JP3581102B2 - 広範囲に分散された企業サイトをリンクする構内ipテレフォニバックボーン - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、テレフォニ通信(電話通信)の分野に係わり、特に、広範囲に離れた企業サイトまたはエンタープライズサイト間で、費用効率の良いテレフォニ通信を行なうための方法および装置に関する。
【0002】
(発明の背景)
テレフォニ通信の分野では、ホストコールセンター環境内およびカスタマズサイト間のネットワーク内でのテレフォニ通信のより効率的な利用に寄与するように、長年にわたって多くの技術的改良がなされてきた。これらの改良の多くは、そのようなコールセンタの電話および交換システムと、特に、電話呼のより良好なルーティング、電話呼及びこれに関連する情報のより高速な送達、およびクライアントの満足に関する向上されたサービスに適合するコンピュータハードウエアおよびソフトウエアとを統合することを含む。そのようなコンピュータで強化されたテレフォニは、この技術分野において、コンピュータテレフォニインテグレーション(CTIとして)として知られている。
【0003】
一般に、個々のコールセンター内で、場合によっては、電話ネットワークレベルでの両方で、様々な構成および目的のCTIの実施がなされている。例えば、CTIソフトウエアアプリケーションを実行するプロセッサが、電話交換機、サービスコントロールポイント(SCP)、公衆あるいは構内電話ネットワーク内のネットワークエントリポイントにリンクされている場合がある。コールセンターレベルで、CTI強化プロセッサ、データサーバ、トランザクションサーバなどが、電話交換機にリンクされており、場合によっては、しばしば専用のデジタルリンクにより、ネットワークレベルで同様のCTIハードウエアにリンクされている。コールセンター内のCTIおよび他のハードウエアは、一般に、加入者宅内装置(CPE)と称されている。コールセンターにコンピュータの強化を提供するのは、このようなセンター内のCTIプロセッサおよびアプリケーションソフトウエアである。
【0004】
CTI強化コールセンターにおいて、エージェントステーションにある電話は、自動コールディストリビュータ(ACD)交換機や構内電話交換機(PBX)などの中央テレフォニ交換装置に接続されている。また、エージェントステーションには、パーソナルコンピュータ/ビデオディスプレイユニット(PC/VDU)のようなコンピュータターミナルが設けられている場合があり、これにより、そのようなステーションを受け持つエージェントは、記憶されたデータにアクセスすることができるとともに、電話機により入ってくる発呼者にリンクされる。そのようなステーションは、ローカルエリアネットワーク(LAN)により、PC/VDUを介して相互接続される場合もある。また、1または複数のデータサーバまたはトランザクションサーバは、エージェントステーションと相互接続するLANに接続されている場合もある。続いて、LANは、コールセンターのコール交換装置に接続されるCTIプロセッサに接続される。
【0005】
呼がコールセンターに到達すると、SCPで呼が予備処理されているか否かによらず、一般には、少なくとも呼回線の電話番号が、ネットワークプロバイダによりコールセンターの受信交換機で利用可能となる。このサービスは、ダイアルナンバー識別サービス(DNIS)のような複数のフォーマットのうちの1つにおける発呼者ID情報として、殆どのネットワークで利用できる。コールセンターがコンピュータ強化(CTI)である場合には、発呼側の電話番号は、エージェントワークステーションに接続するネットワーク上のサーバのカスタマ情報システム(CIS)データベースから追加情報にアクセスするために使用できる。このような方法で、呼に関する情報が、しばしばスクリーンポップとして、エージェントに提供される。
【0006】
近年、コンピュータ技術、電話機、およびインフラの進歩により、公衆交換および構内電話インテリジェントネットワークにおける電話サービスを向上させる多くの機会が与えられた。同様に、インターネットとして知られている別個の情報およびデータネットワークの発達、および、コンピュータハードウエアおよびソフトウエアの進歩により、この技術分野において複数の名前で知られる新たなマルチメディア電話システムへとつながった。この新たなシステム科学において、電話呼は、マルチメディアコンピュータ装置によってシミュレートされ、オーディオデータのようなデータは、データパケットとして、データネットワークにわたって送信される。本願において、そのようなコンピュータでシミュレートされるテレフォニを説明するための広義の用語は、データネットワークテレフォニ(DNT)である。
【0007】
用語および定義の目的で、発明者らは、ローカルな電話会社および複数の遠距離電話ネットワークプロバイダを介してほぼ全ての人によって享受されている電話サービスである従来のテレフォニと呼ばれているものと、コンピュータでシミュレートされるテレフォニすなわちデータネットワークテレフォニとして本明細書で説明されるものとを明確に区別したい。従来のシステムは、ほぼ全てが良く知られており、この技術分野においては、しばしば、プレーンオールドテレフォニサービス(POTS)と称されている。POTSシステムにおいて、呼は、接続指向型であり、好ましい用語を用いれば接続指向型交換テレフォニすなわちCOSTである。COSTの表示は、本明細書では、典型的な接続指向型ネットワークまたは呼を説明する時に広く使用される。
【0008】
コンピュータでシミュレートされるシステムすなわちDNTシステムは、コンピュータシステムを使用し理解している人々には良く知られている。おそらく、DNTの最も良い例は、インターネットにわたって提供される電話サービスである。本明細書では、インターネットを、遥か広範囲にわたるが、それでもDNTの一部にすぎない、インターネットプロトコルネットワークテレフォニ(IPNT)と称する。DNTは、公衆のものであろうが構内のものであろうが、基本的に任意のタイプのパケット交換ネットワークを説明するために使用される用語である。DNTネットワークの例は、公衆インターネット、イントラネット、民間企業所有の広域ネットワーク(WAN)等を含んでいる。これらのDNTネットワークは、複数の異なるあるいは組み合わされたプロトコルを使用して動作することができるが、一般的には、DNTをサポートするものである。
【0009】
両システムは、ネットワークリンクにわたって送信される信号を使用する。実際に、IPNTのようなDNTのためのデータネットワークへの接続は、一般に、例えばインターネットサービスプロバイダ(ISP)に到達するために使用されるローカルな電話回線にわたって行なわれる。決定的な違いは、前述したように、COSTテレフォニを、接続指向であると見なすことができる点である。COSTシステムにおいて、複数の呼は、特定の専用パスによって、かけられ接続される。また、接続パスは、呼時間中維持される。すなわち、帯域幅が確保される。他の呼およびデータは、COSTシステム内において、接続されたチャンネルパスを共有しない。他方で、DNTシステムは、帯域幅に関して、接続指向型または専用のものではない。すなわち、オーディオデータを含むデータは、データパケットとして作成されて、送信され、受信される。データパケットは、ネットワークリンクを共有し、様々なパスにより伝達される。
【0010】
理想的な動作状況下で、インターネットのようなDNTネットワークは、従来の公衆および構内インテリジェント電話ネットワークの音質と、コンピュータ同士の直接的なリンク形態から生じる多くの利点とのすべてを有している。しかしながら、DNTアプリケーションは、これらが伝わるネットワーク上で利用できる帯域幅を共有しなければならない。その結果、リアルタイムな音声通信が、時々、ドロップアウトおよび遅延を被る場合がある。これは、少なくとも一部の原因が、使用ピーク期間中の輻輳のような特定の状況下で広がる、必要帯域幅よりも少ない期間中に起こるパケットロスに起因している。
【0011】
リアルタイムのDNT通信中におけるデータパケットの送受信に関連する利用可能な技術の最近の改良によって、企業は、既存のCTIコールセンターに、DNT、主にIPNT能力を首尾良く付加することができた。本明細書に説明され発明者に知られているような改良は、利用可能な帯域幅またはトランザクションのサービス品質(QoS)を保証する方法、より少ない帯域幅を用いるデータのより効率的な組織化、符号化、圧縮、および運搬に関して改良された機構、および音声補足法や強化されたバッファ能力を使用することによって失ったデータをインテリジェントに交換する方法および装置とを含んでいる。しかしながら、COSTテレフォニは、今のところ、リアルタイムなテレフォニを実行するために接続を維持する点で、まだ2つの方法のうちより信頼性が高いものである。
【0012】
一般的なコールセンターにおいて、DNTは、しばしば、IPNT呼がかけられ或いは受信されるインターネット接続によって達成される。また、コールセンターは、インターネットにリンクされる構内ネットワークを含むサブネットワークにリンクされる場合もある。データパケットは、DNTネットワークもしくは複数のネットワークを介してノードからノードへ送られた後、コールセンターに到達し、PC/VDU(ディスプレイを有するコンピュータ)あるいはDNT能力がある電話のコールセンターでソートされて取り込まれなければならない。DNTの能力があるコールセンターは、本明細書で示されている媒体実現性の追加された範囲のため、当技術分野ではより適切に名付けられた通信センターである。したがって、通信センターという用語は、以下、そのようなコールセンターを説明する時に、広く使用される。
【0013】
発明者に知られたCOSTシステムにおいて、インテリジェントルーティングルールは、主にネットワークレベルでCTI処理能力を付加することによって、ネットワークドメインへと広げられた。例えば、SCPは、呼の扱いのインテリジェンスを向上するように適した様々なソフトウエアルーチンを実行するプロセッサを用いて強化されてもよい。インテリジェント周辺機器、統計サーバ、トランザクションサーバなどは、無料の設備およびソフトウエアをサポートする個々の通信センターに対して、呼の取り扱いに関する制御を付加する。
【0014】
今のところ、COSTテレフォニは、インテリジェントネットワーク内で非常に効率的に実行されるが、しばしば、付加的な便宜に関して対価を支払う必要がある。例えば、大きな国際企業は、幾つかの国のような広範囲の地域で動作する複数のサイトを有していることがある。これらのサイトは、その他に、個々の通信センター、または複数のローカル通信センターの主体となる企業のサイトを備えていても良い。長距離の呼を回避したい発呼者(顧客)への便宜として、呼の費用のかなりの部分が、留保されて主体となる企業に戻されるように、企業は、発呼者が使用する1〜800のナンバを与える。複数の海外のサイトの主体となる1つの企業は、長距離電話料金を非常に深刻に考えている。そのような長距離電話料金を下げるための方法を考え出すことが望ましい。
【0015】
試みられた1つの方法は、COST−IP変換を含むIPテレフォニを可能にするために、地理的に離れたサイトをインターネットにリンクさせることである。これは、COST呼び出しに関連する長距離料金を排除することができるが、インターネットを通じた多くのパスは、リアルタイムのテレフォニを首尾良く伝えるための十分な帯域幅を欠いているため、また、公衆パケットネットワークにわたってより広い帯域幅を確保するための手段が完全ではないため、トラヒックを維持することは難しい。通信パーティ間の接続を失うことが通例であり、待ち時間の問題が優先する。また、インターネットによって相互にリンクするサイトは、変換されたCOST呼とともに、予測できない同じ帯域幅が存在するため、COST電話機からの呼をサポートする手段が殆どない。他のタイプのWANを考慮することもできるが、一般に、そのようなWANは、企業間をネットワーキングするために構成されており、公衆アクセステレフォニのために使用されない。
【0016】
明らかに必要なことは、構内IPバックボーンを通じて、地理的に広がる目的地に対してCOST呼をインテリジェントにルーティングすることにより、発呼者と主体となる企業の両方におけるCOSTに関連付けられた長距離テレフォニ料金を排除する方法および装置である。また、そのような方法および装置によって、DNT呼は、そのような呼の所要時間のために適切で、且つある場合には保証される帯域幅を確保する同じバックボーンにわたって伝わることができる。
【0017】
(発明の概要)
本発明の好ましい実施形態においては、テレフォニシステムが提供される。このテレフォニシステムは、データネットワークテレフォニ(DNT)プロトコルで、第1のノードと第2のノードとの間のテレフォニ通信を提供するように適合されたパケットデータバックボーンネットワークと、パケットデータバックボーンと第1の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)との両方に接続され、各ネットワークからの発呼者との相互作用に適合された第1のノードのデュアルプロトコル音声自動応答装置(IVR)サーバと、パケットデータバックボーンネットワークに接続された第1のIPルータと、第1のIPルータに接続された第1のプロトコル変換サーバとを備えた第1のノードであって、第1のプロトコル変換サーバは、第1のPSTNと互換性があるデータプロトコルとパケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するように適合され、第1のPSTNと第1のIPルータとの両方に接続された、第1のノードと、パケットデータバックボーンネットワークに接続された第2のIPルータと、第2のIPルータに接続された第2のプロトコル変換サーバとを備えた第2のノードであって、第2のプロトコル変換サーバは、第2のPSTNと互換性があるデータプロトコルとパケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するように適合され、第2のPSTNと第2のIPルータとの両方に接続されている、第2のノードとを備えている。一方の第1のPSTNまたは第2のPSTNでかけられた呼は、パケットデータバックボーンネットワークを通じ、IPルータおよびプロトコル変換サーバを介して、他方のPSTNへとルーティングされる。
【0018】
幾つかの実施形態において、一方もしくは両方のプロトコル変換サーバがSS7ブリッジである。また、幾つかの実施形態において、一方もしくは両方のノードが、さらに、IPルータとアナログテレフォニ装置との間で呼を変換するためのアナログテレフォニ装置に接続されたトランクゲートウェイを備えている。更なる実施形態において、一方もしくは両方のノードが、さらに、IPルータとデータオンリーデバイスとの間でデータオンリー呼を変換するように適合されているデータゲートウェイを備えている。
【0019】
本発明の他の態様においては、IPバックボーンノードが提供される。このIPバックボーンノードは、IPパケットデータバックボーンネットワークに接続するためのIPポートを有するIPルータと、公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)と互換性があるデータプロトコルとIPパケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するように適合されているプロトコル変換サーバとを備えている。IPルータと変換サーバは、コンピュータ化された装置の単一要素として実施される。
【0020】
幾つかの実施形態において、バックボーンノードが、さらに、電話機に接続するためのポートを有するトランクゲートウェイを備え、トランクゲートウェイは、IPデータプロトコルとアナログテレフォニ信号との間で呼を変換するよう適合されている。他の実施形態において、バックボーンノードが、さらに、データオンリー装置に接続するためのデータポートを有するデータゲートウェイを備え、データゲートウェイは、IOPデータプロトコルとデータオンリー装置によって要求されるデータプロトコルとの間でデータを変換するように適合されている。
【0021】
本発明の更なる他の実施形態においては、IPパケットデータバックボーンネットワークが提供される。このIPパケットデータバックボーンネットワークは、高速パケットデータリンクによって接続される少なくとも2つのノードと、各ノードに接合され、公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)と互換性があるデータプロトコルとIPパケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するよう適合されているプロトコル変換サーバとを備えている。第1のPSTNから発せられる電話呼は、2つのノードの一方を通じて、IPパケットデータネットワークを超え、2つのノードの他方を通じて、第2のPSTNへとルーティングされることができる。バックボーンネットワークにおいては、一方もしくは両方のノードと一体化されたトランクゲートウェイがあってもよく、1つまたは複数のトランクゲートウェイは、IPデータプロトコルとアナログテレフォニ信号との間で呼を変換するように適合されている。データオンリー装置に接続するためのデータポートを有するデータゲートウェイを更に備えていてもよい。データゲートウェイは、IOPデータプロトコルとデータオンリー装置によって要求されるデータプロトコルとの間でデータを変換するように適合されている。
【0022】
他の態様においては、第1の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)と第2の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)との間で電話呼をルーティングするための方法が提供される。この方法は、(a)第1のPSTNでかけられた呼を、データパケットネットワークの第1のIPノードに接続された第1のプロトコル変換サーバに送るステップと、(b)第1の変換サーバにある呼を、第1のPSTNと互換性があるデータプロトコルから、データパケットネットワークと互換性があるデータプロトコルに変換するステップと、(c)呼を、データパケットネットワークを通じて、第2の変換サーバに接続された第2のIPノードにルーティングするステップと、(d)第2の変換サーバにある呼を、データパケットネットワークと互換性があるデータプロトコルから、第2のPSTNと互換性があるデータプロトコルに変換するステップと、(e)呼を、第2のPSTN内の最終的な目的地へとルーティングするステップとを含んでいる。
【0023】
以下で詳細が提供され開示される該ネットワークと方法は、当技術分野に電話呼をルーティングする新しい方法をもたらすであろう。
【0024】
(好ましい実施形態の説明)
本発明の実施形態において、IPインテリジェントネットワークは、ローカルCOSTネットワーク、IPネットワーク、および広範囲にわたる地理的なアーキテクチャ内に存在する可能性があるローカル民間企業サイトの間の3方向ブリッジとして作用する、新規なコンピュータ化されたゲートウェイノードを有するように設けられ適合されている。そのようなネットワーク接続を広範囲にわたって、例えば国際的な範囲にわたって形成することにより、国際通信システム(ICS)が形成され、COSTネットワークにおいて行われているような、従来のCOSTテレフォニに関連付けられた長距離料金を大幅に軽減することができる。以下、本発明の様々な実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る国際通信システム(ICS)13の全体構成図である。ここに図示されているICS13は、地理的に離れた場所の間で国際通信を形成するように適合されている。この基本的な例では、ICS13が3つの国際的な場所、すなわち国家にわたって広がっており、主体となる1つの場所が他の複数の場所を接続する手段を形成している。例えば、ICS13は、複数のPSTN15、17、19と、IPバックボーン27と、主企業サイト33とを備えている。例えば、PSTN13とバックボーン27とサイト33は、アメリカ合衆国のような1つの国に設置されている。この実施形態の中に示されている類似の構成グループは、ローカルPSTN19とIPノード25とサブサイト35とから成るグループや、ローカルPSTN17とIPノード21とサブサイト31とから成るグループといったように、別個の参照符号が付されており、例示的な目的のため、アメリカ以外のサイト、すなわち、日本やオーストラリアなどといった場所をそれぞれ表わしている。しかしながら、本発明の範囲が国際通信に限定されないことに留意されたい。単にテレフォニの長距離の境界を超えて延びる1つの国内や地理的な領域内に、3つの類似するグループが存在しても良い。
【0026】
主サイト33のような企業サイトは、1つの通信センタ、あるいは、1つ以上の通信センタを連結する企業ハブであっても良い。したがって、この図には、主サイト33の能力に応ずるCOSTテレフォニ交換機、IP交換機、またはこれらの組合せといった交換機57等の代表的な装置のみが示されている。同様に、図示のルータ61も、IPルータ、COSTルータ、或いはこれらの組合せであっても良い。主サイト33のようなサイトに必要なことは、IPバックボーン27や、ローカルPSTNすなわち他の一般的なCOSTネットワークへの接続をサポートすることだけである。
【0027】
IPバックボーン27は、国際企業のような1つの企業、あるいはバックボーンを共有する2〜3の企業における、トラヒックの専用のIPパケットデータネットワークである。バックボーンは、ネットワークプロバイダや、例えば、相互に接続された全ての企業サイトへと延びる光ネットワークのような完全に構内ネットワークから回線を借りていても良い。
【0028】
PSTN13は、公衆アクセスCOSTネットワークであり、この技術分野において知られているように、PSTN以外の公衆COSTネットワークの形態を成していても良い。PSTN15は、固有の通信ゲートウェイIPノード23を介して、IPバックボーン27に接続され、該IPノード23は、本明細書で以降ノード23と呼ばれる。本発明の好ましい実施形態において、ノード23は、PSTN15とバックボーン27との間を往復するIPNTテレフォニイベントを含むCOSTテレフォニやDNTのルーティングに適合した、単一のコンピュータ化されたノードの形態を成して設けられ、主サイト33のような目的地にリンクされている。しかしながら、他の実施形態においては、1つの多目的機械の代わりに、別の専用の機械が組み込まれていても良い。
【0029】
図示のように、ノード23は、トランクゲートウェイ(TG)71およびデータゲートウェイ(DG)69によって、企業サイト33に接続されている。以下に詳細に述べられるTG71およびDG69の両者は、IPルータ67に接続されている。IPルータ67は、発明者によってTサーバと名付けられた機能ソフトウエアのインスタンスを実行するCTIサーバ63dによって強化されており、IPバックボーン27にも接続されている。ノード23中の図示された他の構成要素は、COSTおよびDNTの呼と相互作用することができる、新規なデュアルプロトコル音声自動応答装置(IVR)29と、PSTN15およびIPバックボーン27と接続されて示されているSS7ゲートウェイ65である(実際の実行時には、IVRおよびSS7からの接続は、IPルータ67を介して行なわれる)。1つのコンピュータ化されたユニットとして、ノード23は、PSTN15、IPバックボーン27、および主サイト33とをつなぐインタフェースノードとして作用する。以下、ノード23に関する構成要素および接続性について詳細に説明する。
【0030】
IVR29は、前述したように、独立のユニットであっても良く或いはノード23と一体であっても良い、新規なデュアルポートユニットである。IVR29の一方のポートは、標準的なCOSTネットワークにわたってCOSTの発呼者と通信を行なうように適合され専用になっている。IVR29の他方のポートは、IPバックボーン27にわたってCOSTの発呼者と通信を行なうように適合され専用になっている。従って、IVR29の他方のポートはDNTポートとして機能する。この実施形態では特に示されていないが、IVR29は、IPバックボーン27の構成要素である強化されたIPルータ67に接続されている。ここに示されているIVRの接続性は、図1の対象物の配置に関して簡単にするように示されている。
【0031】
SS7ゲートウェイ65は、IPバックボーン27を介した伝送においては、COST信号(一般に、ベルコア(Bellcore))をIPテレフォニフォーマット(データパケット)に変換し、逆に、PSTN15を介した伝送においては、IPプロトコルからベルコアに変換する。このようなゲートウェイは、この技術分野において知られており、また、本発明者に知られている。特定のデータプロトコルは、ベルコアのようなCOSTシステムにおいて支配的であり、また、インターネット上で使用されるIPプロトコルのようなDNTシステムにおいて支配的であるが、特定のデータプロトコルはそのようなプロトコルだけではなく、用途に応じて、図示されたSS&ゲートウェイが、ある例では、本発明の精神および範囲内で、ここに図示されて述べられているプロトコル以外の他のプロトコル間で変換しても良いことは、当業者にとって明らかなことである。
【0032】
ここには特に示されていないが、SS7ゲートウェイ65は、実際の実行時においては、IVR29に関して前述したと同様の方法で、IPルータ67を介して接続されている。同様に、図示の接続は、対象物の配置を単に簡単にするように示しただけである。
【0033】
IPルータ67は、ゲートエントリポイントをIPバックボーン27に提供するAscend等によって与えられるパケットネットワークルータである。このようなルータが、ネットワーク27のようなIPネットワークにおいて相互接続されていることは、この技術分野で良く知られている。この場合、ネットワーク内の1つのルータは、IPバックボーンへのエントリ/イグジットポイントとして、各企業サイトに組み込まれる。例えば、規定された長距離境界の外側からの呼であって、主サイト33のような1つのサイトに向けられた呼は、IPバックボーン27を介して伝送され、サイト33への途中でIPルータ67に伝送される。
【0034】
IPルータ67は、参照符号63dによって示されるTサーバまたは(T−S)として発明者に知られている、制御ソフトウエアのインスタンスに接続されたCTIプロセッサによって強化されている。T−S63dおよびIPバックボーン内の他のTサーバは、IPバックボーン27内で実行されるインテリジェントルーティングを与える。T−S制御装置は、この例のように主サイト33を有している場合には、一般に、主サイトの内部から実行される。この実施形態において、T−Sルーチンのインスタンスは、IPバックボーン27からのエントリ/イグジットポイントにある各IPルータで実行される。
【0035】
TG71およびDG69は、IPルータ67から主サイト33へのゲートウェイである。例えば、IPルータ67は、TG71を介した主サイト33への全てのCOST相互作用をルーティングする。主サイト33に示された代表的な交換機57のような適当なテレフォニ交換機に、接続された1つもしくは複数のテレフォニトランクにわたって送信するため、TG71は、COSTゲートウェイとして、ルータ67からのIPデータパケットを、良く知られたプレーンオールドテレホンサービス(POTS)信号に変換する。
【0036】
PSTN19、ノード25、および日本に配置された装置を表わしているサブサイト35とから成る装置グループが、説明されたICS13の例に戻ると、容易に分かるように、ローカルPSTN19は、日本のローカルネットワークを示しており、アメリカにあるPSTN13との大洋を越える通信において相互作用を行なうことができる。サブサイト35は、主サイト33に関連するもしくは子会社である企業を示している。反対側にあるローカルPSTN17は、この例において、オーストラリアにあるローカル交換ネットワークを示している。サブサイト31は、同様に、主サイト33に関連するもしくは子会社であるサイトである。この例において、主サイト33は、様々なノードでIPルータに接続されたTサーバにより、その関連企業にわたって特定の制御を与えることができる。
【0037】
ノード25(日本)とノード21(オーストラリア)は、IVRを必ずしも組み込んでいない点を除き、ノード23(アメリカ)と全く同じである。すなわち、この実施形態において、ノード23は、全ての海外サイトによって共有されるIVR29を組み込んでいる。このような構成は、本発明を行なう上で必要ではないが、IVR29を共有することの便宜は、主体となる企業のコスト節減に貢献する。他の実施形態においては、アメリカの外部の企業サイトの幾つか或いは全ての企業目的のために、動作可能な複数のIVRがあっても良い。
【0038】
好ましい実施形態において、PSTN15、17、19のような各PSTNには、1〜800のナンバもしくはそれに相当するものを用いて、発呼者からの呼を受けるように適合されている複数のSCPがある。これらは、SCP37(PSTN15)、47(PSTN17)、41(PSTN19)である。各PSTN内に入ってくる呼が、ベクトル39、45、41で示されている。また、各ローカルPSTN19、17から示されているノード25、21への接続がそれぞれ示されている。この実施形態において、ノード25、21は、IVRを除いて、ノード23と類似している。
【0039】
ノード25、21からサブサイト35、31へのそれぞれの接続は、ノード23、TG71、DG69、および主サイト33において示したような、TGおよびDGゲートウェイ接続を示している。サブサイト35、31内に配置された代表的な装置は、主サイト33において説明したような代表的な装置に相当している。例えば、サブサイト35は、T−Sのインスタンス63bを実行するルータ51に接続された、代表的な交換機49を有している。サブサイト31は、T−S63cのインスタンスを実行するルータ55に接続された、代表的な交換機53を有している。また、この実施形態において、全てのサイト35、33、31は、T−S制御ルーチン63a〜63cを用いて強化される。更に、ノード25、23、21のようなIPに接続された全てのゲートウェイノードは、T−S強化される。このように、主サイト33(アメリカ)は、サイト35(日本)やサイト31(オーストラリア)のような海外のサブサイト内やバックボーン27内に、ルーティング情報を供給して制御することができる。
【0040】
本発明の目的は、COSTに関連するネットワーク料金を負担することなく、目的地に呼が伝わるIPバックボーンに呼をルーティングすることによって、PSTNの発呼者から長距離の目的地への接続を提供することである。例えば、オーストラリアの発呼者が、オーストラリアにあるPSTN17のSCP47に対して呼45を行なうことを想定する。SCP47は、発呼者によって使用された1〜800のナンバに帰する指示に基づいて、呼をIPノード21に知らせ、接続を開く。ノード21は、SS7ゲートウェイおよびIPルータ(ノード23のゲートウェイ65およびルータ67に類似している)により、呼45が更にSCP47からルーティングされる前に発呼者と相互作用するように、IPバックボーン27を超えてIVR29を呼び出す。IVR相互作用は、音声応答、タッチトーン応答、あるいは、そのような他の知られている方法の態様を成していても良い。
【0041】
図1に示されるように、IVR29は、この実施形態では企業本部であると仮定することができるノード23の一部であり、SS&ゲートウェイ65と同様に、IPルータ67によってIPバックボーン27に接続されている。IPルータ67は、T−S63aによってCTI強化されており、IPバックボーンおよびノード21を介してSCP47と通信を行なうことができ、これにより、SCP47は、入ってくる呼に関するIVR29の前処理の情報を受信することができる。したがって、SCP47は、入ってきた呼を、任意のゲートウェイノードを介してIPバックボーン27に接続された任意の場所へとルーティングすることができる。
【0042】
1つの限られた実施形態として、オーストラリアの発呼者が購入した製品の技術的サービスを求めており、そのサービスサイトがサブサイト35(日本)である場合を想定する。この場合、発呼者がサービスオプションを選択すれば、SCP47は、呼45の行き先がサブサイト35であることを認識する。
【0043】
その後、呼45がサイト35へのサービスの呼であると決定されると、SCP47は、ノード21によりこの例では組み込まれたSS7を介して、IPバックボーン27を越えて、呼を日本のノード25に接続する。ノード25のIPルータ(ノード23のルータ67に類似している)は、COSTやIPNT或いはこれらの両者を受信することに関する、サブサイト35の能力状態といった所定の基準に基づいて、2つのゲートウェイ(TGまたはDG)の一方を通じて、呼を切換える。例えば、サブサイト35がCOSTだけの通信センターである場合には、イベント45は、トランクゲートウェイを通じて、この場合にはCOST交換機である交換機49へとルーティングされる。イベント(呼45)が交換機49で受けられると、ルータ51は、次の利用可能なサービスエージェントへと更にルーティングを決定しても良く、あるいは、他の企業ルールにしたがってルーティングを決定しても良い。
【0044】
サービスエージェントが呼45を入手すると、その後は、呼45があたかもCOSTトランクおよび切換装置を経由するかのように、まるで専用の接続があるかのように、通信を開始することができる。バックボーン27にわたる確実な待ち時間の確保(全ての呼のための十分な帯域の確保)は、構内ネットワークにわたって最適な呼の質を保証する。
【0045】
更に進んだ本発明の実施形態において、SCP47のようなそれぞれ接続されたSCPは、ノード21のような最も近いIPノードへのパラレルデータ接続を備えるT−Sのインスタンスを実行するCTIプロセッサによって強化されても良い。このように、更なるIVR情報は、呼負荷バランス、エラールーティング、呼優先ルーティング等といった他の情報ルーティングスキームと同様に、ルーティングの目的で使用されても良い。T−S強化されたSCPから結合されたノードへのそのようなパラレルデータ接続によって、ICSシステム13内の全てのT−S強化された機械は、互いに通信することができるとともに、データを共有することができる。これは、主に、IPバックボーン27を越えるサイトに向かうノード内のデータゲートウェイを通じて、また、SCPに接続されたCTIプロセッサに向かう別個のデータ接続を通じて達成される。発明者らは、ICS13に関する実施形態を最も簡単に示す目的のためだけに、PSTN内のT−S強化を図示しなかった。
【0046】
IPバックボーン27を介してIVR29を共有する場合には、他の国からの発呼者に対して適切な言語オプションを与えることができる。より複雑な実施形態において、ノード25、21のような各ノードは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、IVR機能を有していても良い。同様に、CTI強化される場合には、SCP47のような1つまたは複数の接続されたSCPにIVR機能が設けられても良い。しかしながら、本発明の方法および装置は、ここに教示されているような最も簡単な態様で十分に実行することができる。
【0047】
当業者であれば分かるように、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、ここに図示されている数よりも多い数のIPノード、主サイト、サブサイト、および接続SCPが、ICS13のようなICS内に含まれていても良い。例えば、ノード25のような単一のIPノードが、複数のサブサイトに結合されていても良い。1つの実施形態において、ノード25のようなIPノードは、変更もしくは修正されたプロトコルを有する他のネットワークに向かうゲートウェイであっても良い。更には、TG71のようなTGが、構内COSTネットワークに向かうゲートウェイであっても良い。DG69のようなDGが安全なWAN等に向かうゲートウェイであっても良い。本発明の範囲内では、多くの様々な可能性がある。
【0048】
図2は、本発明の実施形態に係る、図1のIPノード23の構成要素およびデータ方向を示すブロック図である。IPノード23は、図1のサイト33(アメリカ)のような主サイトすなわち制御サイトに結合されたIPノードである。この実施形態において、IVR29は、他の接続されたノードに存在しない構成要素である。IVR29の新規な点は、互換性がないプロトコルのネットワーク、この場合には、COSTネットワークおよびDNTネットワークに接続する2つのポートを有している点、および、これら両方のネットワークからの発呼者と通信を行なう二つの能力を有している点である。例えば、IPバックボーン27を使用する発呼者は、IPルータ67を介して、IVR29とアクセスすることができる。この側では、IVR29は、構内パケットネットワークにおいて不可欠なDNTプロトコルにしたがって機能する。PSTN15からのCOST発呼者は、この技術分野で知られるように、標準的なテレフォニ接続ポートを介して、IVR29と相互作用を行なうことができる。
【0049】
トランクゲートウェイ71は、例えばIPバックボーン27から届いたIPデータパケットから変換された後、主サイト33内の代表的な交換機57のようなCOST交換機に、アナログ(POTS)信号を提供する双方向ゲートウェイである。逆に、TG71は、IPバックボーン27にわたる送信のために、アナログ(POTS)信号をIPフォーマットに変換することができる。矢印の方向は、データの流れ方向を示している。選択肢として、実際のデータ変換が、TG71内あるいはIPルータ67内で行なわれても良い。ここで、ノード23のようなノードへの接続を有するサイトから呼を出す場合に、これらの呼が、SS7ゲートウェイ65ではなくTG71を介してルーティングされることに着目することは重要である。これは、TG71が、IPバックボーン27から呼び出すカスタマと、主サイト33のようなサイト内で或いはサイトに結合された作動するエージェントとの間のゲート通信専用のものだからである。
【0050】
データゲートウェイ(DG)69は、IPバックボーン27から図1の代表的な交換機57のようなIP交換機へとデータが流れることを許容する、双方向ゲートウェイである。また、データは、IP交換機57からDG69を介してIPバックボーン27に送られても良い。双方向の矢印は、前述した能力を示している。ここで、交換機57が、COST交換機、IP交換機、あるいは二つの目的の交換機(COSTおよびIP能力)であっても良いことを意味すべく、図1において交換機57を代表的なものとして説明したことを思い出して欲しい。また、DG69は、基本的に10BaseDプロトコルのような全ての装置およびサービスに対してデータを変換してルーティングする。
【0051】
SS7ゲートウェイ65は、方向矢印で示されるような双方向ゲートウェイである。SS7ゲートウェイ65は、IPバックボーン27に向かう送信のため、ベルコア(この例では)信号(COST標準)をIPフォーマット(データパケット)に変換する。逆に、IPデータは、PSTN15に向かう送信のため、ベルコア信号に変換されても良い。このような場合、図1のPSTN17からの発呼者は、PSTNネットワーク15内の人を呼び出しても良い。おそらく、呼の受信者は、自分の家から離れた場所で作動するエージェントである。IPルータ67に付加されたT−S強化63dにより、PSTN15内の離れたサイトへのそのようなインテリジェントルーティングが可能になる。このような場合、サイト外のエージェントに接続するPSTNの数は、ネットワーク内で有効とされることが理解される。これは、ICSシステムの悪用を防止することができる。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態に係る、図1のIPノード23の構成要素およびデータ方向を示すブロック図である。IPノード21は、IVR機能が無い点を除き、機能および構成において、図2のIPノード23と略同一である。このため、簡単に示すだけで十分であるので、類似する構成要素については、繰り返しの多い説明を省略する。
【0053】
IPルータ77は、IPバックボーン27とインターフェースをとるために設けられている。図3には示されていないが、IPルータ77は、図1において先述したようにT−S制御ルーチンのインスタンス強化されている。トランクゲートウェイ(TG)75は、図1のテレフォニ交換機53のようなテレフォニ交換機へのブリッジとして、あるいは、構内ネットワークのような別個のCOSTネットワークへのブリッジとして設けられている。SS7ゲートウェイ73は、IPバックボーン27とローカルPSTN17との間に設けられている。データゲートウェイ71は、図1のIP交換機53へのブリッジとして、あるいは、構内WANのような別個のデータネットワークへのブリッジとして設けられている。図1の交換機53が二つの目的の交換機(COSTおよびIP能力)である場合には、TG75およびDG71は両方とも交換機53に接続される。他の実施形態においては、それぞれのタイプのネットワークを示す2つの別個の交換機を設けることも可能である。図1において示した交換機53は、単なる代表的なものである。
【0054】
IPルータ79、TG75、SS773、およびDG71は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、別個であるが接続された機械の形態で提供され得ることは、当業者には明らかであろう。しかしながら、一つの機械に列挙された能力を組み込むことは、いくつかの実施形態において好ましく、この例においては特に新規である。
【0055】
当業者であれば分かるように、インターネットのようなWANからの発呼者は、その目的に適合可能なIPゲートウェイ(図示せず)を介して、IPバックボーン27にアクセスすることができる。インターネットから届くIPNT呼のモチベーションは、単に、そのような呼のために十分な帯域幅が確保されることかもしれない。本発明の一実施形態において、構内IPバックボーンシステムのような企業の集合体は、加入者が呼を行なうための接続を提供することができ、これによって、閑散期中に使用されていない能力を使用してコストを削減することができる。
【0056】
リアルタイムテレフォニに関して多くの議論がなされてきたが、当業者であれば分かるように、ファクシミリ、ボイスメールなどのようなリアルタイムでないイベントもまた、IPバックボーン27にわたってルーティングされても良い。
【0057】
図4は、本発明の実施形態に係る、ICSを使用した呼ルーティングシーケンスを示すフローチャートである。ステップ79で、与えられた1〜800のナンバもしくはそれと等価なものへの呼が、図1のSCP41のようなSCPに接続されたICSに到達する。簡単な実施形態において、そのようなSCPは、与えられた1〜800のナンバを認識するとともに、発呼者から引き出される情報にしたがって強制された選択肢である可能な目的地を含む、ナンバに関連付けられた事前に規定された指示にしたがってルーティングされるように、予めプログラムされている。
【0058】
ステップ81において、図1のIVR29のような共有されたIVRは、SCPにおいて、呼が通知される。このような通知は、バックボーン27のようなIPバックボーンにわたって行なわれる。この場合、SCPは、図3のゲートウェイ73のようなSS7ゲートウェイおよびIPバックボーンを介して、発呼者とIVR29とを接続する。IPバックボーンにわたって接続が形成されると、IVR29は発呼者に選択肢を与える。
【0059】
ステップ83で、制約された発呼者の応答が選択肢に基づいて決定がなされ、その情報がSCPのインテリジェンスに伝えられる。その後、ステップ85で、呼は、SCPによってルーティングされて、SS7ゲートウェイを介してIPバックボーンに向かい、ステップ87で、最終目的地に結合されたIPノードに到達する。
【0060】
ステップ89において、到達した呼は、目的地のノード内のCTI強化されたIPルータにより、企業ルールに応じて、一方のゲートウェイ(TGまたはDGを)を介してルーティングされ、あるいは、結合されるSS7ゲートウェイを介してノードに対してローカルにPSTNにルーティングされる。ステップ91において、呼は、図1の交換機49のような適当な交換機であっても良い目的地に到達する。データルータ51は、その後、呼を扱うことに慣れている次の利用可能なエージェントへのルーティングを行なうことができる。
【0061】
前述したルーティングシーケンスは、単なる例示であり、多くの可能なシーケンスの1つの基本的な例である。呼の目的地、通信センター能力、動作における特定のルーティングルール等といった基準は、ルーティングにけるステップの順序および記述に影響を与えることができる。例えば、発呼者は、SCP37(図1)のようなSCPに達するために、与えられた1〜800のナンバを使用することができ、IVR29(図1)によってインターセプトされ得る。IVR29との相互作用を通じて、呼が、実際にローカル通信センターすなわちサイト33(図1)のようなサイトに向かうことを決定できる。この場合、IPバックボーン27(図1)は、呼を伝えるために使用されない。呼は、PSTN13(図1)を介して容易に交換機57に送られる。無論、これは、交換機57がローカルPSTNに対する中継接続を有していることを前提としている。
【0062】
当業者であれば分かるように、ICS13のような国際通信システムは、本発明の精神および範囲から逸脱せず、多くの国々に及び、多くの企業サイトにリンクすることができ、また、多くのローカルな特徴を有していても良い。そのようなリンクされたサイトは、COSTテレフォニ、DNTテレフニー、或いはこれらの組み合せが実行される、通信センターであっても良い。また、そのようなサイトは、様々なプロトコルの他の通信ネットワークへのゲートウェイから成る企業ハブであっても良い。この場合、更なるルーティングによって、様々な通信センターへの接続が成される。
【0063】
当業者であれば分かるように、T−S制御ルーチンの実行によって本明細書に与えられて教示されたルーティングインテリジェンスは、広範囲にわたる別個のデジタルネットワークにリンクする強化された機械を必要とすることなく、海外のサイトに固有のローカルPSTNネットワーク内のICS接続されたSCPへと拡張することができる。例えば、データ接続は、接続された各SCPから、IPバックボーンにわたって行なわれる機械間のT−S通信を有する、最も近いT−S強化されたノードへと拡張することができる。
【0064】
ICSシステムの構成要素、すなわち、IPバックボーンの設備および接続は、専用に所有することができ、複数の所有者間で共有することができるとともに、ネットワークプロバイダからリースすることができる。システム13のようなシステムは、1つの企業、複数の協働する企業から成るサイトを含んでいても良く、また、企業や個人のための契約サービスとして提供されても良い。
【0065】
多くの様々な可能性がある。したがって、本発明は、新規性および適用の観点から、最も広い範囲が与えられなければならない。本発明の精神および範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る国際通信システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る図1のIPノード23の構成要素およびデータ方向を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る図1のIPノード21の構成要素およびデータ方向を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る呼ルーティングシーケンスを示す例示的なフローチャートである。
Claims (10)
- テレフォニシステムであって、
データネットワークテレフォニ(DNT)プロトコルで、第1のノードと第2のノードとの間のテレフォニ通信を提供するように適合されているパケットデータバックボーンネットワークと、
各ネットワークからの発呼者との相互作用を行なうよう適合されている、パケットデータバックボーンと第1の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)との両方に接続される第1のノードのデュアルプロトコル音声自動応答装置(IVR)サーバと、
パケットデータバックボーンネットワークに接続された第1のIPルータと、第1のIPルータに接続された第1のプロトコル変換サーバとを備える第1のノードであって、第1のプロトコル変換サーバが、第1のPSTNと互換性があるデータプロトコルと、パケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するように適合され、第1のPSTNと第1のIPルータとの両方に接続された、第1のノードと、
パケットデータバックボーンネットワークに接続された第2のIPルータと、第2のIPルータに接続された第2のプロトコル変換サーバとを備える第2のノードであって、第2のプロトコル変換サーバが、第2のPSTNと互換性があるデータプロトコルと、パケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するように適合され、第2のPSTNと第2のIPルータとの両方に接続された、第2のノードとを備え、
一方の第1のPSTNまたは第2のPSTNでかけられた呼が、パケットデータバックボーンネットワークを通じ、IPルータおよびプロトコル変換サーバを介して、他方のPSTNへとルーティングされる、テレフォニシステム。 - 一方もしくは両方のプロトコル変換サーバが、SS7ブリッジである請求項1に記載のシステム。
- 一方もしくは両方のノードが、さらに、IPルータとアナログテレフォニ装置との間で呼を変換するためのアナログテレフォニ装置に接続されたトランクゲートウェイを備えている、請求項1に記載のシステム。
- 一方もしくは両方のノードが、さらに、IPルータとデータオンリー装置との間で、データオンリー呼を変換するように適合されているデータゲートウェイを備えている、請求項1に記載のシステム。
- 一方もしくは両方のノードが、さらに、IPルータとアナログテレフォニ装置との間で呼を変換するためのアナログテレフォニ装置に接続されたトランクゲートウェイと、IPルータとデータオンリー装置との間でデータオンリー呼を変換するように適合されているデータゲートウェイとの両方を備えている、請求項1に記載のシステム。
- IPパケットデータバックボーンネットワークに接続するためのIPポートを有するIPルータと、
公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)と互換性があるデータプロトコルと、IPパケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するように適合されているプロトコル変換サーバと、
電話機に接続するためのポートを有するトランクゲートウェイとを備える、IPバックボーンノードであって、
該トランクゲートウェイが、IPデータプロトコルとアナログテレフォニ信号との間で呼を変換するように適合されており、IPルータおよびプロトコル変換サーバが、コンピュータ化された装置の単一要素として実施されていることを特徴とする、Pバックボーンノード。 - データオンリー装置に接続するためのデータポートを有するデータゲートウェイを更に備え、該データゲートウェイが、IOPデータプロトコルとデータオンリー装置によって要求されるデータプロトコルとの間でデータを変換するように適合されている、請求項6に記載のIPバックボーンノード。
- 高速パケットデータリンクによって接続される少なくとも2つのノードと、
各ノードに結合され、公衆交換テレフォニ・ネットワーク(PSTN)と互換性があるデータプロトコルと、IPパケットデータバックボーンネットワークと互換性があるデータプロトコルとの間で変換するよう適合されているプロトコル変換サーバと、
一方もしくは両方のノードと一体化された1または複数のトランクゲートウェイとを備える、IPパケットデータバックボーンネットワークであって、
第1のPSTNから発せられる電話呼が、2つのノードの一方を通じて、IPパケットデータネットワークを超え、2つのノードの他方を通じて、第2のPSTNへとルーティングされ、1または複数のトランクゲートウェイが、IPデータプロトコルとアナログテレフォニ信号との間で呼を変換するように適合されていることを特徴とする、IPパケットデータバックボーンネットワーク。 - データオンリー装置に接続するためのデータポートを有するデータゲートウェイを更に備え、該データゲートウェイが、IOPデータプロトコルとデータオンリー装置によって要求されるデータプロトコルとの間でデータを変換するように適合されている、請求項8に記載のネットワーク。
- 第1の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)と第2の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)との間で電話呼をルーティングするための方法であって、
(a)第1のPSTNでかけられた呼を、データパケットネットワークの第1のIPノードに結合された第1のプロトコル変換サーバに送るステップと、
(b)第1の変換サーバにある呼を、第1のPSTNと互換性があるデータプロトコルから、データパケットネットワークと互換性があるデータプロトコルに変換するステップと、
(c)呼を、データパケットネットワークを通じて、第2の変換サーバに結合された第2のIPノードにルーティングするステップと、
(d)第2の変換サーバにある呼を、データパケットネットワークと互換性があるデータプロトコルから、第2のPSTNと互換性があるデータプロトコルに変換するステップと、
(e)呼を、第2のPSTN内の最終的な目的地へとルーティングするステップと、
を含む、第1の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)と第2の公衆交換テレフォニネットワーク(PSTN)との間で電話呼をルーティングするための方法。
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