JP3567978B2 - 空きB2chを使った伝送路監視方法及び方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送路監視方法及び方式に関し、特に空きB2chを利用した伝送路監視方法及び方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠隔加入者装置と交換機とのインタフェースは1回線2B+Dであり、アナログ加入者を収容した場合にはB2chは空き状態となるチャンネル構成が採用されている。また従来、多重化信号線の空き時間の利用システムとして、各タイムスロットの空き状態を監視するDch信号監視部と、Bch信号制御部と、情報分配部と、送信情報を蓄積する情報蓄積部とを備え、Dch信号監視部が空き状態のタイムスロットを検出すると多重化信号線をISDN交換機から切り離し、Bch信号制御部は加入者端末からの送信情報の要求を受け付け、情報蓄積部は、情報蓄積部から加入者に提供する送信情報を読み出して下りBchを用いて分配するシステムが特開平10−271222号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように遠隔加入者装置と交換機とのインタフェースは1回線2B+Dであり、遠隔加入者装置にISDN加入者を収容した場合にはB2chが空き状態となる時間が必ず存在し、また、アナログ加入者を収容した場合には空きB2chは伝送路上の無駄となるから、何れの場合にも伝送路の効率を低下させるチャンネル構成を採用するものであった。また、前記公報記載の空き時間の利用システムは局内装置と端末間での利用に限られるものであり、交換機と端末間の空き時間の有効利用や伝送路の監視等への空き時間の利用については考慮されていなかった。
【0004】
(発明の目的)
本発明の目的は、空き回線を有効活用し伝送路の監視を可能としたB2chを使った伝送路監視方法及び方式を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、障害箇所の推定を可能としたB2chを使った伝送路監視方法及び方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の空きB2chを使った伝送路監視方法は、上位交換機(図1、2、4の1)と遠隔加入者装置に収容された下位端末(図1、2の4,5)との間の伝送路異常を監視する空きB2chを使った伝送路監視方法において、上位交換機から遠隔加入者装置RTに収容されたアナログ回線のB2chにパイロットパターンを挿入し、加入者回路でB2chを折り返し、折り返されたパイロットパターンを上位交換機でチェックすることにより伝送路の障害監視を行うことを特徴とする。
【0007】
前記発明において、上位交換機及びデジタル回線終端装置においてB2ch側端末のフック状態を監視し、オンフック状態の場合にのみ、遠隔加入者装置に収容されたISDN回線に上位交換機から前記B2chにパイロットパターンを挿入し、デジタル回線終端装置でB2chを折り返し、折り返されたパイロットパターンを上位交換機でチェックすることにより伝送路の障害監視を行うことを特徴とする。また、上位交換機及びデジタル回線終端装置はB2ch側端末のオフフック時には当該B2chを開放することを特徴とする。
【0008】
また前記発明において、上位交換機は、下位端末側からの、例えば、専用の障害監視用チャンネルによる通常の遠隔加入者装置等の障害監視における何らかの異常検出時等の申告により前記B2chに前記パイロットパターンを挿入することを特徴とする。
【0009】
本発明の空きB2chを使った伝送路監視方式は、上位交換機と遠隔加入者装置に収容された下位端末との間の伝送路異常を監視する空きB2chを使った伝送路監視方式において、上位交換機から遠隔加入者装置RTに収容されたアナログ回線のB2chにパイロットパターンを挿入する手段と、加入者回路でB2chを折り返す手段と、折り返されパイロットパターンを上位交換機でチェックする手段とを備え、伝送路の障害監視を行うことを特徴とする。
【0010】
前記発明において、上位交換機及びデジタル回線終端装置においてB2ch側端末のフック状態を監視する手段と、オンフック状態の場合にのみ遠隔加入者装置に収容されたISDN回線に上位交換機から前記B2chにパイロットパターンを挿入する手段と、デジタル回線終端装置でB2chを折り返す手段と、折り返されたパイロットパターンを上位交換機でチェックする手段とを備え、伝送路の障害監視を行うことを特徴とする。また、上位交換機及びデジタル回線終端装置はB2ch側端末のオフフック時には当該B2chを開放する手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また前記発明において、上位交換機のB2chにパイロットパターンを挿入する手段は、下位端末側からの、例えば、専用の障害監視用チャンネルによる通常の遠隔加入者装置等の障害監視における何らかの異常検出時等の申告により前記パイロットパターンを挿入する手段を備えることを特徴とする。
【0012】
(作用)
遠隔加入者装置(Remote Terminal:以下「RT」ともいう)において、上位交換機との伝送路異常および下位端末との伝送路異常を空きBchを使って監視する。
【0013】
遠隔加入者装置RTにはアナログ回線又はISDN回線が収容される。アナログ回線はB1chしか使用されないので常時B2chが空きとなっており、ここに上位交換機からパイロットパターンを挿入する。RT装置内の加入者回路(Subscriber Line Interface Circuit:以下「SLIC」ともいう)にてB2chを折り返し、上位交換機側では折り返されたパイロットパターンをチェックして伝送路等の障害監視を行う。
【0014】
また、ISDN回線については上位交換機にてB2ch側端末のオン/オフフックの状態を監視し、B2chがオンフック状態の場合にのみB2chにパイロットパターンを挿入する。デジタル回線終端装置(Digital Service Unit:以下「DSU」ともいう)においてもB2ch側端末のオン/オフフックの状態を監視し、オンフック状態の場合にのみB2chを折り返す。上位交換機では折り返されたパイロットパターンをチェックして伝送路の障害監視を行う。ただし、B2chがオフフックとなった場合は直ちにB2chを開放する。
【0015】
空きBchを有効利用することができ、従来障害監視用に割り付けられていたタイムスロットを回線用に使用することができるので伝送路設備の有効活用が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の空きB2chを使った伝送路監視方法及び方式の実施の形態を説明する。
【0017】
(構成の説明)
図1は、本実施の形態の構成を示す図である。交換機1と、交換機1に光伝送路2により接続された遠隔加入者装置RT3と、遠隔加入者装置RT3に収容されたアナログ加入者4及びISDN加入者5とから構成される。遠隔加入者装置RT3は、アナログ回線/ISDN回線データの多重及び分離を行う多重/分離部9と、交換機1との光インタフェースとRT3内電気信号部との変換を行う光/電気変換部10とで構成されている。
【0018】
アナログ加入者4は、加入者回路SLIC6により遠隔加入者装置RT3に収容され、ISDN加入者5はデジタル回線終端装置DSU7により終端され、局内回線終端回路(Office Channel Unit:以下「OCU」ともいう)8により遠隔加入者装置RT3に収容されている。
【0019】
(動作の説明)
以下、本発明の一実施の形態を図1〜5を参照して説明する。最初にアナログ回線における監視動作ついて説明する。
【0020】
図2は、本実施の形態の構成及びアナログ回線の監視経路等を示す図である。アナログ回線は通話にB1chのみを使用する為、B2chは常時空きとなっている。このB2chに交換機1から55/AAのパイロットパターンを挿入することにより伝送路の監視を行う。
【0021】
交換機1から光伝送路2を通ってRT3に送信されてきたB2chのパイロットパターンは、光/電気変換部10により電気信号に変換され、多重/分離部9により各SLICへ分離される。各SLICではB2chの信号がそのまま折り返され、多重/分離部9へ送られる。多重/分離部9では各SLICからのB2chの信号を多重し、光/電気変換部10で光に変換され交換機1へ送信される。交換機1では受信したSLICからの折り返しB2chのデータを読みとり、55/AAのパイロットパターンであるか否か、エラーか否かのチェックを行う。
【0022】
図3は、前述のアナログ回線のパイロットパターンの伝送経路及びチェック動作を示す図である。交換機1からB2chにパイロットパターンを挿入し、RT3を介してSLIC4に送信し、SLIC4で折り返され、RT3を介して交換機1に戻ってきた信号をチェックすることにより交換機1−RT3−SLIC4の経路の監視を行う。
【0023】
交換機1における前述のチェックの結果、各SLICからの全てのパイロットパターンがエラーとなっていた場合、交換機1から多重/分離部9までの伝送路または装置で障害が起きていると考えられる。また、ある特定のSLICからのパイロットパターンのみがエラーとなっていれば、多重/分離部9から当該SLICまでの伝送路又はSLICそのものに障害が起きていると推定することができる。
【0024】
次に、本実施の形態におけるISDN回線における監視動作について説明する。
【0025】
図4は、本実施の形態の構成及びISDN回線の監視経路等を示す図である。ISDN回線では交換機1とデジタル回線終端装置DSU7においてB2ch端末のオン/オフフックの状態を常に監視しておき、オンフック状態である場合にパイロットパターンの挿入及びチェックを行う。
【0026】
DSUはB2ch端末のオンフック状態を検出するとB2ch折り返しモードへ移行する。また、交換機1はISDN回線からのステータス信号(以下「ST」ともいう)を常時モニタし、B2ch端末のオンフックを検出すると55/AAのパイロットパターンをB2chへ挿入する。交換機1にて挿入されたパイロットパターンは、RT3を経てDSUで折り返され交換機1へ戻ってくる。交換機1ではDSUから受信した折り返しB2chのデータを読みとり、55/AAのパイロットパタ―ンであるか否か、エラーか否かのチェックを行う。
【0027】
ISDN回線にパイロットパターンを送出中、B2ch端末がオフフック状態となった場合、交換機1およびDSUは、それぞれ直ちにパイロットパターンの送出及び折り返し動作を解除し、B2chが正常に通信できるようにB2chを開放する。つまり、交換機1は空きB2chを使った伝送路監視を行っている最中もST信号を常時モニタし、オフフック状態が検出されたらすぐにパイロットパターンの挿入及び監視を解除する。同様にDSU7はB2ch折り返しモード中も端末の状態を監視し、オフフック状態が検出されたらすぐにB2chスルーへモードの切替(B2ch開放)を行う。B2ch端末はこの後、正常に通信を行うことができる。
【0028】
図5は、前述のISDN回線のパイロットパターンの伝送経路及びチェック動作を示す図である。B2ch端末がオンフック時に、DSU7はB2ch折り返しモードに設定し、交換機1からB2chにパイロットパターンを挿入し、RT3、OCU8を介してDSU7に送信し、DSU7で折り返され、OCU8、RT3を介して交換機1に戻ってきたパイロットパターンをチェックすることにより、交換機1−RT3−OCU8−DSU7の経路の監視を行う。B2ch端末がオフフック時には、DSU7は通常モードとなり交換機1はB2chを通信に開放する。
【0029】
交換機1における前述のチェックの結果、各DSUからの全てのパイロットパターンがエラーとなっていた場合、交換機1から多重/分離部9までの伝送路または装置で障害が起きていると考えられる。また、ある特定のDSUからのパイロットパターンのみがエラーとなっていれば多重/分離部9から当該DSUまでの伝送路、局内回線終端回路OCU又はデジタル回線終端装置DSUで障害が起きていると推定することができる。
【0030】
(他の実施の形態)
以上の実施の形態では交換機1からアナログ回線及びISDN回線の伝送路監視を定期的又は必要に応じて行うようにした例を示したが、伝送路の回線チャンネルに障害監視用のチャンネルが用意できる場合は、本発明により障害箇所の切り分けを行うことが可能である。
【0031】
図6及び図7は、障害監視用のチャンネルを使用して障害箇所の切り分けを可能とした本発明の他の実施の形態を示す図である。
【0032】
障害監視用のチャンネルを伝送路上に用意できる場合は、通常はそれを使い遠隔加入者装置の障害監視を行う。加入者から何らかの異常が検出された等により交換機への障害監視の申告があった場合に空きB2chを使った障害箇所の切り分けを行う。
【0033】
図6に示すように、ある特定のアナログ加入者Aから障害監視の申告があった場合、交換機Cは申告加入者の空きB2chを使いパイロットパターンを送出する。アナログ端末Aがオンフック状態であればパイロットパターンがSLICで折り返されるので、交換機Cにてパイロットパターンのチェック▲1▼を行う。次に申告のあった加入者とは別のアナログ加入者Bの空きB2chを使い同様にパイロットパターンのチェック▲2▼を行う。これら2回線のパイロットパターンのチェック結果により、表1に基づいて特定SLICが障害なのか、伝送路などの共通部分が障害なのか等の障害箇所を推定することができる。
【0034】
【表1】
つまり、チエック▲1▼が異常でチエック▲2▼が正常の場合はSLICの異常、チエック▲1▼及び▲2▼が何れも異常の場合は交換機−RT内における異常、チエック▲1▼及び▲2▼が何れも正常の場合は加入者ケーブル−加入者端末における異常と推定する。
【0035】
図7に示すように、ある特定のISDN加入者Dから障害監視の申告があった場合、交換機Cは申告加入者のST信号によりB2ch端末のオン/オフフック状態を監視し、オンフック状態が検出されたらB2chを使いパイロットパターンを送出する。B2chのパイロットパターンはDSUで折り返されるので、交換機Cにてパイロットパターンのチェックを行う。次に申告のあった加入者とは別のアナログ加入者Bの空きB2chを使い同様にパイロットパターンのチェックを行う。これら2回線のパイロットパターンのチェック結果により、表2に基づいて障害箇所を推定することができる。
【0036】
【表2】
つまり、チエック▲1▼が異常でチエック▲2▼が正常の場合はOCU−DSUにおける異常、チエック▲1▼及び▲2▼が何れも異常の場合は交換機−RT内における異常、チエック▲1▼及び▲2▼が何れも正常の場合は加入者ケーブル−加入者端末における異常と推定する。
【0037】
【効果の説明】
本発明は以上説明したとおり、空きB2chを使って伝送路の監視を行うことで回線チャンネルの有効活用を図ることができる。
【0038】
また、上位交換機及び加入者間の障害等の監視に、HW監視用のチャンネル等を用意する必要がなく、また、従来使用している監視用チャンネルを通信用に使用することが可能である。
【0039】
更に、加入者端末側からの申告により当該加入者端末側の監視とその他の加入者端末の監視により、障害箇所の特定を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空きB2chを使った伝送路監視方法及び方式の一実施の形態を示す図である。
【図2】本実施の形態の構成及びアナログ回線の監視経路等を示す図である。
【図3】アナログ回線のパイロットパターンの伝送経路及びチェック動作を示す図である。
【図4】本実施の形態の構成及びISDN回線の監視経路等を示す図である。
【図5】ISDN回線のパイロットパターンの伝送経路及びチェック動作を示す図である。
【図6】本発明の空きB2chを使った伝送路監視方法及び方式の他の実施の形態を示す図である。
【図7】本発明の空きB2chを使った伝送路監視方法及び方式の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 交換機
2 光伝送路
3 遠隔加入者装置(RT)
4 アナログ加入者
5 ISDN加入者
6 加入者回路(SLIC)
7 デジタル回線終端装置(DSU)
8 局内回線終端装置(OCU)
9 多重/分離部
10 光/電気変換部
Claims (6)
- 上位交換機と遠隔加入者装置に収容された下位端末との間の伝送路異常を監視する空きB2chを使った伝送路監視方法において、
上位交換機及びデジタル回線終端装置においてB2ch側端末のフック状態を監視し、オンフック状態の場合にのみ、遠隔加入者装置に収容されたISDN回線に上位交換機から前記B2chにパイロットパターンを挿入し、デジタル回線終端装置でB2chを折り返し、折り返されたパイロットパターンを上位交換機でチェックすることにより伝送路の障害監視を行うとともに、上位交換機及びデジタル回線終端装置はB2ch側端末のオフフック時には当該B2chを開放することを特徴とする空きB2chを使った伝送路監視方法。 - 上位交換機から遠隔加入者装置に加入者回路により収容されたアナログ回線のB2chにパイロットパターンを挿入し、加入者回路でB2chを折り返し、折り返されたパイロットパターンを上位交換機でチェックすることにより伝送路の障害監視を行うことを特徴とする請求項1記載の空きB2chを使った伝送路監視方法。
- 上位交換機は、下位端末側からの申告により前記B2chに前記パイロットパターンを挿入することを特徴とする請求項1又は2記載の空きB2chを使った伝送路監視方法。
- 上位交換機と遠隔加入者装置に収容された下位端末との間の伝送路異常を監視する空きB2chを使った伝送路監視方式において、
上位交換機及びデジタル回線終端装置においてB2ch側端末のフック状態を監視する手段と、オンフック状態の場合にのみ遠隔加入者装置に収容されたISDN回線に上位交換機から前記B2chにパイロットパターンを挿入する手段と、デジタル回線終端装置でB2chを折り返す手段と、折り返されたパイロットパターンを上位交換機でチェックする手段と、上位交換機及びデジタル回線終端装置はB2ch側端末のオフフック時には当該B2chを開放する手段とを備え、伝送路の障害監視を行うことを特徴とする空きB2chを使った伝送路監視方式。 - 上位交換機から遠隔加入者装置に加入者回路により収容されたアナログ回線のB2chにパイロットパターンを挿入する手段と、加入者回路でB2chを折り返す手段と、折り返されパイロットパターンを上位交換機でチェックする手段とを備え、伝送路の障害監視を行うことを特徴とする空きB2chを使った請求項4記載の伝送路監視方式。
- 上位交換機のB2chにパイロットパターンを挿入する手段は、下位端末側からの申告により前記パイロットパターンを挿入する手段を備えることを特徴とする請求項4又は5記載の空きB2chを使った伝送路監視方式。
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