JP3571722B2 - 内部気体注入体付き遠心ポンプ - Google Patents

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Description

発明の背景
(a)発明の分野
本願は、好適には回転円板型の遠心ポンプにより汲み上げ動作中の、やはり好適には水である液体に空気などの気体を注入し溶解させる方法に関するものである。
本願は、また、気体注入体を組み込んだ、回転円板型(rotary disc type)の遠心液体ポンプに関するものである。
b)従来技術の説明
廃液の「浄化」または「処理」の為に現在使用されている浮揚工程においては、浄化された水の一部を再循環させることが一般的である。通常、浄化された水は浄化器の遊泳タンクの底部、あるいはその排出口において汲み上げられ(pumped)、そして処理すべき廃液が浄化器へ入る直前にそこに注入される。
また、該浄化器内へ入る廃液内に空気を注入して、該廃液内に遊泳している個体群を「捕獲」してそれらの遊泳を容易にするたくさんの小さな泡を生成することも一般的である。このような空気注入は、廃液が該浄化器内へ送られる直前に直接行うことも、あるいはもっと好適には注入前にすでに再循環され浄化された水に施すこともできるが、いずれの方法にしてもできるだけ多量の空気が溶解されるように、適当な圧力下で注入するのが効果的である。
充分な量の浄化された水を再循環し、同時にそこに充分な量の空気を溶解させて圧力がかかるや否やすぐに150μmmあるいはそれ以下のサイズのたくさんの泡が生成されるようにするには、ポンプは理想的には550〜825kN/m2の圧力を生成する必要がある。また勿論それは理想的には低エネルギー消費(単位はm3/HP(馬力))でなければならない。
これらの目的を達成する為に、現在までの所1380kN/m2の圧力を生成し得る羽根付きインペラを備えた遠心多段階ポンプが使用されているが、これらのポンプでは流量率が低という問題がある。
また、ケース内に回転可能に設けられた複数の近接して互いに間隔を置いた円板を備えた回転円板型ポンプの使用も教示されている(米国特許第4,335,994号;4,514,139号;4,768,920号、それに第4,773,819号参照のこと)。この場合、汲み上げ効果は回転円板と液体の間に生まれた摩擦、剪断力により得られるものであり、この汲み上げ効果をさらに高めるものとして各円板上に放射状直線突条を設けることを教示したものもある(米国特許第4,940,385号参照のこと)。
回転円板型ポンプにおいて興味深いことは、その構造により遊泳個体を有する可能性のある廃液などの流体を容易に処理できることであるが、これら回転円板型ポンプが本当に有効であるのは生成すべき圧力が350kN/m2以下の時のみである。さらにそれらのポンプはエネルギー消費が大きいことでも知られている(最大1m3/HP)。
再循環された水(または浄化器に入れられる廃液)内へ要求される分量の空気を溶解させる為に、ポンプの上流に配置されたベンチュリ管内に空気取り入れ口を設け、それにより空気を吸入して水の中へ取り入れ、ポンプ内で圧縮するという工程も他の適用に関するものではあるが一般的なものである(カナダ特許第1,016,408号参照)。
この特殊な分野において、インペラの羽根内に設けた管とこれら羽根の外側端部に位置する開口を介する(米国特許第3,485,484号参照)か、あるいはロータの羽根がその回転軸から所定の半径方向に延びた位置で分離されていることでそれらに当接しないように構成された、ポンプのケース内に延びている複数の固定ピン(米国特許第4,744,722号参照)を介するかでケース内に直接空気を注入することも教示されている。しかしながらこれら双方の場合において、ケースと/または、インペラ、ロータ等は特殊な形状をしており、それによりポンプが幾分高価なものになり、またその構成部材も時には修理交換などがかなり難しいという問題がある。
高圧力生成可能な羽根付きインペラ多段階ポンプを使用すれば水流中に20容量パーセントまで空気を混合することができる。円板上に突条を備えておらず、また高圧力を生成できない現行の回転円板型ポンプでは、7容量パーセントまでしか空気を混合できないし、それもまた円板が互いに近接し、1700〜2100rpmの速度で回転できる時のみである。しかしながら実際の所、浄化器内で廃液温度を有効にするには10〜15容量パーセントの空気は必要なのである。
フランス国特許出願第2,253,716号において、複数の羽根が突出した単円板よる成る回転インペラに強固に接続した軸状の空気吸入管と放射状に突出している複数の空気供給管を有する液肥装置が開示されている。この装置の目的は液肥に空気を混合させ、その混合したものを外付けポンプにより肥料が事前に供給されている肥料タンクを介して循環させることである。動作としては、インペラにより「生成」される唯一の圧力と呼べるものは該タンク内の肥料の循環動作の間に生じる圧力損失である。このような圧力は非常に低いものであり、よって液肥のみでなくその上部に浮いた泡までも吸入するようにインペラを液肥の表面近くに置くことができる。
しかしながら少なくとも500kN/m2の圧力を生成せねばならないどのような「本当の意味での」遠心ポンプもこのような方法では機能せず、また特にこのフランス出願に見られるようにインペラ駆動軸がケース入口を介して通過しているような場合には同様の動作条件下では吸水できず、よってその表面領域がかなり減少してしまうのである。
本願の目的と要約
本願の目的は、非常に単純でかつ効果的な構造の気体注入体を組み込み、それにより液体は550kN/m2以上の圧力で汲み上げられ、流量率は約190m3/hであると同時に汲み上げられた液体に空気などの気体の少なくとも一部が注入、溶解されて15容量パーセントまで混合できる回転円板型の遠心液体ポンプを供給することである。
上記フランス国特許出願第2,253,716号に開示されている液肥装置と同様に、本発明により使用される遠心ポンプは従来型の構造であり、また、
a)互いに同軸上にある一対の対向する端壁を有するほぼ円筒型の内部空間部を形成するケースと、
b)該空間部と同軸上にありまた上記一対の対向する端壁の一方に開口し、該空間部に開通している液体取り入れ口と、
c)該空間部に開通し、また該空間部の外側に接線方向に延びた液体排出口と、
d)前記空間部と同軸であり、前記液体取り入れ口が開口している側とは逆の端壁に近接して延びる円板を有し、前記空間部内に回転可能に設けられた所定の半径を有する回転インペラと、
e)該インペラを前記空間部内で所定の方向に回転させるために前記円板と同軸に強固に接続された動力軸と、
f)前記インペラと同軸であり、かつ強固に接続されて該インペラと共に回転する、該ケースの外側に位置する気体取り入れ口を有する気体供給管と、
g)該気体供給管や該気体供給管に接続されたインペラと共に回転するよう該気体供給管に強固に接続され、該気体供給管に対して垂直に前記ケース内で放射状に延び、一端は該気体供給管の気体排出口に開通すると共に、他端はやはり該ケース内で該気体供給管から離れた地点で開口している気体噴射口を形成している少なくとも1個の気体注入管、を有している。
本願によれば、このポンプは、
h)回転インペラが、前記一方の円板に同軸に強固に接続され、又該一方の円板からは間隔を置いて前記液体排出口が開口している端壁に近接して延びると共に該液体取り入れ口を介して注入された液体を前記空間部に導入するための中央開口を備えた、前記円板と同径の他の円板を有し
i)前記回転インペラのこの双方の円板は複数の突条が延設されている互いに相対する平面を有し、
j)動力軸はケースの外に、液体取り入れ口と逆の方向に延び、
k)気体供給管の気体取り入れ口は回転シール継手を介して加圧気体源に接続され、
l)前記少なくとも1個の気体注入管はケース内の該インペラの一対の円板間で中程の距離まで延びており、
m)前記少なくとも1個の気体注入管の一端から離れて放射状に突出している位置までの距離は前記一対の円板の半径よりも短い長さである、
という特徴を有し、
その結果、本願発明による遠心ポンプは、550kN/m2以上の圧力では約190m3/h程度の流量率で液体を汲み上げることができ、また同時に液体中に15容量パーセントの気体の注入、溶解が認められた。
上記したように、本発明において使用される気体注入体は非常に簡単な構造であり、また重大な変更を施すことなく従来構造の遠心ポンプに組み込み得るものである。
気体供給管は動力軸に組み込んで一体構造とすることもできるが、好適には、気体供給管該動力軸とは別体のものとし、液体取り入れ口とインペラの一方の円板の開口の双方を介して動力軸とは反対方向に同軸的に延びる構造である方がよいが、これはそうすることにより気体供給管が液体取り入れ口から進入できるのでポンプのケース内にはそれ以上の開口を付加的に備える必要がないからであり、特に興味深い点である。
上記から理解できるように、複数の気体注入管はインペラ内の円板間で放射状に延びており、よって該円板やロータの他の構成部材には開口、スロット、内部パスなど一切設ける必要がなく、その結果投資、保守整備コストを低く抑えることができる。
本発明の第1の実施例においては、双方の円板の相対する平面上の突条は互いに接続され、一方の円板に設けられた開口から放射状に外向きに離れていく形で、該円板間に延びる気体注入管に干渉しないように延びる羽根板を設けている。
本発明の好適な第2の実施例においては、双方の円板の相対する平面上の突条は該双方の円板間に間隔を持ち、それにより気体注入管用のスペースが与えられるような距離までそれぞれの円板上から突出している。この場合、突条は好適には厚みと高さを有し、かつインペラの回転方向と逆に放射状に外向きに湾曲した渦巻き径に形成されている方がよい。このような構造では、ポンプは円板間で汲み上げられた液体中に遊泳している大きな分子が通過できる空間が形成されるという最大の有利性を有するのである。
上記から理解できるように、気体注入体を組み込んだ遠心ポンプは、どんな気体をどのような液体にも、その汲み上げ動作中に注入できるものであるが、本発明の好適な実施例としては浄化された液体あるいは廃液中に空気を注入する為には上記組み合わせの使用を薦めるものである。
またさらに上記したように、気体注入管の長さはどのように適用されるかによって異なってくる。つまり気体注入管が短ければ短い程、空気をポンプに注入する為の圧力が低くてよいが、長ければそれだけ空気をポンプに注入する為の圧力、つまり注入される空気量は大きいものになるのである。
本出願人により行われたテストの結果は、ここまで述べてきた気体注入体を組み込んだ回転円板型遠心ポンプは容易に550〜9700kN/m2の圧力を作り出すことが出来、また組み上げされた水に15容量パーセントまでの空気を注入、溶解させることができ、よって非常に効果的な何千万個という数の小さな泡を形成させ得るのである。さらにまた、ポンプの流量率は適度であり、エネルギー消費(2m3/HP)は予想以上によいものであった。
本発明によれば、浄化された液体あるいは廃液などに気体、特に空気を該液体が汲み上げ動作中に注入、溶解する為の非常に効果的でしかも簡単な方法が開示されているが、その主な特長は、それを実行しようとする人なら誰でも簡単に調達できる標準的な構成さえあればよいという所にある。
本発明による方法は、
a)互いに距離を置いて対向する面を有し、該対向面上にはさらに互いの間に隙間を設ける距離まで突出する突条を備えた一対の所定半径の同軸円板より成るインペラを有する遠心ポンプに液体を供給し、
b)上記円板の間に形成された隙間において該円板の半径より短い地点まで放射状に延びる、少なくとも二つの対称位置にありインペラと共に回転するよう該インペラに強固に接続された気体注入管を介して注入、溶解さるべき気体を圧力下で供給するという段階を有するものである。
ここで、この方法は他の気体や液体にも使用され得るものではあるが、気体は好ましくは空気であり、また液体は廃出または浄化された水であるということを再度指摘しておきたい。
【図面の簡単な説明】
本発明とその有利性は次の、決してそれに限定している訳ではない二つの好適な、添付図面に従って得られる実施例の詳細を読むことでより理解を深めることができるであろう。
図1は、本発明による気体注入体を組み込んだ回転円板型の遠心ポンプを部分的に切断した側面図である。
図2は、図1に見られるポンプの気体注入体とインペラケースの分解斜視図である。
図3は、本発明による気体注入体を組み込んだ羽根付きインペラ型の遠心ポンプを部分的に切断した側面図である。
図4は、図1に示されるようなポンプ中での流量率の関数としての圧力の、空気注入が為された場合とそうでない場合を示したものである。
二つの好適実施例の詳細
下の記述において、汲み上げるべき液体としての水、該液体中に注入さるべき気体としての空気についての説明がなされているが、しかしながら、本発明は空気を水、特に廃液あるいは浄化された水に注入することに限定される訳ではなく、他の液体に気体を注入する場合にも使用し得るということを指摘しておきたい。
図1、2に示される本発明の第1実施例において使用される遠心液体ポンプ1は回転円板型であり、互いに同軸である一対の対向する端部壁を7、9を有する実質的に円筒型の内部空間部5を形成するケース3を備えている。該ケース3は該空間部5と同軸であり、また上記一対の対向する端部壁の一方7に開口している液体取り入れ口11を備えている。ケース3はまた、該空間部5に開通し、またそれに対して接線方向の延びている液体排出口13も備えている。
回転インペラ15は上記空間部5内に回転可能に設けられている。このインペラ15は互いに同軸の所定の半径を有する一対の隔絶された円板17、19を有している。これら回転円板17、19は互いの円板から離れて対向する端部壁近辺に延びる位置で複数の小さな小桿22により接続されている。液体取り入れ口11が開口している対向端部壁7の近辺に設けられた円板17は、該液体取り入れ口を介して注入された液体を空間部5に導入するための中央開口21を有している。これら円板17、19は互いに対向し、またその上に複数の突条23が延設されている平面を有している。図1に明確に示されているように、これら突条23は該双方の円板間に隙間を残すような距離まで該円板から突出している。また図2にさらに明確に示されているように、突条23は厚みや高さを持った、インペラの回転方向と逆の方向に外側に放射状に湾曲した渦巻み型をしており、これにより円板と汲み上げられる水の摩擦をできるだけ大きくし、結果としてポンプ内に形成され得る圧力を大きなものにしている。
ポンプ1はまたさらに穴開き円板17とは異なる方の円板19と同軸に強固に接続されている動力軸を25を有している。動力軸は軸受け体27に動作可能に設けられ、また一セットのプーリ29を介してモータ(図示せず)に接続され、それにより空間部5内でインペラ15を回転させている。図示されているように、該動力軸25は液体取り入れ口11の反対方向にケースの外側に延びている。
すでに認めたように、ここまで描写されてきたポンプ1の構造は公知のものであり、唯一そうではない点といえば渦巻き型でありまた外向きに放射状に延びた複数の突条を使用している点のみである。
本発明によれば、上記ポンプ1は、気体注入体31を組み込んで少なくとも気体、特に空気の一分を汲み上げ動作中の液体に注入、溶解させるという点で改良されている。
再度図1、2に関して言えば、該気体注入体31はインペラ15と共に回転する様同軸で強固に接続されている気体供給管33を有している。該気体供給管33は液体取り入れ口11とインペラの円板17の開口21を介して動力軸25とは逆の方向に同軸的に延びている直線部を有している。この直線部の端部35はすでに動力軸と接続されている円板19の中程に接離可能に固定されており、これによってこの供給管とインペラの要求される強固な接続を為している。気体供給管33はまた、ケースの外に位置し、回転シール継手37を介して加圧気体源39に接続されている気体取り入れ口を形成する他の対向端部を有している。
気体注入体31はまた気体供給管に接続された1個あるいはそれ以上に気体注入管41を該気体供給管の端部35の付近に備えることにより該気体供給管やインペラ15と共に回転するようになっている。該気体注入管41が只一個である場合は、重石となるようなものを気体供給管33に備え、それによりそれがインペラと共に回転する際のバランスをとるようにしなければならない。この重石の使用を避ける為に、また同時に気体の汲み上げられる液体への配分を改善する為に、好適には気体注入管41は、円板に対して平行な同一面上に延び、また該気体供給管の端部35付近に備わった気体排出口に開口して接続している、形状や長さが同一であり、該気体供給管33の全周囲に対称に配置された一個以上のものである方がよい。勿論、使用し得る気体注入管41の数はポンプのサイズによる。具体的には、接離可能に気体供給管33に公知の手段により接続され、取り付けや保守の実行を容易にする3〜5個の気体注入管の使用が望ましい。
上記したように、各気体注入管41は気体供給管33に対して垂直であり、ケース5内でインパラの円板の突条23の間を放射状に延びている。各気体注入管41はまたその一端を気体供給管33に開通し、他端43はケース5内で円板の半径より短い距離だけ放射状に気体供給管33から離れた位置において円板17、19の間で開口している気体噴射口を形成している。
ここまで説明してきたように、気体注入管の長さはその用途によって異なるものであり、短ければ短い程、ポンプ内へ空気を注入するのに要求される圧力も低くなる。しかしながら、もし長い場合は、ポンプ内へ空気を注入するのに要求される圧力、つまり結果としてポンプ内へ注入される空気の量も多くなる。
気体注入管の形状と直径もやはりその用途によって異なり、よって直線状である代わりに曲線状であってもよいし、同様に両端部に1個だけ開口部を設ける代わりに、気体注入管の全長に渡って複数の開口部を設けることも出来る。
図3は発明の他の実施例を示しているが、前記実施例と類似しており、異なる部分は唯一突条の代わりに羽根板を備えているという点である。簡単にする為に、同様の構成部材には同一の番号が付されている。
この実施例においては、インペラ15はまた一対の間隔を開けた円板17、19を備えているが、複数の小桿による接続や突条を備える代わりに、これら円板は、好適には湾曲し、また円板17に設けられた開口21から外向きに放射状に、円板間で延びている気体注入管41に干渉しないように延びている羽根や羽根板23'により互いに接続されている。この目的の為、気体注入管41は隣り合う羽根板23'の間に位置している。
図3の実施例において、液体取り入れ口11はL型であり、気体供給管33はその直線部分が該L形取り入れ口11の外側まで延びるような長さであり、これはまた外側の回転シール継手37に接続されている。このような構造では、運転者がそれに直接触れることができるので、該回転シール継手37の保守が飛躍的に容易になっている。
図1、2に示されるような回転円板型ポンプは出願人により巨大な工業用浄化装置内の浄化された水の再循環に関して大規模なテストを行った。
テストされたポンプの円板の直径は35cmであり、該円板の間隔は6cmであった。各円盤は5つの2cmの高さの突条を備えている。また3つの空気注入管が使われ、その長さは10cmであった。これらの注入管は液体流の妨げにならない構造とし、インペラは2100rpmで回転していた。
このテストにより得られた結果は図4に示されている。該図にて理解できるように、550kN/m2以上の圧力が容易に形成され、またその流量率は190m3/h程度であった。またさらに、使用した空気圧力源は200kN/m2であり、ポンプの効率に過度に影響を与えることなく、汲み上げられた水に15容量パーセントまでの空気が容易に注入された。
勿論、上記した実施例には添付請求の範囲に記載された限定範囲を越えなければ様々な変更を加えることができることは言うまでもない。

Claims (11)

  1. 液体を汲み上げ、又その汲み上げ動作中に該液体に気体を注入するために使用される遠心ポンプであって、
    a)互いに同軸上にある一対の対向する端壁(7、9)を有するほぼ円筒型の内部空間部(5)を形成するケース(3)と、
    b)該空間部(5)と同軸上にありまた上記一対の対向する端壁の一方に開口し、該空間部に開通している液体取り入れ口(11)と、
    c)該空間部(5)に開通し、また該空間部の外側に接線方向に延びた液体排出口(13)と、
    d)前記空間部(5)と同軸であり、前記液体取り入れ口(11)が開口している側とは逆の端壁に近接して延びる円板(19)を有し、前記空間部内に回転可能に設けられた所定の半径を有する回転インペラ(15)と、
    e)該インペラ(15)を前記空間部(5)内で所定の方向に回転させるために前記円板と同軸に強固に接続された動力軸(25)と、
    f)前記インペラ(15)と同軸であり、かつ強固に接続されて該インペラと共に回転する、該ケースの外側に位置する気体取り入れ口を有する気体供給管(33)と、
    g)該気体供給管(33)や該気体供給管に接続されたインペラ(15)と共に回転するよう該気体供給管に強固に接続され、該気体供給管に対して垂直に前記ケース内で放射状に延び、一端は該気体供給管の気体排出口に開通すると共に、他端(43)はやはり該ケース内で該気体供給管から離れた地点で開口している気体噴射口を形成している少なくとも1個の気体注入管(41)、
    とを有し、さらに
    h)前記回転インペラ(15)は、前記一側の円板(19)に同軸に強固に接続され、又該円板(19)からは間隔を置いて前記液体取り入れ口(11)が開口している端壁(7)に近接して延びると共に該液体取り入れ口を介して注入された液体を前記空間部(5)に導入するための中央開口(21)を備えた、前記円板(19)と同径の他側の円板(17)を有し、
    i)前記双方の円板(17、19)は複数の突条(23、23')が延設されている互いに相対する平面を有し、
    j)前記動力軸(25)は前記ケース(3)の外に、前記液体取り入れ口(11)と逆の方向に延び、
    k)前記気体供給管(33)の気体取り入れ口は前記回転シール継手(37)を介して加圧気体源(39)に接続され、
    l)前記少なくとも1個の気体注入管(41)は前記ケース(3)内の前記インペラの円板間(17、19)で中程の距離まで延びており、
    m)前記少なくとも1個の気体注入管(41)の一端から離れて放射状に突出している位置(43)までの距離は前記円板(17、19)の半径よりも短い長さである、
    ことを特徴とし、それにより550kN/m2以上の圧力では約190m3/h程度の流量率で液体を汲み上げることができ、また同時に液体中に15容量パーセントの気体の注入、溶解を遂行しうる遠心ポンプ。
  2. 前記円板(17、19)と平行な同一面に延び、また前記気体供給管(33)の排出口(35)に開通する、形状や長さが同一であり、該気体供給管(33)の全周に対称に配置される前記少なくとも1個の気体注入管(41)を複数有することを特徴とする請求項1に記載の遠心ポンプ。
  3. 前記気体注入管(41)を3個〜5個有することを特徴とする請求項2に記載の遠心ポンプ。
  4. 前記円板(17、19)の相対する平面上に延設される突条は互いに接続され、該円板(17)に形成された開口から外向きに放射状に、該双方の円板(17、19)の間に延びる気体注入管(41)に干渉しないように延びている羽根板(23')を形成していることを特徴とする請求項2または3に記載の遠心ポンプ。
  5. 前記円板(17、19)の相対する平面上に延設される突条(23)は、該双方の円板間に隙間を残す程度に突出して前記気体注入管(41)に空間を与え、該円板(17、19)は複数の小桿(22)により互いに接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の遠心ポンプ。
  6. 前記突条(23)は渦巻き型であり、また前記インペラ(15)の回転方向と反対の方向に放射状に外向きに湾曲していることを特徴とする請求項5に記載の遠心ポンプ。
  7. 前記気体供給管(33)は前記液体取り入れ口(11)と前記インペラ(15)の多側の円板(17)の開口(21)を介して前記動力軸(25)と反対側に延び、気体排出口を形成する一端(35)をすでに前記動力軸(25)に接続されている前記一側の円板に接離可能に固着し、それにより前記気体供給管を前記インペラ(15)へ強固に接続し、また気体取り入れ口を形成する他端は前記回転シール継手(37)に動作可能に接続されていることを特徴とする請求項1、2、3、または6に記載の遠心ポンプ。
  8. 前記液体取り入れ口(11)はL型であり、前記気体供給管(33)の他端は該L型取り入れ口へと延び、また該L型取り入れ口の外の前記回転シール継手(37)に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の遠心ポンプ。
  9. 排出あるいは浄化された水の汲み上げ動作中に空気を注入する為の、請求項1〜8のいずれかに記載の遠心ポンプ。
  10. 遠心ポンプ(1)内で汲み上げ動作中の液体中に気体を注入、溶解する方法にして、該方法は、互いに距離を置いて対向する面を有し、該対向面上にはさらに互いの間に隙間を設ける程度の距離まで突出する突条(23)を備えた一対の所定半径の同軸円板(17、19)より構成されるインペラ(15)を有する遠心ポンプ(1)に液体を供給し、さらに、該一対の円板の間に形成された隙間において該円板の半径より短い地点まで放射状に延びる、少なくとも二つの対称位置にあり前記インペラと共に回転するよう該インペラに強固に接続された気体注入管(41)を介して注入、溶解さるべき気体を加圧下で供給するという段階を有することを特徴とする方法。
  11. 前記気体は空気であり、前記液体は排出あるいは浄化された水であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
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