヘキサン酸を混合した後、ガラス重合管に装入、窒素置換し、100℃で90分間、大気圧下250℃で2時間、減圧下250℃で5時間重合反応を行うことにより、リン酸ジルコニウムとポリアミドとの複合材料を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の有機物と無機物との複合材料は、以下のような問題点がある。
【0007】
有機化した層状粘土鉱物あるいは有機化したリン酸ジルコニウム層状物質では、層状の無機物と有機分子との結合がイオン結合である。このイオン結合は、他のイオンが存在すると、容易に交換する。従って、従来では、イオン交換しやすいアミノ酸、ジアミン、ジカルボン酸を用いることができない。すなわち、ε−カプロラクタムの重合体と同様な6−ナイロンが得られる6−アミノ−カプロン酸等を有機物として用いた場合、6−アミノ−カプロン酸等が最初に結合したイオンと交換するおそれがあり、設計した材料が得られないことがある。さらに、6,6−ナイロンのように、ジアミン(NH−R−NH)とジカルボン酸(COOH−R−COOH)との縮合反応で生成するナイロンでは、その合成段階で、ジアミンと、あらかじめ結合した陽イオンとが交換するため、層間での重合反応が全く進行しなかったり、一部のナイロンしか層間で生成しなかったりするため、得られる複合材料の弾性率、強度、のび等の機械的性質やガス透過抑制作用等の特性向上効果が少なくなるばかりか、むしろ脆化等の影響が生じる。
【0008】
このように、合成段階でイオン性の物質を用いるポリマー、例えば、ナイロン塩を合成してから重縮合反応を進行させる4,6−ナイロン、6,6−ナイロン6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等では、イオン交換を利用することにより有機化した層状無機物中のあらかじめ結合したイオンが他のイオンに交換するため、所望の物質が得られず、目的とする効果を得ることが困難である。また、ポリプロピレン等のポリオレフィンでは、金属塩等を重合触媒として用いることが必要であるため、混合あるいは重合のための加熱の段階でイオン交換が進行する。従って、単位レイヤ(積層体)が分離・分散した複合体が得られにくい。
【0009】
また、有機化した層状無機物に、他の無機イオン等をさらに付加して触媒作用を持った化合物を合成する場合、イオン結合での複合材料では、イオン交換が生じて目的とする化合物を合成することができない。また、元素または分子のイオン化傾向の差が交換吸着のしやすさを決める。そのため、2種以上の有機イオンを層間に分散させようとしても、あるイオンだけが優先的に吸着するため、ポリマーと結合する有機イオンの割合を制御したり、層に結合している有機物と無機物との分量を制御することはできない。
【0010】
また、イオン交換により層状無機物を有機化する場合、層間の結合力に抗して比較的大きな分子を層間に挿入することが必要である。層状無機物が粘土鉱物である場合、水を用いることにより、水の力で層間距離が増大し、それに伴いイオン交換が進行する。他の層状物質でも同様の機構により層間距離が増大すると考えられる。しかし、層間における水素結合の密度が粘土鉱物に比較して高いなどの理由で水分子でも層間に進入するのが困難であると考えられる。そのため、層状無機物を有機化する反応を完全に行うためには、長時間の反応が必要となることが多い。しかも、上記有機化の反応がある程度進行し、その平均層間距離が15〜30Åになったとしても、一部でも結合が残存している場合、さらにポリマーで膨潤しないことがあり、期待されたほどの効果が得られない。
【0011】
有機分子の配列を制御して新たな機能を与える、大きな板状結晶を分散させてガス透過抑制作用を増大させる、などの目的には、層状無機物の結晶成長をあらかじめ行って、大きな、しかも完全な結晶が必要となる。しかし、この結晶構造の成長に伴い粘土鉱物の場合には、層間化合物を形成しやすいスメクタイト系鉱物は、結晶は大きいが、層間化合物の形成に時間がかかるバーミキュライトを経て層間に他のイオンをほとんど受け入れない雲母系鉱物に変化する。他の層状無機物、例えばリン酸ジルコニウムでも結晶の成長に伴ってイオン吸着による有機化、さらにその後の重合反応が困難であるため、結晶の大きさや完全性の制御はイオン吸着による有機化を基本とする限り制御が困難である。
【0012】
逆に、結晶を非常に小さくすることにより、後の重合に伴う分散をしやすくする場合にも、限界がある。すなわち、粘土鉱物のような天然鉱物を利用する場合、結晶の大きさ等は原料に依存して決定される。ある程度以下の大きさのものが天然に存在していたとしてもそれのみを入手することは困難である。粘土鉱物を始め、他の層状無機物を人工的に合成する際、水熱反応あるいは室温でのゲル化の後、加熱または水熱反応を行う等によりある程度の結晶化が必要である。これは、室温でのゲル化のみではほとんどのものが非晶質成分となり、ある程度の結晶化反応を行わないと目的とする物質が得られないためである。
【0013】
また、通常の層状粘土鉱物の構造は、図2の模式図に示すように、AlやMgを中心に持ち、それらの回りを酸素あるいは水酸基が6個配位した8面体を形成し、該8面体が複数結合した8面体シートを構成している。さらに、SiO の4面体で構成した4面体シートが上記8面体シートと結合したレイヤ構造を持っている。この構造を基本として、無機物よりなるレイヤと有機基とを直接共有結合により結合する場合、4面体シート中のSi−O−Si結合を切断して、−O−Si−C−R(Rは有機基である。)の結合を導入する必要がある。これは不可能ではないが、そのためには結晶の格子欠陥を導入することが不可欠となる。
【0014】
一方、リン酸ジルコニウム型構造では、図3の模式図に示すように、4面体シートの頂点の向きが、粘土鉱物とは逆に、8面体シートの外側に向いており、その頂点の酸素にはHなどの交換性の陽イオンが結合している。通常のリン酸ジルコニウムでは、この陽イオンの位置に有機陽イオンがイオン結合している。このような構造では、4面体シートの外側の頂点の酸素を炭素に置き換えて、図1に示すように、−P−C−Rの結合としても、結晶構造中に欠陥は導入されない。
【0015】
このように、有機基(R)が直接無機物層に結合した有機型リン酸ジルコニウムは、G. Alberti and U. Costautino(“Intercalation Chemistry “ Ed. by M. S. Whittingham and A. J. Jacobson,Academic Press 1982 ,Chap.5)などにより知られている。しかし、その物質とポリマーとの複合体の合成方法、その効果、あるいは重合触媒としての効果を発現するための手法については何ら知られていない。
【0016】
このように、従来の複合材料は、有機物と無機物との結合がイオン結合であるため、複合化できる有機物の種類が限定される。特に、工業的用途の広い6,6−ナイロンやポリオレフィンとの複合化が困難である。また、層状無機物の大きなものが得られないため、ガス透過性等の制御に限界がある。
【0017】
また、有機物と無機物とが共有結合より結合した複合材料として、USP4298723に記載のものがある。
【0018】
この複合材料は、8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤと、該レイヤに有機物が結合したものである。8面体は、ジルコニウム等の4価の元素が中心となり、その周囲に酸素が存在することにより構成され、4面体は、リン等の5価の元素が中心となり、その周囲に酸素が存在することにより構成されている。有機物は、レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合している。
【0019】
しかし、この複合材料は、有機物がアクリル基に限定されている。また、複合材料の用途が媒体中からの特定成分の吸着材、ポリマー組成物への添加材(充填材)、あるいは固体潤滑材等であり、レイヤ間の距離が4.2nm以下と短い。そのため、有機物本来の性質である引張り強度等の特性は高くない。さらに、成形性も良くない。
【0020】
本発明は、有機物の種類に限定されずに複合化が可能な有機物と無機物との複合材料およびその製造方法、および該複合材料中の有機物と無機物との分量を制御することにより複合材料の機械的性質等の特性を制御する方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本第1発明(請求項1に記載の発明)は、8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなる複合材料であって、上記レイヤは、Me[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離は4.4nm以上であることを特徴とする複合材料である。
【0022】
(第2発明の構成)本第2発明(請求項に記載の発明)は、8面体シートの8面体の中心元素となる元素Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素である酸素を含有する物質と4面体シートの4面体の中心元素となる元素X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価あり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなり、上記レイヤがMe[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離は4.4nm以上である複合材料を製造することを特徴とする複合材料の製造方法である。
【0023】
(第3発明の構成)本第3発明(請求項に記載の発明)は、8面体シートの8面体の中心元素となる元素Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素である酸素を含有する物質と4面体シートの4面体の中心元素となる元素X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価あり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなり、上記レイヤがMe[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離が4.4nm以上である複合材料を製造する際に、上記4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質に、上記4面体の中心元素となる元素を含有し、該元素に有機基が結合していない物質を所定割合で添加することを特徴とする複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法である。
【0024】
(第4発明の構成)本第4発明(請求項に記載の発明)は、8面体シートの8面体の中心元素となる元素Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素である酸素を含有する物質と4面体シートの4面体の中心元素となる元素X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該元素に共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価あり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなり、上記レイヤがMe[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離が4.4nm以上である複合材料を製造する際に、4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質中の有機基の有機分子と結合することができる官能基の数を調整し、かつ上記有機基の官能基に有機分子を結合させることを特徴とする複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法である。
【0025】
【作用】
(第1発明の作用)
本第1発明の複合材料は、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるために、4面体シートの4面体の中心元素が有機基と共有結合により結合することができる。
【0026】
すなわち、4面体の中心元素と有機基とが共有結合するためには、図1の模式図に示すように、4面体の底面が8面体の側面に結合し、4面体の外側(レイヤ中において8面体シートとは反対側)に頂点を持つ必要がある。該頂点に有機基中の炭素が存在することにより4面体の中心元素と有機基とが共有結合することができる。
【0027】
例えば、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が5価であることにより、4面体の外側の頂点の元素からは、1価の電子の供給を受けて共有結合し、残りの3個の元素からは4/3価ずつの電子の供給を受けることになる。この3個の元素は残り2−4/3=2/3価となり、2/3価の負イオン6個が8面体の中心元素の周囲に存在する。これを満たすためには、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数は2/3×6=4価である必要がある。なお、8面体の中心元素の平均価数および4面体の中心元素の平均価数は、それぞれ4価、5価を中心として幅を持たせてもよく、8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であれば上記のことを満たすことができる。この場合、8面体の中心元素の平均価数の4.0価からのずれを、4面体の中心元素の平均価数5価からずらすことにより補償し、レイヤとしての電荷を中性にしてもよいが、レイヤ全体の電荷をずれの分を層間イオンを導入することにより全体の電荷を中性にすることもできる。
【0028】
このように、4面体シートの4面体の中心元素が有機基と共有結合により結合している。そのため、従来の粘土鉱物や通常のリン酸ジルコニウムを複合化させた複合材料のような有機基を陽イオン化させる必要がない。従って、無機物と結合できる有機基の種類は無限となり、ほとんどの有機分子との複合化が可能となる。しかも、合成段階でイオン性の物質を用いるポリマー(例えば、ナイロン塩を合成してから重縮合反応を進行させる、4,6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等)あるいはポリプロピレン等のポリオレフィン等の工業的に広く利用されているポリマーでも複合化が可能となる。このように、本発明では、有機基が4面体の中心元素と共有結合で結ばれた物質を合成段階から設計することできる。
【0029】
また、上記4面体の中心元素と有機基とが共有結合により結合しているため、複合材料の結晶を大きくすることができる。従って、ガス透過性や機械的性質を制御することができる。
【0030】
(第2発明の作用)
8面体シートの8面体の中心元素となる元素(Meとする。)を含有する物質と、上記Me以外の8面体を構成する元素を含有する物質と、4面体シートの4面体の中心元素となる元素(Xとする。)と該Xと共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、Meを中心元素として8面体を形成し、該8面体がシート状になる。それと共にXを中心元素として4面体を形成し、該4面体がシート状になる。さらに、両シートが積層としてレイヤを形成する。また、出発原料である物質中でXと有機基とは共有結合により結合しているため、生成したレイヤにおいても、4面体の中心元素であるXと有機基とは共有結合により結合している。
【0031】
このように、3種類の物質を反応させるのみで本第1発明の複合材料を製造することができる。
【0032】
(第3発明の作用)
本第2発明の複合材料の製造方法において、4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質に、上記4面体の中心元素となる元素を含有し、該元素に有機基が結合していない物質を所定割合で添加することにより、形成される複合材料の4面体の中心元素(X)は、その一部が有機基と結合しないことになる。従って、この添加量を調整することにより、有機基の割合、すなわち有機物と無機物との分量を制御することができる。
【0033】
このように、複合材料中の有機物の分量を制御することにより、例えば、無機物とポリマーとの結合密度を変化させることができる。従って、ポリマー分子鎖の配列や分子間の橋かけ密度を制御することができ、複合材料の剛性、靱性、耐熱性、硬度等の機械的性質および成形性等といった相反する特性を比較的自由に制御することが可能である。
【0034】
(第4発明の作用)
本第2発明の複合材料の製造方法において、4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質中の有機基の有機分子と結合することができる官能基の数を調整し、かつ上記有機基の官能基に有機分子を結合させることにより、官能基の数の多い有機基ほど多くの有機分子が結合する。そのため、該官能基の数を調整することによって、結合する有機分子の量を調整することができる。従って、有機物と無機物との分量を制御することができる。
【0035】
このように、複合材料中の有機物の分量を制御することにより、第3発明の作用で述べたように、複合材料の剛性、靱性、耐熱性、硬度等の機械的性質および成形性等といった相反する特性を比較的自由に制御することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
(第1発明の効果)
本第1発明の複合材料は、ポリアミド、ポリプロピレン等、複合化できる有機物の種類を拡大することができる。
【0037】
また、複合材料の結晶を大きくすることができるため、ガス透過性や機械的性質を制御することができる。
【0038】
(第2発明の効果)
本第2発明では、3種類の物質を反応させるのみで複合材料を製造することができる。
【0039】
(第3発明の効果)
本第3発明では、複合材料中の有機物と無機物との分量を制御することができ、それに伴い、複合材料の剛性、靱性、耐熱性、硬度等の機械的性質および成形性等といった相反する特性を制御することが可能である。
【0040】
(第4発明の効果)
本第4発明では、複合材料中の有機物と無機物との分量を制御することができ、それに伴い、複合材料の剛性、靱性、耐熱性、硬度等の機械的性質および成形性等といった相反する特性を制御することが可能である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明をより具体的にした発明(その他の発明)を説明する。
【0042】
(第1発明をより具体的にした発明)
本第1発明の複合材料は、8面体がシート状になった8面体シートと、4面体がシート状になった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、かつ上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とよりなるものである。
【0043】
本発明において、レイヤとは、8面体シートと4面体シートとが積層した積層体であり、例えば、図1のような構造のものである。
【0044】
8面体シートを構成する8面体の中心元素は、8面体シート全体における平均価数が3.5〜4.5価となるようにする。該8面体の中心元素としては、Ti、Zr、Hf等の周期律表第IVa族元素、Si、Ge、Sn、Pb等の周期律表第VIb族元素、あるいはCe等のように他の族であっても4価の価数をとり得る元素等が挙げられる。該8面体の中心元素は、上記元素1種類であってもそれら2種類以上の混合であってもよい。
【0045】
また、4面体シートを構成する4面体の中心元素は、その4面体シート全体における平均価数が4.5〜5.5価となるようにする。該4面体の中心元素としては、P、As、Sb、Bi等の周期律表第Vb族元素、あるいはV、Nb、Ta等の周期律表第Va族元素等の5価の元素等が挙げられる。該4面体の中心元素は、上記元素1種類であってもそれら2種類以上の混合であってもよい。
【0046】
また、8面体の4価の中心元素の代わりに、YとNbが置換したり、4面体の5価の中心元素イオンがSiやSに置換するなど、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように元素を置換・混合してもよい。なお、好ましくは、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が4価であり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が5価であるのがよい。
【0047】
8面体は、上記元素を中心元素として、その周囲に8個の酸素等の元素が存在し、かつこれらの元素が中心元素と共有結合により結合することにより8面体を構成し、該8面体がシート状に連なることによって8面体シートを形成する。一方、4面体は、上記元素を中心元素として、その周囲に3個の酸素等の元素と有機基中の炭素とが存在し、かつこれらの元素が中心元素と共有結合により結合することにより4面体を構成し、該4面体がシート状に連なることによって4面体シートを形成する。8面体と4面体とは、その周囲の酸素等の元素を共有することにより積層して、レイヤを形成する。また、8面体、4面体とも、中心元素の周囲に存在してそれぞれの面体を構成する元素は、中心元素と共有結合により結合して8面体、4面体を形成する元素であればどのような元素でもよく、例えば酸素等が挙げられる。
【0048】
4面体シートと8面体シートとが積層したレイヤは、図1に示すように、リン酸ジルコニウム型構造が望ましい。
【0049】
このリン酸ジルコニウム型構造は、図1のように、例えばZr等を中心元素とし、その周囲に8個の酸素等の元素が存在し、かつ中心元素と共有結合により結合することにより8面体を形成している。また、例えばP等を中心元素とし、その周囲に4個の酸素が存在し、かつ中心元素と共有結合により結合することにより4面体を形成している。8面体および4面体はそれぞれシート状に連なることにより8面体シートおよび4面体シートを形成している。また、8面体の側面と4面体の底辺とが共有することにより、8面体と4面体とが結びついている。すなわち、8面体の周囲の3個の酸素等の元素が、4面体の3個の酸素等の元素を兼ねることにより、8面体と4面体とが結びつく。また、リン酸ジルコニウム型構造では、8面体シートが1個に対して、その両側に2個の4面体シートが結合する。また、4面体の外側の酸素の位置(8面体の酸素を兼ねない位置)に有機基中の炭素(C)が存在する。従って、4面体シートの中心元素と有機基とは共有結合により結合している。
【0050】
このリン酸ジルコニウム型構造は、分子式で示すと、レイヤは、Me〔XO ・R〕 (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示され、上記式中のXとRとが共有結合により結合したものである。
【0051】
レイヤをリン酸ジルコニウム型構造とするためには、4面体の中心元素は、P等の5価の他に3価のAlや4価のSiでもその構造を取る。しかし、5価以外の元素、特に粘土鉱物で知られているような4価の元素の場合、周囲の4個の酸素イオンから、平均して4/4=1価ずつの電子が4面体の中心元素に供給される。その際、その酸素は他方にも2/2=1価の電子を供給して、隣のSiあるいは8面体の中心元素とイオン結合しようとする。そのため、Si−O−Siの結合も生成し、その結果、図2に示すような粘土鉱物で代表されるような構造となり、リン酸ジルコニウム型構造とならない。
【0052】
それに対して、4面体の中心元素がP等の5価の元素の場合、4面体の中心元素は、外側の頂点に向かった酸素から1価の電子の供給を受けて共有結合を行い、残りの3個の酸素から4/3価ずつの電子の供給を受けることになる。この残りの3個の酸素は、残り2−4/3=2/3価となり、2/3価の負イオン6個が8面体の中心元素の回りに存在する。そのため、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数は2/3×6=4価である必要がある。これは、いわゆる無機結晶の配位に関するポーリングの法則として知られている。なお、これは、8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であれば満たすことができる。
【0053】
上記8面体および4面体の中心元素のうち、8面体の中心元素としては、Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種が望ましく、さらにそのうちでもZr、Ti、あるいはCeが最も望ましい。また、4面体の中心元素としては、P、Asのうちの少なくとも1種が望ましい。これらの元素を中心とする構造が比較的安定であり、またそれらの製造原料が安定でしかも安価であり、工業的に入手しやすい。
【0054】
8面体シートの両側に4面体シートが結合したレイヤは知られているが、粘土鉱物のカオリナイトのように両シートが1枚ずつで構成された層状リン酸ジルコニウムは現在知られておらず、合成の報告もない。これは、上記ポーリングの法則から判断して、8面体を構成する酸素すべてが2/3価である必要があるため、片方に4面体シートが結合するのみでは上記酸素の価数を満足せず、カオリナイトのような構造をとりにくいためと考えられる。
【0055】
本発明の複合材料では、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数は3.5〜4.5価であり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数は4.5〜5.5価であるが、8面体、4面体における中心元素の位置に元素が全くない空孔であってもよい。その場合の中心元素の位置は0価のイオンがあると考える。
【0056】
また、上記のような空孔に代表される欠陥の他に、結晶の規則性の乱れが線状に並んだ線欠陥、あるいは一部が非晶質化したガラス状構造が存在するなどの欠陥がレイヤ中に存在することがある。
【0057】
リン酸ジルコニウム型構造では、有機基(R)を結合させても、上記のような欠陥が全く存在しなくても、その理想構造は変わらない。従って、欠陥が全くなく、しかも数mm以上にわたって連続した単結晶よりなるレイヤの製造も可能である。しかも、レイヤにあらかじめ有機基が結合しているため、上記のような大きな結晶があっても容易にポリマーとの複合体を形成することができる。
【0058】
また、リン酸ジルコニウム型構造では、結晶構造中に全く欠陥を導入することなく有機基を導入することができる。しかも結晶の完全性を高めたり、大きくしたりしても有機化に時間がかかる等の問題が生じない。そのため、ホストであるレイヤにそって規則的に、しかも密に有機基を配列することができる。従って、ポリマーの構造は、有機ポリマーの割合を多くしても、ホストであるレイヤの構造を反映した構造を持たせることができる。この性質を利用して、ポリアミドにおける耐水性、あるいは多くの熱可塑性ポリマーにおける耐熱性、耐候性に対して複合化による大きな効果が得られる。
【0059】
レイヤの構造単位は、最小10Å程度連続していれば、目的とする複合材料を生成することができ、また触媒能を発現することができる。図3に示すような通常のリン酸ジルコニウムを形成するためには、水熱反応等による結晶化が不可欠である。そのため、レイヤの構造単位が100Å以上の連続したものしか得られない。それに対して、本発明のレイヤ(有機型リン酸ジルコニウム)では、有機基同士の相互作用により室温での合成段階から層状構造を造ろうとするため、上記最小単位の連続したものでも複合体を形成する能力を有するものが得られる。
【0060】
本発明の複合材料中の有機基(R)としては、その炭素(C)が直接、無機元素である4面体の中心元素(X)と結合しているため、その炭素(C)と結合し得るものであればよい。すなわち、全ての有機基を利用することができ、モノマーでもポリマーでもよい。
【0061】
より具体的な有機基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、フッ素、塩素等のハロゲンを結合した有機基、ヒドロキシ基、オキシ基等の酸素を含む特性基、エーテル基、カルボン酸、エステル基、アシル基、アセトニル基、アニソイル基等の酸素を含む複合基、メチルチオ基等の硫黄を含む特性基、メチルアミノ基等の窒素1原子を含む特性基、フェニルアゾ基等の窒素2原子以上を含む特性基、複素環基等が挙げられる。本発明では、これら有機基の1種でもよく、あるいは2種以上を組み合わせた基でもよい。
【0062】
これらの有機基のうち、ビニル基やアクリル基等の不飽和結合を有する有機基の場合、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のオレフィン、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物、あるいはメタクリル酸メチル等のアクリル化合物等の重合反応が可能な物質と共存させることにより、それらとの共重合あるいはそれらの重合体の架橋体となった複合材料が得られる。
【0063】
上記有機基には、さらにその官能基に他の有機分子を結合させてもよい。この結合させる有機分子としては、ポリマーでもモノマーでもよい。
【0064】
例えば、有機基がアミンやカンボン酸の場合、ラクタム、ジアミン、あるいはジカルボン酸と共に重合を行うと、両者はアミド結合により結合する。
【0065】
ここで、ラクタムとしては、ブチルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカラクタム等が挙げられ、これらを1種でも2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0066】
また、ジアミンとしては、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族鎖状ジアミン、フェニレンジアミン、チシリレンジアミン等の芳香族ジアミン、あるいは脂環式ジアミン等が挙げられ、これらを1種でも2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0067】
また、ジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、グルタミン酸、スベリン酸、オクタデカン二酸、セバシン酸等の脂肪族鎖状ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、あるいは脂環式ジカルボン酸等が挙げられ、これらを1種でも2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0068】
これらのうち、原料の入手のしやすさや価格等の観点より、ラクタムとしては、カプロラクタム、ドデカラクタムが利用しやすく、ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンが利用しやすく、ジカンボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸が利用しやすい。
【0069】
これらとアミンやカルボン酸等の触媒と共に、あるいはアミノ基やカルボン酸基を結合させた層状リン酸ジルコニウム系化合物と共に加熱すること等により、ポリアミド樹脂中にリン酸ジルコニウム系層状物質の単位レイヤが共有結合により母相に結合した複合体が得られる。
【0070】
また、上記有機基がエステル基を有するものである場合、エチレングリコール等を重合開始剤として、カプロラクトン等のラクトンと共に有機基を重合させ、エステル結合で結合させることができる。また、有機基がエポキシ基、フェノール基等である場合、アミンやホルムアミド等を介して、エポキシ樹脂やフェノール樹脂と有機基とを結合させることができる。
【0071】
このように、本発明の複合材料の有機基の官能基にポリマーを結合させることができる。また、有機基自体をポリマーとしてもよい。このような結合させたポリマーの両端が無機物よりなるレイヤと結合していてもよく、あるいはポリマーの一端のみがレイヤに結合していてもよい。また、活性基が上記ポリマー中に残存するものでもよい。また、ポリマー鎖の橋かけをレイヤが行う構成でもよい。
【0072】
ポリマーの両端がレイヤと結合している場合(ポリマーの1つの端があるレイヤと結合し、他端が近接する他のレイヤと結合する場合)、ポリマー鎖は単位レイヤ間に密に配列し、しかも活性基が残存しないため、安定性に優れ、しかもある程度の剛性を持ち、脆化しない性質を有する。
【0073】
また、ポリマーの一端のみがレイヤに結合している場合、ポリマー分子鎖の運動が比較的自由であるため、成形性に優れた性質が与えられる。
【0074】
さらに、ポリマーが架橋形態をとる場合、有機分子の少ない複合材料で成形可能となり、耐熱性、硬度に優れた複合材料が得られる。
【0075】
本発明の複合材料において、レイヤ間の距離は、大きいほどレイヤ間に存在する有機基の性質が発揮させやすい。従って、レイヤ間の平均距離は、4.4nm以上が望ましい。この範囲であれば、レイヤ間に存在する有機基は、レイヤである無機物の影響を受けずに、引張り強度、成形性等の性質を発揮させることができる。より望ましくは、レイヤ間の平均距離は5.0nm以上がよい。
【0076】
ここで、レイヤ間の平均距離とは、1枚のレイヤの重心を基準として、このレイヤの重心間の距離についての平均値である。レイヤが均一に分散した状態でも、あるいはレイヤが集合体となり、レイヤ同士が接触した状態でもレイヤの重心の距離を求めて平均化したものである。このレイヤ間の平均距離は実施例で示すように、X線回折により求めることができる。すなわち、例えば、図7に示したように、X線回折パターンの主に2θが10°以下のピーク位置からブラッグの公式(λ=2dsinθ(λ:X線の波長、d:面間距離、θ:回折角))により計算することにより、レイヤ間の平均距離を測定することができる。
【0077】
レイヤ間の平均距離が4.4nm以上、より望ましくは5.0nm以上により、引張り強度、成形性等の性質を発揮させる理由は、明確ではないが、以下のように考えられる。
【0078】
例えば、レイヤ同士が平行に位置し、レイヤ間に有機基が存在するとすると、レイヤ間に存在する有機基の炭素数が増加するに従い、有機基の長さが長くなり、レイヤ間距離(レイヤの重心間距離)が大きくなる。また、レイヤがリン酸ジルコニウム型構造の層であるとすると、レイヤの厚さは約1.1nmである。また、有機基が直鎖の炭化水素である場合、6,6−ナイロン等のように炭素数6の有機基が1つの単位(ユニット)となる。このユニットが1つのみ(6個の炭素)の有機基の長さは約1.1nmである。従って、この形態のレイヤ間の距離は約3.3nmとなる(レイヤの重心からレイヤの表面までが約0.55nmであり、有機基1つの長さが約1.1nmであり、レイヤ間にはこの形態が一対存在するため)。この形態では、有機基の長さが約1.1nmと短いため、有機基のレイヤと結合していない端部は無機物であるレイヤの影響を受け、有機物としての性質を発揮しにくい。
【0079】
更に、レイヤ間に1つのユニット(6個の炭素)の有機基が加わると、加わった有機基はレイヤから離れるため、レイヤの影響を受けずに有機物としての性質を発揮する。この形態では、レイヤ間の距離約3.3nmに1つのユニット(6個の炭素)の有機基(長さ約1.1nm)が追加されるため、レイヤ間の距離は約4.4nmとなる。
【0080】
更に、1つのユニットの有機基の半分(長さ約0.6nm)の有機基が追加されることにより、より有機基の長さが長くなり、有機物の性質を発揮しやすい。この場合のレイヤ間距離は5.0nmである。
【0081】
しかし、有機基が長くなり、レイヤ間の距離が大きくなると、複合材料中のレイヤ自体の存在量が減少することになる。レイヤの存在量の減少により、耐熱性、ガス透過性抑制作用(ガスバリア性)等のレイヤが有する無機物としての性質が損なわれることになる。従って、レイヤ間の平均距離の上限としては、100nmとするのがよい。
【0082】
上記のように、また、レイヤ間の距離を大きくするには、レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基の分子量や直鎖の炭素数を大きくすることにより可能である。
【0083】
本発明の複合材料は、無機物中の元素を選択することにより紫外線吸収剤として利用することができる。例えば、レイヤ中の8面体の中心元素としてTiやCeを用いることにより複合材料に紫外線吸収の機能が与えられる。また、本発明の複合材料は、高耐熱性、高硬度の性質を利用して樹脂や木材へのコート材(表面硬化材)に使用でき、高剛性かつ高靱性の性質を利用した成形体しての自動車部品、機械部品に使用できる。また、ガス透過性抑制作用の性質を利用して包装材として使用でき、さらにこの性質に耐熱性を加えた特性を利用してIC封止樹脂等の電子部品材料として使用できる。また、レイヤ間にフェニール基やビニル基等、電子が過剰な有機基を配列し、それらの間での相互作用、さらにはそれに金属イオンやハロゲン分子を加えて電子を追加して、発色体や電気伝導体等の光学、電磁気素子として使用できる。また、レイヤに用いる金属の種類や有機分子の配列制御により、光・電磁的機能を付与することができる。また、ガラス繊維やセピオライト等の繊維状物質、マイカやタルク等の板状物質、その他シリカゲル等との複合材として利用することもできる。
【0084】
また、レイヤとしてリン酸ジルコニウム型層とすると、4面体の中心元素と結合した有機基として、有機高分子と直接結合する有機基の他、過酸化物、アゾ基、ジスルフィド基、金属カルボニル基、金属フェニル複合基等のラジカル重合開始作用を持つ基、金属アルキル基等のアニオン重合開始作用を持つ基、カチオン重合開始作用を持つ基、ナイロン等の重縮合の開始作用を持つアミン基やカルボキシル基等の重合開始剤、ジフェニルやニトロフェニル基、ニトロ基等の重合停止あるいは抑止剤を結合させることにより、複合材料の構造や特性を制御することができる。
【0085】
また、4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基として、フェニル基、ナフチル基等の芳香族有機基を持つ場合、有機基の大きさの制約から芳香族環がほぼ平行に、しかも近接して配列することを見い出した。この構造の複合材料にFe、Ni、Co、Ti、Zr、Hf等の遷移金属イオンをドープすることにより、この複合材料は電子の供与体として作用する。その結果、新たな発色作用を示すなど、光学的機能が表れる。さらに、この電子供与体はアニオン重合開始剤として作用する。従って、ポリプロピレン等のポリオレフィンやラクタム等のアニオン重合開始剤として作用する。
【0086】
(第2発明をより具体的にした発明)
本第2発明の複合材料の製造方法は、8面体シートの8面体の中心元素となる元素を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素を含有する物質と、4面体シートの4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させるものである。
【0087】
例えば、製造する複合材料が、レイヤは、Me〔XO ・R〕 (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層よりなるものであり、上記式中のXとRとが共有結合により結合したものである場合、以下のような反応により複合材料が得られる。
【0088】
4面体の中心元素となる元素(X)と該元素(X)と共有結合により結合した有機基(R)とを含有する物質と、8面体の中心元素となる元素(Me)を含有する物質と、上記元素(Me)以外の元素(例えば酸素)とを含有する物質とを反応させると、一般には、
Figure 0003601115
(ここで、Z、Z’はハロゲンイオン、OR’はアルコキシドである。)等の反応で上記リン酸ジルコニウム型構造が合成される。通常のリン酸ジルコニウム型化合物では、
Figure 0003601115
の反応で生成し、レイヤ表面にはHが配列するのみであるため、室温での反応では直ちに結晶化しにくい。しかし、レイヤに有機基が結合した有機型のものでは、表面に有機基(R)が配列し、しかもリン酸ジルコニウム型構造では、Rに非常に密に配列するため、有機基(R)同士のファンデルワールス相互作用あるいは水素結合で層状の配列を促進するため、室温での反応でも層状構造を取ると考えられる。
【0089】
通常、リン酸ジルコニウム型構造を持つ化合物は、8面体の中心元素となる金属(Me)のハロゲン化物(MeX;XはCl、Br、I等のハロゲン、mは通常4)あるいは酸ハロゲン化物(MeOX;nは通常2)とリン酸との反応で合成される。ここで、リン酸の代わりにPあるいはAsに有機基が結合したリンの酸・水酸化物(R−PO(OH) )、その金属塩(R−PO(OMe) )(Me=Na、K等)あるいは酸ハロゲン化物(R−POX )を用いることにより、有機基が直接結合した有機型リン酸ジルコニウム型化合物が得られる。
【0090】
具体的には、リン化合物としては、フェニルフォスフォン酸、アミノベンジルフォスフォン酸、ナフチルフォスフェート等の芳香族リン化合物、メチルフォスフォン酸、エチルフォスフォン酸、プロピルフォスフォン酸等の直鎖脂肪族フォスフォン酸、t−ブチルフォスフォン酸等の分枝脂肪族フォスフォン酸、アミノメチルフォスフォン酸、アミノエーテルフォスフォン酸、アミノエチルフォスフォン酸、アミノプロピルフォスフォン酸等のアミノ基を有するフォスフォン酸、2−カルボキシルリン酸、フォスフォニウム酢酸等のカルボキシル基を持った化合物、フォスフォニウム酸ナトリウム塩等のカルボニルのアルカリ金属塩、アミノフォスフォニウムプロピオニック酸、アミノフォスフォニウムブチル酸等のアミノおよびカルボニル基を有するアミノ酸、ジメチルビニルリン酸、アリルリン酸塩化物等の不飽和結合を有する基を持つP−アルコキシドやハロゲン化物、メチレンジフォスフォン酸等のリン酸基を有するフォスフォン酸、ジエチルメチルチオメチルフォスフォネート等の硫黄を炭素中に含むリンアルコキシド、ジエチルピロリノメチルフォスフォネート等のピロールを含むリンアルコキシド、ジメチルオキソプロピルフォスフォネート等のオキソアルキルを含むアルコキシド、トリメチルフォスフォノ酢酸やエチルジメチルフォスフォノ酢酸等のアルコキシドを末端に持つリンアルコキシド、トリエチルリン酸クロトネート等のクロトン酸やエステルを有するリンアルコキシド、S−アミノエチルチオフォスフェートモノナトリウム塩等のSおよびアミノ基を有するフォスフォン酸のナトリウム塩、リボーズリン酸ナトリウム塩やα−D−グリコースリン酸ナトリウム塩等の糖類を結合したリン酸塩等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を使用する。
【0091】
このリン化合物の溶液と、ジルコニウム酸塩化物、四塩化ジルコニウム、四塩化チタン、四塩化ゲルマニウム等のハロゲン化物、あるいはその水溶液、硫酸セリウム、水酸化セリウム等の水溶液、チタンイソプロポキシド等のアルコキシド等の8面体の中心元素となる元素(Me)を含有する物質とMe以外の8面体を構成する元素(酸素等)を含有する物質とを、室温で、PあるいはAsと8面体の中心元素との割合が2:1の割合となるように混合することにより、層状物質あるいはその前駆体が析出する。両化合物の水溶液あるいはアルコール溶液の濃度は特に限定する必要はないが、PあるいはAsを含む化合物が0.05〜10Mの濃度(より好ましくは0.1〜2M)、Zr等の8面体を構成する元素を含む化合物が0.005〜1Mの濃度(より好ましくは0.01〜0.05M)がよい。
【0092】
この反応では、室温で複合材料を合成した後、結晶化処理を行うのがよい。結晶化処理の方法としては、密閉容器中で100〜250℃の温度の範囲での水熱処理、HFを触媒として加えて還流下で40〜80℃で加熱する等の方法がある。この処理を250℃を超える温度で行うと、平衡水蒸気圧が40気圧以上となり、装置上の制約が大きくなるばかりでなく、結合した有機基が変質するおそれがあるため、好ましくない。
【0093】
本発明において、出発原料を反応させるための条件としては、出発原料の種類により異なるが、10〜200℃、より好ましくは20〜90℃の範囲で加熱等の処理を行うのがよい。また、8面体の中心元素となる元素を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素を含有する物質は、別々の物質でもよく、あるいは1つの物質(8面体の中心元素となる元素と該元素以外の8面体を構成する元素との両者を含む物質)であってもよい。
【0094】
このようにして合成された複合材料(有機型リン酸ジルコニウム型化合物)のうち、有機高分子と結合し得る官能基を有する有機基を含む化合物は、有機モノマーと混合し、通常の重合反応を行うことにより、有機基に有機高分子が結合した複合材料が得られる。
【0095】
上記有機高分子がポリアミドの場合、合成原料としてカルボキシル基あるいはアミン基を有する化合物を用い、ラクタムと混合した後、封管し、加熱することにより、ポリアミドが結合した複合材料が得られる。このラクタムとしては、ブチルラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、ピバロラクタム等が挙げられ、これらのうちの1種でも2種以上組み合わせてもよい。これとリン酸ジルコニウム型化合物の他に、アミノヘキサン酸等のラクタム重合触媒を加えてもよい。重合反応は最高270℃の温度で1〜24時間重合管中で加熱することにより複合材料が得られる。
【0096】
カルボキシル基あるいはアミノ基を有する化合物と、これらの有機基の数と等価のジアミン、あるいはジカルボニル化合物を水中で反応させることにより、層間でナイロン塩が室温で生成する。この複合材料にさらに等価のジアミンとジカルボニル化合物の反応で生成したナイロン塩を混合することにより、リン酸ジルコニウム型化合物を含んだナイロン塩が生成する。上記2段階の操作を同時に、すなわちカルボニル基を含むリン酸ジルコニウム型化合物とジカルボン酸、およびそのカルボニル基の数と等価のアミノ基を持つジアミンを室温で攪拌して混合、あるいはアミン基を有するリン酸ジルコニウム型化合物とジアミン、およびそのアミノ基の数と等価のジカルボニル基とを同様に攪拌して混合することにより、リン酸ジルコニウム型化合物を含むナイロン塩が得られる。その際、アミノ基を含んだリン酸ジルコニウム型化合物とカルボニル基を含んだものとを混合してもよい。このナイロン塩を窒素導入管および減圧コックがついた容器中で窒素気流中あるいは減圧中で200〜300℃で加熱することにより、ポリアミドとの複合材料が得られる。
【0097】
アリル基等の不飽和結合を有する有機基は、塩化チタン等の触媒とともにプロピレンと重合反応を行わせることにより、ポリプロピレンとの複合材料が得られる。その際、用いられる触媒は、塩化マグネシウム担持の四塩化チタン、塩化マグネシウム担持の三塩化チタン等が挙げられ、通常のポリオレフィンと同様の方法で重合し、複合材料が得られる。
【0098】
また、通常の有機高分子の重合モノマーに、それに結合し得る基を持ったリン酸ジルコニウム型を予め混合し、通常の重合方法により、ポリオレフィンやポリアミドの他に、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリアセチレン等の炭素−炭素結合を主鎖とするポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカルボナート等の主鎖に酸素を含むポリマー、ポリアミン、ポリペプチド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン等の含窒素ポリマー、ポリスルフィドやポリスルホン等の含硫黄ポリマー、ポリリン酸、ポリホスフィン等の含リンポリマー、フェノール、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の縮合系橋かけポリマー、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル等の付加系橋かけポリマーとの複合化が可能である。
【0099】
(第3発明をより具体的にした発明)
本第3発明の複合材料中の有機物と無機物との分量の制御方法は、8面体シートの8面体の中心元素となる元素が含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素を含有する物質と、4面体シートの4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、複合材料を製造する際に、上記4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質に、上記4面体の中心元素となる元素を含有し、かつ該元素に有機基が結合していない物質を所定割合で添加するものである。
【0100】
本第3発明では、出発原料である4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質に、4面体の中心元素となる元素を含有し、かつ該元素に有機基が結合していない物質を所定割合で添加することにより、製造する複合材料中の4面体の中心元素の一部を有機基と結合していない状態とする。そのため、この添加量を調整することにより、有機基の割合、すなわち、複合材料中の有機物の割合を制御することができる。
【0101】
通常のリン酸ジルコニウムの合成においては、リン酸を用いて合成する。それに対して、本第3発明では、有機基を結合した有機フォスフォン酸、あるいは有機リン酸と、ジルコニウム等の化合物との反応で合成する。例えば、無機のリン酸とこの有機系リン酸とを水溶液あるいはアルコール溶液中で予め混合した混合溶液を用いて、上記と同様な反応で合成することにより、4面体の中心元素(X)に水酸基が結合したものと、有機基(R)が結合したXとがほぼ均一に分散したレイヤが合成される。
【0102】
通常のリン酸ジルコニウムや粘土鉱物をイオン交換法で有機化する際には、イオン交換率を下げたり、イオンを混合することによっても上記の目的を達成できると推測されている。しかし、イオン交換により層間のイオンの大きさが変化し、その結果、層間距離が変化する反応では、反応が始まった層にのみその反応が集中して進行する性質がある。そのため、本第3発明のように均一に有機基を分散することは困難である。
【0103】
このように、合成したXと結合した無機イオン(水酸基の場合はH)は通常のリン酸ジルコニウムと同様にイオン交換により他の無機あるいは有機陽イオンと変換することもできる。
【0104】
有機基の割合が100%に近い場合、レイヤの表面に有機基が非常に密に配列し、その結合割合も大きいため、剛性や硬さ等の機械的性質の向上や有機基が配列することによる発色作用等の機能が出やすい。有機基の割合が30%程度の場合、イオン交換により有機化した粘土鉱物と同程度の疎水化あるいは補強効果が得られる。有機基の割合が10〜50%で、しかも有機基中にフェニル基等を含んだ剛直なものでは層間領域にさらに空隙が生じ、吸着作用を示すことが期待される。しかし、有機基の割合が3%以下ではその性質は通常の無機層状化合物とほとんど同じ性質を示して、本発明の複合材料の特徴を利用することができない。
【0105】
また、上記有機基の種類を混合することにより、ポリマーとの結合密度を変化させることができる。従って、ポリマー分子鎖の配列や分子間の橋かけ密度を制御することができる。このことにより、剛性、靱性、耐熱性、硬度等の機械的性質と成形性等との互いに相反する特性を比較的自由に制御することができる。また、有機基がレイヤの表面に適当な密度で配列するように、有機基の平均の大きさを決めることが本発明で可能である。それにより、レイヤの表面における有機基の配列、レイヤとの相対構造(具体的にはレイヤに対して平行に近く配列するか、垂直に配列する。)を制御することができる。その結果、それに結合するポリマーの高次構造や付加したイオンとの電子相互作用を制御することにより、複合材料の特性を制御することができる。
【0106】
なお、Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、酸素とが含有する物質と、X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該Xと共有結合により結合したR(=有機基)とを含有する物質とを反応させることにより、レイヤがMe〔XO ・R〕 (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合した複合材料を製造する際に、上記Xと該Xと共有結合により結合したRとを含有する物質に、Rと結合していないXを含有する物質を所定割合で添加する。
【0107】
(第4発明をより具体的にした発明)
本第4発明の複合材料中の有機物と無機物との分量の制御方法は、8面体シートの8面体の中心元素となる元素を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素を含有する物質と、4面体シートの4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、複合材料を製造する際に、4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質中の有機基の有機分子と結合することができる官能基の数を調整し、かつ上記有機基の官能基に有機分子を結合させるものである。
【0108】
本第4発明では、出発原料である4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質中の有機基の有機分子と結合することができる官能基の数を調整する。例えば、上記官能基の数が0であると、その有機基には有機分子が結合することができない。逆に、上記官能基の数を多くすることにより有機分子の数を更に多くすることができる。このようにして、複合材料中で有機基に結合する有機分子の割合、すなわち複合材料中の有機物の割合を制御することができる。
【0109】
4面体の中心元素に共有結合により結合し得る有機基には、カルボニル基、アミノ基、不飽和炭素結合を含む基、エポキシ基、フェノール基、アルコキシド基、アミノ酸基、スルフォン酸基、糖類等のように、さらに他の化合物やポリマーと結合する基(A)と、直鎖脂肪族基、フェニル基、分枝脂肪族、アルコール等、通常の反応ではそれ以上に結合を伸ばすことができない基(B)とに分類される。この両者を本第2発明の製造方法と同様にして混合した後、ZrやTi等を含む化合物と反応させることにより、これらの有機基が均一に結合したレイヤが合成される。
【0110】
分子の大きさが異なるこれらの有機基を均一に分散できるのは、イオン交換法を用いない本発明の技術で始めて可能となったものである。有機ポリマー中にこのような無機物質を分散させる技術は従来から行われており、剛性等の機械的性質や耐熱性を向上させる効果がある。従って、有機ポリマーと結合することができる上記(B)群の有機基が100%であっても複合材料としての効果は現れる。(B)群の有機基が0%の場合には、レイヤの表面ですべてX元素とポリマーとの結合がある安定性の高い材料となる。(B)群の割合が多いほど可塑性等の成形性が優れ、(A)群の割合が多くなるにしたがって、剛性や耐熱性等の性質が向上する。材料の成形、使用条件によりすべての割合の範囲で選択することができる。
【0111】
また、本第3発明と同様に、有機物の割合を調整することにより、剛性や硬さ等の機械的性質の向上、発色作用等の機能、疎水化、補強効果、あるいは吸着作用が得られる。また、ポリマーと結合できる有機基の割合を変化させることにより、ポリマーとの結合密度を変化させることができる。従って、本第3発明と同様に、ポリマー分子鎖の配列や分子間の橋かけ密度を制御することができる。
【0112】
なお、Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、酸素を含有する物質と、X(=P、As)と該Xと共有結合により結合したR(=有機基)とを含有する物質とを反応させることにより、レイヤがMe〔XO ・R〕 (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合した複合材料を製造する際に、上記Rの有機分子と結合することができる官能基の数を調整する。
【0113】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0114】
なお、本実施例において、層間距離とは、リン酸ジルコニウム型構造の1つの層を1つのレイヤとした場合の隣接するレイヤ同士間の平均距離である。
【0115】
(実施例1)
2カルボキシルリン酸の0.8M水溶液50ccにジルコニウム酸塩化物の0.02M水溶液1000ccをマグネチックスターラで攪拌しながら室温で滴下した。この反応で得られた析出物の濾過、水洗を、濾液のpHが7になるまで繰り返した。これを30℃で10時間真空乾燥した。得られた粉末をX線回折(RIGAKU・RAD−B、Cu−Kα)で調べた。その結果を図4のa線で示す。a線がリン酸ジルコニウム型構造の物質と類似の形であり、a線のピークAが生じていることにより、リン酸ジルコニウム型構造を有し、層間距離が1.6nmの層状物質が得られたことが分かる。また、IR(赤外線)吸収分析の結果を図5のa線に示す。その化合物には、カルボキシル基およびリン酸基が存在し、出発原料としてカルボキシル基とリン酸基とが共有結合した物質(2カルボキシルリン酸)を使用していることから、2−カルボン酸が共有結合により結合したリン酸ジルコニウム型化合物が得られたことが確認された。また、図4のa線で示される層間距離と図5のa線で示されるCOOHの存在により、この化合物中の単位レイヤ表面での2−カルボン酸の配列を考察したところ、図6の模式図に示すように、2−カルボン酸は規則正しく配列していることが分かった。
【0116】
この粉末2gとε−カプロラクタム2、3、4gとを乳鉢で混合した後、パイレックスガラス管に入れ、40℃で5時間乾燥後、ガラス管を封じ切った。これを260℃に保持したオーブンに入れ、10時間重合反応を行った。ガラス管から取り出した後、沸騰水中で10分間処理して、低分子量物を除去した。その後、80℃、24時間真空乾燥した。得られた複合材料の層間距離をX線回折で、また有機物/無機物の割合を熱重量分析で測定した。X線回折の結果を図7に示す。図7のピークA、B、Cより層間距離を求め、表1に示す。また、熱重量分析の結果を図8〜図11のa線に示す。有機物/無機物の割合の測定は、複合材料を200〜500℃で燃焼させ、燃焼により除去された有機物の量(減量)を求め、グラフ化し(図8〜図11のa線)、これを6−ナイロン含有量が0%の場合(図8)を基準として算出することにより行った。その結果を表1に6−ナイロン含有量として示す。
【0117】
【表1】
Figure 0003601115
【0118】
また、IR分析の結果、図5のb線に示すように、アミド結合が生成したことが確認された。なお、図5中のアミドI〜IIIは、ポリアミドが形成した時に現れる吸収である。これは、層間で6−ナイロンが生成し、6−ナイロン分子鎖が無機レイヤに対してほぼ垂直に結合した複合材料が得られたことを示している。
【0119】
(実施例2)
実施例1と同様に合成した2−カルボン酸基を結合したリン酸ジルコニウム10gを100ccのイオン交換水と混合し、これを200cc容量のテフロン製高圧密閉容器に入れ、200℃で10日間水熱処理することにより結晶化させた。これを容器から取り出し、濾過後80℃で10時間乾燥した。この粉末をX線回折で調べた。その結果を図4のb線に示す。b線がリン酸ジルコニウム型構造の物質と類似の形であり、b線のピークBが生じていることより、リン酸ジルコニウム型構造を有し、結晶化が進行し、層間距離は1.3nmであることが分かる。
【0120】
この粉末1.2gとε−カプロラクタム22gとアミノヘキサン酸1.8gとを混合し、実施例1と同様の方法で重合し、複合材料を合成した。実施例1と同様な方法で低分子量物質を除去し、乾燥した後、JISK7113に準拠した方法で引張り試験を行った。その結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
Figure 0003601115
【0122】
(比較例1)
α−リン酸ジルコニウム2gを1リットルの水に懸濁させ、12−アミノドデカン酸2.16gを添加し、55℃で2時間攪拌した。これを濾過、水洗した後、50℃で16時間真空乾燥して、特開平5−306370号公報に記載の内容と同様なイオン交換により有機型リン酸ジルコニウムを得た。これを実施例1と同様な方法で重合成型し、実施例2と同様にして引張り試験を行った。その結果を表2に示す。
【0123】
(比較例2)
山形県産モンモリロナイト10gを、塩酸でpHが5.2に調節した1Mアミノカプロン酸水溶液150mlに浸漬し、室温で2時間イオン交換を行った。これを水洗、濾過、乾燥した後、実施例1と同様な方法で6−ナイロンとの複合材料を得た。この複合材料について実施例2と同様にして引張り試験を行った。その結果を表2に示す。
【0124】
(比較例3)
ε−カプロラクタム22.5gと6−アミノヘキサン酸2.5gとを乳鉢で混合し、ガラス管に封入して実施例1と同様の方法で重合し、ポリアミド樹脂を得た。実施例2と同様にして引張り試験を行った。その結果を表2に示す。
【0125】
表2より明らかなように、比較例1〜3に対して、実施例2の複合材料の方が、引張り強さおよび引張り弾性率が高いことが分かる。
【0126】
(実施例3)
2カルボキシルリン酸およびフェニルフォスフォン酸とをモル比で2カルボキシルリン酸/(2カルボキシルリン酸+フェニルフォスフォン酸)=1、0.7、0.5、0.3、0となるように混合し、その混合物の0.8M水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でジルコニウム酸塩化物と反応して固型析出物を得た。これを水洗、濾過、乾燥した後、X線回折で調べた。その結果を図4、図12〜図15のa線に示す。各図は、2カルボキシルリン酸/(2カルボキシルリン酸+フェニルフォスフォン酸)=1(図4)、0.7(図12)、0.5(図13)、0.3(図14)、0(図15)の結果である。各図のa線は、いずれもリン酸ジルコニウム型構造の物質と類似の形であり、a線に層間距離に対応するピークAが生じていることより、リン酸ジルコニウム型層状物質が生成していることが確認された。これを実施例2と同様の方法で結晶化し、それをX線回折で調べた。その結果を図4、図12〜図15のb線に示す。各図のb線は、いずれもリン酸ジルコニウム型構造の物質と類似の形であり、b線に層間距離に対応するピークBが生じていることより、リン酸ジルコニウム型層状物質であることが分かる。その層間距離を表3に示す。X線回折の結果(図4、図12〜図15のa線、b線)、カルボニル基およびフェニル基が当初の混合割合で存在しており、両者がほぼ均一に分布していることが層間距離の濃度変化から明らかになった。すなわち、フェニル基が50%以上では大きさの大きいフェニル基の大きさが層間距離を決定して、2カルボニル基はその間を埋めており、2カルボニル基の大きさを反映した層間距離は全く観測されなかった。
【0127】
このうち、2カルボキシルリン酸/(2カルボキシルリン酸+フェニルフォスフォン酸)の割合が0.5、0.7、1.0の生成物(2−カルボン酸基を結合したリン酸ジルコニウム)では、実施例2と同様の方法でこの2−カルボン酸基を結合したリン酸ジルコニウム(2g)とε−カプロラクタム(2g)とを混合、重合、水洗して、X線回折で調べた。その結果を図16に示す。図中のXは2カルボキシルリン酸/(2カルボキシルリン酸+フェニルフォスフォン酸)のモル比である。ピークA、B、Cより層間距離を求めた。その結果を表3に示す。
【0128】
【表3】
Figure 0003601115
【0129】
フェニル基の割合の増大とともに層間距離はやや増大する傾向を示すが、層間距離を示すX線回折ピークは非常にブロードになり、フェニル基が存在するとレイヤの積層に乱れが存在し、層間のポリマーの構造の規則性がなくなっていることが分かった。
【0130】
(実施例4)
アミノプロピルフォスフォン酸の0.8M水溶液50ccにチタン四塩化物の0.02M水溶液1000ccを混合し、析出物を得た。これを実施例1と同様の方法で濾過、水洗、乾燥して、さらに水熱反応で結晶化、乾燥した。このアミノプロピル基が結合したリン酸チタン10gを500ccの水に懸濁した。その懸濁液に、1Mアジピン酸水溶液を80cc添加し、さらにその後、1Mヘキサメチレンジアミン水溶液を40cc添加した。これを40℃で1時間加熱し、さらにこれを濾過した後、100ccの水を加えて容量200ccのテフロン製密閉容器に入れて、120℃で10時間処理した。これを濾過した後、40℃で48時間真空乾燥した。これをIR分析した。その結果を図17のa線に示す。このIR吸収スペクトルでは、−COOとNH との生成が確認され、層間でナイロン塩が生成したことが確認された。これを窒素導入口が付いた反応管に入れ、280℃で30分間処理した。得られた生成物は、アミド結合が生成していることがIR吸収スペクトル(図17のb線)で確認された。以上の結果より、6,6−ナイロンとアミノ基が結合したリン酸チタンのハイブリッド材が生成していることが分かった。
【0131】
(実施例5)
2−カルボキシルリン酸((COOH)(CHPO(OH))62gをイオン交換水500ccに溶解した水溶液を調製した。この水溶液に、酸塩化ジルコニウム8水和物(ZrCl・O・8HO)65gを10リットルの水に溶解した水溶液を少量ずつ攪拌しながら約30分で滴下することにより、固形物が生成し、この固形物が水溶液中で分散した。この懸濁液について、フィルタプレスでのろ過と、10リットルの水での水洗とを、ろ液のpHが6.5になるまで繰り返した。得られた水分を含んだケーキに水を1リットル加え、これを内容積10リットルの鋼製のオートクレーブに入れ、3日間水熱処理を行った。その後、これを凍結乾燥して、リン酸ジルコニウム−2カルボキシル誘導体粉末を得た。
【0132】
この粉末100gと、ε−カプロラクタム120g、160g、400gとを各々混合した後、100℃で30分間加熱した。これをアルゴンで置換したガラス製密封容器中で250℃、6時間加熱した。得られた生成物をアルミナ製乳鉢で粗粉砕した後、80℃の水5リットルに1時間浸漬した後、ろ過し、ろ過物を80℃で24時間真空乾燥した。
【0133】
得られた複合材料について、実施例1および2と同様にして成形し、X線回折および機械的特性の評価を実施した。その結果を表4に示す。
【0134】
【表4】
Figure 0003601115
【0135】
表4中の試料No.1は、熱変形温度の測定中に溶融して、熱変形温度を測定することができなかった。しかし、引張り弾性率は良好なものであった。
【0136】
表4より、層間距離が5.0nm以上の複合材料は、引張り強度が大きく、耐熱変形性に優れることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料の一例の構造を示す模式図
【図2】粘土鉱物の構造を示す模式図
【図3】リン酸ジルコニウムの構造を示す模式図
【図4】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図5】本発明の実施例の複合材料のIR吸収分析結果を示す線図
【図6】本発明の実施例の複合材料中のレイヤ表面における2−カルボン酸の配列を示す模式図
【図7】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図8】本発明の実施例の複合材料の熱重量分析結果を示す線図
【図9】本発明の実施例の複合材料の熱重量分析結果を示す線図
【図10】本発明の実施例の複合材料の熱重量分析結果を示す線図
【図11】本発明の実施例の複合材料の熱重量分析結果を示す線図
【図12】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図13】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図14】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図15】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図16】本発明の実施例の複合材料のX線回折結果を示す線図
【図17】本発明の実施例の複合材料のIR吸収分析結果を示す線図

Claims (10)

  1. 8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価であり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、
    上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなる複合材料であって、
    上記レイヤは、Me[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離は4.4nm以上であることを特徴とする複合材料。
  2. 上記有機基は、ポリアミドまたはポリプロピレンである請求項1に記載の複合材料。
  3. 上記有機基の官能基に有機分子が結合した請求項1に記載の複合材料。
  4. 上記レイヤ間の平均距離は5.0nm以上である請求項1に記載の複合材料。
  5. 8面体シートの8面体の中心元素となる元素Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素である酸素を含有する物質と4面体シートの4面体の中心元素となる元素X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、
    8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価あり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、
    上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなり、
    上記レイヤがMe[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離は4.4nm以上である複合材料を製造することを特徴とする複合材料の製造方法。
  6. 上記有機基は、ポリアミドまたはポリプロピレンである請求項5に記載の複合材料の製造方法。
  7. 8面体シートの8面体の中心元素となる元素Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素である酸素を含有する物質と4面体シートの4面体の中心元素となる元素X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、
    8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価あり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、
    上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなり、
    上記レイヤがMe[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離が4.4nm以上である複合材料を製造する際に、
    上記4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質に、上記4面体の中心元素となる元素を含有し、該元素に有機基が結合していない物質を所定割合で添加することを特徴とする複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法。
  8. 上記有機基は、ポリアミドまたはポリプロピレンである請求項7に記載の複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法。
  9. 8面体シートの8面体の中心元素となる元素Me(=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種)を含有する物質と、上記元素以外の8面体を構成する元素である酸素を含有する物質と4面体シートの4面体の中心元素となる元素X(=P、Asのうちの少なくとも1種)と該元素に共有結合により結合した有機基とを含有する物質とを、8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価となり、4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価となるように反応させることにより、
    8面体がシート状となった8面体シートと、4面体がシート状となった4面体シートとが積層したレイヤであり、上記8面体シート全体における8面体の中心元素の平均価数が3.5〜4.5価あり、上記4面体シート全体における4面体の中心元素の平均価数が4.5〜5.5価であるレイヤと、
    上記レイヤの4面体の中心元素と共有結合により結合した有機基とからなり、
    上記レイヤがMe[XO ・R] (Me=Ti、Zr、Ge、Sn、Pb、Ceのうちの少なくとも1種、X=P、Asのうちの少なくとも1種、R=有機基)で示されるリン酸ジルコニウム型層であり、上記式中のXとRとが共有結合により結合しており、上記レイヤ間の平均距離が4.4nm以上である複合材料を製造する際に、
    4面体の中心元素となる元素と該元素と共有結合により結合した有機基とを含有する物質中の有機基の有機分子と結合することができる官能基の数を調整し、かつ上記有機基の官能基に有機分子を結合させることを特徴とする複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法。
  10. 上記有機基は、ポリアミドまたはポリプロピレンである請求項9に記載の複合材料中の有機物と無機物との分量制御方法。
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