JP3569457B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、液晶表示画面をその裏面から照らす複数のランプを安定して点灯することが可能な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の情報機器においては、その表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く用いられている。このLCDに用いられる液晶は、発光ダイオード(LED)等とは異なり、それ自体が光を放出することができる発光機能を有していない。そこで、表示を見易くするために、図7又は図8に示すように、当該液晶表示画面109をその裏面からランプ(ライト)107により照らす、いわゆるバックライトが用いられる。液晶表示画面109はLCDの筐体110に取り付けられている。
【0003】
LCDのバックライトとしては、図7又は図8に示すように、複数のランプ107が用いられる。これは1個のランプ107のみではランプからの距離に応じて液晶表示画面109の輝度にムラが生じて画面が見にくくなるためである。そこで、複数のランプ107により液晶表示画面109の全体を均等に照らす。また、図7に示す導光板又は図8に示すライティングカーテン等の散乱手段108により、ランプ107からの光が散乱させられる。これにより、一層均等な光とすることができる。なお、散乱手段108は、図7(B)に示すように、その平面形状が液晶表示画面109と略同様とされる。また、ランプ107の長さは散乱手段108の幅と略同様とされる。
【0004】
LCDのバックライトの複数のランプ107は、図9に示すように、トランス106を介して接続された駆動回路105により駆動される。トランス106は、複数のランプ107の各々に対応して設けられ、当該対応するランプ107と駆動回路105との間に挿入される。これにより、駆動回路105から複数のランプ107の各々に所定の電流を流し、液晶表示画面109の全体を均等に照らしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す回路において、複数のランプ107は、これらに駆動回路105から交流電圧が供給され、基本的には抵抗負荷と考えることができる。しかし、実際には、複数のランプ107の各々のインピーダンスや浮遊容量は、微小ではあるが、相互に異なっている。この個々のランプ107の間におけるインピーダンス等の相違は避けることができない。
【0006】
この微小な相違の影響で、トランス106の出力が不均衡となり、複数のランプ107の各々に流れる電流が不均衡となる。このため、複数のランプ107の各々の間における輝度、即ち、液晶表示画面109の輝度がばらつく。また、このような状態が長く続くことにより、複数のランプ107のいずれかに過大な電流が流れて当該ランプ107が短寿命になったり、逆に、複数のランプ107のいずれかに電流が流れにくくなってランプ107が点灯しなかったり、液晶表示画面109にチラツキが発生したりする。
【0007】
本発明は、液晶表示画面をその裏面から照らす複数のランプを安定して点灯することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理構成図であり、本発明の液晶表示装置を示す。本発明の液晶表示装置は、液晶表示画面9と、液晶表示画面9を照らすように所定の位置に設けられた複数のランプ7(7A、7B)と、複数のランプ7を駆動する駆動回路5(5A、5B)と、複数のランプ7の各々に対応して設けられたトランスであって当該対応するランプ7と駆動回路5との間に各々が挿入された複数のトランス6(6A、6B)とを備え、複数のトランス6のランプ7接続側に共通のリアクトル11を設け、複数のトランス6に流れる電流が均等になるようにしている。
【0009】
本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示画面9を照らす複数のランプ7の各々のインピーダンスや浮遊容量が相互に異なっていても、複数のトランス6のランプ7接続側に共通に接続した共通リアクトル11により、複数のトランス6の出力(即ち、複数のランプ7に流れる電流)が均等になるように、自動的に当該出力を補正することができる。これにより、複数のランプ7の各々に流れる電流が不均衡となることに起因して複数のランプ7の各々の間における輝度、即ち、液晶表示画面9の輝度がばらつくことを防止することができる。また、複数のトランス6の出力が均等である状態を安定に維持できるので、複数のランプ7を安定して点灯させることができ、複数のランプ7のいずれかに過大な電流が流れて当該ランプ7が短寿命になったり、電流が流れなくなってランプ7が点灯しなかったり、チラツキが発生したりすることを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2は情報機器説明図であって、本発明の液晶表示装置の用いられる電子機器について示す。
【0011】
本発明の液晶表示装置は、図2に示すように、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の電子機器における表示装置として用いられる。このパーソナルコンピュータは、例えばCPUやメモリ等からなる当該コンピュータの本体部分(タワー)200、入力装置であるキーボード300及び出力装置である液晶表示装置(液晶パネル)400からなる。液晶表示装置400に液晶表示画面9が設けられる。液晶表示画面9の裏側(液晶パネル内部)に複数のランプ7が設けられる。複数のランプ7は、図7又は図8に示すように、液晶表示画面9をその裏面から散乱手段8を介して照らすように所定の位置に設けられる。また、液晶表示画面9の裏側の両側に、複数のランプ7の駆動回路5、複数のトランス6、複数のトランス6に共通のリアクトル11(及び後述する電源回路2、スイッチング手段3、制御回路4)が設けられる。
【0012】
ここで、図1に戻って、本発明の液晶表示装置における複数のトランス6のランプ7接続側に設けられた共通リアクトル11について説明する。
【0013】
図1において、トランス6は、2個のランプ7の各々に対応して複数(2個)設けられ、当該対応するランプ7と駆動回路5との間に各々が挿入される。駆動回路5からの駆動信号は、トランス6を介して、これに対応するランプ7に供給される。2個のランプ7は、所定の位置に設けられ、導光板又はライティングカーテン等からなる散乱手段8を介して、液晶表示画面9をその裏面から照らす。トランス6の1次側に駆動回路5が接続され、2次側に対応するランプ7が接続される。
【0014】
なお、図1等において、駆動回路5、トランス6及びランプ7について、符号A又はBを付して対応するものを表すこととする。また、以下の説明においては、特に必要な場合を除き、符号A又はBにより対応する駆動回路5を区別しないこととする。
【0015】
各々のトランス6とこれに対応するランプ7との間に、各々、リアクトルが直列に接続される。これらのリアクトルは、符号A及びBで表される当該2組(複数の)のトランス6とランプ7との対に、共通のリアクトル(以下、共通リアクトル)11とされる。
【0016】
リアクトルとしては、例えば直列リアクトルが用いられる。直列リアクトルは、例えばリアクトル巻線11A、11Bに鉄心11Cを挿入した鉄心リアクトルとされる。なお、リアクトルとして他のものを用いても良い。各々のリアクトルの定格及び仕様は互いに等しくされる。各々のリアクトル巻線11A、11Bが各々のトランス6の2次側の閉回路を構成する。2個のリアクトルの鉄心は共通とされる。従って、この共通リアクトル11は、2次側の2つの閉回路を構成する2本のリアクトル巻線11A及び11Bと、これらに共通に挿入された1本の鉄心11Cとからなる。
【0017】
共通リアクトル11は、2個(複数)のトランス6の出力をその2次側において自動的に補正する。駆動回路5からの駆動信号は、2個のトランス6を介して、各々の1次側から2次側に伝えられる。これにより、2個のトランス6の2次側において、各々がトランス6とランプ7と共通リアクトル11とからなる2つの閉回路に電流が流れて、2個のランプ7が点灯する。これらの2つの閉回路は並列回路である。
【0018】
ランプ7に電流が流れる時、2個のランプ7のインピーダンスや浮遊容量が異なっていても、共通リアクトル11により、2次側における2つの並列回路の電流が等分され分担される。即ち、2つの並列回路の電流に差がある場合、両者の電流が等しくなるように、大きい電流の流れる並列回路側のリアクトルから小さい電流の流れる並列回路側のリアクトルへ電流が流れる。流れる電流の大きさは、2つの並列回路の電流の差の半分である。これにより、2つの並列回路の電流が均等にされ、2個のランプ7は等しい輝度で点灯する。
【0019】
図3は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0020】
図3において、共通リアクトル11は、複数のトランス6の出力を2次側において自動的に補正すると共に、その補正量をトランス6の1次側にフィードバックする手段を備える。補正量は電圧(又は電流)の変化量として検出される。このために、図1に示す回路に加えて、更に、共通リアクトル11において生じた変動を検出する検出手段12と、駆動回路5に接続されたスイッチング手段3と、検出手段12からの検出出力に応じたスイッチング手段3の制御信号を形成する制御回路4とが設けられる。これにより、検出手段12からの検出出力が複数のトランス6の駆動回路5接続側にフィードバックされ、これに基づいてトランス6が制御される。
【0021】
検出手段12は、電圧を検出するために主として検出用のリアクトルからなり、更に、ダイオード13及びキャパシタンス素子14が付加される。検出用リアクトルは共通リアクトル11に設けられ、共通リアクトル11に生じた電圧を検出する。検出用リアクトルは、例えば共通リアクトル11と同様に鉄心リアクトルとされ、そのリアクトル巻線12Aの巻かれた鉄心12Bが共通リアクトル11と共通とされる。ダイオード13は、検出用リアクトルに直列に接続され、これからの電流が逆流することを防止する。キャパシタンス素子14は、ダイオード13のアノードと接地電位との間に接続され、検出用リアクトルの出力電圧を平滑して急激な変化を防止する。
【0022】
2個のランプ7におけるインピーダンスの不均衡により共通リアクトル11に電流が流れると、その内部に電圧が生じる。この電圧に応じて、検出用リアクトル12にも電圧が励起され、電流が流れる。従って、共通リアクトル11において生じた電圧変動が検出されたことになる。この電流はダイオード13及びキャパシタンス素子14からなる整流平滑回路を経て制御回路4に入力される。即ち、キャパシタンス素子14の端子電圧が入力される。
【0023】
制御回路4は検出手段12からの入力値と閾値とを比較する。入力値と閾値との比較の結果に基づいて、制御回路4は、入力値に応じたスイッチング手段3の出力を制限する制御信号を形成して、当該スイッチング手段3の出力を制御する。スイッチング手段3は、例えば電力用の(npn)バイポーラトランジスタからなり、電源回路2と駆動回路5との間に接続される。これにより、2個のトランス6の出力を制限することができる。
【0024】
具体的には、制御回路4は検出手段12からの検出出力に基づいてスイッチング手段3の出力を制御する。入力値が閾値を超えるのは、かなりの期間連続して共通リアクトル11に電流が流れ続けることにより、キャパシタンス素子14の端子電圧が上昇した場合である。そこで、入力値が閾値を超えたら、制御回路4はトランジスタ3をOFFさせる。これにより、ランプ7が過剰な電流により破損したり短寿命化することを防止することができる。なお、トランジスタ3がOFFされる前は、共通リアクトル11により、2個のランプ7の間における電流は均等化され、輝度は均一に保たれる。
【0025】
電源回路2は商用電源1から安定化された電源を形成して駆動回路5に供給する。即ち、電源回路2は、商用電源1の交流電源を一旦直流電源に変換し、更にこれを交流電源に変換して出力する。図1及び図6においても、図示を省略しているが、商用電源1、電源回路2、スイッチング手段3及び制御回路4が同様に設けられる。
【0026】
なお、制御回路4が検出手段12からの検出出力に応じて段階的にスイッチング手段3の出力を制御するようにしても良い。即ち、入力値がどの閾値よりは大きくどの閾値よりは小さいかを知り、入力値が比較的小さい場合にはトランジスタの出力を少しだけ制限し、トランス6の出力をやや小さくする。入力値が比較的大きい場合にはトランジスタの出力を大きく制限し、トランス6の出力を制限する。これにより、ランプ7の輝度を均等かつ一定に保つと共に、ランプ7の寿命を長くすることができる。
【0027】
図4は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0028】
図4の例は、図3の例において、共通リアクトル11における補正量を、電流帰還回路を介してトランス6の1次側にフィードバックするものである。このために、図1に示す回路に加えて、図3に示す回路と同様に、検出手段12、スイッチング手段3、制御回路4とが設けられ、更に、検出手段12にダイオード13及びキャパシタンス素子14、ダイオード15及びキャパシタンス素子16、及び、増幅器17が付加される。また、トランス6の2次側の接続が図4に示すようにされる。即ち、2個のランプ7の一端が共通に抵抗18を介して接地電位に接続され、共通リアクトル11のリアクトル巻線11A、11Bの一端が接地電位に接続される。これにより、検出手段12からの検出出力が複数のトランス6の駆動回路5接続側に、増幅器17等からなる電流帰還回路を介してフィードバックされ、これに基づいてトランス6が制御される。なお、ダイオード15及びキャパシタンス素子16は、各々、ダイオード13及びキャパシタンス素子14と同様の働きをする。
【0029】
前述のように、共通リアクトル11に電流が流れると、これに応じて検出用リアクトル12に電流が流れる。これにより生じたキャパシタンス素子14の端子電圧が増幅器17の一方の端子に入力される。一方、2個のランプ7に流れる電流により抵抗18に生じる電圧が、整流平滑回路を経て、増幅器17の他方の端子に入力される。両者の電位差に応じた信号を電流帰還回路の増幅器17が制御回路4に出力する。
【0030】
2個のランプ7の不均衡が小さい場合、検出用リアクトル12に流れる電流は2個のランプ7に流れる電流より十分に小さい。従って、増幅器17の出力する信号は大きい。2個のランプ7の不均衡が大きい場合、検出用リアクトル12に流れる電流が大きくなり、2個のランプ7に流れる電流との差が小さくなる。従って、増幅器17の出力する信号も小さくなる。入力値が閾値より小さくなるのは、かなりの期間連続して共通リアクトル11に電流が流れ続けることにより、キャパシタンス素子14の端子電圧が上昇し、増幅器17の出力する信号が小さくなった場合である。そこで、制御回路4は、増幅器17からの信号が閾値より小さくなると、制御回路4はトランジスタ3をOFFさせる。これにより、ランプ7が過剰な電流により破損したり短寿命化することを防止することができる。なお、トランジスタ3がOFFされる前は、共通リアクトル11により、2個のランプ7の間における電流は均等化される。
【0031】
図5は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0032】
図5において、共通リアクトル11は、複数のトランス6の出力を2次側において自動的に補正すると共に、その補正量をトランス6の1次側にフィードバックする手段を備える。補正量は温度の変化量として検出される。このために、図1に示す回路に加えて、図3に示す回路と同様に、スイッチング手段3、制御回路4とが設けられ、更に、共通リアクトル11において生じた変動を検出する検出手段19を備える。これにより、検出手段19からの検出出力が複数のトランス6の駆動回路5接続側にフィードバックされ、これに基づいてトランス6が制御される。
【0033】
検出手段19は、温度を検出するために主としてサーミスタ素子19からなり、更に、抵抗20が付加される。サーミスタ素子19は共通リアクトル11に近接して設けられ、共通リアクトル11の温度を検出する。サーミスタ素子19は、電源電位と接地電位との間において、抵抗20と直列に接続される。
【0034】
前述のように共通リアクトル11に電流が流れると、その内部に熱が生じる。この発熱量(温度上昇の程度)に応じて、共通リアクトル11に設けられたサーミスタ素子19の抵抗値が変化(減少)し、これに伴ってサーミスタ素子19と抵抗20との接続点の電位が変動する。従って、共通リアクトル11において生じた温度変動が検出されたことになる。この接続点の電位が制御回路4に供給される。制御回路4は入力値が閾値を超えたらトランジスタ3をOFFさせる。入力値が閾値を超えるのは、かなりの期間連続して共通リアクトル11に電流が流れ続けることにより、サーミスタ素子14の温度が相当程度上昇した場合である。これにより、ランプ7が過剰な電流により破損することを防止することができる。
【0035】
図6は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0036】
図6において、共通リアクトル11は、複数のトランス6の出力を2次側において自動的に補正すると共に、その補正量が予め定められた値を越えた場合に、アラーム信号を出力する。このために、図1に示す回路に加えて、検出手段12と、検出手段12からの検出出力に基づいてアラーム信号を形成するアラーム手段24とを備える。
【0037】
検出手段12は図3に示す検出手段と同様の構成とされ、ダイオード13及びキャパシタンス素子14が付加される。アラーム手段24は、アラームを出力するために主として発光ダイオード(LED)24からなり、更に、スイッチング素子である(npn)バイポーラトランジスタ23及び抵抗素子25が付加される。検出手段12からの検出出力は、ベース抵抗22を介して、トランジスタ23のベースに入力される。コレクタ抵抗25と発光ダイオード24とトランジスタ23とが、電源電位と接地電位との間において、直列に接続される。
【0038】
前述のように、共通リアクトル11に電流が流れると、検出用リアクトル12に電流が流れる。この電流はアラーム手段24に供給される。供給された電流が所定の値より大きいと、トランジスタ23のコレクタからエミッタへ電流が流れる。即ち、トランジスタ23がONする。これにより、発光ダイオード24が発光して、アラーム信号が示される。
【0039】
なお、発光ダイオード24の設けられる位置は、例えば図2に示すパーソナルコンピュータの液晶表示装置の液晶表示画面9に隣接する位置とされる。また、アラームを出力するための具体的な手段は、発光ダイオード24に限られず、視覚的にアラームを発行する他の手段や、聴覚的にアラームを発行するスピーカ等の手段であっても良い。
【0040】
更に、例えば、液晶表示画面9上に、ランプ7を流れる電流に異常があるので、ランプ7の光量(電流)を小さくするよう求める警告文を表示するようにしても良い。この場合、トランジスタ23のコレクタ出力に基づく信号がアラーム手段を構成する当該パーソナルコンピュータのCPUにマシンチェック割り込みを発生させるようにされる。これにより、ユーザに所定の警告を与える。なお、所定の割り込み処理を行うようにしても良い。
【0041】
以上、本発明をその実施の態様に従って説明したが、本発明はその主旨の範囲内において種々変形可能である。
【0042】
例えば、図1、図3乃至図6に示す例においてはランプ7の数が2個とされているが、ランプ7の数はこれに制限されるものではない。例えば、図7及び図8に示すように、ランプ7は4個設けても良く、又は6個、8個等の偶数個設けても良い。即ち、ランプ7は導光板(8)の両側に各々等しい数設けるか、又は、ライティングカーテン(8)の裏面に偶数個設ければ良い。この場合、導光板の同一の側に設けられる複数のランプ7について、共通リアクトル11が設けられる。導光板の同一の側に4個のランプ7が設けられる場合、隣接する2個のランプ7毎に共通リアクトル11を設けるようにしても良い。一方、ライティングカーテンの場合も、隣接する2個のランプ7毎に共通リアクトル11を設けるようにしても良い。
【0043】
また、例えば、図1、図3乃至図5に示す液晶表示装置の各々と図6に示す液晶表示装置とを組み合わせて、制御回路4による電流の制御とアラーム手段24とを併用できるようにしても良い。特に、図3及び図4に示す液晶表示装置においては、検出手段12の検出出力(キャパシタンス素子14の端子電圧)を共用できるので、これらと図6に示す液晶表示装置とを容易に組み合わせることができる。
【0044】
また、本発明の液晶表示装置は、図2に示すデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等における表示装置に限られず、種々の電子機器、例えばノート型のパーソナルコンピュータ、テレビ受像機等にも用いることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液晶表示装置において、液晶表示画面を照らす複数のランプの各々に対応する複数のトランスのランプ接続側に共通リアクトルを設けることにより、液晶表示画面を照らす複数のランプの各々のインピーダンスや浮遊容量が相互に異なっていても複数のトランスに流れる電流を均等にすることができるので、複数のランプの各々に流れる電流が不均衡となり複数のランプの各々の間における輝度がばらつくことを防止することができ、また、複数のランプを安定して点灯させることができ、結果として、複数のランプのいずれかに過大な電流が流れて当該ランプが短寿命になったり、電流が流れなくなってランプが点灯しなかったり、チラツキが発生したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】電子機器説明図である。
【図3】液晶表示装置構成図である。
【図4】液晶表示装置構成図である。
【図5】液晶表示装置構成図である。
【図6】液晶表示装置構成図である。
【図7】液晶表示装置説明図である。
【図8】液晶表示装置説明図である。
【図9】従来の液晶表示装置構成図である。
【符号の説明】
1 商用電源
2 電源回路
3 スイッチング手段
4 制御回路
5 駆動回路
6 トランス
7 ランプ
8 散乱手段
9 液晶表示画面
10 筐体
11 共通リアクトル
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、液晶表示画面をその裏面から照らす複数のランプを安定して点灯することが可能な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の情報機器においては、その表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く用いられている。このLCDに用いられる液晶は、発光ダイオード(LED)等とは異なり、それ自体が光を放出することができる発光機能を有していない。そこで、表示を見易くするために、図7又は図8に示すように、当該液晶表示画面109をその裏面からランプ(ライト)107により照らす、いわゆるバックライトが用いられる。液晶表示画面109はLCDの筐体110に取り付けられている。
【0003】
LCDのバックライトとしては、図7又は図8に示すように、複数のランプ107が用いられる。これは1個のランプ107のみではランプからの距離に応じて液晶表示画面109の輝度にムラが生じて画面が見にくくなるためである。そこで、複数のランプ107により液晶表示画面109の全体を均等に照らす。また、図7に示す導光板又は図8に示すライティングカーテン等の散乱手段108により、ランプ107からの光が散乱させられる。これにより、一層均等な光とすることができる。なお、散乱手段108は、図7(B)に示すように、その平面形状が液晶表示画面109と略同様とされる。また、ランプ107の長さは散乱手段108の幅と略同様とされる。
【0004】
LCDのバックライトの複数のランプ107は、図9に示すように、トランス106を介して接続された駆動回路105により駆動される。トランス106は、複数のランプ107の各々に対応して設けられ、当該対応するランプ107と駆動回路105との間に挿入される。これにより、駆動回路105から複数のランプ107の各々に所定の電流を流し、液晶表示画面109の全体を均等に照らしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す回路において、複数のランプ107は、これらに駆動回路105から交流電圧が供給され、基本的には抵抗負荷と考えることができる。しかし、実際には、複数のランプ107の各々のインピーダンスや浮遊容量は、微小ではあるが、相互に異なっている。この個々のランプ107の間におけるインピーダンス等の相違は避けることができない。
【0006】
この微小な相違の影響で、トランス106の出力が不均衡となり、複数のランプ107の各々に流れる電流が不均衡となる。このため、複数のランプ107の各々の間における輝度、即ち、液晶表示画面109の輝度がばらつく。また、このような状態が長く続くことにより、複数のランプ107のいずれかに過大な電流が流れて当該ランプ107が短寿命になったり、逆に、複数のランプ107のいずれかに電流が流れにくくなってランプ107が点灯しなかったり、液晶表示画面109にチラツキが発生したりする。
【0007】
本発明は、液晶表示画面をその裏面から照らす複数のランプを安定して点灯することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理構成図であり、本発明の液晶表示装置を示す。本発明の液晶表示装置は、液晶表示画面9と、液晶表示画面9を照らすように所定の位置に設けられた複数のランプ7(7A、7B)と、複数のランプ7を駆動する駆動回路5(5A、5B)と、複数のランプ7の各々に対応して設けられたトランスであって当該対応するランプ7と駆動回路5との間に各々が挿入された複数のトランス6(6A、6B)とを備え、複数のトランス6のランプ7接続側に共通のリアクトル11を設け、複数のトランス6に流れる電流が均等になるようにしている。
【0009】
本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示画面9を照らす複数のランプ7の各々のインピーダンスや浮遊容量が相互に異なっていても、複数のトランス6のランプ7接続側に共通に接続した共通リアクトル11により、複数のトランス6の出力(即ち、複数のランプ7に流れる電流)が均等になるように、自動的に当該出力を補正することができる。これにより、複数のランプ7の各々に流れる電流が不均衡となることに起因して複数のランプ7の各々の間における輝度、即ち、液晶表示画面9の輝度がばらつくことを防止することができる。また、複数のトランス6の出力が均等である状態を安定に維持できるので、複数のランプ7を安定して点灯させることができ、複数のランプ7のいずれかに過大な電流が流れて当該ランプ7が短寿命になったり、電流が流れなくなってランプ7が点灯しなかったり、チラツキが発生したりすることを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2は情報機器説明図であって、本発明の液晶表示装置の用いられる電子機器について示す。
【0011】
本発明の液晶表示装置は、図2に示すように、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の電子機器における表示装置として用いられる。このパーソナルコンピュータは、例えばCPUやメモリ等からなる当該コンピュータの本体部分(タワー)200、入力装置であるキーボード300及び出力装置である液晶表示装置(液晶パネル)400からなる。液晶表示装置400に液晶表示画面9が設けられる。液晶表示画面9の裏側(液晶パネル内部)に複数のランプ7が設けられる。複数のランプ7は、図7又は図8に示すように、液晶表示画面9をその裏面から散乱手段8を介して照らすように所定の位置に設けられる。また、液晶表示画面9の裏側の両側に、複数のランプ7の駆動回路5、複数のトランス6、複数のトランス6に共通のリアクトル11(及び後述する電源回路2、スイッチング手段3、制御回路4)が設けられる。
【0012】
ここで、図1に戻って、本発明の液晶表示装置における複数のトランス6のランプ7接続側に設けられた共通リアクトル11について説明する。
【0013】
図1において、トランス6は、2個のランプ7の各々に対応して複数(2個)設けられ、当該対応するランプ7と駆動回路5との間に各々が挿入される。駆動回路5からの駆動信号は、トランス6を介して、これに対応するランプ7に供給される。2個のランプ7は、所定の位置に設けられ、導光板又はライティングカーテン等からなる散乱手段8を介して、液晶表示画面9をその裏面から照らす。トランス6の1次側に駆動回路5が接続され、2次側に対応するランプ7が接続される。
【0014】
なお、図1等において、駆動回路5、トランス6及びランプ7について、符号A又はBを付して対応するものを表すこととする。また、以下の説明においては、特に必要な場合を除き、符号A又はBにより対応する駆動回路5を区別しないこととする。
【0015】
各々のトランス6とこれに対応するランプ7との間に、各々、リアクトルが直列に接続される。これらのリアクトルは、符号A及びBで表される当該2組(複数の)のトランス6とランプ7との対に、共通のリアクトル(以下、共通リアクトル)11とされる。
【0016】
リアクトルとしては、例えば直列リアクトルが用いられる。直列リアクトルは、例えばリアクトル巻線11A、11Bに鉄心11Cを挿入した鉄心リアクトルとされる。なお、リアクトルとして他のものを用いても良い。各々のリアクトルの定格及び仕様は互いに等しくされる。各々のリアクトル巻線11A、11Bが各々のトランス6の2次側の閉回路を構成する。2個のリアクトルの鉄心は共通とされる。従って、この共通リアクトル11は、2次側の2つの閉回路を構成する2本のリアクトル巻線11A及び11Bと、これらに共通に挿入された1本の鉄心11Cとからなる。
【0017】
共通リアクトル11は、2個(複数)のトランス6の出力をその2次側において自動的に補正する。駆動回路5からの駆動信号は、2個のトランス6を介して、各々の1次側から2次側に伝えられる。これにより、2個のトランス6の2次側において、各々がトランス6とランプ7と共通リアクトル11とからなる2つの閉回路に電流が流れて、2個のランプ7が点灯する。これらの2つの閉回路は並列回路である。
【0018】
ランプ7に電流が流れる時、2個のランプ7のインピーダンスや浮遊容量が異なっていても、共通リアクトル11により、2次側における2つの並列回路の電流が等分され分担される。即ち、2つの並列回路の電流に差がある場合、両者の電流が等しくなるように、大きい電流の流れる並列回路側のリアクトルから小さい電流の流れる並列回路側のリアクトルへ電流が流れる。流れる電流の大きさは、2つの並列回路の電流の差の半分である。これにより、2つの並列回路の電流が均等にされ、2個のランプ7は等しい輝度で点灯する。
【0019】
図3は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0020】
図3において、共通リアクトル11は、複数のトランス6の出力を2次側において自動的に補正すると共に、その補正量をトランス6の1次側にフィードバックする手段を備える。補正量は電圧(又は電流)の変化量として検出される。このために、図1に示す回路に加えて、更に、共通リアクトル11において生じた変動を検出する検出手段12と、駆動回路5に接続されたスイッチング手段3と、検出手段12からの検出出力に応じたスイッチング手段3の制御信号を形成する制御回路4とが設けられる。これにより、検出手段12からの検出出力が複数のトランス6の駆動回路5接続側にフィードバックされ、これに基づいてトランス6が制御される。
【0021】
検出手段12は、電圧を検出するために主として検出用のリアクトルからなり、更に、ダイオード13及びキャパシタンス素子14が付加される。検出用リアクトルは共通リアクトル11に設けられ、共通リアクトル11に生じた電圧を検出する。検出用リアクトルは、例えば共通リアクトル11と同様に鉄心リアクトルとされ、そのリアクトル巻線12Aの巻かれた鉄心12Bが共通リアクトル11と共通とされる。ダイオード13は、検出用リアクトルに直列に接続され、これからの電流が逆流することを防止する。キャパシタンス素子14は、ダイオード13のアノードと接地電位との間に接続され、検出用リアクトルの出力電圧を平滑して急激な変化を防止する。
【0022】
2個のランプ7におけるインピーダンスの不均衡により共通リアクトル11に電流が流れると、その内部に電圧が生じる。この電圧に応じて、検出用リアクトル12にも電圧が励起され、電流が流れる。従って、共通リアクトル11において生じた電圧変動が検出されたことになる。この電流はダイオード13及びキャパシタンス素子14からなる整流平滑回路を経て制御回路4に入力される。即ち、キャパシタンス素子14の端子電圧が入力される。
【0023】
制御回路4は検出手段12からの入力値と閾値とを比較する。入力値と閾値との比較の結果に基づいて、制御回路4は、入力値に応じたスイッチング手段3の出力を制限する制御信号を形成して、当該スイッチング手段3の出力を制御する。スイッチング手段3は、例えば電力用の(npn)バイポーラトランジスタからなり、電源回路2と駆動回路5との間に接続される。これにより、2個のトランス6の出力を制限することができる。
【0024】
具体的には、制御回路4は検出手段12からの検出出力に基づいてスイッチング手段3の出力を制御する。入力値が閾値を超えるのは、かなりの期間連続して共通リアクトル11に電流が流れ続けることにより、キャパシタンス素子14の端子電圧が上昇した場合である。そこで、入力値が閾値を超えたら、制御回路4はトランジスタ3をOFFさせる。これにより、ランプ7が過剰な電流により破損したり短寿命化することを防止することができる。なお、トランジスタ3がOFFされる前は、共通リアクトル11により、2個のランプ7の間における電流は均等化され、輝度は均一に保たれる。
【0025】
電源回路2は商用電源1から安定化された電源を形成して駆動回路5に供給する。即ち、電源回路2は、商用電源1の交流電源を一旦直流電源に変換し、更にこれを交流電源に変換して出力する。図1及び図6においても、図示を省略しているが、商用電源1、電源回路2、スイッチング手段3及び制御回路4が同様に設けられる。
【0026】
なお、制御回路4が検出手段12からの検出出力に応じて段階的にスイッチング手段3の出力を制御するようにしても良い。即ち、入力値がどの閾値よりは大きくどの閾値よりは小さいかを知り、入力値が比較的小さい場合にはトランジスタの出力を少しだけ制限し、トランス6の出力をやや小さくする。入力値が比較的大きい場合にはトランジスタの出力を大きく制限し、トランス6の出力を制限する。これにより、ランプ7の輝度を均等かつ一定に保つと共に、ランプ7の寿命を長くすることができる。
【0027】
図4は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0028】
図4の例は、図3の例において、共通リアクトル11における補正量を、電流帰還回路を介してトランス6の1次側にフィードバックするものである。このために、図1に示す回路に加えて、図3に示す回路と同様に、検出手段12、スイッチング手段3、制御回路4とが設けられ、更に、検出手段12にダイオード13及びキャパシタンス素子14、ダイオード15及びキャパシタンス素子16、及び、増幅器17が付加される。また、トランス6の2次側の接続が図4に示すようにされる。即ち、2個のランプ7の一端が共通に抵抗18を介して接地電位に接続され、共通リアクトル11のリアクトル巻線11A、11Bの一端が接地電位に接続される。これにより、検出手段12からの検出出力が複数のトランス6の駆動回路5接続側に、増幅器17等からなる電流帰還回路を介してフィードバックされ、これに基づいてトランス6が制御される。なお、ダイオード15及びキャパシタンス素子16は、各々、ダイオード13及びキャパシタンス素子14と同様の働きをする。
【0029】
前述のように、共通リアクトル11に電流が流れると、これに応じて検出用リアクトル12に電流が流れる。これにより生じたキャパシタンス素子14の端子電圧が増幅器17の一方の端子に入力される。一方、2個のランプ7に流れる電流により抵抗18に生じる電圧が、整流平滑回路を経て、増幅器17の他方の端子に入力される。両者の電位差に応じた信号を電流帰還回路の増幅器17が制御回路4に出力する。
【0030】
2個のランプ7の不均衡が小さい場合、検出用リアクトル12に流れる電流は2個のランプ7に流れる電流より十分に小さい。従って、増幅器17の出力する信号は大きい。2個のランプ7の不均衡が大きい場合、検出用リアクトル12に流れる電流が大きくなり、2個のランプ7に流れる電流との差が小さくなる。従って、増幅器17の出力する信号も小さくなる。入力値が閾値より小さくなるのは、かなりの期間連続して共通リアクトル11に電流が流れ続けることにより、キャパシタンス素子14の端子電圧が上昇し、増幅器17の出力する信号が小さくなった場合である。そこで、制御回路4は、増幅器17からの信号が閾値より小さくなると、制御回路4はトランジスタ3をOFFさせる。これにより、ランプ7が過剰な電流により破損したり短寿命化することを防止することができる。なお、トランジスタ3がOFFされる前は、共通リアクトル11により、2個のランプ7の間における電流は均等化される。
【0031】
図5は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0032】
図5において、共通リアクトル11は、複数のトランス6の出力を2次側において自動的に補正すると共に、その補正量をトランス6の1次側にフィードバックする手段を備える。補正量は温度の変化量として検出される。このために、図1に示す回路に加えて、図3に示す回路と同様に、スイッチング手段3、制御回路4とが設けられ、更に、共通リアクトル11において生じた変動を検出する検出手段19を備える。これにより、検出手段19からの検出出力が複数のトランス6の駆動回路5接続側にフィードバックされ、これに基づいてトランス6が制御される。
【0033】
検出手段19は、温度を検出するために主としてサーミスタ素子19からなり、更に、抵抗20が付加される。サーミスタ素子19は共通リアクトル11に近接して設けられ、共通リアクトル11の温度を検出する。サーミスタ素子19は、電源電位と接地電位との間において、抵抗20と直列に接続される。
【0034】
前述のように共通リアクトル11に電流が流れると、その内部に熱が生じる。この発熱量(温度上昇の程度)に応じて、共通リアクトル11に設けられたサーミスタ素子19の抵抗値が変化(減少)し、これに伴ってサーミスタ素子19と抵抗20との接続点の電位が変動する。従って、共通リアクトル11において生じた温度変動が検出されたことになる。この接続点の電位が制御回路4に供給される。制御回路4は入力値が閾値を超えたらトランジスタ3をOFFさせる。入力値が閾値を超えるのは、かなりの期間連続して共通リアクトル11に電流が流れ続けることにより、サーミスタ素子14の温度が相当程度上昇した場合である。これにより、ランプ7が過剰な電流により破損することを防止することができる。
【0035】
図6は本発明の液晶表示装置における共通リアクトル11の他の例を説明するための図である。
【0036】
図6において、共通リアクトル11は、複数のトランス6の出力を2次側において自動的に補正すると共に、その補正量が予め定められた値を越えた場合に、アラーム信号を出力する。このために、図1に示す回路に加えて、検出手段12と、検出手段12からの検出出力に基づいてアラーム信号を形成するアラーム手段24とを備える。
【0037】
検出手段12は図3に示す検出手段と同様の構成とされ、ダイオード13及びキャパシタンス素子14が付加される。アラーム手段24は、アラームを出力するために主として発光ダイオード(LED)24からなり、更に、スイッチング素子である(npn)バイポーラトランジスタ23及び抵抗素子25が付加される。検出手段12からの検出出力は、ベース抵抗22を介して、トランジスタ23のベースに入力される。コレクタ抵抗25と発光ダイオード24とトランジスタ23とが、電源電位と接地電位との間において、直列に接続される。
【0038】
前述のように、共通リアクトル11に電流が流れると、検出用リアクトル12に電流が流れる。この電流はアラーム手段24に供給される。供給された電流が所定の値より大きいと、トランジスタ23のコレクタからエミッタへ電流が流れる。即ち、トランジスタ23がONする。これにより、発光ダイオード24が発光して、アラーム信号が示される。
【0039】
なお、発光ダイオード24の設けられる位置は、例えば図2に示すパーソナルコンピュータの液晶表示装置の液晶表示画面9に隣接する位置とされる。また、アラームを出力するための具体的な手段は、発光ダイオード24に限られず、視覚的にアラームを発行する他の手段や、聴覚的にアラームを発行するスピーカ等の手段であっても良い。
【0040】
更に、例えば、液晶表示画面9上に、ランプ7を流れる電流に異常があるので、ランプ7の光量(電流)を小さくするよう求める警告文を表示するようにしても良い。この場合、トランジスタ23のコレクタ出力に基づく信号がアラーム手段を構成する当該パーソナルコンピュータのCPUにマシンチェック割り込みを発生させるようにされる。これにより、ユーザに所定の警告を与える。なお、所定の割り込み処理を行うようにしても良い。
【0041】
以上、本発明をその実施の態様に従って説明したが、本発明はその主旨の範囲内において種々変形可能である。
【0042】
例えば、図1、図3乃至図6に示す例においてはランプ7の数が2個とされているが、ランプ7の数はこれに制限されるものではない。例えば、図7及び図8に示すように、ランプ7は4個設けても良く、又は6個、8個等の偶数個設けても良い。即ち、ランプ7は導光板(8)の両側に各々等しい数設けるか、又は、ライティングカーテン(8)の裏面に偶数個設ければ良い。この場合、導光板の同一の側に設けられる複数のランプ7について、共通リアクトル11が設けられる。導光板の同一の側に4個のランプ7が設けられる場合、隣接する2個のランプ7毎に共通リアクトル11を設けるようにしても良い。一方、ライティングカーテンの場合も、隣接する2個のランプ7毎に共通リアクトル11を設けるようにしても良い。
【0043】
また、例えば、図1、図3乃至図5に示す液晶表示装置の各々と図6に示す液晶表示装置とを組み合わせて、制御回路4による電流の制御とアラーム手段24とを併用できるようにしても良い。特に、図3及び図4に示す液晶表示装置においては、検出手段12の検出出力(キャパシタンス素子14の端子電圧)を共用できるので、これらと図6に示す液晶表示装置とを容易に組み合わせることができる。
【0044】
また、本発明の液晶表示装置は、図2に示すデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等における表示装置に限られず、種々の電子機器、例えばノート型のパーソナルコンピュータ、テレビ受像機等にも用いることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液晶表示装置において、液晶表示画面を照らす複数のランプの各々に対応する複数のトランスのランプ接続側に共通リアクトルを設けることにより、液晶表示画面を照らす複数のランプの各々のインピーダンスや浮遊容量が相互に異なっていても複数のトランスに流れる電流を均等にすることができるので、複数のランプの各々に流れる電流が不均衡となり複数のランプの各々の間における輝度がばらつくことを防止することができ、また、複数のランプを安定して点灯させることができ、結果として、複数のランプのいずれかに過大な電流が流れて当該ランプが短寿命になったり、電流が流れなくなってランプが点灯しなかったり、チラツキが発生したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】電子機器説明図である。
【図3】液晶表示装置構成図である。
【図4】液晶表示装置構成図である。
【図5】液晶表示装置構成図である。
【図6】液晶表示装置構成図である。
【図7】液晶表示装置説明図である。
【図8】液晶表示装置説明図である。
【図9】従来の液晶表示装置構成図である。
【符号の説明】
1 商用電源
2 電源回路
3 スイッチング手段
4 制御回路
5 駆動回路
6 トランス
7 ランプ
8 散乱手段
9 液晶表示画面
10 筐体
11 共通リアクトル
Claims (6)
- 液晶表示画面と、
前記液晶表示画面をその裏面から照らすように所定の位置に設けられた複数のランプと、
前記複数のランプを駆動する駆動回路と、
前記複数のランプの各々に対応して複数設けられ、当該対応するランプと前記駆動回路との間に各々が挿入された複数のトランスとを備える液晶表示装置において、
前記複数のトランスの前記ランプ接続側に共通のリアクトルを設け、
これにより、前記複数のトランスに流れる電流を均等にした
ことを特徴とする液晶表示装置。 - 当該液晶表示装置が、更に、
前記共通リアクトルにおいて生じた変動を検出する検出手段を備え、
前記検出手段からの検出出力を前記複数のトランスの前記駆動回路接続側にフィードバックする
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 当該液晶表示装置が、更に、
前記駆動回路に接続されたスイッチング手段と、
前記検出手段からの検出出力に基づいて、前記スイッチング手段の制御信号を形成する制御回路とを備え、
前記制御回路が、前記検出手段からの検出出力に応じた制御信号を形成して前記スイッチング手段を制御し、
これにより、前記トランスの出力を制御するようにした
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。 - 前記検出手段が、主としてインダクタンス素子からなり、前記共通リアクトルにおいて生じた電圧の変動を検出し、
前記スイッチング手段が、トランジスタからなり、
前記制御回路が、前記スイッチング手段の出力を前記検出手段からの検出出力に応じて制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。 - 前記検出手段が、主としてサーミスタ素子からなり、前記共通リアクトルにおいて生じた温度の変動を検出し、
前記スイッチング手段が、トランジスタからなり、
前記制御回路が、前記スイッチング手段の出力を前記検出手段からの検出出力に応じて遮断する
ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。 - 当該液晶表示装置が、更に、
前記共通リアクトルにおいて生じた変動を検出する検出手段と、
前記検出手段からの検出出力に基づいて、アラーム信号を形成するアラーム手段とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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