JP3598424B2 - Method for producing boron-containing resin - Google Patents
Method for producing boron-containing resin Download PDFInfo
- Publication number
- JP3598424B2 JP3598424B2 JP7437896A JP7437896A JP3598424B2 JP 3598424 B2 JP3598424 B2 JP 3598424B2 JP 7437896 A JP7437896 A JP 7437896A JP 7437896 A JP7437896 A JP 7437896A JP 3598424 B2 JP3598424 B2 JP 3598424B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- boron
- extruder
- thermoplastic resin
- boronic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産性および経済性に優れ、かつ不純物の少ない、ホウ素含有熱可塑性樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テトラヒドロフラン等の溶媒を用い、フラスコ等の反応容器中で炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂にホウ素−水素結合を有するホウ素化合物を反応させることが知られている(特開平3−115402、特開平4−45104)。また、二重結合を有するオレフィン系重合体にボラン錯体およびホウ酸エステルを反応させ、ボロン酸基を有するポリオレフィンを製造する方法が知られている(特開平7−33820)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来法では、溶剤を使用する必要があるため、溶媒への溶解、溶媒除去、溶媒精製等の操作が必要で、複雑な工程が必要であった。また、過剰の試薬由来のホウ素化合物等の不純物を除去するのが困難であった。また、従来法は、バッチ式で製造するため、大量生産に向いていなかった。
しかして、本発明の目的は、より簡単な工程により、さらに好ましくは溶媒を使用せずに、不純物の少ないホウ素含有熱可塑性樹脂を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、押出機中で、二重結合量を0.0001meq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)にホウ素−水素結合を有するホウ素化合物(B)を反応させ、次いで、分子内に水酸基を1個または2個有し、かつ760mmHg下で沸点300℃以下の化合物(C)を添加することによって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、二重結合を0.0001meq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)とは、主鎖、側鎖あるいは末端から選ばれる少なくとも1つに炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂である。
二重結合を0.0001meq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)とは、1)通常のオレフィン系重合体あるいはビニル系重合体の末端に二重結合を有するもの;2)通常のオレフィン系重合体あるいはビニル系重合体を無酸素条件下、熱分解して得た、末端に二重結合を有するオレフィン系重合体あるいはビニル系重合体。;3)オレフィンあるいはビニル系重合体とジエン系重合体との共重合により得た、オレフィン−ジエン系共重合体あるいはビニル−ジエン系共重合体などが挙げられる。1)の製法については、公知のオレフィン系重合体あるいはビニル系重合体の製法を用いることができるが、特に、連鎖移動剤として水素を用いず、重合触媒としてメタロセン系重合触媒を用い、オレフィン系単量体を重合する製法(例えば、DE4030399)が好ましい。2)の製法については、公知の方法(例えばUS2835659、3087922)によりオレフィン系重合体を窒素下や真空条件下等の無酸素条件下で300℃〜500℃の温度、反応時間1分〜10時間で熱分解して得る方法が好ましい。3)の製法については、公知のチーグラー系触媒を用いてオレフィン−ジエン系共重合体を得る方法が好ましく(例えば特開昭50−44281、DE3021273)、また公知のビニル−ジエン系共重合体をラジカル重合またはアニオン重合で得る方法も挙げられる。
【0006】
熱可塑性樹脂(A)中の二重結合は0.0001meq/g以上含有することが重要であり、上限には特に制限はないが、約1eq/gである。好適には0.001meq/g以上、さらには0.005meq/g以上である。また、上限については0.5meq/g以下が好ましく、さらに好ましくは0.2meq/g以下である。
【0007】
二重結合を有する熱可塑性樹脂(A)の具体例としては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系重合体;エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−イソプレン共重合体等のオレフィン−ジエン系共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレンのブロックおよびランダム共重合体、プタジエン−スチレンのブロックおよびランダム共重合体、イソプレン−スチレンのブロックおよびランダン共重合体等のジエン系重合体およびその水添物;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。前記重合体の中で、ポリエチレン(高密度、中密度、直鎖状低密度、超低密度)およびエチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレンが特に好ましい。
【0008】
本発明に使用するホウ素−水素結合を有するホウ素化合物(B)とは、少なくとも1つのホウ素−水素結合を有するホウ素化合物である。この具体例としては、ジボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、デカボラン類等のボラン類;ボラン−テトラヒドラフラン錯体、ボラン−トリエチルアミン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボラン−ピリジン錯体、ボラン−t−ブチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジイソプロピルエチルアミン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体、ボラン−4−メチルモルフォリン錯体、ボラン−メチルスルフィド錯体、ボラン−1,4−チオキサン錯体、ボラン−トリブチルフォスフィン錯体等のボランとルイス塩基の錯体;テキシルボラン、カテコールボラン、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジイソアミルボラン、ジシクロヘキシルボラン等の炭化水素あるいは炭化水素オキシ置換ボラン等が挙げられ、このうち化学的安定性の点からボラン−トリエチルアミン錯体(トリエチルアミンボラン)、ボラン−メチルスルフィド錯体等が好ましい。
【0009】
本発明において、熱可塑性樹脂(A)にホウ素化合物(B)およびホウ酸エステル(D)を反応させる方法はより好適な態様である。このホウ酸エステル(D)としては、例えばホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸エチレングリコールエステル、ホウ酸プロピレングリコールエステル、ホウ酸トリメチレングリコールエステル、ホウ酸1,3−ブタンジオールエステル、ホウ酸ネオペンチルグリコールエステル等のホウ酸エステルが好ましく、これらのなかで特に、ホウ酸トリメチレングリコールエステル、ホウ酸1,3−ブタンジオールエステル、ホウ酸ネオペンチルグリコールエステル等のエステルが好ましい。これらのホウ酸エステルを添加することにより、ホウ素化合物(B)の添加時にしばしば起こる架橋を防ぐと同時に、化学的に安定なボロン酸エステル基という形でホウ素含有基を導入できる。
【0010】
本発明の分子内に水酸基を1個または2個有する化合物(C)の沸点としては760mmHg下での沸点が300℃以下であることが重要で、60℃から300℃の範囲が好ましく、60℃から250℃の範囲がより好ましい。このような化合物(C)としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の低級アルコール;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール等の低級ジオールが挙げられる。
【0011】
本発明に使用する押出機としては、特に制限はなく、一軸押出機、二軸同方向回転押出機、二軸異方向回転押出機のいずれを用いてもよいが、二軸同方向回転押出機あるいは二軸異方向回転押出機が好ましい。また、押出機の樹脂出口近くにベントを設けることが好ましい。これにより過剰のホウ素化合物を除去および回収することができる。
また、1台の多段ベントを有する押出機を使用してもよいし、2台以上の押出機を使用してもよい。
1台の押出機を用いる場合、押出機の本体側から順に、1)熱可塑性樹脂(A)のフィード口、2)ホウ素化合物(B)およびホウ酸エステル(D)の添加口、3)ベント口、水酸基を有する化合物(C)の添加口および5)ベント口を有する多段式押出機が好ましく、スクリュー形状としては、前記2)、3)、4)および5)の間にそれぞれシールあるいは逆ネジスクリューを有していることが好ましい。
2台の押出機を使用する場合、1台目の押出機では本体側から順に、1)熱可塑性樹脂(A)のフィード口、2)ホウ素化合物(B)およびホウ酸エステル(D)の添加口および3)ベント口を有する押出機が好ましく、2台目の押出機では本体側から順に、1)1台目の押出機で得られた樹脂をフィードするためのフィード口、水酸基を有する化合物(C)の添加口およびベント口を有する押出機が好ましく、前記1台目および2台目の押出機のスクリュー形状としては前記2)および3)の間にシールあるいは逆ネジスクリューを有していることが好ましい。
本発明に使用するホウ素化合物(B)は高温では空気中の酸素あるいは水あるいは酸素により分解されるため、押出機中の酸素および水蒸気の濃度はできるだけ低いことが好ましい。従って、押出機のフィーダーに窒素ガスを流したり、押出機に脱気用ベント口を設けることが好ましい。
押出機内の最高温度は使用する熱可塑性樹脂(A)およびホウ素化合物(B)によって異なるが、通常、(A)の融点から350℃の範囲が好ましく、さらに(A)の融点+10℃から300℃の範囲がより好ましい。
熱可塑性樹脂(A)とホウ素化合物(B)を反応させた後、未反応のホウ素化合物(B)を除去、特に減圧下で除去した後に、水酸基を有する化合物(C)を添加するのが好適である。ここでは未反応のホウ素化合物は、ホウ素量に換算して、500ppm以下さらには100ppm以下になるように除去するのがよい。ここで減圧とは、内部の真空度が300mmHg以下、好ましくは50mmHg以下である。
水酸基を有する化合物を添加することにより、不純物をより効率的に除くことができる。また同時に、反応によって導入されたボロン酸基のエステルの種類をエステル交換反応により、添加した水酸基を有する化合物のエステルに変えることもできる。
水酸基を有する化合物(C)を添加したあと、さらに減圧状態にし、未反応のホウ素化合物(B)を除去することが好ましい。この除去により、不純物のホウ素化合物の量はホウ素量に換算して、100ppm以下、さらには20ppm以下とすることが好ましい。
【0012】
ホウ素化合物(B)の添加法としては、通常、押出機のバレルの途中からポンプにより注入する方法、あるいは、原料樹脂にあらかじめドライブレンドする方法、あるいは前記の途中で注入する方法およびあらかじめドライブレンドする方法を併用する方法が挙げられる。ホウ素化合物(B)の添加量は特に制限はないが、熱可塑性樹脂(A)に対し、0.001〜10重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.01〜5重量%の範囲である。また、ホウ酸エステル(D)の添加量の好適な範囲は熱可塑性樹脂(A)に対し、0.01〜100重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.05〜10重量%の範囲である。また、水酸基を有する化合物(C)の添加量は特に制限はないが、熱可塑性樹脂(A)に対し、0.1〜100重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜20重量%の範囲である。
【0013】
本発明によってえられるホウ素含有熱可塑性樹脂の代表例としては、ボロン酸基、ボリン酸基および水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。ここでボロン酸基、ボリン酸基あるいは水の存在下でボロン酸またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基がホウ素−炭素結合により主鎖、側鎖または末端に結合した熱可塑性樹脂である。このうち前記官能基が側鎖または末端に結合した熱可塑性樹脂が好ましく、末端に結合した熱可塑性樹脂が最適である。ここで末端とは片末端または両末端を意味する。
【0014】
本発明において、ボロン酸基とは、下記式(I)で示されるものである。
【0015】
【化1】
【0016】
また水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基(以下単にホウ素含有基と略記する)としては、水の存在下で加水分解を受けて上記式(I)で示されるボロン酸基に転化しうるホウ素含有基であればどのようなものでもよいが、代表例として下記一般式(II)で示されるボロン酸エステル基、下記一般式(III)で示されるボロン酸無水物基、下記一般式(IV)で示されるボロン酸塩基が挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
{式中、X,Yは水素原子、脂肪族炭化水素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表わし、X,Yは同じ基でもよいし、異なっていても良い。またXとY葉結合していてもよい。ただしX,Yがともに水素原子である場合は除かれる。またR↑1,R↑2,R↑3は上記X,Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表わし、R↑1,R↑2,R↑3は同じ基でもよいし、異なっていてもよい。またMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。また上記のX,Y,R↑1,R↑2,R↑3には他の基、たとえばカルボキシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。}
【0021】
一般式(II)〜(IV)で示されるボロン酸エステルの具体例としてはボロン酸ジメチルエステル基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピルエステル基、ボロン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ヘキシルエステル基、ボロン酸ジシクロヘキシルエステル基、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸1,2−プロパンジオールエステル基、ボロン酸トリメチレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カテコールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメチロールエタンエステル基等のボロン酸エステル基;ボロン酸無水物基;ボロン酸のアルカリ金属塩、ボロン酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
【0022】
また本発明において、ボリン酸基とは、下記式(V)で示されるものである。
【0023】
【化5】
【0024】
また水の存在下でボリン酸基に転化しうるホウ素含有基としては、水の存在下で加水分解を受けて上記式(V)で示されるボリン酸基に転化しうるホウ素含有基であればどのようなものでもよいが、代表例として下記一般式(VI)で示されるボリン酸エステル基、下記一般式(VII)で示されるボリン酸無水物基、下記一般式(VIII)で示されるボリン酸塩基が挙げられる。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
{前記(V〜VIII)式中、Xは前記一般式(II)のX
と同じ意味であり、Zは前記のXと同様の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表わす。またXとZは結合していてもよい。またR↑1,R↑2,R↑3は前記の一般式(IV)のR↑1,R↑2,R↑3と同じ意味である。またMは前記一般式(IV)のMと同じ意味である。}
【0029】
一般式(V)〜(VIII)で示されるボリン酸エステル基の具体例としてはX,Z,R↑1,R↑2,R↑3がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基等の低級炭化水素基を示すものが挙げられる。代表例としてはメチルボリン酸基、メチルボリン酸メチルエステル基、エチルボリン酸基、エチルボリン酸メチルエステル基、メチルボリン酸エチルエステル基、ブチルボリン酸メチルエステル基、3−メチルボリン酸−2−ブチルボリン酸メチルエステル基が挙げられる。
前記の官能基の中で特にボロン酸エチレングリコールエステル基などのボロン酸エステル基がエチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール共重合体との相溶性の点から好ましい。
なお前記の水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有基とは、熱可塑性樹脂(A)を、水または水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混合液体、またホウ酸水溶液と前記有機溶媒との混合液中で反応時間10分〜2時間、反応温度室温〜150℃の条件下に加水分解した場合にボロン酸基またはボリン酸基に転化しうる基を意味する。
【0030】
本発明によって得られた、ホウ素含有熱可塑性樹脂は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ビニルアルコール系重合体等の多価水酸基を含有する重合体と高い反応性を有するため、これらの重合体の相溶化剤、改質剤、接着剤等として有用である。また、ボロン酸基等のホウ素含有基は水酸基やアミノ基等の官能基に容易に化学的に変換可能であるため、これらの官能基を有する高分子の合成中間体としても有用である。ホウ素含有熱可塑性樹脂中のホウ素含有量は使用される用途により異なるが、0.00001〜1ミリ等量/g(meq/g)が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜0.3meq/gである。
【0031】
以下実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
ポリオレフィン中の二重結合量は重パラキシレンを溶媒として用い、270MHz↑1H−NMRにより定量した。
実施例1および実施例2のポリオレフィン中のボロン酸基量は重キシレンを溶媒として用い、500MHz↑1H−NMRにより定量した。
【0032】
実施例1
下記の樹脂フィーダー(押出機C1部分)、液体フィーダー1(押出機C3部分)、液体フィーダー2(押出機C11部分)、ベント1(押出機C8部分)およびベント2(押出機C14部分)を有する37φ二軸押出機にエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体(A)(三井石油化学製「三井EPT」(商品名)3120P、メルトインデックス(MI)4g/10分(190℃、2160g荷重)、二重結合量0.4meq/g}を4kg/hrの割合で供給後、ベント1およびベント2の内圧が約20mmHgにまで減圧した。この後、液体フィーダー1からはトリエチルアミンボラン(B)とホウ酸1,3−ブタンジオールエステル(D)の重量比29:71混合液を0.6kg/hrの割合で添加し、また液体フィーダー2からは0.4kg/hrの割合でエチレングリコール(C)を添加した。これによりメルトインデックス(MI)3g/10分(190℃、2160g荷重)、不純物がホウ素量に換算して15ppmの、側鎖にボロン酸エチレングリコールエステル基を0.28meq/g有するエチレン−プロピレン共重合体を得た。
押出機:TEM−35B(東芝機械製、同方向2軸押出機)
D=37mm、L/D=53.8
液体フィーダー位置:C3およびC11
ベント位置 :C6およびC14
窒素置換 :フィーダー部に1L/分の割合で窒素ガスを流す
スクリュー構成 :C5、C7およびC10にシールを配置
スクリュー回転数:150rpm
【0033】
比較例1
液体フィーダー2へのエチレングリコール供給を行わない以外、実施例1と同様な条件で試験を行った結果、メルトインデックス(MI)3g/10分(190℃、2160g荷重)、不純物量がホウ素量に換算して280ppmの、側鎖にボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基を0.28meq/g有するエチレン−プロピレン共重合体を得た。
【0034】
実施例2
樹脂フィーダーより、超低密度ポリエチレン{住友化学製「エクセレン」(商品名)EUL430、MI=4g/10分、二重結合量0.047meq/g}を10kg/hrの割合で添加し、液体フィーダー1からはトリエチルアミンボラン(B)とホウ酸1,3−ブタンジオールエステル(D)の重量比29:71混合溶液を0.4kg/hrの割合で添加を行う以外は実施例1と同様の条件で試験を行った結果、メルトインデックス(MI)4g/10分(190℃、2160g荷重)、不純物がホウ素量に換算して5ppmの、末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を0.04meq/g有する、超低密度ポリエチレンを得た。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体などの多価水酸基を有する重合体との良好な相溶性を有するホウ素含有熱可塑性樹脂を押出機により容易に製造できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a boron-containing thermoplastic resin which is excellent in productivity and economy and has few impurities.
[0002]
[Prior art]
It is known that a boron compound having a boron-hydrogen bond is reacted with a thermoplastic resin having a carbon-carbon double bond in a reaction vessel such as a flask using a solvent such as tetrahydrofuran (JP-A-3-115402, JP-A-4-45104). Further, a method is known in which a borane complex and a borate ester are reacted with an olefin polymer having a double bond to produce a polyolefin having a boronic acid group (JP-A-7-33820).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional method, since a solvent must be used, operations such as dissolution in the solvent, removal of the solvent, and solvent purification are required, and complicated steps are required. Further, it has been difficult to remove impurities such as boron compounds derived from excessive reagents. In addition, the conventional method is not suitable for mass production because it is manufactured by a batch method.
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for producing a boron-containing thermoplastic resin having less impurities by a simpler process, and more preferably without using a solvent.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by reacting a boron compound (B) having a boron-hydrogen bond with a thermoplastic resin (A) having a double bond amount of 0.0001 meq / g or more in an extruder, and then adding a hydroxyl group to the molecule. Is achieved by adding a compound (C) having one or two and having a boiling point of 300 ° C. or lower at 760 mmHg.
[0005]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present invention, the thermoplastic resin (A) containing at least 0.0001 meq / g of a double bond is a thermoplastic resin having a carbon-carbon double bond in at least one selected from a main chain, a side chain or a terminal. It is.
The thermoplastic resin (A) containing a double bond of 0.0001 meq / g or more includes: 1) a normal olefin polymer or a vinyl polymer having a double bond at a terminal; 2) a normal olefin polymer. An olefin polymer or a vinyl polymer having a double bond at a terminal obtained by thermally decomposing a polymer or a vinyl polymer under oxygen-free conditions. 3) an olefin-diene-based copolymer or a vinyl-diene-based copolymer obtained by copolymerizing an olefin or vinyl-based polymer with a diene-based polymer; As the production method 1), a known production method of an olefin-based polymer or a vinyl-based polymer can be used. In particular, hydrogen is not used as a chain transfer agent, and a metallocene-based polymerization catalyst is used as a polymerization catalyst. A production method of polymerizing a monomer (for example, DE 4030399) is preferred. Regarding the production method 2), the olefin-based polymer is subjected to a known method (for example, US Pat. Is preferred. Regarding the production method 3), a method of obtaining an olefin-diene copolymer using a known Ziegler-based catalyst is preferable (for example, JP-A-50-44281, DE3021273), and a known vinyl-diene copolymer is used. Methods obtained by radical polymerization or anionic polymerization are also included.
[0006]
It is important that the double bond in the thermoplastic resin (A) is contained at 0.0001 meq / g or more, and the upper limit is not particularly limited, but is about 1 eq / g. It is preferably at least 0.001 meq / g, more preferably at least 0.005 meq / g. Further, the upper limit is preferably 0.5 meq / g or less, and more preferably 0.2 meq / g or less.
[0007]
Specific examples of the thermoplastic resin (A) having a double bond include polyethylene (high-density polyethylene, medium-density polyethylene, low-density polyethylene, linear low-density polyethylene, ultra-low-density polyethylene, etc.), and ethylene-propylene copolymer. Olefin-based polymers such as coalesce, polypropylene, polybutene and poly (3-methyl-1-pentene); olefin-diene-based copolymers such as ethylene-propylene-ethylidene norbornene copolymer and ethylene-isoprene copolymer; polystyrene , A vinyl polymer such as polyvinyl chloride; polybutadiene, polyisoprene, butadiene-isoprene block and random copolymer, butadiene-styrene block and random copolymer, isoprene-styrene block and landan copolymer, etc. Diene polymerization And hydrogenated products thereof; polyphenylene ether; polyphenylene sulfide and the like. Among the above polymers, polyethylene (high density, medium density, linear low density, ultra low density), ethylene-propylene copolymer, and polypropylene are particularly preferable.
[0008]
The boron compound having a boron-hydrogen bond (B) used in the present invention is a boron compound having at least one boron-hydrogen bond. Specific examples thereof include borane such as diborane, tetraborane, pentaborane, hexaborane, decaborane; borane-tetrahydrafuran complex, borane-triethylamine complex, borane-trimethylamine complex, borane-pyridine complex, borane-t-butylamine complex, Borane-N, N-diisopropylethylamine complex, borane-dimethylamine complex, borane-N, N-diethylaniline complex, borane-4-methylmorpholine complex, borane-methylsulfide complex, borane-1,4-thioxane complex, Complexes of borane and Lewis base such as borane-tributylphosphine complex; hydrocarbons such as texyl borane, catechol borane, 9-borabicyclo [3,3,1] nonane, diisoamyl borane, dicyclohexyl borane, and hydrocarbon oxy Conversion borane, and the like, these borane in terms of chemical stability - triethylamine complex (triethylamine borane), borane - methyl sulfide complex and the like are preferable.
[0009]
In the present invention, a method of reacting the boron compound (B) and the borate (D) with the thermoplastic resin (A) is a more preferable embodiment. Examples of the borate (D) include trimethyl borate, triethyl borate, tripropyl borate, tributyl borate, ethylene glycol borate, propylene glycol borate, trimethylene glycol borate, boric acid 1 , 3-butanediol ester, neopentyl glycol borate and the like are preferable, and among these, trimethylene glycol borate, 1,3-butanediol borate, neopentyl glycol borate are particularly preferable. Are preferred. By adding these borate esters, it is possible to prevent crosslinking which often occurs when the boron compound (B) is added, and to introduce a boron-containing group in the form of a chemically stable boronate ester group.
[0010]
It is important that the compound (C) having one or two hydroxyl groups in the molecule of the present invention has a boiling point of 300 ° C. or less under 760 mmHg, and preferably in the range of 60 ° C. to 300 ° C. To 250 ° C. is more preferable. Examples of such a compound (C) include lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, 2-propanol, 1-butanol and 2-butanol; ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, trimethylene glycol, Lower diols such as 1,4-butanediol, 1,3-butanediol, and 1,2-butanediol are exemplified.
[0011]
The extruder used in the present invention is not particularly limited, and any of a single-screw extruder, a twin-screw co-rotating extruder, and a twin-screw different-direction rotating extruder may be used. Alternatively, a biaxially different direction rotary extruder is preferred. Further, it is preferable to provide a vent near the resin outlet of the extruder. This makes it possible to remove and recover the excess boron compound.
Further, an extruder having one multi-stage vent may be used, or two or more extruders may be used.
When one extruder is used, 1) a feed port for the thermoplastic resin (A), 2) an addition port for the boron compound (B) and the borate ester (D), 3) a vent in order from the main body side of the extruder. Preferably, a multi-stage extruder having a mouth, an addition port for the compound (C) having a hydroxyl group, and 5) a vent port is used. The screw shape may be sealed or inverted between 2), 3), 4) and 5), respectively. It is preferable to have a screw screw.
When two extruders are used, the first extruder uses, in order from the main body side, 1) a feed port for a thermoplastic resin (A), 2) addition of a boron compound (B) and a borate ester (D). An extruder having a mouth and 3) a vent port is preferable. In the second extruder, in order from the main body, 1) a feed port for feeding the resin obtained by the first extruder, a compound having a hydroxyl group An extruder having an addition port and a vent port of (C) is preferable, and the first and second extruders preferably have a screw or a reverse screw between the above 2) and 3). Is preferred.
Since the boron compound (B) used in the present invention is decomposed by oxygen in the air or water or oxygen at a high temperature, the concentrations of oxygen and water vapor in the extruder are preferably as low as possible. Therefore, it is preferable to flow nitrogen gas into the feeder of the extruder or to provide the extruder with a deaeration vent.
The maximum temperature in the extruder varies depending on the thermoplastic resin (A) and the boron compound (B) used, but is usually preferably in the range from the melting point of (A) to 350 ° C., and more preferably from the melting point of (A) + 10 ° C. to 300 ° C. Is more preferable.
After reacting the thermoplastic resin (A) with the boron compound (B), it is preferable to remove the unreacted boron compound (B), particularly after removing it under reduced pressure, and then add the compound (C) having a hydroxyl group. It is. Here, the unreacted boron compound is preferably removed so as to be reduced to 500 ppm or less, more preferably 100 ppm or less in terms of the amount of boron. Here, the reduced pressure means that the degree of vacuum inside is 300 mmHg or less, preferably 50 mmHg or less.
By adding a compound having a hydroxyl group, impurities can be more efficiently removed. At the same time, the type of the ester of the boronic acid group introduced by the reaction can be changed to the ester of the added compound having a hydroxyl group by a transesterification reaction.
After adding the compound (C) having a hydroxyl group, it is preferable to further reduce the pressure and remove the unreacted boron compound (B). By this removal, the amount of the boron compound as an impurity is preferably 100 ppm or less, more preferably 20 ppm or less, in terms of the boron amount.
[0012]
As a method for adding the boron compound (B), usually, a method of injecting with a pump from the middle of the barrel of the extruder, a method of preliminarily dry blending the raw material resin, a method of injecting the resin in the middle thereof, and the dry blending in advance A method in which the methods are used in combination is exemplified. The addition amount of the boron compound (B) is not particularly limited, but is preferably in the range of 0.001 to 10% by weight, more preferably 0.01 to 5% by weight, based on the thermoplastic resin (A). is there. The preferred range of the amount of the borate (D) added is preferably in the range of 0.01 to 100% by weight, more preferably 0.05 to 10% by weight, based on the thermoplastic resin (A). is there. The amount of the compound (C) having a hydroxyl group is not particularly limited, but is preferably in the range of 0.1 to 100% by weight, more preferably 0.5 to 20% by weight, based on the thermoplastic resin (A). Range.
[0013]
Representative examples of the boron-containing thermoplastic resin obtained according to the present invention include a boronic acid group, a borinic acid group and at least one functional group selected from a boronic acid group or a boron-containing group that can be converted to a borinic acid group in the presence of water. And a thermoplastic resin having a group. Here, at least one functional group selected from the group consisting of a boronic acid group, a borinic acid group, and a boron-containing group that can be converted to a boronic acid or a borinic acid group in the presence of water has a main chain and a side chain formed by a boron-carbon bond. Or it is a thermoplastic resin bonded to the terminal. Of these, a thermoplastic resin having the functional group bonded to a side chain or a terminal is preferable, and a thermoplastic resin bonded to a terminal is most preferable. Here, the term "end" means one end or both ends.
[0014]
In the present invention, the boronic acid group is represented by the following formula (I).
[0015]
Embedded image
[0016]
Further, as the boron-containing group which can be converted into a boronic acid group in the presence of water (hereinafter simply referred to as boron-containing group), the boronic acid group represented by the above formula (I) upon hydrolysis in the presence of water Any boron-containing group can be used as long as it is a boron-containing group that can be converted to a boronic acid ester group represented by the following general formula (II), a boronic anhydride group represented by the following general formula (III), Examples thereof include boronate groups represented by the following general formula (IV).
[0017]
Embedded image
[0018]
Embedded image
[0019]
Embedded image
[0020]
In the formula, X and Y represent a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group (such as a linear or branched alkyl group or alkenyl group having 1 to 20 carbon atoms), and an alicyclic hydrocarbon group (a cycloalkyl group, A cycloalkenyl group) or an aromatic hydrocarbon group (a phenyl group, a biphenyl group, etc.), and X and Y may be the same or different. Also, X and Y leaves may be bonded. However, it is excluded when X and Y are both hydrogen atoms. R ↑ 1, R ↑ 2, and R ↑ 3 represent the same hydrogen atom, aliphatic hydrocarbon group, alicyclic hydrocarbon group, and aromatic hydrocarbon group as those of X and Y described above. 2, R ↑ 3 may be the same or different. M represents an alkali metal or an alkaline earth metal. X, Y, R , 1, R ↑ 2, and R ↑ 3 may have other groups such as a carboxyl group and a halogen atom. }
[0021]
Specific examples of the boronic esters represented by the general formulas (II) to (IV) include boronic acid dimethyl ester group, boronic acid diethyl ester group, boronic acid dipropyl ester group, boronic acid dibutyl ester group, and boronic acid hexyl ester group. , Boronic acid dicyclohexyl ester group, boronic acid ethylene glycol ester group, boronic acid 1,2-propanediol ester group, boronic acid trimethylene glycol ester group, boronic acid 1,3-butanediol ester group, boronic acid neopentyl glycol ester Group, boronic acid catechol ester group, boronic acid glycerin ester group, boronic acid trimethylolethane ester group, etc .; boronic acid anhydride group; alkali metal salt of boronic acid, alkaline earth metal salt of boronic acid, etc. Is mentioned.
[0022]
In the present invention, the borinic acid group is represented by the following formula (V).
[0023]
Embedded image
[0024]
The boron-containing group that can be converted to a borinic acid group in the presence of water is a boron-containing group that can be converted to a borinic acid group represented by the above formula (V) by hydrolysis in the presence of water. Any one may be used, and as typical examples, a borinic acid ester group represented by the following general formula (VI), a borinic anhydride group represented by the following general formula (VII), and a borin represented by the following general formula (VIII) Acid bases.
[0025]
Embedded image
[0026]
Embedded image
[0027]
Embedded image
[0028]
中 In the above formulas (V to VIII), X is X of the above general formula (II)
And Z represents the same aliphatic hydrocarbon group, alicyclic hydrocarbon group and aromatic hydrocarbon group as those of X described above. X and Z may be bonded. R ↑ 1, R ↑ 2, and R ↑ 3 have the same meanings as R ↑ 1, R ↑ 2, and R ↑ 3 in the general formula (IV). M has the same meaning as M in the general formula (IV). }
[0029]
Specific examples of the borinic acid ester groups represented by the general formulas (V) to (VIII) include X, Z, R ↑ 1, R ↑ 2, and R ↑ 3 each being a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, -A lower hydrocarbon group such as a methylpropyl group, a pentyl group, a hexyl group, and a phenyl group. Representative examples include a methyl borinic acid group, a methyl borinic acid methyl ester group, an ethyl borinic acid group, an ethyl borinic acid methyl ester group, a methyl borinic acid ethyl ester group, a butyl borinic acid methyl ester group, and a 3-methyl borinic acid-2-butyl borinic acid methyl ester group. Can be
Among the above functional groups, a boronic acid ester group such as a boronic acid ethylene glycol ester group is particularly preferred from the viewpoint of compatibility with a vinyl alcohol copolymer such as an ethylene-vinyl alcohol copolymer.
The above-mentioned boron-containing group which can be converted into a boronic acid group or a borinic acid group in the presence of water is defined as a mixture of water or water and an organic solvent (toluene, xylene, acetone, etc.). It can be converted to a boronic acid group or a borinic acid group when hydrolyzed in a liquid or a mixed solution of an aqueous boric acid solution and the above-mentioned organic solvent under the conditions of a reaction time of 10 minutes to 2 hours and a reaction temperature of room temperature to 150 ° C. Means a group.
[0030]
The boron-containing thermoplastic resin obtained by the present invention has high reactivity with a polymer containing a polyvalent hydroxyl group such as an ethylene-vinyl alcohol copolymer and a vinyl alcohol-based polymer. It is useful as a compatibilizer, modifier, adhesive and the like. Further, since a boron-containing group such as a boronic acid group can be easily chemically converted into a functional group such as a hydroxyl group or an amino group, it is also useful as a synthetic intermediate of a polymer having these functional groups. The boron content in the boron-containing thermoplastic resin varies depending on the intended use, but is preferably 0.00001 to 1 milliequivalent / g (meq / g), more preferably 0.0001 to 0.3 meq / g. is there.
[0031]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples, but the present invention is not limited thereto.
The amount of double bonds in the polyolefin was determined by 270 MHz @ 1 H-NMR using heavy para-xylene as a solvent.
The amount of boronic acid groups in the polyolefins of Examples 1 and 2 was determined by 500 MHz @ 1H-NMR using heavy xylene as a solvent.
[0032]
Example 1
It has the following resin feeder (extruder C1 part), liquid feeder 1 (extruder C3 part), liquid feeder 2 (extruder C11 part), vent 1 (extruder C8 part), and vent 2 (extruder C14 part). Ethylene-propylene-ethylidene norbornene copolymer (A) (“Mitsui EPT” (trade name) 3120P manufactured by Mitsui Petrochemical), melt index (MI) 4 g / 10 min (190 ° C., 2160 g load) in a 37φ twin-screw extruder, After supplying a double bond amount of 0.4 meq / g at a rate of 4 kg / hr, the internal pressure of vent 1 and vent 2 was reduced to about 20 mmHg, and then triethylamine borane (B) and borane were fed from liquid feeder 1. A liquid mixture of acid 1,3-butanediol ester (D) in a weight ratio of 29:71 was added at a rate of 0.6 kg / hr. Ethylene glycol (C) was added at a rate of 0.4 kg / hr from Leader 2. Melt index (MI) was 3 g / 10 min (at 190 ° C., 2160 g load), and impurities were 15 ppm in terms of boron. Thus, an ethylene-propylene copolymer having a boronic acid ethylene glycol ester group in a side chain of 0.28 meq / g was obtained.
Extruder: TEM-35B (Toshiba Machine, same-direction twin screw extruder)
D = 37 mm, L / D = 53.8
Liquid feeder position: C3 and C11
Vent position: C6 and C14
Nitrogen replacement: Screw configuration for flowing nitrogen gas at a rate of 1 L / min into the feeder section: Seals are placed at C5, C7 and C10
Screw rotation speed: 150 rpm
[0033]
Comparative Example 1
A test was conducted under the same conditions as in Example 1 except that ethylene glycol was not supplied to the liquid feeder 2, and as a result, the melt index (MI) was 3 g / 10 min (at 190 ° C. and a load of 2160 g). There was obtained 280 ppm of an ethylene-propylene copolymer having a boronic acid 1,3-butanediol ester group in the side chain of 0.28 meq / g in terms of 280 ppm.
[0034]
Example 2
Liquid feeder was added from a resin feeder at a rate of 10 kg / hr of ultra-low density polyethylene {“Exelen” (trade name) manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., EUL430, MI = 4 g / 10 min, double bond amount 0.047 meq / g}. From 1, the same conditions as in Example 1 were added except that a mixed solution of triethylamine borane (B) and 1,3-butanediol borate (D) in a weight ratio of 29:71 was added at a rate of 0.4 kg / hr. As a result, the melt index (MI) was 4 g / 10 min (at 190 ° C. and a load of 2160 g), the impurity was 5 ppm in terms of boron, and the terminal had a boronic acid ethylene glycol ester group of 0.04 meq / g. To obtain an ultra-low density polyethylene.
[0035]
【The invention's effect】
According to the present invention, a boron-containing thermoplastic resin having good compatibility with a polymer having a polyvalent hydroxyl group such as an ethylene-vinyl alcohol copolymer can be easily produced by an extruder.
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7437896A JP3598424B2 (en) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | Method for producing boron-containing resin |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7437896A JP3598424B2 (en) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | Method for producing boron-containing resin |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09263608A JPH09263608A (en) | 1997-10-07 |
JP3598424B2 true JP3598424B2 (en) | 2004-12-08 |
Family
ID=13545456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7437896A Expired - Lifetime JP3598424B2 (en) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | Method for producing boron-containing resin |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3598424B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107531928A (en) * | 2015-04-27 | 2018-01-02 | 陶氏环球技术有限责任公司 | The method of product is made up of polyolefin |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4115620B2 (en) * | 1999-01-06 | 2008-07-09 | 株式会社クラレ | Hydraulic material reinforcing fiber and cured body |
ATE338774T1 (en) * | 2001-02-01 | 2006-09-15 | Kuraray Co Ltd Kurashiki Plant | COMPOSITION CONTAINING BLOCK COPOLYMER AND THERMOPLASTIC RESIN |
JP4533848B2 (en) * | 2001-02-01 | 2010-09-01 | 株式会社クラレ | Block copolymer and thermoplastic resin composition |
-
1996
- 1996-03-28 JP JP7437896A patent/JP3598424B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107531928A (en) * | 2015-04-27 | 2018-01-02 | 陶氏环球技术有限责任公司 | The method of product is made up of polyolefin |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09263608A (en) | 1997-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0616010B1 (en) | Resin composition | |
CN1221001A (en) | Solid block and random elastomeric copolymers | |
JP3598424B2 (en) | Method for producing boron-containing resin | |
US20050215711A1 (en) | Block copolymer and thermoplastic resin composition | |
FR2823755A1 (en) | Production of an ethylene polymer composition comprises producing a blend of high and low molecular weight polymers by sequential polymerization using a solid titanium catalyst | |
EP1824925A1 (en) | Polymer containing polysiloxane processing aid and catalyst neutralizer | |
JP3686106B2 (en) | Method for producing boron-containing thermoplastic resin | |
WO2007052368A1 (en) | Process for production of thermoplastic resin composition | |
JP3884367B2 (en) | Fuel container made of modified ethylene-vinyl alcohol copolymer | |
JPH06340783A (en) | Resin composition | |
CN111690251A (en) | Degradable flame-retardant plastic film and production process thereof | |
JP3751903B2 (en) | Process for producing modified ethylene-vinyl alcohol copolymer | |
JP3103463B2 (en) | Reactive polymer | |
JP3977233B2 (en) | Injection molded product and injection molding method | |
JP3059320B2 (en) | Reactive olefin polymer | |
WO2020204063A1 (en) | Polyamide resin composition comprising specific ionomer | |
JPH06234857A (en) | Production of silicone resin | |
US3580866A (en) | Process for producing high molecular weight polymers of alkylene oxides | |
JPS5891702A (en) | Recovery of rubbery polymer | |
JP3357325B2 (en) | Reactive olefin polymer | |
Toselli et al. | Modification of EVOH copolymers with ϵ‐caprolactone: synthesis and compatibilization effects in PE/PVC blends | |
JP2002308932A (en) | Block copolymer and thermoplastic resin composition | |
JP2006176788A (en) | Block copolymer and thermoplastic resin composition | |
JP4610690B2 (en) | Molded product and method for producing the same | |
JP3529851B2 (en) | Manufacturing method of molded product |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040817 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040824 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040901 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070924 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |