JP3595284B2 - 愛玩用鶏の飼育装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、愛玩用鶏の飼育装置に関し、詳しくは、室内で飼育できるように小型化された愛玩用の鶏を飼育するための装置を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
近年、鶏を卵の採取や食肉としての利用を図る養鶏の目的ではなく、家庭内で愛玩用に飼育することが行なわれるようになっている。
【0003】
このような愛玩用に適した鶏の品種改良が進められており、例えば、ミニロードアイランドレッド種(愛称「プチコッコ」)が知られている。この品種は、体型が小さく、性格が温厚で人慣れし易く、産卵率も高く繁殖させ易いなどの特徴を備えている。
【0004】
このような愛玩用鶏を一般家庭の室内やベランダなどで飼育する際には、カナリアなどの通常の愛玩用小鳥類を飼育するための鳥篭を使用するのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、愛玩用鶏を通常の鳥篭で飼育すると、いくつかの問題が発生する。
【0006】
例えば、糞の処理が問題である。他の小鳥類に比べて鶏の糞は量が多く、臭気も強い傾向がある。鳥篭を頻繁に掃除して糞を取り出して廃棄するのは、手間のかかる作業である。
【0007】
また、外敵の問題がある。一般家庭では、愛玩用鶏とともに、猫や犬なども一緒に飼うことが多い。猫や犬が、鳥篭の隙間から手足を差し入れて、愛玩用鶏を傷付ける心配がある。小鳥類の場合、鳥篭を天井や支柱に吊るした状態にして、猫などが近づき難いようにすることが行なわれている。しかし、愛玩用鶏の場合は、小鳥類に比べて大きく重いので、通常の鳥篭のように吊下げておくのは難しい。また、本来、地上生活をする鶏は、空中の不安定な状態では、飼育に適した環境ではない。
【0008】
本発明の課題は、前記した愛玩用鶏を、一般家庭の室内などでも良好に飼育することができる飼育装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる愛玩用鶏の飼育装置は、愛玩用鶏を収容して飼育する装置であって、前記鶏が収容される内籠と、前記内籠の外面のうち少なくとも側面および底面との間に間隔をあけて周りを囲んで内籠を収容し支持する外籠と、前記内籠の下方で外籠の内部に配置され、水平方向に揺動可能であり、前記鶏の糞を受け、糞処理材が収容されてなる糞受箱とを備える。
【0010】
〔愛玩用鶏〕
従来、養鶏に使用されていた品種を含む何れの品種も、愛玩用に飼育することはできるが、特に、愛玩用に品種改良された品種が好ましい。
【0011】
愛玩用鶏としては、比較的に小型のもの、あまり鳴かないもの、鳴いても鳴き声が小さかったり耳障りでないもの、あまり歩き回らず広い運動場を必要としないもの、糞の臭気が弱く量も少ないものなどが好ましい。成長後の体重が0.5〜2.0kg、体高が20〜40cmの範囲のものに適用できる。
【0012】
愛玩用鶏は、雛の段階から飼育しても良いし、成鳥になってから飼育するようであってもよい。
【0013】
〔内籠〕
基本的な材料や構造は、通常の鳥を飼育するための鳥篭と同様の技術が適用できる。
【0014】
具体的には、鋼などの金属線材や金属棒材を縦横に編んで、線棒材間に隙間があいた籠が使用される。金属材の代わりに、合成樹脂材を使用したり、金属材の外周を合成樹脂で被覆した被覆材を使用したりすることもできる。金属板や合成樹脂板に、多数の貫通孔や貫通スリットを配設したメッシュ板やパンチング板も使用できる。このような板材を透明材料で構成することもできる。籠の一部には、貫通部分のない板部分が存在していてもよい。
【0015】
内籠に有する線棒材同士の隙間や貫通部の幅を、愛玩用鶏の観察に支障がないとともに、愛玩用鶏が抜け出せず、外敵の攻撃を防ぐことができる程度に設定しておくことができる。内籠の底面は、愛玩用鶏が立っていれたり、卵が脱落難い程度に狭い隙間に設定しておく。
【0016】
内籠の形状は、一般的には直方体であるが、その他の立体形状も採用できる。例えば、円筒、角柱、球形、多面体、あるいは複数の図形を組み合わせた形状も挙げられる。
【0017】
内籠には、愛玩用鶏を出し入れする開閉自在な扉を設けておく。扉の位置は、一般的には側面部分であるが、上面や底面であってもよい。
【0018】
内籠は、通常の折り畳みや分解が可能な鳥篭と同様に、構成する各面を分解組立可能に構成しておくことができる。
【0019】
内籠を、外籠から取り出した状態で、愛玩用鶏を収容して持ち運びが可能な構造にしておけば、愛玩用鶏の移動に便利である。外籠の清掃、糞受箱の出し入れなどの内部作業に便利である。
【0020】
〔外籠〕
基本的な材料や構造は、前記した内籠と共通している。
【0021】
内籠を収容する外籠は、内籠よりも大きければ、その形状は制限されない。内籠と同形で寸法が大きいものであってもよいし、内籠とは形状が異なるものであってもよい。
【0022】
外籠は、内籠の外面のうち少なくとも側面および底面との間に間隔をあけて周りを囲む。内籠の上面については、外籠の上面と近接していてもよい。内籠の上面と外籠の上面とを一体化させておくこともできる。
【0023】
底面における外籠と内籠との間隔は、糞受箱の収容および揺動操作が可能な程度に設定しておく。側面における外籠と内籠との間隔は、外敵が外籠の外から内籠の内部の愛玩用鶏に危害を加えることができない程度に設定しておく。具体的には、外籠と内籠の間隔を3〜9cmの範囲に設定することができる。
【0024】
外籠に内籠を収容し、前記した隙間を維持した状態で内籠を支持しておく手段を備えておく。例えば、外籠の底に内籠を載せる台や支えを設けたり、外籠の内側面に内籠の外面に当接して隙間を規定する隙間規制材を設けたり、外籠の内側に内籠を所定位置に案内する案内部材を設けたりできる。なお、これらの部材は、外籠側に設けておくだけでなく、内籠側に設けておくこともできる。また、内籠および外籠に対して着脱自在に設けておいてもよい。
【0025】
内籠を外籠の内側に吊下げておけば、底面および側面に隙間を設定し易い。具体的には、外籠の上面または側面上部と、内籠の上面または側面上部との間を、吊線や吊下具で連結すればよい。吊下具を内籠の四方など複数方向に配置しておけば、内籠が揺れたり傾いたりすることが阻止できる。吊下具は、内籠および外籠を構成する線棒材と同様の材料が使用できる。金属のほか、合成樹脂やセラミックなども使用できる。
【0026】
外籠には、内籠を出し入れする扉を設けておくことができる。扉は、上面や側面など、内籠の出し入れがし易い個所に設けておく。内籠の出し入れとは別に、糞受箱を出し入れする扉を設けておいてもよい。
【0027】
〔糞受箱〕
内籠の下方で外籠の内部に配置され、内籠に収容された鶏の糞を受ける。
【0028】
したがって、平面形状としては、内籠の平面形状よりも少し外側に張り出している。糞受箱は、上面が開放され、糞処理材を必要な厚みで収容できる箱状をなしている。
【0029】
糞受箱の材料は、金属、合成樹脂、セラミックスなどの通常の構造材料が使用できる。
【0030】
糞受箱は水平方向に揺動可能である。具体的には、外籠の内部で糞受箱を水平方向に一定範囲で移動可能に配置しておき、外籠の外部から糞受箱を操作できるようにしておく。糞受箱を水平方向に移動可能に支持するには、外籠の内底面に摺動可能に支持しておけばよい。糞受箱の底面にコロや車輪、ボールなどの摺動部材を設けておくことができる。外籠の内底面で内籠に当接する位置に摺動部材を設けてもよい。糞受箱と外籠との対面個所でどちらかの表面にフッ素樹脂などからなる低摩擦材を配置しておくこともできる。糞受箱を、外籠に対して吊下具で揺動可能に吊り下げておくこともできる。糞受箱を、バネやクッション材を介して外籠に支持しておくこともできる。
【0031】
糞受箱の揺動は、水平方向で前後または左右の1方向のみであってもよいし、前後左右および斜め方向を含む任意の水平方向であってもよい。上下方向にも揺動できたり、糞受箱の一方を傾けることができたり、水平面内で旋回させたりできるようにしてもよい。
【0032】
糞受箱の揺動は、外籠の外部から手動で行なうことができる。揺動操作を行なうための取っ手や引き手、操作腕などを、糞受箱に設けておくことができる。糞受箱を強制的に揺動させる加振器を備えておくこともできる。糞受箱の内部で、糞処理材を撹拌するスクリューや撹拌羽根を備えておくこともできる。
【0033】
〔糞処理材〕
愛玩用鶏の糞と混ざり合って、糞の臭気を抑えたり、腐敗を防いだり、水分を吸収したりする機能を有する材料が使用される。
【0034】
基本的には、通常の愛玩用動物の飼育に使用される糞処理材が使用できる。糞処理材を糞受箱に収容し、その上に糞が落下した状態で、糞受箱を揺動させたときに、糞が糞処理材に沈んでしまう性質を有するものが好ましい。糞処理材は、通常は粉粒体であるが、繊維状、小片状のものもある。乾燥状態のもののほか、練状、液状のものもある。例えば、猫用砂などと呼ばれている材料が使用できる。具体的には、砂、古紙、籾殻、おがくず、コーヒーかす、活性炭などが使用できる。焼却などの廃棄処理が行い易い材料が好ましい。複数種類の糞処理材を混合して使用することもできる。
【0035】
糞処理材に、高吸水性樹脂粒子を配合しておけば、水分を効率的に吸収保持できる。消臭剤や抗菌剤を配合しておくこともできる。消臭剤は、粒状あるいは液状のものが使用でき、鶏糞に多く含まれるアンモニアやアミンに対する消臭機能を有する薬剤が好ましい。糞処理材そのものに消臭性を有する材料を使用することもできる。
【0036】
〔卵受皿部〕
愛玩用鶏が産卵したときに、産卵した卵を愛玩用鶏から隔離して取り出すために、内籠に設けられ、内籠と外籠の間に配置される。
【0037】
内籠の底面を、一端側から他端側へと低くなるように傾斜させておくことで、底面に産み落とされた卵は、底面の傾斜にしたがって他端側に移動する。
【0038】
この底面の他端側に、内籠の外側に延びる卵受皿部を設けておくと、他端側に移動した卵は卵受皿部に移行する。
【0039】
卵受皿部は、卵を収容して安定に支持しておくことができれば、具体的な形状や構造は限定されない。皿状あるいは容器状、棚状などをなすものが使用できる。内籠の底面から卵受皿部に至る経路では、内籠の側面に卵が通過可能な隙間や空間を設けておく。
【0040】
〔飼育装置の使用〕
愛玩用鶏を内籠に収容し、その内籠を外籠に収容して、内籠と外籠との間に所定の間隔をあけた状態で支持させる。内籠の下方には、外籠の内部に糞受箱を配置する。
【0041】
内籠の内部あるいは内籠と外籠の間には、愛玩用鶏の給餌器や給水器を取り付けておくこともできる。
【0042】
愛玩用鶏は、内籠の内部で快適に飼育される。
【0043】
飼育装置は、室内で床上などに置いてもよいし、ベランダに置いてもよい。庭などの屋外に置くこともできる。
【0044】
猫や犬などの外敵が、外籠に手足や頭を差し込もうとしても、内籠の内部の愛玩用鶏までは到達できず、愛玩用鶏に危害が加えられることが阻止できる。なお、内籠の上面については、愛玩用鶏の居住性を考慮して比較的に高く余裕を持たせることが多いので、内籠の上面と外籠との間に広い間隔があいていなくても、外籠の外部から愛玩用鶏に危害を加えられる可能性は少ない。内籠の側面については、愛玩用鶏が寄りかかったりする可能性が高いので、外籠との間に、十分な間隔をあけておくことが必要である。
【0045】
愛玩用鶏が糞をすると、内籠の底面を通過して糞受箱の糞処理材の上に糞が落下する。
【0046】
糞処理材の上に、ある程度の量の糞が堆積した段階で、糞受箱を揺動させる。揺動は、細かな振動であったり、ある程度の衝撃を伴った振り動作であったりする。糞処理材および糞が揺すられと、糞処理材の内部に糞が沈み込み、糞処理材の表面下に糞が埋め込まれてしまう。その結果、糞が発生する臭気が、糞処理材に閉じ込められ、周囲の空間に不快な悪臭を撒き散らすことが防止される。糞の周囲を糞処理材が取り囲むことで、消臭作用や吸水作用、抗菌作用などが効率的に糞に作用する。糞が糞処理材の内部に隠れれば、外観的にも体裁がよい。
【0047】
糞受箱の揺動作業は、愛玩用鶏が糞をするたびに行っても良いし、一定間隔で定期的に行なってもよい。
【0048】
糞受箱に一定量以上の糞が溜まれば、外籠から糞受箱を取り出し、糞処理材を取り替える。
【0049】
【発明の実施形態】
図1〜3に示す飼育装置は、愛玩用鶏Bとして、ミニロードアイランドレッド種を飼育する。
【0050】
飼育装置は、外籠10と内籠20と糞受箱30とを備えている。
【0051】
内籠20は、鶏Bが自由に生活できるだけの容量を備えた、概略直方体をなしている。内籠20の上面26、四方の側面24および底面22は全て、鋼線材を格子状に組み合わせて網目構造に構成されている。鋼線材の網目は、鶏Bが逃げ出さない程度に設定されている。
【0052】
図1に示すように、内籠20の底面22は、水平ではなく、一端側から他端側へと低くなる傾斜を有している。傾斜の低い側で底面22は、側面24よりも外側に延びて、卵受皿23を構成している。卵受皿23は、外籠10の内側面近くまで延び、その端部は上向きに折り返されている。卵受皿23と底面22との連結個所では、内籠20の側面24の下部が切り欠かれている。切り欠かれた部分の高さは、卵Eが通過できる高さに設定されている。したがって、内籠20の内部で鶏Bが産み落とした卵Eは、底面22の傾斜に沿って移動して、卵受皿23の先端部分に配置される。卵Eが内籠20から卵受皿23に取り出されていれば、鶏Bが卵Eを踏んで壊すことが防げる。卵受皿23の卵Eは、外籠10の外から手を差し入れて取り上げることもできる。
【0053】
図2および図3に示すように、卵受皿23が配置された側で、内籠20の側面24には、開閉自在な扉28が設けられている。この扉28から、鶏Bを出し入れすることができる。
【0054】
外籠10は、内籠20よりも十分に大きな直方体状をなしている。外籠10の上面16、側面12および底面14は、内籠20と同様に鋼線材を格子状に組み立てた網目構造をなしている。図2に示すように、上面16は、1辺で旋回自在に側面12に取り付けられており、外籠10を開閉自在にする扉になっている。
【0055】
内籠20は外籠10に対して、内籠20の上部四方に取り付けられた吊下具40で吊下げられている。吊下具40は、図3に示すように、鋼線材を折り曲げて形成され、概略U字形をなしている。U字の先端は外向きに湾曲している。
【0056】
吊下具40を、内籠20の網目構造に係止し、吊下具40の先端を外籠10の網目構造に引っ掛けることで、内籠20が外籠40に吊下げられる。四方の吊下具40による引張力がバランスを取ることで、平面形状において、内籠20が外籠40のちょうど真中に配置される。内籠20を四方に引っ張っているので、鶏Bが移動したりしても、内籠20が大きく揺れて鶏Bにストレスを与えることが防げる。
【0057】
内籠20と外籠10とは、側面24と側面12との間には十分に広い間隔をあけているが、上面26と上面16との間にはあまり間隔がない。但し、内籠20の高さが十分に取られているので、鶏Bの頭位置から外籠10の上面までの距離は十分に広くなっている。
【0058】
外籠10の内底面には、平坦な支持板38の上に糞受箱30が載っている。
【0059】
糞受箱30は、扁平な直方体状をなし、上面が開放されている。図3に示すように、糞受箱30の平面形状は、内籠20の平面形状よりも少し大きく設定されている。
【0060】
糞受箱30の底面で四隅近くにはそれぞれ、ボール状の摺動足36が取り付けられている。摺動足36は、支持板38の上を前後左右に自由に転動して滑ることができ、糞受箱30は水平方向に自由に揺動できる。
【0061】
糞受箱30の一側面には、取っ手34が取り付けられている。取っ手34は、外籠10の外側から手などを差し入れて操作できるようになっている。したがって、取っ手34を掴んで、糞受箱30を水平方向で前後左右の何れにも容易に揺動させることができる。
【0062】
糞受箱30には、いわゆる猫用砂からなる糞処理材32が収容されている。内籠20に収容された鶏Bが糞をすると、内籠20の底面22の網目を通過して糞受箱30の糞処理材32の表面に糞が落下する。
【0063】
糞受箱30を揺動させると、糞は自重によって糞処理材32の中に沈んで埋もれてしまう。外観上、糞は隠されてしまう。糞処理材32の内部で、糞は、水分が除去されたり臭気が除去されたり雑菌の繁殖が抑制されたりするので、外部に悪臭を発散することがない。
【0064】
糞受箱30に溜まった糞が一定量を超えたり、糞処理材32の処理能力が低下すれば、外籠10から糞受箱30を取り出し、糞処理材32とともに糞を廃棄する。新たな糞処理材32を供給した糞受箱30を外籠10の所定位置に戻せば、再び、糞の回収および処理が行なえる。通常、2〜3日程度毎に、糞処理材32の取替えを行なえば、不快な悪臭の発生を防止することができる。
【0065】
上記実施形態では、外籠10に対して、内籠20が吊下具40で着脱自在に取り付けられているので、必要に応じて、鶏Bが収容された内籠20を外籠10から取り外して移動させたり、外籠10内の清掃や洗浄を行なったりすることができる。
【0066】
〔飼育装置の寸法例〕
前記した構造の飼育装置の実用的な寸法例を示す。
【0067】
外籠10の外形:前後60cm、左右42cm、高さ52cm。
【0068】
内籠20の外形:前後40cm、左右24〜36cm、高さ35cm(底面の上端)〜40cm(卵受皿の先端)。
【0069】
卵受皿23の張り出し約10cm。
【0070】
糞受箱30の外形:前後左右は外籠10の内側寸法に対応。高さ7.5cm。
【0071】
【発明の効果】
本発明にかかる愛玩用鶏の飼育装置は、鶏を収容する内籠が、外籠の内側で外籠との間に間隔をあけて配置されているので、猫などの外敵が外籠から手足や頭を差し入れても、鶏の身体に触れて危害を与えることが阻止される。
【0072】
また、内籠の内部で鶏が排出した糞は、糞処理材が収容された糞受箱に回収され、糞処理材によって処理されて、環境に悪影響を与えないようにできる。特に、糞受箱を揺動させることで、糞を糞処理材の中に沈めて隠して、外観の体裁を良好にできる。糞が糞処理材で囲まれることで、水分除去や脱臭などの作用が効率的に作用するので、糞の無害化、環境悪化の阻止に極めて高い効果が発揮される。
【0073】
その結果、愛玩用鶏を、一般住宅の居室内などでも居住環境を損なうことなく飼育することが可能になり、愛玩用鶏の普及にも大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す飼育装置の正面視断面図
【図2】側面視断面図
【図3】平面視断面図
【符号の説明】
10 外籠
20 内籠
23 卵受皿
30 糞受箱
32 糞処理材
34 取っ手
36 摺動足
38 支持板
40 吊下具
【発明の属する技術分野】
本発明は、愛玩用鶏の飼育装置に関し、詳しくは、室内で飼育できるように小型化された愛玩用の鶏を飼育するための装置を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
近年、鶏を卵の採取や食肉としての利用を図る養鶏の目的ではなく、家庭内で愛玩用に飼育することが行なわれるようになっている。
【0003】
このような愛玩用に適した鶏の品種改良が進められており、例えば、ミニロードアイランドレッド種(愛称「プチコッコ」)が知られている。この品種は、体型が小さく、性格が温厚で人慣れし易く、産卵率も高く繁殖させ易いなどの特徴を備えている。
【0004】
このような愛玩用鶏を一般家庭の室内やベランダなどで飼育する際には、カナリアなどの通常の愛玩用小鳥類を飼育するための鳥篭を使用するのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、愛玩用鶏を通常の鳥篭で飼育すると、いくつかの問題が発生する。
【0006】
例えば、糞の処理が問題である。他の小鳥類に比べて鶏の糞は量が多く、臭気も強い傾向がある。鳥篭を頻繁に掃除して糞を取り出して廃棄するのは、手間のかかる作業である。
【0007】
また、外敵の問題がある。一般家庭では、愛玩用鶏とともに、猫や犬なども一緒に飼うことが多い。猫や犬が、鳥篭の隙間から手足を差し入れて、愛玩用鶏を傷付ける心配がある。小鳥類の場合、鳥篭を天井や支柱に吊るした状態にして、猫などが近づき難いようにすることが行なわれている。しかし、愛玩用鶏の場合は、小鳥類に比べて大きく重いので、通常の鳥篭のように吊下げておくのは難しい。また、本来、地上生活をする鶏は、空中の不安定な状態では、飼育に適した環境ではない。
【0008】
本発明の課題は、前記した愛玩用鶏を、一般家庭の室内などでも良好に飼育することができる飼育装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる愛玩用鶏の飼育装置は、愛玩用鶏を収容して飼育する装置であって、前記鶏が収容される内籠と、前記内籠の外面のうち少なくとも側面および底面との間に間隔をあけて周りを囲んで内籠を収容し支持する外籠と、前記内籠の下方で外籠の内部に配置され、水平方向に揺動可能であり、前記鶏の糞を受け、糞処理材が収容されてなる糞受箱とを備える。
【0010】
〔愛玩用鶏〕
従来、養鶏に使用されていた品種を含む何れの品種も、愛玩用に飼育することはできるが、特に、愛玩用に品種改良された品種が好ましい。
【0011】
愛玩用鶏としては、比較的に小型のもの、あまり鳴かないもの、鳴いても鳴き声が小さかったり耳障りでないもの、あまり歩き回らず広い運動場を必要としないもの、糞の臭気が弱く量も少ないものなどが好ましい。成長後の体重が0.5〜2.0kg、体高が20〜40cmの範囲のものに適用できる。
【0012】
愛玩用鶏は、雛の段階から飼育しても良いし、成鳥になってから飼育するようであってもよい。
【0013】
〔内籠〕
基本的な材料や構造は、通常の鳥を飼育するための鳥篭と同様の技術が適用できる。
【0014】
具体的には、鋼などの金属線材や金属棒材を縦横に編んで、線棒材間に隙間があいた籠が使用される。金属材の代わりに、合成樹脂材を使用したり、金属材の外周を合成樹脂で被覆した被覆材を使用したりすることもできる。金属板や合成樹脂板に、多数の貫通孔や貫通スリットを配設したメッシュ板やパンチング板も使用できる。このような板材を透明材料で構成することもできる。籠の一部には、貫通部分のない板部分が存在していてもよい。
【0015】
内籠に有する線棒材同士の隙間や貫通部の幅を、愛玩用鶏の観察に支障がないとともに、愛玩用鶏が抜け出せず、外敵の攻撃を防ぐことができる程度に設定しておくことができる。内籠の底面は、愛玩用鶏が立っていれたり、卵が脱落難い程度に狭い隙間に設定しておく。
【0016】
内籠の形状は、一般的には直方体であるが、その他の立体形状も採用できる。例えば、円筒、角柱、球形、多面体、あるいは複数の図形を組み合わせた形状も挙げられる。
【0017】
内籠には、愛玩用鶏を出し入れする開閉自在な扉を設けておく。扉の位置は、一般的には側面部分であるが、上面や底面であってもよい。
【0018】
内籠は、通常の折り畳みや分解が可能な鳥篭と同様に、構成する各面を分解組立可能に構成しておくことができる。
【0019】
内籠を、外籠から取り出した状態で、愛玩用鶏を収容して持ち運びが可能な構造にしておけば、愛玩用鶏の移動に便利である。外籠の清掃、糞受箱の出し入れなどの内部作業に便利である。
【0020】
〔外籠〕
基本的な材料や構造は、前記した内籠と共通している。
【0021】
内籠を収容する外籠は、内籠よりも大きければ、その形状は制限されない。内籠と同形で寸法が大きいものであってもよいし、内籠とは形状が異なるものであってもよい。
【0022】
外籠は、内籠の外面のうち少なくとも側面および底面との間に間隔をあけて周りを囲む。内籠の上面については、外籠の上面と近接していてもよい。内籠の上面と外籠の上面とを一体化させておくこともできる。
【0023】
底面における外籠と内籠との間隔は、糞受箱の収容および揺動操作が可能な程度に設定しておく。側面における外籠と内籠との間隔は、外敵が外籠の外から内籠の内部の愛玩用鶏に危害を加えることができない程度に設定しておく。具体的には、外籠と内籠の間隔を3〜9cmの範囲に設定することができる。
【0024】
外籠に内籠を収容し、前記した隙間を維持した状態で内籠を支持しておく手段を備えておく。例えば、外籠の底に内籠を載せる台や支えを設けたり、外籠の内側面に内籠の外面に当接して隙間を規定する隙間規制材を設けたり、外籠の内側に内籠を所定位置に案内する案内部材を設けたりできる。なお、これらの部材は、外籠側に設けておくだけでなく、内籠側に設けておくこともできる。また、内籠および外籠に対して着脱自在に設けておいてもよい。
【0025】
内籠を外籠の内側に吊下げておけば、底面および側面に隙間を設定し易い。具体的には、外籠の上面または側面上部と、内籠の上面または側面上部との間を、吊線や吊下具で連結すればよい。吊下具を内籠の四方など複数方向に配置しておけば、内籠が揺れたり傾いたりすることが阻止できる。吊下具は、内籠および外籠を構成する線棒材と同様の材料が使用できる。金属のほか、合成樹脂やセラミックなども使用できる。
【0026】
外籠には、内籠を出し入れする扉を設けておくことができる。扉は、上面や側面など、内籠の出し入れがし易い個所に設けておく。内籠の出し入れとは別に、糞受箱を出し入れする扉を設けておいてもよい。
【0027】
〔糞受箱〕
内籠の下方で外籠の内部に配置され、内籠に収容された鶏の糞を受ける。
【0028】
したがって、平面形状としては、内籠の平面形状よりも少し外側に張り出している。糞受箱は、上面が開放され、糞処理材を必要な厚みで収容できる箱状をなしている。
【0029】
糞受箱の材料は、金属、合成樹脂、セラミックスなどの通常の構造材料が使用できる。
【0030】
糞受箱は水平方向に揺動可能である。具体的には、外籠の内部で糞受箱を水平方向に一定範囲で移動可能に配置しておき、外籠の外部から糞受箱を操作できるようにしておく。糞受箱を水平方向に移動可能に支持するには、外籠の内底面に摺動可能に支持しておけばよい。糞受箱の底面にコロや車輪、ボールなどの摺動部材を設けておくことができる。外籠の内底面で内籠に当接する位置に摺動部材を設けてもよい。糞受箱と外籠との対面個所でどちらかの表面にフッ素樹脂などからなる低摩擦材を配置しておくこともできる。糞受箱を、外籠に対して吊下具で揺動可能に吊り下げておくこともできる。糞受箱を、バネやクッション材を介して外籠に支持しておくこともできる。
【0031】
糞受箱の揺動は、水平方向で前後または左右の1方向のみであってもよいし、前後左右および斜め方向を含む任意の水平方向であってもよい。上下方向にも揺動できたり、糞受箱の一方を傾けることができたり、水平面内で旋回させたりできるようにしてもよい。
【0032】
糞受箱の揺動は、外籠の外部から手動で行なうことができる。揺動操作を行なうための取っ手や引き手、操作腕などを、糞受箱に設けておくことができる。糞受箱を強制的に揺動させる加振器を備えておくこともできる。糞受箱の内部で、糞処理材を撹拌するスクリューや撹拌羽根を備えておくこともできる。
【0033】
〔糞処理材〕
愛玩用鶏の糞と混ざり合って、糞の臭気を抑えたり、腐敗を防いだり、水分を吸収したりする機能を有する材料が使用される。
【0034】
基本的には、通常の愛玩用動物の飼育に使用される糞処理材が使用できる。糞処理材を糞受箱に収容し、その上に糞が落下した状態で、糞受箱を揺動させたときに、糞が糞処理材に沈んでしまう性質を有するものが好ましい。糞処理材は、通常は粉粒体であるが、繊維状、小片状のものもある。乾燥状態のもののほか、練状、液状のものもある。例えば、猫用砂などと呼ばれている材料が使用できる。具体的には、砂、古紙、籾殻、おがくず、コーヒーかす、活性炭などが使用できる。焼却などの廃棄処理が行い易い材料が好ましい。複数種類の糞処理材を混合して使用することもできる。
【0035】
糞処理材に、高吸水性樹脂粒子を配合しておけば、水分を効率的に吸収保持できる。消臭剤や抗菌剤を配合しておくこともできる。消臭剤は、粒状あるいは液状のものが使用でき、鶏糞に多く含まれるアンモニアやアミンに対する消臭機能を有する薬剤が好ましい。糞処理材そのものに消臭性を有する材料を使用することもできる。
【0036】
〔卵受皿部〕
愛玩用鶏が産卵したときに、産卵した卵を愛玩用鶏から隔離して取り出すために、内籠に設けられ、内籠と外籠の間に配置される。
【0037】
内籠の底面を、一端側から他端側へと低くなるように傾斜させておくことで、底面に産み落とされた卵は、底面の傾斜にしたがって他端側に移動する。
【0038】
この底面の他端側に、内籠の外側に延びる卵受皿部を設けておくと、他端側に移動した卵は卵受皿部に移行する。
【0039】
卵受皿部は、卵を収容して安定に支持しておくことができれば、具体的な形状や構造は限定されない。皿状あるいは容器状、棚状などをなすものが使用できる。内籠の底面から卵受皿部に至る経路では、内籠の側面に卵が通過可能な隙間や空間を設けておく。
【0040】
〔飼育装置の使用〕
愛玩用鶏を内籠に収容し、その内籠を外籠に収容して、内籠と外籠との間に所定の間隔をあけた状態で支持させる。内籠の下方には、外籠の内部に糞受箱を配置する。
【0041】
内籠の内部あるいは内籠と外籠の間には、愛玩用鶏の給餌器や給水器を取り付けておくこともできる。
【0042】
愛玩用鶏は、内籠の内部で快適に飼育される。
【0043】
飼育装置は、室内で床上などに置いてもよいし、ベランダに置いてもよい。庭などの屋外に置くこともできる。
【0044】
猫や犬などの外敵が、外籠に手足や頭を差し込もうとしても、内籠の内部の愛玩用鶏までは到達できず、愛玩用鶏に危害が加えられることが阻止できる。なお、内籠の上面については、愛玩用鶏の居住性を考慮して比較的に高く余裕を持たせることが多いので、内籠の上面と外籠との間に広い間隔があいていなくても、外籠の外部から愛玩用鶏に危害を加えられる可能性は少ない。内籠の側面については、愛玩用鶏が寄りかかったりする可能性が高いので、外籠との間に、十分な間隔をあけておくことが必要である。
【0045】
愛玩用鶏が糞をすると、内籠の底面を通過して糞受箱の糞処理材の上に糞が落下する。
【0046】
糞処理材の上に、ある程度の量の糞が堆積した段階で、糞受箱を揺動させる。揺動は、細かな振動であったり、ある程度の衝撃を伴った振り動作であったりする。糞処理材および糞が揺すられと、糞処理材の内部に糞が沈み込み、糞処理材の表面下に糞が埋め込まれてしまう。その結果、糞が発生する臭気が、糞処理材に閉じ込められ、周囲の空間に不快な悪臭を撒き散らすことが防止される。糞の周囲を糞処理材が取り囲むことで、消臭作用や吸水作用、抗菌作用などが効率的に糞に作用する。糞が糞処理材の内部に隠れれば、外観的にも体裁がよい。
【0047】
糞受箱の揺動作業は、愛玩用鶏が糞をするたびに行っても良いし、一定間隔で定期的に行なってもよい。
【0048】
糞受箱に一定量以上の糞が溜まれば、外籠から糞受箱を取り出し、糞処理材を取り替える。
【0049】
【発明の実施形態】
図1〜3に示す飼育装置は、愛玩用鶏Bとして、ミニロードアイランドレッド種を飼育する。
【0050】
飼育装置は、外籠10と内籠20と糞受箱30とを備えている。
【0051】
内籠20は、鶏Bが自由に生活できるだけの容量を備えた、概略直方体をなしている。内籠20の上面26、四方の側面24および底面22は全て、鋼線材を格子状に組み合わせて網目構造に構成されている。鋼線材の網目は、鶏Bが逃げ出さない程度に設定されている。
【0052】
図1に示すように、内籠20の底面22は、水平ではなく、一端側から他端側へと低くなる傾斜を有している。傾斜の低い側で底面22は、側面24よりも外側に延びて、卵受皿23を構成している。卵受皿23は、外籠10の内側面近くまで延び、その端部は上向きに折り返されている。卵受皿23と底面22との連結個所では、内籠20の側面24の下部が切り欠かれている。切り欠かれた部分の高さは、卵Eが通過できる高さに設定されている。したがって、内籠20の内部で鶏Bが産み落とした卵Eは、底面22の傾斜に沿って移動して、卵受皿23の先端部分に配置される。卵Eが内籠20から卵受皿23に取り出されていれば、鶏Bが卵Eを踏んで壊すことが防げる。卵受皿23の卵Eは、外籠10の外から手を差し入れて取り上げることもできる。
【0053】
図2および図3に示すように、卵受皿23が配置された側で、内籠20の側面24には、開閉自在な扉28が設けられている。この扉28から、鶏Bを出し入れすることができる。
【0054】
外籠10は、内籠20よりも十分に大きな直方体状をなしている。外籠10の上面16、側面12および底面14は、内籠20と同様に鋼線材を格子状に組み立てた網目構造をなしている。図2に示すように、上面16は、1辺で旋回自在に側面12に取り付けられており、外籠10を開閉自在にする扉になっている。
【0055】
内籠20は外籠10に対して、内籠20の上部四方に取り付けられた吊下具40で吊下げられている。吊下具40は、図3に示すように、鋼線材を折り曲げて形成され、概略U字形をなしている。U字の先端は外向きに湾曲している。
【0056】
吊下具40を、内籠20の網目構造に係止し、吊下具40の先端を外籠10の網目構造に引っ掛けることで、内籠20が外籠40に吊下げられる。四方の吊下具40による引張力がバランスを取ることで、平面形状において、内籠20が外籠40のちょうど真中に配置される。内籠20を四方に引っ張っているので、鶏Bが移動したりしても、内籠20が大きく揺れて鶏Bにストレスを与えることが防げる。
【0057】
内籠20と外籠10とは、側面24と側面12との間には十分に広い間隔をあけているが、上面26と上面16との間にはあまり間隔がない。但し、内籠20の高さが十分に取られているので、鶏Bの頭位置から外籠10の上面までの距離は十分に広くなっている。
【0058】
外籠10の内底面には、平坦な支持板38の上に糞受箱30が載っている。
【0059】
糞受箱30は、扁平な直方体状をなし、上面が開放されている。図3に示すように、糞受箱30の平面形状は、内籠20の平面形状よりも少し大きく設定されている。
【0060】
糞受箱30の底面で四隅近くにはそれぞれ、ボール状の摺動足36が取り付けられている。摺動足36は、支持板38の上を前後左右に自由に転動して滑ることができ、糞受箱30は水平方向に自由に揺動できる。
【0061】
糞受箱30の一側面には、取っ手34が取り付けられている。取っ手34は、外籠10の外側から手などを差し入れて操作できるようになっている。したがって、取っ手34を掴んで、糞受箱30を水平方向で前後左右の何れにも容易に揺動させることができる。
【0062】
糞受箱30には、いわゆる猫用砂からなる糞処理材32が収容されている。内籠20に収容された鶏Bが糞をすると、内籠20の底面22の網目を通過して糞受箱30の糞処理材32の表面に糞が落下する。
【0063】
糞受箱30を揺動させると、糞は自重によって糞処理材32の中に沈んで埋もれてしまう。外観上、糞は隠されてしまう。糞処理材32の内部で、糞は、水分が除去されたり臭気が除去されたり雑菌の繁殖が抑制されたりするので、外部に悪臭を発散することがない。
【0064】
糞受箱30に溜まった糞が一定量を超えたり、糞処理材32の処理能力が低下すれば、外籠10から糞受箱30を取り出し、糞処理材32とともに糞を廃棄する。新たな糞処理材32を供給した糞受箱30を外籠10の所定位置に戻せば、再び、糞の回収および処理が行なえる。通常、2〜3日程度毎に、糞処理材32の取替えを行なえば、不快な悪臭の発生を防止することができる。
【0065】
上記実施形態では、外籠10に対して、内籠20が吊下具40で着脱自在に取り付けられているので、必要に応じて、鶏Bが収容された内籠20を外籠10から取り外して移動させたり、外籠10内の清掃や洗浄を行なったりすることができる。
【0066】
〔飼育装置の寸法例〕
前記した構造の飼育装置の実用的な寸法例を示す。
【0067】
外籠10の外形:前後60cm、左右42cm、高さ52cm。
【0068】
内籠20の外形:前後40cm、左右24〜36cm、高さ35cm(底面の上端)〜40cm(卵受皿の先端)。
【0069】
卵受皿23の張り出し約10cm。
【0070】
糞受箱30の外形:前後左右は外籠10の内側寸法に対応。高さ7.5cm。
【0071】
【発明の効果】
本発明にかかる愛玩用鶏の飼育装置は、鶏を収容する内籠が、外籠の内側で外籠との間に間隔をあけて配置されているので、猫などの外敵が外籠から手足や頭を差し入れても、鶏の身体に触れて危害を与えることが阻止される。
【0072】
また、内籠の内部で鶏が排出した糞は、糞処理材が収容された糞受箱に回収され、糞処理材によって処理されて、環境に悪影響を与えないようにできる。特に、糞受箱を揺動させることで、糞を糞処理材の中に沈めて隠して、外観の体裁を良好にできる。糞が糞処理材で囲まれることで、水分除去や脱臭などの作用が効率的に作用するので、糞の無害化、環境悪化の阻止に極めて高い効果が発揮される。
【0073】
その結果、愛玩用鶏を、一般住宅の居室内などでも居住環境を損なうことなく飼育することが可能になり、愛玩用鶏の普及にも大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す飼育装置の正面視断面図
【図2】側面視断面図
【図3】平面視断面図
【符号の説明】
10 外籠
20 内籠
23 卵受皿
30 糞受箱
32 糞処理材
34 取っ手
36 摺動足
38 支持板
40 吊下具
Claims (5)
- 愛玩用鶏を収容して飼育する装置であって、
前記鶏が収容される内籠と、
前記内籠の外面のうち少なくとも側面および底面との間に間隔をあけて周りを囲んで内籠を収容し支持する外籠と、
前記内籠の下方で外籠の内部に配置され、水平方向に揺動可能であり、前記鶏の糞を受け、糞処理材が収容されてなる糞受箱と
を備える愛玩用鶏の飼育装置。 - 前記内籠が、一端側から他端側へと低くなるように傾斜する底面と、底面の他端側から内籠の外側に延びた卵受皿部とを備える
請求項1に記載の愛玩用鶏の飼育装置。 - 前記糞処理材が、砂、古紙、籾殻、おがくず、コーヒーかす、活性炭、消臭剤からなる群から選ばれる何れか1種の材料を含む
請求項1または2に記載の愛玩用鶏の飼育装置。 - 前記内籠を前記外籠に対して着脱自在に吊下げて支持させる吊下具をさらに備える
請求項1〜3の何れかに記載の愛玩用鶏の飼育装置。 - 前記糞受箱が、その側面に揺動操作用の取っ手を有する
請求項1〜4の何れかに記載の愛玩用鶏の飼育装置。
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