JP3587228B2 - 電力増幅回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複数の帯域の無線周波数信号を増幅する電力増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、複数の周波数帯の信号を1つの機器によって送受信可能とする無線通信機が多く用いられている。例えば、アマチュア無線においては、VHF帯である144MHz帯およびUHF帯である430MHz帯の送受信ができるものや、さらに、50MHz 帯や1200MHz 帯も送受信可能な無線通信機等がある。
【0003】
このような無線通信機においては、機器の小型化やコストダウンをはかる目的で、複数の周波数帯の信号を同一の回路で扱う必要性が出てくる。
例えば、電力増幅器を複数の周波数帯で共用させることも行われている。
1つの電力増幅器からの出力を各周波数帯に分岐させる構成を、従来技術を用いて実現しようと試みた場合は図3のような構成例が考えられる。
【0004】
図3において、各分岐回路に設けられた整合回路は、増幅素子(例えば、MOS−FET)と後段のインピーダンスを整合させるための回路である。通常、後段のインピーダンスは、パワー損失を少なくするために増幅素子のインピーダンスより大きく設定されているため(例えば、50Ω)、各整合回路はインピーダンスが大きくなるようにインピーダンス変換を行う。また、各整合回路は他の周波数帯の信号を遮断するために、それぞれ高域通過特性、低域通過特性を持たせている。
【0005】
また、このように増幅素子の出力を複数の周波数帯に分岐させる場合、増幅素子の負荷コイルは各周波数帯毎の全ての分岐路のインピーダンスに影響を与えないようにするため、比較的インダクタンスの大きなコイルを使用する必要がある。この負荷コイルとしては、共用する周波数帯が低くなるほど、大きなインダクタンスのものが必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような従来の回路においては、負荷コイルとして比較的インダクタンスの大きなものを用いる必要があるため、電力増幅中に、仮に後段のインピーダンスが急激に変化した場合、例えば、アンテナが取り外されたり、短絡された場合、後段とのインピーダンス不整合のため(不整合による反射波のために)一時的に大きな電力が発生する。
このようにして発生した電力によって生じた電圧が、増幅素子の耐圧を越えると、増幅素子が破壊されてしまうことになる。例えば、MOS−FETの場合、そのMOS−FETの出力インピーダンスは、VHF帯程度の周波数から低くなるほど高くなるため、低い周波数の場合ほど発生する電圧が高くなり、増幅素子が破壊されやすくなる。
【0007】
例えば、具体的事例として、図3のように増幅素子としてMOS−FETを用い、3つの周波数帯(50MHz 、145MHz、430MHz)に分波する構成で実験して検証してみたところ、50MHz の周波数信号の電力増幅中に後段のインピーダンスを急激に変化させた場合にMOS−FETの破壊が生じた。
このような問題を解決するためには、増幅素子のインピーダンスを低くする回路を別途設けることが考えられるが、その場合には、全ての周波数帯においてパワー損失が大きくなるという別の課題が生じるため、単にインピーダンスを下げる回路を設けるだけでは解決できない。
【0008】
また、耐圧の高い増幅素子を使用することも考えられるが、コストアップの原因になり好ましくはない。
【0009】
そこで、本発明は、増幅素子の出力を複数の周波数帯毎に分岐して出力する電力増幅回路において、電力増幅中に後段のインピーダンスが急激に変換することによって生じる増幅素子の破壊を防止するとともに、パワー損失を極力少なくすることのできる電力増幅回路を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電力増幅回路においては、複数の周波数帯の信号を増幅素子によって増幅して、各周波数帯毎に設けられた分岐路へ出力するように構成された電力増幅回路において、前記各分岐路に設けられ、それぞれの周波数帯毎に、上記増幅素子と後段のインピーダンスを整合させる各周波数帯毎の整合回路と、前記複数の周波数帯のうちの特定の周波数帯における増幅素子の出力インピーダンスを低くするインピーダンス変換回路とを備えた。
【0011】
なお、インピーダンス変換回路を備える位置は、分岐する前でも後でも構わない。
【0012】
請求項2の電力増幅回路においては、前記インピーダンス変換回路は、前記特定の周波数帯に相当する分岐路における整合回路の前段に挿入接続され、該特定の周波数帯以外の周波数帯の出力信号の通過を阻止する特性を有するものとした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる電力増幅回路を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の電力増幅回路の実施の形態としてのトリプルバンドトランシーバーの出力回路回りのブロック図である。
11は50MHz 帯の出力信号を出力する第1送信部、12は145MHz帯の出力信号を出力する第2送信部、13は430MHz帯の出力信号を出力する第3送信部である。
2は第1送信部11、第2送信部12、及び第3送信部13よりの出力信号を電力増幅する複数周波数帯対応電力増幅器であり、MOS−FET素子を増幅素子としている。21はそのMOS−FETのドレインに接続された負荷コイルである。
【0015】
31は複数周波数帯対応電力増幅部2の出力から50MHz 帯の出力信号を分波して、アンテナスイッチを備えた50MHz の出力回路41へ出力する低域通過型の第1整合回路、32は複数周波数帯対応電力増幅部2の出力から145MHz帯の出力信号を分波して、アンテナスイッチを備えた145MHzの出力回路42へ出力する低域通過型の第2整合回路、33は複数周波数帯対応電力増幅部2の出力から430MHz帯の出力信号を分波して、アンテナスイッチを備えた430MHzの出力回路43へ出力する高域通過型の第3整合回路である。なお、前記第2整合回路32と145MHzの出力回路42との間には高域通過フィルター34が挿入接続されている。
【0016】
5は前記第1整合回路31の前段に挿入されているインピーダンス変換回路であり、複数周波数帯対応電力増幅部2を構成するMOS−FETのドレインと、第1整合回路31との間に直列に挿入されたコイルL919 及びこのコイルL919 と第1整合回路31との接続点とアースとの間に挿入されたコンデンサC938 とで構成されている。(図2参照)
【0017】
以下においては、図1のトランシーバーの要部の回路図を示した図2を、図1と対応させて説明する。
Q906 は複数周波数帯対応電力増幅器2を構成している。
L920 ,C939 は50MHz 帯用のLPF型の第1整合回路31を構成している。
L915 ,C928 は145MHz帯用のLPF型の第2整合回路32を構成している。
【0018】
C923 ,L912 ,C924 は430MHz帯用のHPF型の第3整合回路33を構成している。
L916 ,C929 ,C930 ,C931 は高域通過フィルター34を構成している。
【0019】
上記構成の電力増幅回路において、
50MHz 帯の送信時には、第1送信部11から出力された50MHz 帯の出力信号は複数周波数帯対応電力増幅器2で電力増幅され、前記インピーダンス変換回路5を介して第1整合回路31へ入力される。このとき、アンテナスイッチを構成するダイオードD911 がオンされることによって、50MHz 帯の出力信号は第1出力回路41を通過してアンテナへ供給されて送信される。
【0020】
このとき、インピーダンス変換回路5のコイルL919 は低い周波数帯である50MHz 帯に対してはインピーダンスが低いため、コンデンサC938 によりMOS−FETの出力インピーダンスは低下する。
よって、後段のインピーダンスが急激に変化しても、高い電圧は発生せず、MOS−FETを破壊することを防ぐことができる。
【0021】
次に、145MHz帯の送信時には、第2送信部12から出力された145MHz帯の出力信号は複数周波数帯対応電力増幅器2で電力増幅され、第2整合回路32へ入力される。このとき、アンテナスイッチを構成するダイオードD914 ,D909 がオンされることによって、145MHz帯の出力信号は第2出力回路52を通過してアンテナへ供給されて送信される。
【0022】
このとき、インピーダンス変換回路5のコイルL919 は高い周波数帯である145MHz帯に対してはインピーダンスが高いので、コンデンサC938 が存在していてもMOS−FETの出力インピーダンスを低下させず、電力効率を低下させない。
即ち、MOS−FETのドレインにコンデンサC938 が直接接続されていると145 MHz 帯においてもインピーダンスが低くなり効率の低下が発生するが、コイルL916 を間に挟んでいるために、インピーダンスの低下が抑えられるのである。
【0023】
430MHz帯においても同様に、コイルL 919 があるために、コンデンサC938 による430MHz帯におけるインピーダンス低下を抑えることができるのである。
【0024】
なお、上記特性を得るために、例えば、コイルL919 は27nHとし、コンデンサC938 は220pF とした。
【0025】
なお、増幅素子としては、MOS−FETを例にとって説明したが、周波数帯によりインピーダンスが変化する全ての半導体増幅素子に適用できることは言うまでもない。
また、3バンドの無線通信機に限らず、複数のバンドの無線通信機全般に適用できる。
【0026】
【発明の効果】
このように、本発明の電力増幅回路によれば、複数のバンドの電力増幅回路において、増幅素子の破壊を防止し、効率の優れた電力増幅回路を提供することができる。
請求項2の発明によれば、特定の周波数帯のインピーダンスのみを低くして、他の周波数帯への影響は低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電力増幅回路の実施の形態の構成を示した構成図である。
【図2】図1の詳細を示す回路図である。
【図3】従来技術で考えられる構成例である。
【符号の説明】
2 複数周波数帯対応電力増幅器、MOS−FET、増幅素子
31 第1整合回路、整合回路
32 第2整合回路、整合回路
33 第3整合回路、整合回路
5 インピーダンス変換回路
Claims (2)
- 複数の周波数帯の信号を増幅素子によって増幅して、各周波数帯毎に設けられた分岐路へ出力するように構成された電力増幅回路において、前記各分岐路に設けられ、それぞれの周波数帯毎に、上記増幅素子と後段のインピーダンスを整合させる各周波数帯毎の整合回路と、前記複数の周波数帯のうちの特定の周波数帯における増幅素子の出力インピーダンスを低くするインピーダンス変換回路とを備えたことを特徴とする電力増幅回路。
- 前記インピーダンス変換回路は、前記特定の周波数帯に相当する分岐路における整合回路の前段に挿入接続され、該特定の周波数帯以外の周波数帯の出力信号の通過を阻止する特性を有することを特徴とする請求項1に記載の電力増幅回路。
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