JP3596365B2 - Body frame structure - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両における車体のフレーム構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のフレーム構造としては、例えばセンターピラーのように2つのパネル材(センターピラーではアウタパネルとインナパネル)によりフレーム断面が閉断面状に構成されたものがよく知られており、強度や剛性が特に必要な部分では、上記両パネル材間にレインフォースメントを設けて補強するようにしている。そして、このようなフレーム構造において、強度、剛性、衝撃エネルギー吸収性等のさらなる向上化を図るには、上記パネル材やレインフォースメントの板厚を増加したり新たなレインフォースメントを追加したりするのが一般的である。
【0003】
一方、例えば実開平1−125278号公報に示されているように、閉断面状のフロントピラー根元部における車体外側部のみに発泡ウレタン等の充填材を充填することで、車室内に伝達される振動や騒音を抑えると共に、衝撃エネルギー吸収性を向上させるようにすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、燃費性能を向上させることが要求されており、この要求を満たすためには、車体を軽量にする必要がある。しかし、上述の如く、パネル材やレインフォースメントの板厚を増加する等の方法では、車体を軽量化することはできず、燃費性能と衝突安全性とを共に向上させることは困難である。
【0005】
そこで、上記提案例(実開平1−125278号公報)のように、軽量の発泡ウレタン等からなる充填材をフレーム断面内に設けることで、車体を軽量化しつつ、衝突安全性の向上化を図るようにすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、上記発泡ウレタン等からなる充填材は、衝突荷重の作用に対してある程度以上の高い変形能を有するものであり、このような充填材を使用すると、衝撃荷重が荷重入力点からその周囲のパネル材に分散して伝達され難く、荷重入力点やその近傍でフレームが局部的に大きく変形するため、エネルギー吸収性を十分に向上させることはできないという問題がある。また、軽量化の観点からは、充填材をフレーム断面内全体ではなく、上記提案例のようにフレーム断面内の一部のみに設けることが好ましいが、上記のような高い変形能を有する充填材をフレーム断面内の一部のみに設けるだけでは、振動や騒音の低減には有効であっても、エネルギー吸収性の向上化はより一層難しくなる。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のように充填材を設けた車体のフレーム構造に対して、その充填材の材料特性に工夫を凝らすことによって、充填材の使用量を出来る限り少なくして車体の軽量化を図ると共に、衝突安全性を効果的に向上させようとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、2つのパネル材によりフレーム断面が閉断面状に構成され、該フレーム断面内の一部のみに充填材が設けられた車体のフレーム構造を対象として、上記両パネル材のうち衝撃荷重が入力される側のパネル材とレインフォースメントとの間のみに、充填材が充填され、上記充填材、レインフォースメント及び充填材が充填された側のパネル材は、断面略コ字状をなし、上記充填材が充填された側のパネル材とレインフォースメントとの間の隙間量が、2mm以上に設定され、上記レインフォースメントの強度及び剛性の少なくとも一方が、上記充填材が充填された側のパネル材と同等以上に設定され、上記充填材は、一辺30mmの立方体状の試験片に一方向から10mm/minの速度で圧縮荷重を加えた際における変位量が0〜8mmの範囲での平均荷重により求められる圧縮強度を平均圧縮強度として、該平均圧縮強度が4MPa以上であること、及び、幅50mm、長さ150mm、厚さ10mmの平板状の試験片を80mmの支点間距離で、該支点間の中央を10mm/minの速度で押圧する三点曲げ試験を行った際における最大の曲げ強度を最大曲げ強度として、該最大曲げ強度が10MPa以上であることの少なくとも一方を満たすものであるとした。
【0009】
上記の構成により、衝撃荷重が入力される側のパネル材において衝撃荷重の影響により折れ曲がって断面内側に進入する部分(座屈する部分)に充填材を設けることで、その部分に局所的に加わる力を充填材を介してその周囲に分散させることができ、その部分の折れ曲がりを抑制したり、折れ曲がるようにしながら衝撃エネルギーを効果的に吸収したりすることができる。そして、上記充填材について、平均圧縮強度が4MPa以上であること及び最大曲げ強度が10MPa以上であることの少なくとも一方を満たすようにしたのは、充填材の平均圧縮強度又は最大曲げ強度が大きくなるにつれて、フレームのエネルギー吸収量も増加するが、平均圧縮強度が4MPa以上又は最大曲げ強度が10MPa以上になるとエネルギー吸収量の増加度合いが飽和するからである。つまり、平均圧縮強度が4MPa以上であれば、フレームが局部的に変形して断面の潰れが生じることを最大限に抑制することができ、最大曲げ強度が10MPa以上であれば、フレームが局部的に大きく変形した場合でも、充填材の割れを抑制してフレームが脆性的に折損することを最大限に防止することができる。この結果、この特性を満たす充填材を用いれば、最大値に近いエネルギー吸収量が得られ、充填材がフレーム断面内の一部にしかなくても、衝突安全性を向上させることができる。しかも、レインフォースメントと充填材との相乗効果によりエネルギー吸収量を格段に高めることができる。この結果、レインフォースメントを有するフレーム構造に対してパネル材やレインフォースメントの板厚を増加したり新たなレインフォースメントを追加したりしなくても、軽量の充填材(特にエポキシ樹脂からなる発泡充填材)を充填するだけで、燃費性能と衝突安全性とを共に向上させることができる。そして、レインフォースメントの強度及び剛性の少なくとも一方を、充填材が充填された側のパネル材と同等以上に設定することで、パネル材の断面内側への進入をより一層確実に抑制することができる。すなわち、充填材が充填された側のパネル材が折れ曲がって断面内側に進入しようとしても、その進入は充填材により阻止され、パネル材(延いてはフレーム)の折れ曲がりを抑制することができるが、このとき、レインフォースメントの強度(引張強さ、耐力)及び剛性の両方が上記パネル材よりも小さいと、レインフォースメントが局所的に座屈変形して該パネル材が充填材と共に断面内側に進入し易くなるが、この発明では、そのようなことはない。また、充填材、レインフォースメント及び充填材が充填された側のパネル材を、断面略コ字状とすることで、フレームの強度、剛性、衝撃エネルギー吸収性等を最大限に高めることができる。そして、パネル材とレインフォースメントとの間の隙間量は、2mmよりも小さいと、充填材を充填する効果が低くて充填材を充填しない場合と殆ど変わらないので、2mm以上に設定している。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、充填材は、平均圧縮強度が5MPa以上であること及び最大曲げ強度が60MPa以上であることの少なくとも一方を満たすものであるとする。このことにより、最大値に近いエネルギー吸収量がより安定的に得られ、請求項1の発明と同様の作用効果をより安定して得ることができる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、充填材が充填された側のパネル材と該充填材との間の少なくとも一部に、接着剤層が設けられているものとする。
【0012】
こうすることで、パネル材に局所的に加わる力を充填材を介してその周囲に確実に分散させることができ、簡単な構成でフレームの剛性やエネルギー吸収能力を高めることができる。特に、フレームに曲げモーメントが作用する場合に、接着剤層によりフレームが負担し得る最大曲げモーメント値を高めることができる。
【0013】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、接着剤層は、3MPa以上の引張せん断接着強さを有しているものとする。
【0014】
すなわち、接着剤層の引張せん断接着強さが大きくなるにつれてフレームが負担し得る最大曲げモーメント値が増加するが、その引張せん断接着強さが3MPa以上になると上記最大曲げモーメント値の増加度合いがそれまでに比べて緩やかになる。したがって、接着剤層の引張せん断接着強さが3MPa以上であれば、フレームが負担し得る最大曲げモーメント値をかなり効果的に増大させることができる。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1又は2の発明において、充填材自体が、該充填材が充填された側のパネル材に対して3MPa以上の引張せん断接着強さを有しているものとする。
【0016】
この発明により、接着剤層を設けなくても充填材自体で、剛性やエネルギー吸収能力を高めることができると共に、フレームが負担し得る最大曲げモーメント値をかなり効果的に増大させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るフレーム構造が適用されたセンターピラー2(フレーム)を備えた自動車車体1の全体構成を示す。このセンターピラー2は、車体1の左右両側部の前後方向略中央部において略上下方向に延び、その上端部は、車室ルーフ部の左右両側部において前後方向に延びるルーフサイドレール3に接合され、下端部は、車室フロア部の左右両側部において前後方向に延びるサイドシル4に接合されている。そして、上記センターピラー2のベルトライン部ないしその近傍には、後述の如く充填材11(図2及び図3参照)が設けられており、側突時に衝撃荷重Asが入力されても、ベルトライン部が折れて車室側に進入するのを抑制するようにしている。尚、図1中、5はフロントピラーであり、6はリヤピラーである。
【0018】
上記センターピラー2は、図2及び図3に示すように、車体外側に位置する鋼板等からなるアウタパネル12と、車体内側に位置する鋼板等からなるインナパネル13と、該アウタパネル12とインナパネル13との間でかつセンターピラー2断面(フレーム断面)内に設けられた鋼板等からなるレインフォースメント14とを備えている。このアウタパネル12、インナパネル13及びレインフォースメント14は、各々、その左右両側部(車体1前後両側部)にフランジ部12a,12a、13a,13a、14a,14aを有していて、該各フランジ部12a,13a,14a同士がスポット溶接により接合されることで互いに一体化されている。すなわち、上記アウタパネル12とインナパネル13とは、センターピラー2断面を閉断面状に構成するパネル材であって、センターピラー2断面外側縁部を構成しており、アウタパネル12とレインフォースメント14とによりセンターピラー2断面の車体外側部が閉断面状に構成され、インナパネル13とレインフォースメント14とによりセンターピラー2断面の車体内側部が閉断面状に構成されている。そして、アウタパネル12及びレインフォースメント14は共に断面略コ字状をなし、その両者間の空間も断面略コ字状をなしている。
【0019】
上記センターピラー2のベルトライン部ないしその近傍においてアウタパネル12とレインフォースメント14との間の空間には、例えばエポキシ樹脂からなる充填材11が発泡充填されている。つまり、この充填材11は、センターピラー2断面内全体ではなく、その断面において上記衝撃荷重Asが入力される側、又はその衝撃荷重Asに起因してセンターピラー2に作用する曲げモーメントにより圧縮応力が発生する側(センターピラー2の中立軸よりも車体外側)のみに充填されていて、断面略コ字状をなしている。上記充填材11の平均圧縮強度は4MPa以上(好ましくは5MPa以上)に設定されていると共に、最大曲げ強度は10MPa以上(好ましくは60MPa以上)に設定されている。これは、平均圧縮強度が4MPa以上であれば、センターピラー2に上記衝撃荷重Asが入力されてもセンターピラー2のベルトライン部が局部的に変形して断面の潰れが生じることを最大限に抑制することができ、最大曲げ強度が10MPa以上であれば、たとえセンターピラー2が局部的に大きく変形した場合でも、充填材11の割れを抑制してセンターピラー2が脆性的に折損することを最大限に防止することができるからであり、平均圧縮強度を5MPa以上としかつ最大曲げ強度を60MPa以上とすればその効果がより安定的に得られるからである。尚、上記平均圧縮強度は、充填材11を一辺30mmの立方体に加工したものに対して一方向から10mm/minの速度で圧縮荷重を加えたときにおいて変位量(圧縮量)が0〜8mmの範囲での平均強度をいう(図38参照)。また、上記最大曲げ強度は、幅50mm、長さ150mm、厚さ10mmの平板状の試験片を80mmの支点間距離で、該支点間の中央を10mm/minの速度で押圧する三点曲げ試験を行った際における最大の曲げ強度をいう。
【0020】
次に、上記センターピラー2を組み立てる方法を説明する。先ず、図4(a)に示すように、レインフォースメント14のアウタパネル12側面の所定部分にシート状に加工した未発泡状態の充填材10を貼り付けてセットする。
【0021】
その後、図4(b)に示すように、上記充填材10を貼り付けたレインフォースメント14をアウタパネル12にセットし、両者のフランジ部12a,14a同士をスポット溶接により接合する。そして、図4(c)に示すように、上記レインフォースメント14に対してインナパネル13をセットして該インナパネル13のフランジ部13aをレインフォースメント14のフランジ部14aにスポット溶接により接合することで、センターピラー2の組立てが完了する。
【0022】
次いで、車体1全体の組立てを完成させた後、その車体1を電着液に浸漬させて電着塗装を行い、その後に180℃雰囲気中に35分間投入してその電着塗装の乾燥を行う(センターピラー2の最低温度は150℃程度になる)。そして、車体シーラを塗布し、140℃雰囲気中に20分間投入してその車体シーラを乾燥させ(センターピラー2の温度は100℃程度)、続いて、中塗塗装を行い、140℃雰囲気中に40分間投入してその中塗塗装の乾燥を行い(センターピラー2は140℃で20分間加熱されたことになる)、次いで、上塗塗装を行い、140℃雰囲気中に40分間投入してその上塗塗装の乾燥を行う(センターピラー2は140℃で20分間加熱されたことになる)。この電着塗装等の乾燥時に、上記充填材10をその乾燥熱により加熱することで、アウタパネル12とレインフォースメント14との間に完全に発泡充填させる。このように未発泡状態の充填材10を電着塗装等の乾燥熱により発泡硬化させるので、発泡工程を別途に設ける必要がなく、生産性を高めることができる。尚、電着塗装の乾燥工程で上記充填材10の発泡が完了すると共に半分程度が硬化し、中塗塗装及び上塗塗装の乾燥工程で残りが硬化する(車体シーラの乾燥工程では、センターピラー2の温度が低過ぎて充填材10は殆ど硬化しない)。
【0023】
上記車体1に対して側突がなされた場合、衝撃荷重Asによりセンターピラー2におけるアウタパネル12のベルトライン部には、折れ曲がって(座屈して)断面内側に進入しようとする大きな力が局所的に作用することがある。しかし、この実施形態1では、そのような力がアウタパネル12に作用したとしても、その力を充填材11を介して周囲に分散させることができ、しかも、その充填材11の平均圧縮強度が4MPa以上に設定され、最大曲げ強度が10MPa以上に設定されているので、最大値に近いエネルギー吸収量が得られ、センターピラー2の折れ曲がりを最大限に抑制することができる。一方、充填材11は、センターピラー2断面内全体ではなく、アウタパネル12とレインフォースメント14との間にしか設けられていないが、座屈開始の曲げモーメントは、センターピラー2断面内全体に設ける場合と殆ど変わらないので、少ない充填量で効果的に衝撃エネルギーを吸収することができる。しかも、充填材11は発泡材であるので、車体を軽量化することができる。よって、燃費性能を向上させながら、衝突安全性を向上させることができる。
【0024】
ここで、上記実施形態1においては、上記レインフォースメント14の強度(引張強さ、耐力)及び剛性の少なくとも一方は、アウタパネル12と同等以上に設定することが望ましい。つまり、レインフォースメント14の強度及び剛性の両方がアウタパネル12よりも小さいと、アウタパネル12のベルトライン部が折れ曲がって断面内側に進入しようとするときに、レインフォースメント14が局所的に座屈変形してアウタパネル12が充填材11と共に断面内側に進入してしまうが、このようにレインフォースメント14の強度及び剛性の少なくとも一方がアウタパネル12と同等以上であれば、アウタパネル12の断面内側への進入(折れ曲がり)をより一層確実に抑制することができる。
【0025】
また、上記充填材11充填部分におけるアウタパネル12とレインフォースメント14との間の隙間量は2mm以上(好ましくは3mm以上)に設定することが望ましい。これは、充填材11を充填しない場合には上記隙間量は小さいほどセンターピラー2が負担し得る最大曲げモーメント値は大きくなるが、充填材11を充填する場合に上記隙間量が2mmよりも小さいと、充填材11の充填効果が低くて充填材11を充填しない場合と殆ど変わらなくなるからである。一方、上記隙間量は、20mmよりも大きいと、軽量化効果が小さくなると共に、コスト面で不利になるので、20mm以下に設定することが望ましい。
【0026】
さらに、上記アウタパネル12と充填材11との間の少なくとも一部には、3MPa以上の引張せん断接着強さを有する接着剤層(車体シーラ等)を設けることが望ましい。これは、アウタパネル12に局所的に加わる力を充填材11を介してその周囲に確実に分散させることができると共に、接着剤層によりセンターピラー2が負担し得る最大曲げモーメント値を効果的に高めることができ、また、上述の如くレインフォースメント14の強度及び剛性の少なくとも一方をアウタパネル12と同等以上にした場合には、アウタパネル12が断面内側に進入することも断面外側に張り出すこともできず、アウタパネル12の折れ曲がりを有効に防止することができるからである。そして、接着剤層を設ける代わりに、充填材11自体が、アウタパネル12に対して3MPa以上の引張せん断接着強さを有するようにしてもよく、こうすれば、接着剤層を別途に設けなくても済み、容易に上記効果が得られる。尚、アウタパネル12と充填材11との間だけでなく、インナパネル13と充填材11との間の少なくとも一部にも接着剤層を設けるようにしてもよい。
【0027】
加えて、上記充填材11は、センターピラー2長手方向において、センターピラー2の荷重支持点間(ルーフサイドレール3に接合された上端部とサイドシル4に接合された下端部との間)の長さに対して15%以上の長さの範囲に充填されていることが望ましい。すなわち、充填材11の充填範囲が大きくなるにつれてエネルギー吸収量は増大するが、荷重支持点間の長さに対して15%で略飽和する。したがって、15%以上の長さの範囲に充填すれば、略最大値に近いエネルギー吸収量が得られる。
【0028】
尚、上記実施形態1では、充填材11は、平均圧縮強度が4MPa以上(好ましくは5MPa以上)でかつ最大曲げ強度が10MPa以上(好ましくは60MPa以上)に設定されたものとしたが、平均圧縮強度が4MPa以上(好ましくは5MPa以上)又は最大曲げ強度が10MPa以上(好ましくは60MPa以上)に設定されたものとしてもよい。このようにしても衝突安全性を十分に向上させることができる。そして、アウタパネル12とレインフォースメント14との間に充填された充填材11を、アウタパネル12側(衝突荷重入力側)とレインフォースメント14側(反衝突荷重入力側)との2層で構成し、そのアウタパネル12側には平均圧縮強度が4MPa以上(好ましくは5MPa以上)のものを配置し、レインフォースメント14側には最大曲げ強度が10MPa以上(好ましくは60MPa以上)のものを配置するようにしてもよい。こうすれば、アウタパネル12側に直接的に作用する圧縮荷重と、レインフォースメント14側に作用する曲げ荷重とを各層の充填材11によりそれぞれ有効に負担することができ、その各充填材11に対して最も効果的な特性を付与して、効率的な補強を行うことができる。また、充填材11は、必ずしも発泡材である必要はない。
【0029】
さらに、上記実施形態1では、アウタパネル12とインナパネル13との間にレインフォースメント14を設けたが、このレインフォースメント14がなくて充填材11をセンターピラー2断面内の一部のみに設ける場合には、その充填材11をアウタパネル12のセンターピラー2断面内側面に設けるようにすればよい。この場合、充填材11の発泡充填空間を形成するためにアウタパネル12のセンターピラー2断面内側面に、補強効果のない単なる仕切部材を設けてもよく、充填材11が発泡材でない場合には、接着剤層を介して貼り付ける等すればよい。また、この充填材11は断面コ字状である必要はないが、充填量を少なくしつつ補強効果を高めるには、アウタパネル12も含めて断面コ字状であることが望ましい(上記実施形態1も同様)。
【0030】
さらにまた、図5及び図6に示すように、センターピラー2断面内において上部にアッパーレインフォースメント15を、下部にロアレインフォースメント16をそれぞれ設け、この両レインフォースメント15,16(アウタパネル12のフランジ部12a,12aやインナパネル13のフランジ部13a,13aに接合するためのフランジ部15a,15a、16a,16aを左右両側部に有している)がベルトライン部ないしその近傍で重複する(アッパーレインフォースメント15がロアレインフォースメント16よりも所定間隔をあけて車体外側に位置する)ようにした場合には、アウタパネル12とアッパーレインフォースメント15との間、及びアッパーレインフォースメント15とロアレインフォースメント16との間に充填材11をそれぞれ充填するようにしてもよい。また、この場合でも、充填材11をアウタパネル12とアッパーレインフォースメント15との間のみに充填するだけでもよく、要は充填材11をアウタパネル12と両レインフォースメント15,16のいずれかとの間に充填すればよい。
【0031】
加えて、上記実施形態1では、本発明のフレーム構造をセンターピラー2に適用したが、センターピラー2以外のピラー部材(上記フロントピラー5やリヤピラー6)にも適用することができる。また、その他にも、車体1の左右両側において前後方向に延びるフレーム部材(フロントサイドフレーム、リヤサイドフレーム、上記ルーフサイドレール3、サイドシル4等)、この左右のフレーム部材を連結する連結部材(クロスメンバ等)、ドア本体部の補強部材(インパクトバー等)、バンパの補強部材(バンパレインフォースメント等)等においてフレーム断面の一部のみに上記充填材11を設けるようにすることができ、その充填材11を、これら各部材のフレーム断面を構成する2つのパネル材のいずれか一方若しくは両方のフレーム断面内側面に設けるか、又は、両パネル材間にレインフォースメントが設けられている場合には、両パネル材の一方とレインフォースメントとの間のみに設ければよい。例えば、図7に示すように、上側及び下側パネル材22,23により断面が閉断面状に構成されたフロントサイドフレーム21の場合は、その屈曲部において下側パネル材23のフレーム断面内側面に充填材11を設ければよい。このようにすれば、前突時の衝撃荷重Af(図1参照)によりフロントサイドフレーム21の前部が潰れて、最終的に上記屈曲部で折れ曲がることにより上記前部が上方に移動するが、この折れ曲がり時に充填材11により衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる。つまり、この場合、充填材11は、衝撃荷重Afに起因してフロントサイドフレームに作用する曲げモーメントにより引張応力が発生する側に設けるのがよい。一方、図8に示すように、上側及び下側パネル材26,27により断面が閉断面状に構成されたリヤサイドフレーム25の場合は、後突時の衝撃荷重Arによりリヤサイドフレーム25の後部が、屈曲部での折れ曲がりにより上方に移動するのを抑制する必要があるため、その屈曲部において上側パネル材26のフレーム断面内側面に設ければよい。
【0032】
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図2及び図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、レインフォースメント14の少なくとも充填材11充填部分にセンターピラー2長手方向に略沿った断面略矩形状の複数のビード14b,14b,…を形成した点が上記実施形態1と異なる。
【0033】
すなわち、この実施形態2では、アウタパネル12とレインフォースメント14との間の空間(充填材11の発泡充填空間)は上記各ビード14bの分だけ大きくなり、そのビード14b内を含む発泡充填空間に、上記充填材11が発泡充填されている。
【0034】
このセンターピラー2を組み立てる方法は、基本的には上記実施形態1と同様であるが、未発泡状態の充填材10をレインフォースメント14にセットする方法が異なる。つまり、図10に示すように、充填材10の各ビード14bに対応する部分を該各ビード14b内の深さ方向中間部まで押し込むことで充填材10をセットする。このようにすれば、充填材10をレインフォースメント14に確実に保持することができ、充填材10が発泡するまでの間にずれたり脱落したりするのを防止することができる。また、上記各ビード14bの底部には隙間が形成されているため、電着塗装を行うときにこの隙間が電着液の通路となり、電着液の付き回り性や排出性を良好にして、液溜りが生じるのを防止することができる。この結果、液溜りによるむらに起因する電着層の剥離を防止することができ、耐食性の低下を抑えることができる。そして、上記充填材10を電着塗装等の乾燥熱により発泡硬化させて、上記各ビード14b内を含めてアウタパネル12とレインフォースメント14との間に、発泡後の充填材11が完全に充填された状態にする。
【0035】
したがって、上記実施形態2では、レインフォースメント14にセンターピラー2長手方向に略沿った複数のビード14b,14b,…が形成されているので、未発泡状態の充填材10の保持と電着塗装とを良好に行え、しかも、レインフォースメント14の剛性を向上させることができ、上記実施形態1で説明したように、アウタパネル12と同等以上の剛性が容易に得られ、アウタパネル12のベルトライン部の断面内側への進入を有効に抑制することができる。
【0036】
尚、上記実施形態2では、断面略矩形状の複数のビード14b,14b,…を形成したが、例えば図11に示すように、各ビード14bを断面略三角形状に形成してもよく、図12に示すように、1つのビード14bを形成するだけでもよい。
【0037】
また、上記実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、センターピラー2以外のピラー部材やフレーム部材等のフレームに適用することができ、その各フレームにおいてフレーム断面の少なくとも一部を閉断面状に形成しかつ内部に発泡充填空間を形成する複数の閉断面部材の少なくとも1つにビードを形成しおき、そのビードを形成した1つの閉断面部材に未発泡状態の充填材10をセットするようにすればよい。
【0038】
(実施形態3)
図13は本発明の実施形態3を示し、アウタパネル12とレインフォースメント14との間の空間を上下方向に画成する上側及び下側画成部材31,32を設け、この上側及び下側画成部材31,32間におけるアウタパネル12とレインフォースメント14と間に、充填材11の発泡充填空間を形成するようにしたものである。
【0039】
すなわち、この実施形態3では、上記上側及び下側画成部材31,32は共に、レインフォースメント14にプレスによりアウタパネル12側に突出するように一体形成されていて、その各先端部には、上記発泡充填空間の上下方向外側の空間と連通しかつ少なくとも一部に上記充填材11が発泡充填された開放部31a,32aを有している。また、上記下側画成部材32は、レインフォースメント14からアウタパネル12側に突出していることで、図14に示すように、充填材10をレインフォースメント14にセットしたときに充填材10を上下方向に保持し得るように構成されている。
【0040】
したがって、上記実施形態3では、レインフォースメント14において一体形成した下側画成部材32の上側位置に、未発泡状態の充填材10を下側画成部材32により上下方向に保持した状態でセットしてセンターピラー2を組み立てれば、上記実施形態2と同様に、電着塗装時等において充填材10が発泡充填空間から下側に脱落するのを防止することができる。そして、充填材10は、上側及び下側画成部材31,32の各開放部31a,32aの抵抗が大きいので、発泡時において最初に発泡充填空間に発泡充填され、その後に余った残り分が各開放部31a,32aの少なくとも一部に発泡充填される。この結果、各開放部31a,32aの上下方向長さや隙間量を調整することで、充填材10のセット量がばらついても発泡充填空間における充填材11の発泡率ばらつきを低減させることができる。しかも、充填材10の上下両端部が発泡時に各開放部31a,32aにより拘束されるので、充填材10の上下両端部が上記実施形態1,2のようにフリー状態で発泡するのとは異なり、発泡後にその上下両端部に割れが生じるのを防止することができる。よって、上側及び下側画成部材31,32を設けるだけで、未発泡状態の充填材10の保持を行うことができると共に、均一に発泡充填させることができ、しかも、充填材11の上下両端部の割れによる衝撃エネルギー吸収性能等の低下を防止することができる。
【0041】
また、上側及び下側画成部材31,32は共にレインフォースメント14に一体形成されているので、別途に新たな部材を設けることなく簡単な構成で上側及び下側画成部材31,32を設けることができる。
【0042】
ここで、上記実施形態3においては、上側及び下側画成部材31,32の各開放部31a,32aにおける隙間量(アウタパネル12と上側及び下側画成部材31,32の各先端部との間の距離)を、充填材11充填部分におけるアウタパネル12とレインフォースメント14との間の隙間量よりも小さくかつ5mm以下であることが望ましい。これは、上記各開放部31a,32aにおける隙間量が5mmよりも大きいと、充填材11の発泡率ばらつきの低減効果とその上下両端部の割れ抑制の効果とが十分に得られなくなるからである。
【0043】
尚、上記実施形態3では、上側及び下側画成部材31,32をレインフォースメント14に一体形成したが、別部材で形成するようにしてもよい。例えば図15に示すように、鋼板等からなる上側及び下側画成部材31,32をレインフォースメント14に溶接して接合するようにしてもよい。また、板状の樹脂からなる上側及び下側画成部材31,32を、レインフォースメント14に接着するようにしてもよく、図16に示すように、板状の樹脂からなる上側及び下側画成部材31,32のレインフォースメント14側面に凸部31b,32bを形成しておき、その各凸部31b,32bをレインフォースメント14に設けた嵌合孔14c,14cにそれぞれ嵌め込むようにしてもよい。
【0044】
さらに、図17及び図18に示すように、上側及び下側画成部材31,32を共に、板厚がかなり小さい1つの鋼板等をプレス成形することにより、レインフォースメントに取付固定された固定部31c,32cと、該固定部31c,32cの一端部に接続されかつ該接続部からアウタパネル12側に向かって斜めに(上側画成部材31は上側に、下側画成部材32は下側に)延びる片持ちはり状の可撓部31d,32d(先端部に開放部31a,32aを有する)とで構成し、上記可撓部31d,32dの弾性復元力を調整することで、充填材10が発泡するときにその上下両端部の拘束を行って割れを抑制したり、発泡率ばらつきを低減したりすることができる。
【0045】
また、図19に示すように、図17及び図18のものよりも板厚を大きくして撓み難くすると共に、可撓部31d,32dの先端部を、上側画成部材31は上側に、下側画成部材32は下側にそれぞれ折り曲げることでアウタパネル12と略平行にしてこの略平行部分に開放部31a,32aを形成し、上記実施形態3のようにこの各開放部31a,32aの上下方向長さや隙間量を調整すれば、発泡率ばらつきを低減したり、割れの発生を抑制したりすることができる。
【0046】
さらにまた、上側及び下側画成部材31,32の各開放部31a,32aは、該上側及び下側画成部材31,32を貫通する孔状のものであってもよい。
【0047】
また、上記実施形態3においては、ピラー部材のように略上下方向に延びるフレームに適用することができ、その各フレームにおいてフレーム断面の少なくとも一部を閉断面状に形成しかつ内部に発泡充填空間を形成する複数の閉断面部材の少なくとも1つに上側及び下側画成部材31,32を設けておき、その閉断面部材における下側画成部材32の上側位置に、未発泡状態の充填材10を下側画成部材32により上下方向に保持した状態でセットするようにすればよい。
【0048】
(実施形態4)
図20は本発明の実施形態4を示し、上記実施形態1〜3における充填材11(以下、この実施形態4では、第1の充填材11という)に加えてさらに第2の充填材36を発泡充填するようにしたものである。
【0049】
すなわち、この実施形態4では、第1の充填材11のセンターピラー2長手方向(上下方向)両端側におけるアウタパネル12とレインフォースメント14との間に、第2の充填材36,36が該第1の充填材11の上下両端部に当接するように充填されている。この各第2の充填材36は、上記第1の充填材11よりも高発泡率のものであって、例えば発泡ウレタン樹脂やゴム系の発泡材からなっている。
【0050】
そして、上記センターピラー2を組み立てるには、先ず、図21に示すように、レインフォースメント14に、未発泡状態の第1の充填材10をセットすると共に、この第1の充填材10の上下方向両端側に、シート状に加工した未発泡状態の第2の充填材35,35をセットする。このとき、これら第1及び第2の充填材10,35は、発泡充填後において第1の充填材11の上下両端部が該第1の充填材11の充填必要範囲よりも外側に位置しかつ両充填材11,36の端部同士が当接するような位置にセットする。次いで、センターピラー2を組み立てて、電着塗装等の乾燥熱により上記両充填材10,35を発泡充填させれば上記構造が得られる。
【0051】
したがって、上記実施形態4では、第1の充填材11の上下方向両端部に割れが生じても、高発泡して割れが生じ難い第2の充填材36によりその割れ部からのクラックの進行等を防止することができ、第1の充填材11の衝撃エネルギー吸収性能等の低下を防止することができる。この結果、上記実施形態3のように上側及び下側画成部材31,32を設けなくても済み、第1の充填材10の上下両端部をフリー状態で発泡させて発泡率ばらつきの低減化を図ることができると共に、充填位置の変更等にも柔軟に対応することができる。
【0052】
尚、上記実施形態4では、未発泡状態の第1及び第2の充填材10,35を略同時に発泡させたが、第1の充填材11を発泡充填させた後に、図22に示すように、この発泡充填させた第1の充填材11の上下方向両端側に充填用ガン37,37を用いて第2の充填材36,36(例えば二液性の常温硬化タイプのもの)を発泡充填させるようにしてもよい。このようにすれば、第1の充填材11は、その発泡時に第2の充填材36の影響を受けることはないので、完全にフリー状態で発泡させることができ、発泡率ばらつきをより一層低減させることができる。
【0053】
また、図23に示すように、レインフォースメント14の第1の充填材11充填部分に開口部14d(例えば、未発泡状態の第1の充填材11をセットしたか否かを確認するためのものやセット時の位置合わせ用に設けたもの等(後述の実施形態5参照))が形成されている場合にはその開口部14dから第1の充填材11が漏れ出すが、この漏れ出した部分にも割れが生じるため、インナパネル13とレインフォースメント14との間における上記開口部14dに対応する部分にも第2の充填材36を発泡充填させるようにすることが望ましい。この場合、図24に示すように、未発泡状態の第2の充填材35はインナパネル13の上記開口部14dに対向する部分にセットすればよい。
【0054】
さらに、上記実施形態4においても、上記実施形態1と同様に、センターピラー2以外のピラー部材やフレーム部材等のフレームに適用することができ、その各フレームにおいてフレーム断面の少なくとも一部を閉断面状に形成する複数の閉断面部材の1つに、未発泡状態の第1及び第2の充填材10,35をセットする(上述の如く第1の充填材11の発泡充填後に第2の充填材36を発泡充填する場合には、第1の充填材10のみをセットする)ようにすればよい。
【0055】
(実施形態5)
図25〜図28は本発明の実施形態5を示し、センターピラー2長手方向において充填材11(図25及び図26では未発泡状態の充填材10を示す)が設けられていない部分におけるセンターピラー2断面内に、共に鋼板等からなる断面略コ字状の上側部分補強材41と下側部分補強材42とを設けるようにしたものである。
【0056】
すなわち、この実施形態5では、上記上側部分補強材41は、センターピラー2長手方向略全体に亘って設けられたレインフォースメント14のインナパネル13側面における充填材11よりも上側の部分に、溶接等により接合されて設けられ(フランジ部は有していない)、上記下側部分補強材42は、上記レインフォースメント14のインナパネル13側面における充填材11よりも下側の部分に、溶接等により接合されて設けられている(フランジ部は有していない)。尚、上記レインフォースメント14は、この実施形態5では、上側レインフォースメント45と下側レインフォースメント46(図26に二点鎖線で示す)とが一体的に結合されてなり、上記下側部分補強材42は上記上側レインフォースメント45の下部に設けられている(図25では下側レインフォースメント46とアウタパネル12とを省略している)。
【0057】
上記上側部分補強材41の下端部には、充填材11の上端部にラップするように延出する延出部41aが形成され、下側部分補強材42の上端部には、充填材11の下端部にラップするように延出する延出部42aが形成されている。この上側及び下側部分補強材41,42の各延出部41a,42aの一部は、未発泡状態の充填材10ともラップしており(図26参照)、発泡後の充填材11に対してはそのラップ範囲が未発泡状態の充填材10よりも上下に大きくなる。
【0058】
上記上側部分補強材41の上端部(延出部41aが形成されていない端部)は、アウタパネル12、インナパネル13及び上側レインフォースメント45と共に強度メンバであるルーフサイドレール3に接合されている。
【0059】
上記未発泡状態の充填材10の上下両端部には、略三角形状の切欠き部10a,10aがそれぞれ形成されている。この各切欠き部10aは、上記上側レインフォースメント45において該各切欠き部10aに対応するように設けた位置合わせ用孔14e,14eと共に、未発泡状態の充填材10を上側レインフォースメント45に貼り付ける際の位置合わせ用に設けたものである。
【0060】
尚、上記未発泡状態の充填材10は、予めレインフォースメント14に沿った形状に加工しておいて10℃以下で保管したものを使用するようにすれば、粘土状である充填材10の硬さが気温によって変化しても、レインフォースメント14の形状に沿ってならしたり位置合わせしたりする作業が容易になる。
【0061】
したがって、上記実施形態5では、延出部41a,42aを有する上側及び下側部分補強材41,42によりセンターピラー2の充填材11が設けられていない部分の強度をも向上して、充填材11が設けられた部分と設けられていない部分との境界部における強度変化を小さくすることができる。よって、その境界部に応力が集中するのを抑制して該境界部での変形を防止することができる。
【0062】
尚、上記実施形態5では、充填材11が設けられた部分と設けられていない部分との境界部における強度変化を小さくするために上側及び下側部分補強材41,42を設けたが、上記実施形態1で説明したようにアウタパネル12と充填材11との間に接着剤層を設けたり充填材11自体が接着力を有するようにしたりして、充填材11の上下両端部のアウタパネル12に対する引張せん断接着強さを、該充填材11の上下方向中間部よりも低く設定するようにしてもよい。この場合、充填材11の上下両端部の引張せん断接着強さは7MPaよりも小さく設定し(場合によっては、0であってもよい)、上下方向中間部は7MPa以上に設定するのが望ましい。そして、上記充填材11の上下両端部の引張せん断接着強さを低くするには、上下方向中間部よりも引張せん断接着強さが低い接着剤を使用したり、上下方向中間部と同じ接着剤を部分的にマスキングして使用したりすればよく、また、充填材11自体が接着力を有するようにした場合には、引張せん断接着強さが互いに異なる2種類の充填材を用いればよい(上記実施形態4において第2の充填材36の引張せん断接着強さを第1の充填材11よりも低くしてもよい)。
【0063】
さらに、上記境界部の強度変化を小さくするために、充填材11の上下両端部の強度を、該充填材11の上下方向中間部よりも低く設定するようにしてもよい。例えば、図29に示すように、未発泡状態の充填材10における上記位置合わせ用の各切欠き部10aをかなり大きくすることにより、上下両端部の発泡充填密度を低下させることで該上下両端部の発泡後の強度を上下方向中間部よりも低くすることができる。また、図30に示すように、未発泡状態の充填材10の上下両端部における左右両側を切り欠いて上下両端部の発泡後の強度を低くするようにしてもよい。
【0064】
また、未発泡状態の充填材10の上側レインフォースメント45に対する位置合わせを行うために、上記切欠き部10a,10aを設ける代わりに、図31及び図32に示すような突起部10b,10bを形成してもよく、図33に示すような貫通孔10c,10cを形成してもよい。そして、充填材10に上記のような各突起部10bを形成する場合に(切欠き部10aを形成する場合でもよい)、その各突起部10b等で位置合わせ用孔14eの少なくとも一部を覆うようにすれば、アウタパネル12とレインフォースメント14とを結合した後に充填材10が正しい位置に貼り付けられているか否かを検査することができる。そして、この位置合わせ用孔14eから充填材11が発泡時に漏れ出すのを出来る限り抑制するには、その径を3mm以下とすればよい。また、位置合わせ用孔14eは円形である必要はなく、例えば図34〜図36に示すような形状にしてもよく、この場合に、充填材10の各位置合わせ用孔14eからの漏れを抑制するには、各図に示す箇所を3mm以下に設定すればよい。さらに、充填材10に上記のような各貫通孔10cを形成する場合に、図37に示すように、クリップ49を上記上側の貫通孔10cと上側レインフォースメント45の位置合わせ用孔14eとに貫通させて係止させれば、充填材10の保持を行うことができると共に、クリップ49が位置合わせ用孔14eから突出しているか否かにより、充填材10が正しい位置に貼り付けられているか否かの検査を行うこともできる。
【0065】
また、位置合わせ用孔14eの代わりに、上記のような検査はできないが、上側レインフォースメント45に、充填材10との位置合わせ用として凸部や凹部を形成してもよく、マーキングを施してもよい。
【0066】
さらに、上記実施形態5では、充填材11はセンターピラー2長手方向において1箇所しか設けていないが、2箇所以上に分離して設けられている場合には、その2つの充填材間にも部分補強材を設ければよく、この部分補強材のフレーム長手方向両端部に延出部を設ければよい。
【0067】
加えて、上記実施形態5においても、上記実施形態1と同様に、センターピラー2以外のピラー部材やフレーム部材等のフレームに適用することができる。また、充填材11は発泡材でなくてもよく、上側及び下側部分補強材41,42は、板材でなくてもよい。
【0068】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0069】
先ず、充填材そのものについて(つまりフレーム断面内に充填された状態ではなく、充填材自体について)、その基礎的な物理的および機械的特性を調べた。すなわち、表1に示す6種類の材料について、各々その密度を調べると共に、平均圧縮強度及び最大曲げ強度を試験によって求めた。尚、上記密度は、いずれの材料についても、室温(約20℃)における値を調べた。
【0070】
表1の各材料中、発泡ウレタン樹脂は硬度が8kg/cm2のものを、Al発泡体はアルミニウム発泡材を、木材は松を、Al塊は棒状のアルミニウム材を、レインフォースメントは、一般的にフレーム断面内に設けられる厚さ1mmの鋼板(SPCC;以下、この実施例では、鋼板は全てSPCC)製の補強材をそれぞれ使用した。
【0071】
尚、上記レインフォースメントの密度は、後述する図39に示すようなフレーム断面内に配設されたレインフォースメント重量と、該レインフォースメント配設部分に対応するフレームの容積から、フレーム内換算密度として算出したものである。また、発泡ウレタンの平均圧縮強度、並びにレインフォースメントの平均圧縮強度及び最大曲げ強度については、いずれも値が低すぎて計測することができなかった。
【0072】
【表1】
【0073】
各充填材の平均圧縮強度を調べるための単体圧縮試験は、以下のようにして行った。すなわち、各材料の供試材を一辺30mmの立方体に加工してそれぞれ試験片を作製し、これに対して一方向から10mm/minの速度で圧縮荷重を加え、図38において模式的に示すように、変位量(圧縮量)が0〜8mmの範囲での平均荷重を求めてこれを充填材の平均圧縮強度とした。
【0074】
また、各充填材の最大曲げ強度を調べるための単体曲げ試験は、以下のようにして行った。すなわち、各材料の供試材を、幅50mm×長さ150mm×厚さ10mmの平板状に加工してそれぞれ試験片を作製し、各充填材の試験片について、支点間距離を80mmとし、その中央をR8の圧子で10mm/minの速度で押圧することにより、所謂オートグラフにて三点曲げ試験を行った。そして、その荷重一変位線図から各充填材の最大曲げ強度を算出した。
【0075】
上記表1の各充填材の密度のデータ及びコスト、軽量化効果等から、車体フレームのフレーム断面内に充填する充填材の密度としては、1.0g/cm3以下が適当であり、好ましくは、0.6g/cm3以下であれば、さらに軽量化効果が期待できる。
【0076】
次に、上記各充填材をフレームの所定部分の内部空間に充填して、フレームの主としてエネルギー吸収特性を評価する試験を行った。
【0077】
先ず、フレームを構成するパネル材としては、板厚1mmの鋼板を用いた。この鋼板の引張強さは292N/mm2であり、降伏点は147N/mm2であり、伸びは50.4%であった。
【0078】
上記鋼板を用いて、図39に示すように、片側が開口した断面コ字状のパネル材Poと平板状のパネル材Piとを片ハット状に組み合わせ、その重合部分Lf(フランジ部)について60mmピッチでスポット溶接を行って最終的に組み立てた。
【0079】
尚、図39において仮想線で示すように、フレーム断面内にレインフォースメントRfを配設したものの場合、このレインフォースメントRfの材料はフレームFRのパネル材Pi,Poの材料と同じものを用いた。この場合、レインフォースメントRfの両フランジ部(不図示)は、両パネル材Pi,Poのフランジ部(重合部分Lf)に挟み込んだ上で、三枚重ねにしてスポット溶接で組み立てた。
【0080】
上記のフレームFRの所定部分の内部空間に表1の各充填材をそれぞれ充填して各種の機械的試験を行い、平均圧縮強度又は最大曲げ強度とエネルギー吸収性との関係を調べた。
【0081】
先ず、フレームの静的三点曲げ試験を実施した。図40は、フレームRfの静的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す説明図である。また、図41は、この静的三点曲げ試験装置の要部を拡大して示す説明図である。
【0082】
図39において実線で示す断面形状を備えた所定長さのフレームFRの断面内に充填材SをEf=50〜300mmの長さにわたって充填し、万能試験機により、圧子Maを介してフレームFRの中央に静的荷重Wsを加え、図42に示すように、変位量0〜45mmの範囲での荷重一変位を測定し、静的エネルギー吸収量を求めた。
【0083】
上記試験結果を図43〜図46のグラフに示す。先ず、図43は、充填材質量とエネルギー吸収量との関係を表したものである。この図43において、黒丸印(●)は木材を、黒四角印(■)はエポキシ樹脂Aを、それぞれ充填した場合を示し、また、白三角印(△)は鋼板レインフォースメント(板厚1.0mm)をフレーム断面内に設けた場合を示している。尚、白丸印(○)は、板厚1.6mmの鋼板の場合を参考までに示したものである。
【0084】
このグラフ(図43)から良く判るように、木材及びエポキシ樹脂Aのいずれにおいても、充填材Sの充填質量が増えるに連れて吸収エネルギーが高くなり、試験装置の両支点Msで支持されたフレーム部分が潰れた状態で最大値を示した。また、木材やエポキシ樹脂等の充填材Sを用いた場合、レインフォースメントを設けただけの場合に比べて、同等のエネルギー吸収量を得るのに、はるかに少ない充填質量で済む。
【0085】
このように、フレーム断面内に充填材Sを充填することにより、レインフォースメントRfを設けただけの場合に比べて、フレームFRのエネルギー吸収性が大幅に向上することが確認できた。
【0086】
また、図44は充填材Sの平均圧縮強度とエネルギー吸収量との関係を示したもので、グラフの横軸は対数目盛である。この測定においては、各充填材Sの充填長さEfを50mmとした。充填長さがこの程度以下の場合には、充填材Sは殆ど曲げ作用を受けることはなく、そのエネルギー吸収性は圧縮強度との相関性が非常に強くなる。尚、図44において、a1点、a2点、a3点、a4点及びa5点は、それぞれウレタン樹脂、Al発泡体、木材、エポキシ樹脂A及びAl塊についてのデータであることを示している。
【0087】
この図44のグラフから良く判るように、充填材Sの平均圧縮強度が大きくなるにつれてエネルギー吸収量も増加するが、平均圧縮強度が4MPa以上になるとフレームFRのエネルギー吸収量の増加度合いは飽和する。換言すれば、平均圧縮強度が4MPa以上であれば、ほぼ最大値に近いエネルギー吸収量を得ることができる。
【0088】
特に、平均圧縮強度が5MPa以上になれば、フレームFRのエネルギー吸収量の増加度合はより安定して飽和し、最大値に近いエネルギー吸収量をより安定して得ることができる。
【0089】
さらに、図45は充填材Sの最大曲げ強度とエネルギー吸収量との関係を示したもので、また、図46は、図45のグラフにおける最大曲げ強度80MPa以下の部分を拡大して示すものである。この測定においては、各充填材Sの充填長さEfを100mmとした。充填長さが100mm程度にまで増加すると、充填材の曲げ強度もフレームFRのエネルギー吸収性の向上に大きく寄与するようになる。尚、図45及び図46において、b1点、b2点、b3点及びb4点は、それぞれAl発泡体、エポキシ樹脂A、木材及びAl塊のデータであることを示している。
【0090】
これらのグラフから良く判るように、充填材Sの最大曲げ強度が大きくなるにつれてエネルギー吸収量も増加するが、最大曲げ強度が10MPa以上になると(特に図46参照)フレームFRのエネルギー吸収量の増加度合いは飽和する。換言すれば、最大曲げ強度が10MPa以上であれば、ほぼ最大値に近いエネルギー吸収量を得ることができる。
【0091】
特に、最大曲げ強度が60MPa以上になれば、フレームFRのエネルギー吸収量の増加度合いはより安定して飽和し、最大値に近いエネルギー吸収量をより安定して得ることができる。
【0092】
以上の静的エネルギー吸収性の試験において、フレーム断面内に充填材が充填されていない場合には、図47に示すように、フレームFRは荷重Wsの入力点で局部的に大きく変形する。これに対して、フレーム断面内に充填材が充填されている場合には、図48に示すように、入力荷重Wsは、入力点だけでなく、長さEfの範囲で充填された充填材Sを介してフレームFRの充填部分周辺に分散されることになる。すなわち、充填材Sを内部に充填することにより、フレームは、局部的に大きな変形が生じることなく、広範囲にわたって変形することになる。これにより、吸収エネルギーも飛躍的に増加するものと考えられる。
【0093】
尚、このときの充填材Sの単体のエネルギー吸収量を計算によって求めると、全吸収エネルギーの7%以下であった。このことからも、充填材SをフレームFR内に充填することによるエネルギー吸収性の向上は、充填材S自体のエネルギー吸収性よりも、充填材Sによる荷重分散効果が非常に大きく寄与してることが理解できる。
【0094】
また、図43のグラフにおいて、特に、エネルギー吸収量の上限を示す木材を充填したフレームについて、試験後のフレームの状態を目視観察すると、試験装置の両支点Msで支持されたフレーム部分がほぼ完全に潰れた状態となっていた。つまり、本フレームFRでの最大のエネルギー吸収がこの支点Msによる支持部分の潰れによるものであると考えられる。したがって、この場合、充填材Sの役割は入力荷重Wsを支点部分に分散させることにあると言える。
【0095】
さらに、充填長さEf=50mmで各充填材をそれぞれ充填した各フレームについて、試験後のフレーム断面の潰れ状態を目視観察すると、エネルギー吸収性が比較的低いもの(レインフォースメントRfのみ、ウレタン樹脂及びAl発泡体)ではフレーム断面が荷重入力点でほぼ完全に潰れており、一方、エネルギー吸収性が比較的高いもの(エポキシ樹脂、木材及びAl塊)ではフレーム断面は荷重入力点で余り潰れていなかった。
【0096】
この荷重入力点でのフレーム断面の潰れは、充填材Sの圧縮強度が大きく寄与しており、上述のように、充填材Sの平均圧縮強度が増すにつれてエネルギー吸収量が増加し、約4MPaで飽和し、約5MPaでより安定して飽和している(図44参照)。
【0097】
このことから、断面の潰れはフレームのエネルギー吸収性能に大きく影響しており、断面が潰れると応力集中が生じて局部的な変形を加速し、フレームFRの折れを招来して、十分なエネルギー吸収量を確保することができなくなるものと考えられる。
【0098】
フレームFR内に充填された充填材Sへの圧縮荷重は、特に荷重入力側に直接的に作用するので、充填材Sの平均圧縮強度は、特に荷重入力側において上記断面の潰れを防ぐに足る値(4MPa以上)に維持されることが好ましい。
【0099】
また、上述のように、充填材Sの充填長さEfが一定以上長くなると、充填材Sの平均圧縮強度がほぼ同等であってもエネルギー吸収性に差が生じる。充填材Sの充填長さEfを100mmとした場合においてエネルギー吸収量が比較的低かったエポキシ樹脂Aを充填したフレームの断面を目視観察すると、充填材(エポキシ樹脂)に割れが生じていた。この割れに対しては最大曲げ強度が大きく影響しており、この最大曲げ強度が高くなるにつれてエネルギー吸収量が増加し、約10MPaで飽和し、約60MPaでより安定して飽和していた(図45及び図46参照)。
【0100】
フレームFR内に充填された充填材Sへの曲げ荷重は、特に反荷重入力側に直接的に作用するので、上記充填材Sの最大曲げ強度は、特に反荷重入力側において上記充填材の割れを防ぐに足る値(10MPa以上)に維持されることが好ましい。
【0101】
尚、以上のことから、フレームFR内に充填材Sを充填する場合、充填材Sを異なる充填材で成る多層構造とし、荷重入力側には平均圧縮強度が所定値(少なくとも4MPa)以上の充填材層を設け、反荷重入力側には最大曲げ強度が所定値(少なくとも10MPa)以上の充填材層を設けるようにすれば、非常に効率良くフレームFRのエネルギー吸収性を高めることができる。
【0102】
上述の静的三点曲げ試験に続いて、フレームの動的三点曲げ試験を実施した。図49は、フレームFRの動的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す説明図である。上記静的三点曲げ試験の場合と同様に、図39において実線で示す断面形状を備えた所定長さのフレームFRの断面内に充填材SをEf=50〜300mmの長さにわたって充填し、落錘Mbによりフレーム中央部分に衝撃荷重Wdを与えた場合のフレームFRの変形量を測定すると共に、衝撃荷重をロードセルMcで測定し、図50に示すように、変位量0〜45mmの範囲でのエネルギー吸収量を求めた。
【0103】
図51は、上記動的三点曲げ試験における充填材長さとエネルギー吸収量との関係を示したものである。この図51において、黒丸印(●)は木材を、黒四角印(■)はエポキシ樹脂Aをそれぞれ充填した場合を示している。
【0104】
このグラフ(図51)から良く判るように、静的三点曲げ試験の場合と同様に、木材及びエポキシ樹脂Aのいずれにおいても、充填材Sの充填量が増えるにつれて吸収エネルギーが高くなり、また、エネルギー吸収量の上限が認められ、その値は約0.85kJであった。
【0105】
このように、動的荷重Wdについても、フレーム断面内に充填材Sを充填することにより、フレームFRのエネルギー吸収性が向上することが確認できた。
【0106】
また、静的荷重Wsの場合と動的荷重Wdの場合とを比較すると、動的荷重Wdに対する方がエネルギー吸収量は大きく、静的荷重Wsに対する場合の約1.7倍であった。
【0107】
さらに、以上で得られた静的荷重Ws及び動的荷重Wdそれぞれにおけるエネルギー吸収性のデータから、静的荷重Wsの場合と動的荷重Wdの場合との比(静動比)を算出すると、非常に高い相関性が認められた。したがって、静的荷重Wsにおけるエネルギー吸収性について行った考察(充填材Sによる荷重分散効果等)は、基本的には、動的荷重Wdにおけるエネルギー吸収性を取り扱う場合にも、適用することができるものと考えられる。
【0108】
図52は、上記動的三点曲げ試験において、フレーム断面内にレインフォースメントRfのみが設けられた場合に対するエネルギー吸収性の向上率と、充填材Sの充填長さ範囲(荷重支点間距離に対する充填長さ割合)との関係を示すグラフである。この図52において、白丸印(○)は木材を、白三角印(△)はエポキシ樹脂Aをそれぞれ充填した場合を示している。
【0109】
このグラフ(図52)から良く判るように、木材及びエポキシ樹脂のいずれにおいても、充填材Sの充填長さ範囲が大きくなるにつれて吸収エネルギーが高くなるが、約15%でほぼ飽和する。換言すれば、充填材Sの充填長さ範囲が荷重支点間距離に対して15%以上あれば、ほぼ最大のエネルギー吸収量を得ることができる。したがって、充填材Sの充填範囲としては、荷重支点間距離に対して15%以上であることが好ましい。
【0110】
図53は、フレームの静的片持ち曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す説明図である。図54に示す断面形状を備えた所定長さのフレームFRの断面内に充填材Sを充填した上で、このフレームFRの一端を支持板Meに固定し、この支持板Meを装置基板Mfに固定する。そして、万能試験機により、フレームFRのパネル材Piの他端近傍に圧子Mdを介して静的荷重Wmをパネル材Po方向に加え、曲げ角度(荷重作用点の変位とこの荷重作用点の基端からの距離とで算出)と荷重との関係を測定し、最大曲げモーメント及び静的エネルギー吸収量を求めた。
【0111】
図55は、種々の充填材を充填したフレームの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフである。このグラフにおいて、曲線aは充填材なし(鋼板フレームのみ)のフレームの特性を、曲線bはエポキシ樹脂Aを充填したフレームの特性を、曲線cはエポキシ樹脂Bを充填したフレームの特性を、曲線dは、エポキシ樹脂Bを充填しかつフレームFRのパネル材PoとPiとの間に接着剤(剪断強度7.3MPaの車体シーラ)を適用したフレームの特性を、曲線eは木材(松)を充填したフレームの特性をそれぞれ示している。
【0112】
この図55のグラフから判るように、いずれの曲線についても、曲げ角度がある程度に達するまでは、曲げモーメント値は曲げ角度の増加に伴って立ち上がるように大きく上昇する。そして、曲線a〜c及び曲線eについては、それぞれある曲げ角度でピーク(極大点)を迎え、その後は曲げ角度が増すにつれて曲げモーメントは低下する。曲線a(充填材なしで鋼板フレームのみ)の場合、この低下度合いが特に大きい。
【0113】
これに対して、曲線d(エポキシ樹脂B+接着剤)の場合には、曲げモーメントが大きく上昇した後でも、曲げ角度の増加に対して曲げモーメントの落ち込みは見られず、高い曲げモーメント値を維持している。また、最大曲げモーメント値も5つの曲線のうちで最も大きい。同じ充填材(エポキシ樹脂B)を用いた曲線cと比較して、曲げ角度の増加に対する傾向及び最大曲げモーメントの大きさの両方について、明確な差がある。
【0114】
すなわち、同じ充填材を用いても、この充填材をフレームのパネル材に対して接着剤で固定することにより、フレームの曲げモーメント特性が大きく向上することが判る。
【0115】
また、図56は、図55と同様の種々の充填材を充填したフレームの最大曲げモーメント[Nm]及びエネルギー吸収量[J]を示す棒グラフである。このグラフにおいて、A〜Eの各欄は、図55の曲線a〜eとそれぞれ同じフレームを示している。また、各欄において、左側の数値(白抜きの棒グラフ)がフレームの最大曲げモーメント[Nm]を示し、右側の数値(斜線ハッチングの棒グラフ)はフレームのエネルギー吸収量[J]を示している。
【0116】
この図56のグラフから良く判るように、フレームのエネルギー吸収量は、エポキシ樹脂B+接着剤(D欄)を適用したものが最も大きく、同じ充填材(エポキシ樹脂B)を用いたC欄のエネルギー吸収量と比べて明確な差がある。
【0117】
すなわち、同じ充填材を用いても、この充填材をフレームのパネル材に対して接着剤で固定することにより、フレームのエネルギー吸収特性が大きく向上することが判る。
【0118】
図57は、接着剤層の引張せん断接着強さ(同図ではせん断接着強さという)と最大曲げモーメントとの関係を示すグラフである。この図57のグラフから良く判るように、接着剤層の引張せん断接着強さが大きくなるにつれて最大曲げモーメントも増加するが、引張せん断接着強さが3MPa以上になると、最大曲げモーメントの増加度合い(グラフにおける曲線の勾配)は、それまでに比べて緩やかになる。つまり、接着剤層の引張せん断接着強さが3MPa以上であれば、フレームが負担できる最大曲げモーメントを非常に効果的に増加させ、十分な曲げモーメント値を達成して高いエネルギー吸収能力を得ることが可能である。したがって、接着剤層の引張せん断接着強さとしては、3MPa以上であればよい。また、引張せん断接着強さがさらに大きくなり、7MPa以上になると最大曲げモーメントの増加度合いは飽和する。換言すれば、引張せん断接着強さが7MPa以上であれば、ほぼ最大値に近い曲げモーメント値を得ることができる。よって、接着剤層の引張せん断接着強さが7MPa以上であることがさらに好ましい。
【0119】
尚、上記引張せん断接着強さの測定は、JIS K 6850の「接着剤の引張せん断接着強さ試験方法」に基づいて行ったものであり、図58に示すように、被着材51,51として幅25mm、厚さ1.6mmの鋼板を用い、接着部分(長さ12.5mm)に未発泡状態の充填材52を挟み込んで0.5mm厚さに固定し、クランプした状態で電着塗装等の乾燥熱を模擬した加熱(150℃×30分→140℃×20分→140℃×20分)を行い、その後、発泡してはみ出した部分を取り除いた状態で試験を行うことで引張せん断接着強さを測定した(接着剤層が有る場合も無い場合も同じ)。
【0120】
次に、図59に示す断面形状を備えた長さ240mmのフレーム60の断面内の一部に充填材を充填した場合と、全体に充填した場合とで、フレーム60の曲げ角度と曲げモーメントとの関係がどのようになるかを図53と同様の静的片持ち曲げ試験により調べた。尚、静的荷重は、アウタパネル62側からインナパネル63方向に加えた。
【0121】
具体的には、(イ)アウタパネル62とレインフォースメント64との間のみに充填材を充填したものと、(ロ)インナパネル63とレインフォースメント64との間のみに充填材を充填したものと、(ハ)アウタパネル62とレインフォースメント64との間、及びインナパネル63とレインフォースメント64との間の両方に充填材を充填したものと、(ニ)充填材を全く充填していないものとを作製してそれらに対して試験を行った。このとき、アウタパネル62は厚さ0.7mmの鋼板を、インナパネル63は厚さ1.4mmの鋼板を、レインフォースメント64は厚さ1.2mmの鋼板をそれぞれ使用した。また、充填材は、平均圧縮強度が9MPaで最大曲げ強度が10MPaのエポキシ樹脂(フィラー、ゴム、硬化剤、発泡剤等を含む)を使用し、充填材自体が10MPaの引張せん断接着強さを有するようにした。そして、シート状の未発泡状態の充填材を170℃で30分保持することでアウタパネル62とレインフォースメント64との間、及び/又はインナパネル63とレインフォースメント64との間に完全に充填させた。尚、充填材の充填量は、アウタパネル62とレインフォースメント64との間が117gであり、インナパネル63とレインフォースメント64との間が423gであった。
【0122】
上記曲げ試験の結果を図60〜図62に示す。このことより、最大曲げモーメントは、充填材をフレーム断面内全体に充填したものが最もよいが、座屈開始の曲げモーメントで比較すると、充填材をアウタパネル62とレインフォースメント64との間のみに充填したものは、フレーム60断面内全体に充填したものと殆ど変わらない。したがって、充填材をアウタパネル62とレインフォースメント64との間のみに充填することは、特にセンターピラーのように折れ曲がりを抑制する必要があるフレームに特に有効であって、充填材の重量当たりの曲げモーメントが非常に高くなり、充填量の観点から最も効率が良いことが判る。
【0123】
続いて、上記フレーム60のアウタパネル62とレインフォースメント64との間のみに充填材を充填する場合に、レインフォースメント64の曲げ高さを変えることによりアウタパネル62とレインフォースメント64との間の隙間量(ここでは図59で7mmの部分のみ)を変えて、上記と同様の曲げ試験を行うことで、その隙間量により最大曲げモーメントがどのように変化するかを調べた。そして、比較のために、充填材を全く充填しない場合についても調べた。尚、アウタパネル62とレインフォースメント64との間における左右両側部の隙間量(図59で5mmの部分)は5mmのままとした。
【0124】
上記試験の結果を図63に示す。このことより、充填材を充填しない場合には隙間量が小さいほど最大曲げモーメントは高くなるが、充填材を充填する場合には、隙間量が2mmよりも小さくなると、充填材を充填しない場合と殆ど変わらず、2mm以上とすれば充填効果が十分に得られることが判る。
【0125】
次いで、図64(a)に示すように、アウタパネル72とレインフォースメント74との間のみに充填材71を充填したセンターピラーを作製した(実施例1)。このとき、アウタパネル72は厚さ0.7mmの鋼板を、インナパネル73は厚さ1.4mmの鋼板を、レインフォースメント74は厚さ1.2mmの鋼板(材料がアウタパネル72と同じであるので、強度はアウタパネル72と同じであり、板厚がアウタパネル72よりも大きいので、剛性がアウタパネル72よりも大きい)をそれぞれ使用した。また、充填材71は、平均圧縮強度が13.0MPaで最大曲げ強度が13.5MPaのエポキシ樹脂(フィラー、ゴム、硬化剤、発泡剤等を含む)を使用し、充填材71自体が10.5MPaの引張せん断接着強さを有するようにした。そして、センターピラーを組み立てた後、電着塗装等の乾燥熱を模擬した加熱(150℃×30分→140℃×20分→140℃×20分)を行って未発泡状態の充填材を発泡硬化させた。尚、充填材71の充填量は150gであった。
【0126】
一方、比較のために、図64(b)に示すように、上記充填材71を全く充填しない点以外は上記実施例1と同じもの(比較例1)を作製すると共に、この比較例1に対して充填材71を充填しないで補強すべく、図64(c)に示すように、レインフォースメント74の厚みを1.8mmにしかつ該レインフォースメント74に厚さ1.2mmの鋼板からなる補強材75を接合したもの(比較例2)を作製した。
【0127】
そして、上記実施例1及び比較例1,2の各センターピラーに対して上記と同様の静的片持ち曲げ試験を行って、センターピラーの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を調べた。尚、静的荷重は、アウタパネル72側からインナパネル73方向に加えた。
【0128】
上記センターピラー曲げ試験の結果を図65に示す。このことより、実施例1のセンターピラーは比較例1,2よりもかなり高い曲げモーメントが得られ、しかも、比較例2の補強方法よりも格段に軽量化できることが判る。
【0129】
次に、図66(a)に示すように、センターピラー上部にアッパーレインフォースメント78を、下部にロアレインフォースメント79をそれぞれ設け、この両レインフォースメント78,79がベルトライン部ないしその近傍で重複するようにした場合に、アウタパネル72とアッパーレインフォースメント78との間、及びアッパーレインフォースメント78とロアレインフォースメント79との間に、それぞれ180gの充填材71,71を充填したもの(実施例2)を作製した。このとき、アウタパネル72は厚さ0.7mmの鋼板を、インナパネル73は厚さ1.2mmの鋼板を、アッパーレインフォースメント78は厚さ1.2mmの鋼板を、ロアレインフォースメント79は厚さ1.0mmの鋼板をそれぞれ使用した。また、充填材71は、上記センターピラー曲げ試験と同じものを使用し、未発泡状態の充填材をアッパーレインフォースメント78及びロアレインフォースメント79にそれぞれ貼り付けておいて電着塗装等の乾燥熱を模擬した加熱により発泡硬化させた。一方、比較のために、図66(b)に示すように、充填材71を全く充填しない点以外は上記実施例2と同じもの(比較例3)を作製した。
【0130】
そして、上記実施例2及び比較例3の各センターピラーに対して上記センターピラー曲げ試験と同様にして、センターピラーの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を調べた。
【0131】
上記センターピラー曲げ試験の結果を図67に示す。このことより、実施例2のセンターピラーは比較例3に比べて格段に高い曲げモーメントが得られることが判る。
【0132】
次いで、上記センターピラー曲げ試験に用いたエポキシ樹脂(平均圧縮強度13.0MPa、最大曲げ強度13.5MPa、引張せん断接着強さ10.5MPa)からなる第1の充填材と、ゴム系の発泡材(発泡後破断強度0.014MPa、破断伸び200%、密度0.06g/cm2 )からなり、上記第1の充填材よりも発泡率が高い第2の充填材とを、上記実施形態のように発泡させた。つまり、レインフォースメントに、未発泡状態の第1及び第2の充填材を貼り付け(第2の充填材は接着シートを有する二層構造のものを使用してその接着シートを介して貼り付け)、センターピラーを組み立てた後、電着塗装等の乾燥熱を模擬した加熱を行って発泡硬化させた。これにより、第1の充填材の端部割れを第2の充填材で完全に覆うことができ、センターピラーを振動させても第1の充填材の端部割れにより小片が欠け落ちることはなかった。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車体のフレーム構造によると、フレーム断面内において衝撃荷重が入力される側のパネル材とレインフォースメントとの間のみに充填材を設け、この充填材が、平均圧縮強度が4MPa以上(5MPa以上)であること及び最大曲げ強度が10MPa以上(60MPa以上)であることの少なくとも一方を満たすようにしたことにより、車体を軽量化して燃費性能を向上させつつ、最大値に近いエネルギー吸収量が得られて衝突安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るフレーム構造が適用されたセンターピラーを備えた自動車車体の全体構成を示す斜視図である。
【図2】センターピラーのベルトライン部の縦断面図である。
【図3】センターピラーのベルトライン部の横断面図である。
【図4】センターピラーの組立手順を示す説明図である。
【図5】センターピラー断面内にアッパーレインフォースメントとロアレインフォースメントとを設けた場合の構造を示す図2相当図である。
【図6】センターピラー断面内にアッパーレインフォースメントとロアレインフォースメントとを設けた場合の構造を示す図3相当図である。
【図7】フロントサイドフレームに充填材を設ける場合の一例を示す縦断面図である。
【図8】リヤサイドフレームに充填材を設ける場合の一例を示す縦断面図である。
【図9】実施形態2を示す図3相当図である。
【図10】充填材が発泡する前の状態を示す図9相当図である。
【図11】ビードの他の形態を示す図9相当図である。
【図12】ビードのさらに他の形態を示す図9相当図である。
【図13】実施形態3を示す図2相当図である。
【図14】充填材が発泡する前の状態を示す図13相当図である。
【図15】上側及び下側画成部材の他の形態を示す図13相当図である。
【図16】上側及び下側画成部材のさらに他の形態を示す図13相当図である。
【図17】上側及び下側画成部材のさらに他の形態を示す図13相当図である。
【図18】上側及び下側画成部材のさらに他の形態を示す図13相当図である。
【図19】上側及び下側画成部材のさらに他の形態を示す図13相当図である。
【図20】実施形態4を示す図2相当図である。
【図21】第1及び第2の充填材が発泡する前の状態を示す図20相当図である。
【図22】第1充填材が発泡した後に第2の充填材を充填用ガンにより充填している状態を示す図20相当図である。
【図23】レインフォースメントの第1の充填材充填部分に開口部が形成されている場合に、その開口部より漏れ出した部分の割れを防止するために第2の充填材を設けた例を示す図20相当図である。
【図24】第1及び第2の充填材が発泡する前の状態を示す図23相当図である。
【図25】実施形態5を示すセンターピラーの分解斜視図である。
【図26】未発泡状態の充填材と上側及び下側部分補強材との上下方向における位置関係を示すレインフォースメントの正面図である。
【図27】図26のXXVII−XXVII線拡大断面図である。
【図28】図26のXXVIII−XXVIII線拡大断面図である。
【図29】発泡後において充填材の上下両端部の強度を低くするための未発泡状態時における形状例を示す正面図である。
【図30】発泡後において充填材の上下両端部の強度を低くするための未発泡状態時におけるさらに別の形状例を示す正面図である。
【図31】未発泡状態の充填材に位置合わせ用として突起部を形成した例を示す正面図である。
【図32】未発泡状態の充填材に位置合わせ用として突起部を形成したさらに別の例を示す正面図である。
【図33】未発泡状態の充填材に位置合わせ用として貫通孔を形成した例を示す正面図である。
【図34】位置合わせ用孔の他の形態を示す説明図である。
【図35】位置合わせ用孔のさらに他の形態を示す説明図である。
【図36】位置合わせ用孔のさらに他の形態を示す説明図である。
【図37】充填材の貫通孔とレインフォースメントの位置合わせ用孔とにクリップを貫通させた場合を示す充填材発泡前のセンターピラーベルトライン部の縦断面図である。
【図38】充填材の平均圧縮強度を説明するためにフレームの静的圧縮荷重−変位曲線を模式的に示すグラフである。
【図39】三点曲げ試験に用いたフレームの構造を示す断面図である。
【図40】フレームの静的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す説明図である。
【図41】図40の静的三点曲げ試験装置の要部を拡大して示す説明図である。
【図42】静的エネルギー吸収量を説明するためにフレームの静的曲げ荷重−変位曲線を模式的に示すグラフである。
【図43】充填材質量とフレームの静的エネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
【図44】充填材の平均圧縮強度とフレームの静的エネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
【図45】充填材の最大曲げ強度とフレームの静的エネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
【図46】図45の要部を拡大して示すグラフである。
【図47】充填材が充填されていない場合のフレームの変形モードの一例を模式的に示す説明図である。
【図48】充填材が充填されている場合のフレームの変形モードの一例を模式的に示す説明図である。
【図49】フレームの動的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す説明図である。
【図50】動的エネルギー吸収量を説明するためにフレームの動的曲げ荷重−変位曲線を模式的に示すグラフである。
【図51】充填材の充填長さとフレームの動的エネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
【図52】動的三点曲げ試験における充填長さ範囲とエネルギー吸収性の向上率との関係を示すグラフである。
【図53】フレームの静的片持ち曲げ試験を行う試験装置を模式的に示す説明図である。
【図54】静的片持ち曲げ試験に用いたフレームの構造を示す断面図である。
【図55】各種充填材が充填されたフレームの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図56】各種充填材が充填されたフレームについての最大曲げモーメント及びエネルギー吸収量を示すグラフである。
【図57】接着剤層の引張せん断接着強さと最大曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図58】引張せん断接着強さの測定方法を概略的に示す説明図である。
【図59】断面内の一部に充填材を充填した場合と全体に充填した場合との比較を行うために静的片持ち曲げ試験に用いたフレームを示す断面図である。
【図60】断面内の一部に充填材を充填した場合と全体に充填した場合と全く充填しない場合とにおいて、フレームの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図61】断面内の一部に充填材を充填した場合と全体に充填した場合と全く充填しない場合とについて、座屈開始の曲げモーメントを比較して示すグラフである。
【図62】断面内の一部に充填材を充填した場合と全体に充填した場合とについて、充填材の重量当たりの曲げモーメントを比較して示すグラフである。
【図63】アウタパネルとレインフォースメントとの間のみに充填材を充填する場合に、その隙間量と最大曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図64】静的片持ち曲げ試験に用いたセンターピラーの構造を示す断面図である。
【図65】図64の各センターピラーの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【図66】アッパーレインフォースメントとロアレインフォースメントとを有する場合の図64相当図である。
【図67】図66の各センターピラーの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 車体
2 センターピラー(フレーム)
3 ルーフサイドレール(フレーム)
4 サイドシル(フレーム)
5 フロントピラー(フレーム)
6 リヤピラー(フレーム)
11 充填材
12 アウタパネル(パネル材)
13 インナパネル(パネル材)
14 レインフォースメント
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention belongs to a technical field related to a frame structure of a vehicle body in a vehicle such as an automobile.
[0002]
[Prior art]
Heretofore, as a frame structure of this type, for example, a frame structure in which a frame cross section is formed in a closed cross-sectional shape by two panel materials (an outer panel and an inner panel in a center pillar), such as a center pillar, is well known. In places where high rigidity is particularly required, reinforcement is provided between the two panel members by reinforcing them. In such a frame structure, in order to further improve strength, rigidity, impact energy absorption, and the like, the thickness of the above-mentioned panel material or reinforcement is increased, or a new reinforcement is added. It is common to do.
[0003]
On the other hand, as shown in, for example, Japanese Utility Model Laid-Open No. 1-125278, by transmitting a filler such as urethane foam only to the outside of the vehicle body at the base of the front pillar having a closed cross section, the power is transmitted into the vehicle interior. It has been proposed to suppress vibration and noise and to improve impact energy absorption.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in recent years, it has been required to improve fuel efficiency, and in order to satisfy this requirement, it is necessary to reduce the weight of the vehicle body. However, as described above, the weight of the vehicle body cannot be reduced by a method such as increasing the thickness of the panel material or the reinforcement, and it is difficult to improve both the fuel efficiency and the collision safety.
[0005]
Therefore, as in the above proposed example (Japanese Utility Model Application Laid-Open No. 1-125278), by providing a filler made of lightweight urethane foam or the like in the frame cross section, the collision safety is improved while the vehicle body is lightened. It is conceivable to do so.
[0006]
However, the filler made of the urethane foam or the like has a high deformability to a certain degree or more with respect to the action of the impact load. When such a filler is used, the impact load is reduced from the load input point to the surrounding area. There is a problem that energy absorption cannot be sufficiently improved because the frame is hardly dispersed and transmitted to the panel material, and the frame locally deforms greatly at or near the load input point. In addition, from the viewpoint of weight reduction, it is preferable to provide the filler not only in the entire frame cross section but only in a part of the frame cross section as in the above-described proposal, but the filler having high deformability as described above. It is effective to reduce vibrations and noises only by providing a part only in a part of the frame cross section, but it becomes more difficult to improve energy absorption.
[0007]
The present invention has been made in view of such a point, and an object of the present invention is to devise the material characteristics of the filler for the frame structure of the vehicle body provided with the filler as described above. Accordingly, it is an object of the present invention to reduce the amount of filler used as much as possible to reduce the weight of the vehicle body and to effectively improve the collision safety.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, a frame structure of a vehicle body in which a frame cross section is formed by two panel members in a closed cross section, and a filler is provided only in a part of the frame cross section. Only the space between the panel material on the side where the impact load is input and the reinforcement of the two panel materials is filled with the filler, and the filler, the reinforcement and the filler are filled. The panel material on the side has a substantially U-shaped cross section, the gap between the panel material on the side filled with the filler and the reinforcement is set to 2 mm or more, and the strength and strength of the reinforcement At least one of the rigidities is set to be equal to or greater than the panel material on the side where the filler is filled, and the filler is formed into a cube-shaped test piece of 30 mm on a side from one direction. At a speed of 10 mm / min The amount of displacement when a compressive load is applied is the compressive strength determined by the average load in the range of 0 to 8 mm as the average compressive strength, and the average compressive strength is 4 MPa or more, and the width 50 mm, the length 150 mm, A 10 mm thick plate-shaped test piece is separated by a fulcrum distance of 80 mm. And press the center between the fulcrums at a speed of 10 mm / min. The maximum bending strength at the time of performing the three-point bending test was defined as the maximum bending strength, and the maximum bending strength was at least one of 10 MPa or more.
[0009]
With the above configuration, by providing a filler at a portion (buckling portion) of a panel material on the side to which an impact load is input, which is bent under the influence of the impact load and enters the inside of the cross section, a force locally applied to the portion Can be dispersed around the surroundings through the filler, whereby the bending of the portion can be suppressed, and the impact energy can be effectively absorbed while being bent. And, as for the filler, the average compressive strength or the maximum bending strength of the filler is such that the average compressive strength is 4 MPa or more and the maximum bending strength is at least one of 10 MPa or more. However, the energy absorption of the frame also increases, but when the average compressive strength is 4 MPa or more or the maximum bending strength is 10 MPa or more, the degree of increase in the energy absorption is saturated. In other words, when the average compressive strength is 4 MPa or more, it is possible to suppress the deformation of the frame locally and the cross section is crushed, and when the maximum bending strength is 10 MPa or more, the frame is locally deformed. Even when the frame is greatly deformed, it is possible to prevent the filler from cracking and to maximally prevent the frame from being brittlely broken. As a result, if a filler that satisfies these characteristics is used, an energy absorption amount close to the maximum value can be obtained, and collision safety can be improved even if the filler is only present in a part of the frame cross section. In addition, the amount of energy absorption can be remarkably increased by the synergistic effect of the reinforcement and the filler. As a result, a lightweight filler (particularly made of epoxy resin) can be used for a frame structure having reinforcement without increasing the thickness of panel materials or reinforcement or adding a new reinforcement. Filling with a foam filler alone can improve both fuel efficiency and collision safety. By setting at least one of the strength and the rigidity of the reinforcement to be equal to or more than the panel material on the side where the filler is filled, it is possible to more reliably suppress the panel material from entering the inside of the cross section. it can. That is, even if the panel material on the side filled with the filler is bent and tries to enter the inside of the cross section, the entry is prevented by the filler, and the bending of the panel material (and thus the frame) can be suppressed. At this time, if both the strength (tensile strength and proof stress) and the rigidity of the reinforcement are smaller than the above-mentioned panel material, the reinforcement is locally buckled and deformed, and the panel material and the filler are placed inside the cross section together with the filler. Although it is easier to enter, this is not the case with the present invention. In addition, by forming the filler, reinforcement, and the panel material on the side filled with the filler into a substantially U-shaped cross section, the strength, rigidity, impact energy absorption, and the like of the frame can be maximized. . If the gap between the panel material and the reinforcement is smaller than 2 mm, the effect of filling the filler is low and is almost the same as the case where the filler is not filled, so that the gap is set to 2 mm or more. .
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the filler satisfies at least one of an average compressive strength of 5 MPa or more and a maximum bending strength of 60 MPa or more. As a result, the amount of energy absorption close to the maximum value can be obtained more stably, and the same operation and effect as the first aspect of the invention can be obtained more stably.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect, an adhesive layer is provided on at least a part between the panel material on the side where the filler is filled and the filler. .
[0012]
By doing so, the force locally applied to the panel material can be reliably dispersed around the panel material via the filler, and the rigidity and energy absorption capacity of the frame can be increased with a simple configuration. In particular, when a bending moment acts on the frame, the adhesive layer can increase the maximum bending moment value that the frame can bear.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the third aspect, the adhesive layer has a tensile shear adhesive strength of 3 MPa or more.
[0014]
That is, the maximum bending moment value that the frame can bear increases as the tensile shear bonding strength of the adhesive layer increases, but when the tensile shear bonding strength becomes 3 MPa or more, the degree of increase of the maximum bending moment value decreases. It becomes slower than before. Therefore, if the tensile shear adhesive strength of the adhesive layer is 3 MPa or more, the maximum bending moment value that the frame can bear can be increased quite effectively.
[0015]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first or second aspect, the filler itself has a tensile shear adhesive strength of 3 MPa or more to the panel material on the side where the filler is filled. I do.
[0016]
According to the present invention, the rigidity and the energy absorbing ability can be increased by the filler itself without providing the adhesive layer, and the maximum bending moment value that can be borne by the frame can be considerably increased.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(Embodiment 1)
FIG. 1 shows an overall configuration of an automobile body 1 including a center pillar 2 (frame) to which a frame structure according to Embodiment 1 of the present invention is applied. The center pillar 2 extends substantially vertically in substantially the center in the front-rear direction of the left and right sides of the vehicle body 1, and its upper end is joined to a roof side rail 3 extending in the front-rear direction on the left and right sides of the vehicle compartment roof. The lower end is joined to a side sill 4 extending in the front-rear direction on both right and left sides of the vehicle floor. A filler 11 (see FIGS. 2 and 3) is provided at or near the belt line portion of the center pillar 2 as described later. The part is prevented from breaking into the passenger compartment. In FIG. 1, reference numeral 5 denotes a front pillar, and reference numeral 6 denotes a rear pillar.
[0018]
As shown in FIGS. 2 and 3, the center pillar 2 includes an outer panel 12 made of a steel sheet or the like located outside the vehicle body, an inner panel 13 made of a steel sheet or the like located inside the vehicle body, and the outer panel 12 and the inner panel 13. And a reinforcement 14 made of a steel plate or the like provided between the center pillar 2 and the cross section (frame cross section) of the center pillar. The outer panel 12, the inner panel 13, and the reinforcement 14 have flange portions 12a, 12a, 13a, 13a, 14a, 14a on both left and right sides (both front and rear sides of the vehicle body 1). The parts 12a, 13a, and 14a are integrated with each other by being joined by spot welding. That is, the outer panel 12 and the inner panel 13 are panel members that form a cross section of the center pillar 2 in a closed cross section, and form an outer edge of the center pillar 2 in a cross section. As a result, the vehicle body outer portion of the center pillar 2 cross section is configured to have a closed cross section, and the inner panel 13 and the reinforcement 14 are configured to have the vehicle body inner portion of the center pillar 2 cross section having a closed cross section. Each of the outer panel 12 and the reinforcement 14 has a substantially U-shaped cross section, and a space between the both has a substantially U-shaped cross section.
[0019]
The space between the outer panel 12 and the reinforcement 14 at or near the belt line portion of the center pillar 2 is filled with a filler 11 made of, for example, an epoxy resin. In other words, the filler 11 is not formed entirely in the cross section of the center pillar 2 but in the cross section on the side where the impact load As is input, or due to the bending moment acting on the center pillar 2 due to the impact load As. Is filled only on the side of the vehicle (where the center pillar 2 is outside the neutral shaft than the neutral shaft), and has a substantially U-shaped cross section. The average compressive strength of the filler 11 is set to 4 MPa or more (preferably 5 MPa or more), and the maximum bending strength is set to 10 MPa or more (preferably 60 MPa or more). This means that if the average compressive strength is 4 MPa or more, even if the impact load As is inputted to the center pillar 2, the belt line portion of the center pillar 2 is locally deformed and the cross section is crushed. If the maximum bending strength is 10 MPa or more, even if the center pillar 2 is locally deformed significantly, the crack of the filler 11 is suppressed and the center pillar 2 is brittlely broken. This is because the effect can be obtained more stably if the average compressive strength is 5 MPa or more and the maximum bending strength is 60 MPa or more. The average compressive strength is such that when a compressive load is applied at a speed of 10 mm / min from one direction to a material obtained by processing the filler 11 into a cube having a side of 30 mm, the displacement (compression amount) is 0 to 8 mm. It means the average intensity in the range (see FIG. 38). Further, the maximum bending strength is such that a flat test piece having a width of 50 mm, a length of 150 mm, and a thickness of 10 mm is measured at a distance between supporting points of 80 mm. And press the center between the fulcrums at a speed of 10 mm / min. The maximum bending strength when a three-point bending test is performed.
[0020]
Next, a method of assembling the center pillar 2 will be described. First, as shown in FIG. 4A, a non-foamed filler 10 processed into a sheet shape is attached to a predetermined portion of the side surface of the outer panel 12 of the reinforcement 14 and set.
[0021]
Thereafter, as shown in FIG. 4B, the reinforcement 14 to which the filler 10 has been attached is set on the outer panel 12, and the flange portions 12a and 14a of both are joined by spot welding. Then, as shown in FIG. 4C, the inner panel 13 is set to the reinforcement 14, and the flange 13a of the inner panel 13 is joined to the flange 14a of the reinforcement 14 by spot welding. Thus, the assembly of the center pillar 2 is completed.
[0022]
Next, after the assembly of the entire vehicle body 1 is completed, the vehicle body 1 is immersed in an electrodeposition liquid to perform electrodeposition coating, and thereafter, is thrown into a 180 ° C. atmosphere for 35 minutes to dry the electrodeposition coating. (The minimum temperature of the center pillar 2 is about 150 ° C.). Then, a vehicle body sealer is applied and put into a 140 ° C. atmosphere for 20 minutes to dry the vehicle body sealer (the temperature of the center pillar 2 is about 100 ° C.). The center pillar 2 is heated at 140 ° C. for 20 minutes, and then the top coat is applied. Then, the center pillar 2 is placed in a 140 ° C. atmosphere for 40 minutes and the top coat is dried. Drying is performed (the center pillar 2 is heated at 140 ° C. for 20 minutes). During the drying of the electrodeposition coating or the like, the filler 10 is heated by the drying heat to completely foam-fill the outer panel 12 and the reinforcement 14. In this manner, the unfoamed filler 10 is foamed and cured by the drying heat of electrodeposition coating or the like, so that it is not necessary to separately provide a foaming step, and productivity can be improved. In the drying step of electrodeposition coating, the foaming of the filler 10 is completed and about half is cured, and the remaining part is cured in the drying step of the intermediate coating and the top coating (in the drying step of the vehicle body sealer, the center pillar 2 is hardened). The temperature is too low and the filler 10 hardly hardens).
[0023]
When a side collision is made on the vehicle body 1, a large force that bends (buckles) and enters the inside of the cross section locally at the belt line portion of the outer panel 12 of the center pillar 2 due to the impact load As. May work. However, in the first embodiment, even if such a force acts on the outer panel 12, the force can be dispersed to the surroundings via the filler 11, and the average compressive strength of the filler 11 is 4 MPa. Since the above is set and the maximum bending strength is set to 10 MPa or more, an energy absorption amount close to the maximum value is obtained, and the bending of the center pillar 2 can be suppressed to the maximum. On the other hand, the filler 11 is provided not only in the entire cross section of the center pillar 2 but only between the outer panel 12 and the reinforcement 14, but the bending moment at the start of buckling is provided in the entire cross section of the center pillar 2. Since it is almost the same as the case, the impact energy can be effectively absorbed with a small filling amount. Moreover, since the filler 11 is a foam material, the weight of the vehicle body can be reduced. Therefore, it is possible to improve the collision safety while improving the fuel efficiency.
[0024]
Here, in the first embodiment, at least one of the strength (tensile strength, proof stress) and the rigidity of the reinforcement 14 is desirably set to be equal to or greater than that of the outer panel 12. In other words, if both the strength and the rigidity of the reinforcement 14 are smaller than those of the outer panel 12, when the belt line portion of the outer panel 12 is bent to enter the inside of the cross section, the reinforcement 14 is locally buckled and deformed. As a result, the outer panel 12 enters the inside of the cross section together with the filler 11. If at least one of the strength and the rigidity of the reinforcement 14 is equal to or more than that of the outer panel 12, the outer panel 12 enters the inside of the cross section. (Bending) can be more reliably suppressed.
[0025]
Further, it is desirable that the gap between the outer panel 12 and the reinforcement 14 in the filling portion of the filler 11 is set to 2 mm or more (preferably 3 mm or more). This is because when the filler 11 is not filled, the smaller the gap amount is, the larger the maximum bending moment value that the center pillar 2 can bear, but when the filler 11 is filled, the gap amount is smaller than 2 mm. This is because the filling effect of the filler 11 is low and almost no difference from the case where the filler 11 is not filled. On the other hand, if the gap amount is larger than 20 mm, the weight reduction effect is reduced and the cost is disadvantageous. Therefore, it is desirable to set the gap amount to 20 mm or less.
[0026]
Furthermore, it is desirable to provide an adhesive layer (vehicle body sealer or the like) having a tensile shear adhesive strength of 3 MPa or more on at least a part between the outer panel 12 and the filler 11. This allows the force locally applied to the outer panel 12 to be reliably dispersed around the outer panel 12 through the filler 11 and effectively increases the maximum bending moment value that the center pillar 2 can bear by the adhesive layer. When at least one of the strength and the rigidity of the reinforcement 14 is equal to or more than that of the outer panel 12 as described above, the outer panel 12 can enter the inside of the cross section or can protrude to the outside of the cross section. This is because the outer panel 12 can be effectively prevented from being bent. Then, instead of providing the adhesive layer, the filler 11 itself may have a tensile shear adhesive strength of 3 MPa or more with respect to the outer panel 12, so that the adhesive layer is not separately provided. And the above effect can be easily obtained. The adhesive layer may be provided not only between the outer panel 12 and the filler 11 but also at least a part between the inner panel 13 and the filler 11.
[0027]
In addition, the filler 11 has a length between the load supporting points of the center pillar 2 (between the upper end joined to the roof side rail 3 and the lower end joined to the side sill 4) in the longitudinal direction of the center pillar 2. It is desirable that the filler be filled in a length range of 15% or more. That is, although the energy absorption increases as the filling range of the filler 11 increases, the energy is substantially saturated at 15% of the length between the load supporting points. Therefore, if the filling is performed within a length range of 15% or more, an energy absorption amount close to a substantially maximum value is obtained.
[0028]
In the first embodiment, the filler 11 has an average compressive strength of 4 MPa or more (preferably 5 MPa or more) and a maximum bending strength of 10 MPa or more (preferably 60 MPa or more). The strength may be set to 4 MPa or more (preferably 5 MPa or more) or the maximum bending strength may be set to 10 MPa or more (preferably 60 MPa or more). Even in this case, the collision safety can be sufficiently improved. The filler 11 filled between the outer panel 12 and the reinforcement 14 is composed of two layers: the outer panel 12 (collision load input side) and the reinforcement 14 side (anti-collision load input side). On the outer panel 12 side, those having an average compressive strength of 4 MPa or more (preferably 5 MPa or more) are arranged, and on the reinforcement 14 side, those having a maximum bending strength of 10 MPa or more (preferably 60 MPa or more) are arranged. It may be. In this way, the compressive load acting directly on the outer panel 12 side and the bending load acting on the reinforcement 14 side can be effectively borne by the fillers 11 of each layer, respectively. The most effective properties can be provided to the reinforcing member for efficient reinforcement. The filler 11 does not necessarily need to be a foam material.
[0029]
Further, in the first embodiment, the reinforcement 14 is provided between the outer panel 12 and the inner panel 13, but the reinforcement 11 is not provided and the filler 11 is provided only in a part of the cross section of the center pillar 2. In that case, the filler 11 may be provided on the inner surface of the outer panel 12 in the cross section of the center pillar 2. In this case, a simple partition member having no reinforcing effect may be provided on the inner side surface of the outer pillar 12 in the cross section of the center pillar 2 in order to form a foam-filled space for the filler 11, and when the filler 11 is not a foam, What is necessary is just to stick on via an adhesive layer. The filler 11 does not need to have a U-shaped cross section. However, in order to increase the reinforcing effect while reducing the filling amount, the filler 11 preferably has a U-shaped cross section including the outer panel 12 (the first embodiment). The same applies).
[0030]
Further, as shown in FIGS. 5 and 6, in the cross section of the center pillar 2, an upper reinforcement 15 is provided at an upper part, and a lower reinforcement 16 is provided at a lower part, and both the reinforcements 15, 16 (the outer panel 12) are provided. Flange portions 15a, 15a, 16a, 16a for joining to the flange portions 12a, 12a of the inner panel 13 and the flange portions 13a, 13a of the inner panel 13 are provided on the right and left sides of the belt line portion or in the vicinity thereof. (The upper reinforcement 15 is positioned outside the vehicle body at a predetermined interval from the lower reinforcement 16). Between the lower reinforcement 16 and Material 11 may be filled, respectively. Also, in this case, the filler 11 may be filled only between the outer panel 12 and the upper reinforcement 15. In short, the filler 11 may be filled between the outer panel 12 and one of the two reinforcements 15 and 16. May be filled.
[0031]
In addition, in the first embodiment, the frame structure of the present invention is applied to the center pillar 2, but can be applied to pillar members other than the center pillar 2 (the front pillar 5 and the rear pillar 6). In addition, a frame member (front side frame, rear side frame, roof side rail 3, side sill 4, etc.) extending in the front-rear direction on both left and right sides of the vehicle body 1, a connecting member (cross member) for connecting the left and right frame members ), A reinforcing member (impact bar, etc.) of a door body, a reinforcing member (bumper reinforcement, etc.) of a bumper, etc., the filler 11 can be provided only on a part of the frame cross section. The member 11 is provided on one or both of the two panel members constituting the frame cross section of each of these members on the inner surface of the frame cross section, or when a reinforcement is provided between the two panel members. It may be provided only between one of the panel materials and the reinforcement. For example, as shown in FIG. 7, in the case of the front side frame 21 in which the cross section is formed by the upper and lower panel members 22 and 23 in a closed cross section, the inner surface of the lower panel member 23 at the bent portion is formed. May be provided with a filler 11. By doing so, the front portion of the front side frame 21 is crushed by the impact load Af (see FIG. 1) at the time of a front collision, and finally the front portion moves upward by being bent at the bent portion. At the time of this bending, the impact energy can be effectively absorbed by the filler 11. That is, in this case, the filler 11 is preferably provided on the side where the tensile stress is generated by the bending moment acting on the front side frame due to the impact load Af. On the other hand, as shown in FIG. 8, in the case of the rear side frame 25 having a closed cross section formed by the upper and lower panel members 26 and 27, the rear part of the rear side frame 25 is subjected to an impact load Ar at the time of a rear collision. Since it is necessary to suppress the upward movement due to the bending at the bent portion, it is sufficient to provide the upper panel member 26 at the bent portion on the inner surface of the cross section of the frame.
[0032]
(Embodiment 2)
FIG. 9 shows a second embodiment of the present invention (in the following embodiments, the same parts as those in FIGS. 2 and 3 are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted). The second embodiment is different from the first embodiment in that a plurality of beads 14b, 14b,.
[0033]
That is, in the second embodiment, the space between the outer panel 12 and the reinforcement 14 (the foam filling space of the filler 11) is increased by the size of each bead 14b, and the space between the outer panel 12 and the reinforcement 14 is expanded into the foam filling space including the inside of the bead 14b. The filler 11 is foam-filled.
[0034]
The method of assembling the center pillar 2 is basically the same as that of the first embodiment, except that the method of setting the unfoamed filler 10 in the reinforcement 14 is different. That is, as shown in FIG. 10, the filler 10 is set by pushing a portion corresponding to each bead 14 b of the filler 10 to an intermediate portion in the depth direction in each bead 14 b. In this way, the filler 10 can be reliably held on the reinforcement 14, and it is possible to prevent the filler 10 from shifting or falling off before foaming. Also, since a gap is formed at the bottom of each bead 14b, this gap becomes a passage for the electrodeposition liquid when performing the electrodeposition coating, and improves the throwing power and dischargeability of the electrodeposition liquid, The occurrence of liquid pool can be prevented. As a result, it is possible to prevent the electrodeposition layer from peeling off due to unevenness due to the liquid pool, and to suppress a decrease in corrosion resistance. Then, the filler 10 is foamed and hardened by the drying heat of electrodeposition coating or the like, and the foamed filler 11 is completely filled between the outer panel 12 and the reinforcement 14 including the inside of each bead 14b. State.
[0035]
Therefore, in the second embodiment, since the plurality of beads 14b, 14b,... Formed substantially in the longitudinal direction of the center pillar 2 in the reinforcement 14, the holding of the unfoamed filler 10 and the electrodeposition coating are performed. And the rigidity of the reinforcement 14 can be improved. As described in the first embodiment, the rigidity equal to or higher than that of the outer panel 12 can be easily obtained. Can be effectively suppressed from entering the inside of the cross section.
[0036]
In the second embodiment, a plurality of beads 14b having a substantially rectangular cross section are formed. However, as shown in FIG. 11, for example, each bead 14b may be formed in a substantially triangular cross section. As shown in FIG. 12, only one bead 14b may be formed.
[0037]
Also, in the second embodiment, similarly to the first embodiment, the present invention can be applied to a frame such as a pillar member or a frame member other than the center pillar 2, and at least a part of the frame cross section in each frame is a closed cross section. A bead is formed in at least one of a plurality of closed cross-section members which are formed in a shape and form a foam filling space therein, and the unfoamed filler 10 is set in one of the closed cross-section members forming the bead. What should I do?
[0038]
(Embodiment 3)
FIG. 13 shows Embodiment 3 of the present invention, in which upper and lower defining members 31 and 32 for vertically defining a space between the outer panel 12 and the reinforcement 14 are provided. A foam filling space of the filler 11 is formed between the outer panel 12 and the reinforcement 14 between the component members 31 and 32.
[0039]
That is, in the third embodiment, both the upper and lower defining members 31 and 32 are integrally formed on the reinforcement 14 so as to protrude toward the outer panel 12 by pressing. There are open portions 31a and 32a that communicate with the space outside the foam filling space in the vertical direction and at least partially fill the foam with the filler 11. Further, since the lower defining member 32 protrudes from the reinforcement 14 toward the outer panel 12, as shown in FIG. 14, the filler 10 is set when the filler 10 is set in the reinforcement 14. It is configured so that it can be held up and down.
[0040]
Therefore, in the third embodiment, the unfoamed filler 10 is set at the upper position of the lower defining member 32 integrally formed in the reinforcement 14 in a state where the filler 10 is held vertically by the lower defining member 32. By assembling the center pillar 2 in the same manner as in the second embodiment, it is possible to prevent the filler 10 from dropping downward from the foam filling space at the time of electrodeposition coating or the like. In addition, since the resistance of the open portions 31a and 32a of the upper and lower defining members 31 and 32 is large, the filler 10 is first foam-filled into the foam-filled space at the time of foaming, and the remaining portion after that is filled. At least a part of each of the open portions 31a and 32a is foam-filled. As a result, by adjusting the vertical length and gap amount of each of the open portions 31a and 32a, it is possible to reduce the variation in the foaming rate of the filler 11 in the foam filling space even when the set amount of the filler 10 varies. Moreover, since the upper and lower ends of the filler 10 are restrained by the open portions 31a and 32a during foaming, unlike the first and second embodiments, the upper and lower ends of the filler 10 are foamed in a free state. In addition, it is possible to prevent the upper and lower ends from being cracked after foaming. Therefore, only by providing the upper and lower defining members 31 and 32, the non-foamed filler 10 can be held and can be uniformly foamed and filled. It is possible to prevent a drop in impact energy absorption performance and the like due to cracks in the part.
[0041]
Further, since both the upper and lower defining members 31, 32 are integrally formed with the reinforcement 14, the upper and lower defining members 31, 32 can be formed with a simple configuration without separately providing a new member. Can be provided.
[0042]
Here, in the above-described Embodiment 3, the amount of clearance between the open portions 31a and 32a of the upper and lower defining members 31 and 32 (between the outer panel 12 and the distal end portions of the upper and lower defining members 31 and 32). The distance between the outer panel 12 and the reinforcement 14 in the portion where the filler 11 is filled is preferably 5 mm or less. This is because if the gap amount in each of the open portions 31a and 32a is larger than 5 mm, the effect of reducing the variation in the foaming rate of the filler 11 and the effect of suppressing cracks at the upper and lower ends thereof cannot be sufficiently obtained. .
[0043]
In the third embodiment, the upper and lower defining members 31, 32 are formed integrally with the reinforcement 14, but they may be formed as separate members. For example, as shown in FIG. 15, the upper and lower defining members 31 and 32 made of a steel plate or the like may be joined to the reinforcement 14 by welding. Further, the upper and lower defining members 31 and 32 made of a plate-shaped resin may be bonded to the reinforcement 14, and as shown in FIG. Protrusions 31b and 32b are formed on the side surfaces of the reinforcements 14 of the defining members 31 and 32, and the respective protrusions 31b and 32b are fitted into fitting holes 14c and 14c provided in the reinforcement 14, respectively. Is also good.
[0044]
Further, as shown in FIGS. 17 and 18, the upper and lower defining members 31, 32 are both fixed to the reinforcement by press-forming a single steel plate having a considerably small thickness. Parts 31c, 32c and one end of the fixed parts 31c, 32c, and obliquely from the connection part toward the outer panel 12 (the upper defining member 31 is on the upper side, and the lower defining member 32 is on the lower side. ) Extending cantilever-shaped flexible portions 31d and 32d (opening portions 31a and 32a are provided at the distal ends), and by adjusting the elastic restoring force of the flexible portions 31d and 32d, the filler material is formed. When the foam 10 is foamed, the upper and lower ends are restrained to suppress cracking and to reduce the foaming rate variation.
[0045]
Also, as shown in FIG. 19, the plate thickness is made larger than those shown in FIGS. 17 and 18 to make it harder to bend, and the distal ends of the flexible portions 31d and 32d are moved upward with the upper defining member 31 facing downward. The side defining member 32 is bent downward to be substantially parallel to the outer panel 12 to form open portions 31a and 32a in substantially parallel portions. As in the third embodiment, the upper and lower portions of the open portions 31a and 32a By adjusting the length in the direction and the amount of the gap, it is possible to reduce the variation in the foaming rate and to suppress the occurrence of cracks.
[0046]
Further, each of the open portions 31a, 32a of the upper and lower defining members 31, 32 may be a hole-shaped one penetrating the upper and lower defining members 31, 32.
[0047]
Further, in the third embodiment, the present invention can be applied to a frame extending substantially vertically like a pillar member, and in each frame, at least a part of a frame cross section is formed in a closed cross section, and a foam filling space is formed therein. The upper and lower defining members 31 and 32 are provided on at least one of the plurality of closed section members forming the member, and an unfoamed filler is provided above the lower defining member 32 in the closed section member. What is necessary is just to set it, holding 10 in the up-down direction by the lower defining member 32.
[0048]
(Embodiment 4)
FIG. 20 shows a fourth embodiment of the present invention. In addition to the filler 11 in the first to third embodiments (hereinafter, referred to as a first filler 11 in the fourth embodiment), a second filler 36 is further added. It is foam-filled.
[0049]
That is, in the fourth embodiment, the second filler 36, 36 is provided between the outer panel 12 and the reinforcement 14 at both ends in the longitudinal direction (vertical direction) of the center pillar 2 of the first filler 11. The filler 11 is filled so as to contact the upper and lower ends. Each of the second fillers 36 has a higher foaming rate than the first filler 11, and is made of, for example, a urethane foam resin or a rubber foam.
[0050]
To assemble the center pillar 2, first, as shown in FIG. 21, the first filler 10 in an unfoamed state is set on the reinforcement 14, and the upper and lower sides of the first filler 10 are At the both ends in the direction, unfilled second fillers 35, 35 processed into a sheet shape are set. At this time, these first and second fillers 10 and 35 have upper and lower ends of the first filler 11 located outside the required filling area of the first filler 11 after foam filling. The fillers 11 and 36 are set at positions where the ends of the fillers 11 and 36 come into contact with each other. Next, the center pillar 2 is assembled, and the above fillers 10, 35 are foam-filled by the drying heat of electrodeposition coating or the like, whereby the above structure is obtained.
[0051]
Therefore, in the fourth embodiment, even if cracks occur at both ends in the vertical direction of the first filler 11, the second filler 36, which is less likely to crack due to high foaming, causes cracks to progress from the cracks. Can be prevented, and a decrease in the impact energy absorption performance and the like of the first filler 11 can be prevented. As a result, it is not necessary to provide the upper and lower defining members 31 and 32 as in the third embodiment, and the upper and lower ends of the first filler 10 are foamed in a free state to reduce the variation in the foaming ratio. In addition, it is possible to flexibly cope with a change in the filling position and the like.
[0052]
In the fourth embodiment, the unfoamed first and second fillers 10 and 35 are substantially simultaneously foamed. However, after the first filler 11 is foamed and filled, as shown in FIG. The second fillers 36, 36 (for example, two-pack, room temperature curing type) are foam-filled on both ends in the vertical direction of the foam-filled first filler 11 by using filling guns 37, 37. You may make it do. In this way, the first filler 11 is not affected by the second filler 36 at the time of foaming, so that the first filler 11 can be completely foamed in a free state, and the variation in the foaming ratio is further reduced. Can be done.
[0053]
In addition, as shown in FIG. 23, an opening 14 d (for example, to confirm whether the unfilled first filler 11 is set) is set in the portion of the reinforcement 14 where the first filler 11 is filled. When the first filler 11 leaks from the opening 14d when a material or a material provided for positioning at the time of setting (see Embodiment 5 to be described later) is formed, the leakage occurs. Since a crack is also generated in a portion, it is desirable that the second filler 36 be foam-filled also in a portion corresponding to the opening 14d between the inner panel 13 and the reinforcement 14. In this case, as shown in FIG. 24, the unfilled second filler 35 may be set in a portion of the inner panel 13 facing the opening 14d.
[0054]
Further, also in the fourth embodiment, similarly to the first embodiment, the present invention can be applied to a frame such as a pillar member or a frame member other than the center pillar 2, and at least a part of the frame cross section in each frame is a closed cross section. The non-foamed first and second fillers 10 and 35 are set in one of the plurality of closed cross-section members formed in a shape (as described above, after the first filler 11 is foamed and filled, the second filling is performed). When the material 36 is foam-filled, only the first filler 10 may be set).
[0055]
(Embodiment 5)
FIGS. 25 to 28 show a fifth embodiment of the present invention, in which the center pillar 2 is not provided in the longitudinal direction of the center pillar 2 (in FIGS. 25 and 26, the unfilled filler 10 is shown). An upper partial reinforcing member 41 and a lower partial reinforcing member 42 both having a substantially U-shaped cross section made of a steel plate or the like are provided in two cross sections.
[0056]
That is, in the fifth embodiment, the upper part reinforcing material 41 is welded to a portion of the reinforcement 14 provided over substantially the entire longitudinal direction of the center pillar 2 on the side of the inner panel 13 above the filler 11. (The flange portion is not provided.) The lower portion reinforcing member 42 is welded to a portion of the side surface of the inner panel 13 of the reinforcement 14 below the filler 11 by welding or the like. (The flange portion is not provided). In the fifth embodiment, the reinforcement 14 is formed by integrally connecting an upper reinforcement 45 and a lower reinforcement 46 (shown by a two-dot chain line in FIG. 26). The partial reinforcing member 42 is provided below the upper reinforcement 45 (the lower reinforcement 46 and the outer panel 12 are omitted in FIG. 25).
[0057]
An extension 41a is formed at the lower end of the upper partial reinforcement 41 so as to wrap around the upper end of the filler 11, and the upper end of the lower partial reinforcement 42 has An extension 42a is formed to extend so as to overlap the lower end. A part of each of the extending portions 41a and 42a of the upper and lower partial reinforcing members 41 and 42 also wraps with the unfoamed filler 10 (see FIG. 26). In this case, the wrap range is larger than the unfoamed filler 10 in the vertical direction.
[0058]
The upper end (the end where the extension 41a is not formed) of the upper partial reinforcing member 41 is joined to the roof side rail 3 which is a strength member together with the outer panel 12, the inner panel 13 and the upper reinforcement 45. .
[0059]
At the upper and lower ends of the unfoamed filler 10, cutouts 10a, 10a having a substantially triangular shape are formed. Each of the notches 10a is provided with the positioning holes 14e, 14e provided in the upper reinforcement 45 so as to correspond to each of the notches 10a, and the unfoamed filler 10 is filled with the upper reinforcement 45. It is provided for positioning when pasting to the.
[0060]
If the unfoamed filler 10 is previously processed into a shape along the reinforcement 14 and stored at 10 ° C. or less, the clay-like filler 10 can be used. Even if the hardness changes depending on the temperature, the work of aligning and positioning along the shape of the reinforcement 14 becomes easy.
[0061]
Therefore, in the fifth embodiment, the strength of the portion of the center pillar 2 where the filler 11 is not provided is also improved by the upper and lower partial reinforcing members 41 and 42 having the extending portions 41a and 42a, and the filler It is possible to reduce the change in intensity at the boundary between the portion where the portion 11 is provided and the portion where the portion 11 is not provided. Therefore, concentration of stress at the boundary can be suppressed, and deformation at the boundary can be prevented.
[0062]
In the fifth embodiment, the upper and lower partial reinforcing members 41 and 42 are provided in order to reduce the strength change at the boundary between the portion where the filler 11 is provided and the portion where the filler 11 is not provided. As described in the first embodiment, an adhesive layer is provided between the outer panel 12 and the filler 11 or the filler 11 itself has an adhesive force, so that the upper and lower ends of the filler 11 are attached to the outer panel 12. The tensile shear adhesive strength may be set lower than the middle part of the filler 11 in the vertical direction. In this case, it is desirable that the tensile shear adhesive strength at both upper and lower ends of the filler 11 be set to be smaller than 7 MPa (or 0 in some cases), and that the middle part in the vertical direction be set to 7 MPa or more. In order to lower the tensile shear bond strength at both the upper and lower ends of the filler 11, an adhesive having a lower tensile shear bond strength than the middle part in the vertical direction may be used, or the same adhesive as the middle part in the vertical direction may be used. May be used by partially masking, and when the filler 11 itself has an adhesive strength, two types of fillers having different tensile shear adhesive strengths may be used ( In the fourth embodiment, the tensile shear adhesive strength of the second filler 36 may be lower than that of the first filler 11).
[0063]
Furthermore, in order to reduce the change in strength at the boundary, the strength of the upper and lower ends of the filler 11 may be set lower than that of the middle of the filler 11 in the vertical direction. For example, as shown in FIG. 29, the notch 10a for alignment in the unfoamed filler 10 is considerably enlarged to reduce the foam filling density at the upper and lower ends to thereby reduce the upper and lower ends. Can be made lower in strength after foaming than in the middle part in the vertical direction. Alternatively, as shown in FIG. 30, the left and right sides of the upper and lower ends of the unfoamed filler 10 may be cut off to reduce the strength of the upper and lower ends after foaming.
[0064]
Further, in order to align the unfoamed filler 10 with respect to the upper reinforcement 45, instead of providing the notches 10a, 10a, protrusions 10b, 10b as shown in FIGS. 31 and 32 are provided. Alternatively, the through holes 10c may be formed as shown in FIG. When the above-described projections 10b are formed in the filler 10 (the notch 10a may be formed), at least a part of the positioning hole 14e is covered by the projections 10b and the like. By doing so, it is possible to inspect whether or not the filler 10 is stuck at a correct position after the outer panel 12 and the reinforcement 14 are combined. In order to suppress the leakage of the filler 11 from the positioning hole 14e during foaming as much as possible, the diameter may be set to 3 mm or less. Further, the positioning hole 14e does not need to be circular, and may have a shape as shown in FIGS. 34 to 36, for example. In this case, the leakage of the filler 10 from each positioning hole 14e is suppressed. In this case, the position shown in each figure may be set to 3 mm or less. Further, when the above-described through holes 10c are formed in the filler 10, as shown in FIG. 37, the clip 49 is inserted between the upper through hole 10c and the positioning hole 14e of the upper reinforcement 45. If the filler 10 is locked by being penetrated, the filler 10 can be held, and whether or not the filler 10 is stuck at the correct position depends on whether or not the clip 49 projects from the positioning hole 14e. An inspection can also be performed.
[0065]
In addition, although the above-described inspection cannot be performed in place of the alignment hole 14e, a convex portion or a concave portion may be formed in the upper reinforcement 45 for alignment with the filler 10, and marking may be performed. You may.
[0066]
Further, in the fifth embodiment, the filler 11 is provided only at one place in the longitudinal direction of the center pillar 2. However, when the filler 11 is provided separately at two or more places, a part is also provided between the two fillers. It is sufficient to provide a reinforcing material, and extension portions may be provided at both ends in the frame longitudinal direction of the partial reinforcing material.
[0067]
In addition, similarly to the first embodiment, the fifth embodiment can be applied to a frame such as a pillar member or a frame member other than the center pillar 2. The filler 11 may not be a foam material, and the upper and lower partial reinforcing members 41 and 42 may not be plate materials.
[0068]
【Example】
Next, a specific embodiment will be described.
[0069]
First, the basic physical and mechanical properties of the filler itself (that is, not the state of the filler in the cross section of the frame but the filler itself) were examined. That is, the density of each of the six types of materials shown in Table 1 was examined, and the average compressive strength and maximum bending strength were determined by a test. In addition, the said density measured the value in room temperature (about 20 degreeC) about all the materials.
[0070]
Among the materials in Table 1, the urethane foam resin has a hardness of 8 kg / cm. Two The aluminum foam is made of aluminum foam, the wood is made of pine, the aluminum lump is made of rod-shaped aluminum, and the reinforcement is made of a 1 mm thick steel plate (SPCC; In this example, the steel plates used were all reinforcing materials made of SPCC.
[0071]
The density of the reinforcement is calculated from the weight of the reinforcement provided in the frame section as shown in FIG. 39 to be described later and the volume of the frame corresponding to the portion where the reinforcement is provided. It is calculated as the density. Further, the average compressive strength of the urethane foam and the average compressive strength and the maximum bending strength of the reinforcement were all too low to be measured.
[0072]
[Table 1]
[0073]
A simple compression test for examining the average compression strength of each filler was performed as follows. That is, the test material of each material was processed into a cube having a side of 30 mm to prepare a test piece, and a compressive load was applied thereto at a speed of 10 mm / min from one direction, as schematically shown in FIG. Then, the average load in the range of the displacement (compression amount) of 0 to 8 mm was obtained, and this was defined as the average compression strength of the filler.
[0074]
In addition, a simple bending test for checking the maximum bending strength of each filler was performed as follows. That is, the test material of each material was processed into a flat plate having a width of 50 mm x a length of 150 mm x a thickness of 10 mm to prepare test pieces, and the test piece of each filler was set to a distance between fulcrums of 80 mm. A three-point bending test was performed by a so-called autograph by pressing the center with an R8 indenter at a speed of 10 mm / min. Then, the maximum bending strength of each filler was calculated from the load-displacement diagram.
[0075]
From the density data of each filler in Table 1 above, cost, weight reduction effect, and the like, the density of the filler to be filled in the frame cross section of the body frame is 1.0 g / cm. Three The following is suitable, preferably 0.6 g / cm Three If it is below, a further weight saving effect can be expected.
[0076]
Next, the above-mentioned fillers were filled in the internal space of a predetermined portion of the frame, and a test for mainly evaluating the energy absorption characteristics of the frame was performed.
[0077]
First, a steel plate having a thickness of 1 mm was used as a panel material constituting the frame. The tensile strength of this steel sheet is 292 N / mm Two And the yield point is 147 N / mm Two And the elongation was 50.4%.
[0078]
As shown in FIG. 39, a panel member Po having a U-shaped cross section and a panel member Pi having a flat plate shape are combined with each other in a hat shape using the steel plate, and the overlapped portion Lf (flange portion) is 60 mm Spot welding was performed at the pitch to finally assemble.
[0079]
In the case where the reinforcement Rf is provided in the frame cross section as shown by the imaginary line in FIG. 39, the material of the reinforcement Rf is the same as the material of the panel materials Pi and Po of the frame FR. Was. In this case, both flange portions (not shown) of the reinforcement Rf were sandwiched between the flange portions (overlapping portions Lf) of both panel materials Pi and Po, and then three sheets were overlapped and assembled by spot welding.
[0080]
Each of the fillers shown in Table 1 was filled in the internal space of the predetermined portion of the frame FR, and various mechanical tests were performed to examine the relationship between the average compressive strength or the maximum bending strength and the energy absorption.
[0081]
First, the frame was subjected to a static three-point bending test. FIG. 40 is an explanatory diagram schematically showing a test device for performing a static three-point bending test on the frame Rf. FIG. 41 is an explanatory diagram showing an enlarged main part of the static three-point bending test apparatus.
[0082]
In FIG. 39, a filler S is filled in a cross section of a frame FR having a cross-sectional shape indicated by a solid line over a length of Ef = 50 to 300 mm, and the frame FR is inserted through an indenter Ma by a universal testing machine. A static load Ws was applied to the center, and as shown in FIG. 42, a load-displacement in a displacement range of 0 to 45 mm was measured to obtain a static energy absorption amount.
[0083]
The test results are shown in the graphs of FIGS. First, FIG. 43 shows the relationship between the mass of the filler and the amount of energy absorption. In FIG. 43, black circles (●) indicate a case where wood is filled, black squares (■) indicate a case where epoxy resin A is filled, and white triangles (△) indicate a case where steel plate reinforcement (sheet thickness 1) is used. .0 mm) is provided in the cross section of the frame. The white circles (○) show the case of a steel plate having a thickness of 1.6 mm for reference.
[0084]
As can be clearly understood from this graph (FIG. 43), in both the wood and the epoxy resin A, the absorption energy increases as the filling mass of the filler S increases, and the frame supported by both the fulcrums Ms of the test apparatus. The maximum value was shown with the part collapsed. Further, when the filler S such as wood or epoxy resin is used, a much smaller filling mass is required to obtain the same amount of energy absorption as compared to the case where only the reinforcement is provided.
[0085]
Thus, by filling the filler S in the frame cross section, it was confirmed that the energy absorption of the frame FR was significantly improved as compared with the case where only the reinforcement Rf was provided.
[0086]
FIG. 44 shows the relationship between the average compressive strength of the filler S and the amount of energy absorption. The horizontal axis of the graph is a logarithmic scale. In this measurement, the filling length Ef of each filler S was set to 50 mm. When the filling length is less than this level, the filler S is hardly subjected to the bending action, and the energy absorption has a very strong correlation with the compressive strength. In FIG. 44, points a1, a2, a3, a4, and a5 indicate that the data are for urethane resin, Al foam, wood, epoxy resin A, and Al lump, respectively.
[0087]
As can be clearly understood from the graph of FIG. 44, the energy absorption increases as the average compressive strength of the filler S increases, but when the average compressive strength exceeds 4 MPa, the degree of increase in the energy absorption of the frame FR saturates. . In other words, if the average compressive strength is 4 MPa or more, it is possible to obtain an energy absorption amount almost close to the maximum value.
[0088]
In particular, when the average compressive strength becomes 5 MPa or more, the degree of increase in the energy absorption amount of the frame FR is more stably saturated, and the energy absorption amount close to the maximum value can be obtained more stably.
[0089]
Further, FIG. 45 shows the relationship between the maximum bending strength of the filler S and the amount of energy absorption, and FIG. 46 shows an enlarged portion of the graph of FIG. 45 where the maximum bending strength is 80 MPa or less. is there. In this measurement, the filling length Ef of each filler S was set to 100 mm. When the filling length is increased to about 100 mm, the bending strength of the filling material also greatly contributes to improving the energy absorption of the frame FR. In FIGS. 45 and 46, points b1, b2, b3, and b4 indicate data of the Al foam, the epoxy resin A, the wood, and the aluminum lump, respectively.
[0090]
As can be clearly understood from these graphs, the energy absorption increases as the maximum bending strength of the filler S increases, but when the maximum bending strength exceeds 10 MPa (particularly, see FIG. 46), the energy absorption of the frame FR increases. The degree saturates. In other words, if the maximum bending strength is 10 MPa or more, it is possible to obtain an energy absorption amount almost close to the maximum value.
[0091]
In particular, when the maximum bending strength is 60 MPa or more, the degree of increase in the energy absorption of the frame FR is more stably saturated, and the energy absorption close to the maximum value can be obtained more stably.
[0092]
In the above static energy absorption test, when the filler is not filled in the frame cross section, the frame FR is locally largely deformed at the input point of the load Ws as shown in FIG. On the other hand, when the filler is filled in the frame cross section, as shown in FIG. 48, the input load Ws is changed not only at the input point but also at the filler S filled within the range of the length Ef. Are dispersed around the filled portion of the frame FR. In other words, by filling the inside with the filler S, the frame is deformed over a wide range without locally causing large deformation. Thus, it is considered that the absorbed energy also increases dramatically.
[0093]
The energy absorption amount of the filler S alone at this time was calculated to be 7% or less of the total absorbed energy. From this, the improvement of the energy absorption by filling the filler FR into the frame FR is because the load dispersing effect of the filler S contributes much more than the energy absorption of the filler S itself. Can understand.
[0094]
In addition, in the graph of FIG. 43, in particular, when the state of the frame after the test is visually observed with respect to the frame filled with wood indicating the upper limit of the energy absorption amount, the frame portion supported by both the fulcrums Ms of the test apparatus is almost completely Had been crushed. That is, it is considered that the maximum energy absorption in the main frame FR is caused by the collapse of the support portion by the fulcrum Ms. Therefore, in this case, it can be said that the role of the filler S is to distribute the input load Ws to the fulcrum portion.
[0095]
Furthermore, for each frame filled with each filler at the filling length Ef = 50 mm, the collapsed state of the cross section of the frame after the test is visually observed. When the frame has relatively low energy absorption (only the reinforcement Rf, urethane resin And Al foam), the cross section of the frame is almost completely crushed at the load input point, while those having relatively high energy absorption (epoxy resin, wood, and aluminum lump) are too crushed at the load input point. Did not.
[0096]
The collapse of the frame cross section at this load input point largely contributes to the compressive strength of the filler S. As described above, the amount of energy absorption increases as the average compressive strength of the filler S increases. It is saturated and more stably saturated at about 5 MPa (see FIG. 44).
[0097]
For this reason, the collapse of the cross section has a large effect on the energy absorption performance of the frame. When the cross section is collapsed, stress concentration occurs, accelerating local deformation, causing the frame FR to break, and sufficient energy absorption. It is considered that the quantity cannot be secured.
[0098]
Since the compressive load on the filler S filled in the frame FR acts directly on the load input side in particular, the average compressive strength of the filler S is sufficient to prevent the above-mentioned cross section from being crushed, especially on the load input side. It is preferably maintained at a value (4 MPa or more).
[0099]
Further, as described above, when the filling length Ef of the filler S is longer than a certain length, a difference occurs in the energy absorption even if the average compressive strength of the filler S is substantially equal. When the filling length Ef of the filler S was set to 100 mm, when the cross section of the frame filled with the epoxy resin A having a relatively low energy absorption was visually observed, cracks were found in the filler (epoxy resin). The maximum bending strength has a large effect on this crack, and as the maximum bending strength increases, the amount of energy absorption increases, saturates at about 10 MPa, and saturates more stably at about 60 MPa (FIG. 45 and FIG. 46).
[0100]
Since the bending load on the filler S filled in the frame FR acts directly on the non-load input side in particular, the maximum bending strength of the filler S is particularly large on the non-load input side. Is preferably maintained at a value (10 MPa or more) sufficient to prevent the above.
[0101]
From the above, when the filler S is filled in the frame FR, the filler S has a multi-layer structure composed of different fillers, and the average compressive strength on the load input side is equal to or more than a predetermined value (at least 4 MPa). By providing a material layer and providing a filler layer having a maximum bending strength of a predetermined value (at least 10 MPa) or more on the non-load input side, the energy absorption of the frame FR can be increased very efficiently.
[0102]
Following the static three-point bending test described above, the frame was subjected to a dynamic three-point bending test. FIG. 49 is an explanatory diagram schematically showing a test device for performing a dynamic three-point bending test on the frame FR. As in the case of the static three-point bending test, the filler S is filled in a cross section of a frame FR having a cross section shown by a solid line in FIG. The amount of deformation of the frame FR when the impact load Wd is applied to the center of the frame by the falling weight Mb is measured, and the impact load is measured by the load cell Mc, and as shown in FIG. Energy absorption was determined.
[0103]
FIG. 51 shows the relationship between the filler length and the energy absorption in the dynamic three-point bending test. In FIG. 51, black circles (●) indicate a case where wood is filled, and black squares (■) indicate a case where epoxy resin A is filled.
[0104]
As can be clearly understood from this graph (FIG. 51), as in the case of the static three-point bending test, in both the wood and the epoxy resin A, the absorption energy increases as the filling amount of the filler S increases, and The upper limit of the energy absorption was recognized, and the value was about 0.85 kJ.
[0105]
As described above, it was confirmed that the energy absorption of the frame FR was improved by filling the filler S in the frame cross section with respect to the dynamic load Wd.
[0106]
In addition, comparing the case of the static load Ws and the case of the dynamic load Wd, the energy absorption was larger for the dynamic load Wd, and was about 1.7 times that for the static load Ws.
[0107]
Further, when the ratio (static-dynamic ratio) between the case of the static load Ws and the case of the dynamic load Wd is calculated from the data of the energy absorption at each of the static load Ws and the dynamic load Wd obtained above, Very high correlation was observed. Therefore, the considerations made on the energy absorption under the static load Ws (such as the load dispersion effect by the filler S) can be basically applied to the case where the energy absorption under the dynamic load Wd is handled. It is considered.
[0108]
FIG. 52 shows the improvement rate of the energy absorption with respect to the case where only the reinforcement Rf is provided in the frame cross section and the filling length range of the filler S (the distance between the load fulcrums) in the dynamic three-point bending test. 6 is a graph showing the relationship between the filling length ratio. In FIG. 52, white circles (○) indicate wood and white triangles (△) indicate epoxy resin A, respectively.
[0109]
As can be clearly understood from this graph (FIG. 52), in both the wood and the epoxy resin, the absorption energy increases as the filling length range of the filler S increases, but it is almost saturated at about 15%. In other words, when the filling length range of the filler S is 15% or more with respect to the distance between the load supporting points, a substantially maximum energy absorption amount can be obtained. Therefore, the filling range of the filler S is preferably 15% or more of the distance between the load supporting points.
[0110]
FIG. 53 is an explanatory view schematically showing a test apparatus for performing a static cantilever bending test on a frame. After filling the filler S in the cross section of the frame FR having the cross-sectional shape shown in FIG. 54 and having a predetermined length, one end of the frame FR is fixed to the support plate Me, and the support plate Me is attached to the device substrate Mf. Fix it. Then, using a universal testing machine, a static load Wm is applied in the direction of the panel material Po via the indenter Md to the vicinity of the other end of the panel material Pi of the frame FR, and the bending angle (the displacement of the load application point and the base of this load application point) is determined. The relationship between the load and the load was measured, and the maximum bending moment and static energy absorption were determined.
[0111]
FIG. 55 is a graph showing a relationship between a bending angle and a bending moment of a frame filled with various fillers. In this graph, curve a shows the characteristics of the frame without filler (only steel plate frame), curve b shows the characteristics of the frame filled with epoxy resin A, curve c shows the characteristics of the frame filled with epoxy resin B, and curve d is the characteristics of a frame filled with epoxy resin B and applied with an adhesive (body sealer having a shear strength of 7.3 MPa) between the panel materials Po and Pi of the frame FR, and the curve e is wood (pine). The characteristics of the filled frame are shown respectively.
[0112]
As can be seen from the graph of FIG. 55, for any of the curves, until the bending angle reaches a certain degree, the bending moment value rises greatly so as to rise with the increase in the bending angle. The curves a to c and the curve e each reach a peak (maximum point) at a certain bending angle, and thereafter the bending moment decreases as the bending angle increases. In the case of the curve a (only the steel plate frame without the filler), the degree of the decrease is particularly large.
[0113]
On the other hand, in the case of the curve d (epoxy resin B + adhesive), even after a large increase in the bending moment, no decrease in the bending moment is observed with the increase in the bending angle, and the high bending moment value is maintained. are doing. The maximum bending moment value is also the largest among the five curves. Compared to curve c using the same filler (epoxy resin B), there is a clear difference both in the tendency to increase the bending angle and in the magnitude of the maximum bending moment.
[0114]
That is, even if the same filler is used, it can be seen that the bending moment characteristic of the frame is greatly improved by fixing the filler to the panel material of the frame with the adhesive.
[0115]
FIG. 56 is a bar graph showing the maximum bending moment [Nm] and the energy absorption [J] of the frame filled with various fillers similar to FIG. In this graph, the columns A to E indicate the same frames as the curves a to e in FIG. 55, respectively. In each column, the numerical value on the left (open bar graph) indicates the maximum bending moment [Nm] of the frame, and the numerical value on the right (hatched bar graph) indicates the energy absorption [J] of the frame.
[0116]
As can be clearly understood from the graph of FIG. 56, the energy absorption amount of the frame is largest when the epoxy resin B + adhesive (column D) is applied, and the energy absorption amount in the column C using the same filler (epoxy resin B). There is a clear difference compared to the amount absorbed.
[0117]
That is, even if the same filler is used, it can be seen that the energy absorption characteristics of the frame are greatly improved by fixing the filler to the panel material of the frame with the adhesive.
[0118]
FIG. 57 is a graph showing the relationship between the tensile shear strength of the adhesive layer (referred to as the shear strength in the figure) and the maximum bending moment. As can be clearly understood from the graph of FIG. 57, the maximum bending moment increases as the tensile shear bond strength of the adhesive layer increases, but when the tensile shear bond strength becomes 3 MPa or more, the degree of increase in the maximum bending moment ( The slope of the curve in the graph) becomes gentler than before. That is, if the tensile shear adhesive strength of the adhesive layer is 3 MPa or more, the maximum bending moment that the frame can bear can be increased very effectively, and a sufficient bending moment value can be achieved to obtain a high energy absorption capacity. Is possible. Therefore, the tensile shear adhesive strength of the adhesive layer may be 3 MPa or more. Further, when the tensile shear adhesive strength further increases, and when it is 7 MPa or more, the degree of increase in the maximum bending moment saturates. In other words, when the tensile shear adhesive strength is 7 MPa or more, a bending moment value almost close to the maximum value can be obtained. Therefore, the tensile shear adhesive strength of the adhesive layer is more preferably 7 MPa or more.
[0119]
The measurement of the tensile shear bond strength was performed based on JIS K 6850 “Testing method for tensile shear bond strength of adhesive”, and as shown in FIG. A steel plate with a width of 25 mm and a thickness of 1.6 mm is used. An unfoamed filler 52 is sandwiched between the bonded portions (length: 12.5 mm), and is fixed to a thickness of 0.5 mm. Heat (150 ° C x 30 minutes → 140 ° C x 20 minutes → 140 ° C x 20 minutes) simulating the drying heat, etc., and then conduct the test with the foamed and removed parts removed to conduct tensile shear. The adhesive strength was measured (the same with or without the adhesive layer).
[0120]
Next, the bending angle and bending moment of the frame 60 are different between a case where the filler is partially filled in the cross section of the 240 mm long frame 60 having the cross sectional shape shown in FIG. Was examined by the same static cantilever bending test as in FIG. The static load was applied from the outer panel 62 side to the inner panel 63 direction.
[0121]
Specifically, (a) a filler filled only between the outer panel 62 and the reinforcement 64 and (b) a filler filled only between the inner panel 63 and the reinforcement 64. (C) both the outer panel 62 and the reinforcement 64 and between the inner panel 63 and the reinforcement 64 are filled with a filler, and (d) no filler is filled at all. Were made and tested for them. At this time, the outer panel 62 used a steel plate having a thickness of 0.7 mm, the inner panel 63 used a steel plate having a thickness of 1.4 mm, and the reinforcement 64 used a steel plate having a thickness of 1.2 mm. The filler is an epoxy resin having an average compressive strength of 9 MPa and a maximum bending strength of 10 MPa (including filler, rubber, hardener, foaming agent, etc.), and the filler itself has a tensile shear adhesive strength of 10 MPa. To have. Then, the sheet-like unfoamed filler is kept at 170 ° C. for 30 minutes to completely fill the space between the outer panel 62 and the reinforcement 64 and / or the space between the inner panel 63 and the reinforcement 64. I let it. The filling amount of the filler was 117 g between the outer panel 62 and the reinforcement 64 and 423 g between the inner panel 63 and the reinforcement 64.
[0122]
The results of the bending test are shown in FIGS. From this, the maximum bending moment is best when the filler is filled in the entire cross section of the frame, but when compared with the bending moment at the start of buckling, the filler is only between the outer panel 62 and the reinforcement 64. The filling is almost the same as the filling in the entire cross section of the frame 60. Therefore, filling the filler only between the outer panel 62 and the reinforcement 64 is particularly effective for a frame that needs to suppress bending, such as a center pillar, and the bending per weight of the filler is required. The moment is very high, indicating that the efficiency is highest from the viewpoint of the filling amount.
[0123]
Subsequently, when the filler is filled only between the outer panel 62 and the reinforcement 64 of the frame 60, the bending height of the reinforcement 64 is changed so that the space between the outer panel 62 and the reinforcement 64 is changed. By changing the gap amount (here, only the portion of 7 mm in FIG. 59) and performing the same bending test as above, it was examined how the maximum bending moment changes depending on the gap amount. For comparison, a case where no filler was filled was also examined. The clearance between the outer panel 62 and the reinforcement 64 on both left and right sides (5 mm in FIG. 59) was kept at 5 mm.
[0124]
FIG. 63 shows the results of the above test. From this, when the filler is not filled, the maximum bending moment is higher as the gap amount is smaller, but when the filler is filled, when the gap amount is smaller than 2 mm, the case where the filler is not filled is different from the case where the filler is not filled. It can be seen that there is almost no change, and if the thickness is 2 mm or more, a sufficient filling effect can be obtained.
[0125]
Next, as shown in FIG. 64A, a center pillar in which the filler 71 was filled only between the outer panel 72 and the reinforcement 74 was manufactured (Example 1). At this time, the outer panel 72 is a steel plate having a thickness of 0.7 mm, the inner panel 73 is a steel plate having a thickness of 1.4 mm, and the reinforcement 74 is a steel plate having a thickness of 1.2 mm (since the material is the same as that of the outer panel 72, , The strength is the same as that of the outer panel 72, and the plate thickness is larger than that of the outer panel 72, so that the rigidity is larger than that of the outer panel 72. The filler 71 is made of an epoxy resin (including filler, rubber, hardener, foaming agent, etc.) having an average compressive strength of 13.0 MPa and a maximum bending strength of 13.5 MPa. It had a tensile shear bond strength of 5 MPa. After assembling the center pillar, heating (150 ° C. × 30 minutes → 140 ° C. × 20 minutes → 140 ° C. × 20 minutes) simulating the drying heat of electrodeposition coating or the like is performed to expand the unfoamed filler. Cured. The filling amount of the filler 71 was 150 g.
[0126]
On the other hand, for comparison, as shown in FIG. 64 (b), the same thing as the above-mentioned Example 1 (Comparative Example 1) was prepared except that the above-mentioned filler 71 was not filled at all. On the other hand, as shown in FIG. 64 (c), in order to reinforce without filling the filler material 71, the thickness of the reinforcement 74 is 1.8 mm, and the reinforcement 74 is made of a steel plate having a thickness of 1.2 mm. One in which the reinforcing material 75 was joined (Comparative Example 2) was produced.
[0127]
Then, a static cantilever bending test similar to the above was performed on each of the center pillars of Example 1 and Comparative Examples 1 and 2, and the relationship between the bending angle of the center pillar and the bending moment was examined. The static load was applied from the outer panel 72 side to the inner panel 73 direction.
[0128]
FIG. 65 shows the result of the center pillar bending test. This shows that the center pillar of Example 1 can obtain a much higher bending moment than Comparative Examples 1 and 2, and that the weight can be significantly reduced compared to the reinforcing method of Comparative Example 2.
[0129]
Next, as shown in FIG. 66 (a), an upper reinforcement 78 is provided above the center pillar, and a lower reinforcement 79 is provided below the center pillar. In the case of overlapping, the fillers 71, 71 of 180 g are filled between the outer panel 72 and the upper reinforcement 78 and between the upper reinforcement 78 and the lower reinforcement 79, respectively. (Example 2) was produced. At this time, the outer panel 72 is a 0.7 mm thick steel plate, the inner panel 73 is a 1.2 mm thick steel plate, the upper reinforcement 78 is a 1.2 mm thick steel plate, and the lower reinforcement 79 is a thick steel plate. Each steel plate having a thickness of 1.0 mm was used. The same filler as that used in the above-mentioned center pillar bending test is used as the filler 71, and an unfoamed filler is attached to the upper reinforcement 78 and the lower reinforcement 79, respectively, and dried such as electrodeposition coating. The foam was cured by heating simulating heat. On the other hand, for comparison, as shown in FIG. 66 (b), the same thing as the above-mentioned Example 2 (Comparative Example 3) was prepared except that the filler 71 was not filled at all.
[0130]
Then, for each of the center pillars of Example 2 and Comparative Example 3, the relationship between the bending angle and the bending moment of the center pillar was examined in the same manner as in the above-mentioned center pillar bending test.
[0131]
FIG. 67 shows the result of the center pillar bending test. This shows that the center pillar of Example 2 can obtain a much higher bending moment than Comparative Example 3.
[0132]
Next, a first filler made of the epoxy resin (average compressive strength 13.0 MPa, maximum flexural strength 13.5 MPa, tensile shear bond strength 10.5 MPa) used in the center pillar bending test, and a rubber foam material (Breaking strength after foaming 0.014 MPa, breaking elongation 200%, density 0.06 g / cm Two ), And a second filler having a higher foaming rate than the first filler is foamed as in the above embodiment. That is, the first and second fillers in an unfoamed state are attached to the reinforcement (the second filler is a two-layer structure having an adhesive sheet, and is attached via the adhesive sheet. ), After assembling the center pillar, heating was performed to simulate the drying heat of electrodeposition coating or the like to foam and harden. Thereby, the end crack of the first filler can be completely covered with the second filler, and even when the center pillar is vibrated, the small piece does not chip off due to the end crack of the first filler. Was.
[0133]
【The invention's effect】
As described above, according to the vehicle body frame structure of the present invention, the filler is provided only between the panel material on the side where the impact load is input and the reinforcement in the frame cross section, and the filler is averaged. The compression strength is at least 4 MPa (5 MPa or more) and the maximum bending strength is at least one of 10 MPa or more (60 MPa or more). An energy absorption amount close to the value is obtained, and the collision safety can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an entire configuration of an automobile body including a center pillar to which a frame structure according to a first embodiment of the present invention is applied.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a belt line portion of a center pillar.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a belt line portion of the center pillar.
FIG. 4 is an explanatory diagram showing a procedure for assembling a center pillar.
FIG. 5 is a diagram corresponding to FIG. 2, showing a structure in which an upper reinforcement and a lower reinforcement are provided in a cross section of a center pillar.
FIG. 6 is a diagram corresponding to FIG. 3, showing a structure in which an upper reinforcement and a lower reinforcement are provided in a cross section of a center pillar.
FIG. 7 is a longitudinal sectional view showing an example of a case where a filler is provided on a front side frame.
FIG. 8 is a longitudinal sectional view showing an example of a case where a filler is provided in a rear side frame.
FIG. 9 is a diagram corresponding to FIG. 3, showing the second embodiment.
FIG. 10 is a diagram corresponding to FIG. 9, showing a state before a filler foams.
FIG. 11 is a view corresponding to FIG. 9 showing another form of the bead.
FIG. 12 is a view corresponding to FIG. 9, showing still another form of the bead.
FIG. 13 is a diagram corresponding to FIG. 2, showing the third embodiment.
FIG. 14 is a diagram corresponding to FIG. 13, showing a state before a filler foams.
FIG. 15 is a view corresponding to FIG. 13, showing another form of the upper and lower defining members.
FIG. 16 is a view corresponding to FIG. 13, showing still another form of the upper and lower defining members.
FIG. 17 is a view corresponding to FIG. 13, showing still another form of the upper and lower defining members.
FIG. 18 is a view corresponding to FIG. 13, showing still another form of the upper and lower defining members.
FIG. 19 is a view corresponding to FIG. 13, showing still another form of the upper and lower defining members.
FIG. 20 is a diagram corresponding to FIG. 2, showing the fourth embodiment.
FIG. 21 is a diagram corresponding to FIG. 20, showing a state before the first and second fillers foam.
FIG. 22 is a diagram corresponding to FIG. 20, showing a state in which the second filler is filled by the filling gun after the first filler has foamed.
FIG. 23 shows an example in which, when an opening is formed in a first filler filling portion of a reinforcement, a second filler is provided in order to prevent a portion leaking from the opening from cracking. 21 corresponding to FIG.
24 is a diagram corresponding to FIG. 23, showing a state before the first and second fillers foam.
FIG. 25 is an exploded perspective view of a center pillar showing the fifth embodiment.
FIG. 26 is a front view of the reinforcement showing the positional relationship between the unfoamed filler and the upper and lower partial reinforcements in the vertical direction.
FIG. 27 is an enlarged sectional view taken along line XXVII-XXVII of FIG. 26;
FIG. 28 is an enlarged sectional view taken along line XXVIII-XXVIII of FIG. 26.
FIG. 29 is a front view showing an example of a shape in an unfoamed state for lowering the strength of the upper and lower ends of the filler after foaming.
FIG. 30 is a front view showing still another example of a shape in an unfoamed state for lowering the strength of both upper and lower ends of the filler after foaming.
FIG. 31 is a front view showing an example in which a projection is formed on a non-foamed filler for alignment.
FIG. 32 is a front view showing still another example in which a projection is formed for alignment in an unfoamed filler.
FIG. 33 is a front view showing an example in which a through hole is formed in a non-foamed filler for alignment.
FIG. 34 is an explanatory view showing another form of the positioning hole.
FIG. 35 is an explanatory view showing still another form of the positioning hole.
FIG. 36 is an explanatory view showing still another form of the positioning hole.
FIG. 37 is a vertical cross-sectional view of a center pillar belt line portion before foaming of a filler, showing a case where a clip is passed through a through hole of the filler and a positioning hole of a reinforcement.
FIG. 38 is a graph schematically showing a static compressive load-displacement curve of the frame to explain the average compressive strength of the filler.
FIG. 39 is a cross-sectional view showing a structure of a frame used in a three-point bending test.
FIG. 40 is an explanatory view schematically showing a test apparatus for performing a static three-point bending test on a frame.
FIG. 41 is an explanatory diagram showing an enlarged main part of the static three-point bending test apparatus of FIG. 40;
FIG. 42 is a graph schematically showing a static bending load-displacement curve of a frame for explaining a static energy absorption amount.
FIG. 43 is a graph showing a relationship between a filler mass and a static energy absorption amount of a frame.
FIG. 44 is a graph showing the relationship between the average compressive strength of the filler and the static energy absorption of the frame.
FIG. 45 is a graph showing the relationship between the maximum bending strength of the filler and the amount of static energy absorbed by the frame.
FIG. 46 is a graph showing an enlarged main part of FIG. 45;
FIG. 47 is an explanatory diagram schematically showing an example of a deformation mode of a frame when a filler is not filled.
FIG. 48 is an explanatory view schematically showing an example of a deformation mode of a frame when a filler is filled.
FIG. 49 is an explanatory view schematically showing a test apparatus for performing a dynamic three-point bending test on a frame.
FIG. 50 is a graph schematically showing a dynamic bending load-displacement curve of a frame for explaining a dynamic energy absorption amount.
FIG. 51 is a graph showing a relationship between a filling length of a filler and a dynamic energy absorption amount of a frame.
FIG. 52 is a graph showing a relationship between a filling length range and a rate of improvement in energy absorbency in a dynamic three-point bending test.
FIG. 53 is an explanatory view schematically showing a test apparatus for performing a static cantilever bending test on a frame.
FIG. 54 is a cross-sectional view showing a structure of a frame used for a static cantilever bending test.
FIG. 55 is a graph showing a relationship between a bending angle and a bending moment of a frame filled with various fillers.
FIG. 56 is a graph showing the maximum bending moment and the amount of energy absorption for a frame filled with various fillers.
FIG. 57 is a graph showing the relationship between the tensile shear bond strength of the adhesive layer and the maximum bending moment.
FIG. 58 is an explanatory view schematically showing a method for measuring tensile shear bond strength.
FIG. 59 is a cross-sectional view showing a frame used in a static cantilever bending test for comparing a case where a part of a cross section is filled with a filler and a case where the whole is filled.
FIG. 60 is a graph showing the relationship between the bending angle and the bending moment of the frame when a part of the cross section is filled with the filler, when the whole is filled, and when the filler is not filled at all.
FIG. 61 is a graph showing a comparison of bending moments at the start of buckling when a part of the cross section is filled with a filler, when the whole is filled, and when no filler is filled at all.
FIG. 62 is a graph showing a comparison of bending moment per weight of the filler when a part of the cross section is filled with the filler and when the filler is entirely filled.
FIG. 63 is a graph showing a relationship between a gap amount and a maximum bending moment when a filler is filled only between an outer panel and a reinforcement.
FIG. 64 is a cross-sectional view showing a structure of a center pillar used in a static cantilever bending test.
FIG. 65 is a graph showing a relationship between a bending angle and a bending moment of each center pillar of FIG. 64.
FIG. 66 is a diagram corresponding to FIG. 64 in the case of having upper reinforcement and lower reinforcement.
FIG. 67 is a graph showing a relationship between a bending angle and a bending moment of each center pillar of FIG. 66.
[Explanation of symbols]
1 Body
2 Center pillar (frame)
3 Roof side rail (frame)
4 Side sill (frame)
5 Front pillar (frame)
6 Rear pillar (frame)
11 Filler
12. Outer panel (panel material)
13 Inner panel (panel material)
14 Reinforcement

Claims (5)

2つのパネル材によりフレーム断面が閉断面状に構成され、該両パネル材間にレインフォースメントが設けられた車体のフレーム構造であって、
上記両パネル材のうち衝撃荷重が入力される側のパネル材とレインフォースメントとの間のみに、充填材が充填され、
上記充填材、レインフォースメント及び充填材が充填された側のパネル材は、断面略コ字状をなし、
上記充填材が充填された側のパネル材とレインフォースメントとの間の隙間量が、2mm以上に設定され、
上記レインフォースメントの強度及び剛性の少なくとも一方が、上記充填材が充填された側のパネル材と同等以上に設定され、
上記充填材は、一辺30mmの立方体状の試験片に一方向から10mm/minの速度で圧縮荷重を加えた際における変位量が0〜8mmの範囲での平均荷重により求められる圧縮強度を平均圧縮強度として、該平均圧縮強度が4MPa以上であること、及び、幅50mm、長さ150mm、厚さ10mmの平板状の試験片を80mmの支点間距離で、該支点間の中央を10mm/minの速度で押圧する三点曲げ試験を行った際における最大の曲げ強度を最大曲げ強度として、該最大曲げ強度が10MPa以上であることの少なくとも一方を満たすものであることを特徴とする車体のフレーム構造。
A frame structure of a vehicle body in which a frame cross section is configured to have a closed cross section by two panel members, and a reinforcement is provided between the two panel members,
Filling material is filled only between the panel material on the side where the impact load is input and the reinforcement of the two panel materials,
The filler material, the reinforcement and the panel material on the side filled with the filler material have a substantially U-shaped cross section,
The gap amount between the panel material on the side filled with the filler and the reinforcement is set to 2 mm or more,
At least one of the strength and rigidity of the reinforcement is set to be equal to or more than the panel material on the side where the filler is filled,
The above-mentioned filler has an average compressive strength determined by an average load in a range of 0 to 8 mm when a compressive load is applied at a rate of 10 mm / min from one direction to a cubic test piece having a side of 30 mm. As the strength, the average compressive strength is 4 MPa or more, and a flat test piece having a width of 50 mm, a length of 150 mm, and a thickness of 10 mm is provided at a distance between fulcrums of 80 mm, and the center between the fulcrums is 10 mm / min. A frame structure for a vehicle body, characterized in that the maximum bending strength at the time of performing a three-point bending test of pressing at a speed is the maximum bending strength, and the maximum bending strength is at least one of 10 MPa or more. .
請求項1記載の車体のフレーム構造において、
充填材は、平均圧縮強度が5MPa以上であること及び最大曲げ強度が60MPa以上であることの少なくとも一方を満たすものであることを特徴とする車体のフレーム構造。
The frame structure of a vehicle body according to claim 1,
The frame structure of a vehicle body, wherein the filler satisfies at least one of an average compressive strength of 5 MPa or more and a maximum bending strength of 60 MPa or more.
請求項1又は2記載の車体のフレーム構造において、
充填材が充填された側のパネル材と該充填材との間の少なくとも一部に、接着剤層が設けられていることを特徴とする車体のフレーム構造。
The frame structure of a vehicle body according to claim 1 or 2,
A frame structure for a vehicle body, wherein an adhesive layer is provided on at least a part between the panel material on the side where the filler is filled and the filler.
請求項3記載の車体のフレーム構造において、
接着剤層は、3MPa以上の引張せん断接着強さを有していることを特徴とする車体のフレーム構造。
The frame structure of a vehicle body according to claim 3,
The frame structure of a vehicle body, wherein the adhesive layer has a tensile shear bond strength of 3 MPa or more.
請求項1又は2記載の車体のフレーム構造において、
充填材自体が、該充填材が充填された側のパネル材に対して3MPa以上の引張せん断接着強さを有していることを特徴とする車体のフレーム構造。
The frame structure of a vehicle body according to claim 1 or 2,
A frame structure for a vehicle body, wherein the filler itself has a tensile shear adhesive strength of 3 MPa or more with respect to the panel material on the side where the filler is filled.
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