JP3577495B2 - 圧排装置を備えた歯科用器具。 - Google Patents

圧排装置を備えた歯科用器具。 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、歯科医において使用される医療器具に関するものであり、詳細には、切削治療に用いられるエアタービンやコントラ、バキュームチップ等の歯科用のハンドピースの内、特に、歯牙切削機へ圧排装置を結合させた新規な歯科用器具に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、歯科医において切削等の治療を行う場合には、先端に切削工具を備えたハンドピースと、治療部位の状態を観察するためのミラー、唾液等の廃液を吸引除去するバキュームチップ等の医療器具が使用されている。また、これ等の複数の器具の内、ミラーやバキュームチップは治療に邪魔な口腔内組織を圧排して切削工具との接触を回避するためにも使用されている。
【0003】
ところが、これ等の複数の器具を医師自身が独りで使用することは困難であり、邪魔な口腔内組織をミラー、バキュームチップ、手等の何れかで押さえつけて圧排する、圧排作業を行う専門の助手が必要となる。
【0004】
従って、これ等の切削治療では、仰臥姿勢にした一人の患者に対して医師と助手とで治療を行う、いわゆる、Four−Handed dentistryによる座位治療が日常的に行われているのが現状であるが、この場合、医師と助手の双方に、ミラーテクニック、オーラルバキュームテクニック、器具の受け渡し等の熟練した技術を必要とし、また、医師と助手との技術的レベルが合わないと、治療が円滑にできなかったり、時間がかかる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のFour−Handed dentistryによる座位治療は、手術等の複雑な作業を行う際には極めて有益であるが、歯科医における治療の多くは、虫歯や歯牙の切削治療である。
【0006】
米国特許第525278号、第1004118号、第107571号、第1101947号、第2307677号、第2671269号、第2924013号等においては、先端部に保護板を取付けた各種のハンドピースの構造が開示されているが、これ等の保護板は、切削工具と口腔内組織との接触を阻むように、切削工具の周囲の一部又は全体に配置され、ハンドピースの先端部付近の適宜な部位に取付けられたものであって、周辺の口腔内組織の保護のみを目的とするため、ハンドピースの先端部に対して位置調整が不可能か、或いは、取付部で回動する程度の多少の位置調整ができるものの、口腔内での使用中に位置調整を行うことは不可能であり、また、切削工具に対して口腔内組織を圧排できる仕組みとはなっていない。そのため、この種の器具を使用する場合には、従来と同様にミラーやバキュームチップ等の他の器具を併用する必要性が生じることは勿論のこと、これ等の保護板を取付けたハンドピースを使用すると、切削工具の視認性をかえって悪化させ、適確な治療ができない等の欠点もあった。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために、汎用のハンドピースの基端部に取付けるだけで、口腔内での使用中に、医師の片手の指操作のみで、必要な口腔内組織を圧排し乍らハンドピースを動かすことができる新規な医療器具を開発したものである。
【0008】
この医療器具は、本発明の各実施例を説明する図面に図示の如く、ハンドピース1の把持部である基端部1aに先端部側より挿入して任意の位置に固定される取付孔2aを有する取付部材2と、取付部材2の取付孔2bに取付けられるアーム3と、アーム3の先端部に取付けられる排除板4とで構成された歯科用器具である。
【0009】
ところで、口腔内でこの種の器具を使用する場合、患者の下顎を開状態とさせて器具の挿入及び操作を行い易くした状態とするが、この状態でもハンドピースの動きは口腔内の形状と口腔内組織によって様々な制限を受ける。即ち、口腔前庭の深さに差があったり、下顎が顎関節の下顎頭を支軸として開閉運動するために、口腔内の空間は前方の口唇側から奥方の軟口蓋側に行くに従って狭くなっている等の制限である。
【0010】
従って、本発明においては、上記の歯科用器具の構成の内、排除板4を先端部に取付けたアーム3を、例えば、図示の各実施例の如く、使用者の指関節の動きに応じて水平方向及び垂直方向の適宜な位置に回動できる複数のアーム(例えば、支持アーム5、中間アーム7、先端アーム9)から成る連結型のアーム3等で構成した。
【0011】
この内、垂直方向に可動する先端アーム9の先端部は、これ等の制限を受けることなく口腔内のあらゆる箇所に挿入できる器具の先端部形状を形成するために機能し、水平方向に可動する中間アーム7等は、器具の側方に位置する口唇、舌、頬、咬筋、下顎枝筋突起部等の口腔内組織を圧排するために機能する。
【0012】
そして、アーム3の基端部は、ハンドピース1の中央部や先端部ではなく、ハンドピース1の基端部1aに取付部材2を介して一体的に取付けられていて、尚且つ、ハンドピース1の軸方向に沿って一定の間隔を置いて配置されている。この構成により、医師は、自身の片手の何れかの指の付け根や中指等で取付部材2とアーム3を安定して支えた状態で、親指や人差指等で、ハンドピース1とアーム3にそれぞれ独立した力を加えることができる。
【0013】
即ち、この歯科用器具の最も重要な作用効果は、医師の指操作で口腔の手前側の比較的広い空間から、器具全体の先端部の形状を口腔の奥側の狭い空間内へ挿入できる形状に変更できることに加えて、図29乃至図30に図示の如く、口腔内での使用中には、何れかの指で口腔内組織を圧排するための強い押圧力をアーム3の先端部分と排除板4に付与しながら、ハンドピース1を他の指で軽く自由に操作できることである。具体的には、アーム3の先端部分に対する指の押圧力で、舌や頬等の口腔内組織を排除板4で確りと押し付け、この状態を維持したままハンドピース1の先端部を垂直乃至水平方向に自由に動かすことができ、また、その際、ハンドピース1の先端部の動きにつられて排除板4が動く心配がないために、これ等の操作を円滑に行うことができることである。
【0014】
加えて、本発明の歯科用器具は、取付部材2をハンドピースから外れない状態で、ハンドピース1の軸回りに回動自在に取付けて構成したことである。この構成によれば、上記の作用効果に加えて、図24に図示の如く、口腔内での使用中、排除板4で適当な位置の口腔内組織を押さえ付けたまま、ハンドピース1を軸周りに回転させることができるので、治療対象である歯牙の適宜部位に対して、図27に示す様に切削工具1cの側面をより理想的に当てて切削できることになる。この場合も、ハンドピース1の回転操作は、排除板4に全く影響を与えないので、口腔内組織を排除板4で確りと抑えつけることができる。
【0015】
尚、上記の歯科用器具に使用されるアーム3は、何れの構造のアームでも良いが、排除板4に対する切削工具1cの自由性をより向上させることを考慮すると、これ等のアームの実施態様としては、前記の回動機構を備えた複数のアームから成る連結型のアーム3が好ましい。しかし、回動機構が単なる回動軸である連結型のアーム3で圧排作業を行うと、治療中に排除板4が可動し、安定した切削治療が困難となる。特に、歯牙の裏側の切削を行う遠心切削には、医師と助手の二人がかりでも非常に困難な治療であると言われており、治療の邪魔になる下顎の筋突起を押圧しながら、更に、治療部位を写しだすミラーテクニックが必要である。このため、図14乃至図23に図示の如く、回動機構には適度な摩擦力で各アームが一定の角度に維持でき、必要に応じて強固に固定できる調整手段を設ける。
【0016】
また、アーム3の先端に取付けられた排除板4は、実質上、ハンドピース1の片側で垂直方向に移動できるので、口腔内奥側への器具の挿入時に重要な役割を果たす垂直方向の回動機構を省略することも可能である。この場合、図13に図示の如く、水平方向の回動機構のみを備えたアーム3を採用すれば良い。
【0017】
【実施例】
斯る目的を達成した本発明を以下の実施例の図面により説明する。
【0018】
図1乃至図4は、第1実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図であり、図5は、第2実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図であり、図6は、第3実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図であり、図7及び図8は、第4実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図であり、図9及び図10は、第5実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図であり、図11及び図12は、第6実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図であり、図13は、本発明の圧排装置を備えた歯科用器具に使用されるその他のアームの概要図であり、図14乃至図23は、本発明で使用される回動型のアームにおける回動機構の概要図である。図24乃至図26は、第1実施例乃至第4実施例の圧排装置を備えた歯科用器具におけるハンドピースの動きを示す説明図であり、図27及び図28は、口腔内におけるハンドピースの動きを示す説明図であり、図29乃至図30は、圧排装置を備えた歯科用器具の使用状態の説明図であり、図31乃至図33は、本発明の圧排装置を備えた歯科用器具に使用されるその他の排除板及びそれに関連する装置の概要図である。
【0019】
本発明の圧排装置を備えた歯科用器具は、図示の如く、ハンドピース1のテーパーを有する基端部1aへ直接又は内筒管13を介して着脱可能に挿入させる断面C字状等の取付孔2aを有する取付部材2と、該取付部材2の支持孔2bへ取り付けられるアーム3と、該アーム3の先端部に取付けられる排除板4とで構成されている。
【0020】
そして、前記ハンドピース1は、基端部1aに把持部を有する汎用のハンドピース1であり、該ハンドピース1は、先端部にエアやモーター等の駆動源によって高速回転する回転体1bと、該回転体1bへ取付けられた切削工具1cを備えている。
【0021】
第1実施例の圧排装置を備えた歯科用器具は、図1乃至図4に図示の如く、ハンドピース1の基端部1aと取付部材2との間へ内筒管13を取付けている。該内筒管13は、例えば、ハンドピース1のテーパー形の基端部1aに確りと固定されるテーパー形の取付孔13aを有しており、また、内筒管13の外周面と取付部材2の取付孔2aの内周面は円筒の形状を有した同軸の平行筒となっている。
【0022】
前記内筒管13の外周面にはU字溝13bが環状に形成されており、前記取付部材2の外側から螺子孔2cへ螺入させたボルト14の球状の頭部が内筒管13のU字溝13b内に突出していて、取付部材2に対してハンドピース1は軸方向に移動しないように構成されている。ボルト14をきつく締めることで、ハンドピース1の回動を停止させることもできるが、ボルト14を適度に緩めることにより、ハンドピース1の取付部材2に対する軸回りの回動が可能となる。
【0023】
第2実施例の圧排装置を備えた歯科用器具は、図5に図示の如く、第1実施例のボルトの球状の頭部の代わりに取付部材2のU字溝と内筒管13のU字溝13bとの間にボールベアリング14aを設けたものであり、第3実施例の圧排装置を備えた歯科用器具は、図6に図示の如く、取付部材2の内周面へU字溝13b内へ突出する環状突起14bを設けたものである。
【0024】
第4実施例の圧排装置を備えた歯科用器具は、図7及び図8に図示の如く、ハンドピース1の基端部1aと取付部材2との間へ第1実施例と同様の内筒管13を取付けている。該内筒管13の外周面には取付部材2の取付孔2aの内周面に設けた螺子部xに螺合する螺子部yが設けられていて、ハンドピース1の回動操作を行うと、ハンドピース1は取付部材2に対して前後方向にわずかに進退しながら、軸回りに回動する。
【0025】
上記、第1実施例乃至第4実施例において、前記取付部材2の支持孔2bへ取付けられるアーム3には、排除板4の自由性を考慮して、取付部材2の支持孔2b内へ螺子孔2cから螺合させたボルト2Aによりスライド移動可能に且つ軸回りに回動自在に支持される支持アーム5と、該支持アーム5の先端部に回動機構を介して取付けられた中間アーム7と、該中間アーム7の先端部に回動機構を介して取り付けられた先端アーム9とで構成させたものを採用している。
【0026】
第1実施例乃至第4実施例における中間アーム7は、ハンドピース1の使用中に支持アーム5に対して水平方向に回動するので、先端アーム9の先端に取付けられた排除板4で口腔内組織を圧排する際に、支持アーム5と中間アーム7をある程度の摩擦力で一定の角度に保てると共に、必要に応じて強固に固定できる回動機構が必要である。この回動機構の詳細は、図14乃至図23により説明される。
【0027】
図14及び図15は、第1の回動機構の実施例を示している。図示の如く、中間アーム7の後端部には摺接面X1を設けるための凹溝7aが中間アーム7の本体と分割部材7Aとの間に形成されて、一方、支持アーム5の先端部には中間アーム7の摺接面X1に対して摺接面X2を設けるための突出片5bが形成されている。
【0028】
図15は、中間アーム7の分割部材7Aを取り除いた状態を示している。この図から、摺接面X1.X2が円弧状に形成されていて、回動軸6による連結で、支持アーム5と中間アーム7の水平方向の回動運動が可能となっていることが容易に判断されるであろう。この摺接面X1.X2は、また、図8において、中間アーム7の後端部と支持アーム5との当接面にも形成される。
【0029】
前記回動軸6は、詳細には、両側面に軸芯を有すると共に、軸芯よりも稍々大径の胴部の中央辺に螺子孔6aを有しており、前記支持アーム5の突出片5bには回動軸6の胴部を装着する軸受孔5cが形成されている。一方、中間アーム7の後端部に設けた凹溝7aの両壁面には前記回動軸6を装着する軸受孔7bが形成されている。
【0030】
図示の如く、前記支持アーム5は中空軸5aを有する管状部材から成り、該中空軸5a内へは先端部に前記回動軸6の胴部の螺子孔6aと螺合する螺子部11aを有すると共に後端部には操作部材11bを有する操作杆11が配設されている。
【0031】
本発明の保護装置を使用している歯科医師が、前記操作杆11の操作部材11bを回転させると、該操作部材11bの先端の壁面と支持アーム5の後端の壁面が当接されているので、操作杆11の先端部は螺子結合により回動軸6の胴部を支持アーム5側へ引き付ける。
【0032】
一方、回動軸6は、中間アーム7の後端部に設けた軸受孔7bに挿入されているため、夫々の摺接面X1.X2の摩擦抵抗が強まり、これにより、支持アーム5と中間アーム7は所定の角度に保つことができる。
【0033】
図16及び図17は、第2の回動機構の実施例を示している。この場合、中間アーム7の後端部には突出片7cが形成され、該突出片7cに摺接面X1が形成されている。これに対して支持アーム5の先端部には凹溝5eが形成されていて、回動軸6が突出片7cの軸受孔7bと凹溝5eの両壁面に設けた軸受孔5cへ挿入されている。
【0034】
摺接面X1は操作杆11の先端面に設けた摺接面X2との当接により摩擦係合している。操作杆11は後端部の外周面に設けられた螺子部11aと支持アーム5の後端部の内周面に設けられた螺子部5dとの螺合により中空軸5a内に進退可能に配設されている。
【0035】
図18及び図19は、第3の回動機構の実施例を示す。この実施例では、中間アーム7の摺接面X1は回動軸6の胴部に形成される。このため、回動軸6の軸心は中間アーム7の軸受孔7bに対して回動されないように略楕円形の断面を有している。前記回動軸6の胴部の摺接面X1には、好ましくは、溝部(図示せず)が形成され、操作杆11の先端部に設けた摺接面X2との当接により摩擦係合される。
【0036】
図20及び図21は第4の回動機構の実施例を示す。この実施例では、中間アーム7の後端部に設けた摺接面X1は、操作杆11の先端部に配置された押付部材11Aの摺接面X2と摩擦係合する。操作杆11は操作部材11bの操作等より押付部材11Aを先端方向へ押し出す。この実施例の場合、中間アーム7に分割部材を使用する必要がない。
【0037】
上記の第1実施例乃至第4実施例の構成において、前記ハンドピース1は内筒管13を介して取付部材2に取付けられているので、口腔内での使用中には、図24に示す如く、片手の指操作で切削工具1cを軸回りに回動させることができる。また、支持アーム5と中間アーム7と先端アーム9とで構成させたアーム3を採用しているので、図25及び図26に図示の如く、ハンドピース1の先端部分、つまり、切削工具1cを垂直及び水平方向に振らせることができるのである。
【0038】
これ等のハンドピース1の動きは、排除板4の動きに影響を与えないので、排除板4で口腔内組織を押圧したまま、ハンドピース1の先端に設けられた切削工具1cを自由に動かすことができるのである。
【0039】
尚、図22及び図23は第5の回動機構の実施例を示している。この回動機構は、回動軸8を介して連結された先端アーム9と中間アーム7の間に設けられている。図22の場合、中間アーム7(又は先端アーム9)の外周面には該中間アーム7の軸方向に移動できる調整管18aが設けられており、該調整管18aを回動軸8上へ移動させることにより、先端アーム9と中間アーム7とを直線上に確りと固定できる。
【0040】
図23の場合には、中間アーム7と先端アーム9の連結部の外周面には断面C字状の調整リング18bが設けられており、この調整リング18bを回動及びスライド移動させることにより、先端アーム9と中間アーム7を直線上に固定したり、回動を可能とさせることができる。
【0041】
[圧排装置を備えた歯科用器具の使用方法]
本発明の各実施例の圧排装置を備えた歯科用器具は、図27に図示の如く、口腔内での使用中に、排除板4で口腔内組織を押圧した状態で、ハンドピース1の軸回りに切削工具1cを回動することができる。また、図28は、可動型のアーム3を使用しているために、舌A等の口腔内組織を排除板4で押圧した状態で、切削工具1cが歯Bの周辺で自由に動くことを説明するための、口腔内で使用されている圧排装置を備えた歯科用器具を平面から観察した説明図である。
【0042】
治療の際には、図29乃至図30に図示の如く、医師は一方の手でハンドピース1と圧排装置を備えた歯科用器具を把持すると共に、他方の手でバキュームチップDを把持し、治療対象と成る部位でバキュームチップDと排除板4で舌Aや歯Bの外側の肉部C等の口腔内組織を排除しながら、ハンドピース1の先端部を指運により操作する。図29及び図30は第1実施例の圧排装置を備えた歯科用器具を下顎の奥方で使用した状態を示ているが、他の実施例についても同様であり、また、上顎、下顎を問わずあらゆる治療部位に対して同様に使用することができる。
【0043】
[排除板及び排除板に関連するその他の機構]
上記の実施例では円盤状の排除板4を用いたが、本発明はこれに限られず、楕円形、矩形、鉤形等の排除板や、図33に図示のような、口腔内の形状に合わせて形成した三葉形の排除板4も使用できる。これらの排除板4は、アーム3の先端に一体的に取付けたり、図31の如く回動軸となる支持部材4aを介して回動自在に取付けることができる。とりわけ、図32及び図33に図示の排除板4では、回動軸を中心とする外周方向に二つ以上の異形状の舌片4aが形成されており、排除板4を回動させることにより、口腔内の形状に応じて夫々の舌片4aを選択的に使用することができるように構成されている。
【0044】
[アーム]
本発明に採用されるアーム3は、上記の実施例に使用したアーム3は勿論のこと、各種の実施態様が考えられる。図13は、第1実施例において、水平方向の回動機構のみを備えたアーム3を示している。このアーム3は、中間アーム7に対して先端部を上方に屈曲させて取付けた先端アーム9と、取付部材に取付けられた支持アーム5とで構成されていて、連結部分には、前述の図8乃至図22で示した回動機構が採用され得る。
【0045】
[他の実施例]
図9及び図10は、本発明の第5実施例を示している。この圧排装置を備えた歯科用器具においては、断面略C字状の取付部材2が使用される。また、該取付部材2は合成樹脂等の弾性を有する素材で形成される。ハンドピース1の基端部1aには、軸方向の両端部にストッパー手段17a.17aを有する円筒体17が嵌合される。この実施例では、取付部材2の取付孔2aを円筒体17の胴部の外周面へ周方向から弾性を利して嵌合させることにより、ハンドピース1を取付部材2に対して軸回りに回動自在に取付たものである。又、この実施例のように弾性を利用した取付においても、遊動自在な取付けが可能であることは言うまでもない。
【0046】
図11は、本発明の第6実施例を示している。この実施例の場合、ハンドピース1の基端部1aには、ロータリージョイント等の接続部19を介して別部材20が取付けられており、ハンドピース1は、別部材20に対して軸回りに回動可能に構成されている。この別部材20の内部には、例えば、切削工具1cを高速回転させるためのエアー等を導入する導入管等(図示せず)が配設されている。
【0047】
前記別部材20の外周面へは、例えば、後方のテーパーを利用して図5に示した構成の取付部材2が取付られ、該取付部材2にアーム3の基端部が取付けられ、ハンドピース1とアーム3とが一定の間隔をおいて平行に配置される。尚、この別部材20への取付には前述の各実施例で開示された全ての取付部材2及び取付方法が効果的に採用され得ることは言うまでもない。
【0048】
前記アーム3の先端部には各実施例と同様に、適宜形状の排除板4が取付けられ、これにより、排除板4の静止した状態に対してハンドピース1の軸回りの回動が可能となっている。尚、図示の実施例では、中間アーム7の外周面には該中間アーム7の軸方向に移動できる調整管18a・18aが設けられており、該調整管18a・18aを回動軸8又は回動軸6上へ移動させることにより、先端アーム9と中間アーム7、及び中間アーム7と支持アーム5とを夫々直線上に確りと固定できる。
【0049】
尚、この実施例ではロータリージョイント等の接続部19を介してハンドピース1が取付けられているので、ハンドピース1の着脱が簡易化されることは勿論のこと、各種の器具類との交換が可能である。
【発明の効果】
本発明の圧排装置を備えた歯科用器具は、前述の如く構成したことにより、汎用のハンドピースに取付けるだけで簡単に使用できるものであり、歯科医師は、本発明の圧排装置を備えた歯科用器具を取付けたハンドピースを使用することにより、排除板で必要な口腔内組織を排除しながら、歯牙切削機の切削工具等の先端部を意図する方向に自由に操作できるので、あらゆる治療部位において、日本人が日常的に食事の際に使用する箸の操作の要領等で、医師自身のみで円滑な切削治療を行うことができる。また、その際、排除板の状態を変えることなく、歯牙切削機の切削工具等の先端部を操作することができ、また、治療部位を観察する必要性のある場合でも安定して使用することができる。総じて、本発明の圧排装置を備えた歯科用器具は、従来のFour−Handed dentistryによる治療の際に生じる問題を全て解消し、切削治療を円滑に且つ短時間で行える等の歯科診療の技術的発展に貢献する画期的で且つ極めて有意義な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1乃至図4】第1実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図である。
【図5】第2実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図である。
【図6】第3実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図である。
【図7及び図8】第4実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図である。
【図9及び図10】第5実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図である。
【図11及び図12】第6実施例の圧排装置を備えた歯科用器具の概要図である。
【図13】本発明の圧排装置を備えた歯科用器具に使用されるその他のアームの概要図である。
【図14乃至図23】本発明で使用される回動型のアームにおける回動機構の概要図である。
【図24乃至図26】第1実施例乃至第4実施例の圧排装置を備えた歯科用器具におけるハンドピースの動きを示す説明図である。
【図27及び図28】口腔内におけるハンドピースの動きを示す説明図である。
【図29乃至図30】圧排装置を備えた歯科用器具の使用状態の説明図である。
【図31乃至図33】本発明の圧排装置を備えた歯科用器具に使用されるその他の排除板及びそれに関連する装置の概要図である。
【符号の説明】
A 舌
B 歯
C 肉部
D バキュームチップ
G 間隙
X1 摺接面
X2 摺接面
x 螺子部
y 螺子部
1 ハンドピース
1a 基端部
1b 回転体
1c 切削工具
2 取付部材
2A ボルト
2a 取付孔
2b 支持孔
2c 螺子孔
3 アーム
4 排除板
4a 舌片
5 支持アーム
5a 中空軸
5b 突出片
5c 軸受孔
5d 螺子部
5e 凹溝
6 回動軸
6a 螺子孔
7 中間アーム
7A 分割部材
7a 凹溝
7b 軸受孔
7c 突出片
9 先端アーム
10 回動軸
11 操作杆
11A 押付部材
11a 螺子部
11b 操作部材
12 ストッパー手段
13 内筒管
13a 取付孔
13b U字溝
14 ボルト
14a ボールベアリング
14b 環状突起
15 ストッパー手段
16a 噴出ノズル
16b エアー供給路
17 円筒体
17a ストッパー手段
18a 調整管
19 接続部
20 別部材

Claims (11)

  1. ハンドピースの基端部を挿入する取付孔を設けた取付部材と、該取付部材に基端部を取り付けたアームと、該アームの先端部に取り付けた排除板から成る圧排装置において、前記取付部材の取り付け孔とハンドピースの外周面の間に内筒管を設けてハンドピースを軸回りに回動自在に挿入すると共に、前記内筒管の外周面へ環状のU字溝を形成し、前記取付部材の取付孔の内周面に設けた球状頭部を有する突起を前記U字溝内へ突出させたことを特徴とする圧排装置を備えた歯科用器具。
  2. 前記突起が取付部材の螺子孔から螺入させたボルトの頭部であることを特徴とする特許請求の範囲の請求項1に記載の圧排装置を備えた歯科用器具。
  3. 前記突起が取付部材の取付孔の内周面に設けた溝と内筒管のU字溝との間に設けたボールベアリングであることを特徴とする特許請求の範囲の請求項2に記載の圧排装置を備えた歯科用器具。
  4. 前記突起が取付部材の内周面に設けた環状突起であることを特徴とする特許請求の範囲の請求項3に記載の圧排装置を備えた歯科用器具。
  5. ハンドピースの基端部に取り付ける取付孔を設けた取付部材と、該取付部材に基端部を取り付けたアームと、該アームの先端部に取り付けた排除板から成る圧排装置において、前記取付部材の取付孔とハンドピースの外周面の間に内筒管を設けると共に、前記内筒の外周面へ螺子部を形成し、前記取付部材の内周面へ内筒管の螺子部へ螺合される螺子部を形成させて、ハンドピースを軸回りに回動自在に取り付けたことを特徴とする圧排装置を備えた歯科用器具。
  6. 取付孔を設けた断面略C字状の弾性を有する取付部材と、該取付部材に基端部を取り付けたアームと、該アームの先端部に取り付けた排除板からから成る圧排装置において、前記ハンドピースの基端部に軸方向の両端部にストッパー手段を有する円筒体を設け、該円筒体の胴部の外周面へ前記取付部材の取付孔を嵌合させると共にハンドピースを取付部材に対して軸回りに回動自在とさせたことを特徴とする圧排装置を備えた歯科用器具。
  7. 前記アームが回動軸を介して連結された複数個のアームから構成されていることを特徴とする特許請求の範囲の請求項1に記載の圧排装置を備えた歯科用器具。
  8. 前記複数個のアームが取付部材に取り付けられた支持アームと、該支持アームの先端に回動軸を介して連結された中間アームと、該中間アーム先端に回動軸を介して連結された先端アームから構成されていることを特徴とする特許請求の範囲の請求項7に記載の圧排装置を備えた歯科用器具。
  9. 前記支持アームと中間アームを所定の角度で固定できる調整手段を設けたことを特徴とする特許請求の範囲の請求項8に記載の圧排装置を備えた歯科用器具。
  10. 前記中間アームと先端アームを所定の角度で固定できる調整手段を設けたことを特徴とする特許請求の範囲の請求項8の圧排装置を備えた歯科用器具。
  11. ハンドピースの基端部を挿入する取付孔を設けた取付部材と、該取付部材に基端部を取り付けたアームと、該アームの先端部に取り付けた排除板から成る圧排装置において、前記排除板がアームの先端部に回動軸を介して取り付けられると共に該回動軸を中心として外周方向に少なくとも二つの異形上の舌片が形成され該排除板を回動させることにより、圧排する口腔内の組織の形状に応じて舌片が選択できることを特徴とする圧排装置を備えた歯科用器具。
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