JP3579639B2 - Signal processing method, apparatus and program recording medium - Google Patents
Signal processing method, apparatus and program recording medium Download PDFInfo
- Publication number
- JP3579639B2 JP3579639B2 JP2000251312A JP2000251312A JP3579639B2 JP 3579639 B2 JP3579639 B2 JP 3579639B2 JP 2000251312 A JP2000251312 A JP 2000251312A JP 2000251312 A JP2000251312 A JP 2000251312A JP 3579639 B2 JP3579639 B2 JP 3579639B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- attack
- frequency
- signal
- band
- band signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Stereophonic System (AREA)
- Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
- Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば音楽鑑賞の際、音響信号と共に、加振器等の振動を外部に伝える振動体を耳介もしくは身体の一部に接触させて振動感覚を得ることで、迫力等を増すこと、また、聴覚障害者の聴覚情報の欠落を補うことを目的としたヘッドホンなどの音響機器などに適用され、特に入力音響信号に対し部分的に強調するようにした信号処理方法、その装置及びプログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
音楽等を受聴する際、音楽信号を「耳で聞く」だけでなく、皮膚感覚で体感するために、加振器等をヘッドホンなどに内蔵して、その振動を外部に伝える振動体(加振器)を耳介もしくは身体の一部に接触させる音響装置は多数提案されている。図10は、この種の従来技術の一例を示している。CDプレイヤやMDプレイヤ等のステレオ信号再生装置100の左、右出力信号をそれぞれラウドスピーカ駆動信号と加振器駆動信号に分岐する。その左、右ラウドスピーカ駆動信号は、それぞれ左、右音量調整器101L,101Rで音量を調整された後、左、右ラウドスピーカ駆動用増幅器102L,102Rで増幅され、左、右のラウドスピーカ106L,106Rに入力される。一方、左、右加振器駆動信号は、それぞれ左、右低域通過フィルタ103L,103Rで振動皮膚感覚に寄与しない高周波数帯域信号を遮断された後、左、右振動量調整器104L,104Rで左、右加振器107L,107Rに送られる信号の大きさが調整された後、左、右加振器駆動用増幅器105L,105Rで増幅した信号が左、右加振器107L,107Rに送られ、ラウドスピーカ106L,106R、加振器107L,107Rを内蔵するヘッドホン筐体108L,108Rをそれぞれ加振器107L,107Rが揺らすことで耳介付近の皮膚に振動感覚を伝達する。ここで、加振器107L,107Rの最低共振周波数(以下、f0と称する)は、有効な振動感覚が得られる様に100Hz以下であることが多い。
【0003】
さらに振動感覚には定位は生じにくいため、ステレオ信号を混合しモノラルにして、同じ信号を左右の加振器107L,107Rに送ってもよい。
このような方法により、音楽信号に含まれる重低音信号(主に100Hz以下)の信号に同期した振動感覚を付加することが可能になり、迫力ある音楽再生、あるいは聴覚障害者が利用した場合、聞こえの欠落を補う効果が期待できる。
しかし、上記のように単にその信号の重低域成分によって振動感覚を得ようとすれば、必ずしも心地よい振動感覚が得られる保証はない。例えば重低音域での定常的な信号による連続的振動は、しばしば不快感を感じることがある。また、原信号に加振器のf0付近の周波数成分が含まれていなければ十分な振動感覚を得ることは出来ない。特に聴覚障害者の聴覚情報の欠落を振動感覚で補う目的のためにはこれでは不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の一つ目の目的は、不快な定常的振動を抑制し、主に音楽のリズムを強調することができる信号処理方法、その装置及びプログラム記録媒体を提供することにある。
この発明の二つ目の目的は、入力原信号に加振器のf0付近の重低音成分が含まれていないとき、有効な振動成分を生成することができる音響信号処理方法、その装置及びプログラム記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、入力信号の立上りが急激な部分をアタック部分として検出し、そのアタック部分を強調する。
このアタック部分を検出し、強調(アタック強調)を基本とし、音響信号を複数の周波数帯域に分割し、その各帯域信号に対して、上記アタック部分検出、強調を行う。ただし、分割された複数の周波数帯域信号中の、所定周波数、つまり加振器のf0以上の帯域信号に対しては、各帯域信号をf0付近の帯域に周波数シフトし、その周波数シフトされた帯域信号に対し、アタック強調する。また、所定周波数以下の帯域信号に対してアタック強調が行われると、アタック強調され、かつ周波数シフトされた帯域信号が軽視されるように、アタック強調され、かつ周波数シフトされた帯域信号に対し重み付けを行う、これら処理された各帯域信号を合成する。
作用
入力された音楽信号を複数の周波数帯域に分割する。分割した帯域のうち、加振器のf0付近よりも高域の各帯域においては、例えば400Hz付近の帯域を1/4にシフトダウンして100Hz信号を合成するなどしてf0付近まで周波数シフトする。次に各帯域ごとにエンベロープもしくは瞬時パワーとその平均値を計算し、その比、もしくは差を取ることで信号の変動の大きさ、アタック係数を算出する。次にアタック係数から、各帯域ごとに信号のアタック部分、すなわち立ち上がりの急激な部分を強調し、定常な部分を抑圧するための係数、アタック強調係数を算出する。次に、アタック強調係数を各帯域の信号に乗算し、さらに加振器のf0付近の帯域信号の有無等に応じて、各帯域に重み係数を乗じて、全ての帯域を加算、再合成する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明の実施例を示し図10と対応する部分に同一符号を付けてある。図1に示す通り、この発明による信号処理部110L,110Rが、この例では図10に示した従来技術における低域通過フィルタ103L,103Rの部分に設けられる。信号処理部110L,110Rは同一構成であり、その実施例を図2に示す。
【0007】
入力端子200から入力された音楽信号を複数の帯域通過フィルタ201で複数の帯域信号に分割する。例えばf0が100Hzの時、中心周波数が63Hz,125Hz,250Hz,500Hzの各帯域通過フィルタにて分割する。このとき、加振器107のf0よりも低い周波数帯域成分と高い周波数帯域成分で処理方法が異なる。まず、f0よりも低い周波数帯域成分の処理を説明する。
これらの帯域信号の処理は、そのf0以下の帯域通過フィルタ201Lよりの通過成分についてアタック強調係数計算部203においてアタック強調係数を計算し、その係数を、帯域通過フィルタ201Lを通過した成分に乗算器206で乗算し、その乗算出力信号を加算器207へ送る。また、アタック強調係数計算部203の計算結果より、高域成分重み係数計算部204において高域成分の重み係数を計算する。高域成分の重み係数については後で説明する。
【0008】
次に加振器107のf0よりも高い周波数帯域成分の処理方法を説明する。これらの高い周波数帯域成分は、そのまま加振器107に送られても十分な振動感覚を得ることは出来ない。よって、これらの帯域の成分は加振器107のf0付近まで周波数シフトする。つまり帯域通過フィルタ201Hを通過した成分を周波数シフト器202で周波数シフトする。このとき、高い周波数帯域成分ほど、大きなシフト幅が必要であり、これら全てのf0より高い周波数帯域成分を加振器107のf0付近まで周波数シフトする。前記数値例では中心周波数125Hz,250Hz,500Hzの各帯域信号をそれぞれ周波数を1/2,1/2,1/4とする。このようにしてあらゆる入力信号に対して、加振器107を有効に駆動することを可能とする。
【0009】
周波数シフトした成分に対し、アタック強調係数を計算、乗算するところは加振器107のf0よりも低い周波数帯域成分に対する処理と同じである。アタック強調係数の計算は周波数シフト前の帯域通過信号又は周波数シフトされた帯域信号を用いて行う。何れにしても帯域信号中の急激な立上りを検出できる係数を計算すればよい。乗算器206でアタック強調係数を乗算した各帯域処理成分に前述の高域成分重み係数計算部204で計算した高域成分重み係数を乗算器208で乗算し、加算器207へ送る。
【0010】
加算器207で各帯域成分についての処理信号を加算し、出力端子205から出力する。
次にアタック強調係数計算部203の具体例を図3を用いて説明する。以下では入力信号は例えば22kHzで標本化されたデジタル信号であるとする。
入力端子300には各帯域通過成分(信号)が入力される。まず実効値計算部301でその入力成分(信号)の瞬時実効値rmsを計算する。この計算は実効値の定義通り二乗平均値の平方根を計算しても良いし、簡易な方法として絶対値の短時間平均を計算しても良い。これら実効値と絶対値の短時間平均値との両者を含めて短時間平均値rmsと記す。この短時間平均値は数十ミリ秒の平均であり、いわゆる処理フレームである。この短時間平均値rmsは長時間平均化部302に送られ、短時間平均値rmsの長時間平均化実効値avrが計算される。この平均化の方法には、例えば重み付き移動平均法などがある。この平均時間は数百ミリ秒乃至数秒である。これらrmsとavrはアタック係数計算部303に送られ、アタック係数akcが計算される。
【0011】
akcは、平均的な信号の大きさからの瞬時の大きさの差異の尺度を表わすもので次式の計算方法が考えられる。
akc=rms/(avr+ε) (1)
akc=rms−avr (2)
ここでεはその帯域信号が小さいときにアタック係数が過度に大きくなるのを防ぐための小さな正の実数である。要はrmsとavrとの差異に基づいてakcを求める。
【0012】
このアタック係数akcからアタック強調係数計算部304において、アタック強調係数gを算出する。アタック係数akcが大きいほど強調係数gも大きくなる関数を選ぶ、例えば(1)式のakcを用いる場合を例にすると図4に示すようになる。横軸は20log10akc、縦軸は20log10gを表している。(1)式の計算方法において、akcが1より大きいときには、信号の平均的な大きさよりもその瞬時の大きさが大きいことを意味する。そして、akcが大きいほど、信号の立上りは速いことになる。よって、akcが1以上(20log10akc≧0)の時にgを1以上(20log10g≧0)、akcが1より小さい時(20log10akc<0)にgを1より小さくする(20log10g<0)ことで、アタック部分を強調するための係数が得られる。つまりこの例ではakcが1以上でアタック部の利得を増大して強調し、かつakcが1以下では、利得を下げてつまりアタック部以外を抑圧する。このakcからgを求めることは、図4の場合は実線の折線の3つの線分部分についての関数にakcを代入してそれぞれgを演算して求めてもよく、あるいはakcとgとの対応のテーブルを作っておき、akcでそのテーブルを参照してgを求めてもよい。またakcとしては図5中破線で示すようにakc≧1でg=1とし、akc<1でgを1以下として、アタック部分以外を抑圧することにより結果としてアタック部分を強調してもよい。あるいは、図4中に1点鎖線で示すように、akc≧1で利得を増大させアタック部分を強調し、akc<1でg=1とし、つまりアタック部分以外では利得を1としてもよい。
【0013】
このgの値は、瞬時に大きく変動してしまうため、そのまま帯域処理信号(成分)に乗算すると、信号が不連続になり自然性を損ねたり、異音を生じてしまうことがある。そこで、スムージング部305において、gがなめらかに変動するようにする。その処理結果をgsとすると、例えば、
gs=gs′+δ×(g−gs′) (3)
を演算する。gs′は一時刻前のgs,δは変動の滑らかさを決める1以下0より大きな係数で、小さいほどなめらかに変動する。アタックを強調するのが目的であるから、gがgs′よりも大きいときには1、もしくはそれに近い大きな値にδを設定し、gs′よりもgが小さな時には小さなδに設定することが有効である。このgs>gの時のδの設定でその帯域信号中の定常な信号をどのくらいの速さで抑圧するかを調整することが可能となる。
【0014】
例えばスムージング部305内において大小判定部305aによりg>gs′か否かの判定を行い、g>gs′ならばδ≒1を出力し、g>gs′でないならば小さなδ値、例えば0.1を出力し、この大小判定部305aで出力されたδを用いて(3)式を計算して、gsを出力する。このδの値、特にg>gs′でない場合は、アタック部分を強調した後、その後の部分をどの程度の速度で抑圧するかは利用者の好みもあるため、スムージング部305にδ設定部306を設けて、g>gs′でない時のδの値、場合によってはg>gs′の時のδの値も設定できるようにされている。
【0015】
一般に振動の皮膚感覚の感度は、音知覚に比べると鈍い。つまり、振動感覚のダイナミックレンジは狭いので、加振器駆動信号のダイナミックレンジを圧縮することも有効である。そこで、アタック強調とダイナミックレンジの圧縮処理を同時に行う場合のアタック強調係数計算方法を説明する。
帯域別信号(成分)の大きさの最大基準値をthd、ダイナミックレンジ圧縮の比率をrtとすると、アタック強調及びダイナミックレンジ圧縮係数g2は、
g2=(thd/(rms+ε))rt (4)
を計算して求める。ここで、εはrmsが小さいときにg2が過渡に大きくなることを防ぐための小さな正の実数である。rtを1にすると、g2を帯域信号に乗算することで、ほぼその大きさが全てthdとなる。rtを0.5にするとダイナミックレンジは1/2に圧縮される。rtを0にするとg2は全てのrmsで1になりダイナミックレンジは圧縮されない。また、rtを負の値にするとダイナミックレンジは伸長される。つまり小さい信号をより小さくする係数になる。この関係を図5に示す。横軸が20log10rms、縦軸はg2を乗算した後の出力を示している。そこで、rtを前述のアタック係数akcの関数にすることを考える。アタック係数が大きいときに強調、アタック係数が小さいときに抑圧する係数にしたいのであるから、アタック係数が大きいとき、つまりakc≧1の時にrtを正の値にすればg2は大きな値となり、アタック係数が小さいとき、つまりakc<1の時にrtを負の値にすれば(thd/(rms+ε))は1より大であるからg2は小さくなる。さらにアタック係数akcが大きいほどより1に近いrtに、逆にakcが小さいほどrtを負でかつ絶対値の大きな値にすれば、図5から、アタック部分がより強調され、定常部分がより抑圧されることがわかる。
【0016】
g2をスムージングする過程は、gを用いる先の方法と同じであるので割愛する。このようにアタック部の強調と、アタック信号のダイナミックレンジを抑圧するアタック強調係数を求めるには、図3中に破線で示すように短時間平均値rmsとアタック係数akcとをアタック強調係数計算部304′に入力して、圧縮比率取得部304aにおいてakcから圧縮比率rtを求める。このrtを求めるのは、演算によってもよく、あるいはテーブルを参照することによってもよい。この求めたrtを用いて(4)式を計算してg2を求め、このg2をスムージング部305へ出力すればよい。
【0017】
次に図2中の周波数シフト器202の具体例を説明する。
図6は周波数シフト器202をオクターブ単位で行う場合の例である。まず、入力端子400に入力した信号siを2値化器401で2値化し、また絶対値計算器403で絶対値をとる。2値化した値をdg、絶対値をevとすると、
dg=1(si≧0)
dg=−1(si<0) (5)
ev=|si| (6)
次に、2値化した値dgの系列を、分周器402で1/Nに分周する。ここでNは分周の周期を表し、オクターブ単位で分周するためにはNは2,4,8,…,2m (m=1,2,3…)の値をとる。入力信号siは前段で帯域制限された信号である。その帯域の中心周波数をfmとすると、加振器107のf0付近までオクターブ単位でシフトするためには、
m′=log2 (fm/f0) (7)
を計算し、その結果m′から最も近いm(自然数)を選べば良い。例えばf0=130Hz,fm=1000Hzであると、m′は2.943であるから3を選んで、3オクターブダウン、つまり1/8に分周すれば良い。分周した結果とevを乗算器404で乗算し、低域通過フィルタ405で2値化によって高域に発生する高調波成分を除去して出力端子406から出力する。
【0018】
この方法では、厳密には単振動オシレータ信号に振幅変調がかかった信号でなければ正確なmオクターブシフトダウンは出来ない。しかし、音楽信号の場合は調波構造が多く、基本波の倍、その倍…という成分が主として含まれ、雑音成分が比較的少ないから、前述のように通過中心周波数が63Hz,125Hz,250Hz,500Hzで隣接帯域が互いに一部重なっているような通過帯域特性のフィルタを用いて、近似的に単一周波数に近い波形にすることができる。
【0019】
次に図2中の高域成分重み係数計算部204の具体例を説明する。
まず、加振器のf0付近の周波数成分がないことを検出し、その場合に1を出力し、加振器のf0付近の成分が大きい場合に0を出力する。
加振器のf0付近成分の有無は、リズムを構成する適当な一定時間間隔Tr[sec](例えば1秒程度)内で、図2における周波数シフト実施境界よりも低い周波数帯域の少なくとも一つの帯域成分(信号)のアタック強調係数gsが1以上であったときに、f0成分があったと判断して、重み係数gh=0を出力する。これは、例えばリズム楽器等は、音の持続時間が短く、一定間隔をおいて鳴らされるものだからである。逆にf0以下の全ての帯域信号成分のアタック強調係数がTr[sec]の間、1より小さい時、それらの成分が存在しないと判断し、重み係数gh=1を出力する。
【0020】
つまり、リズム楽器では、ある音が周期的に発生し、加振器はこの周期性を強調するためのものである。f0以下の帯域でアタック強調ができ、更にf0以上の帯域でアタック強調をすると、f0以下のアタック強調により周期性が強調された上に、更にその間に、f0以上の帯域によるアタック強調が入ると、本来のリズムの周期性がくずれ、加振器を用いる意味がなくなるおそれがある。よって、このような場合は重み係数ghを0として、f0以上の帯域信号を除去する。一方、f0以下の帯域成分中に、アタック部分がない場合でも、f0以上の帯域成分中に、アタック部分があり、これを検出して、強調することによりリズムを強調することが可能となる。よってこのような場合は重み係数ghを1とする。
【0021】
次に重み係数ghのもう一つの計算方法の実施例を説明する。上記の実施例では0から1、1から0と不連続に更新されるため、不自然な振動になるおそれがある。そこで、重み係数ghが連続的に更新する場合は例えば次のようにすればよい。
まず、図2における周波数シフト実施境界よりも低い周波数帯域の少なくとも一つのアタック強調係数が1以上であったときに、成分があったと判断して、重み係数ghを小さくする。ここで、一つ前の時刻の重み係数をgh′とすると、現時刻の重み係数ghを以下のようにする。
【0022】
gh=αgh′ (8)
ここで、αは0以上で1より小さい実数である。0にすると瞬時に減衰される前述の方法と同じである。1に近いほど、徐々に減衰される。
逆に周波数シフト実施境界よりも低い周波数帯域の全てのアタック強調係数が1より小さい時に、重み係数を徐々に大きくする。
gh=gh′+β(1−gh′) (9)
βは0より大きく1以下の実数である。1にすると、瞬時に重み係数が1になる。0に近いほど、1に向かって徐々に重み係数が大きくなり、徐々に周波数シフト成分を加えていくことになる。つまり図2中の高域成分重み係数計算部204内に判定部204aを設け、周波数シフト実施境界よりも低い周波数帯域の少くとも1つのアタック強調係数gsが1以上であるか否かを判定し、1以上のものがあれば(8)式を演算して重み係数ghを出力し、1以上のものがないと判定されると、(9)式を計算して重み係数ghを出力する。
【0023】
また、重み係数を全て零にすれば、結果的にf0より下の周波数帯域信号だけを用いてアタック強調することになる。例えば、ベースドラム等が常にリズムを刻んでいることが確実な音楽信号等を対象とするのであれば、それでも有効であり、周波数シフト等を含むf0よりも高域の処理を省略しても同じであることから、処理を軽くすることが可能となる。
上述した処理をコンピュータにより実行させることもできる。例えば図7に示すように、入力部11、出力部12、記憶部13、信号処理プログラムが格納されたメモリ14、CPU15がバス16に接続されている。メモリ14に格納された信号処理プログラムはハードディスク、フロッピーディスク、CDROMなどあるいは通信データとしてサーバからインストロールされたものであり、CPU15がこのプログラムを実行することにより、例えば図8に示す処理が行われる。
【0024】
即ち入力部11から入力信号が入力されると、記憶部13に順に格納すると共に、順次、図2中に示したように複数の周波数帯域信号に分割し、各帯域信号ごとに記憶部13に格納する(S1)。
その1つの帯域信号の1フレーム(例えば50ミリ秒)分のデータを記憶部13から読み出し(S2)、その読み取ったデータについてアタック強調係数gsを計算する(S3)。この計算は例えば図3を参照して説明したように行う。この計算したgsはその帯域信号対応に記憶部13に記憶する。またアタック強調係数を計算してない帯域信号があれば(S4)、ステップS2に戻って、別の帯域信号を1フレーム分取出してgsの計算を行う。なお、長時間平均値avrを計算するために必要なrmsは各帯域ごとに常に必要な量を記憶部13に保持しておく。
【0025】
全ての帯域信号についてgsの計算を行うと、f0より高い帯域信号を1フレーム分記憶部13から取出し(S5)、その取出した帯域信号に対し、例えば図6に示した処理によりf0付近の帯域に周波数シフトし、その周波数シフトした帯域信号を記憶部13に格納する(S6)。その後、また周波数シフトすべき帯域信号があるか調べ(S7)、またあればステップS5に戻ってその帯域信号を取出して周波数シフトして同様の処理を行う。f0以上の帯域信号の全てに対して周波数シフト処理が終了すると、次のステップS8に移る。
【0026】
ステップS8では、記憶部13内の、f0以下の帯域について求めたgs中に1以上のものが1つでもあるかを調べ、先に図2中の高域成分重み係数計算部204について述べたように、重み係数ghを0又は1にするか、(8)式又は(9)式の演算により求める。記憶部13内の各帯域信号(又は周波数シフトした帯域信号)に対し、その帯域のgsをそれぞれ乗算し、また周波数シフトした帯域信号に対しては重み係数ghを乗算する(S9)。
【0027】
これらgsが乗算されたf0以下の帯域信号と、gsとghが乗算され、かつ周波数シフトされた帯域信号を合成して出力部12から出力する(S10)。
その後、ステップS1以下の次のフレームの信号についての処理を行い、実時間処理がなされる。なおステップS2,S3,S4によるアタック強調係数計算とステップS5,S6,S7による周波数シフトとの順序を入れかえてもよい。図9にこの発明の効果の例を示す。GLAYの「Winter Again」のサビの一部分の信号を入力とし、図9Aは図10に示した従来の低域通過フィルタ103を通した波形であり、図9B、Cは(3)式及び(4)式を用いて処理した波形をそれぞれ示し、前者はδ=0.02、後者はδ=0.1とした場合である。図9Aはピーク成分の他に持続信号が存在しているが、図9B,Cは各ピーク成分ごとに持続信号成分が抑圧され、リズムが強調されている、またδを大きくした図9Cの方が、その抑圧が大きくなることがわかる。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明のようにこの発明によれば、音楽等を受聴する際、振動を皮膚感覚で体感する音響機器で、その振動を得る加振器を駆動する信号を加工する信号処理部において、定常的振動を抑制し、アタック部分を強調する、及び加振器の共振周波数帯域の成分の有無を検出し、その成分が存在しないときに高域成分から低域に周波数シフトした合成信号を出力する、これらのことが可能となり、以下の効果が期待できる。
【0029】
(1)リズムが強調され、ポピュラー系音楽では、よりダイナミックな振動感覚を得ることが可能となる。また、聴覚障害者が音楽を受聴する際には、聞こえの欠落を振動知覚によるリズムで補う効果が期待できる。
(2)定常な信号による連続的な振動を抑えることができるため、快適な振動感覚を得ることが可能となる。
(3)例えばクラシック系の音楽などで、原信号では加振器を振動させる重低域成分が存在しない場合であっても、周波数シフトにより振動させることが可能となり、特に聴覚障害者のための補聴機能として、聞こえの足りない部分を補う効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の利用方法を説明するブロック図。
【図2】この発明の一実施例を示すブロック図。
【図3】図2中のアタック強調係数計算部203の具体例を示すブロック図。
【図4】アタック係数から強調係数を計算する場合の関係を示す図。
【図5】ダイナミックレンジ圧縮の比率を変化させたときの入力と出力の関係を示す図。
【図6】図2中の周波数シフト器202の具体例を示すブロック図。
【図7】この発明装置をコンピュータにより機能させる場合の構成例を示すブロック図。
【図8】図7に示した装置の処理手順の例を示す流れ図。
【図9】この発明の効果を説明するための波形図。
【図10】従来技術を示すブロック図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
According to the present invention, for example, when listening to music, a vibrating body that transmits vibration of a vibrator or the like to the outside together with an acoustic signal is brought into contact with an auricle or a part of a body to obtain a vibration sensation, thereby increasing power and the like. Also, a signal processing method, a device and a program applied to audio equipment such as headphones for the purpose of compensating for the lack of hearing information of a hearing-impaired person, and particularly for partially emphasizing an input audio signal It relates to a recording medium.
[0002]
[Prior art]
When listening to music, etc., in order to not only listen to the music signal with the ear, but also to experience the skin sensation, a vibrator (built-in) that transmits the vibration to the outside by incorporating a vibrator etc. in headphones etc. Many sound devices have been proposed for contacting the device with the pinna or a part of the body. FIG. 10 shows an example of this type of conventional technology. The left and right output signals of the stereo
[0003]
Furthermore, since localization hardly occurs in the sense of vibration, stereo signals may be mixed and converted into monaural, and the same signal may be sent to the left and
According to such a method, it becomes possible to add a vibration sensation synchronized with a bass signal (mainly 100 Hz or less) included in the music signal, and when a powerful music reproduction or a hearing-impaired person uses the music, The effect of compensating for the lack of hearing can be expected.
However, simply trying to obtain a vibration sensation by the heavy and low frequency components of the signal as described above does not necessarily guarantee that a comfortable vibration sensation can be obtained. For example, continuous vibration due to a steady signal in a deep bass range often causes discomfort. If the original signal does not include a frequency component near f0 of the vibrator, a sufficient vibration sensation cannot be obtained. In particular, this is insufficient for the purpose of supplementing the lack of hearing information of a hearing-impaired person with a sense of vibration.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
A first object of the present invention is to provide a signal processing method, an apparatus and a program recording medium capable of suppressing unpleasant steady vibration and emphasizing mainly the rhythm of music.
A second object of the present invention is to provide an acoustic signal processing method capable of generating an effective vibration component when an input original signal does not include a deep bass component near f0 of the vibrator, an apparatus and a program therefor. It is to provide a recording medium.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, a portion where an input signal rapidly rises is detected as an attack portion, and the attack portion is emphasized.
The attack portion is detected, the sound signal is divided into a plurality of frequency bands based on emphasis (attack emphasis), and the above-described attack portion detection and emphasis are performed on each band signal. However, for a predetermined frequency in a plurality of divided frequency band signals, that is, for a band signal of f0 or more of the vibrator, each band signal is frequency-shifted to a band near f0, and the frequency-shifted band is shifted. Attack emphasis is applied to the signal. Also, when attack enhancement is performed on a band signal of a predetermined frequency or less, weighting is performed on the attack-enhanced and frequency-shifted band signal so that the attack-enhanced and frequency-shifted band signal is neglected. And synthesizes each of the processed band signals.
Action
The input music signal is divided into a plurality of frequency bands. Of the divided bands, in each band higher than the vicinity of f0 of the vibrator, for example, the band near 400 Hz is shifted down to 1/4 to synthesize a 100 Hz signal, and the frequency is shifted to around f0. . Next, an envelope or instantaneous power and its average value are calculated for each band, and the ratio or difference is calculated to calculate the magnitude of the signal fluctuation and the attack coefficient. Next, an attack portion of the signal, that is, a portion with a sharp rise is emphasized for each band, and an attack emphasis coefficient for suppressing a steady portion is calculated from the attack coefficient. Next, the signal of each band is multiplied by an attack emphasis coefficient, and each band is multiplied by a weight coefficient according to the presence or absence of a band signal near f0 of the vibrator, and all the bands are added and recombined. .
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 shows an embodiment of the present invention, and portions corresponding to those in FIG. 10 are denoted by the same reference numerals. As shown in FIG. 1, the
[0007]
The music signal input from the
In the processing of these band signals, an attack emphasis coefficient is calculated in an attack emphasis
[0008]
Next, a method of processing a frequency band component higher than f0 by the vibrator 107 will be described. Even if these high frequency band components are sent to the exciter 107 as they are, a sufficient vibration sensation cannot be obtained. Therefore, the components in these bands are frequency-shifted to around f0 of the vibrator 107. That is, the frequency of the component passing through the band-
[0009]
The process of calculating and multiplying the attack emphasis coefficient for the frequency-shifted component is the same as the process of the vibrator 107 for the frequency band component lower than f0. The calculation of the attack emphasis coefficient is performed using the band-pass signal before the frequency shift or the frequency-shifted band signal. In any case, it is sufficient to calculate a coefficient capable of detecting a sharp rise in the band signal. Each band processing component multiplied by the attack emphasis coefficient by the
[0010]
The adder 207 adds the processed signals for each band component, and outputs the sum from the
Next, a specific example of the attack emphasis
Each band pass component (signal) is input to the
[0011]
akc represents a measure of the difference between the instantaneous magnitude from the average signal magnitude and can be calculated by the following formula.
ak = rms / (avr + ε) (1)
akc = rms-avr (2)
Here, ε is a small positive real number for preventing the attack coefficient from becoming excessively large when the band signal is small. In short, akc is obtained based on the difference between rms and avr.
[0012]
The attack emphasis
[0013]
Since the value of g fluctuates greatly instantaneously, if the band-processed signal (component) is multiplied as it is, the signal becomes discontinuous, which may impair naturalness or cause abnormal noise. Therefore, in the
gs = gs ′ + δ × (g−gs ′) (3)
Is calculated. gs' is gs, δ is a coefficient that determines the smoothness of fluctuation, and is larger than 1 and larger than 0. The smaller the value, the smoother the fluctuation. Since the purpose is to emphasize the attack, it is effective to set δ to 1 or a large value close to gs ′ when g is larger than gs ′, and to set δ to a small value when g is smaller than gs ′. . By setting δ when gs> g, it is possible to adjust how fast a steady signal in the band signal is suppressed.
[0014]
For example, in the
[0015]
Generally, the sensitivity of the skin sensation of vibration is weaker than that of sound perception. That is, since the dynamic range of the vibration sensation is narrow, it is also effective to compress the dynamic range of the vibrator drive signal. Therefore, an attack emphasis coefficient calculation method when attack emphasis and dynamic range compression processing are performed simultaneously will be described.
Assuming that the maximum reference value of the magnitude of the signal (component) for each band is thd and the ratio of the dynamic range compression is rt, the attack enhancement and dynamic range compression coefficient g2 are
g2 = (thd / (rms + ε))rt (4)
Is calculated and obtained. Here, ε is a small positive real number for preventing g2 from becoming excessively large when rms is small. When rt is set to 1, by multiplying the band signal by g2, almost all the size becomes thd. When rt is set to 0.5, the dynamic range is compressed to 1/2. When rt is set to 0, g2 becomes 1 at all rms, and the dynamic range is not compressed. When rt is set to a negative value, the dynamic range is extended. That is, it is a coefficient that makes a small signal smaller. This relationship is shown in FIG. The horizontal axis is 20 log10rms and the vertical axis shows the output after multiplication by g2. Therefore, let us consider that rt is a function of the aforementioned attack coefficient akc. Since it is desired that the coefficient is emphasized when the attack coefficient is large and suppressed when the attack coefficient is small, g2 becomes a large value if rt is a positive value when the attack coefficient is large, that is, when akc ≧ 1. When the coefficient is small, that is, when akc <1, if rt is set to a negative value, since (thd / (rms + ε)) is larger than 1, g2 becomes small. Further, if rt is set to a value closer to 1 as the attack coefficient akc is larger and rt is set to a negative value and the absolute value is larger as the akc is smaller, the attack part is more emphasized and the steady part is more suppressed from FIG. It is understood that it is done.
[0016]
The process of smoothing g2 is the same as the previous method using g, and is therefore omitted. As described above, in order to obtain the attack emphasis coefficient for suppressing the attack range and the dynamic range of the attack signal, the short-time average value rms and the attack coefficient akc are calculated by the attack emphasis coefficient calculation section as shown by the broken line in FIG. The compression ratio rt is obtained from akc in a compression
[0017]
Next, a specific example of the
FIG. 6 shows an example in which the
dg = 1 (si ≧ 0)
dg = -1 (si <0) (5)
ev = | si | (6)
Next, the frequency-
m '= log2(Fm / f0) (7)
Is calculated, and as a result, m (natural number) closest to m ′ may be selected. For example, if f0 = 130 Hz and fm = 1000 Hz, m 'is 2.943, so 3 is selected and the frequency should be reduced by 3 octaves, that is, 1/8. The result of the frequency division is multiplied by ev by a
[0018]
In this method, strictly speaking, unless the signal is amplitude-modulated on the single oscillation oscillator signal, accurate m-octave shift-down cannot be performed. However, in the case of a music signal, there are many harmonic structures, which mainly include components that are twice the fundamental wave, twice as many as the fundamental wave, and have a relatively small noise component. Therefore, as described above, the passing center frequency is 63 Hz, 125 Hz, 250 Hz, By using a filter having a pass band characteristic in which adjacent bands partially overlap each other at 500 Hz, it is possible to make the waveform approximately close to a single frequency.
[0019]
Next, a specific example of the high-frequency component weighting
First, it detects that there is no frequency component near f0 of the vibrator, and
The presence or absence of the component near f0 of the vibrator is determined in at least one of the frequency bands lower than the frequency shift execution boundary in FIG. 2 within an appropriate fixed time interval Tr [sec] (for example, about 1 second). When the attack emphasis coefficient gs of the component (signal) is 1 or more, it is determined that there is an f0 component, and a weight coefficient gh = 0 is output. This is because, for example, a rhythm instrument or the like is short in duration and sounds at regular intervals. Conversely, when the attack enhancement coefficients of all the band signal components equal to or less than f0 are smaller than 1 during Tr [sec], it is determined that those components do not exist, and the weight coefficient gh = 1 is output.
[0020]
That is, in a rhythm instrument, a certain sound is periodically generated, and the vibrator is used to emphasize this periodicity. Attack emphasis can be performed in the band of f0 or less, and if the attack is further emphasized in the band of f0 or more, the periodicity is emphasized by the attack emphasis of f0 or less, and further, the attack emphasis by the band of f0 or more enters between them. However, the original periodicity of the rhythm may be lost, and there is a possibility that there is no point in using the vibrator. Therefore, in such a case, the weight coefficient gh is set to 0, and the band signal of f0 or more is removed. On the other hand, even when there is no attack portion in the band component of f0 or less, there is an attack portion in the band component of f0 or more. By detecting and enhancing the attack portion, the rhythm can be emphasized. Therefore, in such a case, the weight coefficient gh is set to 1.
[0021]
Next, an embodiment of another calculation method of the weight coefficient gh will be described. In the above embodiment, since the values are discontinuously updated from 0 to 1, 1 to 0, unnatural vibration may occur. Therefore, when the weight coefficient gh is continuously updated, for example, the following may be performed.
First, when at least one attack emphasis coefficient in a frequency band lower than the frequency shift execution boundary in FIG. 2 is 1 or more, it is determined that there is a component, and the weight coefficient gh is reduced. Here, assuming that the weight coefficient at the immediately preceding time is gh ', the weight coefficient gh at the current time is as follows.
[0022]
gh = αgh ′ (8)
Here, α is a real number greater than or equal to 0 and smaller than 1. This is the same as the above-described method in which the value is instantaneously attenuated when set to 0. As it is closer to 1, it is gradually attenuated.
Conversely, when all the attack enhancement coefficients in the frequency band lower than the frequency shift execution boundary are smaller than 1, the weight coefficient is gradually increased.
gh = gh ′ + β (1-gh ′) (9)
β is a real number greater than 0 and equal to or less than 1. When it is set to 1, the weight coefficient becomes 1 instantaneously. As the value approaches 0, the weight coefficient gradually increases toward 1, and a frequency shift component is gradually added. That is, the
[0023]
If all the weighting factors are set to zero, the attack is emphasized using only the frequency band signal lower than f0. For example, if the target is a music signal or the like in which it is certain that the bass drum or the like always keeps rhythm, it is still effective, and the same applies even if the processing of the higher frequency range than f0 including the frequency shift is omitted. Therefore, the processing can be lightened.
The above-described processing may be executed by a computer. For example, as shown in FIG. 7, an
[0024]
That is, when an input signal is input from the
Data for one frame (for example, 50 milliseconds) of the one band signal is read from the storage unit 13 (S2), and an attack emphasis coefficient gs is calculated for the read data (S3). This calculation is performed, for example, as described with reference to FIG. The calculated gs is stored in the
[0025]
When gs is calculated for all band signals, band signals higher than f0 are extracted from the
[0026]
In step S8, it is checked whether at least one of the gs obtained for the band of f0 or less in the
[0027]
The band signal of f0 or less multiplied by gs and the band signal multiplied by gs and gh and frequency-shifted are synthesized and output from the output unit 12 (S10).
Thereafter, the processing for the signal of the next frame after step S1 is performed, and the real-time processing is performed. Note that the order of the attack enhancement coefficient calculation in steps S2, S3, and S4 and the frequency shift in steps S5, S6, and S7 may be changed. FIG. 9 shows an example of the effect of the present invention. FIG. 9A is a waveform obtained by passing a signal of a part of rust of “Winter Again” of GLAY through a conventional low-pass filter 103 shown in FIG. 10, and FIGS. 9B and 9C are equations (3) and (4). 3) shows waveforms processed using the equation, respectively, where the former is when δ = 0.02 and the latter is when δ = 0.1. 9A shows the presence of a sustain signal in addition to the peak component. FIGS. 9B and 9C show the case of FIG. 9C in which the sustain signal component is suppressed for each peak component, the rhythm is emphasized, and δ is increased. However, it can be seen that the suppression is increased.
[0028]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when listening to music or the like, a sound processing device that processes a signal for driving a vibrator that obtains the vibration is used in an audio device that senses vibration as a skin sensation. Suppresses mechanical vibration, emphasizes the attack part, detects the presence or absence of a component in the resonance frequency band of the vibrator, and outputs a composite signal whose frequency is shifted from a high-frequency component to a low-frequency component when the component is not present. Thus, the following effects can be expected.
[0029]
(1) The rhythm is emphasized, and in popular music, a more dynamic vibration sensation can be obtained. Further, when a hearing-impaired person listens to music, an effect of compensating for lack of hearing with a rhythm based on vibration perception can be expected.
(2) Since continuous vibration due to a steady signal can be suppressed, a comfortable vibration sensation can be obtained.
(3) For example, in the case of classical music or the like, even if there is no heavy low-frequency component that causes the vibrator to vibrate in the original signal, it is possible to vibrate by frequency shift, especially for the hearing impaired. As a hearing aid function, an effect of supplementing a part where hearing is insufficient can be expected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram illustrating a method of using the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing one embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a block diagram showing a specific example of an attack emphasis
FIG. 4 is a diagram showing a relationship when an enhancement coefficient is calculated from an attack coefficient.
FIG. 5 is a diagram showing a relationship between an input and an output when a dynamic range compression ratio is changed.
FIG. 6 is a block diagram showing a specific example of a
FIG. 7 is a block diagram showing an example of a configuration in a case where the device of the present invention is caused to function by a computer.
FIG. 8 is a flowchart illustrating an example of a processing procedure of the apparatus illustrated in FIG. 7;
FIG. 9 is a waveform chart for explaining the effect of the present invention.
FIG. 10 is a block diagram showing a conventional technique.
Claims (9)
上記入力信号の検出したそのアタック部分を強調する過程と
を有することを特徴とする信号処理方法。A process of detecting a portion where an input signal rises sharply (attack portion);
Emphasizing the detected attack portion of the input signal.
これら分割された周波数帯域信号中の、予め決められた周波数以上の帯域信号ごとに、その帯域信号を上記予め決められた周波数付近帯域信号に周波数シフトする過程と、
上記各周波数帯域信号ごとに、その信号の立上りが急激な部分(アタック部分)をそれぞれ検出する過程と、
上記予め決められた周波数以下の帯域信号のその検出されたアタック部分を、上記周波数シフトされた帯域信号の、その帯域信号について検出されたアタック部分を、それぞれ強調する過程と、
上記予め決められた周波数以下の帯域信号に対するアタック部分の強調がなされると、上記周波数シフトされた帯域信号のアタック部分の強調を弱めるように上記周波数シフトされた帯域信号に重み付けする過程と、
上記重み付けされた周波数シフト帯域信号と上記予め決められた周波数以下の上記アタック部分が強調された帯域信号とを合成する過程と
を有する信号処理方法。Dividing the audio signal into a plurality of frequency bands;
In these divided frequency band signals, for each band signal of a predetermined frequency or more, the process of frequency shifting the band signal to the predetermined frequency near band signal,
A process of detecting, for each of the frequency band signals, a portion (attack portion) in which the signal rises sharply,
The detected attack portion of the band signal below the predetermined frequency, the frequency-shifted band signal, the process of enhancing the attack portion detected for the band signal, respectively,
When the attack portion is emphasized for the band signal having the predetermined frequency or less, a process of weighting the frequency-shifted band signal so as to weaken the attack portion of the frequency-shifted band signal,
Synthesizing the weighted frequency shift band signal and the band signal in which the attack portion below the predetermined frequency is emphasized.
上記アタック部分の検出は、入力された信号の短時間平均値と、その入力された信号の長時間平均値との差異をアタック係数として求め、アタック係数の大小に応じてアタック部分を求めることを特徴とする信号処理方法。The method of claim 1 or 2,
The detection of the above attack portion includes obtaining a difference between the short-term average value of the input signal and the long-term average value of the input signal as an attack coefficient, and obtaining the attack portion according to the magnitude of the attack coefficient. Characteristic signal processing method.
上記アタック係数に応じた圧縮比率をもって上記アタック部分を強調して、信号のダイナミックレンジを同時に圧縮することを特徴とする信号処理方法。4. The method of claim 3, wherein
A signal processing method characterized in that the attack portion is emphasized with a compression ratio according to the attack coefficient, and the dynamic range of the signal is simultaneously compressed.
上記入力信号と上記アタック強調係数が入力されて、その入力信号の立上りが急激な部分を上記アタック強調係数に応じて強調して出力するアタック強調手段と
を具備する信号処理装置。Attack emphasis coefficient calculation means for receiving an input signal and obtaining a degree of a rise of the input signal and outputting it as an attack emphasis coefficient,
A signal processing apparatus comprising: an attack emphasis unit that receives the input signal and the attack emphasis coefficient, and emphasizes a portion of the input signal whose rising edge is sharp in accordance with the attack emphasis coefficient and outputs the result.
上記分割された周波数帯域信号中の予め決められた周波数以上の周波数帯域信号ごとにこれら周波数帯域信号を上記予め決められた周波数付近に周波数シフトする周波数シフト手段と、
上記分割された各周波数帯域信号ごとにその帯域信号又は上記周波数シフトされた帯域信号が入力されて、その入力された信号の立上りの程度を求めてアタック強調係数として出力するアタック強調係数計算手段と、
上記予め決められた周波数以下の周波数帯域信号を、また上記予め決められた周波数以上の周波数帯域信号についてはそれぞれその周波数シフトされた帯域信号を、それぞれ対応するアタック強調係数により強調するアタック強調手段と、上記予め決められた周波数以上のアタック強調された周波数シフト帯域信号に、上記予め決められた周波数以下のアタック強調係数に応じ、これにより強く強調される場合は、強調を弱くするような重み付けを行う重み付け手段と、
上記予め決められた周波数以下のアタック強調された周波数帯域信号と、上記重み付けされた周波数シフト帯域信号とを合成して出力する合成手段と
を具備する信号処理装置。A frequency band dividing unit to which an acoustic signal is input and divided into a plurality of frequency band signals and output,
Frequency shift means for frequency-shifting these frequency band signals near the predetermined frequency for each frequency band signal of a predetermined frequency or more in the divided frequency band signal,
Attack emphasis coefficient calculation means for inputting the band signal or the frequency-shifted band signal for each of the divided frequency band signals, obtaining a degree of rise of the input signal, and outputting as an attack emphasis coefficient. ,
Attack emphasizing means for emphasizing the frequency band signal of the predetermined frequency or less, and for the frequency band signal of the predetermined frequency or more, the frequency-shifted band signal, respectively, by a corresponding attack emphasis coefficient. According to the attack-emphasized frequency shift band signal having the predetermined frequency or higher, the weight is set so as to weaken the emphasis according to the attack emphasis coefficient equal to or lower than the predetermined frequency. Weighting means to be performed;
A signal processing apparatus comprising: a synthesizing unit that synthesizes and outputs the attack-emphasized frequency band signal having a frequency equal to or lower than the predetermined frequency and the weighted frequency shift band signal.
上記アタック強調係数計算手段は入力された信号の短時間平均値を求める手段と、上記入力された信号の長時間平均値を求める手段と、上記短時間平均値と上記長時間平均値の差異を示す値より上記アタック強調係数を求める手段とよりなることを特徴とする信号処理装置。The device according to claim 5 or 6,
The attack emphasis coefficient calculating unit calculates a short-term average value of the input signal, a unit calculates a long-term average value of the input signal, and calculates a difference between the short-term average value and the long-term average value. A signal processing device comprising: means for calculating the attack emphasis coefficient from a value indicated.
上記アタック強調係数計算手段は、上記アタック強調係数に応じた圧縮比率を有するアタック強調係数を計算する手段であることを特徴とする信号処理装置。The apparatus according to any one of claims 5 to 7,
The signal processing device according to claim 1, wherein said attack emphasis coefficient calculating means is means for calculating an attack emphasis coefficient having a compression ratio corresponding to said attack emphasis coefficient.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000251312A JP3579639B2 (en) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | Signal processing method, apparatus and program recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000251312A JP3579639B2 (en) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | Signal processing method, apparatus and program recording medium |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002064895A JP2002064895A (en) | 2002-02-28 |
JP3579639B2 true JP3579639B2 (en) | 2004-10-20 |
Family
ID=18740732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000251312A Expired - Fee Related JP3579639B2 (en) | 2000-08-22 | 2000-08-22 | Signal processing method, apparatus and program recording medium |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3579639B2 (en) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4517820B2 (en) * | 2004-11-05 | 2010-08-04 | 株式会社ニコン | Video display device |
US8175302B2 (en) * | 2005-11-10 | 2012-05-08 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Device for and method of generating a vibration source-driving-signal |
JP4892383B2 (en) * | 2007-03-29 | 2012-03-07 | パイオニア株式会社 | Music playback apparatus, music playback method, and recording medium storing program |
WO2012124043A1 (en) * | 2011-03-14 | 2012-09-20 | パイオニア株式会社 | Vibration signal generating device and method, computer program, and sensory audio system |
WO2012124044A1 (en) * | 2011-03-14 | 2012-09-20 | パイオニア株式会社 | Vibration signal generating device and method, computer program, and sensory audio system |
JP5714774B2 (en) * | 2012-04-06 | 2015-05-07 | パイオニア株式会社 | Vibration signal generating apparatus and method, computer program, recording medium, and sensory sound system |
WO2013150649A1 (en) * | 2012-04-06 | 2013-10-10 | パイオニア株式会社 | Vibration signal generation device and method, computer program, recording medium, and sensory audio system |
US9473852B2 (en) | 2013-07-12 | 2016-10-18 | Cochlear Limited | Pre-processing of a channelized music signal |
JP7262314B2 (en) * | 2019-06-05 | 2023-04-21 | フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社 | Vibration output device and program for vibration output |
US11942108B2 (en) | 2019-10-04 | 2024-03-26 | Sony Group Corporation | Information processing apparatus and information processing method |
-
2000
- 2000-08-22 JP JP2000251312A patent/JP3579639B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002064895A (en) | 2002-02-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3670562B2 (en) | Stereo sound signal processing method and apparatus, and recording medium on which stereo sound signal processing program is recorded | |
US9848266B2 (en) | Pre-processing of a channelized music signal | |
EP1964438B1 (en) | Device for and method of processing an audio data stream | |
EP1610588B1 (en) | Audio signal processing | |
EP2278707B1 (en) | Dynamic enhancement of audio signals | |
US8638962B2 (en) | Method to reduce feedback in hearing aids | |
JP5572391B2 (en) | Apparatus and method for processing audio data | |
ATE274785T1 (en) | LOW FREQUENCY AUDIO ENHANCEMENT SYSTEM | |
JP3579639B2 (en) | Signal processing method, apparatus and program recording medium | |
JP2003274492A (en) | Stereo acoustic signal processing method, stereo acoustic signal processor, and stereo acoustic signal processing program | |
JP2001008299A (en) | Stereo signal processing unit | |
JP4303026B2 (en) | Acoustic signal processing apparatus and method | |
JP3755739B2 (en) | Stereo sound signal processing method and apparatus, program, and recording medium | |
US20090052694A1 (en) | Pseudo deep bass generating device | |
US9258655B2 (en) | Method and device for frequency compression with harmonic correction | |
JP2004343590A (en) | Stereophonic signal processing method, device, program, and storage medium | |
JP2002175099A (en) | Method and device for noise suppression | |
CN114067817A (en) | Bass enhancement method, bass enhancement device, electronic equipment and storage medium | |
JP6155132B2 (en) | Low frequency complement device and low frequency complement method | |
CN115346544A (en) | Audio signal processing method, apparatus, storage medium, and program product | |
JPH0984198A (en) | Sound signal processor and surround reproducing method | |
JPH0965483A (en) | In-cabin frequency characteristic automatic correction system | |
JP7545812B2 (en) | Signal processing method, signal processing device and listening device | |
CN112511941A (en) | Audio output method and system and earphone | |
JP6531418B2 (en) | Signal processor |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040610 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040622 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040716 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |