JP3600242B2 - ポリエステルウレタンのコンドーム - Google Patents

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Description

本発明は熱可塑性エラストマーの軟質の、柔軟な、薄い壁の、閉鎖末端の、チューブ状の物品を製造する方法、そのための装置、製造された物品に関する。さらに詳しくは、熱可塑性エラストマーの極薄の壁の、軟質の、柔軟な、閉鎖末端の、チューブ状の物品をプラグアシストで圧伸成形する方法、そのためのプラグアシスト圧伸成形装置、並びにそれによって製造されたライナー、コンドームおよび指サックに関する。
発明の背景
熱可塑性エラストマーの薄壁のチューブ状物品は強くて、薄い、柔軟な保護バリヤーを提供することが当業界で知られている。これらの特性を有する保護バリヤーは、コンドームおよび医療検査に使用される指サックのように、皮膚の表面を好ましくない接触または汚染から保護し、他方、触感の感度を保持するのに特に有用である。
米国特許第4,576,156号明細書、Dyck等には、種々のポリウレタン熱可塑性エラストマーから製造されたコンドームについて記載されている。その製造方法では、成形マンドレルを、予備加熱され押出し加工されたフィルムの表面中に入れ、そして減圧の適用によってフィルムをマンドデルの形状に成形する。
米国特許第4,684,490号明細書、Taller等には、ある種のポリウレタン熱可塑性エラストマーから製造されたコンドームについて記載されている。その製造方法では、マンドレルを弾性物質のプレポリマーの乳濁液でコーティングし、高温でコーティングを硬化させる。
熱可塑性エラストマーからコンドームを製造する追加の方法は一般的に知られている。一つの製造方法では、熱可塑性エラストマーを吹込み成形して極薄のフィルムとし、フィルムを切断して適切な予備成形物とし、このセグメントを熱シールしてコンドームに形成する。
熱可塑性エラストマーが上記の物品の製造に適した物質であると教示されている事実にも拘らず;現在の最も優れた物質である天然ゴムと比較して、これらのエラストマーがより強く、より薄く、より確かな欠点のない製品を製造するのに使用することができるという事実にも拘らず;薄い壁のチューブ状の物品は熱可塑性エラストマーから商業的に製造されていない。1つまたはそれ以上の理由から、上記の各方法は大量生産に適していない。例えば、得られた製品の壁厚みを所望の許容差に調節することができない。また、製品はより薄くかつより強いものであるが、弾性率が高過ぎる、すなわち、エラストマーが硬すぎる。さらに、硬化またはアニールの所要時間を考慮すると、所要機械の処理量が低すぎる。
したがって、軟質で柔軟でありかつ均一に薄い壁の厚みを有する、熱可塑性エラストマーのチューブ状の物品を迅速に製造することが本発明の目的である。
また、低い弾性率および均一に薄い壁の厚みを有する、熱可塑性エラストマーのチューブ状の物品を溶融成形する方法を提供することが本発明の目的である。
低い弾性率および均一に薄い壁の厚みを有する、熱可塑性エラストマーのチューブ状の物品をプラグアシストで圧伸成形する方法および器材を提供することが本発明のさらなる目的である。
薄い壁および低い弾性率を有するチューブ状の物品に、圧伸成形することができる熱可塑性エラストマーを提供するすることが本発明のもう一つ目的である。
発明の要旨
要約すれば、本発明によれば、熱可塑性エラストマーの薄壁の、閉鎖末端の、チューブ状の物品を製造する方法において、
a)縦軸線、閉鎖末端および反対側の開口末端を有するチューブ状の金型を用意し、前記開口末端がリムを有すること、並びに熱可塑性エラストマーの予備成形物を用意し、前記予備成形物が実質的に共平面の2つの対面を有し、そして前記熱可塑性エラストマーは予備成形物が圧伸され得る範囲内の粘度および弾性を有するように加熱されること;
b)熱可塑性エラストマーの前記予備成形物の表面を前記リム上に置くこと;
c)前記予備成形物の一方の表面に空気加圧または減圧を適用して、予備成形物の両表面間は空気差圧を掛けること、および予備成形物の外側の表面に対してプラグを軸方向に移動させて、予備成形物を圧伸成形しかつ金型中に流動させ、プラグは予備成形物に接触するまで、プラグによって予備成形物が破裂しないような速度で移動させること;
d)さらに空気加圧または減圧を適用し、そしてさらにプラグを予備成形物に対して軸方向に移動させて、予備成形物の両対面間に得られた空気差圧がチューブ状の金型の壁から流動し去る予備成形物の一部を維持するような速度で、空気加圧または減圧を適用し、かつプラグを移動させること;並びに
e)プラグが閉鎖末端に接近した点で、流動する予備成形物と金型の壁との間から空気を排気して、予備成形物を金型の冷却した壁に接触させて圧伸し、成形物品を形成すること、
を含んでなる製造方法が提供される。
また、本発明によって、0.005〜0.25mmの壁の厚みを有する、薄い壁の、閉鎖末端の、チューブ状の物品を成形または圧伸成形するための熱可塑性エラストマーの予備成形物を製造する方法において、 i)縦軸線、閉鎖末端および反対側の開口末端を有するチューブ状の金型を用意し、前記開口末端はリムを有すること;
ii)熱可塑性エラストマーを、結晶領域が実質的に消失するのに十分な温度にまで加熱し、前記熱可塑性エラストマーの粘度および弾性を実質的に低下させること、および前記熱可塑性エラストマーを成形して、実質的に共平面の2つの対面を有する予備成形物を形成すること;
iii)前記熱可塑性エラストマーを冷却して、予備成形物が圧伸され得る範囲内まで粘度および弾性を回復させること;並びに
iv)熱可塑性エラストマーの前記予備成形物の表面を前記リム上に置くこと、を含んでなる製造方法が提供される。
さらに、本発明によって、熱可塑性エラストマーの薄い壁の、閉鎖末端のチューブ状の物品のプラグアシスト圧伸成形に使用するためのプラグ集成体であって、軸対称のロッドを含んでなり、前記ロッドは軸対称の、円錐台形のプラグの基部に取り付けられ、前記プラグは前記基部の反対側にクラウン表面を有し、そしてプラグが前記クラウン表面から軸対称の接触突起物を伸張する、プラグ集成体が提供される。
さらに、本発明によって、熱可塑性エラストマーの薄い壁の、閉鎖末端の、チューブ状の物品のプラグアシスト圧伸成形に使用するプラグ集成体であって、軸対称のロッドを含んでなり、前記ロッドは軸対称のディスク形のプラグの第一表面に取り付けられ、前記プラグは前記第一表面の反対側に第二表面を有し、そして前記プラグが前記第二表面から軸対称の接触突起物を伸張する、プラグ集成体が提供される。
また、本発明によって、ポリエステルウレタン熱可塑性エラストマーから成形されるコンドームであって、前記エラストマーが、3800gの試験荷重下で210℃で測定して、24〜36g/10分の範囲のメルトインデックス;10〜25重量%のMDI;0.1〜5重量%の1,4−ブタンジオール;1000〜3000ダルトンの平均分子量を有するポリブチレン/ヘキシレンアジペートの70〜89.9重量%;および0〜5重量%の潤滑剤を特徴とするコンドームが提供される。
さらに、本発明によって、熱可塑性エラストマーのコンドームであって、前記コンドームが軸対称のチューブ状の胴体、開口末端および反対側の閉鎖末端を有し、前記チューブ状の胴体は前記軸に沿って前記閉鎖末端に隣接する地点で最大直径を有し、そして前記チューブ状の胴体は前記軸に沿って前記最大直径の地点と前記開口末端との間の地点(開口末端を含む)で最小直径を有するコンドームが提供される。
追加的には、本発明によって、熱可塑性エラストマーの薄い壁の、閉鎖末端の、チューブ状の物品の弾性率を低下させる方法において、
1)前記チューブ状物品を成形マンドレル上に引伸ばす工程;並びに
2)前記チューブ状物品およびマンドレルを、前記熱可塑性エラストマーの弾性率を低下させるのに十分な時間の間、100〜125℃の温度に加熱する工程、を含んでなる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1aは平形の輪郭を有するリムド予備成形物の等角投影図である。
図1bは平形の輪郭を有するリムド予備成形物の中心線について側断面図である。
図2aは輪郭を有するリムド予備成形物の等角投影図である。
図2bは輪郭を有するリムド予備成形物の中心線について側断面図である。
図3は本明細書中に教示されている予備加熱およびプラグアシスト減圧圧伸成形装置の略図である。
図4aは本明細書中に教示されているプラグ集成体の等角投影図である。
図4bは本明細書中に教示されているプラグ集成体の中心線について側断面図である。
図4cは本明細書中に教示されているプラグ集成体の等角投影図である。
図4dは本明細書中に教示されているプラグ集成体の中心線について側断面図である。
図5は、金型減圧を使用した場合のプラグアシスト圧伸成形工程において、時間の関数として金型キャビティの圧力の追跡したグラフである。
図6はテーパ−付きコンドームである。
図7は、本発明の方法によって製造されたポリエステルウレタン製のコンドームの壁の厚みを、先端から距離の関数としてプロットしたグラフであり、図中、記載された厚みは各距離での円周での最大値、最小値および平均値である。
図8は、侵漬法によって製造された天然ゴム製のコンドームの壁の厚みを先端から距離の関数としてプロットしたグラフであり、図中、記載された厚みは各距離での円周での最大値、最小値および平均値である。
発明の詳細な説明
本発明は、熱可塑性エラストマーの薄い壁の、閉鎖末端の、チューブ状の物品、その製造方法およびそのための装置に向けられている。勿論、チューブ状の物品の壁が薄くなれば、それだけ本物質および方法が臨界的になる。概括的には、本発明は、熱可塑性エラストマーの約0.005mm〜約0.25mmの壁の厚みおよび2/1〜20/1の長さ対直径比を有する均一に薄い壁のチューブ状の物品を製造することを意図している。本発明は、所望の壁の厚みが約0.01mm〜約0.1mmであり、長さ対直径比が3/1〜10/1である場合、最も有利に使用することができる。本発明以前には、熱可塑性エラストマーを溶媒からキャストしてこの範囲の壁の厚みを均一に製造することしかできなかった。
熱可塑性エラストマーは、重合体分子または化合物中にハードもしくはソフトブロック、または領域を有するブロック共重合体である。ソフト領域はゴム様のエラストマーの性質を与え、他方ハードもしくは結晶領域はゴム状領域を結ぶ機械的架橋として働く。加工温度において、熱可塑性エラストマーは非晶質になりまたは軟化して、注入成形、押出し成形、減圧成形等によって容易に加工することができる溶融液が得られる。
本発明の適切な熱可塑性エラストマーとして、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンユリア、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル/ポリエーテル・ブロック共重合体、スチレン/ジエン/スチレン・ブロック共重合体等が挙げられる。いずれの熱可塑性エラストマーの適性もその特定の型よりもその物理的性質に基づいてより適切に判定されるから、本発明は広範囲の熱可塑性エラストマーに応用することができる。熱可塑性エラストマーの物理的性質を調節することはその熱可塑性エラストマーに特有の技術である。概括的には、いずれの熱可塑性エラストマーの物理的性質もハードブロック型、ソフトブロック型、重合体中のブロックの配置、重合体の平均分子量、平均数の反復単位をもつ平均ハードブロック含量、平均数の反復単位をもつ平均ソフトブロック含量並びに添加剤、特に加工性を改善するワックスおよび多分引裂強さを改善する耐衝撃性改良剤の使用に依存性であることを明細書中に記載することができる。本発明で使用するためには、熱可塑性エラストマーは約60〜80、好適には約60〜75のショアーA硬度を有するべきである。100%伸び率での熱可塑性エラストマーの引張応力(通常100%モジュラスと呼称する)は約50〜600psi、好適には約100〜500psiであるべきである。当量の300%モジュラスは約450〜1100psi好適には約500〜900psiであるべきである。極限伸び率は約400%〜800%の範囲内で変わるべきであり、23℃で24時間の圧縮永久歪みは25%以下であるべきである。重要なことには、熱可塑性エラストマーは有機溶媒に対して優れた抵抗性を有するべきである。上記の範囲はすべて、特記しない限り、23℃で測定したものである。
熱可塑性エラストマーが明確な融点を有しないことは本発明の熱可塑性エラストマーのもう一つの態様である。熱可塑性エラストマーを圧伸成形または押出し成形する技術において、不明確な融点は、成形可能であるが、それが与えられた形状をそのまま維持する溶融液を有する1つの要因である。不明確な融点の範囲内で、溶融液は「未処理強度」(“green strength")を示す。不明確な融点はある範囲の分子量の重合体を含有する溶融液の特徴である。
好適な熱可塑性エラストマーはポリウレタンのハードブロックとポリエステルのソフトブロックとのブロック共重合体である。これらの熱可塑性エラストマーが優れた物理的強度、優れた耐摩耗性と耐引裂性、および優れた引張強度を有することが見出された。さらに、これらの熱可塑性エラストマーは有機溶媒に対し優れた抵抗性を示す。
ソフトブロックとして、周囲温度で結晶化することの少ない長鎖のジオールまたはジオールの組合せ、および25%以下のハードブロック含量を選択することによって、好適なポリエステルウレタン中に低いモジュラスと低い永久歪みが達成される。ポリエステルウレタンと短鎖ジオールとの反応によって硬質のハードブロックが得られる。
好適なポリエステルウレタンの10〜25重量パーセントは1種またはそれ以上のポリイソシアネートを含んでなる。好適には、ポリイソシアネートはジイソシアネートである。有用なジイソシアネートとして、芳香族および脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。適切なジイソシアネートとして、4,4−メチレンビス−(フェニルイソシアネート)(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)のような非ヒンダード芳香族ジイソシアネート;並びに1,4−シクロヘキシル−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3′−ジメトキシー4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートおよびシクロヘキシル−4,4′−ジイソシアネートのような非ヒンダード環状脂肪族ジイソシアネート;並びにそれらの組合せが挙げられる。最も好適な非ヒンダードジイソシアネートは4,4′−メチルエンビス−(フェニルイソシアネート)、即ち、MDIである。
好適なポリエステルウレタンの0.1〜5重量パーセントは連鎖延長剤を含んでなる。適切な連鎖延長剤は約2〜約6個の炭素原子を有する低級脂肪族または短鎖グルコールである。適切な連鎖延長剤の例として、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、ヒドロキノンジ(ヒドロキシエチル)エーテル等、並びにそれらの組合せが挙げられ、1,4−ブタンジオールが好適である。
好適なポリエステルウレタンの70〜約89.9重量%はヒドロキシル末端ポリエステルを含んでなる。好適な種類のヒドロキシル末端ポリエステル中間体は一般的に、約500〜約5,000ダルトン(Dalton)、最も好適には約1,000〜約3,000ダルトンの分子量を有する線状ポリエステルであり、そして酸数は一般的に0.8未満、好適には0.5未満である。分子量はヒドロキシル基の分析によって決定される。ポリエステル中間体は、(1)1種またはそれ以上のグリコールと1種またはそれ以上のカルボン酸もしくは無水物とのエステル化反応、或いは(2)エステル交換反応、即ち1種またはそれ以上のグリコールとカルボン酸のエステルとの反応によって製造される。末端ヒドロキシル基の優勢な線状連鎖を得るには、酸に対するグリコールのモル比が一般的に1モル以上過剰であるものが好適である。
ジカルボン酸は脂肪族、脂環族、芳香族またはそれらの組合せとすることができる。単独または混合物で使用することができる適切なカルボン酸は通常全数4〜15個の炭素原子を有し、そしてコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、イソフタル酸、テレフタルシクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。無水フタル酸等のような上記のカルボン酸の無水物もまた使用することができ、アジピン酸が好適である。
エステル生成グリコールは脂肪族、芳香族またはそれらの組合せとすることができ、全数2〜12個の炭素原子を有し、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、およびそれらの組合せが挙げられる。1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと組合せが好適なグリコールである。
好適なポリエステルウレタンの好適なポリエステルはポリブチレン/ヘキシレンアジペート、ポリブチレンアジペート/アゼレートのような混合エステルである。最も好適なポリエステルはポリブチレン/ヘキシレンアジペートである。
上記のポリエステル中間体の外に、異なった分子量を有しそして/またはその中に分枝状ポリエステルを含有するものを含めて、当業界および文献で知られている他の多種類のポリエステル中間体を利用することができる。例えば、ポリカプロラクトンジオールを使用することができる。これらはラクトンと、ラクトン環を開くことができる2つの反応性部位を有する二官能価化合物との既知のポリエステル反応の生成物である。これらの二官能価物質は式HX−R−XHで表すことができ、式中、Rは脂肪族、脂環族、芳香族または複素環式とすることができる有機基であり、Xは酸素、NHおよびNR(式中、Rはアルキル、アリール、アラルキルおよびシクロアルキルとすることができる炭化水素基である)である。かかる物質として、好適にはジオール、ジアミンおよびアミノアルコールが挙げられる。有用なジオールとして、アルキレングリコール(式中、アルキレン基は2〜10個の炭素原子を含有する)、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール等が挙げられる。
ヒドロキシル末端ポリエステルのような中間体はさらに、1種またはそれ以上のポリイソシアネート、好適には連鎖延長剤と一緒にジイソシアネートと、望ましくは「ワンショット」(“one−shot")法、即ち、中間体、ジイソシアネートおよび連鎖延長剤の同時の共反応で、反応させて、2,160gの試験荷重で約1〜約150、好適には約1〜約75のメルトインデックスを有する中程度の分子量の線状ポリウレタンを製造する。ヒドロキシル含有成分(即ち、ヒドロキシル末端ポリエステル)と連鎖延長剤との分量に対するジイソシアネートの当量は、約0.95〜約1.13、望ましくは約0.98〜約1.06である。
別法として、ウレタンは通常の二工程法で製造することができ、その方法では、初めにプレポリマーをポリイソシアネートと中間体から製造し、続いてプレポリマーを連鎖延長剤と反応させる。ヒドロキシル末端中間体に対する1種またはそれ以上のポリイソシアネートの当量比は一般的に、その後の適切な連鎖延長剤による連鎖延長の時、1種またはそれ以上のポリイソシアネートに対するヒドロキシル末端化合物の全当量比が約0.95〜約1.065等になるのに十分な量である。
上記および利用することができる他の適切な熱可塑性ポリウレタンの例については、高分子の科学と技術の百科辞典(Encyclopedia of Polimer Science and Engineering)、John Wiley & Sons,Inc.,New York,NY,1988、第13巻、第243−303頁に記載され、その全内容は引用することによって本明細書中に取込まれている。
さらに、ポリウレタンは、例えば、抗酸化剤、安定化剤、潤滑剤、加工助剤のような種々の添加物と配合することができる。、最も好適には、ポリウレタンは0〜約5重量パーセントの潤滑組成物と配合される。所望の特性を与えるものであればいずれの相溶性または適切な潤滑組成物でも使用することができる。適切な例として脂肪酸ビスアミドまたは脂肪酸エステルが挙げられる。
好適なポリエステルウレタンの熱可塑性エラストマーは二工程法で製造することができる。第一の重合化工程では、ポリエステルブロックはジオールと二酸とを反応させてジオールポリエステルブロックを製造することによって製造される。第二の重合化工程では、ジオールポリエステルブロックをジイソシアネートと少なくとも1種のジオールモノマーとの混合物と反応させる。後者の2つの化合物は、ポリエステルに対する比率および相互の比率が、重合体およびハードブロックについて所望の分子量を生み出すのに適切な比率とする。しかし、熱可塑性ポリエステルウレタンを製造する最も好適な方法は「ワンショット」重合法である。ジオール、ジイソシアネートおよび連鎖延長剤は100℃以上、望ましくは120℃以上の温度で反応させる。反応は発熱性であり、好適なポリエステルウレタンが生成する。
一例として、特定のポリエステルウレタンの熱可塑性エラストマーは145,000〜190,000ダルトンの範囲内の分子量を有し、3800gの試験荷重下で210℃で測定して24〜36g/10分の範囲のメルトインデックス;10〜25重量%のMDI;0.1〜5重量%の1,4−ブタンジオール;1000〜3000ダルトンの平均分子量を有するポリブチレン/ヘキシレンアジペートの70〜89.9重量%;および0〜5重量%の潤滑剤に対応する。この特定のポリエステルウレタンは表1に示す性質を有する。
Figure 0003600242
本発明の物品は熱可塑性エラストマーから、第一に予備成形物操作で、そして第二にプラグアシスト圧伸成形操作で形成される。予備成形物操作では、熱可塑性エラストマーは適切な予備成形物に成形され、そしてプラグアシスト圧伸成形のために適切な温度に加熱される。プラグアシスト圧伸成形操作では、予備成形物は薄い壁のチューブ状の物品にプラグアシストで圧伸成形される。最終的に、物品をアニールして、残留応力を除くことができる。
予備成形物操作について、少なくとも、熱可塑性エラストマーを加熱して結晶相を消失させて、実質的に弾性を消失させること;熱可塑性エラストマーを、実質的に共平面の2つの表面を実質的に有する予備成形物に成形すること;予備成形物を冷却して、粘度および弾性を予備成形物が圧伸され得る範囲内に回復させること;および予備成形物をプラグアシスト圧伸のための金型キャビティ上に置くことが必要である。これらの各工程はさらなる当業者の能力を必要とせず、当業者の能力の範囲内にある。しかし、これらの各工程を実施する好適でかつ熟慮される方法を次の通り開示する。
物理的には、予備成形物は種々の形状を取ることができ、その機能的な必要条件は、本明細書中に開示される型のプラグアシスト圧伸成形装置中で予備成形物が有用であることである。必要な特性として、予備成形物は実質的に共平面の2つの表面を実質的に有するべきであり、再述すると、それは予備成形物は熱可塑性エラストマーの薄い平らなピースであることを意味することを意図している。その特定の態様では、予備成形物は大きい押出しシートから切断または打ち抜かれた正方形のパネルおよび/または円形のディスクであるか、或いは予備生物は、プラグアシスト圧伸時、そこから物品が切り出されるリボンまたはシートである。勿論、いずれの場合でも、予備成形物の押出し、成形または打抜きはプラグアシスト圧伸成形操作の部位で実施され、そしてこの2つの操作を統合することは有利である。予備成形物は単に共平面の表面を有することができるか、またはプラグアシスト圧伸成形操作の間、予備成形物の表面は金型中の熱可塑性エラストマー溶融液の分布に幾つかの利点が得られるように型彫りとすることができる。図1aと図1bおよび図2aと図2bを参照すると、都合よく使用することができる型彫りされた表面を有するディスク状の可能な予備成形物が示される。特定の製品用の予備成形物のために、適切な形状および大きさを選択することは当業者の能力の範囲内であるが、本発明の予備成形物は約5mm以下で0.5mm以上、好適には1〜2.5mmの厚みを有することが推奨される。
予備成形物は、定常変形の速度が予備成形物操作の間に予備成形物を実質的に変形するのに十分である成形温度、そして溶融液の弾性および粘性が予備成形物が薄壁の、閉鎖末端のチューブ状の物品に圧伸成形され得る範囲内にある成形温度にまで加熱すべきである。溶融液が圧伸され得る弾性および粘性のこの範囲は2つの点で特徴的である。この範囲の第一の特徴は、出来る限り大きい程度に、熱可塑性エラ溶融液中の流動に対する抵抗が粘性であって、弾性であってはならないと言うことである。この範囲の第二の特徴は、粘性と弾性との組み合わさった効果下で、熱可塑性エラストマーは、所望の厚みに圧伸される場合、付着、引裂きおよび歪みしてはならないことである。上記のポリエステルウレタンの場合、加熱は190〜210℃の温度まで行われ、そして溶融液は圧伸のために145〜185℃、好適には150〜170℃の温度まで冷却される。この圧伸成形のための温度範囲は、成形温度で流動度測定用機械的分光計(Rheometrics Mechanical Spectrometer)で測定して、75,000〜150,000ポイズの範囲内の溶融粘度、および成形温度で測定して、600,000〜1,200,000ダイン/cm2の範囲の弾性率に大体相当する。
上記のように、本明細書に記載の方法では、プラグアシスト圧伸成形操作のために、熱可塑性エラストマーの弾性を極小化することが必要である。即ち、プラグアシスト圧伸成形操作中における予備成形物の初期の変形に対する主要な抵抗は粘性抵抗であるべきである。このことは、熱可塑性エラストマーの熱履歴を調節して、結晶領域を実質的に消失させることによって達成される。要するに、熱可塑性エラストマーは、最初に結晶領域を実質的に消失させるのに十分な温度まで加熱し、続いて圧伸成形の温度まで冷却するべきである。結晶領域は直ぐには再生しないから、熱可塑性エラストマーが、変形に対する実質的な弾性抵抗なしに、変形することができるまでには幾らかの時間がある。結晶領域の再生は冷却とともに始まり、温度と一致する結晶領域含量に回復するまで進行するから、熱可塑性エラストマーは直ぐに冷却し、プラグアシスト圧伸成形することが好適である。いずれの所定の熱可塑性エラストマーの場合でも、初めに加熱して結晶領域を消失させる技術を使用すれば、熱可塑性エラストマーを圧伸成形のために冷却する温度を最適化することはささいな事柄である。1つの好適な方法では、室温の予備成形物を、結晶領域を実質的に消失させるのに十分な温度まで加熱する。予備成形物をこの温度に保持する短い時間では、予備成形物の定常変形は顕著ではない。直ちに、予備成形物をプラグアシスト圧伸成形の温度まで冷却し、そして圧伸成形する。他の好適な方法では、熱可塑性エラストマーは、結晶領域を実質的に消失させるのに十分な温度にまで加熱され、そしてリボン状の予備成形物を押出し成形される。予備成形物はプラグアシスト圧伸成形の温度まで冷却され、逐次セグメントが圧伸成形される。
予備成形物操作の加熱工程はオーブンおよび/または押出機バレル中で行うことができる。図3を参照すると、オーブンが使用される例では、予備成形物1をオーブン2中に水平に置き、熱風による接触およびIR源への露呈によって加熱することが示唆されている。示唆されたIR源は電気抵抗加熱器3の赤熱エレメントと同様に精巧なものとするか、またはIR源はIR輻射を放射するように設計されたランプとすることができる。本発明の工程中では比較的薄い予備成形物を使用し、そして主としてIR熱源に依存する場合、予備成形物の温度を迅速に変化させて定常変形を極小化して、そして処理量を増加させることができる。予備成形物を傾斜させるかまたは垂直に置いて加熱することを試みた場合、予備成形物の重量によって定常変形がさらに悪化する。
予備成形物を加熱する追加かつさらに有利な方法が考えられる。予備成形物を加熱する一つの可能な方法はマイクロ波放射を利用することができる。この場合、適切に設計されたオーブン、並びに熱可塑性エラストマー中で放射エネルギーを熱に転化するダパント(dopant)が必要である。加熱の第二の方法では、プラグアシスト圧伸成形は、予備成形物が圧伸成形のための適切な温度まで冷却された場合、押出機から排出した予備成形物上で行う。この場合、押出機以外に熱源は必要がない。
予備成形物の加熱、並びに熱履歴を調節することは当業者の技術の範囲内にある。出願人はこれらの技術を熱可塑性エラストマーのチューブ状物品のプラグアシスト圧伸成形に限界的に応用した。
上記のように、予備成形物を本発明の薄壁のチューブ状物品に成形することがプラグアシスト圧伸成形操作の目的である。プラグアシスト圧伸成形の第一の特徴は、プラグアシスト、またはマンドレルを使用することであり、これは予備成形物の両表面間に空気差圧を適用し、加熱された予備成形物を金型中に追込みそして圧伸成形するのを補足する。プラグアシスト圧伸成形操作の第二の特徴は、予備成形物の両表面間の空気差圧と金型中へのプラグの伸張との動的な関係である。
予備成形物の両表面間に空気差圧を適用することおよび調節することに関して、2つの技術を使用することができる。第一の技術では、差圧は、予備成形物の外側表面に正および負のゲージ圧が適用された結果であり、金型のキャビティは常圧、好適には大気圧に維持される。第二の技術では、差圧は、金型のキャビティ内に正および負のゲージ圧が適用された結果であり、予備成形物は金型のリム上に封止的に取付けられる。予備成形物が金型中で空気差圧によって圧伸成形される場合、空気差圧が外部の正圧によって、または内部の負圧によって作り出されても、それは本明細書では「圧伸成形された」と考える。この2つの技術は等価であると考えられる。本明細書に記載の好適な技術は、空気差圧が金型に減圧を掛けることによって調節される第二の技術である。しかし、これは主として、空気差圧がこの方式で調節される原型機械は製作および運転が容易であるという事実によるものである。
本明細書中では、予備成形物の両表面間の差圧は、圧力が金型中の方向の場合、正の数値として、そして圧力が金型から外向の場合、負の数値として記載される。従って、正の差圧が予備成形物に適用される場合、それは金型の減圧によってかまたは外部加圧によって作り出すことができる。同様に、負の差圧が適用される場合、それは金型が加圧されるかまたは外部減圧の結果とすることができる。
図3は、空気差圧が金型内から調節される本発明の態様を示している。図3を参照すると、加熱された予備成形物1は金型5のリム4上に置かれ、プラグ集成体6は十分引っ込まれ、金型は封止されている。金型が封止された状態で、減圧源7によって減圧ポート8を介して金型から空気が排気される。同時に、または空気が金型5から排気された時点に引き続いて、プラグ集成体6を金型中に伸張させ、予備成形物と接触させて、それを金型中に追い込む。空気の排気とプラグの伸張と組合せ効果によって、金型中での予備成形物1の変形は実質的に加速される。プラグの伸張と空気の排気とが組み合されて、動的な金型圧を生み出し、以下に記載するように、それは変形中の熱可塑性エラストマーに対するプラグの作用を選択的に援助または抵抗することができる。プラグが十分に伸張すると、金型中の空気は減圧源7によって排気され、成形物品を取り出す。図3は、予備成形物の外側表面上に装置によって空気差圧を掛けるように修正することができる。この技術では、加圧可能なキャビティは予備成形物1の外側表面と封止的に接触させられ、その接触はリム4の反対側で起こる。この加圧可能なキャビティは、そこからプラグ集成体6が伸張する封止された開口部、および減圧源7の同等物が取り付けられている圧力ポートを有する。減圧ポート8は大気に開放することができる。
上記のように、本発明の方法は、薄い壁および記載の範囲内の長さ対直径比を有する熱可塑性エラストマーのチューブ状物品に最も有利的に応用される。かかる物品を製造するための適切な大きさの金型を用意することは明らかに当業者の技術の範囲内にある。金型は加熱する必要または過剰に加圧する必要もないので、種々の物質が利用できる。
プラグアシスト圧伸成形操作の第一の特徴に関して、プラグ集成体の目的は、変形中の予備成形物を金型キャビティ中に追い込むことであり、その場合、変形中の熱可塑性エラストマー予備成形物の移動を金型キャビティの軸方向に偏向させて、予備成形物が殆ど完全に圧伸成形される時点まで、金型の壁への接触を回避することである。プラグ集成体はロッドの基部に取り付けられたプラグ自体を含んでなる。プラグの目的は変形中の予備成形物に接触する表面を提供することである。ロッドは、その上にプラグを取り付け、プラグが金型キャビティ中に伸張できるための支持体を提供することである。製造の材料およびプラグの形状は広範囲に変えられる。勿論、材料の選択およびプラグ設計は、材料が熱い予備成形物に付着しないこと、接触の表面積を極小化すると同時に、材料中の不適切なストレスまたはパンクを防止するのに十分な表面を提供すること、プラグとの接触によってプラグへの熱損失を極小化すること等を目的として有するべきである。予備成形物を圧縮的に成形するための適切な表面を提供することはプラグ・デザインの目的ではない。プラグは、ポリ(ペルフルオロ−オレフィン)、例えば、テフロンのような非付着性のポリオレフィン、または場合により模様付きの表面を有するアルミニウムから製造することができる。プラグの形状は長円形、トロイド形、パラボロイド形、垂直基部付き部分パラボロイド形(segmented paraboloid with perpendicular base)、バレル形、球台形、円錐台形(正円錐体の台)等とすることができる。図4aおよび図4bを参照すると、好適なプラグは、クラウン表面から伸張する、軸対称の接触突起物を有する円錐台形質形のプラグである。図4cおよび図4dを参照すると、他の好適なプラグは、ラジアル(radial)表面から伸張する、軸対称の接触突起物を有する切頭円柱またはディスクである。また、プラグを模様付きアルミニウムから製作することも好適である。
プラグ集成体および金型を使用する好適な方法では、金型を垂直軸に沿って配列し、開口部を規定するリムは軸を中心として一方の末端上に位置し、減圧ポートは閉鎖末端が垂直軸と交差する点で反対側の閉鎖末端に位置する。プラグ集成体は垂直軸に沿って取り付られ、そしてプラグは垂直軸に沿って金型キャビティ中に実質的に金型の長さまで伸長可能である。プラグは圧縮部材ではなく、したがってリム、金型壁および金型の閉鎖末端から、それが接触している熱可塑性エラストマーの厚みより大きい距離で離れていることは明らかにするべきである。このことに従って、プラグは、少なくとも今記載した距離のみならず、予備成形物の圧伸末端が、以下に記載するように最終圧伸成形工程で金型ポートから出るとき、流動空気中に早まっては乗せられない距離ででも閉鎖末端から離れて、実質的に金型の長さまでしか伸長することができないものとするべきである。
加圧源および減圧源は本発明では重要ではない。当業者は空気を加圧する手段または、例えば、排出装置もしくは回転式空気圧縮機、回転式空気圧縮機、または単段、単動ピストンによって維持されている減圧溜りから減圧を引き込む手段を容易に選択することができる。好適な加圧または減圧源は、溜りなしで加圧もしくは減圧ポートに連結している単段、単動ピストンである。かかるピストンが金型自体より大きい容量の場合、金型はピストンの単回の吸引で充填または排気することができ、圧伸成形の終期にピストンの金型中へのディスチャージが次のプラグアシスト圧伸成形操作のために金型を掃除するのを助ける。
上記から換言すると、プラグアシスト圧伸成形操作の第二の特徴は、金型中の予備成形物の両表面間の空気差圧と金型中へのプラグの伸長との間の動的な関係である。プラグ伸長の関数としての差圧のこの関係は、プラグ伸長の長さに亙って、3つの別々の段階に分けられる。
第一の段階は、予備成形物と伸長するプラグとが接触する時点または時点までの、空気差圧とプラグ伸長との関係である。第一の段階では、正の差圧が適用されて予備成形物を金型中に圧伸するか、または中性もしくはゼロの差圧が維持されて、プラグの金型中への伸長が始められる。遅くとも、伸長するプラグが予備成形物と接触し、予備成形物が金型中に追い込まれる時点では、正の差圧に調節するかまたは中性の差圧を積極的に維持することが必要である。差圧の調節が伸長するプラグの予備成形物との接触後大幅に遅れた場合、予備成形物が金型中に入った時、封止金型または外部キャビティに対して有害な圧力が生じる。伸長するプラグと予備成形物との接触の前に、正の差圧を予備成形物に適用することが第一段階で好適である。具体的には、差圧の適用とプラグによる予備成形物への接触との間の時点に、予備成形物が差圧の作用によって実質的に半球形に変形されるように、十分な差圧が適用されかつプラグ伸長の速度が設定される。この第一段階では、予備成形物が差圧によって形状に圧伸され、プラグとの接触により適した変形の運動量が与えられることが好適である。プラグの予備成形物との接触の前に、差圧は、少なくとも予備成形物の接触表面を凹形状、好適には半球形状に変形するのに十分なものするべきである。しかし、変形中の予備成形物が半球形状である点を過ぎて、さらに差圧単独による変形が変形中の予備成形物の本体をチューブ状の金型中に圧伸し、そこで圧伸される程、圧伸成形される金型の壁と連続的に接触する。この金型壁との接触によって、かかる接触の長さの間に、成形物品中に厚く不均一な壁ができる。それ故、変形中の予備成形物の形状が実施的にチューブ状である時点の前に、プラグは予備成形物と接触するべきである。具体的には、第一段階のプラグ伸長の速度に関して、それは、差圧に由来する変形中の予備成形物の軸方向圧伸速度より明らかに軸方向に大きいかまたは等しいものなければならない。しかし、プラグの伸長速度は、予備成形物との接触時、予備成形物が破裂する程多きいものであってはならない。適切には、第一段階の差圧は0〜500mm−Hg、好適には5〜200mm−Hgの範囲内であるべきである。これらの圧力は絶対圧力ではなく、0mm−Hgは予備成形物の両表面間がゼロ圧力となる相対圧力である。
第二段階は、予備成形物の両表面間の差圧と、伸長中のプラグと変形中の予備成形物との間の接触の時点頃からプラグが十分伸長する時点頃までのプラグの伸長との関係である。この第二段階では、加圧または減圧源からの空気の流速は、金型中へのプラグの伸長と組みせた場合、約0mm−Hgの差圧が生じるようなものである。変形中の予備成形物は十分に金型キャビティー中に伸張し、金型のリム集成体の区域だけで金型の壁と接触していることが第二段階で望ましい。このことは、プラグが変形中の予備成形物を金型キャビティー中に追い込むのに使用され、変形中の熱可塑性エラストマー予備成形物の流動を軸方向に金型キャビティ−中に偏向し、差圧が、プラグが完全に伸張するまで、圧伸熱可塑性エラストマーと金型の壁との間の接触を防止するのに使用される場合に達成することができる。差圧を約0mm−Hgまで低下させることによって、
そうしない場合予備成形物を金型中に追い込み、そして、金型の壁中に拘束する差圧が等しくなるが、圧伸物品の薄い壁が壁に押し付けられない結果となる。プラグの圧伸成形作用によって、圧伸成形物品の薄い壁は、プラグとの引きずる接触点からリム集成体まで延びる線に引っ張られる。さらに、圧伸成された形熱可塑性エラストマー中の変形に抵抗するフープストレスの作用によって、圧伸成形物品の薄い壁はプラグ伸張の軸の方に内側に放射状に引っ張られる。従って、25mm−Hg、好適には5mm−Hgまでの差圧が、圧伸成形速度、熱可塑性エラストマー、予備成形物温度などに依存して第二段階で許容される。また、これらの同一要因に依存して、負の差圧が第二段階で有利であり、差圧は0〜−25mm−Hg、好適には0〜−5mm−Hgである。負の差圧は圧伸成形物品の薄い壁を内側に放射状に保持し、金型の壁から離す傾向がある。勿論、負の差圧は、圧伸成形予備成形物の薄い壁がプラグ集成体のロッドに接触する程大きくあつてはならない。差圧を第二段階の所望の範囲内に維持するためには、プラグの軸伸張および金型中の圧伸予備成形物から生じる金型内の容量置換が減圧および加圧源からの空気の流速と大体釣り合わねばならない。
第三段階は、予備成形物の両表面間の差圧と、プラグが十分伸張した点から金型が十分排気されて予備成形物が金型壁と完全に接触して圧伸成形される点までのプラグ伸張との関係を規定する。薄い壁のチューブ状物品を最終的に成形することが第三段階での作業の目的である。プラグは第三段階で完全に伸張する。金型を排気し、チューブ状物品の壁を金型の壁と変形接触させるのに必要なだけ、空気差圧を上昇させる。好適には、空気差圧を上げる処置によって膨脹した予備成形物はプラグとの接触から取り除かれ、プラグが混乱なく収縮することが可能になる。膨脹した予備成形物を金型の壁に接触させて、得られた薄壁のチューブ状の物品を十分に冷却し、金型か取り出すことができる。
プラグ伸張の3つの段階と差圧とを単回連続圧伸成形操作で組合せた場合、数多くの選択がある。金型の容量、金型の長さ、熱可塑性エラストマーなどが一定の場合、加圧および減圧源からの空気流の一定速度と組合せたとき、今記載した範囲内にある差圧およびプラグ伸張のプロファイルが生起するプラグの定常伸張速度があるようである。勿論、得られたプロファイルは器機および運転の観点から最も便宜なものであるが、種々のプラグ伸張速度および種々の空気流速を採用して、3つの段階の記載の目的を達成することによって優れた製品を製造することができる。
従って、好適な態様では、熱可塑性エラストマーの薄壁のチューブ状の物品を製造する方法が提供され、前記方法は
a)縦長の金型キャビティを実質的に垂直な軸に沿って配列し、前記縦長の金型キャビティは:前記軸と交差する表面、放射状に規定されかつ前記垂直軸に実質的に平行である側面を有する閉鎖末端;前記垂直軸を中心として位置する開口部を規定するリム集成体を含む作業末端;および前記金型キャビティを排気する手段であって、前記排気手段は前記閉鎖末端と前記垂直軸とが交差する地点で前記閉鎖末端に取り付けられたポートを含む排気手段;を含んでなる金型によって規定されること、
b)前記垂直軸に沿ってプラグを配列し、前記プラグは、前記垂直軸に沿って前記開口部を通り前記金型キャビティ中に実質的に前記金型キャビティの長さまで伸張可能であり、前記プラグは、前記リム集成体、前記側面および前記閉鎖末端から、その点で接触されたいずれの熱可塑性エラストマーの厚みよりも大きい距離で離れていること、
c)位置決定し、前記プラグが引き込まれ、熱可塑性エラストマーの実質的に平面の予備成形物が前記開口部を横切り、前記予備成形物が頂面と底面の両面を有し、前記予備成形物が、定常変形の速度が前記位置決定工程の間、予備成形物を実質的に変形するには不十分である温度、および粘性と弾性が予備成形物が圧伸され得る範囲内にある温度まで加熱され、前記予備成形物が、369℃の弧で、前記垂直軸から前記リム集成体によって規制された前記開口部を超える点まで放射状に伸張し、前記予備成形物の少なくとも1つの表面が前記リム集成体と接触し、前記キャビティが封止され、前記発端の流動が重力による前記垂直軸に沿ったものであること、
d)前記予備成形物の頂面と底面との間に差圧を適用し、前記プラグを垂直軸に沿って前記予備成形物の表面に接触するまで移動させて、予備成形物が前記差圧によって圧伸され、前記プラグによって前記垂直軸に沿って前記キャビティ中に移送され、前記金型キャビティの空気が前記ポートから排気されること、
e)前記予備成形物を前記金型中に実質的に金型キャビティの長さまで圧伸および移動させ、空気排気の速度と組み合わされたプラグ伸張の速度が差圧を生起し、圧伸および移動された予備成形物が金型の壁から離され、前記プラグが予備成形物が金型の閉鎖末端と接触しない点まで伸張させられること、
g)金型を排気し、予備成形物が前記金型の冷却壁と完全に接触するまで圧伸され、成形物品が形成されること、
を含んでなる。
プラグアシスト圧伸成形操作に続いて、圧伸成形物品の弾性的性質を熱アニール法によって改善することが望ましい。熱可塑性エラストマーについてのこの種の方法は、Nallicheri,R.A.およびRubner,M.F.,高分子(Macromolecules),190,23,1005−1016に記載されている。基本的には、減圧圧伸成形物品中の残留ストレスを除去して、弾性率を低下させるためには、物品を中程度の温度で長時間加熱し、場合により加熱の間にそれをマンデレルの上に引き伸ばしてそれを成形することによって、物品をアニールする。ポリエステルウレタンの物品の場合、アニール法は130℃の環流オーブン中で4時間単に加熱することによって実施することができる。一般的に、アニール工程は100℃〜140℃の温度で1〜24時間の範囲内の時間の間に実施することができる。
本明細書に記載の方法はコンドームまたは指サックを製造するのに最も有利的に使用することができる。コンドームの場合、本発明の成形物品は約125〜約225mmの長さおよび約30〜約50mmの直径を有する。現在市販されているコンドームの形状に関して、天然ゴムの30〜50psiの範囲内の比較的低い30%伸長率の弾性率によって、広範囲の人達が均一な形状の単一種の製品を快適に利用することができる。しかし、コンドーム製造の当業者は、現在利用できる適切な熱可塑性エラストマーは天然ゴムより高い30%伸長率の弾性率、即ち80〜150psiの範囲内の弾性率を有することを知っている。従って、広範囲の人達が本発明によって製造されたコンドームを快適に使用するためには、コンドームにテーパーを付けて、使用中のコンドームの歪みにより圧力が掛かる位置を調節することが有利であることが見出だされた。図6を参照すると、本発明で考えられた一つの態様で、勾配付きコンドームが示される。具体的には、本発明によるテーパー付きコンドームは、軸対称のチューブ状胴体、開口末端、および反対側の閉鎖末端を有し、チューブ状の胴体は前記軸に沿って前記閉鎖末端に隣接する地点に最大直径を有し、そしてチューブ状胴体は前記軸に沿って最大直径の前記点と開口末端との間の地点(開口末端を含む)で最小直径を有する。最大直径対最小直径の比率は1.05/1〜1.4/1、好適には1.1/1〜1.25/1の範囲内にあるべきである。最大直径の地点の位置は好適にはコンドームの閉鎖末端に直ぐ隣接している。最小直径の地点の位置はチューブ状胴体に沿っていずれの位置でもよいが、閉鎖末端よりコンドームの開口末端に近いところが好適である。コンドームが勾配をももってリブ付きチューブ状胴体になるか、または最小直径の地点が定常直径をもつチューブ状胴体のセグメントを含む場合のように、多地点の最小直径をもつものとすることができる。上記の範囲内の弾性率を有するコンドームの場合、広範囲の人達にとって実用性のあるコンドームの最も有利な寸法は最小で37−40mm直径から最大で40−45mm直径の勾配のあるものである。勾配付きコンドームは、コンドームの圧伸成形において、テーパー付き金型を利用しそして/またはコンドームをテーパー付きマンドレル上でアニールすることによって、製造することができる。
コンドームの使用中の保持を確保するために、そしてコンドームの取扱いおよび巻上げを容易にするために、コンドームにビードを取り入れることができる。ビードは2つの方法によって取り付けることができる。第一の方法では、コンドームをマンドレルの巻型の上に置き、過剰の物質を切り取り、フィルムを巻き下げてビードを形成する。第二の方法では、リング状ビードを別の操作で製造し、熱融合または接着法によってコンドームのリムに繋ぐ。この第二の方法は「ビードの受入れ(importing)」と呼称される。
コンドームの製造のための次の実施例は本発明を説明するために提供されるものであり、本発明を制限するものではない、
装置
本発明の装置は2つの主要な部品、予備過熱オーブンおよびプラグアシスト減圧生成ユニットに分けられる。オーブンは、温度調節加熱エレメント、およびオーブン内を所望の周囲温度条件にする排気ファンを備えた絶縁金属箱であった。また、オーブンには溶融石英発光板および40W/cm2の輻射エネルギーを持つ2つの温度調節中赤外線(Mid−IR)加熱器があり、各々100cm2の輻射表面積を有した。サーボ/コンピューター調節シャトルシステムをもつ軌道がオーブンの低部に設けられ、そこでホールダーに取り付けられた予備成形物が加熱のためにオーブン中に水平に移送され、続いてオーブンを通って水平に移送されて、減圧成形ユニットに取り付けられた。減圧成形ユニットはコンドームの形状をした雌ガラス金型であって、金型の閉鎖末端を下方にして垂直軸に取り付けられた。金型は開口末端から閉鎖末端に向って直径が増加するテーパー付き幾何学的形状を有した。金型は260mmの全長、開口末端で38.5mmの直径を有し、最大直径は42mmに達した。金型の適切な容量は311cm3であった。単段、単動の真空ポンプは、金型と垂直軸とが差する点で閉鎖末端上に取り付けられた減圧ポートを通って金型に連結された。真空ポンプは590mlの単動容量を有し、それ故ピストンの単一吸引で金型を排気することができた。ピストンの位置はコンピューター調節サーボモーターによって調節され、全成形工程に亙って正確な減圧プロファイルを提供した。金型は、液体が循環して、金型の温度を約15℃に調節するジャケットによって封入された。金型の開口末端には、2つの金属フラッグと補助器具があり、それらは予備成形物ホールダーと組み合されて、予備成形物を封止的に取り付けることができた。金属ロッドと円錐台形の接触エレメントを含んでなるプラグ集成体は、それが金型中に伸張できるような方式で金型の開口末端の上方に軸方向に取り付けられた。接触エレメントの位置はコンピューター調節サーボモーターによって調節され、金型中への移動の正確な速度および金型中での調節された深度を与えた。接触エレメントは粗面(50グリット(grit))のTeflonで製作され、基部を上向きに、クラウン表面を下向きに軸方向に配列された。円錐台の高さは10mmであり、基部の直径は31.33mm、クラウンの直径は35mmであった。6mmの長さを有する接触突起物はクラウン表面から軸方向に伸張していた。
予備成形物の製造
表1に示される性質を有するポリエステルウレタン、Estane(商標)58238−032Pポリエステルウレタン(B.F.Goodrich Companyの商標)の連続シートを約1.0〜約1.9mmの厚みに押出し成形した。この連続シートから、約25〜約30mmの直径の円形ディスクを打ち抜いた。ディスクを室温および約20%〜約30%の範囲内の相対湿度で少なくとも24時間状態調節した。円形の予備成形物を、案内軌道上に水平に取り付けられた金属ホールダーの上に置き、そして予備加熱された110℃のオーブン中に自動的に水平に移送した。金属ホールダーは、予備成形物ディスクが45mmの直径をもつ6.3mmの押縁上に位置しているようなものであり、予備成形物の大部分が頂表面および底表面の両方で露呈され急速かつ均一に加熱されるようなものであった。次いで、予備成形物を、750℃の温度で28μmのピーク波長を持つ2つの中赤外加熱器に露呈させた。一方の加熱器は予備成形物の上方35mmに位置し、他方の加熱器は予備成形物の下方35mmに位置した。加熱器は連続運転であり、従って赤外線露呈の持続時間は移送システムによって調節した。予備成形物は軟化し、それ自体の重量下で「たわむ」点までこの方式で加熱した。このことは約19秒の輻射加熱器の露呈時間で起こった。この時点では、予備成形物の温度は、狭帯域(7.92μm)の赤外線温度計で測定して、約230℃であった。予備成形物を輻射加熱器に露呈させた後、予備成形物は軌道に沿って、予備加熱された110℃のオーブンを通って、約8秒の間に水平に移送され、そして大体室温である減圧圧伸成形装置中に移送され、金型開口部の位置に締め付けられた。
減圧圧伸成形
プラグアシスト減圧圧伸成形操作はプラグ伸張の開始と共に開始した。予備成形物がオーブンから出た瞬間から成形が始まる瞬間までの経過時間は約2秒であった。プラグの移動プロファイルは約30〜約50mm/秒の範囲内でコンピューターで調節した。図5は、減圧成形中、時間の関数として金型の圧力およびプラグの伸張をプロットした代表的なグラフである。プラグが熱い予備成形物に接触した瞬間またはその直後、減圧を、プラグの押し動作と同時に作用するように適用した。続いて、減圧圧伸成形のコンドームを金型から取り出し、130℃で4時間アニールした。図7は、上記の製造したコンドームについて、先端からの表面距離の関数として厚みをプロットした代表的なグラフである。図8は、侵漬法によってラッテクスから製造された天然ゴムのコンドームについて、同様にプロットしたグラフである。

Claims (1)

  1. ポリエステルウレタン熱可塑性エラストマーから成形されるコンドームであって、前記エラストマーが、3800gの試験荷重下で210℃で測定して24〜36g/10分の範囲のメルトインデックス;10〜25重量%のMDI;0.1〜5重量%の1,4−ブタンジオール;1000〜3000ダルトン(Dalton)の平均分子量を有するポリブチレン/ヘキシレンアジペートの70〜89.9重量%;および0〜5重量%の滑剤を特徴とするコンドーム。
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