JP3593128B2 - 反射率が向上したバックライト装置 - Google Patents

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Description

発明の属する分野
本発明はバックライトシステムに関する。特に本発明は、後方から照明される表示装置の使用のための改善された反射率を有するバックライトシステムのための反射性の囲いに関する。
発明の背景
多様な軍事および航空電子装置に多く用いられている電子表示装置、例えばアクティブマトリクス液晶表示装置のバックライトは、光の効率と信頼性の両方において改善されねばならない。液晶表示装置に用いられている従来の一体化した箱形のバックライトシステムは、他のバックライトの試みより幾つかの有利な点を有している。これらの有利な点としては、高い照明効率(lumen efficiency)、高い照明出力、単純な構造および適切に小型に実施できることを含んでいる。従来の一体化した箱形のバックライトの試みは、非常に高い輝度と照明効率をと要求する航空電子用の液晶表示応用装置における使用に特に適している。図2の従来の一体化した箱形のバックライトシステム110の主構成要素は、典型的には蛍光灯アレイである光源114と、出力光を所望の分布状態にするディフューザ118とを含んでいる。反射性の内張り126を具備する反射性の囲い120は、光源114を囲うためにディフューザ118と結合されている。反射性の囲い120は、一般に高反射率の材料から製造されている。
一体化した箱形のバックライトシステムの照明効率は、反射性囲いの反射率に強く関連している。高反射性拡散材料および鏡面反射性材料の両方が従来の一体化した箱形のバックライトシステムにおいては使用可能である。囲いの中で用いられる反射器材料は、吸収率、透過率並びに反射率によって特徴づけられ、すなわち、Aが吸収率、Rが反射率、Tが透過率であるとき、A=1−R−Tによって特徴づけられる。T=0である不透明な反射器ハウジングに対しては、吸収率Aは、1−Rに等しい。反射率0.99に比較される反射率0.90の材料の間には、バックライト動作に大きな差がある。対応する吸収率は0.10と0.01であり、重要な影響のあるオーダーである。吸収率の値は、バックライトシステムの出力において、高い効率と良好な空間的均一性を得るのに光の多重反射に依存するが故に、一体化した箱形の反射器設計に対しては重大である。そこで、一体化した箱形のバックライトシステムにおいて用いるための反射器材料は、高い拡散反射率、あるいは鏡面反射率、換言すれば低い吸収率の値を有していなければならない。
従来のバックライトシステムの反射性の囲いに用いられた拡散性反射器の例は、硫酸バリウムのような高い反射性の粉が濃く混ぜられ、基材に塗られている白い塗料である。鏡面反射器材料の例は、薄い透明なプラスチックの被覆を具備する基材の上に配置された銀/マイラフィルムである。これらの反射器材料の両方とも約0.90から0.95までの範囲の反射率を有する。しかしながら、これらの材料は、温度、温度ショック、湿度、並びに機械的ショックおよび振動を含む環境条件の広い範囲に渡って、構造的に強くない。
テフロンに関連し、Labsphere,Inc.,North Sutton,NH.によって製造されるSPECTRALON(登録商標)反射材料は、高度に反射性がある。このSPECTRALON(登録商標)反射材料は、7mmあるいはそれ以上の厚みを有するとき、可視波長スペクトラムにおいて約0.99を越える反射率を有する。SPECTRALON(登録商標)反射材料は、半透明であるとともに、湿気や高い環境温度によって影響を受けないということを含めて、環境状況の広い範囲で非常に耐久力がある。しかしながら、それは容積が大きく、重く、良い熱絶縁体である。したがって、SPECTRALON(登録商標)反射材料から作られた反射率0.99を有する反射性囲いは、そこで発生された熱を消散させない、大きくて重いバックライトシステムとなる。
従来のバックライトシステムの反射性囲いは、バックライトシステムの前に配置され、それによって照明されるようにされた表示要素に対して、与えられた光源から得られる最大量の光が表示装置に向けられるように、光源から表示要素に向けられていない光を再び向ける目的を有する。バックライトシステムの照明効率は、反射性囲いの反射率に強く関連しているが、上述の反射性の材料は、耐久性および反射性が不十分であり、あるいはバックライトシステムとした場合重量と熱消散との不利な点を有するので、バックライトシステムの反射率を向上させるための改善された反射性の囲いを具備するバックライトシステムに対する要求がある。
発明の要約
本発明は、環境条件の広い範囲に耐えることができる改善された反射率を有するバックライト装置である。バックライト装置は、光を発生する光源を含んでいる。透過性パネルは、光がそこを通過するのを可能にしている。前記透過性パネルに結合された反射性の囲いは、前記光源を内部に囲っている。前記反射性の囲いは、自身に当たる光を反射する第1の反射器と、前記第1の反射器を透過して、自身の上に当たる光を反射する第2の反射器とを有する。前記第1の反射器は、前記光源と前記第2の反射器との間に位置付けられ、前記第2の反射器の反射率に等しいかあるいはより大きい反射率を有する。
本発明の一つの実施形態において、第1の反射器は、0.94より大きい反射率をもつ半透明反射器を含んでいる。本発明のもう一つの実施形態において、第1の反射器は、SPECTRALON(登録商標)反射材料のシートを含んでいる。第2の反射器は、基板の上に硫酸バリウムの混ざった材料を含む反射器か、あるいは、、基板の上に銀/マイラフィルムを含む反射器を含んでいてもよい。本発明の特定の実施形態において、SPECTRALON(登録商標)反射材料のシートは少なくとも2mmの厚みを有する。
【図面の簡単な説明】
図1は、表示器アセンブリとともに利用されている本発明によるバックライトアセンブリの分解し一部切断した外観図である。
図2は、先行技術のバックライトシステムの断面図である。
図3は、本発明による図1において示された組立済みのバックライトアセンブリの断面図である。
図4は、SPECTRALON(登録商標)反射材料の厚み対反射率グラフである。
図5は、図1のバックライトアセンブリの後面反射器あるいは側面反射器の一部の詳細な断面図である。
図6は、本発明による図1のバックライトアセンブリの合成反射率の計算を示す図である。
好ましい実施形態の記載
本発明は、図1および図3−6を参照して記載される。図1は、液晶表示器アセンブリ12とともに使用するためのバックライトアセンブリ10を示している。液晶表示装置は、光調節器(light modulators)として動作し、光を放射することはしない。したがって、液晶表示装置は、必要な光を与えるのに環境照明あるいはバックライトを行うことに依存する。
バックライトアセンブリ10は、後面反射器22と、側面反射器24をと含む反射性の囲い20を含んでいる。バックライトアセンブリ10は、光源として、管状の曲がりくねった熱陰極蛍光灯14を採用している。灯14は、複数の良く知られた構成、例えば、U−型をしあるいはまっすぐであるもののうちのどれに配置されてもよいが、本発明は、ここに挙げられたものに制限されるものではない。蛍光灯14は、後面反射器22の開口17を通して挿入されている電極接続部材16とともに、灯支持部材26,27の上に位置付けられている。灯支持部材26,27は、後面反射器22に取り付けられている。不完全透過性のディフューザ18は、液晶表示器アセンブリ12をあらゆる方向に照明するために、灯14からの光を散乱させるように設けられている。不完全透過性のディフューザ18、後面反射器22、および側面反射器24は、図3に最も良く示されているように、灯14を反射空間25内に囲っている。反射性囲い20の目的は、与えられた光源から得られる光の最大量が表示器アセンブリ12に向けられるように、最初向けられていなかった光を、ディフューザ18を通して表示器アセンブリ12の方向に向けることである。ディフューザ18は、表示器の方向性および透過性の要件によって指示されるように、従来技術における熟練者に知られた幾つかの構成のうちの一つであっても良い。例えば、ディフューザは、不完全にあるいは高度に透過性であってもよい。
一体化されたバックライトアセンブリ10の反射率を最適化するために、アセンブリ10は、その光吸収材料を最小限にするように設計される。ここでの発明の背景の部分で述べられたように、利用された反射性材料は、それらの反射率よりもそれらの吸収率によって特徴づけられてもよい。反射器を通して透過が発生しない不透明な反射器ハウジングの場合、吸収率Aは、Rを反射率とすれば、1−Rに等しい。半透明で反射器を通る透過が発生する場合には、吸収率は低下する。吸収率の値は、バックライトの出力において、高い効率と良好な空間的均一性を得るのに光の多重反射に依存するので、一体化した箱形の反射器設計に対しては重大である。
光の吸収率を最小にするために、反射性の囲い120の反射率が向上しなければならない。なぜならば、反射性囲い120は、大きな表面領域を有する反射器と、多重の反射と吸収との発生に基づき、従来の箱形光システム110における主たるロス成分であるからである。本発明は、バックライトアセンブリ10における吸収を最少にするために、半透明であり、Labsphere,Inc.から手に入れることができるSPECTRALON(登録商標)反射材料のような高反射率を有する反射性材料を利用している。SPECTRALON(登録商標)反射材料は、テフロンに関係し、明るい白色のプラスチック材料である。それは、厚み7mmのサンプルに対し約0.99の非常に高い反射率を有する。したがって、吸収率は約0.01である。図4に示されるように、この反射率は、1mmよりも少し厚い厚みにおいて約0.93に低減している。しかしながら、SPECTRALON(登録商標)反射材料は、その半透明性による小さいが有効である透過性を有しているため、その吸収率は非常に低い。図4は、可視領域における、SPECTRALON(登録商標)反射材料の厚みに対する反射率の特性を示している。SPECTRALON(登録商標)反射材料は、反射されなかった光が自身を通って透過するのを可能にするように半透明であり、非常に小さな色度変動(chromaticity shift)を有し、非常に耐久性があり、加工性がある。それは、湿気の影響を受けず、350度までの温度に関する安定性を有している。温度、温度ショック、湿度、機械的ショックおよび振動を含む環境条件の広い範囲に渡る安定性の故に、SPECTRALON(登録商標)反射材料は、バックライトアセンブリの反射性の囲いにおける使用のための良い候補とされる。しかしながら、SPECTRALON(登録商標)反射材料は、立方センチメートルあたり約1.25グラムに等しい密度故に重い。SPECTRALON(登録商標)反射材料による約0.99の最適な反射率を達成するためには、図4で示されるように厚み7mmが要求される。そのような厚みの反射性の囲いは非常に大きく重いものとなろう。加えるに、SPECTRALON(登録商標)反射材料は、非常に良い熱絶縁体であり、バックライトから熱を取り除くのを困難にしている。また、それの高い温度膨張係数は、容器化の困難性を増大させている。したがって、非常に効率的なバックライトアセンブリ10は、SPECTRALON(登録商標)反射材料からなる厚み7mmの板材から作られる反射性の囲い20で実現可能かもしれないが、バックライトアセンブリは、容積の大きい、重いものとなってしまうし、バックライトの中で発生された熱が発散されるのを不可能にさせてしまであろう。
本発明は、図3−6を参照してさらに詳細に説明されるように、SPECTRALON(登録商標)のような反射材料を利用して、約0.97から0.98の合成反射率を達成し、そのような材料の厚み7mmの板材を使用することによる重要および温度に関する不利な点を克服する。バックライトアセンブリ10のための約0.97から0.98の合成反射率は、図3に示されるように、反射性囲い20とディフューザ18とによって形成される反射空間25の中に光源14を囲うことにより達成される。反射性の囲い20は、後面反射器22および側面反射器24を含んでいる。後面反射器22および側面反射器24は、それぞれSPECTRALON(登録商標)反射材料の厚み2−3mmのシートからなる主反射器34を有する。SPECTRALON(登録商標)反射材料からなる主反射器34は、光源14と基底反射器30との間に位置付けられている。基底反射器30は、硫酸バリウムが混ぜられた塗料、銀/マイラ反射性フィルム、あるいは、そこに塗られた他の高反射率材料のような反射性材料32を具備するアルミニウム基板31を含むとともに、基底反射器は、約0.90から0.94の反射率を有する。図4に示されるように、厚み2−3mmのSPECTRALON(登録商標)反射材料のシートは、約0.96から0.97の反射率を有する。灯14と基底反射器3との間に位置付けられたSPECTRALON(登録商標)反射材料からなる主反射器34の層状の組み合わせは、約0.97から0.98の合成反射率を達成する。
ここに挙げられた反射性の材料は、挙げられた合成反射率を達成するけれども、さらに、他の組み合わせ、あるいは異なる反射性材料の層、あるいは異なる厚みの材料が、改善された結果をもたらす本発明に従って、2つの反射性の層の試みに利用されてもよい。しかしながら、主反射器は、通常0.94よりも大きい高反射率をもった半透明でなければならないのであって、基底反射器は、主反射器の反射率に等しいかそれ以下の反射率を有する。例えば、SPECTRALON(登録商標)のシートは、厚み1.5mmで反射率0.94であってもよく、基底反射器は、反射率0.94をもつ硫酸バリウム塗料を含んでいてもよい。たとえ合成反射率が約0.97から0.98に達しなくても、環境に対する耐久性と組み合わされている改善された反射率を有するであろう。しかしながら、シート34として選択された材料の反射率の値が、一旦基底反射器のそれ未満の値に低減すると、耐久性のみが改善されていることとなる。当業者は、主反射器あるいは基底反射器としてここに挙げられたもの以外の適切な特徴をもった反射材料が、本発明に従って考えられるということ、および本発明はここに挙げられたこれらの反射材料に制限されないということを認識するであろう。
図6に示されるように、光源14から入射した光線50は、厚み2mmのSPECTRALON(登録商標)材料からなる主反射器34で先ず約96%反射される。半透明で低吸収の主反射器34は、光線52によって示されるように、シート34を通して入射した光線50の約3%を通過させる。光線52は、アルミニウム基板31の上に堆積された硫酸バリウムが混ぜられた塗料からなる基底反射器39から約92%が反射光53として反射される。光線の幾分かは、ディフューザ18の前に配置された表示器の照明のためにSPECTRALON(登録商標)反射材料からなる主反射器34を通過する。反射空間25の中および主反射器34と基底反射器30との間に発生する多重反射によって、入射した光線50に対する約97%から98%の合成反射率が達成される。このように、従来のバックライトアセンブリに比較して耐久性が改善されたことに加え、0.02から約0.03の吸収率は、著しく改善されたバックライトアセンブリ10を特徴づけている。薄いSPECTRALON(登録商標)のシートの使用により、厚いSPECTRALON(登録商標)シートのもつ密度と熱絶縁の特性は、克服されている。
図5に示されるように、SPECTRALON(登録商標)反射材料からなる主反射器34は、透明な接着材料、例えば、透明シリコンRTV(room temperature vulcanized;室温硬化)接着材料のようなシリコン接着材料によって、アルミニウム基板31と反射材料32を含む基底反射器30に接着されている。本発明はシリコン接着剤に制限されるものでなく、適切に低い吸収性の接着剤ならば、利用できる。加えるに、SPECTRALON(登録商標)反射材料は、基底反射器の基板に、例えば、シリコンナイロンコードあるいは糸で縫いつけられてもよい。
また、主反射器34は、主反射器34と基底反射器30との間に、図3のように、空隙36を残して機械的な留め具で基底反射器30に取り付けられてもよい。そのような結合を達成するための何らかの適切な機械的留め具が、本発明に従って考えられる。
反射性の囲い20が広い温度範囲に耐えるために、SPECTRALON(登録商標)材料からなる主反射器34は、複数の小さな領域のタイル35に分割される。複数の小領域タイル35が図5において点線の選択可能な構造によって示されている。次に、これらのタイル35は、透明なシリコンRTVのような適合する接着媒体38で反射性の材料32に接着される。適合する接着媒体38は、そこで、主反射器34と基底反射器との間の熱膨張係数の不一致を調節するであろう。加えるに、熱膨張係数の不一致は、SPECTRALON(登録商標)材料の片側あるいは両側に溝を切ることにより調節される。そのような熱膨張の調節は、高い熱膨張係数を有するSPECTRALON(登録商標)反射材料のような主反射器34が利用されるときは特に重要である。
反射性の囲い20の著しく高い反射率および反射性の囲い20の低い吸収率は、バックライト照明効率の向上をもたらす。反射性の囲い20による低減された吸収により、灯14、灯支持用の金物、ディフューザ等の他の部品の低減された吸収が達成されるが故に、より高いバックライト照明効果さえ本発明によって可能である。光吸収が著しく低減され、反射空間25の中での反射する光の数が増加されるので、改善された均一性と、バックライト灯と組立金物の低減された像形成とがそこから生まれる。

Claims (3)

  1. 光を発生する光源(14)と、
    光を通過させる透過性パネル(18)と、
    前記光源(14)を囲うために前記透過性パネル(18)に結合された反射性の囲い(20)とを有するバックライト装置(10)であって、
    前記反射性の囲い(20)は、
    半透明で拡散性の第1の反射器(34)と、
    前記第1の反射器(34)を透過して、自身の上に当たる光を反射する第2の反射器(30)とを有し、前記第1の反射器(30)は、前記光源(14)と前記第2の反射器(30)との間に位置付けられているバックライト装置(10)であって、
    前記第1の反射器(34)は、可視波長スペクトラムにおいて約0.93より大きな反射率と、約0.01より小さな吸収率とを有し、さらに、前記第1の反射器は、厚みが約5mm未満であり、
    前記第2の反射器(30)は、前記第2の反射器の反射率よりも大きいか等しい反射率を有することを特徴とするバックライト装置。
  2. 前記装置は、前記第1の反射器(34)を前記第2の反射器(30)に、それらの間に空隙があるように取り付けるための留め金手段をさらに含んでいる請求項1記載の装置。
  3. 半透明で拡散性の第1の反射器(34)と、
    前記第1の反射器の後ろに近接して位置付けられた第2の反射器(30)であって、前記第1の反射器(34)を透過した光を反射する第2の反射器(30)とを有する反射性の表面(22)であって、
    その反射性の表面(22)は、
    前記第1の反射器(34)が、0.93より大きな反射率と、約0.01より小さな吸収率とを有し、厚みが5mm未満であることを特徴とする反射性の表面。
JP50472795A 1993-07-15 1994-07-15 反射率が向上したバックライト装置 Expired - Lifetime JP3593128B2 (ja)

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EP0775282B1 (en) 1999-09-22
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