JP3583747B2 - ネットワーク管理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークシステムにおいて、コネクションを設定するために必要な情報や端末の生存などを管理するためのネットワーク管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ATM交換システムでは、有意情報のみセルと呼ばれる53バイト固定長のパケットに載せてデータ通信を行うので、単位時間当たり有意情報量が大きく変動するマルチメディア環境下でも、複数ユーザによる交換資源の共有化が可能となる。この複数ユーザによる交換資源の共有化によるコストダウンの可能性のため、ATM交換技術は、B−ISDNを実現する唯一の解として、現在、研究・開発が活発に行われている。
【0003】
従来のATM交換システムは、電話網のシステム構成方法を基に構成されているので、後述するように電話等のデータ通信には適しているが、従来から行われているコンピュータ間のデータ通信に対しては必ずしも適していない。
【0004】
以下、(1)従来のATM交換システムでのデータ通信方法、とともに(2)イーサネットLAN(Ethernet−LAN)におけるコンピュータ間のデータ通信、に関して、図を参照しながら具体的に説明する。
【0005】
1)従来のATM交換システムでのデータ通信方法について
図56(a)に従来のATM交換システムの一例を、図56(b)〜(d)にATM交換システムで用いられるセル・フォーマットを示す。(b)は(a)のATM交換機802に入力されるセルのフォーマットであり、(c)はATM交換機802内におけるセルのフォーマットであり、(d)はATM交換機802から出力されるセルのフォーマットである。
【0006】
図56(a)に示すような従来のATM交換システムでは、ATM交換機802に入力されたセルのヘッダに含まれるVPI(Virtual Path Identifier )およびVCI(Virtual Channel Identifier)と呼ばれる領域が参照され、ATM交換機802内にあるルーティングタグ・テーブル(図示せず)に予め設定されたルーティング情報を基にルーティングされるので、データ送信端末803のセル転送に先だって、前記ルーティング情報が設定されていなければならない。また、前記したように、従来のATM交換システムは複数ユーザによる交換資源の共有化によってコストダウンを図ろうとしているが、網がユーザに対し新たにデータ通信サービスを提供する場合、前記データ通信を網が受け入れても、交換資源を共有している他のユーザのデータ通信のQOS(Quality Of Service)を網が保証しなければならない。従って、従来のATM交換システムでは、データ転送に先だって、データ送信端末803からデータ受信端末804までのルーティングタグ・テーブルの設定と、前記データ転送サービスに必要なセル廃棄率の保証あるいは最大セル転送遅延といったQOSと、平均/ピーク使用帯域(単位時間当たりのデータ転送量)といったトラヒックパラメータの使用とを、ATM交換システム内に存在する呼設定手段824に対し呼設定要求として行う。網は、データ送信端末803から出された前記呼設定要求を受け入れられる場合、前記ルーティングタグ・テーブル等の設定を行うとともに、前記データ送信端末803が送信するセルに書き込むVPI/VCI等を前記データ送信端末804に通知する。
【0007】
データ送信端末803は、呼設定が終了してからセル転送を開始する。すなわち、データ送信端末803は、まず、網から送られたVPI/VCI等を基にヘッダと呼ばれる5バイトデータを作成し、送信するデータのうち有意情報のみ定義されたプロトコルに従って、48バイトの情報フィールドに入るよう分割/コーディングを行う。最後に、作成したヘッダと情報フィールドを結合してセルを作成し、前記セルをデータ送信端末803からATM交換機802に送信する。
【0008】
ATM交換機802に有効セルが入力された場合、該入力セルのVPI/VCIが参照され、呼設定時に設定されたルーティング情報を基に、該ATM交換機802の所望の出力から出力されるようにスイッチングが行われる。
【0009】
具体的には、まず、ATM交換機802に入力されたセルは前処理部821に入力され、該前処理部821では、入力セルのVPI/VCIをキーとしてルーティングタグ・テーブルを検索し、呼設定時に前記VPI/VCIに対して設定されたルーティングタグを検索する。次に、該前処理部821は、前記検索したルーティングタグを入力セルに付加し、前記ルーティングタグを付加したセルをスイッチ822へ転送する。スイッチは、入力セルのうち、前処理部821で付加されたルーティングタグを参照し、前記ルーティングタグに従ってスイッチングを行い、所望の出力から後処理部823へ該入力セルを転送する。前記スイッチ822において、入力セルのVPI/VCIを参照する代わりにルーティングタグを参照する理由は、VPI/VCI領域の大きさ(bit数)は大きく、VPI/VCI領域全体をデコードするのは効率が悪いので、前記領域をデコードする代わりにスイッチ規模に合った大きさのルーティングタグを前処理部821で付加し、スイッチ822では前記ルーティングタグをデコードすることによって効率化を図るためである。最後に、後処理部823は、スイッチ822から転送された入力セルのうち、前処理部821で付加したルーティングタグを削除し、ATM交換機802の所望の出力からセルを出力する。
【0010】
また、前記したように、VPI/VCIはATM交換機802の前処理部821のルーティングタグ・テーブルのエントリとして使用されるので、データ送信端末から送信されたセルが複数のATM交換機を経由してデータ受信端末に転送される場合、経由するATM交換機のルーティングタグ・テーブルの都合に従って、前記VPI/VCIをセル転送路の途中のATM交換機で書き換えなければならない場合がある。従って、この場合に対応するために、ATM交換機802に入力されたセルのVPI/VCIをキーとして、ATM交換機802の出力側のVPI/VCIを検索し、入力セルのVPI/VCIを該検索したVPI/VCIで置き換えるVPI/VCI変換機能が、ATM交換機802の前処理部821または後処理部823に実装されている場合がある。
【0011】
データ送信端末から送信されたセルは、複数のATM交換機を経て所望のデータ受信端末に転送される。データ受信端末は、受信したセルから、定義されたプロトコルに従ってデータ送信端末が送信したデータを再生する。
【0012】
また、データ送信端末は、呼設定時、網に申告したトラヒック・パラメータを守ってデータ転送を行うのであるが、網に接続されたすべてのデータ送信端末が常に前記トラヒック・パラメータを守るとは限らないので、網は、データ送信端末が前記トラヒック・パラメータを守ってデータ転送を行っているかどうかチェックしなければならない。なぜなら、網に接続されたデータ送信端末の中に、前記トラヒック・パラメータを守らない違法なデータ送信端末、パラメータの設定を間違えたため前記トラヒック・パラメータを守ることのできないデータ送信端末、または障害が発生したため前記トラヒック・パラメータを守らないデータ送信端末等が存在した場合、前記データ送信端末の送信するセルによって、網が、交換資源を共有している他のデータ転送のQOSを保証できない場合が起こり得るからである。
【0013】
前記目的を達成するために、網は、まず呼設定時に、データ送信端末803が申告したトラヒック・パラメータを前記データ送信端末803が守っているかどうかチェックし、前記データ送信端末803が送信するセルが前記トラヒック・パラメータを違反した場合、前記セルを廃棄するか、または前記セルに対して目印を付けるタギング(tagging )を行う。次に、該タギングしたセルを網が受け入れることによって、他のデータ転送のQOSを保証できない場合、該タギングしたセルを廃棄することによって、他のデータ転送のQOSを網が保証することができる。具体的には、図56(a)に示すATM交換機802内の前処理部821のポリシング部(PL)841において、呼設定時に、データ送信端末803が申告したトラヒック・パラメータを、該データ送信端末803が違反していないかどうかチェックし、前記データ送信端末803から送信されたセルが前記トラヒック・パラメータを違反していた場合、前記セルを廃棄、または前記セルのCLP(Cell Loss Priority)ビットをセットすることによってタギングを行う。ATM交換機802が、該タギングしたセルを受け入れることによって、他のデータ転送のQOSを保証できない場合、該タギングしたセルを廃棄する。
【0014】
一方、データ送信端末803は、送信するセルが、呼設定時、網に申告したトラヒック・パラメータを違反しないように、データ送信端末803内のシェイピング部(SH)831において、送信するセル流を整形して、セルを送信する。
【0015】
次に、ATM交換システムにおける端末の立ち上げ手順(特に、メタシグナリング手順)は以下のようになる。すなわち、ATM交換システムに接続された端末803は、起動(boot)時、メタシグナリング・セルと呼ばれるVPI/VCIに特定値を持ったセルを、網の管理機能を提供する網管理手段(図示せず)に向けて送信する。網管理手段は、メタシグナリング・セルを受信した場合、前記メタシグナリング・セルが転送されてきたセル転送路に接続された端末803が起動したことを認識し、前記端末803に対してシグナリング・チャネルの帯域の割り当てや、前記端末803からATM交換システム内の呼設定手段824までのルーティング・テーブルの設定等を行う。網管理手段は、前記設定が終了した後、前記端末803の使用するシグナリング・セルのVPI/VCI等を前記端末に通知する。前記シグナリング・セルは、端末803が網に対して呼設定要求を行う場合に使用される。
【0016】
次に、従来のATM交換システムにおけるコピーコネクションのサポート方法について具体的に説明する。
【0017】
コピーコネクションには、サブネット内のすべての端末にデータを転送するブロードキャスト・コネクションと、指定された複数の端末にデータを転送するマルチキャスト・コネクションの2種類のコピーコネクションがある。以下、まず、ATM交換システムにおける前記2種類のコピーコネクションの必要性について説明する。
【0018】
TCP/IP等、従来方法によるコンピュータ間通信には、後述するようにサブネット内の端末(Host)に対し、データグラムをブロードキャストする場合があるので、従来のATM交換システムで従来方法によるコンピュータ間通信を行う場合、何らかの方法によってユーザに対しブロードキャスト・サービスを提供しなければならない。また、ネットワークを用いてテレビ会議等を行う場合、同じ画像を複数の端末に転送しなければならないが、ネットワークが何らかの方法でマルチキャスト・サービスをユーザに提供することができるなら、ユーザはネットワークに画像を1回送信すれば、ネットワークが複数の端末に同じ画像を送信してくれるので、ユーザは効率的なデータ転送をすることができる。
【0019】
以下、従来のATM交換システムにおいてコピーコネクションを実現する方法について、図57を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
図57(a)は、コピースイッチによるコピーコネクションの実現方法である。ATM交換機のセルスイッチとして、コピースイッチ844を用いた場合、コピーコネクションに属しないセルおよびコピーコネクションに属するセルの両方のを、1つのセルスイッチで扱うことができる。まず、コピーコネクションに属しないセルが、前記コピースイッチ844に入力された場合、該入力セルは通常セル用バッファ846に入力され、一般のATMセルスイッチと同じようにスイッチングが行われる。一方、コピーコネクションに属するセルが入力された場合、該入力セルはコピーセル用バッファ848に入力され、該入力セルの属するコネクションに指定された出力ポート850,850,850に指定された回数コピーされることによって、ユーザに対しコピーコネクションを提供することができる。
【0021】
しかし、このようにコピーコネクションの実現方法としてコピースイッチを用いた場合、コピースイッチの出力ポートは、コピーコネクションに属するセルとコピーコネクションに属しないセルのうち、いずれか一方のセルを選択して出力しなければならないので、コピースイッチの出力ポートの出力アルゴリズムは複雑になってしまうという問題点があった。また、コピースイッチをLSI化する場合、コピースイッチに入るコピーセル用バッファの大きさには制限があるが、前記したようにコピーセル用バッファ848に入力されたセルは、指定された回数コピーされるまではバッファから出力されないので、コピーセル用バッファ848はコピーコネクションに属するセルでオーバーフローしやすく、コピーコネクションに属するセルは廃棄されやすいという問題点があった。
【0022】
図57(b)は、コピー機能を提供するコピー手段を適用したコピーコネクションの実現方法である。コピーコネクションの実現方法としてコピー手段854による方法を用いた場合、コピーコネクションに属するセルがATM交換機に入力された場合、まず、前記セルはセルスイッチ852によってコピー手段854に転送されるようにスイッチングされる。コピー手段854は、前記コピーコネクションに属するセルが入力された場合、前記セルをバッファ856に格納し、前記セルの属するコネクションに対し指定された出力ポート858,858,858に、指定された回数だけ前記セルをコピーして出力することによって、ユーザに対しコピーコネクションを提供することができる。一方、コピーコネクションに属しないセルがATM交換機に入力された場合、前記セルは、セルスイッチ852の所望の出力ポート858,858,858から出力されるようにスイッチングが行われる。
【0023】
コピーコネクションの実現方法としてコピー手段が用いられた場合、セルスイッチ内で入力セルのコピーを行う必要はないので、コピースイッチを用いた場合に比べセルスイッチの構造は簡単になるという利点がある。また、コピーセル用バッファをセルスイッチ内に持つ必要はなく、コピー手段内に持てばよいので、コピースイッチの場合に比べてより多くのコピーセル用バッファを持つことができ、コピーコネクションに属するセルがより廃棄されにくいという利点がある。
【0024】
しかし、コピー機能を提供するコピー手段に実装されるコピーセル用バッファの大きさは有限であるので、前記コピーコネクションに属するセルはコピーコネクションに属していないセルに比べて廃棄されやすいという問題点があった。コピーコネクションに属するセルがコピー手段に入力された場合、コピー手段内で所定の回数コピーされ出力されるが、コピー手段の出力が1つしかない場合、コピーされたセルは同時には1つしか出力できないので、前記コピー手段による方法を用いた場合、コピーコネクションに属するセルに対してサービスをするのに時間がかかってしまうという問題点がある。この問題点はコピー手段の出力を1つ以上にすることなどによって解決することができるものの、前記コピー手段の出力を1つ以上とした場合には、セルスイッチのコピー手段以外からの入力の数が少なくなるので、入出力数の大きいセルスイッチを構成したいときなどは新たな問題となる。
【0025】
図57(c)は、コピーサーバ862によるコピーコネクションの実現方法である。コピーコネクションの実現方法として、コピーサーバー862による方法が採用された場合、ATM交換システムに接続している1つの端末(Host)をコピーコネクションに対しサービスを行うコピーサーバーとし、ATM交換機860は、コピーコネクションに属するセルを前記コピーサーバー862に転送し、コピーサーバー862が該転送されたセルを、該コネクションに対し指定された宛先に、指定された回数コピーし、該コピーしたセルを再びATM交換機860へ転送することによって、ユーザに対しコピーコネクションを提供することができる。
【0026】
コピーコネクションの実現方法として、コピーサーバーによる方法を用いた場合、ATM交換機内にコピー機能(コピースイッチ、コピー手段等)を持つ必要がないので、コピー機能を持たないATM交換機で、ユーザに対しコピーコネクションを提供できるという利点がある。また、図57(a)のようなATM交換機内にコピーセル用バッファを持つコピースイッチ/コピー手段に比べて、コピーサーバーの場合、コピーセル用バッファをより大きくできるので、コピーコネクションに属するセルがより廃棄されにくいという利点がある。
【0027】
しかし、コピーコネクションの実現方法として、コピーサーバーによる方法が用いられた場合、コピーサーバー862によってコピーされたセルは、同時には1つのセルしかATM交換機860へ転送できないため、コピーコネクションのサービスに時間がかかってしまうという問題点があった。また、一般に、コピーサーバーによってコピーコネクションをサポートする場合、コピーサーバーに転送されたコピーコネクションに属するセルは、コピーサーバーのOSを通してソフトウェアで処理されるため、該入力セルに対し処理を行うのに時間がかかってしまうという問題点があった。
【0028】
次に、従来のATM交換システムにおけるコネクションレス・サービスのサポート方法について具体的に説明する。
【0029】
従来のATM交換システムは、電話網の構成方法を基にシステム設計が行われているので、ATM交換システムにおけるデータ通信は、基本的には、電話網の場合と同じようなコネクション型の(コネクション・オリエンテッドな)データ通信である。すなわち、データ通信を行う必要の生じたデータ送信端末は、データ転送に先だって、まず、網に対し呼設定要求を行い、前記呼設定を受け入れられてから、該データ送信端末は網が設定したコネクションを用いてデータ転送を行うという方法を採用している。一方、従来から行われているコンピュータ間通信の多くは、後述するようにコネクションレス型のデータ通信である。従って、従来のATM交換システムで、従来の方法によるコンピュータ間通信を行う場合、何らかの方法でコネクションレス型のデータ通信をサポートしなければならない。以下、図58を参照しながら、従来のATM交換システムでコネクションレス型のデータ通信をサポートする方法について説明する。
【0030】
従来のATM交換システムでは、コネクションレス型のデータ通信は、CLSF(Connection−Less Service Function)処理によってユーザに対し提供される。具体的には、従来のATM交換システムにおいて、コネクションレス・サービスをユーザに提供する場合、部分ネット(サブネット)内に1つ以上のCLSF処理手段を設け、前記CLSF処理手段とコネクションレス型データ通信を行うサブネット内のすべての端末(Host)との間に、前記データ通信用のコネクションを予め設定しておく。また、前記CLSF処理手段と少なくとも前記サブネットの上位サブネット内のCLSF処理手段との間に、コネクションレス型のデータ通信用のコネクションを予め設定しておく。前記2種類のコネクション(CLSF処理手段と端末間のコネクション/CLSF処理手段間のコネクション)を用いることによって、従来のATM交換システムにおいてコネクションレス型のデータ通信サービスが実行される。
【0031】
以下、図58を用いて、従来のATM交換システムにおける、CLSF処理手段を用いたコネクションレス型のデータ通信について具体的に説明する。
【0032】
図58において、端末(Host)874から同じサブネット内に存在する端末(Host)876へ、コネクションレス型のデータ通信を行う場合、CLSF処理手段870とサブネット内の端末(Host)874,876との間に予め設定されたコネクションレス型データ通信用のコネクションを用いて、データ通信を行う。すなわち、端末(Host)874は、前記設定されたコネクションレス・サービス用のコネクションを用いて、データをセルスイッチ864に接続したCLSF処理手段870に転送し、CLSF処理手段870が、前記コネクションレス・サービス用のコネクションを用いて前記データを端末(Host)876へ転送することによって、前記データ通信が実行される(経路1参照)。
【0033】
また、図58において、端末(Host)874から上位サブネット内に存在する端末(Host)878へ、コネクションレス・サービスを用いてデータ通信を行う場合、前記予め設定されたCLSF処理手段870とサブネット内の端末(Host)874との間のコネクションと、CLSF処理手段870,872間に設定されたコネクションと、CLSF処理手段872とサブネット内の端末(Host)878との間のコネクションを用いて、データ通信を行う。すなわち、端末(Host)874は、まず、前記予め設定されたコネクションレス・サービス用のコネクションを用いて、データを、セルスイッチ864に接続したCLSF処理手段870に転送し、次に、CLSF処理手段870が、前記データを、前記予め設定されたコネクションレス・サービス用のコネクションを用いて、セルスイッチ868に接続しているCLSF処理手段872に転送し、最後に、CLSF処理手段872は、前記データを、前記予め設定されたコネクションレス・サービス用のコネクションを用いて、端末(Host)878へ転送することによって、前記データ通信が実行される(経路2参照)。
【0034】
同様に、図58において、端末(Host)874からさらに上位のサブネットにデータを転送する場合も、前記予め設定されたCLSF処理手段870とサブネット内の端末(Host)874との間のコネクションと、CLSF処理手段870,872間に設定されたコネクションを用いて、データ通信を行うことができる(経路3参照)。
【0035】
ここで、コネクションレス・サービスを、従来のATM交換システムにおいて、前記CLSFでユーザに提供する場合、少なくとも以下の2つの問題点が存在する。
【0036】
1つ目の問題点は、CLSF処理手段内のバッファ量に関する問題点である。ファイル転送等のコンピュータ間通信を、前記CLSF処理手段を用いて実行する場合、前記CLSF処理手段には多量のデータバッファが必要である。特に、複数のCLSF処理手段を経由してデータ通信を行う場合で、途中のCLSF処理手段間で誤り検出を行い再送制御を行う場合、CLSF処理手段には多量のデータバッファが必要である。一方、ファイル転送以外のレイテンシに対する要求の厳しいコンピュータ間通信をCLSF処理手段で行う場合、該CLSF処理手段における遅延を小さくするためCLSF処理手段は、ATM交換機内に実装されるが、ATM交換機内にCLSF処理手段を実装する場合、データバッファの大きさを大きくできないといった問題点があった。
【0037】
2つ目の問題点は、複数のCLSF処理手段を経由すること等によるレイテンシに関する問題点である。前記したように、ファイル転送以外のコンピュータ間通信には、レイテンシに対して要求の厳しいコンピュータ間通信も存在するが、すべてのコンピュータ間通信をCLSF処理手段を用いて行おうとした場合、前記レイテンシに関して要求の厳しいコンピュータ間通信に対し問題が生ずる。これは、CLSF処理手段を経由することによって、遅延が生じるためである。また、CLSF処理手段は、サブネット内の多くの端末(Host)によって共有しているが、複数の端末(Host)が同時にCLSF処理手段を使用し始めた場合、アクセスの競合による輻輳によって、CLSF処理手段を経由するのに大きな時間がかかる場合があるといった問題点があった。
【0038】
2)イーサネットLAN(Ethernet−LAN)におけるコンピュータ間のデータ通信について
次に、従来のイーサネットLANにおけるコンピュータ間のデータ通信について説明する。
【0039】
図59は、複数の端末(Host)880(880,880,880)が1つのバス(Ethernet)882を共有し、各端末(Host)880,880,880が前記バス型のイーサネットを用いてコンピュータ間通信を行う場合のハードウェア構成を示したものである。以下、図59を参照しながら、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いたLAN内のコンピュータ間通信について、具体的に説明する。
【0040】
バス型のイーサネットで、端末(Host)880,880,880がデータ通信を行う必要が生じた時は、まず、共有バス882上の信号を観察し、他の端末が使用しているかどうかを調べる。他の端末が共有882バスを使用していない場合、データ送信端末(例えば880)は、宛先のデータ受信端末(例えば880)の48ビットのMACアドレスを書き込んだフレームをフレーム生成手段888にて生成し、共有バス882上に送信する。この方法では、偶然、2つ以上の端末が同時にフレームを共有バス882に送信し始める場合が存在し、この場合、共有バス882上で信号が競合し不具合が発生する。この不具合に対しては、フレームを送信した端末が共有バス882上の信号を観察し、信号の衝突を検出した場合、直ちにフレームの送信を停止し、一定時間後に送信を再開するといった方法等を用いて、複数端末によるフレーム送信開始の競合は回避することができる。
【0041】
端末インタフェース884の受信部は、共有バス上に出力されるフレームを常時観察し、自分宛のフレームが共有バス上に送信された場合、前記フレームを取り込むことによって、データ送信端末から送られた情報をデータ受信端末が受信することができる。具体的には、端末インタフェース884内のMACフィルタ886は、製造時に個々の端末インタフェースに割り振られたMACアドレスと、ブロードキャスト・アドレスを認識し、前記MACアドレスまたはブロードキャスト・アドレスが宛先に書き込まれたフレームが共有バス882に出力された場合、前記フレームをMACフィルタ886が取り込み、該取り込んだフレームを端末インタフェース884が端末880へ送ることによって、データ送信端末が送信したフレームを、データ受信端末が受信することができる。
【0042】
次に、IP(Internet Protocol) を用いた、データ送信端末からデータ受信端末へのデータグラム転送法について、図60を参照しながら具体的に説明する。
【0043】
前記した従来のイーサネットのMACアドレスによるフレームの転送方法は、データ送信端末とデータ受信端末が同一のイーサネット上にある場合に、有効なデータ転送方法である。すなわち、従来のイーサネットでは、データ送信端末は、送信フレームの宛先アドレス・フィールドに、宛先のデータ受信端末のMACアドレスを書き込んでフレームを送信し、データ受信端末はイーサネット上に出力されるフレームの宛先アドレスを観察し、前記フレームの宛先アドレスがブロードキャスト・アドレスの場合、またはデータ受信端末のMACアドレスに等しい場合、前記フレームをデータ受信端末が取り込むことによって、データ送信端末からデータ受信端末へのデータ転送が実行される。従って、宛先のデータ受信端末がデータ送信端末と同じイーサネット上にない場合、データ送信端末から送信されたフレームは、前記イーサネット上のどのデータ受信端末によっても受信されず、前記データ送信端末から前記データ受信端末へのデータ転送を実行することはできない。従って、同一のイーサネット上にないデータ受信端末へデータを転送するには、何らかの方法を用いて、データ転送を行わなければならない。以下、そのような場合におけるIPによるデータ転送方法について説明する。
【0044】
インターネット上の端末(Host)には、一意に識別できるような32ビットのIP(Internet Protocol )アドレスが割り当てられていて、インターネットでは、前記IPアドレスを用いて、データ送信端末からデータ受信端末へのデータ転送が行われる。また、異なるイーサネットは、IPルーターによって相互接続され、前記IPルーターによって、送信フレーム中の宛先IPアドレスを基に送信フレーム中の宛先MACアドレスが変換される。
【0045】
具体的には、図60において、一方のイーサネットE0上の端末890から他方のイーサネットE1上の端末894へデータを転送する場合、まず、イーサネットE0上の端末890からIPルーター896へ、データグラムの宛先アドレスがCipで、フレームの宛先アドレスがRmac となるようなフレームを送信する。IPルーター896のイーサネットE0に対するインターフェース部は、前記フレームの宛先アドレスがRmac であるので、前記フレームを受信することができる。IPルーター896は、前記フレームを受信し、前記フレームのデータグラムの宛先に書かれているアドレス(Cip) を基にIPルーター896内のテーブルを参照し、イーサネットE1上の端末894のMACアドレス(Cmac)を検索する。次に、IPルーター896は、前記フレームの宛先MACアドレスを前記検索したMACアドレス(Cmac)に置き換えて、該フレームをイーサネットE1上に送信する。最後に、前記イーサネットE1に送信されたフレームは、前記フレームの宛先アドレスがCmac であるので、イーサネットE1上の端末894によって取り込まれる。以上説明した手順によって、データ送信端末から送信されたフレームは、IPルーターを経由して、データ受信端末へ転送される。
【0046】
以上説明したIPによるデータ転送方法は、データ送信端末とデータ受信端末が同一イーサネット上にない場合に有効な転送方法であり、データ送信端末とデータ受信端末が同一イーサネット上にある場合は、前記IPによるデータ転送方法を用いる必要はないが、データ送信端末とデータ受信端末が同じイーサネットにある場合とない場合を区別して、送信データを送信フレームにマッピングするのは面倒なので、前記したデータ送信端末とデータ受信端末が同一イーサネット上にある場合も、IPによるデータ転送方法が用いられる。すなわち、データ送信端末とデータ受信端末が同一イーサネット上にある場合も、送信データを,宛先IPアドレスを書き込んだデータグラムに入るように分割し、前記データグラムを、宛先MACアドレスが書き込まれたフレームに挿入することによって、送信データから送信フレームへのマッピングが行われている。
【0047】
以下、データ送信端末が、宛先のIPアドレスから、宛先のデータ受信端末のMACアドレスまたはIPルーターのMACアドレスを獲得するARP( Address Resolusion Protocol) と呼ばれる方法について図61を参照しながら説明する。
【0048】
前記したように、データ送信端末が同一のイーサネット上のデータ受信端末へデータ転送を行う場合、宛先のデータ受信端末のMACアドレスが必要である。また、データ送信端末が同一のイーサネット上にないデータ受信端末へデータ転送を行う場合、前記データ送信端末と同一のイーサネット上にある前記データ転送に関係するIPルーターのMACアドレスが必要である。データ転送に先だって、前記データ受信端末のMACアドレスまたは前記IPルーターのMACアドレスは、ARPと呼ばれる方法によって獲得することができる。
【0049】
具体的には、データ送信端末898は、まず、データ転送に先だって、獲得したいMACアドレスに対応するIPアドレスを書き込んだ、ARP要求メッセージと呼ばれる定められたフォーマットのデータグラムを、サブネットワーク内の端末(Host)にブロードキャストする。次に、前記ARP要求メッセージを受信した、サブネットワーク内の端末(Host)のうち、前記ARP要求メッセージに対し答えることのできる端末(Host)890は、前記ARP要求メッセージ中に書き込まれたIPアドレスに対応するMACアドレスを書き込んだ、ARP応答メッセージと呼ばれる定められたフォーマットのデータグラムを、前記データ送信端末に送信することによって、前記データ送信端末898は宛先のMACアドレスを獲得することができる。ただし、データ受信端末がデータ送信端末と同一のサブネットワーク上にある場合はデータ受信端末であるが、同一サブネットワーク上にない場合は対応するIPルーターが返答する。
【0050】
一般に、サブネットワーク内の端末(Host)に対しブロードキャストされたフレームは、サブネットワーク内のすべての端末(Host)によって受信される。前記フレームを受信した端末インタフェースは、受信フレームのうち、フレーム・データ領域に格納されているデータグラムを端末(Host)へ転送する。前記データグラムを受信した端末(Host)は、TCP/IP処理ルーチンを起動し、前記データグラムに対し処理を行う。従って、ブロードキャストされたARP要求メッセージに対し、前記ARP要求メッセージに対し応答することのできる端末(Host)では、前記データグラムによってARP応答メッセージを作成し、前記ARP応答メッセージを返送するプロセスが起動されるが、前記ARP要求メッセージに対し応答することのできない端末(Host)では、引き続いてプロセスは起動されずに、前記ARP要求メッセージに対する処理は終了してしまう。従って、前記ARP要求メッセージに対し応答することのできない端末(Host)にとっては、前記ARP要求メッセージを受信することによって、処理中のプロセスを中断して、前記ARP要求メッセージに対し不必要な処理を行わなければならないといった問題点があった。
【0051】
前記問題点に対しては、以前送信したARP要求メッセージに対する応答を基に、IPアドレスとMACアドレスの対応表(ARPテーブルと呼ぶ)を作成し、ARPを行わなければならなくなったデータ送信端末は、まず、ARPテーブルを参照し、前記テーブルでMACアドレスが検索できた場合、ARP要求メッセージをブロードキャストしないことによって、ブロードキャストする回数を減らすことができる。
【0052】
次に、ネットワーク情報を集中管理するのに有用なネットワーク・インフォメーション・サービス(Network Information Service ;以下、NISと略記する)について説明する。
【0053】
ネットワークに接続された端末(Host)は、ホストネーム、ホストIPアドレス、ユーザネーム、ユーザ・パスワードといったネットワーク情報を必要とする。例えば、前記したデータ送信端末からデータ受信端末へのデータ転送において、ユーザは、データ受信端末のIPアドレスの代わりにデータ受信端末のホストネームを用いて、前記データ受信端末を指定し、データ転送を行う場合の方が多い。上記の場合、データ受信端末のホストネームをIPアドレスに変換する変換テーブル(hosts ファイル) が必要であり、前記データ送信端末はデータ転送に先だって、ユーザから指定されたデータ受信端末のホストネームを、前記変換テーブル(hosts ファイル) を用いてIPアドレスに変換し、該IPアドレスを用いてデータ転送を開始する。従って、ユーザがデータ受信端末のホストネームを用いてデータ転送を行うためには、データ送信端末にホストネームからIPアドレスに変換するのに用いる変換テーブル(hosts ファイル) が必要である。
【0054】
ネットワークに接続された端末(Host)の数が少ない場合は、前記端末(Host)のネットワーク情報が書き込まれたファイル(例えば、hosts ファイル)を直接編集することによって、前記ネットワーク情報を管理してもそれほど面倒ではないが、ネットワークに接続された端末(Host ) の数が増加するに従って、前記ネットワークに接続された端末(Host)の前記ネットワーク情報が書き込められたファイルを直接編集して、前記ネットワーク情報を管理することはたいへん面倒となる。なぜなら、前記ネットワーク情報が変更される度に、前記ネットワークに接続された端末(Host)の数だけ前記ネットワーク情報が書き込まれたファイルを編集し直さなければならないからである。従って、ネットワークに接続されたすべての端末(Host)が必要とするようなネットワーク情報は、個々の端末(Host)の対応するファイルを直接編集することによって、前記ネットワーク情報を管理する方法よりシステム管理者が1つのファイルを編集して集中管理し、前記1つのファイルがネットワークに接続された端末(Host)に分配される方法の方が優れている。NISは、前記したような集中管理方法を、サブネットワークのユーザに提供する。
【0055】
以下、図62を参照しながら、従来のNISの構成について具体的に説明する。サブネットワークに属する端末(Host)のうち、同一のネットワーク情報を共有する端末(892,894,898,904)の集合をNISドメインと定義する。このNISドメインに属する端末(892,894,898,904)には、ネットワーク情報(以下、NIS情報と呼ぶ)を管理し、ユーザからのNIS情報の問い合わせに答えるNISサーバー(893,900,906)、およびNIS情報をサーバーに問い合わせるNISクライアント(896,902,908)が存在する。また、NISドメインに属する端末(Host)が持つネットワーク情報のうち、端末固有のネットワーク情報が格納されたファイルをNISファイルと定義し、NISドメインに属する端末間で共有するネットワーク情報が格納されたファイルをNISマップと定義する。NISドメインに属する端末(Host)が、NISファイルとNISマップを利用する方法としては、NISファイルにNISマップが追加される方法と、NISファイルがNISマップに置き換えられる方法と、NISマップが使用されずNISファイルのみ使用される方法等がある。
【0056】
上記のように、NISでは、ネットワークに接続された端末間で共有されるネットワーク情報は、システム管理者が管理するファイルで集中管理されるが、前記集中管理されるファイルは、ネットワークに接続されたすべての端末(Host)に分配され、前記分配されたネットワーク情報が、ネットワークに接続した端末(Host)によって利用される。具体的には、NISサーバーには、NISドメインに唯一存在するNISマスタサーバー(893)と、NISスレーブサーバー(900,906)の2種類のサーバーが存在し、ネットワークのシステム管理者がNISマスタサーバー893のNISマップを編集管理し、NISマスタサーバー893が、NISマップが変更された場合に前記変更されたNISマップをNISドメインに属するNISスレーブサーバー900,906に分配することによって、サブネットワークに属する端末のネットワーク情報は集中管理される。
【0057】
また、ネットワークに接続した端末(Host)には、十分なディスク容量を持った端末(Host)(例えば、図62の898あるいは904)と、ユーザファイルを格納するのには不十分であるが、システムファイルは格納することができるディスク容量を持ったデータレス・クライアント(例えば図62の894あるいは898)と、ディスクを持たないディスクレス・クライアント(例えば図62の894)とが存在する。一般的には、端末(Host)またはデータレス・クライアントにおいては、NISサーバー・プロセスとNISクライアント・プロセスが起動され、ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントにおいては、NISクライアント・プロセスのみ起動されている。端末(Host)のユーザ・プロセスが、ネットワーク情報が必要になった場合、前記ユーザ・プロセスが、端末(Host)において起動しているNISクライアント・プロセスに対し、ネットワーク情報の要求を行う。前記ネットワーク情報の要求を受けたNISクライアント・プロセスは、前記ネットワーク情報の要求を、ネットワーク上のNISサーバー・プロセスが起動している端末(Host)へリレーイングする。NISサーバー・プロセスは、前記ネットワーク情報の要求に対する応答を、前記NISクライアント・プロセスを経由することによって、前記ユーザ・プロセスに転送する。なお、図63および図64に、従来のネットワーク情報のアクセス・アルゴリズムを図示する。なお、図63および図64に示すフローチャートは、図中のL25で連結されているものである。
【0058】
NISクライアントは、ネットワーク上に存在するNISサーバーにネットワーク情報の要求を出す場合、該NISクライアントが帰属(bind)しているNISサーバーにのみ、前記要求を送信する。以下、NISクライアントのNISサーバーへの帰属(bind)アルゴリズムについて、具体的に説明する。
【0059】
NISクライアントは、起動時、NISサーバーに帰属(bind)するため、ypbind要求メッセージを網にブロードキャストし、該ypbind要求メッセージに対し、該NISクライアントに一番早くypbind応答メッセージを送信したNISサーバーに、該NISクライアントは帰属(bind)するという方法が採用されている。また、NISクライアントのNISサーバーへの参照要求に対し、NISサーバーの応答がタイムオーバーした場合、NISクライアントは、NISサーバーへの帰属(bind)をやり直すが、前記帰属(bind)のやり直しの際にも、ネットワークのブロードキャスト機能が用いられている。すなわち、前記NISクライアントは、ypbind要求メッセージを網にブロードキャストし、前記ypbind要求メッセージに対し、前記NISクライアントに一番早くypbind応答メッセージを送信したNISサーバーに、前記NISクライアントは帰属(bind)し直す、という方法が採用されている。なお、図65に、従来のNISクライアントのNISサーバーへの帰属(bind)アルゴリズムを示す。
【0060】
しかし、端末の起動時、端末(Host)のCPUは起動処理に忙しく、前記端末にNISサーバーが存在する場合でも、前記NISサーバーが前記クライアントの前記ブロードキャストに応じることができないので、一般的に、NISクライアントは、該NISクライアントが起動している端末(Host)以外の端末のNISサーバーに帰属することになる。従って、同一端末(Host)に、NISサーバーとNISクライアントが起動されている場合でも、該NISクライアントは、ネットワークを経由して他の端末で起動しているNISサーバーにネットワーク情報を要求することとなり、効率が悪いといった問題点があった。
【0061】
次に、図66を参照しながら、ディスクレス・クライアントの起動手順(boot−strap)について、具体的に説明する。ディスクレス・クライアントのブートストラップには、以下で説明する、BOOTP(BOOTstrap Protocol) と、bootparamRPCによる方法の2通りの方法が知られている。
【0062】
BOOTPは、多くのパーソナル・コンピュータで採用されているブートストラップである。ディスクレス・ワークステーションは、自分の端末のMACアドレスしか、ネットワーク情報として持っていないので、自分端末のIPアドレス、ルートファイルシステムのある端末の名前、システムファイルのある端末の名前、スワップ領域のある端末の名前等の、ブート時に必要な情報を、ネットワークを経由して手に入れなければならない。図66(a)に示すように、BOOTPでは、まず、ディスクレス・クライアント910は、ネットワークに接続している端末にBOOTP要求メッセージをブロードキャストし、ネットワークに接続している端末(Host)のうち、ブートサーバー912が、前記BOOTP要求メッセージに対し必要な情報を埋め込んだBOOTP応答メッセージを前記ディスクレス・クライアント910に送ることによって、前記ディスクレス・クライアント910はブート時に必要な情報を得ることができる。ディスクレス・クライアント910は、前記BOOTP応答メッセージを受信するまでは、自分のIPアドレスがわからないので、ブートサーバー912は、前記BOOTP応答メッセージを、宛先MACアドレスを書き込んだブロードキャストによって、前記ディスクレス・クライアント910に転送する。
【0063】
一方、図66(b)に示すように、bootparamRPCによるブートストラップでは、まず、ディスクレス・クライアント914が、ブート時に、RARP(Reverse Address Resolution Protocol)要求メッセージをネットワーク上にブロードキャストし、前記RARP要求メッセージに対して、ネットワークに接続された端末のうち前記ディスクレス・クライアントをブートするのに最も適当なブートサーバー(図66では915)が、最初に応答を返すことによって、前記ディスクレス・クライアント914は、ブートするのに必要な情報を得ることができる。また、前記ブートサーバー915以外のネットワークに接続されたブートサーバー(図66では916)が、前記RARP要求メッセージに対して遅れて応答を返すことによって、前記ブートサーバー915が他の処理の実行に忙しい場合でも、前記ディスクレス・クライアント914がブートすることができる。
【0064】
ここまで述べたように、従来のATM交換システムは、電話網の交換機の構成を基に、システム設計が行われているので、ATM交換システムにおけるデータ通信は、基本的には、電話網の場合と同じようなコネクション型のデータ通信である。すなわち、データ通信を行う必要の生じたデータ送信端末は、データ転送に先だって、まず、網に対し呼設定要求を行い、網が、前記呼設定要求を受け入れられる場合、前記呼設定要求に対し、該当するコネクションを設定する。データ送信端末は、前記呼設定が終了してから、網が設定したコネクションを用いてデータ転送を開始する、という方法を採用している。
【0065】
一方、前記したように、従来から行われているコンピュータ間通信の多くは、コネクションレス型のデータ通信であった。すなわち、データ送信端末は、網に対し呼設定要求等を行わずに、データ通信を行う必要の生じた時点で、宛先を書き込んだパケットの送信を行う。前記パケットは、網の都合によって宛先のデータ受信端末まで到着しない場合が存在するが、データ送信端末は、定義されたプロトコルまたは上位ソフトウェアによって、送信パケットが宛先のデータ受信端末まで届いたかどうか判定し、前記パケットが宛先のデータ受信端末まで届かなかった場合、前記パケットの再送等の方法によってデータ転送を行っている。
【0066】
前述した通り、ATM交換技術は、B−ISDNを実現する唯一の解として、現在、活発に研究・開発が行われているが、従来構成のATM交換システムにおいて、コンピュータ間のデータ通信の実現方法に関して、以下に示す2通りのアプローチがある。第1のアプローチの方法は、コネクション型データ通信を基に設計された従来のATM交換システムにおいて、コンピュータ間のデータ通信を、コネクション型データ通信で実現しようという方法である。第2のアプローチの方法は、コネクション型データ通信を基に設計された従来のATM交換システムにおいて、コンピュータ間のデータ通信を、従来のコンピュータ間のデータ通信と同じようにコネクションレス型データ通信で実現しようという方法である。
【0067】
第1のアプローチの方法には、前述した通り、以下のような問題点がある。まず、1つ目の問題点は、コンピュータ間のデータ通信をコネクション型のデータ通信で実行した場合、呼設定に要する時間のためのデータ転送効率の低下である。2つ目の問題点は、CLSF処理でコンピュータ間のデータ通信を行った場合、CLSF処理にコンピュータ間のデータ通信の集中によるコンピュータ間のデータ通信のエンド・エンド間での遅延の増大と、コンピュータ間のデータ通信用のセルの廃棄の増大である。また、従来のコンピュータ間のデータ通信は、コネクションレス型のデータ通信として発展し、現在、コネクションレス型のデータ通信方法としての資産が相当多く存在するが、第1のアプローチの方法を採用した場合、前記従来のコネクションレス型のデータ通信における過去の資産をどう引き継いでいくかに問題点が存在する。
【0068】
一方、第2のアプローチを採用した場合、前記したコンピュータ間のデータ通信におけるコネクションレス型データ通信の過去の資産をそのまま引き継ぐことができるので、ATM交換システムにおいて、従来方法によるコンピュータ間のデータ通信が行えるという大きな利点がある。しかし、コネクション型データ通信を基に設計された従来のATM交換システムにおいて、コンピュータ間のデータ通信に対し、コネクションレス型のデータ通信を基に設計された従来のコンピュータ間のデータ通信方法をそのまま適用することはできず、従来のコンピュータ間のデータ通信方法を、従来のATM交換システムに合うように改造しなければならない。または、逆に、従来のATM交換システムを、従来のコンピュータ間のデータ通信方法に合うように改造しなければならない。
【0069】
以下、従来のATM交換システムで、従来方法によるコンピュータ間通信を行う場合の問題点について、具体的に説明する。
【0070】
第1の問題点は、呼設定が終了するまで、データ転送が開始できないことによるデータ転送の効率の低下である。従来のATM交換システムで、コンピュータ間のデータ通信を行う場合、データ転送に先だって呼設定が行われなければならず、データ転送に比べて呼設定に時間が要する場合、データ転送の効率が低下してしまうという問題点があった。
【0071】
この問題点自体は、平成5年3月の信学会IN研究会で発表された「ATM−LANにおけるデータ転送実現法(江崎、津田、夏堀)」で示されたような、ネットワークに接続された端末(Host)間に予めコネクションを設定しておいて、データ通信を行う必要の生じた端末(Host)は、前記コネクションを用いてデータ転送を行うという方法を採用することで解決される。すなわち、サブネットワーク内、サブネットワーク外のコンピュータ間のデータ通信を行う端末(Host)間に、QOSの保証を必要としないコネクションを予め設定しておき、前記端末が前記データ通信を行う必要が生じた時に、前記コネクションを用いることによって、呼設定を行わずにデータ通信を行うことができる。この方法によれば、データ通信に際し、呼設定を行い、呼設定の終了までデータ転送を待つ必要がないので、レイテンシに対して要求の厳しいコンピュータ間のデータ通信も、効率よく実行することができる。しかし、この方法においては、セルに書かれたVPIによって、前記予め設定されたQOSの保証を必要としないコネクションが識別される(VPルーティング) ため、データ送信端末は、前記コネクションを用いてデータ転送を行う場合、前記コネクションに対応するVPIを、何らかの手段を用いて獲得しなければならない。上記方法においては、前記データ送信端末が、ARP要求セルをサブネットワークにブロードキャストし、相手端末あるいはARPサーバーが、ARP応答セルを前記端末に送り返すことによって、前記コネクションに対応するVPIを前記端末が獲得する。それゆえ、上記方法には、ARP要求セルをサブネットワークにブロードキャストする際に、網のブロードキャスト機能を使用する問題点と、スター型のネットワークの場合、宛先の端末にブロードキャストしてデータを送信できるからといって、シングルキャストして、該宛先の端末にデータが届くかどうか保証ができないといった問題点と、未知VPIに対して、ARP応答セルを端末が受信するまでデータ転送を開始することができないといった問題点があった。
【0072】
第2の問題点は、従来のコンピュータ間のデータ通信方法は、ネットワークにブロードキャスト機能があることを前提として、データ通信方法が構築されていることである。
【0073】
第2の問題点に対しては、従来のATM交換システムにおいて、何らかの方法によって、網にブロードキャスト機能を持つことによって、コンピュータ間のデータ通信を従来の方法で行うという対処方法が考えられる。例えば、前述したように、コピースイッチ、コピー機能を提供するコピー手段、またはコピーサーバーを実装することによって、網にブロードキャスト機能を持つことができる。しかし、これらの対処方法ではそれぞれ新たな問題点を生ずる。以下、各々の機能を網に実装した場合の問題点について、具体的に説明する。
【0074】
まず、セルスイッチの代わりに、コピースイッチを採用することによって、該コピースイッチで、ブロードキャスト機能を実行するという方法を採用した場合、すでに説明した通り、以下のような問題点があった。すなわち、コピースイッチの出力ポートは、コピーコネクションに属するセルと、コピーコネクションに属しないセルのうち、いずれかを選択して出力しなければならず、前記出力ポートのアルゴリズムが複雑になってしまい、コピースイッチは、その分、セルスイッチより高価になってしまうという問題点があった。また、コピースイッチをLSI化する場合、LSIに入るコピーセル用バッファの大きさには制限があるので、コピーセル用バッファの大きさを十分大きくすることはできず、コピーコネクションに属するセルは、オーバーフローしやすく、廃棄されやすいといった問題点があった。また、前記セルが廃棄された場合、クライアントは、前記セルのタイムオーバー後、再びブロードキャスト・セルを再送するので、クライアントにとっては、タイムオーバーするまで待つことによる遅延の増大という問題点を引き起こし、網にとっては、ブロードキャスト・セルの再送によって、ブロードキャスト・セルの増大といった問題点があった。
【0075】
また、セルスイッチにコピー手段を付加し、該コピー手段でブロードキャスト機能を実行する方法を採用した場合、前述した通り以下のような問題点があった。すなわち、コピー手段の場合、コピースイッチの場合に比べて、より大きなコピーセル用バッファを実装することができるが、コピー手段に実装することのできるコピーセル用バッファの大きさは有限であるので、コピーコネクションに属するセルは廃棄されやすいといった問題点があった。また、コピー手段の出力が1つしかない場合、同時には、1つのセルしかコピーし出力することができないので、コピーコネクションに属するセルの、エンド・エンド間のブロードキャスト・サービスに時間がかかってしまう、といった問題点があった。さらに、スイッチ規模が大きい場合や、他のATM交換機にコピー機能がない時に、他の交換機に対してもコピー機能を提供しなければならず、コピーセル用バッファに入力されたセルに対し、コピーし出力しなければならない回数が増大してしまうといった問題点があった。従って、この場合、エンド・エンド間のブロードキャスト・サービスの遅延の増大と、バッファにセルが滞留する時間の増大による、コピーコネクションに属するセルの廃棄の増大と、そして、前記セル廃棄の問題点に対して、コピーセル用バッファを大きくしなければならないといった問題点があった。
【0076】
一方、ATM交換システムに属する端末(Host)の1つをコピーサーバーとし、前記コピーサーバーによって、網のブロードキャスト・サービスを行う方法を採用した場合、コピーセル用バッファに対する問題点は事実上解消するが、前述した通り、以下のような問題点は解決することができない。すなわち、コピーサーバーの場合、出力が1つしかないので、同時には1つのセルしかコピーし出力することができず、エンド・エンド間のブロードキャスト・サービスに時間がかかってしまうといった問題点があった。また、通常のコピーサーバーの実装では、コピーサーバーは、OS上の1つのソフトウェア・プロセスとして実装されるので、コピーサーバーにおいて1つのセルをコピーし出力するのに時間がかかってしまうといった問題点があった。
【0077】
以上説明してきた問題点は、従来のATM交換システムにおける、コピー機能の実装形態上の問題点であったが、実装形態以外にも、コピーアルゴリズムにも、以下のような問題点が存在する。
【0078】
図67(a)は、単純なブロードキャスト・アルゴリズムを採用した場合の、交換機に入力されたブロードキャスト・コネクションに属するセルの流れを示したものである。単純なブロードキャスト・アルゴリズムを採用した場合、交換機に入力されたブロードキャスト・コネクションに属するセルは、図示したように、セルスイッチ918に接続したすべての後処理部919,919,919,919へ出力されるように、セルスイッチ918内でコピーされる。従って、前記したアルゴリズムを採用した場合、ブロードキャスト・コネクションに属するセルが入力されたポートと同じポートに存在する後処理部919にも、該コピー・セルが転送されるという問題点があった。従って、前記したアルゴリズムを採用した場合、図67(b)において、交換機920から交換機921に、ブロードキャスト・コネクションに属するセルが入力された場合、交換機921内で前記セルに対してコピーが行われた結果、交換機920にも、再びコピーセルが転送されてしまうといった問題点があった。
【0079】
この問題点は、前記単純なブロードキャスト・アルゴリズムに、ブロードキャスト・コネクションに属するセルが入力された前処理部と同じポートに存在する後処理部には転送しないアルゴリズムを付加することによって、解決することができる。しかし、該アルゴリズムを採用することで、セルスイッチは、前処理部ごとに、前記前処理部に対応するブロードキャスト・アルゴリズム(ブロードキャスト・コネクションに属するセルが入力された前処理部と同じポートに存在する後処理部には、前記セルをコピーしたセルを転送しないというアルゴリズム)を持たなければならず、1つのブロードキャスト・アルゴリズムで、簡単にブロードキャスト・サービスを提供することができないといった問題点がある。
【0080】
また、ATM交換システムの交換機間の接続にループが存在する場合、ループの影響を考慮しない、ブロードキャスト・アルゴリズムを採用した場合、前記ループによって、ブロードキャスト・ストームが発生してしまうといった問題点がある。すなわち、図67(c)において、交換機925に、ブロードキャスト・コネクションに属するセルが入力された場合、交換機925のブロードキャスト・アルゴリズムによって、コピーセルが交換機926に転送され、交換機926のブロードキャスト・アルゴリズムによって、コピーセルが交換機927に転送される。交換機927に転送されたコピーセルが、交換機927のブロードキャスト・アルゴリズムによって、交換機926に転送された結果、再び、交換機925のブロードキャスト・アルゴリズムによって、コピーセルが交換機926に転送されてしまうという、ブロードキャスト・ストームの発生といった問題点があった。また、前記ネットワーク内の経路にループが存在する場合を考慮した、ブロードキャスト・アルゴリズムは複雑であり、簡単なアルゴリズムで、ブロードキャスト・コネクションを提供することができない、といった問題点があった。
【0081】
さらに、何らかの方法によって、網にブロードキャスト機能を持つことによって、コンピュータ間のデータ通信を、従来の方法で行う場合、以下のような問題点も存在する。
【0082】
前記したように、従来のコンピュータ間のデータ通信方法において、網のブロードキャスト機能を使用するのは、クライアントが、サーバーに対して要求を出す場合のみであった。すなわち、ARPにおいては、MAC アドレスを獲得したいクライアントが、MAC アドレスを獲得するために、網のブロードキャスト機能を使用し、NISにおいては、NISサーバーのIPアドレスを知らないNISクライアントが、NISサーバーのIPアドレスを獲得するために、網のブロードキャスト機能を使用する。また、ディスクレス・クライアントは、ブートサーバーのIPアドレス等を獲得するために、網のブロードキャスト機能を使用していた。従って、従来のコンピュータ間のデータ通信方法においては、サーバーのアドレス等がわからない場合にのみ、クライアントは、網のブロードキャスト機能を用いて、サーバーとデータ通信が行われる。従って、ブロードキャストされたデータは、前記データをブロードキャストしたクライアントのサーバーにおいてのみ有効であり、前記サーバー以外の端末(Host)においては、前記データは意味をなさないので、前記サーバー以外の端末(Host)が、前記ブロードキャストされたデータを受信した場合、前記データは参照されずに廃棄されるといった問題点も存在する。
【0083】
一方、すでに説明したように、端末のネットワーク・インターフェースは、端末のMAC アドレスとブロードキャスト・アドレスのみ認識し、受信パケットのうち、前記アドレスが宛先に書かれたパケットのみ、前記インターフェース内に取り込む。前記インターフェース内に取り込まれたパケットのうち、定義されたプロトコルに従って、受信パケットの情報フィールドのみ、データ受信バッファから、端末の記憶メモリに転送され、端末のOS上のプロトコル処理プロセスによって処理されている。また、受信データの中には、端末での処理のレイテンシに対して要求の厳しい場合(ARP、NIS等) が存在するので、処理中のプロセスの実行を中断して、受信データに対して処理を行う場合も存在する。
【0084】
従って、前記サーバー以外の端末(Host)が、前記ブロードキャストされたデータを受信した場合、実行中のプロセスを中断して、前記データに対して処理を行うが、前記端末にとっては、前記データは意味をなさないため、前記データに対して何も処理が行われずに処理が終了してしまう。その結果として、前記サーバー以外の端末(Host)にとって、前記ブロードキャストされたデータを受信することによって、実行中のプロセスの中断により処理効率が低下するといった問題点があった。
【0085】
【発明が解決しようとする課題】
従来のATMでは、ネットワークの情報、例えば他の端末のアドレスと名前の組等は、端末が個別に有していたため、重複したものをそれぞれ持っているという無駄があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ネットワークの情報を端末が個別に有することなく、必要なときに獲得できるネットワーク管理方法を提供することを目的とする。
従来のATMでは、更に、端末が正常に動作しているかどうか(すなわち、生存しているかどうか)の確認を行っていなかったため、正常に動作していない端末との間に呼設定をする場合が生じるという不具合があった。
本発明は、更に、各端末が正常に動作しているかどうかを統括的かつ効率的に確認できるネットワーク管理方法を提供することを目的とする。
【0093】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つまたは複数の交換機、複数の端末、ならびに前記交換機および前記端末を含むネットワーク構成要素に関する情報を記憶しているネットワーク情報検索装置を備えてなるネットワークにおけるネットワーク管理方法であって、予め前記交換機に対し、各端末と前記ネットワーク情報検索装置との間にそれぞれ所定のユニキャスト・チャネルを設定しておくステップと、前記端末が、前記所定のユニキャスト・チャネルを用いて、他の端末へのコネクションを設定するために必要な情報を前記ネットワーク情報検索装置から獲得するステップとを有してなることを特徴とする。
【0094】
本発明によれば、コンピュータ等の端末は、該ネットワーク・システムに属するネットワーク構成要素のネットワーク情報(例えば、端末名、アドレス、宛先の端末にデータを送信するためのVPI/VCI値等) が必要な場合、予め設定された特定のチャネル(例えば、ブート・チャネルあるいはインフォメーション・チャネル)を使用して、ネットワーク情報検索装置に、該ネットワーク情報の転送を要求する。
【0095】
該ネットワーク情報の転送要求を受信したネットワーク情報検索装置は、該ネットワーク情報検索装置が管理するファイル(NISファイル等)を検索し、該要求されたネットワーク情報を、前記チャネルを使用して、該要求を送信した端末に転送することによって、該端末は、該ネットワーク情報検索装置が管理するネットワーク情報にアクセスすることができる。
【0096】
また、本発明よれば、ネットワーク情報検索装置への帰属(bind)または帰属先のネットワーク情報検索装置の変更を要求する際に、ypbindパケットをブロードキャストすることによって該要求をネットワーク情報検索装置に送信する従来のコンピュータ等の端末を、以下の方法でサポートすることができる。すなわち、ブロードキャストとして送信されたypbindパケットを、上り方向の前記チャネルを用いることによって、ネットワーク情報検索装置への帰属または帰属先のネットワーク情報検索装置の変更要求を、関連するネットワーク管理装置に送信することができる。また、ネットワーク管理装置は、下り方向のチャネルを使用することによって、設定後または変更後の帰属先のネットワーク情報検索装置に、データを送信するために使用するチャネル(例えば、インフォメーション・チャネル)のVPI/VCI値を、該要求を送信した端末に送信することができる。
【0097】
また、本発明によると、コンピュータ等の端末が、例えばコネクションレス型のデータ通信を行う等のために、宛先の端末名に対するVPI/VCI値等のネットワーク情報を獲得する必要が生じた場合、該端末とネットワーク情報検索装置との間に設定されている前記チャネル(例えば、ブート・チャネルあるいはインフォメーション・チャネル)を用いて、前記情報の検索を前記ネットワーク情報検索装置に要求する。
【0098】
ネットワーク情報検索装置は、該検索要求を受信した場合、該ネットワーク情報検索装置が管理するファイル(NISファイル)等を参照し、該宛先の端末名に対するVPI/VCI値等のネットワーク情報の検索を実行し、該検索した情報を、前記チャネルを用いて、該検索要求を送信した端末に送信する。
【0099】
このようにして、該検索要求を送信した端末は、該チャネルを経由して、該ネットワーク情報検索装置から転送された、前記情報を用いて、該宛先の端末に対し、所望のデータ通信、例えばコネクションレス型のデータ通信を行うことができるようにしている。
【0100】
したがって、本発明によれば、ネットワーク構成要素に関する情報を効率的に保持、管理できるとともに、予め前記チャネルを設定しているので、情報を獲得するのに要する時間を短縮できるという利点がある。
【0101】
また、本発明は、請求項1に係る発明において、予め前記交換機に対し、各端末と前記ネットワークに含まれる管理装置との間にそれぞれ所定のユニキャスト・チャネルを設定しておくステップと、前記管理装置が、前記所定のユニキャスト・チャネルをそれぞれ用いて各端末に対し適当なタイミングで生存を確認するための信号を送信するステップと、前記管理装置が、各端末に対してそれぞれ送信された前記信号に対する返答の有無により各端末が生存しているか否かを判断するステップとを更に有してなることを特徴とする。
【0102】
本発明によると、前記管理装置は、予め各端末との間にそれぞれ設定されている前記チャネルを用いて、各端末に対し適当なタイミングで各端末の生存を確認するための信号を送信する。
【0103】
生存確認の対象となった端末が正常に動作している場合は、前記信号は例えばループバックされて、前記管理装置に再び受信されるので、前記管理装置はこの端末が正常に動作していることを確認できる。
【0104】
一方、前記信号に対する応答信号を、前記管理装置が受信しなかった場合は、前記管理装置はこの端末は正常に動作していないと確認する。
【0105】
これによって、管理装置は、各端末が生存を確認、把握することができるようになり、正常動作していない端末との間に呼を設定してしまうような不都合を排除することが可能となる。
【0112】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。なお、説明の便宜上、次の4項目に分けて説明する。
(1)本発明に係るネットワーク・システムの構成
(2)本発明に係るVPI/VCI割り当てアルゴリズム
(3)サブネット内に複数のノードが存在する場合について
(4)サブネット間のデータ通信について
1.本発明に係るネットワーク・システムの構成
図1は、本発明の一実施例に係るネットワーク・システムの構成を示したものである。ATMを用いたローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を、本発明に係るネットワーク・サーバーで構成する場合、基本的に、以下の4つのネットワーク・サーバーで構成することができる。
(a)ノード設定サーバー(node setup server)
(b)ノード管理サーバー(node managing server)
(c)各種ネームサーバー(name server)
(d)呼設定サーバー(call setup server)
以下、図1について概略を説明した後、下記した場合について、前記4つのネットワーク・サーバーの動作を具体的に説明する。
(1−1 )LANのブートについて(シングル・ノードの場合)
(1−2 )端末のブートについて
(1−3 )ディスクレス・クライアントのブートについて
(1−4 )ARP、NISについて
(1−5 )呼設定について
(1−6 )予め設定されたコネクションを用いたデータ通信について
(1−7 )保守・管理について
まず、図1について、概略的な説明をする。なお、図1において実際は、ATM交換機2はネットワークサーバー1と端末3との間に設けられるが、説明の便宜上、図1のように示してある。
【0113】
ノード設定サーバー(node setup server)4は、クライアント(すなわちノード管理サーバー5)からの要求を受け付け、ルーティングタグ・テーブル等のハードウェア24に対し、直接、書き込んだり/読み出したりすることによって、ハードウェアの設定等を実行する。また、クライアント(ノード管理サーバー5)からの要求によって、OAM情報が書き込まれたレジスタからの読み出し等を行う。
【0114】
ノード管理サーバー(node managing server) 5は、主として、ノード(すなわちATM交換機2)の管理を実行する。すなわち、ATM交換機2の入出力線の先に端末が接続されているか否かを監視し、入出力線の先に端末が接続された場合、コンフィグュエーション・ファイル(以下、configファイルと記す)55に書き込まれている情報に従って、ATM交換機2内のルーティングタグ・テーブル等のハードウェア設定を実行する。また、ノード管理サーバー5は、クライアント(呼設定サーバー7)からの、コネクションの設定要求を受け付け、対応するノード設定サーバー4に対して、ハードウェア等の設定要求を送信する。また、ノード管理サーバー5は、ATM交換機2内のルーティングタグ・テーブルといったハードウェアの保守・管理を実行するとともに、対象とするノード(ATM交換機2)を経由するコネクションに対して、OAMセルの送受信といった、OAM機能を実行したりする。
【0115】
各種ネームサーバー(name server) 601は、宛先端末名(例えば、ホストネーム、IPアドレス、電話番号等) をキーとして、宛先アドレス(例えば、VPI/VCI)の検索といった、クライアント(例えば、NISクライアント61) からの要求を受け付け、前記ネームサーバーが管理するテーブルを検索し、検索した結果得られた情報を、クライアントに送信する。本発明を、NISを用いない、宛先またはコネクションの管理方法に適用することも可能であるが、以下、本発明の一実施例を具体的に説明するために、NISを用いた、宛先またはコネクションの管理方法について説明する。
【0116】
呼設定サーバー(call setup server) 7は、クライアント(すなわち端末3)からの呼設定要求を受け付け、対応するノード管理サーバー5に対し、コネクションの設定を要求する。また、サブネットワーク外の端末への呼設定要求を、該呼設定サーバー7が受け付けた場合、サブネットワーク内のコネクションの設定を、該サブネットワーク内のノード管理サーバー5に要求するとともに、サブネットワーク外の対応するノード管理サーバーに対し、呼設定要求のリレーイングを行う。
【0117】
図1に図示したように、端末3とネットワーク・サーバーとの間には、ブート・チャネル11、メタシグナリング・チャネル10、インフォメーション・チャネル12、シグナリング・チャネル13の4種類のチャネルが設定されていて、本発明においては、端末は、前記4種類のチャネルを用いて、ネットワーク・サーバーとデータ通信を行うことを想定している。
【0118】
前記4種類のチャネルのうち、ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10は、ネットワーク(ATM交換システム) の立ち上げ時に、ATM交換機2のすべての入出力線に対して、前記入出力線の先に接続されるであろう端末と対応するノード管理サーバーとの間に設定されるものとする。ネットワーク(ATM交換システム) の立ち上げ終了後、ATM交換機2の入出力線の先に接続された端末が起動した場合、該端末は、必要に応じてブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10を用いて、対応するノード管理サーバーに前記端末の起動に必要な情報を要求し、該端末は、前記チャネルを用いて前記情報を手に入れることを想定している。本発明の一実施例においては、具体的に説明するために、ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10は2つの異なるチャネルとして記述しているが、前記2つのチャネルが同一の一つのチャネルとして、ネットワーク・サーバーを構成することも可能である。
【0119】
また、前記4種類のチャネルのうち、インフォメーション・チャネル12とシグナリング・チャネル13は、端末3の起動時等に必要に応じて、前記端末3と対応するネットワーク・サーバーとの間に設定されるものとする。前記端末3が、コンピュータ等の端末の場合で、ネーム・サーバー601とデータ通信を行う必要のある端末であるとき、前記端末3の起動時等に、前記端末3と対応するネーム・サーバーとの間にインフォメーション・チャネル12が設定され、前記端末3は、前記チャネルを用いて前記ネーム・サーバーとデータ通信を行う、ということを想定している。また、前記端末3が、ATM端末等の場合で、新たに呼設定を行う必要のある端末であるとき、前記端末の起動時等に、前記端末と対応する呼設定サーバー7との間にシグナリング・チャネル13が設定され、前記端末3は、前記チャネルを用いて前記呼設定サーバー7とデータ通信を行うことを想定している。
【0120】
1−1.LANのブートについて(シングル・ノードの場合)
次に、図2を参照しながら、1つのノード(ATM交換機)によって、LAN(Local Area Network)が構成される場合のLANのブート方法について、具体的に説明する。なお複数のノード(ATM交換機) によって、LANが構成される場合については、(4) 節で後述する。
【0121】
本発明の一実施例においては、4つのネットワーク・サーバーでLANを構築することを目指している。4つのネットワーク・サーバーの起動順序としては、いろいろな順序が存在するが、本発明の一実施例においては、まず、ノード管理サーバー5が起動し、次に、ノード設定サーバー4が起動し、最後に、ネーム・サーバーと呼設定サーバーが起動する起動順序を例にとって、以下、LANのブート手順を具体的に説明する。
【0122】
まず、図2において、ノード管理サーバー5内のATMブートプロセス52が起動することによって、ノード管理サーバー5は起動される。次に、前記ATMブートプロセス52は、ノード設定サーバー4を起動するとともに、ノード管理サーバー5に付属するHD(HardDisc)中の管理ファイル56の初期化を実行する。ノード設定サーバー4は、起動処理中に、前記ノード設定サーバー4に付属するHDが存在する場合、HD中のバックアップ・ファイル(以下、backupファイルと記す)42の初期化と、ATM交換機2内に存在するルーティングタグ・テーブル等のハードウェア・テーブル等の初期化を実行する。
【0123】
次に、前記ATMブートプロセス52は、ノード管理サーバー5内に、端末ブートプロセス53を起動するとともに、ノード設定サーバー4に、ATM交換機2のすべての入出力線に対し、前記入出力線の先に接続されるであろう端末と、前記ノード管理サーバー5内の端末ブートプロセス53との間にブートチャネル11の設定を、前記ノード設定サーバー4に要求する。同様に、前記ATMブートプロセス52は、ノード管理サーバー5内に、端末メタシグナリング・プロセス54を起動するとともに、ATM交換機2のすべての入出力線に対し、前記入出力線の先に接続されるであろう端末と、前記ノード管理サーバー5内の端末メタシグナリング・プロセス54との間にメタシグナリング・チャネル10の設定を、前記ノード設定サーバー4に要求する。
【0124】
本発明に係るATM交換システムにおいては、端末が、ブートチャネル11またはメタシグナリング・チャネル10等を用いて、ノード管理サーバー5等に要求を送信する場合、端末ごとに固有のチャネル番号を使用するのではなく、同一のチャネル番号(例えば、well−knownチャネル番号)を使用しても良い。例えば、メタシグナリング・チャネル10を使用する場合は、VPI/VCI=1を用い、ブート・チャネル11を使用する場合は、VPI/VCI=all 1、あるいはVPI/VCI=(特定の値)を用いても良い。同一のチャネル番号を使用する場合、ATM交換機の入出力線の先に接続された端末からATM交換器に該セルが入力されたとき、どの端末から送信されたセルかを識別できるようにするために、該ATM交換機内で該セルのVPI/VCI値を書き替えるように、ノード管理サーバ5がノード設定サーバ4に対しATM交換機内のルーティングタグ・テーブル等の設定を行えば、ノード管理サーバ5は、端末から該セルを受信した場合、受信したセルのVPI/VCI値等を調べることによって、どの端末あるいはATM交換機のどの入力線の先に接続された端末から、該セルが送信されてきたかを識別できる。
【0125】
端末3がコンピュータ等の端末(Host)の場合で、前記端末の起動の際、ホストネーム、ホストIPアドレス、ルートファイルシステムが存在する端末名といった、ネットワーク情報を必要とする場合が存在する。本発明の一実施例においては、前記したようなコンピュータ等の端末が対象とするATM交換機2に接続され起動する場合、以下に示す手順で、前記コンピュータ等の端末が起動に必要なネットワーク情報を手に入れることを想定している。すなわち、まず、前記コンピュータ等の端末3が、前記ブートチャネル11を用いて、ノード管理サーバー5内に存在する端末ブートプロセス53に、ブート用セル(例えば、BOOTPセル) を送信し、前記端末3の起動に必要なブートイメージの転送を要求する。端末ブートプロセス53は、ブート用セルを受信した場合、configファイル55を参照し、前記ブート用セルを送信した端末3に対応するブートイメージを、前記ブートチャネル11を用いて前記端末3に転送することによって、前記コンピュータ等の端末3は、起動に必要なネットワーク情報を手に入れることができる。
【0126】
ATM端末等の端末3が、ATM交換機2に接続され起動する場合、前記端末3から、メタシグナリング・セルがメタシグナリング・チャネル10に送信され、シグナリング・チャネルの設定と、シグナリング・セルに用いるためのVPI/VCI値等の情報の転送とを要求する。本発明の一実施例においては、前記ATM端末等の端末3が対象とするATM交換機2に接続され起動する場合、以下に示す手順で、前記端末3が起動に必要なシグナリング・チャネルの設定等を要求することを想定している。すなわち、まず、前記端末3が、前記メタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5内に存在する端末メタシグナリング・プロセス54にメタシグナリング・セルを送信し、前記端末3の起動に必要なシグナリング・チャネルの設定を要求する。端末メタシグナリング・プロセス54は、該メタシグナリング・セルを受信した場合、configファイル55を参照し、前記メタシグナリング・セルを送信した端末3に対応するシグナリング・チャネルの設定等を行い、前記端末3が、前記シグナリング・チャネルを使用するためのVPI/VCI値等の情報を、前記メタシグナリング・チャネル10を用いて、前記端末3に転送することによって、前記端末3は、起動に必要な情報を手に入れることができる。
【0127】
前記した端末の起動手順において、端末3の起動に際し、ブートチャネル11を用いて、ノード管理サーバー5内に存在する端末ブートプロセスから53、ブート・イメージを手に入れて、メタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5内に存在する端末メタシグナリング・プロセス54に対し、シグナリング・チャネルの設定要求と、前記シグナリング・チャネルを使用するためのVPI/VCI値等の情報の転送を要求してもよい。
【0128】
また、前記した端末の起動手順において、コンピュータ等の端末3に対し、前記端末3の起動に必要な情報の要求と転送にブートチャネル11を用い、ATM端末等の端末3に対し、前記端末3の起動に必要なシグナリング・チャネルの設定と前記シグナリング・チャネル等の使用情報等の転送にメタシグナリング・チャネル10を用いているが、どちらか一方のチャネル(例えば、メタシグナリング・チャネル10) を用いて、両方の用途に用いてもよい。本発明の一実施例においては、コンピュータ等の端末の起動とATM端末等の起動とを明確に記述するために、2つのチャネル(ブートチャネル11とメタシグナリング・チャネル10) を用いた。
【0129】
また、図2には図示していないが、ノード管理サーバー5とノード設定サーバー4が起動した後、ネームサーバー(例えば、NISサーバー)と呼設定サーバーが起動される。同一端末(Host)3上に、4つのサーバー(ノード管理サーバー5、ノード設定サーバー4、ネームサーバー、呼設定サーバー) を起動する場合、例えば、ノード管理サーバー5内のconfigファイル55に、ネームサーバーと呼設定サーバーの起動手順を書き込んでおき、ノード管理サーバー5内のATMブートプロセスが前記configファイル55を読み出して前記ネームサーバーと呼設定サーバーを起動することによって、前記4つのサーバーを起動することができる。また、前記4つのサーバーが同一の端末上に存在する場合、サーバー間のデータ通信はプロセス間通信等を用いて行うことができる。
【0130】
次に、4つのサーバー(ノード設定サーバー、ノード管理サーバー、ネームサーバー、呼設定サーバー) が同一の端末上に存在しない場合のネットワーク・サーバーの起動方法、およびサーバー間のデータ通信方法について、図3を参照しながら説明する。
【0131】
前記4つのサーバーが同一の端末上に存在しない場合、前記4つのサーバー間のデータ通信は、ATM等のデータ通信手段を用いて行わなければならない。まず、ノード設定サーバー4とノード管理サーバー5との間のデータ通信路設定用の設定用チャネルとし、同様に、ノード管理サーバー5とネームサーバー(例えば、NISサーバー6)との間のデータ通信路をNIS用チャネル(17)と、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7との間のデータ通信路を呼設定用チャネル(18)とそれぞれ定義して、前記4つのサーバーの起動方法および前記チャネルの設定方法について具体的に説明する。
【0132】
まず、ノード設定サーバー4とノード管理サーバー5が同一の端末上に存在しない場合の前記2つのサーバーの起動方法と、前記2つサーバー間のデータ通信路である設定用チャネルの設定方法について説明する。ノード設定サーバー4とノード管理サーバー5が同一の端末上に存在する場合は、例えば、ノード管理サーバー5の起動手順において、ノード設定サーバー4を起動することができた。しかし、前記2つのサーバーが同一の端末上に存在しない場合は、前記した方法を採用することはできず、前記2つのサーバーは、例えば、個々の端末の起動手順において起動しなければならない。従って、ノード管理サーバー5は、前記2つのサーバーの起動後、設定用チャネルを用いて、ノード設定サーバー4に、ATM交換機2内のルーティングタグ・テーブル等の初期化と、ATM交換機2のすべての入出力線の先に接続されるであろう端末とノード管理サーバー5内の端末ブートプロセス53との間のブート・チャネル11と、前記端末3とノード管理サーバー5内の端末メタシグナリング・プロセス54との間のメタシグナリング・チャネル10等の設定を要求することになる。また、前記設定用チャネルは、以下に示すような3通りの方法で設定することができる。すなわち、1つ目の方法は、ノード設定サーバー4の起動時に、ATM交換機2のすべての入出力線の先に接続されるであろう端末3と、ノード設定サーバー4内の設定プロセス41との間に、VPI/VCI値に特別な値を持つ設定用チャネルを設定する方法である。2つ目の方法は、ノード設定サーバー4の起動時に、ATM交換機2の特定の入出力線の先に接続されるであろう端末と、ノード設定サーバー4内の設定プロセス41との間に、VPI/VCI値に特別な値を持つ設定用チャネルを設定する方法である。3つ目の方法は、ノード設定サーバー4の起動後、前記ノード設定サーバー4に対してコマンド投入等の方法を用いて、ATM交換機2の特定の入出力線の先に接続される端末3上のノード管理サーバー5と、前記ノード設定サーバー4内の設定プロセス41との間に、VPI/VCI値に特定値を持つ設定用チャネルを設定する方法である。
【0133】
次に、ネームサーバー(例えば、NISサーバー6)の起動と、NISサーバー6とノード管理サーバー5との間のデータ通信路であるNIS用チャネル17の設定方法について説明する。前記したように、ノード設定サーバー4とノード管理サーバー5の起動時に、ATM交換機2のすべての入出力線の先に接続されるであろう端末と、ノード管理サーバー5内の端末ブートプロセス53との間にブート・チャネル11が、また、前記すべての入出力線の先に接続されるであろう端末と、ノード管理サーバー5内の端末メタシグナリング・プロセス54との間にメタシグナリング・チャネル10が設定される。従って、前記ATM交換機2の入出力線の先に接続される端末は、前記ブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5に、該端末の起動を通知することができる。同様に、前記端末上に起動されるNISサーバー6は、前記ブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5に、該NISサーバー6の起動を通知することができ、該NISサーバー6の起動通知を受信したノード管理サーバー5は、前記NISサーバー6とノード管理サーバー5との間に、NIS用チャネル17の設定を行う。前記NIS用チャネル17を用いて、ノード管理サーバー5内のNISマスター・プロセス600と、NISサーバー内のNISスレーブ・プロセス601は、サーバー間の通信(yppush 、ypxfr 等) と、後述するNISマップのダウンロード等を実行することができる。
【0134】
最後に、呼設定サーバー7の起動と、呼設定サーバー7とノード管理サーバー5との間のデータ通信路である呼設定用チャネル(18)の設定方法について、説明する。前記したネームサーバーの起動方法とNIS用チャネル(17)の設定方法と同様に、呼設定サーバー7が起動される端末は、前記ブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5に、該端末の起動を通知することができる。同様に、前記端末上に起動される呼設定サーバー7は、前記ブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5に該呼設定サーバー7の起動を通知することができ、該呼設定サーバー7の起動通知を受信したノード管理サーバー5は、前記呼設定サーバー7とノード管理サーバー5との間に呼設定用チャネル18の設定を行う。前記呼設定用チャネル18を用いて、ノード管理サーバー5内の管理プロセス51および呼設定サーバー7内の呼設定プロセスは、サーバー間のデータ通信を実行することができる。
【0135】
1−2.端末のブートについて
いわゆる端末には、ディスクを持った端末(Host)と、比較的小規模のディスクを持ったデータレス・クライアントと、ディスクを持たないディスクレス・クライアントが存在する。本節では、前記ディスクを持った端末(Host)、およびOS等の実行可能ファイルをディスク中に記憶しているデータレス・クライアントの起動方法について、具体的に説明する。以下、本節では、前記ディスクを持った端末端末(Host)とデータレス・クライアントとを、特に断らない場合、単に端末と呼ぶこととする。なお、上記ディスクレス・クライアントの起動方法については、次節の(1−3) で具体的に説明する。
【0136】
以下、図1、図2、および図3を参照しながら、本発明の一実施例における端末の起動手順について、具体的に説明する。
【0137】
まず、本発明においては、(1−1 節で説明したように)ノード設定サーバー4とノード管理サーバー5の起動時に、ATM交換機2のすべての入出力線の先に接続されるであろう端末と、ノード管理サーバー5内の端末ブートプロセス53との間にブート・チャネル11が、また、前記すべての入出力線の先に接続されるであろう端末と、ノード管理サーバー5内の端末メタシグナリング・プロセス54との間にメタシグナリング・チャネル10が設定される。前記ノード設定サーバー4とノード管理サーバー5の起動後、前記ATM交換機2の入出力線の先に接続された端末が起動する場合、前記端末は、前記ブート・チャネル10またはメタシグナリング・チャネル11を用いて、該端末の起動をノード管理サーバー5に通知することができる。
【0138】
対象とするATM交換機2の入出力線の先に接続される端末が、コンピュータ等の端末の場合、該端末の起動をノード管理サーバー5に通知するためと、該端末の起動に必要なネットワーク情報(例えば、ホストネームといった情報) 等を、前記ノード管理サーバー5から得るために、該端末は、前記ブート・チャネル11を用いて、前記ノード管理サーバー5とデータ通信を実行する。すなわち、端末は、起動時、前記端末の起動を通知するために、ブート用セル(例えば、BOOTP セル、RARPセル等) をブートチャネル11を用いてノード管理サーバー5に送信し、前記ノード管理サーバー5は、前記ブート用セルを受信することによって、前記端末の起動を認識することができる。また、前記端末は、必要に応じて前記端末の起動に必要な情報の要求を前記ブート用セルに書き込んでおき、前記ブート用セルをブートチャネル11を用いてノード管理サーバー5に送信し、前記ノード管理サーバー5は、前記ブート用セルを受信し、前記ブート用セルに書かれた要求に従って、前記端末3の起動に必要な情報を前記ブート・チャネル11を用いて前記端末に送信することによって、前記端末3は起動に必要な情報を得ることができる。
【0139】
また、前記端末3は、起動時または起動後、必要に応じて、前記端末3上に起動するNISクライアント・プロセス61と、NISサーバーとの間のデータ通信路であるインフォメーション・チャネル12の設定要求を、前記ブート・チャネル11を用いて、ノード管理サーバー5に送信することとする。すなわち、コンピュータ等の端末の場合で、該端末上に、NISクライアント・プロセス61が起動され、前記NISクライアント・プロセス61が、該端末以外の端末に起動しているNISサーバーに帰属(bind)する場合、前記NISクライアント61は、サブネット内に存在するNISサーバーを何らかの方法で検索し、前記検索したNISサーバーとの間にポイント・ツー・ポイントのデータ通信路を構築する必要がある。本発明においては、前記した場合、前記端末の起動時または起動後、まず、前記NISクライアント・プロセス61が、ブート・チャネル11を用いて、ノード管理サーバー5に、サブネット内のNISサーバーの検索要求と、前記検索したNISサーバーと前記端末3との間のデータ通信路であるインフォメーション・チャネル12の設定要求とを送信する。ノード管理サーバー5は、前記NISサーバーの検索要求と、前記NISサーバーとの間のデータ通信路の設定要求を受信した場合、前記ノード管理サーバー5が、サブネット内の端末の構成についての管理情報である管理ファイル56を参照し、NISサーバー・プロセスが起動している、比較的負荷の小さい適切な端末を検索する。次に、前記ノード管理サーバー5は、前記検索したNISサーバー・プロセスが起動している端末と、前記端末3との間のデータ通信路であるインフォメーション・チャネル12を設定し、前記端末3が前記インフォメーション・チャネル12を使用するためのVPI/VCI値等の情報を、前記ノード管理サーバー5は、前記端末3に対し、前記ブート・チャネル11を用いて送信する。以上説明したような手順を採用することによって、前記端末3上のNISクライアント61は、前記インフォメーション・チャネル12を用いることによって、帰属(bind)先のNISサーバーに対して、必要なネットワーク情報の検索要求を送信したり、前記NISサーバーから、必要なネットワーク情報を受信したりすることができる。
【0140】
また、NISクライアント61は、帰属(bind)先のNISサーバーに対しネットワーク情報の送信を要求し、前記NISサーバーから前記要求したネットワーク情報が送信されてくるのを待つが、前記NISサーバーから前記ネットワーク情報の受信に時間がかかる場合、前記NISクライアント61は、帰属(bind)先のNISサーバーの変更をノード管理サーバー5に要求する。すなわち、NISクライアント61は、前記インフォメーション・チャネル12を用いて、帰属(bind)先のNISサーバーに対し必要とするネットワーク情報の送信を要求する。前記NISクライアント61は、前記NISサーバーから、前記インフォメーション・チャネル12を経由して、要求したネットワーク情報の受信を待つが、前記ネットワーク情報の受信がタイムアウトした場合、前記NISクライアント61は、前記ブート・チャネル11を用いて、ノード管理サーバー5に、帰属(bind)先のNISサーバーの変更を要求する。帰属(bind)先のNISサーバーの変更要求を受信したノード管理サーバー5は、サブネット内の端末の構成についての管理情報である管理ファイル56を参照し、NISサーバー・プロセスが起動している比較的負荷の小さい適切な端末を検索する。次に、前記ノード管理サーバー5は、前記検索したNISサーバー・プロセスが起動している端末と、前記端末3との間にインフォメーション・チャネルを再設定し、前記端末3が前記インフォメーション・チャネルを使用するためのVPI/VCI値等の情報を、ブート・チャネル11を用いて前記端末に送信することによって、NISクライアント61は帰属(bind)先のNISサーバーを変更することができる。
【0141】
また、対象とするATM交換機2の入出力線の先に接続される端末が、ATM等の端末の場合、該端末3の起動をノード管理サーバー5に通知するためと、該端末が呼設定を行うのに必要なシグナリング・チャネル13の設定と、前記シグナリング・チャネル13を使用するのに必要なVPI/VCI値等の情報を、前記ノード管理サーバー5から得るために、該端末3は、前記メタシグナリング・チャネル10を用いて前記ノード管理サーバー5とデータ通信を行う。すなわち、端末3は、起動時、前記端末3の起動を通知するために、メタシグナリング・セルを、メタシグナリング・チャネル10を用いてノード管理サーバー5に送信し、前記ノード管理サーバー5は、前記メタシグナリング・セルを受信することによって、前記端末3の起動を認識することができる。また、前記ノード管理サーバー5は、前記メタシグナリング・セルを受信した場合、前記端末3に対して、前記端末3と呼設定サーバー7との間のシグナリング・チャネル13を設定するとともに、前記端末3が、前記シグナリング・チャネル13を使用するのに必要なVPI/VCI値等の情報を、前記メタシグナリング・チャネル10を用いて前記端末3に送信することによって、前記端末3は、呼設定を行うのに必要な、シグナリング・チャネル13を使用するためのVPI/VCI値等の情報を得ることができる。
【0142】
以上説明したように、本発明においては、コンピュータ等の端末の場合、端末の起動の通知と、端末の起動に必要な情報の送信を、ブート・チャネル11を用いて実行し、ATM端末等の場合、前記端末が呼設定を行うのに必要なシグナリング・チャネル13の設定と、前記端末が、前記シグナリング・チャネル13を使用するために必要なVPI/VCI値等の情報の送信を、メタシグナリング・チャネル10を用いて実行することとしている。コンピュータ等のATM端末の場合、前記したブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10の2つのチャネルを用いて、前記端末の起動処理を実行してもよい。すなわち、コンピュータ等のATM端末の場合、ノード管理サーバー5に対し、端末の起動通知と、端末の起動に必要な情報の受信を、ブート・チャネル11を用いて行い、シグナリング・チャネル13の設定要求と、端末が前記シグナリング・チャネル13を使用するためのVPI/VCI値等の情報の受信を、メタシグナリング・チャネル10を用いて行ってもよい。
【0143】
次に、ノード管理サーバー5が、ブート・チャネル11を経由して、端末3から転送されたブート用セル(BOOTP セル、RARPセル等) を受信した場合、あるいはメタシグナリング・チャネル10を経由して、端末3から転送されたメタシグナリング・セルを受信した場合のノード管理サーバー5の動作について、具体的に説明する。
【0144】
ノード管理サーバー5が、メタシグナリング・セル(またはブート用セル)を受信した場合、前記ノード管理サーバー5は、まず、configファイル55を参照し、configファイル55に書かれた内容に従って、端末の立ち上げシーケンスを実行する。configファイル55のうち、メタシグナリング・セル(またはブート用セル)が転送されてきた交換機の入力ポート、またはメタシグナリング・セル(またはブート用セル)に記述されたキーワードに従って、必要な部分が選択され、前記選択した情報に従って、端末3の立ち上げシーケンスが実行される。電話等の端末や、コンピュータ等の端末で、新たにコネクションを設定する必要のある端末の場合、前記configファイル55には、端末3から呼設定サーバー7までのシグナリング・チャネル13等の設定手順が記述されている。また、コンピュータ等の端末の場合、前記configファイル55には必要に応じて、端末からNISサーバー6までの、または、ブロードキャスト・チャネル等の設定手順が記述されていてもよい。また、サブネットワーク内に、複数の呼設定サーバーが存在する場合、ノード管理サーバー5は、管理ファイル56を参照し、比較的負荷の小さい呼設定サーバーに、前記端末3の呼設定処理をするように、前記端末3と前記呼設定サーバーとの間に、シグナリング・チャネル13を設定してもよい。
【0145】
次に、前記ノード管理サーバー5は、configファイル55に書かれた内容に従ってATM交換システム内のコネクションを設定する。具体的には、configファイル55に書かれている内容に従って、ATM交換システム内にコネクションを設定するために、ノード管理サーバー5は、対応するノード設定サーバー4に対し、ハードウェアの設定を要求する。前記ノード管理サーバー5と前記ノード設定サーバー4が同一の端末上に起動されている場合は、前記ノード管理サーバー5から前記ノード設定サーバー4への設定要求は、プロセス間通信によって転送される。一方、前記ノード管理サーバー5と前記ノード設定サーバー4が、同一の端末上に起動されていない場合は、前記ノード管理サーバー5から前記ノード設定サーバー4への設定要求は、図3で示したような設定用チャネルを用いて転送される。
【0146】
ノード設定サーバー4は、前記設定要求を受信した場合、ルーティングタグ・テーブル24等のハードウェアを直接書き込むことによって、前記コネクション設定要求に対して、スイッチ等のルーティング・テーブルを設定する。また、前記ノード設定サーバー4は、ルーティングタグ・テーブル24等のハードウェア情報を、backupファイル42にバックアップしていてもよい。前記ノード設定サーバー4が、backupファイル42を作成する場合、前記ノード設定サーバー4は、ハードウェアに正常に書き込みが終了した場合、前記backupファイル42の更新を行う。前記backupファイル42は、ATM交換システムに、電源の瞬断等の事故が発生し、ハードウェア・テーブル等の内容が破壊された場合に、ノード設定サーバー4がハードウェア・テーブル等の内容を、効果的に復旧する場合に用いられる。また、ノード設定サーバー4は、受信した設定要求を、backupファイル42にロギングしてもよい。ATM交換システムに不具合が発生した場合、前記ロギング・ファイルを参照することによって、効果的にその不具合を取り除くことができる。
【0147】
ノード設定サーバー4が、受信した設定要求に対し、正常に設定が終了した場合、ノード管理サーバー5は、該ノード管理サーバー5が管理する管理ファイル56を更新する。次に、ノード管理サーバー5は、前記管理ファイル56の内容を基にサブネットワークに対するNISマップを再構成する。本発明においては、ノード管理サーバー5は、サブネットワークに対するNISマスター・サーバー600としても機能することを想定しているが、前記構成を想定した場合、ノード管理サーバー5が、該サーバーが管理するNISマップ(NISマスター・マップ)を再構成した場合、該ノード管理サーバー5が前記NISマップをNISスレーブ・サーバー601にダウン・ロードする。すなわち、前記ノード管理サーバー5は、NISスレーブ・サーバー601に対し、NISマスター・マップの更新を通知する(yppushユーティリティによって実行される)。NISマスター・マップの更新の通知を受けたNISスレーブ・サーバー601は、NISマスター・サーバー600(ノード管理サーバー5)に対し、NISマップの転送を要求する(ypxfr ユーティリティによって実行される) 。NISマップの転送を受信したNISスレーブ・サーバー601は、該NISスレーブ・サーバー601が管理するNISマップを更新する。
【0148】
ここで、前記NISマスター・サーバー600(ノード管理サーバー5)の、NISスレーブ・サーバー601へのNISマップの転送においては、端末3が起動する度に、または呼設定サーバーがコネクションを設定する度に、NISマップを転送する方法を採用した場合、NISマップが頻繁に転送される可能性がある。これに対しては、NISマップが更新される度に、NISマップをNISマスター・サーバー600からNISスレーブ・サーバー601へ転送するのではなくて、定期的にまたは更新量がスレショルドを越えた場合に転送するといった方法を用いることによって、上記動作を改善し、性能を向上させることができる。
【0149】
最後に、ノード管理サーバー5は、前記端末3に対し設定完了を通知する。すなわち、ノード管理サーバー5は、メタシグナリング・セルを送信した端末に対しては、シグナリング・チャネル13の設定完了と、シグナリング・セルのVPI/VCI値等を通知し、ブート用セルを送信した端末に対しては、ブート・イメージ等を通知する。
【0150】
ここで、前記したノード管理サーバー5の、端末の起動手順において、該ノード管理サーバー5は、端末からの要求に従ってconfigファイル55を参照し、ノード設定サーバー4に対し設定要求を送信するとしていた。前記方法を採用した場合、端末が起動要求を送信する度に、ノード管理サーバー5は設定要求をノード設定サーバー4に送信するが、前記端末が前記起動要求のタイムオーバー等の原因によって起動要求を再送した場合、該ノード管理サーバー5は、ノード設定サーバー4に対して設定要求を再送してしまう可能性がある。この点は、以下の手順を採用することにより改善される。すなわち、ノード管理サーバー5が、端末から起動要求を受信した場合、configファイル55と管理ファイル56を参照し、前記起動要求に対し設定するコネクションがすでに前記管理ファイル56に登録されていた場合、ノード設定サーバー4に対しては設定要求を出さずに、端末に対して設定完了通知を出すようにすれば良い。
【0151】
また、管理ファイル56に登録されている情報と実際にハードウェアに設定されている設定データとが異なる場合、前記改善方法を採用したとき端末からのコネクション設定要求が無視される可能性がある。この点は、管理ファイル56に登録されているコネクションに対し、1回目の設定要求に対しては、前記した通り何のアクションも起こさないが、2回目以降の設定要求に対してアクションを起こすことによって改善される。
【0152】
同様に、ノード設定サーバー4は、ノード管理サーバー5から、ハードウェア・テーブルの設定要求を受信した場合、backupファイル42を参照し、前記ハードウェアの設定がすでに実行されている場合、前記設定要求に対しては、ハードウェアの設定を行わずに、ノード管理サーバー5に対して設定完了を通知することによって、性能が改善される。さらに、ノード設定サーバー4は、backupファイル42にすでに実行されたアクションに対して、1回目のアクション要求に対してはアクションを起こさず、2回目以降のアクション要求に対してアクションを起こすことによって、backupファイル42と実際のハードウェアの不一致による不具合を改善することができる。
【0153】
また、本発明の一実施例においては、後述するように、頻繁にデータ通信が行われそうな端末間に予めコネクションを設定しておき、前記端末間のデータ通信を行う場合、前記予め設定されたコネクションを用いることによって、呼設定を行わずにデータ転送を開始することのできる効果的なデータ通信方法を想定している。前記した予め設定されたコネクションを、いつ、どのように設定するかについて、以下に示すような、3通りの方法が存在する。
【0154】
1つ目の方法は、前記コネクションを、ハードウェアで予め作り込んでおくという方法である。すなわち、ATM交換機2内の前処理部のルーティングタグ・テーブルを、ROM等の不揮発メモリで作成し、ATM交換機2を製造する際、所望のデータを前記ROMに書き込んでおくことによって、前記コネクションの設定を行おうとする方法である。ただし、他の2方法に比較して、この方法を採用した場合、製造後、ROMを書き換えることはできないので、ルーティング・タグ・テーブルを変更することはできない。
【0155】
2つ目の方法は、前記コネクションを、ネットワークの立ち上げ時に設定する方法である。すなわち、本発明の一実施例においては、ATMネットワークは、前記した4つのサーバーで管理することを想定しているが、前記したconfigファイル55に、予め前記コネクションの設定を記述しておくことによって、ATMネットワークの立ち上げ時、ノード管理サーバー5が、前記configファイル55に書かれた内容に従ってコネクションを設定することによって、前記コネクションの設定を行おうとする方法である。ただし、他の2方法に比較して、この方法を採用した場合、前記ノード管理サーバー5が、前記configファイル55に書かれたすべてのコネクションを設定し終わるまで、ATMネットワークの立ち上げが終了しないので、ネットワークの立ち上げに時間がかかる。
【0156】
3つ目の方法は、前記コネクションを、端末の立ち上げ時に設定する方法である。すなわち、ネットワークの起動後(ノード管理サーバー5の起動後) 、ネットワークに接続される端末の起動を、ノード管理サーバー5が認識した場合、前記端末に対して、該ノード管理サーバー5が、configファイル55に記述された内容に従って、コネクションの設定を行おうという方法である。上記2つ目の方法は、ネットワークの立ち上げ時にノード管理サーバー5がconfigファイル55を参照してコネクションを設定しようという方法であったが、この3つ目の方法では、ネットワークの立ち上げの時点ではなく、ネットワークに接続される端末の起動をノード管理サーバー5が認識した時点で、前記端末に対してconfigファイル55を参照してコネクションを設定しようという方法である。具体的には、(1−1) 節で説明したように、ネットワークの立ち上げ時に、ノード管理サーバー5は、対象とするATM交換機2のすべての入出力線に対し、前記入出力線の先に接続されるであろう端末と、ノード管理サーバー5との間に、ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10とを設定する。ATM交換機2の入出力線の先に接続された端末は、起動時に、前記ブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10を用いて、ノード管理サーバー5に、ブート用セル(またはメタシグナリング・セル) を送信する。ノード管理サーバー5は、ブート用セル(または、メタシグナリング・セル) を受信した場合、前記ノード管理サーバー5は、該端末の起動を認識し、configファイル55に書かれた内容に従って、該端末に対して予め設定するコネクション等の設定を実行する。ただし、他の2方法に比較して、この方法を採用した場合、端末の立ち上げに時間がかかる。
【0157】
前記した3つの方法には、それぞれ長所・短所が存在するので、状況に応じて3つの方法のうちから長所を生かすように1つの方法を選択することが効果的である。
【0158】
1−3.ディスクレス・クライアントのブートについて
一般に、ディスクレス・クライアントは、起動時、ルート・ファイルシステム(/) 、作業領域(スワップエリア:/tmp) 、OS等の実行可能ファイル(/usr)、端末名(ホスト名) 等の情報を持っていないので、起動時、ディスクレス・クライアントは、前記した情報を獲得しなければならない。従来のディスクレス・クライアントは、前記情報を獲得するために、起動時、ブート用パケット(RARPパケットまたはBOOTP パケット) をサブネットワーク内にブロードキャストし、サブネットワーク内に存在するブートサーバーが前記パケットに応答することによって、前記ディスクレス・クライアントは前記情報を獲得することができる。
【0159】
本発明においては、(1−1) 節で説明したように、ATM交換機2(ネットワーク) の立ち上げ時に、ノード管理サーバー5が、ATM交換機2のすべての入出力線に対し、前記入出力線の先に接続されるであろう端末とノード管理サーバー5との間に、ブート・チャネル11を設定しておく。ATM交換機2(ネットワーク) の起動後、前記ATM交換機2の入出力線の先に接続されたディスクレス・クライアントが起動する場合、前記ディスクレス・クライアントは、ブート・チャネル11を用いて、ブート用セル(RARPセルまたはBOOTP セル) をノード管理サーバー5に送信する。ノード管理サーバー5は、ブート・チャネル11を経由して転送されたブート用セルを受信した場合、configファイル55を参照し、前記configファイル55のブート用セルを送信したディスクレス・クライアントに対応する記述に従って、前記ディスクレス・クライアントを起動するのに必要なブートイメージ(ルート・ファイルシステム、スワップエリア、実行可能ファイル、ホスト名等) を、前記ディスクレス・クライアントに、前記ブート・チャネル11を用いて送信する。前記ノード管理サーバー5の、configファイル55を参照する手順において、本発明の一実施例においては、ブート用セルがATM交換機2に入力された入力チャネル番号をキーとして、configファイル55を参照し、configファイル55に書かれたブートイメージを、ノード管理サーバー5が前記ブート用セルを送信したディスクレス・クライアントに転送することを想定している。
【0160】
ディスクレス・クライアントを、提案するATM交換機に接続する場合について、以下、具体的に説明する。
【0161】
まず、従来のディスクレス・クライアントは、起動時、ブート用パケット(ARP パケットまたはBOOTP パケット) をサブネットワーク内の端末にブロードキャストし、サブネットワーク内に存在するブートサーバー等が前記パケットに対し応答することによって、前記ディスクレス・クライアントはブートイメージを得ることを想定している。従来のネットワークにおいては、サブネットワーク内に存在する端末に対して予めブロードキャスト・チャネルが設定されていて、前記ディスクレス・クライアントは、前記ブロードキャスト・チャネルを使用することによって、サブネットワーク内に存在するブート・サーバーにブート用セルを転送することができた。
【0162】
本発明の一実施例においては、ディスクレス・クライアントが、ブート用セルを送信するために使用するチャネル(すなわちブート・チャネル11) を予め設定しておき、特定のVPI/VCI値(例えば、VPI=all 1 、または、VPI/VCI= all 1) を、予め割り当てておく。また、前記チャネルは、ATM交換機2(ネットワーク) の立ち上げ時に、ATM交換機2のすべての入出力線の先に接続されるであろう端末とノード管理サーバー5との間に、ノード管理サーバー5によって設定されるものとする。従来のネットワークにおいては、ディスクレス・クライアントの起動時に使用されるブート時に使用されるチャネルとして、サブネットワーク内に存在するすべての端末へのブロードキャスト・チャネルが用いられていたが、本発明においては、ブロードキャスト・チャネルを使用するのではなく、端末からサブネットワーク内に存在するノード管理サーバー5までのユニキャスト・チャネル(シングルキャスト・チャネル) であるブート・チャネルを用いることを想定している。
【0163】
1−5.ARP、NISについて
以下、本発明に係るATM交換システムにおける、ARP(Address Resolution Protocol) について説明する。
【0164】
本発明のATM交換システムにおいては、頻繁にデータ通信が行われそうな端末間に予めコネクションを設定しておき、前記端末間のデータ通信を行う場合、前記予め設定されたコネクションを用いることによって、呼設定を行わずにデータ転送を開始することのできる効果的なデータ通信方法を想定している。また、本発明においては、前記データ通信を行う際、宛先のデータ受信端末の端末名等をキーとして、前記予め設定されたコネクションのコネクション識別子(VPI/VCI等) を検索し、前記検索して得られたコネクション識別子を用いて、前記コネクションを使用することを想定している。ここに、以下の説明で、ARPとは、宛先のデータ受信端末の端末名等から、既に設定されたコネクションのうち該当するコネクションのコネクション識別子(VPI/VCI等) を獲得する方法のことを言うものとする。
【0165】
従来のコンピュータ間のデータ通信方法(TCP/IP)におけるARPとは、宛先のデータ受信端末のIPアドレス(端末名に対応する)からMACアドレス(コネクション識別子に対応する) を獲得する方法であった。また、従来のコンピュータ間のデータ通信方法においては、サブネットワークに属する各々のデータ送信端末は、同一の宛先にデータ通信を行う場合、同一のMACアドレス(コネクション識別子に対応)を用いてデータ転送を行うことができた。
【0166】
ここで、前述した従来のコンピュータ間のデータ通信方法を、そのまま従来のATM交換システムに適用した場合の問題点について説明する。
【0167】
前述したように、従来のコンピュータ間のデータ通信で行われた方法を、従来のATM交換システムにそのまま適用しようとすると、サブネットワークに属するすべての端末間にメッシュ状にコネクションを設定し、前記各々のデータ送信端末が同一の宛先にデータ転送を行う場合、同一のコネクション識別子(VPI/VCI)を用いてデータ転送ができるように、コネクションの設定を行わなければならない。しかし、前記サブネットワークに属する端末間にメッシュ状に張られたコネクションは、常時、すべてのコネクションが使用されるわけではないので、前記方法を採用した場合、VPI/VCIテーブル(宛先の端末名から、コネクション識別子を検索する時に使用するテーブル) の大きさが、不必要に大きくなってしまうといった問題点があった。また、ネットワーク・サイドにとっても、端末が、呼設定を行わずにデータ転送を行うことを保証するためには、前記予め設定されたコネクションが正常かどうか、常時、チェックを行わなければならず、前記コネクションの数が不必要に多い場合、ネットワーク・サイドが効率よく前記コネクションをチェックすることができないといった問題点があった。
【0168】
本発明の一実施例は、前記問題点を改善するために、サブネットワーク内のすべての端末間にメッシュ状にコネクションを設定するのではなく、頻繁にデータ通信が行われそうな端末間にのみコネクションを設定することによって、予め設定しなければならないコネクションの数を削減するようにしたものである。また、本発明の一実施例においては、前記予め設定を行うコネクションのうち、サブネットワークに属するすべての端末に共通するコネクションと端末に固有なコネクションとに分類し、前記サブネットワークに属するすべての端末に共通するコネクションについて、コネクション識別子(VPI/VCI)を端末間で共通にすることによって、サブネットワーク内に存在するVPI/VCIテーブルの管理を効率よく行うようにしたものである。
【0169】
また、予めコネクションを設定することによって、呼設定を行わずにデータ転送を開始する方法を採用しても、端末が前記コネクションを使用する場合に、前記コネクションを使用するためのVPI/VCI値等を、他の端末に問い合わせなければならない方法を採用した場合、他の端末に問い合わせるのに時間がかかるので、予めコネクションを設定することによる利点が小さくなるといった問題点があった。
【0170】
本発明の一実施例は、端末が、予め設定されたコネクションを使用するためのVPI/VCI値等を記憶することのできる場合、端末側で前記VPI/VCI値等を記憶し、端末がデータ通信を行う場合、前記端末側で記憶されているVPI/VCI値等を用いることによって、効率よくデータ転送を開始するようにしたものである。
【0171】
以下、本発明の一実施例においては、VPI/VCIテーブルを効率よく管理等を行うために、NIS(Network Information System)を用いて管理する方法について説明する。本発明を、NISを用いずに実現することも可能であるが、以下、本発明の一実施例を具体的に説明するためにNISの使用を想定する。以下、VPI/VCIテーブルをNISを用いて管理する方法と、本発明におけるNISの実現方法について、具体的に説明する。
【0172】
図4は、本発明の一実施例における、VPI/VCIテーブルの構成を示したものである。本発明においては、端末がVPI/VCIテーブルを持つことによって、データ通信を行う必要の生じた端末は、宛先のデータ受信端末の端末名等をキーとして、前記VPI/VCIテーブルを検索することによって、効率よくVPI/VCIを獲得する方法を想定している。具体的には、データ送信端末は、宛先のデータ受信端末までのコネクションが設定されたデータ転送路に対して、宛先の端末(Host)名等と前記コネクションを使用するためのVPI/VCI値等とを一組としたVPI/VCIテーブルを管理し、データ転送を行う必要の生じたデータ送信端末は、宛先の端末名をキーとして前記VPI/VCIテーブルを検索することによって、宛先のデータ受信端末までセルを転送するためのコネクションを使用するのに必要なVPI/VCI値等を獲得する(ハッシュ関数を用いて検索しても良い)。
【0173】
また、本発明の一実施例において、VPI/VCIテーブルは、図4に示すように、サブネットワークに属する端末に共通なVPI/VCIテーブルであるNISマップ62と、端末に固有なVPI/VCIテーブルであるNISファイル63の2種類のVPI/VCIテーブルから構成されているとする。ここで、通常、NISにおいては、NISファイルという用語は存在せず、ローカル・ファイルと呼ばれているが、本発明の一実施例においては、ローカル・ファイルという代わりにNISファイルと呼ぶこととする。また、本発明のATM交換システムにおいては、サブネットワークに属しているすべての端末と、予め指定されたサーバー等の機能を持つ複数の端末との間のコネクションは設定されているものとし、サブネットワークに属する任意の端末が前記コネクションを使用する場合、宛先の端末名に対して同一のVPI/VCI値等が割り当てられているものとする。前記したサブネットワークに属するすべての端末に対して、共通の宛先とVPI/VCI値等はNISマップ62に登録されているものとする。また、個々の端末に固有に設定されたコネクションに対しては、宛先の端末名と、前記コネクションを使用するためのVPI/VCI値等は、NISファイル63に登録されているものとする。
【0174】
本発明の一実施例においては、VPI/VCIテーブルの管理に、まず、NISファイル63を参照し、次に、NISマップ62を参照することによって、宛先の端末名から前記端末にセルを送信するために必要なVPI/VCI値等を検索することを想定している。ただし、本発明においては、まず初めに、NISマップ62を参照し、次に、NISファイル63を参照しても構わない。
【0175】
図5は、前記したサブネットワークに共通なコネクションと、個々の端末に固有なコネクションの関係を示した本発明の具体例である。
【0176】
コンピュータ・ネットワークに属する端末には、一般に、サーバーとクライアントの2種類の端末が存在する。一般的に、クライアントからサーバー、サーバーからクライアント、およびサーバーからサーバーへのデータ転送は行われるが、クライアントからクライアントへのデータ転送はあまり行われないといった特徴が存在する。従って、本発明において、サブネットワークに属する端末に対して、端末の起動時(またはネットワークの起動時) 等に対応する、サーバーとサーバー間、あるいはサーバーとクライアント間のコネクションを予め設定することによって、前記端末が、予めコネクションが設定された端末に対して実際にデータ通信を行う際に、呼設定を行わずにデータ通信を開始することができる。本発明の一実施例においては、ノード管理サーバー5が、以下に示すような手順を実行することによって、前記した予め設定するコネクションを、効率よく設定することができる。すなわち、ノード管理サーバー5が、ブート用セル(RARP セルまたはBOOTP セル) 、またはメタシグナリング・セルを受信した場合、前記セルが転送されてきたブート・チャネル11またはメタシグナリング・チャネル10の先に接続された端末が起動されたと認識する。次に、前記ノード管理サーバー5は、configファイル55を参照し、前記端末に対してconfigファイル55中に記述されたサーバー等の間のコネクションを設定することによって、前記予め設定するコネクションを効率よく設定することができる。
【0177】
また、予めコネクションを設定する際に、宛先がサーバーとなるコネクションを設定する場合、サブネットワークに属するすべての端末に対して、同一の宛先に対して同一のVPI/VCI値等となるようにコネクションの設定を行うこととする。前記したようなVPI/VCI値の設定を行うことで、サブネットワークに属するすべての端末において、同一の情報が書かれたNISマップ62を使用することができるので、サブネットワークにおけるNISマップ62の管理を効率よく行うことができる。
【0178】
図5において、宛先がサーバーの場合のVPI/VCIテーブルは、NISマップ62で管理することができるが、宛先がクライアントの場合のVPI/VCIテーブルは、NISマップ62で管理することはできず、前記テーブルはNISファイル63で管理することになる。従って、クライアントからサーバーへのコネクションは、NISマップ62で管理されることになるが、前記コネクションに対する逆向きのコネクション(サーバーからクライアントへのコネクション) は、NISファイル63で管理されることになる。従って、本発明の一実施例においては、NISファイル63には、前記したサーバーからクライアントへの予め設定するコネクション、および呼設定要求の結果、端末固有に設定されるコネクションの2通りのコネクションが登録されることになる。
【0179】
なお、クライアントからクライアントへデータ転送を行う場合は、該当する端末が網に対して呼設定要求を行うことによって、網が前記コネクションを設定し、前記コネクションに対するVPI/VCI値等をNISファイル63に登録することによって、前記コネクションに対して本発明におけるVPI/VCIテーブル管理方法で対応することができる。
【0180】
図6は、本発明の一実施例におけるサブネットワーク内の、NISマップの配送方法を示した模式図である。
【0181】
一般的に、コンピュータ・ネットワークにおいては、ハードディスクを持ったホスト31と、小規模のハードディスクを持ったデータレス・クライアント32と、ディスクを持たないディスクレス・クライアント33の3種類の端末が存在する。現在のNISの実装方法においては、ユーザのNISの使用効率を高めるために、なるべくNISスレーブ・マップはユーザ側のハードディスク上に、NISスレーブサーバー・プロセスは、ユーザ端末上に起動しようとしている。従って、図6に示すように、前記ホスト31においては、NISスレーブ・マップ621が構築され、NISスレーブサーバー・プロセス601とNISクライアント・プロセス61が起動されているものとする。また、前記データレス・クライアント32においては、実装されているハードディスクの規模に応じて、NISスレーブ・マップ621、NISスレーブサーバー・プロセス601、およびNISクライアント・プロセス61で構成されている場合と、NISクライアント・プロセス61のみで構成されている場合の、2通りの場合が存在するものとする。同様に、前記ディスクレス・クライアント33の場合、端末上に、NISクライアント・プロセス61のみ起動されているものとする。
【0182】
本発明の一実施例においては、前記したように、ノード管理サーバー5内に、NISマスター・サーバー600が存在し、該NISマスター・サーバー600が管理するNISマスター・マップ620を、サブネットワーク内に存在するすべてのNISスレーブ・サーバー601に分配することによって、サブネットワーク内に存在するすべてのNISマップの管理(同期) を行うものとする。すなわち、ノード管理サーバー5内に存在するNISマスター・サーバー600は、該NISマスター・サーバー600が管理するNISマスター・マップ620が更新された場合、前記更新されたマップのコピーを、サブネットワーク内に存在するすべてのNISスレーブ・サーバー601に配送し、前記NISスレーブ・サーバー601が、該配送されたNISマスター・マップ620のコピーを基に、NISスレーブ・マップ621を構築することによって、サブネットワーク内に存在するNISマップの管理を行うことができる。具体的には、NISマスター・マップ620が更新された場合、まず、ノード管理サーバー5内に存在するNISマスター・サーバー600は、サブネットワーク内に存在するすべてのNISスレーブ・サーバー601に対して、NISマスター・マップが更新されたことを通知する(yppush)。NISスレーブ・サーバー601は、前記NISマスター・マップ620の更新通知を受信した場合、NISマスター・サーバー600に対して、NISマスター・マップ620の転送を要求し、該転送されたNISマスター・マップ620を基に、前記NISスレーブ・サーバー601は、NISスレーブ・マップ621を再構築する(ypxfr) 。
【0183】
ここで、前記したサブネットワーク内のNISマップの更新方法によると、NISマスター・マップ620が更新された場合、NISマスター・サーバー600から、サブネットワーク内のNISスレーブ・サーバー601に、NISマスター・マップ620の更新通知が送られるが、NISスレーブ・サーバー601が他の処理の実行等で、前記更新通知を受信できなかった場合、該NISスレーブ・サーバー601の管理するNISスレーブ・マップ621が更新されない可能性がある。この点は、NISスレーブ・サーバー601が、NISマスター・サーバー600に対して、定期的に、NISマスター・マップ620の転送を要求し、該転送されたNISマスター・マップ620を基にNISマップを再構築すること等によって改善することができる。また、NISスレーブ・サーバー601は、NISマスター・サーバー600に対して、NISマスター・マップ620の更新時刻の通知を要求し、該NISスレーブ・マップ621の更新時刻と比較することによって、NISマスター・マップ620の更新を知ることができ、前記更新情報に基づいてNISマップの再構築シーケンスを実行することができる。
【0184】
また、従来のNISには、以下に示すような問題点があった。すなわち、従来のNISにおいては、NISクライアント61の、NISサーバー(NISマスター・サーバー600/NISスレーブ・サーバー601)への1回目の帰属(bind)は、NISクライアント・プロセス61の起動時に行われるため、同一端末上に、NISサーバー・プロセスとNISクライアント・プロセス61が起動される場合でも、前記NISクライアント・プロセス61は、同一の端末上のNISサーバー・プロセスには帰属(bind)せず、ネットワークを経由して他の端末上のNISサーバー・プロセスに帰属してしまうといった問題点があった。すなわち、従来のNISクライアント61のNISサーバーへの帰属(bind)は、前記要求(ypbind)をサブネットワークにブロードキャストし、前記要求に対し、一番早く応答を返したNISサーバーに、該要求を送信したNISクライアント61は帰属される。従って、NISクライアント61のNISサーバーへの1回目の帰属(bind)は端末の起動(boot)期間中に行われ、前記起動(boot)期間中はCPUは起動処理に忙しく、NISクライアント61の送出する前記要求(ypbind)に同一端末上のNISサーバーが直ちに応答できず、他の端末上のNISサーバーの方が早く応答し、前記NISサーバーに帰属してしまうといった問題点があった。前記問題点のため、NISクライアント61は、NIS情報にアクセスする場合、同一端末上にNISサーバーが起動されている場合でも、ネットワークを経由して他の端末上のNISサーバーにアクセスするため、NIS情報にアクセスするのに時間がかかってしまうといった問題点と、ネットワークに負荷をかけてしまうといった問題点があった。
【0185】
以下、従来のNISにおいて、ユーザープロセスがネットワーク情報をアクセスする手順について説明した後、本発明の一実施例における、上記問題点の解決方法について、図6および図7を参照しながら説明する。
【0186】
従来のNISにおいては、ユーザープロセスが、ネットワーク情報をアクセスする場合、まず、前記ユーザープロセスが、対応するライブラリ・コールの呼び出しを行う。該呼び出しを受けたライブラリ・コールは、まず、NISファイル(ローカル・ファイル) を参照し、検索したい情報が見つかるまで、前記ファイルを参照する。検索したい情報が、前記NISファイル63に見つからなかった場合、前記ライブラリ・コールは、検索したい情報の検索をNISクライアント61に要求し、該検索要求を受信したNISクライアント61は、該NISクライアント61が帰属(bind)しているNISサーバーに、前記検索要求をリレーイングする。前記検索要求を受信したNISサーバーは、該NISサーバーが管理しているNISマップを検索し、検索情報をNISクライアント61を経由して、該検索要求を出力したライブラリ・コールに返送する。該NISサーバーが前記NISマップを検索した結果、検索情報が見つからなかった場合、オペレーティング・システムによっては、検索要求をDNS(Domain Name Server)にリレーイングするものも存在する。
【0187】
本発明の一実施例においては、以上説明した従来のNISを、以下に示す2つの方法に変更することによって、前記問題点を解決している。
【0188】
1つ目の方法は、NISクライアント61の検索要求を送信する手順を変更することによって、前記問題点を解決する方法である。この方法によるアルゴリズムを、図8および図9に示す。なお、図8および図9に示すフローチャートは、図中のL1およびL2において連結されているものである。この点に関しては、後述する説明で参照する、複数の図面に分けて示された他のフローチャートについても、同様である。
【0189】
まず、NISクライアントでは、ライブラリ・コールによるネットワーク情報の検索が行われ(ステップ1)、NISファイル(ローカル・ファイル) を参照し(ステップ2)、検索したい情報が見つかった場合、検索を終了する(ステップ3〜5)。
【0190】
一方、検索したい情報が見つからなかった場合、前記ライブラリ・コールは、NISクライアントに情報の検索を要求する(ステップ3)。この検索要求を受信したNISクライアントと同一の端末(Host)に、NISサーバーが起動している場合(NISサーバーが起動しているかどうかは、OSのプロセス管理表を検索すれば知ることができる) 、前記NISクライアントが、前記同一の端末上に起動しているNISサーバーに、前記検索要求をリレーイングする(ステップ7,8)。そして、NISマップの検索結果を知らせ(ステップ9,12,14,15あるいはステップ9,12,16,17,18)、あるいはさらにDNSに情報の検索を要求し(ステップ19)、その検索結果を知らせる(ステップ20,21あるいはステップ20,22,23)。
【0191】
前記NISクライアントと同一の端末(Host)にNISサーバーが起動していなかった場合は、前記NISクライアント61は、該NISクライアント61が帰属(bind)しているNISサーバーに、前記検索要求のリレーイングが行われ(ステップ7,10)、以下、情報検索の後に、上記と同様の処理、すなわち検索結果の通知、場合によってはDNSへの情報検索要求およびその検索結果の通知が実行される(ステップ13〜23)。
【0192】
2つ目の方法は、NISクライアントのNISサーバーへの帰属(bind)方法を変更することによって、前記問題点を解決する方法である。なお、図10に、この方法によるアルゴリズムを示す。
【0193】
ここに、従来のNISにおいては、NISクライアントのNISサーバーへの帰属方法(ypbind)は、NISクライアントが前記帰属要求をブロードキャストした後、一番早く前記NISクライアントに応答を返したNISサーバーに、前記NISクライアントが帰属するという方法であった。前記NISクライアントの、NISサーバーへの帰属方法を採用した場合、端末の起動(boot)後、1回目のNISクライアントのNISサーバーへの帰属は端末の起動手順実行中に行われるため、前記端末のCPUは、前記端末の起動手順の実行に忙しく、前記1回目のNISクライアントの帰属要求(ypbind)にすばやく応答できないといったことが原因で、前記問題点が発生していた。
【0194】
本発明の一実施例においては、NISクライアントがNISサーバーへ帰属を行う場合、まず、NISクライアントと同一の端末にNISサーバーが起動している場合(ステップ31)、前記NISサーバーに前記NISクライアントが帰属するとし(ステップ32)、NISクライアントと同一の端末にNISサーバーが起動していない場合に、前記NISクライアントが、ネットワーク上の他の端末に対し、前記帰属要求(ypbind)をブロードキャストするとする(ステップ37)。
【0195】
上記した本発明によるNISクライアントのNISサーバーへの帰属方法を採用した場合で、NISクライアントと同一の端末上にNISサーバーが起動している場合、端末の起動後に行われる1回目のNISクライアントのNISサーバーの際、NISクライアントは、同一の端末上に起動しているNISサーバーに帰属されるため、前記した問題点を解決することができる。
【0196】
なお、本発明においては、ノード管理サーバーが、NISクライアントの要求に応じて、前記NISクライアントの帰属(bind)するNISサーバーを決定することによって、NISクライアントが網のブロードキャスト機能を使わずに、自分の帰属するNISサーバーを決定する方法を想定している。
【0197】
具体的には、NISクライアントは、該NISクライアントが起動(boot)した時点では、該NISクライアントが帰属(bind)するNISサーバーはまだ決定されていないので、前記NISクライアントは、帰属先のNISサーバーを決定しなければならない。また、NISクライアントは、NISサーバーからの応答が返ってこない場合や、NISサーバーからの応答がおそくなった等の場合、帰属先のNISサーバーを変更することによって、NISサーバーからの応答性能を改善しなければならない。
【0198】
本発明の一実施例においては、NISクライアントは、帰属先のNISサーバーを決定または変更する必要の生じた場合、まず、前記NISクライアントが、ノード管理サーバーに対してブート・チャネルを使用して前記要求を送信する。前記要求を受信したノード管理サーバーは、該ノード管理サーバーが管理する管理ファイルを参照し、サブネットワークに登録されたNISサーバーのうち、負荷の小さなNISサーバーを検索し、前記要求を送信したNISクライアントの帰属するNISサーバーを決定する。次に、ノード管理サーバーは、前記要求を送信したNISクライアントから、該ノード管理サーバーが決定したNISサーバーまでのコネクション(すなわち、インフォメーション・チャネル)を設定するとともに、前記NISクライアントが、前記コネクションを使用するためのVPI/VCI値等の設定を行う。
【0199】
また、前記VPI/VCI値等の設定において、予めNISクライアントが、NISサーバーに対してデータ転送を行うためのVPI/VCI値等が設定されている場合、新たにVPI/VCI値等を設定し直さずに、予め設定されたVPI/VCI値等を用いて、前記コネクションが使用できるようにした方が効率がよい。すなわち、NISクライアントからの帰属先のNISサーバーの変更要求を受信した場合、ノード管理サーバーは、NISクライアントから変更後のNISサーバーまでのコネクションの設定を行うとともに、前記NISクライアントが、NISサーバーとデータ転送するために使用していたVPI/VCI値等を用いて、前記コネクションを使用できるように前記コネクションの設定を行えばよい。
【0200】
前記した方法を採用することによって、NISクライアントは、帰属先のNISサーバーを決定する場合、ノード管理サーバーに前記要求を送信すればよいので、従来方法の場合のような前記要求をブロードキャストして帰属先のNISサーバーを決定する必要はないので、本発明においては、ブロードキャストを用いずにARP/NISを実現することができる。
【0201】
なお、本発明によるブロードキャストを用いないARP/NISの実現方法を、従来のブロードキャスト機能を持たないATM交換システムで行う場合、まず、端末(Host)からノード管理サーバーまでのコネクション(すなわち、ブート・チャネル) を設定し、前記コネクションを使用するためのVPI/VCI値として、特定値(例えば、VPI=all 1 、または、VPI/VCI=all 1)を割り当てる。次に、網のブロードキャスト機能を使用している従来の端末インターフェースに対し、ブロードキャスト・チャネルとして、前記特定値を割り当てる。前記方法を採用することによって、前記端末上に起動しているNISクライアントは、例えば、従来のブロードキャストによってNISサーバーを決定する際、網のブロードキャスト機能を用いるために前記特定値が使用されるので、前記NISクライアントからのNISサーバー検索要求は、ブロードキャストされずに、ノード管理サーバーに転送されることになる。
【0202】
以上説明した方法を採用することによって、NISクライアントは、前記NISサーバー決定要求を、サブネットワーク内の端末にブロードキャストせずに、前記要求をノード管理サーバーに転送し、ノード管理サーバーが、前記NISクライアントの帰属先のNISサーバーを決定することによって、NISクライアントは、帰属先のNISサーバーを決定することができる。
【0203】
1−5.呼設定について
端末(Host)が行うデータ通信には、前述したように、コネクション型のデータ通信とコネクションレス型のデータ通信がある。また、コネクション型データ通信には、予め設定されたコネクションを用いて行うコネクション型のデータ通信と、予めコネクションが設定されていない宛先に対して、コネクションを設定してからデータ通信を行うコネクション型のデータ通信が存在する。ここでは、予めコネクションが設定されていない宛先に対して、コネクションを設定してからデータ通信を行うコネクション型のデータ通信について説明する。
【0204】
また、本節の次の(1−6) 節では、予め設定されたコネクションを用いて行うコネクション型のデータ通信と、コネクションレス型のデータ通信について説明する。
【0205】
以下、本発明の一実施例による呼設定手順を用いた、予めコネクションが設定されていない宛先に対して、コネクションを設定してからデータ通信を行う方法について、図11を参照しながら具体的に説明する。また、呼設定時の各アルゴリズムのうち、端末のデータ通信のアルゴリズムを図12,13に、呼設定サーバの呼設定アルゴリズムを図14,15に、ノード管理サーバのコネクション設定アルゴリズムを図16に、ノード設定サーバの設定アルゴリズムを図17に、それぞれ示す。
【0206】
端末(Host)は、データ通信を行う必要が生じた場合、まず、宛先のデータ受信端末までのデータ転送に必要なQOSを持つコネクションがすでに設定されているかどうか、NIS等を用いてVPI/VCIテーブルを検索する。すなわち、データ通信を行う必要の生じたユーザ・プロセスは、まず、端末固有のVPI/VCIテーブルであるNISファイル63を参照し、次に、サブネットワークに属する端末に共通なVPI/VCIテーブルであるNISマップ62を参照し、宛先のデータ受信端末までのセル転送のための、VPI/VCI値等が、すでに設定されているかどうか、宛先のデータ受信端末の名前をキーとして、前記テーブルを検索する(図12のステップ52,54)。
【0207】
具体的には、端末上の、データ通信を行う必要の生じたユーザ・プロセスは、対応するコネクションがすでに設定されているかどうか調べるため、対応するライブラリ・コールを実行する。前記ライブラリ・コールは、まず、端末固有のNISファイル63に、宛先のデータ受信端末までの、セル転送時に用いるVPI/VCI値等が、すでに設定されているかどうか、参照要求を行う(ステップ52)。前記NISファイル63に、前記VPI/VCI値等がすでに設定されていた場合、前記ユーザ・プロセスは、前記VPI/VCI値等を用いて、セルを作成し、作成したセルを送信することによって、データ転送を開始する(図13のステップ63,64)。
【0208】
前記NISファイル63に、前記VPI/VCI値等が設定されていなかった場合、前記ライブラリ・コールは、前記NISファイル63に対して行った参照要求を、該端末上に起動しているNISクライアント・プロセス61にリレーイングし、前記NISクライアント61は、宛先のデータ受信端末までのセル転送時に用いるVPI/VCI値等について、前記NISクライアント61が帰属(bind)しているNISサーバーに問い合わせる(図12のステップ53)。
【0209】
前記問い合わせを受信したNISサーバーは、該NISサーバーが管理しているNISマップ62を検索し、前記ユーザー・プロセスのセル転送時に用いるVPI/VCI値等が、すでに設定されているかどうか検索する(ステップ54)。前記VPI/VCI値等がすでに設定されていた場合、該NISサーバーは、前記VPI/VCI値等を、NISクライアント61を経由して前記問い合わせをしたユーザ・プロセスに通知する(ステップ54,62)。一方、前記VPI/VCI値等が設定されていなかった場合、該NISサーバーは、検索の失敗を、NISクライアント61を経由して前記問い合わせをしたユーザ・プロセスに通知する(図12のステップ54,55)。
【0210】
前記NISサーバーから、セル転送時に用いるVPI/VCI値等の通知を受けたユーザ・プロセスは、前記VPI/VCI値等を用いて、セルを作成し、作成したセルを送信することによって、データ転送を開始する(図13のステップ62,64)。
【0211】
前記NISサーバーから、セル転送時に使用するVPI/VCI値等の検索の失敗通知を受信したユーザ・プロセス、またはNISクライアント・プロセス61は、以下に説明する呼設定手順を実行することによって、セル転送時に用いるVPI/VCI値等を獲得する。なお、ユーザ・プロセス、またはNISクライアント61は、VPI/VCI値等の獲得要求がタイムアウトすることによって、以下に示す、呼設定手順を実行してもよい。
【0212】
具体的には、端末上のユーザ・プロセスまたはNISクライアント・プロセス61は、呼設定クライアント・プロセスを起動し、前記起動された呼設定クライアント・プロセスは、端末の起動時に設定されたシグナリング・チャネル13を用いて、シグナリング・セルをATM交換システム内に存在する呼設定サーバーに転送する(図12のステップ56)。
【0213】
呼設定サーバーは、前記シグナリング・セルを受信すると(図14のステップ70)、前記シグナリング・セル中に記述された、通信品質(QOS、トラヒック・パラメータ等) で、宛先のデータ受信端末までのコネクションの設定を、ノード管理サーバー5に要求する(図14のステップ72)。
【0214】
ノード管理サーバー5は、前記コネクション設定要求を受信すると(図16のステップ90)、該ノード管理サーバー5が管理する管理ファイル56を参照し、前記データ送信端末が、申告したトラヒック・パラメータでセルを送出した場合、網がサービスを提供しているコネクションのQOSと、前記データ送信端末の要求するコネクションのQOSを、網が保証することができるかどうか判定する (図16のステップ91)。前記判定等の結果、網が前記データ送信端末の要求するコネクションを受け入れることができる場合、前記コネクションを設定するため、ノード管理サーバー5は、対応するノード設定サーバー4に対し、ルーティングタグ・テーブルといった対応するハードウェアの設定を要求する(図16のステップ93)。一方、前記判定等の結果、網が前記データ送信端末の要求するコネクションを受け入れることができない場合、前記ノード管理サーバー5は、呼設定サーバーを経由して(図16のステップ92)、前記呼設定要求を受け入れない旨、前記データ送信端末に通知する(図14のステップ75,76,78)。
【0215】
ノード設定サーバー4は、前記ハードウェア設定要求を受信すると(図17のステップ110)、ルーティングタグ・テーブルといった、対応するハードウェアに対し、指定されたデータを書き込むとともに(図17のステップ111)、ノード設定サーバー4が管理するbackupファイル42がある場合、前記backupファイル42に設定内容の書き込みを実行する(図17のステップ113〜116)。前記ノード設定サーバー4は、前記設定が終了した場合、前記設定要求を出したノード管理サーバー5に対して、前記設定の終了を通知する(図17のステップ112)。
【0216】
ノード管理サーバー5は、前記設定終了の通知を受信すると(図16のステップ96)、該ノード管理サーバー5の管理する管理ファイル56の更新を行い (図16のステップ98)、呼設定が要求された前記コネクションが、サブネットワークに属するすべての端末に共通するコネクションであった場合、必要に応じて、前記管理ファイル56からNISマップ62が作成され、該作成したNISマップ62で、該ノード管理サーバー5が管理するNISマップ62を更新する(図16のステップ99〜100)。
【0217】
ここに、本発明の一実施例においては、ノード管理サーバー5は、NISマスター・サーバー600としても機能していると想定しているので、前記NISマップ62が更新された場合、前記マップを管理しているノード管理サーバー5は、対応するNISスレーブ・サーバー601に対し、該当するNISマップ62の更新を要求する(図16のステップ101)。最後に、ノード管理サーバー5は、以上説明したような設定が終了した場合、設定の終了と前記コネクションの設定とを要求したデータ送信端末がセル転送時に使用するVPI/VCI値等を、前記呼設定サーバーを経由して、前記データ送信端末へ通知する(図16のステップ97と図14のステップ77)。
【0218】
データ送信端末は、前記設定終了とVPI/VCI値等の通知とを受けると (図12のステップ59)、前記VPI/VCI値等を基にセルを作成し、該作成したセルを、呼設定時に、網に申告したトラヒック・パラメータを違反しないように送信することによって、データ転送を開始する(図12のステップ60,64)。なお、前記データ送信端末は、宛先のデータ受信端末に対するコネクションのうち、該端末に固有なVPI/VCI値等を記憶しているNISファイル63に、前記網から通知されたVPI/VCI値等を追加してもよい。
【0219】
前記した呼設定手順は、データ送信端末とデータ受信端末が、同一のサブネットワークに存在する場合であったが、以下、データ送信端末とデータ受信端末が、同一のサブネットワークに存在しない場合について、前記した呼設定手順との差分について、具体的に説明する。
【0220】
呼設定サーバーが受信した呼設定要求のうち、該呼設定で要求されるコネクションのエンド・ポイントであるデータ受信端末が、前記呼設定サーバーが対象とするサブネットワークにない場合(図14のステップ71)、前記呼設定サーバーは、対象とするサブネットワーク内の呼設定と、対象とするサブネットワーク外の呼設定の両方について対応しなければならない。呼設定サーバーが対応しなければならない前記呼設定のうち、該呼設定サーバーが対象とするサブネットワーク内の呼設定(データ送信端末からIWUまでの呼設定) については、前記したデータ送信端末とデータ受信端末が同一のサブネットワーク内にある場合と同様である(図15のステップ79)。
【0221】
一方、該呼設定サーバーが対象とするサブネットワーク外の呼設定については、該呼設定サーバーが受信した呼設定要求を、対応するサブネットワーク外の呼設定サーバーにリレーイングすることによって実行される(図15のステップ80)。すなわち、前記呼設定要求を受信した呼設定サーバーは、該受信したデータ送信端末からデータ受信端末までの呼設定要求を、サブネットワーク内の対応するIWUからデータ受信端末までの呼設定要求に変更し、前記変更した呼設定要求を、前記呼設定サーバー7は、対応するサブネットワーク外の呼設定サーバーに、対応するシグナリング・チャネル13を用いて転送する。前記サブネットワーク内の呼設定サーバー7は、該サブネットワーク内のノード管理サーバー5からコネクションの設定通知および前記コネクションを用いるためのVPI/VCI値等を受信するとともに(図15のステップ83)、該サブネットワーク外の対応する呼設定サーバーからコネクションの設定通知を受信した場合(図15のステップ84)、前記サブネットワーク内の呼設定サーバーは、該呼設定要求を送信したデータ送信端末に対し、呼設定の終了と、前記コネクションを用いるためのVPI/VCI値等とを通知する(図14のステップ77)。
【0222】
前記した手順において、変更された呼設定要求を受信したサブネットワーク外の呼設定サーバーの行う手順については、サブネットワーク内の呼設定サーバー7の行う手順と同様である。すなわち、該呼設定要求を受信したサブネットワーク外の呼設定サーバーは、該呼設定要求を、担当するサブネットワーク内の呼設定と、担当するサブネットワーク外の呼設定要求に分割し、担当するサブネットワーク内の呼設定に対しては、コネクションの設定を、対応するノード管理サーバー5に要求する。また、担当するサブネットワーク外の呼設定要求に対しては、呼設定要求を、前記したように変更した後、対応する呼設定サーバーに対し、シグナリング・チャネルを用いて転送する。
【0223】
前記したノード管理サーバー5の呼設定手順においては、該ノード管理サーバー5は、呼設定サーバー7からの要求に従って、ノード設定サーバー4に対しハードウェアの設定要求を送信するとしていた。ノード管理サーバー5が、要求を受け付けた旨を、呼設定サーバーからの要求を受け付けるとすぐに呼設定サーバーへ返答せずに、処理が終了してから呼設定サーバーへ返答する場合、以下のようなことが生じる可能性がある。すなわち、前記方法を採用した場合、呼設定サーバーが呼設定要求を送信する度に、ノード管理サーバー5は、ハードウェアの設定要求をノード設定サーバー4に送信するが、前記呼設定サーバー7が、前記呼設定要求のタイムオーバー等の原因によって呼設定要求を再送した場合、該ノード管理サーバー5は、ノード設定サーバー4に対してハードウェアの設定要求を再送する可能性がある。この点は、以下の手順を採用することにより回避できる。すなわち、ノード管理サーバー5が、呼設定サーバー7から呼設定要求を受信した場合、管理ファイル56を参照し、前記呼設定要求に対し設定するコネクションが、すでに前記管理ファイル56に登録されていた場合、ノード設定サーバー4に対しては設定要求を出さずに、端末に対して設定完了通知を出すことによって、上記可能性は回避できる。
【0224】
しかし、この場合でも、管理ファイル56に登録されている情報と、実際にハードウェアに設定されている設定データとが異なるときは、端末からのコネクション設定要求が無視される可能性がある。この点に関しては、管理ファイル56に登録されているコネクションに対し、1回目の設定要求に対しては前記した通り何のアクションも起こさないが、2回目以降の設定要求に対して何らかのアクション(例えば、実際に設定を行う、または、エラーを返す等) を起こすことによって改善される。
【0225】
同様に、ノード設定サーバー4は、ノード管理サーバー5から、ハードウェア・テーブルの設定要求を受信した場合、backupファイル42が存在する場合、前記backupファイル42を参照し、前記ハードウェアの設定がすでに実行されている場合、前記設定要求に対してはハードウェアの設定を行わずに、ノード管理サーバー5に対して設定完了を通知することによって、性能が改善される。さらに、コネクション設定サーバーは、backupファイル42にすでに実行されたアクションに対して、1回目のアクション要求に対してはアクションを起こさず、2回目以降のアクション要求に対して何らかのアクション(例えば、実際に設定を行う、または、エラーを返す等) を起こすことによって、backupファイル42と実際のハードウェアの不一致による不具合を改善することができる。
【0226】
1−6.予め設定されたコネクションを用いたデータ通信について
ここでは、前記したように、予め設定されたコネクションを用いて行うコネクション型のデータ通信と、コネクションレス型のデータ通信について、図11、図12、および13を参照しながら、具体的に説明する。
【0227】
本発明の一実施例においては、前記したように、端末(Host)上の、データ通信を行う必要の生じたユーザ・プロセスは、まず、端末固有のVPI/VCIテーブルであるNISファイル63を参照し、次に、サブネットワークに属する端末に共通なVPI/VCIテーブルであるNISマップ62を参照し、宛先のデータ受信端末までのセル転送に必要なQOSを満たすコネクションが、すでに設定されているかどうか、宛先のデータ受信端末の名前をキーとして、前記テーブルを検索する。前記NISファイル63またはNISマップ62を参照した結果、宛先のデータ受信端末までのコネクションがすでに設定されていた場合、前記すでに設定されているコネクションを用いてデータ転送を開始する。すなわち、前記ユーザ・プロセスは、前記2つのテーブルを検索した結果、得られたVPI またはVPI/VCI値等を使用して、送信データから、定義されたプロトコルに従ってユーザセルを作成し、該作成したセルを、前記テーブル検索時に用いたトラヒック・パラメータを違反しないように送信することによって、データ転送を開始する。
【0228】
以上説明した、予め設定されたコネクションを用いてデータ通信を行う場合には、以下に説明するような、PVC(Permanent Virtual Connection)を用いてデータ通信を行う場合と、呼接続が終了していないコネクションを用いて、コネクション型のデータ通信を再開する場合と、コネクションレス型のデータ通信を行う場合の、3通りの場合が存在する。以下、前記3とおりの場合について、具体的に説明する。
【0229】
PVCを用いたデータ通信は、よくデータ通信が行われる端末間に、予めコネクションを設定しておくことによって、実際にデータ通信を行う必要の生じた時に、呼設定を行わずに、データ転送を開始することのできる効率的なデータ通信方法をユーザに提供する方法である。前記PVCを用いたデータ通信方法を、本発明のATM交換システムで行うためのは、前記よくデータ通信が行われるデータ送信端末とデータ受信端末間に、予め、前記データ通信に必要なQOSと、トラヒック・パラメータを持つコネクションを設定しておき、前記コネクションのためのVPI/VCI値等を、NISファイル63(またはNISマップ62)に登録しておく。
【0230】
本発明によるATM交換システムにおいては、前記したデータ送信端末が、データ通信を行う必要が生じた場合、宛先のデータ受信端末までのコネクションが、すでに設定されているかどうか調べるために、宛先のデータ受信端末の名前と、データ通信に必要なQOSを、キーとして、NISファイル63(またはNISマップ62) が検索される。前記NISファイル63(またはNISマップ62) には、PVCを用いたデータ通信のためのVPI/VCI値等が予め設定されているので、前記検索の結果、前記コネクションに対するVPI/VCI値等が検索される。前記データ送信端末は、前記検索されたVPI/VCI値等を用いて、送信するセルを作成し、前記NISファイル63(またはNISマップ62) 検索時に得られたトラヒック・パラメータに違反しないように、該作成したセルを送信することによって、呼設定を行わずにデータ転送を開始することができる。
【0231】
当初予定していたデータ通信は終了したが、コネクションの接続を終了していないコネクションを用いて、コネクション型のデータ通信を再開する場合には、以下に示す2通りのものが存在する。すなわち、1つ目の場合は、ユーザ側の立場から、データ転送が終了したコネクションに対して、コネクションの接続を解除しないことによって、同一の宛先に呼設定を行わずに、効率的にデータ通信を行う目的のためのものである。2つ目の場合は、網側の立場から、データ通信が行われたデータ送信端末とデータ受信端末の間には、近い将来に再びデータ通信が行われる可能性が高く、前記コネクションに対して、可能な限りコネクションの接続を保持することによって、前記コネクションに対して網が再び呼設定要求の処理を実行する手間を省略するためのものである。
【0232】
1つ目の場合の、ユーザの立場によるコネクションの切断の保留は、ユーザからのコネクションの切断要求によって、コネクションの接続を解除することによって実現できる。すなわち、網は、ユーザからのコネクションの切断要求を受信するまでは、一度呼設定されたコネクションを解除しないことによって、ユーザは、前記コネクションを用いて、同一の宛先に対して、呼設定を行わずに効率的にデータ通信を行うことができる。
【0233】
この方法をユーザに提供した場合、ユーザは効率的にデータ通信を行えるという利点がある。一方、ユーザがコネクションの切断要求を行わない場合、新たにコネクションを設定できない可能性がある。この点への対処方としては、コネクションの設定継続時間に対し課金をすることによって、ユーザのコネクションの切断要求を促す方法が考えられる。本発明の一実施例においては、前記したユーザの立場によるコネクションの切断の保留は、PVCによる方法によってユーザにサービスを提供することを想定する。
【0234】
2つ目の場合の網の立場によるコネクション切断の保留は、ユーザのデータ通信が終了した場合でも、一定期間、前記データ通信に用いられたコネクションの接続を終了しないことによって、前記一定期間内に再び同一のデータ通信が行われる場合、再び網が呼設定処理を行わずに、ユーザに対し、サービスを提供できるといった方法である。前記方法は、コネクションの切断を、ライフタイムと呼ばれる一定期間行わずに、前記ライフタイムの期間内に同一のデータ通信が行われる場合、呼設定を行わずにデータ通信を行うことによって実現することができる。前記方法を採用した場合、データ通信が終了しても、前記ライフタイムの期間内はコネクションが切断されないので、前記ライフタイムの期間内に、同一のデータ通信が行われる場合は、ユーザは呼設定要求を行わずにデータ通信を行うことによって、網は、呼設定要求に対する処理を行う手間が軽減されるといった利点がある。
【0235】
一方、1つ目の場合に対して、コネクションの継続時間に対して課金する方法を採用した場合、ユーザは、コネクションの継続時間に対する課金を少なくするため、コネクションの継続時間、すなわちライフタイムに対する時間設定を小さくしようとする。そのした結果として、同一の宛先に対してデータ通信が行われる場合でも、前記ライフタイムの期間内に、前記データ通信が行われる可能性が低下し、前記同一の宛先に対するデータ通信が行われる際にも、ユーザが、呼設定を行わなければならない場合が多くなることも考えられる。この点は、ユーザの送信する呼設定要求に対して課金することによって、ユーザの、ライフタイムに対する時間設定を長く設定するように誘導することによって、改善することができる。なぜなら、ユーザは、呼設定要求回数に対する課金およびライフタイムに対する課金の課金金額の合計が最小となるように、ライフタイムに対する時間設定を変えるため、網が呼設定要求回数に対する課金を高くした場合、ユーザは、ライフタイムに対する時間設定を長くすることによって、同一の宛先に対してデータ通信を行う場合、呼設定要求を出さずにデータ通信を行おうとするためである。
【0236】
一方、企業内ネットワークの場合は、データ通信に対して課金が行われないので、前記課金を行うことによって、ユーザのライフタイムに対する時間設定を、網側の意図によって誘導することはできない。従って、前記した企業内ネットワークの場合は、網にとって都合のよいライフタイムに対する時間設定を、ユーザが使用するように推奨することが望ましい。
【0237】
以下、本発明の一実施例においては、コネクションに対して、ライフタイムを設定する方法を想定して説明する。なお、前記したPVCに対しては、無限大のライフタイムを設定することによって対応することができる。
【0238】
以下、コネクションレス型データ通信を、予め設定されたコネクションを用いて行う場合について、具体的に説明する。
【0239】
ここに、従来のATM交換システムにおいては、コネクションレス型のデータ通信は、CLSF処理手段によって実行される。すなわち、データ送信端末が、コネクションレス型のデータ通信を行う場合、情報セルをCLSF処理手段に送信することによって、前記データ通信を実行することができる。一方、従来のコンピュータ間のデータ通信は、コネクションレス型のデータ通信方法を用いて行われていたので、従来構成のATM交換システムにおいて、従来方法によってコンピュータ間のデータ通信を実行した場合、コンピュータ間のデータ通信は、CLSF処理手段に集中してしまう、といった問題点があった。
【0240】
前記問題点については、コンピュータ間のデータ通信を行う端末間に、予めQOSの保証を必要としないコネクションを設定しておき、端末が、前記データ通信を行う必要が生じた場合、前記コネクションを用いてデータ通信を行うことによって、CLSF処理手段を経由せずにデータ通信が行えるので、前記問題点は軽減される。具体的には、ネットワークの立ち上げ時、または、端末の立ち上げ時、または、端末の要求に従って、コンピュータ間のデータ通信を行う端末間に、予めQOSの保証を必要としないコンピュータ間のデータ通信用のコネクションを設定しておく。端末(Host)が、従来方法によって、コンピュータ間のデータ通信を行う場合、端末上のソフトウェア、またはTCP等のプロトコル・ソフトウェアによって、廃棄されたパケットに対して再送制御等が行われるので、前記データ通信を行うためのコネクションに対してはセル廃棄があってもよい。また、コンピュータ間等のデータ通信の多くの場合は、ファイル転送等のデータ転送の遅延が許されるデータ転送である。従って、前記コンピュータ間のデータ通信は、QOS(セル廃棄率、セル転送遅延等) の保証を必要としないライフタイムが無限大のコネクションで提供することができる。前記コネクションに対するVPI/VCI値等は、予めNISマップ62またはNISファイル63に登録しておき、前記端末が、前記宛先に対するデータ通信を行う必要が生じた場合、前記NISファイル63またはNISマップ62を検索することによって、前記コネクションに対するVPI/VCI値等を獲得し、前記VPI/VCI値等を用いて、送信セルを作成し、前記セルを送信することによってデータ転送を開始する。
【0241】
1−7.保守・管理について
本発明の一実施例においては、ATM交換システムの保守・管理の大部分は、ノード管理サーバー5が行うことを想定している。以下、図1を参照しながら、本発明の一実施例におけるノード管理サーバー5によるATM交換システムの保守・管理方法について具体的に説明する。
本発明の一実施例で想定しているATM交換システムの保守・管理には、以下の項目が存在する。
(1)コネクションの接続確認
(2)端末または各種サーバーの生存確認
(3)ハードウェア・テーブル等の正当性確認およびソフトウェア・テーブル等の正当性確認
(4)ハードウェア・テーブルとソフトウェア・テーブル間の整合性確認
(5)複数ソフトウェア・テーブル間の整合性確認
(6)統計情報の収集および統計情報に基づくコネクション制御
以下、前記した各項目について、具体的に説明する。
【0242】
1−7−1.コネクションの接続確認
従来のATM交換システムでは、コネクションの接続確認は、物理リンクのエンド・エンド間の物理レイヤでの接続確認と、ATMコネクションのエンド・エンド間のATMレイヤでの接続確認の2レベルの接続確認を想定している。
【0243】
本発明の一実施例においては、前記物理レイヤでの接続確認は、ハードウェアに組み込まれた論理回路(セル同期回路、フレーム同期回路等) によって行われるものとし、前記論理回路によって行われた物理レイヤでの接続確認情報は、ハードウェア上のレジスタまたはRAM等に、必要に応じて書き込まれるとする。また、本発明の一実施例においては、ノード管理サーバー5は、前記接続確認情報等を、以下に示す3つの方法によって獲得することを想定している。すなわち、1つ目の方法は、ノード管理サーバー5が、ノード設定サーバー4を経由して、ハードウェア上の前記接続確認情報等を読み取る方法であり、最も一般的な方法と考えられる。2つ目の方法は、ノード設定サーバー4が、ハードウェア上の前記接続確認情報等を、周期的にポーリングする方法である。前記ノード設定サーバー4がポーリングした結果得られた接続確認情報等に異常が検出された場合、ノード設定サーバー4が、割込みでノード管理サーバー5に通知するか、それとも前記接続確認情報等をノード設定サーバー4が管理するbackupファイル42に書き込んでおき、ノード管理サーバー5がノード設定サーバー4を経由して、前記backupファイル42に書き込まれた情報をアクセスすることによって、ノード管理サーバー5が前記情報にアクセスすることができる。前記した2つ目の方法は、ハードウェアとソフトウェアにとって、最も負荷の小さい方法と考えられる。3つ目の方法は、物理レイヤで得られた接続確認情報等に異常が検出された場合、前記異常を検出したハードウェア上のロジックが、割込みで前記異常をノード設定サーバー4に通知し、ノード設定サーバー4は、前記異常情報をノード管理サーバー5にリレーイングすることによって、ノード管理サーバー5は、異常情報にアクセスするという方法である。前記した3つ目の方法は、ノード管理サーバー5が、異常情報を最も早くアクセスできる方法と考えられる。
【0244】
また、前記ATMレイヤでの接続確認は、ATMコネクションのエンド・エンド間に、接続確認用のOAMセルを転送することによって、前記ATMレイヤでの接続確認を実行することができる。具体的には、ノード管理サーバー5は、管理ファイル56に登録されたコネクションのうち、接続確認を行う必要のあるコネクションに対して、コネクションの一方のエンド・ポイントをノード管理サーバー5とし、コネクションのもう一方のエンド・ポイントでループバックされる(または、応答を返す)ような設定を施した接続確認用のOAMセルを送信する。前記接続確認用のOAMセルが、前記コネクションのエンド・ポイントでループバックされ、前記OAMセルを、前記ノード管理サーバー5が、再び受信することによって、前記接続確認を実行することができる。
【0245】
また、前記ノード管理サーバー5は、必要に応じて、前記OAMセルを送信してから、再び前記OAMセルを受信するまでの時間を測定することによって、前記OAMセルを送信したコネクションの、セルの混み具合(輻輳状態) を知ることができる。
【0246】
以上説明した、物理レイヤとATMレイヤの接続確認等の情報は、必要に応じて管理ファイル56に書き込まれ、管理ファイル56をアクセスすることによって、ATM交換システム内のすべての接続確認情報にアクセスできるような手段を、網はシステム管理者に対し提供してもよい。
【0247】
1−7−2.端末または各種サーバーの生存確認
以下、端末または各種サーバーの生存確認方法について説明する。なお、生存とは、端末や各種サーバーなどの個々の装置が正常に動作していることを言うものとする。
【0248】
本発明の一実施例においては、端末(または各種サーバー)の生存確認は、以下に示すような、3レベルの確認方法によって行うことを想定する。すなわち、所定のチャネル、例えばブートチャネルやメタシグナリングチャネルを使って、第1レベルの生存確認として、ノード管理サーバー5から端末(または、各種サーバー) までのコネクションの接続確認とし、第2レベルの生存確認として、ノード管理サーバー5から端末(または、各種サーバー) 上のプロトコル・ソフトウェアまでのコネクションの接続確認とし、第3レベルの生存確認として、ノード管理サーバー5から端末(または、各種サーバー) 上のソフトウェアまでのコネクションの接続確認とする。
【0249】
第1レベルの生存確認は、前記したATMレイヤでのコネクションの接続確認方法と同様の方法で実現することができる。すなわち、ノード管理サーバー5から端末(または、各種サーバー) で、ループバックされるような設定を施した接続確認用のOAMセルを送信し、前記OAMセルを前記ノード管理サーバー5が再び受信することによって、第1レベルの生存確認を実現することができる。
【0250】
第2レベルの生存確認は、従来から行われているTCP/IPにおけるICMP(Internetwork Control Message Protocol )のエコー(echo)要求パケットの送受信と同じような方法によって実現することができる。すなわち、端末(または、各種サーバー) 上に実装されるプロトコル・ソフトウェアの中に、特定のフォーマットを持つセルを受信した場合、受信セルの宛先と送り元をひっくり返したセルを送信するルーチンを設け、前記ルーチンを用いて送り元から送信されたセルを送り元に返送することによって、端末(または、各種サーバー) 上のプロトコル・ソフトウェアの生存確認を行うことができる。前記第2レベルの生存確認を用いることによって、ホスト・インターフェースのハードウェアとソフトウェアとの間のインターフェースが、正常に機能していることを確認することもできる。
【0251】
第3レベルの生存確認は、前記した第2レベルの生存確認と同じ方法を用いて実行することができる。すなわち、端末(または、各種サーバー) 上に実装されるアプリケーション・ソフトウェアの中に、特定のフォーマットを持つセルを受信した場合、受信セルの宛先と送り元をひっくり返したセルを送信するルーチンを設け、前記ルーチンを用いて送り元から送信されたセルを送り元に返送することによって、端末(または、各種サーバー) 上のアプリケーション・ソフトウェアの生存確認を行うことができる。
【0252】
1−7−3.ハードウェア・テーブル等の正当性確認およびソフトウェア・テーブル等の正当性確認
本発明の一実施例においては、ソフトウェア・テーブル( もしくは、ハードウェア・テーブル) として、backupファイル42、configファイル55、管理ファイル56、NISマップ62、NISファイル63の5つのファイルを想定している。前記ソフトウェア・テーブルとハードウェア・テーブルの正当性は、パリティ・チェック等の方法によって確認することができる。すなわち、テーブルにデータを書き込む場合、データとともにパリティ・データもテーブルに書き込んでおき、テーブルからデータを読み出す場合、前記パリティ・データを基にパリティ・チェックを行うことによって、テーブルの正当性を確認することができる。
【0253】
1−7−4.ハードウェア・テーブルとソフトウェア・テーブル間の整合性確認
本発明の一実施例においては、ハードウェア・テーブルと、ノード管理サーバー5が管理するbackupファイル42(ソフトウェア・テーブル) との間に、整合性が取れていることを想定している。すなわち、本発明においては、ハードウェアの検出情報(例えば、エラー情報) を、ノード管理サーバー5がアクセスする方法として、ノード設定サーバー4が、ハードウェア・テーブルをポーリングして、backupファイル42に書き込んだ情報を、ノード管理サーバー5が、ノード設定サーバー4を経由して読み取ることによって、効果的にアクセスする方法を想定していた。また、本発明においては、交換機に電源断等の障害が発生し、ハードウェア・テーブルの内容が破壊された場合、ノード設定サーバー4が、backupファイル42に書かれた情報を基に、ハードウェア・テーブル等を復元することを想定していた。従って、本発明においては、ハードウェア・テーブルとソフトウェア・テーブルとの間に、整合が取れていることが必要である。
【0254】
本発明の一実施例においては、ノード設定サーバー4が、定期的に、ハードウェア・テーブルと、backupファイル42(ソフトウェア・テーブル) を読み出して、読み出したデータを比較することによって、前記整合性の確認を行うものとする。
【0255】
1−7−5.複数ソフトウェア・テーブル間の整合性確認
本発明の一実施例においては、管理ファイル56とbackupファイル42、管理ファイル56とノード管理サーバー5が管理するNISマップ62( 以下、NISマスター・マップ620と呼ぶ) 、NISマスター・マップ620とNISスレーブ・サーバー601が管理するNISマップ62( 以下、NISスレーブ・マップ621 と呼ぶ) といったファイル間に整合性が取れていることを想定している。以下、前記3組のファイル間の整合性について、順に説明する。
【0256】
まず、管理ファイル56とbackupファイル42との間のファイル間の整合性について説明する。本発明の一実施例においては、管理ファイル56に登録された情報に基づいて、ノード管理サーバー5が、ATM交換システム内に設定されたコネクション等の管理を行うことを想定している。それゆえ、管理ファイル56とbackupファイル42との間に整合が取れていない場合、例えば、管理ファイル56に登録されているコネクションのうち、ハードウェアの設定が行われていないコネクションが存在する場合、ユーザが、管理ファイル56に登録されたコネクションを用いてデータ通信を行おうとしても、前記コネクションに対してハードウェア設定は行われていないので、前記データ通信を行えない可能性がある。また、backupファイル42に登録されているコネクションのうち、管理ファイル56に登録されていないコネクションが存在する場合、ノード管理サーバー5が知り得ないコネクションが存在することとなり、セキュリティ上で考慮すべき点が生ずる可能性がある。従って、何らかの方法を用いて、管理ファイル56の内容とbackupファイル42の内容との間に整合性を取れば良いわけである。本発明の一実施例においては、定期的に、管理ファイル56の情報を基に、ハードウェアの設定情報を作成し、前記作成したハードウェアの設定情報と、backupファイル42の内容を比較することによって、前記管理ファイル56とbackupファイル42の内容の整合性を取ることを想定している。
【0257】
次に、管理ファイル56とNISマスター・マップ620との間の、ファイル間の整合性について説明する。
【0258】
まず、本発明の一実施例においては、ユーザは、NISを用いて、データ通信を行うためのVPI/VCI値等を獲得することを想定しているので、NISマスター・マップ620に登録されているコネクションのうち、管理ファイル56に登録されていないコネクションが存在した場合で、前記コネクションを使って、ユーザがデータ通信を行おうとしても、前記データ通信を実行できない可能性がある。また、逆に、管理ファイル56に登録されているコネクションのうち、NISマスター・マップ620に登録されていないコネクションが存在した場合、ユーザがNISを使用しても、前記コネクションを使用するためのVPI/VCI値等を獲得しえないため、ユーザは、前記コネクションを使用することができない。従って、そのような場合、何らかの方法を用いて、管理ファイル56とNISマスター・マップ620の内容との間に、整合性を取らば良い。本発明の一実施例においては、定期的に、管理ファイル56の情報を基に、NISマスター・マップ620を作成し、前記作成したNISマスター・マップ620の内容と、既存のNISマスター・マップ620の内容を比較することによって、前記管理ファイル56とNISマスター・マップ620の内容の整合性を取ることを想定している。
【0259】
最後に、NISマスター・マップ620とNISスレーブ・マップ621 との間の、ファイル間の整合性について説明する。本発明の一実施例においては、ユーザは、NISを用いて、データ通信を行うためのVPI/VCI値等を獲得することを想定しているので、すべてのNISマップ62間の整合性が取られていなければならない。従って、何らかの方法を用いて、管理ファイル56とNISマスター・マップ620の内容との間に、整合を取らなければならない。本発明の一実施例においては、定期的に、管理ファイル56の情報を基に、NISマスター・マップ620を作成し、前記作成したNISマスター・マップ620の内容と、既存のNISマスター・マップ620の内容を比較することによって、前記管理ファイル56とNISマスター・マップ620の内容との間に、整合性を取ることを想定している。
【0260】
1−7−6.統計情報の収集および統計情報に基づくコネクション制御
本発明の一実施例においては、ノード管理サーバー5が、ATM交換システム内に設定されたコネクション等に関する情報を収集し、前記情報に基づいて、ATM交換システム内に設定されたコネクション等の管理を行うことを想定している。また、ノード管理サーバー5が収集した統計情報等は、一端、管理ファイル56に書き込まれ、前記管理ファイル56に書き込まれた統計情報等を用いて、ノード管理サーバー5は、ATM交換システム内のコネクション等の制御を行うことを想定している。
【0261】
まず、本発明の一実施例においては、前記したように、ハードウェア上のロジックに組み込まれた回路によって、収集されたATM交換システム内に設定されたコネクションに関する統計情報は、一端、ノード設定サーバー4によって読み取られ、前記ノード設定サーバー4が管理するbackupファイル42内に書き込まれる。従って、ノード管理サーバー5は、ノード設定サーバー4を通して、backupファイル42をアクセスすることによって、前記ノード設定サーバー4が収集したハードウェアの統計情報をアクセスすることができる。ノード管理サーバー5がアクセスしたハードウェアの統計情報は、ノード管理サーバー5が管理する管理ファイル56に収集される。
【0262】
ノード管理サーバー5は、前記したハードウェアの統計情報以外に、ノード管理サーバー5が送信するOAMセル等によって得られた、統計情報に関しても収集を行う。すなわち、本発明の一実施例においては、上記(1−7−1) コネクションの接続確認、および上記(1−7−2) 端末または各種サーバーの生存確認の項で前記したように、ノード管理サーバー5は、接続確認用のOAMセル等を送信し、前記OAMセル等がターゲット・ポイントでループバックされ、前記OAMセル等を、再び前記ノード管理サーバー5が受信することによって、コネクションの接続確認・端末(または、各種サーバー) の生存確認を行うことを想定している。また、ノード管理サーバー5は、前記OAMセル等を送信してから、前記OAMセル等を再び受信するまでの時間を測定し、前記測定した時間を基に、対象とするコネクションの輻輳状態、あるいは端末(または、各種サーバー) の負荷状態に関する統計情報を収集することができる。前記収集した統計情報は、ノード管理サーバー5によって、前記サーバーが管理する管理ファイル56に収集される。
【0263】
次に、ノード管理サーバー5は、前記管理ファイル56に収集された統計情報を基に、ATM交換システム内に設定されたコネクションの制御等を行う。すなわち、障害等の原因により、ハードウェア・テーブル等の設定が破壊され、コネクションが切断された場合、管理ファイル56に収集された統計情報によって前記不具合を検出し、ノード管理サーバー5が、前記統計情報を基にハードウェア・テーブル等の設定を修復することによって、前記不具合を解消することができる。ハードウェア・テーブル等の設定を修復するだけでは、前記不具合を解消することができない場合で、ルーティングを変更することによってコネクションのエンド・エンド間のデータ通信が実行できる場合、ノード管理サーバー5が、ハードウェア・テーブル等の設定を変更し、前記コネクションに対するルーティングを変更することによって、前記不具合を解消することができる。
【0264】
また、各種サーバーの負荷状態に関する統計情報を用いることによって、ノード管理サーバー5は、負荷の大きいサーバーに対して、前記サーバーのクライアントの一部を、負荷の小さいサーバーのクライアントに移すことによって、前記サーバーの負荷を軽減することができる。一方、ユーザに対しては、ユーザ側のプロセスであるクライアント・プロセスが帰属(bind)しているサーバーの負荷が大きい場合、前記クライアントがサーバーに対し要求を送信し、前記サーバーが前記クライアントに対するサービスを行うまでの応答時間が長くなる可能性がある。本発明の一実施例においては、ノード管理サーバー5が、前記した方法によって、各種サーバーの負荷状態を観測し、負荷の大きなサーバーのクライアントの一部を負荷の小さなサーバーに移すことによって、サーバーの負荷を軽減し、結果として、サーバーのクライアントに対する応答時間を短縮することができる。
【0265】
前記した方法は、網がアクションを起こすことによって、端末へのサービス応答を改善する方法であったが、端末がアクションを起こすことによっても、前記端末へのサービス応答を改善することができる。以下、端末がアクションを起こすことによって、端末へのサービス応答を改善する方法について説明する。
【0266】
端末上のクライアントは、サーバーの応答が遅くなった場合、まず、前記クライアントが、ノード管理サーバー5に対し、前記クライアントの帰属(bind)するサーバーの変更を要求する。ノード管理サーバー5は、前記要求を受信した場合、管理ファイル56を参照し、前記クライアントの帰属(bind)するサーバーを、負荷の小さなサーバーに変更することによって対応する。具体的には、ノード管理サーバー5は、対応するハードウェア・テーブル等の設定を変更することによって、前記端末上のクライアントのサーバーに対して送信する要求が、前記変更後のサーバーにルーティングされるようにする。前記方法を採用することによって、端末上のクライアントは、サーバーが変更された場合でも、VPI/VCI値等を変更せずに、変更後のサーバーに対し要求を送信することができる。
【0267】
2.本発明に係るVPI/VCI割り当てアルゴリズム
以下、VPI/VCI値の割り当てアルゴリズムについて、図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0268】
2−1.VPI/VCI割り当てアルゴリズムの必要性と従来方法について まず、VPI/VCI割り当てアルゴリズムの必要性について簡単に説明する。ATMにおけるデータ通信の場合、データ転送路上に多重化された複数のコネクションは、VPIまたはVPI+VCIで、個々のコネクションが識別される。従って、ATMにおけるデータ通信の場合、データ転送路上で個々のコネクションが識別できるように、VPIまたはVPI+VCIを、個々のコネクションに割り当てなければならない。ここに、以下、VPIまたはVPI+VCIを、対応するコネクションに割り当てることを、単に、VPI/VCIの割り当てと呼こととする。
【0269】
ATMにおけるデータ通信の場合、一般的には、VPI/VCIの割り当ては、以下に示すように、呼設定時に網によって行われる。すなわち、データ送信端末は、データ通信開始時に、網に対して、データ送信端末からデータ受信端末までのコネクションの設定(呼設定) を要求する。従来技術の節でも説明したように、網は、呼設定要求を受信した場合、データ送信端末が申告したトラヒック・パラメータを基に、データ送信端末からデータ受信端末までの、該データ送信端末が要求したQOSを満たすコネクションが設定できるかどうか判定する。該コネクションが設定できる場合、網は、該コネクションを設定するとともに、該データ送信端末が該コネクションを使用するためのVPI/VCI値を、該コネクションが多重化されるデータ転送路上の他のコネクションのVPI/VCI値に重ならないように、該コネクションに割り当てを行う。最後に、網は、前記呼設定要求を送信したデータ送信端末に呼設定の終了を伝えるとともに、該コネクションに割り当てたVPI/VCI値等の通知を行う。
【0270】
本発明の一実施例においては、VPI/VCIの割り当ては、前記した呼設定時以外にも、以下に示す2つの場合にも網によって行われる。すなわち、本発明の一実施例においては、網の立ち上げ時に、網によって、メタシグナリング・コネクション以外にも、予め記述された設定ファイル(configファイル55)の内容に従って、予め指定されたコネクションが設定されるが、前記コネクションの設定時にも、必要に応じてVPI/VCIの割り当てが行われる。同様に、本発明の一実施例においては、端末の立ち上げ時に、網によって、シグナリング・コネクション以外にも、予め記述された設定ファイル(configファイル55)の内容に従って、予め指定されたコネクションが設定されるが、前記コネクションの設定時にも、必要に応じてVPI/VCIの割り当てが行われる。
【0271】
ここで、従来のATMにおいては、VPI/VCIの割り当ては、網が呼設定要求を受信した際に、網が、データ送信端末からデータ受信端末までコネクションを設定し、該設定したコネクションにVPI/VCI値を対応させる場合に、VPI/VCI割り当てアルゴリズムが実行される。
【0272】
ITU−TS(旧CCITT)によるATMの標準化において、前記設定したコネクションに、VPI/VCI値を対応する方法として、コネクションを設定する度に、VPI/VCI値の番号の若い方から順にVPI/VCI値を割り当てていくという方法が標準化の方法として勧告されている。従って、前記標準化された方法に従った場合、コネクションを設定するごとに、VPI/VCI値の小さい方から順に、割り当てられるVPI/VCI値の最大の数までVPI/VCI値を割り当てていく。割り当てられるVPI/VCI値の最大の数までVPI/VCI値を割り当ててしまった場合で、次にVPI/VCI値を割り当てる場合は、最初に戻って、VPI/VCI値の小さい方から順に、使い終わったVPI/VCI値がないかどうか検索し、使い終わったVPI/VCI値がみつかった場合、該検索したVPI/VCI値を小さい方から順に、コネクションに割り当てていくことになる。
【0273】
前記VPI/VCI値の割り当て手順において、ある時点で、あるVPI/VCI値(nとする) まで割り当てた場合で、前記VPI/VCI値の割り当て終了後、nよりも小さいVPI/VCI値(mとする) が割り当てられたコネクションの使用が終了した場合、次の時点で、設定したコネクションにVPI/VCI値を割り当てる方法として、mを割り当てる方法と、n+1を割り当てる方法の2通りの方法が考えられる。
【0274】
しかし、mを割り当てる方法には、次のような短所がある。すなわち、一般に、データ通信には、データ通信し終わった端末に対し、再びデータ通信を行う確率が高いという特徴が存在するので、前記した例において、ある時点で、データ通信が終了したmというVPI/VCI値を持つコネクションは、近い将来、再び設定要求される確率が高いということになる。それゆえ、このmを割り当てる方法を採用した場合、次の時点で設定されたコネクションに対し、mというVPI/VCI値が割り当てられるので、次の時点で、他のデータ送信端末とデータ受信端末との間のコネクションが設定された場合、該コネクションにmというVPI/VCI値が割り当てられてしまい、同一のデータ送信端末とデータ受信端末との間のコネクションが再び設定される場合でも、該コネクションにmという同一のVPI/VCI値が割り当てられない場合があることになる。従って、前記した場合、同一のデータ送信端末とデータ受信端末との間のコネクションが、再び設定される場合でも、VPI/VCI割り当てアルゴリズムを再実行しなければならず、効率が悪い。
【0275】
一方、VPI/VCI値としてn+1を割り当てる方法を採用した場合、mというVPI/VCI値を持つコネクションが解放されても、次の時点で設定されるコネクションには、n+1というVPI/VCI値が割り当てられるので、mというVPI/VCI値が割り当てられていたコネクションに対し、近い将来、再び呼設定要求を網が受信した場合でも、mというVPI/VCI値を割り当てることができる。
【0276】
以下、本発明の一実施例においては、VPI/VCI値の割り当て方法として、このn+1を割り当てる方法を採用したものについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0277】
図18(a)は、本発明の一実施例におけるVPI/VCIの割り当て方法を行う場合の、ハード構成の一例を図示したものであり、図18(b)は、図18(a)における管理プロセス51のVPI/VCI値割当機能に関する要部構成を示したものである。(本発明の一実施例においては、VPI/VCI割り当て処理をノード管理サーバー5で行うとしているが、呼設定サーバー7で行っても良い。)
本発明の一実施例においては、呼設定サーバー7とノード管理サーバー5との間は呼設定用チャネル18で接続されており、ノード管理サーバー5は、呼設定用チャネル18を通して、呼設定サーバー7からコネクション設定要求を受信するものとする。ノード管理サーバー5上の管理プロセス51内に設けられた受信部511がコネクション設定要求を受信した場合、同VPI/VCI割当処理部512は、必要に応じて管理ファイル56を参照し、設定を要求されたコネクションに対し、VPI/VCI値を割り当て、この割り当て結果を同送信部513によって呼設定サーバー7に送るものとする。また、該管理ファイル56は複数のファイルから構成されるが、VPI/VCI値を割り当てるために用いるファイルとして、割り当てることのできるVPI/VCI値等をリストしたファイルをVPI/VCI−リスト・ファイル(以下、VPI/VCI−listファイルと記す)561とし、現時点から過去にさかのぼって、一番最後に割り当てられたVPI/VCI値等を一時的に記憶するためのファイルをVPI/VCI−ポインタ・ファイル(以下、VPI/VCI−pointer ファイルと記す)562とする。従って、ノード管理サーバー5上の管理プロセス51は、コネクション設定要求を受信した場合、まず、VPI/VCI−pointer ファイル562を参照し、一番最近に割り当てたVPI/VCI値(または、VPI/VCI−listファイル561に記述されたVPI/VCIリストの番号) を入手する。次に、該管理プロセス51は、VPI/VCI−listファイル561を参照し、該一番最近に割り当てたVPI/VCI値等を基準として、ファイルの後方へ(ファイルの最後まで検索し終わった場合は、ファイルの先頭に戻って、該VPI/VCI値等のリストまで) 、順々にVPI/VCI値等のリストを検索し、割り当てることのできるVPI/VCI値等を検索する。
【0278】
本発明の一実施例においては、VPI/VCI−listファイル561中の、最後に設定されたVPI/VCI値のリストを示すポインタとして、VPI/VCI−pointer ファイル562の使用を仮定しているが、必ずしもファイルを使用する必要はなく、リストを示すことのできるポインタであればよい。
【0279】
また、前記説明において、割り当てることのできるVPI/VCI値とは、ATM交換機の立ち上げ後、まだ一度もコネクションに割り当てられていないVPI/VCI値、またはコネクションの接続が終了し、該コネクションに割り当てられていたVPI/VCI値が、他のコネクションに割り当てることができるようになったVPI/VCI値のことを意味するとする。新たにコネクションが設定され、該コネクションにVPI/VCI値を割り当てる必要が生じた場合、網は、管理しているVPI/VCI値のうち、現在、他のコネクションに割り当てられているVPI/VCI値と、どのコネクションにも割り当てられていないVPI/VCI値とを区別し、現在、どのコネクションにも割り当てられていないVPI/VCI値の中から、適当なVPI/VCI値を選択して、該選択したVPI/VCI値を、該コネクションに割り当てなければならない。網が、現在、設定しているコネクションに割り当てているVPI/VCI値と、どのコネクションにも割り当てていないVPI/VCI値を区別する方法として、以下に示す2通りの方法が存在する。
【0280】
1つ目の方法は、前記VPI/VCI値のリスト中に、有効ビットというビットを設け、ノード管理サーバー5が、該有効ビットを制御することによって、該VPI/VCI値が割り当てられているか否かを区別する方法である。すなわち、ノード管理サーバー5が、設定するコネクションにVPI/VCI値を割り当てた時点で、VPI/VCI−listファイル561の対応するVPI/VCI値リストの有効ビットをセットし、該コネクションの接続が終了した時点で、ノード管理サーバー5は、該VPI/VCI−listファイル561の対応するVPI/VCI値リストの有効ビットをリセットすることによって、該VPI/VCI値が、コネクションに割り当てられているか否かを識別する方法である。ノード管理サーバー5は、設定するコネクションに新たにVPI/VCI値を割り当てる必要が生じた場合、該ノード管理サーバー5は、VPI/VCI−listファイル561を参照し、有効ビットがセットされていないVPI/VCI値リストを検索し、検索したVPI/VCI値のうち適当なVPI/VCI値を選択し、該新たに設定するコネクションに割り当てを実行する。ただし、この方法によると、ノード管理サーバー5は、コネクションの接続が終了した時点で、該コネクションに割り当てられたVPI/VCI値の解放を行わなければならず、何らかの原因でコネクションの接続が終了していたのに、該コネクションに割り当てられたVPI/VCI値の解放を行わなかった場合、該VPI/VCI値は、以後使用することができなくなる可能性がある。
【0281】
一方、2つ目の方法は、前記VPI/VCI値のリスト中にライフタイムというフィールドを設け、ノード管理サーバー5は、該ライフタイムに記述された生存時間を基に、対応するVPI/VCI値が、コネクションに割り当てられているか否かを判定する方法である。この方法では、上記のような可能性は生じない。なぜなら、VPI/VCI値のコネクションへの割り当て期間はライフタイムによって管理されるため、何らかの原因でコネクションの接続が終了しているのに、該コネクションに割り当てられたVPI/VCI値の解放が永遠に行われないといったことがないからである。ただし、この方法は、コネクションの設定時に、該コネクションが使用される期間を予測して、該使用期間をライフタイムに設定するのであるが、ユーザが、前記ライフタイムに設定された期間を越えて、継続して前記コネクションを使用したくなった場合でも、該ライフタイムに設定された期間を越えて、該コネクションに割り当てられたVPI/VCI値を使用できない可能性がある。しかし、このことは、ユーザが、ライフタイムに設定された期間を越えて、コネクションを使用したい場合、ノード管理サーバー5が、VPI/VCI−listファイル561の対応するVPI/VCI値リストのライフタイムを、書き換えることによって、回避することができる。また、2つ目の方法に対し、該VPI/VCI値リストのライフタイムに設定された期間が終了する前に、該VPI/VCI値に対応するコネクションの接続が終了した場合、ノード管理サーバー5は、前記VPI/VCI値リストのライフタイムに設定されている期間を書き換えることによって、該VPI/VCI値のコネクションへの割り当て期間を、強制的に終了させることができる。
【0282】
以下、本発明の一実施例においては、2つ目の方法、すなわち、VPI/VCI値リストに設けられたライフタイムによって、該VPI/VCI値が、コネクションに割り当てられているか否かを、ノード管理サーバー5が識別する方法について、具体的に説明する。
【0283】
前記ライフタイムによって、対応するVPI/VCI値が使用されているか否かを識別する方法には、ライフタイムとして、割り当ての継続時間を用いる方法と、割り当ての終了時刻を用いる方法の2通りの方法が存在し、以下、前記2通りの方法について、簡単に説明する。
【0284】
1番目の方法は、ライフタイムとして、該VPI/VCI値のコネクションへの割り当ての継続時間を用いる方法である。例えば、継続時間の単位として、秒を採用した場合、コネクションの設定時に、ノード管理サーバー5は、VPI/VCI−listファイル561中の対応するVPI/VCI値リスト中のライフタイムに、指定された継続時間(例えば、60秒間) を設定する。VPI/VCI−listファイル561中の、ライフタイムの項目に、“0”以外の数字が設定されている場合、該ライフタイムに設定されている数値が“0”になるまで、1秒毎に、デクリメントされる。ノード管理サーバー5は、新たにVPI/VCI値をコネクションに割り当てる必要が生じた場合、VPI/VCI−listファイル561を参照して、VPI/VCI値リストのライフタイムが“0”のVPI/VCI値を検索することによって、ある特定の時点で、コネクションに割り当てられていないVPI/VCI値を検索することができる。
【0285】
2番目の方法は、ライフタイムとして、該VPI/VCI値のコネクションへの割り当ての終了時刻(あるいは、開始時刻および終了時刻、または開始時刻)を用いる方法である。例えば、現時刻が1993年6月2日17時30分00秒として、あるVPI/VCI値をコネクションに1分間割り当てたい場合、VPI/VCI−listファイル561の対応するVPI/VCI値リストのライフタイムに、1993年6月2日17時31分00秒を設定すればよい。ライフタイムの設定方法として、ある時刻(例えば、1990年1月1日00時00分00秒) を基準として、前記ある時刻からの経過時間を、現在の時刻として、ライフタイムの終了時刻を設定してもよい。ノード管理サーバー5は、新たにVPI/VCI値をコネクションに割り当てる必要が生じた場合、図18(a)で示される時計とVPI/VCI−listファイル561を参照して、VPI/VCI値リストのライフタイムによって示される時刻が、時計によって示される現時刻より前のVPI/VCI値を検索することによって、現時点で、コネクションに割り当てられていないVPI/VCI値を、検索することができる。また、PVC(permanent virtual connection)の場合のような、固定的にコネクションを設定する場合に対しては、該コネクションに割り当てるVPI/VCI値リストのライフタイムに、ライフタイムとして設定できる最大値を、該ライフタイムに設定することで、該VPI/VCI値を、他のコネクションに割り当てられないようにすることができる。
【0286】
以下、本発明の一実施例においては、ライフタイムとして、前記2番目の方法の、VPI/VCI値のコネクションへの割り当ての終了時刻を用いる方法を採用するとして、2つのVPI/VCI割り当て方法について、具体的に説明する。
【0287】
2−2.VPI/VCI割り当てアルゴリズムについて( 方法A)
以下、本発明の一実施例におけるVPI/VCI割り当て方法について、呼設定時を例として、具体的に説明する。なお、網の立ち上げ時と端末の起動時のVPI/VCI割り当ても、呼設定時のVPI/VCIの割り当て方法と同様である。
【0288】
図19は、方法Aにおける、VPI/VCI−listファイル561とVPI/VCI−pointer ファイル562の構成を示した構成例であり、図20および図21は、方法AにおけるVPI/VCI割り当てアルゴリズムの一例を示したものである。図19において、VPI/VCI−listファイル561とは、少なくとも番号(No)、VPI/VCI値(VPI/VCI) 、およびライフタイム(LIFE)からなる複数のユーザーリスト(user−list )から構成され、VPI/VCI−pointer ファイル562とは、少なくとも前記VPI/VCI−listファイル561中の特定のユーザーリストの番号(No)を示すユーザーポインタ(user−pointer)から構成されるものとする。ここに、VPI/VCI−listファイル561、VPI/VCI−pointer ファイル562として、番号(No)を用いずに、VPI/VCI−pointer ファイル562として、VPI/VCI−listファイル561の先頭からのオフセットを用いることで、方法Aの、VPI/VCI割り当てアルゴリズムを実行することができるが、本発明の一実施例においては、記述をわかりやすくするため、前記したVPI/VCI−listファイル561、VPI/VCI−pointer ファイル562の構成を用いた。また、本発明の一実施例においては、VPI/VCI−pointer ファイル562として、現時点から過去にさかのぼって、一番最近に設定されたVPI/VCI値のポインタを含むとしているが、該一番最近に設定されたVPI/VCI値のポインタの代わりに、該VPI/VCI値の次のVPI/VCI値のポインタを含むとしてもよい。
【0289】
方法Aにおいて、ノード管理サーバー5が、呼設定サーバー7からコネクション設定要求を受信した場合(図20のステップ120)、該ノード管理サーバー5は、該コネクションが以前に設定されたことがあるかどうか、VPI/VCI−listファイル561を参照する(ステップ121)。該コネクションが以前に設定されたことがある場合、ノード管理サーバー5は、該以前設定されたコネクションに対し割り当てたVPI/VCI値が、現時点で、他のコネクションに割り当てられていないかどうか、VPI/VCI−listファイル561を参照する(ステップ122)。該VPI/VCI値が、現時点で、他のコネクションに割り当てられていない場合、ノード管理サーバー5は、該VPI/VCI値を用いて、ユーザーが申告したトラヒック・パラメータで、ユーザが要求したQOSを満たすコネクションが設定できるかどうか、コネクション設定処理を実行する(ステップ123)。
【0290】
一方、該コネクションが以前に設定されたことがない場合、または該VPI/VCI値が、現時点で、他のコネクションに割り当てられている場合、以下に示すVPI/VCI割り当て処理を開始する(ステップ124)。まず、ノード管理サーバー5は、VPI/VCI−pointer ファイル562を参照し、現時点から過去にさかのぼって、一番最近に設定されたVPI/VCI値へのポインタ(番号(No))を獲得する。この獲得した番号を、[PointNo]とする(ステップ126)。次に、ノード管理サーバー5は、獲得した番号[PointNo]を基に、VPI/VCI−listファイル561を参照し、コネクションに割り当てることのできるVPI/VCI値を検索する(ステップ133)。すなわち、ノード管理サーバー5は、VPI/VCI−listファイル561に記述されたユーザーリストのうち、[PointNo]で示される番号の次の番号のユーザーリストから、順々に、ユーザーリストを参照し、ユーザーリストのライフタイムに書かれた割り当て終了時刻と、ノード管理サーバー5が参照した時計の現時刻とを比較し、前記現時刻より前記終了時刻の方が前のユーザリストを検索する。
【0291】
参照したユーザーリストのライフタイムの終了時刻が、現時刻よりも前の場合、ノード管理サーバー5は、参照したユーザーリストに書かれたVPI/VCI値を用いて、ユーザーが申告したトラヒック・パラメータで、ユーザが要求したQOSを満たすコネクションが設定できるかどうか、コネクション設定処理を実行する(図21のステップ134)。また、次回、VPI/VCI割り当て処理を行うために、VPI/VCI−pointer ファイル562を更新する(ステップ135)。
【0292】
また、参照したユーザーリストのライフタイムの終了時刻が、現時刻よりも前でない場合、ノード管理サーバー5は、次のユーザーリストを参照する(ステップ127,128,130,133)。現時点で参照したユーザーリストが、VPI/VCI−listファイル561の最後のユーザーリストの場合、ノード管理サーバー5は、VPI/VCI−listファイル561の最初のユーザーリストを参照する(ステップ127,128,129,130,133)。また、ノード管理サーバー5が、VPI/VCI−listファイル561に含まれたユーザーリストを、一通り参照した結果、割り当てるVPI/VCI値が検索できなかった場合(ステップ130,131)、ノード管理サーバー5は、呼設定サーバー7にコネクションが設定できない等の通知を行う(ステップ132)。
【0293】
2−3.VPI/VCI割り当てアルゴリズムについて(方法B)
以下、本発明の一実施例におけるVPI/VCI割り当て方法として、VPI/VCI値リストの管理方法として、リンクド・リストを用いた方法について、具体的に説明する。なお、VPI/VCI割り当て方法のうち、方法Aと同様の部分については、説明を省略する。
【0294】
図22は、方法BにおけるVPI/VCI−listファイル561の構成例であり、図23は、VPI/VCI−pointer ファイル562の構成例であり、また、図24,25は、方法BにおけるVPI/VCI割り当てアルゴリズムの一例を示したものである。図22において、VPI/VCI−listファイル561とは、少なくとも番号(No)、次の番号(Next)、VPI/VCI値(VPI/VCI) 、およびライフタイム(LIFE)からなる複数のユーザーリスト(user−list )から構成されたユーザー毎に存在するユーザー・リンクドリスト(user−linked−list)と、現時点でコネクションに割り当てられていないVPI/VCI値のリストであるフリーリスト(free−list )から構成されたフリー・リンクドリスト(free−linked−list)とを有しているものとする。また、図23において、VPI/VCI−pointer ファイル562とは、ユーザー毎に存在し、少なくとも前記VPI/VCI−listファイル561中の最後に割り当てられたユーザーリストの番号(No)を示すユーザーポインタ(user−pointer)と、フリーリストの先頭を示すフリーポインタ(free−pointer)とから構成されるものとする。なお、本発明の一実施例においては、VPI/VCI−pointer ファイル562として、現時点から過去にさかのぼって、一番最近に設定されたVPI/VCI値の番号(No)を含むとしているが、該一番最近に設定されたVPI/VCI値の番号(No)の代わりに、該VPI/VCI値の次のVPI/VCI値の番号(No)を含むとしてもよい。
【0295】
以下、方法Bにおける、VPI/VCI割り当てアルゴリズムについて、方法Aと異なる部分についてのみ、図24,25を参照しながら、具体的に説明する。
【0296】
呼設定サーバー7から設定を要求されたコネクションが、以前に設定したことがない場合(図24のステップ1131)、または以前に設定したコネクションに使用したVPI/VCI値が、現時点で他のコネクションに割り当てられている場合(ステップ1132)、ノード管理サーバー5は、以下に示すVPI/VCI割り当て処理を開始する。
【0297】
まず、ノード管理サーバー5は、VPI/VCI−pointer ファイル562を参照し、フリー・リンクドリストに含まれるフリーリストの個数を参照し、フリーリストの個数が“0”かどうか調べる(ステップ1135)。フリー・リンクドリストに含まれるフリーリストの個数が、“0”個でない場合、フリー・リンクドリストの先頭のフリーリストに書かれているVPI/VCI値を、該設定要求されたコネクションに割り当てを行う(ステップ1138)。具体的には、VPI/VCI−pointer ファイル562のフリーポインタに書かれたVPI/VCI値を、該設定要求されたコネクションに割り当てるとして、ユーザーが申告するトラヒック・パラメータで、ユーザが要求するQOSを満たすコネクションが設定できるかどうか、コネクション設定処理を実行する。
【0298】
また、次回、VPI/VCI割り当て処理を行うために、VPI/VCI−listファイル561と、VPI/VCI−pointer ファイル562の更新を行う(ステップ1140,141)。すなわち、まず、VPI/VCI−listファイル561中に存在するユーザー・リンクドリストの更新を行うため、ユーザー・リンクドリストの最後に、該選択したフリーリストを加える。具体的には、ユーザー・ポインタで示されるVPI/VCIリストの[Next]値を、該選択したフリーポインタで示されるVPI/VCIリストの[Next]にコピーし、該選択したフリーポインタで示されるVPI/VCIリストの[No]値を、ユーザーポインタで示されるVPI/VCIリストの[Next]にコピーする。次に、VPI/VCI−pointer ファイル562中に存在するユーザーポインタの更新を行うため、フリーポインタを該ユーザーポインタにコピーする。具体的には、フリーポインタに書かれている[No]値を、ユーザーポインタの[No]にコピーし、ユーザーポインタに書かれている[total]値に1を加える。
【0299】
最後に、VPI/VCI−pointer ファイル562中に存在するフリー・ポインタの更新を行うため、フリー・リンクドリストの先頭から2番目のフリーリストの内容を、フリーポインタにコピーする(ステップ1142)。具体的には、フリーポインタの [No] で示される、VPI/VCIリストを参照し、次に、該VPI/VCIリストに書かれている[Next]番目のVPI/VCIリストを参照する。該VPI/VCIリストに書かれている[No]値と[VPI/VCI]値を、フリーポインタの[No]と[VPI/VCI]にコピーする。
【0300】
一方、フリー・リンクドリストに含まれるフリーリストの個数が、“0”個の場合、該設定要求されたコネクションに、割り当てるVPI/VCI値が検索できなかったので、ノード管理サーバー5は、呼設定サーバー7にコネクションが設定できない等の通知を行う(図24のステップ1136,1137)。
【0301】
方法BによるVPI/VCI割り当て方法を採用した場合、ノード管理サーバー5は、何らかの方法を用いて、他のコネクションに割り当てることのできるVPI/VCI値を獲得しなければならない。以下、前記他のコネクションに割り当てることのできるVPI/VCIリスト(フリーリスト) を獲得する方法について、図26を参照しながら、具体的に説明する。
【0302】
ノード管理サーバー5は、定期的に、VPI/VCI−listファイル561を参照し、ユーザー・リンクドリストをたどって、該ユーザー・リンクドリストに含まれるVPI/VCIリスト(ユーザーリスト) を参照する(図26のステップ154)。該参照したVPI/VCIリスト(ユーザーリスト) のライフタイムを参照し、定められた時間が経過したVPI/VCIリスト(ユーザーリスト) を検索することによって、他のコネクションに割り当てることのできるVPI/VCIリスト(フリーリスト) を獲得することができる。前記した方法等によって、他のコネクションに割り当てることのできるVPI/VCIリストを獲得した場合(ステップ155)、ノード管理サーバー5は、該獲得したVPI/VCIリスト (ユーザーリスト) を、フリーリストに加えるため、VPI/VCI−listファイル561とVPI/VCI−pointer ファイル562の変更を行う(ステップ156)。
【0303】
3.サブネット内に複数のノードが存在する場合について
前述した(1) 節(本発明に係るネットワーク・システムの構成)の説明においては、サブネット( サブネットワーク) が、1つの(スイッチ) ノードから構成される場合について、本発明のネットワーク・システムについて説明した。
【0304】
ここでは、サブネット内に複数の(スイッチ) ノードが存在する場合における、本発明のネットワーク・システムのうち、特に、サブネットが1つのノードから構成される場合からの変更部分について、具体的に説明する。また、上記(1) 節では、本発明のネットワーク・サーバーのうち、呼設定サーバーとネームサーバーは、サブネット内にそれぞれ1つずつ存在するというモデルで説明した。ここでは、前記呼設定サーバーとネームサーバーが、サブネット内にそれぞれ複数存在する場合、およびそれらが存在しない場合、すなわちサブネット内に4種類のサーバーのうちノード管理サーバーとノード設定サーバーしか存在しない場合について、具体的に説明する。なお、本発明のネットワーク・サーバーのうち、サブネット間のデータ通信に適用したものついては、次の(4) 節で説明する。
【0305】
以下、サブネット内に、ノードが複数存在する場合における、本発明のネットワーク・サーバーについて、以下の項目について具体的に説明する。
(3−1 )サブネット内に複数のノード管理サーバーが存在する場合について
(3−2 )サブネット内に複数のNISサーバーが存在する場合について
(3−3 )サブネット内に複数の呼設定サーバーが存在する場合について
3−1.サブネット内に複数のノード管理サーバーが存在する場合について
先の(1) 節においては、サブネット内に存在する唯一のノード管理サーバーによって、サブネットに属する端末等の管理等を行うというモデルで、本発明のネットワーク・サーバーについて説明した。また、上記(1) 節においては、1つの(スイッチ) ノードに対して、1組のノード管理サーバーとノード設定サーバーを対応させるというモデルを用いて、本発明で提案するネットワーク・サーバーについて説明した。一方、サブネット内に複数の(スイッチ) ノードが存在する場合、前記したモデルを採用すると、1つのノードに対して1つのノード管理サーバーが必要であるので、前記した場合、サブネット内に複数のノード管理サーバーが存在することとなる。従って、上記(1) 節で説明した本発明のノード管理サーバーを、サブネット内に複数のノード管理サーバーが存在する場合にも適用するため、以下に述べる変更を加えるものとする。
【0306】
本発明のネットワーク・サーバーにおいては、サブネットが複数のノードから構成される場合に適用するため、ノード管理サーバーの動作モードとして、少なくとも、マスターモード(masterMode)とスレーブモード(slaveMode )の2種類の動作モードを想定する。従って、本発明のネットワーク・サーバーにおいては、サブネット内に、唯一存在するマスターモードのノード管理サーバーが、サブネットに属する端末等のすべてのネットワーク資源を管理し、その他のノード管理サーバーは、スレーブモードとして動作するものとし、前記マスターモードのノード管理サーバーの命令に従って動作するものとする。
【0307】
また、ノード管理サーバーの動作モードとして、マスターモードとスレーブモードの2種類の動作モードしか存在しない場合、以下に示すようなことが生じる可能性がある。一つは、ネットワークの立ち上げ時のような場合、サブネット内にスレーブモードのノード管理サーバーが複数存在していても、マスターモードのノード管理サーバーが立ち上がるまで、サブネットに属する端末に対してサービスすることはできない可能性があることである。他の一つは、ネットワークの通常運用中に、マスターモードのノード管理サーバーがダウンした場合、サブネット内にスレーブモードのノード管理サーバーが複数存在していても、前記マスターモードのノード管理サーバーが、行っていたネットワーク・サービスが停止してしまう可能性があることである。本発明のノード管理サーバーにおいては、ノード管理サーバーの動作モードとして、マスターモードとスレーブモードの他に、シングルモード(singleMode)を設けることによって、上記二つの可能性を回避するものである。すなわち、ネットワークの立ち上げ時、各々の(スイッチ) ノードに対し1つずつ存在するノード管理サーバーは、サブネット内に唯一存在するマスターモードのノード管理サーバーの起動を認識するまで、シングルモードのノード管理サーバーとして動作することによって、該ノード管理サーバーが対応するノードに接続している端末に対して、該ノード管理サーバーがネットワークのサービスを提供することとする。また、ネットワークの通常運用時に、マスターモードのノード管理サーバーのダウンを検出したスレーブモードのノード管理サーバーは、シングルモードのノード管理サーバーへ状態遷移することによって、該ノード管理サーバーが対応するノードに接続している端末に対して、該ノード管理サーバーが、ネットワークのサービスを提供することとする。
【0308】
以下、図27を参照しながら、本発明におけるノード管理サーバーの3つの動作モードについて、具体的に説明する。
【0309】
本発明においては、サブネットに属する各々の(スイッチ) ノードに対して、それぞれ1組のノード設定サーバーとノード管理サーバーを対応させているが、ノード管理サーバーの動作モードとして、サブネットが1つのノードから構成されているとして動作するシングルモードと、サブネットが複数のノードから構成されているとして動作するマルチ・モードとを想定する。サブネットが複数のノードから構成されている場合、マルチ・モードは、さらに、サブネット内に唯一存在するマスターモードのノード管理サーバーと、その他のスレーブモードのノード管理サーバーの2種類のノード管理サーバーに分類することとする。
【0310】
シングルモード(singleMode)のノード管理サーバー501は、サブネットが、該ノード管理サーバーが対応する(スイッチ) ノードだけで構成されるとして、該ノードに接続している端末に対し、ネットワーク・サービスを提供する。すなわち、該ノード管理サーバーは、該ノードに接続している端末に対し、上記(1) 節で説明した該ノードに接続する端末間の呼設定サービスと、該ノード管理サーバーが管理する管理ファイルを用いたネーム・サービス等を提供する。
【0311】
マスターモード(masterMode)503のノード管理サーバーは、サブネット内に唯一存在し、サブネットに属する端末に対して、上記(1)節で説明した該サブネットに属する端末間の呼設定サービスと、該ノード管理サーバーが管理する管理ファイルを用いたネーム・サービス等に加えて、サブネット外の端末との間の呼設定サービス等を提供する。また、マスターモードのノード管理サーバー503は、該マスターモードのノード管理サーバー503がダウンした場合、スレーブモードのノード管理サーバー502が、スムーズにシングルモードに移行できるように、該マスターモードのノード管理サーバー503が管理する管理情報を、スレーブモードのノード管理サーバー502に対し、定期的に転送してもよい。
【0312】
スレーブモード(slaveMode) 502のノード管理サーバーは、マスターモードのノード管理サーバー503に対して、定期的に、生存確認用のセルを送信し、該マスターモードのノード管理サーバー503が、該生存確認用のセルに対して応答を返すこと等によって、マスターモードのノード管理サーバー503の生存確認を実行する。該スレーブモードのノード管理サーバー502は、前記応答セルを受信できなかった等の場合、マスターモードのノード管理サーバー503がダウンしたと認識し、シングルモードへ動作モードを遷移する。該スレーブモードのノード管理サーバー502は、スムーズに、シングルモードへ状態遷移できるように、マスターモードのノード管理サーバー503の生存時、該マスターモードのノード管理サーバー503から転送される管理情報を基に、シングルモード動作時に必要なファイルを作成してもよい。なお、(スイッチ) ノードに対し割当てられたノード管理サーバーが、スレーブモードで動作している場合、該ノードに接続している端末の、ネットワーク・サービスの要求は、該スレーブモードのノード管理サーバー502をバイパスして、マスターモードのノード管理サーバー503に送信され、同様に、マスターモードのノード管理サーバー503の応答は、該スレーブモードのノード管理サーバー502をバイパスして、要求を送信した端末に返される。マスターモードのノード管理サーバー503は、また、スレーブモードのノード管理サーバー502を介して、ノード設定サーバーに、ルーティングタグ等のハードウェアの設定を要求してもよいし、該スレーブモードのノード管理サーバー502を介せずに、直接、ノード設定サーバーに要求してもよい。
【0313】
以下、本発明におけるノード管理サーバーの3つの動作モード間の状態遷移について、具体的に説明する。また、図28および図29に、本発明におけるノード管理サーバーの3つの動作モード間の状態遷移アルゴリズムの一部を示す。
【0314】
本発明におけるノード管理サーバーは、起動後(リセット後) 、動作モードがシングルモードに状態遷移するとする(図28のステップ161)。
【0315】
リセット後、シングルモードで動作中のノード管理サーバーは、該ノード管理サーバーが管理するATM交換機のすべての入出力線に対して、該入出力線の先に接続されるであろう端末と、該シングルモードのノード管理サーバー501との間に、ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10の設定を実行する(図28のステップ162)。該設定の終了後、該シングルモードのノード管理サーバー501は、configファイル55を参照する(ステップ163)。
【0316】
該configファイル55に、“master”と記述されていた場合、該configファイル55を参照したシングルモードのノード管理サーバー501は、速やかに、マスターモード503へと状態遷移するとする(ステップ164)。
【0317】
また、configファイル55に“slave ”と記述されていた場合、該configファイル55を参照したシングルモードのノード管理サーバー501は、該シングルモードのノード管理サーバー501が管理するATM交換機のすべての入出力線に対して、後述する構成認識アルゴリズムを実行し(図29のステップ165〜168)、マスター・モ−ドのノード管理サーバー503から応答を受信した場合(ステップ168)、後述するタイミングで、スレーブモードのノード管理サーバー502に状態遷移するとする(ステップ175)。
【0318】
すなわち、マスターモードのノード管理サーバー503から応答を受信したシングルモードのノード管理サーバー501は、まず、シングルモードで動作中に得られた、該ノード管理サーバーが管理するATM交換機に接続する端末等の管理情報等を、該マスターモードのノード管理サーバー503に転送する(ステップ169)。次に、該シングルモードのノード管理サーバー501は、該ノード管理サーバーが管理するATM交換機に接続する端末に対して、シングルモードで動作中に設定した、該端末と該シングルモードのノード管理サーバー501との間の、ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10の設定を、該端末とマスターモードのノード管理サーバー503との間のチャネルとなるように、該ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10の設定を変更する(ステップ170〜174)。最後に、該シングルモードのノード管理サーバー501は、該シングルモードのノード管理サーバー501とマスターモードのノード管理サーバー503との間に、管理用チャネル16の設定を行うとともに(図示せず)、動作モードをスレーブモードに状態遷移するとする(ステップ175)。
【0319】
ここに、図30に、シングルモードのノード管理サーバー501の動作モードが、スレーブモード502に状態遷移する場合の、ブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10の設定変更と、管理用チャネル16の設定を示した模式図を示す。
【0320】
マスターモードのノード管理サーバー503から応答を受信しなかった場合、ある一定の期間後、後述する構成認識アルゴリズムを再度実行するとし、以後、マスターモードのノード管理サーバー503から応答を受信するまで、周期的に、後述する構成認識アルゴリズムを繰り返すとし、その間、該ノード管理サーバーは、シングルモード501で動作するとする。
【0321】
また、スレーブモードのノード管理サーバー502は、定期的に、マスターモードのノード管理サーバー503に対して、生存確認用のセルを送信し、該マスターモードのノード管理サーバー503が、該生存確認用のセルに対し、応答を返すこと等によって、マスターモードのノード管理サーバー503の生存確認を実行するとする。該スレーブモードのノード管理サーバー502は、前記応答セルを受信できなかった等の場合、マスターモードのノード管理サーバー503がダウンしたと認識し、該スレーブモードのノード管理サーバー502は、シングルモードへと動作モードを遷移させるとする。シングルモードに状態遷移したノード管理サーバー501は、周期的に、前記したマスターモードのノード管理サーバー503の生存確認方法、または後述する構成認識アルゴリズム等を繰り返し実行し、マスターモードのノード管理サーバー503の生存が確認された場合、再び、スレーブモードへと状態遷移するとする。
【0322】
また、スレーブモードのノード管理サーバー502に対して、“master命令 “を実行した場合、該スレーブモードのノード管理サーバー502は、マスターモードへと状態遷移するとする。同様に、マスターモードのノード管理サーバー503に対して、“slave 命令“を実行した場合、該マスターモードのノード管理サーバー503は、スレーブモードへと状態遷移するとする。
【0323】
以下、図30、および図31〜34を参照しながら、本発明におけるスレーブモード等のノード管理サーバーの構成認識アルゴリズムについて、具体的に説明する。
【0324】
図31の方法Aの構成認識アルゴリズムは、ブート用セルを用いた構成認識アルゴリズムである。
【0325】
方法Aによる構成認識を行うノード管理サーバーは、対象とする入出力線のブート・チャネル11に、特定フォーマットを持つブート用セルを送信し(図31のステップ181)、該ブート用セルに対し、ノード管理サーバーから特定フォーマットを持つ応答セルを受信した場合(ステップ183)、該対象とする入出力線の先にノード管理サーバーの存在を認識する(ステップ186)、という方法である。また、該特定フォーマットを持つ応答セルに、“singleMode”と書かれていた場合、該応答セルを受信したノード管理サーバーは、該対象とする入出力線の先にシングルモードのノード管理サーバー501の存在を認識し、“masterMode“と書かれていた場合、該対象とする入出力線の先にマスターモードのノード管理サーバー503の存在を認識してもよい。また、対象とする入出力線のブート・チャネル11に、特定フォーマットを持つブート用セルを送信した(ステップ181)後、特定フォーマットを持つ応答セルを受信しなかった場合(ステップ182)、該構成認識を行うノード管理サーバーは、該対象とする入出力線の先にはノード管理サーバーは存在しないと認識する(ステップ185)。
【0326】
次に、図32に示す前記特定フォーマットを持つブート用セルを受信したノード管理サーバーのアルゴリズムについて説明する。本発明においては、図30に示すように、ブート・チャネル11は、端末とシングルモードのノード管理サーバー501との間、または端末とマスターモードのノード管理サーバー503との間に設定されていて、端末とスレーブモードのノード管理サーバー502との間には設定されていない。従って、前記特定フォーマットを持つブート用セルを受信したシングルモードのノード管理サーバー501、またはマスターモードのノード管理サーバー503は、動作モードに従って、以下の処理を実行するとする。すなわち、動作モードがマスターモードの場合、該マスターモードのノード管理サーバー503が管理するconfigファイル55を参照し、該ブート用セルに対し、マスターモードと書き込んだ特定フォーマットの応答セルを作成し(図32のステップ192)、該応答セルを、該ブート用セルが転送されてきた入出力線のブート・チャネル11に転送する(ステップ193)。一方、動作モードがシングルモードの場合、必要に応じて該ブート用セルに対し、“singleMode”と書き込んだ特定フォーマットの応答セルを作成し(ステップ194)、作成した応答セルを、該ブート用セルが転送されてきた入出力線のブート・チャネル11に転送する(ステップ195)。
【0327】
次に、図33の方法Bの構成認識アルゴリズムは、メタシグナリング・セルを用いた構成認識アルゴリズムである。すなわち、メタシグナリング・セルを受信したノード管理サーバーは、該メタシグナリング・セルが転送されてきた入出力線に対して、シグナリング・チャネル13を設定するとともに、該入出力線の先のユーザが、該シグナリング・チャネル13を使用するためのVPI/VCI値等を通知するため、応答セルを作成し、該作成した応答セルを、該メタシグナリング・セルが転送されてきた入出力線のメタシグナリング・チャネル10に転送する(図34のステップ211〜213)。該方法Bによる構成認識アルゴリズムは、ノード管理サーバーが、前記応答セルを受信することによって(図33のステップ204)、対象とする入出力線の先にノード管理サーバーの存在を認識する(ステップ205)、方法である。なお、図34に、メタシグナリング・セルを受信したノード管理サーバーのアルゴリズムについて示す。
【0328】
3−2.サブネット内に複数のNISサーバーが存在する場合について
本実施例は、ノード管理サーバー内にNISマスター・サーバーが存在し、サブネット内に複数のNISスレーブ・サーバーが存在するモデルでモデル化したものである。先の(1) 節では、サブネットが前記モデルの場合について説明した。本節では、まず、ノード管理サーバーは起動しているが、サブネット内にNISスレーブ・サーバーが起動していない場合について説明し、次に、サブネット内が前記した場合、またはサブネット内に複数のNISスレーブ・サーバーが存在する場合における、NISスレーブ・サーバーの起動手順について説明する。
【0329】
図35は、対象とするサブネットにおいて、ノード管理サーバーは起動しているが、NISスレーブ・サーバー601は起動していない場合の、本発明における、ネットワーク・サーバーと端末との間のチャネル構成を示した模式図である。サブネット内に、NISスレーブ・サーバー601が起動していない場合、端末3とノード管理サーバーとの間に、インフォメーション・チャネル12が設定されるとする。端末上の、NISクライアント・プロセスは、サブネット内のNIS情報にアクセスする必要が生じた場合、前記インフォメーション・チャネル12を用いて、ノード管理サーバー内に存在するNISマスター・プロセス600に、NIS情報への要求を送信するものとする。ノード管理サーバー内のNISマスター・サーバー600は、インフォメーション・チャネル12を経由して、NIS情報への要求を受信した場合、要求されたNIS情報を検索し、検索したNIS情報を、該インフォメーション・チャネル12を経由して、前記要求を送信した端末上のNISクライアント・プロセスに、送信するものとする。
【0330】
サブネット内に、NISスレーブ・サーバー601が存在しない場合、サブネット内に多数存在する端末上のNISクライアント・プロセスのNIS情報の要求は、すべて、ノード管理サーバー5内に存在するNISマスター・プロセス600に転送されることになるので、該ノード管理サーバー5の負荷は大きい状態にある。
【0331】
図36は、対象とするサブネット内において、ノード管理サーバーは起動しているがNISスレーブ・サーバー601は起動していない状態から、NISスレーブ・サーバー601が起動した場合の、端末とノード管理サーバー5とNISスレーブ・サーバー601間のチャネルの設定変更の様子を示した模式図である。また、図37および図38は、前記した場合のノード管理サーバーのNIS( スレーブ) サーバー起動時のアルゴリズムである。以下、図36、図37および図38を参照しながら、前記した場合について具体的に説明する。
【0332】
NIS( スレーブ) サーバー601は、起動時に、ブート・チャネル11を用いて、特定フォーマットを持ったブート用セルを、ノード管理サーバー5に転送する(図37のステップ221)。
【0333】
ノード管理サーバー5は、前記ブート用セルを受信すると(ステップ223)、前記ブート用セルを基に、configファイル55を参照し(ステップ224)、NIS( スレーブ) サーバー601が起動したことを認識する。前記NIS( スレーブ) サーバー601の起動を認識したノード管理サーバー5は、該ノード管理サーバー5と該NIS( スレーブ) サーバー601との間のNIS用チャネル17の設定を対応するノード設定サーバー4に要求するとともに(ステップ226)、以下に示す処理を実行する。
【0334】
すなわち、ノード管理サーバー5は、管理ファイル56を参照し、ノード管理サーバー5と端末3との間、またはNISスレーブ・サーバー601と端末3との間に設定されているすべてのインフォメーション・チャネル12に対し、負荷が重いかどうか検査する(図38のステップ231)。検査したインフォメーション・チャネル12のうち、負荷が重いと判定したインフォメーション・チャネル12に対しては、接続先のノード管理サーバー5、またはNISスレーブ・サーバー601を変更することによって(ステップ232〜238)、NISサーバーの負荷分散を行うこととする。
【0335】
対象とするサブネットにおいて、ノード管理サーバ5ーは起動しているが、NISスレーブ・サーバー601は起動していない状態から、図36に示すようにNISスレーブ・サーバー601が起動した場合、端末3とノード管理サーバー5との間に設定されているすべてのインフォメーション・チャネル12を、端末3と該NISスレーブ・サーバー601との間のインフォメーション・チャネル12となるように設定を変更すれば、ノード管理サーバー5の負荷を軽減することができる。
【0336】
また、ノード管理サーバー5は、定期的に、管理ファイル56を参照し、設定されているすべてのインフォメーション・チャネル12を検査し、負荷の重い( 応答の遅い) インフォメーション・チャネル12があるかどうか検査し、該当するインフォメーション・チャネル12が存在した場合、接続先のNISサーバーの変更(インフォメーション・チャネル12の設定変更) 等によって、NISサーバーの負荷を分散することができる。
【0337】
該ノード管理サーバー5のインフォメーション・チャネル12の設定変更において、該インフォメーション・チャネル12を使用している端末に対して、該端末が、前記インフォメーション・チャネル12を使用するためのVPI/VCI値等を変更しなくてすむように、該インフォメーション・チャネル12の設定変更を行うことが望ましい。あるいは、VPI/VCI値等を変更しなければならない場合、必要に応じて、VPI/VCI値等の割り当て処理を実行し、実行した結果得られたVPI/VCI値等を用いて、前記インフォメーション・チャネル12の設定変更を行い、設定変更の終了後、該インフォメーション・チャネル12を使用する端末に対し、該インフォメーション・チャネル12を使用するためのVPI/VCI値等を通知してもよい。
【0338】
次に、図39および図40は、本発明における端末上のNISクライアント61のNISサーバー(600/601)への帰属(bind)時の、ノード管理サーバー等のアルゴリズムを示したものである。
【0339】
図39および図40によれば、端末の起動後、端末3上のNISクライアント61がはじめてNISサーバーに帰属(bind)する場合(図39のステップ250)、該端末3と帰属先のNISサーバーとの間のインフォメーション・チャネル12の設定をノード管理サーバー5に要求するために、ブート・チャネル11を用いて、特定のフォーマットを持ったブート用セルをノード管理サーバー5に送信する(ステップ252)。また、端末3上のNISクライアント61は、設定されたインフォメーション・チャネル12を用いて、NISサーバーに、NIS情報の要求を行うが、NIS情報の要求に対して、NISサーバーの負荷が重く、応答が返ってこなかった場合、すなわち応答がタイムアウトした場合(ステップ251)、端末3上のNISクライアント61は、帰属先のNISサーバーを負荷のより小さなNISサーバーへ変更を要求するために、ブート・チャネル11を用いて、特定のフォーマットを持ったブート用セルをノード管理サーバー5に送信する(ステップ252)。
【0340】
該特定のフォーマットを持ったブート用セルを受信したノード管理サーバー5は、管理ファイル56等を参照し、負荷のより小さなNISサーバーを検索し (図40のステップ264)、該ブート用セルを送信した端末と、該検索したNISサーバーとの間の、インフォメーション・チャネル12の設定、またはインフォメーション・チャネル12の設定変更を行うこととする(ステップ263)。前記インフォメーション・チャネル12の設定、またはインフォメーション・チャネル12の設定変更において、VPI/VCI値等の割り当て処理を実行しなければならない場合、必要に応じてVPI/VCI値等の割り当て処理を実行することとする。
【0341】
ノード管理サーバー5は、前記インフォメーション・チャネル12等の設定変更が終了した場合、管理ファイル56を変更するとともに(ステップ273)、端末上のNISクライアント61が、前記インフォメーション・チャネル12を使用するためのVPI/VCI値等の情報を該端末3に通知するために、ノード管理サーバー5は、ブート・チャネル11を用いて前記情報を該端末3に転送する(ステップ274)。
【0342】
3−3.サブネット内に複数の呼設定サーバーが存在する場合について
前述した(3−2) 節とほぼ同様であるが、本発明においては、サブネット内に複数の呼設定サーバーが存在するというモデルでモデル化し、先の(1) 節では、サブネットが前記モデルで構成される場合について説明した。ここでは、まず、ノード管理サーバーは起動しているが、サブネット内の呼設定サーバーが起動していない場合について説明し、次に、サブネット内が前記した場合、またはサブネット内に複数の呼設定サーバーが存在する場合における呼設定サーバーの起動手順について説明する。
【0343】
図35は、また、対象とするサブネットにおいて、ノード管理サーバー5は起動しているが、呼設定サーバー7は起動していない場合の、本発明におけるネットワーク・サーバーと端末との間のチャネル構成を示した模式図である。
【0344】
サブネット内に、呼設定サーバーが起動していない場合に、端末3からメタシグナリング・セルがノード管理サーバー5に送信されたとき、該端末3とノード管理サーバー5との間にシグナリング・チャネル13が設定されるとする。端末3上の呼設定プロセスは、サブネット内の他の端末に対しコネクション型のデータ通信を行う必要の生じた場合、前記シグナリング・チャネル13を用いて、ノード管理サーバー5内に存在する管理プロセス51に呼設定要求を送信するものとする。ノード管理サーバー5内の管理プロセス51は、シグナリング・チャネル13を経由して、呼設定要求を受信した場合、要求されたコネクションを設定するとともに、該端末3が設定したコネクションを使用するためのVPI/VCI値等の情報を、該シグナリング・チャネル13を経由して、前記要求を送信した端末3に送信するものとする。
【0345】
サブネット内に、呼設定サーバーが存在しない場合、サブネット内に多数存在する端末の呼設定要求は、すべてノード管理サーバー5内に存在する管理プロセス51に転送され、該管理プロセス51が処理しなければならないので、該ノード管理サーバーの負荷は大きい状態にある。
【0346】
図36は、また、対象とするサブネット内において、ノード管理サーバー5は起動しているが呼設定サーバー7は起動していない状態から、呼設定サーバー7が起動した場合の、端末3とノード管理サーバー5と呼設定サーバー7間のチャネルの設定変更の様子を示した模式図である。また、図41および42は、前記した場合のノード管理サーバー5の呼設定サーバー7起動時のアルゴリズムである。
【0347】
以下、図36、図41および42を参照しながら、前記した場合について、具体的に説明する。
【0348】
呼設定サーバー7は、起動時に、ブート・チャネル11を用いて、特定フォーマットを持ったブート用セルをノード管理サーバー5に転送する(図41のステップ291)。
【0349】
前記ブート用セルを受信したノード管理サーバー5は、前記ブート用セルを基に、configファイル55を参照し(ステップ301)、呼設定サーバー7が起動したことを認識する。前記呼設定サーバー7の起動を認識したノード管理サーバー5は、該ノード管理サーバー5と該呼設定サーバー7との間の、呼設定用チャネル18の設定と、負荷のより小さなNIS(スレーブ/ マスター) サーバーと該呼設定サーバー7との間の、インフォメーション・チャネル12の設定を、対応するノード設定サーバー4に要求する(ステップ303)。具体的には、以下に示す処理を実行する。
【0350】
ノード管理サーバー5は、管理ファイル56を参照し(図42のステップ307)、ノード管理サーバー5と端末3との間、またはすでに起動している呼設定サーバー7と端末3との間に設定されているすべてのシグナリング・チャネル13に対し、負荷が重いかどうか検査する。検査したシグナリング・チャネル13のうち、負荷が重いと判定したシグナリング・チャネル13に対しては、接続先のノード管理サーバー5または呼設定サーバー7を変更することによって(ステップ308)、呼設定サーバー7の負荷分散を行うこととする。
【0351】
対象とするサブネットにおいて、ノード管理サーバー5は起動しているが呼設定サーバーは起動していない状態から、図36に示すように呼設定サーバー7が起動した場合、端末3とノード管理サーバー5との間に設定されているすべてのシグナリング・チャネル13を、端末と該呼設定サーバー7との間のシグナリング・チャネル13となるように設定を変更すれば、ノード管理サーバーの負荷を軽減することができる。
【0352】
また、ノード管理サーバー5は、定期的に、管理ファイル56を参照し(ステップ307)、設定されているすべてのシグナリング・チャネル13を検査し、負荷の重い(応答の遅い) シグナリング・チャネル13があるかどうか検査し、該当するシグナリング・チャネル13が存在した場合、接続先の呼設定サーバー7の変更(シグナリング・チャネル13の設定変更) 等によって、呼設定サーバー7の負荷を分散することができる。
【0353】
該ノード管理サーバー5のシグナリング・チャネル13の設定変更において、該シグナリング・チャネル13を使用している端末3に対して、該端末3が、前記シグナリング・チャネル13を使用するためのVPI/VCI値等を変更しなくてすむように、該シグナリング・チャネル13の設定変更を行うことが望ましい。なお、VPI/VCI値等を変更しなければならない場合、必要に応じてVPI/VCI値等の割り当て処理を実行し、実行した結果得られたVPI/VCI値等を用いて、前記シグナリング・チャネル13の設定変更を行い、設定変更の終了後、該シグナリング・チャネル13を使用する端末に対し、該シグナリング・チャネル13を使用するための、VPI/VCI値等を通知してもよい。
【0354】
また、一般的に、呼設定要求を受信した呼設定サーバーは、まず、ネットワーク情報を入手するため、サブネット内のNISサーバーにアクセスし、次に、得られたネットワーク情報を基に、対応するコネクションの設定をサブネット内のノード管理サーバーに要求するという2段階の処理を、本発明において想定している。図36は、また、対象とするサブネットにおいて、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7とNISスレーブ・サーバー601が起動している場合、呼設定サーバー7が、前記した第1段階の処理を実行する方法として、該呼設定サーバー7とNISスレーブ・サーバー601との間に設定されているインフォメーション・チャネル12を用いる方法について図示している。図36以外の方法としては、呼設定サーバー7とノード管理サーバー5内の管理プロセス51との間に設定されている呼設定用チャネル18と、該管理プロセス51とNISマスター・プロセス600との間のプロセス間通信とを用いる方法が考えられる。すなわち、呼設定サーバー7が、前記した第1段階の処理を実行するため、該呼設定サーバー7とノード管理サーバー5内の管理プロセス51との間に設定されている呼設定用チャネル18を用いて、NIS情報の要求を該管理プロセス51に送信し、該NIS情報の要求を受信した該管理プロセス51は、プロセス間通信を用いて、該NIS情報の要求をNISマスター・サーバー600に送信する。NISマスター・サーバー600から、プロセス間通信によって、該NIS情報の要求に対する応答を受信した管理プロセス51は、該管理プロセス51と呼設定サーバー7との間に設定されている呼設定用チャネル18を用いて、該NIS情報の応答を呼設定サーバー7に送信するといった方法も存在する。
【0355】
また、図36では、対象とするサブネットにおいて、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7しか起動していない場合、前記した呼設定サーバー7の第1段階の処理を実行する方法として、呼設定サーバー7とノード管理サーバー5内の管理プロセス51との間に設定されている呼設定用チャネル18と、該管理プロセス51とNISマスター・プロセス600との間のプロセス間通信とを用いる方法を図示している。図36以外の方法としては、呼設定サーバー7とノード管理サーバー5内のNISマスター・サーバー600との間に、インフォメーション・チャネル12を設定する方法も考えることができる。すなわち、呼設定サーバー7が、前記した第1段階の処理を実行するため、該呼設定サーバー7とノード管理サーバー5内のNISマスター・サーバー600との間に設定されているインフォメーション・チャネル12を用いて、NIS情報の要求を該NISマスター・サーバー600に送信し、該NISマスター・サーバー600が、該インフォメーション・チャネル12を用いて、該NIS情報の要求に対する応答を該呼設定サーバー7に送信するといった方法である。
【0356】
次に、図43および図44は、本発明における端末3と呼設定サーバー7との間のシグナリング・チャネル13の設定あるいは設定されたシグナリング・チャネル13の変更時の、ノード管理サーバー等のアルゴリズムを示したものである。
【0357】
図43および図44によれば、端末の起動後、端末3上の呼設定プロセスが、該端末3と呼設定サーバー7との間のシグナリング・チャネル13の設定をノード管理サーバー5に要求するために、メタシグナリング・チャネル10を用いて、メタシグナリング・セルをノード管理サーバー5に送信する(図43のステップ330)。また、端末上の呼設定プロセスは、設定されたシグナリング・チャネル13を用いて、呼設定サーバーに呼設定要求を送信するが、該呼設定要求に対して呼設定サーバーの負荷が重く、応答が返ってこなかった場合、すなわち応答がタイムアウトした場合(ステップ331)、端末上の呼設定プロセスは、接続先の呼設定サーバー7を負荷のより小さな呼設定サーバー7へ変更を要求するために、メタシグナリング・チャネル10を用いて、メタシグナリング・セルをノード管理サーバー5に送信しても良い(ステップ332)。
【0358】
該メタシグナリング・セルを受信したノード管理サーバー5は、管理ファイル56等を参照し(図44のステップ344)、負荷のより小さな呼設定サーバー7を検索し、該メタシグナリング・セルを送信した端末3と、該検索した呼設定サーバー7との間のシグナリング・チャネル13の設定、またはシグナリング・チャネル13の設定変更を行うこととする(ステップ349)。前記シグナリング・チャネル13の設定、またはシグナリング・チャネル13の設定変更において、VPI/VCI値等の割り当て処理を実行しなければならない場合、必要に応じてVPI/VCI値等の割り当て処理を実行することとする(ステップ347)。
【0359】
ノード管理サーバー5は、前記シグナリング・チャネル13等の設定変更が終了した場合、管理ファイル56を変更するとともに(ステップ353)、該端末3が、前記シグナリング・チャネル13を使用するための、VPI/VCI値等の情報を、該端末に通知するために、ノード管理サーバーは、メタシグナリング・チャネル10を用いて、前記情報を該端末に転送することとする(ステップ354)。
【0360】
4.サブネット間のデータ通信について
本節では、本発明におけるサブネット間のデータ転送方法について、以下に示す項目に従って、順に説明を行う。
(4−1 )サブネット間にまたがるネットワーク情報の管理方法について
(4−2 )サブネット間にまたがるコネクションの設定方法について
(4−3 )サブネット間にまたがるコネクションレス型データ転送方法について
以下、上記した項目に含まれないサブネット間にまたがる事項、例えばネットワーク起動時のノード管理サーバーのサブネットとサブネットの境界を認識する方法について、本発明の一実施例を、図30、および図31〜34を参照しながら、具体的に説明する。
【0361】
図30、および図31〜34は、同一サブネットに属するノード管理サーバーが、起動時にすでに起動しているサブネットのノード管理サーバーに帰属する方法について説明したものであった。前記した場合、新たに起動したノード管理サーバーは、まず、シングルモード501に状態遷移し、該ノード管理サーバーの管理対象の(スイッチ) ノードに接続する端末に対し、ノード管理サーバーとしてのサービスを提供しつつ、該ノード管理サーバーが帰属するサブネットのマスターモードのノード管理サーバー503に、該ノード管理サーバーの起動の通知を試みるという方法であった。前記したように、本発明の一実施例においては、マスターモードのノード管理サーバー503に、ノード管理サーバーの起動を通知する方法として、2つの手段と、2つの方法について説明した。すなわち、マスターモードのノード管理サーバー503に、ノード管理サーバーの起動を通知する手段として、該ノード管理サーバーが、起動時に、管理対象のATM交換機(スイッチノード) に対し、該ATM交換機のすべての入出力線の先に接続されるであろう端末と、該ノード管理サーバーとの間に設定するブート・チャネル11とメタシグナリング・チャネル10のうち、ブート・チャネル11を手段として用いる方法と、メタシグナリング・チャネル10を手段として用いる方法について説明した。
【0362】
また、ノード管理サーバーの起動をマスターモードのノード管理サーバー503に通知した後、該ノード管理サーバーが、シングルモードからスレーブモードへ状態遷移する方法として、シングルモードのノード管理サーバー501が自発的にスレーブモードへ状態遷移する方法と、マスターモードのノード管理サーバー503が、シングルモードのノード管理サーバー501に、スレーブモードへの状態遷移命令を送る方法の2とおりの方法が存在する。
【0363】
ここで、図30(a)において、マスターモードのノード管理サーバー503と、シングルモードのノード管理サーバー501の属するサブネットが異なる場合について、以下、具体的に説明する。
【0364】
図30(a)において、シングルモードのノード管理サーバー501は、該ノード管理サーバーの起動をマスターモードのノード管理サーバー503に通知するために、該ノード管理サーバーとATM交換機の入出力線の先に設定されているブート・チャネル11を用いて、ブート用セルを送信する。該ブート用セルを受信したマスターモードのノード管理サーバー503は、configファイル55を参照し、該ブート用セルを送信した端末(シングルモードのノード管理サーバー501)に、該端末が起動するのに必要なブート・イメージを送信する。該ブート・イメージを受信したシングルモードのノード管理サーバー501は、該ブート・イメージに書かれたサブネットの名前と、該シングルモードのノード管理サーバー501のconfigファイル55に書かれているサブネットの名前とを比較し、両者が異なっている場合、該シングルモードのノード管理サーバー501は、該入出力線によって、他のサブネットに接続していることを認識することができる。また、他のサブネットに接続していることを認識した該シングルモードのノード管理サーバー501は、該入出力線のブート・チャネル11を用いて、該ブート・イメージを送信したマスターモードのノード管理サーバー503に、他のサブネットに接続していることを通知してもよい。
【0365】
また、シングルモードのノード管理サーバー501は、該ノード管理サーバーの起動をマスターモードのノード管理サーバー503に通知するために、ブート用セルを送信する際に、該シングルモードのノード管理サーバー501が属するサブネットの名前を、該ブート用セルに書き込んで送信してもよい。前記した場合、該ブート用セルを受信したマスターモードのノード管理サーバー503は、受信したブート用セルに書かれているサブネットの名前と、該マスターモードのノード管理サーバー503のconfigファイル55に書かれている名前とを比較し、両者が異なっている場合、該マスターモードのノード管理サーバー503は、該入出力線で、異なるサブネットが接続されていることを認識することができる。該異なるサブネットが接続されていることを認識したマスターモードのノード管理サーバー503は、異なるサブネットに接続されていることを、該入出力線のブート・チャネル11を用いて、該ブート用セルを送信したシングルモードのノード管理サーバー501に通知してもよい。
【0366】
また、マスターモードのノード管理サーバー503のconfigファイル55にサブネットとサブネットの境界の入出力線の名前(例えば、VPI/VCI値等) を書き込んでおくことによっても、マスターモードのノード管理サーバー503が、サブネットとサブネットの境界を認識することができる。本発明の一実施例においては、ブート用セルを受信したマスターモードのノード管理サーバー503が、該ブート用セルの転送されてきた入出力線を識別できるように、ATM交換機において、該ブート用セルのVPI/VCI値の変換を行うことも想定している。従って、マスターモードのノード管理サーバー503は、受信したブート用セルのVPI/VCI値を基に、configファイル55に書かれているサブネットとサブネットの境界のVPI/VCI値と比較することによって、該ブート用セルを送信したシングルモードのノード管理サーバー501が、サブネット中のノード管理サーバーであるか、サブネット外のノード管理サーバーであるかを識別することができる。
【0367】
また、マスターモードのノード管理サーバー503は、サブネット外のシングルモードのノード管理サーバー501に対し、該サブネット外のシングルモードのノード管理サーバー501から送信されるブート用セルには応答せず、メタシグナリング・セルには応答することによって、該サブネット外のシングルモードのノード管理サーバー501に対し、該入出力線が、サブネットとサブネットの境界になっていることを通知することができる。すなわち、マスターモードのノード管理サーバー503は、該ノード管理サーバーのconfigファイル55に記載されたノード管理サーバー以外のノード管理サーバーから、ある入出力線を経由して、ブート用セルとメタシグナリング・セルを受信した場合、該ブート用セルに対しては何らアクションを行わず、該メタシグナリング・セルに対しては、該入出力線に対しシグナリング・チャネル13を設定し、該シングルモードのノード管理サーバー501に、該シグナリング・チャネル13の設定完了通知を送信する。シングルモードのノード管理サーバー501は、ある入出力線を経由して、シグナリング・チャネル13等の設定完了通知は送られてきたが、ブート・イメージは送られてこなかった場合、“該入出力線の先に、マスターモードのノード管理サーバー503は存在するが、該シングルモードのノード管理サーバー501をブートするのに適切な情報(ブート・イメージ) を持ったマスターモードのノード管理サーバー503ではなかった“と認識することができる。つまり、該シングルモードのノード管理サーバー501は、該入出力線を経由して到達することのできるマスターモードのノード管理サーバー503は、該シングルモードのノード管理サーバー501が属するサブネットのマスターモードのノード管理サーバー503とは異なる他のサブネットのマスターモードのノード管理サーバー503と認識し、該入出力線が、サブネットとサブネットの境界であると認識することができる。
【0368】
以上は、マスターモード、スレーブモード、およびシングルモードという、3状態を遷移するモデルを、ノード管理サーバーに適用したものであった。以下、この状態遷移モデルを、NISサーバーやDNSサーバーといった一般のサーバーの状態遷移モデルに適用した場合について説明する。
【0369】
すなわち、システム全体が、複数のサーバーによって協調管理されるシステムにおいて、システム全体を複数の部分システムに分割し、各部分システムには、少なくとも1つのサーバーが割り当てられているものとする。各サーバーの動作モードとして、以下に説明するマスターモード、スレーブモード、およびシングルモードの3種類の動作モードが存在することとする。
【0370】
シングルモードで動作中のサーバーは、該サーバーに割り当てられた部分システム内の管理だけ行う。
【0371】
スレーブモードで動作中のサーバーの行う管理には、以下に示す2通りの場合が存在する。
【0372】
まず、1つの場合は、スレーブモードで動作中のサーバーは、マスターモードで動作中のサーバーの指示のみに従い、主体的に管理を行わないという場合である。
【0373】
他の場合は、スレーブモードで動作中のサーバーは、該サーバーに割り当てられた部分システム内の管理に対しては、主体的に行い、行った管理処理を必要に応じてマスターモードで動作中のサーバーに通知する。一方、該サーバーに割り当てられた部分システム外にまたがる管理に対しては、該スレーブモードで動作中のサーバーは、対応するマスターモードで動作中のサーバーに伺いを立て、該マスターモードで動作中のサーバーの指示に従うといった方法である。
【0374】
マスターモードで動作中のサーバーは、該サーバーに部分システムが割り当てられている場合は、該部分システムの管理を行うとともに、スレーブモードで動作中のサーバーから要求された部分システム間にまたがる管理を行い、関係する部分システムに割り当てられたスレーブモードで動作中のサーバーに、指示を送信する。
【0375】
以下、上記サーバーの状態遷移方法について説明する。
【0376】
サーバーは、起動後、まず、シングルモードに状態遷移する。起動手順に、該サーバーの起動後の動作モードがマスターモードと記述されていた場合は、該サーバーは、起動後、マスターモードへと状態遷移する。
【0377】
起動手順に、該サーバーの起動後の動作モードがスレーブモードと記述されていた場合は、該サーバーは、起動後、該サーバーが帰属するマスターモードのサーバーが、正常に動作しているか動作確認を行い、正常に動作していることが確認された場合は、スレーブモードへと状態遷移する。該サーバーが帰属するマスターモードのサーバーの正常動作が確認されなかった場合、以後、定期的に、該マスターモードのサーバーの正常動作が確認されるまで、シングルモードで動作する。該サーバーは、シングルモードで動作している間は、割り当てられた部分システムの管理のみを行い、該サーバーが帰属するマスターモードのサーバーの正常動作を確認した時点で、該サーバーがシングルモードで動作中に行った管理処理を、マスターモードのサーバーに通知し、スレーブモードへと状態遷移する。
【0378】
スレーブモードで動作中のサーバーは、定期的に、該サーバーが帰属するマスターモードのサーバーの動作確認を行い、該マスターモードのサーバーの正常動作が確認された場合は、スレーブモードで動作しつづける。該マスターモードのサーバーの正常動作が確認されなかった場合、該スレーブモードで動作していたサーバーは、シングルモードへと状態遷移する。該サーバーは、シングルモードで動作している間は、割り当てられた部分システムの管理のみを行い、該サーバーが帰属するマスターモードのサーバーの正常動作を確認した時点で、該サーバーがシングルモードで動作中に行った管理処理を、マスターモードのサーバーに通知し、スレーブモードへと状態遷移する。
【0379】
4−1.サブネット間にまたがるネットワーク情報の管理方法について
以下、図45および図46、ならびに図47および図48を参照しながら、本発明におけるノード管理サーバーのサブネット間にまたがるネットワーク情報の管理方法について、具体的に説明する。図45〜48では、サブネット間にまたがるネットワーク情報として、ノード管理サーバーが管理する管理ファイル56を例にとって説明しているが、本発明を、例えばNISサーバーが管理するNIS情報にも適用することも可能である。
【0380】
サブネット間にまたがるネットワーク情報の管理方法として、大きく分類して、対象とするサブネットが該サブネットに属するネットワーク構成要素の情報のみ管理する方法と、該サブネットが該サブネットに属さないネットワーク構成要素の情報も管理する方法の2通りの方法が存在する。特に、サブネット間の関係が、ある1つのルート・ノード(ルート・サブネット) を起点としたツリー構造の場合、該ツリー構造に属する1つのサブネットが、該サブネットをルートとした部分ツリー構造に属するすべてのサブネットのネットワーク構成要素を管理する方法が一般的である。本発明の一実施例においては、あるサブネットが、該サブネットをルートとした部分ツリー構造に属するすべてのサブネットのネットワーク情報を管理する方法として、図45に示す直接アクセス方法と、図46に示す間接アクセス方法の2通りの方法を考慮する。
【0381】
直接アクセス方法とは、図45において、あるサブネットに属するノード管理サーバーの管理ファイル56には、該サブネットよりも下位のサブネットに属するノード管理サーバーの管理ファイル56の情報も含まれるものとし、該サブネットの管理ファイル56にアクセスすれば、該サブネットよりも下位のサブネットの管理ファイル56の情報にもアクセスできるといった方法である。
【0382】
一方、間接アクセス方法とは、図46において、あるサブネットに属するノード管理サーバーの管理ファイル56には、該サブネットよりも下位のサブネットに属するノード管理サーバーの管理ファイル56の情報の代わりに、該管理ファイル56へのポインタが含まれるものとする。間接アクセス方法の場合、該サブネットの管理ファイル56にアクセスした場合、該管理ファイル56に含まれるポインタで示される、サブネットの管理ファイル56にもアクセス要求が転送され、該アクセス要求が転送されたサブネットの管理ファイル56に、対象とするネットワーク情報が存在した場合、そのネットワーク情報が、あたかも元のサブネットの管理ファイル56にあったかのようにアクセスすることができるといった方法である。
【0383】
本発明の一実施例においては、サブネット間の構成は、あるサブネットをルート・ノードとしたツリー構造と、該ツリー構造内のあるノード(サブネット) と、該ノードをルートとした部分木には含まれないノードとをショート・カットして接続した構造とから構成されることとする。なお、以下の説明において、サブネット間の関係がツリー構造の場合、あるサブネットに対し、該サブネットの1つ上位のサブネットをペアレント・サブネット(以下、parentサブネットと記述する)と呼ぶこととし、該サブネットの1つ下位のサブネットをチャイルド・サブネット(以下、child サブネットと記述する)と呼ぶこととする。また、あるサブネットとショート・カットして接続した同位のサブネットを、フレンド・サブネット(以下、friendサブネットと記述する)と呼ぶこととする。
【0384】
また、本発明の一実施例においては、ネットワーク情報の検索方向として、対象とするサブネットの管理ファイル56に、検索するネットワーク情報が見つからなかった場合、該サブネットの1つ上位のサブネット(parent サブネット) のノード管理サーバーと、該サブネットと同位のサブネット(friend サブネット) のノード管理サーバーの2方向に検索の依頼を送信するものとする。該検索依頼を受信したparentサブネットのノード管理サーバー504は、該ノード管理サーバーが管理する管理ファイル56を参照し、該検索したいネットワーク情報がなければ、該検索依頼を、さらに、該parentサブネットの1つ上位のサブネットと、該parentサブネットと同位のサブネットへリレーイングすることとする。また、該検索依頼を受信したfriendサブネットのノード管理サーバー506は、該ノード管理サーバーが管理する管理ファイル56を参照し、該検索したいネットワーク情報が、該サブネット、または該サブネットをルートとする部分木に属するサブネットのノード管理サーバーの管理ファイル56に存在するかどうか、検索を実行する。friendサブネットのノード管理サーバー506は、管理ファイル56を検索した結果、該検索依頼を受けたネットワーク情報が見つからなかった場合、該検索依頼を、他のサブネットへはリレーイングを行わないものとする。
【0385】
図47および図48は、本発明の一実施例における、直接アクセス方法と間接アクセス方法が混在した場合の、ネットワーク情報アクセス時のノード管理サーバーのアルゴリズムを図示したものである。図において、対象とするノード管理サーバーは、該ノード管理サーバーが属するサブネット内のクライアントと、child サブネットまたはfriendサブネットのノード管理サーバー(505/506)から、ネットワーク情報の検索要求を受信した場合(図47のステップ370,図48のステップ390)、まず、該対象とするノード管理サーバー自身の管理ファイル56を検索するものとする(図48のステップ392)。次に、該ノード管理サーバーは、ポインタで指されているノード管理サーバーへ、ネットワーク情報の検索要求を依頼するものとする(ステップ394)。
【0386】
以上説明した検索の結果、検索したいネットワーク情報が見つからなかった場合のうち、サブネット内のクライアントまたはchild サブネットから検索要求を受信した場合、該ノード管理サーバーは、parentサブネットのノード管理サーバー504へ、より上位のサブネットが管理している管理ファイル56でのネットワーク情報の検索要求を送信するとともに、friendサブネットのノード管理サーバー506へ、該サブネットが管理している管理ファイル56でのネットワーク情報の検索要求を送信する(ステップ396)。
【0387】
以上説明した検索の結果、検索したいネットワーク情報が見つかった場合、該対象とするノード管理サーバーは、該ネットワーク情報の検索を要求した該サブネット内のクライアント、child サブネット、またはfriendサブネットのノード管理サーバー(505/506)に対し、検索要求を受けたネットワーク情報を送信することとする。また、検索したいネットワーク情報が見つからなかった場合、該ノード管理サーバーは、該ネットワーク情報の検索を要求した該サブネット内のクライアント、child サブネット、またはfriendサブネットのノード管理サーバー(505/506)に対し、検索できなかったことを意味する検索NG通知を送信するか、または何等アクションを起こさないことによって、検索できなかったことを、通知することもできる。
【0388】
4−2.サブネット間にまたがるコネクションの設定方法について
以下、本発明の一実施例におけるサブネット間にまたがるコネクションの設定方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0389】
まず、本発明の一実施例においては、呼設定サーバー7が、端末から送信された呼設定要求(シグナリング・セル) を受信した場合、以下に示す(a) →(b) →(c) の手順で、該呼設定要求で要求された、宛先の端末3との間のコネクションを設定するものとし、以下、(a),(b),(c) の各々の項目について、具体的に説明する。
a)宛先の端末が所属するサブネットの特定
b)該サブネットまでのルーティングの決定
c)ハードウェアの設定要求の送信
まず、呼設定サーバー7が、呼設定要求(シグナリング・セル) を受信した場合、宛先の端末の所属するサブネットを特定するために、該呼設定サーバー7が所属するサブネットのノード管理サーバー5またはNIS(スレーブ) サーバー(600/601)に、該宛先の端末が該サブネットに所属しているかどうか、ネットワーク情報の検索を要求する。宛先の端末が該サブネットに所属していなかった場合(該サブネットにおけるネットワーク情報の検索に失敗した場合) 、対象とするサブネットのparentサブネットまたはfriendサブネットに、該宛先の端末が所属しているかどうか調べるため、ネットワーク情報の検索を要求する。該parentサブネットまたは該friendサブネットにおいて、ネットワーク情報の検索を実行した結果、検索したい情報が見つからなかった場合、該parentサブネットを基準として、該parentサブネットのparentサブネットまたは該parentサブネットのfriendサブネットに対して、宛先の端末が前記サブネットに所属しているかどうか調べるため、該ネットワーク情報の検索を要求する。以下、該ネットワーク情報が検索できるまで、順次、基準とするサブネットをツリー構造の上位に移動させていって、該ネットワーク情報の検索を実行するものとする。
【0390】
宛先の端末の所属するサブネットが特定できた場合、呼設定サーバー7は、次に、該サブネットまでのルーティングを決定するものとする。前記したように、本発明の一実施例においては、サブネット間の構成は、あるサブネットをルート・ノードとしたツリー構造、該ツリー構造に属するノード(サブネット) 、および該ノード(サブネット) をルートとした部分木には含まれないノード(サブネット) をショート・カットして接続した構造から構成されるとしている。従って、本発明の一実施例において、サブネット間にまたがるコネクションを設定する場合、前記したサブネット間の構成を用いて、効率よくコネクションを設定することとする。すなわち、サブネット間にまたがるコネクションを設定する場合、できるかぎり、サブネットとサブネット間をショート・カットしたコネクションを用いることによって、端末間に設定されるコネクションの中に含まれる( スイッチ) ノードの個数を少なくし、該コネクションのエンド・エンド間の遅延を小さくすることを目標とする。なお、該ルーティングの決定において、呼設定サーバー7は、ユーザから申告された平均/ピーク使用帯域といったトラヒック・パラメータを基に、ユーザが要求するセル廃棄率/セル転送遅延といったQOSを満たすコネクションが設定できるかどうか、ノード管理サーバー5に問い合わせ、該要求品質を満たすようなルーティングを決定するものとする。
【0391】
最後に、該決定されたルーティングに従って、該呼設定サーバー7は、該コネクションの設定を対応するノード管理サーバー5に要求することとする。該ノード管理サーバー5が対応するコネクションを正常に設定できた場合、該呼設定サーバー7は、呼設定要求を送信した端末に、該コネクションを使用するためのVPI/VCI値等の情報を通知する。
【0392】
図49、図50、および図51は、サブネット間にまたがるコネクションを設定するための、各々のサーバーと端末との間の、チャネル構成方法を示したものである。以下、図49〜51で図示した3つの構成方法について、具体的に説明する。
【0393】
図49は、サブネット間の情報の通信を、サブネット間のノード管理サーバー5の間に設定された管理用チャネル16を用いて行おうというものである。図49の場合、端末から送信されたシグナリング・セルを受信した呼設定サーバー7は、対応するコネクションの設定を、該呼設定サーバー7の属するサブネットのノード管理サーバー5に依頼し、以後、該ノード管理サーバー5が、前記した手順で該コネクションの設定を行うという方法である。なお、図49は、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7が、同一の端末上に存在しない場合について図示したが、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7が同一の端末上に存在する場合は、2つのサーバー間のデータ通信は、呼設定用チャネル18の代わりに、プロセス間のデータ通信を使用してもよい。
【0394】
図50は、サブネット間の情報の通信を、サブネット間の呼設定サーバー7の間に設定されているシグナリング・チャネル13を用いて行おうというものである。本発明の一実施例においては、前記したように、ノード管理サーバー5の構成認識方法として、該ノード管理サーバー5が管理するATM交換機のすべての入出力線に対し、ブート用セルとメタシグナリング・セルを送信する方法について説明した。図50の呼設定サーバー7間のシグナリング・チャネル13は、該ノード管理サーバー5が、ある入出力線に対して構成認識を行うため送信したメタシグナリング・セルに対し、シグナリング・チャネル13が設定された場合、該ノード管理サーバー5は、該入出力線を介して他のサブネットに接続していると認識するとともに、該設定されたシグナリング・チャネル13を、サブネット内の呼設定サーバー7に接続されるようにしたものである。なお、図49と同様であるが、図50は、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7が、同一の端末上に存在しない場合について図示しているが、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7が、同一の端末上に存在する場合は、2つのサーバー間のデータ通信は、呼設定用チャネル18の代わりに、プロセス間のデータ通信を使用してもよい。
【0395】
図51は、サブネット間の情報通信の方法は、図49,50とほぼ同様であるが、宛先の端末の所属するサブネットを検索するために、ネットワーク情報にアクセスする点が、図49,50とは異なる。すなわち、図50の場合、宛先の端末の所属するサブネットを検索するために、呼設定サーバー7は、ネットワーク情報の検索をノード管理サーバー5に依頼する。該ネットワーク情報の検索要求を受信したノード管理サーバー5は、該ノード管理サーバー5が管理する管理ファイル56、またはNISマスター・ファイル620等を検索するこにより、該要求されたネットワーク情報の検索を実行する。一方、図51の場合、宛先の端末の所属するサブネットを検索するために、呼設定サーバー7は、ネットワーク情報の検索をNIS(スレーブ) サーバー601に依頼する点が、図49,50による方法と異なる。なお、図49,50と同様であるが、図51は、ノード管理サーバー5と呼設定サーバー7とNIS(スレーブ) サーバー(600/601)が、同一の端末上に存在しない場合について図示しているが、該3つのサーバーが、同一の端末上に存在する場合は、該3つのサーバー間のデータ通信は、対応するチャネルを使用する代わりに、プロセス間のデータ通信を使用してもよい。
【0396】
以下、図52および図53を参照しながら、図51の場合の呼設定サーバー7のサブネット間にまたがるコネクションを設定する方法について、具体的に説明する。
【0397】
対象とする呼設定サーバー7が、端末3または他のサブネットの呼設定サーバー7からシグナリング・セルを受信した場合(図52のステップ420)、該呼設定サーバー7は、まず、該シグナリング・セルで要求されているコネクションの宛先が、該呼設定サーバー7と同じサブネットに存在するかどうか、該サブネットが管理しているネットワーク情報の検索を行う(ステップ421)。具体的には、該呼設定サーバー7は、インフォメーション・チャネル12を用いて、NIS(スレーブ/マスター) サーバーに、該宛先の端末が該サブネット内に存在しているかどうか検索するため該端末のネットワーク情報の検索を依頼する。該端末のネットワーク情報の検索を依頼されたNISサーバーは、該NISサーバーが管理するNISファイル等を参照し(ステップ441)、該宛先の端末等の情報が存在するかどうか検索し、該ネットワーク情報が検索できた場合、検索したネットワーク情報を、該検索要求を送信した呼設定サーバー7に送信する(ステップ442)。一方、該ネットワーク情報が検索できなかった場合、検索できなかった旨を、該呼設定サーバー7に通知する(検索NGセルを送信する) 。
【0398】
呼設定サーバー7が、NISサーバーから検索NGセルを受信した場合、該宛先の端末が、該呼設定サーバー7と同一のサブネット内に存在しなかったと認識するとともに(ステップ425)、該呼設定サーバー7は、該呼設定サーバー7が所属するサブネットの1つ上位のサブネット(parent サブネット) または同位のサブネット(friend サブネット) の呼設定サーバー7へ、該宛先の端末と、対象とする呼設定サーバー7が所属するサブネットまでのコネクションの設定を要求する(ステップ426)。具体的には、対象とする呼設定サーバー7が、端末またはchild サブネットからシグナリング・セルを受信した場合、受信したシグナリング・セルで要求しているコネクションの設定区間を、宛先の端末と、該呼設定サーバー7が所属するサブネットと該1つ上位のサブネット(parentサブネット) の境界点(IWUpとする;IWU:InterWorking Unit) との間に変更し、該変更したシグナリング・セルを、該呼設定サーバー7が所属するサブネットのすべてのparentサブネットの呼設定サーバー7に送信する。同様に、該対象とする呼設定サーバー7が、端末または他のサブネット(child サブネットとfriendサブネット) からシグナリング・セルを受信した場合、受信したシグナリング・セルで要求しているコネクションの設定区間を、宛先の端末と、該呼設定サーバー7が所属するサブネットと該friendサブネットの境界点(IWUfとする) との間に変更し、該変更したシグナリング・セルを、該呼設定サーバー7が所属するサブネットのすべてのfriendサブネットの呼設定サーバー7に送信する。
【0399】
該変更されたシグナリング・セルを受信した、parentサブネットの呼設定サーバー7は、該対象とする呼設定サーバー7と同様な処理を実行する。すなわち、宛先の端末が所属するサブネットに出会うまで、受信したシグナリング・セルを変更しつつ、該変更したシグナリング・セルを、上位方向(parent方向) と同位方向(friend方向) のサブネットの呼設定サーバー7にリレーイングする。該宛先の端末の所属するサブネットを発見した場合、該宛先の端末とIWUpとの間のコネクションを設定するとともに、該コネクションを使用するためのVPI/VCI値等を書き込んだ応答セルを、該parentサブネットの呼設定サーバー7は、対象とするサブネットの呼設定サーバー7へ送信する。一方、該宛先の所属するサブネットが発見できなかった場合、該parentサブネットの呼設定サーバー7は、対象とするサブネットの呼設定サーバー7へ、コネクションが設定できなかった旨を書き込んだ応答セルを送信する。
【0400】
該変更されたシグナリング・セルを受信したfriendサブネットの呼設定サーバー7は、該対象とする呼設定サーバー7と同様な処理を実行する。すなわち、宛先の端末が所属するサブネットに出会うまで、受信したシグナリング・セルを変更しつつ、該変更したシグナリング・セルを、同位方向(friend方向) の、サブネットの呼設定サーバー7にリレーイングする。該宛先の端末の所属するサブネットを発見した場合、該宛先の端末とIWUfとの間のコネクションを設定するとともに、該コネクションを使用するためのVPI/VCI値等を書き込んだ応答セルを、該 friend サブネットの呼設定サーバー7は、対象とするサブネットの呼設定サーバー7へ送信する。一方、該宛先の所属するサブネットが発見できなかった場合、該parentサブネットの呼設定サーバー7は、対象とするサブネットの呼設定サーバー7へ、コネクションが設定できなかった旨を書き込んだ応答セルを送信する。
【0401】
対象とする呼設定サーバー7が、NISサーバーからネットワーク情報の検索成功の通知を受けた場合、parentサブネットの呼設定サーバー7からコネクションの設定通知を受けた場合、またはfriendサブネットの呼設定サーバー7からコネクションの設定通知を受けた場合、該呼設定サーバー7は、対応するコネクションの設定処理を実行する。具体的には、該呼設定サーバー7が、NISサーバーからネットワーク情報の検索成功の通知を受けた場合、該呼設定サーバー7は、宛先の端末と、呼設定要求を送信した端末または他のサブネットとの境界点までのコネクションの設定要求を、サブネット内のノード管理サーバーに送信する(図53のステップ431)。また、該呼設定サーバー7が、parentサブネットの呼設定サーバー7からコネクションの設定通知を受けた場合、該呼設定サーバー7は、IWUpと、呼設定要求を送信した端末または他のサブネットとの境界点までのコネクションの設定要求を、サブネット内のノード管理サーバーに送信する。また、該呼設定サーバー7 が、friendサブネットの呼設定サーバー7 からコネクションの設定通知を受けた場合、該呼設定サーバー7 は、IWUfと、呼設定要求を送信した端末または他のサブネットとの境界点までのコネクションの設定要求を、サブネット内のノード管理サーバーに送信する(図53のステップ431)。
【0402】
コネクションの設定要求を受信したノード管理サーバー5は、申告されたトラヒック・パラメータで、要求されたQOSを満たすコネクションが設定できるかどうか、管理ファイル56等を参照することによって判断する。あるいは、呼設定サーバー7が判断しても良い。該要求を満たすコネクションが設定できる場合、必要に応じてVPI/VCI値等の割り当て処理を実行し、ノード設定サーバー4に、ハードウェアの設定要求を送信することによって、コネクションの設定を実行するとともに、該コネクションを使用するためのVPI/VCI値等の情報を書き込んだ応答セルを作成し、該コネクションの設定要求を送信した呼設定サーバー7に、該応答セルを送信する。一方、該要求を満たすコネクションが設定できない場合、該ノード管理サーバーは、コネクションの設定ができない旨書き込んだ、応答セルを作成し、該コネクションの設定要求を送信した呼設定サーバー7に、該応答セルを送信する。
【0403】
該コネクションを使用するためのVPI/VCI値等の情報を書き込んだ応答セルを該呼設定サーバー7が受信した場合、該呼設定サーバー7は、該コネクションの設定を要求した端末または他のサブネットの呼設定サーバー7に、コネクションの設定の完了と、該コネクションを使用するためのVPI/VCI値等の情報を書き込んだ設定OKセルを送信する。一方、該呼設定サーバー7が送信したシグナリング・セルに対し、すべてのparent/friend サブネットの呼設定サーバー7から要求するコネクションが設定できなかったと通知された場合、またはノード管理サーバーから要求したコネクションが設定できなかったと通知された場合、該呼設定サーバー7は、該コネクションの設定を要求した端末または他のサブネットの呼設定サーバー7に、コネクションが設定できなかったことを意味する設定NGセルを送信する。
【0404】
4−3.サブネット間にまたがるコネクションレス型データ転送方法について
本発明の一実施例においては、以下に示す3つの方法によって、呼設定を行う手間が省けるという利点があるコネクションレス型のデータ転送方法を実現するものである。
(a)指定された端末間に、予め設定されたQOS(セル転送遅延、セル廃棄) を保証しないコネクションを用いる方法
(b)CLSF(Connection−Less Service Function)処理を用いたデータ転送方法
(c)呼設定サーバーがQOSの保証を必要としないコネクションを設定することによる、コネクションレス型のデータ転送のエミュレーション
すなわち、本発明の一実施例においては、宛先の端末まで予めコネクションが設定されている場合は、上記(a) の方法を用いてコネクションレス型のデータ転送を行うこととし、予めコネクションが設定されていない場合は、上記(b) の方法を用いてコネクションレス型のデータ転送を行うこととする。また、上記(a) の方法と上記(b) の方法を用いてはデータ転送を行えない端末間の場合、上記(c) の方法を用いてコネクションレス型のデータ転送を行うこともできる。上記(c) の方法を用いてコネクションレス型のデータ転送を行う場合、呼設定サーバー7が、宛先の端末までQOSの保証を必要としないコネクションを設定するまでは、端末が送信したセルは、宛先の端末まで到達せず、途中で廃棄されることとなる。
【0405】
以下、本発明の一実施例における、CLSF処理を用いたコネクションレス型のデータ転送方法について、図54、図55を参照しながら、具体的に説明する。
【0406】
図54は、本発明の一実施例におけるCLSF処理を用いたコネクションレス型のデータ転送を行う場合の、端末3とCLSF処理手段8とNIS(スレーブ) サーバー601との間のチャネル構成を示したものである。本発明の一実施例において、簡単のために、CLSF処理8を用いたコネクションレス型のデータ転送を行う場合、サブネット間の構成は、1つのサブネットをルート・ノードとしたツリー構造から構成されると考えることとする。ここに、ツリー構造以外の他のネットワーク構造の場合でも、本発明を適用することができるが、ここでは簡単のために、ツリー構造を考えることとする。また、該ツリー構造において、該ツリー構造中のあるノード(サブネット) は、ただ1つの上位のノード(サブネット) に接続することとし、また、該ツリー構造中のあるノード(サブネット) は、同位のノード(サブネット) には接続しないと考えることとする。ここで、実際のサブネット間の構成では、ツリー構造中のあるノード(サブネット) は、2つ以上の上位のノード(サブネット) または同位のノード( サブネット) と接続しているかもしれないが、コネクションレス型のデータ転送を行う場合は、上記したようなサブネット間の構成モデルで考えるものとする。
【0407】
本発明においては、該サブネット間のツリー構造を用いて、サブネット間にまたがるコネクションレス型のデータ転送を、効率よく行うものとする。
【0408】
また、本発明の一実施例において、CLSF処理を用いたコネクションレス型のデータ転送を行う場合、サブネット内に少なくとも1つのCLSF処理手段8が必要であり、予め、該サブネット内の端末のうち、コネクションレス型のデータ転送を行うすべての端末3と該CLSF処理手段8との間に、QOSの保証を必要としないCL用チャネル15を設定しておく必要がある。また、同一サブネット内のCLSF処理手段8とNIS(スレーブ) サーバー601との間には、インフォメーション・チャネル12が設定されているものとする。また、対象とするサブネット内のCLSF処理手段8と、1つ上位のサブネット(parentサブネット) 内のCLSF処理手段8との間に、CLSF間チャネル19が設定されているものとする。なお、図54は、CLSF処理手段8とNISサーバー601が、同一のネットワーク構成要素(端末) 上に存在しない場合について図示したものであるが、CLSF処理手段8とNISサーバー601が、同一のネットワーク構成要素(端末) 上に存在する場合は、2つのサーバー間のデータ通信は、インフォメーション・チャネル12を使用する代わりに、プロセス間のデータ通信等を使用してもよい。
【0409】
さらに、本発明の一実施例においては、対象とするサブネット内の、CLSF処理手段8が起動した時点で、該CLSF処理手段8と、parentサブネット内のCLSF処理手段8との間のCLSF間チャネル19と、該CLSF処理手段8と該サブネット内のNIS(スレーブ) サーバー601との間のインフォメーション・チャネル12が、設定されるものとする。また、対象とするサブネット内の端末3が起動した時点で、該端末3と該サブネット内のCLSF処理手段8との間のCL用チャネル15が設定されるものとする。
【0410】
図55は、本発明の一実施例におけるCLSF処理手段8のコネクションレス型のデータ転送のアルゴリズムを示したものである。以下、図55を参照しながら、具体的に説明する。
【0411】
本発明の一実施例において、CLSF処理手段8がユーザセルを受信した場合、まず、CLSF処理手段8内のVPI/VCIキャッシュを参照し(ステップ480)、該ユーザセルの宛先の端末名が存在するかどうか、検索を実行する。ここに、VPI/VCIキャッシュとは、本発明の一実施例においては、以前使用したVPI/VCI値を記憶するための一時キャッシュとする。該VPI/VCIキャッシュを参照した結果、該ユーザセルの宛先の端末名が検索できた場合、検索した結果得られたVPI/VCI値を基に、ユーザセルのヘッダ変換(VPI/VCI値の書き換え) を行い、該CLSF処理手段8は、該ヘッダ変換を行ったユーザセルを送信する。CLSF処理手段8は、ヘッダ変換を行ったユーザセルを送信することによって、該ユーザセルの宛先が該サブネット内にある場合、対応するCL用チャネル15を用いて、該ユーザセルを宛先の端末3まで転送することができる(ステップ486,487)。また、該ユーザセルの宛先が該サブネット内にない場合、CLSF間チャネル19を用いて、該ユーザセルを、1つ上位のサブネット(parentサブネット) のCLSF処理手段8まで転送することができる(ステップ488,489)。
【0412】
一方、VPI/VCIキャッシュを参照した結果、該ユーザセルの宛先の端末名が検索できなかった場合、該CLSF処理手段8は、インフォメーション・チャネル12を用いて、該ユーザセルの宛先の端末のネットワーク情報の検索を、NIS(スレーブ) サーバー601に要求する(ステップ481)。該ユーザセルの宛先の端末のネットワーク情報の検索要求を受信したNIS(スレーブ) サーバー601は、該NISサーバーが管理するNISファイル等を参照し(ステップ501)、該端末のネットワーク情報が存在するかどうか、検索を行う。宛先の端末が該サブネット内に存在する場合、該端末のネットワーク情報は、該NISファイル等を参照することによって検索することができるので、この場合、該NISサーバー601は、NISファイル等を検索することによって得られた宛先の端末3へCL用チャネル15を用いてコネクションレス型のデータ転送を行うためのVPI/VCI値等を、該CLSF処理手段8に送信する(ステップ505)。一方、宛先の端末が、該サブネット内に存在しない場合、該端末のネットワーク情報は、該NISファイル等を参照することによっては、検索することができないので、前記した場合、該NISサーバー601は、検索の失敗を書き込んだ検索NGセルを作成し、該CLSF処理手段8に送信する。
【0413】
該CLSF処理部8は、該NISサーバー601から宛先の端末へCL用チャネル15を用いてコネクションレス型のデータ通信を行うためのVPI/VCI値等の情報を送信された場合、該CLSF処理部8は、該VPI/VCIを基に、ユーザセルのヘッダ変換(VPI/VCI値の書き換え) を行い、該CLSF処理部8は、該ヘッダ変換を行ったユーザセルを送信する(ステップ487)。また、該CLSF処理部8が、該NISサーバーから検索NGセルを受信した場合、該CLSF処理部8は、受信したユーザセルを、CLSF間チャネル20を用いて、該サブネットの1つ上位のサブネット(parentサブネット) に転送する(ステップ489)。最後に、該CLSF処理部8は、NISサーバーから送信されたネットワーク情報を、VPI/VCIキャッシュに書き込むことによって(ステップ490)、以降の宛先の端末名からVPI/VCI値への変換を、効率よく行えるようになる。
【0414】
【発明の効果】
本発明では、ネットワーク構成要素に関する情報をネットワーク情報検索装置に記憶させるとともに、端末と前記ネットワーク情報検索装置との間に予めチャネルを設定しておき、前記端末が、このチャネルを用いて、他の端末へのコネクションを設定するために必要な情報を前記ネットワーク情報検索装置から獲得するようにした。
【0415】
これによって、ネットワーク構成要素に関する情報を効率的に保持、管理できるとともに、予め前記チャネルを設定しているので、情報を獲得するのに要する時間を短縮できるという利点がある。
【0416】
また、本発明では、各端末と管理装置との間にそれぞれチャネルを設定しておき、前記管理装置が、これらのチャネルを用いて各端末に対し適当なタイミングで各端末の生存を確認するための信号を送信し、この信号に対する返答の有無により各端末が生存しているか否かを判断するようにした。
【0417】
これによって、管理装置は、各端末が生存を確認、把握することができるようになり、正常動作していない端末との間に呼を設定してしまうような不都合を排除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るネットワーク・システムの要部概略構成を示す図
【図2】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーによるシングル・モードの場合のブートについて説明するための図
【図3】ネットワーク・サーバーが同一の端末上にない場合の当該ネットワーク・サーバーのブートについて説明するための図
【図4】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるVPI/VCIテーブルを示す図
【図5】端末立ち上げ時のVPI/VCIテーブルについて説明するための図
【図6】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるNISマップの分配について説明するための図
【図7】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるNISのアクセス方法について説明するための図
【図8】本発明の一実施例に係るネットワーク情報のアクセス方法を示すフローチャート
【図9】図8のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図10】本発明の一実施例に係るNISクライアントのNISサーバーへのbind方法を示すフローチャート
【図11】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるデータ転送方法について説明するための図
【図12】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるデータ転送アルゴリズムの一例を示すフローチャート
【図13】図12のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図14】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるデータ転送アルゴリズムの他の例を示すフローチャート
【図15】図14のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図16】本発明の一実施例に係るATM交換システムにおけるデータ転送アルゴリズムのさらに他の例を示すフローチャート
【図17】図16のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図18】本発明におけるVPI/VCI割り当て時のハードウェア構成を示す図
【図19】本発明の一実施例に係るVPI/VCI−listファイルおよびVPI/VCI−pointerファイルの構成の一例を示す図
【図20】本発明の一実施例に係るVPI/VCI割り当て方法の一例を示すフローチャート
【図21】図20のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図22】本発明の一実施例に係るVPI/VCI−listファイルの構成の他の例を示す図
【図23】本発明の一実施例に係るVPI/VCI−pointerファイルの構成の他の例を示す図
【図24】本発明の一実施例に係るVPI/VCI割り当て方法の他の例を示すフローチャート
【図25】図24のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図26】他のコネクションに割り当てることのできるVPI/VCI値を獲得する方法を示すフローチャート
【図27】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーの状態遷移について説明するための図
【図28】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーの状態遷移アルゴリスズの一部を示すフローチャート
【図29】図28のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図30】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーの状態遷移を示した模式図
【図31】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーの構成認識アルゴリズムの一例を示すフローチャート
【図32】特定フォーマットを持つブート用セルを受信したノード管理サーバーのアルゴリズムを示すフローチャート
【図33】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーの構成認識アルゴリズムの他の例を示すフローチャート
【図34】メタシグナリング・セルを受信したノード管理サーバーのアルゴリズムを示すフローチャート
【図35】本発明の一実施例に係る呼設定サーバー/ネームサーバーが起動していない場合のシステム構成を示す図
【図36】本発明の一実施例に係る呼設定サーバーとネームサーバーの起動について説明するための図
【図37】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーのNISサーバー起動時のアルゴリズムを示すフローチャート
【図38】図37のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図39】本発明の一実施例に係る端末上のNISクライアントのNISサーバー帰属アルゴリズムを示すフローチャート
【図40】図39のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図41】本発明の一実施例に係るノード管理サーバーの呼設定サーバー起動時のアルゴリズムを示すフローチャート
【図42】図41のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図43】本発明の一実施例に係る端末上の呼設定プロセスの呼設定サーバーへの接続アルゴリズムを示すフローチャート
【図44】図43のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図45】本発明の一実施例に係るサブネット間にまたがるネットワーク情報の直接アクセス方法について説明するための図
【図46】本発明の一実施例に係るサブネット間にまたがるネットワーク情報の間接アクセス方法について説明するための図
【図47】本発明の一実施例に係るネットワーク情報アクセス時のノード管理サーバーのアルゴリズムを示すフローチャート
【図48】図47のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図49】本発明の一実施例に係るサブネット間にまたがる呼設定を行うためのチャネル構成の一例を説明するための図
【図50】本発明の一実施例に係るサブネット間にまたがる呼設定を行うためのチャネル構成の他の例を説明するための図
【図51】本発明の一実施例に係るサブネット間にまたがる呼設定を行うためのチャネル構成のさらに他の例を示す図
【図52】本発明の一実施例に係るサブネット間を考慮した呼設定サーバーのアルゴリズムを示すフローチャート
【図53】図52のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図54】本発明の一実施例に係るサブネット間にまたがるコネクションレス型のデータ転送について説明するための図
【図55】本発明の一実施例に係るCLSF処理手段のデータ転送アルゴリズムを示すフローチャート
【図56】従来のATM交換システムの一例を示す図
【図57】従来のATM交換システムにおけるコピーコネクションの実現方法について説明するための図
【図58】従来のATM交換システムにおけるCLSF処理手段によるコネクションレス・サービスの実現方法について説明するための図
【図59】従来のコンピュータ間通信の一例を示す図
【図60】従来のIPによるデータグラムの転送について説明するための図
【図61】従来のARPについて説明するための図
【図62】従来のNISについて説明するための図
【図63】従来のネットワーク情報へのアクセス手順を示すフローチャート
【図64】図63のフローチャートの続きの部分を示すフローチャート
【図65】従来のNISクライアントのNISサーバーへのbind手順を示すフローチャート
【図66】従来のディスクレス・クライアントのブートストラップについて説明するための図
【図67】従来のブロードキャスト・アルゴリズムについて説明するための図
【符号の説明】
10…メタシグナリング・チャネル
11…ブート・チャネル
12…インフォメーション・チャネル
13…シグナリング・チャネル
14…ユーザ・チャネル
15…CL用チャネル
16…管理用チャネル
17…NIS用チャネル
18…呼設定用チャネル
19…CLSF間チャネル
2…ATM交換機
21…前処理部
22…共有メモリ型スイッチ
23…後処理部
24…ルーティングタグ・テーブル等のハードウェア・テーブル
3…端末(Host)
31…ホスト
32…データレス・クライアント
33…ディスクレス・クライアント
34…端末ブート・プロセス
4…ノード設定サーバー
41…設定プロセス
42…backupファイル
5…ノード管理サーバー
501…ノード管理サーバー(シングルモード)
502…ノード管理サーバー(スレーブモード)
503…ノード管理サーバー(マスターモード)
504…ノード管理サーバー(parent)
505…ノード管理サーバー(child)
506…ノード管理サーバー(friend)
51…管理プロセス
52…ATMブート・プロセス
53…端末ブート・プロセス
54…端末メタシグナリング・プロセス
55…configファイル
56…管理ファイル
511…受信部
512…VPI/VCI割当処理部
513…送信部
561…VPI/VCI−listファイル
562…VPI/VCI−pointerファイル
6…NISサーバー
600…NISマスタ・サーバー(プロセス)
601…NISスレーブ・サーバー(プロセス)
61…NISクライアント
62…NISマップ
620…NISマスター・マップ
621…NISスレーブ・マップ
63…NISファイル
7…呼設定サーバー(プロセス)

Claims (11)

  1. 1つまたは複数の交換機、複数の端末、ならびに前記交換機および前記端末を含むネットワーク構成要素に関する情報を記憶しているネットワーク情報検索装置を備えてなるネットワークにおけるネットワーク管理方法であって、
    予め前記交換機に対し、端末と前記ネットワーク情報検索装置との間にそれぞれ所定のユニキャスト・チャネルを設定しておくステップと、
    前記端末が、前記所定のユニキャスト・チャネルを用いて、他の端末へのコネクションを設定するために必要な情報を前記ネットワーク情報検索装置から獲得するステップとを有してなることを特徴とするネットワーク管理方法。
  2. 前記他の端末へのコネクションを設定するために必要な情報は、該他の端末の端末名、該他の端末アドレスまたは該他の端末へデータを送信するためのVPI/VCI値であることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理方法。
  3. 前記所定のチャネルは、前記ネットワークの立ち上げ時または前記端末の起動時に設定しておくことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理方法。
  4. 前記所定のチャネルは、ブート・チャネルまたはインフォメーション・チャネルであることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理方法。
  5. め前記交換機に対し、各端末と前記ネットワークに含まれる管理装置との間にそれぞれ所定のユニキャスト・チャネルを設定しておくステップと、
    前記管理装置が、前記所定のユニキャスト・チャネルをそれぞれ用いて各端末に対し適当なタイミングで生存を確認するための信号を送信するステップと、
    前記管理装置が、各端末に対してそれぞれ送信された前記信号に対する返答の有無により各端末が生存しているか否かを判断すステップとを更に有してなることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理方法。
  6. 前記生存の確認では、前記管理装置から前記端末までのコネクションの接続を確認することを特徴とする請求項5に記載のネットワーク管理方法。
  7. 前記管理装置から前記端末へ該端末でループバックされるべき設定を施した接続確認用のOAMセルを送信し、該端末でループバックされた該OAMセルを該管理装置が受信することによって、前記生存の確認を行うことを特徴とする請求項6に記載のネットワーク管理方法。
  8. 前記生存の確認では、前記管理装置から前記端末上のプロトコル・ソフトウェアまたはアプリケーション・ソフトウェアまでのコネクションの接続を確認することを特徴とする請求項5に記載のネットワーク管理方法。
  9. 前記端末上に実装されるプロトコル・ソフトウェアまたはアプリケーション・ソフトウェアに、特定のフォーマットを持つセルを受信した場合に、受信セルの宛先情報と送信元情報とを入れ替えたセルを送信するルーチンを設け、
    前記管理装置から前記端末へ前記特定のフォーマットを持つセルを送信し、前記ルーチンによって前記端末から返送された該セルを該管理装置が受信することによって、前記端末上のプロトコル・ソフトウェアまたはアプリケーション・ソフトウェアの生存の確認を行うことを特徴とする請求項8に記載のネットワーク管理方法。
  10. 前記所定のチャネルは、前記ネットワークの立ち上げ時に設定しておくことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク管理方法。
  11. 前記所定のチャネルは、ブートチャネルまたはメタシグナリングチャネルであることを特徴とする請求項5に記載のネットワーク管理方法。
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