JP3579664B2 - バックグラウンド計数率の推定方法及びこれを実施する測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックグラウンド計数率の推定方法及びこれを実施する測定装置に関する。更に詳述すると、本発明は、例えば放射能の測定時にその測定値から差し引いて放射能を正しく評価するのに用いるバックグラウンド計数率の推定方法、及びこれを実施するバックグラウンド計数率の測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射能を正確に測定するためには、バックグラウンドとなる放射線の影響を考慮する必要がある。このため、放射能を測定する場合には、放射線検出器の前に測定対象物を置いていない状態でバックグラウンド計数率を測定し、その後、放射線検出器の前に測定対象物を置いて放射能を測定し、放射能の測定値からバックグラウンド計数率を差し引いて放射能を評価する。
【0003】
バックグラウンドとなる放射線は測定対象物によっても散乱、吸収されるため、放射線検出器の前に測定対象物を置いた状態と置いていない状態とでは放射線検出器に入射するバックグラウンド放射線の数が異なる。測定対象物の放射能測定は当然の事ながら放射線検出器の前に測定対象物を置いた状態で行われるので、測定対象物を置いていない状態で計測したバックグラウンド計数率をそのまま使用することはできず、その値を補正して測定対象物を置いた状態のバックグラウンド計数率を推定する必要がある。
【0004】
従来の推定方法では、バックグラウンド計数率を補正するための関係式を繰り返し行った実験のデータから導き出し、この関係式を用いて、測定対象物が無い状態で測定したバックグラウンド計数率の補正を行っていた。つまり、放射線の遮蔽物を測定用容器(カゴ)に充填し、その充填密度と充填高さを変えながら放射線遮蔽物の有無によってバックグラウンド計数率がどの位変化するかを繰り返し測定する。そして、かかる測定によって得られた多数のデータから放射線遮蔽物の充填密度と、放射線遮蔽物の充填高さと、バックグラウンド計数率の変化の割合(補正係数)との関係を数式化する。そして、この関係式を用いて、測定対象物の密度とカゴに入れた場合の高さ寸法から補正係数を求め、この補正係数を使用して、測定対象物が無い状態のバックグラウンド計数率を補正し、これにより測定対象物がある場合のバックグラウンド計数率を推定していた。
【0005】
なお、測定対象物と形状,大きさ,密度等が同一で、しかも放射能を有していない模型を作成し、この模型を測定対象物の代わりに放射線検出器の前に置いた状態でバックグラウンド計数率を測定することで、補正の必要がないバックグラウンド計数率を求めることは可能ではある。しかしながら、この場合には、測定対象物毎に別々の模型を準備する必要があり、形状,大きさがそれぞれ異なる測定対象物への対応には不向きである。例えば原子力施設の解体廃棄物等の放射能を計測する場合には、様々な形状や大きさの廃棄物が混在することから廃棄物毎に模型を作成するのは現実には困難であり、多量に発生する解体廃棄物の放射能測定には適用し難く現実的な方法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の推定方法では、関係式の信頼性を向上させるためには実験を繰り返し行ってより多くのデータを採取する必要があり、関係式の信頼性の向上には限界があった。また、仮に十分な数のデータに基づいて関係式を作成したとしても、実験時にカゴへの放射線遮蔽物の充填の仕方にばらつきが生じる等により、データの一つ一つに誤差が生じる虞があり、やはり関係式の信頼性向上には限界があった。さらに、仮に関係式の信頼性を十分に確保できたとしても、その関係式は実験時の放射線遮蔽物と放射線検出器との位置関係(以下、実験時の位置関係という)に基づくものであり、放射能測定時に測定対象物と放射線検出器の位置関係が実験時の位置関係と異なると、バックグラウンド計数率を正しく補正することができなかった。
【0007】
本発明は、測定対象物に影響されるバックグラウンド計数率を精度良く求めることが可能なバックグラウンド計数率の推定方法及びこれを実施するバックグラウンド計数率の測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載のバックグラウンド計数率の推定方法は、測定対象物が無い状態で放射線検出器によってバックグラウンド計数を実際に測定しバックグラウンド計数率の実測値を求める実測工程と、放射線検出器の仮想三次元モデルを作成し、この仮想三次元モデルにバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率を求める第1のシミュレーション工程と、測定対象物の仮想三次元モデルと放射線検出器の仮想三次元モデルを実際の幾何学的位置関係と同じ位置関係で配置する仮想三次元モデルを作成し、この仮想三次元モデルにバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率を求める第2のシミュレーション工程と、第1のシミュレーション工程で求めたバックグラウンド計数率と第2のシミュレーション工程で求めたバックグラウンド計数率に基づいて補正係数を求める補正係数算出工程と、補正係数を用いて実測値を補正する補正工程を有するものである。
【0009】
放射線と物質の相互作用はある確率で発生するものであり、バックグラウンドとなる放射線と測定対象物の相互作用を擬似的に再現することで、測定対象物の有無によるバックグラウンド計数率の変化を求めることができる。即ち、放射線検出器の前に測定対象物がある状態と無い状態の仮想三次元モデルをそれぞれ作成し、それぞれの仮想三次元モデルについてバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数率を求めることで、測定対象物の有無によるバックグラウンド計数率の変化の割合を求めることができる。この変化の割合が補正係数である。仮想三次元モデルは実際の放射線検出器、測定対象物、これらの配置関係に基づいて作成されており、実際の状態に即したシミュレーションを行って補正係数を得ることができる。そして、この補正係数を用いて、測定対象物が無い状態で実際に測定したバックグラウンド計数率の実測値を補正することで、放射線検出器の前に測定対象物を置いた状態のバックグラウンド計数率を正確に推定することができる。
【0010】
また、請求項2記載のバックグラウンド計数率の推定方法は、第1及び第2のシミュレーション工程では、モンテカルロ計算手法を利用してシミュレーションを行うものである。
【0011】
モンテカルロ計算手法を利用することで、バックグラウンドとなる放射線の発生や消滅、測定対象物と放射線検出器の三次元的な形状や位置関係等を仮想的に再現し、バックグラウンドとなる放射線が放射線検出器に入射する様子や測定対象物によって散乱,吸収される様子をシミュレーションすることができる。シミュレーションによって求めたバックグラウンド計数率に基づいて補正係数を求め、バックグラウンド計数率の実測値を補正する。
【0012】
また、請求項3記載のバックグラウンド計数率の推定方法は、第2のシミュレーション工程よりも前に、測定対象物の重量を計測する重量計測工程を有し、第2のシミュレーション工程では測定対象物を中実品として仮想三次元モデルを作成し、且つ当該仮想三次元モデルの密度として測定対象物が中実品であるとして作成した仮想三次元モデルの体積と重量計測工程で計測した重量とに基づいて算出した見掛け密度を用いるものである。
【0013】
測定対象物の仮想三次元モデルを作成するには測定対象物の三次元形状を測定してデータ化する必要がある。その場合、測定対象物の外形形状のみの測定であれば比較的容易に行うことができる。例えば、パイプ形状の測定対象物については、外周面の形状測定は比較的容易であるのに対し、内周面の形状測定は比較的煩雑になる。かかる場合、測定対象物の外形形状のみを測定して仮想三次元モデルを作成することが実用的である。ただし、この場合には内側に空間がある中空品であっても内側に空間がない中実品としてモデル化されることになる。この場合、中空品をその内側の空間が全体にわたって均一に分散している中実品として考えれば良い。即ち、放射線の吸収、散乱に対しては、中空品の測定対象物を密度の小さい中実品の測定対象物として取り扱うことが可能である。
【0014】
この様な考え方に基づいて測定対象物の仮想三次元モデルを作成する場合、形状については外形形状のみをモデル化する。そして、作成した測定対象物の仮想三次元モデルの体積を求め、この体積と実際の測定対象物の重量から見掛け密度を算出し、測定対象物の仮想三次元モデルの密度として見掛け密度を使用する。これにより、測定対象物が中空品であっても中実品として取り扱うことができる。
【0015】
さらに、請求項4記載のバックグラウンド計数率の測定装置は、測定対象物から放出される放射線及びバックグラウンドとなる放射線を計数する放射線検出器と、測定対象物及び放射線検出器の表面の三次元的空間座標を取込みこれらの仮想三次元モデルを作成する三次元モデル化手段と、仮想三次元モデルを使用してバックグラウンドとなる放射線の発生をシミュレーションし放射線検出器の前に測定対象物が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率を擬似的に求めるシミュレーション手段と、シミュレーションして求めた測定対象物が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率から補正係数を算出する補正係数算出手段と、放射線検出器によるバックグラウンド計数率の実測値を補正係数により補正する補正手段を備えるものである。
【0016】
したがって、三次元モデル化手段によって擬似的に再現された放射線検出器の仮想三次元モデルと、放射線検出器の前に測定対象物を配置した仮想三次元モデルを利用して、シミュレーション手段がバックグラウンド放射線の発生をシミュレーションして放射線検出器の前に測定対象物が無い状態と有る状態のバックグラウンド計数率をそれぞれ求める。そして、シミュレーション手段が求めた2つのバックグラウンド計数率に基づいて補正係数算出手段が補正係数を算出する。この様にして求めた補正係数を使用して補正手段がバックグラウンド計数率の実測値を補正する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1に本発明のバックグラウンド計数率の推定方法の実施形態の一例を、図2に当該推定方法を実施するバックグラウンド計数率の推定装置の実施形態の一例を示す。バックグラウンド計数率の測定装置(以下、単に測定装置という)は、測定対象物11から放出される放射線及びバックグラウンドとなる放射線を計数する放射線検出器12と、測定対象物11及び放射線検出器12の表面の三次元的空間座標を取込みこれらの仮想三次元モデル13,14を作成する三次元モデル化手段20と、測定対象物11の仮想三次元モデル13と放射線検出器12の仮想三次元モデル14を使用してバックグラウンドとなる放射線の発生をシミュレーションし測定対象物11が在る状態(図3)と無い状態(図4)のバックグラウンド計数率を擬似的に求めるシミュレーション手段21と、シミュレーションして求めた測定対象物11が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率から補正係数を算出する補正係数算出手段22と、放射線検出器12によるバックグラウンド計数率の実測値を補正係数により補正する補正手段23を備えている。
【0019】
なお、本実施形態では、少なくとも1つのCPUやMPUなどの中央演算装置24と、データの入出力を行うインターフェース25と、プログラムやデータを記憶するメモリ26を備えるコンピュータ27と所定の制御ないし演算プログラムによって、三次元モデル化手段20、シミュレーション手段21、補正係数算出手段22、補正手段23を実現している。即ち、中央演算装置24は、メモリ26に記憶されたOS等の制御プログラム、バックグラウンド計数率の推定方法などの手順を規定したプログラム及び所要データ等により、上記三次元モデル化手段20、シミュレーション手段21、補正係数算出手段22、補正手段23を実現している。また、コンピュータ27には、例えばCRTディスプレイやプリンター等の出力装置28が接続されている。
【0020】
放射線検出器12としては、例えばγ線を計測するプラスチックシンチレーション検出器が使用可能である。例えば、40cm(奥行き)×40cm(幅)×5cm(厚さ)の大きさのプラスチックシンチレーション検出器を2台並べて使用する。放射線検出器12の両側は壁板16により覆われており、上方は天板17により覆われている。このため、測定対象物11の出し入れは壁板16と天板17の前後の開口から行われる。壁板16及び天板17は例えば鉛製の板であり、放射線を遮蔽する。したがって、バックグラウンドとなる放射線は、主に壁板16及び天板17の前後の開口より放射線検出器12に入射する。放射線検出器12による計数データはインターフェース25を介してコンピュータ27に入力される。
【0021】
また、この測定装置は、測定対象物11等の表面形状を測定し三次元的空間座標として取込む三次元形状計測装置29を備えている。三次元形状計測装置29としては、例えば測定対象物11の表面の空間座標を点群データとして検出し三次元形状を計測するものが本実施形態では使われている。この三次元形状計測装置29は、非接触式の三次元レーザースキャナで、レーザー光を測定対象物11に当てて表面を走査させると共にその散乱光を集光レンズによりCCDへ結像させ、CCD結像位置をカウンター値として入力し、三角測量の原理にて距離データに変換するものである。レーザー投光部と受光部の光軸をガルバノミラーで高速に走査することにより、多ポイントの点群データを得ることができる。この三次元形状計測装置29によって測定された測定対象物11の三次元座標は、コンピュータ27にインターフェース25を介して入力される。具体的には、例えば、パルステック工業株式会社製「三次元スキャナーTDS3100」を用いて測定対象物11の表面の空間座標を高速に検出し三次元的空間座標データとして得ることができる。
【0022】
また、この測定装置は、測定対象物11の重量を測定する計量器31を備えている。この計量器による測定結果はインターフェース25を介してコンピュータ27の三次元モデル化手段20に入力される。
【0023】
次に、バックグラウンド計数率の推定方法(以下、単に推定方法という)について説明する。この推定方法は、測定対象物11が無い状態で放射線検出器12によってバックグラウンド計数を実際に測定しバックグラウンド計数率の実測値X0を求める実測工程S2と、放射線検出器12の仮想三次元モデル14を作成し、この仮想三次元モデル14にバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率X1を求める第1のシミュレーション工程S3と、測定対象物11の仮想三次元モデル13と放射線検出器12の仮想三次元モデル14を実際の幾何学的位置関係と同じ位置関係で配置する仮想三次元モデル30を作成し、この仮想三次元モデル30にバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率X2を求める第2のシミュレーション工程S4と、第1のシミュレーション工程S3で求めたバックグラウンド計数率X1と第2のシミュレーション工程S4で求めたバックグラウンド計数率X2に基づいて補正係数を求める補正係数算出工程S5と、補正係数を用いて実測値を補正する補正工程S6を有するものである。
【0024】
本実施形態では、第1及び第2のシミュレーション工程S3,S4では、モンテカルロ計算手法を利用してシミュレーションを行うようにしている。また、第2のシミュレーション工程S4よりも前に、測定対象物11の重量を計測する重量計測工程S1を有し、第2のシミュレーション工程S4では測定対象物11を中実品として仮想三次元モデル13を作成し、且つ当該仮想三次元モデル13の密度として測定対象物11が中実品であるとして作成した仮想三次元モデル13の体積と重量計測工程S1で計測した重量とに基づいて算出した見掛け密度を用いるようにしている。
【0025】
より詳細に説明する。重量計測工程S1では、例えば計量器31を使用して測定対象物11の重量Wを測定する。
【0026】
実測工程S2では、放射線検出器12を使用して測定対象物11が無い状態のバックグラウンド計数を測定し、バックグラウンド計数率の実測値X0を求める。
【0027】
次の第1のシミュレーション工程S3と第2のシミュレーション工程S4では、バックグラウンドとなる放射線が放射線検出器12に計数される現象を、コンピュータ上で実施される三次元モンテカルロ計算手法を利用してシミュレーションすることで、擬似的にバックグラウンド計数率を求めている。
【0028】
そのため、先ず第1のシミュレーション工程S3では、放射線検出器12を三次元モンテカルロ計算コードに適したフォーマットで表現するいわゆる三次元モデル化を行っている。即ち、第1のシミュレーション工程S3では、先ず三次元形状計測装置29によって放射線検出器12の三次元的な形状を計測し、この三次元座標データを三次元モデル化手段20に入力し、例えば図4(B)に概念的に示すように放射線検出器12の仮想三次元モデル14を仮想三次元空間に仮想的に再現する。また、本実施形態では、放射線検出器12の周囲を壁板16と天板17で覆っているので、壁板16と天板17についても三次元的な形状を三次元形状計測装置29によって計測し、これらの三次元座標データを三次元モデル化手段20に入力し、壁板16と天板17の仮想三次元モデル18,19を放射線検出器12の仮想三次元モデル14が再現されている仮想三次元空間に実際の放射線検出器12と同じ位置関係で配置する。
【0029】
そして、放射線検出器12と壁板16と天板17の仮想三次元モデル14,18,19を三次元モンテカルロ計算コードのフォーマットで表現し、入力ファイルを作成する(三次元モデル化)。この入力ファイルには、少なくとも放射線検出器12の形態、壁板16の形態、天板17の形態、その他の空間の媒質の形態についてのデータが記録される。放射線検出器12の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。壁板16の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。天板17の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。その他の空間の媒質の形態としては、例えば真空か空気が存在するか等である。
【0030】
なお、測定対象物11の形状等が毎回変わっても、放射線検出器12と壁板16と天板17の三次元形状に関するデータは変わらないため、三次元形状計測装置29による放射線検出器12と壁板16と天板17の計測を毎回行う必要はなく、先にあるいは予め入力されている三次元データを利用して毎回計測し入力する手間を省くことができる。この場合、三次元形状のデータ取得及び入力の時間を短縮できる。
【0031】
次に、三次元モンテカルロ計算手法を利用して、放射線検出器12と壁板16と天板17の仮想三次元モデル14,18,19の周囲にバックグラウンドとなる放射線を仮想的に発生させ、発生させた放射線のうち放射線検出器12の仮想三次元モデル14に入射したものをカウントして計数を求める。
【0032】
仮想的に発生させる放射線は、放射線検出器12の設置場所のバックグラウンド放射線を模擬して発生させる。バックグラウンドとなる放射線の主なものは透過性の強いγ線である。したがって、仮想放射線としてγ線を発生させる。また、バックグラウンドには様々な強さの放射線が含まれている。したがって、例えば、コンクリートの壁に囲まれた部屋に放射線検出器12を設置する場合には、バックグラウンド放射線として、コンクリートから放射される主な強さの放射線を再現する。例えば、コンクリートから放射されるγ線の主なものとしては、カリウム40による1460KeVのγ線、鉛214による295KeVと352KeVのγ線、ビスマス214による609KeV,1120KeV,1765KeV,2204KeVのγ線、タリウム208による2614KeVのγ線があり、これらは所定の確率で発生するので、シミュレーションではこれらのエネルギーのγ線を所定の確率で仮想的に発生させる。
【0033】
仮想的に発生させる放射線は、放射線検出器12と壁板16と天板17の仮想三次元モデル14,18,19の周囲に球殻15を想定してこの球殻15から発生させる。球殻15から発生させた仮想放射線は、壁板16や天板17等の周囲の物質中、壁板16中、天板17中等を進む際、散乱されたり吸収されたり、あるいは二次的な放射線を発生させたりする。このような放射線と物質の相互作用はある確率で発生するものであり、この現象を近似して数学的なモデルで表すことができる。三次元モンテカルロ計算コードを使用することで、コンピュータを利用してバックグラウンドとなる放射線の発生と挙動をシミュレーションすることができる。したがって、バックグラウンドとなる放射線が放射線検出器12にどれだけ入射するか、即ち、放射線検出器12の仮想三次元モデル14による計数を擬似的に求めることができる。そして、この計数値からバックグラウンド計数率X1を求める。
【0034】
なお、三次元モンテカルロ計算コードとしては、例えば米国ロスアラモス国立研究所で開発された公開コードであるMCNPコードの使用が可能である。
【0035】
この様に第1のシミュレーション工程S3では放射線検出器12の前に測定対象物11を置いていない状態をシミュレーションする。これに対し、第2のシミュレーション工程S4では、放射線検出器12の前に測定対象物11を置いた状態をシミュレーションする。つまり、第1のシミュレーション工程S3では、図4(B)に示すように、放射線検出器12の仮想三次元モデル14の前に測定対象物11の仮想三次元モデル13を配置していない仮想三次元モデル32を使用してシミュレーションを行っていたが、第2のシミュレーション工程S4では、図3(B)に示すように、放射線検出器12の仮想三次元モデル14の前に測定対象物11の仮想三次元モデル13を配置した仮想三次元モデル30を使用してシミュレーションを行う。なお、第1のシミュレーション工程S3と同一の処理についての詳しい説明は省略する。
【0036】
第2のシミュレーション工程S4では、放射線検出器12と測定対象物11を三次元モンテカルロ計算コードに適したフォーマットで表現するいわゆる三次元モデル化を行っている。即ち、第2のシミュレーション工程S4では、三次元形状計測装置29によって測定対象物11の三次元的な形状を計測し、この三次元座標データを三次元モデル化手段20に入力し、例えば図3(B)に概念的に示すように測定対象物11の仮想三次元モデル13を仮想三次元空間に仮想的に再現する。
【0037】
このとき、実際の測定対象物11と放射線検出器12の幾何学的な位置関係と同じ位置関係で測定対象物11の仮想三次元モデル13を作成する。また、たとえ測定対象物11がパイプ等の中空品であっても、その内側や内部に空間が無い中実品として仮想三次元モデル13を作成する。即ち、三次元形状計測装置29は測定対象物11の表面形状を測定し三次元的空間座標として取込むのものであるため、測定対象物11の内周面や内部空間等の形状に関するデータを取り込んでいない。このため、三次元モデル化手段20は作成した測定対象物11の仮想三次元モデル13の体積Vを計算すると共に、この体積Vと重量計測工程S1で測定した重量Wとで見掛け密度(W/V)を計算し、測定対象物11の仮想三次元モデル13の密度として見掛け密度(W/V)を使用する。測定対象物11の仮想三次元モデル13の密度として見掛け密度(W/V)を使用することで、中空品を中実品として取り扱うことが可能になる。なお、放射線検出器12,壁板16、天板17についてのデータは、第1のシミュレーション工程S3で使用したデータを使用する。
【0038】
なお、本実施形態では、三次元形状計測装置29によって測定対象物11を上方から形状計測するので、上方からみた測定対象物11の形状において輪郭になる部分(以下、輪郭部分という)よりも下側の部分の形状を計測することはできない。このため、輪郭部分よりも下側の部分を輪郭部分と同形状であるとして仮想三次元モデル13を作成している。
【0039】
そして、測定対象物11と放射線検出器12と壁板16と天板17の仮想三次元モデル13,14,18,19を三次元モンテカルロ計算コードのフォーマットで表現し、入力ファイルを作成する(三次元モデル化)。この入力ファイルには、少なくとも測定対象物11の形態、放射線検出器12の形態、壁板16の形態、天板17の形態、その他の空間の媒質の形態についてのデータが記録される。測定対象物11の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。放射線検出器12の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。壁板16の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。天板17の形態としては、例えば三次元形状、組成、密度等である。その他の空間の媒質の形態としては、例えば真空か空気が存在するか等である。
【0040】
そして、第1のシミュレーション工程S3と同様に第2のシミュレーション工程S4でもバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させて放射線検出器12の前に測定対象物11を置いた状態のシミュレーションを行い、バックグラウンド計数率X2を求める。
【0041】
補正係数算出工程S5では、第1のシミュレーション工程S3で求めたバックグラウンド計数率X1と第2のシミュレーション工程S4で求めたバックグラウンド計数率X2に基づいて補正係数を求める。放射線検出器12の前に測定対象物11を置いていない状態ではバックグラウンド放射線は測定対象物11によって遮蔽されることはないが、測定対象物11の放射能を測定するためにこの測定対象物11を放射線検出器12の前に置くと、バックグラウンド放射線の一部が測定対象物11によって遮蔽される。このため、第1のシミュレーション工程S3で求めたバックグラウンド計数率X1と、第2のシミュレーション工程S4で求めたバックグラウンド計数率X2(X2<X1)とは異なる値になる。実際の放射線測定でも、シミュレーションと同じ割合でバックグラウンド計数率が変化すると考えられる。したがって、補正係数はX2/X1となる。
【0042】
補正工程S6では、バックグラウンド計数率の実測値X0を補正係数(X2/X1)を用いて補正する。シミュレーションの結果、放射線検出器12の前に測定対象物11が在るか無いかでバックグラウンド計数率が(X2/X1)の割合で減少することがわかり、実測値X0×補正係数(X2/X1)によって測定対象物11を放射線検出器12の前に置いた場合のバックグラウンド計数率Xが求まる。
【0043】
この様にして求めたバックグラウンド計数率Xは、例えば測定対象物11の放射能を測定する場合に使用される。いま、測定対象物11の放射能を放射線検出器12で測定した場合の計数率がAである場合には、A−Xが測定対象物11から放出された放射線に起因する正味の計数率になる。
【0044】
このように、本発明では、シミュレーションによって補正係数を求め、この補正係数を利用してバックグラウンド計数率を補正するので、測定対象物11による遮蔽を考慮したバックグラウンド計数率Xを簡単且つ迅速に求めることができる。しかも、放射線と物質の相互作用を正確にシミュレーションすることは可能であり、実際の状態に即した補正係数を求めることができ、測定対象物11による遮蔽を考慮したバックグラウンド計数率Xを精度良く求めることができる。
【0045】
特に測定対象物11の放射能が低い場合には、バックグラウンド計数率Xの精度(正確性)が放射能の測定結果の精度に大きく影響する。本発明では、バックグラウンド計数率Xを精度良く求めることができるので、測定対象物11の放射能が低い場合にも放射能を精度良く測定することが可能になる。
【0046】
例えば原子炉の廃止措置では廃棄物が多量に発生する。この廃棄物を処分するには廃棄物の放射能を測定してクリアランスレベル(放射能レベルが低く放射性物質としての規制を除外できる放射能濃度区分値)を検認する必要がある。原子炉の廃止措置で発生する廃棄物の形状や大きさは様々であり、廃棄物毎に遮蔽するバックグラウンド放射線の線量、即ち放射線検出器によってカウントされるバックグラウンド計数は異なる。したがって、廃棄物毎にバックグラウンド計数率を求める必要がある。特に、原子炉の廃止措置で発生する放射性廃棄物の多くは低レベルの放射性廃棄物であるので、バックグラウンド計数率を正確に求めることが重要である。本発明では測定対象物11の形状や大きさ等に制約されることなくバックグラウンド計数率を簡単且つ迅速に求めることができ、しかも精度良く求めることができるので、特に原子炉の廃止措置で発生する廃棄物の放射能測定に適している。即ち、多量に発生する低レベルの放射性廃棄物の放射能測定を迅速に行うためにはバックグラウンド計数率を簡単,迅速に且つ精度良く求める技術が不可欠であり、本発明によって多量の低レベルの放射性廃棄物の放射能測定を正確に且つ迅速に行うことが可能になる。
【0047】
また、第2のシミュレーション工程S4では、たとえ測定対象物11がパイプ等の中空品であっても中実品として仮想三次元モデル13を作成しているので、測定対象物11の形状計測としてその表面形状(外側の形状)を計測すれば足り、煩雑な形状計測となる内面形状の計測を行う必要がないので、簡単且つ迅速に仮想三次元モデル13を作成することができる。しかも、この様に仮想三次元モデル13を簡単且つ迅速に作成できるにもかかわらず、仮想三次元モデル13の密度として見掛け密度(W/V)を使用しているので、たとえ測定対象物11が中空品であっても、仮想放射線に対して中実品と同様に取り扱うことが可能になり、シミュレーションを正確に行うことができる。
【0048】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、測定対象物11の仮想三次元モデル13を作成する場合に測定対象物11の表面形状のみを測定し、たとえ測定対象物11が中空品であっても中実品として仮想三次元モデル13を作成していたが、測定対象物11の表面形状に加えて内側形状も測定し、測定対象物11が中空品である場合には中空品として仮想三次元モデル13を作成するようにしても良い。
【0049】
また、上述の説明では、測定対象物11の仮想三次元モデル13を作成する場合に仮想三次元モデル13の密度として見掛け密度を使用していたが、必ずしも見掛け密度を使用しなくても良いことは勿論である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載のバックグラウンド計数率の推定方法では、測定対象物が無い状態で放射線検出器によってバックグラウンド計数を実際に測定しバックグラウンド計数率の実測値を求める実測工程と、放射線検出器の仮想三次元モデルを作成し、この仮想三次元モデルにバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率を求める第1のシミュレーション工程と、測定対象物の仮想三次元モデルと放射線検出器の仮想三次元モデルを実際の幾何学的位置関係と同じ位置関係で配置する仮想三次元モデルを作成し、この仮想三次元モデルにバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率を求める第2のシミュレーション工程と、第1のシミュレーション工程で求めたバックグラウンド計数率と第2のシミュレーション工程で求めたバックグラウンド計数率に基づいて補正係数を求める補正係数算出工程と、補正係数を用いて実測値を補正する補正工程を有しているので、放射線検出器の前に測定対象物を置いた場合のバックグラウンド計数率を簡単且つ迅速に、そして精度良く求めることができる。特に、測定対象物の形状等に制限されずにシミュレーションすることができるので、様々な形状や大きさの測定対象物について多量に放射能測定を行う場合等にバックグラウンド計数率を求めるのに適している。
【0051】
この場合、請求項2記載のバックグラウンド計数率の推定方法のように、第1及び第2のシミュレーション工程では、モンテカルロ計算手法を利用してシミュレーションを行うことが好ましい。
【0052】
また、請求項3記載のバックグラウンド計数率の推定方法では、第2のシミュレーション工程よりも前に、測定対象物の重量を計測する重量計測工程を有し、第2のシミュレーション工程では測定対象物を中実品として仮想三次元モデルを作成し、且つ当該仮想三次元モデルの密度として測定対象物が中実品であるとして作成した仮想三次元モデルの体積と重量計測工程で計測した重量とに基づいて算出した見掛け密度を用いるようにしているので、たとえ測定対象物が中空品であっても中実品として仮想三次元モデルを作成することができる。このため、測定対象物の仮想三次元モデルを簡単且つ迅速に作成することができる。
【0053】
さらに、請求項4記載のバックグラウンド計数率の測定装置では、測定対象物から放出される放射線及びバックグラウンドとなる放射線を計数する放射線検出器と、測定対象物及び放射線検出器の表面の三次元的空間座標を取込みこれらの仮想三次元モデルを作成する三次元モデル化手段と、仮想三次元モデルを使用してバックグラウンドとなる放射線の発生をシミュレーションし放射線検出器の前に測定対象物が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率を擬似的に求めるシミュレーション手段と、シミュレーションして求めた測定対象物が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率から補正係数を算出する補正係数算出手段と、放射線検出器によるバックグラウンド計数率の実測値を補正係数により補正する補正手段を備えているので、放射線検出器の前に測定対象物を置いた場合のバックグラウンド計数率を簡単且つ迅速に、そして精度良く求めることができる。特に、測定対象物の形状等に制限されずにシミュレーションすることができるので、様々な形状や大きさの測定対象物について多量に放射能測定を行う場合等にバックグラウンド計数率を求めるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したバックグラウンド計数率の推定方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明を適用したバックグラウンド計数率の測定装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図3】放射線検出器と測定対象物の位置関係を示す概念図で、(A)は実際の幾何学的位置関係を示す概念図、(B)は仮想的に3次元モデル化した位置関係を示す概念図である。
【図4】放射線検出器を示す概念図で、(A)は実際の様子を示す概念図、(B)は仮想的に3次元モデル化した様子を示す概念図である。
【符号の説明】
11 測定対象物
12 放射線検出器
13 測定対象物の仮想三次元モデル
14 放射線検出器の仮想三次元モデル
S1 重量計測工程
S2 実測工程
S3 第1のシミュレーション工程
S4 第2のシミュレーション工程
S5 補正係数算出工程
S6 補正工程
Claims (4)
- 測定対象物が無い状態で放射線検出器によってバックグラウンド計数を実際に測定しバックグラウンド計数率の実測値を求める実測工程と、前記放射線検出器の仮想三次元モデルを作成し、この仮想三次元モデルにバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率を求める第1のシミュレーション工程と、前記測定対象物の仮想三次元モデルと前記放射線検出器の仮想三次元モデルを実際の幾何学的位置関係と同じ位置関係で配置する仮想三次元モデルを作成し、この仮想三次元モデルにバックグラウンドとなる仮想放射線を発生させてバックグラウンド計数を擬似的に測定し擬似的なバックグラウンド計数率を求める第2のシミュレーション工程と、前記第1のシミュレーション工程で求めたバックグラウンド計数率と前記第2のシミュレーション工程で求めたバックグラウンド計数率に基づいて補正係数を求める補正係数算出工程と、前記補正係数を用いて前記実測値を補正する補正工程を有することを特徴とするバックグラウンド計数率の推定方法。
- 前記第1及び第2のシミュレーション工程では、モンテカルロ計算手法を利用してシミュレーションを行うことを特徴とする請求項1記載のバックグラウンド計数率の推定方法。
- 前記第2のシミュレーション工程よりも前に、前記測定対象物の重量を計測する重量計測工程を有し、前記第2のシミュレーション工程では前記測定対象物を中実品として仮想三次元モデルを作成し、且つ当該仮想三次元モデルの密度として前記測定対象物が中実品であるとして作成した仮想三次元モデルの体積と前記重量計測工程で計測した重量とに基づいて算出した見掛け密度を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のバックグラウンド計数率の推定方法。
- 測定対象物から放出される放射線及びバックグラウンドとなる放射線を計数する放射線検出器と、前記測定対象物及び放射線検出器の表面の三次元的空間座標を取込みこれらの仮想三次元モデルを作成する三次元モデル化手段と、前記仮想三次元モデルを使用してバックグラウンドとなる放射線の発生をシミュレーションし前記放射線検出器の前に測定対象物が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率を擬似的に求めるシミュレーション手段と、シミュレーションして求めた測定対象物が在る状態と無い状態のバックグラウンド計数率から補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記放射線検出器によるバックグラウンド計数率の実測値を前記補正係数により補正する補正手段を備えることを特徴とするバックグラウンド計数率の測定装置。
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