【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、中央にボス部を有する金属板製のプーリーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来例に係るプーリーの製造方法で製造された金属板製のプーリー1であり、中心部に軸受ケーシングとしての円筒状のボス部2が成形され、最外周に周方向に延びるリング状のリム部3が成形されている。このリム部3とボス部2とは、ボス部2開口端から径方向に延びるウェブ部4にて一体に連結されている。また、リム部3外周には巻き掛け伝導部としてのポリV溝3aが成形されており、ボス部2には軸受としてのボールベアリング5が圧入されている。このボールベアリング5は、内輪5aと、外輪5bと、ボール5cとからなり、内輪5a及び外輪5bとボール5cとの間にはラジアル隙間cが設定されている。ここで、ラジアル隙間cは、内輪5aと外輪5bの一方を固定し、他方を径方向に動かした場合の移動量のことであり、ボールベアリング等の軸受には必ず設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したプーリー1の製造方法では、ベルト張力がリム部3に負荷された場合、ウェブ部4がボス部2開口端側に位置しているので、ボス部2とウェブ部4の連結部であるA部に応力が集中してボス部2が変形し、このため、ボールベアリング5のラジアル隙間cが変動し、ボールベアリング5の耐久性を低下させるという問題があった。
【0004】
そこで、図10に示すようなプーリーの製造方法が提案されている。この製造方法によって製造されたプーリー1Aによれば、ボス部2の開口端から延出したウェブ部4がボス部2の中間部に位置しているので、ボス部2とウェブ部4との連結部Bに発生する応力集中は、図9に示すプーリー1より緩和することができるが、上記のような問題を完全に解決することはできなかった。
【0005】
この発明は、上記従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、ウェブ部がボス部の中間部に位置できるようにしたプーリーの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係るプーリーの製造方法は、金属板からなる円形のワークの中央部に円筒状のボス部該当部を成形すると共に周囲にウェブ部該当部を成形する第1工程と、前記ボス部該当部の端面の中間部にすり割りローラを押し付けると共に、前記ワークとすり割りローラとを同期回転させボス部該当部の基部近傍まですり割ってウェブ部該当部に直交する一方のボス部と、ウェブ部該当部から内方に向かって突出する他方のボス部該当部とを成形する第2工程と、この他方のボス部該当部を前記ウェブ部該当部に直交すると共に、一方のボス部と対向する他方のボス部に成形する第3工程と、ウェブ部該当部の外周縁にリム部を成形すると共に、このリム部に巻掛け伝導部を成形する第4工程とからなり、前記第2工程に用いるすり割りローラは、70゜〜90゜のすくい角を有し、このすり割りローラをワークのボス部該当部に押圧するに際し、ボス部該当部の突出方向とすり割りローラの外周面が一直線上に一致するようにしたことを特徴としている。
【0007】
【作用】
上述したプーリーの製造方法によれば、ウェブ部が軸受ケーシングとしてのボス部の中間部に位置しており、リム部に加わるベルト張力による負荷は、ボス部に加わるので、ボス部とウェブ部との連結部に応力が集中するのを防ぐことができる。
【0008】
【実施例】
以下、この発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1は、この発明に係るプーリーの製造工程の概要を示す説明図、図2は同じく第1工程の詳細を示す説明図、図3は同じく第2工程の詳細を示す説明図、図4は同じく第2工程の詳細を示す説明図、図5は同じく第3工程の詳細を示す説明図、図6は同じく第4工程の詳細を示す説明図、図7は同じく第5工程の詳細を示す説明図、図8は同じく第6工程の詳細を示す説明図である。
【0010】
この発明に係るプーリーEの製造方法は、図1(a)に示す金属板からなる円形のワーク50の中央部に円筒状のボス部該当部51を成形すると共に、周囲にウェブ部該当部52を成形する第1工程と、図1(b),(c)に示すボス部該当部51の端面51aの中間部にすり割りローラ60を押し付けると共に、ワーク50とすり割りローラ60とを同期回転させボス部該当部51の基部近傍まですり割ってウェブ部該当部52に直交する一方のボス部51bと、ウェブ部該当部52から内方に向かって突出する他方のボス部該当部51cを成形する第2工程と、図1(d),(e)に示す他方のボス部該当部51cを前記ウェブ部該当部52に直交すると共に、一方のボス部51bと対向する他方のボス部51eに形成する第3工程と、図1(f)に示す一対のボス部51b,51eを有したワーク50のウェブ部該当部52の外周縁に転造成形によりリム部30を成形すると共にウェブ部20を成形し、リム部30に巻掛け伝導部としてのV溝30aを成形する第4工程と、図1(g)に示す第3工程で得られた円筒状のボス部51b,51e内面に一方のボス部51b開口部から軸受40を圧入した後、軸受40を圧入した一方のボス部51b端部をカシメ又は折り曲げる第5工程とからなっている。
【0011】
そして、第2工程に用いるすり割りローラ60は、70°〜90°のすくい角θを有し、このすり割りローラ60をワーク50のボス部該当部51の端面51aに押圧するに際し、ボス部該当部51の突出方向とすり割りローラ60の外周面60aとが一直線上に一致するようにし、また、第3工程に用いる成形ローラ70は、端面側周囲にR部70aを有することを特徴としている。
【0012】
さらに、この発明に係るプーリーEの製造方法について詳細に説明する。
【0013】
ワーク50は所定の外径と、所定の板厚を有する金属製円板で、第1工程では、図2に示すようにプレス加工によりワーク50の中央部に円筒状のボス部該当部51を形成する。このボス部該当部51以外の部位がウェブ部該当部52となる。
【0014】
ついで、第2工程では図3に示すように、ワーク50を基台53に載置固定し、このワーク50のボス部該当部51の端面51aの中間部に、クランパ61により回転自在に軸支されたすり割りローラ60を押し付ける。このすり割りローラ60を押し付けるに際し、ローラ当接部60bとボス部該当部51の外周面との距離をaとし、ローラ当接部60bとボス部該当部51の内周面との距離をa1 とすると、a≦a1 の状態にすり割りローラ60を配置する。
【0015】
そして、図4に示すように、ワーク50とすり割りローラ60とを同期回転させながらすり割りローラ60を矢印B方向にワーク50に押し付け、ボス部該当部51の基部近傍まで軸方向にすり割ってウェブ部該当部52の両側に一方のボス部51bと、内方に向かって突出する他方のボス部該当部51cを形成する。
【0016】
この第2工程で得られた一方のボス部51b及び他方のボス部該当部51cのうち、一方のボス部51bの肉厚をbとして他方のボス部該当部51cの肉厚をb1 とすると、他方のボス部該当部51cは、すり割りローラ60の下面により圧接して増肉され、b<b1 となる。また、第2工程当初におけるローラ当接部60bとボス部該当部51の外周面との距離aと、第2工程により得られた開口側ボス部51bの肉厚bは、すり割りローラ60を圧接して軸方向にすり割る際に生じる矢印B方向の荷重により軸方向に押圧されて肉厚bが厚くなり、a<bとなる。さらに、第2工程当初におけるウェブ部該当部52の外端面とボス部該当部51の端面51aとの距離をHとし、第2工程で得られたウェブ部該当部52の外端面と一方のボス部51bの外端面との距離をH1 とすると、H1 <Hになる。
【0017】
ここで、第2工程に用いるすり割りローラ60は、70゜〜90゜のすくい角θを有しており、このすくい角θが70゜より小さいと、他方のボス部該当部51cの増肉が充分に行なわれず、他方のボス部51e成形時の肉厚が薄くなり強度が下がる。また、すり割りローラ60の強度が弱くなるため、すり割りローラ60の耐久性が低下する。また、このすくい角θが90゜より大きいと、すり割りローラ60をボス部該当部51の端面51aに押圧するに際し、ボス部該当部51の突出方向とすり割りローラ60の外周面60aとを一直線上に一致させることができず、ウェブ部該当部52に直交する一方のボス部51bを成形できないため、この発明に係るプーリーの製造方法は、成立しない。
【0018】
ついで、第3工程の前工程として、図5に示すように基台53に載置したワーク50の他方のボス部該当部51cに、クランパ71により回転自在に軸支された端面側周部にR部70aを有する成形ローラ70をワーク50と同期回転させながら矢印C方向に押し付け、他方のボス部該当部51cに鍔部51dを成形する。
【0019】
ついで、第3工程では、図6に示すように、所定の形状を有するダイ81に前工程で得られたワーク50を載置し、ボス部51b開口部からパンチ80を挿入押圧して他方のボス部該当部51cを鍔部51dを有する他方のボス部51eに形成することにより一対のボス部51b,51eに軸受ケーシング10の形状を付与する。
【0020】
ここで、鍔部51dは第3工程の前工程で成形ローラ70を用いて成形したが、端面側周囲にR部を有するパンチを用いて行なってもよく、また、第3工程において、パンチ80を用いて他方のボス部51eと同時に成形してもよい。
【0021】
さらに、第3工程として、パンチ80を用いる替わりに、端面側周囲にR部を有する成形ローラ70を一方のボス部51bの開口部から挿入して他方のボス部該当部51cに同期回転させつつ押し付けると共に、この成形ローラ70を軸線方向にスライドさせてウェブ部該当部52に直交する他方のボス部51eを成形してもよく、また、前工程で行なった鍔部51dの成形をこの第3工程で同時に行なってもよい。なお、鍔部51dは成形しなくてもよい。
【0022】
ついで、第4工程では、図7(a)に示すように、ワーク10のウェブ部該当部52の外周縁にすり割りローラ90をワーク10と同期回転させながら押し付け、図7(b)に示すように、外周縁を2分割にすり割る。つぎに、図7(c)に示すように、2分割にすり割った外周縁に略台形状の予備成形ローラ91を押し付けて、リム部30を転造成形する。
【0023】
つぎに、図7(d)に示すように、リム部30に多条V溝成形ローラ92を押し付けてリム部30に巻掛け伝導部としてのポリV溝30aを転造成形する。また、この第4工程により、ウェブ部20が成形される。
【0024】
ついで、最終工程の第5工程では、図8に示すように、軸受ケーシング10に軸受としてのボールベアリング40を圧入することによってプーリーEが完成する。
【0025】
ボールベアリング40は、前述の如く内輪40aと、外輪40bと、ボール40cとからなり、内輪40a及び外輪40bとボール40cとの間にはラジアル隙間cが設定されている。
【0026】
上述したプーリーEの製造方法によれば、金属板からなる円形のワーク50の中央部に円筒状のボス部該当部51を成形した後、このボス部該当部51をすり割りローラ60ですり割ることにより、一対のボス部51a,51eを成形しているため、一対のボス部51a,51eの内径に対するすり割りローラ60の外径を大きくすることができ、すり割りローラ60の耐久性の向上が図れる。また、すり割りであるため、一対のボス部51a,51eはそれぞれ増肉されて肉厚が厚くなるとともに、その組織は連続で強度が強いため、ワーク50の板厚を薄くでき、軽量化が図れる。さらに、ボス部該当部51を軸方向にすり割って行く際の荷重を小さくできるため、この製造方法に用いる装置の小型化を図ることができる。
【0027】
そして、上述したプーリーの製造方法で製造されたプーリーEは、ウェブ部20が軸受ケーシングとしてのボス部10の中間部から径方向に延出して成形されているので、リム部30のポリV溝30aに加わるベルト張力による負荷をボス部10によって受けることができ、ボス部10とウェブ部20との連結部Dに応力が集中するのを防ぐことができる。これによって、ボス部10の変形がなくなり、ボールベアリング40のラジアル隙間cの変動をなくすことができるので、ボールベアリング40の耐久性を向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】
上述した通り、この発明のプーリーの製造方法によれば、金属板からなる円形のワークの中央部に円筒状のボス部該当部を成形した後、このボス部該当部をすり割りローラですり割ることにより、一対のボス部を成形しているため、一対のボス部の内径に対するすり割りローラの外径を大きくすることができ、すり割りローラの耐久性を向上させることができる。また、すり割りであるため、一対のボス部はそれぞれ増肉されて肉厚が厚くなると共に、その組織は連続で強度が強いため、ワークの板厚を薄くでき、軽量化を図ることができる。さらに、ボス部該当部を軸方向にすり割って行く際の荷重を小さくできるため、この製造方法に用いる装置の小型化を図ることができる。
【0029】
また、上述したプーリーの製造方法で製造されたプーリーは、ウェブ部が軸受ケーシングとしてのボス部の中間部に位置しており、リム部に加わるベルト張力により負荷は、ボス部に加わるので、ボス部とウェブ部との連結部に応力が集中するのを防ぐことができる。これによって、高強度のプーリーが得られ、その耐久性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るプーリーの製造工程の概要を示す説明図である。
【図2】この発明に係るプーリーの第1工程の詳細を示す説明図である。
【図3】同じく第2工程の詳細を示す説明図である。
【図4】同じく第2工程の詳細を示す説明図である。
【図5】同じく第3工程の詳細を示す説明図である。
【図6】同じく第4工程の詳細を示す説明図である。
【図7】同じく第5工程の詳細を示す説明図である。
【図8】同じく第6工程の詳細を示す説明図である。
【図9】従来例に係るプーリーの製造方法で得られたプーリーの断面説明図である。
【図10】他の従来例に係るプーリーの製造方法で得られたプーリーの断面説明図である。
【符号の説明】
10 ボス部(軸受ケーシング)
20 ウェブ部
30 リム部
30a 巻掛け伝導部(ポリV溝)
40 軸受(ボールベアリング)
50 ワーク
51 ボス部該当部
51a 端面
51b 一方のボス部
51c 他方のボス部該当部
51d 鍔部
51e 他方のボス部
52 ウェブ部該当部
60 すり割りローラ
60b ローラ当接部
70 成形ローラ
70a R部
80 パンチ
E プーリー[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a method for manufacturing a metal plate pulley having a boss in the center.
[0002]
[Prior art]
FIG. 9 shows a pulley 1 made of a metal plate manufactured by a method of manufacturing a pulley according to a conventional example. A cylindrical boss 2 as a bearing casing is formed at a center portion, and a ring shape extending in the circumferential direction at the outermost periphery. Is formed. The rim 3 and the boss 2 are integrally connected by a web 4 extending radially from the opening end of the boss 2. A poly-V groove 3a is formed around the rim portion 3 as a winding conduction portion, and a ball bearing 5 is pressed into the boss portion 2 as a bearing. The ball bearing 5 includes an inner ring 5a, an outer ring 5b, and a ball 5c, and a radial gap c is set between the inner ring 5a, the outer ring 5b, and the ball 5c. Here, the radial gap c is a movement amount when one of the inner ring 5a and the outer ring 5b is fixed and the other is moved in the radial direction, and is always provided in a bearing such as a ball bearing.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described method of manufacturing the pulley 1, when the belt tension is applied to the rim portion 3, the web portion 4 is located on the opening end side of the boss portion 2, so that the connection portion between the boss portion 2 and the web portion 4 is formed. The stress concentrates on the portion A, and the boss portion 2 is deformed, so that the radial gap c of the ball bearing 5 fluctuates, and the durability of the ball bearing 5 is reduced.
[0004]
Therefore, a method of manufacturing a pulley as shown in FIG. 10 has been proposed. According to the pulley 1A manufactured by this manufacturing method, since the web portion 4 extending from the opening end of the boss portion 2 is located at the intermediate portion of the boss portion 2, the connection between the boss portion 2 and the web portion 4 is established. The stress concentration generated in the portion B can be relieved by the pulley 1 shown in FIG. 9, but the above-mentioned problem could not be completely solved.
[0005]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made to solve the above-mentioned problems of the related art, and an object of the present invention is to provide a method of manufacturing a pulley in which a web portion can be positioned at an intermediate portion of a boss portion. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a method of manufacturing a pulley according to the present invention is directed to a first method of forming a cylindrical boss portion at a central portion of a circular work made of a metal plate and forming a web portion at a periphery thereof. Process, while pressing a slit roller against the intermediate portion of the end face of the boss portion, the work and the slit roller are synchronously rotated, and the work is slit up to the vicinity of the base of the boss portion to be orthogonal to the web portion. A second step of forming one boss portion and the other boss portion corresponding portion projecting inward from the web portion corresponding portion, and the other boss portion corresponding portion orthogonal to the web portion corresponding portion. A third step of forming the other boss portion facing the one boss portion, a fourth step of forming a rim portion on the outer peripheral edge of the web portion, and forming a wrapping conductive portion around the rim portion. The second The slit roller used has a rake angle of 70 ° to 90 °, and when the slit roller is pressed against the boss portion of the work, the projecting direction of the boss portion and the outer peripheral surface of the slit roller are used. Are aligned on a straight line.
[0007]
[Action]
According to the method of manufacturing the pulley described above, the web portion is located in the middle of the boss portion as the bearing casing, and the load due to the belt tension applied to the rim portion is applied to the boss portion. It is possible to prevent stress from being concentrated on the connecting portion of the.
[0008]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described based on embodiments shown in the drawings.
[0009]
FIG. 1 is an explanatory view showing an outline of a manufacturing process of a pulley according to the present invention, FIG. 2 is an explanatory view showing details of a first step, FIG. 3 is an explanatory view showing details of a second step, and FIG. Similarly, FIG. 5 is an explanatory view showing details of the third step, FIG. 6 is an explanatory view showing details of the fourth step, and FIG. 7 is a view illustrating details of the fifth step. FIG. 8 is an explanatory view showing details of the sixth step.
[0010]
In the method of manufacturing the pulley E according to the present invention, a cylindrical boss portion 51 is formed at the center of a circular work 50 made of a metal plate shown in FIG. And a slit roller 60 is pressed against an intermediate portion of the end surface 51a of the portion 51 corresponding to the boss portion shown in FIGS. 1B and 1C, and the workpiece 50 and the slit roller 60 are synchronously rotated. The boss portion 51 is cut into the vicinity of the base portion and formed into one boss portion 51b orthogonal to the web portion corresponding portion 52 and the other boss portion corresponding portion 51c projecting inward from the web portion corresponding portion 52. 1d and the other boss portion 51c shown in FIGS. 1 (d) and 1 (e) are attached to the other boss portion 51e orthogonal to the web portion 52 and opposed to the one boss portion 51b. A third step of forming; 1 (f), the rim portion 30 is formed by rolling and forming the rim portion 30 on the outer peripheral edge of the web portion corresponding portion 52 of the work 50 having the pair of boss portions 51b and 51e. A fourth step of forming a V-groove 30a as a winding conduction part and a bearing from the opening of one boss part 51b on the inner surfaces of the cylindrical boss parts 51b and 51e obtained in the third step shown in FIG. After the press-fitting of the bearing 40, the fifth step of caulking or bending one end of the boss portion 51b into which the bearing 40 is press-fitted.
[0011]
The slit roller 60 used in the second step has a rake angle θ of 70 ° to 90 °, and when the slit roller 60 is pressed against the end surface 51a of the boss portion corresponding portion 51 of the work 50, the boss portion The projecting direction of the corresponding portion 51 and the outer peripheral surface 60a of the slit roller 60 are aligned with each other in a straight line, and the forming roller 70 used in the third step has an R portion 70a around the end face side. I have.
[0012]
Further, a method for manufacturing the pulley E according to the present invention will be described in detail.
[0013]
The work 50 is a metal disk having a predetermined outer diameter and a predetermined plate thickness. In the first step, a cylindrical boss portion 51 corresponding to a cylindrical boss portion is formed at the center of the work 50 by pressing as shown in FIG. Form. The part other than the boss part corresponding part 51 becomes the web part corresponding part 52.
[0014]
Then, in the second step, as shown in FIG. 3, the work 50 is placed and fixed on the base 53, and the work 50 is rotatably supported by the clamper 61 on the intermediate portion of the end surface 51a of the portion 51 corresponding to the boss portion. The pressed slit roller 60 is pressed. When the slit roller 60 is pressed, the distance between the roller contact portion 60b and the outer peripheral surface of the boss portion corresponding portion 51 is a, and the distance between the roller contact portion 60b and the inner peripheral surface of the boss portion corresponding portion 51 is a. When 1 to place the slit roller 60 in the state of a ≦ a 1.
[0015]
Then, as shown in FIG. 4, while rotating the work 50 and the slit roller 60 synchronously, the slit roller 60 is pressed against the work 50 in the direction of arrow B, and is axially slit to the vicinity of the base of the corresponding portion 51 of the boss portion. One boss 51b and the other boss 51c protruding inward are formed on both sides of the web part 52.
[0016]
Of the second one obtained in step boss portion 51b and the other boss portion corresponding part 51c, the thickness of the other boss portion corresponding portion 51c to the thickness of one of the boss portion 51b as a b When b 1 , the other boss portion corresponding part 51c is thickened in pressure contact with the lower surface of the slit roller 60, the b <b 1. Further, the distance a between the roller contact portion 60b at the beginning of the second step and the outer peripheral surface of the boss portion corresponding portion 51 and the thickness b of the opening side boss portion 51b obtained in the second step are determined by dividing the slit roller 60. The load in the direction of arrow B generated when the plate is pressed against and split in the axial direction is pressed in the axial direction to increase the thickness b, and a <b. Further, the distance between the outer end surface of the web portion corresponding portion 52 at the beginning of the second step and the end surface 51a of the boss portion corresponding portion 51 is H, and the outer end surface of the web portion corresponding portion 52 obtained in the second step and one boss When the distance between the outer end surface of the part 51b and H 1, becomes H 1 <H.
[0017]
Here, the slitting roller 60 used in the second step has a rake angle θ of 70 ° to 90 °, and if the rake angle θ is smaller than 70 °, the thickness of the other boss portion corresponding portion 51c is increased. Is not sufficiently performed, and the thickness of the other boss portion 51e at the time of molding is reduced, and the strength is reduced. Further, since the strength of the slit roller 60 is weakened, the durability of the slit roller 60 is reduced. When the rake angle θ is larger than 90 °, when the slit roller 60 is pressed against the end surface 51a of the boss portion corresponding portion 51, the projection direction of the boss portion corresponding portion 51 and the outer peripheral surface 60a of the slit roller 60 are adjusted. The pulley manufacturing method according to the present invention cannot be established because one boss portion 51b perpendicular to the web portion corresponding portion 52 cannot be formed because they cannot be aligned on a straight line.
[0018]
Next, as a pre-process of the third process, as shown in FIG. 5, the other boss portion 51c of the work 50 placed on the base 53 is attached to the end surface side peripheral portion rotatably supported by the clamper 71. The forming roller 70 having the R portion 70a is pressed in the direction of arrow C while rotating in synchronization with the work 50, and the flange portion 51d is formed on the other portion 51c corresponding to the boss portion.
[0019]
Next, in the third step, as shown in FIG. 6, the work 50 obtained in the previous step is placed on a die 81 having a predetermined shape, and a punch 80 is inserted and pressed from the opening of the boss 51b to press the other. By forming the corresponding boss portion 51c on the other boss portion 51e having the flange portion 51d, the shape of the bearing casing 10 is imparted to the pair of boss portions 51b and 51e.
[0020]
Here, the flange portion 51d was formed using the forming roller 70 in the process before the third process, but may be performed using a punch having an R portion around the end face side. May be formed simultaneously with the other boss portion 51e.
[0021]
Further, as a third step, instead of using the punch 80, the forming roller 70 having an R portion around the end face side is inserted from the opening of one boss portion 51b, and is rotated synchronously with the corresponding portion 51c of the other boss portion. While pressing, the forming roller 70 may be slid in the axial direction to form the other boss portion 51e orthogonal to the web portion corresponding portion 52, and the forming of the flange portion 51d performed in the previous step may be performed in the third step. The steps may be performed simultaneously. Note that the flange 51d may not be formed.
[0022]
Then, in a fourth step, as shown in FIG. 7A, the slit roller 90 is pressed against the outer peripheral edge of the web portion 52 of the work 10 while rotating synchronously with the work 10, and as shown in FIG. 7B. Thus, the outer peripheral edge is split into two parts. Next, as shown in FIG. 7 (c), a substantially trapezoidal preforming roller 91 is pressed against the outer peripheral edge of the rim portion 30 to form the rim portion 30 by rolling.
[0023]
Next, as shown in FIG. 7D, a multi-strip V-groove forming roller 92 is pressed against the rim portion 30 to form a poly-V groove 30a as a conductive portion by being wound around the rim portion 30. Further, the web portion 20 is formed by the fourth step.
[0024]
Next, in a fifth step of the final step, as shown in FIG. 8, a ball bearing 40 as a bearing is pressed into the bearing casing 10 to complete the pulley E.
[0025]
As described above, the ball bearing 40 includes the inner race 40a, the outer race 40b, and the ball 40c, and the radial gap c is set between the inner race 40a, the outer race 40b, and the ball 40c.
[0026]
According to the above-described method of manufacturing the pulley E, the cylindrical boss portion 51 is formed at the center of the circular work 50 made of a metal plate, and then the boss portion 51 is slit by the slit roller 60. Thus, since the pair of bosses 51a and 51e are formed, the outer diameter of the slit roller 60 can be increased with respect to the inner diameter of the pair of bosses 51a and 51e, and the durability of the slit roller 60 is improved. Can be achieved. In addition, because of the slitting, the pair of boss portions 51a and 51e are each increased in thickness to increase the thickness, and since the structure is continuous and strong, the thickness of the work 50 can be reduced and the weight can be reduced. I can do it. Furthermore, since the load when the boss corresponding portion 51 is cracked in the axial direction can be reduced, the size of the apparatus used in this manufacturing method can be reduced.
[0027]
In the pulley E manufactured by the above-described method of manufacturing a pulley, since the web portion 20 is formed to extend in the radial direction from the intermediate portion of the boss portion 10 as a bearing casing, the poly V groove of the rim portion 30 is formed. The load due to the belt tension applied to the boss portion 30a can be received by the boss portion 10, and the concentration of stress on the connecting portion D between the boss portion 10 and the web portion 20 can be prevented. Thereby, the deformation of the boss portion 10 is eliminated, and the fluctuation of the radial gap c of the ball bearing 40 can be eliminated, so that the durability of the ball bearing 40 can be improved.
[0028]
【The invention's effect】
As described above, according to the method of manufacturing a pulley of the present invention, after forming a cylindrical boss corresponding portion at the center of a circular work made of a metal plate, the boss corresponding portion is slit with a slit roller. Accordingly, since the pair of bosses is formed, the outer diameter of the slit roller with respect to the inner diameter of the pair of bosses can be increased, and the durability of the slit roller can be improved. In addition, because of the slitting, the pair of boss portions are each increased in thickness to increase the thickness, and since the structure is continuous and strong, the thickness of the work can be reduced and the weight can be reduced. . Furthermore, since the load when the boss portion is cracked in the axial direction can be reduced, the size of the apparatus used in this manufacturing method can be reduced.
[0029]
In the pulley manufactured by the above-described pulley manufacturing method, the web portion is located at an intermediate portion of the boss portion as a bearing casing, and the load is applied to the boss portion by the belt tension applied to the rim portion. It is possible to prevent stress from being concentrated on the connecting portion between the portion and the web portion. As a result, a high-strength pulley can be obtained, and its durability can be greatly improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing an outline of a manufacturing process of a pulley according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing details of a first step of the pulley according to the present invention.
FIG. 3 is an explanatory view showing details of a second step.
FIG. 4 is an explanatory view showing details of a second step.
FIG. 5 is an explanatory view showing details of a third step.
FIG. 6 is an explanatory view showing details of a fourth step.
FIG. 7 is an explanatory view showing details of a fifth step.
FIG. 8 is an explanatory view showing details of a sixth step.
FIG. 9 is an explanatory sectional view of a pulley obtained by a method of manufacturing a pulley according to a conventional example.
FIG. 10 is an explanatory sectional view of a pulley obtained by a method for manufacturing a pulley according to another conventional example.
[Explanation of symbols]
10 Boss (bearing casing)
20 web part 30 rim part 30a winding conduction part (poly V groove)
40 bearings (ball bearings)
Reference Signs List 50 Work 51 Boss portion 51a End face 51b One boss 51c The other boss portion 51d Flange 51e The other boss 52 Web portion 60 Slot roller 60b Roller contact portion 70 Forming roller 70a R portion 80 Punch E pulley