JP3589483B2 - データ処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、デジタル画像データを高能率符号化してデータ圧縮するためのデータ処理方法に関し、特に、動画像圧縮における動き予測のデータ処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積技術の進展に伴い、デジタル画像データ等の高能率符号化(データ圧縮)技術が急速に進められている。こうした技術は、画像信号や音声信号などの種々のデータを統合的に扱うマルチメディアシステムや、デジタルHDTV等におけるデータ伝送及び蓄積に不可欠なものである。
連続したフレームにおける画像データ(動画像)は、空間方向と時間方向の3次元データからなるものである。こうした画像データの空間方向の冗長性は、2次元DCT(離散コサイン変換)を用いて効果的に削減することが可能であり、他方、時間方向の冗長性は、フレーム/フィールド間の符号化、あるいは、動き補償によるフレーム/フィールド間の予測符号化により削減することが可能である。
【0003】
動き補償によるフレーム/フィールド間の予測符号化は、単にフレーム/フィールド間の差分を符号化するのではなく、物体の動き予測、すなわち動きベクトルを検出して、その動きベクトル分だけ移動した領域との差分を符号化し、データ圧縮をより効果的にするものである。
【0004】
動き予測は、MPEG(Moving Picture Expert Group)のような国際的な標準に広く用いられている重要な技術の1つである。一般に、画像シーケンスにおける連続的なフレームでは、1フレーム期間内にシーケンス内の物体が、それらの位置を少し変えるにすぎないため、非常に類似していることが多い。このため、動き予測による符号化は、画像シーケンスにおける時間的及び空間的な冗長性を除去できるという利点をもつ。あるフレームから次のフレームへの物体の変位は、動きベクトルとして参照される。一般に、動きベクトルは、特定の物体について定められるのではなく、フレームを分割した矩形状の小さなブロックについて定められる。そして、前に送られたフレーム内の特定のブロックに対して最適な候補を見つける技術が、いわゆる動き予測(ME)と呼ばれている。
【0005】
従来から行われている動き予測について簡単に説明する。
前に送られたフレームを参照フレーム、動き予測が行われる現在のフレームをターゲットフレームと呼ぶことにする。同様に、参照フレーム内のブロック及びターゲットフレーム内のブロックを参照ブロック及びターゲットブロックと呼ぶ。もっとも広く行われている動き予測の方法は、ブロックマッチングである。ブロックマッチングは、ターゲットブロックと参照ブロックとの間の画素ごとのミスマッチをある基準を用いて測定し、これを矩形ブロックの全領域にわたって加算したものを誤差と定義し、最小の誤差を与えるブロックを見つける。
【0006】
ミスマッチについて一般に用いられている基準は、平均絶対誤差(MAE)と平均自乗誤差(MSE)である。
前者は、一般に、以下のように表される。
【数1】
後者は、一般に、以下のように表される。
【数2】
ここに、x(k,l),y(k,l)は、画素値を表し、Wは矩形ブロックを表す。
MAEは、MSEと比べて計算は容易であるが、精度はMSEの方が優れている。
【0007】
また、ブロックマッチングにおいて、参照フレーム内のサーチされるべき画面の領域(以下、サーチ範囲)は、可能性のある動きを連続的に検出できるようにするために、十分に大きくなければならない。しかし、計算量は、おおよそサーチ範囲の面積に比例するため、大きなサーチ範囲を必要とする動きの速いシーケンスについて、サーチ範囲の大きさは顕著な問題となる。さらに、HDTVのような高解像度のTVは、たとえ動きの遅いシーケンスであっても、一般のTVよりも大きなサーチ範囲を必要とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
比較的大きなサーチ範囲を得るために、高速フーリエ変換(FFT)を用いて計算した相関を利用して動き予測を行う方法が提案されている。
FFTは、一般に、以下のように表される。
【数3】
【0009】
FFTは、コンボリューションや相関の計算にしばしば用いられるものであり、オペレーション(加算や乗算)の回数を減少させることができるという利点を持つ。つまり、N点FFTの計算量は、離散的フーリエ変換(DFT)の直接評価に必要なN2 ではなく、NlogNに比例するということが知られている。
【0010】
しかしながら、本発明者は、FFTを用いた相関を利用する動き予測の技術を解析し、この方法がMAEやMSEのような好適な基準ではないという結論を得た。つまり、この方法は、MSEの3つの項
【数4】
の一項(相関項)、
【数5】
を評価するにすぎないからである。このことは、もし、最後の項、
【数6】
が、相関項と同様に評価されるならば、この方法は、MSE基準により動きベクトルを計算する上で優れていることを意味する。
【0011】
そこで、本発明は、MSE基準による動き予測技術の基礎となるFFTについて開示し、2次元画像データの相関を、精度を損なうことなく計算が容易なデータ処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的は、2次元画像データの相関の計算を容易にし、動画像の動き予測を高速に求めることができるデータ処理方法を提供することである。
本発明の他の目的は、MPEG2の符号化に適用可能な動き予測を高速に行うことができるデータ処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を有するものである。
第1の2次元画像データと、第2の2次元画像データとの間の相関を求めるデータ処理方法であって、第1の2次元画像データと第2の2次元画像データの自乗誤差の計算ステップに、高速フーリエ変換処理を利用するものである。
【0014】
例えば、第1の2次元画像データは、動き予測を行うべきターゲットブロックであり、第2の2次元画像データは、参照フレーム内のサーチウインドウ、つまり参照ブロックである。
【0015】
好ましくは、データ処理方法は、求められた自乗誤差に基づき、第2の2次元画像データの範囲内において第1の2次元画像データと最もマッチングする2次元画像データの位置を検出するステップを含む。
【0016】
好ましくは、データ処理方法は、さらに、検出された2次元画像データの位置に基づき、第2の2次元画像データに対する第1の2次元画像データの動きベクトルを求めるステップを含む。
【0017】
また、他の発明に係るデータ処理方法は、以下の手段を有する。
第1の2次元画像データを有する第1のフレームが第1と第2のフィールドから構成され、第2の2次元画像データを有する第2のフレームが第3と第4のフィールドから構成され、第1及び第2のフィールドに含まれる第1の2次元画像データと、第3及び第4のフィールドに含まれる第2の2次元画像データとの間の相関を求めるデータ処理方法であって、第1及び第2のフィールドに含まれる各画像データをそれぞれ実数部及び虚数部として第1の高速フーリエ変換をし、第3及び第4のフィールドに含まれる画像データをそれぞれ実数部及び虚数部として第2の高速フーリエ変換をし、第1及び第2の高速フーリエ変換されたデータに基づき第1、第2、第3及び第4のフィールド相互間の自乗誤差を求め、前記自乗誤差に基づき第1、第2、第3及び第4のフィールド相互間の動きベクトルを求めるものである。
【0018】
好ましくは、データ処理方法は、フィールド相互間の自乗誤差に基づきフレーム間の動きベクトルを求めるステップを含む。
【0019】
【作用】
本発明によれば、第1の2次元画像データと、第2の2次元画像データの自乗誤差の計算ステップに、高速フーリエ変換処理を利用するため、両者間の相関を精度を劣化させることなく、少ない計算量で高速に求めることができる。また、本発明によれば、フレームとフィールドの両動きベクトルを同時に発生することが可能であり、しかも、少ない計算時間で広いサーチ範囲を与えることができる。このように、本発明に係るデータ処理方法を用いれば、MPEG2などにおける動き予測を高速に実行することができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
先ず、本実施例に係る動き予測では、ブロックマッチングの評価をMSE基準により行い、これによって、動きベクトルを求めるものとする。
【0021】
図1は、本実施例に係るMSE基準による動きベクトル算出処理方法を示すブロック図である。同図において、Rは前に送られた参照フレーム内のC*D(C,D>B)の参照ブロック、すなわち、サーチウインドウに相当するものであり、tは動き予測を施すべき現在のターゲットフレーム内のB*Bからなるターゲットブロックであり、ターゲットブロックtが参照ブロックRから予測されるものと仮定する。それぞれの領域の画素の値は、x(m,n)(0≦m,n≦B−1)とy(m,n)(0≦m≦C−1,0≦n≦D−1)として表わされる。そして、m+kとn+1の点での自乗誤差(SE)は、以下のように表わされる。
【0022】
【数7】
式(2)の最初の項は、ターゲットブロックtに対して定数であるため、これを以下のように表す。
【数8】
図1における参照ブロックR1は、参照ブロックRの各画素を自乗したものである。そして、式(2)及び(3)より誤差e(k,l)は、次のようになる。
【数9】
【0023】
ここで、参照ブロックR,R1に対応するターゲットブロックの大きさを合わせるため、2つのC*DのアレイT(z)、T1(h)を定義し、それらの要素を以下のようにする。
【数10】
こうして、誤差e(k,l)は、次のように表される。
【数11】
【0024】
なお、定数Aは、式を簡略化するために省略してある。上記式の2つの項は、2つのアレイの相関として表すことができ、e(k,l)のDFTは、次のように表すことができる。
【数12】
【0025】
ここで、E(α,β)、H(α,β)、YY(α,β)、Z(α,β)及びY(α,β)は、それぞれe(k,l)、h(k,l)、y(k,l)2 、z(k,l)及びy(k,l)のフーリエ変換であり、“*”は複素共役を示す。従って、誤差e(k,l)は、上記式のIFFT(逆フーリエ変換)から得ることができる。
【0026】
図1を参照して説明すると、参照ブロックR及びターゲットブロックのアレイTについて高速フーリエ変換を施してY(α,β)とZ(α,β)を求め、乗算器11により両者の積を求め、これの逆フーリエ変換(IFFT)を行い、第1の計算結果12を求める。同様に、参照ブロックR1及びターゲットブロックのアレイT1について高速フーリエ変換を施してYY(α,β)とH(α,β)を求め、乗算器13により両者の積を求め、これらの逆フーリエ変換を行い、第2の計算結果14を求める。そして、第1の計算結果を2倍したものと第2の計算結果との差分を減算器15により求め、自乗誤差e(k,l)を算出する。
【0027】
もっとも一致するブロック(K,L)の位置は、e(k,l)の最小値をサーチすることにより見つけることができる。すなわち
【数13】
また、動きベクトル(mvm ,mvn )は、以下に示すように、ブロックt:(mt ,nt )及びブロックR:(mr ,nr )の座標から得ることができる。
【数14】
【0028】
以上にように、MSEの処理ステップにおいて、相関計算にFFTを利用するようにしたので、MSEによる動き予測を、精度を損なうことなく少ない計算量で処理することができ、その結果、画像データの高能率符号化を短時間にて行うことができる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
先の実施例で説明したように、画像シーケンスの動きベクトルは、MSE基準においてFFTを使用して算出することができる。本実施例では、MPEG2標準に適用した例について説明する。
【0030】
MPEG2標準は、インターレースフィールド構造をサポートするため、フレームとフィールドの双方の動きベクトルを採用する。つまり、16*16画素の1ブロックにつき5つの動きベクトル(1つはフレームベクトルであり、4つはフィールドベクトル)をサーチしなければならない。
【0031】
図2は、これらの5つの動きベクトルの態様を示すものである。21はターゲットフレームであり、22、23はターゲットフレームを構成する偶数フィールド及び奇数フィールドである。24は参照フレームであり、25、26は参照フレームを構成する偶数フィールド及び奇数フィールドである。5つの態様は、フレームベクトル31、偶数対偶数フィールドベクトル32、奇数対偶数フィールドベクトル33、偶数対奇数フィールドベクトル34、及び奇数対奇数フィールドベクトル35である(「偶数」及び「奇数」の語は、偶数フィールド及び奇数フィールドの意である)。
【0032】
これらの動きベクトルを求めるために、第1の実施例と同様にブロックマッチングを行う。上述したMSE基準による誤差の評価式(2)に相当するものは、以下の式(11)ないし式(15)に表される。なお、垂直方向のブロックサイズは、フィールドブロック操作のために2分割される。また、下付きのframe,even及びoddによってフレーム、偶数フィールド、及び奇数フィールドの画素値を区別する。
【数15】
【0033】
フーリエ変換を行うために、ブロックサイズの大きさを以下のように合わせる。
【数16】
【0034】
そして、これらをフーリエ変換すると以下のようになる。
【数17】
【0035】
ここで、新しい複素変数を定義し、それらの実数部と虚数部が、偶数及び奇数フィールドの画素値とそれぞれ等しいものとし、これを以下のように表す。
【数18】
ここで、j=√−1である。p(m,n),q(m,n),r(m,n),s(m,n)のフーリエ変換は、次のように表せる;
【数19】
【0036】
さらに、これらのフーリエ変換を用いて、To(α,β)、T1 (α、β)、Uo(α,β)、U1 (α,β)を次のように定義する。
【数20】
【0037】
ここで、実数シーケンスのフーリエ変換の対称性(38)、(39)式を適用する。
【数21】
【0038】
そうして、式(18)、(19)、(20)、(21)、(31)、(33)、(35)及び(37)を用い、以下の関係式が容易に導かれる。
【数22】
【0039】
W(α,β)及びV(α,β)の逆フーリエ変換は、以下のようになる。
【数23】
【0040】
すなわち、奇数対奇数フィールド、偶数対奇数フィールド、偶数対偶数フィールド、及び奇数対偶数フィールドについての自乗誤差(SE)が、w(k,l)及びv(k,l)の実数部または虚数部から得ることができる。
1つのフレームは、2つのフィールドから構成されるので、フレームベクトルは、対応する2つのフィールドのSE値から得ることができる。参照フレームブロックの最初のラインが偶数フィールドに属するものと仮定すると、偶数対偶数フィールドのSEと奇数対奇数フィールドのSEの合計がフレームSEとなる。他方、もし最初のラインが奇数フィールドに属すれば、偶数対奇数フィールドのSEと奇数対偶数フィールドのSEの合計がフレームSEとなる。フレームベクトルは、フィールドのSEの各組合わせの中から誤差が最小となる位置をサーチすることにより求めることができる。このようにして、フレームのSEは、w(k,l)とv(k,l)によって得ることができる。
【0041】
実際の計算では、“(To(α,β)−T1(α,β))/2”と“(To(α,β)+T1(α,β))/2”とを評価する必要はない。なぜなら、Hh (α,β)Q(α,β)のIFFTは、式(12)、(13)、(14)及び(15)の最初の和を提供することができるからである。
【0042】
図3は、本実施例に係る動き予測を実行するためのステップを示すブロック図である。同図に示すように、第1のステップにおいて、参照フレームをバッファにコピーし、各画素値を自乗する。2乗した参照フレームを、(C/2)*Dのブロックに分割し、偶数フィールド41及び奇数フィールド42を生成する。偶数フィールド41を実数部に、奇数フィールド42を虚数部に割り当て、これらを加算器43により結合し、複素数を形成する。そして、これらを高速フーリエ変換し、Q(α,β)を生成する。
【0043】
また、バッファ内にストアされたマスクアレイhh (m,n)のFFTであるHh (α,β)を前もって求めておき、乗算器44によりQ(α,β)と乗算し、次いで、逆フーリエ変換(IFFT)される。IFFTされた値のうち、偶数フィールドに対応する実数部がバッファ45内にストアされ、他方、奇数フィールドに対応する虚数部がバッファ46にストアされる。これらの実数部及び虚数部の項は、ターゲットフレームの変数を含まず、すなわち、定数であり、これらの項は、同一の参照フレームについて共通であるため、この評価のための計算は一度だけ必要とされる。
【0044】
第2のステップでは、式(24)、(25)、(34)、(36)、(40)及び(42)に示される項R(α,β)、S(α,β)、Uo(α,β)、U1 (α,β)、Uo(α,β)−U1 (α,β)、及びUo(α,β)+U1 (α,β)が、各ターゲットブロックについて評価され、最後の2つの項の逆フーリエ変換されたものが、第1のステップでバッファにストアされた値から減算される。
【0045】
先ず、2度のFFTが、r(m,n)とs(m,n)の項につい行われなければならない。ターゲットフレームのブロックは、適切なサイズに変形された後、実数部として偶数フィールドブロック51が、虚数部として奇数フィールドブロック52がメモリバッファ内に割り当てられ、加算器53により両者が結合され、これをフーリエ変換することによって式(28)のR(α,β)が求められる。
【0046】
他方、フレームメモリから参照フレーム内のサーチウインドウが切り出され、その内、実数部として偶数フィールドのサーチウインドウブロック54が、虚数部として奇数フィールドのサーチウインドウブロック55がメモリバッファ内に割り当てられ、加算器56により両者が結合され、これをフーリエ変換することによって式(29)のS(α,β)が求められる。
【0047】
そして、2つの複素数ブロックについての乗算が各乗算器57を介して行われ、式(34)及び(36)に示すUo(α,β)とU1 (α,β)が求められる。
【0048】
Uo(α,β)−U1 (α,β)、及びUo(α,β)+UI (α,β)を得るために、2つの複素数ブロックについての加算が加算器58(減算の意味も含む)を介して行われる。そして、加算器58の各出力についてIFFTが行われ、これらの2つの複素数ブロックの実数部と虚数部は、第1のステップで予め求められたバッファ45、46内の定数と減算器59を介して減算され、式(44)、(45)に示す4つの態様(すなわち、偶数対偶数フィールドSE、偶数対奇数フィールドSE、奇数対偶数フィールドSE及び奇数対奇数フィールドSE)の自乗誤差60が求められる。なお、これらの自乗誤差(SE)は、真のSE値より小さいことに注意しなければならない。というのは、第1の実施例で説明した式(3)に相当する定数が、ここでは省略されているからである。また、IFFTの演算と複素数ブロックの加算は逆転して行えることは明かであろう。その場合、Uo(α,β)及びU1 (α,β)について最初のIFFTが実行され、それから、複素数ブロックの加算が適用される。
【0049】
第3のステップでは、最小値のサーチが、(C/2)*D誤差ブロックの領域(C/2−B/2+1)*(D−B+1)について行われる。各SEについての最小値の位置は、上述した式(10)を介して、それぞれの態様におけるフィールドベクトルを与える。また、加算器61を介して偶数対偶数フィールドのSEと奇数対奇数フィールドのSEを結合したものの最小値、あるいは、偶数対奇数フィールドのSEと奇数対偶数フィールドのSEを結合したものの最小値が求められ、これらの最小値の位置がフレームベクトルを与える。
【0050】
このようにしてターゲットブロックについての動きベクトルを求め、この動きベクトルに応じた位置と、参照フレームとの差分を符号化するので、物体の動きの大きい、つまり物体の動きの速い画像フレームの圧縮には、一層の高能率符号化処理を高速に行うことができる。
【0051】
次に、上述した図3に示すブロック図の構成において、動き予測処理のアルゴリズムに必要とされるオペレーション数を求める。ここで、1つのマクロブロックを処理するためのオペレーション数を見積もる。1フレームを処理するためのオペレーションの総数は、1フレームに含まれるマクロブロックの数を積算することにより簡単に求められる。
【0052】
この解析において、参照ブロックとターゲットブロックの双方が正方形であり、かつ、N(=C=D)は参照ブロックのサイズを、Bはターゲットブロックのサイズを示すものと仮定する。さらに、Nは、M=Log2 Nのような2のべき乗として表すことができるものとする。サーチ範囲Rは、R=N−B+1によって与えられる。なお、ターゲットブロックは、ゼロのパッディング(“0”の埋め込み)によりサイズNまで拡大されなければならない。以下の記号は、以下の解析で仮定されるものである。
FFT_M(N):(N/2)*Nポイント2D(2次元)−FFTについての実数の乗算数
FFT_A(N):(N/2)*Nポイント2D(2次元)−FFTについての実数の加算数
2D−FFTは、行と列の1D(1次元)−FFTに分解することができる。
FFT_M(N)及びFFT_A(N)の結果から、次式が与えられる。
【数24】
【0053】
FFTおよびIFFTは、1マクロブロックにつき2回実行される。
図3のステップ1は、参照フレームについて一度だけの実施であり、このステップでの計算数は無視できるものである。FFT及びIFFTよりも、複素数のブロックの乗算及び加算が、図3のステップ2において必要とされる。これらのオペレーションにおける乗算及び加算は、
ブロックについての乗算(マクロブロックにつき2回実施)
乗算:2N2
加算:N2
ブロックについての加算(マクロブロックにつき4回実施)
加算:N2
MSE及びMAEの直接の計算に必要とされるオペレーション数は、
MSE
乗算:R2 B2
加算:2R2 B2
MAE
加算:2R2 B2
【0054】
B=16、N=32、64及び128についてのオペレーション数の評価を表1ないし表3に示す。これらの表に示すようには、FFTの使用によってオペレーションの数を30ないし80%だけ低減することを可能にしている。さらなる低減は、より一層の効果的なFFTアルゴリズムを選択することによって可能であろう。浮動小数点FFTを用いたシミュレーションプログラムを作成し、N=128(サーチ範囲:+/−56)の場合について、MPEG2のテストモデル資料に基づくMAEプログラムと比較したところ、サンマイクロシステム製のスパークステーション2における実行時間を1/3程度に減少することができる。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
次に、本実施例のアルゴリズムより2つのシーケンス(“mobile&calendar”と“football”)についての動きベクトルを算出した実験結果について説明する。この実験では、浮動小数点FFTを用い、予測モードは、フレーム/フィールド適用型であった。参照ブロックサイズNは、“mobile&calendar”について64、“football”について128となるように選択した。これらのシーケンスのサーチ範囲は、それぞれ+/−24、+/−56である。動きベクトルの基礎とされたFFT及びMAEの双方のSNR(信号対ノイズ比)を表4に示す。FFTを基礎とするアルゴリズムの方が、SNRは多少良い結果をもたらしている。表4は、FFTを基礎とする動き予測アルゴリズムが、MAEを基礎とするアルゴリズムと同様に優れたベクトルを与えることができることを示している。
【0059】
【表4】
【0060】
以上詳細に説明したように本実施例によれば、FFTを用いた動き予測アルゴリズムは、良い結果を与えることが可能である。この方法は、フレームベクトルとフィールドベクトルを同時に発生することが可能であり、しかも、少ない計算時間でより広いサーチ範囲を与えることができる。浮動小数点FFTを用いたアルゴリズムにより発生されたベクトルの性能は、通常のMAEを用いたアルゴリズムによって得られるものと同等のものである。オペレーションの数は、サーチ範囲のサイズに依存するが、約30%ないし80%低減することができる。サンマイクロシステムのスパークステーション2における実行時間は、MAEを用いたプログラムの約1/3である。本実施例の方法は、動き予測において大きなサーチ範囲を必要とするデジタルHDTV等への応用に適している。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、第1の2次元画像データと、第2の2次元画像データの自乗誤差の計算ステップに、高速フーリエ変換処理を利用するため、両者間の相関を精度を劣化させることなく、少ない計算量で高速に求めることができる。また、本発明によれば、フレームとフィールドの両動きベクトルを同時に発生することが可能であり、しかも、少ない計算時間で広いサーチ範囲を与えることができる。
【0062】
このように、本発明に係るデータ処理方法を用いれば、MPEG2などにおける動き予測を高速に実行することができる。また、大きなサーチ範囲を必要とするHDTVのような高解像度TVに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るMSE基準による動きベクトル算出方法を示すブロック図。
【図2】フレームとフィールド間のベクトルの関係を示す図。
【図3】本発明の第2の実施例に係る動き予測を実行するためのステップを示すブロック図。
【符号の説明】
R,R1 参照ブロック
t,T,T1 ターゲットブロック(アレイ)
11,13 乗算器
Claims (1)
- 第1の2次元画像データと、第2の2次元画像データとの間の相関を求めるデータ処理方法であって、第1の2次元画像データのターゲットブロックを含み前記ターゲットブロック以外の部分が値0で構成されるターゲットブロックのアレイ、及び第2の2次元画像データのサーチウインドウであって前記ターゲットブロックの大きさよりも大きい前記サーチウインドウについてそれぞれ高速フーリエ変換を施し、両者の積を求め、その積を逆フーリエ変換を行って第1の計算結果を求めると共に、前記サーチウインドウの各画素値を自乗した画素値を有する第2のサーチウインドウ、及び前記第2のサーチウインドウと同じ大きさで前記ターゲットブロックと同じ大きさの部分が値1で残りの部分が値0で構成される第2のターゲットブロックのアレイについてそれぞれ高速フーリエ変換を施し、両者の積を求め、その積を逆フーリエ変換を行って第2の計算結果を求め、前記第1の計算結果を2倍したものと前記第2の計算結果との差分を求めて、自乗誤差を算出するステップを含むデータ処理方法。
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