JP3579712B2 - 酸化物立方晶系(111)基板を用いる酸化亜鉛等の六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜の作製方法及び同法で作製した薄膜 - Google Patents

酸化物立方晶系(111)基板を用いる酸化亜鉛等の六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜の作製方法及び同法で作製した薄膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜に関するものであり、更に詳しくは、六方晶系物質の(0001)配向エピタキシャル薄膜及び同エピタキシャル多層積層薄膜の作製方法と、それにより得られるエピタキシャル薄膜及び多層積層薄膜に関するものであり、特に、非シリコン系や酸化物系エレクトロニクスの基礎となる金属酸化物等の物質のエピタキシャル薄膜及び同多層積層薄膜とそれを得るための特定の対称性を持つ酸化物単結晶基板を使用した成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エピタキシャル薄膜とは、その薄膜物質に類似の結晶構造、つまり対称性と格子定数を持つ別の単結晶基板の上に載せて作製したその物質の単結晶性の薄膜のことを言う。六方晶系結晶構造を有するZnOやTi 等の金属酸化物の(0001)配向エピタキシャル薄膜の作製に関する従来の方法としては、同じ六方晶系構造を有する酸化物系基板としてサファイア(Al )以外に適当な基板がないことから、同単結晶基板が主に用いられてきた。これらの六方晶系金属酸化物等の電子素子化や産業化を図るには、同六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜化を可能にする種々の基板が必要になる。
【0003】
特に、酸化物系電子磁気素子の開発や酸化物エレクトロニクスの発展のためには、基板自身に電気伝導度や誘電特性を付与したり、それらの物質との結晶格子整合のみでなく、熱伝導度や熱膨張特性の整合を行う必要がある。
しかし、使われているサファイアは電気的絶縁体であり、また、伝導性の付与も難しい。そのために、サファイア以外で六方晶系の酸化物の良質のエピタキシャル薄膜を作製可能な基板を用いる成膜方法が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、前記の従来のサファイア等の六方晶系を持つ酸化物基板を用いる従来の方法と異なり、他の晶系の酸化物を用いて六方晶系物質の(0001)配向エピタキシャル薄膜を作製する方法を開発することを目的として、創意工夫と研究を積み重ねた結果、立方晶系酸化物の(111)面基板を用いる方法を採用することにより所期の目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、前記従来の問題点を解決し、ZnO等の六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜及び同多層積層薄膜を得る方法と、本方法により得られる薄膜及び積層薄膜を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の方法及び製品からなる。
物理的及び化学的方法を用いる成膜手段により、ZnO等又は半導体化させたZnO等の六方晶系物質の(0001)配向エピタキシャル薄膜又は多層積層薄膜を作製するのに、立方晶系結晶構造を有する金属酸化物の単結晶(111)面基板を用いる方法。
前記の立方晶系酸化物(111)基板を用いる単結晶性薄膜の作製方法により作製した、六方晶系物質の(0001)配向のエピタキシャル薄膜又は同多層積層薄膜。
前記の単結晶性薄膜又はその多層積層薄膜の作製方法により立方晶系酸化物基板(111)面上に成膜して作製したことを特徴とする、酸化亜鉛(ZnO)等の六方晶系結晶構造を持つ物質又は必要により他の元素の微量添加により半導体化させた酸化亜鉛等の六方晶系結晶構造を持つ物質の(0001)単結晶性薄膜又はその多層積層薄膜。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明においては、ZnOのような六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜を六方晶系以外の酸化物基板の上に作製する。即ち、本発明の薄膜は、以下のように、立方晶系酸化物の(111)単結晶基板を用いて成膜することにより達成される。これを図1、2を用いて説明する。
結晶には、大別して立方晶、正方晶、斜方晶、菱面体晶、単斜晶、三斜晶、六方晶の7晶系があるが、図1に示す六方晶系の持つ対称要素である6回回転軸C6及び、その構成要素である3回回転軸C3を有するものは、図2に示す立方晶系(a=b=c、α=β=γ=90゜)の(111)面以外にはない。即ち、図2a)に示すように、立方晶の(111)面に垂直な方向の単位格子胞の頂点1の周りに3回回転軸がある。そのために、その頂点に隣接する単位胞の頂点は3つ(図2a)中で2,3,4)あり、その3頂点を結ぶと正三角形を形成する。図2b)のように、その一頂点(1)の周りに6個の正三角形が存在するので、結果的に六方晶系と同じC6対称性が生じる。即ち、六方晶系物質で基板面(膜面)垂直方向にc軸が立った(0001)単結晶薄膜を作製しようとする場合において、その面空間を六方晶系基板の単位胞でしか埋め尽くすことができないのではなくて、立方晶系の(111)面を使えば埋め尽くすことができることを意味する。その結果、立方晶系(111)面上に六方晶系物質の(0001)単結晶性薄膜や多層積層薄膜が作製可能となる。
【0007】
本発明は、立方晶系酸化物の(111)面単結晶基板を用いて、六方晶系物質の(0001)単結晶性薄膜を作製することを特徴とする成膜法に関わるので、成膜手段に関わらず、また、膜物質は六方晶系であり、基板は立方晶系酸化物であればよく、それらの種類に依らない。
即ち、成膜手段としては、例えば、パルスレーザアブレーション(PLA) 蒸着法、マグネトロン等を用いる各種のスパッター法、Kセル等を用いる蒸着法、分子ビームエピタキシー法、プラズマCVD等の気相成膜方法、及び塗布後焼結等の液相エピタキシー方法等を用いることができ、いずれにも限定されない。
また、対象となる膜物質は、六方晶系に属せばよく、この膜物質として、例えば、ZnO、Ti や酸化ネオジュム(Nd)、酸化ランタン(La)、チッ化ホウ素(BN)、チッ化リチュム(Li N)、チッ化アルミニュウム(AlN)、また硫化亜鉛(ZnS)などの鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、チタン、銅等の遷移金属の硫化物、更にセレン化亜鉛(ZnSe)などの遷移金属のセレン化物等が例示されるが、これらに限らず、いずれの六方晶系物質でも用いることができる。
また、六方晶系物質及び他の元素、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、スカンジュウム(Sc)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、インジュウム(In)、ランタン(La)、シリカ(Si)、ゲルマニュウム(Ge)、ジルコニュウム(Zr)、スズ(Sn)、セリウム(Ce)、鉛(Pb)、窒素(N)、リン(P)、砒素(Co)、リチウム(Li)、銀(Ag)及び、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)などの遷移金属等の微量添加により半導体化させた六方晶系構造を持つ物質を用いることができる。
更に、基板は、立方晶系の金属酸化物の(111)基板であればよく、基板として、例えば、誘電体材料であるチタン酸ストロンチュウム(SrTiO )、絶縁体であるが還元や他の金属のドーピングにより半導体化できるアルミン酸ランタニド(LaAlO )、LSAT(0.3LaAlO ;0.7SrAl0.5 Ta0.5 )、ジルコニア(ZrO)やマグネシア(MgO)、及び導電性のある一酸化チタン(TiO)や一酸化銅(Cu O)等が例示されるが、これらに限らず、いずれの立方晶系酸化物でも用いることができる。
【0008】
以下に、本発明による酸化物の立方晶(111)面を用いた六方晶系物質の(0001)エピタキシャル薄膜の作製に関する一実施形態を図面により詳細に説明する。図3に、単結晶基板上に物質の単結晶薄膜や多層積層薄膜を作製するための方法を示す概略図を示す。
図1に示す六方晶系を有するZnOや他の元素を添加したZnO及びTi 等の複数の物質(A,B,C等) のターゲットをチャンバー中のターゲットホルダーにセットしておき、図2に示す立方晶系構造を有する酸化物の(111)基板を基板ホルダーにセットしておけば、同基板上にそれらの薄膜やA/B/Cなどの多層積層薄膜を作製することができる。
本発明の一実施形態として、パルスレーザアブレーション蒸着(PLAD)法を用いて、LSAT(111)単結晶基板上にZnO(0001)エピタキシャル薄膜の作製を行う例を説明する。即ち、PLAD法では、図3のように、膜を作ろうとする物質の焼結したターゲットを真空チャンバー(容器)中にセットしておき、外部から光学窓を通してパルスレーザ光をそれに集光照射してターゲット物質を爆発的に分解剥離させて、それを対向する位置にあり電気ヒータにより一定温度に制御された基板ホールダー上の基板上に衝突させて、その物質の薄膜を作製する。
【0009】
ここでは、レーザ光として、Nd:YAGパルスレーザの第4高調波(波長266nm)を使用して、PLAD成膜実験を行い、次のような最適成膜条件を得た。出力エネルギー30mJ/パルスのレーザ光をレンズでチャンバー中のZnOターゲットに集光照射して、約1.0J/cm /パルスのフルーエンスを加えた。酸素圧は1x10−4Torr、基板温度は550−750℃である。これにより、良質のZnO(0001)エピタキシャル薄膜が作製された。他方、同じLSATでも(100)基板を用いると、ZnO(0001)薄膜は作製されず、Znの配向方向が異なり、しかも、(110)や(100)が混じったエピタキシャル性の悪い膜が生成する。
【0010】
なお、本発明では、ZnOやTi 等の六方晶系物質及びそれらに他の元素を微量添加した種々のターゲット等をチャンバー内のターゲットホルダーにセットしておき、ターゲット交換機構などでそれらのターゲットを順次にレーザ照射位置へ移動させて、PLAD法等の成膜法により前述の立方晶系酸化物(111)基板上に順次に成膜して、その電子素子化を可能とするそれらの多層積層薄膜を作製することができる。
【0011】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、LSAT(111)単結晶基板上に、基板温度550℃でPLAD法によりZnO薄膜を作製した例を説明する。また、比較のために、LSAT(100)及び石英ガラスの各基板上に作製したZnO薄膜についても併せて説明する。
図4a)、b)、c)は、それぞれLSAT(111)、LSAT(100)単結晶基板及び石英ガラス基板上に作製した膜について、θ−2θ掃引により測定したX線回折パターンを示す。LSAT(111)上の膜は基板であるLASTの(hhh);h=1−5以外にはZnOの(0001);1=2,4,6の回折線のみが観測されている。これは基板面垂直方向にc軸が配向したZnOの(0001)配向膜が作製されていることを示している。なお、後述の反射型高速電子線回折測定によって、この膜は基板面内でも結晶のa,b軸方向が単結晶的に特定の方向へ配向した(0001)エピタキシャル薄膜であることを確認した。
一方、LSAT(100)単結晶基板を用いた場合にはZnO(hhO);h=1−2が強く観測されており、その他にもZnOの(0002)回折線が観測されている。これはLSAT(100)基板上ではZnOの(0001)結晶性薄膜ができないのみならず、ZnO(110)配向と(0001)配向結晶が混じって成膜されていることを示している。
他方、非晶質の石英基板上の薄膜については、非晶質であるガラス基板からX線回折線が生じないので、ZnOの(0001);1=2,4,6の回折線のみが観測されている。この結果はc軸配向薄膜であることを示しているが、後述のように、基板の面内では結晶は無配向であり、面内配向性も有する単結晶性のエピタキシャル薄膜は生成していないことが分かった。
【0012】
次に、反射型高速電子線回折(RHEED)測定から分かった、面内配向も含めた膜の単結晶性に関する実験結果である回折写真を図5、6、7に示し、それらについて説明する。
RHEED法とは、結晶性膜の膜面に対して2−3°の低角度で10−30
KeVの高速電子線を照射することにより、膜の表面に近い低角度での電子線回折像を測定して、膜面の結晶構造や平滑度を知る方法である。ナノメータ(10−9m)次元の表面平滑度を持つ良質な薄膜結晶について、対称的な結晶構造方向でRHEEDを測定すると、回折点が結晶膜面垂直(ここでは紙面垂直)方向に立ったストリークと呼ばれる縦棒状の輝線が何本か対称的に並んだパターンが観測される。これらの輝線の間隔は結晶格子の間隔に関連する(正確には逆格子の間隔に比例する)ので単結晶性の膜をその膜面内で回転するとパターンが変わり、結晶が膜面内で持つ回転対称性を反映して45°、60°や90°周期で対称的ストリークパターンが観測される。
LSAT(111)基板上に作製したZnO膜では、図5a)と5b)がそれぞれ単一成分のパターンからなっており、また、両者は30°異なる方向で観測された。
しかも、それぞれ六方晶系の持つ60°周期(c6対称性)を持って観測された。輝線間隔から、図5a)と5b)の方向でのZnO結晶の面間隔を算出した結果、それぞれの面はZnOの(100)と(110)に対応することが分かった。すなわち、それぞれ、単一成分からなっており、その輝線(ストリーク) の間隔から算出した面間隔の値からa)は(100),b)は(110)面方向に同定された。
これらより、LSAT(111)基板上に作製したZnO膜は完全に単結晶に近い(0001)配向エピタキシャル薄膜であることが明らかになった。
【0013】
他方、LSAT(100)基板上に作製したZnO膜では、図6a)と6b)に示すように、(0001)薄膜と異なるパターンが観測された。しかも、両者は約45°異なる方向で観測され、しかも、90°周期を持っていた。解析の結果、それぞれZnOの(102)と(100)面に帰属された。更に、この他に、図6b)では弱い強度のRHEEDパターンも観測されており、これはZnOの(002)に帰属された。こうして、LSATのc6対称性を持たない(100)面の単結晶基板では六方晶系であるZnOの(0001)エピタキシャル薄膜は作製されないことが確認された。すなわち、a)のストリ−クの間隔から求めた面間隔の値から、a)は(102)面に、他方b)方向では強い3本線と弱い4本線からなる二成分の結晶配向からなっており、それぞれ(002)と(100)に同定された。
【0014】
更に、石英基板上に作製したZnO膜のRHEEDパターンを図7に示す。点状輝線からなっており、結晶方向依存性がないことから、結晶面内ではランダム配向した膜が生成していることが分かる。単結晶でなく非晶性である石英基板上に作製した膜では、このようにスポット状のパターンが観測され、膜を回転してもパターンは変わらない。前述のように、X線回折の結果はc軸配向膜である、つまり膜面垂直方向にc軸が立っていることを示している。このことを考え合わせると、この膜は膜面平滑度は良いが膜面内では配向は無い、つまりこの膜は無数の多結晶でできており、それらは面垂直方向にc軸を向けているが、膜面内では各結晶は無秩序に向いていることを示している。これは基板が非晶質ガラス(無定型)であることから当然予想される結果である。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、1)LAST、SrTiO 、LaAlO 等の立方晶系金属酸化物単結晶の(111)面を用いることにより、ZnOやTi 等の六方晶系物質及びそれらに他の元素を微量添加して半導体化した材料の(0001)エピタキシャル薄膜やそれらの多層積層薄膜の作製が可能となる、2)また、本発明の立方晶系に属する種々の酸化物の(111)単結晶基板を用いる単結晶成膜法により、ZnOやTi 等のエピタキシャル薄膜や多層積層薄膜を提供できるので、これまでの六方晶系であり絶縁体であるサファイア基板に限定される問題をブレークスルーできる、3)これにより、種々の電子・磁気・光学物性等の特性を有する立方晶系の酸化物基板及び六方晶系の膜物質、更には、それらに還元反応やドーピングにより伝導度や光学物性付与等ができるので、酸化物エレクトロニクスにおける諸物性を有する金属酸化物系等の物質の整合多層薄膜による電子素子化が可能となる、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化亜鉛等の六方晶系物質の結晶構造の概略図であり、a)は立体図、b)はc軸に沿っての投影図である(c軸方向に6回回転軸がある)。
【図2】立方晶系のa)立体図と、b)そのC3対称軸に垂直な面への投影図である(同面内には必然的に六回回転軸が生ずる)。
【図3】単結晶基板上に物質の単結晶薄膜や多層積層薄膜を作製するための一方法を示す概略図である。
【図4】a)LSAT(111)、b)LSAT(100)単結晶基板及びc)石英ガラス基板上に、Nd:YAGレーザの第4高調波を用いたパルスレーザアブレーション(PLA)蒸着法により作製した酸化亜鉛(ZnO) 薄膜のX線回折スペクトルである。
【図5】LSAT(111)単結晶基板上に、Nd:YAGレーザの第4高調波を用いたパルスレーザ蒸着方法により作製したZnO単結晶薄膜の反射型高速電子線回折(RHEED)写真であり、a)は(100)、b)は(110)面方向に同定された。
【図6】LSAT(100)単結晶基板上に、Nd:YAG第4高調波パルスレーザ蒸着方法により作製したZnO単結晶薄膜の反射型高速電子線回折(RHEED)写真であり、a)は(102)、b)は(002)と(100)に同定された。
【図7】石英ガラス基板上に、Nd:YAG第4高調波パルスレーザ蒸着方法により作製したZnO単結晶薄膜の反射型高速電子線回折(RHEED)写真である。

Claims (8)

  1. パルスレーザアブレーション蒸着手段を用いる成膜方法により、酸化物の立方晶系(111)面上に六方晶系物質の(0001)単結晶性薄膜を作製する方法であって、立方晶系酸化物の(111)単結晶基板を用いて、膜を作ろうとする物質の焼結したターゲットを真空チャンバー(容器)中にセットしておき、外部から光学窓を通してパルスレーザ光をそれに集光照射してターゲット物質を爆発的に分離剥離させて、それを対向する位置にあり電気ヒータにより一定温度に制御された基板ホルダー上の基板上に衝突させて、当該基板上に六方晶系結晶構造を持つ物質又は他の元素の微量添加により半導体化させた六方晶系結晶構造を持つ物質を成膜して六方晶系物質の(0001)エピタキシャル(単結晶性)薄膜を作製することを特徴とする単結晶性薄膜の作製方法。
  2. 請求項1に記載の単結晶性薄膜の作製方法を用い、ターゲットをチャンバー内のターゲットホルダーにセットしておき、ターゲット位置移動機構を使ってターゲットを順次にパルスレーザ照射位置へ移動させて、立方晶系酸化物の単結晶基板(111)面上に六方晶系物質又は他の元素の微量添加により半導体化させた六方晶系物質の(0001)薄膜を多層に積層することを特徴とする単結晶性多層積層薄膜の作製方法。
  3. 基板上に酸化亜鉛(ZnO)又は他の元素の微量添加により半導体化させた酸化亜鉛の(0001)エピタキシャル(単結晶性)薄膜を作製する、請求項1に記載の単結晶性薄膜の作製方法。
  4. 立方晶系酸化物の単結晶基板(111)面上に酸化亜鉛(ZnO)又は半導体化させた酸化亜鉛の(0001)薄膜を多層に積層する、請求項2に記載の単結晶性多層積層薄膜の作製方法。
  5. 請求項1に記載の単結晶性薄膜の作製方法により立方晶系酸化物基板(111)面上に成膜して作製したことを特徴とする、六方晶系結晶構造を持つ物質又は他の元素の微量添加により半導体化させた六方晶系結晶構造を持つ物質の(0001)単結晶性薄膜。
  6. 請求項2に記載の単結晶性多層積層薄膜の作製方法により立方晶系酸化物基板(111)面上に成膜して作製したことを特徴とする、六方晶系結晶構造を持つ物質又は他の元素の微量添加により半導体化させた六方晶系結晶構造を持つ物質の(0001)多層積層薄膜。
  7. 六方晶系結晶構造を持つ物質が、酸化亜鉛(ZnO)である、請求項5に記載の単結晶性薄膜。
  8. 六方晶系結晶構造を持つ物質が、酸化亜鉛(ZnO)である、請求項6に記載の多層積層薄膜。
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