JP3579610B2 - Weld metal with excellent low temperature toughness - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスシールドアーク溶接の技術分野に属し、詳しくはガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属の低温靱性を確保するための技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、海洋構造物、液化ガスタンクあるいはラインパイプなど、低温環境下で使用される構造物の建設が盛んである。これらの構造物については、機械的特性、とりわけ低温における高い靱性値が要求される。この要求に対しては、低温靱性に優れた鋼材が種々開発されつつあるが、構造物を形成するために必要不可欠である接合部、すなわち溶接金属部は、鋼材と異なり所望の加工熱処理を施すことができないことから、その低温靱性は鋼材より劣っているのが現状である。そのため、溶接金属部の低温靱性の改善に対する要求は非常に強いものがある。
【0003】
溶接金属の低温靱性を改善するための研究はこれまでにも行われており、低温靱性は溶接金属組織に大きく依存し、アシキュラーフェライト(以下、AFという)と呼ばれる微細組織を形成することが低温靱性向上に有効であることが、多数の研究報告に開示されている。また、AFは溶接金属中に含有されるTi系酸化物を核として生成するものであり、したがって、酸化物存在形態を制御することが低温靱性向上に有効であることも知られている。さらにはTiおよびB を複合添加することにより、Ti系酸化物、すなわちAFの生成核を確保しつつ、B の焼入性向上効果により旧オーステナイト粒界から生成する粗大フェライトを抑制して、均一にAFの生成が可能であることが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Tiによる効果は溶融金属中に含有されるAl量によって決定され、B による効果はN 量によって決定されるため、これらの元素の含有量をすべて制御する必要があった。また、それ以外にも溶接施工条件、例えば母材成分、ガス成分、ガスシールド状態などの影響を強く受けるために、溶接金属組織を制御することは困難である場合が多かった。
【0005】
この点に関し、例えば特開平10−58186号公報によれば、Al/O量を規定することによりM3O4型構造をもつ酸化物分散相を得て、母材希釈の影響すなわち他元素成分の影響を受けない低温靱性に優れた溶接金属が提案されている。しかしながら、これは溶接金属のなかでも、再熱を受けていない領域に限られたことであった。通常の溶接では多層盛りで行われるために、溶接金属中には再熱を受けた領域(以下、再熱部という)とそうでない溶接ままの領域(以下、原質部という)とが現れることは不可避であり、再熱部の組織形態は原質部で形成されたAF組織とは大きく異なる。また、溶接金属における靱性とは原質部と再熱部をともに含んだ全体の機械的特性であるため、溶接金属全体の靱性を向上させることが必要不可欠である。しかし、これまでの溶接金属全体の靱性は十分なレベルではないのが現状である。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ガスシールドアーク溶接において固溶Tiを溶接金属に含有させることにより全体が低温靱性に優れる溶接金属を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
その要旨は、ガスシールドアーク溶接によって形成された溶接金属であって、質量%でC:0.02〜0.12%、 Si:0.10〜0.80%、 Mn:0.50〜2.00%、Al:0.002〜0.050 %、Ti:0.020〜0.100 %、B:0.0100%以下、 O:0.010〜0.080 %以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、溶接金属中の固溶Ti量が0.003 〜0.020 %である低温靱性に優れた溶接金属で、さらに、Cu:0.010〜2.000 %、 Ni:0.01〜3.00%、Cr:0.010〜1.500 %、Mo:0.005〜1.000 %のうちの1種以上を含有する低温靱性に優れた溶接金属である。
【0008】
【発明の実施の形態】
再熱部組織は原質部において、いかに微細なAF組織を形成していたとしてもフェライト組織へと変化する。したがって、その粒径を微細にする技術が必要不可欠であるが、当然のことながら原質部組織状態の影響を強く受けることから、原質部組織の制御も同時に行う必要がある。しかし、先に述べたように原質部組織と再熱部組織を制御することは非常に困難であった。
【0009】
本発明者らが鋭意研究を行った結果、固溶Tiを溶接金属に含有させることにより溶接金属全体の靱性を大きく改善できることを見出した。これは溶接金属原質部の焼入性を高めるとともに、再熱を受けた際に微量添加されている元素、例えば Bの析出を抑制するためである。なお、本発明でいう固溶TiとはTi全含有量から抽出残渣分析によるTi化合物の定量値を差し引いた値のことである。
【0010】
通常の溶接金属では、Tiはそのほとんどが酸化物あるいは窒化物として析出しているが、本発明者らはワイヤ成分、溶接施工条件などを最適に組み合わせることにより、従来以上に固溶Tiを存在させることに成功した。
【0011】
固溶Ti量の制御は、種々の溶接条件によって左右される。とりわけ母材成分やシールドガス成分等に大きく影響されるが、シールドガス成分等の施工条件に応じて、溶材(フラックス入りワイヤ)中のAl、Mg、Ti量のバランスをきめ細かく制御することによって、固溶Ti量を制御することが可能となる。Mg、AlはTiよりも強脱酸剤であるため、これらの3元素のワイヤ中への添加量を調節することにより、溶接金属に含有されるTiおよび固溶Tiの量が調節できるのであるが、同時にAlおよび全Ti量も本発明の範囲内に含まれるように制御する必要があるので、本発明の溶接金属を得るためには溶接施工条件に応じたきめの細かいワイヤ成分調節が必要なのである。
【0012】
後記実施例に示すように、Al、Mg、Tiの添加量のバランスにより、一見わずかな添加量の違いであっても固溶Ti量には大きな差が現れるので、ワイヤ中のこれら3元素の添加量や量比を一概に数値で表すことは難しい。しかしながら、溶接施工条件、およびそれに応じた適切なワイヤ成分を事前に実験により求めておけば、実際の溶接施工への適用は可能である。以下に、本発明で規定される成分組成の詳細について述べる。
【0013】
C は溶接金属の強度を確保するためには欠くことのできない元素であり、少なくとも0.02%以上の添加が必要である。しかし、過度の添加は強度が高くなり過ぎ靱性の低下を招くことから上限を0.12%とした。したがって、C 含有量は0.02〜0.12%とし、より好ましい範囲は0.04〜0.07%である。
【0014】
Siは脱酸作用により溶接金属を清浄にし、歩留まった場合はフェライトを固溶強化させる作用を有することから、溶接金属には不可欠な元素の一つである。しかしながら、添加量が多すぎると、その強化作用による過度の強度上昇により靱性を劣化させる。したがって、Si含有量は0.10〜0.80%とし、より好ましい範囲は0.20〜0.50%である。
【0015】
Mnは溶接金属に強度を与える上で、0.50%以上含有させなければならないが、過剰に含有すると焼入れ性が向上し過ぎ靱性の低下を招く。したがって、Mn含有量は0.50〜2.00%とし、より好ましい範囲は 1.0〜1.6 %である。
【0016】
Alは強脱酸剤であることから溶接金属に必要不可欠である。脱酸効果は少なくとも 0.002%以上含有させなれば発揮されず、また過剰に添加した場合は、Tiとともに粗大な酸化物として溶接金属中に残存するために、酸化物によるAF生成効果を消失させてしまう。したがって、Al含有量は 0.002〜0.050 %とし、より望ましい範囲は 0.005〜0.030 %である。
【0017】
Tiは溶接金属において、AF生成核である酸化物を形成することから非常に重要な元素である。含有量が 0.020%未満ではその効果はなく、 0.100%を超えると過度の強度上昇により靱性の劣化を招く。したがって、Ti含有量は 0.020〜0.100 %とし、より望ましい範囲は 0.040〜0.080 %である。
【0018】
B は溶接金属中に固溶したN を固定する効果と粒界フェライトの生成を抑制する効果があり低温靱性向上に必要な元素である。過剰に添加した場合は、溶接割れを引き起こすことから含有量は0.0100%以下とした。B のより好ましい含有量は 0.030〜0.080 %である。
【0019】
O はAF生成核である酸化物を構成する元素であるから、本発明において重要な元素である。AF生成に有効に働く酸化物を形成するには少なくとも 0.010%以上は添加する必要があるが、 0.080%を超えて添加した場合は酸化物が粗大化するためにAF生成効果を消失させてしまう。したがって、O 含有量は 0.010〜0.080 %とし、より好ましい範囲は 0.020〜0.050 %である。
【0020】
固溶Ti量は先にも述べたとおり、再熱部組織を微細化し靱性を向上させることから、固溶Ti量を規定することは本発明において非常に重要な要件である。そのような効果は 0.003%以上含有しないと現れず、 0.020%を超えて含有した場合には、原質部組織と靱性を劣化させる。したがって、固溶Ti量の範囲は 0.003〜0.020 %とし、より好ましい範囲は 0.005〜0.010 %である。
【0021】
なお、Ti系酸化物については、本発明の範囲内の添加元素によって形成された酸化物によりAF生成が可能であることを見出したので、酸化物の結晶構造、組成に関して特に規定するものではない。また、Cu、Ni、Cr、Moなどの元素は添加することにより、さらに優れた低温靱性を確保することが可能となる元素群である。これらの成分組成範囲を決定した理由を以下に述べる。
【0022】
Cuは焼入れ性を高め組織を微細化する働きがあるが、 0.010%未満の添加ではそのような効果は得られず、過剰に添加した場合は、強度が高くなり過ぎ靱性を劣化させる。したがって、Cu含有量は 0.010〜2.000 %とし、より好ましい範囲は 0.010〜1.500 %である。
【0023】
Niは大入熱溶接であっても安定した靱性を付与するために添加されている元素であり、そのためには0.01%以上の添加が必要がある。一方、添加量が3.00%超えのときは強度が高くなり過ぎ靱性をかえって低下させる。したがって、Ni含有量は0.01〜3.00%とし、より好ましい範囲は 0.5〜1.5 %である。
【0024】
Crは焼入れ性を高め粒界からのフェライト生成を抑制し組織を微細化する働きがあるが、 0.010%未満の添加ではその効果はなく、過剰に添加した場合は、強度が高くなり過ぎ靱性を劣化させる。したがって、Cr含有量は 0.010〜1.500 %とし、より好ましい範囲は 0.020〜1.000 %である。
【0025】
Moは粒界からのフェライト生成を抑制する働きがある。 0.005%未満の添加ではそのような効果は発揮されず、 1.000%を超えて添加した場合は、強度が高くなり過ぎ靱性を劣化させる。したがって、Mo含有量は 0.005〜1.000 %とし、より好ましい範囲は 0.010〜0.800 %である。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明に係わる溶接金属を得るための実施例について具体的に説明する。溶接継手は板厚20mmの鋼板とフラックス入りワイヤ(径 1.2mm)を使用し、炭酸ガスアーク溶接により製作した。このときの開先形状は45°V型開先で、溶接条件は溶接電流 270〜280 A、入熱量15〜20kJ/cm である。このようにして製作した溶接継手の溶接金属についてシャルピー衝撃試験を行い低温靱性を評価した。
【0027】
【実施例1】
表1に使用した鋼板(母材)の化学成分を、表2に使用したワイヤの化学成分を、表3に溶接金属の化学成分をそれぞれ示す。溶接金属の靱性評価は、溶接金属中央部からJIS Z 2202に基づいて試験片を採取しシャルピー衝撃試験を行い、−60℃における吸収エネルギー(vE−60)を求め 30J以上のものを合格とした。その結果を表3に併記した。
【0028】
表3に示す本発明例1〜15は化学成分、固溶Ti量とも本発明の範囲を満足したものであり、いずれも低温靱性が良好であることがわかる。他方、比較例1〜12は化学成分、固溶Ti量のいずれかが本発明の範囲外であるため、いずれも vE−60 が 30J未満で不合格である。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【実施例2】
実施例2は、実施例1の母材およびワイヤにCu、Ni、Cr、Moを添加した例で、溶接条件、シャルピー衝撃試験方法は実施例1と同じである。溶接金属の靱性評価は、−60℃における吸収エネルギー(vE−60)を求め100J以上のものを合格とした。その結果を表6に併記した。なお、使用した鋼板(母材)の化学成分を表4に、使用したワイヤの化学成分を表5に、溶接金属の化学成分を表6にそれぞれ示す。
【0033】
表6に示す本発明例16〜25は化学成分、固溶Ti量とも本発明の範囲を満足したものであり、いずれも低温靱性が良好であることがわかる。他方、比較例13〜17は化学成分、固溶Ti量のいずれかが本発明の範囲外であるため、いずれも vE−60 が100J未満で不合格である。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
以上のように、母材が低炭素鋼(実施例1)の場合、あるいは低炭素鋼に低温靱性を確保するための元素を添加した(実施例2)場合でも、溶接金属中の化学成分および固溶Ti量を制御することによって、良好な低温靱性を有する溶接金属を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、従来得られなかった溶接金属全体の低温靱性が、溶接金属中の化学成分と固溶Ti量を制御することにより得ることができる。このため低温環境下で使用される構造物の安全性をより高めることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention belongs to the technical field of gas shielded arc welding, and more particularly to the technical field of ensuring low-temperature toughness of a weld metal formed by gas shielded arc welding.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, structures used in low-temperature environments, such as marine structures, liquefied gas tanks, and line pipes, have been actively constructed. These structures require mechanical properties, especially high toughness at low temperatures. To meet this requirement, various steel materials with excellent low-temperature toughness are being developed, but the joints, which are indispensable for forming the structure, that is, the weld metal parts are subjected to a desired thermomechanical treatment unlike steel materials. At present, its low-temperature toughness is inferior to that of steel materials. Therefore, there is a very strong demand for improving the low-temperature toughness of the weld metal.
[0003]
Researches on improving the low-temperature toughness of weld metal have been carried out so far, and low-temperature toughness largely depends on the weld metal structure, and a microstructure called acicular ferrite (hereinafter referred to as AF) can be formed. It is disclosed in many research reports that it is effective for improving low-temperature toughness. Further, AF is generated by using a Ti-based oxide contained in a weld metal as a nucleus, and therefore, it is also known that controlling the form in which the oxide is present is effective for improving low-temperature toughness. Furthermore, by adding Ti and B 2 in a complex manner, while maintaining the Ti-based oxide, that is, the formation nucleus of AF, the coarse ferrite generated from the old austenite grain boundary by the effect of improving the hardenability of B 2 is suppressed, and the Report that AF can be generated.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the effect of Ti is determined by the amount of Al contained in the molten metal, and the effect of B is determined by the amount of N 2, it is necessary to control the contents of all these elements. In addition, it is often difficult to control the weld metal structure because it is strongly affected by welding conditions such as a base metal component, a gas component, and a gas shield state.
[0005]
In this regard, for example, according to Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-58186, an oxide dispersed phase having an M 3 O 4 type structure is obtained by defining the Al / O amount, and the influence of the base material dilution, that is, other element components There has been proposed a weld metal excellent in low-temperature toughness, which is not affected by the influence of heat. However, this was limited to those areas of the weld metal that had not been reheated. Since ordinary welding is performed with multiple layers, there are areas in the weld metal that have been reheated (hereinafter referred to as reheated areas) and areas that have not been welded (hereinafter referred to as raw areas). Is inevitable, and the morphology of the reheated part is significantly different from the AF morphology formed in the original part. In addition, since the toughness of the weld metal is the overall mechanical properties including both the original part and the reheated part, it is indispensable to improve the toughness of the entire weld metal. However, the toughness of the entire weld metal to date has not been at a sufficient level.
[0006]
The present invention has been made to solve the above problems, and has as its object to provide a weld metal having excellent low-temperature toughness as a whole by including solid solution Ti in a weld metal in gas shielded arc welding. .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The gist is a weld metal formed by gas shielded arc welding, in which C: 0.02 to 0.12% by mass, Si: 0.10 to 0.80%, Mn: 0.50 to 2 0.000%, Al: 0.002 to 0.050%, Ti: 0.020 to 0.100%, B: 0.0100% or less, O: 0.010 to 0.080% or less, with the balance being the balance Is Fe and inevitable impurities, the amount of solid solution Ti in the weld metal is 0.003 to 0.020%, and the weld metal is excellent in low temperature toughness. Further, Cu: 0.010 to 2.000%, Ni: 0.01 to 3.00%, Cr: 0.010 to 1.500%, Mo: 0.005 to 1.000% This is a weld metal excellent in low-temperature toughness containing at least one of the following. .
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The reheated part structure changes to a ferrite structure no matter how fine the AF structure is formed in the raw material part. Therefore, a technique for making the particle size finer is indispensable, but it is naturally necessary to control the texture of the raw material at the same time because it is strongly affected by the state of the texture of the raw material. However, as described above, it was very difficult to control the texture of the raw material and the structure of the reheated part.
[0009]
As a result of intensive studies made by the present inventors, they have found that the inclusion of solute Ti in the weld metal can significantly improve the toughness of the entire weld metal. This is to enhance the hardenability of the weld metal raw material portion and to suppress the precipitation of a small amount of element, for example, B when reheated. The solid solution Ti referred to in the present invention is a value obtained by subtracting the quantitative value of the Ti compound by the extraction residue analysis from the total Ti content.
[0010]
In ordinary weld metals, most of Ti is precipitated as oxides or nitrides. However, the present inventors have found that by optimally combining wire components, welding conditions, etc., more solid solution Ti is present. Succeeded.
[0011]
The control of the amount of solute Ti depends on various welding conditions. In particular, it is greatly affected by the base metal component, the shielding gas component, etc., but by finely controlling the balance of the amounts of Al, Mg, and Ti in the molten material (flux-cored wire) in accordance with the construction conditions such as the shielding gas component, It is possible to control the amount of solid solution Ti. Since Mg and Al are stronger deoxidizing agents than Ti, the amounts of Ti and solid solution Ti contained in the weld metal can be adjusted by adjusting the amounts of these three elements added to the wire. However, at the same time, it is necessary to control the amount of Al and total Ti so as to be within the scope of the present invention. Therefore, in order to obtain the weld metal of the present invention, it is necessary to finely adjust the wire composition according to welding conditions. That's it.
[0012]
As will be shown in the examples below, a large difference appears in the amount of solid solution Ti even with a seemingly slight difference in the amount of addition of Al, Mg, and Ti. It is difficult to express the amount and ratio of addition in numerical values. However, if welding conditions and appropriate wire components corresponding to the welding conditions are determined in advance by experiments, application to actual welding is possible. The details of the component composition specified in the present invention will be described below.
[0013]
C is an element indispensable for securing the strength of the weld metal, and it is necessary to add at least 0.02% or more. However, an excessive addition increases the strength too much and causes a decrease in toughness, so the upper limit was made 0.12%. Therefore, the C content is set to 0.02 to 0.12%, and a more preferable range is 0.04 to 0.07%.
[0014]
Si is one of the indispensable elements in the weld metal because it has a function of cleaning the weld metal by the deoxidizing action and solidifying and strengthening the ferrite when the yield is reduced. However, when the addition amount is too large, the toughness is deteriorated due to an excessive increase in strength due to the strengthening action. Therefore, the Si content is set to 0.10 to 0.80%, and a more preferable range is 0.20 to 0.50%.
[0015]
Mn must be contained in an amount of 0.50% or more in order to impart strength to the weld metal. However, if Mn is contained excessively, the quenchability is excessively improved, and the toughness is reduced. Therefore, the Mn content is set to 0.50 to 2.00%, and a more preferable range is 1.0 to 1.6%.
[0016]
Since Al is a strong deoxidizing agent, it is indispensable for the weld metal. The deoxidizing effect is not exhibited unless the content is at least 0.002% or more, and if added excessively, it remains in the weld metal as a coarse oxide together with Ti, so that the oxide-forming effect of AF is lost. Let me do it. Therefore, the Al content is 0.002 to 0.050%, and a more desirable range is 0.005 to 0.030%.
[0017]
Ti is a very important element in the weld metal because it forms an oxide which is an AF generation nucleus. If the content is less than 0.020%, the effect is not obtained, and if it exceeds 0.100%, the toughness is deteriorated due to an excessive increase in strength. Therefore, the Ti content is set to 0.020 to 0.100%, and a more preferable range is 0.040 to 0.080%.
[0018]
B has an effect of fixing N 2 dissolved in the weld metal and an effect of suppressing generation of grain boundary ferrite, and is an element necessary for improving low-temperature toughness. Excessive addition causes weld cracking, so the content was made 0.0100% or less. The more preferable content of B is 0.030 to 0.080%.
[0019]
O 2 is an important element in the present invention because it is an element constituting an oxide that is an AF generation nucleus. At least 0.010% or more must be added to form an oxide that works effectively for AF generation. However, if it exceeds 0.080%, the oxide becomes coarse and the AF generation effect is reduced. Will be lost. Therefore, the O content is set to 0.010 to 0.080%, and a more preferable range is 0.020 to 0.050%.
[0020]
As described above, the amount of solute Ti is a very important requirement in the present invention because the amount of solute Ti is to refine the reheated part structure and improve the toughness. Such effects do not appear unless the content is 0.003% or more, and if the content exceeds 0.020%, the texture and toughness of the raw material are deteriorated. Therefore, the range of the amount of solid solution Ti is 0.003 to 0.020%, and a more preferable range is 0.005 to 0.010%.
[0021]
Note that, for Ti-based oxides, since it has been found that AF can be generated by an oxide formed by an additive element within the scope of the present invention, the crystal structure and composition of the oxide are not particularly specified. . In addition, elements such as Cu, Ni, Cr, and Mo are an element group that can secure more excellent low-temperature toughness by being added. The reasons for determining these component composition ranges are described below.
[0022]
Cu has the function of enhancing the quenchability and refining the structure. However, such an effect cannot be obtained with the addition of less than 0.010%, and when added excessively, the strength becomes too high and the toughness is deteriorated. Therefore, the Cu content is set to 0.010 to 2.000%, and a more preferable range is 0.010 to 1.500%.
[0023]
Ni is an element added for imparting stable toughness even in high heat input welding, and therefore, it is necessary to add 0.01% or more. On the other hand, when the addition amount exceeds 3.00%, the strength becomes too high and the toughness is rather lowered. Therefore, the Ni content is set to 0.01 to 3.00%, and a more preferable range is 0.5 to 1.5%.
[0024]
Cr has the function of enhancing hardenability, suppressing the formation of ferrite from grain boundaries, and refining the structure. However, the addition of less than 0.010% has no effect. When added excessively, the strength becomes too high. Deteriorates toughness. Therefore, the Cr content is set to 0.010 to 1.500%, and a more preferable range is 0.020 to 1.000%.
[0025]
Mo has a function of suppressing the formation of ferrite from the grain boundaries. If the addition is less than 0.005%, such an effect is not exhibited. If the addition exceeds 1.000%, the strength becomes too high and the toughness is deteriorated. Therefore, the Mo content is 0.005 to 1.000%, and a more preferable range is 0.010 to 0.800%.
[0026]
【Example】
Hereinafter, an example for obtaining a weld metal according to the present invention will be specifically described. The welding joint was manufactured by carbon dioxide arc welding using a steel plate having a thickness of 20 mm and a flux-cored wire (diameter 1.2 mm). The groove shape at this time was a 45 ° V-shaped groove, and the welding conditions were a welding current of 270 to 280 A and a heat input of 15 to 20 kJ / cm 2. A Charpy impact test was performed on the weld metal of the welded joint thus manufactured to evaluate low-temperature toughness.
[0027]
Embodiment 1
Table 1 shows the chemical composition of the steel plate (base material) used, Table 2 shows the chemical composition of the wire used, and Table 3 shows the chemical composition of the weld metal. The toughness of the weld metal was evaluated by taking a test piece from the center of the weld metal in accordance with JIS Z 2202 and conducting a Charpy impact test. The absorbed energy at -60 ° C (vE- 60 ) was determined. . The results are shown in Table 3.
[0028]
Inventive Examples 1 to 15 shown in Table 3 both satisfied the range of the present invention in terms of the chemical components and the amount of solute Ti, and it was found that all of them had good low-temperature toughness. On the other hand, in Comparative Examples 1 to 12, any one of the chemical component and the amount of solute Ti was out of the range of the present invention, and therefore, vE- 60 was less than 30 J and was rejected.
[0029]
[Table 1]
[0030]
[Table 2]
[0031]
[Table 3]
[0032]
Embodiment 2
Example 2 is an example in which Cu, Ni, Cr, and Mo were added to the base material and the wire of Example 1, and the welding conditions and the Charpy impact test method were the same as in Example 1. In the toughness evaluation of the weld metal, the absorbed energy (vE- 60 ) at -60 ° C was determined, and those having 100 J or more were accepted. The results are shown in Table 6. Table 4 shows the chemical composition of the used steel plate (base material), Table 5 shows the chemical composition of the used wire, and Table 6 shows the chemical composition of the weld metal.
[0033]
Examples 16 to 25 of the present invention shown in Table 6 satisfy the range of the present invention in both the chemical components and the amount of solute Ti, and it can be seen that all of them have good low-temperature toughness. On the other hand, Comparative Examples 13 to 17 chemical components, for any of the solid solution Ti content is outside the range of the present invention, any of vE -60 is rejected in less than 100 J.
[0034]
[Table 4]
[0035]
[Table 5]
[0036]
[Table 6]
[0037]
As described above, even when the base material is a low-carbon steel (Example 1) or when an element for ensuring low-temperature toughness is added to the low-carbon steel (Example 2), the chemical components in the weld metal and By controlling the amount of solid solution Ti, a weld metal having good low-temperature toughness can be obtained.
[0038]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the present invention, the low-temperature toughness of the entire weld metal, which has not been obtained conventionally, can be obtained by controlling the chemical components and the amount of solid solution Ti in the weld metal. Therefore, the safety of a structure used in a low-temperature environment can be further improved.
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