【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築や車輌の窓に使用する赤外線反射ガラスに関し、より詳しくは、このようなガラスがしばしば呈する真珠色の外観を防止した赤外線反射ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築や車輌の窓ガラスには、ガラスを通して室内や車内に流入する太陽からの輻射エネルギーを遮断し、内部の温度上昇や冷房負荷を低減させる目的から赤外線反射ガラスが採用されている。
【0003】
導電性物質は赤外線を反射することが知られており、ガラス基板表面に透明な導電性被膜を形成し、可視光の透過率を減少させることなく、可視光よりも長波長の光を反射させることが行われている。しかし、このような構成のガラスは、ガラス表面にそれよりも高屈折率であり、しかも膜厚が0.1から1μm程度の薄膜を有するので光の干渉効果により著しい着色または真珠色(光彩)の発現することが多く、ガラスの有する美観を損ねている。そこで、このような光彩を防止するために各種の提案がなされている。
【0004】
例えば、特公昭63−39535号公報には、無光彩ガラス構造物が記載されており、少なくとも1枚の透明なガラスシ−ト及びシ−ト上に設置される赤外反射性物質の第1の無機質被覆層を含み、赤外反射性物質が透明な半導体であって昼光照明で光彩色を示す型の物質であるところの構造物において、第2の被覆層がガラスシ−トと第1の被覆層との間に設置され、かつ第2の被覆層が昼光照明で第1の被覆層の光彩色が見えることを実質的に減少させるように光を反射しかつ屈折するための手段を第2の被覆層の本体と共に形成する少なくとも2つの界面を与えることによって光彩色を実質的に減少させる手段となること、第2の被覆層が、ガラスシ−トの屈折率と第1の被覆層の屈折率との積の平方根として定義される屈折率を有すること、及び第2の被覆層が500nmの真空中の波長を有する光の1/4波長の厚さを有することが開示されている。
【0005】
そのなかで、例えば第2の被覆層が1.7〜1.8の屈折率を有し、かつ厚さが64〜80nmであり、第1の被覆層の屈折率が2、ガラスシ−トの屈折率が1.5であること、また例えば第2の被覆層が金属酸化物、金属窒化物又はこれらの混合物であって、Al2O3、SiO2、ZnO、MgO、SnO2、In2O3、GeO2、Ga2O3群から選ばれること、また例えば酸化第二スズである半導体層の厚みが0.4μ未満であり、第1の被覆層と第2の被覆層との合計膜厚が0.1〜1μであること等が記載されている。
【0006】
また例えば、特公平3−72586号公報には、非光彩性のガラス構造体が記載されており、(a)透明な基材、(b)0.1〜1.0ミクロンの厚さを有する赤外反射性透明半導体コ−テイング、および(c)基材と赤外反射性透明半導体コ−テイングとの間の光彩を抑制する中間層部材、を含む型の非光彩性の、透明なシ−ト構造体において、この構造体が、赤外反射性透明半導体コ−テイングと透明な基材との間に第1中間層成分および第2中間層成分の2成分、すなわち、
(1) 基材に近い、かつ式
d1=(1/720)cos−1((r1 2+r2 2−r3 2)/2r1r2)
(式中r1=(n1−ng )/(n1+ng)、r2=(n1−n2)/(n1+n2)、r3=(nc−n2)/(nc+n2)、ng=基体の屈折率、n1=第1中間層成分の屈折率、n2=第2中間層成分の屈折率、nc=赤外反射性透明半導体コ−テイングの屈折率)によって与えられる光学的厚さd1を有する第1中間層成分、および
(2) 第1中間層成分と半導体との間にあつて式
d2=(1/720)cos−1((r2 2+r3 2−r1 2)/2r2r3)によって与えられる光学的厚さd2を有する第2中間層成分、からなる中間層を含むものが開示されている。
【0007】
また例えば、特開平3−164449号公報には、無光彩ガラスが記載されており、ガラス基板上に屈折率nが1.8以上で厚みdが0.15μm以上の高屈折率透明薄膜が形成され、高屈折率透明薄膜とガラス基板との間にn=1.65〜1.8の透明下層膜が光学膜厚nd=0.1〜0.18μmの厚みに形成されている無光彩ガラスであって、透明下層膜が、Zr、Ti、Ta、Hf、Mo、W、Nb、Sn、La、Crのうち少なくとも1種とSiを含む複合酸化物を主成分とする膜であることが開示されている。
【0008】
そのなかで、無光彩(無色ムラ)ガラスにおいて、高屈折率透明薄膜としてはインジウムスズ酸化物、フッ素ド−プ酸化スズ、酸化亜鉛等であることが記載されている。
【0009】
また例えば、特開平4−270136号公報には、アルミニウム及びスズまたはチタンの酸化物から成るフイルムの作製方法、及びその製品が記載されており、非加水分解性アルミニウムキレ−トと、少なくとも1種の有機スズ化合物、またはチタンキレ−ト及びチタンアルコラ−ト、とから成る溶液を、高温のガラス上で熱分解させることにより、Al2O3−SnO2(例えば屈折率1.66〜1.76)またはAl2O3−TiO2(例えば屈折率1.73〜1.80)のフイルムを得ることが開示され、ガラス支持体と半導体金属酸化物フイルム(例えば厚さ100〜800nm)との間にこれらのAl2O3−SnO2またはAl2O3−TiO2のフイルム(例えば厚さ80〜100nm)を用いることで反射光が無彩色である半導体フイルムを有する窓ガラスを得られることが記載されている。
【0010】
また例えば、特開平5−116992号公報には、光彩防止透明体が記載されており、透明基体上に屈折率が1.6以上で膜厚0.15μm以上の透明薄膜が形成され、透明薄膜と透明基体との界面に下地層が形成された光彩防止透明体となって、下地層は消衰係数kが0でない吸収性の膜であること、また透明基体上に屈折率が1.6以上で膜厚0.15μm以上の透明薄膜が形成され、透明薄膜上に上地層が形成された光彩防止透明体であって、上地層は消衰係数kが0でない吸収性の膜であること、また透明基体上に屈折率が1.6以上で膜厚0.15μm以上の透明薄膜が形成され、透明薄膜と透明基体との界面に下地層が形成され、透明薄膜上に上地層が形成された光彩防止透明体であって、下地層及び上地層は消衰係数kが0でない吸収性の膜であることがそれぞれ開示されている。 そのなかで、例えば透明基体の屈折率ngが1.4〜1.6であり、「透明薄膜」とは消衰係数kが、光学計算の際kを無視できる程度の小さな値(k=約0)である膜であって、屈折率nfが1.6〜2.3であり、具体的にはITO、SnO2:F、ZnO:Al、ZnO等が挙げられる。また吸収性の下地層または上地層としては、膜厚が10〜500オングストロームであり、金属単体、窒化物、炭化物、またはこれらの複合体であって、好ましくはチタン、クロム、ジルコニウムのうち少なくとも一種の金属単体、窒化物、炭化物、またはこれらの複合体であり、具体的には上下両地層としてTiN、CrN、CrC、ZrN、下地層としてTiN/Cr、TiN/Ti/TiN、上地層としてCr/TiN、Cr/ZrN等が挙げられている。
【0011】
また例えば、特開平5−193994号公報には、虹色防止及び光学的機能性被覆の厚さ及び屈折率の偏差に対し許容性のある虹色防止被覆を有する虹色防止透明嵌込み窓ガラス物品、ならびに特開平5−193995号公報には、虹色防止層及び光学的機能性層の厚さ及び屈折率の変動に許容性のある虹色防止層を有する傾斜屈折率を有する虹色防止被覆透明嵌込み窓ガラス物品がそれぞれ開示されている。
【0012】
さらに例えば、特開平7−41337号公報には、光彩防止透明体が記載されており、透明基体上に透明導電膜を有し、かつ透明基体と透明導電膜の間に下地膜を有する透明体において、透明導電膜と下地膜との間に、透明導電膜と下地膜との構成成分からなる混合層が介在されており、混合層は下地膜と透明導電膜の間で下地膜に近い方から透明導電膜に近い方へといくにつれて徐々に屈折率が増加するように形成されていることが開示されている。
【0013】
さらにまた例えば、特開平7−10607号公報には、低放射率を与える無色コ−テイングを有するガラス物品及びその製造方法が記載されており、低放射率を与える無色コ−テイングを有するガラス物品において、a.約1.5〜1.6の範囲の屈折率を有する透明な基体と、b.約1.66〜1.73の範囲の屈折率及び約400〜600Åの範囲の厚みを有する第1の透明コ−テイング層と、c.約1.76〜1.83の範囲の屈折率及び約350〜550Åの範囲の厚みを有する第2の透明コ−テイング層と、d.少なくとも1.86の屈折率及びコ−テイングされていない基体の放射率以下にコ−テイングされた基体の放射率を低下させるのに充分な厚みを有する金属酸化物コ−テイング層とからなるものが開示されている。
【0014】
また他に、少なくとも無光彩をうるために、下地層として例えばSiO2等の酸化物膜をコ−テイングするものとして、他に特公平3−48145号公報、特開平1−201046号公報、特開平5−294672号公報ならびに特開平4−265253号公報等がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前述した無光彩化ガラスはいずれもガラス基板に形成された透明導電膜に異なる組成の無機材質からなる透明膜を設けることで可視光線の干渉を軽減する方法をとっている。これらの無機材質膜は、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着などの物理的手段をとるか、もしくは金属アルコキシド、金属キレート、金属塩などの化合物を熱分解することで形成される。物理的手段は通常真空状態を必要とするなど装置上の制約が多く、また熱分解法では安定な酸化物を得るには高温での焼成が不可欠であるという問題点がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガラス上に透明導電膜を形成し、さらに屈折率の異なる第2の膜を積層してなる無光彩化された赤外線反射ガラスにおいて、該第2の膜を工業的に好ましい比較的低温で安定な膜を形成し得る方法について検討したところ、透明導電膜の外部に特定の有機高分子を被覆することで得られることを見いだし本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、本発明は、ガラス表面に透明導電膜とその透明導電膜の外部に該透明導電膜の屈折率の平方根の0.85〜1.15倍の屈折率を有する外部被膜を設けてなる赤外線反射ガラスであって、外部被膜が含フッ素ポリイミドからなることを特徴とする赤外線反射ガラスである。
【0018】
本発明にかかるガラスは、ソ−ダライム系ガラス、ホウケイ酸系ガラス、無アルカリ系ガラス、石英ガラス等であり、例えばフロート法で製造された透明な無色または着色の板ガラス、グリーン系ガラスやブロンズ系ガラス、グレー系ガラス、ブルー系ガラス等である。
【0019】
本発明の赤外線反射ガラスは単板、各種の複層ガラス、合せガラス、シェ−ドバンド付きガラス、バイレイヤ−ガラス、強化ガラスとして、またはこれらを平板あるいは曲げ板等としても使用できる。また、従来無光彩透明導電膜付きガラス板が使用されている用途で使用できることは言うまでもないが、特に複層ガラス等に使用すること、具体的には複層ガラス等の内部側に含フッ素ポリイミド膜を配置して使用することが好ましい例として挙げられる。ガラス板単板の板厚としては例えば約0.5mm程度以上約10mm程度以下が好ましく、より好ましくは約2.0mm程度以上約5.0mm程度以下である。
【0020】
本発明にかかる透明導電膜は、可視光領域で実質的に透明であれば特に限定されないが、大略1.6〜2.8の屈折率を有する物質、例えばITO(In2O3+Snド−プ)膜(1.8〜2.0)、NESA(SnO2、SnO2+Sbドープ、SnO2+Fドープ)膜(1.85〜2.1)、AZO(亜鉛+Al2O3ド−プ)膜(1.9〜2.0)、その他ZnInO4−x膜、MgInO4−x膜、MgGaO4−x膜、SbInO4−x膜、ZrGa2O4膜、Cd2SnO4膜、CdGa2O4膜、CdSb2O4膜、Zn4InSbO4系膜、Sb2Zn7O12系膜、ZnSb2O6系膜、ZnO−Ga系膜、MgIn2O4膜、各種金属フッ化物膜等が挙げられるが、アンチモンドープ酸化スズ膜、フッ素ドープ酸化スズ膜を最も好ましいものとして挙げることができる。前記括弧内の屈折率の数値は代表的な値であり形成方法により異なることは当業者にとって周知である。
【0021】
これらの透明導電膜の作成方法は特に限定されず、スパッタリング、反応性スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの物理的コーティング法、有機金属化合物を用いる化学的気相堆積法、金属化合物を用いる塗布・焼成法などの化学的コーティング法を採用することができる。
【0022】
透明導電膜の膜厚は80nm〜800nm程度で、波長約0.38μm〜0.70μm程度の間における平均可視光透過率が約70%程度以上であって、波長が約10μmにおける平均赤外反射率が約60%以上、さらには約70%程度以上であることが好ましい。シート抵抗値は低いことが望ましいが、通常1〜100Ω/□のものが使用され、10〜50Ω/□が好ましく、例えば10〜20Ω/□程度の透明導電膜が用いられる。
【0023】
本発明にかかる含フッ素ポリイミド膜は、透明導電膜の屈折率の平方根の値であることが好ましいが、実用上その値の0.85〜1.15倍の屈折率を有するポリイミドであればよく、具体的には屈折率が1.45〜1.70のポリイミドである。また、本発明にかかる含フッ素ポリイミド膜は可視光領域で実質的に透明な膜である。ポリイミドは黄色から褐色に着色することが多いが、実質的に透明とは、本発明の赤外先反射ガラスを調製した場合に可視光領域で60%以上、より好ましくは70%程度以上の透過率であれば良いことをいう。本発明にかかる含フッ素ポリイミド膜の膜厚が75〜150nmの範囲外では、含フッ素ポリイミド膜面上での反射光と下面(透明導電膜上面)での反射光の位相のずれが小さく、干渉により打ち消し合うことによる無光彩化ができず好ましくない。特定の膜厚は、屈折率、反射率、吸収率などの光学定数に基づいて計算により決めることもできるが、予備的な実験に基づいて決定することも容易である。
【0024】
本発明にかかる含フッ素ポリイミドは、下記式(1)、
【0025】
【化1】
【0026】
(式中、Aは二価の有機基、Bは四価の有機基を表し、AまたはBの少なくともいずれかは含フッ素有機基である。)で表される1個以上の繰り返し単位からなり、一般的にAの有機基はジアミンにより、またBの有機基はテトラカルボン酸により導入される。
【0027】
二価の有機基Aとしては、下記式(2)、
【0028】
【化2】
【0029】
(式中、lは3〜7の整数、mは1〜8の整数である。)または後に例示するジアミンから2個のアミノ基を除いた残基が挙げられる。
本明細書においては、ジアミン成分およびテトラカルボン酸成分に由来する構成単位については、ジアミンまたはテトラカルボン酸に基づくものとして説明するが、テトラカルボン酸の反応試剤としてはエステルまたは酸無水物等の反応性誘導体を使用することができる。
【0030】
本発明にかかるジアミンは、含フッ素アミンであれば特に限定されないが、具体的に例示すると、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(p−アミノフェニル)−2−(m−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミン、テトラフルオロ−m−フェニレンジアミン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、2,4−ジアミノベンゾトリフルオライド、3,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ジアミノ−2−ペンタフルオロエチルベンゼン、2,4−ジアミノ−2−ペンタフルオロエチルベンゼン、3,5−ジアミノ−2−ペンタフルオロエチルベンゼン、1,4−、2,4−または3,5−ジアミノ−2−パーフルロアルキルベンゼン(パーフルオロアルキル基は炭素数3〜8の直鎖パーフルオロアルキル基およびパーフルオロイソプロピル基。)、4,4’−ジアミノ−2,2’3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロジフェニルメタン、ビス(フッ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、1,4−ビス(3−アミノテトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノテトラフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは併用することもできる。含フッ素ジアミンとしては、芳香族含フッ素ジアミンが好ましく、特にアルキル基の水素がフッ素に置換した、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などのパーフルオロアルキル基や、トリフルオロエチル基などのフルオロアルキル基などの形態でフッ素原子の導入されたものが好ましい。その様なものの例としては、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルなどを挙げることができる。
【0031】
四価の有機基Bとしては、下記式(3)、
(式中、nは2〜10の整数、pは0〜2の整数、qは、1〜10の整数である。)
【0032】
【化3】
【0033】
または後に例示するテトラカルボン酸から4個のカルボキシル基を除いた残基が挙げられる。
本発明にかかる含フッ素テトラカルボン酸は、特に限定されないが、具体的には、例えば、1−トリフルオロメチル−2,3,5,6−テトラカルボン酸、1,4−ビス(トリフルオロメチル)テトラカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロメリット酸、2,2,2−トリフルオロエチルピロメリット酸、ビス(1H,1H−パーフルオロブチル)ピロメリット酸、ビス(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)ピロメリット酸、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロドデシルピロメリット酸、1,5−ジフェノキシデカフルオロペンタン−3’,3”,4’,4”−テトラカルボン酸、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸などが挙げられる。
【0034】
本発明にかかる含フッ素ポリイミドは、ジアミン構造単位またはテトラカルボン酸構造単位にフッ素が含有されておればよく、ジアミン成分またはテトラカルボン酸成分のいずれかがフッ素を含有しないこともできる。そのような場合に使用されるものとしは、例えば、ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、o−トルイジン、ビス(4−ジアミノフェニル)エーテル、ビス(4−ジアミノフェニル)メタン、2,2−ビス(ジアミノフェニル)プロパン、ビス(4−ジアミノフェニル)スルホンなど、また、テトラカルボン酸成分としてはピロメリット酸、イソプロピリデンジフタル酸、オキシジフタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。当然、含フッ素とフッ素非含有のジアミン、あるいは含フッ素とフッ素非含有のテトラカルボン酸を併用することができる。
【0035】
上記した含フッ素ジアミンと含フッ素テトラカルボン酸とからは屈折率の低いポリイミドが得られるので好ましいが、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルとヘキサフルオロジフタル酸二無水物、ジ(1H,1H−パーフルオロブチル)ピロメリット酸酸二無水物、トリフルオロメチルピロメリット酸を縮重合させて得られるポリイミドが特に好ましい例として挙げられる。これらのポリイミドは通常屈折率1.5程度であるが、ジアミン成分および/またはテトラカルボン酸を他のジアミンまたはテトラカルボン酸に代替することで屈折率を調節することができる。
【0036】
また、ジアミン成分としては、全ジアミン成分のうち、1モル%以上10モル%以下がシロキシジアミンであるものは塗膜を形成した際に基板との密着性が向上するので好ましく、その様なシロキシジアミンとしては、特に限定されないが1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノブチル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)テトラメチルジシロキサン等を例示でき、これらの2種以上併用することもできる。
【0037】
本発明に使用されるポリイミドはマレイミド化合物を配合して使用することもできる。マレイミド化合物のうちビスマレイミドが好ましく、特に好ましいものとしては例えば、2,2’−ビス(4−マレイミドフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−マレイミドフェノキシ)オクタフルオロビフェニル等の含フッ素ビスマレイミドを例示できるが、その他の使用できるビスマレイミドとして、例えば、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルエ−テル、4,4’−ビスマレイミドベンズアニリド、2,2’−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等を挙げることができる。上記ビスマレイミドの2種以上を併用することも可能である。
【0038】
ここで、マレイミドはマレイミドプレポリマーとしても使用でき、マレイミドプレポリマーは、ビスマレイミド単独、ビスマレイミド−ジアミン、ビスマレイミド−ビスシアネートあるいはビスマレイミド−ビスシアナミド等のビスマレイミドプレポリマーが好ましく、特に含フッ素ビスマレイミド、含フッ素ジアミン、含フッ素ビスシアネート、含フッ素ビスシアナミドの1種または2種以上よりなる含フッ素マレイミドプレポリマーが好ましい。
【0039】
マレイミド化合物あるいはマレイミドプレポリマーの使用量は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の総和量としての樹脂固形分量100重量部に対して30重量部未満であり、好ましくは20重量部未満である。30重量部まではその添加量の増加とともに接着効果が表れるが、30重量部より多い時は特に接着効果は改善されずに形成された膜の機械的物性が低下して好ましくない。
【0040】
本発明にかかるポリイミド前駆体溶液におけるマレイミド化合物の添加は、金属以外の基板材質、例えば、ガラス、セラミックス、有機材料等に対する接着性の改良に特に効果があるが、特に溶解度の大きい含フッ素ビスマレイミドが高濃度化、成膜性等の点から好ましい。
【0041】
また、本発明のポリイミド前駆体組成物には、マレイミド化合物と同様の効果を期待できる、ビニル化合物、アリル化合物等の不飽和化合物を添加することができる。
【0042】
本発明にかかる含フッ素ポリイミド膜は、上記したジアミン成分とテトラカルボン酸成分および任意に上記したマレイミド化合物などを10〜100℃で混合し重合させたポリイミド前駆体であるポリアミド酸またはそれを加熱または脱水剤により縮重合させたポリイミドの溶液を基板に塗布、乾燥および/または焼成することで得られる。
【0043】
ポリイミドまたはポリアミド酸の溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの含窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類が例示でき、この他に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエステル類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン類、ブタノール、オクタノール、エチルセロソルブなどのアルコール類を始め、さらに鎖状ないし環状のアミド系、尿素系、スルフォキシド系、スルフォン系、炭化水素系、ハロゲン系溶媒などが、ポリアミド酸溶液、ポリイミド前駆体組成物の安定性に影響を及ぼさない範囲で添加することができる。
【0044】
本発明にかかる含フッ素ポリイミドは、塗膜を形成する際に紫外線吸収剤および/または光安定剤を添加して膜を形成することもできる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施態様に限定されるものではない。
【0046】
〔測定および評価法〕
光学特性: 可視光反射率(380nm〜780nm)、放射率(ε)はJISZ8722およびJISR3106に準拠して340型自記分光光度計(日立製作所製)により測定し、光彩の強さについては目視で観察した。
【0047】
電気的特性: 三菱油化製表面抵抗計(ロレスタ−AP)によって表面抵抗(Ω/□)を測定した。
耐候性: サンシヤインウエザオメーターで1000時間経過後の外観を目視で観察した。
【0048】
耐酸性: 約25℃で0.1NのH2SO4水溶液中にガラス板を24時間浸漬した後、外観を目視観察した。
耐アルカリ性: 約25℃で0.1NのNaOH水溶液中にガラス板を24時間浸漬した後、外観を目視観察した。
【0049】
膜厚: 透明導電膜は苛性ソーダ水溶液でのエッチング、含フッ素ポリイミド膜については機械的に傷を付けて、その段差を表面粗さ計(SLOAN社製、DEKTAK30−30)で測定した。
【0050】
屈折率: エリプソメータ(溝尻光学工業所、DVA−36L)で測定した。
〔調製例〕
大きさ約300mmx300mm、厚さ約3mmのソーダ石灰ガラスのフロ−トガラス板(FL5)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルアルコールで順次洗浄し、乾燥して、膜付け用のガラス板とした。
【0051】
モノブチルトリクロロスズ〔(C4H9)SnCl3〕100gおよびフッ化アンモニウム3gを、ジクロロメタン550gとエタノ−ル約300gと純水約50gとの混合溶媒で溶解し、約1000gにして塗布液を調整した。
【0052】
得られた塗布液を、予め約550℃程度に加熱しておいた前記フロ−トガラス板に、二流体式スプレ−ガンによって、塗布量約250g/分で約10秒間スプレ−し、室温まで放冷し膜厚が約400nmでかつ屈折率が約2.0のフッ素ド−プした酸化錫膜の形成された酸化スズ被覆ガラス板を得た。
【0053】
得られた酸化スズ被覆ガラス板は、シート抵抗値18Ω/□、放射率0.18であった。
〔実施例1〕
温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素挿入管を備えた四ツ口セパラブルフラスコに32.0gの2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、44.4gのヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物を仕込み、687.6gのジメチルアセトアミドを加え、窒素気流下に室温で24時間撹拌し、粘稠な透明溶液を得た。これにさらにジメチルアセトアミドを加えて3重量%のポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0054】
先に調製した酸化スズ被覆ガラス板に、ポリイミド前駆体溶液をスピンコーターで塗布し、70℃で溶媒を揮散させた後、350℃で1時間焼成して膜厚90.5nm、屈折率1.52の無色透明のポリイミド膜を得た。
【0055】
得られたポリイミド膜被覆ガラス板の可視光平均反射率は6.5%であり、反射色調は無色透明で虹色反射色は消滅していた。なお、ポリイミド膜を被覆するまえの酸化スズ被覆ガラス板は特有の虹色の強い反射色を呈していた。
【0056】
波長380〜780(nm)の間における反射率(%)のスペクトルを図1に示す。
耐候性、耐酸性、耐アルカリ性試験においては何れも変化は見られなかった。
【0057】
〔実施例2〕
温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素挿入管を備えた四ツ口セパラブルフラスコに32.0gの2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、28.6gのトリフルオロメチルピロメリット酸二無水物を仕込み、691.1gのジメチルアセトアミドを加え、窒素気流下に室温で24時間撹拌し、粘稠な透明溶液を得た。これにさらにジメチルアセトアミドを加えて3重量%のポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0058】
先に調製した酸化スズ被覆ガラス板に、ポリイミド前駆体溶液をスピンコーターで塗布し、70℃で溶媒を揮散させた後、350℃で1時間焼成して膜厚88.3nm、屈折率1.49の無色透明のポリイミド膜を得た。
【0059】
得られたポリイミド膜被覆ガラス板の可視光平均反射率は6.3%であり、反射色調は無色透明で虹色反射色は消滅していた。
耐候性、耐酸性、耐アルカリ性試験においては何れも変化は見られなかった。
【0060】
〔実施例3〕
温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素挿入管を備えた四ツ口セパラブルフラスコに32.0gの2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、46.8gのビス(1H,1H−パーフルオロブチル)ピロメリット酸二無水物を仕込み、691.1gのジメチルアセトアミドを加え、窒素気流下に室温で24時間撹拌し、粘稠な溶液を得た。これにさらにジメチルアセトアミドを加えて3重量%のポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0061】
先に調製した酸化スズ被覆ガラス板に、ポリイミド前駆体溶液をスピンコーターで塗布し、70℃で溶媒を揮散させた後、350℃で1時間焼成して膜厚89.1nm、屈折率1.47の無色透明のポリイミド膜を得た。
【0062】
得られたポリイミド膜被覆ガラス板の可視光平均反射率は6.2%であり、反射色調は無色透明で虹色反射色は消滅していた。
耐候性、耐酸性、耐アルカリ性試験においては何れも変化は見られなかった。
【0063】
〔比較例1〕
温度計、撹拌装置、還流コンデンサー、窒素挿入管を備えた四ツ口セパラブルフラスコに32.0gの2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、32.2gの3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を仕込み、690.5gのジメチルアセトアミドを加え、窒素気流下に室温で24時間撹拌し、粘稠な透明溶液を得た。これにさらにジメチルアセトアミドを加えて3重量%のポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0064】
先に調製した酸化スズ被覆ガラス板に、ポリイミド前駆体溶液をスピンコーターで塗布し、70℃で溶媒を揮散させた後、350℃で1時間焼成して膜厚90.5nm、屈折率1.67の透明のポリイミド膜を得た。
【0065】
得られたポリイミド膜被覆ガラス板の可視光平均反射率は9.5%であり、反射色調は虹色を呈していた。
波長380〜780(nm)の間における反射率(%)のスペクトルを図1に示す。
【0066】
〔比較例2〕
先に調製した酸化スズ被覆ガラス板に、実施例1で使用したポリイミド前駆体溶液をスピンコーターで塗布し、70℃で溶媒を揮散させた後、さらに同じ塗布を繰り返し、350℃で1時間焼成して膜厚185.9nmの無色透明のポリイミド膜を得た。
【0067】
得られたポリイミド膜被覆ガラス板の可視光平均反射率は12.9%であり、色調は特有の虹色の強い反射色を呈していた。
波長380〜780(nm)の間における反射率(%)のスペクトルを図1に示す。
【0068】
〔参考例〕
参考例として膜を形成してない膜付け用のガラス板と調整例で作成した酸化スズ膜のみを被覆したガラス板の反射スペクトルを示した。可視光反射率は、それぞれ8.2%、13.8%であった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の無光彩化された赤外線反射ガラスは、実施例および図1に示すように赤外線反射ガラスに特有の虹色の外観を呈することが無く、美観に優れ、且つ耐候性に優れるので建築あるいは車両用窓ガラスとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の赤外線反射ガラス、並びに参考例のガラス板および酸化スズ被覆ガラス板、各比較例の赤外線反射ガラスについて、波長380〜780(nm)の間における反射率(%)のスペクトルを示す線図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to infrared reflecting glass used for windows of architecture and vehicles, and more particularly to an infrared reflecting glass that prevents the pearlescent appearance often exhibited by such glasses.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, infrared reflecting glass has been used as window glass for buildings and vehicles for the purpose of blocking radiation energy from the sun flowing into a room or inside a vehicle through the glass and reducing internal temperature rise and cooling load.
[0003]
Conductive materials are known to reflect infrared light, form a transparent conductive film on the surface of the glass substrate, and reflect light of longer wavelength than visible light without reducing visible light transmittance. That is being done. However, the glass having such a structure has a higher refractive index on the glass surface and has a thin film having a thickness of about 0.1 to 1 μm. Often appear, which impairs the aesthetics of glass. Therefore, various proposals have been made in order to prevent such glow.
[0004]
For example, Japanese Patent Publication No. Sho 63-39535 describes an achromatic glass structure, in which at least one transparent glass sheet and a first infrared-reflective material placed on the sheet are used. In a structure comprising an inorganic coating layer, wherein the infrared-reflective substance is a transparent semiconductor and is of a type that exhibits a glow in daylight illumination, the second coating layer is composed of a glass sheet and a first sheet. Means for reflecting and refracting light disposed between the first cover layer and the second cover layer so as to substantially reduce the visibility of the first cover layer in daylight illumination. Providing a means for substantially reducing glow by providing at least two interfaces formed with the body of the second coating layer, wherein the second coating layer comprises a glass sheet having a refractive index and a first coating layer; Has a refractive index defined as the square root of the product of the refractive index of It, and the second coating layer is disclosed to have a thickness of 1/4 wavelength of light having a wavelength in vacuum of 500 nm.
[0005]
Among them, for example, the second coating layer has a refractive index of 1.7 to 1.8, a thickness of 64 to 80 nm, a refractive index of the first coating layer of 2, and a glass sheet. The refractive index is 1.5, and for example, the second coating layer is a metal oxide, a metal nitride or a mixture thereof;2O3, SiO2, ZnO, MgO, SnO2, In2O3, GeO2, Ga2O3Being selected from the group, the thickness of the semiconductor layer, for example, stannic oxide, is less than 0.4 μm, and the total thickness of the first coating layer and the second coating layer is 0.1 to 1 μm Is described.
[0006]
For example, Japanese Patent Publication No. 3-72586 describes a non-luminous glass structure, which has (a) a transparent substrate and (b) a thickness of 0.1 to 1.0 micron. A non-luminous, transparent substrate of the type comprising an infrared-reflective transparent semiconductor coating and (c) an intermediate layer member for suppressing the luminosity between the substrate and the infrared-reflective transparent semiconductor coating. In the above-mentioned structure, the structure comprises a first intermediate layer component and a second intermediate layer component between the infrared-reflective transparent semiconductor coating and the transparent substrate, that is,
(1) Close to the base material and formula
d1= (1/720) cos-1((R1 2+ R2 2-R3 2) / 2r1r2)
(Where r1= (N1-Ng) / (N1+ Ng), R2= (N1-N2) / (N1+ N2), R3= (Nc-N2) / (Nc+ N2), Ng= Refractive index of the substrate, n1= Refractive index of the first intermediate layer component, n2= Refractive index of the second intermediate layer component, nc= Refractive index of the infrared-reflective transparent semiconductor coating)1A first intermediate layer component having:
(2) Equation between the first intermediate layer component and the semiconductor
d2= (1/720) cos-1((R2 2+ R3 2-R1 2) / 2r2r3The optical thickness d given by2And an intermediate layer comprising a second intermediate layer component having the following formula:
[0007]
Further, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-164449 discloses an achromatic glass, in which a high refractive index transparent thin film having a refractive index n of 1.8 or more and a thickness d of 0.15 μm or more is formed on a glass substrate. Achromatic glass in which a transparent underlayer film with n = 1.65-1.8 is formed between the high-refractive-index transparent thin film and the glass substrate to have an optical film thickness nd = 0.1-0.18 μm Wherein the transparent lower layer film is a film mainly composed of a composite oxide containing at least one of Zr, Ti, Ta, Hf, Mo, W, Nb, Sn, La, and Cr and Si. It has been disclosed.
[0008]
Among them, it is described that in the case of non-colored (colorless unevenness) glass, indium tin oxide, fluorine-doped tin oxide, zinc oxide and the like are used as high-refractive-index transparent thin films.
[0009]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 4-270136 describes a method for producing a film composed of an oxide of aluminum and tin or titanium, and a product thereof, which comprises a non-hydrolyzable aluminum chelate and at least one kind. By thermally decomposing a solution comprising an organotin compound of the formula (1) or titanium chelate and titanium alcoholate on a high-temperature glass,2O3-SnO2(For example, a refractive index of 1.66 to 1.76) or Al2O3-TiO2(E.g., a refractive index of 1.73-1.80) is disclosed to obtain a film between the glass support and the semiconductor metal oxide film (e.g., 100-800 nm thick).2O3-SnO2Or Al2O3-TiO2It is described that a window glass having a semiconductor film whose reflected light is achromatic can be obtained by using a film (for example, having a thickness of 80 to 100 nm).
[0010]
Also, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. HEI 5-116992 describes an anti-glossy transparent body. A transparent thin film having a refractive index of 1.6 or more and a film thickness of 0.15 μm or more is formed on a transparent substrate. A transparent layer having an underlayer formed at the interface between the substrate and the transparent substrate. The underlayer is an absorptive film having an extinction coefficient k other than 0, and has a refractive index of 1.6 on the transparent substrate. A transparent thin film having a thickness of 0.15 μm or more is formed as described above, and the anti-glow transparent body has an upper layer formed on the transparent thin film, and the upper layer is an absorptive film having an extinction coefficient k other than 0. A transparent thin film having a refractive index of 1.6 or more and a film thickness of 0.15 μm or more is formed on the transparent substrate, an underlayer is formed at an interface between the transparent thin film and the transparent substrate, and an upper ground layer is formed on the transparent thin film. And the underlayer and the upper layer have an extinction coefficient k of 0. It is disclosed respectively resorbable membrane. Among them, for example, the refractive index ng of the transparent substrate is 1.4 to 1.6, and the “transparent thin film” means that the extinction coefficient k is a small value (k = about 0), having a refractive index nf of 1.6 to 2.3, specifically, ITO, SnO2: F, ZnO: Al, ZnO and the like. The absorptive underlayer or upper layer has a thickness of 10 to 500 angstroms and is a simple metal, nitride, carbide, or a composite thereof, and is preferably at least one of titanium, chromium, and zirconium. Metal, nitride, carbide, or a composite thereof, specifically, TiN, CrN, CrC, ZrN as the upper and lower ground layers, TiN / Cr, TiN / Ti / TiN as the underlayer, and Cr as the upper layer. / TiN, Cr / ZrN and the like.
[0011]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-193994 discloses an iridescent-preventive transparent window glass having an iridescent-preventive coating having a tolerance for the deviation of the thickness and the refractive index of the optically functional coating. Articles and Japanese Unexamined Patent Publication (Kokai) No. 5-193959 disclose an iridescence prevention having an oblique refractive index having an iridescence prevention layer having a thickness and a refractive index variation tolerable for the iridescence prevention layer and the optically functional layer. Coated transparent glazing articles are each disclosed.
[0012]
Further, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-41337 discloses an anti-glow transparent body, which has a transparent conductive film on a transparent substrate and a base film between the transparent substrate and the transparent conductive film. , A mixed layer composed of the components of the transparent conductive film and the underlayer is interposed between the transparent conductive film and the underlayer, and the mixed layer is closer to the underlayer between the underlayer and the transparent conductive film. It is disclosed that the refractive index is gradually increased as it goes closer to the transparent conductive film.
[0013]
Furthermore, for example, JP-A-7-10607 describes a glass article having a colorless coating giving a low emissivity and a method for producing the same, and a glass article having a colorless coating giving a low emissivity In a. A transparent substrate having a refractive index in the range of about 1.5 to 1.6; b. A first transparent coating layer having a refractive index in the range of about 1.66 to 1.73 and a thickness in the range of about 400 to 600 °; c. A second transparent coating layer having a refractive index in the range of about 1.76 to 1.83 and a thickness in the range of about 350 to 550 °; d. A metal oxide coating layer having a refractive index of at least 1.86 and a thickness sufficient to reduce the emissivity of the coated substrate below that of the uncoated substrate. Is disclosed.
[0014]
In addition, in order to obtain at least a glow, for example, SiO.sub.2Other methods for coating oxide films such as those described in JP-B-3-48145, JP-A-1-201046, JP-A-5-294672 and JP-A-4-265253.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
Each of the non-light-colored glasses described above employs a method of reducing visible light interference by providing a transparent film made of an inorganic material having a different composition on a transparent conductive film formed on a glass substrate. These inorganic films are formed by physical means such as sputtering, ion plating, or vacuum deposition, or by thermally decomposing compounds such as metal alkoxides, metal chelates, and metal salts. Physical means have a lot of restrictions on equipment such as usually requiring a vacuum state, and there is a problem that high-temperature firing is indispensable to obtain a stable oxide in the thermal decomposition method.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have formed a transparent conductive film on glass, and further preferred a second film in an achromatic infrared reflective glass obtained by laminating a second film having a different refractive index. The present inventors have studied methods for forming a stable film at a relatively low temperature, and have found that the method can be obtained by coating a specific organic polymer on the outside of the transparent conductive film, thereby completing the present invention.
[0017]
That is, the present invention provides an infrared ray comprising a transparent conductive film provided on a glass surface and an external coating having a refractive index of 0.85 to 1.15 times the square root of the refractive index of the transparent conductive film outside the transparent conductive film. An infrared reflective glass, which is a reflective glass, wherein the outer coating is made of fluorine-containing polyimide.
[0018]
The glass according to the present invention is a soda lime glass, a borosilicate glass, an alkali-free glass, a quartz glass, etc., for example, a transparent colorless or colored plate glass, a green glass or a bronze glass manufactured by a float method. Glass, gray glass, blue glass and the like.
[0019]
The infrared reflective glass of the present invention can be used as a single plate, various types of double-glazed glass, laminated glass, glass with a shade band, bilayer glass, tempered glass, or as a flat plate or bent plate. In addition, it goes without saying that it can be used in applications where a glass plate with an achromatic transparent conductive film is conventionally used, but in particular, it is used for a multi-layer glass, etc. A preferred example is to arrange and use a film. The thickness of the single glass plate is, for example, preferably about 0.5 mm or more and about 10 mm or less, and more preferably about 2.0 mm or more and about 5.0 mm or less.
[0020]
The transparent conductive film according to the present invention is not particularly limited as long as it is substantially transparent in a visible light region, but a substance having a refractive index of about 1.6 to 2.8, for example, ITO (In)2O3+ Sn dope) film (1.8 to 2.0), NESA (SnO)2, SnO2+ Sb doped, SnO2+ F doped) film (1.85 to 2.1), AZO (zinc + Al)2O3Dope) film (1.9 to 2.0), other ZnInO4-xFilm, MgInO4-xFilm, MgGaO4-xFilm, SbInO4-xFilm, ZrGa2O4Membrane, Cd2SnO4Film, CdGa2O4Membrane, CdSb2O4Film, Zn4InSbO4System membrane, Sb2Zn7O12Based film, ZnSb2O6Based film, ZnO-Ga based film, MgIn2O4Films, various metal fluoride films and the like can be mentioned, and an antimony-doped tin oxide film and a fluorine-doped tin oxide film can be mentioned as the most preferable ones. It is well known to those skilled in the art that the numerical values of the refractive index in the parentheses are typical values and vary depending on the forming method.
[0021]
The method of forming these transparent conductive films is not particularly limited, and physical coating methods such as sputtering, reactive sputtering, vacuum deposition, and ion plating, chemical vapor deposition using an organometallic compound, and coating using a metal compound -A chemical coating method such as a firing method can be adopted.
[0022]
The transparent conductive film has a thickness of about 80 nm to 800 nm, an average visible light transmittance of about 70% or more between about 0.38 μm to 0.70 μm, and an average infrared reflection at a wavelength of about 10 μm. Preferably, the rate is about 60% or more, and more preferably about 70% or more. The sheet resistance is desirably low, but usually 1 to 100 Ω / □ is used, preferably 10 to 50 Ω / □, for example, a transparent conductive film of about 10 to 20 Ω / □ is used.
[0023]
The fluorine-containing polyimide film according to the present invention is preferably a value of the square root of the refractive index of the transparent conductive film, but may be any polyimide having a refractive index of 0.85 to 1.15 times the value in practical use. Specifically, it is a polyimide having a refractive index of 1.45 to 1.70. Further, the fluorine-containing polyimide film according to the present invention is a substantially transparent film in a visible light region. Polyimide is often colored from yellow to brown, but substantially transparent means that when the infrared reflective glass of the present invention is prepared, a transmittance of 60% or more, more preferably about 70% or more, in the visible light region is obtained. If it is a rate, it is good. When the thickness of the fluorinated polyimide film according to the present invention is out of the range of 75 to 150 nm, the phase shift between the reflected light on the fluorinated polyimide film surface and the reflected light on the lower surface (upper surface of the transparent conductive film) is small, and interference occurs. This is not preferable because it is not possible to achieve non-lightening by canceling each other. The specific film thickness can be determined by calculation based on optical constants such as the refractive index, the reflectance, and the absorptance, but can be easily determined based on preliminary experiments.
[0024]
The fluorine-containing polyimide according to the present invention has the following formula (1):
[0025]
Embedded image
[0026]
(In the formula, A represents a divalent organic group, B represents a tetravalent organic group, and at least one of A and B is a fluorine-containing organic group.) Generally, the organic group of A is introduced by a diamine, and the organic group of B is introduced by a tetracarboxylic acid.
[0027]
As the divalent organic group A, the following formula (2):
[0028]
Embedded image
[0029]
(In the formula, l is an integer of 3 to 7, and m is an integer of 1 to 8.) or a residue obtained by removing two amino groups from a diamine exemplified later.
In this specification, structural units derived from a diamine component and a tetracarboxylic acid component will be described as those based on diamine or tetracarboxylic acid. Sex derivatives can be used.
[0030]
The diamine according to the present invention is not particularly limited as long as it is a fluorine-containing amine. Specific examples thereof include 1,3-bis (anilino) hexafluoropropane, 1,4-bis (anilino) octafluorobutane, 5-bis (anilino) decafluoropentane, 1,7-bis (anilino) tetradecafluoroheptane, 2,2-bis (p-aminophenyl) hexafluoropropane, 2- (p-aminophenyl) -2- ( m-aminophenyl) hexafluoropropane, tetrafluoro-p-phenylenediamine, tetrafluoro-m-phenylenediamine, 4,4'-bis (4-aminophenoxy) tetrafluorobenzene, 4,4'-bis (4- Aminophenoxy) octafluorobiphenyl, 1,4-bis (3-aminophenoxy) tetraf Orobenzene, 4,4'-bis (3-aminophenoxy) octafluorobiphenyl, 2,2'-bis (trifluoromethyl) -4,4'-diaminobiphenyl, 3,3'-bis (trifluoromethyl)- 4,4'-diaminobiphenyl, 2,5-diaminobenzotrifluoride, 2,4-diaminobenzotrifluoride, 3,5-diaminobenzotrifluoride, 1,4-diamino-2-pentafluoroethylbenzene, 2,4 -Diamino-2-pentafluoroethylbenzene, 3,5-diamino-2-pentafluoroethylbenzene, 1,4-, 2,4- or 3,5-diamino-2-perfluoroalkylbenzene (perfluoroalkyl group is carbon A linear perfluoroalkyl group and a perfluoroisopropyl group of 3 to 8) 4,4'-diamino-2,2'3,3 ', 5,5', 6,6'-octafluorodiphenyl ether, 4,4'-diamino-2,2'3,3 ', 5,5' , 6,6'-octafluorodiphenylmethane, bis (fluorinated alkoxy) -4,4'-diaminodiphenyl, 4,4'-bis (4-aminotetrafluorophenoxy) tetrafluorobenzene, 4,4'-bis ( 4-aminotetrafluorophenoxy) octafluorobiphenyl, 1,4-bis (3-aminotetrafluorophenoxy) tetrafluorobenzene, 4,4′-bis (3-aminotetrafluorophenoxy) octafluorobiphenyl, 2,2- Bis (4- (4-aminophenoxy) phenyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (4- (3-aminophenoxy) phenyl Enyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (4- (4-amino-2-trifluoromethylphenoxy) phenyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (4- (3-amino-5-trifluoromethyl) Phenoxy) phenyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (4-aminophenyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (3-aminophenyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (3-amino-4- (Hydroxyphenyl) hexafluoropropane, 2,2-bis (3-amino-4-methylphenyl) hexafluoropropane, 2,2′-bis (trifluoromethyl) -4,4′-diaminodiphenyl ether and the like. These can be used in combination. As the fluorinated diamine, an aromatic fluorinated diamine is preferable, and in particular, a hydrogen in an alkyl group is substituted by fluorine, a perfluoroalkyl group such as a trifluoromethyl group and a pentafluoroethyl group, and a fluoroalkyl group such as a trifluoroethyl group Those having a fluorine atom introduced in the form of a group or the like are preferred. Examples of such a substance include 2,2'-bis (trifluoromethyl) -4,4'-diaminobiphenyl.
[0031]
As the tetravalent organic group B, the following formula (3):
(In the formula, n is an integer of 2 to 10, p is an integer of 0 to 2, and q is an integer of 1 to 10.)
[0032]
Embedded image
[0033]
Alternatively, a residue obtained by removing four carboxyl groups from a tetracarboxylic acid exemplified later is exemplified.
The fluorinated tetracarboxylic acid according to the present invention is not particularly limited, but specifically, for example, 1-trifluoromethyl-2,3,5,6-tetracarboxylic acid, 1,4-bis (trifluoromethyl ) Tetracarboxylic acid, hexafluoroisopropylidene diphthalic acid, bis (2,2,2-trifluoroethyl) pyromellitic acid, 2,2,2-trifluoroethyl pyromellitic acid, bis (1H, 1H-perfluoro) Butyl) pyromellitic acid, bis (1H, 1H, 2H, 2H-perfluorooctyl) pyromellitic acid, (1H, 1H, 2H, 2H-perfluorododecylpyromellitic acid, 1,5-diphenoxydecafluoropentane- 3 ', 3 ", 4', 4" -tetracarboxylic acid, 9,9-bis (trifluoromethyl) xanthene-2,3,6,7-te Such as Rakarubon acid, and the like.
[0034]
The fluorine-containing polyimide according to the present invention only needs to contain fluorine in the diamine structural unit or the tetracarboxylic acid structural unit, and either the diamine component or the tetracarboxylic acid component may not contain fluorine. In such a case, for example, as the diamine component, p-phenylenediamine, m-phenylenediamine, o-phenylenediamine, o-toluidine, bis (4-diaminophenyl) ether, bis (4 -Diaminophenyl) methane, 2,2-bis (diaminophenyl) propane, bis (4-diaminophenyl) sulfone and the like, and tetracarboxylic acid components such as pyromellitic acid, isopropylidene diphthalic acid, oxydiphthalic acid and benzophenone tetra Carboxylic acids and the like can be mentioned. Naturally, a fluorine-containing and fluorine-free diamine or a fluorine-containing and fluorine-free tetracarboxylic acid can be used in combination.
[0035]
The above-mentioned fluorinated diamine and fluorinated tetracarboxylic acid are preferable because a polyimide having a low refractive index can be obtained. For example, 2,2′-bis (trifluoromethyl) -4,4′-diaminobiphenyl and hexafluoro Polyimides obtained by condensation polymerization of diphthalic dianhydride, di (1H, 1H-perfluorobutyl) pyromellitic dianhydride, and trifluoromethylpyromellitic acid are particularly preferred examples. These polyimides generally have a refractive index of about 1.5, but the refractive index can be adjusted by substituting a diamine component and / or tetracarboxylic acid with another diamine or tetracarboxylic acid.
[0036]
As the diamine component, those in which 1 mol% to 10 mol% of all diamine components are siloxydiamines are preferable because the adhesion to the substrate is improved when a coating film is formed. The diamine is not particularly limited, but is 1,3-bis (3-aminopropyl) -1,1,2,2-tetramethyldisiloxane, 1,3-bis (3-aminobutyl) -1,1,2. , 2-tetramethyldisiloxane, bis (4-aminophenoxy) dimethylsilane, 1,3-bis (4-aminophenoxy) tetramethyldisiloxane, and the like, and two or more of these can be used in combination.
[0037]
The polyimide used in the present invention can be used by blending a maleimide compound. Among the maleimide compounds, bismaleimide is preferred, and particularly preferred are, for example, 2,2'-bis (4-maleimidophenyl) hexafluoropropane and 2,2'-bis (4- (4-maleimidophenoxy) phenyl) hexa Fluorine-containing bis such as fluoropropane, 2,2'-bis (4- (2-trifluoromethyl-4-maleimidophenoxy) phenyl) hexafluoropropane, 4,4'-bis (4-maleimidophenoxy) octafluorobiphenyl Maleimides can be exemplified, but other usable bismaleimides include, for example, 4,4′-bismaleimidediphenylmethane, 4,4′-bismaleimidediphenylether, 4,4′-bismaleimidobenzanilide, 2,2 '-Bis (4- (4-maleimidophenoxy) fe Le) propane and the like. It is also possible to use two or more of the above bismaleimides in combination.
[0038]
Here, maleimide can also be used as a maleimide prepolymer, and the maleimide prepolymer is preferably a bismaleimide prepolymer such as bismaleimide alone, bismaleimide-diamine, bismaleimide-biscyanate or bismaleimide-biscyanamide, particularly fluorine-containing. Preferred is a fluorinated maleimide prepolymer composed of one or more of bismaleimide, fluorinated diamine, fluorinated biscyanate, and fluorinated biscyanamide.
[0039]
The amount of the maleimide compound or the maleimide prepolymer used is less than 30 parts by weight, preferably less than 20 parts by weight, based on 100 parts by weight of the resin solid content as the total amount of the tetracarboxylic acid component and the diamine component. Up to 30 parts by weight, the adhesive effect appears as the added amount increases, but if it is more than 30 parts by weight, the adhesive effect is not particularly improved and the mechanical properties of the formed film are unpreferably reduced.
[0040]
The addition of the maleimide compound in the polyimide precursor solution according to the present invention is particularly effective in improving the adhesiveness to substrate materials other than metals, for example, glass, ceramics, organic materials, and the like. Is preferred from the viewpoints of high concentration, film formability and the like.
[0041]
Further, to the polyimide precursor composition of the present invention, an unsaturated compound such as a vinyl compound and an allyl compound which can be expected to have the same effect as the maleimide compound can be added.
[0042]
The fluorinated polyimide film according to the present invention is a polyimide precursor or a polyamide acid obtained by mixing and polymerizing the above diamine component and tetracarboxylic acid component and optionally the above maleimide compound at 10 to 100 ° C. or heating or heating it. It is obtained by applying a polyimide solution polycondensed by a dehydrating agent to a substrate, drying and / or baking.
[0043]
Solvents for polyimide or polyamic acid include N-methylpyrrolidone, dimethylacetamide, dimethylformamide, 1,3-dimethyl-3,4,5,6-tetrahydro-2 (1H) -pyrimidinone, 1,3-dimethyl-2 -Nitrogen-containing compounds such as imidazolidinone, sulfur-containing compounds such as sulfolane and dimethyl sulfoxide, γ-butyrolactone, α-methyl-γ-butyrolactone, γ-valerolactone, δ-valerolactone, γ-caprolactone, ε-caprolactone, etc. Examples of the lactones include carbonates such as ethylene carbonate and propylene carbonate, esters such as butyl acetate, ethyl cellosolve acetate and butyl cellosolve acetate, dibutyl ether, diethylene glycol dimethyl ether, and the like. Starting from ethers such as ethylene glycol dimethyl ether, ketones such as methyl isobutyl ketone, cyclohexanone, and acetophenone, alcohols such as butanol, octanol, and ethyl cellosolve, as well as linear or cyclic amides, ureas, sulfoxides, and sulfones , A hydrocarbon-based solvent, a halogen-based solvent and the like can be added in a range that does not affect the stability of the polyamic acid solution or the polyimide precursor composition.
[0044]
The fluorine-containing polyimide according to the present invention can also form a film by adding an ultraviolet absorber and / or a light stabilizer when forming a coating film.
[0045]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0046]
[Measurement and evaluation methods]
Optical characteristics: Visible light reflectance (380 nm to 780 nm), emissivity (ε) are measured by a 340 type self-recording spectrophotometer (manufactured by Hitachi, Ltd.) in accordance with JISZ8722 and JISR3106. did.
[0047]
Electrical characteristics: The surface resistance (Ω / □) was measured using a surface resistance meter (Loresta-AP) manufactured by Mitsubishi Yuka.
Weather resistance: The appearance after 1000 hours was visually observed with a Sanshia weatherometer.
[0048]
Acid resistance: 0.1N H at about 25 ° C2SO4After immersing the glass plate in the aqueous solution for 24 hours, the appearance was visually observed.
Alkali resistance: The glass plate was immersed in a 0.1N NaOH aqueous solution at about 25 ° C. for 24 hours, and the appearance was visually observed.
[0049]
Film thickness: The transparent conductive film was etched with an aqueous solution of caustic soda, and the fluorine-containing polyimide film was mechanically damaged, and the level difference was measured with a surface roughness meter (DEKTAK30-30, manufactured by SLOAN).
[0050]
Refractive index: Measured with an ellipsometer (Mizojiri Optical Industrial Co., Ltd., DVA-36L).
(Preparation example)
A soda-lime glass float glass plate (FL5) having a size of about 300 mm × 300 mm and a thickness of about 3 mm was washed sequentially with a neutral detergent, water rinse, and isopropyl alcohol, and dried to obtain a glass plate for coating.
[0051]
Monobutyl trichlorotin [(C4H9) SnCl3100 g and 3 g of ammonium fluoride were dissolved in a mixed solvent of 550 g of dichloromethane, about 300 g of ethanol and about 50 g of pure water to make about 1000 g to prepare a coating solution.
[0052]
The obtained coating solution is sprayed on the float glass plate, which has been heated to about 550 ° C. in advance, by a two-fluid spray gun at a coating amount of about 250 g / min for about 10 seconds, and then discharged to room temperature. After cooling, a tin oxide-coated glass plate having a fluorine-doped tin oxide film having a thickness of about 400 nm and a refractive index of about 2.0 was obtained.
[0053]
The obtained tin oxide-coated glass sheet had a sheet resistance value of 18Ω / □ and an emissivity of 0.18.
[Example 1]
In a four-necked separable flask equipped with a thermometer, a stirrer, a reflux condenser, and a nitrogen insertion tube, 32.0 g of 2,2'-bis (trifluoromethyl) -4,4'-diaminobiphenyl, 44.4 g of Hexafluoroisopropylidene diphthalic anhydride was charged, 687.6 g of dimethylacetamide was added, and the mixture was stirred at room temperature for 24 hours under a nitrogen stream to obtain a viscous transparent solution. Dimethylacetamide was further added thereto to prepare a 3% by weight polyimide precursor solution.
[0054]
A polyimide precursor solution is applied to the previously prepared tin oxide-coated glass plate with a spin coater, the solvent is evaporated at 70 ° C., and the mixture is baked at 350 ° C. for 1 hour to form a film having a thickness of 90.5 nm and a refractive index of 1. 52 transparent and colorless polyimide films were obtained.
[0055]
The average reflectance of visible light of the obtained glass plate coated with a polyimide film was 6.5%, the reflection color tone was colorless and transparent, and the iridescent reflection color had disappeared. Note that the tin oxide-coated glass plate before coating with the polyimide film exhibited a unique strong iridescent reflection color.
[0056]
FIG. 1 shows a spectrum of reflectance (%) between wavelengths 380 to 780 (nm).
No change was observed in any of the weather resistance, acid resistance, and alkali resistance tests.
[0057]
[Example 2]
In a four-necked separable flask equipped with a thermometer, a stirrer, a reflux condenser, and a nitrogen insertion tube, 32.0 g of 2,2′-bis (trifluoromethyl) -4,4′-diaminobiphenyl, 28.6 g of Trifluoromethylpyromellitic dianhydride was charged, 691.1 g of dimethylacetamide was added, and the mixture was stirred at room temperature for 24 hours under a nitrogen stream to obtain a viscous transparent solution. Dimethylacetamide was further added thereto to prepare a 3% by weight polyimide precursor solution.
[0058]
A polyimide precursor solution is applied to the previously prepared tin oxide-coated glass plate by a spin coater, the solvent is evaporated at 70 ° C., and the mixture is baked at 350 ° C. for 1 hour to form a film with a thickness of 88.3 nm and a refractive index of 1. 49 colorless and transparent polyimide films were obtained.
[0059]
The average reflectance of visible light of the obtained glass plate coated with a polyimide film was 6.3%, the reflection color tone was colorless and transparent, and the rainbow reflection color had disappeared.
No change was observed in any of the weather resistance, acid resistance, and alkali resistance tests.
[0060]
[Example 3]
In a four-necked separable flask equipped with a thermometer, a stirrer, a reflux condenser and a nitrogen insertion tube, 32.0 g of 2,2'-bis (trifluoromethyl) -4,4'-diaminobiphenyl, 46.8 g of Bis (1H, 1H-perfluorobutyl) pyromellitic dianhydride was charged, 691.1 g of dimethylacetamide was added, and the mixture was stirred at room temperature for 24 hours under a nitrogen stream to obtain a viscous solution. Dimethylacetamide was further added thereto to prepare a 3% by weight polyimide precursor solution.
[0061]
A polyimide precursor solution is applied to the previously prepared tin oxide-coated glass plate with a spin coater, the solvent is evaporated at 70 ° C., and the mixture is baked at 350 ° C. for 1 hour to obtain a film with a thickness of 89.1 nm and a refractive index of 1. 47 colorless and transparent polyimide films were obtained.
[0062]
The visible light average reflectance of the obtained glass plate coated with a polyimide film was 6.2%, the reflection color tone was colorless and transparent, and the iridescent reflection color had disappeared.
No change was observed in any of the weather resistance, acid resistance, and alkali resistance tests.
[0063]
[Comparative Example 1]
In a four-neck separable flask equipped with a thermometer, a stirrer, a reflux condenser, and a nitrogen insertion tube, 32.0 g of 2,2'-bis (trifluoromethyl) -4,4'-diaminobiphenyl, 32.2 g of 3,3 ′, 4,4′-Benzophenonetetracarboxylic dianhydride was charged, 690.5 g of dimethylacetamide was added, and the mixture was stirred at room temperature for 24 hours under a nitrogen stream to obtain a viscous transparent solution. Dimethylacetamide was further added thereto to prepare a 3% by weight polyimide precursor solution.
[0064]
A polyimide precursor solution is applied to the previously prepared tin oxide-coated glass plate with a spin coater, the solvent is evaporated at 70 ° C., and the mixture is baked at 350 ° C. for 1 hour to form a film having a thickness of 90.5 nm and a refractive index of 1. 67 transparent polyimide films were obtained.
[0065]
The average visible light reflectance of the obtained glass plate coated with a polyimide film was 9.5%, and the reflection color tone was iridescent.
FIG. 1 shows a spectrum of reflectance (%) between wavelengths 380 to 780 (nm).
[0066]
[Comparative Example 2]
The polyimide precursor solution used in Example 1 was applied to the previously prepared tin oxide-coated glass plate by a spin coater, and the solvent was volatilized at 70 ° C. The same application was further repeated, followed by firing at 350 ° C for 1 hour. As a result, a colorless and transparent polyimide film having a thickness of 185.9 nm was obtained.
[0067]
The average reflectance of visible light of the obtained glass plate coated with a polyimide film was 12.9%, and the color tone exhibited a unique strong iridescent reflection color.
FIG. 1 shows a spectrum of reflectance (%) between wavelengths 380 to 780 (nm).
[0068]
(Reference example)
As a reference example, the reflection spectra of a glass plate for film formation with no film formed thereon and a glass plate coated with only the tin oxide film prepared in the adjustment example are shown. The visible light reflectance was 8.2% and 13.8%, respectively.
[0069]
【The invention's effect】
The achromatic infrared reflective glass of the present invention does not exhibit a rainbow-colored appearance specific to the infrared reflective glass as shown in the examples and FIG. 1, is excellent in aesthetic appearance, and is excellent in weather resistance. It is useful as a window glass for vehicles.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the reflectance (in the wavelength range of 380 to 780 (nm)) of the infrared reflective glass of Example 1 of the present invention, the glass plate of the reference example, the glass plate coated with tin oxide, and the infrared reflective glass of each comparative example. (%) Is a diagram showing a spectrum.