JP3567012B2

JP3567012B2 - Novel peptide and its use

Info

Publication number: JP3567012B2
Application number: JP07015695A
Authority: JP
Inventors: 敞敏伊藤; 忠夫斎藤; 豊若生; 俊昭内田; 清巽
Original assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Current assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date: 1995-03-28
Filing date: 1995-03-28
Publication date: 2004-09-15
Anticipated expiration: 2019-09-15
Also published as: JPH08269088A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なペプチドに関する。また、本発明は、この新規なペプチドを活性成分として含有するアンジオテンシン転換酵素阻害剤に関する。さらに、本発明は、この新規なペプチドを活性成分として含有する血圧降下剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
アンジオテンシン転換酵素（ＡＣＥ）は、血圧の調節においてレニン−アンジオテンシン系に作用する酵素である。分子量約５７，０００のアンジオテンシノーゲンは、腎臓から血管中に移行するレニンによりアンジオテンシンＩに変換される。このアンジオテンシンＩは、殆ど血管収縮作用を示さない不活性型であるが、ＡＣＥにより活性型のアンジオテンシンＩＩに変換される。このアンジオテンシンＩＩについては、動脈末梢毛細血管の収縮作用［Ｆｕｒｃｈｇｏｔｔ，Ｒ．ｅｔａｌ．，Ｊ．ＰｈａｒｍａｃｏｌＥｘｐ．Ｔｈｅｒ．，ｖｏｌ．１０８，ｐ．１２９，１９５３］、血管透過性増大［Ｇｉｍｂｒｏｎｅ，Ｍ．Ａ．ａｎｄＡｌｅｘａｎｄｅｒ，Ｒ．Ｗ．，Ｓｃｉｅｎｃｅ，ｖｏｌ．１８９，ｐ．２１９，１９７５］、交感神経におけるアドレナリン作動性の神経伝達促進［Ｂｅｌｌ，Ｃ．，Ｃｉｒｃ．Ｒｅｓ．，ｖｏｌ．３１，ｐ．３４８，１９７２］、副腎髄質からのカテコールアミンの放出促進作用及び副腎皮質からのアルドステロンの分泌促進［Ｂｉｒｏｎ，Ｐ．ｅｔａｌ．，Ｊ．Ｃｌｉｎ．Ｉｎｖｅｓｔ，ｖｏｌ．４４，ｐ．１１７１，１９６５］などの作用が知られており、循環血流量の増加をもたらし、血圧が上昇する。また、血管拡張作用により血圧降下作用を示すブラジキニンは、ＡＣＥにより分解されるため、結果的に血圧が上昇する。一方、ＡＣＥ阻害物質は、上述したＡＣＥの作用を阻害するので、有効な血圧降下作用を有し、血圧降下剤の有効成分として有用であることが知られている。
【０００３】
近年、成人病の増加や高齢化による疾患の増加により、上述したような血圧降下作用を有する物質が脚光を浴びており、医薬として提供されるに至っているものもある。しかし、高血圧に関連する疾病は食事による影響が強いと言われており、高血圧の予防効果を有する物質としては、食品素材への利用性を有するものに対して大きな期待が持たれる。
【０００４】
そして、食品に含まれているＡＣＥ阻害物質としては、イワシ筋肉由来のたんぱく質分解ペプチド（日本水産製）、オキアミからイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー及び逆層クロマトグラフィーにより単離したＡＣＥ阻害物質［河村幸雄ら，微量栄養素研究，ｖｏｌ．７，ｐ．３７，１９９０］、トウモロコシたんぱく質由来のオリゴペプチド［特開平２−２４００２７号公報］などが知られている。
【０００５】
さらに、乳たんぱく質カゼイン由来の分解物中にＡＣＥ阻害物質が多く存在することが知られている。すなわち、ヒトβカゼインのアミノ酸配列３９〜５２残基のペプチド［Ｋｏｈｍｕｒａ，Ｍ．ｅｔａｌ．，Ａｇｒｉｃ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，ｖｏｌ．５３，ｐ．２１０７，１９８９］、ヒトκカゼインのアミノ酸配列４３〜５２残基のペプチド［Ｋｏｈｍｕｒａ，Ｍ．ｅｔａｌ．，Ａｇｒｉｃ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，ｖｏｌ．５４，ｐ．８３５，１９９０］、ウシα_Ｓ１カゼインのアミノ酸配列２３〜３４残基及び１９４〜１９９残基のペプチド［Ｍａｒｕｙａｍａ，Ｓ．ｅｔａｌ．，Ａｇｒｉｃ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，ｖｏｌ．５１，ｐ．２５５７，１９８７］、ウシβカゼインのアミノ酸配列１７７〜１８３残基のペプチド［Ｍａｒｕｙａｍａ，Ｓ．，Ａｇｒｉｃ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，ｖｏｌ．５１，ｐ．１５８１，１９８７］、カソキシンＣと称するウシκカゼインのアミノ酸配列２５〜３４残基のペプチド［戸塚護及び上野川修一，日本畜産学会報，ｖｏｌ．６３，ｐ．８６７，１９９２］などである。また、ウシカゼインをたんぱく質分解酵素で加水分解して得られるＡＣＥ阻害物質含有組成物として、ウシαカゼイン又はウシβカゼインの酵素分解物が高血圧の予防に有効であることが開示されている［特開平２−１６７０５２号公報］。あるいは、ウシκカゼインのキモシン分解により生成するアミノ酸配列１０６残基以後のペプチドであるウシκカゼイングリコマクロペプチドが血圧の上昇抑制効果を有することが開示されている［特開平６−３４５６６４号公報］。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、食品素材として利用可能なＡＣＥ阻害活性を有する物質を見出すべく、鋭意研究を進めていたところ、チーズホエー中などに含まれているウシκカゼイングリコマクロペプチドのプロテアーゼ分解物中にＡＣＥ阻害活性を有する新規なペプチドを見出した。そして、動物実験を行ったところ、このペプチドが血圧を降下する作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、ＡＣＥ阻害活性を有する新規なペプチドを提供することを課題とする。また、本発明は、このペプチドを活性成分として含有するＡＣＥ阻害剤を提供することを課題とする。さらに、本発明は、このペプチドを活性成分として含有する血圧降下剤を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、食品素材として利用可能なＡＣＥ阻害活性を有する物質を見出すべく、甘性チーズホエーから得られるκカゼイングリコマクロペプチドについてもＡＣＥ阻害活性を調べたところ、κカゼイングリコマクロペプチドのたんぱく質分解酵素消化物中にＡＣＥ阻害活性を有する画分を見出した。そして、このＡＣＥ阻害活性を有する画分の活性本体を単離同定したところ、下記のアミノ酸配列（Ｉ）を有するペプチドであることが判明した。
Ｉｌｅ−Ａｌａ−Ｓｅｒ−Ｇｌｙ−Ｇｌｕ−Ｐｒｏ（Ｉ）
【０００８】
このペプチドのアミノ酸配列は、κカゼイングリコマクロペプチドのアミノ酸配列２０〜２５残基に相当し、κカゼインのアミノ酸配列１２５〜１３０残基に相当するペプチドであった。
【０００９】
さらに、下記のアミノ酸配列（Ｉ）を有するペプチドが、血圧降下作用を有することも確認した。
Ｉｌｅ−Ａｌａ−Ｓｅｒ−Ｇｌｙ−Ｇｌｕ−Ｐｒｏ（Ｉ）
【００１０】
本発明のペプチドを食品、化粧品、飼料あるいは医薬品に使用する場合には、精製品を用いても良いが、純度が低くても本発明のペプチドはＡＣＥ阻害活性が強いため、これらのペプチドを含む粗画分を用いても良いし、κカゼイングリコマクロペプチドのペプシン又はパパイン消化物をそのまま用いることもできる。また、化学合成により得られたものも用いることもできる。なお、ペプチドの化学合成法としては通常使用されている固相法などを用いることにより、例えば、アプライドバイオシステムズ社のペプチド合成機などで簡単にペプチドを合成することができる。さらに、本発明のペプチドのアミノ酸配列に相当する塩基配列を用いてＤＮＡを合成し、遺伝子操作により本発明のペプチドを製造することもできる。既に、ウシκカゼインの塩基配列は公知である［Ａｌｅｘａｎｄｅｒ，Ｌ．Ｊ．ｅｔａｌ．，Ｅｕｒ．Ｊ．Ｂｉｏｃｈｅｍ．，ｖｏｌ．１７８，ｐ．３９５，１９８８］。したがって、遺伝子操作により本発明のペプチドを製造する際に使用する塩基配列としては、ＡＴＴＧＣＴＡＧＴＧＧＴＧＡＧＣＣＴが適当である。
【００１１】
次に、特に利用性の高い本発明のペプチドの製造法を説明する。
原料として有用であるκカゼイングリコマクロペプチドを得る方法としては、例えば、チーズホエーパウダーを溶解し、加熱した後、冷却し、エタノール沈澱して得られる上清を陰イオン交換樹脂により分画する方法［Ｓａｉｔｏ．Ｔ．ｅｔａｌ．，Ｊ．ＤａｉｒｙＳｃｉ．，ｖｏｌ．７４，ｐ．２８３１，１９９１］、レンネットカゼインカードを調製する際に得られる排液を原料とし、この排液のｐＨを酸性領域に調製して生成する沈澱を除去し、次いで得られる上澄を脱塩する方法［特開昭６３−２８４１９９号公報］、κカゼイングリコマクロペプチドを含有する乳質原料物質をｐＨ４未満に調整した後、分画分子量１０，０００〜５０，０００の膜を用い、限外濾過処理をして透過液を分画分子量５０，０００以下の膜を用いて濃縮する方法［特開平２−２７６５４２号公報］、ホエー蛋白含有溶液を加熱した後、凍結して凍結物を得、更に該凍結物を解凍した後、ホエー蛋白と上清とを分離し、この上清を処理して上清を回収する方法［特開平３−２９４２９９号公報］などにより、κカゼイングリコマクロペプチドを製造することが可能であるが、ここでは、いかなる方法で得られたκカゼイングリコマクロペプチドであっても良い。
【００１２】
このκカゼイングリコマクロペプチドをたんぱく質分解酵素で加水分解する。使用するたんぱく質分解酵素としては、ペプシンが好ましいが、パパインも使用可能である。また、酸加水分解により本発明のペプチドを調製することも可能である。なお、ペプシンを使用する場合、κカゼイングリコマクロペプチドに対しペプシンを重量比１／１０〜１／１００００の割合で添加すれば良い。酵素反応は通常３０〜４０℃で行うが、酵素活性が認められる温度域であれば構わない。酵素反応に適したｐＨ領域は１〜５が好ましいが、ｐＨ４以上では反応にかなり時間を要するので、より好ましくはｐＨ１〜４である。酵素反応に使用する緩衝液としてはクエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、塩化カリウム−塩酸緩衝液、（グリシン＋食塩）−塩酸緩衝液などを例示することができ、簡便的に塩酸溶液などの酸溶液でｐＨを調整して使用することもできる。反応時間は１０分間以上であり、好ましくは１〜４８時間である。反応時間が１０分間未満ではＡＣＥ阻害活性が２０％以下であり、４８時間を越えるとＡＣＥ阻害活性は６０％程度残存するが、反応時間が長くなると微生物汚染の問題やペプシン活性の低下などが起こり好ましくない。また、場合によっては反応途中でペプシンを再添加することもできる。酵素反応の停止は、１００℃で５分間加熱して酵素を失活させることが簡便で良いが、冷アセトンを添加して濾別する処理や水酸化ナトリウムなどの塩基性物質でｐＨを７．０に調整する処理を行っても良い。得られた溶液は必要に応じて濾過して沈澱を除去し、必要に応じてさらに減圧濃縮乾固、凍結乾燥又は噴霧乾燥を行う。また、逆浸透膜、電気透析膜、薄膜下降式濃縮などにより濃縮した後、乾燥粉末としても良い。このようにして得られた本発明のペプチドを含む粗画分は、１０〜１００μｇ／ｍｌのオーダーでＡＣＥ阻害活性を示し、食品素材などとして充分に使用可能である。なお、急性毒性試験を行ったところ、本発明のペプチドは、経口で１ｇ／ｋｇ以上を示し、安全性の高いものであることが判明した。
【００１３】
本発明のペプチドの使用形態については特に制限がなく、溶液、粉、顆粒、錠剤などとして使用でき、各種飲食品、化粧品、飼料に添加でき、医薬品の原料として使用できる。本発明のペプチドは乳中より生成したものであるため、安全に使用することができる。また、本発明のペプチドの投与量は１５０μｇ／ｋｇ／日以上が好ましい。投与量が１５０μｇ／ｋｇ／日以下では血圧降下作用が弱くなる。
【００１４】
【参考例１】
チーズホエーパウダー１５０ｇに１２％（ｗ／ｖ）濃度となるようトリクロロ酢酸溶液を加え、４℃で１時間振とう抽出した後、遠心分離（９，０００×ｇ、１５分間）し、上清を回収して氷冷した。この上清を１Ｎ水酸化ナトリウムで中和し、透析膜（ＶｉｓｋａｓｅＳａｌｅｓＣｏｒｐ．製）で蒸留水に対して透析した後、遠心分離（９，０００×ｇ、１５分間）し、上清を回収して凍結乾燥した。このようにして、純度８１％のκカゼイングリコマクロペプチド７ｇを得た。
【００１５】
【試験例１】
参考例１で調製したκカゼイングリコマクロペプチドについて、５種類のたんぱく質分解酵素を用い消化試験を行った。なお、酵素と緩衝液の組合せは以下の通りである。
（１）プロティナーゼＫ（シグマ製）と０．０１Ｍトリス−塩酸緩衝液（ｐＨ７．５）
（２）アクチナーゼＥ（ナカライテスク製）と２０ｍＭ塩化カルシウム含有０．１Ｍトリス−塩酸緩衝液（ｐＨ７．４）
（３）ペプシン（シグマ製）と０．２Ｍクエン酸緩衝液（ｐＨ３．０）
（４）トリプシン（シグマ製）と２０ｍＭ塩化カルシウム含有０．１Ｍトリス−塩酸緩衝液（ｐＨ８．０）
（５）パパイン（シグマ製）と３．３ｍｇシアン化ナトリウム及び３．３ｍｇＥＤＴＡ含有０．１Ｍリン酸緩衝液（ｐＨ７．０）
【００１６】
各緩衝液１０ｍｌにκカゼイングリコマクロペプチドを１ｍｇ／ｍｌの濃度となるよう溶解し、５％（ｗ／ｗ）濃度の酵素を添加して充分に撹拌した。各試料は少量のトルエン共存下、３７℃で２４時間静置して酵素消化した。その後、反応液に３倍量の冷アセトンを加え、−２０℃で１時間放置した後、溶液を濾過し、凍結乾燥して試験試料とした。そして、各試験試料１ｍｇを２００μｌの蒸留水に溶解した後、この試験試料溶液１５μｌを蒸留水で１５０μｌに希釈してＡＣＥ阻害活性を測定した。その結果を表１に示す。
【００１７】
【表１】

【００１８】
なお、ＡＣＥ阻害活性の測定は、以下のように行った。
まず、ＡＣＥ（うさぎ肺由来、和光純薬工業製）１ユニットを５０％グリセロール溶液２ｍｌに溶解してＡＣＥ酵素溶液（Ａ）を調製した。また、馬尿酸−ヒスチジルロイシン５３．６８８ｍｇを１Ｍ食塩含有ホウ酸緩衝液（ｐＨ７．８）１０ｍｌに溶解した後、水酸化ナトリウム水溶液でｐＨ８．３に調整した基質溶液（Ｂ）を調製した。
【００１９】
中型のネジ付き試験管に被験液１５０μｌ、基質溶液（Ｂ）１００μｌ及びＡＣＥ酵素溶液（Ａ）１０μｌを添加し、３７℃で６０分間反応させた後、反応を停止させるために各試験管に酢酸エチル１．５ｍｌをガラス製ピペットで加え、キャップをしてからボルテックスミキサーで１５秒振とうすることにより抽出した。抽出後、１，０００ｒｐｍ、５分間遠心分離して得られた上層（酢酸エチル）部を他の小型ネジ付き試験管に移し、８０℃、窒素ガス噴霧下で酢酸エチルを蒸発乾固させた。この蒸発乾固させた試料を８０℃、１０分間処理し、室温に戻した後、０．９％食塩溶液３．０ｍｌを加え、１５秒間ボルテックスミキサーで振とうして溶解し、直ちに２２８ｎｍの紫外部吸光度を測定した。そして、以下の式によりＡＣＥ阻害活性を算出した。
ＡＣＥ阻害活性（％）＝｛（Ｅ_Ｃ−Ｅ_Ｓ）／（Ｅ_Ｃ−Ｅ_Ｂ）｝×１００
Ｅ_Ｓ：被験液１５０μｌを添加した試料の吸光度
Ｅ_Ｃ：被験液の代わりに蒸留水１５０μｌを添加したコントロールの吸光度
Ｅ_Ｂ：被験液の代わりに蒸留水１５０μｌを添加し、反応開始直後に反応を停止させた試料の吸光度
【００２０】
表１に示したように、各種たんぱく質分解酵素消化物のＡＣＥ阻害活性は、ペプシンで最も強く、パパインでもわずかに認められた。そこで、ペプシン消化物中のＡＣＥ阻害活性を有する物質を探索した。
【００２１】
【参考例２】
１ｍｇ／ｍｌ濃度となるようκカゼイングリコマクロペプチドを０．１Ｎ塩酸に溶解した溶液１０ｍｌに５％（ｗ／ｗ）濃度のペプシンを添加し、３７℃で２４時間静置して消化した後、１００℃で正確に５分間加熱して酵素反応を停止した。そして、この反応液を濾過し、凍結乾燥してκカゼイングリコマクロペプチドのペプシン消化物を得、これを試料とした。
【００２２】
ブチルトヨパール（東ソー製）１０ｍｌを９０％メタノールで洗浄した後、蒸留水で洗浄し、カラム（１．７×１２ｃｍ）に充填した。次に、上述の試料を１０ｍｇ／５ｍｌ濃度となるよう蒸留水に溶解し、カラムに添加した。そして、カラムに蒸留水２００ｍｌを流した後、１０％刻みで調製した１０％〜１００％濃度のメタノール溶液各１００ｍｌで段階溶出した。この各溶出画分について、画分中のメタノールを減圧濃縮し、凍結乾燥した後、試験例１に示した方法と同様の方法によりＡＣＥ阻害活性を測定したところ、非吸着画分に７０％のＡＣＥ阻害活性が認められた。そこで、この非吸着画分をさらに精製した。
【００２３】
【参考例３】
参考例２で得られた非吸着画分を９ｍｇ／５ｍｌ濃度となるよう蒸留水に溶解したものを試料とした。
リクロプレップＲＰ１８（メルク製）１０ｇを９０％メタノールで洗浄した後、蒸留水で洗浄し、カラム（１．７×１２ｃｍ）に充填した。次に、上述の試料をカラムに添加し、蒸留水２００ｍｌを流した後、１０％刻みで調製した１０％〜１００％濃度のメタノール溶液各１００ｍｌで段階溶出した。この各溶出画分について、画分中のメタノールを減圧濃縮し、凍結乾燥した後、試験例１に示した方法と同様の方法によりＡＣＥ阻害活性を測定したところ、１０％〜２０％濃度のメタノール溶出画分に９０％以上の強いＡＣＥ阻害活性が認められた。また、３０％〜６０％濃度のメタノール溶出画分にも５０％〜１５％のＡＣＥ阻害活性が認められた。そこで、１０％〜６０％濃度のメタノール溶出画分を回収し、ＡＣＥ阻害活性粗画分とした。
【００２４】
【参考例４】
参考例３で得られたＡＣＥ活性粗画分を７ｍｇ／５ｍｌ濃度となるよう蒸留水に溶解し、リクロプレップＲＰ１８（メルク製）によるリクロマトグラフィーを行った。そして、５％、１０％、１２％、１４％、１６％、１８％、２０％、３０％及び９０％濃度のメタノール溶液で段階溶出した。この各溶出画分について、画分中のメタノールを減圧濃縮し、凍結乾燥した後、試験例１に示した方法と同様の方法によりＡＣＥ阻害活性を測定したところ、５％濃度のメタノール溶出画分、１０％濃度のメタノール溶出画分及び１２％濃度のメタノール溶出画分に強いＡＣＥ阻害活性が認められた。そこで、これらの画分についてさらに精製した。
【００２５】
【参考例５】
参考例４で得られた活性画分について、ＯＤＰ−５０（アサヒパック製、７．６×２５０ｍｍ）を用いたＨＰＬＣで精製した。カラムは、０．０５％トリフルオロ酢酸含有１０％アセトニトリル水溶液（Ａ）で平衡化し、溶離液（Ｂ）として、０．０５％トリフルオロ酢酸含有６０％アセトニトリル水溶液を用い、３０分間で溶離液（Ｂ）のアセトニトリルが５０％となるようにグラジュエント溶出した。なお、流速は０．５ｍｌ／ｍｉｎで行った。その結果、リテンションタイムで１０分〜１８分までの画分に強いＡＣＥ阻害活性が認められたので、この画分を回収し、さらに精製した。
【００２６】
【参考例６】
参考例５で得られた活性画分について、スペリオレックスＯＤＳ（資生堂製、４．６×１５０ｍｍ）を用いたＨＰＬＣで精製した。カラムは、０．０５％トリフルオロ酢酸水溶液（Ａ）でカラムを平衡化し、溶離液（Ｂ）として、０．０５％トリフルオロ酢酸含有６０％アセトニトリル水溶液を用い、溶離液（Ｂ）のアセトニトリルが５０％となるようにグラジュエント溶出した。なお、流速は０．５ｍｌ／ｍｉｎで行った。その結果、図１に示すように単一ピークが認められ、これを分取してアミノ酸配列を決定した。
【００２７】
【参考例７】
参考例６で得られた単一ピークについて、アミノ酸配列を決定するために、アミノ酸シークエンサー（４７３Ａ型、アプライドバイオシステムズ製）を使用し、試料１μｇをＰＶＤＦ膜にドットブロットして分析した。その結果、ＡＣＥ阻害活性を有する物質の本体は、下記のアミノ酸配列を有するペプチドであることが判明した。
Ｉｌｅ−Ａｌａ−Ｓｅｒ−Ｇｌｙ−Ｇｌｕ−Ｐｒｏ
【００２８】
【参考例８】
参考例７でアミノ酸配列を確認したペプチドのＡＣＥ阻害活性を確認するために、ペプチドを合成した。ペプチドの化学合成は、ペプチドシンセサイザー（４３０Ａ型、アプライドバイオシステムズ製）を用い、ｔ−Ｍｏｃ法で行った。すなわち、０．５ｍｍｏｌのＢｏｃ−ｌ−Ｃｌｎ−Ｏ−ＣＨ_２ −ＰＡＭ樹脂及び２ｍｍｏｌの構成アミノ酸をペプチドシンセサイザーに充填して合成を行い、目的のペプチドを結合した樹脂を得た。この樹脂１．５ｇに結合しているペプチドをチオアニソール及びエタンジチオール存在下、トリフルオロメタンスルホン酸により切り出し、ジエチルエーテルで沈澱させた後、１０％酢酸で溶解し、同じく１０％酢酸で置換した強塩基性陰イオン交換樹脂（Ｂｉｏ−ＲｅｘＭＳＺ１−Ｘ８）に通して精製し、ペプチド１４０ｍｇを得た。このペプチドをさらにＡｑｕａｐａｃＲＰ−３００（アプライドバイオシステムズ製）による逆相ＨＰＬＣで、溶出液として０．１％トリフルオロ酢酸／水及び０．１％トリフルオロ酢酸／アセトニトリルを用い精製し、ペプチド白色粉末３０ｍｇを得た。そして、試験例１に示した方法と同様の方法によりＡＣＥ阻害活性を測定した。その結果を表２に示す。なお、参考例６で精製したペプチドについてもＡＣＥ阻害活性を測定した。
【００２９】
【表２】

【００３０】
【試験例２】
下記のアミノ酸配列（Ｉ）を有するペプチドの血圧改善効果について、確認した。
Ｉｌｅ−Ａｌａ−Ｓｅｒ−Ｇｌｙ−Ｇｌｕ−Ｐｒｏ（Ｉ）
４週令の高血圧を自然発症するＳＨＲ／ＮＣｒｉラット（日本チャールズリバーより購入）を下記に示したような群に分け、動物実験を行った。
Ａ群：アミノ酸配列（Ｉ）ペプチドを３００μｇ／日投与
Ｂ群：アミノ酸配列（Ｉ）ペプチドを３０μｇ／日投与
Ｃ群：アミノ酸配列（Ｉ）ペプチドを３μｇ／日投与
Ｄ群：ペプチド未投与
【００３１】
１群５匹とし、カゼインを含まないＣＥ−２（クレア製）を飼料として６週間飼育した。各試験試料は１日２回、強制投与し、飲料水は自由摂取とした。そして、６週間後の血圧を測定した。その結果を表３に示す。
【００３２】
【表３】

数値は、平均値±標準偏差で示した。Ａ群及びＢ群において、有意に血圧低下作用が認められた。
【００３３】
【実施例１】
特開平２−２７６５４２号公報に記載された方法に従い、ホエーたんぱく質濃縮物（ＷＰＣ）１ｋｇからκカゼイングリコマクロペプチド５０ｇを得た。このκカゼイングリコマクロペプチド５０ｇを水１，２５０ｇに溶解し、塩酸でｐＨを１．５に調整した後、ペプシン（シグマ製）０．５ｇを添加し、３７℃で１５時間酵素反応を行った。酵素反応の停止は１００℃で５分間の加熱処理により行い、濾紙（アドバンテック製）で濾過した後、凍結乾燥してκカゼイングリコマクロペプチドのペプシン消化物３７ｇを得た。次に、この消化物３７ｇを蒸留水１，８５０ｇに溶解し、蒸留水で平衡化したバイオシルＣ１８ＨＬ（バイオラッド製）５ｋｇを充填したカラム（２０ｃｍ×２０ｃｍ）に添加し、蒸留水でカラムを洗浄した後、６０％メタノール水溶液で溶出した。そして、この溶出画分を減圧濃縮し、凍結乾燥して活性画分１２ｇを得た。さらに、この活性画分３００ｍｇを０．１％トリフルオロ酢酸含有２％アセトニトリル水溶液１ｍｌに溶解し、０．１％トリフルオロ酢酸含有２％アセトニトリル水溶液で平衡化したＴＳＫｇｅｌＯＤＳ−１２０Ｔカラム（５５ｍｍ×６０ｃｍ、東ソー製）に添加し、０．１％トリフルオロ酢酸含有５０％アセトニトリル水溶液でグラジュエント溶出した。そして、ＡＣＥ阻害活性が認められたアセトニトリル濃度１０％付近の単一ピークを分取した。この操作を繰り返して分取した画分を遠心乾燥機で濃縮し、凍結乾燥してペプチド１．８ｇを得た。
【００３４】
そして、スーペリオレックスＯＤＳ（４．６ｍｍ×１５０ｍｍ、資生堂製）で確認したところ、このペプチドの純度は９３％であった。また、アミノ酸シークエンサーでアミノ酸分析を行ったところ、このペプチドは下記のアミノ酸配列（Ｉ）を有するペプチドであった。
Ｉｌｅ−Ａｌａ−Ｓｅｒ−Ｇｌｙ−Ｇｌｕ−Ｐｒｏ（Ｉ）
本発明者らは、上記のアミノ酸配列（Ｉ）を有するペプチドをκカゼイノシンと命名した。
【００３５】
【実施例２】
０．５ｍｍｏｌのＢｏｃ−ｌ−Ｃｌｎ−Ｏ−ＣＨ_２ −ＰＡＭ樹脂及び２ｍｍｏｌの構成アミノ酸をペプチドシンセサイザー（４３０Ａ型、アプライドバイオシステムズ製）に充填して合成を行い、目的のペプチドを結合した樹脂を得た。この樹脂１．５ｇに結合しているペプチドをチオアニソール及びエタンジチオール存在下、トリフルオロメタンスルホン酸により切り出し、ジエチルエーテルで沈澱させた後、１０％酢酸で溶解し、同じく１０％酢酸で置換した強塩基性陰イオン交換樹脂（Ｂｉｏ−ＲｅｘＭＳＺ１−Ｘ８）に通して精製し、ペプチド１４０ｍｇを得た。このペプチドをさらにＡｑｕａｐａｃＲＰ−３００（アプライドバイオシステムズ製）による逆相ＨＰＬＣで、溶出液として０．１％トリフルオロ酢酸／水及び０．１％トリフルオロ酢酸／アセトニトリルを用い精製し、２０％アセトニトリルで溶出した画分からペプチドの白色粉末３０ｍｇを得た。このペプチドについて、アミノ酸シークエンサーでアミノ酸分析を行ったところ、下記のアミノ酸配列（Ｉ）を有するペプチドであった。
Ｉｌｅ−Ａｌａ−Ｓｅｒ−Ｇｌｙ−Ｇｌｕ−Ｐｒｏ（Ｉ）
【００３６】
【実施例３】
斉藤らの方法［Ｊ．ＤａｉｒｙＳｃｉ．，ｖｏｌ．７４，ｐ．２８３１，１９９１］に従い、チーズホエー粉１ｋｇからκカゼイングリコマクロペプチド１３ｇを得た。このκカゼイングリコマクロペプチド１３ｇをクエン酸緩衝液（ｐＨ３．０）０．３３リットルに溶解し、ペプシン（シグマ製）０．０１ｇを添加し、３２℃で４８時間酵素反応を行った。酵素反応の停止は冷アセトン１．９５リットルを添加することにより行った後、エバポレータで０．５リットルとなるまで濃縮し、凍結乾燥して活性画分１１ｇを得た。この活性画分について、試験例１に示した方法と同様の方法によりＡＣＥ阻害活性を測定したところ、１００μｇ／ｍｌにＡＣＥ阻害活性が１００％存在した。
【００３７】
【実施例４】
特開平２−２７６５４２号公報に記載された方法に従い、チーズホエー粉１ｋｇからκカゼイングリコマクロペプチド１７ｇを得た。このκカゼイングリコマクロペプチド１７ｇを０．１Ｍトリス−塩酸緩衝液（ｐＨ７．５）６５リットルに溶解した後、パパイン（シグマ製）０．１７ｇを添加し、３７℃で２０時間酵素反応を行った。酵素反応の停止は、冷アセトン１．９５リットルを添加することにより行った。そして、この反応液をエバポレーターで０．５リットルとなるまで濃縮し、凍結乾燥してκカゼイングリコマクロペプチドのパパイン消化物１５ｇを得た。なお、このパパイン消化物について、試験例２に示した方法でＡＣＥ阻害活性を測定したところ、１００μｇ／ｍｌにＡＣＥ阻害活性が９％存在していた。
【００３８】
【実施例５】
実施例１で得られたペプチドを配合したドリンク剤を試作した。
本発明のペプチド１５０ｍｇ、ショ糖３．２ｇ、クエン酸５３ｇ、クエン酸ナトリウム５３ｇ、ビタミンＢ_２０．０６ｇ、ビタミンＣ０．３７ｇ、葉酸０．０３ｇ、香料６．７ｇ、５倍濃縮アップル果汁１３４ｇ及び水３．５Ｋｇを混合した組成物を９０℃、１０秒保持して加熱殺菌した後、５〜１０℃に冷却して殺菌済容器中に貯蔵した。次いで、この混合液を殺菌済の３５０ｍｌ容器に無菌充填し、高血圧予防用ドリンク剤を製造した。
【００３９】
【実施例６】
実施例２で得られたペプチドを配合した錠剤を試作した。本発明のペプチド２０ｍｇ、乳糖３３．３ｍｇ、トウモロコシデンプン１６．４ｍｇ、カルボキシメチルセルロースカルシウム１２．８ｍｇ及びステアリン酸マグネシウム１．５ｍｇを配合し、常法に従って高血圧抑制用錠剤を製造した。
【００４０】
【実施例７】
実施例３で得られた本発明のペプチドを含む活性画分を配合した動物用飼料を試作した。本発明のペプチドを含む活性画分１ｇ、脱脂粉乳６０ｇ、ホエーたんぱく質濃縮物（ＷＰＣ）１４．３ｇ、脂肪１７．２ｇ、グルコース５．０ｇ、ビタミン２．５ｇ及びミネラル２．５ｇを配合して動物用飼料を製造した。
【００４１】
【実施例８】
実施例１で得られたペプチドを配合した高血圧予防用ミルクを試作した。本発明のペプチド７５０ｍｇ、脱脂乳１，１９５ｇ、ホエー粉２６３ｇ、植物油脂１１９ｇ及びビタミン・ミネラル類５ｇを配合した高血圧予防用粉ミルクを製造した。
【００４２】
【発明の効果】
本発明のペプチドは乳由来の安全性の高いペプチドであり、注射剤、糖衣錠、タブレット、カプセルなどとして、あるいは、清涼飲料水、果汁飲料、発酵飲料、ゼリー、アイスクリームなどの各種飲食品に添加して、高血圧症治療及び予防の目的で使用できる。また、化粧品に添加して、血管拡張作用を付与することもできる。さらには、動物飼料に添加して、家畜や動物の高血圧治療及び予防の目的で使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】参考例６におけるＨＰＬＣの結果を示す。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to novel peptides. The present invention also relates to an angiotensin converting enzyme inhibitor comprising the novel peptide as an active ingredient. Further, the present invention relates to a hypotensive agent containing the novel peptide as an active ingredient.
[0002]
[Prior art]
Angiotensin converting enzyme (ACE) is an enzyme that acts on the renin-angiotensin system in regulating blood pressure. Angiotensinogen with a molecular weight of about 57,000 is converted to angiotensin I by renin, which migrates from the kidney into blood vessels. This angiotensin I is an inactive form having almost no vasoconstriction, but is converted into an active form of angiotensin II by ACE. This angiotensin II has a contractile action on arterial peripheral capillaries [Furchgott, R. et al. et al. , J. et al. Pharmacol Exp. Ther. , Vol. 108, p. 129, 1953], increased vascular permeability [Gimbrone, M .; A. and Alexander, R.A. W. , Science, vol. 189, p. 219, 1975], Enhanced adrenergic neurotransmission in sympathetic nerves [Bell, C. et al. , Circ. Res. , Vol. 31, p. 348, 1972], the effect of promoting the release of catecholamines from the adrenal medulla and the secretion of aldosterone from the adrenal cortex [Biron, P. et al. et al. , J. et al. Clin. Invest, vol. 44, p. 1171, 1965], which causes an increase in circulating blood flow and increases blood pressure. Further, bradykinin, which exhibits a blood pressure lowering effect by a vasodilatory effect, is decomposed by ACE, and as a result, the blood pressure increases. On the other hand, ACE inhibitors, which inhibit the above-mentioned ACE action, have an effective blood pressure lowering effect and are known to be useful as active ingredients of blood pressure lowering agents.
[0003]
In recent years, due to an increase in adult diseases and an increase in diseases due to aging, substances having the above-mentioned blood pressure lowering action have been spotlighted, and some of them have been provided as medicaments. However, it is said that diseases related to high blood pressure are strongly affected by diet, and there is great expectation for substances having a preventive effect on hypertension that have utility for food materials.
[0004]
Examples of the ACE inhibitor contained in the food include a protein-degrading peptide derived from sardine muscle (manufactured by Nippon Suisan) and an ACE inhibitor isolated from krill by ion exchange chromatography, gel filtration chromatography and reverse layer chromatography. [Yukio Kawamura et al., Micronutrient Research, vol. 7, p. 37, 1990], and a corn protein-derived oligopeptide [JP-A-2-240027].
[0005]
Furthermore, it is known that a large amount of an ACE inhibitor is present in a degradation product derived from milk protein casein. That is, a peptide of amino acid sequence 39 to 52 residues of human β casein [Kohmura, M .; et al. , Agric. Biol. Chem. , Vol. 53, p. 2107, 1989], a peptide of amino acid sequence 43-52 residues of human kappa casein [Kohmura, M .; et al. , Agric. Biol. Chem. , Vol. 54, p. 835, 1990], bovine α _S1 Amino acid sequence of casein 23 to 34 residues and peptide of 194-199 residues [Maruyama, S. et al. et al. , Agric. Biol. Chem. , Vol. 51, p. 2557, 1987], a peptide of bovine β casein amino acid sequence of residues 177 to 183 [Maruyama, S .; , Agric. Biol. Chem. , Vol. 51, p. 1581, 1987], a peptide of amino acid sequence 25-34 residues of bovine kappa casein called Casoxin C [Tamotsu Totsuka and Shuichi Uenogawa, Bulletin of the Japanese Society of Animal Husbandry, vol. 63, p. 867, 1992]. Further, as an ACE inhibitor-containing composition obtained by hydrolyzing bovine casein with a protease, it is disclosed that an enzymatically decomposed product of bovine α-casein or bovine β-casein is effective in preventing hypertension. No. 2-167052]. Alternatively, it has been disclosed that bovine κ casein glycomacropeptide, which is a peptide having an amino acid sequence of 106 residues or less, produced by chymosin decomposition of bovine κ casein has an effect of suppressing an increase in blood pressure [Japanese Patent Laid-Open No. 6-345664]. .
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventors have been conducting intensive research to find a substance having an ACE inhibitory activity that can be used as a food material, and found that the protease degradation product of bovine κ casein glycomacropeptide contained in cheese whey and the like. A novel peptide having ACE inhibitory activity was found. Then, when an animal experiment was conducted, they found that this peptide had an action of lowering blood pressure, and completed the present invention. Therefore, an object of the present invention is to provide a novel peptide having ACE inhibitory activity. Another object of the present invention is to provide an ACE inhibitor containing the peptide as an active ingredient. A further object of the present invention is to provide a hypotensive agent containing this peptide as an active ingredient.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have investigated the ACE inhibitory activity of κ casein glycomacropeptide obtained from sweet cheese whey in order to find a substance having an ACE inhibitory activity that can be used as a food material. A fraction having ACE inhibitory activity was found in the proteolytic enzyme digest. Then, when the active substance of the fraction having the ACE inhibitory activity was isolated and identified, it was found to be a peptide having the following amino acid sequence (I).
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
[0008]
The amino acid sequence of this peptide was a peptide corresponding to the amino acid sequence of 20 to 25 residues of the kappa casein glycomacropeptide, and to the amino acid sequence of 125 to 130 residues of the kappa casein.
[0009]
Furthermore, it was confirmed that a peptide having the following amino acid sequence (I) has a blood pressure lowering effect.
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
[0010]
When the peptide of the present invention is used in foods, cosmetics, feeds or pharmaceuticals, a purified product may be used. However, even if the purity is low, the peptide of the present invention has a strong ACE inhibitory activity, and thus contains these peptides. A crude fraction may be used, or a pepsin or papain digest of κ casein glycomacropeptide may be used as it is. In addition, those obtained by chemical synthesis can also be used. The peptide can be easily synthesized by, for example, a peptide synthesizer manufactured by Applied Biosystems by using a commonly used solid phase method or the like as the chemical synthesis method of the peptide. Furthermore, the peptide of the present invention can be produced by synthesizing DNA using a base sequence corresponding to the amino acid sequence of the peptide of the present invention and performing genetic manipulation. The nucleotide sequence of bovine kappa casein is already known [Alexander, L. et al. J. et al. , Eur. J. Biochem. , Vol. 178, p. 395, 1988]. Therefore, ATT GCT AGT GGT GAG CCT is suitable as a base sequence used when producing the peptide of the present invention by genetic manipulation.
[0011]
Next, a method for producing the peptide of the present invention which is particularly useful will be described.
Examples of a method for obtaining κ casein glycomacropeptide useful as a raw material include, for example, a method in which cheese whey powder is dissolved, heated, cooled, and ethanol-precipitated, and the resulting supernatant is fractionated with an anion exchange resin. [Saito. T. et al. , J. et al. Dairy Sci. , Vol. 74, p. 2831, 1991], using the effluent obtained when preparing rennet casein curd as a raw material, adjusting the pH of the effluent to an acidic range to remove precipitates formed, and then desalting the resulting supernatant. Method [Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-284199] After adjusting the dairy raw material containing κ casein glycomacropeptide to a pH of less than 4, using a membrane having a cut-off molecular weight of 10,000 to 50,000, ultrafiltration treatment And concentrating the permeate using a membrane having a molecular weight cut-off of 50,000 or less [JP-A-2-276542]. After heating a whey protein-containing solution, the solution is frozen to obtain a frozen product. After thawing the frozen product, the whey protein and the supernatant are separated, and the κ casein glycomacropeptide is purified by a method of treating the supernatant and collecting the supernatant [Japanese Patent Laid-Open No. 3-294299]. Although it can be produced, here, kappa casein glycomacropeptide obtained by any method may be used.
[0012]
The kappa casein glycomacropeptide is hydrolyzed by a protease. As a proteolytic enzyme to be used, pepsin is preferable, but papain can also be used. It is also possible to prepare the peptide of the present invention by acid hydrolysis. When pepsin is used, pepsin may be added at a weight ratio of 1/10 to 1/10000 with respect to the kappa casein glycomacropeptide. The enzyme reaction is usually performed at 30 to 40 ° C., but may be performed in a temperature range in which the enzyme activity is recognized. The pH range suitable for the enzymatic reaction is preferably from 1 to 5, but if the pH is 4 or more, the reaction requires a considerable amount of time. Examples of the buffer used for the enzyme reaction include a citrate buffer, an acetate buffer, a potassium chloride-hydrochloride buffer, a (glycine + salt) -hydrochloride buffer, and the like. The pH can be adjusted with a solution before use. The reaction time is 10 minutes or more, preferably 1 to 48 hours. If the reaction time is less than 10 minutes, the ACE inhibitory activity is 20% or less, and if it exceeds 48 hours, about 60% of the ACE inhibitory activity remains. However, if the reaction time is longer, problems such as microbial contamination and reduction in pepsin activity occur. Not preferred. In some cases, pepsin can be added again during the reaction. It is convenient and convenient to stop the enzyme reaction by heating at 100 ° C. for 5 minutes to inactivate the enzyme. However, the treatment is carried out by adding cold acetone and filtering, or the pH is adjusted with a basic substance such as sodium hydroxide. A process of adjusting to 0 may be performed. The obtained solution is filtered, if necessary, to remove the precipitate, and then, if necessary, concentrated under reduced pressure to dryness, freeze-dried or spray-dried. Further, after being concentrated by a reverse osmosis membrane, an electrodialysis membrane, a thin film descending concentration, or the like, a dry powder may be obtained. The thus obtained crude fraction containing the peptide of the present invention exhibits an ACE inhibitory activity on the order of 10 to 100 μg / ml and can be sufficiently used as a food material or the like. In addition, as a result of an acute toxicity test, the peptide of the present invention showed 1 g / kg or more orally and proved to be highly safe.
[0013]
The use form of the peptide of the present invention is not particularly limited, and it can be used as a solution, powder, granule, tablet, etc., can be added to various foods and drinks, cosmetics, feeds, and can be used as a raw material for pharmaceuticals. Since the peptide of the present invention is produced from milk, it can be used safely. Further, the dose of the peptide of the present invention is preferably 150 μg / kg / day or more. When the dose is 150 μg / kg / day or less, the blood pressure lowering effect is weakened.
[0014]
[Reference Example 1]
A trichloroacetic acid solution was added to 150 g of cheese whey powder to a concentration of 12% (w / v), and the mixture was extracted by shaking at 4 ° C. for 1 hour, followed by centrifugation (9,000 × g, 15 minutes). Collect and chill on ice. The supernatant was neutralized with 1N sodium hydroxide, dialyzed against distilled water with a dialysis membrane (manufactured by Viskasales Corp.), and centrifuged (9,000 × g, 15 minutes) to collect the supernatant. And lyophilized. Thus, 7 g of κ casein glycomacropeptide having a purity of 81% was obtained.
[0015]
[Test Example 1]
The digestion test was performed on the κ casein glycomacropeptide prepared in Reference Example 1 using five types of proteolytic enzymes. In addition, the combination of an enzyme and a buffer is as follows.
(1) Proteinase K (manufactured by Sigma) and 0.01 M Tris-HCl buffer (pH 7.5)
(2) Actinase E (manufactured by Nacalai Tesque) and 0.1 M Tris-HCl buffer (pH 7.4) containing 20 mM calcium chloride
(3) Pepsin (manufactured by Sigma) and 0.2 M citrate buffer (pH 3.0)
(4) Trypsin (manufactured by Sigma) and 0.1 M Tris-HCl buffer (pH 8.0) containing 20 mM calcium chloride
(5) Papain (manufactured by Sigma) and 0.1 mg phosphate buffer (pH 7.0) containing 3.3 mg sodium cyanide and 3.3 mg EDTA
[0016]
In 10 ml of each buffer, κ casein glycomacropeptide was dissolved to a concentration of 1 mg / ml, and a 5% (w / w) concentration of the enzyme was added, followed by sufficient stirring. Each sample was allowed to stand at 37 ° C. for 24 hours in the presence of a small amount of toluene for enzyme digestion. Thereafter, a three-fold amount of cold acetone was added to the reaction solution, left at -20 ° C for 1 hour, and the solution was filtered and freeze-dried to obtain a test sample. After dissolving 1 mg of each test sample in 200 μl of distilled water, 15 μl of this test sample solution was diluted to 150 μl with distilled water to measure ACE inhibitory activity. Table 1 shows the results.
[0017]
[Table 1]

[0018]
In addition, the measurement of the ACE inhibitory activity was performed as follows.
First, 1 unit of ACE (derived from rabbit lung, manufactured by Wako Pure Chemical Industries) was dissolved in 2 ml of a 50% glycerol solution to prepare an ACE enzyme solution (A). Also, after dissolving 53.688 mg of hippuric acid-histidyl leucine in 10 ml of 1 M salt-containing borate buffer (pH 7.8), the substrate solution (B) adjusted to pH 8.3 with an aqueous sodium hydroxide solution was added. Prepared.
[0019]
150 μl of the test solution, 100 μl of the substrate solution (B) and 10 μl of the ACE enzyme solution (A) were added to a medium-sized test tube with a screw, and the reaction was carried out at 37 ° C. for 60 minutes. 1.5 ml of ethyl was added with a glass pipette, capped, and extracted by shaking with a vortex mixer for 15 seconds. After the extraction, the upper layer (ethyl acetate) obtained by centrifugation at 1,000 rpm for 5 minutes was transferred to another test tube with a small screw, and the ethyl acetate was evaporated to dryness at 80 ° C. under a nitrogen gas spray. This evaporated and dried sample was treated at 80 ° C. for 10 minutes, returned to room temperature, added with 3.0 ml of 0.9% saline solution, and dissolved by shaking with a vortex mixer for 15 seconds. External absorbance was measured. Then, the ACE inhibitory activity was calculated by the following equation.
ACE inhibitory activity (%) = ｛(E _C -E _S ) / (E _C -E _B )｝ × 100
E _S : Absorbance of sample to which 150 µl of test solution was added
E _C : Absorbance of control to which 150 µl of distilled water was added instead of test solution
E _B : Absorbance of a sample in which 150 µl of distilled water was added instead of the test solution and the reaction was stopped immediately after the start of the reaction
[0020]
As shown in Table 1, pepsin showed the strongest ACE inhibitory activity of various proteolytic enzyme digests, and slight papain was also observed. Therefore, a substance having an ACE inhibitory activity in the pepsin digest was searched for.
[0021]
[Reference Example 2]
5% (w / w) pepsin was added to 10 ml of a solution of κ casein glycomacropeptide dissolved in 0.1 N hydrochloric acid to a concentration of 1 mg / ml, and the mixture was digested by standing at 37 ° C. for 24 hours. The enzyme reaction was stopped by heating at 100 ° C. for exactly 5 minutes. Then, the reaction solution was filtered and freeze-dried to obtain a pepsin digest of κ casein glycomacropeptide, which was used as a sample.
[0022]
10 ml of butyl toyopearl (manufactured by Tosoh Corporation) was washed with 90% methanol, then washed with distilled water, and packed in a column (1.7 × 12 cm). Next, the above-mentioned sample was dissolved in distilled water so as to have a concentration of 10 mg / 5 ml, and added to the column. After flowing 200 ml of distilled water through the column, the column was eluted stepwise with 100 ml of a 10% to 100% methanol solution prepared in 10% steps. For each of the eluted fractions, the methanol in the fractions was concentrated under reduced pressure, lyophilized, and the ACE inhibitory activity was measured in the same manner as in Test Example 1. ACE inhibitory activity was observed. Therefore, this non-adsorbed fraction was further purified.
[0023]
[Reference Example 3]
A sample was prepared by dissolving the non-adsorbed fraction obtained in Reference Example 2 in distilled water to a concentration of 9 mg / 5 ml.
10 g of Licroprep RP18 (manufactured by Merck) was washed with 90% methanol, washed with distilled water, and packed in a column (1.7 × 12 cm). Next, the above-mentioned sample was added to the column, and 200 ml of distilled water was flowed, and then stepwise eluted with 100 ml of a 10% to 100% methanol solution prepared in 10% steps. For each of the eluted fractions, the methanol in the fractions was concentrated under reduced pressure and lyophilized, and then the ACE inhibitory activity was measured by the same method as described in Test Example 1. As a result, methanol having a concentration of 10% to 20% was obtained. A strong ACE inhibitory activity of 90% or more was observed in the eluted fraction. The ACE inhibitory activity of 50% to 15% was also observed in the fraction eluted with methanol at a concentration of 30% to 60%. Therefore, a methanol eluted fraction having a concentration of 10% to 60% was collected and used as a crude ACE inhibitory activity fraction.
[0024]
[Reference Example 4]
The ACE-active crude fraction obtained in Reference Example 3 was dissolved in distilled water so as to have a concentration of 7 mg / 5 ml, and subjected to rechromatography using Licroprep RP18 (manufactured by Merck). Elution was performed stepwise with 5%, 10%, 12%, 14%, 16%, 18%, 20%, 30%, and 90% methanol solutions. For each of the eluted fractions, the methanol in the fractions was concentrated under reduced pressure and lyophilized, and then the ACE inhibitory activity was measured by the same method as shown in Test Example 1. As a result, a 5% methanol eluted fraction was obtained. A strong ACE inhibitory activity was observed in the 10% methanol eluted fraction and the 12% methanol eluted fraction. Therefore, these fractions were further purified.
[0025]
[Reference Example 5]
The active fraction obtained in Reference Example 4 was purified by HPLC using ODP-50 (manufactured by Asahi Pack, 7.6 × 250 mm). The column was equilibrated with a 10% aqueous solution of acetonitrile containing 0.05% trifluoroacetic acid (A), and the eluent (B) was a 30% aqueous solution of acetonitrile containing 0.05% trifluoroacetic acid for 30 minutes. The gradient was eluted so that the acetonitrile in B) became 50%. The flow rate was 0.5 ml / min. As a result, a fraction having a retention time of 10 minutes to 18 minutes showed strong ACE inhibitory activity. This fraction was collected and further purified.
[0026]
[Reference Example 6]
The active fraction obtained in Reference Example 5 was purified by HPLC using Superiolex ODS (manufactured by Shiseido, 4.6 × 150 mm). The column was equilibrated with a 0.05% trifluoroacetic acid aqueous solution (A), and a 60% acetonitrile aqueous solution containing 0.05% trifluoroacetic acid was used as an eluent (B). The gradient was eluted to 50%. The flow rate was 0.5 ml / min. As a result, a single peak was observed as shown in FIG. 1, and this was separated and the amino acid sequence was determined.
[0027]
[Reference Example 7]
For the single peak obtained in Reference Example 6, 1 μg of the sample was subjected to dot blot analysis on a PVDF membrane using an amino acid sequencer (type 473A, manufactured by Applied Biosystems) to determine the amino acid sequence. As a result, it was found that the substance of the substance having the ACE inhibitory activity was a peptide having the following amino acid sequence.
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro
[0028]
[Reference Example 8]
In order to confirm the ACE inhibitory activity of the peptide whose amino acid sequence was confirmed in Reference Example 7, the peptide was synthesized. The peptide was chemically synthesized by a t-Moc method using a peptide synthesizer (Type 430A, manufactured by Applied Biosystems). That is, 0.5 mmol of Boc-l-Cln-O-CH ₂ A PAM resin and 2 mmol of constituent amino acids were charged into a peptide synthesizer for synthesis to obtain a resin to which a target peptide was bound. The peptide bound to 1.5 g of this resin was cleaved with trifluoromethanesulfonic acid in the presence of thioanisole and ethanedithiol, precipitated with diethyl ether, dissolved with 10% acetic acid, and similarly replaced with 10% acetic acid. Purification through a basic anion exchange resin (Bio-Rex MSZ 1-X8) yielded 140 mg of peptide. The peptide was further purified by reverse-phase HPLC using Aquapac RP-300 (manufactured by Applied Biosystems) using 0.1% trifluoroacetic acid / water and 0.1% trifluoroacetic acid / acetonitrile as eluents. 30 mg were obtained. Then, the ACE inhibitory activity was measured by the same method as shown in Test Example 1. Table 2 shows the results. The ACE inhibitory activity of the peptide purified in Reference Example 6 was also measured.
[0029]
[Table 2]

[0030]
[Test Example 2]
The blood pressure improving effect of the peptide having the following amino acid sequence (I) was confirmed.
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
Four-week-old SHR / NCri rats spontaneously developing hypertension (purchased from Charles River Japan) were divided into the following groups and subjected to animal experiments.
Group A: Administration of amino acid sequence (I) peptide at 300 μg / day
Group B: Amino acid sequence (I) peptide administered at 30 μg / day
Group C: Amino acid sequence (I) peptide administered at 3 μg / day
Group D: No peptide administration
[0031]
Each group consisted of 5 animals, and reared for 6 weeks using CE-2 (Clea) without casein as a feed. Each test sample was forcibly administered twice daily and drinking water was freely available. Then, the blood pressure after 6 weeks was measured. Table 3 shows the results.
[0032]
[Table 3]

Numerical values are shown as mean ± standard deviation. In groups A and B, a significant blood pressure lowering effect was observed.
[0033]
Embodiment 1
According to the method described in JP-A-2-276542, 50 g of kappa casein glycomacropeptide was obtained from 1 kg of whey protein concentrate (WPC). 50 g of this kappa casein glycomacropeptide was dissolved in 1,250 g of water, and the pH was adjusted to 1.5 with hydrochloric acid. . The enzyme reaction was stopped by heating at 100 ° C. for 5 minutes, filtered through a filter paper (manufactured by Advantech), and lyophilized to obtain 37 g of a pepsin digest of κ casein glycomacropeptide. Next, 37 g of this digest was dissolved in 1,850 g of distilled water, added to a column (20 cm × 20 cm) packed with 5 kg of Biosil C18HL (manufactured by Bio-Rad) equilibrated with distilled water, and the column was washed with distilled water. After that, elution was carried out with a 60% aqueous methanol solution. The eluted fraction was concentrated under reduced pressure and freeze-dried to obtain 12 g of an active fraction. Further, 300 mg of this active fraction was dissolved in 1 ml of a 2% aqueous acetonitrile solution containing 0.1% trifluoroacetic acid, and a TSKgel ODS-120T column (55 mm × 60 cm) equilibrated with a 2% aqueous acetonitrile solution containing 0.1% trifluoroacetic acid. And Tosoh Corporation) and eluted with a gradient of 50% aqueous acetonitrile containing 0.1% trifluoroacetic acid. Then, a single peak at an acetonitrile concentration of about 10% at which ACE inhibitory activity was recognized was collected. The fraction collected by repeating this operation was concentrated by a centrifugal drier and freeze-dried to obtain 1.8 g of the peptide.
[0034]
And the purity of this peptide was 93% when it was confirmed by Superior Relex ODS (4.6 mm x 150 mm, manufactured by Shiseido). Amino acid analysis by an amino acid sequencer revealed that the peptide had the following amino acid sequence (I).
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
The present inventors have named the peptide having the above amino acid sequence (I) as κ caseinosine.
[0035]
Embodiment 2
0.5 mmol of Boc-1-Cln-O-CH ₂ A PAM resin and 2 mmol of constituent amino acids were charged into a peptide synthesizer (Type 430A, manufactured by Applied Biosystems) to perform synthesis, and a resin to which a target peptide was bound was obtained. The peptide bound to 1.5 g of this resin was cleaved with trifluoromethanesulfonic acid in the presence of thioanisole and ethanedithiol, precipitated with diethyl ether, dissolved with 10% acetic acid, and similarly replaced with 10% acetic acid. Purification through a basic anion exchange resin (Bio-Rex MSZ 1-X8) yielded 140 mg of peptide. This peptide was further purified by reverse-phase HPLC using Aquapac RP-300 (manufactured by Applied Biosystems) using 0.1% trifluoroacetic acid / water and 0.1% trifluoroacetic acid / acetonitrile as eluents, and purified by 20% acetonitrile. 30 mg of a peptide white powder was obtained from the fraction eluted with. Amino acid analysis of this peptide with an amino acid sequencer revealed that the peptide had the following amino acid sequence (I).
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
[0036]
Embodiment 3
Saito et al. [J. Dairy Sci. , Vol. 74, p. 2831, 1991], 13 g of κ casein glycomacropeptide was obtained from 1 kg of cheese whey powder. 13 g of this κ casein glycomacropeptide was dissolved in 0.33 liter of citrate buffer (pH 3.0), 0.01 g of pepsin (manufactured by Sigma) was added, and the enzyme reaction was carried out at 32 ° C. for 48 hours. The enzymatic reaction was stopped by adding 1.95 liter of cold acetone, concentrated by an evaporator until the volume became 0.5 liter, and lyophilized to obtain 11 g of an active fraction. When the ACE inhibitory activity of this active fraction was measured by the same method as that described in Test Example 1, 100% of the ACE inhibitory activity was present at 100 μg / ml.
[0037]
Embodiment 4
According to the method described in JP-A-2-276542, 17 g of κ casein glycomacropeptide was obtained from 1 kg of cheese whey powder. After dissolving 17 g of this kappa casein glycomacropeptide in 65 liters of 0.1 M Tris-HCl buffer (pH 7.5), 0.17 g of papain (manufactured by Sigma) was added, and the enzyme reaction was carried out at 37 ° C. for 20 hours. Was. The enzymatic reaction was stopped by adding 1.95 liter of cold acetone. Then, the reaction solution was concentrated to 0.5 liter with an evaporator and freeze-dried to obtain 15 g of a papain digest of κ casein glycomacropeptide. When the ACE inhibitory activity of this papain digest was measured by the method described in Test Example 2, 9% of the ACE inhibitory activity was present at 100 μg / ml.
[0038]
Embodiment 5
A drink formulation containing the peptide obtained in Example 1 was produced as a trial.
150 mg of peptide of the present invention, 3.2 g of sucrose, 53 g of citric acid, 53 g of sodium citrate, vitamin B ₂ A composition obtained by mixing 0.06 g, 0.37 g of vitamin C, 0.03 g of folic acid, 6.7 g of fragrance, 134 g of 5 times concentrated apple juice and 3.5 kg of water was kept at 90 ° C. for 10 seconds and sterilized by heating. Cooled to 5-10 ° C and stored in a sterilized container. Next, this mixture was aseptically filled into a sterilized 350 ml container to produce a drink for preventing hypertension.
[0039]
Embodiment 6
A tablet containing the peptide obtained in Example 2 was produced as a trial. 20 mg of the peptide of the present invention, 33.3 mg of lactose, 16.4 mg of corn starch, 12.8 mg of calcium carboxymethylcellulose and 1.5 mg of magnesium stearate were blended to produce a tablet for suppressing hypertension according to a conventional method.
[0040]
Embodiment 7
An animal feed containing the active fraction containing the peptide of the present invention obtained in Example 3 was prepared as a trial. An animal is prepared by mixing 1 g of the active fraction containing the peptide of the present invention, 60 g of skim milk powder, 14.3 g of whey protein concentrate (WPC), 17.2 g of fat, 5.0 g of glucose, 2.5 g of vitamins and 2.5 g of minerals. Forage was produced.
[0041]
Embodiment 8
An anti-hypertensive milk containing the peptide obtained in Example 1 was produced as a trial. A powdered milk for preventing hypertension was prepared by mixing 750 mg of the peptide of the present invention, 1,195 g of skim milk, 263 g of whey powder, 119 g of vegetable oil and fat, and 5 g of vitamins and minerals.
[0042]
【The invention's effect】
The peptide of the present invention is a highly safe peptide derived from milk, added as an injection, a sugar-coated tablet, a tablet, a capsule, or the like, or added to various foods and beverages such as soft drinks, fruit juice drinks, fermented drinks, jellies, and ice creams. Thus, it can be used for the treatment and prevention of hypertension. It can also be added to cosmetics to provide a vasodilator effect. Furthermore, it can be used for the treatment and prevention of hypertension in livestock and animals by adding to animal feed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the results of HPLC in Reference Example 6.

Claims

A peptide having the following amino acid sequence (I):
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)

An angiotensin converting enzyme inhibitor comprising the following amino acid sequence (I) as an active ingredient.
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)

An antihypertensive containing the following amino acid sequence (I) as an active ingredient.
Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)