JP3583397B2 - コンピュータを用いた特徴的地形の判別方法及び特徴的地形の判別支援装置 - Google Patents

コンピュータを用いた特徴的地形の判別方法及び特徴的地形の判別支援装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形の判別方法とその装置に関する。また、本発明は、新しい地図の作成や、或いは大雨後の土砂崩れ、河川の氾濫等による急激な地形変化に対する迅速な発見、監視、管理等に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の特徴的地形の判別方法を例示する説明図である。本図13の右側の写真は、空中写真撮影時のカメラの光軸方向の鉛直方向に対するズレを補正し、更に、球面収差に関する画像の補正を実施したもので、一般にオルソフォトと呼ばれているものである。また、左側の写真は、輝度に対する差分演算により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線(以下、「エッジ」又は「ポリゴン」と言う。)を抽出して、その領域の内部を塗り潰したものである。
【0003】
例えば、この様に従来は、ポリゴンで囲われた候補領域を抽出し、それをオルソフォト上に表示(画面表示或いは印刷)することにより、その領域が、宅地、河床、道路、崩壊地等の何れであるかを目視で判断していた。人間がこの様な分類を行う際の根拠(判断基準)としては、例えばポリゴンの形状や色情報等が挙げられる。即ち、例えば細長く蛇行した線状のポリゴンは、河川、河床、又は道路等と判定することができるため、崩壊地を検出したい場合には、これらを対象外と考えて良い場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な従来の方法で崩壊地等の特徴的な地形を検出するためには、地形や地質に関する一定以上の知識や経験が必要とされる。また、従来の方法では誤判定が多く成りがちで、高い分類精度が期待できず、更に、分類に時間が掛かると言う問題もあった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、空中写真に基づいて特徴的な地形を検出する際に、分類作業を容易にしたり、分類精度を向上したり、或いは、検出時間を短縮したりすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、第1の手段は、コンピュータを用い、森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形を判別する作業手順において、その地域を撮影した空中写真を基本地図画像に変換する変換工程aと、空中写真から得られる輝度により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線を抽出して、特徴的地形の候補となる特異領域を抽出する抽出工程bと、特異領域が位置する場所の、傾斜の勾配の大きさに基づいて特異領域を分別する分別工程cと、特異領域を示す閉曲線の少なくとも一部を基本地図画像上に明示する特異領域添付工程dと、基本地図画像に前記閉曲線を明示したものを視覚媒体上に表示する全図表示工程fとを設け、工程a、b、d、fをコンピュータに実施させることである。
【0007】
ただし、これらの各工程は、必ずしも上記に記載した順序で実施する必要は無い。例えば、分別工程cや特異領域添付工程dでは、その操作対象が上記の特異領域となるため、上記の抽出工程bを実施してからでないと、この工程c,dは実行することができないが、その他には、実行順序を特段強く拘束する要素は無く、各工程の実行順序は任意である。これらの実行順序は、実行容易性や、或いは作業効率、分類精度等の観点から、個々の状況や目的に見合った好適又は最適なものを選択すれば良い。
また、統合、又は並行して実行することが可能な複数の工程については、それらを同時に実行しても良い。
【0008】
また、上記の3次元情報とは、地図上の各点の標高を表す情報であるが、この表現方法は任意である。この表現方法としては、例えば、TIN(Triangulated Irregular Network)法や、DTM(Digital Terrain Model)法等が一般的である。また、この高さの基準点は任意であり、その基準点からの相対的な高さを表す情報であれば使用可能である。
【0009】
また、上記の勾配情報とは、分析の対象となる地域における各点の傾斜の勾配を表す情報であるが、この勾配情報は通常、上記の3次元情報から求められる。ただし、この勾配情報は上記の3次元情報とは無関係に独立した形で保持されるものであっても良い。
また、逆に、上記の3次元情報は、勾配情報から生成することも可能である。したがって、この意味においては、互いに変換可能な3次元情報と勾配情報とは同値と考えても良い。
【0010】
また、上記の基本地図画像とは、上記の3次元情報又は勾配情報と視覚的対比又はマッチングが可能或いは容易な形態の地図画像のことであり、その地域を示す画像として視覚媒体上に表現可能であればその形態は任意である。例えば3次元情報とマッチングが容易な地図画像としては、空中写真撮影時のカメラの光軸方向の鉛直方向に対するズレを補正し、更に球面収差等に関する画像の補正を実施した一般にオルソフォトと呼ばれる修正写真(修正画像)を用いると、その後に効率的な画像処理を行う上で非常に都合が良い。また、その他の基本地図画像の形態としては、例えば、人工的に影、色、記号等を付加した画像や、或いは、斜視図化による立体的な鳥瞰画像等を用いることも可能である。
【0011】
また、空中写真から得られる色報は、画面表示又は印刷される画像の輝度(明度)、彩度(純度)、波長(色相)等のことであるが、上記の色情報は最低限2色あれば、本発明を適用することが可能である。勿論、色情報は十分に豊富であることが望ましい。また、コンピュータを利用して本発明を実施(或いは自動化)する場合には、通常、赤、緑(黄)、青の3原色を基調とするデジタル化された色情報を用いる。
尚、以上のそれぞれの事情或いは要件は、後述の第2の手段以降の各手段についても同様である。
【0012】
上記の第1の手段によれば、分別工程cにより、特徴的地形の候補となる特異領域が位置する場所の3次元情報又は勾配情報に基づいて特異領域が分別される。このより具体的な分別方法としては、例えば、適当な境界値よりも勾配が大きい場合には、地震や大雨等による土地の崩壊が発生し易く、勾配が小さい場合には、崩壊地が発生し難い等の判断基準を導入すれば良い。これらの境界値は、各地域の地質等に応じて一般的或いは経験的に決定することが可能である。
例えばこの様に、上記の手段によれば、一旦抽出された特異領域を崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地等に分別する際に、斜面の勾配等のより具体的(立体的)な土地の形状や特性に基づいて、従来より正確な判断を下すことが可能又は容易となる。
【0013】
また、本発明の第2の手段は、コンピュータを用い、森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形を判別する作業手順において、その地域を撮影した空中写真を基本地図画像に変換する変換工程aと、空中写真から得られる輝度により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線を抽出して、特徴的地形の候補となる特異領域を抽出する抽出工程bと、特異領域を示す閉曲線の少なくとも一部を基本地図画像上に明示する特異領域添付工程dと、等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色することにより、基本地図画像と、地図上の各点の標高を表す情報である3次元情報、又は各点の傾斜の勾配を表す情報である勾配情報とを合成する合成工程eと、基本地図画像に前記閉曲線を明示し、等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色したものを視覚媒体上に表示する全図表示工程fとを設け、工程a、b、d、e、fをコンピュータに実施させることである。
【0014】
上記の合成工程eにおける基本地図画像と3次元情報又は勾配情報との合成処理としては、例えば、基本地図画像上に等高線を記入する方法や、或いは、基本地図画像に勾配情報として勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色する等の手法が考えられる
【0015】
例えばこれらの様な手段によれば、人間の視覚に対してより認識し易い形で3次元情報又は勾配情報を提供(表示)することができるので、一旦抽出された特異領域を崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地等に分別する際に、斜面の勾配等のより具体的(立体的)な土地の傾斜や形状に基づいて、従来より正確な判断を下すことが可能又は容易となる。
【0016】
また、第3の手段は、上記の第1の手段において、基本地図画像と3次元情報又は勾配情報とを合成する合成工程eを備えることである。これにより、上記の第1の手段において、上記の第2の手段と同様の作用・効果をも得ることができる。
【0017】
また、第4の手段は、上記の第2又は第3の手段の合成工程eにおける合成後の基本地図画像として、オルソフォト・コンター図を生成出力することである。即ち、この第4の手段は、基本地図画像上に等高線を記入する方法である。これにより全図表示工程fで表示される基本地図画像において、3次元情報又は勾配情報を視覚的に認識することが従来よりも容易になる。
【0018】
また、第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段において、基本地図画像を変換して斜視的な鳥瞰画像を生成出力する斜視化工程uを設けることである。例えば、この斜視化工程uは、上記の合成工程eの後に追加する形で設けても良い。例えばこの様な手段により、人間の視覚に対してより認識し易い形で3次元情報又は勾配情報を提供(表示)することができる。
【0019】
また、第6の手段は、上記の第1乃至第5の何れか1つの手段において、特異領域の形状、配向、又は分布形態に基づいて、特異領域を分別する分別工程vを設けることである。
この様な分別は、画一的に実施しても良いが、所謂ファジー処理の様に、幾らかの可能性や曖昧さを残したままの形で分類作業を進めても良い。
例えば、崩壊地のみが抽出したい場合には、崩壊地である可能性を少しでも持っている特異領域は全てその候補として残す様にしても良いし、ある境界値以上の可能性を持った候補だけを残す様にしても良い。また、崩壊地の候補として残された特異領域を、更にそれらが崩壊地である可能性の大きさに基づいて、可能性別にクラス分けして残しておいても良い。
【0020】
この様な特異領域(ポリゴン)の分別基準としては、例えば以下の様なものが考えられる。
(1)線状の連続性があるもの:道路、河川、ガリ等の可能性が高い。
(2)点在するが連続性があるもの:道路、崩壊地等の可能性が高い。
(3)河川に沿って連続するもの:渓岸崩壊、河床等の可能性が高い。
(4)河川に対して略直角方向に連続するもの:ガリ、若しくは崩壊地(土石流の流下痕跡)の可能性が高い。
(5)上記の様な特異性が無く、単独で存在するもの:崩壊地又はその他の地形である可能性が高い。
【0021】
また、第7の手段は、上記の第6の手段において、特異領域の配向として、特異領域が位置する場所の最急降下方向又は等高線方向に対する相対的配向を判断基準とすることである。
この様な特異領域(ポリゴン)の分別基準としては、例えば以下の様なものが考えられる。
(1)等高線に対して概ね沿っているもの:道路の可能性が高い。
(2)最急降下線に対して概ね沿っているもの:河川或いは崩壊地等の可能性が高い。
【0022】
また、第8の手段は、上記の第6又は第7の手段において、特異領域の配向として、特異領域の近傍に位置するブレークライン(地形線)の脈絡方向に対する相対的配向を判断基準とすることである。
ただし、ここで言う「ブレークライン」とは、例えば、河川、谷線、尾根線、湖岸、海岸、道路、或いは土手等の特徴的な線状地形(地形線)のことである。これらのブレークラインの脈絡方向に対する相対的な配向を判断基準として、地質学的な知識や砂防分野における知識を利用すれば、特異領域の分別を更に精度良く行うことが可能である。
【0023】
また、第9の手段は、上記の第1乃至第8の何れか1つの手段において、空中写真の撮影時の日照条件、3次元情報又は勾配情報、並びに空中写真の色情報に基づいて解析的に生成された陰影部情報を基本地図画像に重ね合わせる第1の色補正工程w1を設けることである。また、第10の手段は空中写真の撮影時の日照条件、3次元情報又は勾配情報、並びに空中写真の色情報に基づいて、抽出工程bの抽出処理の判定基準となる閾値を各傾斜面毎に変更する第2の色補正工程w2を設けることである。
【0024】
上記の日照条件には、鉛直線に対する日(太陽)の傾きや天候等が含まれるが、その他にも、各斜面の法線方向と日照方向との間の角度θにも大きく関係する。特に、航空写真上の各部(地域の各斜面)の色に対するこの角度θの差異による影響は、日が低かったり、その地域の起伏が激しかったりした場合に大きくなる。即ち、これらの日照条件が異なる場合には、全く同じ地質の土壌であっても、写真上では大きく異なる色に写る場合が有る。
【0025】
しかしながら、上記の色補正工程wを設けることにより、これらの日照条件の差異に基づく各部の色の偏差を排除(補正)することができるため、正しい判断を下すことが容易または可能となる。また、この様な補正を写真全面に対して同時に一様に実施することができれば、色に基づくより正確な処理や判別も、写真全面に対して同時に一様に実施することができる様になる。
【0026】
また、第11の手段は、上記の第1乃至第9の何れか1つの手段において、3次元情報又は勾配情報に加えて、或いは、3次元情報又は勾配情報の代りに、特異領域が位置する場所の地質、植物生態その他の光反射特性に関する属性情報を用いることである。
【0027】
例えば、この様な属性情報が有れば、上記の第2の色補正工程w2をより精密に実施することができる。また、崩壊地が発生し易いか否かを切り分ける斜面の勾配に関する境界値等も、地質に左右され易いため、この様な属性情報の活用により、より高い精度の判別を実施することが可能となる。
【0028】
また、本明細書の請求項12から請求項22までの各装置発明は、本明細書の請求項1から請求項11までの各方法発明にぞれぞれ対応しており、これらは、コンピュータ・システムを用いて主要な各作業手順(各工程a,b,...)をそれぞれ機械化(自動化)することにより実現される装置発明と考えることができる。
【0029】
即ち、前記の各工程a,b,c,d,e,f,u,v,wは、周知の技術により何れもそれぞれコンピュータ・システムを用いて機械化(自動化)することが可能なものであり、例えば請求項12に記載の判別支援装置は、請求項1に記載の各工程a,b,c,d,fをそれぞれコンピュータ・システムを用いて機械化(自動化)することにより、実現することができる。即ち、請求項12に記載の判別支援装置の各手段A,B,C,D,Fは、請求項1の各工程a,b,c,d,fを機械的に実行する手段として構成することができる。この時、各手段A,B,C,..の有効な連動形態は、ユーザーの運用により適当な作業手順単位に実現しても良いし、対話型の逐次処理として構成しても良いし、バッチ型の一括処理として自動化しても良い。
【0030】
上記の個々の工程を機械化(自動化)するコンピュータ・システムは、一般に普及しているソフトウェアやハードウェアを組み合わせて任意に構成可能であるが、最も身近な形態の一つとしては、例えばGIS(地理情報システム:Geographic Information System )や、或いは、アドビシステムズ社が一般に供給している画像処理ソフトウェアである「adobe Photoshop 」等を利用する形態等が、比較的容易に実現可能である。
【0031】
例えばこの様な一般に普及しているソフトウェアやハードウェアを適当に組み合わせて利用するシステム構成によれば、比較的短期間で上記のコンピュータ・システムを構築することができる。即ち、現在の画像処理技術を中心とするGIS周辺技術に基づいて、これらのコンピュータ・システム(本発明の判別支援装置)を構築することそれ自身は、現在の一般的な画像処理技術水準に照らして、何ら特段の困難を伴うものではない。
【0032】
これらの判別支援装置を用いることにより、上記の第1乃至第11の何れか1つの「特徴的地形の判別方法」を少なくとも部分的に、正確且つ高速に実施することができる様になる。したがって、上記の判別支援装置を導入することにより、より効率的かつ高精度の判別作業を実現することが可能となる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明の範疇は以下に示す実施例に狭く限定して解釈されるべきものではない。
(第1実施例)
本第1実施例は、例えば本発明の第6の手段等を中心に記載した「特徴的地形の判別方法」を例示するものである。
【0034】
図1は、本発明の第1実施例に係わる作業手順を例示するフローチャートである。本図1では、ステップ190とステップ124の少なくとも一部を人手により実行することを前提としているが、その他の各ステップに関しては、必要に応じて任意に機械化(自動化)することが可能である。
以下、本第1実施例では、ステップ180〜ステップ190及び解析パラメータの入力処理を人手で実行し、その他のステップは、例えば後述の第3実施例にて具体的に例示される様なコンピュータ・システム(判別支援装置)で実行する実施形態を例示する。
【0035】
変換工程a(図1のステップ110)では、該当地域を撮影した空中写真をデジタルオルソフォトに変換する。この「デジタルオルソフォト」とは、空中写真撮影時のカメラの光軸方向の鉛直方向に対するズレを補正し、更に球面収差等に関する画像の補正を実施した一般にオルソフォトと呼ばれる修正写真(修正画像)のことであり、可視光の3原色(赤、緑、青)を基調としてデジタル化された情報で構成されている。
この工程では、必要性が想定し得る最高の解像度、或いは、得られた空中写真に基づいて表現し得る最高の解像度に、修正画像(オルソフォト)の解像度(分解能)を設定する。
【0036】
次に、ステップ120では、解析パラメータを設定する。この解析パラメータとしては、画像(オルソフォト)の分解能が最も重要である。この分解能が高過ぎると、画像が有するノイズの影響を無視することが難しくなるため、得られた空中写真に基づいて表現し得る最高の分解能から5m程度までの範囲で、目的や抽出対象の特性に応じて好適若しくは最適な分解能を選択して、その解析パラメータを決定(設定)しておく。
【0037】
ステップ140では、目的の特徴的地形の候補(特異領域)を抽出する。以下、本実施例では、崩壊地を目的の特徴的地形と仮定する。この抽出工程bでは、まず最初に、ステップ110にて得られた画像(得られる最高の解像度のオルソフォト)に対して、ステップ120(又は後述のステップ124)で設定した分解能(解像度)まで画像の精度を落す処理を実行し、次に、特異領域の抽出を画像の輝度に関する微分処理(実際には差分処理)により、特に輝度が高くなっている領域のポリゴンを抽出する。
図2は、図13の空中写真の色情報に対する微分処理に基づいて抽出されたポリゴン(閉曲線)と、黒く塗り潰されたその内部領域を例示する平面図である。また、図3は、図2の各ポリゴンの拡大図である。周知のエッジ抽出処理により、例えばこの様に、特に輝度の高い領域(上記の特異領域)だけを選択的に抽出することができる。
【0038】
ステップ150では、特異領域添付工程dを実行する。即ち、本工程dでは、前述のデジタルオルソフォト(基本地図画像)上に、ステップ140で求めた特異領域を重ね合わせる。
図4は、図13に図示した宅地及びその周辺地域を示すデジタルオルソフォトに、上記の特異領域(ポリゴン)を重ね合せ(ステップ150)、更に、合成工程e(ステップ160)により等高線を重ね合せ、その後、これらの画像をコンピュータ画面上に、全図表示工程f(ステップ170)にて表示したオルソフォト・コンター図である。
【0039】
以下、分別工程v(ステップ180)と分別工程c(ステップ185)について説明する。本第1実施例では、これらの各ステップの作業(判定処理)は人の判断行為自身に委ねられるため、実際には並行して同時に処理されたり、混在的に処理されたりすることが多い。
【0040】
(1)平坦地形
符号α1で図示する部分は、谷地形の最下点に位置していることが、等高線の状態から容易に判断できる。この様な判断材料の追加により、符号α1で図示する部分は、河床であると推定することができる。
また、符号α2で図示する部分は、段丘上に存在する平坦部分であることが、等高線の状態から容易に判断できる。したがって、符号α2で図示する部分は、建築物であると推定することができる。
【0041】
これらの領域α1,α2は、以上の推定結果に基づいて、即ち、急斜面上には位置していないと言う事実に基づいて、崩壊地の候補から外すことができる。
例えばこの様に、崩壊地の判別には、等高線等の3次元情報が極めて有用であり、これらの情報を地図上に、抽出された特異領域と同時に図示することにより、従来よりも迅速で正確な判断が可能となる。
図5は、図13に図示した道路、崩壊地、及び河床に関する図4と同様のオルソフォト・コンター図である。
【0042】
(2)道路(図5の上図)
(a)形状認識による判定
この様に連続した線状の図形(ポリゴン)は、まず、道路、河床、高圧線等の集合に分類できる。また、高圧線の場合、この様に蛇行することはない。したがって、道路若しくは河床の可能性が高いと判断できる。
(b)等高線との配向関係による判定
山腹を通過したり、等高線に沿って走ったりしている。
以上の判定結果に基づいて、図5の上図の地形は道路であると判定することができる。
【0043】
(3)崩壊地(図5の中図)
(a)形状認識による判定
纏まった広がりを持つことから、崩壊地、宅地、或いは裸地等の集合に分類できる。
(b)勾配による判定
急勾配の斜面に位置している。
以上の判定結果に基づいて、図5の上図の地形は崩壊地であると判定することができる。
【0044】
(4)河床(図5の下図)
(a)形状認識による判定
部分的には若干纏まった広がりを持つ所も見られるが、全体的には連続した線状の図形(ポリゴン)と成っており、まず、道路、河床、高圧線等の集合に分類できる。また、高圧線の場合、この様に蛇行することはない。したがって、道路若しくは河床の可能性が高いと判断できる。
(b)等高線との位置関係による判定
谷地形を通過しており、河床に分類することができる。ただし、纏まった広がりを持つ部分(領域α3)に関しては、渓岸崩壊か砂防ダムの堆砂域等として分類することができる。
【0045】
尚、以上の様に、確からしい一定の結論(評価)を得ることができなかった場合には、ステップ190において、再試行すべき(NG)と判断すれば良い。この場合には、例えば、ステップ120において、設定した解析パラメータの少なくとも一部を変更し(ステップ124)、再度、ステップ140に作業手順を戻す。
また、この様な評価(ステップ190)は、抽出工程b(ステップ140)の後で行う様にしても良い。
【0046】
例えば、以上の様な作業手順により、従来よりもより効率的かつ高精度の判別作業を実現することが可能となる。
【0047】
(第2実施例)
本第2実施例では、比較的起伏の激しい山林地域の空中写真に関する実施例を例示する。図6は、この山林地域の空中写真から得られたデジタルオルソフォトと、この山林地域に関する既存の3次元情報に基づいて作成された斜視的な鳥瞰図である。
また、図7は、図6の鳥瞰図に対して色補正処理を行わずに、全画像に対する所定の閾値よりも高輝度の画素(崩壊地の候補領域)を抽出し、認識性を高めるために、その部位だけ表示色を替えて表示した鳥瞰画像である。表示色が替えられた画素が比較的多く密集している部分は、符号71、72、73、74、75、76を各々付した太い実線にて囲んで示した。また、符号β1は方位が略南向きの斜面を示している。
【0048】
例えば、図7の様に崩壊地の候補となる特異領域が、あまり現実的な結果には表示できずに、必要以上に幅広く拡がってしまった原因としては、次のことが考えられる。
(原因1)
写真を撮影した時の日照角度が浅く、特に南向きの急斜面(例:β1付近)の輝度だけが極端に大きくなってしまったこと。
(原因2)
対象地域の地形の起伏が激しいこと。
【0049】
例えばこの様な日照条件下で撮影された空中写真に基づいて、特異領域の抽出を行う場合には、斜面の方位(東西南北)や勾配などによって、輝度に対する閾値を適当に変更しなければならない。
図8は、この様な場合に有効となる色補正処理の実施基準(色パラメータ)を規定するグラフである。
(記号)
n … 該当地域の北向き斜面の輝度の標準的な分布を表すグラフ。
N … 該当地域の北向き斜面の崩壊地の輝度の分布を表すグラフ。
s … 該当地域の南向き斜面の輝度の標準的な分布を表すグラフ。
S … 該当地域の南向き斜面の崩壊地の輝度の分布を表すグラフ。
【0050】
崩壊地(特徴的地形)の候補となる特異領域を抽出する抽出工程bでは、例えばこの様なグラフに基づいて、各斜面の方位や勾配に応じた最適な閾値(抽出基準)を設定することが可能である。勿論、上記のグラフは、任意の方位に対して作成することができる。通常は、4方位〜16方位程度の範囲で、必要に応じて詳細に分類する。
また、色補正実施時には通常、抽出工程bでは、輝度の微分処理によるエッジ抽出処理の代わりに、輝度の閾値に対する各地点の画像輝度の大きさに基づいてエッジ抽出処理を行う。
【0051】
図9は、本第2実施例に係わる作業手順を例示するフローチャートである。本フローチャートは、第1実施例での作業手順を例示するフローチャート(図1)に酷似であるが、ステップ230(第2の色補正工程w2)や、ステップ228(色パラメータの変更処理)が新たに追加されている点等が大きな特徴となっている。
ステップ230(第2の色補正工程w2)では、抽出工程bで用いられる候補領域抽出処理の判定基準の閾値を各斜面方位毎に好適に設定する。また、ステップ228では、この閾値が好適又は最適でなかった場合の、閾値の最適化を実行(再試行)する。
ただし、閾値を変更する代わりに、それに見合った陰影部情報を生成して重ね合わせる様にしても良い(第1の色補正工程w1)。また、この陰影部情報は、逆に輝度値を上昇させる負の陰影部情報であっても良い。これらの設定は、輝度に関する相対的な関係を補正するものであるので、輝度の大小関係を適切に比較できる様にする補正であれば、任意の手法(方式)にて上記の補正が実施できる。
【0052】
図10は、図6の鳥瞰図に対して、色補正処理を実施後に特異領域(崩壊地の候補領域)を抽出して表示した鳥瞰図である。図7と同様に、表示色が替えられた画素が比較的多く密集している部分は、符号75a、75b、75c、75dを各々付した太い実線にて囲んで示した。また、符号β1は、図7と同じ略南向きの急斜面を示している。本図10の画像表示結果を図7の場合と比較すると、崩壊地の候補(特異領域)が適度に絞り込まれていることが判る。
例えばこの様に、斜面方位毎に輝度補正することにより、陰影部でも崩壊地とその他の地形との差が比較的精度よく分別可能になる。
【0053】
また、図10の右下の太い点線の円γで示した領域では、殆ど崩壊地が検出されていない結果となったが、この領域の地質は略中央の太い実線で囲んで示した領域75a、75b、75c、75d等の地質とは、その地質特性が大きく異なっており、実際には、この領域においても崩壊が発生していた。
この様な場合においても、斜面方位や斜面勾配の他に、地質に関する情報も加味して上記の閾値(又は陰影部情報)を最適化すれば、これらの崩壊地についても、より高い精度で検出することが可能となる。
【0054】
また、植物生態に関する個々の領域の特性を加味する方法も有効である。例えば、広葉樹等が分布する輝度が比較的高い領域は、崩壊地と誤認され易い。しかしながら、これらの領域においても、上記の閾値を最適化したり、或いはその領域の輝度を相対的に下げる様な画像処理(例:陰影を重ねる等の修正処理)を施す等の、各領域の特性(地質、植物生態その他の光反射特性に関する属性情報)に応じた判別手法を導入することにより、これらの誤認の確率を削減していくことができる。
【0055】
(第3実施例)
本第3実施例では、最終的な評価工程以外の機械的な処理の殆どを自動化したコンピュータ・システム、即ち、本発明の判別支援装置について例示する。
図11は、本発明の判別支援装置の構成を例示する論理的なハードウェア構成図であり、このコンピュータ・システム(判別支援装置300)は、一般に普及しているGIS(地理情報システム)をベースに構成したものである。
【0056】
本実施例の判別支援装置300(コンピュータ・システム)は、主に、コンピュータ310(パソコン本体)とその周辺機器(321〜325)から成る。コンピュータ310は、主に、CPU(中央処理装置)311、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)312、ROM(リード・オンリー・メモリ)313、HD(ハード・ディスク装置)314、及び図略の入出力インターフェイス部(入出力制御ボード)等から構成されている。
【0057】
また、周辺装置としては、MO(磁気光ディスク装置)321、CD(コンパクト・ディスク装置)322、ディスプレイ装置323(視覚媒体)、キーボード324、及びマウス325等が接続されている。
また、本判別支援装置300には、公知のGISソフトや前述の「adobe Photoshop 」等の、一般に普及している各種の画像処理ソフトウェアが組み込まれている。
【0058】
図12は、本発明の第3実施例に係わる処理手順を例示するフローチャートである。本フローチャートは、上記の判別支援装置300を用いた対話制御のメイン処理フローを表すものであり、判別支援装置300上で実現されるウィンドウ型の操作環境を対話的に処理(操作)することにより実行することができる。
【0059】
変換工程a(図12のステップ410)では、該当地域を撮影した空中写真をデジタルオルソフォトに変換する。この「デジタルオルソフォト」とは、空中写真撮影時のカメラの光軸方向の鉛直方向に対するズレを補正し、更に球面収差等に関する画像の補正を実施した一般にオルソフォトと呼ばれる修正写真(修正画像)のことであり、可視光の3原色(赤、緑、青)を基調としてデジタル化された情報で構成されている。
【0060】
次に、ステップ420では、各種のパラメータを設定する。このパラメータとしては、画像(オルソフォト)の分解能(解析パラメータ)と、色補正工程wにて参照される色パラメータ等が主要なものである。例えば、分解能が高過ぎると、画像が有するノイズの影響を無視することが難しくなるため、目的や抽出対象の特性に応じて好適若しくは最適な分解能を選択する。
【0061】
また、色パラメータとしては、斜面の勾配や方位毎に、前述の輝度の閾値が適当に設定される。
色補正工程w(ステップ430)では、各斜面の勾配や方位と空中写真の撮影時の日照条件等に基づいて解析的に生成された陰影をデジタルオルソフォト上に重ねる。ただし、この陰影は、輝度値を上昇させるもの(負の陰影部情報)であっても良い。
【0062】
ステップ440では、目的の特徴的地形の候補(特異領域)を抽出する。以下、本実施例では、崩壊地を目的の特徴的地形と仮定する。この抽出工程bでは、特異領域の抽出を画像の輝度と所定の閾値との比較判定により、輝度が閾値以上に高くなっている特異領域を抽出する。
【0063】
分別工程c(ステップ450)では、抽出された特異領域毎に各領域上における勾配の平均値または最大値を求め、所定の閾値と比較し、比較された値(勾配の平均値または最大値)がその閾値よりも小さいものを削除する。
【0064】
分別工程v(ステップ460)では、残った特異領域の近傍に位置するブレークライン(地形線)の脈絡方向に対するその特異領域の相対的配向や位置関係を判定する。本分別工程v(ステップ460)は、実質的にはユーザーの判断を仰ぐ形式としても良い。例えば、ブレークラインと残った特異領域をオルソフォトコンター図上に同時に画面表示して、崩壊地の対象外と判断されるものをマウスで指定させる等の対話制御(画面操作インターフェイス)等が有効である。
【0065】
ステップ470では、特異領域添付工程dを実行する。即ち、本工程dでは、前述のデジタルオルソフォト(基本地図画像)上に、ステップ460で、残された特異領域を重ね合わせる。
【0066】
ステップ480では、特異領域(崩壊地の候補領域)が重ね合わされた上記のデジタルオルソフォト(基本地図画像)に等高線を書き加え、オルソフォトコンター図(加工された基本地図画像)を作成する。また、この後に、この加工された基本地図画像(オルソフォトコンター図)を更に立体的な画像に加工して、鳥瞰画像を生成しても良い。
【0067】
ステップ485では、この様にして加工された基本地図画像(オルソフォトコンター図)をディスプレイ323(図11)上に出力(画面表示)する。これにより、ユーザーは、出力された画像に基づいて、視覚的な判断(ステップ490での評価)を下すことが容易となる。
尚、以上の様に、確からしい一定の結論(評価)を得ることができなかった場合には、以下の2つのケースi),ii)を検討する。尚、確からしい一定の結論(評価)を得ることができた場合には、以上の全ての処理を終了する( iii)の時)。
【0068】
i)解析パラメータの変更
望ましくない出力結果としては、例えば、ノイズが多過ぎる等の分解能の最適化が必要なケース等が考えられる。これらの場合には、ステップ424にて、基本地図画像の分解能等の解析パラメータを変更する。
【0069】
ii)色パラメータの変更
望ましくない出力結果としては、その他にも例えば、図7に例示する様に、南側の斜面にだけ崩壊地が偏って、不自然に広範囲に現れるケース等が考えられる。これらの場合には、ステップ428にて、抽出工程bで参照される各斜面毎の輝度の閾値を変更する。或いは、各斜面毎に適度の陰影をつける等の調整を実施しても良い。
【0070】
以上のパラメータの変更処理後は、再度ステップ430、或いはステップ440以降の処理を繰り返す。この様な試行錯誤を繰り返すことにより、対象となる地域(空中写真の撮影領域)が広い場合でも、比較的短時間内に比較的高い精度で崩壊地を容易に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わる作業手順を例示するフローチャート。
【図2】空中写真の色情報に対する微分処理に基づいて抽出されたポリゴン(閉曲線)と、黒く塗り潰されたその内部領域を例示する平面図。
【図3】図2の各ポリゴンの拡大図。
【図4】図13に図示した宅地及びその周辺地域を示すオルソフォトに、求めたポリゴンを重ね合せ、更に等高線を書き足したオルソフォト・コンター図。
【図5】図13に図示した道路、崩壊地、及び河床に関する図4と同様のオルソフォト・コンター図。
【図6】オルソフォトと3次元情報に基づいて作成された斜視的な鳥瞰図。
【図7】図6の鳥瞰図に対して、色補正処理を行わずにポリゴン(崩壊地の候補領域)を抽出し、その内部領域を塗り潰して表示した鳥瞰図。
【図8】色補正処理の実施基準(色パラメータ)を規定するグラフ。
【図9】本発明の第2実施例に係わる作業手順を例示するフローチャート。
【図10】図6の鳥瞰図に対して、色補正処理を実施後にポリゴン(崩壊地の候補領域)を抽出し、その内部領域を塗り潰して表示した鳥瞰図。
【図11】本発明の判別支援装置の構成を例示する論理的なハードウェア構成図。
【図12】本発明の第3実施例に係わる処理手順を例示するフローチャート。
【図13】従来の特徴的地形の判別方法を例示する説明図。
【符号の説明】
300 … 判別支援装置(コンピュータ・システム)
310 … コンピュータ(パソコン本体)
311 … CPU(中央処理装置)
312 … RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
313 … ROM(リード・オンリー・メモリ)
314 … HD(ハード・ディスク装置)
321 … MO(磁気光ディスク装置)
322 … CD(コンパクト・ディスク装置)
323 … ディスプレイ装置(視覚媒体)
324 … キーボード
325 … マウス

Claims (22)

  1. コンピュータを用い、森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形を判別する方法であって、
    前記地域を撮影した空中写真を基本地図画像に変換する変換工程aと、
    前記空中写真から得られる輝度により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線を抽出して、前記特徴的地形の候補となる特異領域を抽出する抽出工程bと、
    前記特異領域が位置する場所の、傾斜の勾配の大きさに基づいて、前記特異領域を分別する分別工程cと、
    前記特異領域を示す前記閉曲線の少なくとも一部を前記基本地図画像上に明示する特異領域添付工程dと、
    前記基本地図画像に閉曲線を明示したものを視覚媒体上に表示する全図表示工程fと
    を有し、工程a、b、d、fをコンピュータに実施させることを特徴とするコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  2. コンピュータを用い、森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形を判別する方法であって、
    前記地域を撮影した空中写真を基本地図画像に変換する変換工程aと、
    前記空中写真から得られる輝度により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線を抽出して、前記特徴的地形の候補となる特異領域を抽出する抽出工程bと、
    前記特異領域を示す前記閉曲線の少なくとも一部を前記基本地図画像上に明示する特異領域添付工程dと、
    等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色することにより、前記基本地図画像と、地図上の各点の標高を表す情報である3次元情報、又は各点の傾斜の勾配を表す情報である勾配情報とを合成する合成工程eと、
    前記基本地図画像に閉曲線を明示し、等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色したものを視覚媒体上に表示する全図表示工程fと
    を有し、工程a、b、d、e、fをコンピュータに実施させることを特徴とするコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  3. 等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色することにより、前記基本地図画像と前記3次元情報又は前記勾配情報とを合成する合成工程eを有し、当該工程eをコンピュータに実施させることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  4. 前記合成工程eにおける合成後の前記基本地図画像として、オルソフォト・コンター図を生成出力することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  5. 前記基本地図画像を変換して、斜視的な鳥瞰画像を生成出力する斜視化工程uを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  6. 前記特異領域の形状、配向、又は分布形態に基づいて、前記特異領域を分別する分別工程vを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のコンピュータ を用いた特徴的地形の判別方法。
  7. 前記配向は、前記特異領域が位置する場所の最急降下方向又は等高線方向に対する相対的配向であることを特徴とする請求項6に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  8. 前記配向は、前記特異領域の近傍に位置するブレークライン(地形線)の脈絡方向に対する相対的配向であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  9. 前記空中写真の撮影時の日照条件、前記3次元情報又は前記勾配情報、並びに空中写真の色情報に基づいて、解析的に生成された陰影部情報を前記基本地図画像に重ね合わせる第1の色補正工程w1を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  10. 前記空中写真の撮影時の日照条件及び、前記3次元情報又は前記勾配情報に基づいて、前記抽出工程bの抽出処理の判定基準となる閾値を各傾斜面毎に変更する第2の色補正工程w2を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  11. 前記3次元情報又は前記勾配情報に加えて、或いは、前記3次元情報又は前記勾配情報の代りに、前記特異領域が位置する場所の地質、植物生態その他の光反射特性に関する属性情報を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のコンピュータを用いた特徴的地形の判別方法。
  12. 森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形を判別するための判別支援装置であって、
    前記地域を撮影した空中写真を基本地図画像に変換する変換手段Aと、
    前記空中写真から得られる輝度により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線を抽出して、前記特徴的地形の候補となる特異領域を抽出する抽出手段Bと、
    前記特異領域が位置する場所の、傾斜の勾配の大きさに基づいて、前記特異領域を分別する分別手段Cと、
    前記特異領域を示す前記閉曲線の少なくとも一部を前記基本地図画像上に明示する特異領域添付手段Dと、
    前記基本地図画像に前記閉曲線を明示したものを視覚媒体上に表示する全図表示手段Fと
    を有することを特徴とする特徴的地形の判別支援装置。
  13. 森林や山岳部等の傾斜を有する地域における、崩壊地、河川、河床、道路、開墾地又は宅地その他の、各々の周囲と分別可能な特徴的地形を判別するための判別支援装置であって、
    前記地域を撮影した空中写真を基本地図画像に変換する変換手段Aと、
    前記空中写真から得られる輝度により、特に明るい領域の外周を示す閉曲線を抽出して、前記特徴的地形の候補となる特異領域を抽出する抽出手段Bと、
    前記特異領域を示す前記閉曲線の少なくとも一部を前記基本地図画像上に明示する特異領域添付手段Dと、
    等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色することにより、前記基本地図画像と、地図上の各点の標高を表す情報である3次元情報、又は各点の傾斜の勾配を表す情報である勾配情報とを合成する合成手段Eと、
    前記基本地図画像に閉曲線を明示し、等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色したものを視覚媒体上に表示する全図表示手段Fと
    を有することを特徴とする特徴的地形の判別支援装置。
  14. 等高線を記入する、又は、勾配の大きさに応じた濃淡又は陰影等を着色することにより、前記基本地図画像と前記3次元情報又は前記勾配情報とを合成する合成手段Eを有することを特徴とする請求項12に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  15. 前記合成手段Eにおける合成後の前記基本地図画像として、オルソフォト・コンター図を生成出力することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  16. 前記基本地図画像を変換して、斜視的な鳥瞰画像を生成出力する斜視化手段Uを有することを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れか1項に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  17. 前記特異領域の形状、配向、又は分布形態に基づいて、予め記憶された判定手法により前記特異領域を分別する分別手段Vを有することを特徴とする請求項12乃至請求項16の何れか1項に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  18. 前記配向は、前記特異領域が位置する場所の最急降下方向又は等高線方向に対する相対的配向であることを特徴とする請求項17に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  19. 前記配向は、前記特異領域の近傍に位置するブレークライン(地形線)の脈絡方向に対する相対的配向であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  20. 前記空中写真の撮影時の日照条件、前記3次元情報又は前記勾配情報、並びに空中写真の前記色情報に基づいて解析的に生成された陰影部情報を前記基本地図画像に重ね合わせる第1の色補正手段W1を有することを特徴とする請求項12乃至請求項19の何れか1項に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  21. 前記空中写真の撮影時の日照条件及び、前記3次元情報又は前記勾配情報に基づいて、前記抽出手段Bの抽出処理の判定基準となる閾値を各傾斜面毎に変更する第2の色補正手段W2を有することを特徴とする請求項12乃至請求項20の何れか1項に記載の特徴的地形の判別支援装置。
  22. 前記3次元情報又は前記勾配情報に加えて、或いは、前記3次元情報又は前記勾配情報の代りに、前記特異領域が位置する場所の地質、植物生態その他の光反射特性に関する属性情報を用いることを特徴とする請求項12乃至請求項21の何れか1項に記載の特徴的地形の判別支援装置。
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