JP3599631B2 - 欠陥検査方法及び欠陥検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、LSI等の半導体製造工程、液晶表示素子製造工程等で、基板上にパターンを順次形成して対象物を製作していく半導体デバイスの製造工程の途中において、基板上に発生する異物等の欠陥を検出する欠陥検査方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のLSI等の半導体デバイスの製造工程では半導体基板(ウェハ)上に異物が存在すると配線の絶縁不良や短絡などの不良原因になり、さらに半導体素子が微細化して半導体基板中に微小な異物が存在した場合にこの異物がキャパシタの絶縁膜やゲート酸化膜などの破壊の原因にもなる。これらの異物は搬送装置の稼動部から発生するものや、人体から発生するものや、プロセスガスによる処理装置内で反応生成されたものや薬品や材料等に混入されているものなどの種々の原因により種々の状態で混入される。
【0003】
同様に、半導体デバイスである液晶表示素子の製造工程でも、パターン上に異物が混入したり、何らかの欠陥が生じると、表示素子として使えないものになってしまう。プリント基板の製造工程でも状況は同じであって、異物の混入はパターンの短絡、不良接続の原因に成る。
【0004】
従来のこの種の半導体基板上の異物を検出する技術の1つとして、特開昭62−89336号公報に記載されているように、半導体基板上にレーザを照射して半導体基板上に異物が付着している場合に発生する異物からの散乱光を検出し、直前に検査した同一品種半導体基板の検査結果と比較することにより、パターンによる虚報を無くし、高感度かつ高信頼度な異物及び欠陥検査を可能にするものが、また、特開昭63−135848号公報に開示されているように、半導体基板上にレーザを照射して半導体基板上に異物が付着している場合に発生する異物からの散乱光を検出し、この検出した異物をレーザフォトルミネッセンスあるいは2次X線分析(XMR)などの分析技術で分析するものがある。
【0005】
また、上記異物を検査する技術として、ウエハにコヒーレント光を照射してウエハ上の繰り返しパターンから射出する光を空間フィルターで除去し繰り返し性を持たない異物や欠陥を強調して検出する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、半導体製造工程の量産立上げ時と量産ラインは区別されておらず、量産立上げ作業で使用した検査装置がそのまま量産ラインでも適用されており、量産ラインでは異物等の欠陥の発生をいち早く感知し対策を施す必要がある。ところが従来の検査装置は装置規模が大きく、独立して設置せざるおえない構成であったため、製造ラインで処理した半導体基板、液晶表示素子基板およびプリント基板を検査装置の箇所に持ち込んで異物等の欠陥の検査をするものであった。したがって、これら基板の搬送、異物等の欠陥の検査に時間を要し、全数の検査が難しかったり、抜き取り検査であっても十分な検査頻度を得ることは難しいという課題を有していた。また、このような構成には人手が必要であるという課題を有していた。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決すべく、高速、高精度に、全自動で異物等の欠陥を検出できるようにして、全数の欠陥検査、十分な欠陥検査頻度の抜き取り検査を実現し、高効率の基板製造ラインを得るようにした欠陥検査方補およびその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するための本発明は、光源から発射された光で、繰り返しパターンが形成された試料の表面を斜め方向から照明する照明手段と、該照明手段で照明されて前記試料で反射した光を検出する検出手段と、該検出手段で検出した信号を処理して欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えた欠陥検査装置であって、前記照明手段は前記光源から発射した光を線状に成形する成形部を有して該成形部で線状に成形された光を前記試料の表面に照射し、前記検出手段は前記照明手段により線状に成形された光を照射された前記試料の表面の繰り返しパターンからの反射光による回折パターンのうちの所定の空間周波数を有する回折パターンを遮光する複数の遮光部分を備えた空間フィルタを有し、前記欠陥検出手段は前記空間フィルターを通過した光を前記検出手段で検出した信号を処理することにより前記試料上の欠陥を検出するように構成した。
本発明では、上記目的を達成するために、欠陥検査装置を、繰り返しパターンを含むパターンが形成された試料の表面を直線状の光で斜め方向から照明する照明手段と、該照明手段で照明されて前記試料で反射した光のうち前記試料の繰り返しパターンで反射した光による回折パターンのうちの所定の空間周波数より大きな回折パターンを遮光して検出する検出手段と、該検出手段で検出した信号から前記試料で反射した光による回折パターンのうち前記所定の空間周波数よりも小さくて前記空間フィルターで遮光されなかった回折パターンを検出して得た信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出する処理手段とを備えたて構成した。
上記目的を達成するための本発明は、繰り返しパターンを含む回路パターンが形成されたチップが複数形成された基板に光を該基板に対して斜めの方向から照射して該基板を照明する照明手段と、該照明手段で照明された前記基板からの反射光を検出する検出手段と、該検出手段で前記反射光を検出して得た検出信号を処理して前記基板上の欠陥を検出する処理手段とを備えた欠陥検査装置であって、前記検出手段は、前記照明手段で照明された基板からの反射光のうち前記チップ内の繰り返しパターンからの回折光による回折パターンを遮光する空間フィルター部を有し、前記検出手段は、前記空間フィルター部を通過して前記検出手段で検出された信号を比較対象となる信号と比較して前記空間フィルター部で遮光されなかった前記基板上のパターンからの反射光による回折パターンの検出信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出するように構成した。
上記目的を達成するために、本発明の欠陥検査方法では、光源からの発射光を線状に成形し、該線状に成形した光を繰り返しパターンが形成された試料の表面を斜めの方向から照射し、該照射により前記試料で反射した光のうち前記繰り返しパターンからの反射光による所定の空間周波数を有する回折パターンを空間フィルターで遮光して検出し、該検出した信号を処理することにより前記試料上の欠陥を検出するようにした。
上記目的を達成するために、本発明の欠陥検査方法では、繰り返しパターンを含むパターンが形成された試料の表面の直線状の領域を斜め方向から照明し、該照明されて前記試料で反射した光のうち前記試料の繰り返しパターンで反射した光による回折パターンのうち所定の空間周波数より大きな回折パターンを遮光して検出し、該検出した信号から前記試料で反射した光による回折パターンのうち前記所定の空間周波数よりも小さくて前記空間フィルターで遮光されなかった回折パターンを検出して得た信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出するようにした。
上記目的を達成するために、本発明の欠陥検査方法では、繰り返しパターンを含む回路パターンが形成されたチップが複数形成された基板に光を該基板に対して斜め方向から照射し、該照射による前記基板からの反射光を検出手段で検出し、該反射光を検出して得た検出信号を処理して前記基板上の欠陥を検出する欠陥検査方法であって、前記光を照射された基板からの反射光のうち前記チップ内の繰り返しパターンからの回折光による回折パターンを空間フィルターで遮光し、該空間フィルターで遮光されずに通過して前記検出手段で検出された信号を比較対象となる信号と比較して前記空間フィルターで遮光されなかった前記基板上のパターンからの反射光による回折パターンの検出信号を除去して処理する ことにより前記試料上の欠陥を検出するようにした。
【0009】
【作用】
本発明では、量産ラインに異物及び欠陥検査装置を配置し、実時間サンプリングを実現するものであり、異物モニタリング装置を小型にし、半導体等の基板製造ラインの処理装置の入出力口あるいは処理装置間の搬送系中に載置できるように構成した。
【0010】
即ち、本発明は、複数の処理装置を備えた量産半導体等の基板製造ラインにおいて、照明アレイから成る斜方照明系とレンズアレイまたはマイクロレンズ群から構成された結像光学系と該結像光学系のフ−リエ変換面に配置された空間フィルタと上記結像光学系の結像位置に配置された検出器とを備えて半導体基板上の異物の発生状況を検出する異物モニタリング装置を、所定の処理装置の入口、または該出口、または複数の処理装置の間の搬送系に設置することにより、板製造工程における該処理装置による基板上の異物欠陥の発生状態を検出することができる。この異物欠陥発生状況を処理し、発生モードを分類することにより、また、発生した異物欠陥の成分を分析することにより異物欠陥発生原因を究明することができる。
【0011】
これは、従来技術の装置規模が大きいうえに検査時間も長くかかり、これらの従来装置を用いて実時間モニタを実現するには、大規模な装置を数多く並べる必要がありこれは事実上困難であった。現実的には、1ロット、あるいは数ロットあるいは1日毎に1枚の半導体基板を検査するのが限界であった。このような頻度の異物及び欠陥検査では、異物の発生を十分に早く感知したとはいえない。すなわち、量産ラインに対し、理想的な実時間サンプリングには程遠いものであった。そこで本発明の構成をもつ異物欠陥検査装置により、必要にして十分な箇所に必要十分なモニタを設置することにより量産ラインの工程数及び設備を低減することができる。
【0012】
また、全自動の搬送系上に載置可能な異物検査装置を実現ることにより、人手を介さない検査ラインを構成することができる。
【0013】
LSIの量産立上げの主要作業のうちの1つに、これらの異物の発生原因を究明して対策を施す作業があり、それには発生異物を検出して元素種などを分析することが発生原因探求の大きな手がかりになる。一方、量産ラインでは、これらの異物の発生をいち早く感知し対策を施す必要がある。異物発生から異物発生の感知まで時間が経過した場合不良の発生数は大きくなり歩留りは下がる。従って、高い歩留りを維持するためには異物発生からその感知までの経過時間を短縮することが欠かせない。つまり、モニタのサンプリングタイムを短くできる異物欠陥検査装置により、量産ラインでの実時間のサンプリングを可能にし、異物及び欠陥検査の効果を最大限に出すことができる。
【0014】
本発明では、処理装置の入口、または該出口、または、複数の処理装置の間の搬送系に設置することにより、実時間で半導体基板上の異物の発生状況を検出できる。
【0015】
また、本発明は、量産立上げ時の評価が円滑、迅速に進むようにサンプリング半導体基板を工夫した異物検出分析システムを用いて異物の発生原因を究明して材料入手時の検査仕様を変更したり設備の発塵源の対策を立て、その結果がそれぞれの材料、プロセス、装置等にフィードバックされて発塵しやすいプロセスの仕様を発塵に対して強い素子の設計仕様とすると同時に、量産ラインの検査、評価の仕様作りに利用され異物の発生しやすい箇所に必要に応じて半導体基板上の異物モニタを設置し、あるいは、特定箇所の特定の異物の増減のみをモニタする仕様とするものである。これにより、半導体製造工程の量産立上げ時には材料、プロセス、装置、設計等の評価、改良(デバック)を行なうために高価で高性能な評価設備により各プロセス、設備等を評価し、量産時には生産ラインの工程数及び設備をできる限り低減し特に検査、評価の項目を減らして設備の費用および検査、評価に要する時間を短縮することができるのである。
【0016】
上記のように量産立上げ時と量産ラインを分けることにより、量産立上げ時の異物の検出、分析、評価装置を効率よく稼動させることができて量産立上げを迅速にできるとともに、量産ラインで用いられる異物の検査、評価設備を必要最小限の簡便なモニタリング装置にして量産ラインの軽量化が図られる。
【0017】
また、本発明の上記量産ラインのモニタリング装置において、高速小型でかつ従来の大型の装置と同等の機能を持つ検査装置を現状の技術で解決するために、以下の方法に着目した。まず、メモリの繰り返し性に着目した。従来から繰り返しパターンを除去し欠陥を検出する方法は知られている。この方法は確実に検出性能を確保できる。しかし、この方法は上記のモニタリング装置を実現する上で好都合なことは触れられていない。さらに、この場合のモニタは半導体基板上の全ての点をモニタする必要はなくある特定の比率で半導体基板上を監視していればよく、繰り返しパターンの多いメモリの製造では、このメモリの繰り返し部だけをモニタするだけでも効果は大きいことに着目した。
【0018】
繰り返しパターンでは、コヒーレント光を照射するとある特定の方向にだけ光が射出する。すなわちメモリの場合は繰り返し部分から特定の方向に射出する光を空間フィルタによって遮光することができ、繰り返して発生することがない異物を高感度で検出することができる。この際、空間フィルタとして液晶を用いれば液晶のオンオフで空間フィルタの形状を任意に変更できるため任意の繰り返しパターンの検査を自動でできることになる。
【0019】
上記手段で半導体製造時の歩留りが向上するのは以下の理由による。半導体基板上の異物個数の厳密な検出実験により、異物個数は徐々に増減するものではなく、突発的に増減するものであることが新たに判明した。従来は、異物の個数は徐々に増減するものと考えられていたため、上述したようにロットで1枚ないし1日1枚等の頻度で異物等の欠陥について検査されていた。ところが、この検査頻度では突発的な異物の増加が見落とされたり、増加したまましばらくたってから検出されたりすることになり、相当数の不良が発生することになる。すなわち、量産ラインでは異物の発生をいち早く感知し対策を施す必要があり、異物発生から異物発生の感知まで時間が経過した場合不良の発生数は大きくなり歩留りは下がる。従って、異物発生からその感知までの経過時間を短縮することにより高い歩留りを維持することができる。つまり、モニタのサンプリングタイムを短くすること、理想的には、実時間のサンプリングにより、異物等の欠陥についての検査の効果を最大限にだすことができる。
【0020】
さらに、従来装置では半導体基板を抜き取って検査しており、この際には半導体基板上に新たな異物が付着することになり、やはり歩留りを低下させる。本発明による異物及び欠陥検査装置では半導体基板を抜き取らないで検査できるためこの半導体基板への異物付着による歩留り低下もなくすことができる。
【0021】
高速小型の異物検査装置を実現する上で、この空間フィルターを用いた方法は従来技術(特開昭62−89336号公報)に示した偏光検出法より適している理由を図64、65、66を用いて説明する。
【0022】
試料に光を照明し異物からの散乱光を検出する方法では、試料表面に形成されたパターンからの散乱光がノイズになる。このノイズは、図64(c)に示したように検出器2006の画素(1つの信号として検出される最小単位)サイズが大きいほど大きくなる。ノイズ源になるパターンは試料上ほぼ全面に形成されているため、ノイズは画素サイズに比例して大きくなる。
【0023】
一方で、画素数が多いほど検査時間がかかるため、高速検査を実現するためには画素サイズを大きくする必要がある。したがって、画素サイズを大きくして、ノイズレベルも小さくする必要がある。このノイズレベルを小さくする方法として、小泉他、「LSIウエハパターンからの反射光の解析」、計測自動制御学会論文集、17−2、77/82(1981)に、偏光を利用した方法が解析されている。これによれば、偏光を利用することによって、パターンからの散乱光(ノイズ)を減衰させることができる。ところがこの方法による散乱光の減衰率は、上記論文に解析されている通り、検出器の方向に依存する。このため、結像光学系を用いたように様々な方向に射出した光を集光する場合、それぞれの減衰率を積分すると減衰率は0.1%から0.01%程度になる。
【0024】
これに対し、本出願の空間フィルターを用いた方法では、減衰率を0.001%から0.0001%にできる。この理由を図65、図66を用いて説明する。
【0025】
繰り返しパターンの形成されたウエハ2001を照明光2002で照明し、照明した領域をレンズ系2003、2005を用いて検出器2006に結像する。ここで、空間フィルター2004を載置したフーリエ変換面でのパターンからの射出光の強度分布を図66に示す。繰り返しパターンからの射出光はパターンのピッチに応じた位置に集中する。この集中の比率を算出した例として、複スリットの場合の回折光強度分布が久保田宏著、「応用光学」(岩波)に説明されている。これによれば、スリットの数(本出願では同時に照明される繰り返しパターンの数)が多くなれば、集中の比率が大きくなる。この比率はフーリエ変換F[]を用いても算出できる。照明されたパターンの形状をa(x,y)とすると、空間フィルターの位置の光強度分布はF[a(x,y)]となる。空間フィルターの形状をp(u,v)とすると、p(u,v)*F[a(x,y)]が、空間フィルターを通過する光となる。また空間フィルターに相補的な図形の形状を ̄p(u,v)とすると、 ̄p(u,v)*F[a(x,y)]は、空間フィルターによって遮光される光成分である。この2つの成分の比率が先の減衰率になる。
【0026】
パターンの繰り返し数が3の時のこの減衰率を算出すると0.001%程度である。繰り返し数が5の時0.0001%程度になり、さらに繰り返し数を多くすれば減衰率は低下する。従って、偏光を用いるよりも減衰率を低できることになる。
【0027】
以上の計算は、パターン形状及びその他の条件が理想的な場合であって、現実の実験結果とは必ずしも一致しない可能性がある。しかしながら、偏光方式よりも1桁から3桁減衰率が低下し、パターンノイズを低減できるという実験結果を得ている。
【0028】
【実施例】
以下に本発明のオンラインモニターの具体的実施例の構成をを図1から図7を用いて説明する。
【0029】
本実施例は、図1に示すように、照明手段102、検出光学系103、回転合わせ機構105、空間フィルターユニット106、検出器107、回転検出手段108、オペアンプ201、A/D変換器202より構成される検出ヘッド101、ピッチ検出手段212、オペレータ処理系203、異物データメモリ206、パターンメモリ208、ソフト処理系210、パラメータ伝達手段209、異物メモリ211、座標データ作成手段232、マイクロコンピュータ229、表示手段230より構成される。
【0030】
また、図2に示すように、照明手段102は、半導体レーザ112、コリメータレンズ113、凹レンズ114、レシーバレンズ115よりなるビームエキスパンダ、シリンドリカルレンズ116、ミラー118より構成され、検出光学系は、フーリエ変換レンズ108、空間フィルターユニット106、回転検出手段108、フーリエ変換レンズ111より構成される。
【0031】
また、図3に示すように、空間フィルターユニット106は、コイルばね121、122、複数の直線状空間フィルター141、コイルばね支え119、120、ガイド125、右ねじ部127、左ねじ部128を有するねじ126、ウオームギア129、130、モータ140より構成される。また、空間フィルターユニット106には、回転検出用の検出器123、124が設置されている。
【0032】
また、図4に示すように、オペレータ処理系203は、4画素加算手段214、8値化手段215、複数のラインメモリ216からなる切り出し手段204、バッファメモリ217、判定画素切り出し手段218、オペレータ切り出し手段219、231、複数の異物比較回路220よりなる比較回路群、しきい値設定回路221、OR回路224、AND回路226より構成される。
【0033】
また、図5に示すように、ピッチ検出手段212は、FFT回路242、オペレータピッチ算出手段241、フィルターピッチ算出手段244、空間フィルター制御系243より構成される。
【0034】
また、図6に示すように、回転合わせ機構105は、回転ガイド151、回転バー152、ばね153、ピエゾ素子154、ピエゾ素子コントローラー155、架台156より構成される。
【0035】
(関係)
基板1は照明手段102で照明され、表面の異物、欠陥あるいはパターンからの散乱光あるいは回折光が取り込まれ、空間フィルターユニット106で光学的なフィルターリング処理が施され、検出光学系103内の検出器107で検出される。検出された信号は検出ヘッド101内のオペアンプ201でインピーダンスの大きなノイズののりにくい信号に増幅され、A/D変換器202でデジタル信号に変換されてオペレータ処理系203に伝送される。回転検出手段108で基板1の回転方向が計測され、回転制御手段213で制御される回転合わせ機構105で基板1に対して予め回転方向が合わせられる。また、検出光学系は103は、十分大きな焦点深度を有するため、基板1を搬送系(図示せず。)で機械精度で搬送してくれば、自動焦点合わせは基本的には不要である。具体的には、約800nmの波長を用い開口数0.08の場合、焦点深度は約±100ミクロンで有る。もちろん、自動焦点機構を持っても問題ない。
【0036】
ピッチ検出手段212では、検出信号から基板1上のパターンの繰り返しピッチ、及びチップのピッチが計測される。オペレータ処理系203でパラメータ伝達手段209により伝達されたチップの繰り返しピッチ等の情報を基に、チップピッチの繰り返し性を利用してパターン情報が除去される。結果は、異物データメモリ206、パターンメモリ208に格納され、さらに、パラメータ伝達手段209により伝達されたテストエレメントグループの位置座標チップの繰り返しピッチ等の情報を基に、チップ間の繰り返し性を持たないテストエレメントグループ等のパターン情報がソフト処理系210で除去され、異物メモリ211に格納される。ここで、座標データ作成手段232により、座標データが作成され、異物情報と同時に必要に応じ格納される。以上の処理は、マイクロコンピュータ229により管理され、表示手段230より表示される。
【0037】
また、図2に示すように、照明手段102では、半導体レーザ112からの光が、コリメータレンズ113、凹レンズ114、レシーバレンズ115により平面波としてコリメートされ、シリンドリカルレンズ116、ミラー118を通して基板1上を照明する。ここで、シリンドリカルレンズ116により、照明は、図に示すように、x方向のみコリメートされ、y方向は基板上で集光される。検出光学系103では、フーリエ変換レンズ110でフーリエ変換された光束が空間フィルターユニット106により光学的なフィルタリング処理が施され、さらにフーリエ変換レンズ111より検出器107上に基板上の像が結像される。
【0038】
また、図3に示すように、空間フィルターユニット106では、ガイド125にガイドされながら、右ねじ部127、左ねじ部128を有するねじ126の回転により移動するコイルばね支え119、120により、コイルばね121、122、のコイル間に渡された黒色の直線状空間フィルター141間のピッチが変化させられる。動力は、ウオームギア129、130を介して、モータ140より供給される。
【0039】
また、空間フィルターユニット106上に設置された回転検出用の検出器123、124により基板の検出ヘッド101に対する基板1の回転方向に傾きが計測される。この図3は図の見やすさの点から、検出光が上方2の方向から入射するように記述してある。
【0040】
また、図4に示すオペレータ処理系203では、検出信号の周囲の画素2x2が4画素加算手段214により加算され平均化される。この処理は、平均化による安定検出が目的であるが、検出性能(検出感度)自体はやや落ちるため、必要に応じバイパスできるようバイパス手段が設置されている。加算された信号は、8値化手段215により8値化され、複数のラインメモリ216からなる切り出し手段204を通して2次元の画像データとしてバッファメモリ217に格納される。格納された後、判定画素切り出し手段218、オペレータ切り出し手段219、231、により、2次元の画像データの中から必要なデータが切り出され、比較回路219に送られる。ここで、検出器107は高速のステージ走査による高速検出が可能なように1次元のリニアセンサを用いている。この検出器107からのデータを2次元画像に変換するのがラインメモリ216とバッファメモリ217であり、検出器107からの信号が1画素ずつ送られる度に画像全体がx方向に1画素ずつ移動する。いわゆるパイプライン処理で有る。複数の異物比較回路220よりなる比較回路群、閾値設定回路221、OR回路224、AND回路226により、後に説明する論理により異物信号が抽出される。
【0041】
また、図5に示すピッチ検出手段212では、FFT回路242により検出画像のフーリエ変換処理が施され、この結果からオペレータピッチ算出手段241によりオペレータピッチが、フィルターピッチ算出手段244により空間フィルターピッチが算出され、空間フィルター制御系243及びオペレータ切り出し手段219、231に送られる。
【0042】
また、図6に示す回転合わせ機構105では、回転ガイド151をガイドとして、回転バー152を設置した検出光学系ヘッド101が、回転検出手段108からの情報を基に、ピエゾ素子コントローラー155により制御されるピエゾ素子154の伸縮により回転制御される。ばね153は、ピエゾ素子154と回転バー152が接するように設置されたもので有り、ばね153をなくして、ピエゾ素子154と回転バー152を直接固定しても差しつかえない。この構成により架台156上に設置された、回転ガイド151に対して検出光学系ヘッド101が回転制御される。ここでは、ピエゾ素子を用いた駆動系を示したが、必ずしもピエゾ素子である必要はなく、回転モータを用いた直線移動機構を構成しても、回転ガイド151自体として回転駆動可能なモータを用いても、また、超音波を用いたようなその他の、回転、直線駆動機構であっても差しつかえない。ここでピエゾ素子を用いたのは、ピエゾ素子154が小型で、高精度の駆動性能を有するからである。
【0043】
(原理)
本発明のパラメータ圧縮型空間フィルター(PRES(Parameter Reduction Spatial)フィルター)の原理について説明する。
【0044】
従来からウエハ表面のパターンの繰り返し性を用いて、非繰り返し性を有する異物あるいは欠陥を検出しようとする技術が開示されている。しかしながら繰り返し性を有するパターンとは言っても繰り返し周期、基本パターンの形状によって回折パターンの形状は異なる。そのため、対象となる繰り返しパターンの形状に合わせて遮光板であるところの空間フィルターの形状を変えなくてはならなかった。この空間フィルターの変更方法として、写真乾板を用いた方法などが開示されている。これらの方法では、対象に応じた空間フィルターを作成するのに時間がかかったり、大規模の装置が必要だったりした。
【0045】
具体的には図7(a)に示すように斜方からコヒーレント光すなわち平面波で照明した場合、例えば図7(b),(c)に示すような回折パターンがフーリエ変換の位置で観察されたとする。この場合、基板上のパターンのピッチが変わった時、回折パターンのピッチpx、pyのみならず、全体の位相φが変化する。
【0046】
さらに基板上パターンの基本形状が変わると回折パターンを形成する点パターンの配置が変化する。すなわち、フーリエ変換面状の回折パターンを記述するパラメータが多くパターン形状に対応するのは困難であった。
【0047】
ここで、図8(a),(b)に示したような平面波ではなく、図8(d),(c)に示すようなx方向には試料1上で絞り込み、y方向はコヒーレントすなわち平面波を照明した場合を考える。この場合、フーリエ変換面ではu軸方向には結像せずu軸方向に圧縮された形状の回折パターンとなる。結果的に、空間フィルター106はv軸方向だけの1次元のパラメータに圧縮されたことになる。ここで、圧縮された回折パターンのv軸方向のピッチpは基板表面で照明されている領域のy軸方向のピッチに応じたピッチとなる。また、1本1本の線上の回折パターンの太さwは前側フーリエ変換レンズ110のフーリエ変換面への開口数sinβにより決定される。具体的には、照明系102の射出側開口数と前側フーリエ変換レンズ110の開口数により決定される。従って、照明系102及びフーリエ変換レンズ110が決定されれば決まるものであって、検査対象である基板1上のパターンの影響を受けない。しかしながら、照明の開口数を変える場合などもあり、直線状空間フィルター106の幅は可変であるほうがよい場合もある。
【0048】
また、実際には、高速の検査を実現するためには、検出器107としてステージ(図示せず)の連続走査が可能な1次元のイメージセンサーが適している。この1次元のイメージセンサを用いた場合、照明の効率を向上するには1次元のセンサの形状すなわち試料1表面上で直線状の照明が適している。このような照明を実現するためには、少なくても1方向を絞り込む必要がある。すなわち、1方向コヒーレント照明は、照明強度の効率向上のためにも大きな効果を有する。
【0049】
以上説明したように、従来基板上のパターンの形状は千差万別であり、この千差万別のパターンに対応するにはそれぞれのパターンに応じた空間フィルターが必要とされていた。しかしながら本発明によれば、これら千差万別の空間フィルターも見方を変えればピッチpのみの関数と考えることができ、多次元のパラメータを持つ空間フィルターが1次元に圧縮されたことになる。このように空間フィルターのパラメータの次元を圧縮することにより複雑な形状のため形状変化への対応がむずかしかった空間フィルターを単純化して、全ての繰り返しパターンに対応可能にすることができる。
【0050】
以上の構成は、ウエハあるいは液晶表示素子などの上の異物あるいは欠陥を検出するばかりではなく、繰り返し性を有するパターンから非繰り返し性を有する部分を検出すべきあらゆる検査対象に適用可能である。具体的には、半導体マスク、レチクル、半導体行程を用いるマイクロマシニング部品、その他のマイクロマシニング部品、プリント基板などに適用可能である。本発明はこれら対象を検査する際に、対象毎に空間フィルターを交換することなしに空間フィルターリング技術を適用しながら、照度の高い照明を実現することによって、高速の検査を実現するものである。
【0051】
(空間フィルター制御、オペレータピッチ制御)
図9(a),(b)に基づいて(A)空間フィルター106によるパターン消去方法とオペレータピッチ処理系203における(B)ショット比較オペレータによるパターン消去方法とソフト処理系210(206〜211)等における(C)ソフトにTEGパターン消去方法について説明する。本発明では、数百ミクロンピッチ以下のセルの繰り返し性を空間フィルター106を用いてパターン消去し、オペレータ処理系203(217)による(B)ショット比較オペレータによる数百ミクロンピッチ以上の繰り返しを隣接するチップ間(場合によっては、1回の露光を意味するショト間)の繰り返し性を用いてパターン消去し、さらに繰り返し性を持たないチップ(TEGパターン)はソフト処理系210(206〜211)等において座標・マトリクスデータを用い検査しないようにデータを消去する構成をとっている。
【0052】
ここで、それぞれの消去の際にそれぞれ必要なパラメータがある。空間フィルター106による消去の際には空間フィルターピッチ、チップ間繰り返しによる消去の際にはチップ間ピッチ、繰り返しを持たないチップ(TEGパターン)の消去の際にはチップの位置情報がそれぞれ必要になる。従って、本発明の検出ヘッド101は、最低2チップを同時に検出できるのが望ましい。
【0053】
即ち、検出ヘッド101の検出光学系103の視野サイズが最低2チップの長さ以上の長さが必要になる。もちろんこの視野サイズがあれば望ましいというだけのものであって、複数設置される検出ヘッド101の位置関係を正確に知っておき、この位置関係をパラメータ伝達手段209に記憶させておき、オペレータ処理系203等で複数の検出ヘッド101間でこの比較処理を実施する場合は、視野サイズが2チップ以上ある必要はない。但し、光学系(検出ヘッド)101の必要精度、オペレータ処理系203およびソフト処理系210におけるデータ処理のための回路系の複雑さを考慮すると視野サイズが2チップ以上の大きさを有しているのが望ましい。
【0054】
また、ここでは、2チップ以上として説明したが、ステッパによりウエハ1上へパターンを転写する際に、マスクとして用いるレチクル上に2チップ以上のチップが書き込まれている場合は、これらのチップ間にテストエレメントグループ(TEG)と呼ばれるパターンが書き込まれている場合が多く、これらのパターンも消去するためには、上記繰り返しピッチを用いて消去する際に、チップ間のピッチを用いるのでなく、ショット(1回の露光で焼き付けられるパターン、レチクル上のパターン)間のピッチ(パラメータ伝達手段209に記憶される。)を用いる必要がある。もちろんこの方法も必ずしも必要なものではなく、これら1ショット内に形成されたTEGパターンは、後の処理で消去されても問題ない。
【0055】
これらの情報は基板1に対応させて事前に測定されてパラメータ伝達手段209に記憶、される。この記憶された情報の中から、基板に対応するパラメータが選択され、本発明の異物欠陥検査装置(ソフト処理系210およびパラメータ伝達手段209を介してオペレータ処理系203)にフィードバックされる。従って、この方法を、用いる際には基板を同定する必要がある。この同定を目的にして基板には基板に対応した番号あるいは記号が記載されている。検査に先だってこの記号を読み取り、番号から基板に製品版号、ロット番号、品種を知り、本発明の異物検査装置が設置されている個所のデータから工程を知り、パラメータ伝達手段209を介してピッチ検出手段212に設定して空間フィルター106のピッチ、閾値の値を設定しても良い。
【0056】
また本発明の異物欠陥方法を実現するに当たっては、必ずしも、パラメータを上記説明したように取得し上記のように本発明の装置に送る必要はない。むしろ以下説明するように、本発明の装置により独自に取得される場合の方が望ましい場合もある。上記の方法では、事前に入力するパラメータの値を知っておく必要があるが、独自に取得される場合はそのような手間がいらないからである。またもちろん、基板に記載された番号を読む必要も無くなる。
【0057】
本発明では、上記説明したように、複雑な背景パターンを有する基板上に付着した異物あるいは欠陥と背景パターンとを区別して異物あるいは欠陥を抽出して検出するために3段階のパターン除去機能を有している。このパターン除去機能は、事実上パターンと判断された個所は検査対象とせず捨ててしまうことになる。具体的には、数百ミクロンピッチ以下の繰り返しを空間フィルター106で消去し、パラメータ伝達手段209を介して与えられるパラメータに基づいてオペレータ処理系203において数百ミクロンピッチ以上の繰り返しをチップ間の繰り返し性を用いて消去し、さらに繰り返し性を持たないチップはパラメータ伝達手段209に記憶された座標・マトリクスデータに基づいてソフト処理系210等で検査しないようにデータを消去する構成をとっている。
【0058】
このようにパターンが形成されている領域を検査対象から外してしまうのは、以下の理由による。パターンが形成されていても、隣接するチップには同じ形状を持ち、同じ射出方向に同じ光量を射出するパターンが形成されている。従って、この2つのパターンからの光の検出光強度を比較すれば、空間フィルター106で消去できない形状のパターンが形成されている領域でも異物あるいは欠陥の検査が可能となる筈である。しかしながら、これらのパターンは特に散乱光を検出する場合、検出光の強度は不安定になりやすく、上記説明した、比較によるパターン除去を実施すると虚報(異物でないパターン情報が異物として検出されてしまう。)が、多くなる。そこで、パターンが形成されている領域を検査対象から外してしまうのがむしろ有効になることがあるのである。すなわち、安定性を考えて、特に散乱光を検出する場合、複雑なパターンが形成されている領域を検査対象から外してしまうか、隣接するチップパターンからの光の検出光強度を比較することで異物検査するか決定されるべきである。
【0059】
(パラメータの取得方法)
以下、具体的なパラメータの取得方法を図10を用いて説明する。検出光学系101がウエハ1の繰り返しパターンを取り込める位置にウエハ1が搬送された次点で、空間フィルター制御系243が空間フィルター106のピッチを最大位置から最小位置まで変化させる。この時、1次元検出器107に取り込まれた信号を全画素加算回路245は、各画素の値が全て加算され、この加算値がピッチの変化に対して最小となる位置のピッチがピッチ算出回路246により選択される。この値が、空間フィルター駆動機構106’に送られ、空間フィルター106が所定のピッチに設定される。
【0060】
また、この空間フィルター106のピッチの選択に当たっては、このように空間フィルター106を変化させなくても、図5に示す周波数分析を実施しても算出できる。検出光学系101がウエハ1の繰り返しパターンを取り込める位置にウエハ1が搬送された次点での検出器107が検出した信号をFFT回路242により周波数分析し、この周波数分析の結果から、空間フィルターピッチ算出手段244により周波数領域でピークとなる空間周波数になるように空間フィルターのピッチが選択される。この値が空間フィルター制御系243を介して空間フィルター駆動機構106’に送られ、空間フィルター106が所定のピッチに設定される。この周波数分析に当たっては、高速フーリエ変換が処理速度等から最も望ましいが、必ずしも高速フーリエ変換である必要はなく他のアダマール変換、積分による周波数解析、自己相関関数演算による方法等の方法であって問題ない。またこの周波数解析による方法では、空間フィルターのピッチだけでなく、空間フィルターで除去できない成分を除去するための方法のためのチップ間ピッチ(オペレータピッチ)も、オペレータピッチ算出手段241により同時に演算処理される。このチップ間ピッチは、周波数解析で算出されたものかつ検出光学系の視野の1/2より小さいもののうち最大のものを用いるのが望ましい。これは、最大のものが以下説明するショット間ピッチに相当するばあいが多いからである。
【0061】
以上のように検査のためのパラメータの値が設定された後で、検査が実施される。
【0062】
以上説明した方法は、搬送中のウエハ1の最初の部分は異物検査ができないという問題を有している。一方で、検査装置を他の信号伝達システムに対して独立させることができると言う効果を有する。
【0063】
(テレセントリック光学系)
本発明では、上記説明したように、数百ミクロンピッチ以下の繰り返しを空間フィルター106で消去し、数百ミクロンピッチ以上の繰り返しをチップ間の繰り返し性を用いて消去し、さらに繰り返し性を持たないチップは検査しないようにデータを消去する構成をとっている。ここで、チップ間の繰り返し性を利用してチップのパターンの検出信号を消去する為に、チップ間の検出信号を比較してある値より差の大きいときは異物として検出する構成をとっている。つまり、隣接するチップないのパターンからの散乱光あるいは回折光は強度が等しいことを前提にしている。そこで、隣接するチップの対応する位置からの光を安定して検出する必要がある。ところが、パターンからの回折光は指向性があるため、視野が広く視野内の各位置からレンズを見込む角度が大きく異なるような場合、この指向性により視野内の位置により光強度が異なってしまう。
【0064】
ここで、テレセントリック光学系103’は、対象物1上の各点からの主光線を互いに平行にすることによって、焦点位置がずれた場合でも結像の倍率が変わらないように開発された技術である。このテレセントリック光学系103’を本発明に用いることによって上記の異物からの散乱光あるいは回折光の指向性による検出光強度の変化を対策して、対象物の各点からの検出光の強度を安定して一定に保つことができる。本発明により、対象物1の全ての点で同じ方向から照明して、全ての点で同じ方向から検出できるためパターンからの回折光あるいは散乱光に指向性があった場合でもパターンの形状が同じであれば検出光の強度は同じになるからである。
【0065】
このように、倍率を変化させるのは画素サイズを変えるためである。画素サイズを大きくすると、1つの信号として検出する領域が大きくなるため結果として検査速度を早くできるが、検出系の分解能は落ちるため、ちいさな異物あるいは欠陥の検出が難しくなる。逆に、画素サイズを小さくすると分解能が高くなり、より小さな欠陥あるいは異物を検査できるようになるが、検査時間は長くかかってしまう。もちろんこの場合、光学系の分解能も高くする必要が有る。
【0066】
レンズの交換機構について図11を用いて説明する。本実施例では、以上説明したように、1対1の結像倍率のテレセントリック光学系103’を用いている。本発明の効果を十分に得るためにはテレセントリックであることが重要であり、図11(a)に示すように1対1の倍率である必要はない。従って、他の倍率の光学系を用いることもでき、この他の倍率の光学系を実現するに当たって、図11(b)に示すように、空間フィルターを挟んだ2つのフーリエ変換レンズ110、111の一方、(具体的には物体側のレンズが最適であるが、)をフーリエ変換レンズ161に交換することで倍率を変更できる。この様な構成により、像側のレンズ111及び検出器107を交換する必要がなくなるため、結果的に倍率の異なる光学系を安価に供給できることになる。
【0067】
以上のように、テレセントリック光学系103’、あるいは基板1上の各点から射出する主光線が検出光学系103の瞳(空間フィルター106が配置された面)の中央を通る光学系は、空間フィルター106を用いる異物欠陥検査装置に用いると大きな効果が期待できるが、必ずしも、空間フィルター106を用いる場合だけでなく、空間フィルター106を用いない欠陥異物検査に適応しても、検出高強度を安定して検出できるという効果を生む。特に、視野の大きな光学系を用いる場合、有効である。
【0068】
(PRESフィルター基本概念)
以上説明したように、本発明によるPRESフィルターは、テレセントリック型の検出レンズと、片軸のみコヒーレントな照明系と併用すると最大の効果を発揮できるが、本発明の本来の目的である空間フィルター106を用いた異物等の欠陥検査装置を実現するに際しては、必ずしもこれらと併用する必要はない。照明を片側のみコヒーレントにするのは空間フィルターを用いる際コヒーレントが必要であり、片側で十分であるからである。さらに、片側がコヒーレントでないことにより、物体上で照明光束を絞り込むことができ、照明強度を大きくできるという効果がある。逆に言えば、照明光強度を十分に得られる場合は、照明はx方向y方向両側ともコヒーレントであっても差しつかえない。つまり、本発明の本質は、1次元に圧縮して空間フィルター106であっても基板(ウエハ)1の回転方向を合わせることにより空間フィルターリングが可能になるところにある。
【0069】
ここでさらに重要なのは、照明手段102により斜めから照明する場合、空間フィルターのパラメータを一つにするには、直線状空間フィルター106を照明の入射面に平行にすることであり、片側のみをコヒーレントにした照明を用いることではない。即ち、照明の入射面と直線状空間フィルターの長手方向と基板(ウエハ)上パターンの繰り返し方向を合わせることが本質である。
【0070】
また、パラメータを1つにする必要がない場合は、直線状空間フィルターを照明の入射面に平行にする必要もなく、直線状空間フィルターを用い、ピッチと位相あるいはピッチと回転方向を合わせることで全てのパターンに対応できる空間フィルターが構成できる。更に上方からの照明に対しては、照明の入射面と直線状空間フィルターの方向はは常に一致するため空間フィルターと基板(ウエハ)上パターンの繰り返し方向のみを合わせれば良いという効果もある。
【0071】
しかしながら、上記いずれの場合も、照明に直線状の形状のビームを用いたり、検出器107を1次元センサを用いたりしている場合は、この方向も合わせる必要が出る。しかし、この場合の合わせは、照明の均一性を得るためであり、或いはチップ間繰り返しを利用して、大きな周期の繰り返しを除去するためであり、空間フィルターにより小さい周期のパターン情報を消去する上では、必要ないことである。
【0072】
光学系のテレセントリック検出光学系103’もここでは両テレセントリック光学系を示したが、必ずしも両テレセントリックである必要はなく、少なくとも物体側がテレセントリックで有ればよい。また、テレセントリックでなくても、基板上の各点での照明系102の主光線、即ち基板上の各点からの0次回折光が検出光学系の瞳面(空間フィルターの設置している面)の中央を通るようにしてあればよい。この様な構成でも各点のパターンからの0次回折光の分布によるパターン出力の変動を回避できる。しかしながら、パターンへの照明の入射方向が異なるようになるため、この方法は上記のテレセントリック光学系に比べると性能は幾分低下する。しかし、対象によっては、この方法で十分な場合もある。
【0073】
更に、基板上の各点での照明系の主光線、即ち物体上の各点からの0次回折光が検出光学系の瞳(空間フィルターの設置している面)の中央を通るようにしなくても、即ち通常の高視野レンズを用いても、本発明の本来の目的である空間フィルターを用いた異物等の欠陥検査装置を実現することができる。
【0074】
(事前にθを測定する方法)
以上の、検査装置では、検査装置をウエハあるいは基板の角度に合わせる必要がある。具体的には、基板上に形成されたパターンの繰り返し方向に垂直あるいは平行に検出器及び照明の光軸を設定する必要がある。これを実現するために、基板の搬送時の角度を角度検出機構で高精度に検出して、その結果により検出光学系全体を基板の面の法線を軸として回転させ、パターンの方向と検出器の方向を一致させる。
【0075】
具体的な構成を図12に示す。図12(a)は、フーリエ変換面に構成される空間フィルターユニット106と回転方向検出器123、124の配置を示し、検出光学系103を基板側から見た図であり、直線状空間フィルター141、瞳大きさを制限するための絞り142も同時に示している。検出光学系103は開口数がやや大きく作ってあり、パラメータが圧縮された基板1からの回折パターンが絞り142の外側にはみ出し、検出器123、124で検出される。そこで、検出器123、124により、回折パターンの内0次回折光を検出し、そのピーク位置の変動を検出すれば、基板1に対する、検出光学系ヘッド101の回転方向が計測される。具体的には、2つの検出器123、124の間隔をLp、検出器123、124中心からの検出された、回折光のピーク位置間での距離をhp1、hp2とする。回転位置がずれている際の回折光はフーリエ変換面で図12(b)のような形状を示すため、回転角度θpは概ね以下の(数1)式で示される。図12(b)はフーリエ変換面を含む球面をフーリエ変換面の方向から見たもので、円3は、上記球面と基板面の光線を示し、円4は上記球面と瞳面142の光線を示し、点5は照明光の0次回折光即ち反射光と上記球面の交点を示す。
【0076】
【数1】
sinθp=hp1/Lp (数1)
ここで、厳密には、回折光ピッチLdpが未知数であるため、既知の微小回転角度θkだけ回転した位置で、回折光のピーク位置間での距離を計測仕直し、hp11、hp21として、連立方程式を立てれば、Lpd及び、θpが算出できる。また、別の方法として、hp1、hp2が共に0になるように、θを回転させながら合わせ込む方法もある。
【0077】
ここで、検出光学系103の方向を検出し安い方向に回転させる際には、基板1上に形成されたパターンを空間フィルターによって消去するのが目的であるため、必ずしも光学系101全体を回転する必要はなく空間フィルター106を回転しても良い。また、光学系101の回転に当たっては、いくつかのユニットを同時に回転させても、また、各ユニットごとに回転させても問題ない。
【0078】
この構成で重要なのは、ウエハあるいは基板1を支持するステージを回転せずに基板との回転合わせは検出光学系101の可動で対応している点である。ここでは、本発明による異物検出装置が、基板(ウエハ)1の流れの方向に対して完全に垂直でなくても検出可能な構成になっているから実現できる物である。また、基板1の回転に対しては光学系101の回転で対応し、基板1に対する光学系101の走査には基板1の搬送系(図示せず)を用いることで、2つの自由度を2つの機構に独立に持たせることで、それぞれの機構を単純化している点が重要である。
【0079】
また、角度検出機構108は図12に示したような方法をとらずに、検出器107により取り込んだ画像から、基板1上に形成されたパターンの方向を算出してもよい。この場合、実時間の計測が難しいが、検出器123、124などの機構が不要になるという効果がある。
【0080】
更には、図13に示したように、検出ヘッド101内に実装されるのでなく、搬送中の基板に対して、予め計測を澄ませてしまう構成であってもよい。また、検出結果は、回転機構181により、検出ヘッド101あるいは検出ヘッドアレイ180を回転して回転ずれを合わせる。このような構成では、事前に計測がすんでいるため、基板全域に対して検査可能になるという効果がある。また、この際の回転検出ヘッド162は、上記説明した、回折光を検出するものであっても、基板1の像を結像し処理しても、あるいは他のセンサで例えばウエハのオリフラ等の基板1のエッヂを検出してもよい。
【0081】
以上、角度検出、基板搬送は、本発明の実施例では、直線状に搬送される場合を示しているが、かならずしもこれに限定されるものではなく、回転機構、回転のアーム等にも適用可能である。但し、このような回転アームの場合は、検出光学系101の検出エリアの長て方向が回転アームの中心軸を通るように設定されているのが望ましい。このように構成することで、本発明を回転系の搬送機構にも全く意識なしに適用できるものである。
【0082】
(光学系の回転制御)
本発明では、空間フィルター106を用いているため、基板1と光学系101の回転方向の位置あわせが必要になる。この回転合わせは、他のパラメータの設定に対して事前になされるのが望ましい。本発明では、図3および図12あるいは図13に示したようにウエハ回転検出光学系123、124或いは162を有している。この光学系123、124或いは162は、搬送中の基板1の最初の部分でウエハの回転ずれを検出し、この検出結果を光学系回転機構181に送りこの情報をもとに光学系101または180を回転する。回転合せ機構105を図6に示す。
【0083】
また、この回転ずれ検出結果をもとに光学系101または180を回転するのでなく、電気処理により回転をずれを補正することができる。図4に示す如く、バッファメモリ217に切り出された矩形オペレータを、検出されたウエハの回転ずれに合わせてθ方向にシフトさせることにより、あたかも基板(ウエハ)1の回転ずれを機械的に補正したような効果をうむ。この方法は、光学系101または180を動かす必要がないため補正にかかる時間を短縮できるという効果を有する。また、この回路を用いることによって、回転ずれθを計測せずに、オペレータ219、231をθ方向に常時移動させ、最も検出異物が少なくなるような条件で(この条件が基板1と検出ヘッド101の回転ずれがない状態に当たる)検査を続けるという方法もある。この方法は高速の信号処理系を有することは言うまでもない。あるいは、高速の信号処理系を用いずとも、事前に上記説明した方法で上記条件を設定し、その後、検査することで、あたかも基板(ウエハ)1の回転ずれを機械的に補正したように検査を実施することができる。
【0084】
勿論、ここで開示した方法は、必ずしも必要なものではなく、例えば、縮小投影露光装置に搬入されるように、基板(ウエハ)1の回転ずれを搬送方向に対して有る一定の許容範囲で機械的に合わせた後、搬送される場合は、上記の如く検出制御系は必要ない。
【0085】
(ログスケールしきい値)
図14に空間フィルター等光学的な処理方法を前処理として用いた場合の比較検査と、このような処理を用いずに電気信号だけで比較検査を実施したときの検出信号の様子を図14に模式的にに示す。空間フィルター106による方法はパターン部内の欠陥の情報をなくさずにパターンの情報のみを除去できるが、チップ比較による方法は異物および欠陥情報とパターンの情報を重ね合わせた形で検出し、電気信号としているため、光電変換時のダイナミックレンジの範囲でしか異物欠陥信号を検出できない。つまりパターン信号が極めて大きく異物欠陥信号が極めて小さい場合にはパターン信号に異物欠陥信号がうずもれてしまい、異物欠陥信号をパターン信号から区別して検出することは難しい。
【0086】
図14は、横軸に、検出位置を示し、縦軸に検出信号強度を示す。左側に、異物あるいは異物欠陥情報4を含んだ信号18、右側に比較対象になる異物欠陥情報を含まない信号19を示す。ここで、一つの信号として検出する画素サイズを13として検出した場合、斜線を施した、16と17の面積に相当する検出光が検出される。この場合異物欠陥情報4が総面積に対して小さいため、この2つの検出信号16、17の比較は安定してできない。具体的にはノイズに埋もれてしまう。この場合、照明の光強度等を大きくしても、異物欠陥情報4を検出可能とするには大きなダイナミックレンジの検出器が必要になる。ここで、画素サイズを13から14にすると検出信号は7と8のなり、異物欠陥情報4は比較により検出できるようになる。画素サイズを小さくすることはこのような効果を生むわけである。これとは逆に、検出信号18、19を安定して(電気信号等に変えずに本質的な比較で)オフセットを消去できれば、具体的には検出信号を例えば10の位置以上できって検出できれば、検出信号は5と6になり比較検査できるレベルになる。この場合は、画素サイズはさきの13のままで有るので、大画素による高速検出が可能になる。照明の光強度等を大きくすれば、小さなダイナミックレンジの検出器でも異物等の欠陥情報4を検出できる。本発明の空間フィルター106を用いた方法は上記の画素13を用いたままで、微小な異物欠陥情報4を検出することにある。
【0087】
以上説明したように、光学系の工夫等で比較すべき隣接チップ間の部内のパターン信号を極めて安定にできたとしても光強度を1:100あるいは1:1000程度のダイナミックレンジで検出するのが限界である。従って、さらにこれ以上のダイナミックレンジを必要とするように異物欠陥信号が小さかったり、パターン信号が大きかったりした場合、隣接チップ間の信号強度を比較することにより何方かの信号に異物欠陥信号が含まれているか含まれていないかを判断することはできない。パターンの信号に対する異物欠陥の信号の比率が十分に大きい場合のみ、比較によって異物の有無を検査できる。この比率が小さいときは、異物を見逃してしまうか、異物を検査しようとしきい値を小さくすると虚報が多くなる。
【0088】
そこで、これらパターン上に存在する異物を虚報無く検査することは困難であり、虚報をなくすか、異物検出感度を小さくして大きな異物のみを検出可能とするかしかない。本発明でこのようにパターンが形成されている領域を検査対象から外してしまう実施例を用いているのは、以上説明した虚報をなくすことを目的にしている。
【0089】
また、異物検出感度を小さくして大きな異物のみを検出可能とするためには、以下に説明するようなログスケールの比較検査が必要になる。確かに、隣接するチップには同じ形状を持ち同じ射出方向に同じ光量を射出するパターンが形成されていても、これら2つのパターンからの検出光は完全に同一ではない。従って、この2つのパターンからの光の検出光強度はばらつく可能性が大きく比較は難しい。そこで、比較の際に、オペレータ219および231に切り出されたaとオペレータ218に切り出されたpを複数の異物比較回路220および複数のノイズ比較回路22により比較する際、(数2)式を満たす場合2つの信号は異なり、異物が存在すると判断することができる。
【0090】
【数2】
(a−p)>δ (数2)
ところがこの方法では、信号の絶対レベルが大きいときその絶対量に対する比率で変動するばらつきが有った場合異物が無いのに異物があると判断するいわゆる虚報の可能性が大きくなる。そこで、2つの信号の比率が(数3)式を満たすとき、異物と判断する。
【0091】
【数3】
(a/p)>δ (数3)
ところが、実際は、2つの信号の割り算は演算回路の規模が大きくなるため、実際は、閾値を対数で設定し、(数4)式が成立するとき異物が存在すると判断する。
【0092】
【数4】
log(a/p)=loga−logp>δ (数4)
このように、(数4)式を用いることにより、量子化の閾値を対数軸を用いて設定しておけば、本来割り算をする必要がある演算を、比較回路220において引き算で処理することができる。以上説明した論理を実現するのが、図4に示した回路構成である。以上説明したような対数の処理は、図4に示した、8値化処理系215の閾値を対数で設定すればよい。
【0093】
また、図4では、上記説明した8値化処理系215での対数の8値化処理を用いた比較回路220での引き算処理を示したが、必ずしもこの方法ではなく、上記の割り算処理のままの方法を用いても、また、8値化以外の多値化を用いても差しつかえない。この場合、3値化を用いると全てのパターン上の異物を検出しないで捨ててしまうことになり、さらにおおきな多値化を用いると光学系が安定であれば、パターン上のより小さな異物の検出が可能になる。
【0094】
ここで閾値設定回路221では上記のδが設定され、複数の異物比較回路220では、上記の(数2)または(数3)または(数4)式に基づく比較がなされ、オペレータ(画素)218とオペレータ(画素)219および231との差が上記閾値δ以上のものについてOR回路224でORをとり、全ての異物比較回路220から“0”が出力されてチップ(ショット)間の繰り返しパターンが消去され、何れか異物比較回路220から閾値δ以上のものが“1”として異物出力され、異物データメモリ206に記憶される。また、複数の異物比較回路220では、上記の(数2)または(数3)または(数4)式に基づく比較がなされ、オペレータ(画素)218とオペレータ(画素)219および231との差が全て上記閾値δ以下のとき全ての異物比較回路220から“0”が出力され、AND回路226においてANDがとれ、チップ(ショット)間の繰り返しパターンとして検出され、パターンメモリ208に記憶される。
【0095】
また、以上の対数閾値による量子化の様子を図30に示す。横軸は、検出位置、縦軸は検出信号を示す。対数の閾値50、51、52、53、54が設定され、ピッチp離れた部分にある信号が比較処理される。ここで、多値にし、比較時に同一と判定する許容範囲をたとえば1賭することにより、同一の値に量子化されているパターン信号55、58だけでなく、1つ異なる値に量子化されているパターン信号56、59、および57、60がパターンと判定され、虚報にならない。即ち、量子化の際の対数しきい値の比を大きくとることで、許容範囲が大きくなり虚報を小さくできる半面、パターン上では、よりおおきな異物しか検出できなくなる。また、異物信号61、62ともに検出できる。さらに、オペレータ231を平面方向に広げていることにより平面方向の量子化の誤差を許容することができる。
【0096】
以上のように、空間フィルター106によるパターン消去とチップ比較によるパターン消去には、本質的な違いが有る。つまり、空間フィルターによる方法はパターン部内の欠陥を強調して検出できるが、チップ比較による方法はパターン部内の異物欠陥情報をそのままの形で光電変換し検出した後で比較するため、大きなダイナミックレンジを必要とする点である。ちょうど、空間フィルターによる方法は、ちょうど、干渉を用いたセル比較により欠陥だけを強調したような形になってる。
【0097】
(平面方向の量子化誤差と深さ方向の量子化誤差)
ここで、使用したチップ間の繰り返しを用いた方法は、基本的には、比較検査であるが、短波長、点光源のレーザ光源を用いた散乱光検出でこのような比較検査を安定して実現するために以下の構成を用いている。チップ間の繰り返しを用いたパターン除去方法を実現するオペレータは平面方向にx方向、y方向とも複数画素で形成されている。また、信号が、同一レベルと判断されるべきか、一方に欠陥あるいは異物が存在するために信号レベルが異なっていると判断されるべきかの比較は、(数2)、(数3)、(数4)式を用いている。これらの比較の際の比較数値の平面方向及び光強度方向へのサンプリングの拡大処理により、安定して異物とパターンを区別することができる。
【0098】
(フィルターサイズ)
以下、空間フィルター106の設計思想について説明する。本発明の異物および欠陥検査装置では、ピッチの大きなパターンはオペレータによるチップ間繰り返しを用いてパターンの情報を消去している。従って、「オペレータによって消去可能な空間周波数」より「空間フィルターによって消去可能な空間周波数」が大きい必要がある。以下、理由を説明する。
【0099】
図15に示すように基板1上に、パターンピッチL1およびL2(L1<L2)のパターンが形成されている場合を考える。このパターンにより照明光はθ1、θ2の方向に回折され、空間フィルター106上でピッチpf1、pf2(pf1>pf2)の回折パターンを作る。従って、以下の式が成立する。
【0100】
【数5】
Df/(2・N.A.)=pf1/sinθ1 (数5)
【0101】
【数6】
sinθ1=λ/L1 (数6)
ここで、Dfは、光学系110、111の瞳面上の直径、N.A.(Numerical Aparture)は光学系110の開口数である。
【0102】
この回折パターンの内、ピッチpf1 の回折パターンは空間フィルター106で遮光されるが、ピッチpf2 の回折パターンはピッチが小さすぎるため、空間フィルター106では遮光できないとする。即ち、パターンピッチL1 の基板上パターンは空間フィルターで消去されて検出器107上に結像しないが、パターンピッチL2 のパターンは空間フィルターで遮光されずに検出器107上に結像してしまい消去されない。(以下、「パターンが消去される」とは、このように「パターンから射出する光、つまりパターン情報をもった光を空間フィルター106で遮光することにより、検出器107上に光を届かないようにし検出器上にパターンの像を結像しないようにする」ことを意味する。)従って、(数5)、(数6)式より、以下の(数7)式が成立する。
【0103】
【数7】
L1=(Df・λ)/(2・pf1・N.A.) (数7)
ここで、空間フィルター106は、製作上の精度として、照明102の開口数等の限定から或る大きさ以上必要になる。従って、(数7)式より、pf1 を大きく保つと、空間フィルター106で消去可能なパターンのピッチは小さくなってしまう。
【0104】
ここで、図16に示すように、基板1上には、ピッチLt で複数個のチップが形成されている。このチップ間の繰り返しを用いて、パターンピッチL2 のパターンの情報を消去する。具体的には、チップピッチLt で繰り返して検出される信号はパターンピッチL2 のパターンからの信号だと判断して、検出信号自体を削除する。(この場合、「パターン情報を消去する」とは、文字通り「信号を削除する、捨てる」ことを意味する。)
ここで、後に説明する平面方向の量子化誤差を回避するために、先に説明したオペレータ219、231はx方向nx画素、y方向ny画素の大きさをもっており、このオペレータ内にパターンが存在した場合、判断画素はパターンであると判断する。従って、このオペレータ219、231の大きさにより検出エリアの率αは、以下の式(数8)で示される。
【0105】
【数8】
α=1−(w・nx/L2) (数8)
逆に、(数8)式より、
【0106】
【数9】
L2=1−(w・nx/α) (数9)
従って、検出エリア率αを大きく保つと、消去できるパターンのピッチは大きくなってしまう。
【0107】
ここで、基板上の全てのピッチのパターンを消去するためには、図18に示すように、上記の空間フィルターで消去できるパターンピッチL1がオペレータにより消去できるパターンピッチL2より大きければよい。即ち、図18に示す如く、空間フィルターによる消去とオペレータによる消去とがオーバラップすることが必要である。これにより、あるピッチの繰り返しパターンが基板上に表れても、空間フィルター106かオペレータによってパターンを消去することができ、その結果微小異物のみを検出することができる。
【0108】
ここで、図17に示すように、ピッチ可変のPRESフィルター141は最小ピッチpf1 =1mmから最大ピッチ2・pf1 =2mmまで連続的にピッチを変化できるように形成されている。
【0109】
また、空間フィルター106(141)による検出器107上での干渉現象を防ぐあるいは押さえるために、フィルター本数、ピッチ、フィルター幅を制限する必要がある。つまり、上記の最小空間フィルターピッチは製作上の限定だけでなく、干渉現象を押さえるためにも限定される。この際、以上のフィルター本数、フィールドサイズ、オペレータサイズの間の関係式が重要になる。
【0110】
また、空間フィルター106(141)によるパターン消去の可否は以下説明するように、消去するパターンのピッチによるのではなく、直線状空間フィルター141の本数によるものである。空間フィルター面の大きさをD、最小空間フィルターピッチをpfs、直線状空間フィルターの本数をnf、pfsの空間フィルターにより遮光可能な最大パターンピッチをLmとする。検出器の視野をX、画素サイズをw、画素数をNとする。オペレータによる2チップ比較の際のオペレータサイズをnoとする。
【0111】
【数10】
pfs/D=λ/(N.A.・Lm) (数10)
検出エリア率αを十分に大きくとるには、
【0112】
【数11】
k・no・w=Lm (k>>1) (数11)
【0113】
【数12】
D/pfs=nf (数12)
が、必要。
【0114】
また、画素サイズは光学系の分解能付近に設定されれば、検査時間からも検出性能からも必要十分であるから、
【0115】
【数13】
w=k0・λ/N.A. (数13)
(数11)式、(数12)式、(数13)式より、
【0116】
【数14】
pfs=D/(k・k0・no) (数14)
【0117】
【数15】
α=1−(1/k)=1−((no・k0)/nf) (数15)
となり、検出エリア率αはオペレータサイズと直線状フィルター本数のみにより決定される。k0は約1で有り、オペレータサイズnoを3とすると、検出エリア率を例えば、80%以上とするには、15本以上の直線状空間フィルターがあればよいことになる。
【0118】
以上の検討結果は、検出すべき対象のパターンのピッチにかかわらず、画素サイズを検出器サイズと同等にし、概ね15本程度以上の直線状空間フィルターを用いれば、全てのピッチのパターンに対応できることを意味する。
【0119】
(製作方法)
以下、上記空間フィルター106の製作方法を説明する。本発明の空間フィルター106は、バネ状支持具に直線状フィルターを複数設置した形状を有していればよく、必ずしもここに説明した方法によらないが、ここに説明した方法は本発明の空間フィルターを効率よく安価に製作できるものである。
【0120】
図19に製作方法を示す。本発明は、コイルバネ121、121上に、等間隔に直線状フィルターをエッチングで形成したフィルターシート165をのせ各直線状フィルター141をはんだづけ、あるいは接着剤等で設置する。ここで、コイルばね121、122及び直線状フィルター141は強度の点からステンレス性で有ることが望ましいが、ステンレス性の場合、半田がのりにくいと言う欠点を有する。そこで、ステンレスに表面にクロムをめっきしさらにクロムの酸化を防ぐために金をめっきするとよい。しかしながら、これらのめっきは必要不可決のものではなく半田をのりやすくするだけの目的である。従って、ステンレスの表面に直接作用して半田をのりやすくするフラックスを用いることもできる。このような場合、クロム及び金めっきは必要ない。
【0121】
フィルターシート165内の直線状フィルター141は、上記説明した光学系103において基板1上に照射された光源112の像のフーリエ変換の位置での大きさか、10%から100%程度の余裕を持った大きさに設定されるのが望ましい。ここで、フィルターシート165のコイルばね121、122との接点に当たる位置はコイルばねと同程度の太さが望ましい。従って、直線状フィルター141のフィルター部と接点部は太さを変える必要がある。この太さの変化する部分では、応力集中を避けるために滑らかに太さが変わる必要がある。
【0122】
上記フィルターシート165を、予めフィルターシート165と等間隔に設置されたコイルばね121、122上にのせ、接点に半田とフラックスを混合した半田ペースト166を適量のせる。ここで、半田ペーストはフィルターシート165上に事前にのせておいてもよい。
【0123】
ここで、直線状フィルター141の間隔を変えた際も中央の直線状フィルターの位置が変わらないようにするために、つまり0次回折光を常に遮光するような構成にするために、フィルターシート165をのせる際に、コイルばね可動機構131の中心にフィルターシート165の中心が来る必要がある。そのため、予め可動機構131を稼働させ、可動機構131の中央部(図19に如く、24、25に直角な一点鎖線で示す。)にコイルばね121、122のフィルターシートとの接点部が来ていないときは、図20に示すようにコイルばねをコイルばね自身の中心軸23の周りに回転させ、コイルばね可動機構131の中心24にフィルターシート165の中心25が来るようにする必要がある。
【0124】
以上のコイルばね可動機構131の上に半田ペースト166をのせたフィルターシート165をのせ、全体を加熱して半田ペースト166を溶融させたあと自然冷却して完成する。ここでコイルばね可動機構全体を加熱するのは加熱による残留応力を予防するためである。
【0125】
本発明の空間フィルター機構106はコイルばね121、122という弾性係数の小さいものを用いているため残留応力に対してひずみが大きくなり、フィルターの位置ずれにより、遮光性能つまり上記説明した空間フィルターリングの性能が劣ってしまう。このような残留応力によるひずみを取るためには上記可動機構全体を加熱するのがよい。また、本空間フィルターは、回折光を遮光するものであるため遮光時に乱反射等をなくすために黒色に処理されたいるのが望ましい。この黒色処理は、塗料を塗布したものであっても、黒染め処理と言われる熱処理を伴うものであってもよい。また、この黒色処理は、半田付けのあとにされても、フィルターシート165上の接合部以外の部分、遮光部に対してだけフィルターシート165に対して成されるものであってもよい。
【0126】
以上、半田ぺースト166を用いた方法を説明したが、必ずしも半田ペーストを用いる必要が有るわけではなく、上記フィルターシート内の直線状フィルターを1本1本半田付けする方法であっってもよいのは言うまでもない。
【0127】
(コンボルーションによる画像復元)
図21に示すように、本発明による装置では、等ピッチに配列された空間フィルター141により光線が回折し、結像面に回折パターンを形成する。具体的には、点像の回折像が結像面に形成される。この像は、0次の回折光の周囲に±1次の回折光が現われている。このような回折光が現われると、例えば本来のピークの周囲に±1次のピークが現われた信号26のような形状になり、異物が3個に増えて検出されるばかりでなく、パターンの場合は、パターンとして判断され消去あるいは検出感度が落ちてしまうケ所が大きくなってしまう。これを回避するためには、直線状空間フィルターの幅を狭くすればよい。具体的には、空間フィルター141のピッチに対して直線状空間フィルターの幅が1/2の場合、上記1次回折光は0次回折光の1/2倍なのに対し、空間フィルターのピッチに対して直線状空間フィルターの幅が1/8の場合、上記1次回折光は0次回折光の1/30倍に低減する。これらの結果は、空間フィルター106の形状L(u,v)をフーリエ変換することによって算出されたものである。従って、必要に応じ、空間フィルターのピッチに対する直線状空間フィルター141の幅を選択する必要がある。また、特に、比率を小さく知る必要がある場合、回折パターンが空間フィルターによって十分に遮光されるように、照明系102による基板1上に照射された光源のフーリエ変換の位置での集光の仕方も変える必要がる。具体的には、照明の基板1に対する入射光の内y方向成分の開口数を大きくすることによって達成される。この際の照明のフーリエ変換面上での結像の大きさはコヒーレント光の結像理論により算出される。
【0128】
また、ウイーナフィルターとして知られている画像処理の方法によっても、上記の回折の影響は回避できる。具体的には図21に示すように、空間フィルターの形状をL(u,v)とすると、予め1/L(u,v)の値を求めてそのフーリエ変換を算出しておき、この結果を畳み込み手段251により検出した画像に畳み込めばよい。このように畳み込み手段251により検出した画像に畳み込めば、空間フィルター141による回折光を取り除くことができる。ここで、1/L(u,v)の値は無限大に発散する部分があるため、この値を必要十分な大きなあたいに近似する必要がある。また、フーリエ変換の結果得られる複素数の値は、概ね位相の反転する数値を正負とし、大きさが複素数の絶対値になるように近似される。また、畳み込みされる画像を切り出す際も十分に効果の有る最小の大きさになるように設定されるべきである。
【0129】
(微細パターンに合わせてウエハを回転する)
以上の、空間フィルターおよび繰り返しチップによるパターン除去では、空間フィルターにより除去されるパターンのピッチが小さい方がよく、繰り返しチップによる方法で除去されるパターンのピッチが大きい方がよい。特に、パターンとして除去されてしまう面積を少なくするためには、繰り返しチップによる方法で除去されるパターンのピッチは大きい方が望ましい。そこで、検査に当たって、パターンとして除去されてしまう面積を少なくなるように、基板上に形成されたパターンの形状に応じて基板搬送時の基板の回転方向を決定するのがよい。具体的には、図22に示したように、空間フィルターで消せないパターンピッチL11、L12が有った場合、より大きなパターンピッチL11の方向がセンサの方向になるように方向28に走査するほうがよい。このような方向になるように、予め基板1を90度回転して検査する構成とする。
【0130】
(真上からの照明)
ここで、例えば、微細化と低抵抗の確保を実現するために、現状あるいは今後の半導体デバイスは、高アスペクト比化が進んでいる。このため、この段差の陰に隠れた異物あるいは欠陥は検出できない。本発明は、このような対象に対しても焦点深度がふかいため検査可能である。さらに、図23に示すようにミラー168及びハーフミラー169を用いて、上方から照明する照明光学系を用いることにより、陰に隠れた異物あるいは欠陥も照明することができ、検出可能となる。
【0131】
(TFTへの応用)
TFT基板等基板が大きく厚さが薄いものは、支持した際のひずみが大きい。
【0132】
このような場合、図24に示すように、基板30を支持部171、172で両持ち自由端支持し、照明のスポットの長手方向31及び検出器の長て方向を支持端を結ぶ方向32に垂直に設定し基板を方向32に平行に走査する構成にする。このような構成により、周辺部だけしか支持できずひずみが大きくなる場合も、ひずみの方向を照明及び検出器の方向に対して垂直にできるため、照明及び検出器の方向ではひずみが生じないため、検出視野内で検査対象を焦点深度内に入れることができる。さらに、基板全体のひずみが大きい場合も、基板のひずみの形状を計算により算出しやすいと言う効果もある。このため、基板の厚さ、長さ、幅、縦弾性係数、横弾性係数等のパラメータをもとに、両持ち自由端支持のひずみを算出し、この形状に合わせて、焦点が合うようにステージを焦点方向に駆動させながら検査することを可能のできる。このような構成では、自動焦点検出機構が必要ないという利点がある。以上の構成で、TFTのような大型の基板30の異物等の欠陥の検査も可能となる。
【0133】
また、検出ヘッドアレイを33、34に示すように複数列用いた場合、それぞれの位置でひずみが異なるため、基板30をz方向に調整するのでなく、検出ヘッドアレイ33、34を独立に調整する必要がある。
【0134】
また、このような基板の検査で基板を平らな支持台に固定して検査する場合はこのような構成は必ずしも必要ないの言うまでもない。また、基板30の4すみを支持することによって、ひずみを低減できる。
【0135】
(高精度異物検査装置)
以上の、空間フィルターを用いて検査装置は、以上説明したように、高速小型だけを実現することだけが目的ではない。以上と全く同じ構成で、図11に示すように物体側のフーリエ変換レンズを交換することにより分解能を向上すれば、具体的には、分解能を1ミクロン程度にすれば、最小0.1から0.3ミクロンていどの異物あるいは欠陥を高速に検査できる。また、分解能を3ミクロン程度にすれば、最小0.3から0.8ミクロンていどの異物あるいは欠陥を高速に検査できる。
【0136】
このような構成は、パターンの繰り返し性を利用してノイズとなるパターンの信号を上手に消去できるため、設計データ比較、あるいはセル比較、チップ比較のパターン検査装置に比べて、大きな画素サイズを用いても小さな異物あるいは欠陥を検査できるため、結果的に高速な検査を実現できる。
【0137】
このような検査でも、基本的に繰り返しパターンのみの検査で有るため、繰り帰し性をもたない、パターン部は検査対象外になる。この検査対象外の部分は、別の検査装置で検査する、目視検査を実施する等の工夫が必要になる。
【0138】
(検出ヘッドの利用)
以上説明した異物欠陥検出装置は、図25に示すように、基板1の1方向の搬送中に検査するのが最も効果的であるため、基板1の全域を検査するために、図25に示すように複数の検査装置(検出ヘッド)を並列に配置して検査するのが望ましい。しかしながら、図26に示すように1ユニットの検出ヘッド101を用いて基板の一部35だけを検査しても効果が十分発揮される場合が多い。一部の異物欠陥検査で十分異物欠陥発生と言う以上事態を検出できるからである。もちろん、これは1ユニットである必要はなく、必要に応じて複数のユニットを配置することができる。
【0139】
また、1ユニットあるいはそれ以上の検出ヘッドを用い、図27(a), (b)に示すようにステージのxy走査で基板全域を検査する構成を用いてもよい。
【0140】
(パターン形状に合わせたダイナミック検査)
図28に、繰り返しパターンのピッチが基板内で変化する場合の検査装置について示す。この実施例は、繰り返しパターンピッチ検出部174、検出ヘッド101から構成される。
【0141】
基板が搬送されると、まず、繰り返しパターンピッチ検出部174で検出された信号を基に、パラメータ算出手段212で上記説明した周波数解析の方法などを用い繰り返しパターンのピッチが算出される。ここで算出されたピッチは、検出ヘッド101に送られ、空間フィルターのピッチ、オペレータのピッチが変更される。検出ヘッド101では、ピッチ検出部174ピッチが算出された部分が検出ヘッド101の検査位置に搬送された時点で、検査される。検査は常時ピッチが算出されながら、進行する。ここで、パターンのピッチが不連続に変化しない場合は、この方法で検査可能である。ピッチが不連続に変化した場合は、特にピッチの設定が間に合わない可能性がある。このような場合は、ピッチの設定が終了するまで、搬送系送りをとめておく必要がある。
【0142】
(サインカーブ回折格子による回折干渉法)
以下、回折光と干渉光を組み合わせたパターン検査方法について図29を用いて説明する。
【0143】
この装置は、基本的には、以上説明した空間フィルターを用いた検査装置と同じであり、照明系102、検出光学系103空間フィルターユニット106、検出記107から構成され、さらに、空間フィルターの位置に透明な基板で作成された、サインカーブの位相分布を持つ回折格子175、及び、駆動機構176を追加したものである。ここで、上記説明した方法は、チップの繰り返しを用いたパターン除去処理を図4に示した電気処理系で実現している。以上説明したようにこの方法では、パターン内にある異物は特に大きなものでないと検査できないという問題を有していた。さらに、図14に示したように、以上説明したように、このような大きな背景ノイズのなかにある情報は、均一に確実にオフセットをなくすことができる光処理等の方法によってのみ検出できる。そこで、以上のチップの繰り返しを用いたパターン除去処理を光学的な方法、具体的には、干渉法で実現しようとするものである。
【0144】
ここで、図29に示した照明は基板に対して、透過光で示しているが、透過光であっても、反射光であっっても差しつかえない。ここで、照明は、すくなくても1軸方向はコヒーレントに照明される。ここで、繰り替えしパターン37、38が有った場合、それぞれから射出した光の主光線(0次回折光)は、それぞれの光軸を進み、検出記107上にそれぞれの像を結像する。ところが、フーリエ変換面に回折格子175が設置されているために、光は、回折し、±1次方向に回折光を射出する。ここで、重要なのは、回折格子175として、サインカーブ(コサインンカーブもお同じ)を用いているため、0次回折光はなくなり(光強度が0)、±1次光だけになて射出する点である。ここで、駆動機構により回折格子175を光軸方向に調整することにより、パターン37からの+1次光とパターン38からの−1次光を検出器上で重ねることができる。さらに、照明側、あるいは光軸の適当な位置に位相をπずらすような位相板178を載置すれば、検出記107上で2つの光束を干渉させることができる。結果的に、途中の光束の位相へかも補正できるように位相板178の位相変化を微調整できるようにすれば、干渉によりチップの繰り返しを用いたパターン除去処理実現できる。
【0145】
さらに、回折格子175と駆動機構176をSAW等の超音波による表面波による屈折率可変機構を用いて、回折格子の格子間距離を超音波の波長を変えて適当に可変すれば、回折格子175から射出するそれぞれの+1次光−1次光を全く同一の方向に射出させ、検出器上で重ねることができる。この方法では、回折格子175上にサインカーブを自動的に作成できる効果がある。また、回折格子175を光軸方向に可動させる必要はない。もちろん、これらを併用してもよい。
【0146】
また、以上は回折格子としてサインカーブのものを用いたが、必ずしもこのかぎりでなく、十分おおきな間隔はなれたパターン37、38を比較する場合は、サインカーブでないことから生じる0次回折光の影響を押さえることができるため、サインカーブで有る必要はない。
【0147】
また、図29(b)には、パターンを照明する際にそれぞれパターンのピッチ分離れた場所のみをスポットで照明する構成を示した。この構成では、光源179は、走査装置を有しており、ハーフミラー180、ミラー181を介して、パターンのピッチ分離れた場所のみをスポットで照明する。このような構成により、正確な位相ずれπを作り出せ、検出性能を向上できる。
【0148】
(その他)
以上の検査装置は、以上説明したように、搬送中の基板上の異物あるいは欠陥を検査するものであるから、搬送中に基板が検出光学系の焦点深度内に入っている必要がある。そこで、精度のさほど高くない搬送系中でも検査可能とするために焦点深度は深いほうがよい。そこで、検出分解能より焦点深度を優先するために、検出光学系中に絞りを設置し、焦点深度を大きくしてもよい。
【0149】
以上説明した検査装置では、直線状フィルターを用いているが、このフィルターは必ずしもこのようなフィルターである必要はなく、液晶表示素子を用いたフィルターであっても、また、塩化銀をもちいた可逆的な光カットフィルターであっても、また、複素共役型の非線形素子を用いてもよい。
【0150】
また、以上の実施例は、照明光が情報からの光、即ち、反射光の場合を示したが、本発明の効果を得る場合は、これに限定されるものではなく、透過光の照明を持つ構成であって、何ら差しつかえない。
【0151】
また、本発明の検査装置で検出した異物欠陥情報は、異物欠陥の数をカウントすることにより異常を検出するばかりでなく、異物欠陥の発生分布を知ることにより異物欠陥の発生原因を類推する手掛かりにもなりうる。また、高精度の検査装置による結果から、本発明のモニターの配置、配置数、感度等が設定されるとよい。
【0152】
本発明の照明系は、照明系102として検出系に独立して構成されているが、この照明系は検出系の一部を用いることで、省略することができる。具体的には、検出光学系のフーリエ変換面に半導体レーザ及び適切な焦点距離のシリンドリカルレンズを載置することで実現可能である。このようにすることにより検出ヘッドをさらに小型、軽量にでき、また、安価にできる。
【0153】
以上の構成では、半導体レーザを用いているが必ずしもこれに限らずガスレーザ、固体レーザ、ほぼ短波長、点光源の白色光でも本発明の効果は得られる。
【0154】
また、以上の小型異物検出ヘッドは、空間フィルターユニット106を用いているが、これを用いずに、半導体レーザ112を偏光照明として、空間フィルター106の位置にこの照明の偏光を遮光する方向の偏光板を載置してもほぼ同様の異物検出効果を期待できる。この場合、偏光の方向は、p偏光であっても、s偏光であっても差しつかえないが、s偏光の方が検出性能を期待できる。また、偏光板は、必ずしも空間フィルター106の位置に入れる必要はなく検出光学系103内のどこでもよく、また、半導体レーザ112も偏光出力のものである必要はなく、照明系102内の適当な位置に偏光板を挿入してもよい。もちろんこの場合、偏光を利用する他の異物検査装置のように検出性能は、空間フィルターを用いた場合よりやや落ちるが、空間フィルターのパラメータ設定、調整等の面倒な手間や、装置を省略できるという効果を有する。またこのように偏光板を用いる場合であっても、上記説明したように繰り返しパターン周囲の非繰り返しパターンからの散乱光は十分に消去できないため、本発明のオペレータ処理系203は効果を発揮する。同時に、オペレータ処理系203の機能を向上するためのテレセントリック光学系103’の効果も大きい。従って、基板1の回転ずれ調整機構も必要である。しかしながら、基本的には、偏光板を用いる方法は基板の回転ずれには強いものであって、回転ずれは、必ずしも合わせる必要はない。さらに、テストエレメントグループのパターンを消去するための手段も同様に必要になる。これらの手段は、以上説明したように、全て同時に必要になるものではなく、それぞれ一つづつあるいは任意の複数の組み合わせで用いてもおおきな効果が期待できるものである。従って、検出すべき異物の大きさ、必要な検出性能、検出すべき対象基板の条件等に応じて、実験的にあるいは、高精度欠陥異物検査装置の検出条件に合わせて組み合わせられるべきものである。
【0155】
また、偏光板と空間フィルター106を組み合わせて用いると異物欠陥の検出性能はさらに向上する。この場合も、これらの手段は、以上説明したように、全て同時に必要になるものではなく、それぞれ一つづつあるいは任意の複数の組み合わせで用いてもおおきな効果が期待できるものである。検出光量がやや落ちるため、照明の照度を向上する必要がある。この場合も、具体的には、N.A.の大きな光学系を用いるなどの構成により、基板上のビーム幅を小さくし、ステージの精度を向上する必要が有る。このような場合、例えば、縞パターンを投影する方法やレーザビームの変位を検出するなどの周知の自動焦点機構が必要になる。
【0156】
半導体製造工程の量産立上げ及び量産ラインの異物検査方法及びその装置の構成ブロック図の一例を図31に示す。
【0157】
図31において、この半導体製造工程の量産立上げ及び量産ラインの異物検査装置は、露光装置511エッチング装置512と洗浄装置513とイオン打込装置514とスパッタ装置515とCVD装置516等から成る半導体製造装置群510と、温度センサ521と搬送系内異物モニタ522と圧力センサ523と処理装置内異物モニタ524等から成るセンシング部520およびそのセンシング部コントロールシステム525と、ガス供給部531と水供給部532からなるユーティリティ群530と、水質サンプリングウェハ541とガスサンプリングウェハ542と装置内サンプリングウェハ543とデバイスウェハ544と雰囲気サンプリングウェハ545から成るサンプリング部540と、ウェハ異物検出部551とパターン欠陥検出部552から成る検出部550と、走査形電子顕微鏡(SEM)と2次イオン質量分析装置(SIMS)562と走査形トンネル顕微鏡/分光装置(STM/STS)563と赤外分光分析装置564等から成る分析部560と、異物致命性判定システム571と微小異物原因究明システム572と汚染源対策システム573とから成る対応システム570とより構成される。またこれらの構成要素はライン対応のオンライン異物検査システム581と量産立上げライン対応のオフライン異物検査システム582とに分けられ、これらをあわせて半導体製造工程の量産立上げおよび量産ライン異物検査システム580を成す。
【0158】
従って、図に示すように、量産立上げ時と量産ラインを分けることにより、量産立上げ時の異物の検出、分析、評価装置を効率よく稼動させることができて量産立上げを迅速にできるとともに、量産ラインで用いられる異物の検査、評価設備を必要最小限の簡便なモニタリング装置にして量産ラインの軽量化が図られる。
【0159】
次に、オンライン異物検査システム581のオンラインモニタである搬送系内異物モニタ522と処理装置内異物モニタ524について、一実施例を示す。図32は半導体製造装置群510の中でも特に大量不良の多い枚葉式CVD装置516の搬送系にオンラインモニタである異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)を適用した例である。異物モニタ3101を有するローダ3102と予備室3103と反応室3104と加熱部3105とガスシステム3106とコントローラ3107と上位CPU3108から構成されている。ローダ部3102に置かれたローダカセット3109から予備室3103に製品ウェハ3111を搬送し、ゲートバルブ3112を閉じ、予備室3103を排気する。次に、ゲートバルブ3113を開け、予備室3103と反応室3104の製品ウェハ3111(1)を交換し、ゲートバルブ3113を閉じ、反応室3104で膜生成を開始する。膜生成中に予備室3103を大気圧に戻し、ゲートバルブ3112を開け、製品ウェハ3111を回収し、アンローダカセット3110に搬送する途中で、異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)で製品ウェハ3111(1)上の異物を計測する。ゲートバルブ3112直前に異物モニタ3101を配し、膜生成前後の異物を比較しても良い。
【0160】
次に、異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)の構成について図33より説明する。まず、異物モニタ3101の異物検査開始側に設けたウェハ回転方向検出器3121(162)で製品ウェハ3111(1)のオリフラの方向を検出し、製品ウェハ3111(1)の回転方向を検出する。その後、異物検出光学系3122(101)で製品ウェハ3111(1)上の異物検査を全面において行う。次に異物モニタ3101より得られた異物情報を異物情報処理系3123で処理し、異物の異常発生があれば、アラーム等で知らせる、あるいは装置停止機能3124により装置本体3125を停止することができる。また、キーボード3126とCRT3127(230)により異物表示を行なう。さらに、異物解析システム3128と連動されており、データのやり取りが可能である。例えば、システム3128より製品ウェハ3111(1)の名前、場所、サンプリング等ほしいデータの命令を送信することにより、異物情報処理系3123よりそれらのデータを得ることができる。ここで、本異物モニタ3101では、異物検出光学系3122(101)は異物情報処理系3123(202、203、206−211、212−213、229、230、232)とは別体に成っており、さらに、ステージ系を有しておらず、処理装置の搬送系を利用する構成と成っている。しかし、もちろんステージ系を有する構成も可能である。したがって、本異物モニタ3101の外形寸法は、幅W、奥行きL、高さHがそれぞれ1m以内、あるいは、本異物モニタ3101の幅Wがウェハの幅Wwより短く、小型を可能にしている。また、本異物モニタ3101は、自動較正機能を有しており、製造装置間及び工程間で製品ウェハ表面の反射率が異なるので、反射率を自動計測し、異物検出光学系の照明光量にフィードバックすることにより対処でき、めんどうな較正を必要としない。さらに、異物検出光学系3122(103)の検出レンズの焦点深度dは次式から算出され、0.1〜0.5mmと深いため自動焦点を必要としない。
【0161】
【数16】
d=0.5λ/(N.A.) (数16)
ここで、λは光の波長、N.A.は検出レンズの開口数である。さらに、小型なので、ユニット交換が可能であり、装置への搭載及びセッティングが容易な構造に成っており、メンテナンスが楽である。
【0162】
図34よりウェハ回転方向検出器3121(162)の検出方法について説明する。数個以上の発光点3131を有する照明系の下を製品ウェハ3111(1)がウェハ移動方向3133に沿って通過し、3132の位置から3134の位置に移動する。図にウェハ回転方向検出器3121の照明系の発光点から出た照明光の製品ウェハ3111(1)上の軌跡3135を示す。発光点Aの場合、照明光が製品ウェハ3111(1)に当たる時間Asと製品ウェハ3111からはずれる時間Aeを測定し、これを他の発光点B〜Gについても行う。以上のデータと製品ウェハ3111の移動時間により製品ウェハ3111のオリフラの方向を求め、製品ウェハ3111の回転方向を計算する。また、製品ウェハ3111の回転方向の検出方法として、スクライブエリア検出、チップ検出、アライメントマーク等特殊マーク検出がある。
【0163】
従って、本異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)は、ウェハ回転方向検出器3121(162)で得られた製品ウェハ3111(1)の回転方向と、図5に示すように、オリフラの延長線X軸とそれと直交し製品ウェハ3111(1)の外周と接するY軸の交点を仮想原点3141とするオリフラ基準の座標あるいは回路パターン3142の延長線の交点を仮想原点143とする回路パターン3142基準の座標により、製品ウェハ3111(1)上の検出した異物の位置の情報を得ることができる異物座標管理が可能である。
【0164】
また、装置内の発塵分布を知るため、図36に示すように、各製品ウェハ3111(1)の回転方向が様々な方向3142、3143、3144、3145で搬送されてきても、3145のように、搬送方向3150と製品ウェハ3111(1)の外周が接するx軸とそれと直行し製品ウェハ3111(1)の外周が接するy軸から成る製品ウェハ3111(1)の回転方向によらない装置基準の異物座標管理も有している。装置内に発塵があれば、3146のように規則的な異物分布を示す。
【0165】
更に、本異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)のウェハ回転方向検出器3121(162)は、製品ウェハ3111(1)の回転方向を検出すると同時に製品ウェハ3111の搬送速度を求めることができるので、製品ウェハ3111の搬送速度に同期して検出器、例えば、CCDリニアセンサのスキャンスピードが変えられるように成っている。したがって、製品ウェハ3111(1)の搬送速度によらず、安定した検出性能が得られる。
【0166】
図37に製品ウェハ3111(1)上の異物検査が高速でかつ構造が小型である空間フィルタを用いた異物検出光学系3122(101)の構成図の一実施例を示す。斜方照明光学系3151と検出光学系3152から成る。斜方照明光学系3151は図に示すように1個以上の照明アレイに成っている。検出光学系3152は検出レンズとしてレンズアレイ3153、レンズアレイのフーリエ変換面に空間フィルタ3154(106)、レンズアレイの結像位置に検出器3155(107)から成っている。
【0167】
図38に斜方照明光学系3151の構成図を示す。ここで、斜方照明とは製品ウェハ3111(1)の法線3163からθ傾けた方向3164より照明することを意味する。照明光源として小型で高出力の半導体レーザ3161を用い、アナモルフィックプリズム3162で高輝度コヒーレント光照明を可能にしている。製品ウェハ3111(1)上をコヒーレント光照明することにより検出レンズ3153のフーリエ変換面において製品ウェハ3111(1)のパターンのシャープなフーリエ変換像が得られるためである。さらに、アナモルフィックプリズム3162は照明アレイの隣接照明成分が影響しない広領域照明を可能にしている。隣接照明光の影響があると、検出レンズ3153のフーリエ変換面において、隣接照明によるパターンのフーリエ変換像がずれて重なりフーリエ変換像の面積が増え、空間フィルターのフィルタ部分の面積も増えることになり、空間フィルター3154(106)を通過する異物からの散乱光量が少なくなり、異物検出性能が低下するからである。
【0168】
図39に検出光学系3152の検出幅を示す。検出光学系3152の検出幅3170は製品ウェハ3111(1)の幅と同一であり、製品ウェハ3111の送り3156の1スキャン3156のみで製品ウェハ3111の全面を一括で検査することができ、高速検査が可能となる。
【0169】
図40に検出器3155(107)としてCCDリニアセンサを用いた場合を示す。製品ウェハ3111(1)の幅を一括で検出するため、図のようにCCDリニアセンサ3171をちどり状に配置する。また、センサの重なり部分となる3172についてはB列を削除し、A列のデータを有効とする。
【0170】
図41に空間フィルタ3154(106)の構成図を示す。レンズアレイ3153(107)の各レンズ素子3181にそれぞれの空間フィルター3182が対応する。
【0171】
図42に空間フィルタ3154の詳細図を示す。製品ウェハ3111の規則性のある繰返しパターンからの回折光3191はレンズアレイ3153のフーリエ変換面上の空間フィルタ3154位置では規則的な像3192となる。したがって、図に示すような空間フィルタ3154で製品ウェハ3111の規則性のある繰返しパターンを遮光することができ、検出器であるCCDリニアセンサ3155には取り込まれない。
【0172】
空間フィルター3154には、製品ウェハ3111の繰返しパターンのフーリエ変換像を乾板に焼き付けて作成する乾板方式の空間フィルターを用いる。したがって、空間フィルター3154の焼き付けた部分は製品ウェハ3111の規則性のある繰返しパターンからの光は通過しない。または、液晶を用いた液晶方式の空間フィルターがある。まず、製品ウェハ3111の規則性のある繰返しパターンからの回折光3191のレンズアレイ3153のフーリエ変換面上の空間フィルタ3154位置での規則的な像3192をTVモニタ等により検出し、像3192に対応した液晶素子の位置を記憶させる。次に、記憶された液晶素子部分に電圧を加えることにより、その部分に当った光を遮蔽することができる。したがって、各工程の製品ウェハ毎の像に対応した駆動液晶素子を記憶し、フォーマット化することにより、各工程の製品ウェハ毎の液晶のオンオフによる空間フィルタが可能となる。
【0173】
図43に各工程の製品ウェハ3111に対応した乾板方式による空間フィルター群3201を示す。各工程の製品ウェハ111に対応した空間フィルタを乾板方式により作成し、図のようにリニアガイドステージ等の移動機構により交換し、検出レンズ3153に対して位置決めすることにより、全ての工程の製品ウェハ3111に対応することができる。
【0174】
図44に乾板方式によるアンド空間フィルター3221を示す。数種類の工程の空間フィルターのアンドを取ることにより、空間フィルターの数を減らすことができ、一つのアンド空間フィルター3222、3223で数種類の工程の製品ウェハ3111の繰返しパターンからの光を遮蔽することができる。従って、アンド空間フィルター3221を用いることにより、工程の多い場合でも空間フィルターの数を減らすことができ、装置構成を簡単化することができる。また、この方法は、液晶方式の空間フィルターにも利用でき記憶するフォーマットの数を減らすことができる。しかし、全ての工程の空間フィルターのアンドを取り、1個のアンド空間フィルターも可能であるが、アンド空間フィルターを通過する異物からの散乱光量が少なくなり、異物検出性能が低下する。
【0175】
次に、図45に部分検査による異物検出光学系3122の構成図の一実施例を示す。検出レンズとしてマイクロレンズ群3231を用い、各マイクロレンズ3231のフーリエ変換面に空間フィルタ3232(106)を配置し、さらに、検出器としてCCDリニアセンサ3233(107)を配置する。したがって、解像度の高いマイクロレンズ3231を用いることにより、レンズアレイ3153を用いるより、さらに微小の異物を検出することができる。ただし、この方式においては、検出レンズとしてマイクロレンズ3231ではなく、もちろん従来のレンズを用いた場合でも検査が可能である。部分検査の一実施例としてマイクロレンズ群3231のピッチを製品ウェハ3111のチップの間隔に合わせることにより、検査領域を有効にすることができる。
【0176】
しかし、図46の斜線部に示すように、マイクロレンズ群3231一列だけでは製品ウェハ3111上の部分検査となり、異物のモニタリング機能は果たせるが、製品ウェハ3111の全面を検査することはできない。ここで、3236はマイクロレンズ3231が1個の検出幅である。しかし、製品ウェハ3111を数スキャンすることにより、製品ウェハ3111の全面検査が可能となる。または、図47に示すようにマイクロレンズ3241を2列あるいは数列のちどり状に配置することにより、製品ウェハ3111の1スキャン3156のみで全面検査が可能となる。尚、マイクロレンズ3241のフーリエ変換面に空間フィルター3242を配置し、さらに、検出器としてCCDリニアセンサ3243を配置している。
【0177】
また、図45において、他の実施例として、斜方照明系3151にパルス発光レーザを用いて製品ウェハ3111上を広領域かつ高照度で照明する。さらに、検出器として2次元CCDセンサあるいはTVカメラ3233を用いれば広領域で検出することができる。ここで、斜方照明系3151において、パルス発光を行う場合は、検出器もそれに同期させて検出する。
【0178】
以上において、空間フィルターを用いる場合は、各製品ウェハ3111の回転方向が一定で搬送されてくる場合は、例えば、装置の搬送系途中にオリフラ位置合せ機構を設置し、空間フィルタの方向に製品ウェハ3111の方向を合せることにより、空間フィルター検出が可能となる。しかし、各製品ウェハ3111の回転方向が様々な方向で搬送されてくる場合は、製品ウェハ3111の繰返しパターンの方向も変わるため、製品ウェハ3111の回転方向に合せ空間フィルターも回転する必要がある。図45、図47に示すマイクロレンズを用いると、隣接する空間フィルタは独立しているため、個々の空間フィルターを製品ウェハ3111の回転方向に合せ回転すれば良い。しかし、レンズアレイを用いる場合は、隣接する空間フィルタは連なっているため、図48に示すように製品ウェハ3111の回転方向(オリフラの回転位置)3251に合せ異物検出光学系3122(3253)を3254のように回転し、3252の方向にする必要がある。
【0179】
もちろんマイクロレンズを用いる場合でも、製品ウェハ3111の回転方向3251に合せ異物検出光学系3122を回転しても良い。ここで、3251の方向と3252の方向は同一である。回転角は最大45°であり、図48の場合、回転する分、検出幅が長くなる。
【0180】
また、空間フィルターを用いる場合は、製品ウェハ3111上の規則的な繰返しパターン部の検査を行うことはできるが、それ以外の部分は検査できない。したがって、製品ウェハ3111上の規則的な繰返しパターン部以外は、ソフト等で無効データあるいは検出禁止エリアとする。しかし、この場合、製品ウェハ3111上の全ての点を異物をモニタするのではなく、ある特定の比率で製品ウェハ3111上を監視しているが、繰り返しパターンの多いメモリの製造では、このメモリの繰り返し部だけをモニタするだけでも効果は大きい。
【0181】
次に、図49に白色光照明による異物検出光学系3122の構成図の一実施例を示す。白色光による斜方照明系3261と検出光学系3262としてレンズアレイ3153と検出器3155から成っている。この方式を用いると、空間フィルタ方式に比べ異物の検出性能は低下する。しかし、図50に示すように白色光照明検出3271は空間フィルターを用いないレーザ照明検出3272に比べて検出性能は高く、また、製品ウェハ3111上の規則的な繰返しパターン部に限定せず、全面を検査することができる。ここで、異物からの検出出力は製品ウェハ3111上の全てのパターンのピーク値を基準3273にとっている。
【0182】
次に、図51にウェハ比較検査による異物検出光学系の構成図の一実施例を示す。斜方照明光学系3151と検出光学系3152から成る。斜方照明光学系3151は図に示すように1個以上の照明アレイに成っている。検出光学系3152は検出レンズとしてレンズアレイ3153あるいはマイクロレンズ群、検出レンズ3153のフーリエ変換面に空間フィルター3154、検出レンズ3153の結像位置に検出器3155、さらに、検出器からの検出信号を画像処理する画像処理系3280から成っている。まず、製品ウェハ3111の1枚目を検出し画像としてメモリ3282に記憶する。次に、2枚目の製品ウェハ3111を検出した検出画像3281と1枚目の記憶画像3282を比較回路3283により比較することにより、異物の顕在化を行なう。3枚目以降の製品ウェハ3111検出画像3281は、1枚目もしくは直前の2枚目の記憶画像3282と比較する。本実施例では、空間フィルター3154を用いてパターンの情報を少なくしている。したがって、本異物検出光学系で検出する前にオリフラ位置合せ機構等を設置し、全ての製品ウェハ3111の回転方向を空間フィルタの回転方向に合わせる。
【0183】
図52に異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)を用いた半導体FA(Factory Automation)のシステム図を示す。製品ウェハ3111(1)を一貫処理可能な一貫処理ステーション3291、各種特殊処理に対応した各種ジョブステーション3292、検査ステーション3293、解析ステーション3294から構成されており、各ステーションはクリーントンネル中の搬送系により結合されている。一貫処理ステーション3291と各種ジョブステーション3292において、特に大量不良の可能性の高いCVD装置やエッチング装置などには異物モニタ3101を搭載して、装置内の異物監視を行なう。また、3296、3297のようにステーションの出入口の搬送系に異物モニタ3101を搭載して、ステーション全体における異物監視を行なう。
【0184】
なお、本発明は量産立上げ時においても、量産ラインの監視に有効であることは当然である。
【0185】
次に本発明に係る小型異物モニタの他の具体的実施例を図53から図62を用いて説明する。
【0186】
以下、本実施例の構成を図53を用いて説明する。本実施例は、半導体レーザ1111、コリメータレンズ1112、x拡散レンズ1113、集光レンズ1114、y拡散レンズ1115、ミラー1116より構成される照明光学系1110と、結像レンズ1211,1221、空間フィルター1212,1222、偏光板1213,1223、1次元検出器1214,1224より構成される検出光学系1210と、ウエハ搬送手段1301、自動焦点検出器1312、自動焦点位置決め機構1313より構成されるステージ系1300と、A/D変換器1411、閾値回路1412、2次元画像切り出し回路1413、パターン異物判断回路1414、パターン情報メモリ1418,1416、異物情報メモリ1417,1415より構成される信号処理系1401と、FFT回路1511、繰り返し部除去回路1512、データメモリ1513、マイクロコンピュータ1515、データ表示系1516、異常表示アラーム1517より構成されるデータ処理系1501とにより構成される。
【0187】
照明光学系1110では、半導体レーザ1111から射出した光が、コリメータレンズ1112により平面波になりx拡散レンズ1113によりx方向のみ広げられる。x拡散レンズ1113より射出した光は集光レンズ1114によりx方向は平行な光束つまり平面波に、y方向は集光される。その後y拡散レンズ1115によりy方向のみ平行光束まで拡散される。結果的に、x,y方向とも平行光束つまり平面波でありy方向に長い直線上のビームとなり、ウエハ(半導体基板)1001上を照明する。
【0188】
図54に照明光学系1110をx方向から見た構成を示し、図55にy方向から見た構成を示す。y方向には、ウエハ(半導体基板)1001上の照明エリアを十分照明できるだけ広がり、x方向には十分な照度になるよう絞り込んでいる。ただし、照明は平面波すなわちx方向にもy方向にも平行な光束になっている。
【0189】
ここで、本実施例では、x,y方向とも平行光束つまり平面波にして照明しているが、近似的に平面波になる光学系であればよい。また、ここでは、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直になるような直線偏光を照射している。これにより、異物からの散乱光をパターンからの散乱光に対して相対的に向上する効果がある。但し、必ずしもs偏光である必要はなく、その他の直線偏光あるいは楕円、円偏光であっても本発明の目的を達成する上では差し支えない。
【0190】
検出光学系1210では、ウエハ1001上の検査位置1002から射出した光束を結像レンズ1211,1221により、空間フィルター1212,1222、偏光板1213,1223を通して、1次元検出器1214,1224上に結像する。偏光板1213,1223は、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直な光(S偏光)を遮光している。この偏光板は、異物からの散乱光をパターンからの散乱光に対して相対的に向上する効果がある。但し、必ずしも必要ではなく、省いても本発明の目的を達成する上では差し支えない。
【0191】
また、検出光学系の結像レンズ1211は、図56に示したような通常のレンズを用いても、あるいは、図57に示したような屈折率変化型のレンズアレイを用いてもよい。いずれの場合も、照明光学系1110として、図54及び図55に示したような平面波を照明できるような光学系を用いる場合、空間フィルター1212,1222をはじめとした構成上の相違点はない。
【0192】
図58に照明光学系及び検出光学系の平面図を示す。検出光学系1210,1220,1230,1240,1250,1260および1次元検出器1214,1224,1234,1244,1264を複数配置し、ウエハの直径L全域をカバーできるようにしている。また、各照明光学系1110,1120,1130,1140,1150,1160はそれぞれ1次元検出器1214〜1264の検出エリアを照明するように配置している。この構成で、ウエハ全域を平行光束すなわち平面波で照明できる。この構成では、一つの検査領域にたいして一つの照明方向から照明している。この構成により、空間フィルタ−の効果が十分に発揮される。仮に一つの照明領域が複数の方向から照明された場合、空間フィルタ−上でこれら複数の照明による回折パタ−ンが重複するため空間フィルタ−による遮光領域を大きくする必要がある。このように遮光領域を大きくした場合、この遮光領域により検出すべき光信号をも遮光してしまうことになる。一つの方向から照明することによりこれを防ぐことができる。
【0193】
図53に示すように、ステージ系1300では、ウエハ1001をウエハ搬送手段1301上に載置した後、ウエハ搬送手段1301はx方向に移動する。ここで、ウエハ搬送手段1301は、他の処理装置、具体的には、成膜装置、エッチング装置、露光装置などの半導体製造検査装置のもつ搬送系である。もちろん、本発明の異物検査装置が、この搬送手段を持ち合わせていてもよい。また、自動焦点検出系1312により、ウエハ1001と本発明による装置との距離が測定され、その結果を基に自動焦点制御系1313によりウエハ1001と本発明による装置との距離が最適になるよう制御される。この制御は検査開始前に1度だけされれば十分であるが、ウエハ搬送手段1301の精度によっては、検査中に実時間で制御される必要がある場合もある。
【0194】
信号処理系1410では、1次元検出器1214からの検出信号をA/D変換器1411、閾値回路1412を通過し、2値化された1ビットの信号が5×5の2次元画像切り出し回路1413に送られ、図に示した論理式によるパターン異物判定回路1414によりパターンと異物が判定される。すなわち、中央の点の論理値をP(0、0)とすると、以下の式(数17)が成立するときp(0,0)の信号を異物と判断し、以下の式(数18)が成立するときパターンと判断する。
【0195】
【数17】
Figure 0003599631
【0196】
【数18】
Figure 0003599631
【0197】
判断された結果は、1次元検出器1214の基本クロックから求められる座標信号によりパターンメモリ1415および異物メモリ1416に格納される。ここで、閾値回路1412から異物メモリ1416までの回路は、3系統等の複数用意してあり、閾値回路1412の閾値を段階的に変えておく。このような回路構成により必要十分な機能を有しながら回路規模が小型になるという効果を持つ。
【0198】
ここで、この信号処理系は各検出光学系1210〜1260の信号を処理するため、信号処理系1410〜1460が設けられている。
【0199】
データ処理系1501では、異物メモリ1416のデータからFFT回路1511により異物マップデータがフーリエ変換され、繰り返し部除去回路1512によりチップ間の繰り返し部が除去される。こうして得られた異物データは異物メモリ1513に座標及び閾値が格納されると共に、この異物数が許容範囲より大きい場合、アラーム1517より警報信号が出される。この警報信号が出された場合、作業者は、ラインの動作を止めると共に、異物の発生原因を追求し、対策を施す。また、マイクロコンピュータ1515より指令することにより、異物のマップデータ、座標データ等が表示系1516に出力される。また、本発明では、パターンのデータもメモリ1416に格納されている。このデータは、このパターン部では異物検査を実施していないことを意味する。従って、パターンデータの全体面積に対する比率は、検査面積比率を意味する。この検査面積比率が、所定の値より小さい場合は、検査装置のエラーあるいは、ウエハプロセスのエラーの可能性がある。従って、この場合も、アラーム1517より警報を出す。
【0200】
図81に、信号処理系1410とデータ処理系1501の機能を兼ねた異物パターン判断系を示す。データ処理系1501では、ウエハ内のチップの繰り返し性を利用してチップ周辺の非繰り返しパターンを識別除去している。この機能は、図81に示した回路によっても達成される。
【0201】
この実施例は、2次元画像切り出し回路1413に替えて画像切り出し回路1420をもつ。画像切り出し回路1420(オペレータ処理系203の216、217)は切り出し部1421(219)、1422(231)及び被判断部1423(218)より構成される。この切り出し部1421(219)、1422(231)は、被判断部1423(218)に対して試料上でのチップピッチp離れた位置の画像を切り出せるように配置されている。ここで、ウエハは、回転誤差Δα、チップ転写誤差、結像倍率誤差、2値化による誤差などによるチップ間隔誤差Δpを持っているため、画像切り出し部1421、1422は被判断部1423に対して概ね±Δα、±Δpの余裕を持っている。この値は、実験的に、あるいは装置の製作精度を基に設計されればよい値であるが、本実施例の場合画素サイズを7μmとして、Δpを1.5画素、Δαを0.5度とし、ピッチが10mm程度として、Δw(=Δα・p)を12.5画素としている。この画像切り出し回路1420から切り出された信号は、図53に示した信号処理系に準じて処理される。2次元切り出し回路1413では切り出された正方形の周辺部を式1に従ってロの字形に論理積を取るのに対し、切り出し部1421、1422の全域にわたって論理積が取られる。すなわち、2次元切り出し回路1413では切り出された正方形の周辺部をP(i,j)としているのに対し、切り出し部1421、1422では切り出された全域をP(i,j)としている。このP(i,j)の形状が異なるだけでパターンの判断は式1で、異物の判断は前記式(数17)で示される。
【0202】
この構成では、FFT回路1511および繰り返し部除去回路1512を省略することができる。
【0203】
以下、動作を図53ないし図62により説明する。
【0204】
本発明では、超微細パターンの形成された超LSI上の異物を高速高精度でしかも小型の装置で検査するため、パターンの繰り返し性に着目している。従来の装置では、ウエハの全面積を高速高精度で検査するため、高性能の大型の装置が用いられていた。ところが、半導体生産の歩留りを向上するためには、必ずしも、全面積に付いて異物検査をするよりも、むしろ、全面積検査を犠牲にして、全ウエハ検査を実施した方が良いという結果が判明した。従来装置を用いる限り、ウエハを適当な頻度でサンプリングして検査するしかなく、この検査方法では、一度、不良が発生したとき大量の不良をつくり込んでしまう可能性がある。このような、全ウエハ検査をする場合、ウエハの全面積を検査しなくても、装置発塵、プロセス発塵等の不良を発見できる。
【0205】
そこで、メモリーに代表されるLSIには、繰り返しのパターンが大きな比率で存在することに着目した。DRAM,SRAM等では、80%以上、マイクロコンピュータ、カスタムLSI等でも多くの場合、30%以上である。このような比率で有れば、この繰り返し部だけの検査で十分である。繰り返し部の欠陥、異物の検査では、光学的なフィルターリングを用いた非繰り返し部の強調検出技術が有効である。そこで、この技術を適した。この方法は、空間フィルターの作成方法が課題である。
【0206】
図59に示したような基本パターン1010の繰り返しパターンに図53に示した装置で光を照明した場合、図60に示したような規則的な回折パターン1011が空間フィルター1212,1222で観察される。この回折パターン1011は図59に示したパターンからの回折にによるものである。ここで、図29上に異物1012が存在した場合、この異物1012からの回折光は、規則的な回折パターン1011とは異なった不規則な形状になり、例えば図60上のパターン1013のように観察される。そこで、この空間フィルター1212,1222上で回折パターン1011を遮光するようなフィルターを設ければ、パターン1014の情報は削除され1次元検出器1214,1224上では、異物1012の情報のみが図41のように観測される。すなわち本発明により、異物1012のみが選択的に検出されたことになる。
【0207】
ここで、パターン1014のピッチpと回折パターン1011のピッチθ(観測点2から結像レンズ1211,1221へ入射する回折パターンの角度で示している。)との関係は、照明光学系1110の射出する光の波長λとして以下の(数19)式で示される。
【0208】
【数19】
sinθ=λ/p (数19)
従って、pが小さいほどθは大きくなる。すなわち、LSIがより微細化し、pが小さくなるほど回折パターンのθは大きくなり結像レンズ3211に入射する回折パターンは減少し空間フィルターの形状は簡単になるという利点がある。
【0209】
また、同じ製品の場合、基本パターン1010の形状は変わっても位置ピッチは変わらないため回折パターンの基本的な形状は変わらない。つまり、同じ製品を検査する限り、回折パターンの形状はほぼ変わらず、従ってこれを遮光する空間フィルターの形状もほぼ変わらないという特徴を有する。この特徴を利用し、各製品毎に各工程の回折パターンの形状を測定しそれら全ての回折パターンを遮光するような空間フィルターを作成しても、そのフィルターが結像レンズの開口全てを遮光するようなことはないことに着目した。このように各工程毎の回折パターンをすべて遮光するようなフィルターを用いることにより空間フィルターの交換を省くことができる。また、特にメモリの製造ラインでは製品が少なく製品の変更も少ないため効果的である。
【0210】
ここで、本発明では、結像レンズ1212,1222に屈折率変化型のレンズアレイを用いると装置をさらに小型に構成できる。屈折率変化型レンズアレイは、小型の光学系が構成できるためファクシミリ、電子複写機等に用いられている。光学系を小型にするという目的を達成する為にはこの屈折率変化型のレンズアレイは効果的である。しかしながら本発明では空間フィルターを用いる必要がある。従来、屈折率変化型のレンズアレイにもフーリエ変換面があり空間フィルターを用いることができることは着目されていなかった。本発明では、この屈折率変化型のレンズアレイに空間フィルターを用いることができることに着目して、屈折率変化型のレンズアレイを用いた小型の異物モニターを実現した。空間フィルターの構成、作用は上述したものと同一であり、各レンズ1つ1つに上述の空間フィルターを設置すればよい。またこの屈折率変化型のレンズアレイの空間フィルターの位置は図61に示すようにレンズの射出側の端面になる。
【0211】
図62に空間フィルターの形状を示す。特に、最も簡便にかつ任意のパターンに対し効果を出すには図62(a)に示した直線上のものがよい。また、この直線上の空間フィルターよりパターンとの弁別性能を出すには図62(b)に示した様な形状のものが必要になる。さらに、製品内の各工程全てで使用できる形状の1例を図62(c)に示す。
【0212】
図63に異物の検出例を示す。
【0213】
ここで高速小型の異物検査装置を実現する上で、この空間フィルターを用いた方法は従来技術(特許公開昭和62−89336号)に示した偏光検出法より適している。この理由を図64、65、66を用いて説明する。
【0214】
試料に光を照明し異物からの散乱光を検出する方法では、試料表面に形成されたパターンからの散乱光がノイズになる。このノイズは、図64(c)に示したように検出器2006の画素(1つの信号として検出される最小単位)サイズが大きいほど大きくなる。ノイズ源になるパターンは試料上ほぼ全面に形成されているため、ノイズは画素サイズに比例して大きくなる。
【0215】
一方で、画素数が多いほど検査時間がかかるため、高速検査を実現するためには画素サイズを大きくする必要がある。したがって、画素サイズを大きくして、ノイズレベルも小さくする必要がある。このノイズレベルを小さくする方法として、小泉他、「LSIウエハパターンからの反射光の解析」、計測自動制御学会論文集、17−2、77/82(1981)に、偏光を利用した方法が解析されている。これによれば、偏光を利用することによって、パターンからの散乱光(ノイズ)を減衰させることができる。ところがこの方法による散乱光の減衰率は、上記論文に解析されている通り、検出器の方向に依存する。このため、結像光学系を用いたように様々な方向に射出した光を集光する場合、それぞれの減衰率を積分すると減衰率は0.1%から0.01%程度になる。
【0216】
これに対し、本出願の空間フィルターを用いた方法では、減衰率を0.001%から0.0001%にできる。この理由を図65、66を用いて説明する。繰り返しパターンの形成されたウエハ2001を照明光2002で照明し、照明した領域をレンズ系2003、2005を用いて検出器2006に結像する。ここで、空間フィルター2004を載置したフーリエ変換面でのパターンからの射出光の強度分布を図66に示す。繰り返しパターンからの射出光はパターンのピッチに応じた位置に集中する。この集中の比率を算出した例として、複スリットの場合の回折光強度分布が久保田宏著、「応用光学」(岩波)に説明されている。
【0217】
これによれば、スリットの数(本出願では同時に照明される繰り返しパターンの数)が多くなれば、集中の比率が大きくなる。この比率はフーリエ変換F[]を用いても算出できる。照明されたパターンの形状をa(x,y)とすると、空間フィルターの位置の光強度分布はF[a(x,y)]となる。空間フィルターの形状をp(u,v)とすると、p(u,v)*F[a(x,y)]が、空間フィルターを通過する光となる。また空間フィルターに相補的な図形の形状を ̄p(u,v)とすると、 ̄p(u,v)*F[a(x,y)]は、空間フィルターによって遮光される光成分である。この2つの成分の比率が先の減衰率になる。パターンの繰り返し数が3の時のこの減衰率を算出すると0.001%程度である。繰り返し数が5の時0.0001%程度になり、さらに繰り返し数を多くすれば減衰率は低下する。従って、偏光を用いるよりも減衰率を低くでき、パターンノイズを低減できることになる。
【0218】
以上の計算は、パターン形状及びその他の条件が理想的な場合であって、現実の実験結果とは必ずしも一致しない可能性がある。しかしながら、偏光方式よりも1桁から3桁減衰率が低下し、パターンノイズを低減できるという実験結果を得ている。
【0219】
次に本発明の小型異物モニタの他の実施例を図64から図77を用いて説明する。図64に異物検出器の検出画素サイズとノイズレベルの関係を示す。小型異物モニタの課題として高速・小型化がある。同図(a)に異物検出光学系を示す。ウェハ2001上のパターンと異物からの散乱光を検出レンズ2003を通して、検出器2006で検出する。検出器2006からの検出信号は検出器2006の1画素毎に出力される。同図(b)に検出器2006の1画素に相当するウェハ上の大きさが小画素の場合と大画素の場合を示す。検出時間Tはウェハの面積S、検出器のデータ取り込み時間t、検出器の画素サイズw、検出器の画素数nとして以下の(数20)式で示される。
【0220】
【数20】
T=(S・t)/(w・n) (数20)
式(数20)より、高速・小型を実現するためには、wを大きくすることと、nを増やして並列処理を行うことが最も有効である。しかし、同図(c)に示すように、wを大きくすると、wに比例してウェハ2001上のパターンからのノイズレベルも増加する。したがって、wを大きくして、異物検出性能を維持するためには、パターンからのノイズレベルを低減する必要がある。
【0221】
そこで、次に、パターンからのノイズレベルを低減するために、空間フィルタ法によるノイズ低減の効果について説明する。図65は空間フィルタを用いた異物検出光学系の構成図を示す。検出レンズ2003のフーリエ変換面に空間フィルタ2004を設置している。ノイズであるウェハ2001上の繰返し性のあるメモリパターンからの回折光2007は、検出レンズ2003を通過後、空間フィルタ2004で遮光する。また、ウェハ2001上の異物からの散乱光2008は検出レンズ2003、空間フィルタ2004、結像レンズ2005を通過して検出器2006で検出される。
【0222】
ここで、図65の空間フィルタ2004面におけるパターン回折光2007のx方向の光強度分布を図66に示す。同図において、空間フィルタ2004の透過部分(A)と遮光部分(B)に相当するパターン回折光2007の光強度の比、即ちA:Bは1:10となり、空間フィルタ2004を設置することにより、パターンノイズを1/10に低減することができる。従来の異物検査装置に用いられた偏光フィルタ法では、パターンノイズ低減は1/10であるため、検出器の画素サイズが同一であれば、ノイズ低減レベルは10向上し、異物検出感度も向上する。したがって、異物検出感度の目標設定を従来の異物検査装置の性能以下にすることにより、検出器の画素サイズの大画素化を行うことができ、異物検出光学系の高速・小型化が可能となる。
【0223】
なお、空間フィルタで遮光できるパターンは繰返し性のあるメモリパターンであり、メモリパターン部以外はソフト等で無効データあるいは検出禁止エリアとする。
【0224】
図67に空間フィルタ法を適応した場合の異物検出光学系における弁別比を示す。ここで、異物検出系光学系における検出レンズ2003は結像レンズも兼ねているため、結像レンズを必要としない。検出器2006からの検出信号分布より、異物の検出信号をS、パターンノイズをNとすると弁別比をS/Nで表す。
【0225】
次に、図68に検出器の画素サイズと弁別比の関係を示す。ここでは、異物として2μm標準粒子の例を示す。異物をパターンから安定して弁別するためには、弁別比1以上を必要とする。したがって、同図より、2μm標準粒子をパターンから弁別して検出するためには、検出器の画素サイズは20μm以下であれば良いことがわかる。
【0226】
次に、図69に照明領域と検出領域を示す。検査時間Tは、検査幅Lx、Ly、検出器の画素サイズw、検出器の読みだしクロック周波数fとして以下の(数21)式で示される。
【0227】
【数21】
T=(Lx・Ly/w)・(1/f) (数21)
また、有効照明光強度Pは、照明パワーP、照明幅Wx、Wyとして以下の(数22)式で示される。
【0228】
【数22】
P=P・(w・Lx)/(Wx・Wy) (数22)
ここで、Wx≒Lxであるため、(数22)式は(数23)式で示される。
【0229】
【数23】
P=P・(w/Wy) (数23)
総照明光量Ptは(数21)式と(数23)式より、(数24)式で示される。
【0230】
【数24】
Figure 0003599631
したがって、検出信号強度Iは、異物信号係数Kと(数24)式より、(数25)式で示される。
【0231】
【数25】
Figure 0003599631
式(数25)より、Iはw・fの関数となる。
【0232】
以上の結果を基に、図70に装置仕様を決定するための性能図を示す。画素サイズと検査時間の関係、画素サイズと弁別比の関係、画素サイズ・検出器のクロック周波数と検出信号の関係の3つの図により装置仕様を決定する。例えば、20秒の検査時間を実現するために、画素サイズと検査時間の関係より、検出器のクロック周波数を2MHzに設定すれば、検出器の画素サイズは13μmで良い。
【0233】
その時、画素サイズと弁別比の関係より、2μm異物のパターンからの弁別比は2であり、パターンから弁別することができる。最後に、画素サイズ・検出器のクロック周波数と検出信号の関係より、2μm異物の検出信号は、画素サイズ・クロック周波数で決まり、60mVであり、検出器で検出可能である。以上の様に、3つの性能図により、装置の検出異物寸法と検査時間の仕様を任意に決定することができる。
【0234】
図71は空間フィルタ法を用いた異物検出光学系の装置構成を示す図である。
【0235】
異物検出光学系は、製品ウェハ2001の一軸走査2010で製品ウェハ2001全面が検査可能な構成に成っている。そのため、異物検出光学系は照明光学系2011と検出光学系2013に分け、それぞれユニット構成に成っている。検査対象ウェハがφ200mmの場合について以下に説明する。例えば、8ユニットでウェハ2001全幅を検査するためには、1ユニットの照明領域及び検出領域2012は、25mmにすれば良い。したがって、検査対象ウェハがφ150mmの場合は、8ユニットのうち6ユニットを用いれば良い。1ユニットの検出光学系2013は、検出レンズ2014、検出レンズ2014のフーリエ変換面に設置された空間フィルタ2015、検出器としてリニアセンサ2016で構成されている。検出レンズ2014の外形寸法が検出幅より大きい場合は、本実施例の同図に示すようにちどり状に配置することによりウェハ2001全幅を確保することができる。また、検出レンズ2014の外形寸法が検出幅以下の場合、あるいは、ウェハ上を限定する検査すなわち部分検査の場合には直線状に配置することができる。ここで用いている空間フィルタ2015は検出光学系2013がちどり状の場合は4ユニット構成を2組使用し、検出光学系2013が直線状の場合は8ユニット構成を1組使用する。リニアセンサ2016からの検出信号は異物検出処理(別体)2017で処理され、異物データとして出力する。
【0236】
なお、検出光学系2013がちどり状の場合は2組、検出光学系2013が直線状の場合は1組の空間フィルタ2015の交換は、ウェハ2001の品種間により行う必要があるが、工程にはほとんど依存せず、1品種ウェハを1種類の空間フィルタ2015で対応可能である。
【0237】
次に本実施例のうちの仕様の一例を示す。照明光学系は、照明光源として波長780nm、出力200mWの半導体レーザを用い、照明光入射角度は上方から60°でウェハ上の26×1mmの領域を照明する。検出光学系は、検出レンズとして投影レンズ(50mmF2.8を用い、検出倍率1倍(検出NA=0.1)で検出する。検出器には画素サイズ13μm、画素数2048、駆動周波数4MHzのCCDリニアセンサ、あるいは、異物弁別性能の高い画素サイズ7μm、画素数4096、駆動周波数4MHzのCCDリニアセンサを用いる。
【0238】
次に、図72はパターンノイズ光のウェハ回転角度による影響を示す一例図である。ウェハ2001が回転すると、ウェハ2001のパターンからの回折光もウェハ2001に応じて回転する。したがって、異物検出光学系2021に対してウェハ2001が回転していると、異物検出光学系2021の空間フィルタの遮光部分からウェハ2001のパターンからの回折光が漏れてくる。したがって、パターンからの回折光の漏れ光すなわちパターンノイズ光は、空間フィルタの遮光幅とウェハの回転角度の関数となる。ここで、ウェハの回転角度θは、異物検出光学系2021の中心線2020とウェハ2001の中心線2000の角度を表す。しかし、空間フィルタの遮光幅を広げると異物からの散乱光も減光するため、最適幅を求める必要がある。そこで、従来のプリアライメント装置ではウェハの回転角度を±2°以内に抑えることができるので、異物検出性能、例えば、2μm異物をパターンから弁別して検出できる空間フィルタの遮光幅を最適幅とした場合のウェハの回転によるパターンノイズ光の変化の一例を同図に示す。
【0239】
異物検査のモニタとしての機能を有するためには、できるだけ焦点深度の深い異物検出系が必要である。
【0240】
焦点深度は、検出画素サイズの大きさにより、検出レンズのNAから計算される焦点深度より大きい値を得ることができる。
【0241】
検出画素サイズが検出異物サイズより十分小さければ、焦点深度dは、検出レンズの開口数に依存し、光の波長λ、検出レンズの開口数NAとして以下の(数26)式で示される。
【0242】
【数26】
d=0.5・λ/(NA) (数26)
(数11)式において、例えば、λ=780nm、NA=0.1の場合はd=39μmとなる。また、検出画素サイズが検出異物サイズより十分大きければ、焦点深度は、検出画素サイズに依存する。この場合、検出画素サイズを相当解像度a’とすると、相当開口数NA’との関係は以下の(数27)式で示される。
【0243】
【数27】
a’=0.61・λ/NA’ (数27)
さらに、(数27)式におけるNA’を(数26)式のNAに代入すると、実際の焦点深度dが得られる。例えば、a’=13μmとすると、NA’=0.037となり、d=285μmとなる。
【0244】
従って、検出器の大画素化により、異物検出系の焦点深度を深くする効果がある。
【0245】
図73はウェハステージの高さによる異物検出出力の変化を示す一例図である。λ=780nm、NA=0.1、検出画素サイズ13μmを用いた場合の5μm異物の検出出力の変化を示している。同図より、焦点深度は±70μmである。この値は検出レンズの開口数から得られる値(39μm)と検出画素サイズから得られる値(285μm)の間の値に成っている。したがって、13μmの検出画素サイズは5μm異物に対して十分大きくないが、焦点深度を深くしている。
【0246】
以上のように、検出レンズの開口数を小さくすることと、検出画素サイズを大きくすることにより、焦点深度を深くすることができ、ウェハの搬送系の高さ方向の位置制御をラフにすることが可能である。
【0247】
次に、本小形異物モニタリング装置に用いる照明光学系の1ユニットの構成を示す。ウェハ上を片側は検査領域を十分照明できるように広げ、片側は十分な照度になるように絞り込み、線状照明が可能な構成となっている。照明光源が点光源であれば、両側とも平面波すなわち平行な光束ができる。ここで、照明光を平行光にすると、検出光学系の空間フィルタ位置の像をシャープにすることができ、空間フィルタによるパターンの遮光性能を高くし、異物検出性能も高くすることができる。しかし、例えば、照明光源として小形の半導体レーザを用いる場合、高出力になるにしたがって、発光点の片側の長さが長くなる。したがって、片側は平面波すなわち平行な光束はできない。そこで、それに対応した照明光学系の実施例を2種類示す。ただし、ウェハ上の線状照明のうち、ビームの長い方向をy方向、ビームの短い方向をx方向とする。
【0248】
1つ目の方式の構成を図74に示し、同図(a)にx方向から見た構成を示し、同図(b)にy方向から見た構成を示す。ここで、半導体レーザ2101の発光点2100の長い方向がx方向、発光点2100の短い(点光源に近い)方向がy方向である。ただし、ウェハ上においてP偏光照明であればS偏光照明になるようにλ/2板を挿入する。
【0249】
同図(a)のx方向は、半導体レーザ2101から射出した光はレンズ2102〜レンズ2106を用い、光束を絞ってウェハ2001上を照明する。同図(b)のy方向は、半導体レーザ2101から射出した光はレンズ2102〜レンズ2106を用い、光束を広げ平行光にする。この方式はx方向の光束を容易に絞り込むことができるので、照明の高照度化が可能である。この方法では、x方向の光束を平行光ではなくある角度をもって絞り込むため検出光学系の空間フィルタ面におけるx方向の回折パターンは長くなるが、図62に示すような直線状の空間フィルタ−を用いることによってパタ−ンからの回折光を遮光することができる。図75は図74の照明光学系を用いた場合の検出検出光学系の空間フィルタ面におけるウェハ上の回折パターンの平面図の一例を示す。ウェハ上のパターンからの回折パターンの1点の大きさは、x方向は照明の開口数に依存しx1=数mm、y方向は平行光であるためy1=数μmになり、y方向のみシャープな光となる。ウェハの向きにより同図(a)に示すようにy方向のピッチpyがx方向のピッチpxより短い場合には空間フィルタの遮光率が高くなり、異物からの検出出力も低下する。そこで、ウェハを90°回転することにより、ウェハ上のパターンからの回折パターンは同図(b)に示すようになり、y方向のピッチは同図(a)におけるpxと同一であり、空間フィルタの遮光性能を向上することができる。このように、y方向に回折パターンのピッチの長い方がくるようにウェハの向きを予め設定することにより、異物からの検出出力を更に向上することができる。このウエハの最適な向きは、予めデ−タとして入力することができる。また、一度回折パターンの向きを見てウェハの最適な向きを検出し、以後はその最適な向きの上方を用いる。
【0250】
2つ目の方式の構成を図76に示し、同図(a)にx方向から見た構成を示し、同図(b)にy方向から見た構成を示す。ここで、半導体レーザ2101の発光点2100の短い(点光源に近い)方向がx方向、発光点2100の長い方向がy方向である。ただし、ウェハ上においてP偏光照明であればS偏光照明になるようにλ/2板を挿入する。
【0251】
同図(a)のx方向は、半導体レーザ2101から射出した光はレンズ2202〜レンズ2207を用い、光束を絞って平行光にする。同図(b)のy方向は、半導体レーザ2101から射出した光はレンズ2202〜レンズ2207を用い、光束を広げウェハ2001上を照明する。しかし、x方向の発光点2100の長さが数十μmと長いため、平行光にすることができない。ここで光源2100は、レンズ2202〜レンズ2207、結像レンズ2014を通して空間フィルタ2015の位置に結像する。この総合結像倍率は空間フィルタの遮光性能より数十μm以下が最適であるため、1倍前後になるようにする。
【0252】
図77に図76の照明光学系を用いた場合の検出検出光学系の空間フィルタ面におけるウェハ上のパターンからの回折パターンの平面図の一例を示す。空間フィルタ面におけるウェハ上のパターンからの回折パターンの1点の大きさは、x方向は平行光であるためx2=100μm程度、y方向は照明光源の大きさに比例するのでy2=数十μmになり、ウェハの向きに依らず、x方向、y方向とも比較的シャープな光が得られ、空間フィルタの遮光性能を高くすることができる。
【0253】
次に本発明の小型異物モニタの偏光検出法による異物検出光学系の他の実施例を図78から図79を用いて説明する。
【0254】
偏光検出法はメモリパターンに限定しないでウェハ全面の全てのパターンから異物を弁別して検出することが可能である。
【0255】
図78は検出レンズとして屈折率変化型のレンズアレイを用いた異物検出光学系の構成図を示す。斜方照明光学系3002と検出光学系3003から成る。斜方照明光学系3002は図に示すように1個以上の照明アレイに成っている。検出光学系3003は検出レンズとして屈折率変化型のレンズアレイ3004、偏光素子として偏光板3005、屈折率変化型のレンズアレイ3004の結像位置に検出器3006から成っている。照明アレイによりウェハ全幅を照明する線状照明にし、ウェハ全幅を検出する。したがって、ウェハ3001の一軸走査3010でウェハ3001全面を検査できる。照明アレイ3002の照明角度は水平方向から数度上方より行い、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直になるような直線偏光(S偏光)でウェハ3001上を照射する。また、ウェハ3001上のパターン及び異物からの散乱光は、屈折率変化型のレンズアレイ3004を通過後、偏光板3005でP偏光(磁界ベクトルが照明の入射面に平行な成分の直線偏光)のみを通過させ、パターンからの散乱光を減じ異物からの散乱光を強調させて、検出器3006で検出する。
【0256】
図79は検出レンズとして通常のレンズを用いた異物検出光学系の装置構成図を示す。異物検出光学系は、製品ウェハ3001の一軸走査3110で製品ウェハ3001全面が検査可能な構成に成っている。そのため、異物検出光学系は照明光学系3111と検出光学系3113に分け、それぞれユニット構成に成っている。検査対象ウェハがφ200mmの場合について以下に説明する。例えば、8ユニットでウェハ3001全幅を検査するためには、1ユニットの照明領域及び検出領域3112は、25mmにすれば良い。したがって、検査対象ウェハがφ150mmの場合は、8ユニットのうち6ユニットを用いれば良い。1ユニットの検出光学系3113は、検出レンズ3114、偏光板3115、検出器としてリニアセンサ3116で構成されている。検出レンズ3114の外形寸法が検出幅より大きい場合は、本実施例の同図に示すようにちどり状に配置することによりウェハ3001全幅を確保することができる。また、検出レンズ3114の外形寸法が検出幅以下の場合、あるいは、ウェハ上を限定する検査すなわち部分検査の場合には直線状に配置することができる。照明ユニット3111の照明角度は水平方向から数度上方より行い、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直になるような直線偏光(S偏光)でウェハ3001上を照射する。また、ウェハ3001上のパターン及び異物からの散乱光は、検出レンズ3114を通過後、偏光板3115でP偏光(磁界ベクトルが照明の入射面に平行な成分の直線偏光)のみを通過させ、パターンからの散乱光を減じ異物からの散乱光を強調させて、リニアセンサ3116で検出する。リニアセンサ3116からの検出信号は異物検出処理(別体)3117で処理され、異物データとして出力する。
【0257】
図80に本発明の位置付けと機能を示す。LSIの量産立上げの主要作業のうちの1つに、異物の発生原因を究明して対策を施す作業があり、それには発生異物を検出して元素種などを分析することが発生原因探求の大きな手がかりになる。一方、量産ラインでは、これらの異物をいち早く感知し対策を施す必要がある。異物発生からその感知までの時間が経過した場合、不良の発生数は大きくなり歩留まりは下がる。したがって、高い歩留まりを維持するためには異物発生からその感知までの経過時間を短縮することが欠かせない。また、ウェハ上の異物個数の厳密な検出実験により、異物個数は徐々に増減するものではなく、突発的に増減することが新たに判明した。同図(a)にCVD等の処理装置内で発生する製品ウェハ上の異物数の時間推移を示す。同図(b)に従来方式を示す。従来装置はスタンドアローン型であり、量産ラインで処理したウェハを検査装置の個所に持ち込んで異物の検査をする抜取り検査であった。したがって、ウェハの搬送、異物検査に時間を要したため、検査の頻度すなわちサンプリングは、同図(a)に示すように、1ロット、あるいは数ロット、あるいは1日毎に1枚であり、検査枚数に限界があった。このようなサンプリングでは突発的な異物の増加が見落とされたり、増加したまましばらく経ってから検出されたりすることになり、相当数の不良(ドカ不良)が発生することになる。すなわち、このようなサンプリングでは、異物の発生を十分に早く感知したとはいえない。そこで、同図(c)に示すように、異物モニタリング装置を小型にした小形異物モニタを処理装置の入出力口あるいは処理装置間の搬送系中に載置し、小形異物モニタからの異物データを異物管理システムに取り込むことにより、異物管理を枚葉で行うことができる。したがって、本小形異物モニタを用いることにより、同図(a)に示すように、モニタのサンプリングタイムを短くでき、枚葉の実時間サンプリングが可能で、異物検査の効果を最大限に出すことができる。
【0258】
本発明の機能としては次の5項目がある。、処理装置の搬送系に取付け可能な大きさ、すなわち、小形であり、ウェハの枚葉検査ができる高速検査が可能であり、処理装置毎の異物管理ができるように処理装置のオプションになりうる安価な価格である。また、モニタであるためセッティングが容易でメンテナンスフリーになっている。
【0259】
以下、空間フィルターの実施例を図82から図85を用いて説明する。この空間フィルターは、液晶表示素子を用いて構成しても良いが、液晶素子の場合、特定の偏光方向の光だけしか使用できない。また、光の減衰率が小さいためパターンからの回折光を十分に遮光できない問題がある。そこで、空間フィルターを金属板等を用い機械的に構成するのが良い。
【0260】
空間フィルターは、図74、75で説明したように直線状のパターンの集合で構成される。(もちろん空間フィルターは図75(a)に示したような点の集合を遮光するように一回り大きい点の集合であるのが望ましいが、ここで示したような直線の集合であっても十分その機能は果たし、かつ構成が単純であるという効果もある。)この直線状パターンのピッチと位相を合わせればよい。図82にこの金属板を用いたピッチ可変空間フィルター1270の一実施例を示す。
【0261】
この実施例は、照明光学系1110、検出光学系1210、ステージ系1300、信号処理系1401、データ処理系1501より構成される点は、図53に示した実施例と同じである。
【0262】
ここで半導体レーザ1111の射出口1021が図82に示すように縦長に配置された場合、図74の照明系を用いると、空間フィルターの直線方向は、図82に示したように照明光束の入射面に平行になる。この場合、空間フィルターの位置合わせとして、空間フィルターの中心にある直線状パターンを基準にして直線状パターンのピッチを合わせるだけでよい。この場合、空間フィルターのピッチ可変機構は単純に構成できる。
【0263】
図82のピッチ可変空間フィルター1270の構成を図83に示す。ピッチ可変空間フィルター1270は、金属あるいは金属酸化物あるいはプラスチック等の遮光率の高い材料で形成された複数の直線上パターン1271、ばね状支持具1272、支持具1273、固定手段1274、ねじ1275、ネジ駆動手段1276、より構成される。ここで、ネジ1235には、1277部に右ネジ、1278部に左ネジが形成されている。ここで、ネジ駆動手段1276によりねじ1275を回転させることにより直線状パターン1271間のピッチを変えることができる。この、ネジ駆動手段1276の駆動は、ウエハ搬入時に、ウエハ上のチップピッチpと同時にチップ内のセルピッチdを受け取ることにより、直線上パターン1271間のピッチが算出された値に従って制御される。ここで、ばね状支持具1272はゴムであってもよい。
【0264】
またここで、この空間フィルター1270のピッチは広いダイナミックレンジで変えることは難しい。例えば、ピッチを1/10にする場合、ねじ1275は空間フィルターとして必要な長さの10倍の長さが必要になるからである。そこで、空間フィルター1270を複数個重ねて設置しておき、ピッチを小さく変化させる場合は、重ねたまま先の可変機構で可変し、大きく変化させる場合は重ねたそれぞれの空間フィルターをずらすことによって小さなピッチを実現できる。
【0265】
もちろん必要に応じ、可変機構とずらすことを同時にもできる。
【0266】
ここで、空間フィルター1270の中央部の直線状パターン1279は、他の直線状パターンより太く構成されるのが望ましい。これは、中央部の回折光すなわち0次回折光は光強度が強く回折光の強度分布の幅がひろいため、十分に回折光を遮光するためには幅の広い直線状パターンを必要とするためである。
【0267】
また、ここでは、駆動機構の一実施例を示したが、本発明を実施するに当たって、ここに示した実施例である必要はなく、遮光性の高い直線状パターン1271を駆動する構成であれば他の駆動機構であっても良い。具体的には、図84に示すような構成であってもよい。この実施例では、直線状パターン1271はリンク1291で支持されており、リンク駆動機構1292でリンク1291の傾きを変えることによりピッチを変える構成である。
【0268】
また、空間フィルターのピッチが大きくできる方向、すなわちウエハ上のパターンのピッチdが小さい方向にウエハの向きを設定すれば尚良い。
【0269】
図85、86に示すように、照明光学系1110として、図75に示した光学系を用いた場合、空間フィルターの中央部にやや大きめの直線状空間フィルター1279を照明の入射面に平行に配置し、これに垂直に直線状パターンを配置する必要がある。この場合、空間フィルターの位置合わせとしてピッチと位相を調整する必要がある。照明の入射角をα、直線状回折パターンの射出角をθn、照明光の波長をλ、ウエハ上のパターンの基本ピッチをdとすると、以下の(数28)式が成り立つ。
【0270】
【数28】
sin(α−θn)=n・λ/d (数28)
従って、この式(数28)を成立するような可変機構を構成する必要がある。
【0271】
具体的には、図85に示したピッチ可変空間フィルター1270を90度回転した方向に配置し、ピッチの調整の他に、ピッチ可変空間フィルター1270全体を直線状パターン1271に垂直な方向に移動することによって、位相を調整する。この位相の調整は位相調整手段1281により行う。また、この構成では、空間フィルターの中心位置に照明の入射面に平行にやや太め具体的には、直線状パターンの1から3倍程度の遮光板を配置するとよい。
【0272】
直線状パターンの太さは、実験的に求めるのがよいが、設計的には、照明系の光源1111の空間フィルター上での像の大きさの1割から2割増しに設定されるべきである。但し、空間フィルターの調整機構の精度を考慮する場合、さらに大きな余裕を設ける必要がある。
【0273】
また、図53の構成は6チャンネルの並列で説明しているが、6チャンネルでなくても良く、ウエハのサイズ、検査時間等の仕様により決定されるものである。
【0274】
ここでは、図74、75に示した光学系で照明光学系を構成した場合の空間フィルター機構を説明したが、ここに、説明しない他の照明系を用いた場合であっても機械的な空間フィルターを用いることによって、遮光率を向上できるため、パターンからの回折光を効率的に遮光でき、異物の検出感度を向上することができる。
【0275】
また、空間フィルターのピッチ及び幅をさらに細かくしたい場合、ここに示した機械構成では精度が不足することになる。この場合、「マイクロメカニズム」として紹介されている方法を用いて可変空間フィルターを作ることができる。
【0276】
以上の構成は、製品のチップ間ピッチ、セルピッチ等のデータを受け取ることにより、自動的に空間フィルターのピッチを変えることができるため、空間フィルターを製品毎に交換する手間が省けるという効果を有する。
【0277】
空間フィルターを製品毎に作成しておき、この空間フィルターを自動的に交換してもよい。その一例を図43に示す。この方法は、図58に示した検出器1254、1234、1214の3つのフィルターを一つの基板上に設置し、これを交換するものである。
【0278】
【発明の効果】
本発明によれば、繰り返し情報を高速に省くことができるので、非繰り返し情報として存在する異物等の欠陥を繰り返しパターンの中から高速に検出でき、その結果小形異物モニタをラインに導入することで、ラインを通過するウェハ全てを検査することができ、異物の増加を実時間で検出できる。これにより、異物発生による大量の不良品の生産を未然に防止することができ歩留りを向上できる。
【0279】
即ち、本発明によれば、半導体製造工程の量産ラインにおいて簡便な小形モニタリング装置だけで異物をモニタリングすることにより、生産ラインを軽量化して製造コストの低減を可能にすると共に、該モニタリング装置は異物検査を実時間で実施できるため、不良の作り込みを最小限にでき、製品の歩留り向上に大きく寄与できる。更に、本発明によれば、半導体製造工程の量産立上げ時と量産ラインでの異物検査システムを分けることにより、また、高精度の異物検査装置を用いることにより、量産立上げ時に必要な異物の検出・分析・評価の機能を最大限にできるため、量産ラインへのフィードバックを円滑に進め、量産立上げ期間を短縮でき、量産ラインでは、必要最小限の小形異物モニタを用いて全数検査に近い高頻度サンプリングを実現でき、製品の高品質、高歩留り生産を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】図1に示す検出ヘッド例を示す構成ブロック図である。
【図3】図1に示す空間フィルター機構を示す斜視図である。
【図4】図1に示すオペレータ処理部を示す構成ブロック図である。
【図5】図1に示すパラメータ検出系を示す構成ブロック図である。
【図6】図1に示す回転合わせ機構を示す斜視図である。
【図7】従来の方法を示す構成ブロック図である。
【図8】本発明の基本概念を示す構成ブロック図である。
【図9】本発明のパターン除去方法を示す構成ブロック図である。
【図10】本発明に係るパラメータ検出系の他の実施例を示す構成ブロック図である。
【図11】本発明に係る検出レンズの構成ブロック図である。
【図12】本発明に係る回転ずれ検出系を示す構成ブロック図である。
【図13】本発明に係る回転ずれ検出系の他の実施例を示す構成ブロック図である。
【図14】本発明に係る光学的フィルターリングによる比較検査の効果を示す模式図である。
【図15】本発明に係る空間フィルターによる遮光時の様子を示す斜視図である。
【図16】本発明に係るオペレータ処理を説明する模式図である。
【図17】本発明に係る空間フィルターの形状を説明する模式図である。
【図18】本発明に係るパターン消去の条件を説明する模式図である。
【図19】本発明に係る空間フィルター機構の製作方法を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る空間フィルター機構においてコイルばねの調整方法を説明する斜視図である。
【図21】本発明に係る空間フィルター機構における回折の影響を除去する方法を説明するための構成ブロック図である。
【図22】本発明に係るセンサの走査方向を説明する模式図である。
【図23】本発明に係る垂直照明を実現する構成の構成ブロック図である。
【図24】本発明に係る検出ヘッドの利用法を示す斜視図である。
【図25】本発明に係る検出ヘッドの利用法を示す斜視図である。
【図26】本発明に係る検出ヘッドの利用法を示す斜視図である。
【図27】本発明に係るステージの走査方法を示す模式図である。
【図28】本発明に係るパターンピッチの測定手段を示す構成ブロック図である。
【図29】本発明に係る干渉を用いたパターン除去方法を示す構成ブロック図である。
【図30】本発明の信号処理方法を説明する図である。
【図31】本発明の一実施例を示す半導体製造工程の量産立上げ及び量産ラインの異物検査方法及びその装置の構成ブロック図である。
【図32】本発明の一実施例を示す異物モニタを搭載した枚葉式CVD装置の平面図である。
【図33】本発明に係る異物モニタの構成図である。
【図34】本発明に係るウェハ回転方向検出器の検出方法を示す図である。
【図35】本発明に係る異物座標管理のための製品ウェハ基準の座標を示す図である。
【図36】本発明に係る異物座標管理のための装置基準の座標を示す図である。
【図37】本発明に係る異物検出光学系の構成図である。
【図38】本発明に係る斜方照明光学系の構成図である。
【図39】本発明に係る検出光学系の検出幅を示す図である。
【図40】本発明に係る検出器の構成図である。
【図41】本発明に係る空間フィルタの構成図である。
【図42】本発明に係る空間フィルタの詳細図である。
【図43】本発明に係る各工程の製品ウェハに対応した乾板方式による空間フィルタ群の構成図である。
【図44】本発明に係る乾板方式によるアンド空間フィルタの構成図である。
【図45】本発明に係る部分検査による異物検出光学系の構成図である。
【図46】本発明に係る部分検査による異物検出光学系の検出エリアを示す図である。
【図47】本発明に係る2列に配置したマイクロレンズ方式による異物検出光学系の構成図である。
【図48】本発明に係るレンズアレイを用いた場合のウェハ回転による空間フィルタ検出方法を示す図である。
【図49】本発明に係る白色光照明による異物検出光学系の構成図である。
【図50】本発明に係る白色光照明による異物検出性能を示す図である。
【図51】本発明に係るウェハ比較検査による異物検出光学系の構成図である。
【図52】本発明に係る異物モニタを用いた半導体FAのシステム図である。
【図53】本発明に係る異物検査装置の一実施例を示すブロック図である。
【図54】図53においてx方向からみた照明光学系の側面図である。
【図55】図53においてy方向からみた照明光学系の側面図である。
【図56】図53における結像レンズの一実施例を示す図である。
【図57】図53における結像レンズの一実施例を示す図である。
【図58】図53に示す光学系の配列を示す平面図である。
【図59】本発明に係るウエハ上パターンを示す平面図である。
【図60】本発明に係る回折パターンを示す平面図である。
【図61】本発明に係る屈折率変化型レンズを示す図である。
【図62】本発明に係る空間フィルターを示す平面図である。
【図63】本発明に係る異物の検出例を示す図である。
【図64】本発明に係る検出画素サイズとノイズレベルの関係を示す図である。
【図65】本発明に係る空間フィルタを用いた異物検出光学系の構成図である。
【図66】本発明に係る空間フィルタ面における光強度分布を示す図である。
【図67】本発明に係る異物検出光学系における弁別比を示す図である。
【図68】本発明に係る検出画素サイズと弁別比の関係を示す図である。
【図69】本発明に係る照明領域と検出領域を示す図である。
【図70】本発明に係る装置仕様を決定するための性能図である。
【図71】本発明に係る異物検出光学系の装置構成を示す図である。
【図72】本発明に係るパターンノイズ光のウェハ回転角度による影響を示す一例図である。
【図73】本発明に係るウェハステージ高さによる異物検出出力の変化を示す一例図である。
【図74】本発明に係る照明ユニットの側面図である。
【図75】本発明に係る空間フィルター面における回折パターンの平面図である。
【図76】本発明に係る照明ユニットの側面図である。
【図77】本発明に係る空間フィルター面における回折パターンの平面図である。
【図78】本発明に係る偏光検出による異物検出光学系の構成図である。
【図79】本発明に係る偏光検出による異物検出光学系の装置構成図である。
【図80】本発明の位置付けと機能を示す図である。
【図81】本発明に係る信号処理系の実施例を示すブロック図である。
【図82】本発明に係る可変空間フィルターを用いた本発明の一実施例を示す構成図である。
【図83】図82に示す場合の可変空間フィルターの具体的構成図である。
【図84】図82に示す場合の可変空間フィルターの他の具体的構成図である。
【図85】本発明に係る可変空間フィルターを用いた他の一実施例を示す構成図である。
【図86】図85に示す場合の可変空間フィルターの具体的構成図である。
【符号の説明】
1…基板(ウエハ)、 101…検出ヘッド(検出光学系)、 102…照明手段、 103…検出光学系、 105…回転合わせ機構、 106…空間フィルターユニット、 107…検出器、 108…回転検出手段、110、111…フーリエ変換レンズ、 112…半導体レーザ、 113…コリメータレンズ、114…凹レンズ、 115…レシーバレンズ、 116…シリンドリカルレンズ、 118…ミラー、 119、120…コイルばね支え、 121、122…コイルばね、 123、124…回転検出用の検出器、 125…ガイド、126…ねじ、 127…右ねじ部、 128…左ねじ部、 129、130…ウオームギア、 140…モータ、 141…複数の直線状空間フィルター、151…回転ガイド、 152…回転バー、 153…ばね、 154…ピエゾ素子、 155…ピエゾ素子コントローラー、 156…架台、 201…オペアンプ、 202…A/D変換器、 212…ピッチ検出手段、 203…オペレータ処理系、 204…切り出し手段、 206…異物データメモリ、 208…パターンメモリ、 209…パラメータ伝達手段、 210…ソフト処理系、 211…異物メモリ、 214…4画素加算手段、 215…8値化手段、 216…複数のラインメモリ、217…バッファメモリ、 218…判定画素切り出し手段、 219、231…オペレータ切り出し手段、 220…異物比較回路、 221…閾値設定回路、 224…OR回路、 226…AND回路、 212…ピッチ検出手段、 241…オペレータピッチ算出手段、 242…FFT回路、 243…空間フィルター制御系、244…フィルターピッチ算出手段、 232…座標データ作成手段、 229…マイクロコンピュータ、 230…表示手段、 510…半導体製造装置群、 520…センシング部、 524…真空内異物モニタ、 530…ユーティリティ群、540…サンプリング部、 550…検出部、 560…分析部、 563…STM/STS、 570…対応システム、 580…半導体製造工程の量産立上げおよび量産ライン異物検査システム、 581…オンライン異物検査装置システム、 582…オフライン異物検査システム、 3101…異物モニタ、 3111…製品ウェハ、 3121…ウェハ回転方向検出器、 3122…異物検出光学系、 3123…異物情報処理系、 3124…装置停止機能、 3128…異物解析システム、 3151…斜方照明光学系、 3152…検出光学系、 3153…レンズアレイ、 3154…空間フィルタ、 3155…検出器、 3201…空間フィルタ群、 3221…アンド空間フィルタ、 3231…マイクロレンズ群、 3280…画像処理系、 1110…照明光学系、 1210…検出光学系、 1410…信号処理系、 1211,1221…結像レンズ、 1212、1222…空間フィルター

Claims (16)

  1. 光源から発射された光で、繰り返しパターンが形成された試料の表面を斜め方向から照明する照明手段と、該照明手段で照明されて前記試料で反射した光を検出する検出手段と、該検出手段で検出した信号を処理して欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えた欠陥検査装置であって、前記照明手段は前記光源から発射した光を線状に成形する成形部を有して該成形部で線状に成形された光を前記試料の表面に照射し、前記検出手段は前記照明手段により線状に成形された光を照射された前記試料の表面の繰り返しパターンからの反射光による回折パターンのうちの所定の空間周波数を有する回折パターンを遮光する複数の遮光部分を備えた空間フィルタを有し、前記欠陥検出手段は前記空間フィルターを通過した光を前記検出手段で検出した信号を処理することにより前記試料上の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 前記欠陥検出手段は、前記検出手段で検出した信号を比較対象となる信号と比較して前記空間フィルターで遮光されなかった前記基板上の繰り返しパターンからの反射光による回折パターンの検出信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
  3. 繰り返しパターンを含むパターンが形成された試料の表面を直線状の光で斜め方向から照明する照明手段と、該照明手段で照明されて前記試料で反射した光のうち前記試料の繰り返しパターンで反射した光による回折パターンのうちの所定の空間周波数より大きな回折パターンを遮光して検出する検出手段と、該検出手段で検出した信号から前記試料で反射した光による回折パターンのうち前記所定の空間周波数よりも小さくて前記空間フィルターで遮光されなかった回折パターンを検出して得た信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出する処理手段とを備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
  4. 記試料上の繰返しパターン部から発生する回折光による回折パターンを遮光する空間フィルターは複数の遮光部分を備え、該遮光部分は間隔が可変に構成されていることを特徴とする請求項3記載の欠陥検査装置。
  5. 繰り返しパターンを含む回路パターンが形成されたチップが複数形成された基板に光を該基板に対して斜めの方向から照射して該基板を照明する照明手段と、該照明手段照明された前記基板からの反射光を検出する検出手段と、該検出手段で前記反射光を検出して得た検出信号を処理して前記基板上の欠陥を検出する処理手段とを備えた欠陥検査装置であって、前記検出手段は、前記照明手段で照明された基板からの反射光のうち前記チップ内の繰り返しパターンからの回折光による回折パターンを遮光する空間フィルター部を有し、前記検出手段は、前記空間フィルター部を通過して前記検出手段で検出された信号を比較対象となる信号と比較して前記空間フィルター部で遮光されなかった前記基板上のパターンからの反射光による回折パターンの検出信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査装置。
  6. 前記照明手段は前記光を直線状に成形する成形部を備え、前記試料に前記成形部で直線状に成形された光を照射することを特徴とする請求項記載の欠陥検査装置。
  7. 前記検出手段の空間フィルター部は、前記試料上の繰返しパターン部から発生する回折光による回折パターンを遮光する複数の遮光部分を有し、該複数の遮光部分のピッチが可変であることを特徴とする請求項記載の欠陥検査装置。
  8. 前記検出手段は、前記空間フィルター部を通過して前記検出手段で検出された信号を比較対象となる信号と比較して、前記検出信号と比較対象となる信号との差、前記検出信号 と比較対象となる信号との比、前記検出信号と比較対象となる信号とのログスケールでの比の何れかが所定の値よりも大きいときに前記検出信号を欠陥による信号として検出することを特徴とする請求項記載の欠陥検査装置。
  9. 源から射光線状に成形し、該線状に成形した光を繰り返しパターンが形成された試料の表面を斜めの方向から照射し、該照射により前記試料で反射した光のうち前記繰り返しパターンからの反射光による所定の空間周波数を有する回折パターンをピッチ可変の空間フィルターで遮光して検出し、該検出した信号を処理することにより前記試料上の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
  10. 前記検出した信号を比較対象となる信号と比較して前記空間フィルターで遮光されなかった前記基板上の繰り返しパターンからの反射光による回折パターンの検出信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出することを特徴とする請求項記載の欠陥検査方法。
  11. 繰り返しパターンを含むパターンが形成された試料表面の直線状の領域を斜め方向から照明し、該照明されて前記試料で反射した光のうち前記試料の繰り返しパターンで反射した光による回折パターンのうち所定の空間周波数より大きな回折パターンを遮光して検出し、該検出した信号から前記試料で反射した光による回折パターンのうち前記所定の空間周波数よりも小さくて前記空間フィルターで遮光されなかった回折パターンを検出して得た信号を除去して処理することにより前記試料の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
  12. 前記試料上の繰り返しパターンから発生する回折光による回折パターンを、間隔が可変な複数の遮光部分を備えた空間フィルターで遮光することを特徴とする請求項11記載の欠陥検査方法。
  13. 繰り返しパターンを含む回路パターンが形成されたチップが複数形成された基板に光を該基板に対して斜め方向から照射し、該照射による前記基板からの反射光を検出手段で検出し、該反射光を検出して得た検出信号を処理して前記基板上の欠陥を検出する欠陥検査方法であって、前記光を照射された基板からの反射光のうち前記チップ内の繰り返しパターンからの回折光による回折パターンを空間フィルターで遮光し、該空間フィルターで遮光されずに通過して前記検出手段で検出された信号を比較対象となる信号と比較して前記空間フィルターで遮光されなかった前記基板上のパターンからの反射光による回折パターンの検出信号を除去して処理することにより前記試料上の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検査方法。
  14. 前記試料に直線状に成形された光を照射することを特徴とする請求項13記載の欠陥検査方法。
  15. 前記フィルターは、前記試料上の繰り返しパターンから発生する回折光による回折パターンを遮光する複数の遮光部分を有し、該複数の遮光部分のピッチが可変であることを特徴とする請求項13記載の欠陥検査方法。
  16. 前記空間フィルターで遮光されずに通過して検出された検出信号を比較対象となる信号と比較して、前記検出信号と比較対象となる信号との差、前記検出信号と比較対象となる信号との比、前記検出信号と比較対象となる信号とのログスケールでの比の何れかが所定の値よりも大きいときに前記検出信号を欠陥による信号として検出することを特徴とする請求項13記載の欠陥検査方法。
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