JP3582903B2 - Clutch device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ装置、特に、フライホイールとクラッチカバー組立体が一体に固定されるクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ装置は、入力側のフライホイールと、このフライホイールに固定されるクラッチカバー組立体とから主に構成されている。クラッチカバー組立体は、皿状のクラッチカバーと、クラッチカバーに覆われフライホイールに対向するプレッシャープレートと、クラッチカバーに支持されプレッシャープレートをフライホイール側に付勢するダイアフラムスプリングとから主に構成されている。フライホイールとプレッシャープレートの間にはクラッチディスクが配置されている。レリーズ装置がダイアフラムスプリングを軸方向に移動させると、プレッシャープレートに対する付勢力が解除され、プレッシャープレートはクラッチディスクから離れる。
【0003】
フライホイールのクラッチ取付け座を無くしてフライホイールの外周部にクラッチカバーの外周部をかしめて一体に固定したクラッチ装置がある。クラッチ取付け座が無くなることで、クラッチ装置全体が径方向に小型化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のクラッチ装置では、磨耗したクラッチディスク組立体を交換する際に、クラッチ装置全体を一体のままクランクシャフト側から取り外す。次にクラッチカバーのかしめ部分を破壊してクラッチカバー組立体とフライホイールを分解する。この場合、取り外した後のクラッチカバーは再利用できない。
【0005】
本発明の課題は、クラッチ取付け座を無くしてクラッチカバーとフライホイールを一体に固定したクラッチ装置において、クラッチディスク組立体交換後のクラッチカバー組立体を再利用可能にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のクラッチ装置は、入力側フライホイールとクラッチカバー組立体とを備えている。入力側フライホイールは、円周方向に間隔をあけて径方向外方に突出する複数の係合部を外周面に有している。クラッチカバー組立体は、クラッチカバーと固定部材とプレッシャープレートと付勢部材とを有している。クラッチカバーは、フライホイールの係合部に円周方向から係合及び離脱可能であり、係合状態でフライホイールと軸方向に移動不能になる折曲げ係合部を外周縁に有している。固定部材はフライホイールとクラッチカバーを相対回転不能に固定しかつ取り外し可能である。プレッシャープレートはクラッチカバーとフライホイールとの間に配置されている。付勢部材はクラッチカバーに支持されプレッシャープレートをフライホイールに付勢する。
【0007】
クラッチカバー組立体をフライホイールに組み付ける際には、クラッチカバーの折曲げ係合部をフライホイールの係合部間を通して、次にクラッチカバーを回転させることで折曲げ係合部をフライホイールの係合部に係合させる。続いて、固定部材によってフライホイールとクラッチカバーを相対回転不能にする。クラッチカバー組立体をフライホイールから取り外す際には前述の動作を逆に行う。このように、フライホイールのボルト取付座を廃止することにより、フライホイールが径方向に小型化している。また、クラッチカバーはフライホイールに対して円周方向に係合及び離脱可能であるために、取り外す際に破損することなく取り外し後の再利用が可能である。
【0008】
このクラッチ装置では、固定部材は、クラッチカバーに相対回転不能に係合するプレートと、プレートをフライホイールに固定するボルトとからなる。
請求項2に記載のクラッチ装置は、プレートはフライホイールの外周面に固定されている。ボルトは半径方向外側からフライホイールに固定されている。
請求項3に記載のクラッチ装置は、フライホイールに連結されたダンパー機構と、ダンパー機構の入力側に固定されたイナーシャ部材とをさらに備えている。イナーシャ部材は、フライホイールの外周側に軸方向に延びている。イナーシャ部材にはボルトに対応する位置に半径方向に貫通する孔を有している。
請求項4に記載のクラッチ装置は、フライホイールに連結されたダンパー機構を備えている。
請求項5に記載のクラッチ装置では、ダンパー機構は、入力回転部材と、入力回転部材とフライホイールとの間に配置され両部材が相対回転すると円周方向に圧縮される弾性部材と、入力回転部材とフライホイールが相対回転すると粘性抵抗を発生する粘性抵抗発生機構とを有している。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1〜図3に示す本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置1は、主に、フレキシブルプレート3とイナーシャ部材4と粘性ダンパー機構5とフライホイール7とクラッチカバー組立体8とクラッチディスク組立体10とから構成されている。図2及び図3の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。
【0012】
フレキシブルプレート3は、円板状のプレート部材であり、内周部に円板状のプレート部材11がリベット12により固定されている。フレキシブルプレート3の内周部はプレート部材11とともにエンジン側のクランクシャフト52に固定される。フレキシブルプレート3の径方向中間部には、円周方向に等間隔で形成された複数の丸い孔3aが形成されている。フレキシブルプレート3は円周方向には剛性が高いが曲げ方向にはたわみ可能である。
【0013】
フレキシブルプレート3の外周端には、リベット13によりイナーシャ部材4が固定されている。イナーシャ部材4は、軸方向に長く延びる筒状の部材である。また、イナーシャ部材4にはリングギア16が固定されている。イナーシャ部材4には、円周方向に等間隔で3ヶ所に内周側と外周側とを連通する操作孔4bが形成されている。
【0014】
粘性ダンパー機構5は、主に、第1入力プレート18と第2入力プレート19と曲がり板ばね23とドリブン部材24とから構成されている。第1入力プレート18はフレキシブルプレート3の側方に配置された円板状のプレート部材である。第1入力プレート18の外周部はイナーシャ部材4の内周面に当接している。また、第1入力プレート18の内周部は、トランスミッション側に延びる内周突出部18bとなっている。第1入力プレート18の径方向中間部は、図2及び図3から明らかなようにエンジン側に突出している。第2入力プレート19は、第1入力プレート18の側方に配置された円板状のプレート部材である。第2入力プレート19の外周端はイナーシャ部材4の内周面に当接している。また、第2入力プレート19の外周部と第1入力プレート18の外周部とは互いに当接しており、リベット21により互いに固定されており、その間にはシールリング22が配置されている。第2入力プレート19の内径は第1入力プレート18の内径よりも大きい。
【0015】
さらに、第1及び第2入力プレート18,19の外周部は、図1及び図3に示すように、円周方向に等間隔で3ヵ所に3本ずつのボルトによってイナーシャ部材4に固定されている。ボルト20は、クラッチカバー31の延長部31a(後述)間を通ってトランスミッション側から固定される。また、各ボルト20に対応する部分にはイナーシャ部材4に溝4aが形成されている。
【0016】
第1入力プレート18と第2入力プレート19とによって形成される空間は、作動油等の粘性流体が充填された粘性流体充填室となっている。この粘性流体充填室内には、1対の曲がり板ばね23が配置されている。曲がり板ばね23は、図1から明らかなように、交互に折曲げられて円弧状に延び、レバー部と環状の開環部が交互に連続している。この曲がり板ばね23を用いることで従来のコイルスプリングを用いる場合に比べて粘性ダンパー機構5の軸方向の寸法が小さくなっている。
【0017】
ドリブン部材24は円板状の部材であり、円板部分から一体に径方向外側に延びる係合部24aを有している。係合部24aは粘性流体充填室内に延びており、それぞれ1対の曲がり板ばね23の円周方向両端に当接している。また、第1及び第2入力プレート18,19は、軸方向に突出し曲がり板ばね23の円周方向両端に当接する支持部18a,19aを有している。
【0018】
フライホイール7は、トランスミッション側に環状の摩擦面7aを有している。また、フライホイール7には、両面を連通する連通孔7bが形成されている。フライホイール7の内周端には、ドリブン部材24がリベット29により固定されている。フライホイール7とドリブン部材24の内周部は、軸受28を介して第1入力プレート18の内周突出部18bに支持されている。フライホイール7の外周面には円周方向に等間隔で3ヵ所に係合部7cが形成されている。係合部7cは径方向外側に突出している。また、係合部7cのエンジン側端面は径方向内側にいくに従って深くなるように傾斜している。
【0019】
クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー31とプレッシャープレート32とダイアフラムスプリング33と連結プレート34とスタッドピン35と2本のワイヤリング36とコーンスプリング38とから構成されている。クラッチカバー31は、真ん中に大径の孔が形成された皿形状であり、その外周部には円周方向に等間隔で所定の幅を有してフライホイール7側に延びる延長部31aが形成されている。延長部31aの先端には内周側に折り曲げられた折曲げ部31bが形成されており、この折曲げ部31bはフライホイール7の係合部7cに係合している。これにより、クラッチカバー31はフライホイール7に対してトランスミッション側に移動不能になっている。また、延長部31aの先端には円周方向に延びる切欠きが形成されており、この切欠きには同じく円周方向に延びるプレート42が係合している。プレート42はボルト43によりフライホイール7の外周面に固定されている。このようにして、クラッチカバー31はフライホイール7に対して円周方向に相対回転不能になっている。このようにフライホイールのボルト取付座を廃止することにより、フライホイール7が径方向に小型化している。
【0020】
プレッシャープレート32は、クラッチカバー31内に配置された環状の部材である。プレッシャープレート32には、フライホイール7の摩擦面7aに対向する押圧面32aが形成されている。また、プレッシャープレート32において押圧面32aと反対側の面にはトランスミッション側に突出する環状突出部32bが形成されている。さらに、プレッシャープレート32には径方向内側に延びるフランジ部32cが形成されている。
【0021】
ダイアフラムスプリング33は円板状の部材であり、その外周端はプレッシャープレート32とクラッチカバー31との間に挿入されており、内周端はメインドライブシャフト50の近傍まで延びている。このダイアフラムスプリング33には、内周縁から径方向外側に向かって複数のスリットが形成されており、そのスリットにより複数のレバー部33aが形成されている。各スリットの径方向外方部は、第1孔33cとなっている。また、各スリットにおいて円周方向に等間隔で3ヶ所には第2孔33dが形成されている。第2孔33dは第1孔33cより径方向内方に長く延びており、プレッシャープレート32のフランジ部32c付近まで延びている。ダイアフラムスプリング33においてレバー部33aより径方向外方に形成された環状押圧部33bは内周端の両側面が後述するワイヤリング36により支持されており、外周部がプレッシャープレート32の環状突出部32bに当接している。
【0022】
クラッチカバー31の内周部に固定された複数のスタッドピン35は、ダイアフラムスプリング33の第1孔33cを貫通してプレッシャープレート32側に延びている。各スタッドピン35の他端には、連結プレート34が固定されている。各スタッドピン35より外周側において連結プレート34とダイアフラムスプリング33との間及びダイアフラムスプリング33とクラッチカバー31との間にはそれぞれワイヤリング36が配置されている。すなわち、ダイアフラムスプリング33の環状押圧部33bの内周部は1対のワイヤリング36に挟まれて支持されている。
【0023】
連結プレート34は環状の部材であり、その内周部には、円周方向R1 側に長く延びる3本の連結部34aが一体に形成されている。この連結部34aの先端は、リベット37によりプレッシャープレート32のフランジ部32cに固定されている。リベット37の位置はダイアフラムスプリング33の第2孔33dに対応している。連結部34aは円周方向に剛性が高くかつ軸方向にたわみ可能となっている。連結部34aはプレッシャープレート32をフライホイール7側から離れる方向に付勢している。
【0024】
コーンスプリング38は、連結プレート34の外周部に配置されている。コーンスプリング38の内周端は連結プレート34に支持され、外周端がダイアフラムスプリング33の外周端すなわちプレッシャープレート32の環状突出部32bに近接する部分をプレッシャープレート32から離れる方向に付勢している。以上に述べたように、連結プレート34はクラッチカバー31とプレッシャープレート32を連結するとともに、コーンスプリング38とワイヤリング36を支持している。以上のように連結プレート34に多機能を持たせることで部品点数が少なくなる。
【0025】
複数の係止部材40は固定ピン39によりプレッシャープレート32に固定され、一端がダイアフラムスプリング33の外周端部をプレッシャープレート32の環状突出部32bとの間に挟持している。
クラッチディスク組立体10は、フライホイール7の摩擦面7aとプレッシャープレート32の押圧面32aとの間に配置される摩擦フェーシング45を有している。摩擦フェーシング45は、プレート部材を介してハブ46に固定されている。
【0026】
トランスミッション側から延びるメインドライブシャフト50は、ハブ46にスプライン係合している。また、メインドライブシャフト50の先端は、クランクシャフト52に軸受51を介して回転自在に支持されている。また、ダイアフラムスプリング33の内周端には、トランスミッション側からレリーズ装置54が当接している。
【0027】
なお、図1においてはボルト49が図示されているが、クラッチ装置1の使用時にはこのボルト49は用いられない。ボルト49はクラッチカバー組立体8をフライホイール7に組み付け又は分解するときに用いる。複数のボルト49は、クラッチカバー31の内周端に形成された孔を貫通してさらにダイアフラムスプリング33の第1孔33cを貫通してさらに連結プレート34を貫通してプレッシャープレート32に先端が螺合している。
【0028】
次にクラッチ装置1の動作について説明する。
エンジン側のクランクシャフトが回転すると、トルクがフレキシブルプレート3,粘性ダンパー機構5を介してフライホイール7に伝達され、さらにクラッチディスク組立体10に伝達され最後にメインドライブシャフト50に出力される。プレッシャープレート32は、連結プレート34を介してクラッチカバー31と一体回転する。このようにプレッシャープレート32の回転駆動はプレッシャープレート32の内周部とクラッチカバー31の内周部とを連結する連結プレート34で行われているために、従来のようにクラッチカバー31の外周部にストラッププレートを収容するための切欠きを設ける必要がない。このため、クラッチカバー31の強度が向上している。
【0029】
イナーシャ部材4が第1及び第2入力プレート18,19に固定されているため、曲がり板ばね23を境として入力系と出力系に分かれる動力の入出力系において入力系の慣性モーメントを十分に確保できる。イナーシャ部材4が外周部に配置されているため、粘性流体充填室を構成する部材である第1及び第2入力プレート18,19を軸方向に薄くできる。その結果、クラッチ装置1全体が軸方向に小型化される。さらに、イナーシャ部材4は軸方向に長く延びているため、クラッチ装置1全体はあまり径方向に大型化しない。このようにイナーシャ部材4を粘性ダンパー機構5の外周部に設けても装置が径方向に大型化しなくなったのは、フライホイール7からクラッチ取付け座を廃止して、イナーシャ部材4をより径方向内側に配置できるようになったからである。
【0030】
エンジン側から曲げ振動が伝達された場合には、フレキシブルプレート3が曲げ方向にたわむことで曲げ振動を吸収する。
エンジン側から捩じり振動が伝達されると、第1及び第2入力プレート18,19とフライホイール7とが周期的な相対回転を行う。このとき、曲がり板ばね23が円周方向に圧縮され、粘性流体充填室内において曲がり板ばね23と第1及び第2入力プレート18,19との間を粘性流体が流れ粘性抵抗を発生する。この結果、捩じり振動が効果的に減衰される。
【0031】
運転者がクラッチペダルを踏むと、レリーズ装置54の一端がダイアフラムスプリング33の内周端をエンジン側に移動させる。その結果、ダイアフラムスプリング33の外周端部がプレッシャープレート32の環状突出部32bから離れる。すると、連結プレート34の連結部34aの付勢力により、プレッシャープレート32がクラッチディスク組立体10の摩擦フェーシング45から離れる。この結果、フライホイール7からクラッチディスク組立体10へのトルク伝達が遮断される。以上に述べたレリーズ動作時に、コーンスプリング38がダイアフラムスプリング33にトランスミッション側への荷重を与えているので、レリーズ荷重が下がり、ペダル踏力が低減される。
【0032】
このクラッチ装置1を組み立てる際には、予めフライホイール7とクラッチカバー組立体8とを固定しておく。具体的には、初めにボルト49によりクラッチカバー組立体8とプレッシャープレート32とを軸方向に移動不能になるように固定する。このボルト49により、ダイアフラムスプリング33からの荷重にもかかわらずクラッチカバー31とプレッシャープレート32は近接した状態を保っている。この状態のクラッチカバー組立体8をフライホイール7側に接近させ、クラッチカバー31の延長部31aをフライホイール7の係合部7c間の隙間を通して移動させる。その状態でクラッチカバー組立体8を回転させ、折曲げ部31bを係合部7cに係合させる。次に、ボルト43とプレート42とを操作孔4bから操作してフライホイール7に固定することにより、クラッチカバー31とフライホイール7とは相対回転不能となる。ボルト49を外すと、ダイアフラムスプリング33によりプレッシャープレート32とクラッチカバー31とは軸方向に離れる方向に付勢され、これにより折曲げ部31bと係合部7cとが軸方向に固く連結される。
【0033】
粘性ダンパー機構5,フライホイール7,クラッチカバー組立体8及びクラッチディスク組立体10とからなる機構は、複数のボルト20により、フレキシブルプレート3及びイナーシャ部材4に固定される。ボルト20は、クラッチカバー31の延長部31aが形成されていない部分及びフライホイール7の係合部7cが形成されていない部分及びイナーシャ部材4の溝4aを貫通して、第1及び第2入力プレート18,19の外周部をイナーシャ部材4に固定する。このようにボルト20をトランスミッション側から固定することで従来より作業性が良くなっている。ボルト20をトランスミッション側から固定可能となったのは、フライホイールのボルト取付座を廃止して、ボルト20をより径方向内側に配置できるようになったためである。
【0034】
クラッチディスク組立体10を交換する際には、再びボルト49によりクラッチカバー31とプレッシャープレート32を固定する。次に、ボルト43及びプレート42を外し、次にクラッチカバー組立体8を回転させ折曲げ部31bと係合部7cとの係合を外す。以上に述べたように、クラッチディスク組立体10を交換する際に、クラッチカバー組立体8をフライホイール7から取り外すだけで良いので作業が簡単である。クラッチカバーの外周部がフライホイールにかしめられていた場合には、フライホイールも同時に取り外さなければならない。また、クラッチカバー31はフライホイール7に対して円周方向に係合及び離脱可能であるために、フライホイール7から取り外す際に破損することがない。そのため、取り外し後の再利用が可能である。
第2実施形態
図4に示すクラッチカバー組立体8では、第1実施形態に比べてワイヤリングが廃止されることで部品点数が少なくなっている。その代わりに、クラッチカバー31と連結プレート34とにそれぞれ環状屈曲部31c,34cが形成されている。環状屈曲部31c,34cはダイヤフラムスプリング33を軸方向両側から挟んでいる。
第3実施形態
図5に示すクラッチカバー組立体8では、第1実施形態に比較してコーンスプリング38が廃止されている。
【0035】
コーンスプリング38によって得られる効果以外の効果は第1実施形態と同様である。
第4実施形態
図6に示すクラッチカバー組立体8では、図4に示す第2実施形態に比較してコーンスプリング38が廃止されている。コーンスプリング38以外の効果は第2実施形態と同様である。
第5実施形態
図7及び図11に示すクラッチカバー組立体8では、クラッチカバー31に固定されたスタッドピン35の先端にはプレート部材48と複数のプレートが重なってなるストラッププレート47が固定されている。プレート部材48は環状の部材であり、ワイヤリング36を支持するとともにコーンスプリング38を支持している。各ストラッププレート47の他端はプレッシャープレート32のフランジ部32cにリベット37より固定されている。このようにしてストラッププレート47はプレッシャープレート32がクラッチカバー31と一体回転するように連結しかつプレッシャープレート32をフライホイール側から離れるように付勢する。この場合も、クラッチカバー31とプレッシャープレート32とを両方の内周側で固定しているため、クラッチカバー31に従来のようにストラッププレートを収容するための切欠きを設ける必要がない。その結果、クラッチカバー31の強度が向上している。さらに、プレート部材48はワイヤリング36とコーンスプリング38との支持を行っている。
第6実施形態
図8に示すクラッチカバー組立体8は、第5実施形態に比較して、ワイヤリング36を廃止している。その代わりに、クラッチカバー31とプレート部材48とにそれぞれ環状屈曲部31c,48cを形成している。これら環状屈曲部31c,48cはダイアフラムスプリング33を軸方向両側から支持している。
第7実施形態
図9に示すクラッチカバー組立体8は、第5実施形態に比較してコーンスプリング38を省略している。その他の効果は同様である。
第8実施形態
図10示すクラッチカバー組立体8は、第6実施形態に比較してコーンスプリング38を省略している。それ他の効果は同様である。
第9実施形態
図12に示すクラッチ装置1は、フレキシブルプレート3と、フライホイール7と、クラッチカバー組立体8とから構成されている。フレキシブルプレート3の外周部はボルト60によりフライホイール7に固定されている。フライホイール7の外周面には、円周方向に等間隔で係合部7cが形成されている。
【0036】
クラッチカバー組立体8は、クラッチカバー31とプレッシャープレート32とダイアフラムスプリング33とから構成されている。クラッチカバー31の外周部には、係合部7cに係合する折り曲げ部31bが形成されている。折り曲げ部31bは係合部7cに対して円周方向から係合・離脱可能である。プレッシャープレート32とフライホイール7の間には、クラッチディスクの摩擦フェーシング45が配置されている。
【0037】
この実施形態では、フライホイール7とクラッチカバー組立体8を一体化することで、フレキシブルプレート3との固定が容易になる。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るクラッチ装置では、クラッチカバー組立体をフライホイールに組み付ける際には、クラッチカバーの折曲げ係合部をフライホイールの係合部間を通して、次にクラッチカバーを回転させることで折曲げ係合部をフライホイールの係合部に係合させる。続いて、固定部材によってフライホイールとクラッチカバーを相対回転不能にする。クラッチカバー組立体をフライホイールから取り外す際には前述の動作を逆に行う。このように、フライホイールのクラッチ取付け座を廃止しているため、フライホイールが径方向に小型化している。また、クラッチカバーはフライホイールに対して円周方向に係合及び離脱可能であるために、取り外しの際に破損することなく取り外し後の再利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのクラッチ装置の段階的平面図。
【図2】クラッチ装置の断面図。
【図3】クラッチ装置の部分断面図。
【図4】本発明の第2実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図5】本発明の第3実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図6】本発明の第4実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図7】本発明の第5実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図8】本発明の第6実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図9】本発明の第7実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図10】本発明の第8実施形態としてのクラッチカバー組立体の断面図。
【図11】本発明の第5実施形態としてのクラッチカバー組立体の部分平面図。
【図12】本発明の第9実施形態としてのクラッチ装置の断面図。
【符号の説明】
1 クラッチ装置
3 フレキシブルプレート
4 イナーシャ部材
5 粘性ダンパー機構
7 フライホイール
7a 摩擦面
7b 連通孔
7c 係合部
8 クラッチカバー組立体
10 クラッチディスク組立体
31 クラッチカバー
31b 折曲げ係合部
32 プレッシャープレート
32a 押圧面
32b 環状突出部
32c フランジ部
33 ダイアフラムスプリング
34 連結プレート
34a 連結部
35 スタッドピン
36 ワイヤリング
38 コーンスプリング
42 プレート
43 ボルト
45 摩擦フェーシング
46 ハブ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a clutch device, and more particularly, to a clutch device in which a flywheel and a clutch cover assembly are integrally fixed.
[0002]
[Prior art]
The clutch device mainly includes a flywheel on the input side and a clutch cover assembly fixed to the flywheel. The clutch cover assembly mainly includes a dish-shaped clutch cover, a pressure plate covered by the clutch cover and facing the flywheel, and a diaphragm spring supported by the clutch cover and biasing the pressure plate toward the flywheel. ing. A clutch disc is arranged between the flywheel and the pressure plate. When the release device moves the diaphragm spring in the axial direction, the urging force on the pressure plate is released, and the pressure plate separates from the clutch disc.
[0003]
There is a clutch device in which a clutch mounting seat of a flywheel is eliminated and an outer peripheral portion of a clutch cover is caulked to an outer peripheral portion of the flywheel and integrally fixed. By eliminating the clutch mounting seat, the entire clutch device is reduced in size in the radial direction.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional clutch device, when the worn clutch disk assembly is replaced, the entire clutch device is removed from the crankshaft while keeping the clutch device as a whole. Next, the swaged portion of the clutch cover is broken to disassemble the clutch cover assembly and the flywheel. In this case, the clutch cover after removal cannot be reused.
[0005]
SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide a clutch device in which a clutch mounting seat is eliminated and a clutch cover and a flywheel are integrally fixed and a clutch cover assembly after replacing a clutch disk assembly can be reused.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The clutch device according to the first aspect includes an input side flywheel and a clutch cover assembly. The input side flywheel has a plurality of engaging portions projecting radially outward at intervals in the circumferential direction on the outer peripheral surface. The clutch cover assembly has a clutch cover, a fixing member, a pressure plate, and a biasing member. The clutch cover engages the flywheel engaging portion from the circumferential direction.And withdrawalThe outer peripheral edge has a bent engaging portion which is possible and cannot be moved in the axial direction with the flywheel in the engaged state. The fixing member fixes the flywheel and the clutch cover so that they cannot rotate relative to each other and is removable. The pressure plate is disposed between the clutch cover and the flywheel. The biasing member is a clutch cover.ーUrges the pressure plate against the flywheel.
[0007]
When assembling the clutch cover assembly to the flywheel, the bent engagement portion of the clutch cover is passed between the engagement portions of the flywheel, and then the clutch cover is rotated so that the bent engagement portion is engaged with the flywheel. Engage with the joint. Subsequently, the flywheel and the clutch cover are disabled from rotating relative to each other by the fixing member. When the clutch cover assembly is removed from the flywheel, the above operation is performed in reverse. Thus, by eliminating the bolt mounting seat of the flywheel, the flywheel is downsized in the radial direction. In addition, since the clutch cover is circumferentially engageable with and disengageable from the flywheel, the clutch cover can be reused after being detached without being damaged.
[0008]
thisIn the clutch device, the fixing member includes a plate that is engaged with the clutch cover so as not to rotate relatively, and a bolt that fixes the plate to the flywheel.
Claim2The plate is fixed to the outer peripheral surface of the flywheel. The bolt is fixed to the flywheel from the outside in the radial direction.
Claim3Is further provided with a damper mechanism connected to the flywheel, and an inertia member fixed to an input side of the damper mechanism. The inertia member extends in the axial direction on the outer peripheral side of the flywheel. The inertia member has a hole penetrating in the radial direction at a position corresponding to the bolt.
Claim4Has a damper mechanism connected to the flywheel.
Claim5In the clutch device described in (1), the damper mechanism includes an input rotating member, an elastic member disposed between the input rotating member and the flywheel, and which is compressed in a circumferential direction when the two members rotate relative to each other; A viscous resistance generating mechanism that generates viscous resistance when the wheels rotate relative to each other.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
First embodiment
A
[0012]
The
[0013]
An
[0014]
The
[0015]
1 and 3, the outer peripheral portions of the first and
[0016]
The space formed by the
[0017]
The driven
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
The plurality of stud pins 35 fixed to the inner peripheral portion of the
[0023]
The connecting
[0024]
The
[0025]
The plurality of locking
The
[0026]
A
[0027]
Although the
[0028]
Next, the operation of the
When the crankshaft on the engine side rotates, torque is transmitted to the
[0029]
Since the
[0030]
When bending vibration is transmitted from the engine side, the bending vibration is absorbed by bending the
When the torsional vibration is transmitted from the engine side, the first and
[0031]
When the driver steps on the clutch pedal, one end of the
[0032]
When assembling the
[0033]
The mechanism including the
[0034]
When replacing the
Second embodiment
In the
Third embodiment
In the
[0035]
The effects other than the effects obtained by the
Fourth embodiment
In the
Fifth embodiment
In the
Sixth embodiment
The
Seventh embodiment
In the
Eighth embodiment
In the
Ninth embodiment
The
[0036]
The
[0037]
In this embodiment, by integrating the
[0038]
【The invention's effect】
In the clutch device according to the present invention, when assembling the clutch cover assembly to the flywheel, the clutch cover assembly is bent by passing the bent engagement portion of the clutch cover between the engagement portions of the flywheel and then rotating the clutch cover. The engaging portion is engaged with the engaging portion of the flywheel. Subsequently, the flywheel and the clutch cover are disabled from rotating relative to each other by the fixing member. When the clutch cover assembly is removed from the flywheel, the above operation is performed in reverse. As described above, since the clutch mounting seat of the flywheel is eliminated, the flywheel is downsized in the radial direction. Further, since the clutch cover is circumferentially engageable with and disengageable from the flywheel, the clutch cover can be reused after being removed without being damaged at the time of removal.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a step-by-step plan view of a clutch device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view of a clutch device.
FIG. 3 is a partial cross-sectional view of the clutch device.
FIG. 4 is a sectional view of a clutch cover assembly according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a sectional view of a clutch cover assembly according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a sectional view of a clutch cover assembly according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a sectional view of a clutch cover assembly according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a sectional view of a clutch cover assembly according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a sectional view of a clutch cover assembly according to a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a sectional view of a clutch cover assembly according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a partial plan view of a clutch cover assembly according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a sectional view of a clutch device according to a ninth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Clutch device
3 Flexible plate
4 Inertia member
5 Viscous damper mechanism
7 Flywheel
7a Friction surface
7b Communication hole
7c engaging part
8 Clutch cover assembly
10 Clutch disk assembly
31 Clutch cover
31b bending engagement part
32 pressure plate
32a pressing surface
32b annular protrusion
32c flange
33 Diaphragm spring
34 Connecting plate
34a connecting part
35 Stud Pin
36 Wiring
38 cone spring
42 plates
43 volts
45 Friction facing
46 hub
Claims (5)
前記フライホイールの係合部に円周方向から係合及び離脱可能であり係合状態で前記フライホイールと軸方向に移動不能になる折り曲げ係合部を外周縁に有するクラッチカバーと、前記フライホイールと前記クラッチカバーを相対回転不能に固定する取り外し可能な固定部材と、前記クラッチカバーとフライホイールとの間に配置されたプレッシャープレートと、前記クラッチカバーに支持され前記プレッシャープレートを前記フライホイールに付勢する付勢部材とを有するクラッチカバー組立体とを備え、
前記固定部材は、クラッチカバーに相対回転不能に係合するプレートと、前記プレートを前記フライホイールに固定するボルトとからなる、
クラッチ装置。 An input-side flywheel having a plurality of engagement portions projecting radially outward at intervals in a circumferential direction on an outer peripheral surface,
A clutch cover having a bent engagement portion on an outer peripheral edge of the engagement portion of the flywheel which is capable of engaging and disengaging from the circumferential direction with the engagement portion of the flywheel and being incapable of moving in the axial direction with the flywheel in the engaged state; wherein a removable fixing member for fixing the clutch cover relative rotation, a pressure plate disposed between said clutch cover and the flywheel, the pressure plate is supported by the clutch cover to the flywheel and A clutch cover assembly having a biasing member for biasing ,
The fixing member includes a plate engaged with the clutch cover so as to be relatively non-rotatable, and a bolt fixing the plate to the flywheel.
Clutch device.
前記ボルトは半径方向外側から前記フライホイールに固定されている、請求項1に記載のクラッチ装置。The plate is fixed to an outer peripheral surface of the flywheel,
The clutch device according to claim 1 , wherein the bolt is fixed to the flywheel from a radial outside.
前記ダンパー機構の入力側に固定されたイナーシャ部材とをさらに備え、
前記イナーシャ部材は、前記フライホイールの外周側に軸方向に延びており、
前記イナーシャ部材には前記ボルトに対応する位置に半径方向に貫通する孔を有している、請求項2に記載のクラッチ装置。A damper mechanism connected to the flywheel,
An inertia member fixed to an input side of the damper mechanism,
The inertia member extends in the axial direction on the outer peripheral side of the flywheel,
The clutch device according to claim 2 , wherein the inertia member has a hole penetrating in a radial direction at a position corresponding to the bolt.
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