JP3589825B2 - Anti-skid control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動時に発生する車輪のスリップを調整するアンチスキッド制御装置に関し、詳しくは、マスタシリンダが発生する流体圧を用いてブレーキ圧を増圧するアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置として、車両の制動時に車輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、ブレーキペダルの操作に応じて流体圧を発生するマスタシリンダと、上記スリップ状態検出手段が検出するスリップ状態が適正な状態となるように、車輪のブレーキ圧を増圧,減圧するブレーキ圧調整手段と、を備え、該ブレーキ圧調整手段が、上記マスタシリンダが発生する流体圧を用いて上記ブレーキ圧を増圧するアンチスキッド制御装置が考えられている。
【0003】
このアンチスキッド制御装置では、車両の制動時には、ブレーキ圧調整手段が、スリップ状態検出手段に検出されるスリップ状態が適正な状態となるように、車輪のブレーキ圧を増圧,減圧する。このため、スキッドの発生を防止して、制動距離を良好に短縮することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記装置では、ブレーキ圧調整手段がマスタシリンダが発生する流体圧を用いてブレーキ圧を増圧しているので、制御中はブレーキペダルの移動が制限される。このため、ブレーキペダルが移動する時間間隔がある程度以上長いと、あたかもブレーキペダルが踏み込めないような違和感を感じる。また、ブレーキペダルが移動する時間間隔がある程度以上短いと、ブレーキペダルが動き過ぎ、ペダルが底に当たってしまいそうな違和感を感じる。そこで、本発明は、ブレーキペダルが移動する時間間隔を調整して、良好なブレーキペダルフィーリングを呈するアンチスキッド制御装置を提供することを目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達するためになされた請求項1記載の発明は、マスタシリンダが発生する流体圧を用いてブレーキ圧を増圧すると共に、上記マスタシリンダ以外には上記流体圧を発生する圧力源を有さないアンチスキッド制御装置において、
スリップ状態が適正な状態となるように車輪のブレーキ圧を増圧,減圧するブレーキ圧調整手段が、上記マスタシリンダから流出した上記流体をそのまま供給することにより上記ブレーキ圧を増圧し、その増圧時以外には上記マスタシリンダからの上記流体の流出を禁止し、上記増圧の継続時間を調整することによって1秒間当りの上記ブレーキ圧の増圧回数が1.5〜3.5回となるように上記ブレーキ圧を調整することを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明では、ブレーキ圧調整手段が、1秒間当りのブレーキ圧増圧回数が1.5〜3.5回となるようにブレーキ圧を調整する。また、ブレーキ圧調整手段は、マスタシリンダが発生する流体圧を用いてブレーキ圧を増圧し、しかも、本発明のアンチスキッド制御装置はマスタシリンダ以外に圧力源を有さないので、上記単位時間当りのブレーキ圧増圧回数は、ブレーキペダルが移動する時間間隔と良好に対応する。このため、本発明では、ブレーキペダルが移動する時間間隔を適正な範囲に収めて、ブレーキペダルフィーリングを良好に向上させることができる。
【0008】
また、本発明では、マスタシリンダから流出した流体をそのまま供給することによりブレーキ圧を増圧し、その増圧時以外にはマスタシリンダからの流体の流出を禁止している。このため、ブレーキ圧調整手段によるブレーキ圧の増圧挙動は、ブレーキペダルの移動と直接的に関連する。本発明では、前述のようにブレーキ圧増圧回数を適正化することができるので、その適正化の効果がブレーキペダルフィーリングに直接現れる。従って、本発明では、上記効果が一層顕著になる。
【0009】
更に、本発明では、上記ブレーキ圧の増圧回数を1秒当り1.5〜3.5回としている。この値は、一般的な車両におけるブレーキペダルの移動速度に換算すると、3〜7mm/秒となる。また、この移動速度はきわめて良好なブレーキペダルフィーリングを呈することがわかった。従って、本発明では、ブレーキペダルフィーリングを一層向上させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成に加え、上記ブレーキ圧調整手段が、スリップが小さいときには上記ブレーキ圧を単位時間当り上記所定範囲内の回数で徐々に増圧し、スリップが大きいときにはブレーキ圧を減圧または保持すると共に、上記ブレーキ圧調整手段が連続的に増圧を行った回数を計数する計数手段と、該計数手段が計数する上記回数が所定範囲内に収まるように、上記ブレーキ圧調整手段の1回の増圧によるブレーキ圧増圧幅を調整する増圧幅調整手段と、を更に備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成された本発明では、ブレーキ圧調整手段が、スリップが小さいときにはブレーキ圧を徐々に増圧し、スリップが大きいときにはブレーキ圧を減圧または保持する。このため、きわめて良好な制動力が得られ、制動距離を良好に短縮することができる。
【0012】
ここで、ブレーキ圧調整手段がブレーキ圧を増圧する回数は、請求項1と同様に1秒当り1.5〜3.5回の範囲内に収める必要があるが、1回の増圧によるブレーキ圧増圧幅は、同様な制御をしていてもブレーキペダルを踏み込む力に応じて変動する。例えば、ブレーキペダルを踏み込む力が極端に強い場合は、1回の増圧でブレーキ圧が急増してスリップが過大となる場合があり、ブレーキペダルを踏み込む力が極端に弱い場合は、ブレーキペダルを踏み続けてもなかなかブレーキ圧が上昇せず、スリップは発生しないものの制動距離が延びてしまう場合がある。
【0013】
そこで、本発明では、ブレーキ圧調整手段が連続的に増圧を行った回数を計数手段によって計数し、増圧幅調整手段により、その増圧回数が所定範囲内に収まるように、ブレーキ圧調整手段の1回の増圧によるブレーキ圧増圧幅を調整している。このため、請求項1記載の発明の効果に加えて、ブレーキペダルを踏み込む力や路面の状態に関わらず、常に安定して車両を停止させることができるといった効果が生じる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明が適用されたアンチスキッド制御装置の構成を表す概略図である。図1に示すように、右前輪1,左前輪2,右後輪3,および左後輪4のそれぞれには、電磁ピックアップ式または磁気抵抗素子(MRE)式の車輪速度センサ5〜8が配置され、各車輪1〜4の回転に応じてパルス信号を発生する。
【0015】
また、各車輪1〜4には、各々油圧ブレーキ装置(ホイールシリンダ)11〜14が配設され、マスタシリンダ16からの油圧がアクチュエータ21〜24および各油圧管路を介して各ホイールシリンダ11〜14に送られる。なお、マスタシリンダ16はブレーキペダル27の踏込みにより油圧を発生する周知のもので、ブレーキペダル27の踏込み状態はストップスイッチ29によって検出されている。
【0016】
更に、ホイールシリンダ11,14はアクチュエータ31,34を介してリザーバ37に、ホイールシリンダ12,13はアクチュエータ32,33を介してリザーバ39に、それぞれ接続されている。なお、各アクチュエータ21〜24および31〜34は、連通位置と遮断位置とを有する電磁式2位置弁である。
【0017】
また、アクチュエータ21〜24の上下流には、逆止弁41a〜44aにより、ホイールシリンダ11〜14からマスタシリンダ16へ向かう圧油のみをアクチュエータ21〜24を迂回して流通させるバイパス管路41〜44が設けられている。また更に、リザーバ37,39とマスタシリンダ16とは、逆止弁47,49を介した油圧管路で接続されており、リザーバ37,39からマスタシリンダ16へ向かう圧油の流通のみが許可されている。
【0018】
車輪速度センサ5〜8およびストップスイッチ29の検出信号は、電子制御回路(ECU)50に入力されている。電子制御回路50は、CPU,ROM,RAM,I/O回路を有する周知のマイクロコンピュータで、上記検出信号に基づいて各アクチュエータ21〜24および31〜34を制御する信号を発生する。この制御信号は、各車輪1〜4毎に発生される増圧出力、保持出力、および減圧出力によって構成される。ここで、各出力に対応するアクチュエータ21〜24および31〜34の動作を、右前輪1を例に説明する。
【0019】
右前輪1に増圧出力を発生するとは、アクチュエータ21を連通位置に配設すると共にアクチュエータ31を遮断位置に配設するように制御信号を発生することである。すると、マスタシリンダ16が発生する油圧がそのままホイールシリンダ11に供給される。
【0020】
右前輪1に保持出力を発生するとは、アクチュエータ21,31を共に遮断位置に配設するように制御信号を発生することである。すると、ホイールシリンダ11の油圧が保持される。なお、この保持出力の継続中にブレーキペダル27が緩められると、バイパス管路41を介して圧油が流通し、ホイールシリンダ11の油圧が減圧される。
【0021】
右前輪1に減圧出力を発生するとは、アクチュエータ21を遮断位置に配設すると共にアクチュエータ31を連通位置に配設するように制御信号を発生することである。すると、ホイールシリンダ11の圧油がリザーバ37へ流入し、油圧が減圧される。なお、電子制御回路50は、他の車輪2〜4に対しても同様の出力を行う。
【0022】
次に、電子制御回路50が実行する処理の詳細を、図2〜5のフローチャートを用いて説明する。電子制御回路50は、イグニッションキーがONの状態にされると、図2に示すメインルーチンを実行する。なお、電子制御回路50は、このメインルーチンを、時分割により各車輪1〜4毎に実行する。
【0023】
処理を開始すると、先ずステップ100にて初期化処理を実行する。この初期化処理では、RAMの各種変数、カウンタの内容をクリアしたり、フラグをリセットするなどの処理がなされる。続いて、前回の処理から所定時間Tams(例えば5ms)が経過するまで待機し(ステップ110)、所定時間Tamsが経過したとき(110:YES)は続くステップ120へ移行する。
【0024】
ステップ120では、車輪速度センサ(5〜8のいずれか)の検出信号に基づき、制御対象の車輪の車輪速度VWを演算し、続くステップ130では、その車輪速度VWを時間で微分して車輪加速度dVWを演算する。続いて、ステップ140へ移行すると、各車輪1〜4に対してステップ120で演算された車輪速度VWに基づき、次のようにして車体速度VB(推定車体速度)を演算する。すなわち、各車輪1〜4の車輪速度VWの内最大の車輪速度VWと、前回の処理によって演算された車体速度VB(初期化処理時には0とする)とに、実際の車両走行状態で取り得る車両加速度の上限値と、車両減速度(マイナスの加速度)の上限値とを考慮した上・下限制限速度の内の、中間値を車体速度VBとする。
【0025】
続くステップ150では、ステップ140で演算した車体速度VBを時間で微分して車体加速度dVBを演算し、更に、続くステップ160では、車輪速度VWおよび車体速度VBに基づいて車輪スリップ率SWを演算した後ステップ170へ移行する。
【0026】
ステップ170では、図3,4に示す制御モード演算処理を実行する。図3,4に示すように、処理を開始すると、ステップ200にて、ブレーキペダル27が操作されてストップスイッチ29がONとなっているか否かを判断する。ストップスイッチ29がOFFのとき、すなわち、車両の制動中でない場合は(200:NO)、ステップ202へ移行して後述の制御中モードをリセットし、続いて増圧モードをセットした後(204)、メインルーチンへ復帰する。すると、図2に示すように、ステップ170を終了してステップ110へ移行し、再び所定時間Tamsの経過後、前述の処理を繰り返す。なお、増圧モードとは、前述の増圧出力を連続的に発生するモードである。すなわち、車両の制動中でない場合は(200:NO)、マスタシリンダ16が発生する油圧がそのままホイールシリンダ11〜14に供給されるようにする。
【0027】
ブレーキペダル27が操作されてストップスイッチ29がONとなると(200:YES)、ステップ210へ移行して制御中モードがセットされているか否かを判断する。制動開始時には、ステップ202で制御中モードがリセットされているので、否定判断してステップ212へ移行する。ステップ212では、車体速度VBがアンチスキッド制御を必要とする所定速度KVB0(例えば8km/h)より高いか否かを判断し、通常肯定判断してステップ214へ移行する。ステップ214では、スリップ率SWが所定値KS0(例えば20%)より大きいか否かを判断する。制動開始直後にはスリップは殆ど発生しておらず、否定判断して前述のステップ202,204へ移行し、増圧モードをセットする。また、ステップ212にてVB≦KVB0(NO)と判断したときも、同様にステップ202,204へ移行する。
【0028】
増圧モードで制動を続けることによりスリップ率SWが増加し、SW>KS0となると(214:YES)、ステップ220へ移行して制御中モードをセットする。続くステップ222では、車体速度VBがアンチスキッド制御が可能な下限値KVB1(例えば4km/h)より大きいか否かを判断し、制動初期には通常肯定判断してステップ224へ移行する。ステップ224では、スリップ率SWが所定値KS1(例えば15%)より大きいか否かを判断する。初めてここへ移行した場合、通常肯定判断してステップ226へ移行する。ステップ226では、車輪加速度dVWが0G以下となって、車輪がロックしつつあるか否かを判断する。dVW≦0Gの場合(226:YES)はステップ228にて減圧モードをセットした後、dVW>0Gの場合(226:NO)はステップ230にて保持モードをセットした後、それぞれメインルーチンへ復帰する。
【0029】
ここで、減圧モードとは前述の保持出力と減圧出力とを交互に繰り返し(例えば15ms毎に切り換えて)発生するモードであり、保持モードとは前述の保持出力を連続的に発生するモードである。すなわち、dVW≦0Gとなって車輪がロックしつつある場合は(226:YES)、減圧モードによりホイールシリンダ11〜14の油圧(ブレーキ圧)を徐々に減圧し、dVW>0Gとなってスリップが徐々に解消されつつある場合は(226:NO)、保持モードによりブレーキ圧を保持するのである。なお、上記処理の後に再びステップ210へ移行した場合は、既に制御中モードがセットされているので(220)、ステップ210から直接ステップ220以下の処理へ移行する。
【0030】
以上の処理の繰り返しにより、スリップ率SWがKS1以下となるか(224:NO)、或いは、車体速度VBがKVB1以下となるかすると(222:NO)ステップ232へ移行する。ここではパルス増パターンが終了したか否かを判断し、最初は否定判断してステップ234へ移行する。ここでは、図5に示すパルス増モード演算処理を実行する。
【0031】
図5に示すように、この処理を開始すると、先ずステップ300にて前回パルス増モードでないか否かを判断する。初めてここへ移行した場合は、否定判断して続くステップ302へ移行する。ステップ302では、今回のパルス増モードがアンチスキッド制御が開始されてから1サイクル目であるか否かを判断し、1サイクル目の場合(302:YES)はステップ304へ移行する。ステップ304では、今回のTUPの値TUP(n)として予め設定された所定値KTUP(例えば4ms)を設定してステップ306へ移行する。
【0032】
ここで、パルス増モードとは、図6に例示するように、前述の保持出力と増圧出力とを交互に繰り返し発生するモードである。また、このモードは前半パターンと後半パターンとに分かれており、それぞれのパターンに対して、増圧出力の継続時間TUP,保持出力の継続時間KH,およびパルス数Nが表1に示すように設定されている。なお、表1に示すように、この増圧出力の継続時間TUPは図5のパルス増モード演算処理で決定される値である。
【0033】
【表1】
【0034】
例えばTUP(n)にKTUPを設定した場合、400msの保持出力とKTUPの増圧出力とを、3回交互に繰り返し(前半パターン)、続いて100msの保持出力とKTUPの増圧出力とを6回交互に繰り返す(後半パターン)。
図5に戻って、ステップ304の次はステップ306〜312の処理を介してメインルーチンへ復帰するのであるが、この処理は、TUP(n)の値をその上限値KTMAX(例えば12ms)および下限値KTMIN(例えば2ms)と比較してガードする処理である。すなわち、TUP(n)が上限値KTMAXより大きい場合(306:YES)はTUP(n)の値として上限値KTMAXを設定し(308)、TUP(n)が下限値KTMINより小さい場合(310:YES)はTUP(n)の値として下限値KTMINを設定するのである(312)。ステップ304で設定される所定値KTUPは上限値KTMAX,下限値KTMINの間の値であるので、ステップ306,310をそのまま通過してメインルーチンへ復帰する。
【0035】
すなわち、制御開始後、初めてSW≦KS1(224:NO)となったときには、TUP(n)=KTUPとして前述のパルス増モードを実行するのである。このパルス増モード実行中にステップ300へ移行したときは、否定判断してそのままメインルーチンへ復帰し、TUP(n)の値を変えることなくパルス増モードを継続する。そして、パルス増モード実行中にスリップ率SWがKS1を超えると(224:YES)、パルス増モードを中断して減圧モードまたは保持モードをセットする(228,230)。また、この場合、パルス増モードを何パルス目まで実行したかを、RAM内のカウンタCKNに記憶する。
【0036】
一方、SW>KS1となることなくパルス増モードが終了した場合は(232:YES)、前述のステップ202,204へ移行し、制御中モードをリセットすると共に増圧モードをセットする。
次に、カウンタCKNの記憶後、スリップ率SWが減少するなどして再びステップ234へ移行した場合、ステップ300で肯定判断すると共にステップ302で否定判断してステップ320へ移行する。ここでは、カウンタCKNの値を第1の基準値KN1(例えば1)と比較し、CKN≦KN1であるか否かを判断する。CKN≦KN1の場合は(320:YES)、前回のTUPの値TUP(n−1)から所定値KT1(例えば0.5ms)を引いた値を今回のTUPの値TUP(n)として(322)、前述のステップ306へ移行する。
【0037】
CKN>KN1の場合(320:NO)はステップ324へ移行し、カウンタCKNの値が第2の基準値KN2(例えば4)以上であるか否かを判断する。CKN≧KN2の場合は(324:YES)、前回のTUPの値TUP(n−1)に所定値KT2(例えば1ms)を加えた値を今回の値TUP(n)として(326)、前述のステップ306へ移行する。CKN<KN1の場合(324:NO)はステップ328へ移行し、前回のTUPの値TUP(n−1)をそのまま今回の値TUP(n)としてステップ306へ移行する。ステップ306〜312では前述のガード処理を行ってメインルーチンへ復帰する。
【0038】
このように、本アンチスキッド制御装置では、CKN≦KN1の場合(320:YES)はTUPを減少補正して1回の増圧出力によるブレーキ圧の増圧幅を減らし(322)、CKN≧KN2の場合(324:YES)はTUPを増加補正して1回の増圧出力によるブレーキ圧の増圧幅を増やしている(326)。そして、この調整によって、パルス増モードで実行されるパルス数を所定範囲(上記例では2〜3)に収めている。
【0039】
次に、この制御による効果を図7,8のタイムチャートを用いて説明する。なお、図7,8は車輪速度VW,車体速度VB,ブレーキ圧,ブレーキペダル27のストローク,および上記TUPの値の経時変化を表しており、ブレーキ圧の経時変化には、ブレーキペダル27の踏込み力の変化を破線で重ねて記載した。また、以下の説明では、KTUP等の各種定数として括弧内に例示した数値を使用するものとする。
【0040】
図7に例示するように、制動開始後、時点t0 にてスリップ率SWがある程度低下すると、パルス増モードへ移行してTUPを所定値KTUPに設定する。時点t1 にて踏込み力を緩めるまでは、パルス増モードが3パルスで減圧モードに転じており、TUPの値はそのまま保持される。時点t1 にて踏込み力を緩めると、1回の増圧出力に対するブレーキ圧の増加幅が小さくなる。このため、スリップ率SWが余り増加せず、パルス増モードが後半パターンへ移行するまで継続する。後半パターンへ移行すると増圧出力の発生頻度が増加し(表1参照)、スリップ率SWが急増して減圧モードへ移行する。図7の例では、この間に6パルスの増圧出力を発生している。
【0041】
このため、次にパルス増モードへ移行する時点t2 ではTUPを増加補正し、この結果、パルス増モードの増圧出力は4パルスに減少する。しかし、まだパルス数が多いので、次にパルス増モードへ移行する時点t3 ではTUPを更に増加補正する。この結果、パルス増モードの増圧出力は適正値である3パルスまで減少し、次のパルス増モードへの移行時(時点t4 )にもTUPの値が保持される。以上の処理により、ブレーキペダル27の踏込み力を緩めた場合には1回の増圧出力によるブレーキ圧増圧幅を増やすことができるので、踏込み力の変化に関わらず常に安定して車両を停止させることができる。
【0042】
図8は、ブレーキペダル27の踏込み力を途中で強めた場合を例示している。時点t5 にてパルス増モードへ移行すると、TUPはKTUPに設定される。次にパルス増モードへ移行する時点t6 では、前回のパルス増モードが3パルスで終了しているのでTUPの値を保持する。ところが、この直後に踏込み力を強めると、パルス増モードが1パルスで終了する。また、このときブレーキペダル27の入り込み量も多くなる。そこで、次にパルス増モードへ移行する時点t7 ではTUPを減少補正する。しかし、またその次もパルス増モードが1パルスで終了したので、次にパルス増モードへ移行する時点t8 ではTUPを更に減少補正する。この結果、パルス増モードの増圧出力は適正値である2パルスまで増加し、次のパルス増モードへの移行時(時点t9 )にもTUPの値が保持される。
【0043】
以上の処理により、ブレーキペダル27の踏込み力を強めた場合には1回の増圧出力によるブレーキ圧増圧幅を減らすことができるので、踏込み力の変化に関わらず常に安定して車両を停止させることができる。特に、本アンチスキッド制御装置では、リザーバ37,39へ圧油を逃すことによってブレーキ圧を減圧しているので、時点t6 〜t8 のようなブレーキ圧の急増,急減を繰り返すと、リザーバ37,39が満杯になる可能性がある。これに対して、本装置では、前述のようにパルス増モードにおける増圧を適正化することができるので、このような事態を良好に回避することができる。なお、低μ路等でも同様にパルス増モードの継続時間が短くなる場合があるが、このような場合にも同様にブレーキ圧増圧幅を減らして車両を良好に停止させることができる。
【0044】
また、本アンチスキッド制御装置では、増圧出力を2〜3パルスに調整しているので、パルス増モードは前半パターンだけで終了し、増圧出力の間隔は約400msとなる。すなわち、ブレーキ圧の増圧回数が1秒当り約2.5回となる。そして、ブレーキペダル27もこの時間間隔で移動するので、本装置ではきわめて良好にブレーキペダルフィーリングを向上させることができる。特に、本装置では、増圧出力ではマスタシリンダ16から流出したブレーキ液をそのまま供給し、それ以外ではマスタシリンダ16からのブレーキ液の流出を禁止しているので、ブレーキ圧増圧回数の適正化の効果がブレーキペダルフィーリングに直接現れる。従って、ブレーキペダルフィーリング向上の効果が一層顕著に現れる。
【0045】
なお、上記実施の形態において、車輪速度センサ5〜8および電子制御回路50におけるステップ120〜160の処理がスリップ状態検出手段に、アクチュエータ21〜24,31〜34,および電子制御回路50におけるステップ210〜234の処理がブレーキ圧調整手段に、電子制御回路50のカウンタCKNが計数手段に、電子制御回路50におけるステップ302〜312の処理が増圧幅調整手段に、それぞれ相当する。
【0046】
また、本発明は、上記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、上記実施の形態では増圧出力の間隔を約400msに固定しているが、スリップ率SWに応じてある程度の範囲で変動させ、トータルでみて1.5〜3.5パルス/秒となるようにしてもよい。但し、上記間隔を固定する場合、増圧出力の間隔を適正値に調整する処理がきわめて容易になる反面、スリップ率SWの変化,ブレーキペダル踏込み力の変化,路面状態の変化等には、TUPの値を調整することによってのみ対応可能とる。すなわち、ブレーキ圧調整手段が、スリップが小さいときにはブレーキ圧を単位時間当り上記所定範囲内に固定された頻度で徐々に増圧する場合には、増圧幅調整手段の重要性が一層向上する。
【0047】
また、上記実施の形態では、パルス増モードを前半パターンと後半パターンとに分けているが、全体を一定のパターンで構成してもよい。但し、上記実施の形態のように後半パターンを比較的頻繁に増圧を行うパターンとした場合、次のような効果が得られる。すなわち、図7の時点t2 の直前にみられるように、ブレーキ圧が不足した場合、ブレーキ圧を途中から急増させて車両を安全に停止させることができる。但し、このように後半パターンによってブレーキ圧を急増させると、ブレーキペダル27が急に入り込んで運転者に違和感を与える可能性がある。これに対して、上記装置では、TUPを補正してできるだけ前半パターンのみで制動を行うようにしているので、違和感を良好に低減することができる。すなわち、上記装置では、ブレーキペダルフィーリングを損なうことなく車両を安全に停止させることができるといった優れた効果が得られる。
【0048】
また更に、上記アンチスキッド制御装置は、マスタシリンダ16以外に圧力源を有していない。マスタシリンダ16以外にポンプ等の油圧源を備えたアンチスキッド制御装置では、制動操作中にブレーキペダルが押し返される現象(いわゆるキックバック)が発生し、ブレーキペダルフィーリングが変化しても余り違和感を感じない。これに対して、マスタシリンダ16以外に圧力源を有さないアンチスキッド制御装置では、キックバックが発生せず、ブレーキペダルフィーリングの変化に伴う違和感を特に強く感じる。従って、そのブレーキペダルフィーリング向上に対する要請が強い。
【0049】
上記実施の形態では、マスタシリンダ16以外に圧力源を有さないアンチスキッド制御装置に対してブレーキペダルフィーリングを向上させることができるので、本発明の効果が一層顕著になる。また、上記実施の形態では、ポンプ等の圧力源を有さないので、一層の低コスト化、低騒音化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたアンチスキッド制御装置の構成を表す概略図である。
【図2】その制御装置によるメインルーチンを表すフローチャートである。
【図3】そのルーチンの制御モード演算処理を表すフローチャートである。
【図4】その制御モード演算処理の続きを表すフローチャートである。
【図5】その処理のパルス増モード演算処理を表すフローチャートである。
【図6】そのパルス増モードの出力様式を例示するタイムチャートである。
【図7】踏込み力を緩めた場合の上記処理の効果を例示するタイムチャートである。
【図8】踏込み力を強めた場合の上記処理の効果を例示するタイムチャートである。
【符号の説明】
1…右前輪 2…左前輪 3…右後輪
4…左後輪 5,6,7,8…車輪速度センサ
11,12,13,14…ホイールシリンダ 16…マスタシリンダ
21,22,23,24,31,32,33,34…アクチュエータ
27…ブレーキペダル 29…ストップスイッチ
37,39…リザーバ 50…電子制御回路[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an anti-skid control device that adjusts wheel slip generated during braking of a vehicle, and more particularly, to an anti-skid control device that increases brake pressure using a fluid pressure generated by a master cylinder.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of device, a slip state detecting means for detecting a slip state of a wheel at the time of braking of a vehicle, a master cylinder for generating a fluid pressure in accordance with an operation of a brake pedal, and a slip state detected by the slip state detecting means Brake pressure adjusting means for increasing and decreasing the brake pressure of the wheel so that the state becomes an appropriate state, wherein the brake pressure adjusting means uses the fluid pressure generated by the master cylinder to apply the brake pressure. An anti-skid control device for increasing the pressure has been considered.
[0003]
In this anti-skid control device, at the time of braking of the vehicle, the brake pressure adjusting means increases and decreases the brake pressure of the wheels so that the slip state detected by the slip state detecting means becomes an appropriate state. For this reason, the occurrence of skid can be prevented, and the braking distance can be shortened favorably.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above device, since the brake pressure adjusting means increases the brake pressure using the fluid pressure generated by the master cylinder, the movement of the brake pedal is restricted during control. For this reason, if the time interval during which the brake pedal moves is longer than a certain level, the user feels uncomfortable as if the brake pedal could not be depressed. If the time interval during which the brake pedal moves is shorter than a certain degree, the brake pedal moves too much, and the user feels an uncomfortable feeling that the pedal may hit the bottom. Therefore, an object of the present invention is to provide an anti-skid control device that exhibits good brake pedal feeling by adjusting the time interval at which the brake pedal moves.
[0005]
Means for Solving the Problems and Effects of the Invention
In order to achieve the above object, the invention according to
Brake pressure adjusting means for increasing and decreasing the brake pressure of the wheels so that the slip state is proper,The brake pressure is increased by directly supplying the fluid flowing out of the master cylinder, and the flow of the fluid from the master cylinder is prohibited except during the pressure increase, and the duration of the pressure increase is adjusted. For one secondThe number of times the above brake pressure is increased1.5 to 3.5 timesThus, the brake pressure is adjusted as described above.
[0006]
In the present invention configured as above, the brake pressure adjusting means includes:1 secondThe number of brake pressure increases per interval1.5 to 3.5 timesAdjust the brake pressure as follows. The brake pressure adjusting means increases the brake pressure using the fluid pressure generated by the master cylinder.In addition, the anti-skid control device of the present invention has no pressure source other than the master cylinder.Therefore, the number of times of increasing the brake pressure per unit time well corresponds to the time interval at which the brake pedal moves. Therefore, in the present invention, the time interval at which the brake pedal moves can be set within an appropriate range, and the brake pedal feeling can be improved satisfactorily.
[0008]
AlsoAccording to the present invention, the brake pressure is increased by directly supplying the fluid flowing out of the master cylinder, and the outflow of the fluid from the master cylinder is prohibited except when the pressure is increased. Therefore, the behavior of increasing the brake pressure by the brake pressure adjusting means is directly related to the movement of the brake pedal. In the present invention,As mentioned aboveSince the number of times of increasing the brake pressure can be optimized, the effect of the optimization directly appears in the brake pedal feeling. Therefore, in the present invention,the aboveThe effect becomes more pronounced.
[0009]
Furthermore,In the present invention, the number of times of increasing the brake pressure is set to 1.5 to 3.5 times per second. This value is 3 to 7 mm / sec when converted to the moving speed of the brake pedal in a general vehicle. It was also found that this moving speed exhibited a very good brake pedal feeling. Therefore, in the present invention,Rake pedal feeling can be further improvedYou.
[0010]
Claim2The invention described in the claims1 noteIn addition to the above configuration, the brake pressure adjusting means gradually increases the brake pressure at a number of times within the predetermined range per unit time when the slip is small, and reduces or holds the brake pressure when the slip is large, A counting means for counting the number of times the brake pressure adjusting means has continuously increased the pressure; and a pressure increase by the brake pressure adjusting means such that the number of times counted by the counting means falls within a predetermined range. And a pressure increasing width adjusting means for adjusting the brake pressure increasing width.
[0011]
In the present invention configured as described above, the brake pressure adjusting means gradually increases the brake pressure when the slip is small, and reduces or holds the brake pressure when the slip is large. For this reason, a very good braking force can be obtained, and the braking distance can be reduced satisfactorily.
[0012]
Here, the number of times the brake pressure adjusting means increases the brake pressure is defined by the following formula.1 andLikewise1.5 to 3.5 times per secondAlthough it is necessary to stay within the range, the brake pressure increase width by one pressure increase varies according to the force on the brake pedal even if the same control is performed. For example, if the pressure on the brake pedal is extremely strong, the brake pressure may increase sharply with a single pressure increase and the slip may be excessive.If the force on the brake pedal is extremely weak, the brake pedal may be depressed. Even if the player continues to step on the brake pedal, the brake pressure does not readily increase, and although the slip does not occur, the braking distance may be extended.
[0013]
Therefore, in the present invention, the number of times the brake pressure adjusting means continuously increases the pressure is counted by the counting means, and the brake pressure adjustment is performed by the pressure increasing width adjusting means so that the pressure increasing number falls within a predetermined range. The brake pressure increase width is adjusted by one pressure increase of the means. Therefore, the claim1 noteIn addition to the effects of the invention described above, there is an effect that the vehicle can always be stably stopped regardless of the force of depressing the brake pedal and the state of the road surface.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic diagram illustrating a configuration of an anti-skid control device to which the present invention is applied. As shown in FIG. 1, electromagnetic pickup type or magnetoresistive element (MRE) type wheel speed sensors 5 to 8 are arranged on the right
[0015]
Hydraulic brake devices (wheel cylinders) 11 to 14 are disposed on the
[0016]
Further, the
[0017]
In addition, upstream and downstream of the
[0018]
The detection signals of the wheel speed sensors 5 to 8 and the
[0019]
To generate an increased pressure output on the right
[0020]
To generate the hold output on the right
[0021]
To generate a decompression output on the right
[0022]
Next, details of the processing executed by the
[0023]
When the process is started, first, an initialization process is executed in
[0024]
In
[0025]
In the following step 150, the vehicle speed VB calculated in step 140 is differentiated with respect to time to calculate the vehicle acceleration dVB, and in the
[0026]
In step 170, the control mode calculation processing shown in FIGS. As shown in FIGS. 3 and 4, when the process is started, it is determined in
[0027]
When the
[0028]
By continuing the braking in the pressure increasing mode, the slip ratio SW increases, and when SW> KS0 (214: YES), the process proceeds to step 220 to set the control mode. In the following step 222, it is determined whether or not the vehicle speed VB is higher than a lower limit value KVB1 (for example, 4 km / h) at which anti-skid control is possible. In
[0029]
Here, the depressurization mode is a mode in which the above-described holding output and the depressurizing output are alternately and repeatedly generated (for example, switched every 15 ms), and the holding mode is a mode in which the above-described holding output is continuously generated. . That is, when dVW ≦ 0G and the wheels are being locked (226: YES), the oil pressure (brake pressure) of the
[0030]
By repeating the above processing, if the slip ratio SW becomes equal to or less than KS1 (224: NO) or if the vehicle speed VB becomes equal to or less than KVB1 (222: NO), the process proceeds to step 232. Here, it is determined whether or not the pulse increase pattern has been completed. At first, a negative determination is made and the process proceeds to step 234. Here, the pulse increase mode calculation processing shown in FIG. 5 is executed.
[0031]
As shown in FIG. 5, when this process is started, first, at
[0032]
Here, the pulse increasing mode is a mode in which the above-described holding output and the pressure increasing output are alternately and repeatedly generated as illustrated in FIG. This mode is divided into a first half pattern and a second half pattern, and for each pattern, the duration TUP of the boosted output, the duration KH of the held output, and the number of pulses N are set as shown in Table 1. Have been. As shown in Table 1, the continuation time TUP of the pressure increase output is a value determined by the pulse increase mode calculation processing in FIG.
[0033]
[Table 1]
[0034]
For example, when KTUP is set to TUP (n), the holding output of 400 ms and the boosted output of KTUP are alternately repeated three times (first half pattern), and then the held output of 100 ms and the boosted output of KTUP are changed to 6 times. Repeat alternately (second half pattern).
Returning to FIG. 5, after step 304, the process returns to the main routine through the processes of steps 306 to 312. In this process, the value of TUP (n) is set to its upper limit value KTMMAX (for example, 12 ms) and the lower limit value. This is a process of guarding by comparing with a value KTMIN (for example, 2 ms). That is, when TUP (n) is larger than the upper limit KTMMAX (306: YES), the upper limit KTMMAX is set as the value of TUP (n) (308), and when TUP (n) is smaller than the lower limit KTMIN (310: YES) sets the lower limit value KTMIN as the value of TUP (n) (312). Since the predetermined value KTUP set in step 304 is a value between the upper limit value KTMAX and the lower limit value KTMIN, the process directly returns to steps 306 and 310 and returns to the main routine.
[0035]
That is, when SW ≦ KS1 (224: NO) for the first time after the control is started, the above-described pulse increase mode is executed with TUP (n) = KTUP. If the process proceeds to step 300 during execution of the pulse increasing mode, a negative determination is made and the process returns to the main routine without change, and the pulse increasing mode is continued without changing the value of TUP (n). If the slip ratio SW exceeds KS1 during execution of the pulse increase mode (224: YES), the pulse increase mode is interrupted and the pressure reduction mode or the hold mode is set (228, 230). In this case, the number of pulses executed in the pulse increasing mode is stored in the counter CKN in the RAM.
[0036]
On the other hand, when the pulse increase mode ends without satisfying SW> KS1 (232: YES), the process proceeds to
Next, after the counter CKN is stored, when the process proceeds to step 234 again due to a decrease in the slip ratio SW or the like, an affirmative determination is made in
[0037]
If CKN> KN1 (320: NO), the flow shifts to step 324 to determine whether or not the value of the counter CKN is equal to or greater than a second reference value KN2 (for example, 4). When CKN ≧ KN2 (324: YES), a value obtained by adding a predetermined value KT2 (for example, 1 ms) to the previous TUP value TUP (n-1) is set as the current value TUP (n) (326), and Move to step 306. If CKN <KN1 (324: NO), the process proceeds to step 328, and the process proceeds to step 306, using the previous TUP value TUP (n-1) as the current value TUP (n). In steps 306 to 312, the above-described guard processing is performed, and the process returns to the main routine.
[0038]
As described above, in the present anti-skid control device, when CKN ≦ KN1 (320: YES), TUP is reduced and corrected to reduce the pressure increase width of the brake pressure by one pressure increase output (322), and CKN ≧ KN2 In the case of (324: YES), TUP is increased and corrected to increase the pressure increase width of the brake pressure by one pressure increase output (326). By this adjustment, the number of pulses executed in the pulse increasing mode is kept within a predetermined range (2 to 3 in the above example).
[0039]
Next, the effect of this control will be described with reference to the time charts of FIGS. 7 and 8 show changes over time in the wheel speed VW, the vehicle body speed VB, the brake pressure, the stroke of the
[0040]
As illustrated in FIG. 7, when the slip ratio SW decreases to some extent at time t0 after the start of braking, the mode shifts to the pulse increasing mode, and TUP is set to a predetermined value KTUP. Until the depression force is reduced at time t1, the pulse increase mode is switched to the pressure reduction mode with three pulses, and the value of TUP is maintained as it is. If the stepping force is reduced at the time point t1, the increase in the brake pressure with respect to one pressure increase output decreases. Therefore, the slip ratio SW does not increase so much and continues until the pulse increase mode shifts to the latter half pattern. When the process shifts to the latter half pattern, the frequency of occurrence of the pressure increase output increases (see Table 1), the slip ratio SW rapidly increases, and the process shifts to the pressure reduction mode. In the example of FIG. 7, a boosted output of 6 pulses is generated during this time.
[0041]
For this reason, at the time t2 when the mode shifts to the pulse increasing mode next, the TUP is increased and corrected, and as a result, the pressure increasing output in the pulse increasing mode is reduced to four pulses. However, since the number of pulses is still large, the TUP is further increased and corrected at the time point t3 when the next shift to the pulse increasing mode is made. As a result, the pressure increase output in the pulse increase mode decreases to the proper value of 3 pulses, and the value of TUP is held even at the time of transition to the next pulse increase mode (time t4). By the above processing, when the depression force of the
[0042]
FIG. 8 illustrates a case where the depressing force of the
[0043]
With the above processing, when the depression force of the
[0044]
Further, in the present anti-skid control device, since the boosted output is adjusted to 2 or 3 pulses, the pulse boost mode ends only in the first half pattern, and the interval between boosted outputs is about 400 ms. That is, the number of times the brake pressure is increased is about 2.5 times per second. Since the
[0045]
In the above-described embodiment, the processing of
[0046]
Further, the present invention is not limited to the above-described embodiment at all, and can be implemented in various forms without departing from the gist of the present invention. For example, in the above-described embodiment, the interval between boosted pressure outputs is fixed to about 400 ms, but is varied within a certain range according to the slip ratio SW, and is 1.5 to 3.5 pulses / sec as a whole. You may do so. However, when the above-mentioned interval is fixed, the process of adjusting the interval of the boosted pressure output to an appropriate value becomes extremely easy. On the other hand, a change in the slip ratio SW, a change in the brake pedal depressing force, a change in the road surface state, etc. Can be handled only by adjusting the value of. That is, if the brake pressure adjusting means gradually increases the brake pressure at a frequency fixed within the above-mentioned predetermined range per unit time when the slip is small, the importance of the pressure increasing width adjusting means is further improved.
[0047]
Further, in the above embodiment, the pulse increase mode is divided into the first half pattern and the second half pattern, but the whole may be configured with a fixed pattern. However, when the latter half pattern is a pattern in which the pressure is increased relatively frequently as in the above embodiment, the following effects can be obtained. That is, as seen immediately before time t2 in FIG. 7, when the brake pressure is insufficient, the vehicle can be safely stopped by rapidly increasing the brake pressure halfway. However, if the brake pressure is suddenly increased in the latter half pattern as described above, the
[0048]
Furthermore, the anti-skid control device has no pressure source other than the
[0049]
In the above embodiment, since the brake pedal feeling can be improved for an anti-skid control device having no pressure source other than the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating a configuration of an anti-skid control device to which the present invention has been applied.
FIG. 2 is a flowchart showing a main routine by the control device.
FIG. 3 is a flowchart showing a control mode calculation process of the routine.
FIG. 4 is a flowchart showing a continuation of the control mode calculation process.
FIG. 5 is a flowchart illustrating a pulse increase mode calculation process of the process.
FIG. 6 is a time chart illustrating an output mode of the pulse increasing mode.
FIG. 7 is a time chart illustrating the effect of the above processing when the stepping force is reduced.
FIG. 8 is a time chart illustrating the effect of the above-described processing when the stepping force is increased.
[Explanation of symbols]
1: Right front wheel 2: Left front wheel 3: Right rear wheel
4: Left
11, 12, 13, 14 ...
21, 22, 23, 24, 31, 32, 33, 34 ... actuator
27: brake pedal 29: stop switch
37, 39 ...
Claims (2)
ブレーキペダルの操作に応じて流体圧を発生するマスタシリンダと、
上記スリップ状態検出手段が検出するスリップ状態が適正な状態となるように、車輪のブレーキ圧を増圧,減圧するブレーキ圧調整手段と、
を備え、
該ブレーキ圧調整手段が、上記マスタシリンダが発生する流体圧を用いて上記ブレーキ圧を増圧すると共に、上記マスタシリンダ以外には上記流体圧を発生する圧力源を有さないアンチスキッド制御装置において、
上記ブレーキ圧調整手段が、上記マスタシリンダから流出した上記流体をそのまま供給することにより上記ブレーキ圧を増圧し、その増圧時以外には上記マスタシリンダからの上記流体の流出を禁止し、上記増圧の継続時間を調整することによって1秒間当りの上記ブレーキ圧の増圧回数が1.5〜3.5回となるように上記ブレーキ圧を調整することを特徴とするアンチスキッド制御装置。Slip state detecting means for detecting a slip state of the wheel when braking the vehicle,
A master cylinder that generates fluid pressure in response to operation of the brake pedal,
Brake pressure adjusting means for increasing and decreasing the brake pressure of the wheels so that the slip state detected by the slip state detecting means becomes an appropriate state;
With
The anti-skid control device, wherein the brake pressure adjusting means increases the brake pressure using the fluid pressure generated by the master cylinder, and has no pressure source for generating the fluid pressure other than the master cylinder .
The brake pressure adjusting means increases the brake pressure by directly supplying the fluid flowing out of the master cylinder, and prohibits the fluid from flowing out of the master cylinder except when the pressure is increased. antiskid control device increasing pressure circuit number of the brake pressure per one second by adjusting the duration of the pressure and adjusting the braking pressure so that Do and 1.5 to 3.5 times .
上記ブレーキ圧調整手段が連続的に増圧を行った回数を計数する計数手段と、該計数手段が計数する上記回数が所定範囲内に収まるように、上記ブレーキ圧調整手段の1回の増圧によるブレーキ圧増圧幅を調整する増圧幅調整手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。The brake pressure adjusting means, with the time the slip is small boosts gradually the brake pressure at 1.5 to 3.5 times the number per one second, when the slip is large is reduced or hold the brake pressure,
Counting means for counting the number of times the brake pressure adjusting means continuously increases the pressure; and one pressure increase of the brake pressure adjusting means such that the number of times counted by the counting means falls within a predetermined range. Pressure increasing width adjusting means for adjusting the brake pressure increasing width by
Further anti-skid control apparatus according to claim 1 Symbol mounting characterized by comprising a.
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