JP3595173B2 - 無線装置の送信電力制御方法 - Google Patents

無線装置の送信電力制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線装置の送信電力制御方法に係わり、特に、通信品質に悪影響を与えることなく送信電力制御ができる無線装置の送信電力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤレスマルチメディア通信を実現する次世代の移動通信システムとして、DS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access:直接拡散符号分割多元接続)技術を用いたデジタルセルラー無線通信システムの開発が進められている。かかるCDMAデジタルセルラー無線通信システムにおいて、基地局は制御情報やユーザ情報を拡散符号で多重して伝送し、各移動局は基地局より指定された拡散符号を用いて情報を拡散して伝送する。
【0003】
・CDMA移動局の受信部の構成
図24はCDMA移動局の受信部の構成図であり、1はアンテナ、2は受信回路であり、増幅動作やRFからIFへの周波数変換動作を行うもの、3はQPSK直交検波を行ってI,Q信号を出力するQPSK直交検波部、4は検波出力であるベースバンドのアナログI,Q信号をデジタルに変換するADコンバータ、5はADコンバータ出力であるI,Qデータに逆拡散処理を施す逆拡散回路、6は同期検波、データ判定、誤り訂正等を行うデータ復調部、7は逆拡散開始タイミング(受信拡散符号の位相)を識別するために相関演算を行う相関器、8は相関値より逆拡散開始タイミング(位相)を識別するタイミング決定部である。データ復調部6において、6aは逆拡散信号(I,Q信号)を入力されて同期検波を行う同期検波部、6bは復調された受信データに誤り訂正処理を施す誤り訂正部、6cはデータ識別部である。
【0004】
相関器7は例えばマッチトフィルタで構成されており、既知の参照拡散符号列(基地局側と同一の拡散符号列)の位相をシフトし、位相シフト毎に該参照拡散符号列と受信した拡散データ列との相関演算を行って相関値を演算する。タイミング決定部8は相関器7により演算された相関値が設定レベル以上になったか監視し、設定レベル以上になったタイミングに基づいて逆拡散開始タイミング(位相)を決定して逆拡散回路5に入力する。
【0005】
データ復調部6の同期検波部6aは、受信信号に含まれるパイロットシンボルを検出し、該パイロットシンボルと既知のパイロットシンボル間の位相差を求め、該位相差分、逆拡散されたI,Q信号の位相を元に戻すものである。CDMA通信において、送信側はフレーム先頭にパイロット新を挿入し、該パイロットシンボル以降にデータを配列する。送信側はかかるフレームデータ列をI,Qデータ列に振り分け、それぞれに拡散変調を施し、しかる後、QPSK変調を施して送信する。従って、データ及びパイロットは、それぞれI,Qの2ビットで1つのシンボルを形成し、このシンボルはI−Q複素平面で表記するとI+jQ=(I+Q1/2exp(jθ)となる。データシンボル及びパイロットシンボルは伝送により位相回転を受けるが、受信側においてその信号点位置ベクトルPACT(図25参照)がわかればパイロットシンボルの理想信号点位置ベクトルPIDLは既知であるから、伝送によるシンボルの位相回転角度θが求まる。そこで、同期検波部6aはパイロットシンボルを検出してその位相回転角度θを演算し、各データシンボルに回転角度−θ分の回転処理を施して元に戻して受信データの ”1”,”0”を判定する。これにより、精度の高いデータ復調を可能にする。
【0006】
・送信電力制御の必要性
ところで、ある移動局に着目すると他の移動局から出力される信号は干渉波となり、他の移動局から出力する信号強度が大きいと通信が不可能になる。同様に、ある移動局から出力される信号は他の移動局に対して干渉波となり、その信号強度が大きいと他の移動局は通信が不可能になる。このため、送信電力制御が必要になり、各局は受信信号電力と干渉波電力の比(S/I比)などの受信品質に基づいて相手局にTPCビット(送信電力制御データ)で送信電力を指示し、同様に相手局からのTPCビットによる指示に基づいて送信電力を制御する。
【0007】
・送信電力制御の構成
図26はCDMA局の送信電力制御に関係する部分の要部構成図である。図26において、11は送信データ生成部であり、パイロットビット、TPCビット、データビットより物理チャネルのフォーマットに従って2系列の送信データ列a,aを生成する。すなわち、データは1ビットづつ交互に振り分けられて同相成分(I成分:In−Phase compornent)と直交成分(Q成分:Quadrature compornent)の2系列となって送信データ生成部11に入力し、送信データ生成部11はそれぞれにパイロットビット、TPCビットを付加して2系列(Iチャネル、Qチャネル)の送信データ列a、aを出力する。
【0008】
12,12は2系列の送信データ列a、aの各々をチップ周波数の拡散符号を用いて拡散する拡散部、13,13はFIRフィルタで構成した波形整形フィルタであり、タップ数に応じた時間の信号遅延を生じる。14,14は各フィルタ出力をDA変換して出力するDAコンバータ、15はI,Q系列の拡散信号を直交変調する直交変調部、16は送信部(Tx)で、直交変調された信号を送信周波数までアップコンバージョンすると共に所定の送信電力で送信する。直交変調部15はIチャネル信号及びQチャネル信号に搬送波(sin波、cos波)を乗算する乗算器15a,15bと乗算結果を合成して出力するハイブリッド13cを有している。送信部16は、周波数変換器や電力増幅器に加えて、送信電力制御電圧bに基づいて減衰度を可変する可変減衰器16aを有している。
17は送信部タイミング生成回路であり、相手局からの受信信号のフレーム先頭タイミングを示す信号SHに基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aや送信電力変更タイミングを示す制御信号Bを生成するもの、18は送信電力の変更を制御信号Bのタイミングで行うラッチ回路で、送信電力制御部(図示せず)より指示された電力に応じた制御電圧bを制御信号Bのタイミングで発生して送信部16aに入力して送信電力を制御する。
【0009】
・タイミング生成回路
図27は従来のタイミング生成回路17の構成図であり、受信信号フレームの先頭タイミングを示す信号SHの発生時刻より時間t遅延したフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路17a、フレーム先頭パルスFHの発生時刻より更に時間t遅延したタイミングを送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路17b、フレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路17c、遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部17d、遅延時間tを設定する第2の遅延時間設定部17eを有している。
【0010】
・送信電力制御のタイムチャート
図28は、従来の送信電力制御方式を示すタイミングチャートである。
受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データビットDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルが配置されている。パイロットシンボルPは同期検波をするためのチャネル推定を行うビット列であり、TPCビットは送信電力の変更を指示する信号である。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号A(ア、イ、ウ)が発生し、又、フレーム先頭パルスFHより更に時間t遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。フレーム先頭パルスFHの発生時刻(すなわち、遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。
又、制御信号Bの発生時刻、すなわち、遅延時間tは送信信号Sのフレーム先頭に一致するように決定され、送信信号のフレーム先頭で送信電力制御が開始するようになっている。
【0011】
・送信電力制御
送信電力制御に際して、送信電力制御部(図示せず)は相手局からの受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図28の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18(図28)に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りに同期して、すなわち、送信信号Sのフレーム先頭で制御電圧bを変更し、可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号の送信電力Pを変更する。
一方、送信信号Sに乗せるTPCビットを決定するTPCビット生成部(図示せず)は、受信信号Sの一部分あるいは全体を使って受信品質(S/I比)を測定し、ついで、測定した受信品質と基準値を比較し、受信品質が良ければ送信電力を下げるTPCビットを作成して送信データ生成部11に出力し、逆に、受信品質が悪ければ送信電力を上げるTPCビットを作成して出力する。
【0012】
送信データ生成部11は、送信データの生成タイミング(制御信号A)に基づいて、フレーム毎にパイロットシンボルP、TPCビットT、送信データDTを順に配列して、Iチャネルデータ列a,Qチャネルデータ列aをそれぞれ出力する。これらIチャネルデータ列a,Qチャネルデータ列aは、以後、拡散演算処理、波形整形フィルタ処理、QPSK直交変調処理を施され、送信信号Sとなって送信部16に入力する。送信部16は送信信号Sに前述の送信電力制御を施して送信する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
送信電力制御には過渡現象があり、送信電力は瞬時に変化せずなだらかに変化する。この過渡現象は、
(1) 送信電力の変動を急峻にすると送信スペクトラムが広がるため、電力変動が急峻にならないようにしている、
(2) 可変減衰器16aの制御端子につける雑音除去用のコンデンサや浮遊容量等により送信電力の立ち上がりが急峻にならない、
などの理由による。
ところで、変調波形と無関係に送信電力の変更制御を行うと、変調波形に歪みを与える。従来の送信電力制御では過渡現象により送信電力がパイロットシンボル期間で変動するため、パイロットシンボルの位相回転やレベル変動が発生し、その品質を劣化し、同期検波の特性に悪影響を与え、データの識別精度を低下する。又、受信品質の測定が不正確になり、正しい送信電力制御ができない。
以上より本発明の目的は、送信電力変更時の過渡現象がデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明によれば、(1) 誤り訂正のための符号化がなされている送信信号部分の期間で、あるいは、(2) 受信品質の測定を行わない送信信号部分の期間で、あるいは、(3) 送信データの識別判定を必要としない送信信号部分の期間で、送信電力制御(過渡現象を含む)を行うことにより達成される。この場合、送信電力の変更タイミングを、前記送信信号部分の期間内において、ランダムに切り替えたり、あるいは、規則的に切り替える。
(1)のように誤り訂正の符号化がなされている送信信号部分(送信データ部分)の期間で送信電力制御を行えば、パイロットシンボル(パイロットビット)やTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、送信データには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信電力制御がデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。
【0015】
(2)のように受信品質の測定を行わない送信信号部分の期間で送信電力制御を行えば、該部分は受信品質測定の行うことが定義されていない部分なので受信品質の劣化を生ずることがない。
(3)のように送信データの識別判定を必要としない送信信号部分(ダミービット部分)の期間で送信電力制御を行えば、パイロットシンボルやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、ダミービットには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、識別判定を必要としないため、データが誤ってもよいので、送信電力制御の影響をなくすることができる。
又、上記課題は本発明によれば、(1) フレームの先頭を誤り訂正の符号化がなされている部分にし、あるいは、(2) フレームの先頭を受信品質の測定を行わない部分にし、送信電力の変更をフレームの先頭で行うことにより達成される。このようにしても、パイロットシンボルやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、送信データには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正できるので、送信電力制御の影響を少なくすることができる。
【0016】
又、上記課題は本発明によれば、送信電力の変更を波形整形フィルタの前段で行うことにより達成される。波形整形フィルタ(FIRフィルタ)の出力は、入力インパルス列の各インパルスに対する応答(インパルス応答)を合成したものである。このフィルタに入力するインパルスの大きさをフレーム先頭より送信電力制御量分大きく、あるいは、小さくすれば、フィルタ出力信号に位相回転やレベル変動が生じないようにでき、送信電力制御によるデータ識別精度や受信品質の劣化を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例
(a)概略
図1は本発明の第1実施例の概略説明図であり、Sは送信信号である。送信信号のフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。第1実施例では、誤り訂正のための符号化処理が施されている信号部分の期間(データDTの期間)Tにおいて、過渡現象を含めて送信電力制御を行う。このようにすれば、パイロットシンボルやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、送信データには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。
【0018】
(b)送信電力制御構成
図2は本発明の送信電力制御に関係する部分に着目したCDMA局の全体図であり、11〜17の構成は図26に示す従来の要部構成と同じである。
図中、11は送信データ生成部であり、パイロットビット(パイロットシンボル)、TPCビット、送信データビットより物理チャネルのフォーマットに従って2系列の送信データ列a,aを生成する。送信データは、1ビットづつ交互に振り分けられて同相成分(I成分:In−Phase compornent)と直交成分(Q成分:Quadrature compornent)の2系列になって送信データ生成部11に入力し、送信データ生成部11はそれぞれにパイロットビット、TPCビットを付加して2系列(I、Qチャネル)の送信データ列a、aを出力する。
【0019】
12は2系列の送信データ列a、aの各々を所定の拡散符号を用いて拡散する拡散部、13はI、Qチャネルのそれぞれに波形整形処理を施すFIRフィルタ構成の波形整形フィルタ、14は各フィルタ出力をDA変換するDAコンバータ、15はI,Q系列の拡散信号を直交変調する直交変調部、16は直交変調された信号を所定の送信周波数までアップコンバージョンし、所定の送信電力で送信する送信部(Tx)であり、送信電力制御用の可変減衰器16aを有している。17は送信部タイミング生成回路で、相手局からの受信信号のフレーム先頭タイミングを示す信号SHに基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aと送信電力変更タイミングを示す制御信号Bを生成する。18は送信電力の変更を制御信号Bのタイミングで行うラッチ回路で、送信電力制御部25(後述)より指示された電力に応じた制御電圧aを制御信号Bのタイミングで制御電圧bとして発生して送信部の可変減衰器16aの制御端子に入力して送信電力を制御する。
【0020】
21は送信信号を相手局へ送信すると共に、相手局よりの信号を受信するアンテナ,22は受信信号をIF周波数に変換し、直交復調、逆拡散、検波等の処理に適した電力に減衰する受信部(Rx)、23はIF信号を復調してベースバンドのI,Q信号に復調する直交復調部、24はI,Q信号に逆拡散処理を施す逆拡散部、25は同期検波により復調した復調ビット(データビット)やTCPビットを出力する検波部である。逆拡散部24は図24のADコンバータ4、逆拡散回路5、相関器7、タイミング決定部8に対応するものである。
26は送信電力制御部であり、初期時には初期送信電力値を基に初期電力の制御電圧aを出力し、また、使用時には検波部25から入力するTCPビットが指示する送信電力に応じた制御電圧aを出力する。27はTPCビット生成部で、検波部25から出力する復調ビットの受信品質(例えばS/I比)を測定し、受信品質に基づいて送信するTPCビットを生成する。
28は受信信号のフレームの先頭を検出する受信タイミング検出部、29は基準タイミング生成部であり、受信タイミング検出部で検出したフレームの先頭タイミングを平均して、受信信号に同期した基準信号(受信フレーム先頭タイミング信号SH)を発生し、送信部タイミング生成回路17に入力する。
【0021】
図3は第1実施例のタイミング生成回路17の構成図であり、31は受信信号フレームの先頭タイミングを示す信号SHの発生時刻より時間t遅延したフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、31は信号SHの発生時刻より時間t遅延したタイミングを送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、31はフレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、31は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、31は遅延時間tを設定する第2の遅延時間設定部である。
【0022】
(c)送信電力制御のタイムチャート
図4は、第1実施例の送信電力制御方法を示すタイミングチャートである。
受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号A(ア、イ、ウ)が発生する。又、受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。フレーム先頭パルスFHの発生時刻(遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。又、制御信号Bの発生時刻(遅延時間t)は、送信信号Sのフレーム先頭より時間Ta前に発生するように決定する。ただし、時間Taは送信電力制御(過渡現象を含む)に要する時間より大きな時間である。
制御信号B、制御電圧b及び送信波電力Pにおける太線は本発明により送信電力制御を行う場合、細線は従来例により送信電力制御を行う場合である。
【0023】
(d)送信電力制御
送信電力制御に際して、送信電力制御部26は受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図4の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りに同期して、すなわち、送信信号Sのフレームより時間Ta前に制御電圧bを変更し、送信部16の可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号の送信電力Pを変更する。
一方、送信信号Sに乗せるTPCビットを決定するTPCビット生成部27は、受信信号Sの一部分あるいは全体を使って受信品質(S/I比)を測定し、ついで、測定した受信品質と基準値を比較し、受信品質が良ければ送信電力を下げるTPCビットを作成して送信データ生成部11に出力し、逆に、受信品質が悪ければ送信電力を上げるTPCビットを作成して出力する。
【0024】
送信データ生成部11は、送信データの生成タイミング(制御信号A)に基づいて、フレーム毎にパイロットシンボルP、TPCビットT、送信データDTを順に配列して、Iチャネルデータ列a,Qチャネルデータ列aをそれぞれ出力する。これらIチャネルデータ列a,Qチャネルデータ列aは、以後、拡散演算処理、波形整形フィルタ処理、QPSK直交変調処理を施され、送信信号Sとなって送信部16に入力する。送信部16は送信信号Sに前述の送信電力制御を施して送信する。
以上のように第1実施例では、送信信号Sのフレーム先頭より時間Ta前から送信電力制御を行うため、送信電力制御(過渡現象を含む)を送信信号Sのフレーム先頭時刻前に終了できる。この結果、誤り訂正のための符号化処理が施されていない信号部分(パイロットシンボルやTPCビット)に位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、誤り訂正のための符号化処理が施されている信号部分(データビット)には送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。
【0025】
(e)第1実施例の別の構成
図5はタイミング生成回路17(図2)の別の構成図であり、 32は受信信号フレームの先頭タイミングを示す信号SHの発生時刻より時間t遅延したフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、32はフレーム先頭パルスFHの発生時刻より更に時間t遅延したタイミングを送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、32はフレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、32は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、32は遅延時間tを設定する第2の遅延時間設定部である。
【0026】
図6は図5のタイミング生成回路17より発生する制御信号A、制御信号Bを用いて送信電力制御する場合のタイミングチャートである。
受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号Aが発生する。又、フレーム先頭パルスFHの発生時刻より更に時間 t遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。フレーム先頭パルスFHの発生時刻(遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。又、制御信号Bの発生時刻(遅延時間t)は、送信信号SのデータDTの先頭で、あるいは、それ以降で発生するように決定される。
【0027】
制御信号B、制御電圧b及び送信波電力Pにおける太線は本発明により送信電力制御を行う場合であり、細線は従来例により送信電力制御を行う場合である。送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図6の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りに同期して、すなわち、送信信号SのデータDTの先頭で制御電圧bを変更し、送信部16の可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号のデータDTの期間で送信電力Pを変更する。
【0028】
以上のように、送信信号SのデータDTの先頭より送信電力制御を行うため、送信電力制御(過渡現象を含む)を送信信号Sのデータ期間内に行うことができる。この結果、誤り訂正のための符号化処理が施されていない信号部分(パイロットシンボルやTPCビット)に位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、誤り訂正のための符号化処理が施されている信号部分(データビット)には送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。
【0029】
(f)第1変形例
以上では、誤り訂正のための符号化処理が施されている信号部分の期間(データ期間)において、過渡現象を含めて送信電力制御を行う場合であるが以下のようにすることもできる。すなわち、送信信号が受信品質を測定する信号部分と、受信品質の測定を行わない信号部分を有する場合、送信電力制御を受信品質の測定を行わない信号部分の期間で行う。例えば、データDTの末尾Taの信号部分(図4参照)で受信品質を測定せず、その他の信号部分で受信品質の測定を行うとすれば、図4に示すタイミングと同一のタイミングで送信電力の制御を行う。又、データDTの先頭の信号部分で受信品質を測定せず、その他の信号部分で受信品質の測定を行うとすれば、図6に示すタイミングと同一のタイミングで送信電力の制御を行うことができる。
以上のようにすれば、パイロットシンボルやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。又、送信データには位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。又、受信品質の測定を行わない送信信号部分の期間で送信電力制御を行うから、受信品質測定精度に影響を与えることもない。
【0030】
(g)第2変形例
第1実施例では、誤り訂正のための符号化処理が施されているデータDTの末尾または先頭部で送信電力制御を行った場合であるが、データDTの先頭から末尾までの期間内の任意の位置で送信電力制御を行うことができる。
図7はかかる送信電力制御を行う第2変形例のタイミング生成回路17(図2)の構成図であり、33は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延したフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、33は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より任意の時間t56遅延した時刻を送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、33はフレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、33は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、33は時間t〜tの範囲内の任意の遅延時間t56を設定する乱数発生器で構成された第2の遅延時間設定部である。
【0031】
図8は図7のタイミング生成回路17より発生する制御信号A、制御信号Bを用いて送信電力制御する場合のタイミングチャートである。
受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルPが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号A(ア、イ、ウ)が発生する。又、受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より任意の時間t56(t≦t56≦t)遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。tはデータ先頭までの時間、tはデータDTの末尾より送信電力制御に要する時間Taだけ前の位置までの時間である。
【0032】
フレーム先頭パルスFHの発生時刻(遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。又、制御信号Bの発生時刻(遅延時間t56)はt≦t56≦tを満足するように任意に決定される。
制御信号B、制御電圧b及び送信波電力Pにおける太線は本発明により送信電力制御を行う場合であり、細線は従来例により送信電力制御を行う場合である。送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図8の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りによりデータDTの期間の任意の位置において制御電圧bを変更し、送信部16の可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号のデータDTの任意の位置で送信電力Pを変更する。
【0033】
すなわち、第2変形例は、受信信号TPCビットによる制御電圧aの変更を誤り訂正の符号化がなされていない部分(受信品質の測定を行う部分)で行い、受信フレーム先頭タイミング信号SHからの制御信号Bの遅延時間をランダムにすることで、電力変更を始めるタイミングをランダム化したものである。制御電圧bの時定数、送信波出力の過渡現象の時間をデータ部DTの期間より十分小さくすれば、データ部の誤り訂正の符号化された部分で、電力変更を行うことができる。
以上のように、送信信号SのデータDTの期間内の任意の位置において送信電力制御を行うため、誤り訂正のための符号化処理が施されていない信号部分(パイロットシンボルやTPCビット)に位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、誤り訂正のための符号化処理が施されている信号部分(データビット)には送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。又、送信電力制御により復調データに誤りが生じやすくなる位置がランダムに分散するため、誤り訂正率が向上する。
尚、第2変形例は第1変形例にも応用できる。すなわち、受信品質を測定しない信号部分の期間の任意の位置で送信電力制御を行うように構成することができる。
【0034】
(h)第3変形例
第1実施例では、誤り訂正のための符号化処理が施されているデータDTの末尾または先頭部で送信電力制御を行った場合であるが、データDTの先頭から末尾までの期間内に送信電力制御開始可能時刻を複数設け、規則的に送信電力制御開始時刻を切り替えるようにすることができる。
図9はかかる送信電力制御を行う第3変形例のタイミング生成回路17(図2)の構成図であり、34は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻でフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、34は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より順次時間t71,t72,・・,t7n遅延した時刻を送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、34はフレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、34は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、34は遅延時間t71,t72,・・,t7nをフレーム毎に規則的に設定する第2の遅延時間設定部である。
【0035】
図10は図9のタイミング生成回路17より発生する制御信号A、制御信号Bを用いて送信電力制御する場合のタイミングチャートである。
受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルPが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号Aが発生する。又、フレーム毎に規則的に、受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より順次時間t71,t72,t73,・・・tn遅延した時刻に制御信号Bが発生する。図の例では、フレーム毎にA→B→C→D→E→A・・・の時刻で制御信号Bが発生する。
【0036】
フレーム先頭パルスFHの発生時刻(遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。又、時間t7iは信号SHの発生時刻より該時間遅延した時刻がデータDTの期間内に入るように設定されている。
制御信号B、制御電圧b及び送信波電力Pにおける太線は本発明により送信電力制御を行う場合であり、細線は従来例により送信電力制御を行う場合である。送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図8の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
【0037】
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りによりデータDTの期間内Aの位置において制御電圧bを変更し、送信部16の可変減衰器16aの制御端子に入力する。次のフレームではデータDTの期間内Bの位置において制御電圧bを変更し、更に次のフレームではデータDTの期間内Cの位置において制御電圧bを変更し、以後同様に制御電圧bの変更時刻をデータ期間内において切り替えて可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は順次規則的な時刻A→B→C→D→E→A・・・において送信電力Pを変更する。
【0038】
すなわち、第3変形例は、受信TPCビットによる制御電圧aの変更を誤り訂正の符号化がなされている部分で行い、受信フレーム先頭タイミングSHからの制御信号Bの遅延時間を規則的にずらすことで、送信電力制御を始めるタイミングを規則的にずらしたものである。図10では、A,B,C,D,EのタイミングでA,B,C,D,Eの順に送信電力の変更をする。制御電圧bの時定数、送信波出力の過渡現象の時間をデータDTの期間より十分小さくすれば、データ部の誤り訂正の符号化された部分で、電力変更を行うことができる。
以上のように、送信信号SのデータDTの期間内の規則的に変化する位置で送信電力制御を行うため、誤り訂正のための符号化処理が施されていない信号部分(パイロットシンボルやTPCビット)に位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、誤り訂正のための符号化処理が施されている信号部分(データビット)には送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。又、送信電力制御により復調データに誤りが生じやすくなる位置を分散するため誤り訂正率が向上する。
尚、第3変形例は第1変形例にも応用できる。すなわち、受信品質を測定しない信号部分の期間内で規則的に送信電力制御する位置を替えるように構成することができる。
【0039】
(i)第4変形例
第2変形例は、データDTの先頭から末尾までのデータ期間内の任意の位置で送信電力制御を行うようにしたものであるが、データ期間内に送信電力の変更タイミング切り替え範囲を特定し、該範囲内で送信電力の変更タイミングを切り替えるようにすることもできる。このようにすれば、第2変形例の効果に加えて、電力変更時刻が設定範囲に収まっているので、受信側において該範囲外の信号部分を用いて受信品質を測定することで測定精度を向上できるという効果が期待できる。
図11は第4変形例のタイミング生成回路17(図2)の構成図であり、35は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延したフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、35は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より任意の時間t89遅延した時刻を送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、35はフレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、35は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、35は所定時間範囲内の任意の遅延時間t89を設定する第2の遅延時間設定部である。
【0040】
図12は図11のタイミング生成回路17より発生する制御信号A、制御信号Bを用いて送信電力制御する場合のタイミングチャートである。
受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号Aが発生する。又、受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より任意の時間t89(t≦t89≦t)遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。t,tは、データ先頭までの時間をt、データDTの末尾より送信電力制御に要する時間Taだけ前の位置までの時間をtとすれば、以下
≦t,t≦t
を満足する時間であり、t〜tはデータ期間内(t〜t)の期間である。
【0041】
フレーム先頭パルスFHの発生時刻(遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。又、制御信号Bの発生時刻(遅延時間t89)はt≦t89≦tを満足するように決定される。
制御信号Bにおける太線の矩形範囲はt≦t89≦tを満足する期間である。又、制御信号B、制御電圧b及び送信波電力Pの太線は本発明により送信電力制御を行う場合であり、細線は従来例により送信電力制御を行う場合である。
【0042】
送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図12の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りにより設定範囲(t〜t)内の任意の位置において制御電圧bを変更し、送信部16の可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号のデータDTの任意の期間で送信電力Pを変更する。
すなわち、第4変形例は、受信信号のTPCビットによる制御電圧aの変更を太線で囲った設定範囲(t〜t)外のタイミングで行い、受信フレーム先頭タイミング信号SHからの制御信号Bの遅延時間t89を設定範囲内でランダムに、あるいは、規則的にずらすことで、電力制御を始めるタイミングをランダム化、あるいは、規則的にずらす。制御電圧bの時定数、送信波電力の過渡現象の時間をデータ期間より十分小さくすれば、設定範囲内の誤り訂正符号部分で電力制御を行うことができる。
尚、第4変形例は第1変形例にも応用できる。すなわち、受信品質を測定しない信号部分の期間内に送信電力の変更タイミング切り替え範囲を設定し、該範囲内で送信電力の変更タイミングを切り替えるようにすることもできる。
【0043】
(B)第2実施例
(a)概略
図13は本発明の第2実施例の概略説明図であり、S′は従来の送信信号のフレームフォーマット、Sは第2実施例の送信信号フレームフォーマットである。従来の送信信号S′のフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDTで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルPが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。第2実施例では、送信信号Sのフレーム先頭を誤り訂正のための符号化がなされている信号部分(データ部分DT)にし、パイロットシンボルP及びTPCビットをフレーム先頭からずらす。例えば、フレーム先頭にデータDTを配置し、データDTの後にパイロットシンボルP、TPCビットTを配置する。そして、送信電力制御をフレーム先頭の誤り訂正のための符号化処理が施された信号部分(データ部分DTの期間)で行う。
【0044】
このようにすれば、パイロットシンボルやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、送信データには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信側における送信電力制御が受信側におけるデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。
なお、フレームの先頭を受信品質の測定を行わない部分にし、送信電力制御をフレームの先頭で行うように構成することもできる。
【0045】
(b)送信電力制御構成
第2実施例のCDMA局の構成は図2の第1実施例と同じである。
図14は第2実施例のタイミング生成回路17(図2)の構成図であり、36は受信信号フレームの先頭タイミングを示す信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻でフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、36はフレーム先頭パルスFHの発生時刻より更に時間t遅延した時刻を送信電力制御開始時刻とする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、36はフレーム先頭パルスFHを入力され、データビット数及びパイロットビット数、TPCビット数に基づいて送信データ列a、a(図2)の生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、36は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、36は遅延時間tを設定する第2の遅延時間設定部である。
【0046】
(c)送信電力制御のタイムチャート
図15は図14のタイミング生成回路17より発生する制御信号A、制御信号Bを用いて送信電力制御する場合のタイムチャートである。
受信信号Sのフレームは、送信データDT、パイロットシンボルP、TPCビットTで構成され、フレーム先頭にデータDTが配置されている。データDTには誤り訂正のための符号化処理が施されており、パイロットシンボルP及びTPCビットTには誤り訂正のための符号化処理が施されていない。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号A(ア、イ、ウ)が発生し、又、フレーム先頭パルスFHより更に時間t遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。フレーム先頭パルスFHの発生時刻(すなわち、遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。
又、制御信号Bの発生時刻、すなわち、遅延時間tは送信信号Sのフレーム先頭に一致するように決定され、送信信号のフレーム先頭で送信電力制御が開始するようになっている。
【0047】
(d)送信電力制御
送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図15の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りに同期して、すなわち、送信信号Sのフレーム先頭で制御電圧bを変更し、可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号の送信電力Pを変更する。
以上のように、第2実施例ではパイロットシンボルP、TPCシンボルTをフレームの後尾に配置するフレームフォーマットとしたから、制御電圧bの時定数、送信波出力の過渡現象の時間をデータ期間より十分小さくすれば、送信波の電力制御の変更をフレームの先頭で行っても、確実に誤り訂正の符号化がなされた部分(受信品質の測定を行わない部分)で、送信電力制御を行うことができ、パイロット部分での位相回転やレベル変動による劣化を防ぐことができる。
【0048】
(C)第3実施例
(a)概略
図16は本発明の第3実施例の概略説明図であり、Sは第3実施例の送信信号フレームフォーマットである。フレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDT、ダミービットDで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルPが配置され、その後に順次TPCビットT、送信データDT、ダミービットDの順で配置されている。
第1、第2実施例では、誤り訂正のための符号化がなされた信号部分の期間において、あるいは、受信品質測定を行わない信号部分の期間において、送信電力制御を行う。第3実施例は、フレームに送信データの識別(判定)を必要としない信号部分(ダミービットD)が存在する場合には、送信電力制御を該送信データの識別を必要としない信号部分(ダミービットD)の期間で行う。
【0049】
(b)送信電力制御構成
第3実施例のCDMA局の構成は図2の第1実施例と同じである。
図17は第3実施例のタイミング生成回路17(図2)の構成図であり、37は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延したフレーム先頭パルスFHを発生する第1の遅延回路、37は受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より任意の時間t10遅延した時刻を送信電力制御タイミングとする制御信号Bを出力する第2の遅延回路、37はフレーム先頭パルスFHを入力され、パイロットビット数及びTPCビット数に基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aを出力する第3の遅延回路、37は遅延時間tを設定する第1の遅延時間設定部、37は遅延時間t10を設定する第2の遅延時間設定部である。
【0050】
(c)送信電力制御のタイミングチャート
図18は、第3実施例の送信電力制御方法を示すタイミングチャートである。受信信号Sのフレームは、パイロットシンボルP、TPCビットT、データDT、ダミービットDで構成され、フレーム先頭にパイロットシンボルが配置されている。
受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t遅延した時刻においてフレーム先頭パルスFHが発生し、該フレーム先頭パルスFHに基づいて制御信号A(ア、イ、ウ)が発生する。又、受信フレーム先頭タイミング信号SHの発生時刻より時間t10遅延した時刻に送信電力制御タイミングを決定する制御信号Bが発生する。フレーム先頭パルスFHの発生時刻(遅延時刻t)は、該発生時刻より所定時間遅延して発生する送信信号Sと受信信号Sのフレームの先頭が一致するように決定される。又、制御信号Bの発生時刻(遅延時間t10)は、送信信号SのダミービットDにおいて発生するように決定する。
制御信号B、制御電圧b及び送信波電力Pにおける太線は本発明により送信電力制御を行う場合、細線は従来例により送信電力制御を行う場合である。
【0051】
(d)送信電力制御
送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は相手局からの受信信号SのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し(図18の▲1▼)、該制御電圧aをラッチ回路18に入力する。
ラッチ回路18はタイミング生成回路17から出力する制御信号Bの立上りに同期して、すなわち、送信信号Sのダミービット部分で制御電圧bを変更し、送信部16の可変減衰器16aの制御端子に入力する。これにより、送信部16は送信信号の送信電力Pを変更する。
以上のように第3実施例ではダミービット部分Dで、すなわち、送信データの判定を必要としない部分から電力制御を始めるようにしたから、制御電圧bの時定数、送信波出力Pの過渡現象の時間をダミービット部分のシンボル数より十分小さくすれば、送信データの判定を必要としない期間で電力制御を完了でき、パイロット部分での位相回転やレベル変動による劣化を防ぐことができる。
【0052】
(e)ダミービットの挿入
フレームに送信データの判定を必要としないダミービットDが存在するのは、1フレーム内の規定ビット数と実際の送信データのビット数が一致しない場合であり、図19にダミービット挿入方法の例を示す。図19(a)は、誤り訂正のための符号化(畳み込み符号化)の後で、ダミービットを挿入する例であり、図19(b)は符号化前にダミービットを挿入した例である。尚、符号化率R(符号化により1ビットが何ビットになるかを示すもの)は3、フラグの拘束長Kは9、フレーム長は45ビット、データ長は10ビットである。
図19(a)では、10ビットのデータに畳み込み符号化処理を施して30ビットの符号化データと8ビットのTailビットを生成し、しかる後、3ビットのパイロットビットPと1ビットのTPCビットTをデータの前に挿入し、3ビットのダミービットDをデータの後に挿入して規定の45ビットのフレームにする。図19(b)では、1ビットのダミービットDを符号化前に10ビットデータの後ろに挿入し,この11ビットデータに畳み込み符号化処理を施して33ビットの符号化データと8ビットのTailビットを生成し、しかる後、3ビットのパイロットビットPと1ビットのTPCビットTをデータの前に配置して45ビットのフレームにする。
【0053】
(D)第4実施例
(a)要部構成図
図20は本発明の第4実施例の要部構成図であり、図2のラッチ回路18をタップ係数乗算値決定部18′に置き換えたものである。
11は送信データ生成部であり、パイロットビット、TPCビット、データビットより物理チャネルのフォーマットに従って2系列の送信データ列a,aを生成する。データは1ビットづつ交互に振り分けられて同相成分(I成分:In−Phase compornent)D1と直交成分(Q成分:Quadrature compornent)D2の2系列に変換されて送信データ生成部11に入力し、送信データ生成部11はそれぞれにパイロットビット、TPCビットを付加して2系列(Iチャネル、Qチャネル)の送信データ列a、aを出力する。
【0054】
12,12は2系列の送信データ列a、aの各々をチップ周波数の拡散符号を用いて拡散する拡散部、13,13はFIRフィルタで構成した波形整形フィルタであり、送信電力制御電圧aに応じたタップ係数乗算値c,cに基づいて各タップ係数値を変更するようになっている。14,14は各フィルタ出力をDA変換して出力するDAコンバータ、15はI,Q系列の拡散信号を直交変調する直交変調部、16は送信部(Tx)で、直交変調された信号を送信周波数までアップコンバージョンすると共に所定の送信電力で送信する。直交変調部15はIチャネル信号及びQチャネル信号に搬送波(sin波、cos波)を乗算する乗算器15a,15bと乗算結果を合成して出力するハイブリッド15cを有している。
【0055】
17は送信部タイミング生成回路であり、相手局からの受信信号のフレーム先頭タイミングを示す信号SHに基づいて送信データ列a、aの生成タイミングを示す制御信号Aや送信電力変更タイミングを示す制御信号Bを生成する。制御信号Bは図28の従来例と同様に送信信号Sのフレーム先頭で立ち上がるようになっている。
18′はタップ係数乗算値決定部であり、送信電力制御部26より入力する制御電圧aに基づいてタップ係数乗算値を計算し、得られたタップ係数乗算値をフレーム毎に交互にc,cとして波形整形フィルタ13,13のそれぞれに入力する。尚、波形整形フィルタ(FIR型フィルタ)13,13は入力されたタップ係数乗算値c,cを用いてタップ係数を変更する。すなわち、タップ係数乗算値決定部18′は、送信電力制御部26(図2)より送信電力増加あるいは送信電力減小を指示する制御電圧aが入力すれば、タップ係数乗算値を設定量増加あるいは減小して、該乗算値をcとして波形整形フィルタ13,13に入力する。次のフレームで、送信電力制御部26(図2)より送信電力増加あるいは送信電力減小を指示する制御電圧aが入力すれば、タップ係数乗算値決定部18′は同様に、タップ係数乗算値を設定量増加あるいは減小して、該乗算値をcとして波形整形フィルタ13,13に入力する。以後、タップ係数乗算値を計算し、得られたタップ係数乗算値をフレーム毎に交互にc,cとして波形整形フィルタ13,13に入力する。
【0056】
(b)波形整形フィルタ
図21はnタップのFIR型フィルタで構成された波形整形フィルタの構成図であり、51〜51nは入力データ列を順次遅延して次段に送出するフリップフロップ構成の遅延部、52〜52nは予め設定されている各タップ係数a〜anにタップ係数乗算値cを乗算する第1の乗算器、53〜53nは予め設定されている各タップ係数a〜anにタップ係数乗算値cを乗算する第2の乗算器、54〜54nはタップ係数選択部であり、制御信号Bに同期してフレームの先頭で第1の乗算器52〜52nから出力するタップ係数を選択し、次のフレーム先頭で第2の乗算器53〜53nから出力するタップ係数を選択する。55〜55nは各遅延部に記憶されているデータ値D〜Dnに選択部54〜54nから出力するタップ係数a′〜an′を乗算する第3の乗算器、56は各乗算器55〜55nの乗算結果を合計し、合計値を波形整形フィルタ出力として送出する加算器である。タップ係数乗算値c,cが大きくなると、タップ係数a′〜an′が大きくなって出力が増大し、逆に、タップ係数乗算値c,cが小さくなると、タップ係数a′〜an′が小さくなって出力が減小する。
【0057】
(c)送信電力制御
送信電力制御に際して、送信電力制御部26(図2)は相手局からの受信信号Sのフレームを構成するTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し、該制御電圧aをタップ係数乗算値決定部18′に入力する。
タップ係数乗算値決定部18′は、送信電力制御部25(図2)より送信電力増加を指示する制御電圧aが入力すれば、タップ係数乗算値を設定量増加し、送信電力減小を指示する制御電圧aが入力すればタップ係数乗算値を設定量減小し、該タップ係数乗算値をcとして波形整形フィルタ13,13に入力する。
【0058】
波形整形フィルタ13,13の第1の乗算器52〜52nはタップ係数乗算値cと予め設定されている各タップ係数a,a,a・・・anを乗算して送信電力に応じた実際のタップ係数a′,a′,a′・・・an′を計算する。タップ係数選択部54〜54nは制御信号Bに同期してフレームの先頭で第1の乗算器52〜52nから出力するタップ係数a′〜an′を選択し、第3の乗算器55〜55nは各遅延部に記憶されているデータ値D〜Dnにタップ係数a′〜an′を乗算し、各乗算値を積算して出力する。
【0059】
ついで、送信電力制御部26は次の受信信号Sのフレームを受信すれば、そのTPCビットTをチェックし、該TPCビットTが送信電力増加を指示するものであれば制御電圧aを設定量増加し、送信電力減小を指示するものであれば制御電圧aを設定量減小し、該制御電圧aをタップ係数乗算値決定部18′に入力する。タップ係数乗算値決定部18′は、送信電力制御部26(図2)より制御電圧aが入力すればタップ係数乗算値を計算し、該タップ係数乗算値をcとして波形整形フィルタ13,13に入力する。波形整形フィルタ13,13の第2の乗算器53〜53nはタップ係数乗算値cと予め設定されている各タップ係数a,a,a・・・anを乗算して送信電力に応じた実際のタップ係数a′,a′,a′・・・an′を計算する。タップ係数選択部54〜54nは制御信号Bに同期してフレームの先頭で第2の乗算器53〜53nから出力するタップ係数a′〜an′を選択し、第3の乗算器55〜55nは各遅延部に記憶されているデータ値D〜Dnにタップ係数a′〜an′を乗算し、各乗算値を積算して出力する。
【0060】
以後、上記タップ係数乗算値c,cを交互に使用して第3の乗算器55〜55nの乗算値を積算して波形整形フィルタ出力とする。
以上より、TPCビットTが送信電力増加を指示していればタップ係数a′,a′,a′・・・大きくなって出力が増大し、TPCビットTが送信電力現象を指示していればタップ係数a′,a′,a′・・・小さくなって出力が減小する。
【0061】
以上要約すれば、第4実施例は、送信電力の変更をフィルタ入力の入力ビット列で行うのではなく、タップ係数を変更するにより行っている。すなわち、送信電力制御部26は受信信号のTPCビットに基づいて送信電力を増減する制御電圧aを発生し、タップ係数乗算値決定部18′は、該制御電圧aに基づいてタップ係数乗算値cまたはcを計算する。波形整形フィルタにおいて、タップ係数選択部54〜54nにより選択されていない方の第1または第2の乗算器はタップ係数a〜anにタップ係数乗算値cまたはcを乗算し、実際のタップ係数として保持する(図28の従来のタイムチャートにおける▲1▼の動作に対応する)。ついで、タップ係数選択部54〜54nは制御信号Bに同期してフレーム先頭で、前記第1または第2の乗算器により乗算されて保持されている実際のタップ係数を選択し(図28のタイムチャートにおける▲2▼の動作に対応する)、以後、該タップ係数を用いて波形整形処理を行う。
【0062】
波形整形フィルタ(FIRフィルタ)13,13の出力は、入力インパルス列の各インパルスに対する応答(図22参照)を合成したものである。このフィルタに入力するインパルスの大きさをフレーム先頭より送信電力制御量分大きく、あるいは、小さくすれば、図23に示すようにフィルタ出力信号に位相回転やレベル変動が生じないようにできる。
以上より、第4実施例の送信電力制御によれば、パイロットシンボルに位相回転やレベル変動が生じないようにでき、データ識別精度や受信品質の劣化を防止できる。
第4実施例では、送信電力制御電圧aに基づいて波形整形フィルタ13,13のタップ係数値を変更したが、波形整形フィルタの前段に乗算器を設け、該乗算器の乗算値を送信電力制御電圧aに基づいて制御し、該乗算値をデジタルデータに乗算し、乗算結果を波形整形フィルタに入力してフィルタ入力レベルを送信電力に基づいて変更することもできる。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0063】
【発明の効果】
以上本発明によれば、(1) 誤り訂正のための符号化がなされている送信信号部分の期間で、あるいは、(2) 受信品質の測定を行わない送信信号部分の期間で、あるいは、(3) 送信データの識別判定を必要としない送信信号部分の期間で、送信電力制御(過渡現象を含む)を行う。(1)のように誤り訂正の符号化がなされている送信信号部分(例えば送信データ部分)の期間で送信電力制御を行えば、パイロットやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、送信データには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、受信側の誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正でき、送信電力制御がデータ識別精度や受信品質に与える影響を少なくできる。
【0064】
又、(2)のように受信品質の測定を行わない送信信号部分の期間で送信電力制御を行えば、該部分は受信品質測定を行うことが定義されていない部分なので受信品質の劣化を生ずることがない。
又、(3)のように送信データの識別判定を必要としない送信信号部分(ダミービット部分)の期間で送信電力制御を行えば、パイロットビットやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。一方、ダミービットには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、識別判定を必要としないため、データが誤ってもよいので、送信電力制御の影響をなくすることができる。
【0065】
又、上記(1),(2)の場合において、送信電力の変更タイミングを、前記送信信号部分の期間内において、(a) ランダムに切り替えたり、あるいは、(b) 規則的に切り替えたり、あるいは、(c) 切替範囲を指定して該範囲内でランダムに、あるいは、規則的に切り替える。以上(a)〜(c)のようにすれば、送信電力制御で復調データに誤りが生じやすくなる位置をランダムにあるいは規則的に分散することができる。又、(c)のようにすれば、電力変更時刻が設定範囲に収まっているので、受信側において該範囲外の信号部分を用いて受信品質を測定することで測定精度を向上できるという効果が期待できる。
【0066】
又、本発明によれば、(1) フレームの先頭を誤り訂正の符号化がなされている部分にし、あるいは、(2) フレームの先頭を受信品質の測定を行わない部分にし、送信電力の変更をフレームの先頭で行うようにしたから、パイロットビットやTPCビットに位相回転やレベル変動が生じないようにできる。この場合、送信データには送信電力制御による位相回転やレベル変動による誤りが生じるが、誤り訂正回路においてデータ誤りを訂正できるので、送信電力制御の影響を少なくすることができる。
又、本発明によれば、送信電力の変更を波形整形フィルタの前段あるいは、波形整形フィルタで行うようにしたから、フィルタ出力信号に位相回転やレベル変動が生じないようにでき、送信電力制御によるデータ識別精度や受信品質の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略説明図である。
【図2】送信電力制御に着目した本発明のCDMA局の構成図である。
【図3】第1実施例のタイミング生成回路である。
【図4】第1実施例の送信電力制御のタイムチャートである。
【図5】第1実施例の別のタイミング生成回路である。
【図6】第1実施例の送信電力制御の別のタイムチャートである。
【図7】第2変形例のタイミング生成回路である。
【図8】第2変形例の送信電力制御のタイムチャートである。
【図9】第3変形例のタイミング生成回路である。
【図10】第3変形例の送信電力制御のタイムチャートである。
【図11】第4変形例のタイミング生成回路である。
【図12】第4変形例の送信電力制御のタイムチャートである。
【図13】第2実施例の概略説明図である。
【図14】第2実施例のタイミング生成回路である。
【図15】第2実施例の送信電力制御のタイムチャートである。
【図16】第3実施例の概略説明図である。
【図17】第3実施例のタイミング生成回路である。
【図18】第3実施例の送信電力制御のタイムチャートである。
【図19】ダミービットの挿入方法説明図である。
【図20】第4実施例の送信部の要部構成図である。
【図21】波形整形フィルタの構成図である。
【図22】FIRフィルタのインパルス応答波形図である。
【図23】フィルタ入出力波形説明図である。
【図24】移動局の受信装置の構成図である。
【図25】パイロットシンボルの位相回転説明図である。
【図26】送信部の要部構成図である。
【図27】従来のタイミング生成回路の構成図である。
【図28】従来の送信電力制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11・・送信データ生成部
12・・拡散部
13・・波形整形フィルタ
14・・DAコンバータ
15・・直交変調部
16・・送信部(Tx)
16a・・可変減衰器
17・・送信部タイミング生成回路
18・・ラッチ回路
21・・アンテナ
22・・受信部(Rx)
23・・直交復調部
24・・逆拡散部
25・・検波部
26・・送信電力制御部
27・・TPCビット生成部
28・・受信タイミング検出部
29・・基準タイミング生成部

Claims (10)

  1. 誤り訂正の符号化がなされている信号部分と誤り訂正の符号化がなされていない信号部分を有する連続信号を送信する無線装置の送信電力制御方法において、
    受信信号に含まれる送信電力制御データを抽出し、
    該送信電力制御データに基づいた送信電力制御を、前記誤り訂正の符号化がなされている信号部分で行うことを特徴とする送信電力制御方法。
  2. 受信品質を測定する信号部分と、受信品質の測定を行わない信号部分を有する連続信号を送信する無線装置の送信電力制御方法において、
    受信信号に含まれる送信電力制御データを抽出し、
    該送信電力制御データに基づいた送信電力制御を、前記受信品質の測定を行わない信号部分で行うことを特徴とする送信電力制御方法。
  3. 送信電力を変更するタイミングを前記信号部分の期間内でランダムに切り替えることを特徴とする請求項1又2記載の送信電力制御方法。
  4. 送信電力を変更するタイミングを切り替える範囲を特定し、該範囲内で送信電力の変更タイミングを切り替えることを特徴とする請求項3記載の送信電力制御方法。
  5. 送信電力を変更するタイミングを複数持ち、規則的に変更タイミングを切り替えることを特徴とする請求項1又2記載の送信電力制御方法。
  6. 送信電力を変更するタイミングを切り替える範囲を特定し、該範囲内で送信電力の変更タイミングを切り替えることを特徴とする請求項5記載の送信電力制御方法。
  7. 誤り訂正の符号化がなされている信号部分と誤り訂正の符号化がなされていない信号部分を有する連続信号を送信する無線装置の送信電力制御方法において、
    フレームの先頭を誤り訂正のための符号化がなされている信号部分にし、
    受信信号に含まれる送信電力制御データを抽出し、
    該送信電力制御データに基づいた送信電力制御をフレームの先頭で行うことを特徴とする送信電力制御方法。
  8. 受信品質を測定する信号部分と、受信品質の測定を行わない信号部分を有する連続信号を送信する無線装置の送信電力制御方法において、
    フレームの先頭を受信品質の測定を行わない部分にし、
    受信信号に含まれる送信電力制御データを抽出し、
    該送信電力制御データに基づいた送信電力制御をフレームの先頭で行うことを特徴とする送信電力制御方法。
  9. 送信データの識別を必要としない信号部分を有する連続信号を送信する無線装置の送信電力制御方法において、
    受信信号に含まれる送信電力制御データを抽出し、
    該送信電力制御データに基づいた送信電力制御を、前記送信データの識別を必要としない信号部分で行うことを特徴とする送信電力制御方法。
  10. 波形整形用フィルタを備えた無線装置の送信電力制御方法において、
    受信信号に含まれる送信電力制御データを抽出し、
    該送信電力制御データに基づいて、波形整形フィルタに入力するデータ値を制御あるいはフィルタ係数を制御することにより送信電力制御を行うことを特徴とする送信電力制御方法。
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