JP3587356B2 - ポリアミド染色布 - Google Patents

ポリアミド染色布 Download PDF

Info

Publication number
JP3587356B2
JP3587356B2 JP22923899A JP22923899A JP3587356B2 JP 3587356 B2 JP3587356 B2 JP 3587356B2 JP 22923899 A JP22923899 A JP 22923899A JP 22923899 A JP22923899 A JP 22923899A JP 3587356 B2 JP3587356 B2 JP 3587356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
dyeing
fabric
bath
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22923899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000073282A (ja
Inventor
ウインフリード・トーマス・ホルフエルド
デイル・エメツト・マンクソ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JP2000073282A publication Critical patent/JP2000073282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3587356B2 publication Critical patent/JP3587356B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P3/00Special processes of dyeing or printing textiles, or dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the material treated
    • D06P3/02Material containing basic nitrogen
    • D06P3/04Material containing basic nitrogen containing amide groups
    • D06P3/24Polyamides; Polyurethanes
    • D06P3/241Polyamides; Polyurethanes using acid dyes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P1/00General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed
    • D06P1/0004General aspects of dyeing
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P1/00General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed
    • D06P1/39General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed using acid dyes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S8/00Bleaching and dyeing; fluid treatment and chemical modification of textiles and fibers
    • Y10S8/92Synthetic fiber dyeing
    • Y10S8/924Polyamide fiber

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【0001】
本発明はアニオン染料を用いたポリアミドを含む繊維製品の染色に関する。
【0002】
酸性染料及び予備金属化染料(pre−metallized dyes)などのアニオン染料は、ポリアミド繊維の染色に広く用いられ、その場合ポリアミドポリマーの窒素−含有基が染色部位として働く。そのような染料を用いた従来の染色法ではポリアミド繊維を含む製品を、精練などの前処理法の後に染料の溶液を含む水浴中に浸漬する。多様な染色装置が用いられるが、方法で用いる染料のすべてが最初に浴中に存在するのが典型的である。染料及び染色する製品を含む浴は初期温度が通常非常に低温、例えば80−120°F(26.7−48.9℃)でもあり、染色が進むと同時に徐々に高温に、しばしば沸点の高さまで上げられる。
【0003】
小分子“均染”染料などのいくつかの酸性染料の場合、従来の染色法を用いて高品質の染色を行うことができるが、そのようなアニオン染料を用いて均染を行う染色サイクルはある場合には非常に長く、従って費用がかかる。さらに高い耐光及び/又は洗濯堅牢度を必要とする用途で望ましい大分子酸性及び予備金属化染料を用いた場合、重大な染色不均一性の問題が従来の染色法に伴うことが多い。
【0004】
大分子酸性及び予備金属化染料は、繊維の物理的構造における小さくて他の点では検出されないような変動から不均一染色が起こるので、“構造感応性”染料と呼ばれることが多い。均染剤及び/又は緩染剤を染浴に加え、染色均一性を向上させることができるが、そのような薬剤は染色均一性の限られた向上しか与えないことがあり、通常、初期費用及び廃染浴の処理のための高い費用を含む欠点を有する。さらにその緩染効果のために、そのような化学的薬剤は染色サイクルを増すか、又は深い色あるいは暗色を得ることを困難にすることがある。又アニオン染料からの染色収率、すなわち繊維上に与えられた量の染料から得られる色の濃さが望む程高くないことがある。
【0005】
本発明は少なくとも1種類のアニオン染料を用いたポリアミドポリマーの繊維を含む繊維製品の改良染色法及びその方法により製造された染色生成物を与える。本発明の方法は、アニオン染料のための液体溶剤の染浴中への製品の浸漬を含む。液体溶剤及び製品をポリアミドポリマーの繊維の染色転移温度(dyeing transition temperature)と少なくとも等しい温度まで加熱する。アニオン染料を混和性濃厚液として、染料添加期間の間に制御された染料添加速度で染浴に加える。染料の少なくとも一部は、浴及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間に加える。染料添加期間の間、及び溶剤ならびに製品が染色転移温度の温度である間、撹拌を行い、浴中の染料濃厚液と溶剤を混合して希釈染料溶液を形成し、希釈染料溶液の製品に対する流れを与えて染料が製品に輸送されるようにする。撹拌により平均して基本的に均一なアニオン染料の製品への染料輸送も得られる。方法に従い、少なくとも溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間、染色速度を調節し、染料添加速度が製品による染料吸収の速度に対する第1制御因子であるようにする。
【0006】
本発明の好ましい形態に従い液体溶剤中の条件は、アニオン染料の移動が約10%以下であるように保つ。
【0007】
本発明の他の好ましい形態に従い、撹拌により多数の各マシンサイクル(machine cycle)が与えられる染色機で方法を行い、1マシンサイクルの間に染料全体の約0.5−約7%、最も好ましくは約0.5−約3%の量の染料が染浴に加えられるように染料添加速度を調節する。
【0008】
本発明の他の好ましい形態に従い、少なくとも溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間、一般に常に、及び一定の速度にて浴中で撹拌を行う。
【0009】
本発明の他の好ましい形態に従い、染料添加期間の間、染料は継続的に、及び一定の速度で加える。
【0010】
本発明の他の好ましい形態に従い、該溶剤及び該製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間に染料の少なくとも約33%を浴に加え、最も好ましくは染料の少なくとも50%をこの時間に加える。
【0011】
本発明の他の好ましい形態に従い、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間の実質的期間、浴中の最低濃度の位置における染料濃度が最終的平衡濃度の約100倍以下、最も好ましくは50倍以下であるように染料添加速度を調節する。
【0012】
本発明の他の好ましい形態に従い、溶剤及び製品か染色転移温度と少なくとも等しい温度である間の持続的期間、浴中の最低濃度の点で測定した溶剤中の染料の濃度が最終的平衡濃度の少なくとも2.5倍、好ましくは少なくとも3.5倍であるように染料添加速度を調節する。持続的期間は、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である時間の少なくとも約10%を成すことが好ましい。
【0013】
本発明の好ましい具体化に従い、循環ポンプの前で染料濃厚液を溶剤中に加え、希釈染料溶液を形成する。計量ポンプを用いて染料濃厚液を溶剤に加えるのが好ましい。
【0014】
本発明の他の好ましい形態に従い、方法は染色の前にさらに水硬化(hydrosetting)の段階を含む。
【0015】
本発明の好ましい生成物に従い、ポリアミドポリマーの繊維を含む糸を含む染色布を与える。染色布は少なくとも1種類のアニオン染料を含み、染料は布中で:
繊維が非対称環状−染色(asymmetrically ring−dyed)され;
表面の外側の糸の近傍の繊維が内部の糸の繊維より多くの染料を含むように分布している。
【0016】
本発明の染色布の好ましい形態において、布の前面及び背面の少なくともひとつの近傍の繊維が布の内部より多くの染料を含む。
【0017】
本発明の本発明の布の好ましい形態に従い、布はメリヤス布及び織布から成る種類から選ばれ、繊維が連続フィラメントであることが最も好ましい。
【0018】
本発明はアニオン染料を用いた多様なポリアミド染色法に有用であり、ジェット染色(jet dyeing)装置でたてメリヤス布及び織物などの製品を染色するのに用いた場合に特に有利である。さらに本発明はベック染色機(beck dyer)における絨毯の染色にも特に有用である。驚くべきことに、染料の移動が10%以下である条件下で用いた場合、アニオン染料はより有効に利用され、他の方法では困難であるか又は不可能な高い染色収率あるいは深い色又は暗色を与えることが見いだされた。さらにすべての種類の染料の場合に染色サイクルを実質的に短縮することができる。構造感応性アニオン染料の場合、染料の吸収速度が異なる2種類か又はそれ以上の染料を用いた場合でさえ容易に優れた均一性が得られる。さらに染色における改良は、有意な濃度の場合に廃染浴液の処理を複雑にする化学的均染剤又は他の化学薬剤を用いずに、あるいは低濃度で用いるだけで得られることが多い。
【0019】
本発明の方法は、多様なポリアミドの繊維を含む製品の染色に有用である。本発明は、熔融−紡糸可能で織物の用途のために加工し易い繊維を形成する脂肪族ポリアミドホモポリマー及びコポリマーから作られた繊維に特に有用である。好ましい種類のそのようなポリアミドは、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)又はポリ(ε−カプロアミド)ポリマー単位の少なくともひとつを約60重量%以上の量で含む。最も好ましい種類のポリアミドは、少なくとも約85重量%のポリ(ヘキサメチレンアジパミド)を含む。下文の実施例において、ホモポリマー、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)は66ナイロンと呼ぶ。
【0020】
本発明の方法を用いて染色することができるポリアミド繊維を含む繊維製品は多様にあり、例えば糸、布、絨毯及び被服が含まれる。布には織られた、編まれた、及び不織の相違を含む通常の織物の形態が含まれる。そのような製品中でポリアミド繊維は、平らな、又は織られた連続フィラメント、スフ糸、ばらの連続フィラメントなどを含む多様な形態で存在することができる。ポリアミド繊維は多様な他の合成又は天然繊維のいずれかと共に製品中に存在することができる。典型的なそのような製品は、ポリアミドステープルと他の繊維の“ブレンド”により製造されたスフ糸及びそのような糸から製造された布ならびに被服である。本発明は、E.I.du Pont de Nemours & CompanyによりLycraの商標で販売されているスパンデックスなどの弾性繊維と共に連続フィラメントポリアミド糸を含む布の場合に特に有用である。そのような製品の他の繊維は、本方法によりポリアミド繊維が染色される時に染色されることもされないこともできる。さらに染色するポリアミド繊維はすでに同一又は異なる染料を含んでいることができる。例えば本発明の方法を、方法が用いられる前にほとんどの染料をすでに含んでいる繊維の場合の染料“追加”(dye add)に用い、“暗色”(shade)を得ることができる。
【0021】
本発明を実行する場合に用いられる染料はアニオン染料であり、染料分子とポリアミドポリマー分子上の窒素−含有基との会合を介した染料の吸収によりポリアミド繊維の染色が行われる。ほとんどのアニオン染料は周知の“酸性”染料の種類に含まれる。アニオン染料の他の種類は“予備−金属化”染料と言われ、例えばクロム又はコバルトと選ばれた染料の反応生成物である。後文で明らかになる通り、所望の色を得るために2種類か又はそれ以上の染料の混合物が用いられることが多い。本出願において“染料”という用語は、染色法で用いられる、又は染色された製品上の単一の染料又は染料の混合物の場合のような複数の染料を言うのに用いることができる。配合色を得るために、染料混合物の場合のように1種類以上の染料を用いる方法において、配合色の少なくとも1種類の染料が本発明の方法で製品に適用されれば、方法は本発明の範囲内であるとする。
【0022】
本発明の好ましい方法に従い、アニオン染料の約10%以下が移動する条件を染浴で用いる。移動(transfer)はアニオン染料が繊維に吸着された後、ひとつの染色部位から他に移行する傾向の尺度である。与えられた1組の条件下における移動は、後文に記載する移動試験法などの場合のように疑似染料(mock dye)中で測定することができる。
【0023】
移動を10%以下とするのは、好ましい種類の染料である“構造感応性”アニオン染料からの染料を用いることにより容易に行うことができる。これらの染料は通常大分子酸性(“ミリング”(milling))染料又は予備−金属化染料であり、これらは非−均染性であり、すなわち染料分子があまり“移動”せず、従って繊維に吸着された後ある染色部位から他への移行が非常に少ない。典型的に構造感応性染料の“移動”は通常の使用条件下で10%以下である。“構造感応性”は、繊維の物理的構造における小さい、他の方法では検出されない相違からさえ不均一な染色が起こり得るような染料に適用される用語である。そのような相違は、(仕上げ剤の適用を含む)繊維の製造及びその後の織物加工の間の熱的、機械的及び化学的エネルギー投入の累積的効果から生ずる。それを用いる場合の既知の困難さにもかかわらず、構造感応性染料はその洗濯堅牢度、耐光堅牢度又はその両方のために多くの用途で望ましい。
【0024】
本発明の好ましい形態をこれらの特定の染料に限定するものではないが、例えば下記の表により通常用いられる構造−感応性染料を示す(C.I.はColor Index,第3版、1971を示す)。
高構造感応性
C.I.アシッドグリーン(Acid Green)28
C.I.アシッドブルー(Acid blue)290
C.I.アシッドブルー264
C.I.アシッドバイオレット(Acid Violet)54
ニラントレンブルー(Nylanthrene Blue)GLF
テクチロンファストブルー(Tectilon Fast Blue)RW
C.I.アシッドバイオレット103
C.I.アシッドバイオレット48
C.I.アシッドブルー122
C.I.アシッドブルー280
C.I.アシッドレッド(Acid Red)182
C.I.アシッドブラウン(Acid Brown)45
中構造感応性
C.I.アシッドオレンジ(Acid Orange)116
C.I.アシッドブルー230
C.I.アシッドレッド114
Crompton & Knowles Corp., Charlotte,N.C.28233
Ciba−Geigy Corp.,Dyestuffs & Chemicals Div.,Greensboro,N.C.27419−8300
構造感応性(速度感応性(rate sensitive))染料は、Textile Chemist and Colorist,Vol.17,No.12,p.231(1985)にさらに詳細に記載されている。
【0025】
通常の使用条件下で容易に移動し“均染”するので普通“均染”染料と記載される染料の場合、低pH、低温又は両方の条件を用いて移動を約10%以下とすることができる。さらに通常均染性の強い染料の場合、染料移動が約10%以下となる染浴の条件の場合でさえ迅速に染色を行うことが必要である。そうしないと、製品上に染料が吸着してから後に起こる染料移動のために本発明を用いた他の場合に得られる染色収率上の利点が減少する。
【0026】
従来の染色法と同様に、染色前に製品を精練し、染色に悪影響を与え得る糸の仕上げ剤、サイジング又は他の材料を除去するのが望ましい。たてメリヤス布の染色、特に限界的染料適用(critical dye application)に本発明を用いる場合、染色前に布を有効に精練することが重要である。布は、例えば解放幅精練レンジ(open width scouring range)又は染色に用いる装置、例えばジェットあるいはビーム染色機中で精練することができる。従来用いられた精練溶液、例えば0.5グラム/リットルのMERPOL LFH(E.I.Du Pont de Nemours &Company,Inc. of Wilmington,DEにより販売されている非−イオン性液体洗剤)などの界面活性剤を含む180°Fの水が一般に適している。精練後、熱水中への浸漬などにより布を濯がねばならない。
【0027】
既知の染色法の場合に行われるように、トリコットなどのたてメリヤス布のあるものは、染色の前に熱−硬化して布を安定化し、一様でない染色により起こる“エッジカーリング(edge curling)”を防ぐのが好ましい。弾性トリコット布はエッジカールの傾向が強いので熱一硬化するのが特に望ましい。精錬された布を、ピンテンターなどにて1段階で乾燥及び熱−硬化するのか有利である。熱−硬化の際の布端のトリミングも、染色の間のカーリングを最小にするのを助ける。
【0028】
自動車の用途のためのたてメリヤス布などの布の場合に特に有利な別の方法は、染色法の一部として布を水硬化することである。“水硬化”は、布を液体の水と接触させながら、糸が縮小(reduce)して糸の構造が変わるのに十分な温度まで布を加熱し、布中の糸を“硬化することを言うものとする。通常水は実質的量の化学品又は不純物を含まないものでなければならない。水硬化により熱−硬化段階を省略することができ、さらに他の場合に本発明の染色法で与えられる均一性の向上以上の向上を染色均一性において与える。水硬化はオートクレーブ中で行うことができるが、染料及び他の化学品を加える前に染浴中で水硬化させることにより、本発明の方法中に容易に水硬化を行うことができる。ほとんどのジェット染色機は加圧して所望の温度を得ることができるので、ジェット染色機で染色を行う場合にこれは特に有用な方法である。66ナイロンの場合、浴は少なくとも190°F(87.8℃)、好ましくは約220°F(104.4℃)−約270°F(132.2℃)の温度に約1−5分間加熱する。通常6ナイロン及び66ナイロンコポリマーの場合に必要な温度はもっと低い。
【0029】
本発明の方法の場合、染色する製品をアニオン染料のための液体溶剤を含む染浴中に浸漬する。染浴は多様な形態をとることができ、染色法の間を通じて製品全体を浴に浸漬するか、又は製品をいずれかの一時、部分的に浸漬し、循環的にか又は無作為な方法でそれを動かし、製品全体と溶剤を接触させる。部分的浸漬は、連続ロープの形態で、又は別個の長さを持つ製品を往復させることにより浴を通って布を進行させることができ、結局は製品全体が染色されるような製品の場合に有用である。
【0030】
好ましい方法はジェット−染色装置中に形成された浴を用し、その場合布は無限のロープの形態であり、浴からポンプ輸送された溶剤を供給されるジェットノズルを用いて動かされる。この種の機械にはジェット−染色機(Gaston County Dyeing Machine Company)、循環ジェット−染色機(Hisaka Works,Ltd.)、“UniAce”染色機(Nippon Dyeing Machine Company)、HT染色機“Loco−Overflow”(Hokuriku Chemical Machinery Co.Ltd.)、“Masflow”装置(Masuda
Manufacturing Co.Ltd.)などが含まれる。
【0031】
本発明の好ましい形態の実行のために布をジェット染色機中に置き、その端を縫ってロープを形成する場合、まっすぐで偏らない縫目を用い、偏った縫目による不均一性が起こる機会を最小にするのが好ましい。大規模法の場合、綴じ合わせは染料が布に近付くのを妨げるので、布のロープを綴じ合わせて管状にするのは通常望ましくないことが見いだされた。ジェット染色機は、染色の間に布を完全に新しい方向に向けるために適したジェットノズルを備えていなければならず、適した回転速度が与えられなければならず、これは後文でさらに明らかにする。通常、かまが込み合うのも避けるのが望ましく、従って染色する布の量は適当に制限するべきである。
【0032】
染料のための液体溶剤は、繊維上の染色部位に染料を輸送することができ、他の点で布、染料及び方法の他の特徴と適合性であるいずれかの適した染料用溶剤であり、例えば水性液体及びメタノールが適した溶剤である。液体溶剤は、所望のpHを得、保つための添加剤及び他の目的の添加剤を約10重量%以下で含む水性液体であることが好ましい。方法で有用な適した水性液体は、緩衝系を与えるための添加剤を含む。例えば約1重量%の量の酢酸及び約2重量%の量の酢酸アンモニウムを、pHを適した値に調節するのに用いることができる。他の添加剤は、均染剤、緩染剤などの化学品であることができ、本出願中ではそれらを集合的に“染色助剤”と呼ぶ。本発明の方法の場合染色助剤は存在することができるが、そのような薬剤が必要でない場合が多い。染色助剤が浴中に存在する場合、染色サイクルの合理的な短い滞留時間を保つために典型的に非常な低濃度が用いられる。親和性の異なる染料の配合色の場合、染色助剤が有用であり、望ましくもある。
【0033】
浴の染色助剤が低量であるか、又はそれを実質的に含まない場合、廃染色液の処理又は廃棄において重要な利点が得られる。さらに染色繊維は実質的に残留染色助剤を含まないか、又はそのような薬剤は、典型的に高い浴濃度の染色助剤を必要とする構造感応性染料のための従来の方法により染色した繊維よりずっと低量で存在するだけである。さらにある場合には廃染色浴を、湿潤堅牢性、耐光堅牢性又は柔軟性の向上、静電防止剤の適用などのための後処理、及び化学薬剤を用いた他の既知の後処理に用いることができる。そのような後処理の場合、本発明の方法において染料を加えるのに用いられる方法と類似の方法を用い、化学薬剤を熱浴に加えることができる。さらに、染色助剤が含まれないか、又は十分に低い濃度で含まれる場合、廃浴をその後の染色で再利用することもできる。
【0034】
アニオン染料は混和性濃厚液として、染料添加期間の間に制御された染料添加速度で染浴に加える。“染料添加期間”は、染料の最初の添加で始まり、最後の量の染料の添加が終わる時間を言う。染料添加期間の長さは、通常約5分−約4時間の範囲であり、典型的染料添加期間は約20分−約100分である。後により詳細に説明する通り、撹拌により混和性染料濃厚液が浴中の溶剤と混合され、希釈染料溶液を形成する。“混和性濃厚液”は、染料が完全に溶解しており、浴中の液体溶剤に加えられ、それと混合され、通常染浴中に混合して入れられるようなすべての濃厚液の割合で染料の希釈液体溶液を形成することができる溶液を言うものとする。混和性濃厚液のための溶剤は、異なる溶剤の導入が他の点で染色法に悪影響を与えなければ、液体溶剤と異なることができる。水性染浴を用いる場合、混和性濃厚液で用いる溶剤は水であることが好ましい。
【0035】
後文でより詳細に説明する通り、染料添加速度は染料の適用量、染色する製品の性質、染色装置の種類、染料の種類及び所望の結果を得るための染色条件に依存して制御する。方法の制御を容易にし、方法をより容易に再現性のあるものとするために染料添加期間の間、染料は連続的に、一定の速度で加えるのが好ましい。
【0036】
浴中の希釈染料溶液を循環ポンプを用いて循環させる方法の場合、染料濃厚液は循環ポンプの前で溶剤に加えるのが好ましい。この目的に計量ポンプを用いるのが有利である。染色する布がジェット染色機中の場合、循環ポンプはジェットノズルに希釈染料溶液を供給し、新しく加えられた染料が最初にジェット中で布と接触するのが好ましい。
【0037】
本発明の方法の場合、溶剤及び染浴中の製品を含む染浴は染色転移温度と少なくとも等しい温度に加熱する。本出願の目的の場合、染色転移温度は、特定の染料を用いて染色する間に繊維構造が十分解放され、染料の吸収速度を顕著に増加させる温度を言う。染料/繊維の組み合わせに関する染色転移温度は、使用条件で染色を行い、3℃/分で昇温した場合の染浴温度に関する%染料消費をプロットすることにより決定することができる。15%消費の温度が染色転移温度である。染色法において1種類以上の染料を用いる場合、染色法における温度は染色転移温度が最も高い染料(通常、最も構造感応性でもある)の染色転移温度と少なくとも等しいことが好ましい。ジェット染色装置を用いた本発明の好ましい形態の場合、熱交換器を用いて加熱することができ、そこを通って浴からの液体が外部に循環する。
【0038】
本発明の方法の場合、染料の少なくとも一部を溶剤及び製品が染色転移温度と少なくともひとしい温度である間に加える。染色法のこの部分を“迅速染料吸収段階”、すなわち浴中に染料があり、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である期間と呼ぶことができる。溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度になるまで浴に染料を加えない方法の場合、迅速染料吸収段階は染料が浴に最初に加えられた時に始まる。浴が温度に達する前に染料の添加を始める方法の場合、迅速染料吸収段階は溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度に達した時に始まる。典型的な方法の場合迅速染料吸収段階は、染色法の終了に向かって、又は終了時に浴が消費され尽くした時に終わる。
【0039】
本発明のひとつの好ましい方法において迅速染料吸収段階の間、浴及び浴中の製品の温度は一般に一定に保ち、製品による染料吸収の速度に影響する温度変化により染色法が影響されないようにする。一般に温度が染色転移温度以上のままであれば、温度は±10℃以内、好ましくは±5℃以内に制御するべきである。水系では、pHを一般に一定に保つことも通常好ましい。pHを±2単位内に制御するのが適していることが見いだされた。
【0040】
ある方法、特に染料混合物を用い、ひとつの染料が構造感応性であり、他が強い均染性である方法では、染色が進むと共にpHを下げ、及び/又は温度を下げ、浴からの均染染料の消費を促進するのが望ましい。構造感応性染料は初期染着が速すぎ、最初のpH及び温度が低すぎると不均一な染色を起こすので、これは染色の終了に向かって、又は終了時に行うのが望ましい。pHは、染料添加期間の後に酢酸などの適した酸溶液を浴に量り込むことにより、又は酸供与物質、例えば加水分解して制御された方法で徐々にpHを下げる、Sandoz Chemical Co.によりSANDACID Vの商標で販売されているような酸供与物質を用いることにより下げることができる。
【0041】
本発明の好ましい方法において、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である時に、すなわち迅速染料吸収段階の間に染料の少なくとも約33%を浴に加える。迅速染料吸収段階の間に染料の少なくとも約50%を加えるのが最も好ましい。後の実施例でさらに明らかになる通り、迅速染料吸収段階の間に加える染料の量の増加と共に染色収率における利点が増加する。しかし、浴が染色転移温度まで昇温される前に、染料の少なくともいくらかを浴に加えることにより達成できるサイクル時間の短縮を利用するために染色収率の向上の一部を控えるのが望ましい。
【0042】
染料添加期間及び迅速染料吸収段階の間の浴の撹拝は、浴中の染料濃厚液及び溶剤を混合して希釈染料溶液を形成し、製品に対する希釈染料溶液の流れを与え、染料の製品への輸送を起こすために行う。“撹拌”という用語は混合し、染浴中の製品と溶剤の間の相対的動きを与えるいずれの手段をも含む。製品と溶剤の間の相対的動きは、染洛中の溶剤の循環、溶剤中の製品の動き、又は製品を動かして溶剤を循環させる両方により与えられる。ジェット染色装置を用いた好ましい方法の場合、循環液の作用により製品が動かされ、浴液が循環し、そのような装置に通常備えられている回転リールにより通常布の循環が助けられる。
【0043】
平均して撹拌は、染料添加期間及び迅速染料吸収段階の間に、アニオン染料の製品への基本的に均一な染料輸送も与え、意図した目的に有用であるために十分視覚的に一様な染色を行う。典型的に、視覚的に一様な布の布を横切る色変動は約5%以下である。従って布のロープがジェットノズルを通って多数回循環するジェット染色機における本発明の好ましい形態のように多数の繰り返しサイクルがある方法の間、布への染料輸送はいずれかの1回のマシーンサイクルにおいては均一でないかも知れない。しかし“平均した”染料輸送は基本的に均一なので、全サイクルの間の染料輸送の影響の和の結果として均一な染色が生ずる。後文にてより明らかになる通り、回転速度を上げるか、染料添加速度を制限するか、又は両方により染料の合計添加量中の1サイクル当たりのパーセンテージを下げ、それにより影響をより平均化して均一性を向上させるのが望ましい。方法を通じた制御を容易にし、方法を繰り返すことができるようにするために常に、及び一定の速度で撹拝するのが好ましい。
【0044】
本発明に従い染料添加速度は、少なくとも溶剤及び製品が染色転移温度であるかそれ以上の温度である間、それが製品による染料吸収の速度を制御する第1制御因子であるように調節する。これを行うために必要な種類の染料添加速度の調節は、染色法に影響する因子を考慮した式Iを参照することにより良く理解することができる:
【0045】
【数1】
Figure 0003587356
式Iにおいて、Dsは溶液中の染料の拡散係数であり、Dfは繊維中の染料の拡散係数であり、Kは染料−繊維系に関する平衡分配係数であり、rは繊維の半径であり、δは拡散境界層(diffusional boundary layer)の厚さである。本発明の方法の場合、染料の添加速度が染料吸収速度を制御する第1制御因子となるように浴への染料添加速度を調節し、速度を浴中の他の条件と調和させると、式IにおけるLの値を低くすることが見いだされた。さらに、Lが非常に低く、好ましくは0に近付くと本発明の利点を最大とすることができることを見いだした。
【0046】
染料の添加速度を染料吸収を制御する第1制御因子とし、それにより低いL値を与えるために、染色転移温度以上となり、容易に染料を受け入れることができる繊維製品がそれに供給される以上の染料を受け入れることができるような速度に染料の添加速度を制限する。このような条件下で浴中の染料の濃度は従来の方法の場合より非常に低く、従って繊維中の拡散係数Dfの影響は従来の方法における場合より実質的にかなり重要性が低い。又、主に染浴中の染料の濃度の低下と共にKの値が増加するのでDs/(K・Df)の値も従来の方法の場合より小さい。染料移動が約10%以下であるように染料を用い、及び/又は条件を確立した本発明の好ましい形態の場合に、この影響は特に強調される。そのような場合、Kの値は非常に高く、浴中の染料の制限された濃度によりさらに増加する。
【0047】
染料添加速度は染色機中の最低濃度の位置における溶剤中の染料濃度が、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間の幾らかの時間のあいだ最終的平衡濃度の約100倍以下となるように調節する。染色転移温度に達する前に浴に染料を加える本発明の方法の場合、浴が染色転移温度か又はそれ以上の温度の間に、浴中に1時的に高濃度の染料が存在する。濃度の高いこの時間は実質的時間であってはならず、すなわち浴が染色転移温度か又はそれ以上の温度である時間の約10%以上であってはならない。染料の移動が約10%以下であるような条件が用いられ、又は染料が選ばれた場合に利点を最大とするために、浴が染色転移温度であるか又はそれ以上の温度である間の幾らかの時間のあいだ最終的平衡濃度の約100倍以下であるのが好ましい。濃度を最終的平衡濃度の約50倍を越えないように染料添加速度を調節するのが最も好ましい。
【0048】
“最終的平衡濃度”は、方法の条件下において製品上の染料の特定の%の場合に、新しい染料を添加しないと染色の深さがもはや基本的に増加しない染浴中の染料の濃度である。最終的平衡濃度は、染色法の最後に染浴中で測定した濃度から外挿することにより方法自体において合理的な確実性をもって決定することができる。通常商業的染色において染色法が完了した場合、染料は十分に消費され尽くし(浴中に均一な濃度はなく)、浴を終了させる前の最終濃度を最終的平衡濃度と仮定することができる。染色法の際に、染色機中の最低濃度の位置は通常染料が浴中に導入される位置の直前にある。例えばポンプを用いて溶剤を循環させ、ポンプの前で染料を加える方法の場合、染料を加える位置の直前の溶剤中の染料の濃度が最低濃度となるであろう。商業的ジェット染色機の場合、ジェットから離れた試料採取口において得た試料は基本的に染料が浴中に導入される位置の直前の濃度と同等なので、そのような口もこの濃度の測定に適している。
【0049】
対照的に、ナイロンの染色のための従来の方法の場合、浴中の染料は最初は平衡濃度の300−500倍であり、ゆっくり温度を上げて染色を進行させるに伴い徐々に減少するまでかなりの時間この範囲に保たれる。繊維がほとんど染料を含まず、染色転移温度より十分に高い温度である間の実質的時間、濃度が従来の染色で用いられる濃度と等しいと、染料の移動が約10%以下となるような条件を用い、染料を選んだ場合は特に視覚的に不均一な染色が起こり易い。
【0050】
本発明に従って達成することができる染色サイクル時間の短縮をさらに十分に実現するために、浴中の最低濃度の位置で測定した溶剤中の染料の濃度が、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である間の幾らかの持続的期間、最終的平衡濃度の少なくとも約2.5倍であるように染料添加速度を調節するのも好ましい。持続的期間は、溶剤及び製品が染色転移温度と少なくとも等しい温度である時間の少なくとも約10%を成すことが好ましい。最低濃度の位置における浴中の濃度は、平衡濃度の少なくとも3.5倍であることが好ましい。
【0051】
多数の繰り返しマシンサイクル、例えばジェットあるいはベック染色機中のロープの回転、又はビーム染色機中の浴の循環を用いた商業的方法の場合、染料全体の約0.5−約7%の量の染料が1回のマシンサイクル中で添加され、平均して基本的に均一な染料輸送及び本発明に従う視覚的に一様な染色が達成できるように染料添加速度を調節するのが好ましい。1回のマシンサイクルの間に約0.5−約3%の量の染料が加えられるのが最も好ましい。通常実験室装置は、優れた結果を得られるが大規模な商業的染色装置で用いるには実用的でない高い回転速度を有するので、実験室用ジェット及びベック染色装置を用いると染料全体に対する1サイクル当たりのパーセンテージは典型的に低い。
【0052】
商業的ジェット及びペック染色機における布の重量に基づく染料添加速度は通常約0.0005−0.5%染料/分の量である。その範囲中の低端の速度は、非常に親和性の高い染料を用いた繊維上の低パーセント染料による染色の場合に有用であり、適した平均化により基本的に均一な染料輸送を与えるのに十分な数のマシンサイクルを与える。
【0053】
従来のポリアミド染色に用いられるのと同一の装置で染料の移動が10%以下となる条件を用いた本発明の好ましい方法を用い、相対的染料含有量が同一の場合に従来の方法を用いて得られるものより染色の相対的濃さがより高い、すなわち相対的染色収率がより高い染色ポリアミド繊維を含む製品を製造することができる。用いる染料の種類に依存し、同一条件の同種の装置において本発明の方法の場合に得られる相対的染色収率を調節するために染浴中の温度及びpH条件を用いることができる。例えばほとんどのアニオン染料の場合、pHの低下は相対的染収率を向上させる。従来の条件下で均染する染料の場合、移動の減少に主な影響を有する低温を用いるのが望ましい。染色転移温度以上に温度が上昇すると、多くの構造感応性染料により与えられる相対的染色収率は向上する。しかし一般に構造感応性染料の場合に染色収率に関する最大の利点を与える条件は視覚的に一様な染色を得るのをより困難にする。従って相対的染色収率を向上させしかも非常な注意をすることなく一様な染色を与える間の妥協を与える条件を選ぶのが必要である。
【0054】
移動が10%以下である条件下の染料を用いた本発明の好ましい方法は、不均一な染色を招く繊維における構造の相違に対する感応性を最小にすることができる。製品への染料の輸送が平均して基本的に均一ならば、糸における構造的相違による布のたてすじを覆うことができる視覚的に一様な染色が行われ、従来の方法を用いて製造される場合より均一性の評価の高い染色布を製造することができる。
【0055】
染浴中の溶剤に染色助剤を含むことにより、又はそれを染料濃厚液に含むことにより、本発明の結果を調節することもできる。一般に染料の初期染着速度(strike rate)を減少させる助剤は得られる相対的染色収率を低下させ、染色は従来の染色により類似する。さらに浴がその染色転移温度に達する前に染料を浴中に添加する場合、染色転移温度に達する前に繊維により吸着される染料は、製品中の繊維に従来の染色特性をいくらか与える。
【0056】
本発明に従い、ジェット染色機で商業的方法を開始する場合、最初に一般的に選ばれた方法条件に対応する実験室規模の装置で方法を行うのが有利である。実験室規模の方法の場合、それにより染料添加速度を前もって決めることができ、又は同一あるいは類似の染色に関する過去の実験に基づく速度を確認することができる。典型的実験室用染色機と比較して大規模の染色機では製品の重量に対する浴の重量の比率が小さいため、及び特に回転速度が低いため、大規模染色を成功させるためには用いる染料添加速度又は条件をさらに修正しなければならない。
【0057】
本発明の好ましい形態の場合、迅速染料吸収段階の間、及び最高には方法の間の他の時間、方法を注意深く制御することが通常必要なだけであり、温度及び他の浴条件は注意深く制御する必要がない。例えば所望の温度に浴を上げることは迅速に行うことができ、染料添加の前のpH調節は急速に、ナイロンの染色のための従来の方法で必要な程の注意を行わずにできる。これは重要段階がたった1段階であり、一定の温度及びpHを用いた場合方法を容易に再現でき、同一の布の繰り返し染色を有効に行うことができるので、特に有利である。さらに染色法の初期に浴の条件が望み通りでないことが発見された場合、染料添加を止め、染色を再開する前に所望の条件を確立することができる。
【0058】
染色が完了した後、染浴を典型的に約175°F(79.4℃)以下に冷却し、排液する(dropped)。製品は濯ぎ、乾燥し、その後従来の方法で用いることができる。
【0059】
ここで、本発明の好ましい染色布の400倍の断面顕微鏡写真(実施例8−パートB)を示す図4を参照すると、66ナイロン連続フィラメント糸の外面の近傍のフィラメントが糸の内部のフィラメントより多くの染料を含んでいるのが見える。図4に示す糸の場合、染料が外部のフィラメントに十分に濃縮され、内部のフィラメントの一部はほとんど又は全く染料を含まないように見える。さらにフィラメントは非対称的に環状−染色され、すなわちフィラメントは、より多くの染料がフィラメントの内部より表面の近傍に存在するように染色されているが、フィラメントの少なくとも一部の環状−染色は非対称である、すなわちある側に他の側より多くの染料が存在する。連続フィラメント糸の場合、フィラメントが糸の束中で異なる位置にあり得るので、同一のフィラメントが糸の長さに沿って異なる染色効果を示し得ることがわかるであろう。
【0060】
図5は、同一の装置で従来の方法により染色した布の同一の倍率における断面顕微鏡写真である(実施例8−パートA)。染料が糸の束を通じてより平均に分布し、表面及び内部フィラメントの間の差がほとんどないことが明らかである。環状−染色が少し起こり、環状染色が見える範囲でそれは対称に見える。
【0061】
図4と同一の布で250倍である図6に示される通り、本発明の布は、布の表面の近傍の糸上にも布の内部より多くの染料を有する。図7は従来の方法で染色された布(図5と同様の布で250倍)を示し、その場合染料は布を通じて一般に平均に分布している。
【0062】
糸及び布の非対称染色にもかかわらず、本発明の布は視覚的に一様であり、均一性が高い。さらに均一性は、特に構造感応性染料を用いた場合に従来の方法で染色した布より優れていることが多い。多くの場合、糸の不均一性のために従来の方法で染色した布に現れるたてすじは、本発明に従って染色した布では減少するか、又は実質的に除去することができる。本発明の方法に従って染色した最も好ましい布の場合、布は基本的に末端間の染料の不均一性を含まない。さらに耐光堅牢度、洗濯堅牢度及びStol1摩耗試験などの摩耗試験において、布は従来の布と同等である。
【0063】
本発明は不織布及び絨毯用に用いられるタフト布などの他の種類の布に適用できるが、本発明の好ましい布はメリヤス布及び織物から成る種類から選ばれ、連続フィラメント糸を用いて製造された布の場合に均一性の評価の高い染色布を得るのが困難なことが多いので、そのような種類の布から選ぶのが最も好ましい。さらに本発明の布は少なくとも1種類の構造感応性アニオン染料を含むのが好ましい。
【0064】
本発明は、カチオン染料を用いたカチオン染色可能なポリアミドの染色のように他のイオン染料を用いたイオン染色が可能な他のポリアミドにも適用可能である。例えば5−スルホ−イソフタレートで修飾したポリアミドを、本発明の方法を用いてSEVRON BLUE 5GMF(C.I.ベーシックブルー(Basic Blue)3)などのカチオン染料で染色することができる。
【0065】
試験法
染色転移温度を以下の通りにして繊維/染料組み合わせに関して決定する:
製品の試料を、0.5g/1のピロリン酸四ナトリウム及び0.5g/1のMERPOL HCS(E.I.Du Pont de Nemours & Companyにより販売されている非イオン性液体洗剤)と共に800g水/g試料を含む浴中で予備精練する。浴温が60℃になるまで約3℃/分の速度で浴温を上げる。温度を60℃に15分間保ち、その後繊維を濯ぐ。(予備精練温度は繊維の染色転移温度を越えてはならないことに注意。染色転移温度が予備精練温度に近いと思われたら、より低い予備精練温度で手順を繰り返さねばならない。)同量の水を含む(製品を含まない)浴を30℃に調節し、(製品の重量に基づいて)1%の使用染料及び5g/1の一塩基性リン酸ナトリウムを加える。(染色法において1種類以上の染料を用いる場合、染色転移温度が最も高いと思われる染料を用いて染色転移温度を決定する。通常この染料が最も構造感応性でもある。)一塩基性リン酸ナトリウム及び酢酸を用いてpHを5.0に調節する。製品を加え、浴温を3℃/分で95℃に上げる。
【0066】
浴温が5℃上がる毎に約25mlの染料液試料を染浴から採取する。試料を室温に冷却し、Perkin−Elmer C552−000
UV−可視分光光度計(Perkin−Elmer Instraments,Norwalk,CT 06856)などの分光光度計にて、水を参照として用い、染料の監視に有用であることがわかっている波長における各試料の吸光度を測定する。%染料消費を算出し、染浴温度に関してプロットする。15%消費における温度が染色転移温度である。
【0067】
%移動は、研究中の実際のpH及び温度における疑似染浴を用い、30分間という時間を用いる以外はAATCC試験法159−1989(AATCC Trchnical Manual/1991,p.285−286)を用いて決定することができる。この方法においてパーセント移動は、移動過程の前(標準、相対的染色の濃さが100%)及び後の最初の染色試料の相対的染色の濃さを測定することにより算出する。差が%移動である。
【0068】
相対的染色の濃さは、比較又は標準法により染色し、相対的染色の濃さが100%であると任意に称する試料と同一の染料を用いて染色した一連の布に関して写真で決定した、布における染色の濃さの相対的尺度である。
【0069】
布試料の相対的染色の濃さは、Macbeth Division of Kollmorgen Instrument Corp. of Newburg,N.Y.により販売されているMACBETH COLOR EYE 1500 PLUS SYSTEM Spec trophotometerを用い、最低反射率の波長で測定する。
750−350nmの走査を行って染料の最低反射率の波長を決定することができる。その後同一の染料を用いた一連のその後の試料はすべて同一の波長で測定する、例えばC.I.アシッドブルー122の場合の最低反射率の波長は640nmである。
【0070】
比較又は標準法により製造した試料を標準と称し、相対的染色の濃さがl00%であると指定する。その後残りの試料の相対的染色の濃さを以下により概算する:
【0071】
【数2】
Figure 0003587356
ここで:R=反射率。
【0072】
相対的染料含有率は、比較又は標準法により染色し、相対的染料含有率が100%であると任意に指定する試料と同一の染料を用いて染色した一連の布に関して写真で決定した、布における染料含有率の相対的尺度である。
【0073】
相対的染料含有率は以下の方法で決定する。最初に製品の試料を小片に切断し、±0.1mgの精度で約0.1グラムを秤量する。典型的に、染色製品の試験用の一連の試料を秤量してそれぞれをほとんど同一重量とする。試料を周囲温度で30mlの蟻酸に溶解する。試料の溶解が完了した後、二酸化チタン艶消剤が含まれる場合はその除去に20分間の遠心が有効である。
【0074】
Perkin−Elmer C552−000 UV一可視分光光度計(Perkin−Elmer Instraments,Norwalk,CT 06856)を用いて試料の吸光度を記録する。750−350nmの走査を行い、試験する染料のための分析波長として最大のピークを選ぶ。同一の染料を用いた系列におけるその後の試料はすべてこの波長で測定する。典型的に0.1グラム近辺の大きさの試料は、得た染料の量に関して0.3AU−0.8AUの範囲の吸光度の読みを与える。
【0075】
系列中の各試料につき測定したそれぞれの波長に関して修正吸光度を算出する。修正吸光度は:
A(修正)=(S×0.1グラム)/W
ここで:S=与えられた波長における吸光度;及びW=グラムで表した試料の重量である。
【0076】
比較又は標準法により染色した試料を相対的染料含有率が100%であると指定する。その後残りの試料の相対的染料含有率を以下の式により概算する:
相対的染料含有率(%):(AS×100)/Alw)ここで:AS=試料の平均吸光度;及びA1=標準試料の平均吸光度である。
【0077】
この算出を、与えられた染料系列において選ばれた各分析波長に関して行う。
【0078】
糸の断面顕微鏡写真
布見本又は糸の束を、ミクロトミー用に設計された“Marglas”又は類似のエポキシ樹脂中に埋封する。スチールのミクロトームナイフを用いて約10ミクロンの厚さの断片を作る。これらの断片を、繊維中への種々の深さで繊維の断面を調べることができる方向に切断する。断片を顕微鏡スライド上に置き、エポキシ埋封材料と適合し、従って見えなくする屈折率の液体中に浸す。フィラメント中、糸の束中、及び布の厚さを通る染料の分布を評価するのに、10倍から40倍の対物レンズを用いた100倍から500倍の倍率が便利で有用である。
相対的染色収率は、相対的染料含有率に対する相対的染色の濃さの比率として定義される:
【0079】
【数3】
Figure 0003587356
染浴濃度は、Perkin−Elmer Lambda 2分光光度計(Perkin−Elmer Instruments,Norwalk,CT 06856)を用い、測定する染料に関して吸光度が高い波長を用いて測定する。
布の均一性評価は、以下の方法により決定する:
布見本を拡散蛍光照明のある室中の大テーブル上に置く。現在AATCC(Committee RA97,Assessment of Barre’)により標準と考えられている布のたてすじのコンピューター化シミュレーションを用い、熟練者のパネルによって1−10の尺度で布を評価する。コンピューター化シミュレーションのコピーを図8−17に添付する。
【0080】
以下の実施例において本発明を例示するが、制限ではない。他に指示がなければパーセンテージは重量による。
【0081】
【実施例】
実施例1
45デニール、三葉4.5dpf66ナイロン繊維からの50グラムのたてメリヤス布(10インチ×72インチ)を縫って横方向の管とする。その後布を、Concord,N.C.のWerner−Mathis,U.S.A.により販売されているWerner−Mathis実験室用ジェット染色装置中に導入する。布をジェットノズルに通してから末端で縫い、無限の管を形成する。透視ドアを閉め、0.1g/1のMERPOL LFH(E.I.Du Pontde Nemours & Companyにより販売されているイオン性液体洗剤)及び0.1g/1の水酸化アンモニウムを用い、従来の方法で160°F(71.1℃)にて15分間布を精練する。水をあふれさせて布を濯ぎ、精練剤をすべて除去し、その後浴を排液する。
【0082】
その後、50:1の液比(繊維の重量に対する浴の重量)で2500mlの蒸留水を用い、80°F(26.7℃)で染浴を設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。染浴をジェットノズルを通してポンプ輸送することにより布に急速な動きを与える。その後染浴の温度を、5°F/分(2.8℃/分)か又はそれ以上で急速に染色温度に上げる。この実施例の場合、下記の要領で染料を加える染料添加期間の間、染色温度は約200°F(93.3℃)でほとんど一定に保つ。(この実施例の迅速染料吸収段階は、染料吸収段階の間の染料の添加により始まり、すなわち染料の100%が迅速染料吸収段階の間に加えられる。)
別に0.5gアントラキノンミリングブルーBL(C.I.アシッドブルー122)染料を200mlの蒸留水に溶解して染料濃厚液を形成する。染料の使用量は、染料を完全に消費すると仮定して繊維上に1%の染料(dye−on−fiber)を与えるように算出する。New YorkのManostat Corporation,N.Y.により販売されている精密(約1%の精度)MANOSTAT COMPULAB液体計量ポンプを用い、別に調製した染料溶液を動いている布から離れた染浴の表面下に、布の重量に基づいて0.025%染料/分に相当する5ml/分の速度で量り込む。布の1回転当たり(マシンサイクル)に加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。このような条件下で、40分で完了する染料添加の期間の間、染浴中に目にみえる染料の堆積はない。その後染浴を5°F/分(2.8℃/分)で170°F(76.7℃)に冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0083】
得られた結果は、ナイロンのメリヤス上の一様な青い染色及び無色の染浴である。
【0084】
実施例2
実施例1に記載の布の量及び種類、ならびに染色装置及び方法をこの実施例でも用い、以下の染料を200mlの蒸留水に溶解して染料濃厚液を形成する:
0.247gのC.I.アシッドイエロー184
0.008gのニラントレンピンク BLRF*
0.200gのC.I.ディレクトブルー86
*Crompton & Knowles Corp.,P.O.Box 33188,Charlotte,N.C.28233)これは、染料を完全に消費すると仮定して繊維上に0.9%の染料を与えると計算される。染色溶液は、布の重量に基づいて0.023%染料/分に相当する5ml/分の速度で量り込む。布の1回転(マシンサイクル)当たりに加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。これらの条件下で、40分で完了する染料添加期間の最後に染料の堆積が少し目に見える。染浴を5°F/分(2.8℃/分)で170°F(76.7℃)に冷却し、その時点で浴は無色であり、消費され尽くしたと思われる。水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0085】
得られた結果はナイロンメリヤス布上の一様な濃緑色の染色、及び無色の染浴である。
【0086】
実施例3
リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いて染浴をpH4に設定し、使用染料が400mlの蒸留水に溶解した2.00gのC.I.アシッドブラック107である以外は実施例1に記載の布の量及び種類、ならびに染色装置及び方法をこの実施例でも用いる。これは、染料を完全に消費すると仮定して繊維上に4.0%の染料を与えると計算される。
【0087】
染色溶液は、布の重量に基づいて0.2%染料/分に相当する20ml/分の速度で量り込む。布の1回転(マシンサイクル)当たりに加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.17%である。これらの条件下で、20分で完了する染料添加期間の間に目に見える染料の堆積はない。染浴を5°F/分(2.8℃/分)で170°F(76.7℃)に冷却する。水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0088】
得られた結果はナイロンメリヤス布上の一様な黒色の染色、及び無色の染浴である。
【0089】
実施例4
本実施例では、80重量%の40デニール三葉1.3dpf66ナイロン繊維及び20重量%の40デニールLYCRAスパンデックス(E.I.du Pont de Nemours and Company)からのたてメリヤス布を染色するのに実施例1に記載の染色装置を用いる。パートAでは従来の染色法を用いる。パートB及びCは、異なる染浴温度における本発明の方法を例示する。表1は得られた結果をまとめたものである。
【0090】
パートA(比較)
50グラムの上記の布を従来の条件下で0.1g/1のMERPOL LFH及び0.1g/1の水酸化アンモニウムを用いて160°F(71.1℃)にて15分間精練する。水をあふれさせて布を濯ぎ、精練剤をすべて除去し、浴を排液する。2500mlの蒸留水を用い、80°F(26.7℃)で染浴を設定し、MSP及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。ジェットノズルの作用により布に急速な動きを与える。
【0091】
別に、完全に消費すると仮定して布上に1%の染料(ナイロン繊維の1.25%)を与えるために、200mlの蒸留水に0.5グラムのC.I.アシッドブルー122を溶解する。その後染料溶液を染浴に加える。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。染浴を2°F/分(1.1℃/分)にて200°F(93.3℃)に昇温し、その後200°F(93.3℃)に30分間保つ。染浴を5°F/分(2.8℃/分)で170°F(76.7℃)に冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0092】
結果はナイロン/LYCRAスパンデックス たてメリヤス布上の一様な青い染色、及び完全に無色の染浴である。合計サイクル時間は約100分である。乾燥した布の下に重なった側で相対的染色の濃さを測定し、この布を相対的染色の濃さが100%であると指定する。
【0093】
パートB
この実施例でもパートAで使用した布の量及び種類、染色装置ならびに精練条件を用いる。
【0094】
この実施例では80°F(26.7℃)にて2500mlの蒸留水を用いて染浴を設定し、MSP及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。これらの条件下で布を染浴で十分に潅水する。ジェットノズルの作用により布に急速な動きを与える。染浴の温度を5°F/分(2.8℃/分)で急速に染色温度に上げる。この実施例の場合、染料添加期間の間、染色温度は約180°F(82.2℃)でほとんど一定に保つ。
【0095】
別に0.5gのC.I.アシッドブルー122を200mlの蒸留水に溶解する。これは染料を完全に消費すると仮定して繊維上に1%の染料(ナイロン繊維の重量に基づいて1.25%)を与えると算出される。実施例1に記載の装置を用い、別に調製した染料溶液を、布の重量に基づいて0.025%染料/分に相当する5ml/分の速度で染浴に量り込み、その間染色温度を保つ。布の1回転当たり(マシンサイクル)に加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。このような条件下で、40分で完了する染料添加期間の間、染浴中に目にみえる染料の堆積はない。その後染浴を5°F/分(2.8℃/分)で170°F(76.7℃)に冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0096】
得られた結果は、ナイロン/LYCRAスパンデックスたてメリヤス上の一様な青い染色及び無色の染浴である。合計サイクル時間は66時間であり、パートAより33%短い。さらに布の青色(640nm)に関して測定した相対的染色の濃さは、パートAから得た布より36%高い。布の色は下に重なった側で測定する。
【0097】
パートC
染料を浴に量り込む染料添加期間の間、染色温度を200°F(93.3℃)でほとんど一定に保つ以外はパートBに記載した布の量及び種類、染色装置及び方法を用いる。
【0098】
得られた結果は、ナイロン/LYCRAスパンデックたてメリヤス上の一様な青い染色及び無色の染浴である。合計サイクル時間は66時間であり、パートAより33%短い。さらに布の青色(640nm)に関して測定した相対的染色の濃さは、パートAから得た布より65%高い。布の色は下に重なった側で測定する。
Figure 0003587356
実施例5
本実施例でも実施例1に記載の染色装置を用い、染料移動が10%以下である条件下で40デニール三葉3.08dpf66ナイロン繊維からの丸編管状布(4−1/2インチ管状;8−1/2インチ解放幅×62インチ)をアントラキノンブルーB(C.I.アシッドブルー45)で染色する。パートAでは最初低温で、その後温度を上げて染色を完了する浴中にすべての染料が存在する染色法を用いる。染色の間の浴中の染料の濃度を測定し、表2及び3にそれぞれパートA及びBの場合の濃度を挙げる。
【0099】
パートA(比較)
35グラムの上記の布を実施例1の要領で精練し、濯ぐ。その後染浴を80°F(26.7℃)で実施例1の場合にように設定し(70:1液比、すなわち布の重量に対する浴の重量)、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを4.5に調節する。ジェットノズルの作用で布に急速な動きを与える。
【0100】
別に、完全に消費すると仮定して布上に0.5%の染料を与えるために、200mlの蒸留水に0.175グラムのC.I.アシッドブルー45を溶解する。その後染料溶液をすべて80°F(26.7℃)で染浴に加える。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。染浴を2°F/分(1.1℃/分)にて140°F(60℃)に昇温し、その後この温度を30分間保つ。80°F(26.7℃)から140°F(60℃)まで、約10°F(5.6℃)の温度の上昇にて浴の試料を採取する。140°F(60℃)における保持期間の間、5分間隔で浴試料を採取する。この制御法の間のC.I.アシッドブルー45の浴濃度を表2に示す。
【0101】
水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。結果は丸編布上の一様な青い染色、及び無色の染浴である。乾燥した布の表面で相対的染色の濃さを測定し、この布を相対的染色の濃さが100%であると指定する。
Figure 0003587356
パートB
本発明のこの実施例では、布の量及び種類、精練条件、染色装置を繰り返す。
【0102】
本発明のこの実施例の場合、染浴はパートAと同様に設定する。ジェットノズルを通って染浴をポンプ輸送することにより布に急速な動きを与え、染浴の温度を5°F/分(2.8℃/分)で急速に上げる。この実施例の場合、染料添加期間の間、染色温度は140°F(60℃)に保つ。
【0103】
別に0.175gのアントラキノンブルーB(C.I.アシッドブルー45)を100mlの蒸留水に溶解する。これは染料を完全に消費すると仮定して繊維上に0.5%の染料を与えると算出される。実施例1に記載の装置を用い、別に調製した染料溶液を、布の重量に基づいて0.025%染料/分に相当する5m1/分の速度で20分の染料添加期間をかけ、140°F(60℃)の浴温で染浴の表面下に量り込む。布の1回転当たり(マシンサイクル)に加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.17%である。25ml、50ml、75m1及び100mlの染料を量り込んだ後に染浴の試料を採取する。すべての染料溶液を量り込んでから5、10、15、20、25及び30分でも浴の試料を採取する。これらの試料中の染料の濃度を測定し、結果を表3に報告する。その後水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0104】
得られた結果はナイロンの丸編上の一様な青い染色、及び無色の染浴である。上記パートAに記載の比較染色に対して12−15%の相対的染色収率の上昇が、乾燥した布の表面で測定される。
Figure 0003587356
実施例6
本発明においても、50デニール、丸2.9dpf66ナイロン繊維からのたてメリヤス(8インチ解放幅×70インチ)を4成分予備−金属化染料混合物を用いて染色するのに実施例1の染色装置を用いる。パートAでは従来の染色法を用い、パートBでは本発明の方法を用いる。2つの染色からの染料の均一性の評価を比較する。
【0105】
パートA(比較)
54グラムの上記の布を精練し、実施例1と同様に染浴を設定して45:1液化(布の重量に対する浴の重量)を形成する。MSP及びリン酸を用いてpHを5.0に調節し、ジェットノズルの作用により布に急速な動きを与える。
【0106】
別に、すべて予備−金属化染料である0.028グラムのイントラランイエロー(Intralan Yellow)2BRLS(Crompton andKnowles Corp.)(100%)及び0.0084グラムのイントラランボルドー(Intralan Bordeaux)RLB(Crompton and Knowles Corp.)(100%);及び0.06グラムのC.I.アシッドブラック107及び0.18グラムのC,I.アシッドブラック132を200mlの蒸留水に溶解する。これは、染料が完全に消費されると仮定して、繊維上にそれぞれ0.0518%;0.0156%;0.11%及び0.33%の各染料を与えると計算される。その後染料溶液を80°F(26.7℃)にて従来の方法で染浴に加える。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。染浴を2°F/分(1.1℃/分)で205°F(96.1℃)に昇温し、その温度を30分間保つ。水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0107】
結果は無色の染浴及び一様(すなわちしみのない)であるが多数の明かるい、及び暗いたてすじならびに帯を持つ灰色に染色されたメリヤス布である。この布の場合の染色均一性の評価は2.0である。乾燥した布の下に重なった側で相対的染色の濃さを測定し、この布を相対的染色の濃さが100%であると指定する。
【0108】
パートB
この実施例ではパートAと同様の布の量及び種類、染色装置ならびに精練条件を用いる。
【0109】
その後実施例1と同様に染浴を設定し、リン酸−ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。ジェットノズルを通って染浴をポンプ輸送することにより、布に急速な動きを与える。染浴の温度を5°F/分(2.8℃/分)で205°F(96.1℃)に急速に上げる。
【0110】
別に、パートAに詳細に記載したと同様の4成分染料を、完全に消費されると仮定して繊維上に同様のパーセンテージの染料を与えるように、200mlの蒸留水に溶解する。実施例1で用いた装置と同様の装置を用い、205°F(96.1℃)の浴温で、5m1/分の速度で40分の染料添加期間をかけて別に調製した染料溶液を染浴の表面下に量り込む。布の1回転(マシンサイクル)当たりに加えられる染料の合計染料に対するパーセンテージは0.08%である。その後水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0111】
得られた結果は一様で(すなわちしみがない)、認知可能なたてすじのない灰色の染色及び無色の染浴である。上記のパートAの比較染色に対して34%の相対的染料収率の上昇が、下に重なった側で測定される。この布の染色均一性の評価は7.5である。
【0112】
実施例7
本発明でも、40デニール、三葉3.08dpf66ナイロン繊維からの丸編管状布(4−1/2インチ管状、8−1/2インチ解放幅×62インチ)を、アントラキノン ミリングブルーBL(C.I.アシッドブルー122)染料で染色するために実施例1に記載した染色装置を用いる。パートAでは従来の染色法を用いる。パートB、C及びDでは本発明の方法を例示し、浴が最高温度となる前に浴中に染料の一部を添加する、すなわち迅速染料吸収段階の間に浴に添加される染料は100%以下である。
【0113】
パートA(比較)
50グラムの上記の布を実施例1と同様に精練し、濯ぐ。再び実施例1と同様に染浴を設定し(50:1液比)、MSP及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。ジェットノズルの作用により布に急速な動きを与える。
【0114】
別に、完全に消費されると仮定して繊維上に1%の染料を与えるために、0.5グラムのC.I.アシッドブルー122を200mlの蒸留水に溶解する。その後、80°F(26.7℃)にて従来の方法で染料溶液を染浴に添加する。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。染浴を2°F/分(1.1℃/分)で200°F(93.3℃)に昇温し、200°F(93.3℃)に30分間保つ。染浴を5°F/分(2.8℃)で170°F(76.7℃)に冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0115】
結果は丸編布上の一様な青い染色及び無色の染浴である。合計のサイクル時間は約100分である。乾燥した布の表面で相対的染色の濃さを測定し、この布の相対的染色の濃さを100%と指定する。
【0116】
パートB
この実施例では、35グラムの布を用いる以外パートAの布の種類、染色装置及び精練条件を繰り返す。
【0117】
その後80°F(26.7℃)で染浴を設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。ジェットノズルの作用により布に急速な動きを与える。
【0118】
別に、完全に消費されると仮定して繊維上に1%の染料を与えるために、0.35グラムのアントラキノン ミリングブルーBL(C.I.アシッドブルー122)を200mIの蒸留水に溶解する。別に調製した200mlの染料溶液中の40ml(全体の20%)を125mlに希釈し、80°F(26.7℃)の浴温にて5ml/分の速度で25分かけて実施例1と同様にして染浴の表面下に量り込み、その間に浴温を5°F/分(2.8℃/分)で205°F(96.1℃)に昇温する。この実施例の場合、染料添加期間の開始は、染色転移温度に達した時に始まる迅速染料吸収段階の開始と一致しない。これらの条件下では浴中に認知できる程の染料の堆積がある。
【0119】
染色転移温度より十分高い205°F(96.1℃)に浴が達した時に、最初の染料溶液の残りの160ml(全体の80%)を200m1に希釈し、5ml/分の速度で40分かけて染浴の表面下に量り込む。従って染料の少なくとも約80%が、浴が染色転移温度以上である迅速染料吸収段階の間に加えられる。2番目の容量の染料が加えられるこの期間に布の1回転(マシンサイクル)当たりに添加される染料の合計染料に対するパーセンテージは0.067%である。その後実施例1と同様に染浴を冷却し、水をあふれさせて染色された布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0120】
得られる結果はナイロンたてメリヤス上の一様な青い染色及び無色の染浴である。合計サイクル時間は約72分である。上記のパートAの比較染色と比較して27%の相対的染色収率の向上が、乾燥した布の表面上で測定される。
【0121】
パートC
最初の200mlの染料溶液中の70ml(35%)を125mlに希釈する以外はパートBに記載の布の量及び種類ならびに染色装置及び方法を用いる。80°F(26.7℃)の浴温で開始し、5°F/分(2.8℃/分)で25分かけて205°F(96.1℃)に上げながらこの希釈溶液を、パートBと同様に5ml/分の速度で量り込む。浴中に認知できる程の染料の堆積がある。
【0122】
浴が205°F(96.1℃)に達した時に、最初の染料溶液の残りの130ml(65%)を200mlに希釈し、5ml/分の速度で40分かけて量り込む。従って迅速染料吸収段階の間に染料の少なくとも約65%が浴に添加される。2番目の容量の染料が量り込まれるこの期間に、布の1回転(マシンサイクル)当たりに添加される染料の染料全体に対するパーセンテージは0.054%である。
【0123】
パートBと同様に染浴を冷却し、水をあふれさせて染色された布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥し、従来の標準染色と比較して染色収率の向上がこの場合21%である以外は同等の結果を得る。合計サイクル時間は約72分である。
【0124】
パートD
最初の200m1の溶液中の100ml(50%)を125mlに希釈する以外はパートBに記載の布の量及び種類ならびに染色装置及び方法を繰り返す。80°F(26.7℃)の浴温で開始し、5°F/分(2.8℃/分)で25分かけて205°F(96.1℃)に上げながらこの希釈溶液を、パートBと同様に5ml/分の速度で量り込む。浴中に認知できる程の染料の堆積がある。
【0125】
浴が205°F(96.1℃)に達した時に、最初の染料溶液の残りの100ml(50%)を200mlに希釈し、5ml/分の速度で40分かけて量り込む。従って迅速染料吸収段階の間に染料の少なくとも約50%が浴に添加される。2番目の容量の染料が量り込まれるこの期間に、布の1回転(マシンサイクル)当たりに添加される染料の染料全体に対するパーセンテージは0.042%である。パートBと同様に染浴を冷却し、水をあふれさせて染色された布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥し、従来の標準染色と比較して染色収率の向上がこの場合に11%である以外は同等の結果を得る。合計サイクル時間は約72分である。
【0126】
実施例8
三葉2.25dpf66ナイロン糸からLawson−Hemphil1実験室用編み機を用いて製造したジャージー管状メリヤス布(tubing knit)の染色に実施例1に記載の染色装置を用いる。パートAでは従来の染色法を用いる。パートBでは、より少量の染料を用いてパートAで染色された布と大体同等の相対的染色の濃さを得るために用いる本発明の方法を例示する。得られる布における低い相対的染料含有率も観察される。)染色された布の断面顕微鏡写真も形成する。図5及び7は従来の染色法(パートA)で染色した布を示し、図4及び6は本発明の方法で染色した布を示す。
【0127】
パートA(比較)
上記の布の50グラムの試料を実施例1と同様に精練し、濯ぎ、2500mlの蒸留水を用いて設定し、pHを5.0に調節する。ジェットノズルの作用で布に急速な動きを与え、5分間運転する。
【0128】
別に、1.5gのC.I.アシッドブルー335染料を水に溶解し、濃厚液を形成する。これは、完全に消費されると仮定して繊維上に3.1%の染料を与えると計算される。染料濃厚液を浴に添加する。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。その後温度を3°F/分(1.7℃/分)で205°F(96.1℃)に上げ、布を30分間染色する。浴を冷却し、布を濯ぎ、空気乾燥する。
【0129】
結果は無色の染浴及び一様なネイビーブルーの布である。管の表面及び背面を平均したその相対的染色の濃さ及びその相対的染料含有率をそれぞれ100%であると指定する。図5及び7は布の断面顕微鏡写真である。
【0130】
パートB
上記の布の50gの試料を用い、2500mlの蒸留水を用いて染浴を設定し、実施例1と同様にpHを5.0に調節する。ジェットノズルを通って染浴をポンプ輸送することにより布に急速な動きを与える。その後染浴の温度を6°F/分(3.3℃/分)で急速に染色温度に上げる。この実施例の場合、染料添加期間の間、温度を207°F(97.2℃)に保つ。
【0131】
別に、1.05gのC.I.アシッドブルー335染料を200mlの水に溶解する。これは、完全に消費されると仮定して繊維上に2.1%の染料を与えると計算される。実施例1に記載の装置を用い、別に調製した染料溶液を動いている布から離れた染浴の表面下に、布の重量に基づいて0.05%染料/分に相当する5ml/分の速度で量り込む。布の1回転(マシンサイクル)当たりに添加される染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。これらの条件下で、42分で完了する染料溶液の添加期間の間に浴中への染料の堆積は認知されない。その後染色された布を含む浴を冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、実施例1と同様に最後に空気乾燥する。
【0132】
結果は無色の染浴及び一様なネイビーブルーの布である。表面及び背面を平均した布の相対的染色の濃さは99.8%であり、パートAの布と大体同等であるが、その相対的染料含有率は73%である。これは相対的染色収率の36.7%向上と同等である。図4及び6はこの布の断面顕微鏡写真である。
【0133】
実施例9
この実施例でも、示されているUV阻害剤と共に以下の染料を用い(%は布の重量に基づく)、20/2綿番手、3dpf、長さ1.5インチ、オートクレーブけん縮−硬化ステープルナイロン糸からの丸編管状メリヤス布を染色するのに実施例1に記載の染色装置及び方法を用いる:
0.0275% C.I.アシッドレッド316
0.2145% C.I.アシッドブルー239
0.1045% アビロンブルー(Avilon Blue)RW*
0.066% C.I.アシッドブラック132
1.100% CIBAFAST N*(UV阻害剤)
*Ciba Geigy Corp.
結果は外側が内側より深く染色されたコバルトブルーの色の布及び無色の染浴である。平均K/S値(メリヤス管の表面と背面の平均)から算出した相対的染色収率は、ベック染色機で従来の方法により同一の染料を用いて染色した標準布と比較して76%向上した。布の相対的染料含有率は、100%(本発明)及び100.5%(標準)で大体同一である。
【0134】
実施例10
この実施例では、2本の1150デニール、三葉17dpfばら連続フィラメントナイロン糸からのタフト絨毯を、Saucier Stainless Eteel Products,Minneapolis,MNにより製造された8インチのSaucierベック−染色機中で染色する。パートAは従来の方法を示し、パートBは本発明の方法を示す。
【0135】
パートA(比較)
450gの上記の絨毯(8インチ×75インチ)をこのベックのウインチ上に置き、末端で縫って無限の“ロープ”を形成する。ドアを閉めてから0.1g/1のMERPOL LFH(E.I.du Pont de Nemours& Companyにより販売されている非−イオン性液体洗剤)及び0.1g/1の水酸化アンモニウムを用いて160°F(71.1℃)で絨毯を15分間精錬する。水をあふれさせて布を濯ぎ、精練剤をすべて除去し、浴を排液する。
【0136】
その後25リットルの蒸留水を用い、55:1の液比(布の重量に対する浴の重量)にて80°F(26.7℃)で染浴を設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。ウインチ−リールの回転作用により布を動かす。
【0137】
別に、完全に消費されると仮定して繊維上に1%の染料を与えるために4.5gのアントラキノン ミリングブルー BL(C.I.アシッドブルー122)を1000mlの蒸留水に溶解する。その後染料溶液を染浴に添加する。染浴を2°F/分(1.1℃/分)で205°F(96.1℃)に昇温し、205°F(96.1℃)に30分間保つ。染浴を5°F/分(2.8℃)で170°F(76.7℃)に冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0138】
結果はナイロン絨毯上の一様な青い染色及び無色の染浴である。タフト絨毯の表面で相対的染色の濃さを測定し、この絨毯の相対的染色の濃さを100%と指定する。
【0139】
パートB
この実施例ではパートAで用いた絨毯の量及び種類、染色装置及び精練条件を再度用いる。
【0140】
この実施例の場合、染浴を再度55:1の液比で80°F(26.7℃)に設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。ウインチ−リールの回転作用により布を動かす。その後染浴の温度を5°F/分(2.8℃/分)で染色温度に急速に上げる。この実施例では下記の染料添加期間の間、染色温度を約200°F(93.3℃)でほとんど一定に保つ。
【0141】
別に、完全に染料を消費すると仮定して繊維上に約1%の染料を与えるために4.5gのアントラキノン ミリングブルー BL(C.I.アシッドブルー122)を1000mlの蒸留水に溶解する。New YorkのManostat Corporation,N.Y.により販売されている精密(約1%の精度)MANOSTAT COMPULAB液体計量ポンプを用い、別に調製した染料溶液を動いている布から離れた染浴の表面下に、布の重量に基づいて0.025%染料/分に相当する25ml/分の速度で量り込む。絨毯の1回転当たり(マシンサイクル)に加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。このような条件下で、40分で完了する染料添加の期間の間、染浴中に目にみえる染料の堆積はない。
【0142】
その後染浴を5°F/分(2.8℃/分)で170°F(76.7℃)に冷却し、水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0143】
得られる結果は絨毯上の一様な青い染色及び無色の染浴である。染色収率は、上記パートAで調製した比較試料に対して98%向上している。
【0144】
実施例11
この実施例では、3.75綿番手、三葉、18dpf、ばらステープルナイロン糸からのタフト絨毯を実施例10で用いた装置と同様の装置で染色する。パートAは従来の方法を示し、パートBは本発明の方法を示す。
【0145】
パートA(比較)
650gの上記の絨毯(9インチ×60インチ)を実施例10と同様に精練し、濯ぐ。
【0146】
その後11,000m1の蒸留水を用い、20:1の液比(絨毯の重量に対する浴の重量)にて80°F(26.7℃)で染浴を設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)を用いてpHを6.0に調節する。ウインチ−リールの回転作用により絨毯を動かす。
【0147】
別に、完全に染料を消費すると仮定して絨毯上に0.45%の染料を与えるためにそれぞれ0.84gのC.I.アシッドオレンジ156、C.I.アシッドレッド361及びC.I.アシッドブルー277を100mlの蒸留水に溶解する。その後染料溶液を染浴に添加する。染浴を3°F/分(1.7℃/分)で212°F(100℃)に昇温し、212°F(100℃)に1時間保つ。染浴が212°F(100℃)である間にそれを排液し、冷水をあふれさせて絨毯を濯ぎ、染浴を再度排液する。絨毯を染色機から取り出し、排水し、空気乾燥する。
【0148】
結果はナイロン絨毯上の一様な中褐色の染色及び無色の染浴である。
【0149】
パートB
この実施例ではパートAで用いた絨毯の量及び種類、染色装置及び精練条件を再度用いる。
【0150】
この実施例の場合、染浴を再度11,000mlの蒸留水を用い、
20:1(絨毯の重量に対する浴の重量)の液比で80°F(26.7℃)に設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)、ピロリン酸三ナトリウム(TSPP)及びリン酸を用いてpHを6.0に調節する。ウインチ−リールの回転作用により布を動かし、その後染浴の温度を5°F/分(2.8℃/分)で212°F(100℃)の染色温度に急速に上げる。
【0151】
別に、完全に染料を消費すると仮定して絨毯上に約0.45%の染料を与えるためにそれぞれ0.84gのC.I.アシッドオレンジ156、C.I.アシッドレッド361及びC.I.アシッドブルー277を100mlの蒸留水に溶解し、希釈して全容積を200mlとする。
【0152】
New YorkのManostat Corporation,N.Y.により販売されている精密(約1%の精度)MANOSTAT COMPULAB液体計量ポンプを用い、別に調製した染料溶液を動いている絨毯から離れた染浴の表面下に、絨毯の重量に基づいて0.011%染料/分に相当する5ml/分の速度で量り込む。絨毯の1回転当たり(マシンサイクル)に加えられる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。このような条件下で、40分で完了する染料添加の期間の間、染浴中に目にみえる染料の堆積はない。染料添加の完了後、浴を212°F(100℃)で15分間運転する。熱染浴を排液し、冷水をあふれさせて絨毯を濯ぎ、染浴を再度排液する。絨毯を染色機から取り出し、排水し、空気乾燥する。
【0153】
得られる結果は絨毯上の一様な青い染色及び無色の染浴である。
【0154】
実施例12
40デニール、丸1.18dpf、半一艶消66ナイロン繊維のたて糸、及び2本の50デニール、0.76dpf、丸、半−艶消66ナイロンのエアジェット型押し糸(textured yarn)の横糸からの25グラムの織物(長さ64インチ×幅8−1/2インチ)を縫って管を形成し、精練し、実施例4パートA(比較)と同様にしてアントラキノン ミリングブルーBL(C.I.アシッドブルー122)で染色し、比較用染色を得る。さらに同一の布を精練し、実施例4パートBに従い同一の染料で染色し、本発明の染色を得る。
【0155】
本発明に従って得られたナイロン織物上の一様な青い染色は、比較(標準)染色に対して布の表面上の染色収率が12−15%向上していた。顕微鏡写真により、染色された布の繊維が非対称的に環状−染色され、移動が10%以下である染料を用いた本発明の好ましい形態の典型であることが示された。
【0156】
実施例13
この実施例では条件を変化させ、方法中の染料の吸収及び染色された布の染色収率への影響を示す。pH(4対6)、温度(180対205°F;82.2対96.1℃)及び染料の添加後にその温度である時間(15対45分)を表4に詳細に示す通りに変化させる。
【0157】
1−7項の場合、実施例5パートBに詳細を示した布の量及び種類、染色装置及び方法を繰り返して最初に布を精練し、布の重量に対して2%のC.I.アシッドバイオレット48を適用する。リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いて表4に示す通りpHを4又は6に調節する。前もって調製した200mlの蒸留水中の0.70gのC.I.アシッドバイオレット48の溶液を5ml/分の速度で染浴に加え、方法を行う間、種々の温度/時間にて染浴の試料を集める。1分当たりの染料の量は0.05%染料/分であり、布の1回転(マシンサイクル)当たりに添加させる染料の染料全体に対するパーセンテージは0.08%である。C.I.アシッドバイオレット48の濃度は分光光度分析により決定し、1項(pH4)及び5項(pH6)に関する結果を図1にまとめ、該温度における15分間を示す。
【0158】
4種類の比較項目1c、2c、3c及び4cを、1−7項で用いられたと同種及び同量の布を用いて調製する。染色のための精練及び調製には同一の方法を用いる。1−7項のpH及び温度条件のそれぞれのひとつにおいて4種類の標準染色を行う、すなわち:
1c pH4;180°F(82.2℃)
2c pH4;205°F(96.1℃)
3c pH6;180°F(82.2℃)
4c pH6;205°F(96.1℃)
1−8項と同一の染料濃厚液を用いるが、1c−4c項のそれぞれの場合は染料を加え、染浴を2°F/分(1.1℃/分)で特定の温度に昇温し、温度を30分間保つ。
【0159】
2c及び4c項の場合、染色の間の種々の温度/時間に浴の試料を集める。C.I.アシッドバイオレット48の濃度を決定し、結果を図2にまとめる。浴を5°F(2.8℃)で170°F(76.7℃)に冷却し、その後冷水を加えることにより水をあふれさせて染色された布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0160】
各1−7項の染色の濃さを、それぞれのその標準に対して布の表面で測定する。結果を表4に詳細に示す。
【0161】
Figure 0003587356
実施例14
実施例13、1−7項に詳細に示した布の量及び種類ならびに染色装置及び方法を繰り返し、最初に布を精練し、その後布の重量に対して2%のC.I.アシッドバイオレット48を適用する。染料添加の速度を減じ、方法を行う間の染料吸収及び染色された布の染色収率への影響を示し、実施例13における速度と比較する。1及び2項ではpH6において異なる温度(180対205°F;82.2対96.1℃)を示す。
【0162】
この実施例では、染浴を設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを6に調節する。0.70gのC.I.アシッドバイオレット48という同量の染料を400mlの蒸留水に溶解し、5ml/分で浴中に添加する。染料の量が同じであるが溶液の容積が2倍なので、添加速度は実施例13の半分、すなわち0.025%染料/分及び1回転当たり0.04%合計染料である。方法を行う間の種々の時間及び浴への染料の添加の完了後最高15分で染浴の試料を集め、C.I.アシッドバイオレット48の濃度を分光光度分析により決定し、結果を図3にまとめる。
【0163】
実施例15
大規模染色装置で、全幅(60インチ)弾性及び非−弾性たてメリヤストリコット布、ならびに半幅(63インチ)弾性たてメリヤスラッシェル(raschel)布を本発明の方法で染色する。パートIは染色前に布を調製するのに用いる方法を示し、パートII、III及びIVはこれらの種類の布の染色を示す。
【0164】
パートI
本実施例で記載するたてメリヤス布を、Rorschasch,SwitzerlandのJawetex AGにより販売されている解放幅精練レンジを用いて染色用に調製する。180°F(82.2℃)にて2,000リットルの水を入れてあり、0.5グラム/リットルのMERPOL LFH(Wilmington,DEのE.I.du Pont de Nemours & Company,Inc.により販売されている非−イオン性液体洗剤)を含む洗浄槽を10ヤード/分で通し、その後同温度に加熱され、540リットルの水を入れてある濯ぎ槽を通過させて布を加工する。精練された布を乾燥し、Spartanburg,SCのBruckner Machinery Corp,により販売されている4ボックス(それぞれ4フィート)ピンテンターを用い、385°F(196.1℃)にて30秒間で1回通過させて熱硬化する。熱硬化の間に端をトリミングし、染色の間のエッジカーリングを最小にする。
【0165】
パートI1
40デニール、三葉3.1dpf66ナイロン繊維からの9,000グラムのたてメリヤス布(75直線ヤード;60インチ幅)をパートIに記載の通りに調製した後、Mauldin,SCのMascoe System Corp.により販売されているHisaka Jet Dyer,ModeI V−Lに十分に潅水して導入する。布をジェットノズル(70mm)に通し、偏った縫目を避けて末端で注意深く縫う。布を従来の条件下で、0.5g/1のMERPOLLFHを含む400リットルの水を用いて180°F(82.2℃)にて20分間精練する。水をあふれさせて布を濯ぎ、精練剤をすべて除去する。
【0166】
その後400リットルの水を用い、44:1液比(布の重量に対する浴の重量)にて80°F(26.7℃)に染浴を設定し0.4g/1のリン酸一ナトリウム(MSP)を用いてpHを5.2に調節する。これらの条件下で布に染浴を十分に潅水する。染浴をジェットノズルを通してポンプ輸送することにより(圧力8ポンド)布に動きを与える(1回転/分)。染浴の温度を7°F/分(3.9℃/分)で急速に染色温度に上げる。この実施例では下記の染料添加期間の間、染色温度を180°F(82.2℃)でほとんど一定に保つ。
【0167】
別に、90.0グラムのアントラキノン ミリングブルー BL(C.I.アシッドブルー122)を9リットルの温水に溶解する。これは完全に染料を消費すると仮定して布上に1%の染料を与えると計算される。New YorkのManostat Corporation,N.Y.により販売されている精密(約1%の精度)MANOSTAT COMPULAB液体計量ポンプを用い、別に調製した染料溶液(10g/1)を循環ポンプの入り口で染色機に量り込む。225ml/分のポンプ輸送速度を用い、これは布の重量に基づいて0.025%染料/分に相当する。絨毯の1回転当たり(マシンサイクル)に加えられる染料の合計染料に対するパーセンテージは1.67%である。このような条件下で、40分で完了する染料添加期間の間、少量の染料の堆積が見られる。さらに10分後、染浴は無色となりpHは5.5である。その後染浴を5°F/分(2.8℃/分)で冷却し、冷水をあふれさせて濯ぎ、染色機から取り出し、250°F(121.1℃)にてピンテンター上で乾燥する。染色された布の目視検査は一様な染色を示した。
【0168】
パートIII
この実施例のパートIに記載した布の調製及びパートIIに記載した染色法を用い、80重量%の40デニール、三葉3.1dpf66ナイロン繊維及び20重量%の40デニールLYCRAスパンデックス(E.I.Du Pont de Nemours & Company,Inc.)からの12,600グラム(51直線ヤード;60インチ幅)のたてメリヤストリコット布を染色する。
【0169】
別に、126.0グラムのアントラキノン ミリングブルー BL(C.I,アシッドブルー122)を12.6リットルの温水に溶解する。これは、染料を完全に消費すると仮定して繊維上に1%の染料(ナイロン繊維の重量に対して1.25%)を与えると計算される。別に調製した染料溶液(10g/1)を315ml/分で量り込み、これは0.025%染料/分に相当する。布の1回転(マシンサイクル)当たりに加えられる染料の合計染料に対する%は1.67%である。染色された布の目視検査は一様な染色を示した。
【0170】
パートIV
この実施例のパートIに記載した布の調製及びパートIIに記載した染色法を用い、87重量%の40デニール、三葉3.1dpf66ナイロン繊維及び13重量%の140デニールLYCRAスパンデックス(E.I.Du Pontde Nemours & Company,Inc.)からの11,200グラム(44直線ヤード;63インチ幅)のたてメリヤストリコット布を染色する。
【0171】
別に、112.0グラムのアントラキノン ミリングブルー BL(C.I.アシッドブルー122)を11.2リットルの温水に溶解する。これは、染料を完全に消費すると仮定して繊維上に1%の染料(ナイロン繊維の重量に対して1.15%)を与えると計算される。別に調製した染料溶液(10g/1)を235ml/分で量り込み、これは0.021%染料/分に相当する。布の1回転(マシンサイクル)当たりに加えられる染料の合計染料に対する%は1.67%である。染色された布の目視検査は一様な染色を示した。
【0172】
実施例16
50デニールの丸2.9dpf66ナイロン繊維からの200ヤード(100ポンド)の、幅が93インチのたてメリヤス布を、325リットルの水を含み、液体:布比が約7:1である、Mauldin,S.C.のMascoe Systems Corp.により販売されているHisaka FL−1ジェット染色機に導入する。これらの条件下で布は一部しか浸漬しない。布の重量に対して0.5%のピロリン酸三ナトリウム及び0.5%のApollo Chemical Co.,Burlington,NCにより製造された洗剤であるPOLYSCOURを用いて浴を設定する。浴温を1分当たり5°F(2.8℃)にて180°F(82.2℃)に上げる。180°F(82.2℃)で布を10分間精練し、濯ぐ。新しい浴を80°F(26.7℃)にて設定し、布の重量に対して0.2%のCiba Geigy Corp.,Greensboro,NCにより製造された均染剤であるALBEGAL B、及び布の重量に対して0.349%のリン酸一ナトリウムを加える。1分当たり5°F(2.8℃)から7°F(3.9℃)で200°F(93.3℃)に温度を上げる。全過程を通じて布の回転速度は1回転当たり30秒である。
【0173】
別に以下の染料及び1.5%のCiba Geigy Corp.により製造された紫外線吸収剤であるCIBAFAST Nを19リットルの水中で混合する。ここで%は布の重量に基づく:
1.05119% イントララン イエロー3RL*
0.00664% イントラランボルドーEL*
0.01892% C.I.アシッドブルー171
0.09220% C.I.アシッドブラック132
*Ciba Geigy Corp.
CIBAFAST Nを含む染料溶液をHisakaジェット染色機の循環ポンプの入り口側を通して80分かけて量り込み、これは布の重量に基づいて0.013%染料/分に相当する。添加速度により、布の1回転(マシンサイクル)当たりに合計染料溶液の0.63%が供給される。
【0174】
その後浴を160°F(71.1℃)に冷却し、試料を採取して所望の色(色相)が得られたことを確認する。その後布を濯ぎ、従来の方法で乾燥する。
【0175】
検査により、布が商業的に許容しうる端から端までの視覚的一様性及び商業的に許容しうる均一性を有することが示された。
【0176】
続いて染色/乾燥された布を従来の方法で毛羽だて、切断し、自動車のヘッドライナー布として用いるのに適した完成布を製造する。完成布は、均一性及び端から端への色の一様性に関して商業的に許容しうる。
【0177】
実施例17
40デニール、2dpf、三葉光沢ナイロン66糸のたてメリヤス布をこの実施例で用い、本発明に従うビーム染色を例示する。約20ヤード(950グラム)の、幅が17インチの染色する布を、すでに3層のチーズクロスで覆った直径が4インチで長さが18インチの染色ビームの回りに堅く滑らかに巻く。布は、布の表面を外に向けて巻き、ビームの両端で締め付ける。管及び巻かれた布を、Burlington Engineering Companyにより建設された実験室用染色機中に固定する。布は38リットルの水中の1リットル当たり0.5グラムのMERPOL LFHRを用いて185°F(85℃)にて20分間、従来通りに精練する。水をあふれさせて布を濯ぎ、すべての精練剤を除去し、浴を排液する。
【0178】
38リットルの水を用い、40:1の液比(布の重量に対する浴の重量)にて80°F(26.7℃)に染浴を設定し、リン酸一ナトリウム(MSP)及びリン酸を用いてpHを5.0に調節する。浴を、ポンプ全圧で染色ビーム及び布を通してポンプ輸送する。染浴の温度を毎分7°F(3.9℃)で急速に180°F(82.2℃)に上げる。
【0179】
別に9.5グラムのアントラキノン ミリングフルー BL(C.I.アシッドブルー122)染料を3800mlの水に溶解し、染料濃厚液を形成する。実施例1の精密計量ポンプを用い、別に調製した染料溶液を95ml/分の速度で40分間ビーム染色機の膨張槽(expansion tank)に量り込む。これらの条件下で、染料の添加期間の間に染浴中に目に見える染料の堆積はほとんどない。染浴を冷却し、排液する。水をあふれさせて布を濯ぎ、染色機から取り出し、空気乾燥する。
【0180】
得られる結果はナイロンたてメリヤス上の一様な青い染色及ぴ無色の染浴である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に従う実験室規模のジェット染色法の場合の、浴に加えられる染料濃厚液の容量に対する染浴中の染料の濃度のグラフ図である(実施例13、1及び5項)。
【図2】従来の方法における実験室規模のジェット染色法の実験の場合の、温度に対する染浴中の染料の濃度のグラフ図である(実施例13、2c及び4c項)。
【図3】本発明の方法に従う他の実験室規模のジェット染色法の場合の、浴に加えられる染料濃厚液の容量に対する染浴中の染料の濃度のグラフ図である(実施例14、1及び5項)。
【図4】本発明に従う好ましい染色布中の糸の400倍の断面顕微鏡写真である(実施例8−パートB)。
【図5】図4と同種の布からの糸だが従来の方法で染色された糸の400倍の断面顕微鏡写真である(実施例8−パートA−比較)。
【図6】図4と同様の250倍の顕微鏡写真である。
【図7】図5と同様の250倍の顕微鏡写真である。
【図8】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図9】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図10】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図11】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図12】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図13】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図14】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図15】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図16】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。
【図17】本出願において布の均一性の評価の基礎として用いられた、シミュレーションされた布のたてすじを持つ一連のコンピューター−形成標準である(実施例6)。

Claims (5)

  1. 布前面及び背面ならびに布内部を持ち、それぞれ糸外面及び糸内部を持ち、ポリアミドポリマーの繊維から成る糸を含み、少なくとも1種類のアニオン染料を含み、該アニオン染料が該布中で、
    該繊維が非対称に環状−染色され、
    該糸外面の近傍の該繊維が該糸内部のフイラメントより多くの染料を含み、且つ、
    該外面の近傍の該繊維が該糸外面に面する繊維外側表面及び該糸内部に面する繊維内側表面を有し、該繊維外側表面が該繊維内側表面より多くの染料を含む、ように分布していることを特徴とする染色された布。
  2. 該布前面及び背面の少なくともひとつの近傍の該繊維が該布内部のフイラメントより多くの染料を含む、請求項1に記載の染色された布。
  3. 該ポリアミドポリマーが、脂肪族ポリアミドホモポリマー及びコポリマーから成る種類よりえらばれる、請求項1に記載の染色された布。
  4. 該アニオン染料が構造感応性アニオン染料である、請求項1に記載の染色された布。
  5. 該布がメリヤス布及び織物から成る種類より選ばれる、請求項1に記載の染色された布。
JP22923899A 1990-11-15 1999-08-13 ポリアミド染色布 Expired - Fee Related JP3587356B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US61453590A 1990-11-15 1990-11-15
US07/745,044 US5230709A (en) 1990-11-15 1991-08-14 Polyamide dyeing process utilizing controlled anionic dye addition
US614535 1991-08-14
US745044 1991-08-14

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4501054A Division JP3012330B2 (ja) 1990-11-15 1991-11-08 染料の制御添加を用いたポリアミド染色法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000073282A JP2000073282A (ja) 2000-03-07
JP3587356B2 true JP3587356B2 (ja) 2004-11-10

Family

ID=27087273

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4501054A Expired - Fee Related JP3012330B2 (ja) 1990-11-15 1991-11-08 染料の制御添加を用いたポリアミド染色法
JP22923899A Expired - Fee Related JP3587356B2 (ja) 1990-11-15 1999-08-13 ポリアミド染色布

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4501054A Expired - Fee Related JP3012330B2 (ja) 1990-11-15 1991-11-08 染料の制御添加を用いたポリアミド染色法

Country Status (17)

Country Link
US (2) US5230709A (ja)
EP (1) EP0557422B1 (ja)
JP (2) JP3012330B2 (ja)
KR (1) KR0178254B1 (ja)
AT (1) ATE111984T1 (ja)
AU (1) AU647229B2 (ja)
BR (1) BR9107083A (ja)
CA (1) CA2095864C (ja)
CZ (1) CZ285231B6 (ja)
DE (1) DE69104221T2 (ja)
ES (1) ES2059205T3 (ja)
FI (1) FI107273B (ja)
MX (1) MX9102063A (ja)
PL (1) PL168681B1 (ja)
SK (1) SK284130B6 (ja)
TW (1) TW250511B (ja)
WO (1) WO1992008838A2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ252563A (en) * 1992-05-15 1996-04-26 Du Pont Dyeing wool; process including use of an anionic dye and immersion of the article to be dyed in a bath of liquid solvent for the anionic dye
JP3558444B2 (ja) * 1996-03-19 2004-08-25 株式会社エクセディ トルクコンバータのロックアップクラッチ
US5846265A (en) * 1996-07-26 1998-12-08 North Carolina State University Closed-loop textile dyeing process utilizing real-time metered dosing of dyes and chemicals
US6186403B1 (en) * 1997-11-12 2001-02-13 Yalcin Ozbey Method and apparatus for accurate color reading of material having variable depth and motif
US6613103B2 (en) * 2000-12-13 2003-09-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for dyeing fabric comprising elastomeric fiber
WO2008039671A2 (en) * 2006-09-19 2008-04-03 Invista Technologies S.A.R.L. Polyamide composition with improved heat stability and whiteness
US20110203057A1 (en) * 2008-10-13 2011-08-25 Hietpas Geoffrey D Fabric including polyurethane elastic yarn
CN102747600A (zh) * 2012-05-24 2012-10-24 太仓市名流制衣有限公司 一种羊兔毛混纺纱的染色工艺
US9718080B1 (en) 2016-05-06 2017-08-01 RADCO Infusion Technologies, LLC Linear substrate infusion compartment
WO2017193031A1 (en) 2016-05-06 2017-11-09 RADCO Infusion Technologies, LLC Continuous linear substrate infusion
CN108729254B (zh) * 2018-05-24 2020-10-30 福州高科新技术开发有限公司 一种纱线的染色工艺
TWI686525B (zh) * 2019-05-24 2020-03-01 達紡企業股份有限公司 用於彈性布料的染整組成物以及染整方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH438169A4 (ja) * 1969-03-24 1974-02-28
US3738803A (en) * 1969-04-30 1973-06-12 Stx Grp Interet Econ Dyeing of textile fibers in a solvent medium
FR2088081B1 (ja) * 1970-05-15 1973-03-16 Soltex Soc Civ
BE794533A (fr) * 1972-01-26 1973-07-25 Grp D Interet Economique Procede de teinture par epuisement en milieu solvant des materiaux textiles a caractere basique avec les colorants anioniques
CH575147A (ja) * 1973-04-13 1976-04-30
DK468274A (ja) * 1973-09-05 1975-05-05 Teijin Ltd
DE2534562C3 (de) * 1975-08-02 1980-02-07 Hoechst Ag, 6000 Frankfurt Verfahren zum isothermischen Hochtemperaturfärben von Textilgut aus hydrophoben synthetischen Fasern
JPS52122603A (en) * 1976-04-07 1977-10-15 Kuraray Co Dyeing method of suede like artificial leather
DE2624176C2 (de) * 1976-05-29 1983-12-22 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zum Strangfärben nach dem Ausziehprinzip
DE2755341C2 (de) * 1977-12-12 1983-09-08 Akzo Gmbh, 5600 Wuppertal Hydrophile Polyesterfasern
DE3066560D1 (en) * 1979-02-17 1984-03-29 Hoechst Ag Method for treating textiles in jet-dyeing devices
DE2914111A1 (de) * 1979-04-07 1980-10-23 Bayer Ag Verfahren zum faerben von cellulosematerialien mit reaktivfarbstoffen nach dem ausziehverfahren
DE3142200A1 (de) * 1981-10-24 1983-05-05 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Verfahren zum behandeln von textilgut in jet-faerbeanlagen
IT1209462B (it) * 1982-06-15 1989-08-30 Cesano Maderno Milano Procedimento perfezionato per la tintura di manufatti tessili di policapronammide.
FR2552789B1 (fr) * 1983-10-01 1986-12-19 Sandoz Sa Procede de teinture par epuisement de fibres textiles
DE3515406A1 (de) * 1985-04-29 1986-10-30 Adcon AB, Borås Verfahren zum egalen faerben von zellulosefasermaterialien mit reaktivfarbstoffen
DE3629576A1 (de) * 1986-08-30 1988-03-03 Hoechst Ag Verfahren zum faerben von textilien aus polyesterfaser/wolle-mischungen auf jet-faerbemaschinen
DE3733219A1 (de) * 1987-10-01 1989-04-13 Hoechst Ag Verfahren und vorrichtung zum kontinuierlichen behandeln, vorzugsweise faerben, von strangfoermigem textilgut
DE3872824D1 (de) * 1987-10-14 1992-08-20 Ciba Geigy Ag Verfahren zum faerben von natuerlichen polyamidfasern mit reaktivfarbstoffen.

Also Published As

Publication number Publication date
AU9085091A (en) 1992-06-11
WO1992008838A3 (en) 1992-11-12
BR9107083A (pt) 1993-11-03
MX9102063A (es) 1992-06-01
US5230709A (en) 1993-07-27
SK47293A3 (en) 1993-10-06
CA2095864C (en) 2001-12-25
CZ285231B6 (cs) 1999-06-16
JPH06502693A (ja) 1994-03-24
KR0178254B1 (ko) 1999-05-01
FI932170A (fi) 1993-05-13
US5318598A (en) 1994-06-07
WO1992008838A2 (en) 1992-05-29
EP0557422A1 (en) 1993-09-01
CA2095864A1 (en) 1992-05-16
FI107273B (fi) 2001-06-29
ATE111984T1 (de) 1994-10-15
KR930702579A (ko) 1993-09-09
CZ85093A3 (en) 1994-01-19
SK284130B6 (sk) 2004-09-08
PL168681B1 (pl) 1996-03-29
AU647229B2 (en) 1994-03-17
JP3012330B2 (ja) 2000-02-21
TW250511B (ja) 1995-07-01
EP0557422B1 (en) 1994-09-21
DE69104221T2 (de) 1995-02-23
JP2000073282A (ja) 2000-03-07
FI932170A0 (fi) 1993-05-13
DE69104221D1 (de) 1994-10-27
ES2059205T3 (es) 1994-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3587356B2 (ja) ポリアミド染色布
US5085667A (en) Stain resistance of nylon carpet: cationic-dyeable nylon fibers dyed with acid dye
US5466527A (en) Stain resistance of nylon carpet
US3652199A (en) Process for drying polyamide fibers catonic dyes and zinc thiocyanate
EP0640157B1 (en) Wool dyeing utilizing controlled dye addition
NZ240582A (en) Dyeing of polyamide fibres using an anionic dye added at temperature at least equal to dyeing transition temperature
DE2424303C3 (de) Verfahren zum Färben von Polyamid- Teppichmaterial nach einem Klotz-Kaltverweil-Verfahren
CA2162842C (en) Process for the application of dye fixing agents to polyamide fiber utilizing controlled fixing agent addition
GB2147319A (en) Level dyeing of wool fibres
Kissa Tinctorial Efficacy of Dyes in Polyester Fibers
Pailthorpe et al. 14. Wool Dyeing Principles and Techniques

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees