JP3595155B2 - Electric motor driving device and electric power steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動機駆動装置および電動パワーステアリング装置に係り、詳しくは、プリチャージ回路を備えることで電源安定化用コンデンサへの突入電流(ラッシュカレント)を抑制するようにした電動機駆動装置および電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の電動パワーステアリング装置のブロック構成図である。従来の電動パワーステアリング装置101は、操舵トルク検出器102と、車速検出器103と、制御装置104と、電動機105と、車載のバッテリ電源106と、ヒューズ107と、イグニッションスイッチ108等から構成されている。制御装置104は、逆電圧阻止用ダイオード111と、定電圧回路(REG)112と、制御部(CPU部)113と、電源供給用リレー駆動回路114と、電源供給用リレー115と、ゲート駆動回路116と、駆動回路(FETブリッジ回路)117と、電流検出器118と、電源安定化用コンデンサ119とを備えている。
【0003】
イグニッションスイッチ108がオン(閉)状態に操作されると、バッテリ電源106からヒューズ107,イグニッションスイッチ108,逆電圧阻止用ダイオード111を介して定電圧回路(REG)112にバッテリ電源106が供給される。定電圧回路(REG)112は、バッテリ電源106から電力の供給を受けて回路用電源VCC(例えば+5ボルト)を生成して出力する。
【0004】
制御部113は、マイクロコンピュータシステムを用いて構成されている。制御部113は、回路用電源VCCが供給されるとROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて制御動作を開始する。制御部113は初期化処理を行なった後に、電源供給用リレー駆動制御信号113aを出力する。これにより、電源供給用リレー駆動回路114を介して電源供給用リレー115の励磁巻線115aに励磁電流が供給され、電源供給用リレー115の接点115bがオン(閉)状態となる。電源供給用リレー115の接点115bがオン(閉)状態となることで、電源安定化用コンデンサ119が充電され、ゲート駆動回路116ならびに駆動回路117にバッテリ電源106が供給される。
【0005】
操舵トルク検出器102で検出された操舵トルクに係る電圧信号(以下操舵トルク信号と記す)TSは制御部113へ供給される。車速検出器103で検出された車速に係る電圧信号(以下車速信号と記す)VSは制御部113へ供給される。電流検出器118で検出された電動機電流に係る電圧信号(以下電動機電流信号と記す)IMは制御部113へ供給される。制御部113は、A/D変換器を備えており、各信号TS,VS,IMをデジタル量として取り込む。制御部113は、操舵トルクと車速とに基づいて電動機105から供給する操舵補助トルクを求めるとともに、求めた操舵補助トルクを発生させるための目標電動機電流を求める。制御部113は、目標電動機電流と電動機に実際に供給されている電動機電流IMとの偏差を求め、求めた偏差に基づいて各PWM信号113bを生成して出力する。各PWM信号113bはゲート駆動回路116へ供給される。
【0006】
駆動回路117は、4個の電力用電界効果トランジスタQ1〜Q4をH型ブリッジ接続して構成されている。ゲート駆動回路116は、各PWM信号113bに基づいて各電力用電界効果トランジスタQ1〜Q4のゲートにゲート電力を供給する。これにより、電動機105のPWM運転がなされ、電動機105から供給する操舵補助トルクの制御がなされる。
【0007】
駆動回路117の近傍に電源安定化用コンデンサ119を配置している。電源安定化用コンデンサ119は大容量のものを用いることで、電源インピーダンスを低く保つようにしている。電源安定化用コンデンサ119を設けない場合ならびに電源安定化用コンデンサ119をバッテリ電源106の近傍に配置した場合は、バッテリ電源106から駆動回路117までの配線のインピーダンスの影響によってスイッチング電流波形,スイッチング電圧波形に歪みが生じ、PWM信号のデューティに正確に対応した電動機電流を電動機105へ供給できないことがある。
【0008】
駆動回路117を構成する電力用電界効果トランジスタQ1〜Q4は、その構造上ドレイン−ソース間に寄生ダイオードが形成されている。この寄生ダイオードは、アノードがソース側、カソードがドレイン側に形成されている。このため、駆動回路117に逆極性の電圧を供給すると(バッテリ電源106の正極側と負極側を逆接続すると)、寄生ダイオードを介して短絡電流が流れ、電力用電界効果トランジスタQ1〜Q4の特性が劣化することがある。そこで、バッテリ電源106と駆動回路117との間に電源供給用リレー115の常開接点115bを介設し、制御装置104に供給されるバッテリ電源106の極性が正常である場合に、電源供給用リレー115を動作させるようにしている。
【0009】
なお、電源供給用リレー115の接点115bの後段側(駆動回路117側)に電源安定化用コンデンサ119を配置する回路構成は、特開平8−11732号公報の図3にも示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
供給用リレー115の接点115bの後段側(駆動回路117側)に電源安定化用コンデンサ119を配置する回路構成では、接点115bがオン状態(閉状態)になった際に、電源安定化用コンデンサ119が急速充電されることになり、この電源安定化用コンデンサ119への突入電流(ラッシュカレント)によって接点115bが溶着したり損傷したりする虞れがある。
【0011】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、電源安定化用コンデンサへの突入電流(ラッシュカレント)を抑制するようにした電動機駆動装置および電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る電動機駆動装置は、電動機、電動機を駆動する駆動回路、駆動回路の両端に接続された電源安定化用コンデンサ、電源と駆動回路との間に設けられたリレー回路を備えた電動機駆動装置において、リレー回路を閉成する前に電源安定化用コンデンサに電荷をチャージするプリチャージ回路を備え、電源安定化用コンデンサの両端子電圧を分圧した分圧電圧を検出し、分圧電圧の変化量が設定値以下となったときに電源安定化コンデンサの充電を判断することを特徴とする。
【0013】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、電動機を駆動するFETブリッジ回路と、FETブリッジ回路の両端に接続された電源安定化用コンデンサと、車載のバッテリとFETブリッジ回路との間に設けられたリレー回路と、FETブリッジ回路を制御する制御部とからなる電動パワーステアリング装置において、バッテリと電源安定化用コンデンサとの間をリレー回路を介することなく結線するバイパス回路を設けるとともに、制御部はリレー回路を閉成する前にバイパス回路を介して電源安定化用コンデンサに電荷をチャージするようにし、電源安定化用コンデンサの両端子電圧を分圧した分圧電圧を検出し、分圧電圧の変化量が設定値以下となったときに電源安定化コンデンサの充電を判断することを特徴とする。バイパス回路は少なくとも抵抗を備えて構成される。
【0014】
この発明に係る電動機駆動回路は、電源安定化用コンデンサに電荷をチャージするプリチャージ回路を備えたので、プリチャージ回路を介して電源安定化用コンデンサを充電することができる。電源安定化用コンデンサが完全に充電された後にリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)をなくすことができる。また、電源安定化用コンデンサがほぼ充電された状態でリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)を小さな値に抑制することができる。
【0015】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、バッテリと電源安定化用コンデンサとの間をリレー回路を介することなく結線するバイパス回路を設けたので、このバイパス回路を介して電源安定化用コンデンサを充電することができる。電源安定化用コンデンサが完全に充電された後にリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)をなくすことができる。また、電源安定化用コンデンサがほぼ充電された状態でリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)を小さな値に抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、電動機駆動装置の具体例として電動パワーステアリング装置について説明する。図1は電動パワーステアリング装置の一例を示す模式構造図である。電動パワーステアリング装置1は、ステアリング系に電動機10を備え、電動機10から供給する動力を制御装置20を用いて制御することによって、運転者の操舵力を軽減している。
【0017】
ステアリングホイール(操向ハンドル)2に一体的に設けられたステアリング軸3は、自在継ぎ手4a,4bを有する連結軸4を介してラック&ピニオン機構5のピニオン6へ連結される。ラック軸7はピニオン6と噛合するラック歯7aを備える。ラック&ピニオン機構5は、ピニオン6の回動をラック7の軸方向への往復運動へ変換する。ラック軸7の両端にタイロッド8を介して転動輪としての左右の前輪9が連結される。ステアリングホイール2を操舵すると、ラック&ピニオン機構5ならびにタイロッド8を介して前輪(操向車輪)9が揺動される。これにより車両の向きを変えることができる。
【0018】
操舵力を軽減するために、操舵補助トルク(アシストトルク)を供給する電動機10をラック軸7と同軸的に配置し、ラック軸7にほぼ平行に設けられたボールねじ機構11を介して電動機10の回動出力を推力に変換して、ラック軸7に作用させている。電動機10のロータには、駆動側ヘリカルギア10aが一体的に設けられている。ボールねじ機構11のねじ軸11aの軸端に一体的に設けられたヘリカルギア11bと駆動側ヘリカルギア10aとを噛合させている。ボールねじ機構11のナット11cはラック軸7に連結されている。
【0019】
ステアリングボックス(図示しない)に設けられた操舵トルク検出器(操舵トルクセンサ)12によってピニオン6に作用する手動操舵トルクを検出し、検出した操舵トルクに応じた操舵トルク信号12a(TS)を制御装置20へ供給している。制御装置20は、操舵トルク信号12aを主信号として電動機10の運転を行なって、電動機10の出力パワー(操舵補助トルク)を制御する。
【0020】
図2は制御装置の一具体例を示すブロック構成図である。制御装置20は、CPU部21と、CPU動作監視回路(WDT:ウォッチドックタイマ)22と、異常時出力停止回路23と、ゲート駆動回路24と、駆動回路(FETブリッジ回路)25と、電流検出器26と、A/D変換器27と、異常記憶部28と、定電圧回路(REG)29と、パワーオンリセット回路(POR)30と、電源供給用リレー31と、電動機遮断用リレー32と、各リレー駆動回路33,34と、各動作状態検出回路35,36,37と、各電源供給用ダイオード38,39と、突入電流制限用抵抗40と、電源安定化用コンデンサ41と、イグニッションスイッチ操作状態検出回路35の入力側に逆電圧が供給されるのを防止する逆電圧阻止用ダイオード42とからなる。符号50はバッテリ電源、符号51はヒューズ、符号52はイグニッションスイッチ、符号43は車速検出器、符号12は操舵トルク検出器である。
【0021】
電源供給用リレー31と電源供給用リレー駆動回路33とで特許請求の範囲に記載したリレー回路を構成している。電源供給用ダイオード38と突入電流制限用抵抗40とで請求項1に記載したプリチャージ回路、ならびに、請求項2に記載したバイパス回路を構成している。電源安定化用コンデンサ41は、駆動回路(FETブリッジ回路)25の近傍に配置している。
【0022】
CPU部21は、CPU,ROM,RAM,入出力ポート,システムコントローラ等からなるマイクロコンピュータシステムを1チップに集積した1チップマイクロコンピュータを用いて構成している。CPU部21は、ROMに格納された制御プログラムに基づいて電動機10を運転するための各種処理を繰り返し実行するとともに、CPU部21が正常に動作していることを示す動作確認信号(パルス信号)21aを所定周期毎に出力ポートO7から出力する。例えば、CPU部21は、入力処理,演算処理,出力処理等の一連の処理を行なった後に動作確認信号の出力処理を行なうことを繰り返すことで、CPU部21が正常に動作している場合には所定の周期で動作確認信号21aを出力するよう構成している。本実施の形態では、CPU部21が正常に動作している場合には、約1.5ミリ秒周期で動作確認信号21aが出力される。
【0023】
CPU動作監視回路(WDT)22は、CPU部21の出力ポートO7から供給される動作確認信号21aの周期を監視し、動作確認信号21aの周期が予め設定した許容周期範囲を外れている場合は、CPU部21の動作が異常であると判断して動作異常検出信号22aを出力する。本実施の形態では、CPU動作監視回路(WDT)22は、動作確認信号21aの周期が2ミリ秒を越えた場合、ならびに、動作確認信号21aの周期が1ミリ秒未満となった場合に、CPU部21の動作が異常であると判断して、Lレベルの動作異常検出信号22aを出力する。なお、CPU動作監視回路(WDT)22は、パワーオンリセット信号30aの供給が停止された時点から動作確認信号21aの周期監視動作を開始するよう構成している。
【0024】
異常時出力停止回路23は、CPU動作監視回路(WDT)22によってCPU部21の動作異常が検出された際に、その異常検出出力である動作異常検出信号22aに基づいてCPU部21から出力される各種の制御信号が各制御対象へ供給されるのを阻止する。CPU暴走時には正常でない(所望しない)制御信号が出力されることがあるが、異常時出力停止回路23を設けることで正常でない制御信号が各制御対象へ供給されるのを防止することができる。本実施の形態では、CPU部21の各出力ポートO1〜O6から出力される各制御信号に対応して2入力アンド回路(論理積回路)A1〜A6をそれぞれ設け、各2入力アンド回路A1〜A6の一方の入力端子に各制御信号をそれぞれ供給するとともに、各2入力アンド回路A1〜A6の他方の入力端子に動作異常検出信号22aを供給することで、CPU部21が正常動作状態にあるときはCPU部21の各出力ポートO1〜O6から出力される各制御信号が後段の各回路部へ供給され、CPU部21の動作異常が検出された際には各アンド回路A1〜A6の出力がLレベルになるようにして、各制御信号が後段の各回路部へ供給されないようにしている。なお、異常時出力停止回路23は、3ステートバッファ回路を用いて、CPU部21の動作異常が検出された際には3ステートバッファ回路の出力側を高インピーダンス状態にする構成としてもよい。
【0025】
ゲート駆動回路24は、CPU部21の各出力ポートO3〜O6から出力され各アンド回路A3〜A6を介して供給されるPWM信号に基づいて、駆動回路(FETブリッジ回路)25を構成する電力用の各電界効果トランジスタQ1〜Q4のそれぞれのゲートへゲート電力を供給する。
【0026】
電流検出器26は、駆動回路(FETブリッジ回路)25を介して電動機10へ供給される電流を検出し、検出した電流に応じた電圧信号(電動機電流信号)IMを出力する。電流検出器26は、電流検出用の抵抗と、電流検出用の抵抗の両端に発生した電圧を増幅する直流増幅器とで構成している。検出した電流に応じた電圧信号IMはA/D変換器27へ供給される。なお、電流検出器26は、ホール素子を備えた電流センサを利用して構成してもよい。
【0027】
A/D変換器27は、マルチプレクス入力型のものを用いている。A/D変換器27の各入力端子には、車速検出器43から出力される車速に応じた電圧信号(車速信号)VS、操舵トルク検出器12から出力される操舵トルクならびに操舵方向に応じた電圧信号(操舵トルク信号)TS、および、電流検出器26から出力される電動機電流に応じた電圧信号(電動機電流信号)IMがそれぞれ供給される。CPU部21は、A/D変換器27に対してA/D変換対象入力を指定する情報を、CPU部21のバス入出力端子群BIOに接続されたバス(アドレスバス,データバス,コントロールバス)BUSを介して供給することで、指定した変換対象入力のA/D変換を行なわせ、そのA/D変換結果をバスBUSを介して取り込む。
【0028】
異常記憶部28は、例えばEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成している。CPU部21は、制御装置20に異常等が発生した場合、その異常内容等を示す情報をバスBUSを介して異常記憶部28へ格納する。また、CPU部21は、異常記憶部28に格納されている異常情報等をバスBUSを介して読み出し、読み出した異常情報等に基づいて制御内容を変更したり、また、読み出した異常情報等を図示しないシリアル通信ポートを介して他の装置へ伝送できるようにしている。
【0029】
定電圧回路(REG)29は、各電源供給用ダイオード38,39を介してバッテリ電源50から供給される直流電源に基づいて、安定化された回路用電源VCC(例えば5ボルト)を出力する。回路用電源VCCは、CPU部21,CPU動作監視回路22,異常時出力停止回路23,電流検出器26,A/D変換器27,異常記憶部28,パワーオンリセット回路30等の各回路部へ供給される。
【0030】
パワーオンリセット回路(POR)30は、回路用電源VCCが供給された時点から所定時間の間に亘ってパワーオンリセット信号30aを出力する。パワーオンリセット信号30aは、CPU部21のリセット入力端子RSへ供給される。パワーオンリセット信号30aによってCPU部21のリセット(初期化)がなされる。
【0031】
イグニッションスイッチ52がオン状態に操作されると、バッテリ電源50からヒューズ51,イグニッションスイッチ52,一方の電源供給用ダイオード38を介して定電圧回路(REG)29へバッテリ電源50が供給され、定電圧回路(REG)29から回路用電源VCCが出力される。パワーオンリセット信号30aによってCPU部21のリセットがなされた後に、CPU部21の制御動作が開始される。CPU部21は、以下に述べる初期状態設定処理ならびに初期の異常検出処理を最初に行なう。
【0032】
イグニッションスイッチ52がオン状態に操作されると、逆電圧阻止用ダイオード42を介してイグニッションスイッチ操作状態検出回路35の入力端子にバッテリ電源50が供給される。イグニッションスイッチ操作状態検出回路35は、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されると出力端子にLレベルの信号を出力し、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されていない場合は出力端子にHレベル(VCC)の信号を出力する。イグニッションスイッチ操作状態検出回路35の出力は、CPU部21の入力ポートI3に供給される。これにより、CPU部21のポート入力I3は、イグニッションスイッチ52がオンのときはLレベルになり、イグニッションスイッチ52がオフのときはHレベルとなる。CPU部21は、ポート入力I3の論理レベルをチェックすることで、イグニッションスイッチ52の操作状態(オンまたはオフ)を検出する。
【0033】
CPU部21は、イグニッションスイッチ52がオン状態であることを検出した時点から予め設定したプリチャージ時間が経過した時点で、出力ポートO1からHレベルの電源供給用リレー駆動信号21bを出力する。イグニッションスイッチ52がオン状態に操作されると、一方の電源供給用ダイオード38および突入電流制限用抵抗40を介して電源安定化用コンデンサ41への充電がなされる。プリチャージ時間は、完全に放電状態にある電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になるまでの時間を設定している。これにより、電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になった後に、電源供給用リレー駆動信号21bが出力される。
【0034】
電源供給用リレー駆動信号21bは、2入力アンド回路A1を介して電源供給用リレー駆動回路33へ供給される。電源供給用リレー駆動回路33は、その入力端子がHレベルになると電源供給用リレー駆動回路33内の出力トランジスタ(図示せず)がオン状態となるよう構成している。したがって、電源供給用リレー駆動信号21bに基づいて電源供給用リレー31の励磁巻線31aに励磁電流が供給され、電源供給用リレー31の接点31bがオン状態となる。電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になった後に、電源供給用リレー31の接点31bをオン状態にするので、電源供給用リレー31の接点31bを介して電源安定化用コンデンサ41を充電する電流を小さな値に抑制することができる。なお、完全に放電状態にある電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になるまでの時間が数100ミリ秒〜数秒になるように突入電流制限用抵抗40の抵抗値を設定している。
【0035】
また、一方の電源供給用ダイオード38を介して電源供給用リレー31の励磁巻線31aに励磁電流を供給する構成としているので、バッテリ電源50の極性を誤って逆に接続した場合でも、電源供給用リレー駆動回路33の出力側に逆電圧が供給されることがない。同様に、電源安定化用コンデンサ41に逆電圧が供給されることがない。
【0036】
電源供給用リレー31の接点31bがオン状態になると、バッテリ電源50がゲート駆動回路24,H型ブリッジ回路25へ供給されるとともに、他方の電源供給用ダイオード39を介して定電圧回路29へ供給される。他方の電源供給用ダイオード39を介して定電圧回路29へバッテリ電源50を供給する構成にすることで、イグニッションスイッチ52がオフ状態に操作されても、電源供給用リレー31の接点31bがオン状態に駆動されている間は、定電圧回路29を介して各回路部へ回路用電源VCCを供給して、各回路部が動作できるようにしている。
【0037】
また、電源供給用リレー31がオン状態に駆動されると、電源供給用ダイオード38および電源供給用リレー31の接点31cを介してバッテリ電源50が電源供給用リレー動作状態検出回路36の入力端子へ供給される。電源供給用リレー動作状態検出回路36は、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されると出力端子にLレベルの信号を出力し、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されていない場合は出力端子にHレベル(VCC)の信号を出力する。電源供給用リレー動作状態検出回路36の出力は、CPU部21の入力ポートI2へ供給される。これにより、CPU部21のポート入力I2は、電源供給用リレー31が動作状態にあるときにはLレベルになり、電源供給用リレー31が非動作状態にあるときにはHレベルとなる。CPU部21は、ポート入力I2の論理レベルをチェックすることで、電源供給用リレー31の動作/非動作状態を検出する。CPU部21は、出力ポートO1からHレベルの電源供給用リレー駆動信号21bを出力しているにもかかわらず、電源供給用リレー31が動作状態にあることを検出できない場合には、電源供給用リレー31の駆動に異常があることを示す異常情報を異常記憶部28に記憶させる。
【0038】
CPU部21は、電源供給用リレー31が動作状態であることを検出すると、出力ポートO3を所定時間に亘ってHレベルにする。このHレベルの出力は2入力アンド回路A3を介してゲート駆動回路24へ供給され、ゲート駆動回路24から上側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ1のゲートにゲート電力が供給される。CPU部21は、出力ポートO3からHレベルの信号を出力している状態で、A/D変換器27を介して電流検出器25の検出電流値を読み込む。CPU部21は、読み込んだ電流値がゼロでない場合(または所定値を越えている場合)は、下側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ3に短絡障害等が生じているものと判断し、電界効果トランジスタQ3が故障である旨の情報を異常記憶部28へ書き込む。
【0039】
次に、CPU部21は、出力ポートO4からHレベルの信号を出力することで、上側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ2のゲートにゲート電力を供給させ、その状態で電流検出器25の検出電流値を読み込むことで、下側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ4に短絡障害が生じていないか否かをチェックする。また、CPU部21は、出力ポートO5からHレベルの信号を出力することで、下側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ3のゲートにゲート電力を供給させ、その状態で電流検出器25の検出電流値を読み込むことで、上側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ1に短絡障害が生じていないか否かをチェックする。さらに、CPU部21は、出力ポートO6からHレベルの信号を出力することで、下側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ4のゲートにゲート電力を供給させ、その状態で電流検出器25の検出電流値を読み込むことで、上側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ1に短絡障害が生じていないか否かをチェックする。
【0040】
CPU部21の出力ポートO3からHレベルの信号を出力することで、上側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ1のゲートにゲート電力を供給している状態では、電界効果トランジスタQ1がオン状態に制御される。この状態では、電源供給用リレー31の接点31bを介して供給されているバッテリ電源40が、電界効果トランジスタQ1ならびに電動機遮断用リレー32の接点32bの常閉側を介して電動機遮断用リレー動作状態検出回路37の入力端子へ供給される。電動機遮断用リレー32が動作状態になると、接点32の常閉側は開放状態(オフ状態)となるため、電動機遮断用リレー動作状態検出回路37の入力端子にバッテリ電源40からの電圧が供給されない。
【0041】
電動機遮断用リレー動作状態検出回路37は、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されると出力端子にLレベルの信号を出力し、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されていない場合は出力端子にHレベル(VCC)の信号を出力する。電動機遮断用リレー動作状態検出回路37の出力は、CPU部21の入力ポートI1へ供給される。これにより、CPU部21のポート入力I1は、電動機遮断用リレー32が非動作状態にあるときにはLレベルになり、電動機遮断用リレー32が動作状態にあるときにはHレベルとなる。CPU部21は、ポート入力I1の論理レベルをチェックすることで、電動機遮断用リレー31の非動作/動作状態を検出する。
【0042】
CPU部21は、駆動回路(FETブリッジ回路)25を構成する各電界効果トランジスタQ1〜Q4の異常チェックを終了すると、CPU部21の出力ポートO2からHレベルの信号を出力し、ポート入力I1の論理レベルに基づいて電動機遮断用リレー32が非動作状態(Lレベル)にあることを確認した後に、出力ポートO2にHレベルの電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力する。なお、CPU部21は、電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力していない状態で、電動機遮断用リレー32が動作状態であること検出した場合には、電動機遮断用リレー32の動作が異常であることを示す異常情報を異常記憶部28へ書き込む。
【0043】
電動機遮断用リレー駆動信号21cは、2入力アンド回路A2を介して電動機遮断用リレー駆動回路34へ供給される。電動機遮断用リレー駆動回路34は、その入力端子がHレベルになると電動機遮断用リレー駆動回路34内の出力トランジスタ(図示せず)がオン状態となるよう構成している。したがって、電動機遮断用リレー駆動信号21cに基づいて電動機遮断用リレー32の励磁巻線32aに励磁電流が供給され、その接点32bは常閉側が開状態に、常開側が閉状態に切り替わる。これにより、駆動回路(FETブリッジ回路)25を介して電動機10へ電流を供給できる状態となる。
【0044】
CPU部21は、出力ポートO2から電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力したことによって、電動機遮断用リレー32が動作状態になったことを検出すると、次に述べる操舵力アシスト処理を開始する。なお、CPU部21は、電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力したにもかかわらず、電動機遮断用リレー32が非動作状態であることを検出した場合には、電動機遮断用リレー32の動作が異常であることを示す異常情報を異常記憶部28へ書き込む。
【0045】
CPU部21は、上述した初期状態設定処理ならびに初期の異常検出処理が完了すると、操舵力アシスト処理を開始する。CPU部21は、A/D変換器27を介して操舵トルク信号TSに対応した操舵トルクデータを取り込むとともに、A/D変換器27を介して車速信号VSに対応した車速データを取り込む。CPU部21は、CPU部21内に設けた操舵トルク−電動機電流変換テーブルを参照して操舵トルクに対応した目標電動機電流を求めるとともに、目標電動機電流を車速に応じて補正して補正電動機電流を演算する。CPU部21は、A/D変換器27を介して電動機電流信号IMに対応した電動機電流データを取り込み、補正電動機電流と電動機10に実際に供給されている電動機電流との偏差を求め、求めた偏差に基づいてPWM信号のデューティを設定し、偏差に対応したデューティのPWM信号を生成して、生成したPWM信号を各出力ポートO3〜O6から出力する。
【0046】
各出力ポートO3〜O6から出力されたPWM信号は、各2入力アンド回路A3〜A6を介してゲート駆動回路24へ供給され、ゲート駆動回路24から各電界効果トランジスタQ1〜Q4のゲートへゲート電力が供給される。これにより、駆動回路(FETブリッジ回路)25を介して電動機10へ供給される電流がスイッチング制御され、電動機10のPWM運転がなされる。
【0047】
CPU部21は、入力ポートI3がHレベルに変化したことに基づいてイグニッションスイッチ52がオフ状態に操作されたことを検出すると、電動機10に供給する電流を徐々に低減させるフェードアウト処理を行なう。電動機10から操舵補助トルクを供給している状態で、その操舵補助トルクを急激にゼロに変化させると、操舵感が急激に変化したり、路面からの反力によってステアリングホイール2が回動されたりすることがある。そこで、電動機10から操舵補助トルクを供給している状態(電動機10へ電流を供給している状態)でイグニッションスイッチ52がオフ状態に操作された場合には、電動機10に供給する電流を徐々に低減させることで、操舵感が急激に変化したりすること解消するようにしている。
【0048】
CPU部21は、上述のフェードアウト処理を行なった後に、CPU動作監視回路(WDT)22が正常に動作することを確認するためのCPU動作監視回路の動作テスト処理を行なう。CPU部21は、出力ポートO7から所定周期(例えば1.5ミリ秒)毎に出力していた動作確認信号21aの出力を停止する。または、CPU部21は、出力ポートO7から出力する動作確認信号21aの周期を、許容周期範囲の上限値(例えば2ミリ秒)よりも長くする。例えば、一連の処理を繰り返すたびに毎回出力していた動作確認信号21aを1回おきに出力することで、所定周期の2倍(例えば3ミリ秒)で動作確認信号21aを出力するようにしてもよい。
【0049】
CPU動作監視回路(WDT)22は、先に動作確認信号21aが供給された時点から許容周期範囲の上限値(例えば2ミリ秒)を越えても次の動作確認信号21aが供給されない場合は、Lレベルの動作異常検出信号22aを出力する。このLレベルの動作異常検出信号22aによって、異常時出力停止回路23はCPU部21から供給されている各リレー駆動信号21a,21bが各リレー駆動回路33,34へ供給されるのを阻止するので、各リレー31,,32は共に非動作状態となる。電源供給用リレー31が非動作状態に復帰することによって、制御装置20に対する電源供給が遮断される。
【0050】
CPU動作監視回路(WDT)22が正常に動作しておらず、動作確認信号21aが所定時間以上供給されない状態となっても、動作異常検出信号22aが出力されない場合、制御装置20に対して電源供給が継続される。そこで、CPU部21は、動作確認信号21aの出力を停止した時点または正常でない動作確認信号(テスト信号)を出力した時点から予め設定した時間(例えば数10ミリ秒〜数100ミリ秒)を経過しても、電源供給用リレー31が動作状態にあることを検出した場合には、CPU動作監視回路(WDT)22の動作が異常である旨の異常情報を異常記憶部28へ書き込んだ後に、電動機供給用リレー駆動信号21bの出力を停止させる。これにより、電動機供給用リレー31が復旧し、制御装置20に対する電源供給が停止される。
【0051】
CPU動作監視回路(WDT)22は、動作確認信号21aの周期が予め設定した許容周期範囲(1〜2ミリ秒)を越えている場合(2ミリ秒を超過)、ならびに、許容周期範囲よりも短い場合(1ミリ秒未満)に動作異常検出信号22aを出力する。このため、それぞれの条件でCPU動作監視回路(WDT)22の動作テストを行なう必要がある。
【0052】
そこで、CPU部21は、CPU動作監視回路の動作テストを行なった際にテスト条件を異常記憶部28へ書き込んでおき、次回の動作テストに先立って異常記憶部28に記憶されている前回のテスト条件を読み出し、前回のテスト条件と異なるテスト条件を設定するようにしている。すなわち、動作確認信号21aの周期が許容周期範囲よりも長くなった場合の異常検出機能のチェックと、動作確認信号21aの周期が許容周期範囲よりも短くなった場合の異常検出機能のチェックとを、電動パワーステアリング装置1が使用されるたびに交互に行なうようにしている。
【0053】
動作確認信号21aの周期が許容周期範囲よりも短くなった場合の異常検出機能をチェックする場合、CPU部21は、1ミリ秒よりも短い周期でテスト用の動作確認信号(テスト信号)を継続して出力させる。そして、CPU部21は、1ミリ秒よりも短い周期の動作確認信号(テスト信号)を出力させた時点から予め設定した時間(CPU動作監視回路22によってCPUの動作異常が検出されるまでの時間とリレーが復旧するまでの遅延時間とを考慮して設定した時間、例えば数10ミリ秒〜数100ミリ秒)を経過しても、電源供給用リレー31が動作状態にあることを検出した場合には、CPU動作監視回路(WDT)22の動作が異常である旨の異常情報を異常記憶部28へ書き込んだ後に、電動機供給用リレー駆動信号21bの出力を停止させる。これにより、電源供給用リレー31が復旧し、制御装置20に対する電源供給が停止される。
【0054】
なお、本実施の形態では、CPU動作監視回路22へ許容周期範囲外のテスト信号を供給する監視動作テスト手段をCPU部21によって構成する例を示したが、例えばCPU動作監視回路22内にテスト信号を発生させるテスト信号発生回路を設け、イグニッションスイッチ42がオン状態からオフ状態になった際にテスト信号発生回路を起動してテスト信号を発生させて、テスト信号をCPU動作監視回路22へ供給する構成としてもよい。なお、この場合は、CPU部21側から出力される動作確認信号21aがCPU動作監視回路22へ供給されるのを阻止する回路構成をとる。
【0055】
CPU部21は、次に動作状態となったときに異常記憶部28に格納されている異常情報を読み出すことで、各種の異常内容を図示しない表示装置や警報装置を介して運転者等へ表示させる。また、CPU部21は、異常内容によっては電動パワーステアリング装置1の機能を全て停止させることができる。
【0056】
以上説明したように図2に示す制御装置20は、イグニッションスイッチ52がオン状態に操作されると、電源供給用ダイオード38および突入電流制限用抵抗40とからなるプリチャージ回路を介して電源安定化用コンデンサ41を充電した後に、電源供給用リレー31を動作させる構成であるから、電源供給用リレー31の接点31bを介して電源安定化用コンデンサ41への充電電流が流れることがない。よって、電源安定化用コンデンサ41への充電電流(ラッシュカレント)によって電源供給用リレー31の接点31bが溶着したり接点が損傷することを防止できる。プリチャージ回路がない場合には接点の電流容量が大きい大型のリレーを使用することとなり制御装置20が大型になるが、プリチャージ回路を設けることで接点の電流容量が小さいリレーを使用することができ、制御装置20を小形にすることができる。
【0057】
図3は制御装置の他の構成例を示すブロック構成図である。図3に示す制御装置60は、電源安定化用コンデンサ41の両端電圧を各分圧抵抗61,62で分圧した分圧電圧VCをA/D変換器27へ供給するとともに、CPU部21は、A/D変換器27を介して分圧電圧VCを検出することで電源安定化用コンデンサ41の充電状態を監視するようにしたものである。突入電流制限用抵抗40を介して電源安定化用コンデンサ41を充電すると、電源安定化用コンデンサ41の両端電圧は指数関数的にバッテリ電源電圧に向って上昇する。そこで、CPU部21は、単位時間当りの分圧電圧VCの変化量を求め、その変化量が予め設定した値以下になったことに基づいて電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になった判断し、電源供給用リレー駆動信号21bを出力して電源供給用リレー31を動作させる。単位時間当りの分圧電圧VCの変化量を求め、その変化量が予め設定した値以下になったことに基づいて電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になった判断する構成であるから、バッテリ電源50の電源電圧に拘わらず充電完了を的確に判断することができる。
【0058】
図4は制御装置のさらに他の構成例を示すブロック構成図である。図4に示す制御装置60は、逆電圧阻止用ダイオード42のカソード側に各分圧抵抗71,72からなる分圧回路を設け、バッテリ電源50の電源電圧を各分圧抵抗71,72で分圧した分圧電圧VBをA/D変換器27へ供給するとともに、CPU部21は、A/D変換器27を介して電源安定化用コンデンサ41の両端電圧に係る分圧電圧VCとバッテリ電源電圧に係る分圧電圧VBとをそれぞれ検出し、電源安定化用コンデンサ41の両端電圧に係る分圧電圧VCがバッテリ電源電圧に係る分圧電圧VBの例えば90パーセントに達した時点で電源安定化用コンデンサ41がほぼ充電状態になった判断し、電源供給用リレー駆動信号21bを出力して電源供給用リレー31を動作させるようにしたものである。なお、図4に示した制御装置60は、プリチャージ用ダイオード73ならびに突入電流制限用抵抗40を介して電源安定化用コンデンサ41をプリチャージするようにしている。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係る電動機駆動回路は、電源安定化用コンデンサに電荷をチャージするプリチャージ回路を備えたので、プリチャージ回路を介して電源安定化用コンデンサを充電することができる。電源安定化用コンデンサが完全に充電された後にリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)をなくすことができる。また、電源安定化用コンデンサがほぼ充電された状態でリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)を小さな値に抑制することができる。よって、リレーの接点の溶着や損傷を防止することができる。
【0060】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、バッテリと電源安定化用コンデンサとの間をリレー回路を介することなく結線するバイパス回路を設けたので、このバイパス回路を介して電源安定化用コンデンサを充電することができる。電源安定化用コンデンサが完全に充電された後にリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)をなくすことができる。また、電源安定化用コンデンサがほぼ充電された状態でリレー回路を閉成することで、突入電流(ラッシュカレント)を小さな値に抑制することができる。よって、リレーの接点の溶着や損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の一例を示す模式構造図
【図2】制御装置の一具体例を示すブロック構成図
【図3】制御装置の他の構成例をブロック構成図
【図4】制御装置のさらに他の構成例を示すブロック構成図
【図5】従来の電動パワーステアリング装置のブロック構成図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、10…電動機、20,60,70…制御装置、21…CPU部、25…駆動回路(FETブリッジ回路)、31…電源供給用リレー、38…電源供給用ダイオード、40…突入電流制限用抵抗、41…電源安定化用コンデンサ、50…バッテリ電源、52…イグニッションスイッチ、73…プリチャージ用ダイオード。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a motor driving device and an electric power steering device, and more particularly, to a motor driving device and an electric power device having a precharge circuit to suppress an inrush current (rush current) to a power stabilizing capacitor. The present invention relates to a steering device.
[0002]
[Prior art]
FIG. 5 is a block diagram of a conventional electric power steering apparatus. A conventional electric
[0003]
When the
[0004]
The
[0005]
A voltage signal (hereinafter, referred to as a steering torque signal) TS related to the steering torque detected by the
[0006]
The
[0007]
A power
[0008]
The power field effect transistors Q1 to Q4 constituting the
[0009]
The circuit configuration in which the
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In the circuit configuration in which the power
[0011]
The present invention has been made to solve such a problem, and an object of the present invention is to provide an electric motor driving device and an electric power steering device that suppress inrush current (rush current) to a power supply stabilizing capacitor. I do.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
Electric motor drive according to the present invention to solve the above problems The apparatus includes a motor, a driving circuit for driving the motor, a capacitor for stabilizing a power supply connected to both ends of the driving circuit, and a motor driving device including a relay circuit provided between the power supply and the driving circuit. Equipped with a pre-charge circuit that charges the power stabilization capacitor before closing, detects the divided voltage obtained by dividing both terminal voltages of the power stabilization capacitor, and sets the change in the divided voltage to the set value. Judge the charging of the power stabilization capacitor when It is characterized by the following.
[0013]
The electric power steering device according to the present invention includes: An electric motor for applying an auxiliary torque to the steering system, an FET bridge circuit for driving the electric motor, a power supply stabilizing capacitor connected to both ends of the FET bridge circuit, and a battery provided between the vehicle-mounted battery and the FET bridge circuit. In an electric power steering apparatus including a relay circuit and a control unit that controls an FET bridge circuit, a bypass circuit that connects a battery and a power stabilizing capacitor without a relay circuit is provided, and the control unit includes a relay. Before closing the circuit, charge the capacitor for power supply stabilization via the bypass circuit, detect the divided voltage obtained by dividing the voltage of both terminals of the capacitor for power supply stabilization, and change the divided voltage. Judgment of charging the power stabilization capacitor when the amount falls below the set value It is characterized by the following. The bypass circuit includes at least a resistor.
[0014]
Since the motor drive circuit according to the present invention includes the precharge circuit that charges the power stabilizing capacitor with electric charge, the power stabilizing capacitor can be charged via the precharge circuit. Inrush current (rush current) can be eliminated by closing the relay circuit after the power stabilizing capacitor is completely charged. Further, by closing the relay circuit in a state where the power stabilizing capacitor is almost charged, the inrush current (rush current) can be suppressed to a small value.
[0015]
In the electric power steering apparatus according to the present invention, since the bypass circuit is provided for connecting the battery and the power stabilizing capacitor without using a relay circuit, the power stabilizing capacitor is charged via the bypass circuit. be able to. Inrush current (rush current) can be eliminated by closing the relay circuit after the power stabilizing capacitor is completely charged. Further, by closing the relay circuit in a state where the power stabilizing capacitor is almost charged, the inrush current (rush current) can be suppressed to a small value.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. In this embodiment, an electric power steering device will be described as a specific example of the electric motor driving device. FIG. 1 is a schematic structural view showing an example of the electric power steering device. The electric
[0017]
A steering shaft 3 provided integrally with a steering wheel (steering handle) 2 is connected to a
[0018]
In order to reduce the steering force, an
[0019]
A steering torque detector (steering torque sensor) 12 provided in a steering box (not shown) detects a manual steering torque acting on the
[0020]
FIG. 2 is a block diagram showing a specific example of the control device. The
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
The CPU operation monitoring circuit (WDT) 22 monitors the cycle of the
[0024]
When an abnormal operation of the
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
The A /
[0028]
The abnormality storage unit 28 is configured by a nonvolatile memory such as an EEPROM or a flash memory. When an abnormality or the like occurs in the
[0029]
The constant voltage circuit (REG) 29 outputs a stabilized circuit power supply VCC (for example, 5 volts) based on the DC power supplied from the
[0030]
The power-on reset circuit (POR) 30 outputs a power-on
[0031]
When the
[0032]
When the
[0033]
The
[0034]
The power supply
[0035]
Further, since the exciting current is supplied to the exciting winding 31a of the
[0036]
When the
[0037]
When the
[0038]
When detecting that the
[0039]
Next, the
[0040]
By outputting an H-level signal from the output port O3 of the
[0041]
The motor operation relay operating
[0042]
When the
[0043]
The motor cutoff
[0044]
When the
[0045]
When the initial state setting processing and the initial abnormality detection processing described above are completed, the
[0046]
The PWM signal output from each of the output ports O3 to O6 is supplied to the
[0047]
When detecting that the
[0048]
After performing the above-described fade-out process, the
[0049]
The CPU operation monitoring circuit (WDT) 22 determines that the next
[0050]
Even if the CPU operation monitoring circuit (WDT) 22 is not operating normally and the
[0051]
The CPU operation monitoring circuit (WDT) 22 determines whether the period of the
[0052]
Therefore, the
[0053]
When checking the abnormality detection function when the cycle of the
[0054]
In the present embodiment, an example is shown in which the
[0055]
The
[0056]
As described above, when the
[0057]
FIG. 3 is a block diagram showing another configuration example of the control device. The
[0058]
FIG. 4 is a block diagram showing still another configuration example of the control device. The
[0059]
【The invention's effect】
As described above, the electric motor drive circuit according to the present invention includes the precharge circuit for charging the power supply stabilizing capacitor with electric charge, so that the power supply stabilizing capacitor can be charged via the precharge circuit. Inrush current (rush current) can be eliminated by closing the relay circuit after the power stabilizing capacitor is completely charged. Further, by closing the relay circuit in a state where the power stabilizing capacitor is almost charged, the inrush current (rush current) can be suppressed to a small value. Therefore, welding and damage of the contacts of the relay can be prevented.
[0060]
In the electric power steering apparatus according to the present invention, since the bypass circuit is provided for connecting the battery and the power stabilizing capacitor without using a relay circuit, the power stabilizing capacitor is charged via the bypass circuit. be able to. Inrush current (rush current) can be eliminated by closing the relay circuit after the power stabilizing capacitor is completely charged. Further, by closing the relay circuit in a state where the power stabilizing capacitor is almost charged, the inrush current (rush current) can be suppressed to a small value. Therefore, welding and damage of the contacts of the relay can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic structural diagram showing an example of an electric power steering device.
FIG. 2 is a block diagram showing a specific example of a control device.
FIG. 3 is a block diagram showing another configuration example of the control device.
FIG. 4 is a block diagram showing still another configuration example of the control device.
FIG. 5 is a block diagram of a conventional electric power steering device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記リレー回路を閉成する前に前記電源安定化用コンデンサに電荷をチャージするプリチャージ回路を備え、
前記電源安定化用コンデンサの両端子電圧を分圧した分圧電圧を検出し、前記分圧電圧の変化量が設定値以下となったときに前記電源安定化コンデンサの充電を判断することを特徴とする電動機駆動装置。A motor, a drive circuit for driving the motor, a capacitor for stabilizing a power supply connected to both ends of the drive circuit, a motor drive device including a relay circuit provided between a power supply and the drive circuit,
Before closing the relay circuit, a pre-charge circuit for charging the power stabilizing capacitor with a charge,
Detecting a divided voltage obtained by dividing both terminal voltages of the power stabilizing capacitor, and determining charging of the power stabilizing capacitor when a change amount of the divided voltage becomes equal to or less than a set value. Motor drive device .
前記バッテリと前記電源安定化用コンデンサとの間を前記リレー回路を介することなく結線するバイパス回路を設けるとともに、前記制御部は前記リレー回路を閉成する前に前記バイパス回路を介して前記電源安定化用コンデンサに電荷をチャージするようにし、
前記電源安定化用コンデンサの両端子電圧を分圧した分圧電圧を検出し、前記分圧電圧の変化量が設定値以下となったときに前記電源安定化コンデンサの充電を判断することを特徴とする電動パワーステアリング装置。A motor for applying an auxiliary torque to a steering system, a FET bridge circuit for driving the motor, a power stabilizing capacitor connected to both ends of the FET bridge circuit, and a In an electric power steering device including a relay circuit provided and a control unit that controls the FET bridge circuit,
A bypass circuit is provided for connecting the battery and the power stabilizing capacitor without passing through the relay circuit, and the control unit controls the power source via the bypass circuit before closing the relay circuit. Charge the capacitor for
Detecting a divided voltage obtained by dividing both terminal voltages of the power stabilizing capacitor, and determining charging of the power stabilizing capacitor when a change amount of the divided voltage becomes equal to or less than a set value. Electric power steering device.
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