JP3588445B2 - アレーアンテナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子からなる指向特性を変化させることができるアレーアンテナ装置に関し、特に、例えば、電子制御導波器アレーアンテナ装置(Electronically Steerable Passive Array Radiator (ESPAR) Antenna;以下、エスパアンテナという。)なるアレーアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、電子ビームを操向可能な様々なアレーアンテナ装置が開発されている。その中で特に、図9に図示されるエスパアンテナ(以下、従来例という。)は、無線信号が給電される放射素子と、上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1個の非励振素子と、上記非励振素子に接続された可変リアクタンス素子とを備えたアレーアンテナ装置であって、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記アレーアンテナ装置の指向特性を変化させるものである。
【0003】
この従来例のエスパアンテナは、単一の信号源の接続に単一ポートのみを要し、かつ同一の周波数で多数の方向にビームを生成することができる。この従来例のエスパアンテナは、例えば、従来技術文献1「T. Ohira et al., ”Electronically steerable passive array radiator antennas for low−cost analog adaptive beamforming”, 2000 IEEE International Conference on Phased Array Systems & Technology pp. 101−106, Dana point, California, May 21−25, 2000」や特願平11−194487号の特許出願において提案されている。
【0004】
このアンテナアレー装置は、スマートで、或いはアダプティブなアンテナ機能を有する携帯通信又は移動体通信及びモバイルコンピューティングに適している。無線通信やモバイルコンピューティングシステムにおいては、電子的に制御されたビームを使用して、スペクトル効率及びバッテリパワー効率を拡大すると同時にマルチパス伝搬及び同一チャンネル干渉に付随する問題を低減させることが有利だからである。上記アレーアンテナ装置は、例えば、移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコンやPDA(Personal Digital Assistant)のような電子機器へ装着が容易であり、また、水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべての無給電アンテナ素子が導波器又は反射器として有効に機能し、水平面指向特性の制御もきわめて容易である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯ユニット及び移動ユニットにおいて使用するために、可搬性が重要な要件となる場合には、さらに上記アレーアンテナ装置のサイズの縮小が考慮されなければならない。上記エスパアンテナを携帯電話機等の移動通信端末に適用しようとすると、一般にそれらの機器に割り当てられた2.4GHz等の電波を送受信するためのエスパアンテナは、携帯電話機に装着又は内蔵するには大きすぎてしまう。従って、極超短波の帯域の電波を送受信でき、携帯電話機等の移動通信端末に装着又は内蔵することができるエスパアンテナを開発することが必要になる。
【0006】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来例のエスパアンテナに比較して小型・軽量化することができるアレーアンテナ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアレーアンテナ装置は、無線信号が給電される放射素子と、上記放射素子から所定の間隔だけ離れて上記放射素子を中心として円形形状で配置され、無線信号が給電されない少なくとも1つの非励振素子とを含む複数のアンテナ素子と、
上記各非励振素子に接続された可変容量ダイオードとを備え、上記可変容量ダイオードに印加される逆バイアス電圧を変化して上記可変容量ダイオードの容量値を変化させることにより、上記アレーアンテナ装置の指向特性を変化させるアレーアンテナ装置であって、
上記複数のアンテナ素子を誘電体中に埋設し、
上記無線信号が自由空間を伝搬するときの波長をλとしかつ上記無線信号が上記誘電体中を伝搬するときの波長をλとしたときに、上記放射素子と上記各アンテナ素子との間隔は、λ/4よりも短いλ/4に設定され
上記誘電体は円柱形状を有し、当該円柱の縁端部を面取りしたことを特徴とする。
【0008】
また、上記アレーアンテナ装置において、上記放射素子は上記誘電体の軸中心の位置に設けられ、上記誘電体の半径はλ/2に設定されたことを特徴とする。さらに、上記アレーアンテナ装置において、上記誘電体の高さはλ/4、又はλ/4からλ/3までの範囲に設定されたことを特徴とする。
【0010】
さらに、上記アレーアンテナ装置において、上記誘電体を、上記誘電体の誘電率よりも低い誘電率を有する誘電体により包囲したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る第1の実施形態である誘電体埋設型エスパアンテナ1の構成を示す斜視図である。本実施形態においては、図1に示されるように、誘電体基板10の接地導体11上に、接地導体11とは電気的に絶縁された状態で形成された給電アンテナ素子A0及び無給電アンテナ素子A1−A6を備えた従来例のエスパアンテナ(図9)において、複数のアンテナ素子A0,A1−A6を誘電体50中に埋設するように形成されたことを特徴としている。ここで、複数の無給電アンテナ素子A1−A6は、給電アンテナ素子A0を中心として円形形状で配置され、誘電体50は円柱形状を有する。本実施形態においては、給電アンテナ素子A0及び無給電アンテナ素子A1乃至A6は自由空間における長さよりも短いアンテナ長(λ/4)を有し、給電アンテナ素子A0と、各無給電アンテナ素子A1乃至A6とはそれぞれモノポール素子であって、かつ互いに自由空間における長さよりも短い間隔(λ/4)を有する。ここで、λは、所望波が誘電体50中を伝搬するときの波長である。
【0013】
まず、本発明に係るアレーアンテナ装置のサイズ縮小の基本概念について説明する。誘電体50中に埋設されたアレーアンテナ装置は、誘電体材料が、その中を進行する電磁波の波長を低減するという概念に基づいて設計される。電磁波が、比誘電率ε及び比透磁率μを有する無限に延長された誘電体50の材料媒質を進行する場合、波長は以下のような係数Fに基づいて低減される。
【0014】
【数1】
=√(εμ
【0015】
すなわち、誘電体50の材料媒質内で低減される波長λは次式によって計算することができる。
【0016】
【数2】
λ=λ/√(εμ
【0017】
ここで、λは所望波の自由空間における波長である。アレーアンテナ装置の物理的サイズは、誘電体50の材料媒質の中の波長に直接的に関連するため、数2より、当該アンテナ装置が自由空間環境における類似のアンテナよりも小さい寸法と共振することは明白である。各アンテナ素子A0−A6が高誘電性媒質(非磁性体)の誘電体50内に埋め込まれた場合、数2は次式のように書きかえることができる。
【0018】
【数3】
λ=λ/√ε
【0019】
また、各アンテナ素子A0−A6の高さの縮小係数Fは、次のようになる。
【0020】
【数4】
≦√ε
【0021】
本実施形態で用いられた誘電体50の比誘電率は、好ましくは、次式の範囲に含まれる。
【0022】
【数5】
2<ε<10
【0023】
しかしながら、最良の性能を発揮する範囲は、より好ましくは、次式の範囲である。
【0024】
【数6】
3<ε<9
【0025】
本実施形態においては、誘電体50の材料として、比誘電率ε=4.5の誘電体材料を用いた。そのような誘電体材料として、例えばナイロン、ファイバーガラスなどを使用することができる。
【0026】
アレーアンテナ装置の総容量及び総重量を低減するためには、誘電体50を被覆する被覆の厚さが無限大にならないように、誘電体50の半径(すなわち、円柱座標系において、給電アンテナ素子A0を中心にそれから所定の距離間隔(λ/4)を有して円形形状で配置された無給電アンテナ素子A1−A6から、誘電体50と外気との境界面までの半径である。)は誘電体50の高さ(誘電体50の高さは、図1に示すようにλ/4であるか、もしくは、好ましくは、λ/4乃至λ/3の範囲にある。)と同じか、これより小さいものでなければならない。直観的には、実際の高さ縮小係数FはFほどには大きくならないことが予測される。明らかに、F係数は、誘電体50を被覆する被覆及び誘電体50の形状、サイズ及び電気的特性の関数である。F係数が大きいときは、被覆は可能な限り厚くする必要がある。重量及びサイズの実際的考察から明らかなように、被覆の厚さには限界があるため、こうした状況において達成可能な高さの低減が問題となる。
【0027】
次いで、図1を参照して、誘電体埋設型エスパアンテナ1の構造について詳細に説明する。図1において、半径λ/2及び厚さ1.5mmを有する誘電体基板10の上面の全面上に接地導体11が形成され、接地導体11とは電気的に絶縁されるように、給電アンテナ素子A0及び6本の無給電アンテナ素子A1乃至A6がそれらの長手方向が接地導体11の平面に対して垂直となるように形成される。ここで、給電アンテナ素子A0及び6本の無給電アンテナ素子A1乃至A6は長さλ/4を有し、それぞれモノポール素子を構成している。さらに、接地導体11の上面の全面上に、各アンテナ素子A0−A6を埋設するように、給電アンテナ素子A0を中心とする円形形状の誘電体50が充填配置される。
【0028】
図2の平面図を参照すれば、無給電アンテナ素子A1乃至A6は、給電アンテナ素子A0の位置を中心とする半径d=λ/4の円形形状の位置に互いに同一の60度の間隔で配置されるように設けられる。誘電体50の輪郭は給電アンテナ素子A0の位置を中心とする半径λ/2かつ高さλ/4乃至λ/3の円柱形状に成形されている。
【0029】
図1のB−B’線に沿った図3の縦断面図を参照すれば、図1の誘電体埋設型エスパアンテナ1において、例えばポリカーボネートにてなる誘電体基板10上に接地導体11が形成され、さらに、接地導体11上に誘電体50が設けられる。給電アンテナ素子A0は、接地導体11とは電気的に絶縁され、かつ誘電体50に埋設された円柱形状の放射素子6を備える。無線機(図示せず。)から給電される無線信号を伝送する同軸ケーブル20の中心導体21は放射素子6の一端に接続され、その外部導体22は接地導体11に接続される。これにより、無線機から無線信号が同軸ケーブル20を介して給電アンテナ素子A0に給電されて放射される。但し、同軸ケーブル20の中心導体21と外部導体22とは絶縁体23によって絶縁され、外部導体22の外側は外部被覆24によって被覆されている。
【0030】
さらに、図3において、各無給電アンテナ素子A1乃至A6はそれぞれ、接地導体11とは電気的に絶縁され誘電体50に埋設された円柱形状の非励振素子7を備えて構成され、その一端は、リアクタンス値Xn(n=1,2,…,6)を有する可変リアクタンス素子25及びスルーホール導体14とを介して接地導体11に対して高周波的に接地される。放射素子6と非励振素子7の長手方向の長さは実質的に同一であるが、例えば、可変リアクタンス素子25がインダクタンス性(L性)を有するときは、可変リアクタンス素子25は延長コイルとなり、無給電アンテナ素子A1乃至A6の電気長が給電アンテナ素子A0に比較して長くなり、反射器として働く。一方、例えば、可変リアクタンス素子25がキャパシタンス性(C性)を有するときは、可変リアクタンス素子25は短縮コンデンサとなり、無給電アンテナ素子A1乃至A6の電気長が給電アンテナ素子A0に比較して短くなり、導波器として働く。
【0031】
図4は、図1の誘電体埋設型エスパアンテナ1の無給電アンテナ素子A1乃至A6の詳細な構成を示す断面図であり、図4の好ましい実施形態では、可変リアクタンス素子25として可変容量ダイオードDを用いている。
【0032】
図4において、非励振素子7は接地導体11から電気的に絶縁されつつ、誘電体基板10及び誘電体50を鉛直方向に貫通して支持される。ここで、非励振素子7の一端は可変容量ダイオードD及び、誘電体基板10を鉛直方向に貫通して充填形成されてなるスルーホール導体12を介して接地導体11に高周波的に接地されるとともに、抵抗Rを介して端子Tに接続される。また、端子Tは高周波バイパス用キャパシタC及び、誘電体基板10を鉛直方向に貫通して充填形成されてなるスルーホール導体13を介して接地導体11に高周波的に接地される。
【0033】
端子Tには、本実施形態の誘電体埋設型エスパアンテナ1の制御装置(図示せず。)により電圧制御される可変電圧直流電源Vbが接続され、これにより、可変容量ダイオードDに印加する逆バイアス電圧を変化させることにより、可変容量ダイオードDにおける静電容量値を変化させる。これにより、非励振素子7を備えた無給電アンテナ素子A1の電気長を、給電アンテナ素子A0に比較して変化させ、当該エスパアンテナの水平面指向特性を変化させることができる。さらに、他の非励振素子7を備えた無給電アンテナ素子A2乃至A6も同様に構成されて同様の作用を有する。
【0034】
図1の誘電体埋設型エスパアンテナ1において、非励振素子をその一端で接続する可変リアクタンス素子25のリアクタンス値を調整することにより、エスパアンテナの全体の水平面指向特性は異なる形状に形成される。各可変リアクタンス素子25のリアクタンス値は、当該非励振素子7から放射素子6へ反射される入射信号の位相を決定する。こうして、給電アンテナ素子A0及び各無給電アンテナ素子A1乃至A6は、反射される様々な信号を加算してアレーアンテナ装置の出力信号を形成する。このエスパアンテナ1は、コンパクトな構造、低い輪郭及び単一給電の使用といった幾つかの特有の効果を有する。
【0035】
以上説明したように、例えば数3において比誘電率ε=4.5として評価すると、図9の従来技術のエスパアンテナと比較して50%を越えるサイズの縮小及び80%を越える容量の縮小を達成することができる。例えば可変容量ダイオードDを用いれば、直流電圧で水平面指向特性を電子的に制御可能なアレーアンテナ装置を実現できる。当該アレーアンテナ装置は、例えば、移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコンやPDAのような電子機器へ装着が容易であり、また、水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべての無給電アンテナ素子A1乃至A6が導波器又は反射器として有効に機能し、水平面指向特性の制御もきわめて容易である。誘電体50に埋設された電子ビームを操向可能なアレーアンテナ装置は、無線通信及びモバイルコンピューティングシステムにおいて望ましい、小型のサイズ及び構造のコンパクトさを含む、携帯端末及び移動端末にとって特有の効果を有する。
【0036】
以上の実施形態においては、送信用の誘電体埋設型エスパアンテナ1について説明したが、当該装置は非可逆回路を含まない可逆回路であるので、図9の従来技術の装置と同様に受信用のアンテナにも用いることができる。
【0037】
さらに、誘電体50と外気との境界面における反射という重要な要素についても考慮する必要がある。この種のアンテナ設計に際しては、誘電体50と外気との間の境界面における最小の反射及び最小の重量及びサイズを維持するための最適設計が必要である。
【0038】
上記の問題を解決するために、2つの変形例が図5及び図6に図示されている。この2つの変形例においては、給電アンテナ素子A0及び各無給電アンテナ素子A1乃至A6に電気的に接続された回路は図示されていないが、図3と同様に給電アンテナ素子A0には同軸ケーブル20が、及び各無給電アンテナ素子A1乃至A6にはそれぞれ可変リアクタンス素子25が接続される。さらに、給電アンテナ素子A0及び各無給電アンテナ素子A1乃至A6の配置は、図1及び図2に図示された実施形態と同様である。
【0039】
図5に、本発明に係る第1の変形例である誘電体埋設型エスパアンテナが図示されている。本変形例では複数のアンテナ素子A0−A6を、給電アンテナ素子A0の位置を中心とする半径λ/2の円柱形状の誘電体50に埋設し、さらに、給電アンテナ素子A0の位置を中心とする半径(3/8)λの円周から外側に向かって、円柱形状の誘電体50の上底面の縁端部を面取りして成形した。誘電体50の中心部分の鉛直方向の高さは各アンテナ素子A0−A6と同一のλ/4(図1)であるが、例えば2.4GHzの動作周波数に対して、誘電体50の側面の高さは11mmである。本変形例では、誘電体50の縁端部を例えば角度α=20°で面取りをすることによって、斜め方向から入射する到来波の外気と誘電体50との境界面における反射を少なくすることができ、送信電力又は受信電力の伝送損失を低減できる。
【0040】
図6に、本発明に係る第2の変形例である誘電体埋設型エスパアンテナが図示されている。ここでは、アンテナアレーが埋設された第1の誘電体51を、それよりも比誘電率の低い第2の誘電体52によって包囲する。例えば、比誘電率εr1=4.5を有する誘電体材料にてなる第1の誘電体51を用い、比誘電率εr2=2乃至3を有する誘電体材料にてなる第2の誘電体52を用いる。各アンテナ素子A0−A6を包囲する第1の誘電体51は、給電アンテナ素子A0の位置を中心とする半径(3/8)λかつ高さλ/4乃至λ/3の円柱形状を有する。また、第2の誘電体52は、第1の誘電体51の上面及び側面と隙間無く第1の誘電体51を包囲し、かつ給電アンテナ素子A0の位置を中心とする半径λ/2の接地導体11の円周端部上に形成され、さらに第2の誘電体52の円筒底面の縁端部及び側面と、外気との境界面が滑らかな曲面形状を有するように成形される。任意の方向からの到来波に対して同一の感度を有するように、第2の誘電体52と外気との境界面が給電アンテナ素子A0を中心として回転対称性を有する必要があることは明らかである。動作周波数として2.4GHzを用いたとき、第1の誘電体51の上部に重ねられた第2の誘電体52の厚さhは、例えば例えば2mmとする。このような形態を取ることによって、電波が入射する際の外気と誘電体52との境界面における反射を少なくすることができる。
【0041】
以上の種々の実施形態においては、6本の無給電アンテナ素子A1乃至A6を用いているが、その本数は少なくとも1本あれば、当該アレーアンテナ装置の水平面指向特性を電子的に制御することができる。また、無給電アンテナ素子A1乃至A6の配置形状も上記の実施形態に限定されず、給電アンテナ素子A0から所定の距離だけ離れていればよい。すなわち、各無給電アンテナ素子A1乃至A6に対する間隔dは一定でなくてもよい。
【0042】
さらに、可変リアクタンス素子25は可変容量ダイオードDに限定されず、リアクタンス値を制御可能な素子であればよい。可変容量ダイオードDは一般に容量性の回路素子なので、リアクタンス値は常に負の値となる。上記可変リアクタンス素子25のリアクタンス値は、正から負の値までの範囲の値をとってもよく、このためには、例えば可変容量ダイオードDに直列に固定のインダクタを挿入するか、又は非励振素子7の長さをより長くすることにより、正から負の値までにわたってリアクタンス値を変化させることができる。
【0043】
以上の実施形態において、誘電体50の鉛直方向の高さは給電アンテナ素子A0及び各無給電アンテナ素子A1乃至A6と同じくλ/4、又はλ/4乃至λ/3としたが、これよりも高くしてもよい。
【0044】
図7及び図8において、本実施形態に係る誘電体埋設型エスパアンテナ1を携帯電話機40,41に適用した実施例が図示されている。なお、図7及び図8は、携帯電話機40,41の上部に位置する一部を図示しており、スピーカ部42近傍にエスパアンテナ1が設けられている。ここで、図7を参照すると、携帯電話機40の上底面上である外側に、誘電体埋設型エスパアンテナ1が設けられている。一方、図8を参照すると、携帯電話機40の上底面の内側に、誘電体埋設型エスパアンテナ1が設けられている。なお、第2の実施例においては、設計の際に携帯電話機41の筐体(例えば、比誘電率2.0のプラスチック等の材料を用いた)の比誘電率を考慮する必要があることは当業者には明らかである。以上のように、携帯電話機40,41に誘電体埋設型エスパアンテナ1を設けることにより、携帯電話機40,41のアンテナ装置を小型・軽量化することができ、これにより、携帯電話機40,41を小型・軽量化できる。
【0045】
本実施形態に係る誘電体埋設型エスパアンテナ1を用いてアンテナの指向性を制御することの利点としては、例えば指向性を制御することができない従来のホイップアンテナを備えた携帯電話機においては、送信される電波が全ての方向に放射され、そのうちある程度の量が人体に吸収されるために出力された電波の全てが所望する基地局に有効に到達しないが、本実施形態に係る誘電体埋設型エスパアンテナ1を用いて送信する電波の指向性を制御すれば、人体に吸収されることによる損失なしに、電波の大部分を所望する方向に送ることができる。
【0046】
さらに、本実施形態に係るアレーアンテナ装置は、例えば移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコンやPDAのような電子機器への装着が容易であり、スペクトル効率及びバッテリパワー効率を拡大すると同時に、水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべての無給電アンテナ素子A1乃至A6が導波器又は反射器として有効に機能し、水平面指向特性の制御もきわめて容易であり、マルチパス伝搬及び同一チャンネル干渉に付随する問題を低減させることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るアレーアンテナ装置によれば、従来例のアレーアンテナ装置において、複数のアンテナ素子を誘電体中に埋設するように形成したので、所望波の波長に関係して要求されるアンテナ長と複数のアンテナ素子間の距離とを縮小することができ、これにより、アレーアンテナ装置を従来例に比較して小型・軽量化することができる。また、アレーアンテナ装置を例えば携帯電話機などの無線機に搭載することにより、無線機本体を小型・軽量化できる。
【0048】
また、円柱形状の誘電体の縁端部を面取りすることによって、又は円柱形状の誘電体をそれよりも比誘電率の低い別の誘電体で包囲し、さらに、好ましくは、別の誘電体と外気との境界面が滑らかな曲面の形状になるように包囲することによって、誘電体の表面における所望波の反射を少なくすることができ、送信電力又は受信電力の伝送損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態である誘電体埋設型エスパアンテナ1の構成を表す斜視図である。
【図2】図1の誘電体埋設型エスパアンテナ1を上から見た平面図である。
【図3】図1の誘電体埋設型エスパアンテナ1のB−B’に沿った縦断面図である。
【図4】上記無給電アンテナ素子A1〜A6の構造を詳細に説明する縦断面図、及び関連する周辺回路の回路図である。
【図5】本発明に係る第1の変形例である誘電体埋設型エスパアンテナの構成を表す縦断面図である。
【図6】本発明に係る第2の変形例である誘電体埋設型エスパアンテナの構成を表す縦断面図である。
【図7】本発明に係る第1の実施例である、誘電体埋設型エスパアンテナ1を携帯電話機40の外部に設けた構造を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る第2の実施例である、誘電体埋設型エスパアンテナを携帯電話機41の内部に設けた構造を示す斜視図である。
【図9】従来例のエスパアンテナの概略斜視図である。
【符号の説明】
A0…給電アンテナ素子、
A1乃至A6…無給電アンテナ素子、
C…キャパシタ、
D…可変容量ダイオード、
R…抵抗、
T…端子、
Vb…可変電圧直流電源、
1…誘電体埋設型エスパアンテナ、
6…放射素子、
7…非励振素子、
10…誘電体基板、
11…接地導体、
12,13,14…スルーホール導体、
20…給電用同軸ケーブル、
21…中心導体、
22…外部導体、
23…絶縁体、
24…外部被覆、
25…可変リアクタンス素子、
40,41…携帯電話機、
42…スピーカ部、
50,51,52…誘電体。

Claims (4)

  1. 無線信号が給電される放射素子と、上記放射素子から所定の間隔だけ離れて上記放射素子を中心として円形形状で配置され、無線信号が給電されない少なくとも1つの非励振素子とを含む複数のアンテナ素子と、
    上記各非励振素子に接続された可変容量ダイオードとを備え、上記可変容量ダイオードに印加される逆バイアス電圧を変化して上記可変容量ダイオードの容量値を変化させることにより、上記アレーアンテナ装置の指向特性を変化させるアレーアンテナ装置であって、
    上記複数のアンテナ素子を誘電体中に埋設し、
    上記無線信号が自由空間を伝搬するときの波長をλとしかつ上記無線信号が上記誘電体中を伝搬するときの波長をλとしたときに、上記放射素子と上記各アンテナ素子との間隔は、λ/4よりも短いλ/4に設定され
    上記誘電体は円柱形状を有し、当該円柱の縁端部を面取りしたことを特徴とするアレーアンテナ装置。
  2. 上記放射素子は上記誘電体の軸中心の位置に設けられ、上記誘電体の半径はλ/2に設定されたことを特徴とする請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  3. 上記誘電体の高さはλ/4、又はλ/4からλ/3までの範囲に設定されたことを特徴とする請求項1又は2記載のアレーアンテナ装置。
  4. 上記誘電体を、上記誘電体の誘電率よりも低い誘電率を有する誘電体により包囲したことを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1つに記載のアレーアンテナ装置。
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