JP3597233B2 - Nasal composition and nasal formulation containing it - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、経鼻組成物及び経鼻製剤に関し、さらに詳しくは、鼻粘膜への刺激性が非常に低く、しかも薬理活性物質の吸収性を高める新規な経鼻組成物及び経鼻製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、親水性が高く、油水分配率の小さい医薬化合物は、消化管から吸収されないか、きわめて吸収され難いことが知られている。生理活性を有するペプチド或いは蛋白は、一般に親水性が高く、油水分配率が小さいばかりでなく、消化管内或いは消化管壁の酵素により分解を受けるため、消化管からの吸収はきわめて困難である。
【0003】
また、消化管から吸収された薬物の多くは、肝臓での初回通過効果を受けるため、これら薬物に十分な薬効を期待するには、これら生理活性を有するペプチド或いは蛋白の投与は注射に限られていた。しかし、注射による投与は専門家に限られる上に、被投与者に苦痛を伴うものであるので、特に頻回投与を必要とする場合には、より簡便で適用し易い製剤が望まれている。
【0004】
そこで、近年、注射に代わる投与法として経鼻投与製剤が注目を集めている。鼻粘膜は、毛細血管が豊富であり、膣粘膜等と比較して薬物の吸収性が良好である上、その毛細血管に直接吸収された薬物は、肝臓での初回通過効果も回避できる等の利点がある。しかし、その生物学的利用率は必ずしも十分とはいい難く、生理活性を有するペプチド又は蛋白の必要投与量は、経鼻投与とはいえ、注射に比べると多く、また鼻粘膜の生理的状態の変動(風邪、アレルギーなど)が薬物の吸収性に影響を及ぼすという難点がある。
【0005】
例えば、特開昭61ー33126号公報ではフシジン酸誘導体を、特開平1ー501550号公報ではリン脂質を、特開昭63ー243033号公報ではアルキルグルコシド類を、特開昭63ー39822号公報ではショ糖脂肪酸エステルを、また特開昭52ー25013号公報では界面活性剤等を用いることにより、経鼻投与後の薬物の吸収率を高めたり、吸収のばらつきを減らすための努力が払われているが、これらの組成物又は吸収促進剤は、鼻粘膜刺激という重大な副作用を併わせもつため、未だ実用化に至ったものはないのが現状である。しかも、従来の経鼻投与製剤に多く使用されている防腐剤や保存剤の一部は界面活性能があるためそれによる局所刺激も問題視されている(J.pharm.pharmacol,1990,42,145〜151)。
【0006】
また特公平3ー38255号公報には、所定粘度のヒドロキシプロピルセルロースを用いることにより、粘膜への滞留性を上昇させ、吸収を増加させることが紹介されているが、その効果は必ずしも十分とはいい難い。このため、より低刺激性で高い薬物吸収性をもつ経鼻組成物及び経鼻製剤が強く望まれている。
【0007】
一方、アルコール類は、例えば特開昭61ー267528号公報、特開平1ー160916号公報、特開昭63ー258821号公報等に記載されているように、経鼻投与用組成物の成分として利用されており、とりわけプロピレングリコールは、刺激性も弱く、経口剤或いは注射剤の基剤としての使用前例もあり、安全性も確認されていることから、添加剤として多く用いられている。しかし上掲特開昭61ー267528号公報及び特開平1ー160916号公報、また特開平1ー501708号公報、特開平1ー501709号公報等の記載によると、その添加は主に防腐剤、浸透圧調整剤、可溶化剤、保湿剤として行われており、これらの場合に用いられる濃度は通常5重量%前後である。
【0008】
このほか、特開昭62ー283927号公報では、プロピレングリコールを基剤として10%程度、特公平4ー38728号公報では溶媒として20%添加しているが、その薬物としてはステロイドに限定されており、その主薬の溶解性上の問題からプロピレングリコール添加量が多くなっているものである。しかし、アルコール類は、以上における何れの処方においても、局所投与製剤用であり、それらにプロピレングリコールの添加による薬物の吸収性に関しては何らの記述もなく、これらに、以降で述べる生理活性ペプチド類、生理活性蛋白類等の粘膜吸収性が粘膜上の分解酵素阻害等の作用により増加することを予想できるものではないし、また鼻粘膜に対する一次刺激性についても一切考察されていない。
【0009】
ただ、わずかに特開平1ー160916号公報では、特定の薬理活性物質であるドーパミン用としてプロピレングリコールを吸収促進剤として例示してはいるが、その添加量はただ主たる薬理活性物質であるドーパミンに対して0.1〜10重量%配合されると記載されているだけで、組成物又は製剤中での添加量について示されているのではなく、またこの点に関する具体例が示されているのでもないから、これによって薬理活性物質に対する本発明に係る効果を容易に類推することは不可能である。
【0010】
他方、経鼻投与組成物以外では、例えば特開昭62ー51617号公報や特開昭62ー51619公報に記載されているように、皮膚角質に保湿性を与え、薬物の皮膚透過性を増加する効果は認められているが、それが薬物吸収のバリアーである角質を有さない鼻粘膜に対しても吸収促進効果を有することを類推することは容易ではなく、またプロピレングリコールを皮膚へ適用した場合には、皮膚一次刺激性の問題等もあり(「皮膚」、第26巻、1119〜1127、昭和59年10月)、粘膜投与時の低刺激性を類推できるものではない。
【0011】
また、プロピレングリコール以外のアルコール類の経鼻組成物への応用例としては、例えば特開昭63ー13965号公報に記載されているとおり、エタノールがあるが、ここでの薬物は麦角アルカロイドに限定されており、しかもこれは超音波エアロゾル装置を用いる場合の使用に限定されている。またそこでは最も好ましい溶剤としてエタノールの含量を10%としているが、このエタノール含量では鼻粘膜への刺激性の問題が残る。さらに、特開昭61ー267528号公報では、ベンジルアルコールとエタノールを吸収促進剤として例示されている。しかし、ここでの薬物は、カルシトニンに限定されている上、エタノールについては、特に好ましい使用割合を1〜10%(w/v)であるとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前述の諸問題点を解決すべく種々の組成物につき鋭意実験、検討を重ねた結果、驚くべきことに、水とアルコール類を薬理活性成分に応じて或る特定の割合で配合することにより、前述の諸欠点を克服しうることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
すなわち、本発明は、これまでの以上の事実ないしは事情に鑑みてなされたものであり、従来の経鼻投与組成物又は経鼻製剤のもつ欠点を解消し、特定の基剤処方をもって低刺激性で、しかも良好な薬物の吸収を実現できる新しい経鼻組成物及びこれを含有又は応用してなる経鼻製剤を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、薬理活性物質と水とアルコール類を含有し、そのアルコール類の含量が組成物全体量の10〜70容量%以上であることを特徴とする経鼻組成物及びこの経鼻組成物を含有する経鼻製剤ないしはこの経鼻組成物を応用してなる経鼻製剤を提供するものである。
【0015】
本発明における、アルコール類としては、アルコール類であれば何れも使用可能であるが、炭素数1〜4の低級アルコール、炭素数2〜5のアルカンジオール又は炭素数3〜6の低級アルカントリオールであるのが望ましい。これらアルコール類としては、具体的には、メタノール、エチルアルコール、nープロピルアルコール、イソプロピルアルコール、nーブチルアルコール、エチレングリコール(1、3ーエタンジオール)、プロピレングリコール(1、2ープロパンジオール、1、3ープロパンジオール)、1、2ーブタンジオール、1、3ーブタンジオール、1、4ーブタンジオール、2、3ーブタンジオール、1、5ーペンタンジオールやグリセリン等を挙げることができる。
【0016】
これらのアルコール類は、単独あるいは2種以上を混合して使用できるが、組成物全体量100容量%に対して10〜70容量%、好ましくは15〜50容量%、さらに好ましくは15〜30容量%配合される。また好ましい配合割合は、使用するアルコールの種類、組合せ等如何により上記配合割合の範囲内で適宜決定される。また、本発明で用いる薬理活性成分の性質(例えば溶解性)等如何により、2種以上のアルコール類を混合して用いる場合には、前述のように、単独では粘膜刺激性等上問題があるエチルアルコール等を必要に応じて適宜混合することも可能である。
【0017】
またその配合割合の上限については、使用するアルコールの種類、組合せ等如何により適宜決定されるが、この場合その効果、コスト、副作用(特に刺激性)等をも考慮して決定する必要があることは云うまでもない。これらの中でもプロピレングリコールは、医薬品添加物としての使用実績がある点等から特に好適である。なおプロピレングリコール(1、2ープロパンジオール)の場合には、その好ましい配合割合は組成物全体量の15〜30容量%であるのが好適である。
【0018】
さらに、本発明で用いる水としては精製水、生理食塩水及びpHの調整等に用いられる緩衝液等の何れであってもよい。これらの水は組成物全体量100容量%に対して1〜90容量%、好ましくは20〜87容量%、さらに好ましくは70〜85容量%の割合で配合される。好ましい配合割合は先に述べたアルコールの種類又はその組合せ等如何により上記配合割合の範囲内で適宜決定される。
【0019】
また、本発明で使用する薬理活性物質としては、鼻粘膜から吸収される薬理活性成分であれば如何なる種類のものも可能であるが、特に肝での初回通過効果の大きい薬物、水溶性が高く経口投与では十分な吸収が得られない薬物、消化管における分解が著しい薬物が好ましく、具体的には生理活性ペプチド、生理活性蛋白、これらの可能な塩及び誘導体、これらの異性体及び光学異性体が使用でき、またこれらの2種以上を混合物として使用することができる。
【0020】
上記薬理活性物質の具体例としてはインスリン、カルシトニン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド、バソプレッシン、デスモプレッシン、プロチレリン(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、黄体形成ホルモン放出因子(LHーRH)、成長ホルモン放出ホルモン(GRH)、神経成長因子(NGF)及びその放出因子、アンギオテンシン(アンジオテンシン)、副甲状腺ホルモン(PTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH、サイロトロピン)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチン、血清性性腺刺激ホルモン、下垂体ホルモン(HCG)、成長ホルモン、ソマトスタチン、ソマトメジン、オキシトシン、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、エンドルフィン、エンケファリン、エンドセリン、コレシストキニン、ニューロテンシン、インターフェロン、インターロイキン、トランスフェリン、エリスロポエチン、スーパーオキサイドデスムターゼ(SOD)、フィルグラスチム(GーCSF)、レニン、バソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド(VIP)、ムラミルジペプチド、コルチコトロピン、ウロガストリン、心房性ナトリウム利尿ペプチド(hーANP)、エストロジェン、プロゲステリン、副腎皮質ステロイドホルモン、等を挙げることができる。
【0021】
このうち、好ましくは、分子量の比較的小さな生理活性ペプチドであるカルシトニン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド(CGRP)、バソプレッシン、デスモプレッシン、プロチレリン(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、黄体形成ホルモン放出因子、成長ホルモン放出ホルモン(GRH)、成長ホルモン、オキシトシン、ムラミルジペプチド、これらの可能な塩及び誘導体、異性体及び光学異性体、並びに、これらの2種以上の混合物を使用することができる。さらに好ましくは、より分子量の小さな生理活性ペプチドであるプロチレリン(TRH)、その可能な塩及び誘導体、異性体及び光学異性体、並びに、これらの2種以上の混合物を使用することができる。
【0022】
本発明に係る経鼻組成物及びこれを含有又は応用してなる経鼻製剤は、水性溶液として、或いは鼻粘膜上での薬物滞留性を向上させるために、増粘剤として水溶性高分子又は両親媒性高分子を添加し、例えば滴下容器、スプレー容器、鼻用エアロゾルアプリケーター等に充填して使用される。その増粘剤或いはゲル化剤としては、例えば公知の高分子化合物である多糖類、ゼラチン、ポリビニルアルコール又びその誘導体、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテルー無水マレイン酸共重合体及びそのアルキルエステル化物、アルコール可溶性ナイロン、ポリビニルピロリドンービニルアセテート共重合体等が用いられるが、上記組成物を溶解するものであれば制限はない。
【0023】
このほか、本発明の経鼻投与組成物は、薬物の化学的性質や製剤化上の必要に応じて、リポソーム、マイクロスフィア、マイクロカプセル、ナノパーティクル等を用いても差し支えない。これらの製剤は、公知の手段に従い、適当な任意の順序で混合、溶解、懸濁、乳化或いは反応させることによって処方し、製造することができる。また何れの経鼻製剤においても、必要に応じて一般に添加剤として経鼻用或いは外用液剤に通常用いられる殺菌剤、防腐剤、乳化剤、可溶化剤、安定化剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤等を所定量、適宜配合することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明がこの実施例により限定されるものではないことは勿論である。
酒石酸プロチレリン(以下、TRHーTと略称する)を薬物のモデルとして用い、ラットを実験動物として、以下の薬物の吸収促進効果、薬物の徐放効果、鼻粘膜刺激性、また、ウサギにより分解酵素阻害性についての評価を行った。
【0025】
《1、薬物の吸収促進効果》
まず、所要頭のラットをウレタン麻酔する一方、試薬を以下の実施例1〜3及び比較例1〜5のとおりに調製し、実施例1〜3及び比較例1〜3の試薬ではラットの右鼻腔内(30μl/頭)に投与し、また比較例4では静脈内に、比較例5では筋肉内に、それぞれ150μlを投与した。次いで投与5、10、30及び60分後に採血を行い、TRHーTの血漿中濃度をHPLCにて測定した。
【0026】
実施例1:TRHーT50mgを、水とプロピレングリコールとを8.9:1.1(容量比)の割合で混合した溶液に溶解し全量を1mlとした。
実施例2:TRHーT50mgを、水とプロピレングリコールとを8:2(容量比)の割合で混合した溶液に溶解し、全量を1mlとした。
実施例3:TRHーT50mgを、水とプロピレングリコールとを7:3(容量比)の割合で混合した溶液に溶解し、全量を1mlとした。
比較例1:TRHーT50mgを水とプロピレングリコールを9.5:0.5(容量比)の割合で混合した溶液に溶解し、全量を1mlとした。
比較例2:TRHーT50mgを、ヒドロキシプロピルセルロース(20度、2%水溶液における粘度が1000〜4000cP)2gを100mlの蒸留水に溶解した水溶液に溶解し、全量を1mlとした。
比較例3:TRHーT50mgを生理食塩水に溶解し、全量を1mlとした。
比較例4:TRHーT10mgを生理食塩水に溶解し、全量を1mlとした。
比較例5:TRHーT10mgを生理食塩水に溶解し、全量を1mlとした。
【0027】
〈結果1〉
以上の結果を表1及び図1に示す。これら図表中、TRHーTの血漿中濃度は「μg/ml」の単位で、またAUCの単位は、「μg・分/ml」である。またn=5、血漿中濃度は「平均値±標準誤差」として示し、静脈内投与の0分後は、各個体で外挿して平均を求めた。またAUCは、各測定時間での平均値を用い、台形法にて算出した。
【0028】
表1及び図1から明らかなとおり、TRHーTの血漿中濃度は、実施例1は、単純組成すなわち生理食塩水である比較例3よりかなり高い。また実施例2及び3では、吸収速度が速くなり、比較例4(静脈内投与)を除く全ての比較例に比べて速い段階で明らかに高濃度となる。またこの結果によると、水にアルコールを添加することにより薬物の粘膜吸収性が上昇することは明かであり、その添加による薬物吸収促進効果はアルコールの添加量に依存していることが分かる。
【0029】
その薬物吸収促進効果は、実施例1すなわちプロピレングリコール11容量%添加でほぼ筋肉内投与と同等の生物学的利用率(AUC)を示し、実施例2すなわち20容量%前後の添加量で吸収促進効果は最大に近づき、実施例3すなわち30容量%まで高い利用率を維持している。またその生物学的利用率は、比較例4すなわち静脈内投与に対して約50%増であり、十分な薬効が得られることが分かる。
【0030】
【表 1】
【0031】
しかも、TRHーTとプロピレングリコールの組合せの場合にはプロピレングリコールを20%以上添加しても効果の増強はみられない。このことから組み合わせる薬物とアルコールの種類によって最大の薬物吸収促進効果を示す最小のアルコール添加量が存在するものと思われる。また、比較例2では薬物の滞留性を上げたことによる徐放効果が認められ、AUCの上昇が認められるが、本発明に認められるような薬物の速やかな吸収は認められず、また生物学的利用率も十分とはいい難い。
【0032】
《2、薬物の徐放効果》
1の実験と同様に所要頭のラットをウレタン麻酔する一方、試薬を実施例4及び比較例6〜7のように調整し、実施例4はラットの右鼻腔内に投与し(20μl/頭)、比較例6では静脈内に、比較例7では皮下に、ともに100μl投与した。次いで投与後3、5、10、15、20、30、45、60、90、120、180分後に採血を行い、TRHの血中濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)で測定した。
実施例4:TRHーT100mgを、水とプロピレングリコールとを8:2(容量比)の割合で混合した溶液に溶解し、全量を1mlとした。
比較例6:TRHーT20mgを生理食塩水に溶解し、全量を1mlとした。
比較例7:TRHーT20mgを生理食塩水に溶解し、全量を1mlとした。
【0033】
〈結果2〉
以上の結果を図2に示す。図中の血中濃度はng/ml(1ミリリットル中のナノグラム)単位であり、n=5の「平均値±標準偏差」として示した。図2から明らかなとおり、TRHの血中濃度は実施例4は比較例6及び7に対し、投与後60分以降高いレベルを維持している。この結果によると、水にアルコールを添加することによる薬物の経粘膜吸収は、結果1に見られるように一過性の薬物の吸収を促進するのみならず、薬物の徐放効果をも併わせ持つことは明らかである。しかもその徐放効果は、比較的徐放効果があるとされている皮下投与に比べても吸収速度に大きな差はなく、しかも血中濃度を維持する時間は長い。
【0034】
《3、鼻粘膜刺激評価》
ウレタン麻酔下のラットに対し下記実施例5、6及び比較例8〜11のとおりに調製した試薬を経鼻投与し(30μl/頭)、2時間後に鼻中隔を摘出した。この摘出は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察用試料作製上の常法により行ったものである。次に上記のとおり摘出した鼻中隔を組織固定し、臨界点乾燥後、金蒸着し、鼻粘膜表面の形態をSEMにて観察した。鼻粘膜表面の損傷の程度は、表2に示したように判定し、その平均値をもってその組成の鼻粘膜刺激指数とした。
【0035】
【表 2】
【0036】
実施例5:水とプロピレングリコールを8.9:1.1(容量比)で混合した溶液。
実施例6:水とプロピレングリコールを8:2(容量比)で混合した溶液。
比較例8:生理食塩水。
比較例9:生理食塩水にポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレンは約9単位、以下「BLー9」と略称する)を0.5%(w/v)の割合で溶解し、全量を1mlとした。
比較例10:経鼻投与用一般市販薬A(全身性)〔スプレキュア、登録商標(ヘキスト社)〕、全身作用性製剤。
比較例11:経鼻投与用一般市販薬B(局所)〔プリビナ、登録商標(チバガイギー社)〕、局所作用性製剤。
【0037】
〈結果3〉
以上の結果を表3に示す。この表3のとおり、例えば、実施例5及び実施例6は、比較例10及び比較例11の市販点鼻剤の刺激と同等かそれ以下の刺激しか示さなかった。この結果から分かるとおり、本発明に係る経鼻組成物では、鼻粘膜刺激性が低いことが明かである。
【0038】
【表 3】
【0039】
《4、分解酵素阻害性評価》
ウサギの鼻粘膜を生理食塩水中でホモジネートし、遠心分離することによって得た上清を酵素液とした。この酵素液を用いて実施例7〜9及び比較例12、13のとおりの試薬を作成し、温度37℃の温水浴中でインキュベートし、薬物残存量をHPLC法によって経時的に測定した。
【0040】
実施例7:TRHーTの20μgを、酵素液1.30mlとプロピレングリコール0.21mlと生理食塩水0.49mlとを混合した溶液(プロピレングリコール含量10%、容量比)に溶解した。
実施例8:TRHーTの20μgを、酵素液1.30mlとプロピレングリコール0.40mlと生理食塩水0.30mlとを混合した溶液(プロピレングリコール含量20%、容量比)に溶解した。
実施例9:TRHーTの20μgを、酵素液1.30mlとプロピレングリコール0.60mlと生理食塩水0.10mlとを混合した溶液(プロピレングリコール含量30%、容量比)に溶解した。
比較例12:TRHーT20μgを、酵素液1.30mlとプロピレングリコール0.10mlと生理食塩水0.60mlで混合した溶液(プロピレングリコール含量5%、容量比)に溶解した。
比較例13:TRHーT20μgを、酵素液1.30mlと生理食塩水0.70mlとを混合した溶液に溶解した。
【0041】
〈結果4〉
以上の結果を図3に示す。図示のとおり、プロピレングリコール含量10%以上で酵素阻害作用が認められ、20%以上ではほぼ完全な酵素阻害作用が認められた。このように、本発明の経鼻組成物には、鼻粘膜におけるペプチドの分解酵素の阻害効果があることは明かであり、このことは本発明の吸収促進効果に寄与する一つのメカニズムが分解酵素阻害であることを示すもので、本発明に係る組成物がペプチドの投与に適したものであることを示すものである。
【0042】
また、結果1と同様にTRHーTとプロピレングリコールを組合せた場合にはプロピレングリコールを20%添加すればその分解酵素阻害効果は最大となる。このことは組み合わせる薬物とアルコールの種類によって分解酵素阻害効果を示す最小のアルコール添加量が存在することを示している。
【0043】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る、水とアルコール類をある特定の割合で配合する組成物、またこれらの組成物に薬理活性物質を配合した経鼻製剤は、良好な薬物の吸収性を有することが明かである。またその吸収促進効果に寄与する作用機序がペプチドの分解酵素阻害作用という点で、従来の経鼻吸収促進組成物(特に界面活性作用のあるもの、比較例9)のように粘膜上皮の構造を部分的に変化あるいは破壊して透過を促進するものとは異なり、組織に対する刺激、毒性が著しく低いことが明かである。
【0044】
そのため、非常に安全性が高く、かつ速やかな薬物吸収とともに長時間薬物血中濃度を維持できることから薬効を十分期待できる経鼻製剤を提供することができる。さらに経鼻製剤は、医者に頼ることなく、患者自身又は介護者でも簡単に投与することが可能であり、単回投与はもとより、頻回投与時にも患者の苦痛及び医師の労力を大幅に減ずることができる。これらの点より本発明は医薬産業上特に有用なものとなる。
【0045】
また、本発明で用いる水とアルコール類は、混合がきわめて容易であり、安定性も優れている。すなわち、従来の経鼻投与吸収促進組成物のような吸収促進剤の混合に伴う可溶化剤の添加、乳化等の必要がない。このことは本発明が生産、管理面においても優れていることを示すものであり、その点で工業面でも有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬物としてTRHーTを用い、ラットを実験動物として実施した場合における、TRHーTの血漿中濃度の経過を示す図。
【図2】薬物としてTRHーTを用い、ラットを実験動物として実施した場合における、TRHの血中濃度の経過を示す図。
【図3】ウサギの鼻粘膜からの酵素液を用いて実施した分解酵素阻害性評価を示す図。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a nasal composition and a nasal formulation, and more particularly, to a novel nasal composition and a nasal formulation having very low irritation to the nasal mucosa and enhancing the absorption of a pharmacologically active substance. It is.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, it has been known that a pharmaceutical compound having a high hydrophilicity and a small oil / water partition ratio is not absorbed or extremely hardly absorbed from the digestive tract. BACKGROUND ART Peptides or proteins having a physiological activity generally have high hydrophilicity and a low oil-water partition ratio, and are also decomposed by enzymes in the digestive tract or on the digestive tract wall, so that absorption from the digestive tract is extremely difficult.
[0003]
In addition, most of the drugs absorbed from the gastrointestinal tract receive the first-pass effect in the liver, so in order to expect sufficient drug efficacy of these drugs, administration of these physiologically active peptides or proteins is limited to injection. I was However, since administration by injection is limited to specialists and involves pain in the recipient, a formulation that is simpler and easier to apply is desired, especially when frequent administration is required. .
[0004]
Thus, in recent years, nasal administration preparations have attracted attention as an alternative to injection. The nasal mucosa is rich in capillaries and has good drug absorption compared to vaginal mucosa, etc.In addition, drugs directly absorbed into the capillaries can avoid the first-pass effect in the liver, etc. There are advantages. However, its bioavailability is not always sufficient, and the required dose of physiologically active peptides or proteins is greater than that of injections, despite nasal administration, and the physiological condition of the nasal mucosa. The disadvantage is that fluctuations (cold, allergy, etc.) affect the absorption of the drug.
[0005]
For example, JP-A-61-33126 discloses a fusidic acid derivative, JP-A-1-501550 describes a phospholipid, JP-A-63-243033 describes an alkyl glucoside, and JP-A-63-39822 describes. Efforts have been made to increase the absorption rate of the drug after intranasal administration and to reduce the variation in absorption by using sucrose fatty acid esters and, in JP-A-52-25013, surfactants and the like. However, these compositions or absorption enhancers have a serious side effect of irritating the nasal mucosa, and at present, none of them has been put to practical use. In addition, some of the preservatives and preservatives, which are often used in conventional nasal administration preparations, have a surfactant property, so that local irritation due to them is also regarded as a problem (J. pharm. Pharmacol, 1990, 42, 145-151).
[0006]
Japanese Patent Publication No. 3-38255 discloses that the use of hydroxypropylcellulose having a predetermined viscosity increases the retentivity to mucous membranes and increases absorption, but the effect is not necessarily sufficient. It's difficult. For this reason, nasal compositions and nasal preparations having lower irritation and higher drug absorption are strongly desired.
[0007]
On the other hand, alcohols are used as a component of a composition for nasal administration as described in, for example, JP-A-61-267528, JP-A-1-160916, JP-A-63-258821. In particular, propylene glycol is widely used as an additive because it is less irritating, has a precedent for use as a base for oral preparations or injections, and has been confirmed to be safe. However, according to the descriptions in JP-A-61-267528, JP-A-1-160916, JP-A-1-501708, and JP-A-1-501709, the addition is mainly based on a preservative, It is used as an osmotic pressure adjusting agent, a solubilizing agent, and a humectant, and the concentration used in these cases is usually about 5% by weight.
[0008]
In addition, Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-283927 discloses that about 10% of propylene glycol is added as a base, and Japanese Patent Publication No. 4-38728 discloses 20% of a solvent. However, the drug is limited to steroids. However, the amount of propylene glycol added is large due to the solubility problem of the main drug. However, alcohols are used for topical administration in any of the above-mentioned formulations, and there is no description about the absorption of a drug by the addition of propylene glycol to them, and these include bioactive peptides described below. It is not expected that the mucosal absorbability of physiologically active proteins and the like will increase due to the action of decomposing enzymes on mucous membranes, and no primary irritation to nasal mucosa has been considered.
[0009]
However, in Japanese Unexamined Patent Publication (Kokai) No. 1-160916, propylene glycol is exemplified as an absorption enhancer for dopamine, which is a specific pharmacologically active substance, but the amount of addition is limited to that of dopamine, which is the main pharmacologically active substance. It is stated that the amount is 0.1 to 10% by weight, but does not indicate the amount added in the composition or the preparation, and a specific example in this regard is shown. However, it is not possible to easily estimate the effect of the present invention on the pharmacologically active substance.
[0010]
On the other hand, other than the composition for nasal administration, as described in, for example, JP-A-62-51617 and JP-A-62-51619, the composition imparts moisturizing properties to the skin keratin and increases the skin permeability of the drug. Although it is recognized that it has an absorption-promoting effect even on nasal mucosa without keratin, which is a barrier to drug absorption, it is not easy to imagine that propylene glycol is applied to the skin. In this case, there is a problem of primary irritation to the skin and the like ("Skin", Vol. 26, 1119 to 1127, October 1984), and it is not possible to analogize the hypoallergenicity at the time of mucosal administration.
[0011]
An example of the application of alcohols other than propylene glycol to a nasal composition is ethanol, as described in JP-A-63-13965, but the drug is limited to ergot alkaloids. And this is limited to use with ultrasonic aerosol devices. In this case, the content of ethanol is set to 10% as the most preferable solvent, but the problem of irritation to the nasal mucosa remains at this ethanol content. Further, JP-A-61-267528 exemplifies benzyl alcohol and ethanol as absorption promoters. However, the drug here is limited to calcitonin, and a particularly preferable use ratio of ethanol is 1 to 10% (w / v).
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventor has conducted intensive experiments and studies on various compositions in order to solve the above-mentioned problems, and as a result, surprisingly, water and alcohols are mixed at a specific ratio depending on the pharmacologically active ingredient. It has been found that the above-mentioned disadvantages can be overcome by blending, and the present invention has been completed.
[0013]
In other words, the present invention has been made in view of the above facts or circumstances, solves the drawbacks of the conventional nasal administration composition or nasal preparation, and has a hypoallergenic property by using a specific base formulation. Another object of the present invention is to provide a new nasal composition capable of realizing good drug absorption and a nasal preparation containing or applying the same.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a nasal composition comprising a pharmacologically active substance, water and an alcohol, wherein the content of the alcohol is 10 to 70% by volume or more of the total amount of the composition, and the nasal composition. And a nasal preparation obtained by applying the nasal composition.
[0015]
In the present invention, any alcohol can be used as the alcohol, provided that it is a lower alcohol having 1 to 4 carbon atoms, an alkanediol having 2 to 5 carbon atoms or a lower alkanetriol having 3 to 6 carbon atoms. It is desirable to have. As these alcohols, specifically, methanol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, ethylene glycol (1,3-ethanediol), propylene glycol (1,2-propanediol, 1, 3-propanediol), 1,2 butanediol, 1,3 butanediol, 1,4 butanediol, 2,3 butanediol, 1,5-pentanediol, glycerin and the like.
[0016]
These alcohols can be used alone or as a mixture of two or more, and are 10 to 70% by volume, preferably 15 to 50% by volume, more preferably 15 to 30% by volume, based on 100% by volume of the total composition. %. Further, the preferable mixing ratio is appropriately determined within the range of the above-described mixing ratio depending on the kind and combination of the alcohol used. Further, when two or more alcohols are mixed and used depending on the properties (for example, solubility) of the pharmacologically active ingredient used in the present invention, there is a problem in terms of mucosal irritation and the like, as described above, when used alone. Ethyl alcohol and the like can be appropriately mixed as needed.
[0017]
The upper limit of the mixing ratio is appropriately determined depending on the type of alcohol used, the combination, and the like. In this case, it is necessary to determine the effect, cost, side effects (particularly irritation) and the like. Needless to say. Among them, propylene glycol is particularly preferable because it has a track record of use as a pharmaceutical additive. In the case of propylene glycol (1,2-propanediol), the preferred blending ratio is preferably 15 to 30% by volume of the total amount of the composition.
[0018]
Further, the water used in the present invention may be any of purified water, physiological saline, and buffers used for adjusting pH and the like. These waters are mixed at a ratio of 1 to 90% by volume, preferably 20 to 87% by volume, more preferably 70 to 85% by volume, based on 100% by volume of the whole composition. The preferable blending ratio is appropriately determined within the above-mentioned blending ratio depending on the kind of the alcohol described above or a combination thereof.
[0019]
Further, as the pharmacologically active substance used in the present invention, any kind of pharmacologically active ingredient that can be absorbed from the nasal mucosa can be used. Drugs that do not provide sufficient absorption by oral administration and drugs that are significantly degraded in the gastrointestinal tract are preferred. Specifically, bioactive peptides, bioactive proteins, their possible salts and derivatives, their isomers and optical isomers Can be used, and two or more of these can be used as a mixture.
[0020]
Specific examples of the pharmacologically active substance include insulin, calcitonin, calcitonin-related gene peptide, vasopressin, desmopressin, protirelin (TRH), adrenocorticotropic hormone (ACTH), luteinizing hormone-releasing factor (LH-RH), and growth hormone release. Hormone (GRH), nerve growth factor (NGF) and its release factor, angiotensin (angiotensin), parathyroid hormone (PTH), thyroid stimulating hormone (TSH, thyrotropin), follicle stimulating hormone (FSH), luteinizing hormone (LH) ), Prolactin, serum gonadotropin, pituitary hormone (HCG), growth hormone, somatostatin, somatomedin, oxytocin, glucagon, gastrin, secretin, endorphin, enkephalin, endothelin Cholecystokinin, neurotensin, interferon, interleukin, transferrin, erythropoietin, superoxide desmutase (SOD), filgrastim (G-CSF), renin, bathoactive intestinal polypeptide (VIP), muramyl Examples include dipeptide, corticotropin, urogastrin, atrial natriuretic peptide (h-ANP), estrogen, progesterin, corticosteroid and the like.
[0021]
Among these, calcitonin, which is a bioactive peptide having a relatively small molecular weight, calcitonin-related gene peptide (CGRP), vasopressin, desmopressin, protirelin (TRH), adrenocorticotropic hormone (ACTH), luteinizing hormone-releasing factor, Growth hormone releasing hormone (GRH), growth hormone, oxytocin, muramyl dipeptide, their possible salts and derivatives, isomers and optical isomers, and mixtures of two or more thereof can be used. More preferably, protirelin (TRH), a bioactive peptide having a smaller molecular weight, its possible salts and derivatives, isomers and optical isomers, and a mixture of two or more thereof can be used.
[0022]
The nasal composition according to the present invention and a nasal preparation containing or applying the same may be a water-soluble polymer or a thickening agent as an aqueous solution or to improve drug retention on the nasal mucosa. An amphiphilic polymer is added, and used after filling into, for example, a dropping container, a spray container, a nasal aerosol applicator, and the like. Examples of the thickener or gelling agent include polysaccharides such as known polymer compounds, gelatin, polyvinyl alcohol or derivatives thereof, carboxyvinyl polymers, polyethylene glycol, polyvinyl methyl ether-maleic anhydride copolymer and alkyls thereof. Esterified products, alcohol-soluble nylons, polyvinylpyrrolidone-vinyl acetate copolymers and the like are used, but there is no limitation as long as the composition can be dissolved.
[0023]
In addition, the composition for nasal administration of the present invention may use liposomes, microspheres, microcapsules, nanoparticles, or the like, depending on the chemical properties of the drug and the necessity for formulation. These preparations can be formulated and manufactured by mixing, dissolving, suspending, emulsifying or reacting in any appropriate order according to known means. Also, in any nasal preparation, a bactericide, a preservative, an emulsifier, a solubilizer, a stabilizing agent, an ultraviolet absorber, an antioxidant generally used as an additive generally in nasal or external solutions as needed. And the like can be appropriately blended in a predetermined amount.
[0024]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described, but it is needless to say that the present invention is not limited to the embodiments.
Using protirelin tartrate (hereinafter abbreviated as TRH-T) as a drug model and using rats as experimental animals, the following drug absorption promoting effect, sustained release effect of drug, nasal mucosal irritation, and degradation enzyme by rabbit The inhibition was evaluated.
[0025]
<< 1, drug absorption promotion effect >>
First, while a required head rat was anesthetized with urethane, reagents were prepared as in the following Examples 1-3 and Comparative Examples 1-5. Intranasal administration (30 μl / head), Comparative Example 4 intravenously, and Comparative Example 5
[0026]
Example 1 TRH-T (50 mg) was dissolved in a solution in which water and propylene glycol were mixed at a ratio of 8.9: 1.1 (volume ratio) to make a total volume of 1 ml.
Example 2: 50 mg of TRH-T was dissolved in a solution obtained by mixing water and propylene glycol at a ratio of 8: 2 (volume ratio) to make a total volume of 1 ml.
Example 3: 50 mg of TRH-T was dissolved in a solution in which water and propylene glycol were mixed at a ratio of 7: 3 (volume ratio) to make a total volume of 1 ml.
Comparative Example 1: 50 mg of TRH-T was dissolved in a solution in which water and propylene glycol were mixed at a ratio of 9.5: 0.5 (volume ratio) to make a total volume of 1 ml.
Comparative Example 2: 50 mg of TRH-T was dissolved in an aqueous solution obtained by dissolving 2 g of hydroxypropylcellulose (20 ° C., viscosity in a 2% aqueous solution of 1,000 to 4000 cP) in 100 ml of distilled water to make the total amount 1 ml.
Comparative Example 3: 50 mg of TRH-T was dissolved in physiological saline to make the total amount 1 ml.
Comparative Example 4: TRH-T (10 mg) was dissolved in physiological saline to make the total amount 1 ml.
Comparative Example 5: 10 mg of TRH-T was dissolved in physiological saline to make the total amount 1 ml.
[0027]
<Result 1>
The above results are shown in Table 1 and FIG. In these tables, the plasma concentration of TRH-T is in the unit of “μg / ml”, and the unit of AUC is in the unit of “μg · min / ml”. In addition, n = 5, and the plasma concentration was shown as “mean ± standard error”, and 0 minutes after intravenous administration, the average was obtained by extrapolation in each individual. AUC was calculated by a trapezoidal method using an average value at each measurement time.
[0028]
As is clear from Table 1 and FIG. 1, the plasma concentration of TRH-T in Example 1 is considerably higher than that in Comparative Example 3, which is a simple composition, ie, physiological saline. Further, in Examples 2 and 3, the absorption rate was increased, and the concentration became clearly higher at a faster stage than in all Comparative Examples except Comparative Example 4 (intravenous administration). According to the results, it is clear that the addition of alcohol to water increases the mucosal absorbability of the drug, and the effect of promoting the drug absorption by the addition depends on the amount of alcohol added.
[0029]
The drug absorption promoting effect of Example 1, ie, addition of 11% by volume of propylene glycol, shows a bioavailability (AUC) almost equivalent to that of intramuscular administration, and Example 2, ie, absorption enhancement of around 20% by volume. The effect approaches the maximum, and the high utilization rate is maintained up to the third embodiment, that is, up to 30% by volume. The bioavailability was about 50% higher than that of Comparative Example 4, that is, intravenous administration, indicating that sufficient drug efficacy was obtained.
[0030]
[Table 1]
[0031]
In addition, in the case of a combination of TRH-T and propylene glycol, the effect is not enhanced even if propylene glycol is added in an amount of 20% or more. This suggests that there is a minimum amount of alcohol that exhibits the maximum effect of promoting drug absorption depending on the type of drug and alcohol to be combined. In Comparative Example 2, a sustained release effect due to an increase in the retention of the drug was observed, and an increase in AUC was observed. However, rapid absorption of the drug as observed in the present invention was not observed, The utilization rate is not enough.
[0032]
<< 2, sustained release effect of drug >>
In the same manner as in the experiment 1, the required head rat was anesthetized with urethane, while the reagents were adjusted as in Example 4 and Comparative Examples 6 to 7, and Example 4 was administered into the right nasal cavity of the rat (20 μl / head). In Comparative Example 6, 100 μl was administered intravenously and in Comparative Example 7 subcutaneously. Then, blood was collected 3, 5, 10, 15, 20, 30, 45, 60, 90, 120, and 180 minutes after administration, and the blood concentration of TRH was measured by radioimmunoassay (RIA).
Example 4: 100 mg of TRH-T was dissolved in a solution in which water and propylene glycol were mixed at a ratio of 8: 2 (volume ratio) to make a total volume of 1 ml.
Comparative Example 6: 20 mg of TRH-T was dissolved in physiological saline to make the total amount 1 ml.
Comparative Example 7: 20 mg of TRH-T was dissolved in physiological saline to make the total amount 1 ml.
[0033]
<Result 2>
The above results are shown in FIG. The blood concentration in the figure is in units of ng / ml (nanogram per milliliter) and is shown as “mean ± standard deviation” for n = 5. As is clear from FIG. 2, the blood concentration of TRH in Example 4 is higher than that in Comparative Examples 6 and 7 after 60 minutes from the administration. According to this result, transmucosal absorption of a drug by adding alcohol to water not only promotes transient drug absorption as shown in result 1, but also has a sustained drug release effect. It is clear to have. Moreover, the sustained-release effect does not differ greatly from the subcutaneous administration, which is considered to have a relatively sustained-release effect, and the time for maintaining the blood concentration is long.
[0034]
<< 3.Evaluation of nasal mucosal irritation >>
Reagents prepared as in Examples 5 and 6 and Comparative Examples 8 to 11 were intranasally administered to rats under urethane anesthesia (30 μl / head), and the nasal septum was removed 2 hours later. This extraction was performed by a conventional method for preparing a sample for observation by a scanning electron microscope (SEM). Next, the nasal septum excised as described above was fixed in tissue, dried at the critical point, gold-deposited, and the morphology of the nasal mucosa surface was observed by SEM. The degree of damage to the surface of the nasal mucosa was determined as shown in Table 2, and the average value was used as the nasal mucosal stimulation index of the composition.
[0035]
[Table 2]
[0036]
Example 5: A solution in which water and propylene glycol were mixed at 8.9: 1.1 (volume ratio).
Example 6: A solution obtained by mixing water and propylene glycol at a ratio of 8: 2 (volume ratio).
Comparative Example 8: saline.
Comparative Example 9: Polyoxyethylene lauryl ether (oxyethylene: about 9 units, hereinafter abbreviated as "BL-9") was dissolved in physiological saline at a ratio of 0.5% (w / v), and the total amount was 1 ml. And
Comparative Example 10: General over-the-counter drug A for nasal administration (systemic) [Supure Cure, registered trademark (Hoechst)], a systemically active preparation.
Comparative Example 11: General over-the-counter drug B for nasal administration (topical) [Privina, registered trademark (Ciba Geigy)], topically active preparation.
[0037]
<Result 3>
Table 3 shows the above results. As shown in Table 3, for example, Examples 5 and 6 showed irritation only equal to or less than the irritation of the commercially available nasal drops of Comparative Examples 10 and 11. As can be seen from the results, it is clear that the nasal composition according to the present invention has low nasal mucosal irritation.
[0038]
[Table 3]
[0039]
<< 4, Degradation enzyme inhibitory evaluation >>
The rabbit nasal mucosa was homogenized in physiological saline, and the supernatant obtained by centrifugation was used as an enzyme solution. Using the enzyme solution, reagents as in Examples 7 to 9 and Comparative Examples 12 and 13 were prepared, incubated in a warm water bath at a temperature of 37 ° C, and the residual amount of the drug was measured over time by the HPLC method.
[0040]
Example 7: 20 μg of TRH-T was dissolved in a solution (propylene glycol content: 10%, volume ratio) obtained by mixing 1.30 ml of the enzyme solution, 0.21 ml of propylene glycol, and 0.49 ml of physiological saline.
Example 8 20 μg of TRH-T was dissolved in a solution (propylene glycol content: 20%, volume ratio) obtained by mixing 1.30 ml of the enzyme solution, 0.40 ml of propylene glycol, and 0.30 ml of physiological saline.
Example 9: 20 μg of TRH-T was dissolved in a solution (propylene glycol content: 30%, volume ratio) obtained by mixing 1.30 ml of the enzyme solution, 0.60 ml of propylene glycol, and 0.10 ml of physiological saline.
Comparative Example 12: 20 μg of TRH-T was dissolved in a solution (
Comparative Example 13: 20 μg of TRH-T was dissolved in a solution obtained by mixing 1.30 ml of an enzyme solution and 0.70 ml of physiological saline.
[0041]
<
The results are shown in FIG. As shown in the figure, an enzyme inhibitory effect was observed at a propylene glycol content of 10% or more, and an almost complete enzyme inhibitory effect was observed at a propylene glycol content of 20% or more. Thus, it is clear that the nasal composition of the present invention has an inhibitory effect on the peptide-degrading enzyme in the nasal mucosa, which means that one of the mechanisms contributing to the absorption-promoting effect of the present invention is degrading enzyme. This indicates that the composition of the present invention is suitable for peptide administration.
[0042]
Further, when TRH-T and propylene glycol are combined in the same manner as in the result 1, if 20% of propylene glycol is added, the inhibitory effect of the degradation enzyme is maximized. This indicates that there is a minimum amount of alcohol that exhibits a degrading enzyme inhibitory effect depending on the type of drug and alcohol to be combined.
[0043]
【The invention's effect】
As described above, the compositions according to the present invention in which water and alcohols are mixed at a specific ratio, and the nasal preparations in which a pharmacologically active substance is mixed with these compositions, have good drug absorbability. Is clear. In addition, in terms of the mechanism of action that contributes to the absorption promoting effect is the inhibitory effect on peptide degrading enzymes, the structure of the mucosal epithelium is similar to that of a conventional nasal absorption promoting composition (particularly, one having a surfactant effect, Comparative Example 9). It is evident that, unlike those that partially permeate or destroy to promote permeation, irritation and toxicity to tissues are extremely low.
[0044]
Therefore, it is possible to provide a nasal preparation having extremely high safety and capable of maintaining a drug blood concentration for a long period of time with rapid drug absorption and sufficiently expecting a drug effect. Further, the nasal preparation can be easily administered by the patient or a caregiver without relying on a doctor, and greatly reduces the pain of the patient and the labor of the doctor not only in a single administration but also in a frequent administration. be able to. From these points, the present invention is particularly useful in the pharmaceutical industry.
[0045]
Further, the water and alcohols used in the present invention are extremely easy to mix and have excellent stability. In other words, there is no need to add a solubilizer, emulsify, or the like accompanying the mixing of an absorption enhancer such as a conventional nasal absorption absorption composition. This indicates that the present invention is also excellent in terms of production and management, and in that respect, it is useful in industry.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the progress of plasma concentration of TRH-T when TRH-T is used as a drug and rats are used as experimental animals.
FIG. 2 is a graph showing the progress of the blood concentration of TRH when TRH-T is used as a drug and rats are used as experimental animals.
FIG. 3 is a graph showing the evaluation of degrading enzyme inhibition performed using an enzyme solution from the nasal mucosa of rabbits.
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