JP3586766B2 - Ip網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法および方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP(Internet Protocol)網内のあるAS(Autonomous System:自律システム)内の各ルータにおいて内部輻輳が生じた場合に、網内の各リソースを大幅に設定し直したり、新しく輻輳制御装置を設置することなく、できるだけ短い時間内に正常な状態に戻すためのIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法および制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
OSI(開放型システム間相互接続)の7層のうちの下位3層(物理層、データリンク層、ネットワーク層)を処理するものとして、ルータがある。ルータは、IPアドレスを見てデータ(パケット)のルーチング(中継経路の設定)を行う。ネットワークが小規模な時にはユーザ側で経路の管理が可能なスタティック・ルーチングを行うが、大規模なネットワークでは、ルータ同士で経路情報やトラヒック情報をやりとりすることで、中継するルータの数や遅延時間が最小となる最適な経路を自動的に選択して、パケットを転送するダイナミック・ルーチングの方法が採られている。
【0003】
従来の方法では、あるルータ内が混雑してきた場合に採用されるアクションとしては、次のような方式が提案されている。
(イ)IP網内のルータ内におけるスケジューリング方法
・FIFO(First In First Out)式では、ルータ内のバッファが満杯で空きがないときに到着するパケットは廃棄され、損失となる。
・RED(Random Early Detection)方式では、ルータ内のバッファにおける平均待ちパケット数xを計算して、その値により次のようにパケットを廃棄したり、格納したりする。
x<Min(最小値) :全てのパケットを格納して、処理する。
Min<x<Max(最大値):ある確率でパケットを廃棄する。
Max(最大値)<x :全てのパケットを廃棄する。
・FRED(FlowRED)方式では、フロー間のバッファ占有領域を管理することにより、フロー間の帯域の公平性を考慮しているが、これはパケットを廃棄することにより内部の輻輳を鎮圧する。
・WRED(Weighted RED)方式では、パケットの優先度を考慮したものであるが、やはりパケットを廃棄することにより内部の輻輳を鎮圧する。
【0004】
(ロ)電話網における輻輳回避方法
・ダイナミック・ルーチング方式では、動的にルーチングを変更することにより、輻輳したノードを回避させる。
・TCS(Traffic Control System)を用いた集中監視/制御方式では、基本的に各種(地域,ユニット等)の輻輳が生じた場合に、発側交換機に対して呼数密度制御により発信呼数を規制することにより輻輳を制御する。
このように、従来のIP網におけるルーチングは、ルーチングテーブル(経路制御表)を変更することにより実現され、人間の手により内容が変更されるスタティック・ルーチング(静的経路制御)とルーチングプロトコルにより内容の書き換えが行われるダイナミック・ルーティング(動的経路制御)に分けられる。しかし、これらはいずれも輻輳回避のためではなく、ネットワークトポロジーの変化に対応して情報を書き換えるために行われるものである。すなわち、IP網においては、パケットを廃棄することなく、ルートを動的に制御してローカル輻輳を鎮圧する方法は提案されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、AS(自律システム)内に生じたある範囲の輻輳に関して、次の課題、つまり下記の9個の要求条件を解決するためのものである。なお、本発明においては、ローカル輻輳を「(単一)ルータ内輻輳」と、「地域輻輳」の2種類に分けて記述する。
(要求条件1)ローカル輻輳(つまり、(単一)ルータ内輻輳および地域輻輳)を鎮圧することができるようにする。
(要求条件2)一旦、網内に取り込まれたパケットはなるべく廃棄せずに、その混雑状況を網内に拡散させることができるようにする。
(要求条件3)部分的な輻輳の範囲を拡大する方向に向かわせないようにする。
(要求条件4)できるだけ短時間内に輻輳を鎮静化させることができるようにする。
(要求条件5)安定した制御が可能であること、つまり、制御が発散せずに必ず収束に向かうように制御可能であるようにする。
(要求条件6)ループ内をパケットが長時間巡るようなことが起こらないようにする。
(要求条件7)ルータ間の複雑な情報の送受信(例えば、複雑な処理を要するルーチングテーブルの書き換えのための情報のやりとり)は行わずに、上記の要求条件を実現できるようにする。
(要求条件8)トランスポート層のどのプロトコル(TCP、UDP)に対しても有効に機能すること、つまり、トランスポート層プロトコルとは無関係に作動させる。
(要求条件9)2種類け経路制御アルゴリズム(距離ベクトル型、リンク状態型)のいずれに対しても有効に機能させる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、従来の課題、つまり上記各要求条件を同時に解決する有効なIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、実際に、上記各要求条件を解決するための実現法をできるだけシンプルな手順で行えるIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方式を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法としては、単純処理放棄方式と補助RT(ルーチングテーブル)切換方式の2種類を考える。その1つは、各ルータ内のルーチングテーブルを操作することはせずに、単純にパケットを周囲の非輻輳ルータに転送することにより、輻輳を鎮静化しようとする方式(単純処理放棄方式(以下、方式1))であり、他の1つは、上記単純処理放棄方式の機能に加えて、輻輳ルータからのパケットを受け取ったルータは、第2のルーチングテーブルに切り替え、そのテーブルから一定時間だけ輻輳しているノードを削除する方式(補助RT(ルーチングテーブル)切換方式(以下、方式2))である。
【0008】
ところで、本発明の対象とする範囲は、1つのAS(自律システム)内であるとする。その理由は、複数のASにまたがって本方式を定義すると、そのAS間では必ずしもルーチングプロトコルや情報の管理方法が同じとは限らないため、うまく作動しない場合が考えられるからである。さらに、前記のように「ローカル輻輳」を次の2種類に分類して定義する。
(A)(単一)ルータ内輻輳:何らかの原因により、ある1つのルータのみが内部輻輳を起こして、いわゆる通常の(レイヤ3までの)ルータ内処理が滞っている場合を指す。
(B)地域輻輳:何らかの原因により、連続して接続されているある範囲内の複数のルータ群が全て輻輳しており、通常のルータ内処理が行われずに、その範囲内にあるパケットが滞っている状態を指す。
なお、上記方式1(単純処理放棄方式)においては、(A)のルータ内輻輳にしか対処できない。また、上記方式2(補助RT(ルーチングテーブル)切換方式)については、(A)のルータ内輻輳は、一般に(B)の地域輻輳の最も単純な場合、つまり輻輳しているルータの数が複数でなく、単一の場合と考えられるため、地域輻輳に対してのみ記述する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すルータの機能ブロック図である。
図1に示すように、本発明のルータ10は、現在の時刻を示す時計11、設定された時間を計測するタイマ12、経路制御表であるルーチングテーブル13、輻輳している時に切り換えられ、テーブルから輻輳ノードを削除したルーチングテーブル(2)14、パケットヘッダ情報として行き先や輻輳情報を書き込むための解析または計算を行うパケットヘッダ解析/計算部15、パケットを読み取って行き先、各クラス、輻輳情報を測定するヘッダ読み取り測定部16、輻輳または行先情報をパケットヘッダに書き込むパケットヘッダ書き込み/制御部17、輻輳検出部からの輻輳情報を受け取り、それに適合した出方路を決定する出方路制御部18、しきい値と比較することにより輻輳を検出する輻輳検出部19、および輻輳情報処理やレイヤ指示を行うスケジューリング部20から構成される。なお、スケジューリング部20には、パケット処理部22およびキュー部21を含んでいる。
また、本方式の性質上、他のASへの境界に位置するAS境界ルータ(エッジルータ、ボーダールータ等を含む)は、本方式の適用範囲外とする。すなわち、1つのAS(または、経路制御ドメイン、地域ネットワーク、ISP(Internet Service Provider))内のバックボーンルータ、内部ルータ、エリア境界ルータ等が本発明の対象となる。
【0010】
(方式1使用の場合)
ここでは、方式1を使用する場合を説明する。いま、あるルータα(図1の10に相当)が輻輳するものと仮定する。
ある方法(例えば、キュー長、プロセッサ使用率、使用帯域の合計値等がしきい値を超えた場合に輻輳と判断する方法)により輻輳検出部19が輻輳を検知したならば、このルータαは、即座にテーブルルックアップ等のレイヤ3の通常の処理を停止する。そして、パケット処理部22を通じてキュー21内に配列されているパケットを即座にN本の出方路に均等に(例えば、ラウンドロビンで)送出する。その場合に、パケットヘッダ書込/制御部17が各パケットのヘッダ内のある予め決めておいた空きビット(例えば、Lビット目)に「1」を立てる。ただし、出方路には、それぞれのパケットが本ルータαに到着する直前に経由したルータは選択しないようにする。
【0011】
輻輳ルータαからパケットを受け取った隣接ルータβ(図1の10に相当)は、ヘッダ読取測定部16によりこのパケット内のヘッダのLビットを調べ、もし「1」が立っていることを確認したならば、ルータαが輻輳していることを知り、受け取ったパケットのLビットを「0」に戻して、このパケットに対して通常処理を行う。ルータαは、輻輳が収まったならば通常処理に戻る。また、輻輳ルータαからパケットを受け取ったルータβもまた輻輳している場合(輻輳検出部19で検出)には、即座にそのルータβのパケット処理部22においてパケットを廃棄する。すなわち、この方式では、地域輻輳には対処できない。何故ならば、本方式を用いると、テーブルを書き換えないために、パケットが何度も輻輳ルータがある地域内を巡回してしまい、遅延時間だけが延びてしまうことが起こり得るからである。
【0012】
(方式2使用の場合)
図2は、本発明の一実施例を示す処理放棄型ローカル輻輳制御方式の説明図であって、あるパケットが地域輻輳内を転送される経路図、時間経過図および処理の種類を示す図である。
いま、図2(a)に示すように、パケットαがルータ(A)31からルータ(B)32,(C)35,(D)36,(E)33,(F)34を経由して転送される場合に、(C)35と(D)36の2つが輻輳ルータであったとする。
時間の経過を示すと、図2(b)のように、ルータA,B,C,D,E,Fの順序にパケットが転送される。▲1▼〜▲4▼は各ルータの処理の種類を示すもので、各々ルータの状態によって処理の種類が異なる。図2(c)に示すように、▲1▼は通常処理であり、▲2▼は輻輳時の処理であり、▲3▼は輻輳検知時の処理であり、▲4▼はルーティングテーブル(RT)の切り換え処理(復帰処理)である。
【0013】
図2(b)のように、先ずルータA、Bでは通常処理▲1▼を行い、輻輳ルータC,Dでは輻輳時▲2▼の処理を行う。この場合には、図1で説明したように、Lビットを「1」にし、(L+1)〜(L+m)ビットに「1」を加算し、自身のIPアドレスの書き込みを行い、出方路の1つを選択して送出する。
次に、ルータEでは、輻輳検知時の処理▲3▼とルーチングテーブル切り換え処理▲4▼を行う。すなわち、輻輳検知時には、ルーチングテーブル(RT1)→(RT2)に切り換え、次に(RT2)から輻輳ルータアドレスを削除し、Lビットを「0」にして通常処理を行う。その後、T1時間経過してから(RT2)→(RT1)への切り換えを行い、元に戻す(復帰処理)。ルータFは通常処理▲1▼を行う。それ以後は、ルータFと同じである。
【0014】
図3は、本発明の一実施例を示す処理放棄型ローカル輻輳制御の処理方法のフローチャートである。
この図は、方式2の場合を示しているが、方式1の場合には、この部分集合として考えることができる。
今、あるルータαに着目する。
(1)このルータαが輻輳していない場合
(1−1)直前通過ルータγが輻輳していない場合:この場合には通常の処理を行う。すなわち、図2(b)のルータBと同じ状態である。
【0015】
(1−2)直前通過ルータγが輻輳している場合、
・先ず、パケット内のヘッダの第Lビットを調べ、「1」が立っていることを確認したならば、ルータγが輻輳していることを知り、第2ルーチングテーブル(RT2)に切り換える(このとき、RT2の内容はRT1と同じ)。
・次に、第(L+1)〜(L+m)ビットを調べ、その個数分のIPアドレスを第Mバイト以降から読み込み、そのアドレスをRT2から削除する(すなわち、ある一定時間T1経過したならば、このRT2からRT1に戻し、RT2の内容もRT1のデフォルト内容に戻す)。
・そして、受け取ったパケットのLビットを「0」に戻して、この後は、このパケットに対して通常処理を行う。
【0016】
(2)このルータαが輻輳している場合
ある方法(例えば、キュー長、プロセッサ使用率、使用帯域の合計値等がしきい値を超えた場合)で輻輳を検知したならば、このルータαは、即座にテーブルルックアップ等のレイヤ3の通常の処理を停止して、次の処理を行う。
・到着パケットのヘッダ内の第Lビットが「0」であるときには「1」を立て、「1」であるときにはそのままの値とする。
・第(L+1)〜(L+m)ビットの値を、「1」を加えた値に変更する。
【0017】
・第(L+1)〜(L+m)ビットの(1を加えた後の)値が2進数の「K」という値である場合には、ルータα自身のIPアドレスを第{M+32(K−1)}バイト〜第(M+32K−1)バイトに書き込む。すなわち、IPアドレスを書き込む番地は、自分自身が、
1番目の輻輳ルータである場合:第Mバイト〜第(M+31)バイト
2番目の輻輳ルータである場合:第(M+32)バイト〜第(M+63)バイト
・・・・
n番目の輻輳ルータである場合:第{M+32(n−1)}バイト〜第(M+32n−1)バイト
・・・・
に書き込むことになる(以上は、IPv4の場合であり、IPv6の場合には「32」を「128」と置き換えて考える必要がある)。
そして、キュー内に並んでいるパケットを即座にN本の出方路に均等に(例えば、ラウンドロビンで)送出する。
【0018】
ここで、同じ輻輳ルータを再び通過した場合には、重複してIPアドレスを書き込むことはしないものとする。すなわち、第(L+1)〜第(L+m)ビットに記述されている輻輳ルータの数と第Mバイト以降に記述されているIPアドレスの少数は常に一致していることになる。また、出方路としては、それぞれのパケットが本ルータに到着する直前に通過したルータは選択しない(つまり、今通過してきたばかりのルートを逆行することは禁止する)ものとする。
【0019】
このようにすれば、ある複数輻輳ルータ群を通過している間は、そのパケットは、1つ1つ輻輳ルータのIPアドレスをヘッダに書き加えていき、下位レイヤのみ処理されて、次のルータに転送され、(輻輳地域を抜け出して)正常ルータにたどり着いたならば、初めて通常処理を施されることになる。各正常ルータがRT2を使用する時間の長さは、RT2に切り換えた時刻からT1時間経過するまでである。また、周辺の正常ルータ群は、このパケットだけでなく、他のパケットをも輻輳ルータ群に送ることがなくなり、T1として適切な時間を選択すれば、比較的短い時間で輻輳を終結させることができる。輻輳ルータ群も、隣接(正常)ルータ群がパケットを受け取ってから時間T1の間は自分の存在がなくなる(すなわち、輻輳を検知した隣接(正常)ルータ群がRT2に切り換えて、それらのRT2からは自分の名前が削除されている)ことを知っており、このT1時間経過した後は(当然、輻輳は収まっているようにT1は設定されているので)、通常処理を始める。
【0020】
図3のフローを、図1のブロック図を用いて説明する。
図3のフローでは、パケットが到着する毎に(ステップ101)、輻輳検出部19がキュー21内の待ちパケット数を表わすキュー長を判別することにより(ステップ102)、自ルータが輻輳していることを知るとともに、直前のルータが輻輳していることは、ヘッダ読取測定部16によりステップ111のLビット=「1」であるか否かを判定することにより知る。自ルータが輻輳している場合には、ヘッダ読取測定部16によりLビットが「1」であるか否かを調べ(ステップ103)、そうでなければパケットヘッダ書込/制御部17によりLビットを「1」にセットする(ステップ104)。そして、第Mバイト以降に本ルータのアドレスが有れば(ステップ105)、パケット処理部22において異常処理として、下位レイヤのみの処理を行い(ステップ108)、出方路制御部18がある規律に従って出方路を選択して(ステップ109)、パケットを送出する(ステップ110)。
ヘッダ読取測定部16の読取結果で、第Mバイト以降に本ルータのアドレスが無ければ(ステップ105)、パケットヘッダ書込/制御部17により第(L+1)−(L+m)ビットの値に「1」を加算し(ステップ106)、第Mバイト以降の最初の空き番地に本ルータのアドレスを書き込む(ステップ107)。そして、前述と同じように、パケット処理部22において異常処理を行って(ステップ108)、出方路制御部18により出方路選択の後、パケットを送出する(ステップ109,110)。
【0021】
一方、本ルータが輻輳していない時に(ステップ102)、ヘッダ読取測定部16によりパケット内のヘッダの第Lビットを調べ(ステップ111)、「1」でなければ通常処理(テーブルルックアップ等を含む)を行う(ステップ112)。すなわち、パケットヘッダ解析/計算部15がルーチングテーブル13をルックアップすることで、行先情報を得た後、パケットヘッダ書込/制御部17により行先情報をパケットに書き込むことにより、その行先情報に従ってパケットを送出する。第Lビットが「1」のときには、前のルータが輻輳していることを知り、パケットヘッダ解析/計算部15はタイマ12を起動指示し、切換制御トリガを送出してルーチングテーブルをRT(1)13からRT(2)14に切り換え、タイマ12を「0」にセットする(ステップ113)。タイマ12が進んでタイマ値が「T1」になったならば(ステップ116)、ルーチングテーブルをRT(2)14からRT(1)13に切り換え(ステップ117)、ルーチンを終了する(ステップ118)。
この後、ヘッダ読取測定部16はパケットヘッダの第Mバイト以降のアドレスを読み込み、パケットヘッダ解析/計算部15によりそれらをRT(2)14から削除し(ステップ114)、パケットヘッダ書込/制御部17によりLビットを「0」にセットする(ステップ115)。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ローカル輻輳をできるだけ短時間内に鎮静化させることができる。また、網内に取り込まれたパケットを廃棄せずに、混雑状況を網内に拡散させることができ、部分的な輻輳の範囲を拡大させることなく、安定した制御が可能である。さらに、ルータ間の複雑な情報の送受信を行うことなく、またループ内をパケットが長時間巡るようなことは起らず、トランスポート層プロトコルとは無関係に動作し、距離ベクトル型およびリンク状態型の経路制御アルゴリズムに対し有効に機能する。その結果、網内の各リソースを大幅に設置し直したり、新しく輻輳制御装置を導入することなく、ローカル輻輳を鎮静化させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す処理放棄型ローカル輻輳制御方式のルータ内のブロック構成図である。
【図2】本発明による処理放棄型ローカル輻輳制御方式で、あるパケットが輻輳地域内を転送される時間経過図である。
【図3】本発明の一実施例を示す処理放棄型ローカル輻輳処理方法の動作フローチャートである。
【符号の説明】
10…ルータ、11…時計、12…タイマ、13…第1のルーチングテーブル、
14…第2のルーチングテーブル、15…パケットヘッダ解析/計算部、
16…ヘッダ読取測定部、17…パケットヘッダ書込/制御部、
18…出方路制御部、19…輻輳検出部、20…スケジューリング部、
21…キュー部、22…パケット処理部。
Claims (4)
- 1つのAS内の中継ルータで内部輻輳を検出したとき、あるいはIP網内のある範囲の複数の中継ルータ(B〜N)で同時に輻輳が検出され、地域輻輳が生じたとき、対象となる輻輳ルータ(A、またはB〜N)内では即座にテーブルルックアップ等のレイヤ3の通常の処理を停止し、
(a)キュー内に並んでいるIPパケットのヘッダ内の予め定めた空きビットに「1」を立て、該IPパケットを即座に1以上の出方路に均等に送出し、
(b)該IPパケットを受け取った隣接ルータは、
もし正常ルータであれば、上記予め定めたビットの「1」を「0」に戻して、該IPパケットに対して通常処理を行い、
もし輻輳ルータであれば該IPパケットを廃棄する
ことを特徴とするIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法。 - 請求項1に記載のIP網における処理放棄型ローカル輻輳処理方法において、
前記中継ルータが輻輳しておらず、かつ予め定めたLビット目に「1」が立っていることを検出したならば、直前通過ルータが輻輳していることを知り、
第1のルーチングテーブルを第2のルーチングテーブルに切り換え、
第(L+1)〜(L+m)ビットを調べて、その個数分のIPアドレスを第Mバイト以降から読み込み、該アドレスを上記第2のルーチングテーブルから削除し、
予定時間経過後に、上記第2ルーチングテーブから第1のルーチングテーブルに戻し、
受け取ったIPパケットのLビット目を「0」に戻して、以降は通常処理を行うことを特徴とするIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法。 - 請求項1に記載のIP網における処理放棄型ローカル輻輳処理方法において、
前記中継ルータが輻輳しており、かつ予め定めたLビット目に「1」が立っていることを検出したならば、直前通過ルータが輻輳していることを知り、
即座にテーブルルックアップ等のレイヤ3の通常処理を停止し、
到着IPパケットのヘッダ内の第Lビットが「0」であれば、「1」を立て、 第(L+1)〜(L+m)ビットで構成される2進数の値を、それに「1」を加えた2進数の値に変更し、
第(L+1)〜(L+m)ビットの値が2進数の「K」の値であれば、自ルータのIPアドレスを第{M+32(K−1)}バイト〜第(M+32K−1)バイトに書き込み、
キュー内に並んでいるパケットを即座に複数の出方路に均等に送出することを特徴とするIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方法。 - 他のASへの境界に位置するAS境界ルータ以外の1つのAS内の中継ルータであって、
パケットヘッダ情報から行き先、輻輳情報を読み取るヘッダ読取測定部と、
自ルータが輻輳を検出したとき、パケットヘッダ内の予め定めた空きビットに「1」を立て、また輻輳の検出後に受け取ったパケットヘッダ内の予め定めたビットの「1」を「0」に戻すパケットヘッダ書込/制御部と、
キュー長等がしきい値を超えたとき自ルータが輻輳していることを検出する輻輳検出部と、
パケットヘッダ情報を解析し、前記輻輳検出部が輻輳を検出したとき、レイヤ3の通常処理を停止して、キュー内のIPパケットを複数の出方路に均等に送出させるパケットヘッダ解析/計算部と、
直前ルータが輻輳している場合に、前記パケットヘッダ解析/計算部により第1から第2のルーチングテーブルに切り換えられ、予め定めた時間だけ経過した後に第2から第1のルーチングテーブルに戻されるルーチングテーブルと、
上記予め定めた時間を計測するタイマと
を有することを特徴とするIP網における処理放棄型ローカル輻輳制御方式。
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