JP3568350B2 - 燃料ポンプ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ポンプに供給する電力をデューティ制御することにより、燃料噴射弁への燃料供給量を制御するために、内燃機関の燃料噴射系に使用される燃料ポンプ制御装置に関する。さらに詳細には、燃料ポンプの出力をより高精度に制御し、かつ誤作動を防止することができる燃料ポンプ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の燃料系に使用されている燃料ポンプ制御装置では、制御が容易でしかも省消費電力化が可能であることから、ポンプの入力電流をON/OFF制御する、いわゆるPWM制御やデューティ制御が行われている。
【0003】
このような制御により燃料ポンプの駆動を制御する燃料ポンプ制御装置としては、例えば特開平1−126194号公報に記載されているものがある。そこで、以下これについて簡単にその構成及び動作について説明する。まず、燃料ポンプ制御装置が適用される内燃機関の燃料系の概略構成を図5に示す。燃料タンク32に燃料ポンプ30が付設され、この燃料ポンプ30と内燃機関2の吸気管4に設けられた燃料噴射弁6とが、燃料供給管34によって連結されている。そして、燃料タンク32内の燃料が燃料ポンプ30により吸い出され、燃料供給管34を通じて燃料噴射弁6に圧送されるようになっている。このとき、燃料供給管34内の燃料は、燃料噴射弁6に近接して取り付けられたプレッシャレギュレータ36によって所定の燃圧になっている。一方、余剰な燃料は、燃料戻り管38を介して燃料タンク32に戻されるようになっている。
【0004】
かかる燃料系において、燃料噴射弁6に供給される燃料量の制御は燃料ポンプ30の出力を制御することにより行われる。そして、この燃料ポンプ30の出力を制御するための燃料ポンプ制御装置42は、図6に示すようなシリアル信号を出力するシリアル信号出力部C1、シフトレジスタC2、電力制御部C3とから構成されている。なお、この燃料ポンプ制御装置42は、燃料ポンプ30及びエンジンコントロールユニット(ECU)20に接続されている。
【0005】
次に、上記のように構成された燃料系における燃料ポンプ制御装置42の動作について、図7を参照しつつ説明する。図7は、燃料ポンプ制御装置42の各構成部における信号を表したタイミングチャートである。
【0006】
燃料ポンプ制御装置42の入力となるシリアル信号(a)は、エンジンコントルールユニット(ECU)20によって内燃機関2の運転状態に応じて設定されたものである。図7には、20msecごとにデューティ比80%、60%、40%の3種の信号を連続して出力している場合を示している。また周期信号(b)は、シリアル信号(a)の立ち上がりを報知するための信号である。これは、発振器が発信するシリアル信号(a)に同期した高周波数のクロック信号を利用して検出している。
【0007】
一方、シフトレジスタC2には、シリアル信号(a)が入力されるとともに、発振器からシリアル信号(a)に同期した250Hzのクロック信号(c)が入力されている。そしてシフトレジスタC3では、クロック信号(c)の立ち上がりごとにデータ(d)が計測される。すなわち、データ(d)は20msec経過後には、5回の計測が行われるから5ビットのパラレル信号となる。そして、データ(d)に予め設定されている5ビット信号が加算されて、10ビットのデータ(e)に変換される。この10ビットデータ(e)は、シフトレジスタC2から20kHzのシリアル信号(f)として出力される。すなわち、例えば期間Aにおいては、デューティ比90%の信号が400回出力されることになる。なお、図7中の信号(g)は、このシリアル信号(f)の一周期分(0.05msec)を表したものである。
【0008】
以上説明したように、入力信号(a)をシフトレジスタC2が燃料ポンプ30の駆動信号(f)に変換して、電力制御部C3がこの信号(f)に基づき、燃料ポンプ30への入力電流を制御することにより、燃料噴射弁6への供給燃料量を制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−126194号公報の技術には、次のような問題点があった。すなわち、燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ信号(f)は、10ビットのパラレル信号をシリアル信号に変換することにより生成しているが、同号公報の燃料ポンプ制御装置42における変換方法ではパラレル信号のビット数がデューティ比の最小単位になっている。だから、10ビット信号では10%単位にしかデューティ比を設定することができない。従って、高精度に燃料流量を制御することは不可能である。これは、クロック信号(c)をさらに高周波数の信号にすれば、デューティ信号の精度は向上する。しかし、シフトレジスタC2における処理データのビット長が長くなるため、処理及び通信に時間がかかってしまい、その結果として応答性の悪化を招くこととなり精度の向上は望めない。
【0010】
さらに、燃料ポンプ制御装置42ではシリアル信号に異常が発生した場合に、この異常を検出することができない。よって、燃料ポンプ制御装置は異常データをそのまま処理するので、燃料ポンプが誤作動してしまうおそれがあった。
【0011】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、燃料ポンプをより高精度に、かつ信号異常が発生しても、誤作動することなく制御することができる燃料ポンプ制御装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明によれば、リターンレスの燃料系の燃料ポンプに供給する電力をデューティ制御することにより、燃料噴射弁への供給燃料量を制御する燃料ポンプ制御装置において、前記燃料ポンプの目標出力に応じたシリアル信号とこれに同期するクロック信号とを一定周期で出力するシリアル信号出力手段と、前記シリアル信号の入力データを受信してこれを貯蔵するデータ受信手段と、前記クロック信号の立ち上がりに同期して前記シリアル信号の入力データ数をカウントしてその値が所定値になると転送許可信号を発信するデータ数カウント手段と、前記データ受信手段の貯蔵データの転送を受けてこれを保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段が保持しているデータに基づき前記燃料ポンプ駆動用のデューティ信号を生成するデューティ信号生成手段とを有し、前記転送許可信号は、前記データ受信手段に対して前記貯蔵データを前記データ保持手段へ転送させ、そのデータをクリアさせることを特徴とする。
【0013】
この燃料ポンプ制御装置では、シリアル信号出力手段により、燃料ポンプの目標出力に応じたシリアル信号と、これに同期するクロック信号とが一定周期で出力されている。そして、データ受信手段では、このシリアル信号の入力データが受信されて貯蔵されていく。一方、データ数カウント手段では、クロック信号の立ち上がりに同期してシリアル信号の入力データ数がカウントされ、このカウント値が所定値になると転送許可信号が発信される。そして、この転送許可信号をデータ受信手段が受けることにより、データ受信手段の貯蔵データがデータ保持手段に転送されるとともに、次サイクルのデータを貯蔵するために、データ受信手段の貯蔵データはクリアされる。そうすると、この転送を受けてデータ保持手段では、貯蔵データが保持される。次いで、デューティ信号生成部では、このデータ保持手段に保持されたデータに基づいて、燃料ポンプ駆動用のデューティ信号が生成される。これにより、燃料ポンプに供給される電力がデューティ制御され、燃料噴射弁への供給燃料量が制御される。
【0014】
このように、請求項1の発明では、シリアル信号とこれに同期するクロック信号をシリアル信号出力手段から出力し、データ数カウント手段でクロック信号の立ち上がりに同期してシリアル信号の入力データを取り込み、このデータに基づきデューティ信号を生成することにより、任意のデューティ信号を設定することができるようにした。例えば、図3に示すように、シリアル信号(C)に16ビット構成のデータを使用すると、0.1%単位にデューティ信号を設定することができる。この場合に、実使用データは16進数で示すと「0000」〜「3FFF」までである。すなわち、さら高精度にデューティ信号を設定することも可能である。また、あまり精度が要求されない場合には、シリアル信号に8ビット構成の信号を使用すれば良い。従って、内燃機関の運転状況を測定するために取り付けられているセンサ、例えば燃圧センサ等からの信号に基づき、エンジンコントロールユニット(ECU)により算出される要求燃料流量に対して、正確に追従して燃料ポンプの駆動電力を高精度に制御することが可能となる。よって、実際の要求に見合った適正な燃料流量(燃圧)を燃料ポンプの出力制御のみによって供給することができるようになる。この結果、燃料噴射弁に過剰な燃料を供給することもなく、また燃料ポンプの出力制御のみで燃圧を調整することができるので、燃料戻り管及びプレッシャレギュレータが不要となる。
【0015】
ここで、データ受信手段とデータ数カウント手段とが別構成になっているが、これらを1つにまとめることも可能である。例えば、データ数カウント手段に備わるカウンタをデータ受信手段に設け、これにクロック信号を入力すれば良い。
【0016】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載する燃料ポンプ制御装置において、前記シリアル信号出力手段は、前記シリアル信号と前記クロック信号とを断続的に出力することを特徴とする。
【0017】
1サイクルのシリアル信号の長さは、クロック信号の周期とシリアル信号を構成するビット長により定まる。すなわち、1サイクルのシリアル信号の長さは任意に設定することが可能である。よって、請求項2の発明では、出力周期より短い長さのシリアル信号を設定してシリアル信号が連続して出力されないようにした。これにより、従来の燃料ポンプ制御装置のようにシリアル信号の出力周期を示す周期信号が不要となるため、装置の構成の単純化を図ることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2に記載する燃料ポンプ制御装置において、前記クロック信号の立ち上がりを検出するとクリアされるタイムカウンタを備え、このタイムカウンタの値が所定値を超えると異常信号を発信する異常検出手段を有し、前記異常信号は、前記データ数カウント手段と前記データ受信手段とに対して、それぞれのデータをクリアさせることを特徴とする。
【0019】
この燃料ポンプ制御装置では、異常検出手段により、クロック信号の立ち上がりが検出されている。そして、異常検出手段には、この立ち上がりを検出するとクリアされるタイムカウンタが備わっており、タイムカウンタのカウンタ値が所定値を超えると、異常信号がデータ数カウント手段とデータ受信手段とに送信される。次いで、データ数カウント手段とデータ受信手段とでは、この異常信号が受信されると、それぞれの手段のデータがクリアされる。すなわち、データ保持部には入力データは転送されない。そして、デューティ信号生成部では、データ保持手段に前サイクル以前に保持された入力データに基づいて、燃料ポンプ駆動用のデューティ信号が生成される。これにより、燃料ポンプに供給される電力がデューティ制御され、燃料噴射弁への供給燃料量が制御される。
【0020】
このように、請求項3の発明では、シリアル信号の異常を検出する異常検出手段を有し、シリアル信号の異常を検出した場合には、前サイクルで処理された際にデータ保持手段に保持されているデータに基づいてデューティ信号を生成するようにした。ここで、データ処理のサイクルタイムは数msecというごく短い時間で行われるので、前サイクルと現サイクルでそれぞれ処理されたデータの結果には大差がない。従って、前サイクルで正常に処理されたデータに基づいてデューティ信号を生成することにより、シリアル信号に異常が発生しても、誤作動することなく高精度に燃料ポンプを制御することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料ポンプ制御装置について、具体化した実施の形態として内燃機関の燃料系に使用される燃料ポンプコントローラを挙げ、図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず、燃料ポンプコントローラ1が使用されている内燃機関2の燃料系の概略構成について、図2を参照して説明していく。なお、従来例と同様のものについては同符号を付している。燃料が貯留された燃料タンク32には、燃料ポンプ30が付設されている。また、この燃料ポンプ30と内燃機関2の吸気管4に設けられた燃料噴射弁6とが、燃料供給管34及び燃圧センサ3が設置された燃料レール34aによって連結されている。そして、燃料タンク32内の燃料が燃料ポンプ30により吸い出され、燃料供給管34に供給されるようになっている。次いで、燃料供給管34に供給された燃料が、燃料レール34aにより、内燃機関2の各気筒へ分配されて燃料噴射弁6に圧送されるようになっている。本実施形態に係る噴射系には、従来の噴射系のように、プレッシャレギュレータ36と燃料戻り管38がない点が1つの特徴点である。
【0023】
そして、燃料ポンプ30の出力を制御するための燃料ポンプコントローラ1は、エンジンコントロールユニット(ECU)20内に組み込まれている。なお、従来技術のように、燃料ポンプコントローラとエンジンコントロールユニット(ECU)を別々の構成にしても良い。この燃料ポンプコントローラ1は、図1に示すように、シリアル信号出力部10、データ数カウント部11、異常検出部12、データ受信部5、データ保持部13、デューティ信号生成部23、及びタイミング生成部24から構成されている。これらについての詳細な説明は後述するが、異常検出部12にはタイムカウンタが備わり、デューティ信号生成部23にはダウンカウンタが備わっている。
【0024】
上記コントローラ1の各構成部は以下のように動作する。内燃機関2の各所に取り付けられたセンサ(燃圧センサ、水温センサ、スロットル開度センサ等)からの出力信号が、エンジンコントロールユニット(ECU)20に入力される。そうすると、エンジンコントロールユニット(ECU)20内で、センサ出力に基づき燃料ポンプ30の目標出力が演算される。そして、この演算結果がシリアル信号出力部10に入力されると、シリアル信号出力部10において、前記演算結果が所定周波数のシリアル信号に変換されて、そのシリアル信号が所定周期で出力される。なお本実施形態では、シリアル信号の入力データは16ビット構成(実使用データは下位10ビット)であり、その出力周期は4msecに設定されている。また、シリアル信号出力部10からは、シリアル信号とともにシリアル信号に同期するクロック信号も出力される。
【0025】
シリアル信号出力部10から出力されたシリアル信号は、データ数カウント部11に入力される。一方、シリアル信号出力部10から出力されたクロック信号は、異常検出部12を経由してデータ数カウント部11に入力される。すなわち、データ数カウント部11には、シリアル信号とクロック信号とが入力され、クロック信号の立ち上がりに同期して、シリアル信号の入力データが取り込まれていく。このデータ数カウント部11に取り込まれたデータは順次データ受信部5に送信され蓄積されていく。そして、データの取り込み回数が所定値(本実施形態では、シリアル信号が16ビット構成なので「16」となる。)になると、データ数カウント部11からデータ受信部5に対して転送許可信号が送られる。この転送許可信号をデータ受信部5が受信すると、データ受信部5に蓄積されたデータがパラレル信号としてデータ保持部13に転送される。このとき、データ数カウント部11のデータ取り込み回数及びデータとデータ受信部5の入力データとがクリアされる。これは、次回のタイムサイクルのデータ処理を行うためである。
【0026】
次いで、データ保持部13に記憶されたデータは、タイミング生成部24で生成されるクロック信号の周期で、デューティ信号生成部23に送信されていく。そして、デューティ信号生成部23において、燃料ポンプ30の出力を制御するためのデューティ信号が生成される。このデューティ信号の生成は、例えば、データ保持部13に保持されたデータをダウンカウンタを用いて減算することによって行われる。すなわち、燃料ポンプ30の出力を制御するためのデューティ信号は、ダウンカウンタの減算中はON信号として、その他のときはOFF信号として生成される。
【0027】
また、シリアル信号に異常が発生すると、データ受信部5が正しい信号を受信できない。このような場合、燃料ポンプ30が誤作動するという問題が生じるおそれがあった。しかし、本実施形態のポンプコントローラ1では、シリアル信号の異常を検出するために、タイムカウンタを備える異常検出部12を設けることにより、この問題を解決している。すなわち、シリアル信号出力部10において、シリアル信号と同時に出力されるクロック信号を、異常検出部12に入力して、この信号異常を検出することによりシリアル信号の異常を検出している。そして、異常検出部12が異常を検出すると、データ数カウント部11が取り込んだシリアル信号の入力データ(異常データ)に関わらず、データ保持部13に記憶されている入力データに基づいてデューティ信号が生成される。これにより、異常データによって燃料ポンプ30が駆動されないようになっている。
【0028】
以上説明した燃料ポンプコントローラ1を内燃機関2に使用したときの動作を図3のタイミングチャートを用いて詳細に説明する。図3は1サイクル分(4msec)のタイミングチャートを示している。まず、内燃機関2の運転状況からエンジンコントロールユニット(ECU)20によって要求噴射量が演算される。そして、この演算結果に基づきシリアル信号出力部10から、燃料ポンプ30の出力を制御するための目標デューティ信号であるシリアル信号(C)が出力される。このシリアル信号(C)は、16ビット構成のデータ(実使用データは10ビットで構成)で1データの長さが512μsecであり、デューティ比0〜100%を0(「0000000000000000」)〜1023(「0000001111111111」)に換算したものである。例えば、図3に示すように、シリアル信号の入力データが「0000001010101010」であれば、これを10進数に換算すると「682」になるから、デューティ比は約66.6%となる。このように、0.1%単位で任意にデューティ比を設定することが可能である。このように、高精度にデューティ比を設定することができる。
【0029】
また、シリアル信号(C)の出力周期は4msecで、1タイムサイクルにおけるデータの長さは512μsec(クロック信号の周期32μsec×16)であるから、図4に示すように、シリアル信号(C)は必ず間隔を開けて出力される。このため、従来技術のようなシリアル信号の出力周期信号(図7(b))が不要になる。よって、燃料ポンプコントローラ1における装置の構成をより単純化することが可能になる。
【0030】
さらに、シリアル信号出力部10からは、シリアル信号(C)に同期したクロック信号(A)も出力される。これらシリアル信号(C)とクロック信号(A)は同時に出力され、シリアル信号(C)が異常であれば、クロック信号(A)も異常なものとなる。すなわち、クロック信号(A)の異常を検出することにより、シリアル信号(C)の異常を検出することができる。なお、シリアル信号出力部10から出力されるクロック信号(A)は31.5Hzの信号である。この周波数はもちろん任意に設定することができる。
【0031】
そして、このクロック信号(A)は、異常検出部12を経由してデータ数カウント部11に入力される。ここで、異常検出部12には、前述したようにタイムカウンタが備わっている。そして、このタイムカウンタは、クロック信号(A)の立ち上がりを検出すると、クリアされるようになっている。これにより、タイムカウンタの値がクロック信号の周期よりも長い値(以下、この値を「異常判断値」という。)を超えた場合には、シリアル信号の異常と判断する。例えば本実施形態では、クロック信号の周期が32μsecだから、異常判断値は1msecに設定している。よって、前記タイムカウンタの値が1msecを超えるとシリアル信号が異常だと判断される。なお、この異常判断値は任意に設定することができるが、必ずクロック信号の周期よりも長い値でなければならないことは言うまでもない。このように異常検出部12を設けて、シリアル信号(C)に同期するクロック信号(A)の異常を検出することにより、シリアル信号(C)の異常を検出している。
【0032】
次いで、データ数カウンタ部11に、シリアル信号(C)とクロック信号(A)とが入力されると、クロック信号(A)の立ち上がりに同期して、シリアル信号(C)の入力データが順次、「0」,「0」,「0」,……と取り込まれていく。このとき、データ数カウント部11は、入力データの取り込み回数をカウントしている。この取り込まれたデータは順次データ受信部5に、「0」,「0」,「0」,……のように送信され蓄積されていく。そして、入力データの取り込み回数が所定値「16」(本実施形態では、シリアル信号が16ビット構成だからである。)になると、データ数カウント部11からデータ受信部5に対して転送許可信号が送られる。この転送許可信号をデータ受信部5が受信すると、データ受信部5に蓄積されたデータがデータ保持部13に「00001010101010」のデータとしてパラレル転送される。このとき、データ数カウント部11のデータ取り込み回数及びデータとデータ受信部5のデータがクリアされる。次回のサイクルのデータ処理を行うためである。
【0033】
ここで、異常検出部12が異常を検出した場合、すなわち、異常検出部12に備わるタイムカウンタの値が1msecを超えた場合には、シリアル信号異常と判断され、データ数カウント部11及びデータ受信部5の異常データがクリアされる。そうすると、現サイクルで取り込んだ異常データは、データ保持部13へは転送されない。従って、この場合には、前サイクルの処理でデータ保持部13に記憶されているデータに基づいて、デューティ信号生成部23により、燃料ポンプ30の出力制御用のデューティ信号が生成される。
【0034】
ここで、図4の期間Tは1msec以上あり、この期間にはクロック信号が出力されていないため、異常検出部12がシリアル信号異常と判断する場合がある。しかし、このサイクルにおけるデータは既にデータ保持部13に記憶されているので、燃料ポンプ30の制御に対する影響はない。すなわち、シリアル信号出力部10から出力されたシリアル信号に対して正確に燃料ポンプ30の制御を行っていることになる。
【0035】
また、燃料ポンプコントローラ1では、4msecというごく短い時間で1サイクルのデータ処理が行われるので、データ処理の結果として得られるデューティ比は、現サイクルと前サイクルとではあまり大きな差はない。よって、上記のようにシリアル信号が異常の場合に、前サイクルでデータ保持部13に記憶されたデータを使用して、燃料ポンプ30の出力制御用のデューティ信号を生成することにより、燃料ポンプ30を大きな支障なく制御することができ、これにより誤作動が防止されている。
【0036】
上記のようにして処理されたデータがデータ保持部13に記憶されると、このデータに基づき、燃料ポンプ30の出力制御用のデューティ信号が生成される。そこで、デューティ信号の生成について簡単に説明する。データ保持部13のデータは、燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ信号の周期(20kHz)で、デューティ信号生成部23に転送される。そして、デューティ信号生成部23に備わるダウンカウンタによってデータが減算される。このダウンカウンタにおける減算の結果、減算中にはON情報として、その他のときはOFF情報として、燃料ポンプ30の出力を制御するためのデューティ信号が生成される。そして、このデューティ信号によって、燃料ポンプ30がON/OFF制御されて、燃料ポンプ30の出力が調整される。
【0037】
このような演算処理が、4msecのサイクルタイムで反復されることにより、約0.1%単位のデューティ比が逐次設定され、内燃機関2の運転状況の変化に応じて要求される燃料量を燃料噴射弁6に高精度に供給することを可能としている。これにより、従来技術と比較して100倍の精度で燃料ポンプ30の出力を制御することができ、プレッシャレギュレータ36及び燃料戻り管38が不要となる燃料系を実現化することができる。さらに、異常検出部12とを設けることにより、シリアル通信に異常が発生したときには、異常データをキャンセルすることができ、燃料ポンプ30の誤作動を防止することが可能となる。
【0038】
以上、詳細に説明したように本実施形態の燃料ポンプコントローラ1によれば、燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ信号を0.1%単位で設定することが可能となる。従って、非常に高精度に燃料ポンプ30の出力を制御することができる。これにより、燃料ポンプ30の出力制御のみで、燃料噴射弁6に供給する燃料の燃圧及び供給流量を制御することが可能となるから、プレッシャレギュレータ36及び燃料戻り管38が不要となる。また、シリアル信号出力部10から出力されるシリアル信号は連続しないように出力しているために、シリアル信号の出力周期を検知するための周期信号が不要となる。さらに、異常検出部12を設けることにより、シリアル信号の異常を検出することができる。また、データ保持部13を有していることにより、シリアル信号異常時には、前サイクルでデータ保持部13に記憶されたデータを利用して、デューティ信号を生成することができる。従って、シリアル信号異常時でも燃料ポンプ30を誤作動させずに駆動することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、本実施形態では、0.1%単位でデューティ比を設定しているが、精度が要求されない場合には、1%単位や10%単位に設定することも可能である。さらに、シリアル信号とクロック信号を連続的に出力する場合には、データ数カウント手段におけるカウント値で、シリアル信号の周期を検知するようにすれば、燃料ポンプコントローラにおける信号線を減らすことができる。なお、信号の周期について示した具体的数値は、単なる例示にすぎない。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の燃料ポンプ制御装置によれば、リターンレスの燃料系の燃料ポンプの出力を制御するためのデューティ信号のデューティ比を、高精度に設定することができる。これにより、燃料ポンプの出力を高精度に制御することが可能になる。さらに、異常検出手段を設けることにより、シリアル信号の異常を検出することができる。また、データ保持手段を有していることにより、シリアル信号異常時には、前サイクルでデータ保持手段に保持されたデータを利用して、デューティ信号を生成することができる。従って、シリアル信号異常時でも燃料ポンプを誤作動させずに制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料ポンプコントローラの構成図である。
【図2】燃料ポンプコントローラを適用した内燃機関の燃料系の構成図である。
【図3】シリアル信号の内容を表した図である。
【図4】シリアル信号とクロック信号のタイミングチャートである。
【図5】従来の燃料ポンプ制御装置を適用した内燃機関の燃料系の構成図である。
【図6】従来の燃料ポンプ制御装置の構成図である。
【図7】従来の燃料ポンプ制御装置における信号処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 燃料ポンプコントローラ
5 データ受信部
10 シリアル信号出力部
11 データ数カウント部
12 異常検出部
13 データ保持部
20 エンジンコントロールユニット(ECU)
23 デューティ信号生成部
24 タイミング生成部
30 燃料ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ポンプに供給する電力をデューティ制御することにより、燃料噴射弁への燃料供給量を制御するために、内燃機関の燃料噴射系に使用される燃料ポンプ制御装置に関する。さらに詳細には、燃料ポンプの出力をより高精度に制御し、かつ誤作動を防止することができる燃料ポンプ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の燃料系に使用されている燃料ポンプ制御装置では、制御が容易でしかも省消費電力化が可能であることから、ポンプの入力電流をON/OFF制御する、いわゆるPWM制御やデューティ制御が行われている。
【0003】
このような制御により燃料ポンプの駆動を制御する燃料ポンプ制御装置としては、例えば特開平1−126194号公報に記載されているものがある。そこで、以下これについて簡単にその構成及び動作について説明する。まず、燃料ポンプ制御装置が適用される内燃機関の燃料系の概略構成を図5に示す。燃料タンク32に燃料ポンプ30が付設され、この燃料ポンプ30と内燃機関2の吸気管4に設けられた燃料噴射弁6とが、燃料供給管34によって連結されている。そして、燃料タンク32内の燃料が燃料ポンプ30により吸い出され、燃料供給管34を通じて燃料噴射弁6に圧送されるようになっている。このとき、燃料供給管34内の燃料は、燃料噴射弁6に近接して取り付けられたプレッシャレギュレータ36によって所定の燃圧になっている。一方、余剰な燃料は、燃料戻り管38を介して燃料タンク32に戻されるようになっている。
【0004】
かかる燃料系において、燃料噴射弁6に供給される燃料量の制御は燃料ポンプ30の出力を制御することにより行われる。そして、この燃料ポンプ30の出力を制御するための燃料ポンプ制御装置42は、図6に示すようなシリアル信号を出力するシリアル信号出力部C1、シフトレジスタC2、電力制御部C3とから構成されている。なお、この燃料ポンプ制御装置42は、燃料ポンプ30及びエンジンコントロールユニット(ECU)20に接続されている。
【0005】
次に、上記のように構成された燃料系における燃料ポンプ制御装置42の動作について、図7を参照しつつ説明する。図7は、燃料ポンプ制御装置42の各構成部における信号を表したタイミングチャートである。
【0006】
燃料ポンプ制御装置42の入力となるシリアル信号(a)は、エンジンコントルールユニット(ECU)20によって内燃機関2の運転状態に応じて設定されたものである。図7には、20msecごとにデューティ比80%、60%、40%の3種の信号を連続して出力している場合を示している。また周期信号(b)は、シリアル信号(a)の立ち上がりを報知するための信号である。これは、発振器が発信するシリアル信号(a)に同期した高周波数のクロック信号を利用して検出している。
【0007】
一方、シフトレジスタC2には、シリアル信号(a)が入力されるとともに、発振器からシリアル信号(a)に同期した250Hzのクロック信号(c)が入力されている。そしてシフトレジスタC3では、クロック信号(c)の立ち上がりごとにデータ(d)が計測される。すなわち、データ(d)は20msec経過後には、5回の計測が行われるから5ビットのパラレル信号となる。そして、データ(d)に予め設定されている5ビット信号が加算されて、10ビットのデータ(e)に変換される。この10ビットデータ(e)は、シフトレジスタC2から20kHzのシリアル信号(f)として出力される。すなわち、例えば期間Aにおいては、デューティ比90%の信号が400回出力されることになる。なお、図7中の信号(g)は、このシリアル信号(f)の一周期分(0.05msec)を表したものである。
【0008】
以上説明したように、入力信号(a)をシフトレジスタC2が燃料ポンプ30の駆動信号(f)に変換して、電力制御部C3がこの信号(f)に基づき、燃料ポンプ30への入力電流を制御することにより、燃料噴射弁6への供給燃料量を制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−126194号公報の技術には、次のような問題点があった。すなわち、燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ信号(f)は、10ビットのパラレル信号をシリアル信号に変換することにより生成しているが、同号公報の燃料ポンプ制御装置42における変換方法ではパラレル信号のビット数がデューティ比の最小単位になっている。だから、10ビット信号では10%単位にしかデューティ比を設定することができない。従って、高精度に燃料流量を制御することは不可能である。これは、クロック信号(c)をさらに高周波数の信号にすれば、デューティ信号の精度は向上する。しかし、シフトレジスタC2における処理データのビット長が長くなるため、処理及び通信に時間がかかってしまい、その結果として応答性の悪化を招くこととなり精度の向上は望めない。
【0010】
さらに、燃料ポンプ制御装置42ではシリアル信号に異常が発生した場合に、この異常を検出することができない。よって、燃料ポンプ制御装置は異常データをそのまま処理するので、燃料ポンプが誤作動してしまうおそれがあった。
【0011】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、燃料ポンプをより高精度に、かつ信号異常が発生しても、誤作動することなく制御することができる燃料ポンプ制御装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明によれば、リターンレスの燃料系の燃料ポンプに供給する電力をデューティ制御することにより、燃料噴射弁への供給燃料量を制御する燃料ポンプ制御装置において、前記燃料ポンプの目標出力に応じたシリアル信号とこれに同期するクロック信号とを一定周期で出力するシリアル信号出力手段と、前記シリアル信号の入力データを受信してこれを貯蔵するデータ受信手段と、前記クロック信号の立ち上がりに同期して前記シリアル信号の入力データ数をカウントしてその値が所定値になると転送許可信号を発信するデータ数カウント手段と、前記データ受信手段の貯蔵データの転送を受けてこれを保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段が保持しているデータに基づき前記燃料ポンプ駆動用のデューティ信号を生成するデューティ信号生成手段とを有し、前記転送許可信号は、前記データ受信手段に対して前記貯蔵データを前記データ保持手段へ転送させ、そのデータをクリアさせることを特徴とする。
【0013】
この燃料ポンプ制御装置では、シリアル信号出力手段により、燃料ポンプの目標出力に応じたシリアル信号と、これに同期するクロック信号とが一定周期で出力されている。そして、データ受信手段では、このシリアル信号の入力データが受信されて貯蔵されていく。一方、データ数カウント手段では、クロック信号の立ち上がりに同期してシリアル信号の入力データ数がカウントされ、このカウント値が所定値になると転送許可信号が発信される。そして、この転送許可信号をデータ受信手段が受けることにより、データ受信手段の貯蔵データがデータ保持手段に転送されるとともに、次サイクルのデータを貯蔵するために、データ受信手段の貯蔵データはクリアされる。そうすると、この転送を受けてデータ保持手段では、貯蔵データが保持される。次いで、デューティ信号生成部では、このデータ保持手段に保持されたデータに基づいて、燃料ポンプ駆動用のデューティ信号が生成される。これにより、燃料ポンプに供給される電力がデューティ制御され、燃料噴射弁への供給燃料量が制御される。
【0014】
このように、請求項1の発明では、シリアル信号とこれに同期するクロック信号をシリアル信号出力手段から出力し、データ数カウント手段でクロック信号の立ち上がりに同期してシリアル信号の入力データを取り込み、このデータに基づきデューティ信号を生成することにより、任意のデューティ信号を設定することができるようにした。例えば、図3に示すように、シリアル信号(C)に16ビット構成のデータを使用すると、0.1%単位にデューティ信号を設定することができる。この場合に、実使用データは16進数で示すと「0000」〜「3FFF」までである。すなわち、さら高精度にデューティ信号を設定することも可能である。また、あまり精度が要求されない場合には、シリアル信号に8ビット構成の信号を使用すれば良い。従って、内燃機関の運転状況を測定するために取り付けられているセンサ、例えば燃圧センサ等からの信号に基づき、エンジンコントロールユニット(ECU)により算出される要求燃料流量に対して、正確に追従して燃料ポンプの駆動電力を高精度に制御することが可能となる。よって、実際の要求に見合った適正な燃料流量(燃圧)を燃料ポンプの出力制御のみによって供給することができるようになる。この結果、燃料噴射弁に過剰な燃料を供給することもなく、また燃料ポンプの出力制御のみで燃圧を調整することができるので、燃料戻り管及びプレッシャレギュレータが不要となる。
【0015】
ここで、データ受信手段とデータ数カウント手段とが別構成になっているが、これらを1つにまとめることも可能である。例えば、データ数カウント手段に備わるカウンタをデータ受信手段に設け、これにクロック信号を入力すれば良い。
【0016】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載する燃料ポンプ制御装置において、前記シリアル信号出力手段は、前記シリアル信号と前記クロック信号とを断続的に出力することを特徴とする。
【0017】
1サイクルのシリアル信号の長さは、クロック信号の周期とシリアル信号を構成するビット長により定まる。すなわち、1サイクルのシリアル信号の長さは任意に設定することが可能である。よって、請求項2の発明では、出力周期より短い長さのシリアル信号を設定してシリアル信号が連続して出力されないようにした。これにより、従来の燃料ポンプ制御装置のようにシリアル信号の出力周期を示す周期信号が不要となるため、装置の構成の単純化を図ることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2に記載する燃料ポンプ制御装置において、前記クロック信号の立ち上がりを検出するとクリアされるタイムカウンタを備え、このタイムカウンタの値が所定値を超えると異常信号を発信する異常検出手段を有し、前記異常信号は、前記データ数カウント手段と前記データ受信手段とに対して、それぞれのデータをクリアさせることを特徴とする。
【0019】
この燃料ポンプ制御装置では、異常検出手段により、クロック信号の立ち上がりが検出されている。そして、異常検出手段には、この立ち上がりを検出するとクリアされるタイムカウンタが備わっており、タイムカウンタのカウンタ値が所定値を超えると、異常信号がデータ数カウント手段とデータ受信手段とに送信される。次いで、データ数カウント手段とデータ受信手段とでは、この異常信号が受信されると、それぞれの手段のデータがクリアされる。すなわち、データ保持部には入力データは転送されない。そして、デューティ信号生成部では、データ保持手段に前サイクル以前に保持された入力データに基づいて、燃料ポンプ駆動用のデューティ信号が生成される。これにより、燃料ポンプに供給される電力がデューティ制御され、燃料噴射弁への供給燃料量が制御される。
【0020】
このように、請求項3の発明では、シリアル信号の異常を検出する異常検出手段を有し、シリアル信号の異常を検出した場合には、前サイクルで処理された際にデータ保持手段に保持されているデータに基づいてデューティ信号を生成するようにした。ここで、データ処理のサイクルタイムは数msecというごく短い時間で行われるので、前サイクルと現サイクルでそれぞれ処理されたデータの結果には大差がない。従って、前サイクルで正常に処理されたデータに基づいてデューティ信号を生成することにより、シリアル信号に異常が発生しても、誤作動することなく高精度に燃料ポンプを制御することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料ポンプ制御装置について、具体化した実施の形態として内燃機関の燃料系に使用される燃料ポンプコントローラを挙げ、図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
まず、燃料ポンプコントローラ1が使用されている内燃機関2の燃料系の概略構成について、図2を参照して説明していく。なお、従来例と同様のものについては同符号を付している。燃料が貯留された燃料タンク32には、燃料ポンプ30が付設されている。また、この燃料ポンプ30と内燃機関2の吸気管4に設けられた燃料噴射弁6とが、燃料供給管34及び燃圧センサ3が設置された燃料レール34aによって連結されている。そして、燃料タンク32内の燃料が燃料ポンプ30により吸い出され、燃料供給管34に供給されるようになっている。次いで、燃料供給管34に供給された燃料が、燃料レール34aにより、内燃機関2の各気筒へ分配されて燃料噴射弁6に圧送されるようになっている。本実施形態に係る噴射系には、従来の噴射系のように、プレッシャレギュレータ36と燃料戻り管38がない点が1つの特徴点である。
【0023】
そして、燃料ポンプ30の出力を制御するための燃料ポンプコントローラ1は、エンジンコントロールユニット(ECU)20内に組み込まれている。なお、従来技術のように、燃料ポンプコントローラとエンジンコントロールユニット(ECU)を別々の構成にしても良い。この燃料ポンプコントローラ1は、図1に示すように、シリアル信号出力部10、データ数カウント部11、異常検出部12、データ受信部5、データ保持部13、デューティ信号生成部23、及びタイミング生成部24から構成されている。これらについての詳細な説明は後述するが、異常検出部12にはタイムカウンタが備わり、デューティ信号生成部23にはダウンカウンタが備わっている。
【0024】
上記コントローラ1の各構成部は以下のように動作する。内燃機関2の各所に取り付けられたセンサ(燃圧センサ、水温センサ、スロットル開度センサ等)からの出力信号が、エンジンコントロールユニット(ECU)20に入力される。そうすると、エンジンコントロールユニット(ECU)20内で、センサ出力に基づき燃料ポンプ30の目標出力が演算される。そして、この演算結果がシリアル信号出力部10に入力されると、シリアル信号出力部10において、前記演算結果が所定周波数のシリアル信号に変換されて、そのシリアル信号が所定周期で出力される。なお本実施形態では、シリアル信号の入力データは16ビット構成(実使用データは下位10ビット)であり、その出力周期は4msecに設定されている。また、シリアル信号出力部10からは、シリアル信号とともにシリアル信号に同期するクロック信号も出力される。
【0025】
シリアル信号出力部10から出力されたシリアル信号は、データ数カウント部11に入力される。一方、シリアル信号出力部10から出力されたクロック信号は、異常検出部12を経由してデータ数カウント部11に入力される。すなわち、データ数カウント部11には、シリアル信号とクロック信号とが入力され、クロック信号の立ち上がりに同期して、シリアル信号の入力データが取り込まれていく。このデータ数カウント部11に取り込まれたデータは順次データ受信部5に送信され蓄積されていく。そして、データの取り込み回数が所定値(本実施形態では、シリアル信号が16ビット構成なので「16」となる。)になると、データ数カウント部11からデータ受信部5に対して転送許可信号が送られる。この転送許可信号をデータ受信部5が受信すると、データ受信部5に蓄積されたデータがパラレル信号としてデータ保持部13に転送される。このとき、データ数カウント部11のデータ取り込み回数及びデータとデータ受信部5の入力データとがクリアされる。これは、次回のタイムサイクルのデータ処理を行うためである。
【0026】
次いで、データ保持部13に記憶されたデータは、タイミング生成部24で生成されるクロック信号の周期で、デューティ信号生成部23に送信されていく。そして、デューティ信号生成部23において、燃料ポンプ30の出力を制御するためのデューティ信号が生成される。このデューティ信号の生成は、例えば、データ保持部13に保持されたデータをダウンカウンタを用いて減算することによって行われる。すなわち、燃料ポンプ30の出力を制御するためのデューティ信号は、ダウンカウンタの減算中はON信号として、その他のときはOFF信号として生成される。
【0027】
また、シリアル信号に異常が発生すると、データ受信部5が正しい信号を受信できない。このような場合、燃料ポンプ30が誤作動するという問題が生じるおそれがあった。しかし、本実施形態のポンプコントローラ1では、シリアル信号の異常を検出するために、タイムカウンタを備える異常検出部12を設けることにより、この問題を解決している。すなわち、シリアル信号出力部10において、シリアル信号と同時に出力されるクロック信号を、異常検出部12に入力して、この信号異常を検出することによりシリアル信号の異常を検出している。そして、異常検出部12が異常を検出すると、データ数カウント部11が取り込んだシリアル信号の入力データ(異常データ)に関わらず、データ保持部13に記憶されている入力データに基づいてデューティ信号が生成される。これにより、異常データによって燃料ポンプ30が駆動されないようになっている。
【0028】
以上説明した燃料ポンプコントローラ1を内燃機関2に使用したときの動作を図3のタイミングチャートを用いて詳細に説明する。図3は1サイクル分(4msec)のタイミングチャートを示している。まず、内燃機関2の運転状況からエンジンコントロールユニット(ECU)20によって要求噴射量が演算される。そして、この演算結果に基づきシリアル信号出力部10から、燃料ポンプ30の出力を制御するための目標デューティ信号であるシリアル信号(C)が出力される。このシリアル信号(C)は、16ビット構成のデータ(実使用データは10ビットで構成)で1データの長さが512μsecであり、デューティ比0〜100%を0(「0000000000000000」)〜1023(「0000001111111111」)に換算したものである。例えば、図3に示すように、シリアル信号の入力データが「0000001010101010」であれば、これを10進数に換算すると「682」になるから、デューティ比は約66.6%となる。このように、0.1%単位で任意にデューティ比を設定することが可能である。このように、高精度にデューティ比を設定することができる。
【0029】
また、シリアル信号(C)の出力周期は4msecで、1タイムサイクルにおけるデータの長さは512μsec(クロック信号の周期32μsec×16)であるから、図4に示すように、シリアル信号(C)は必ず間隔を開けて出力される。このため、従来技術のようなシリアル信号の出力周期信号(図7(b))が不要になる。よって、燃料ポンプコントローラ1における装置の構成をより単純化することが可能になる。
【0030】
さらに、シリアル信号出力部10からは、シリアル信号(C)に同期したクロック信号(A)も出力される。これらシリアル信号(C)とクロック信号(A)は同時に出力され、シリアル信号(C)が異常であれば、クロック信号(A)も異常なものとなる。すなわち、クロック信号(A)の異常を検出することにより、シリアル信号(C)の異常を検出することができる。なお、シリアル信号出力部10から出力されるクロック信号(A)は31.5Hzの信号である。この周波数はもちろん任意に設定することができる。
【0031】
そして、このクロック信号(A)は、異常検出部12を経由してデータ数カウント部11に入力される。ここで、異常検出部12には、前述したようにタイムカウンタが備わっている。そして、このタイムカウンタは、クロック信号(A)の立ち上がりを検出すると、クリアされるようになっている。これにより、タイムカウンタの値がクロック信号の周期よりも長い値(以下、この値を「異常判断値」という。)を超えた場合には、シリアル信号の異常と判断する。例えば本実施形態では、クロック信号の周期が32μsecだから、異常判断値は1msecに設定している。よって、前記タイムカウンタの値が1msecを超えるとシリアル信号が異常だと判断される。なお、この異常判断値は任意に設定することができるが、必ずクロック信号の周期よりも長い値でなければならないことは言うまでもない。このように異常検出部12を設けて、シリアル信号(C)に同期するクロック信号(A)の異常を検出することにより、シリアル信号(C)の異常を検出している。
【0032】
次いで、データ数カウンタ部11に、シリアル信号(C)とクロック信号(A)とが入力されると、クロック信号(A)の立ち上がりに同期して、シリアル信号(C)の入力データが順次、「0」,「0」,「0」,……と取り込まれていく。このとき、データ数カウント部11は、入力データの取り込み回数をカウントしている。この取り込まれたデータは順次データ受信部5に、「0」,「0」,「0」,……のように送信され蓄積されていく。そして、入力データの取り込み回数が所定値「16」(本実施形態では、シリアル信号が16ビット構成だからである。)になると、データ数カウント部11からデータ受信部5に対して転送許可信号が送られる。この転送許可信号をデータ受信部5が受信すると、データ受信部5に蓄積されたデータがデータ保持部13に「00001010101010」のデータとしてパラレル転送される。このとき、データ数カウント部11のデータ取り込み回数及びデータとデータ受信部5のデータがクリアされる。次回のサイクルのデータ処理を行うためである。
【0033】
ここで、異常検出部12が異常を検出した場合、すなわち、異常検出部12に備わるタイムカウンタの値が1msecを超えた場合には、シリアル信号異常と判断され、データ数カウント部11及びデータ受信部5の異常データがクリアされる。そうすると、現サイクルで取り込んだ異常データは、データ保持部13へは転送されない。従って、この場合には、前サイクルの処理でデータ保持部13に記憶されているデータに基づいて、デューティ信号生成部23により、燃料ポンプ30の出力制御用のデューティ信号が生成される。
【0034】
ここで、図4の期間Tは1msec以上あり、この期間にはクロック信号が出力されていないため、異常検出部12がシリアル信号異常と判断する場合がある。しかし、このサイクルにおけるデータは既にデータ保持部13に記憶されているので、燃料ポンプ30の制御に対する影響はない。すなわち、シリアル信号出力部10から出力されたシリアル信号に対して正確に燃料ポンプ30の制御を行っていることになる。
【0035】
また、燃料ポンプコントローラ1では、4msecというごく短い時間で1サイクルのデータ処理が行われるので、データ処理の結果として得られるデューティ比は、現サイクルと前サイクルとではあまり大きな差はない。よって、上記のようにシリアル信号が異常の場合に、前サイクルでデータ保持部13に記憶されたデータを使用して、燃料ポンプ30の出力制御用のデューティ信号を生成することにより、燃料ポンプ30を大きな支障なく制御することができ、これにより誤作動が防止されている。
【0036】
上記のようにして処理されたデータがデータ保持部13に記憶されると、このデータに基づき、燃料ポンプ30の出力制御用のデューティ信号が生成される。そこで、デューティ信号の生成について簡単に説明する。データ保持部13のデータは、燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ信号の周期(20kHz)で、デューティ信号生成部23に転送される。そして、デューティ信号生成部23に備わるダウンカウンタによってデータが減算される。このダウンカウンタにおける減算の結果、減算中にはON情報として、その他のときはOFF情報として、燃料ポンプ30の出力を制御するためのデューティ信号が生成される。そして、このデューティ信号によって、燃料ポンプ30がON/OFF制御されて、燃料ポンプ30の出力が調整される。
【0037】
このような演算処理が、4msecのサイクルタイムで反復されることにより、約0.1%単位のデューティ比が逐次設定され、内燃機関2の運転状況の変化に応じて要求される燃料量を燃料噴射弁6に高精度に供給することを可能としている。これにより、従来技術と比較して100倍の精度で燃料ポンプ30の出力を制御することができ、プレッシャレギュレータ36及び燃料戻り管38が不要となる燃料系を実現化することができる。さらに、異常検出部12とを設けることにより、シリアル通信に異常が発生したときには、異常データをキャンセルすることができ、燃料ポンプ30の誤作動を防止することが可能となる。
【0038】
以上、詳細に説明したように本実施形態の燃料ポンプコントローラ1によれば、燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ信号を0.1%単位で設定することが可能となる。従って、非常に高精度に燃料ポンプ30の出力を制御することができる。これにより、燃料ポンプ30の出力制御のみで、燃料噴射弁6に供給する燃料の燃圧及び供給流量を制御することが可能となるから、プレッシャレギュレータ36及び燃料戻り管38が不要となる。また、シリアル信号出力部10から出力されるシリアル信号は連続しないように出力しているために、シリアル信号の出力周期を検知するための周期信号が不要となる。さらに、異常検出部12を設けることにより、シリアル信号の異常を検出することができる。また、データ保持部13を有していることにより、シリアル信号異常時には、前サイクルでデータ保持部13に記憶されたデータを利用して、デューティ信号を生成することができる。従って、シリアル信号異常時でも燃料ポンプ30を誤作動させずに駆動することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、本実施形態では、0.1%単位でデューティ比を設定しているが、精度が要求されない場合には、1%単位や10%単位に設定することも可能である。さらに、シリアル信号とクロック信号を連続的に出力する場合には、データ数カウント手段におけるカウント値で、シリアル信号の周期を検知するようにすれば、燃料ポンプコントローラにおける信号線を減らすことができる。なお、信号の周期について示した具体的数値は、単なる例示にすぎない。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の燃料ポンプ制御装置によれば、リターンレスの燃料系の燃料ポンプの出力を制御するためのデューティ信号のデューティ比を、高精度に設定することができる。これにより、燃料ポンプの出力を高精度に制御することが可能になる。さらに、異常検出手段を設けることにより、シリアル信号の異常を検出することができる。また、データ保持手段を有していることにより、シリアル信号異常時には、前サイクルでデータ保持手段に保持されたデータを利用して、デューティ信号を生成することができる。従って、シリアル信号異常時でも燃料ポンプを誤作動させずに制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料ポンプコントローラの構成図である。
【図2】燃料ポンプコントローラを適用した内燃機関の燃料系の構成図である。
【図3】シリアル信号の内容を表した図である。
【図4】シリアル信号とクロック信号のタイミングチャートである。
【図5】従来の燃料ポンプ制御装置を適用した内燃機関の燃料系の構成図である。
【図6】従来の燃料ポンプ制御装置の構成図である。
【図7】従来の燃料ポンプ制御装置における信号処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 燃料ポンプコントローラ
5 データ受信部
10 シリアル信号出力部
11 データ数カウント部
12 異常検出部
13 データ保持部
20 エンジンコントロールユニット(ECU)
23 デューティ信号生成部
24 タイミング生成部
30 燃料ポンプ
Claims (3)
- リターンレスの燃料系の燃料ポンプに供給する電力をデューティ制御することにより、燃料噴射弁への供給燃料量を制御する燃料ポンプ制御装置において、
前記燃料ポンプの目標出力に応じたシリアル信号とこれに同期するクロック信号とを一定周期で出力するシリアル信号出力手段と、
前記シリアル信号の入力データを受信してこれを貯蔵するデータ受信手段と、 前記クロック信号の立ち上がりに同期して前記シリアル信号の入力データ数をカウントしてその値が所定値になると転送許可信号を発信するデータ数カウント手段と、
前記データ受信手段の貯蔵データの転送を受けてこれを保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段が保持しているデータに基づき前記燃料ポンプ駆動用のデューティ信号を生成するデューティ信号生成手段とを有し、
前記転送許可信号は、前記データ受信手段に対して前記貯蔵データを前記データ保持手段へ転送させ、そのデータをクリアさせることを特徴とする燃料ポンプ制御装置。 - 請求項1に記載する燃料ポンプ制御装置において、
前記シリアル信号出力手段は、前記シリアル信号と前記クロック信号とを断続的に出力することを特徴とする燃料ポンプ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載する燃料ポンプ制御装置において、
前記クロック信号の立ち上がりを検出するとクリアされるタイムカウンタを備え、このタイムカウンタの値が所定値を超えると異常信号を発信する異常検出手段を有し、
前記異常信号は、前記データ数カウント手段と前記データ受信手段とに対して、それぞれのデータをクリアさせることを特徴とする燃料ポンプ制御装置。
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