JP3565071B2 - Phthalocyanine compound, intermediate thereof, method for producing the compound and use thereof - Google Patents
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- XSYAKBJCDWDKBG-UHFFFAOYSA-N CCCCCCCCOc(c(C(NC1=N)=N)c1c(OCCCCCCCC)c1Cl)c1Sc(cccc1)c1N Chemical compound CCCCCCCCOc(c(C(NC1=N)=N)c1c(OCCCCCCCC)c1Cl)c1Sc(cccc1)c1N XSYAKBJCDWDKBG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なフタロシアニン化合物に関し、詳しくは、800〜1200nmの近赤外領域に吸収を有し、有機溶剤に対する溶解性に優れており、光カード、有機光導電体、近赤外線吸収フィルター、熱線遮蔽フィルム、保護眼鏡、レーザーダイレクト製版(CTP)、レーザー熱転写記録、レーザー感熱記録等に有用な新規フタロシアニン化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フタロシアニン化合物のある種のものは近赤外線吸収能力に優れるため、光カード、近赤外線吸収フィルター、熱線遮蔽フィルム、保護眼鏡、レーザーダイレクト製版、レーザー熱転写記録、レーザー感熱記録、レーザープリンターの有機光導電体などへの応用が近年注目されている。
【0003】
このようなフタロシアニン化合物として本発明者らが先に出願した特開平8−176101号公報には、3及び6位にアルコキシ基を有し、かつ4位に2−アミノフェニルチオ基を有するフタロニトリル化合物と、金属又は金属誘導体とを反応させることにより得られるフタロシアニン化合物が開示されている。しかしながら、このようなフタロニトリルを中間体とした場合、得られたフタロシアニン化合物は吸光係数、吸収波長領域ともに十分満足できるものでは無かった。その理由は、かくして得られたフタロシアニン化合物は各置換基の位置及び数が異なるフタロシアニン化合物及び多量体のフタロシアニン化合物等からなる混合物であるためと推定される。
【0004】
最近では特に熱線遮断フィルム、プラズマディスプレーの近赤外線吸収フィルター、レーザーダイレクト製版、レーザー熱転写記録、レーザー感熱記録等、近赤外線吸収材料や光熱変換材料としての用途に従来のフタロシアニン化合物より長波長側に吸収を有し、かつその吸光係数の高いフタロシアニン化合物が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、800〜1200nmの波長領域に吸収を有し、前記した諸特性に優れる近赤外線吸収剤として有用なフタロシアニン化合物、これを製造するための新規な中間体及び製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために種々検討した結果、本発明者らはフタロニトリル化合物から特定の中間体を経ることにより、800〜1200nmの吸収領域において強い吸収を有し、有機溶剤に対する溶解性に優れたフタロシアニン化合物が得られることを見い出した。
【0007】
本発明は、まず、一般式(I)で表わされるフタロシアニン化合物及びこれを含有する近赤外線吸収材料、光熱変換材料に関する。
【0008】
【化7】
(式中、Rはアルキル基又はアルコキシアルキル基を示し、Xはハロゲン原子;アルキルチオ基;置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アルキル基で置換されてもよいアミノ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニルチオ基;又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基もしくはハロゲン原子を有してもよいナフチルチオ基を示し、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価もしくは4価の金属の誘導体を示す。)
【0009】
また本発明は一般式(II)〜(V)の少なくとも一種からなるフタロシアニン化合物及びこれを含有する近赤外線吸収材料、光熱変換材料に関する。
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
(式中、R1〜R4はアルキル基又はアルコキシアルキル基を示し、Xはハロゲン原子;アルキルチオ基;置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アルキル基で置換されてもよいアミノ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニルチオ基;又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基もしくはハロゲン原子を有してもよいナフチルチオ基を示し、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価もしくは4価の金属の誘導体を示す。)
【0012】
更に本発明は一般式(VI)で表わされるジイミノイソインドリン化合物と金属又は金属誘導体とを反応させることを特徴とする、前記一般式(I)又は(II)〜(V)で表わされるフタロシアニン化合物の製造方法に関する。
【0013】
【化10】
(式中、R5、R6はアルキル基又はアルコキシアルキル基を示し、Xはハロゲン原子;アルキルチオ基;置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アルキル基で置換されてもよいアミノ基もしくはハロゲン原子を有してもよいフェニルチオ基;又は置換基として炭素数1〜4のアルキル基もしくはハロゲン原子を有してもよいナフチルチオ基を示す。)
更に本発明は前記一般式(VI)で表わされるジイミノイソインドリン化合物及びその製造法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(フタロシアニン化合物)
本願の発明は下記一般式(I)又は(II)〜(V)の少なくとも一種からなるフタロシアニン化合物(以下、本発明のフタロシアニン化合物という。)である。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
(式中(I)又は(II)〜(V)中、R、 R1〜R4、X、Mは前記と同じものを示す。)
【0018】
本発明のフタロシアニン化合物において、R又はR1〜R4がアルキル基である場合は、炭素数1〜12の直鎖或いは分岐のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖或いは分岐のアルキル基が特に好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
【0019】
R又はR1〜R4がアルコキシアルキル基である場合は、総炭素数2〜8のものが好ましく、総炭素数3〜6のものが特に好ましい。例としてメトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、n−プロポキシエチル基、iso−プロポキシエチル基が挙げられる。
【0020】
Xはハロゲン原子、アルキルチオ基、置換基を有してもよいフェニルチオ基又は置換基を有してもよいナフチルチオ基であるが、Xがハロゲン原子であるものとしては、塩素原子、臭素原子、弗素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
【0021】
Xがアルキルチオ基である場合としては炭素数1〜12のアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜8のアルキルチオ基が特に好ましい。具体例としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、sec−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、イソヘプチルチオ基、sec−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基等が挙げられる。
【0022】
Xが置換基を有してもよいフェニルチオ基である場合は、この様な置換基としては炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、更にアルキル基で置換されてもよいアミノ基、ハロゲン原子が好ましい。この様な置換基を有してもよいフェニルチオ基の具体例としてはフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−エチルフェニルチオ基、p−n−ブチルフェニルチオ基、p−n−プロピルフェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、p−n−オクチルフェニルチオ基、p−メトキシフェニルチオ基、p−エトキシフェニルチオ基、p−n−プロポキシフェニルチオ基、p−iso−プロポキシフェニルチオ基、p−n−ブトキシフェニルチオ基、p−iso−ブトキシフェニルチオ基、p−sec−ブトキシフェニルチオ基、p−n−ペントキシフェニルチオ基、p−n−オクチルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、p−ジメチルアミノフェニルチオ基、p−ジエチルアミノフェニルチオ基、p−ジ−n−ブチルアミノフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、p−ブロモフェニルチオ基、p−フロロフェニルチオ基、2,4−ジクロロフェニルチオ基等が挙げられる。特にフェニルチオ基、置換基として炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、総炭素数1〜8のジアルキルアミノ基又はハロゲン原子を有するフェニルチオ基が好ましい。
【0023】
Xが置換基を有してもよいナフチルチオ基である場合は、この様な置換基としては炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子が好ましい。この様な置換基を有してもよいナフチルチオ基の具体例としては、ナフチルチオ基、メチルナフチルチオ基、n−プロピルナフチルチオ基、iso−プロピルナフチルチオ基、n−ブチルナフチルチオ基、tert−ブチルナフチルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、フロロナフチルチオ基等が挙げられる。特にナフチルチオ基、炭素数1〜4のアルキル基を有するナフチルチオ基が好ましい。
【0024】
Mが2価の金属であるものとしては、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Pbが好ましく、3価もしくは4価の金属の誘導体であるものとしてはとしては、AlCl、InCl、FeCl、MnOH、SiCl2、SnCl2、GeCl2、Si(OH)2、Sn(OH)2、Ge(OH)2、VO、TiOが好ましい。Mとしては特にCu、Ni、Co、FeCl、Zn、VO、Pd、MnOHが好ましい。
【0025】
本発明のフタロシアニン化合物としては具体的には下記一般式(II)〜(V)のフタロシアニン化合物が含まれるが、置換基の立体障害の影響により、一般式(II)の化合物が主に生成しやすい。
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
前記一般式(II)〜(V)で表わされるフタロシアニン化合物においてR1〜R4の置換基の種類に関しては、R1〜R4のすべてが同一の置換基である場合が特に好ましい。
【0028】
本発明の一般式(I)又は(II)〜(V)であらわされるフタロシアニン化合物の好ましい具体例を表1〜6に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
(ジイミノイソインドリン化合物)
本発明のフタロシアニン化合物の中間体は、一般式(VI)で表わされるジイミノイソインドリン化合物である。
【0036】
【化16】
(式中、R5、R6、Xは前記と同じものを示す。)
【0037】
前記一般式(VI)で表されるジイミノイソインドリン化合物において、R5〜R6はアルキル基、アルコキシアルキル基であって、各々、前記一般式(I)(V)のフタロシアニン化合物のR又はR1〜R4と同様であってよい。また、Xはハロゲン原子、アルキルチオ基、置換基を有してもよいフェニルチオ基、置換基を有してもよいナフチルチオ基であって、各々、前記一般式(I)〜(V)のフタロシアニン化合物のXと同様であってよい。
【0038】
一般式(VI)で表わされる本発明のジイミノイソインドリン化合物の具体例を以下に示す。
【0039】
VI−(1) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジメトキシイソインドリン
VI−(2) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジメトキシイソインドリン
VI−(3) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−オクチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジメトキシイソインドリン
VI−(4) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ウンデシルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジメトキシイソインドリン
VI−(5) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジエトキシイソインドリン
VI−(6) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジエトキシイソインドリン
VI−(7) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ノニルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジエトキシイソインドリン
VI−(8) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ドデシルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジエトキシイソインドリン
VI−(9) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−n−ブチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジエトキシイソインドリン
VI−(10) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−プロポキシイソインドリン
【0040】
VI−(11) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−sec−ヘプチルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−プロポキシイソインドリン
VI−(12) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−n−ブトキシフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−プロポキシイソインドリン
VI−(13) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−プロポキシイソインドリン
VI−(14) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ペンチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−プロポキシイソインドリン
VI−(15) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ブトキシイソインドリン
VI−(16) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ブトキシイソインドリン
VI−(17) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−シクロヘキシルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ブトキシイソインドリン
VI−(18) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ブトキシイソインドリン
VI−(19) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ブトキシイソインドリン
VI−(20) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ブトキシイソインドリン
【0041】
VI−(21) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フェニルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ブトキシイソインドリン
VI−(22) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ブトキシイソインドリン
VI−(23) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−tert−ブチルフェニルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ブトキシイソインドリン
VI−(24) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ブトキシイソインドリン
VI−(25) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ペントキシイソインドリン
VI−(26) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ペントキシイソインドリン
VI−(27) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−クロロフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ペントキシイソインドリン
VI−(28) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−メチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ペントキシイソインドリン
VI−(29) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(30) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
【0042】
VI−(31) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(32) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−エチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(33) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−iso−プロピルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(34) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−メトキシフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(35) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(ナフチルチオ−2−イル)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(36) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(ナフチルチオ−1−イル)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(37) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−ジメチルアミノフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(38) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−エトキシフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(39) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−ブロモフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(40) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(2,4−ジクロロフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
【0043】
VI−(41) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ブチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(42) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ペントキシイソインドリン
VI−(43) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−エチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ペントキシイソインドリン
VI−(44) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−プロピルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−sec−ペントキシイソインドリン
VI−(45) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−neo−ペントキシイソインドリン
VI−(46) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(47) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(48) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(49) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−neo−ペンチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(50) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘキシルオキシイソインドリン
【0044】
VI−(51) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−iso−プロピルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(52) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(53) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(54) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−メチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘキシルオキシイソインドリン
VI−(55) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ヘプチルオキシイソインドリン
VI−(56) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(2,4−ジメチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ヘプチルオキシイソインドリン
VI−(57) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘプチルオキシイソインドリン
VI−(58) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ペンチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘプチルオキシイソインドリン
VI−(59) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘプチルオキシイソインドリン
VI−(60) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−ジメチルアミノフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ヘプチルオキシイソインドリン
VI−(61) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン
【0045】
VI−(62) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン
VI−(63) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン
VI−(64) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−フロロフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン
VI−(65) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−メチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン
VI−(66) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)イソインドリン
VI−(67) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ノニルオキシイソインドリン
VI−(68) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−iso−ペンチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ノニルオキシイソインドリン
VI−(69) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−デシルオキシイソインドリン
VI−(70) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−デシルオキシイソインドリン
VI−(71) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ウンデシルオキシイソインドリン
【0046】
VI−(72) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−ドデシルオキシイソインドリン
VI−(73) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−メトキシエトキシ)イソインドリン
VI−(74) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ヘキシルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−メトキシエトキシ)イソインドリン
VI−(75) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−iso−ヘキシルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−イソインドリン
VI−(76) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−sec−ヘキシルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−エトキシエトキシ)イソインドリン
VI−(77) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−エトキシエトキシ)イソインドリン
VI−(78) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−n−プロポキシエトキシ)イソインドリン
VI−(79) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−n−プロポキシエトキシ)イソインドリン
VI−(80) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−iso−プロポキシエトキシ)イソインドリン
VI−(81) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−n−ヘプチルチオ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−iso−プロポキシエトキシ)イソインドリン
【0047】
VI−(82) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(2−エチルヘキシルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−iso−プロポキシエトキシ)イソインドリン
VI−(83) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(3−エトキシプロポキシ)イソインドリン
VI−(84) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−ブロモ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(3−エトキシプロポキシ)イソインドリン
VI−(85) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(4−エトキシブトキシ)イソインドリン
VI−(86) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(4−エトキシブトキシ)イソインドリン
VI−(87) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−エチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(4−エトキシブトキシ)イソインドリン
VI−(88) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−n−プロピルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(4−エトキシブトキシ)イソインドリン
VI−(89) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4−n−オクチルオキシ−7−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(90) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4−(2−メトキシエトキシ)−7−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(91) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−フェニルチオ−1,3−ジイミノ−4−(2−メトキシエトキシ)−7−iso−ペントキシイソインドリン
VI−(92) 5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−tert−ブチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−iso−ペントキシイソインドリン
【0048】
(フタロシアニン化合物の製造方法)
本発明のフタロシアニン化合物を製造するには、前記一般式(VI)のジイミノイソインドリン化合物と金属又は金属誘導体を反応させる。
【0049】
金属または金属誘導体としては、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pb及びこれらのハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、酸化物、錯体等が挙げられる。特に金属のハロゲン化物またはカルボン酸塩が好ましく用いられ、これらの例としては塩化銅、臭化銅、沃化銅、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガン、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム、塩化チタン、塩化スズ等が挙げられる。
【0050】
金属または金属誘導体の使用量は、一般式(VI)のジイミノイソインドリン化合物に対して0.1〜0.6倍モル、好ましくは0.20〜0.5倍モルである。
【0051】
反応温度は100〜300℃、好ましくは130〜220℃である。
【0052】
反応に於いては、溶媒を使用することが、好ましい。
【0053】
反応に使用される溶媒としては沸点60℃以上、好ましくは80℃以上の有機溶媒が好ましい。例として、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコール溶媒、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、スルフォラン、ニトロベンゼン、キノリン、尿素等の高沸点溶媒が挙げられる。
【0054】
溶媒の使用量は一般式(VI)のジイミノイソインドリン化合物に対して0.5〜50倍重量、好ましくは1〜15倍重量である。
【0055】
反応は触媒の存在下或いは非存在下に進行し、触媒としてはモリブデン酸アンモニウム等の無機触媒、或いはDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)等の塩基性有機触媒を使用できる。添加量はジイミノイソインドリン化合物1モルに対して、0.01〜10モル、好ましくは0.1〜2モルである。
【0056】
後処理としては、反応後に溶媒を留去するか、又は反応液をフタロシアニン化合物に対する貧溶媒に排出して析出物をろ取することにより目的物が得られる。かくして得られる本発明のフタロシアニン化合物は、このままでも近赤外線吸収材料、光熱変換材料に十分使用できるが、更に再結晶或いはカラムクロマトグラフィー等で精製することにより、より高純度の目的物を得ることができる。
【0057】
(ジイミノイソインドリン化合物の製造方法)
本発明のフタロシアニン化合物の中間体であるジイミノイソインドリン(VI)を製造するには、一般式(VII)で表わされるフタロニトリル化合物とアンモニアとを、金属アルコキサイドの存在下に反応させる。
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
(式(VI)、(VII)中、R5、R6、Xは前記と同じものを示す。)
【0060】
一般式(VI)で表わされるジイミノイソインドリン化合物の製造方法の詳細を下記に説明する。
【0061】
金属アルコキサイドとしてはナトリウム或いはカリウムのメトキサイド、エトキサイド、n−プロポキサイド、n−ブトキサイド、n−ペントキシサイド、n−ヘキシルオキシサイド、n−ヘプチルオキシサイド、n−オクチルオキシサイド、2−メトキシエトキシサイド、2−エトキシエトキサイド、2−n−ブトキシエトキサイド等が用いられる。金属アルコキサイドの使用量は化合物(VII)に対し0.01〜5モル、好ましくは0.1〜2.0モルである。
【0062】
反応に於いては、有機溶媒を併用することが好ましく、通常、有機溶媒としてはアルコール系溶媒が用いられる。
【0063】
アルコール系溶媒の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール等が用いられる。使用するアルコール溶媒の量は化合物(VII)1モルに対し200mL〜15Lであり、好ましくは500mL〜5Lである。
【0064】
一般式(VI)で表わされるジイミノイソインドリン化合物の製造においては、反応溶媒であるアルコールに金属ナトリウム又は金属カリウムを添加して、金属アルコキサイドのアルコール溶液を調整した後、アンモニア及び一般式(VII)のフタロニトリル化合物を装入し反応させてもよく、又他の方法としては、アンモニア、一般式(VII)のフタロニトリル化合物及び別途調整した金属アルコキサイドを反応溶媒に装入して反応させてもよい。この際、使用する金属量は化合物(VII)に対し、0.01〜5.0モル、好ましくは0.1〜2.0モルである。
【0065】
アンモニアの使用量は化合物(VII)1モルに対し1〜20モルであり、好ましくは3〜10モルである。
【0066】
反応温度は0℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは20℃〜溶媒の還流温度である。
【0067】
反応時間は30分〜72時間が好ましい。
【0068】
反応後、溶媒を留去し、トルエン等の芳香族有機溶媒にて抽出、水洗し、濃縮して一般式(VI)のジイミノイソインドリン化合物を得る。
【0069】
(近赤外線吸収材料)
本願の他の発明は、前記フタロシアニン化合物を含有する近赤外線吸収材料である。
【0070】
本発明のフタロシアニン化合物は、そのまま、或いはバインダーや添加物とともに、紙、プラスチックシート、プラスチックフィルム、ガラス、樹脂等に塗布又は混練したり、ハードコートしたり、モノマーとの混合物を重合させることにより、近赤外線吸収材料として種々の用途に使用できる。即ち、近赤外線吸収フィルター、保護眼鏡、農業用フィルム、熱線遮断フィルター、受光素子、長波長レーザー対応光記録媒体、偽造防止用の印刷インク、カモフラージュ用塗装等に使用できる。
【0071】
特に、本発明のフタロシアニン化合物は、樹脂に混合、分散または塗布したもの、或いはモノマーとの混合物を重合させたものが近赤外線吸収材料に好ましく用いられる。
【0072】
近赤外線吸収材料は、本発明のフタロシアニン化合物を透明樹脂、例えばポリアクリロニトリル樹脂、メタクリルニトリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などと混合したり、或いは本発明のフタロシアニン化合物を溶媒に溶解或いは分散し、上記樹脂を浸漬し加熱処理したり、上記樹脂に塗布することによって製造することができる。
【0073】
また本発明のフタロシアニン化合物をモノマー、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メシチレントリイソシアネート、1,4−ビス(α,α’−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−チオプロピル)イソシヌレート、2,2’−ジメチルプロパンジオールビス(2−チオアセテート)などと混合した後に重合することによって成形品を得ることもできる。
【0074】
また保護眼鏡用レンズの製造例としては、高屈折レンズ用樹脂に本発明のフタロシアニン化合物を溶解或いは分散し、射出成形する方法がある。
【0075】
本発明のを含有する近赤外線吸収材料は耐光堅牢度が極めて高く、長時間経過後も吸収能力が消失しないため、従来使用できなかった広い分野にも使用できる。
【0076】
(光熱変換材料)
更に本願の他の発明は、前記フタロシアニン化合物を含有する光熱変換材料である。
【0077】
本発明のフタロシアニン化合物は800〜1200nmの領域の近赤外光に対する吸光係数が高いので、この領域のレーザー光を吸収して熱に変換する光熱変換材料として、レーザーダイレクト製版(CTP)用原版、レーザー感熱記録材料、レーザー熱転写記録材料等に好ましく用いることができる。
【0078】
光熱変換材料は近赤外線吸材料と同様の方法により製造することができるが、各用途により、例えば下記のごとく実施することができる。
【0079】
本発明の光熱変換材料は、光熱変換剤としての本発明のフタロシアニン化合物以外にバインダー樹脂等を含有してもよい。
【0080】
光熱変換剤としては本発明のフタロシアニン化合物以外に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、公知の種々の近赤外吸収剤が併用できる。
【0081】
併用できる近赤外吸収剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック等の顔料や『化学工業(1986年、5月号)』の「近赤外吸収色素」(P45〜51)や『90年代 機能性色素の開発と市場動向』シーエムシー(1990)第2章2.3に記載されているポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン(類似)系色素、アミニウム、ジインモニウム系色素等、またアゾ系色素、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素等の顔料、染料系の色素が挙げられる。
【0082】
バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物などの光重合性化合物を重合・架橋させたポリマーなどを挙げることができる。
【0083】
本発明の光熱変換材料をレーザー熱転写記録材料、レーザー感熱記録材料等の記録材料に用いる場合は、光熱変換材料に発色成分または着色成分等を配合して使用してもよいし、発色成分または着色成分等を含有する層を別途設けてもよい。発色成分または着色成分としては、昇華性染顔料や電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物、重合性ポリマー等の熱によって物理的、化学的な変化で画像を形成するもので、従来から種々検討されているものが使用できる。
【0084】
例えば、レーザー熱転写記録材料の着色成分としては、特に限定するものではないが、顔料タイプのものとして、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等の無機顔料やアゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系、フタロシアニン系、キナクリドン系等の有機顔料が挙げられる。染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料等が挙げられる。
【0085】
レーザー感熱記録材料の発色成分としては、特に限定されるものではないが、従来から感熱記録材料に用いられているものを使用できる。電子供与性染料前駆体としては、すなわちエレクトロンを供与してまたは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであって、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、電子受容性化合物と接触してこれらの部分骨格が開環若くは開裂する化合物が用いられる。例えば、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられる。電子受容性化合物としては、フェノール性化合物、有機酸若くはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0086】
本発明の光熱変換材料は、ダイレクト製版用平版印刷原版に好適に用いることができる。ダイレクト製版用平版印刷原版は、支持体上に光熱変換層を設けてなる。また、光熱変換層上にシリコンゴム層を積層してもよいし、更に、保護層等を積層してもよい。
【0087】
光熱変換層を構成する成分としては、上記の光熱変換材料以外に、画像形成成分、バインダー樹脂等がある。あるいは画像形成成分を含む層を光熱変換層の上に積層して設けてもよい。
【0088】
画像形成成分としては、熱によって物理的、化学的な変化で画像を形成するもので、従来から種々検討されているものが使用できる。例えば、特開平3−108588号公報に開示されているマイクロカプセル化された熱溶融性物質と結着性樹脂等を含有するもの、昭62−164049号公報に開示されている親水性表面を有する支持体上に活性水素含有バインダーと共にブロックイソシアネート等を含有するもの、特開平7−1849号公報に開示されているマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマー等を含有するもの、特開平8−220752号公報に開示されている酸前駆体、ビニルエーテル基を有する化合物、及びアルカリ可溶性樹脂等を含有するもの、特開平9−5993号公報に開示されている水酸基を有する高分子化合物とo−ナフトキノンジアジド化合物等を含有するもの、特開平9−131977号公報に開示されているニトロセルロース等を含有するもの、特開平9−146264号公報に開示されている重合開始剤及びエチレン性不飽和モノマー、オリゴマー、マクロモノマー等を含有するもの等が挙げられ、特に制限はない。場合によっては、特開平9−80745号公報、特開平9−131977号公報、特開平9−146264号公報等に開示されているように光熱変換層(感光層または感熱記録層)上にシリコンゴム層を積層し、露光後、シリコンゴム層を密着または剥離することにより画像部を形成してもよい。
【0089】
光熱変換層に用いられるバインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル酸系モノマーの単独重合体または共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエステル、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物などの光重合性化合物を重合・架橋させたポリマーなどを挙げることができる。
【0090】
用いる支持体としては、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅等のような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックフィルム等が挙げられるが、代表的なものとして、コート紙、アルミニウムのような金属板、ポリエチレンテレフタレートのようなプラスチックフィルム、ゴム、あるいはそれらを複合させたものを挙げることができ、好ましくは、アルミニウム、アルミニウム含有合金及びプラスチックフィルムである。支持体の膜厚は25μm〜3mm、好ましくは100μm〜500μmである。
【0091】
通常は、光熱変換材料、画像形成成分、バインダー樹脂等を有機溶剤等に分散または溶解させ支持体に塗布し、印刷用平版印刷原版を作製する。
【0092】
支持体と光熱変換層との間には、接着性向上や印刷特性向上のためのプライマー層を設けてもよいし、支持体自身を表面処理してもよい。用いるプライマー層としては、例えば、特開昭60−22903号公報に開示されているような種々の感光性ポリマーを光熱変換層を積層する前に露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特開平3−200965号公報に開示されているウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたものや特開平3−273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。
【0093】
光熱変換層またはシリコンゴム層の表面保護のための保護膜としては、透明なフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、セロファン等をラミネートしたり、これらのフィルムを延伸して用いてもよい。
【0094】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0095】
(実施例1)
5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン(化合物(VI−(29))の製造
n−プロピルアルコール200mLに金属ナトリウム0.7gを溶解させた液へ室温下、アンモニアガスを流速120mL/分にて1時間導入した。次いで、4−(2−アミノフェニルチオ)−5−クロロ−3,6−ジイソペントキシフタロニトリル22.8gを添加し、50〜60℃で20時間撹拌した。冷却後、n−プロピルアルコールを留去し、残渣へトルエン200mLを加え、30〜40℃で加温溶解した。次いで、水500mLを加え、分散、静置、分液した。同操作を4回繰り返してトルエン層を洗浄した。次いで、トルエン層よりトルエンを留去し、n−ヘプタン200mLを加え、60〜65℃で30分撹拌後、室温まで冷却した。結晶を濾取、乾燥して下記構造式の5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン20.3g(収率85.8%)を得た。
【0096】
【化19】
【0097】
この結晶の元素分析値、質量分析値及び融点は、下記の通りであった。この化合物の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
MS(m/e):474(M+)
融点:174.8〜176.1℃
【0098】
(実施例2)
5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン(化合物(VI−(61))の製造 n−プロピルアルコール265mLに金属ナトリウム0.9gを溶解させた液へ室温下、アンモニアガスを流速120mL/分にて1時間導入した。次いで、4−(2−アミノフェニルチオ)−5−クロロ−3,6−ジ−n−オクチルオキシフタロニトリル35.8gを添加し、50〜60℃で20時間撹拌した。冷却後、実施例1と同様な処理を行って下記構造式の5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン16.4g(収率44.4%)を得た。
【0099】
【化20】
この結晶の元素分析値、質量分析値及び融点は、下記の通りであった。この化合物の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
MS(m/e):559(M+)
融点 : 97〜99℃
【0100】
(実施例3)
5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−エトキシエトキシ)イソインドリン(化合物(VI−(77))の製造
n−プロピルアルコール250mLに金属ナトリウム0.8gを溶解させた液へ室温下、アンモニアガスを流速120mL/分にて1時間導入した。次いで、4−(2−アミノフェニルチオ)−5−クロロ−3,6−ジ−(2−エトキシエトキシ)フタロニトリル27.6gを添加し、50〜60℃で20時間撹拌した。冷却後、実施例1と同様な処理を行って下記構造式の5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−エトキシエトキシ)イソインドリン27.6g(収率96.2%)を得た。
【0101】
【化21】
この結晶の元素分析値、質量分析値及び融点は、下記の通りであった。この化合物の赤外線吸収スペクトルを図3に示す。
MS(m/e):480(M+)
融点 :114〜116℃
【0102】
(実施例4)
5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−tert−ブチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン(化合物(VI−(92))の製造
n−プロピルアルコール200mLに金属ナトリウム0.6gを溶解させた液へ室温下、アンモニアガスを流速120mL/分にて1時間導入した。次いで、4−(2−アミノフェニルチオ)−5−(4−tert−ブチルフェニルチオ)−3,6−ジイソペントキシフタロニトリル27.0gを添加し、50〜60℃で20時間撹拌した。冷却後、実施例1と同様な処理を行って下記構造式の5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−tert−ブチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン20.9g(収率75.2%)を得た。
【0103】
【化22】
この結晶の元素分析値、質量分析値及び融点は、下記の通りであった。この化合物の赤外線吸収スペクトルを図4に示す。
MS(m/e):605(M++1)
融点 :198〜199℃
【0104】
(実施例5)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(31))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.75gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例1で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン4.75g及び塩化バナジウム0.47gを添加した。次いで、155〜160℃で3時間撹拌した後、60〜70℃に冷却してメタノール300mlを添加した。室温まで冷却した後、濾取、乾燥して黒緑色粉末3.6gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[シリカゲル/トルエン:n−ヘキサン(1:1)]して精製物2.5gを黒緑色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0105】
得られた化合物のIRスペクトルを図5に示す。
MS(m/e):1545(M+)
【0106】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は1004.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は8.29×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図6に示す。
【0107】
(比較例1) フタロシアニン化合物の製造(特開平8−176101号公報に開示の化合物)
4−(2−アミノフェニチルチオ)−5−クロロ−3,6−ジイソペントキシフタロニトリル12.6g、塩化バナジウム1.9g、DBU7.8g、n−ペンチルアルコール78mLを混合した後、還流下48時間攪拌した。冷却後、メタノール500mLに排出し、析出物を濾取、乾燥して粗製物6.3gを黒色粉末として得た。これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン)で精製して、精製物2.8gを黒色粉末として得た。
【0108】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は943nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は4.76×104ml/g・cmであった。
【0109】
(実施例6)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(32))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.75gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例1で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン4.75g及び塩化銅(I)0.3gを添加した。次いで、155〜160℃で3時間撹拌した後、60〜70℃に冷却してメタノール300mlを添加した。室温まで冷却した後、濾取、乾燥して黒緑色粉末3.6gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[シリカゲル/トルエン:n−ヘキサン(3:1)]して精製物2.7gを黒青色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0110】
得られた化合物のIRスペクトルを図7に示す。
MS(m/e):1543(M+)
【0111】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は938nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は8.23×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図8に示す。
【0112】
(比較例2) フタロシアニン化合物の製造(特開平8−176101号公報に開示の化合物)
4−(2−アミノフェニチルチオ)−5−クロロ−3,6−ジイソペントキシフタロニトリル12.6g、塩化銅(I)1.2g、DBU7.8g、n−ペンチルアルコール78mLを混合した後、還流下48時間攪拌した。冷却後、メタノール500mLに排出し、析出物を濾取、乾燥して粗製物7.3gを黒色粉末として得た。これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン)で精製して、精製物3.2gを黒色粉末として得た。
【0113】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は896nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は2.71×104ml/g・cmであった。
【0114】
(実施例7)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(34))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.75gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例1で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン4.75g及び塩化亜鉛0.3gを添加した。次いで、155〜160℃で8時間撹拌した後、実施例5と同様な処理を行って暗青色粉末3.3gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[活性アルミナ/トルエン:メタノール(50:1)]して精製物1.8gを暗青色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0115】
得られた化合物のIRスペクトルを図9に示す。
MS(m/e):1544(M+)
【0116】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は873.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は7.26×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図10に示す。
【0117】
(実施例8)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(112))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.61gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例1で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン3.79g及び塩化マンガン0.4gを添加した。次いで、155〜160℃で2時間撹拌した後、実施例5と同様な処理を行って暗青色粉末2.8gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[シリカゲル/トルエン:メタノール(50:1)]して精製物1.6gを暗青色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0118】
【0119】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は1047.0nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は7.36×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図11に示す。
【0120】
(実施例9)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(137))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.76gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例2で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン5.59g及び塩化ニッケル0.3gを添加した。次いで、155〜160℃で9時間撹拌した後、実施例5と同様な処理を行って暗青色粉末3.8gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[活性アルミナ/トルエン]して精製物2.7gを暗青色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0121】
得られた化合物のIRスペクトルを図12に示す。
MS(m/e):1706(M+)
【0122】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は900.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は7.10×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図13に示す。
【0123】
(実施例10)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(152))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.76gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例4で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−tert−ブチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリン6.04g及び塩化バナジウム0.4gを添加した。次いで、155〜160℃で8時間撹拌した後、実施例5と同様な処理を行って暗緑色粉末4.7gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[シリカゲル/トルエン:n−ヘキサン(1:2)]して精製物3.1gを暗緑色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0124】
得られた化合物のIRスペクトルを図14に示す。
MS(m/e):2065(M++1)
【0125】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は1066.0nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は8.02×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図15に示す。
【0126】
(実施例11)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(159))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.61gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例2で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン4.47g及び塩化バナジウム0.3gを添加した。次いで、155〜160℃で5時間撹拌した後、実施例5と同様な処理を行って暗緑色粉末3.1gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[シリカゲル/トルエン:n−ヘキサン(1:2)]して精製物1.6gを暗緑色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0127】
得られた化合物のIRスペクトルを図16に示す。
MS(m/e):1712(M+)
【0128】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は1004.0nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は8.20×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図17に示す。
【0129】
(実施例12)
フタロシアニン化合物(化合物(I−(164))の製造
2−n−ブトキシエタノール15mLとDBU0.76gの混合物を145〜155℃に加熱後、実施例3で製造した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−エトキシエトキシ)イソインドリン7.18g及び塩化バナジウム0.6gを添加した。次いで、155〜160℃で10時間撹拌した後、実施例5と同様な処理を行って暗緑色粉末5.1gを得た。カラムクロマトグラフィーで精製[活性アルミナ/トルエン:アセトン(100:1)]して精製物3.8gを暗緑色粉末として得た。下記の分析結果により目的物であることを確認した。
【0130】
得られた化合物のIRスペクトルを図18に示す。
MS(m/e):1552(M++1)
【0131】
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は998.0nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は8.40×104ml/g・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図19に示す。
【0132】
(実施例13)近赤外線吸収材料の製造
1,4−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン24.4g、1,3,5−トリス(3−チオプロピル)イソシアネート23.4g、及び実施例5で合成したフタロシアニン化合物(I−(31))2g、ジブチルスズジラウレート0.06gとを混合し、均一液とした。この液をフッソ系外部離型剤で表面処理したガラスモールドと塩ビ製ガスケットよりなる鋳型の中に注入し、70℃で4時間、80℃で2時間、120℃で2時間加熱した後、冷却して離型した。得られた樹脂成形物は黒褐色で、特性吸収波長領域は900〜1100nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0133】
(実施例14)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例6で合成したフタロシアニン化合物(I−(32))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は800〜1050nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0134】
(実施例15)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例7で合成したフタロシアニン化合物(I−(34))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は750〜950nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0135】
(実施例16)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例8で合成したフタロシアニン化合物(I−(112))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は950〜1200nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0136】
(実施例17)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例9で合成したフタロシアニン化合物(I−(137))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は800〜1000nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0137】
(実施例18)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例10で合成したフタロシアニン化合物(I−(152))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は950〜1200nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0138】
(実施例19)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例11で合成したフタロシアニン化合物(I−(159))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は900〜1100nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0139】
(実施例20)近赤外線吸収材料の製造
実施例13において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに、実施例12で合成したフタロシアニン化合物(I−(164))を用いた以外は実施例13と同様な操作を行って、近赤外線吸収材料を作製した。得られた樹脂成形物の特性吸収波長領域は850〜1000nmであり、この波長の近赤外線をよく吸収した。
【0140】
(実施例21)近赤外線吸収フィルターの製造
ポリスチレン100gに実施例5で合成したフタロシアニン化合物(I−(31))1gを加え、加熱溶融し、射出成形によりフィルターを作製した。このようにして得られたフィルターは良好な透過率特性を示すと共に、耐久性に優れていた。
【0141】
(実施例22〜28)近赤外線吸収フィルターの製造
実施例21において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例6〜12で合成したフタロシアニン化合物を用いた以外は実施例21と同様な操作を行ってそれぞれ近赤外線吸収フィルターを製造した。このようにして得られたフィルターはいずれも良好な透過率特性を示すと共に、耐久性に優れていた。
【0142】
(実施例29)光熱変換材料の製造
平均厚さ5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、デルペット80N(旭化成工業株式会社製;アクリル系樹脂)10gと実施例5で合成したフタロシアニン化合物(I−(31))0.1gを、トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混液90gに溶解した溶液を乾燥膜厚約5μmになるように塗布して試料とした。
【0143】
YAGレーザー(波長1064nm)のレーザー光をレンズで集光し、上記試料の表面でビーム径10μmとなるように配置した。表面に到達するレーザーのパワーが180mWとなるようにYAGレーザーを調整し、20μsのパルス幅で単一パルスを試料に照射した。照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、直径約10μmの貫通した孔が形成されていることを確認できた。
【0144】
(実施例30)光熱変換材料の製造
実施例29におけるフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例8で合成したフタロシアニン化合物(I−112))を用いた以外は実施例29と同様な操作を行って光熱変換材料を作製した。
【0145】
(実施例31)光熱変換材料の製造
実施例29において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例10で合成したフタロシアニン化合物(I−152))を用いた以外は実施例29と同様な操作を行って光熱変換材料を作製した。同様な試験を行い良好な結果を得た。
【0146】
(実施例32)光熱変換材料の製造
実施例29において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例11で合成したフタロシアニン化合物(I−159))を用いた以外は実施例29と同様な操作を行って光熱変換材料を作製した。同様な試験を行い良好な結果を得た。
【0147】
(実施例33)レーザー感熱記録材料の製造
市販の感熱記録紙(富士写真フィルム株式会社製サーモオートクロームペーパーA−20)の表面にデルペット80N(旭化成工業株式会社製;アクリル系樹脂)10gと実施例5で合成したフタロシアニン化合物(I−(31))0.1gを、トルエン/メチルエチルケトン(1/1)混液90gに溶解した溶液を乾燥膜厚約5μmに塗布して試料とした。
【0148】
単一モード半導体レーザー(波長980nm)のレーザー光をレンズで集光し、上記試料の表面でビーム径が50μmとなるように配置した。表面に到達するレーザーのパワーが35mWとなるように半導体レーザーを調整し、30msのパルス幅で単一パルスを試料に照射した。照射を完了した試料を光学顕微鏡で観察したところ、直径約50μmの黒茶色に発色した部分が確認できた。
【0149】
(実施例34)レーザー感熱記録材料の製造
実施例33において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例8で合成したフタロシアニン化合物(I−112))を用いた以外は実施例33と同様な操作を行って光熱変換材料を作製した。同様な試験を行い良好な結果を得た。
【0150】
(実施例35)レーザー感熱記録材料の製造
実施例33において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例10で合成したフタロシアニン化合物(I−152))を用いた以外は実施例33と同様な操作を行って光熱変換材料を作製した。同様な試験を行い良好な結果を得た。
【0151】
(実施例36)レーザー感熱記録材料の製造
実施例33において使用したフタロシアニン化合物(I−(31))の代わりに実施例11で合成したフタロシアニン化合物(I−159))を用いた以外は実施例33と同様な操作を行って光熱変換材料を作製した。
【0152】
【発明の効果】
本発明の新規なフタロシアニン化合物は800〜1200nmに吸収を有し、吸光係数が高いと共に種々の有機溶剤や樹脂への溶解性に優れ、耐久性にも優れるので、近赤外線吸収材料、光熱変換材料等の種々の用途に対し好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジイソペントキシイソインドリンの赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例2で合成した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−n−オクチルオキシイソインドリン(化合物(VI−(61))の赤外吸収スペクトルである。
【図3】実施例3で合成した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−クロロ−1,3−ジイミノ−4,7−ジ−(2−エトキシエトキシ)イソインドリン(化合物(VI−(77))の赤外線吸収スペクトルである。
【図4】実施例4で合成した5−(2−アミノフェニルチオ)−6−(4−tert−ブチルフェニルチオ)−1,3−ジイミノイソペントキシイソインドリン(化合物(VI−(92))の赤外線吸収スペクトルである。
【図5】実施例5で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(31))の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】実施例5で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(31))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図7】実施例6で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(32))の赤外線吸収スペクトルである。
【図8】実施例6で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(32))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図9】実施例7で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(34))の赤外線吸収スペクトルである。
【図10】実施例7で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(34))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図11】実施例8で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(112))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図12】実施例9で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(137))の赤外線吸収スペクトルである。
【図13】実施例9で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(137))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図14】実施例10で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(152))の赤外線吸収スペクトルである。
【図15】実施例10で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(152))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図16】実施例11で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(159))の赤外線吸収スペクトルである。
【図17】実施例11で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(159))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。
【図18】実施例12で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(164))の赤外線吸収スペクトルである。
【図19】実施例12で合成したフタロシアニン化合物(化合物(I−(164))のトルエン溶液における吸収スペクトルである。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a novel phthalocyanine compound, specifically, has absorption in the near infrared region of 800 to 1200 nm, has excellent solubility in organic solvents, and has an optical card, an organic photoconductor, a near infrared absorption filter, The present invention relates to a novel phthalocyanine compound useful for heat ray shielding films, protective glasses, laser direct plate making (CTP), laser thermal transfer recording, laser thermal recording, and the like, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Certain phthalocyanine compounds have excellent near-infrared absorption ability, so optical cards, near-infrared absorption filters, heat ray shielding films, protective glasses, laser direct plate making, laser thermal transfer recording, laser thermal recording, and organic photoconductors for laser printers In recent years, such applications have attracted attention.
[0003]
As such a phthalocyanine compound, JP-A-8-176101 filed by the present inventors earlier discloses phthalonitrile having an alkoxy group at the 3- and 6-positions and a 2-aminophenylthio group at the 4-position. A phthalocyanine compound obtained by reacting a compound with a metal or a metal derivative is disclosed. However, when such phthalonitrile was used as an intermediate, the obtained phthalocyanine compound was not sufficiently satisfactory in both the absorption coefficient and the absorption wavelength region. The reason is presumed to be that the phthalocyanine compound thus obtained is a mixture of a phthalocyanine compound having a different position and number of each substituent, a multimeric phthalocyanine compound, and the like.
[0004]
Recently, it absorbs longer wavelengths than conventional phthalocyanine compounds, especially for use as near infrared absorbing materials or light-to-heat converting materials, such as heat ray blocking films, near-infrared absorbing filters for plasma displays, laser direct plate making, laser thermal transfer recording, and laser thermal recording. And a phthalocyanine compound having a high extinction coefficient.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a phthalocyanine compound which has absorption in a wavelength region of 800 to 1200 nm and is useful as a near-infrared absorber excellent in the above-mentioned various properties, a novel intermediate for producing the same, and a production method. That is.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies to solve the above-described problems, the present inventors have found that, through a specific intermediate from a phthalonitrile compound, the present inventors have strong absorption in the absorption region of 800 to 1200 nm, and have a high solubility in organic solvents. It has been found that excellent phthalocyanine compounds can be obtained.
[0007]
The present invention firstly relates to a phthalocyanine compound represented by the general formula (I), a near-infrared absorbing material and a photothermal converting material containing the same.
[0008]
Embedded image
(Wherein, R represents an alkyl group or an alkoxyalkyl group, and X represents a halogen atom ; Alkylthio group An alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an amino group optionally substituted with an alkyl group or a phenylthio group optionally having a halogen atom as a substituent; Naphthylthio group optionally having 1 to 4 alkyl groups or halogen atoms And M represents a derivative of two hydrogen atoms, a divalent metal, or a trivalent or tetravalent metal. )
[0009]
The present invention also relates to a phthalocyanine compound comprising at least one of the general formulas (II) to (V), and a near-infrared absorbing material and a photothermal converting material containing the same.
[0010]
Embedded image
[0011]
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(Where R 1 ~ R 4 Represents an alkyl group or an alkoxyalkyl group, and X represents a halogen atom ; Alkylthio group An alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an amino group optionally substituted with an alkyl group or a phenylthio group optionally having a halogen atom as a substituent; Naphthylthio group optionally having 1 to 4 alkyl groups or halogen atoms And M represents a derivative of two hydrogen atoms, a divalent metal, or a trivalent or tetravalent metal. )
[0012]
Furthermore, the present invention is characterized by reacting a diiminoisoindoline compound represented by the general formula (VI) with a metal or a metal derivative, wherein the phthalocyanine represented by the general formula (I) or (II) to (V) is used. The present invention relates to a method for producing a compound.
[0013]
Embedded image
(Where R 5 , R 6 Represents an alkyl group or an alkoxyalkyl group, and X represents a halogen atom ; Alkylthio group An alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an amino group optionally substituted with an alkyl group or a phenylthio group optionally having a halogen atom as a substituent; Naphthylthio group optionally having 1 to 4 alkyl groups or halogen atoms Is shown. )
Further, the present invention relates to a diiminoisoindoline compound represented by the general formula (VI) and a method for producing the same.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(Phthalocyanine compound)
The invention of the present application is a phthalocyanine compound (hereinafter, referred to as a phthalocyanine compound of the present invention) comprising at least one of the following general formulas (I) or (II) to (V).
[0015]
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[0016]
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[0017]
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(Wherein (I) or (II) to (V), R, R 1 ~ R 4 , X and M represent the same as described above. )
[0018]
In the phthalocyanine compound of the present invention, R or R 1 ~ R 4 Is an alkyl group, a linear or branched alkyl group having 1 to 12 carbon atoms is preferable, and a linear or branched alkyl group having 1 to 8 carbon atoms is particularly preferable. Examples include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, isobutyl, sec-butyl, n-pentyl, isopentyl, neopentyl, n-heptyl, isoheptyl, sec -Heptyl group, n-octyl group and 2-ethylhexyl group.
[0019]
R or R 1 ~ R 4 Is an alkoxyalkyl group, one having a total carbon number of 2 to 8 is preferable, and one having a total carbon number of 3 to 6 is particularly preferable. Examples include methoxyethyl, methoxypropyl, methoxybutyl, ethoxyethyl, ethoxypropyl, ethoxybutyl, n-propoxyethyl, and iso-propoxyethyl.
[0020]
X is a halogen atom, an alkylthio group, a phenylthio group which may have a substituent or a naphthylthio group which may have a substituent, provided that X is a halogen atom, such as a chlorine atom, a bromine atom, a fluorine atom, An atom is preferred, and a chlorine atom is particularly preferred.
[0021]
When X is an alkylthio group, an alkylthio group having 1 to 12 carbon atoms is preferable, and an alkylthio group having 1 to 8 carbon atoms is particularly preferable. Specific examples include methylthio, ethylthio, n-propylthio, isopropylthio, n-butylthio, sec-butylthio, tert-butylthio, n-pentylthio, isopentylthio, neopentylthio, and n-pentylthio. -Hexylthio, isohexylthio, sec-hexylthio, cyclohexylthio, n-heptylthio, isoheptylthio, sec-heptylthio, n-octylthio, 2-ethylhexylthio, n-nonylthio, n-decylthio Group, n-undecylthio group, n-dodecylthio group and the like.
[0022]
When X is a phenylthio group which may have a substituent, such a substituent may be an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, and further substituted with an alkyl group. Good amino groups and halogen atoms are preferred. Specific examples of the phenylthio group which may have such a substituent include a phenylthio group, a p-methylphenylthio group, a p-ethylphenylthio group, a p-n-butylphenylthio group, a p-n-propylphenyl Thio group, p-tert-butylphenylthio group, pn-octylphenylthio group, p-methoxyphenylthio group, p-ethoxyphenylthio group, pn-propoxyphenylthio group, p-iso-propoxyphenyl Thio group, pn-butoxyphenylthio group, p-iso-butoxyphenylthio group, p-sec-butoxyphenylthio group, pn-pentoxyphenylthio group, pn-octylphenylthio group, 2 , 4-dimethylphenylthio group, p-dimethylaminophenylthio group, p-diethylaminophenylthio group, p-di-n- Chill aminophenylthio group, p- chlorophenylthio group, p- bromophenyl thio group, p- fluorophenyl thio group, 2,4-dichlorophenyl-thio group and the like. In particular, a phenylthio group, an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, a dialkylamino group having 1 to 8 carbon atoms, or a phenylthio group having a halogen atom is preferable.
[0023]
When X is a naphthylthio group which may have a substituent, such a substituent is preferably an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms or a halogen atom. Specific examples of the naphthylthio group which may have such a substituent include a naphthylthio group, a methylnaphthylthio group, an n-propylnaphthylthio group, an iso-propylnaphthylthio group, an n-butylnaphthylthio group, a tert- Examples thereof include a butylnaphthylthio group, a chloronaphthylthio group, a bromonaphthylthio group, a fluoronaphthylthio group and the like. Particularly, a naphthylthio group and a naphthylthio group having an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms are preferable.
[0024]
As a material in which M is a divalent metal, Cu, Zn, Fe, Co, Ni, Ru, Pb, Rh, Pd, Pt, Mn, Sn, and Pb are preferable, and a derivative of a trivalent or tetravalent metal is used. Some examples include AlCl, InCl, FeCl, MnOH, and SiCl. 2 , SnCl 2 , GeCl 2 , Si (OH) 2 , Sn (OH) 2 , Ge (OH) 2 , VO and TiO are preferred. M is particularly preferably Cu, Ni, Co, FeCl, Zn, VO, Pd, or MnOH.
[0025]
The phthalocyanine compound of the present invention specifically includes the phthalocyanine compounds of the following general formulas (II) to (V), but the compound of the general formula (II) mainly forms due to the steric hindrance of the substituent. Cheap.
[0026]
Embedded image
[0027]
Embedded image
In the phthalocyanine compounds represented by the general formulas (II) to (V), R 1 ~ R 4 With regard to the type of substituent of 1 ~ R 4 Are particularly preferably the same substituents.
[0028]
Preferred specific examples of the phthalocyanine compound represented by the general formula (I) or (II) to (V) of the present invention Table 1-6 Shown in
[0029]
[Table 1]
[0030]
[Table 2]
[0031]
[Table 3]
[0032]
[Table 4]
[0033]
[Table 5]
[0034]
[Table 6]
[0035]
(Diiminoisoindoline compound)
The intermediate of the phthalocyanine compound of the present invention is a diiminoisoindoline compound represented by the general formula (VI).
[0036]
Embedded image
(Where R 5 , R 6 , X represent the same as above. )
[0037]
In the diiminoisoindoline compound represented by the general formula (VI), R 5 ~ R 6 Is an alkyl group or an alkoxyalkyl group, each of which is R or R of the phthalocyanine compound of the general formulas (I) and (V). 1 ~ R 4 May be the same as X is a halogen atom, an alkylthio group, a phenylthio group which may have a substituent, or a naphthylthio group which may have a substituent. May be the same as X in the above.
[0038]
Specific examples of the diiminoisoindoline compound of the present invention represented by the general formula (VI) are shown below.
[0039]
VI- (1) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-dimethoxyisoindoline
VI- (2) 5- (2-aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-dimethoxyisoindoline
VI- (3) 5- (2-aminophenylthio) -6-n-octylthio-1,3-diimino-4,7-dimethoxyisoindoline
VI- (4) 5- (2-aminophenylthio) -6-n-undecylthio-1,3-diimino-4,7-dimethoxyisoindoline
VI- (5) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-diethoxyisoindoline
VI- (6) 5- (2-aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-diethoxyisoindoline
VI- (7) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-nonylthio-1,3-diimino-4,7-diethoxyisoindoline
VI- (8) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-dodecylthio-1,3-diimino-4,7-diethoxyisoindoline
VI- (9) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-n-butylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-diethoxyisoindoline
VI- (10) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-propoxyisoindoline
[0040]
VI- (11) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-sec-heptylthio) -1,3-diimino-4,7-di-n-propoxyisoindoline
VI- (12) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-n-butoxyphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-n-propoxyisoindoline
VI- (13) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-iso-propoxyisoindoline
VI- (14) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-pentylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-propoxyisoindoline
VI- (15) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-butoxyisoindoline
VI- (16) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-di-n-butylaminophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-n-butoxyisoindoline
VI- (17) 5- (2-Aminophenylthio) -6-cyclohexylthio-1,3-diimino-4,7-di-n-butoxyisoindoline
VI- (18) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-sec-butoxyisoindoline
VI- (19) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-sec-butoxyisoindoline
VI- (20) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di-sec-butoxyisoindoline
[0041]
VI- (21) 5- (2-Aminophenylthio) -6-phenylthio-1,3-diimino-4,7-di-sec-butoxyisoindoline
VI- (22) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-iso-butoxyisoindoline
VI- (23) 5- (2-Aminophenylthio) -6-tert-butylphenylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-butoxyisoindoline
VI- (24) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di-iso-butoxyisoindoline
VI- (25) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-pentoxyisoindoline
VI- (26) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-n-pentoxyisoindoline
VI- (27) 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-chlorophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-n-pentoxyisoindoline
VI- (28) 5- (2-Aminophenylthio) -6-methylthio-1,3-diimino-4,7-di-n-pentoxyisoindoline
VI- (29) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (30) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
[0042]
VI- (31) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (32) 5- (2-aminophenylthio) -6-ethylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (33) 5- (2-Aminophenylthio) -6-iso-propylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (34) 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-methoxyphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (35) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (naphthylthio-2-yl) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (36) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (naphthylthio-1-yl) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (37) 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-dimethylaminophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (38) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-ethoxyphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (39) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-bromophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (40) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (2,4-dichlorophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
[0043]
VI- (41) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-butylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
VI- (42) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-sec-pentoxyisoindoline
VI- (43) 5- (2-Aminophenylthio) -6-ethylthio-1,3-diimino-4,7-di-sec-pentoxyisoindoline
VI- (44) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-propylthio-1,3-diimino-4,7-di-sec-pentoxyisoindoline
VI- (45) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-neo-pentoxyisoindoline
VI- (46) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-hexyloxyisoindoline
VI- (47) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di-n-hexyloxyisoindoline
VI- (48) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-n-hexyloxyisoindoline
VI- (49) 5- (2-Aminophenylthio) -6-neo-pentylthio-1,3-diimino-4,7-di-n-hexyloxyisoindoline
VI- (50) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-iso-hexyloxyisoindoline
[0044]
VI- (51) 5- (2-Aminophenylthio) -6-iso-propylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-hexyloxyisoindoline
VI- (52) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di-iso-hexyloxyisoindoline
VI- (53) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-iso-hexyloxyisoindoline
VI- (54) 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-methylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-hexyloxyisoindoline
VI- (55) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-heptyloxyisoindoline
VI- (56) 5- (2-aminophenylthio) -6- (2,4-dimethylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-n-heptyloxyisoindoline
VI- (57) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-iso-heptyloxyisoindoline
VI- (58) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-pentylthio-1,3-diimino-4,7-di-iso-heptyloxyisoindoline
VI- (59) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-iso-heptyloxyisoindoline
VI- (60) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-dimethylaminophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-heptyloxyisoindoline
VI- (61) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline
[0045]
VI- (62) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline
VI- (63) 5- (2-aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline
VI- (64) 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-fluorophenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline
VI- (65) 5- (2-aminophenylthio) -6-methylthio-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline
VI- (66) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di (2-ethylhexyloxy) isoindoline
VI- (67) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-nonyloxyisoindoline
VI- (68) 5- (2-aminophenylthio) -6-iso-pentylthio-1,3-diimino-4,7-di-n-nonyloxyisoindoline
VI- (69) 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-decyloxyisoindoline
VI- (70) 5- (2-aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di-n-decyloxyisoindoline
VI- (71) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-undecyloxyisoindoline
[0046]
VI- (72) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-dodecyloxyisoindoline
VI- (73) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-methoxyethoxy) isoindoline
VI- (74) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-hexylthio-1,3-diimino-4,7-di- (2-methoxyethoxy) isoindoline
VI- (75) 5- (2-Aminophenylthio) -6-iso-hexylthio-1,3-diimino-4,7-di-isoindoline
VI- (76) 5- (2-Aminophenylthio) -6-sec-hexylthio-1,3-diimino-4,7-di- (2-ethoxyethoxy) isoindoline
VI- (77) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-ethoxyethoxy) isoindoline
VI- (78) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-n-propoxyethoxy) isoindoline
VI- (79) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di- (2-n-propoxyethoxy) isoindoline
VI- (80) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-iso-propoxyethoxy) isoindoline
VI- (81) 5- (2-Aminophenylthio) -6-n-heptylthio-1,3-diimino-4,7-di- (2-iso-propoxyethoxy) isoindoline
[0047]
VI- (82) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (2-ethylhexylthio) -1,3-diimino-4,7-di- (2-iso-propoxyethoxy) isoindoline
VI- (83) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (3-ethoxypropoxy) isoindoline
VI- (84) 5- (2-Aminophenylthio) -6-bromo-1,3-diimino-4,7-di- (3-ethoxypropoxy) isoindoline
VI- (85) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (4-ethoxybutoxy) isoindoline
VI- (86) 5- (2-Aminophenylthio) -6-fluoro-1,3-diimino-4,7-di- (4-ethoxybutoxy) isoindoline
VI- (87) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-ethylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di- (4-ethoxybutoxy) isoindoline
VI- (88) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-n-propylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di- (4-ethoxybutoxy) isoindoline
VI- (89) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4-n-octyloxy-7-iso-pentoxyisoindoline
VI- (90) 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4- (2-methoxyethoxy) -7-iso-pentoxyisoindoline
VI- (91) 5- (2-Aminophenylthio) -6-phenylthio-1,3-diimino-4- (2-methoxyethoxy) -7-iso-pentoxyisoindoline
VI- (92) 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-tert-butylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-di-iso-pentoxyisoindoline
[0048]
(Production method of phthalocyanine compound)
In order to produce the phthalocyanine compound of the present invention, the diiminoisoindoline compound of the general formula (VI) is reacted with a metal or a metal derivative.
[0049]
Examples of the metal or metal derivative include Al, Si, Ti, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ge, Ru, Rh, Pd, In, Sn, Pt, Pb, and halides thereof, and carboxylic acids. Examples include salts, sulfates, nitrates, carbonyl compounds, oxides, complexes and the like. Particularly, metal halides or carboxylate salts are preferably used. Examples of these are copper chloride, copper bromide, copper iodide, nickel chloride, nickel bromide, nickel acetate, cobalt chloride, cobalt bromide, cobalt acetate, Iron chloride, zinc chloride, zinc bromide, zinc iodide, zinc acetate, vanadium chloride, vanadium oxytrichloride, palladium chloride, palladium acetate, aluminum chloride, manganese chloride, manganese acetate, acetylacetone manganese, manganese chloride, lead chloride, acetic acid Examples include lead, indium chloride, titanium chloride, tin chloride and the like.
[0050]
The amount of the metal or metal derivative to be used is 0.1 to 0.6 times, preferably 0.20 to 0.5 times, the mol of the diiminoisoindoline compound of the general formula (VI).
[0051]
The reaction temperature is 100 to 300 ° C, preferably 130 to 220 ° C.
[0052]
In the reaction, it is preferable to use a solvent.
[0053]
As a solvent used in the reaction, an organic solvent having a boiling point of 60 ° C. or higher, preferably 80 ° C. or higher is preferable. Examples include methanol, ethanol, n-propyl alcohol, n-butyl alcohol, isobutyl alcohol, t-butyl alcohol, n-amyl alcohol, n-hexanol, cyclohexanol, 2-methyl-1-pentanol, 1-heptanol, 2-heptanol, 1-octanol, 2-ethylhexanol, benzyl alcohol, ethylene glycol, propylene glycol, ethoxyethanol, propoxyethanol, butoxyethanol, dimethylaminoethanol, alcohol solvents such as diethylaminoethanol, trichlorobenzene, chloronaphthalene, sulfolane, High boiling solvents such as nitrobenzene, quinoline, urea and the like can be mentioned.
[0054]
The amount of the solvent to be used is 0.5 to 50 times, preferably 1 to 15 times, the weight of the diiminoisoindoline compound of the general formula (VI).
[0055]
The reaction proceeds in the presence or absence of a catalyst. As a catalyst, an inorganic catalyst such as ammonium molybdate, DBU (1,8-diazabicyclo [5.4.0] -7-undecene), DBN (1, Basic organic catalysts such as 5-diazabicyclo [4.3.0] -5-nonene) can be used. The addition amount is 0.01 to 10 mol, preferably 0.1 to 2 mol, per 1 mol of the diiminoisoindoline compound.
[0056]
As the post-treatment, the target product can be obtained by distilling off the solvent after the reaction, or discharging the reaction solution into a poor solvent for the phthalocyanine compound and collecting the precipitate by filtration. The phthalocyanine compound of the present invention thus obtained can be used as it is as a near-infrared absorbing material or light-to-heat conversion material.However, by purifying it by recrystallization or column chromatography, it is possible to obtain a higher-purity target product. it can.
[0057]
(Method for producing diiminoisoindoline compound)
In order to produce diiminoisoindoline (VI), which is an intermediate of the phthalocyanine compound of the present invention, a phthalonitrile compound represented by the general formula (VII) is reacted with ammonia in the presence of a metal alkoxide.
[0058]
Embedded image
[0059]
Embedded image
(In formulas (VI) and (VII), R 5 , R 6 , X represent the same as above. )
[0060]
The details of the method for producing the diiminoisoindoline compound represented by the general formula (VI) will be described below.
[0061]
As metal alkoxides, sodium or potassium methoxide, ethoxide, n-propoxide, n-butoxide, n-pentoxyside, n-hexyloxyside, n-heptyloxyside, n-octyloxyside, 2-methoxyethoxyside, 2-ethoxyethoxide, 2-n-butoxyethoxide and the like are used. The amount of the metal alkoxide to be used is 0.01 to 5 mol, preferably 0.1 to 2.0 mol, relative to compound (VII).
[0062]
In the reaction, it is preferable to use an organic solvent in combination. Usually, an alcohol solvent is used as the organic solvent.
[0063]
Examples of alcohol solvents include methanol, ethanol, n-propanol, n-butanol, n-pentanol, n-hexanol, n-heptanol, n-octanol, 2-methoxyethanol, 2-ethoxyethanol, and 2-n -Butoxyethanol and the like are used. The amount of the alcohol solvent to be used is 200 mL to 15 L, preferably 500 mL to 5 L, per 1 mol of compound (VII).
[0064]
In the production of the diiminoisoindoline compound represented by the general formula (VI), a metal sodium or metal potassium is added to an alcohol which is a reaction solvent to prepare an alcohol solution of a metal alkoxide, and then ammonia and a compound represented by the general formula (VII) ) May be charged and reacted. Alternatively, ammonia, a phthalonitrile compound of the general formula (VII), and a separately prepared metal alkoxide may be charged and reacted in a reaction solvent. Is also good. At this time, the amount of the metal to be used is 0.01 to 5.0 mol, preferably 0.1 to 2.0 mol, relative to compound (VII).
[0065]
The amount of ammonia to be used is 1 to 20 mol, preferably 3 to 10 mol, per 1 mol of compound (VII).
[0066]
The reaction temperature is from 0 ° C to the reflux temperature of the solvent, preferably from 20 ° C to the reflux temperature of the solvent.
[0067]
The reaction time is preferably 30 minutes to 72 hours.
[0068]
After the reaction, the solvent is distilled off, extracted with an aromatic organic solvent such as toluene, washed with water, and concentrated to obtain a diiminoisoindoline compound of the general formula (VI).
[0069]
(Near infrared absorbing material)
Another invention of the present application is a near-infrared absorbing material containing the phthalocyanine compound.
[0070]
The phthalocyanine compound of the present invention, as it is or together with a binder or an additive, is coated or kneaded on paper, a plastic sheet, a plastic film, glass, a resin, or the like, or hard-coated, or by polymerizing a mixture with a monomer. It can be used for various applications as a near infrared absorbing material. That is, it can be used for near-infrared absorbing filters, protective glasses, agricultural films, heat ray blocking filters, light receiving elements, optical recording media for long-wavelength lasers, printing inks for preventing forgery, and coatings for camouflage.
[0071]
In particular, the phthalocyanine compound of the present invention is preferably used as a near-infrared absorbing material when it is mixed, dispersed or applied to a resin, or when a mixture with a monomer is polymerized.
[0072]
The near-infrared absorbing material is obtained by mixing the phthalocyanine compound of the present invention with a transparent resin, for example, a polyacrylonitrile resin, a methacrylonitrile resin, a polymethyl methacrylate resin, an ABS resin, a polystyrene resin, a polyethylene terephthalate resin, or the like, or The compound can be produced by dissolving or dispersing the compound in a solvent, immersing the resin and subjecting it to heat treatment, or applying the compound to the resin.
[0073]
Further, the phthalocyanine compound of the present invention may be obtained by converting a monomer such as hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, tolylene diisocyanate, 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, mesitylene triisocyanate, 1,4-bis (α, α′-dimethyl isocyanatemethyl) benzene, A molded article can also be obtained by mixing with 1,3,5-tris (3-thiopropyl) isocinurate, 2,2′-dimethylpropanediol bis (2-thioacetate) and then polymerizing.
[0074]
Further, as an example of manufacturing a lens for safety glasses, there is a method of dissolving or dispersing the phthalocyanine compound of the present invention in a resin for a high refractive lens and injection molding.
[0075]
The near-infrared absorbing material containing the compound of the present invention has extremely high light fastness and does not lose its absorption ability even after a long time, so that it can be used in a wide range of fields which could not be used conventionally.
[0076]
(Light-to-heat conversion material)
Still another invention of the present application is a photothermal conversion material containing the phthalocyanine compound.
[0077]
Since the phthalocyanine compound of the present invention has a high extinction coefficient for near-infrared light in the region of 800 to 1200 nm, it can be used as a photothermal conversion material that absorbs laser light in this region and converts it into heat. It can be preferably used for a laser thermal recording material, a laser thermal transfer recording material and the like.
[0078]
The light-to-heat conversion material can be manufactured by the same method as that for the near-infrared absorbing material, but can be carried out according to each application, for example, as follows.
[0079]
The light-to-heat conversion material of the present invention may contain a binder resin or the like in addition to the phthalocyanine compound of the present invention as a light-to-heat conversion agent.
[0080]
As the photothermal conversion agent, various known near-infrared absorbers can be used in combination with the phthalocyanine compound of the present invention, without departing from the purpose of the present invention.
[0081]
Examples of near-infrared absorbing agents that can be used in combination include pigments such as carbon black and aniline black, “Near-infrared absorbing dyes” (P45-51) of “Chemical Industry (May, 1986)” and Development and Market Trend of Dyes ”CMC (1990) Chapter 2, 2.3, Polymethine dyes (cyanine dyes), phthalocyanine dyes, dithiol metal complex dyes, naphthoquinones, anthraquinone dyes, triphenylmethane Pigments such as (similar) pigments, aminium pigments, diimmonium pigments, azo pigments, indoaniline metal complex pigments, and intermolecular CT pigments, and dye pigments.
[0082]
The binder resin is not particularly limited, for example, acrylic acid, methacrylic acid, acrylic acid ester, homopolymer or copolymer of acrylic acid monomers such as methacrylic acid ester, methyl cellulose, ethyl cellulose, such as cellulose acetate Cellulose polymer, polystyrene, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinylpyrrolidone, polyvinyl butyral, vinyl polymer such as polyvinyl alcohol and copolymer of vinyl compound, polyester, condensation polymer such as polyamide, butadiene-styrene Examples thereof include a rubber-based thermoplastic polymer such as a copolymer, and a polymer obtained by polymerizing and crosslinking a photopolymerizable compound such as an epoxy compound.
[0083]
When the light-to-heat conversion material of the present invention is used for a recording material such as a laser heat transfer recording material and a laser heat-sensitive recording material, the light-to-heat conversion material may be used by blending a coloring component or a coloring component, or a coloring component or coloring. A layer containing components and the like may be separately provided. As a color-forming component or a coloring component, a sublimable dye or an electron-donating dye precursor and an electron-accepting compound, which form an image by a physical or chemical change by heat of a polymerizable polymer, etc. What is being considered can be used.
[0084]
For example, as a coloring component of the laser thermal transfer recording material, although not particularly limited, as a pigment type, titanium dioxide, carbon black, zinc oxide, Prussian blue, cadmium sulfide, iron oxide and lead, zinc, barium and Examples include inorganic pigments such as calcium chromate, and organic pigments such as azo, thioindigo, anthraquinone, anthantrone, triphenedioxazine, phthalocyanine, and quinacridone. Examples of the dye include an acid dye, a direct dye, a disperse dye, an oil-soluble dye, and a metal-containing oil-soluble dye.
[0085]
The coloring component of the laser thermosensitive recording material is not particularly limited, but those conventionally used in thermosensitive recording materials can be used. As the electron-donating dye precursor, that is, one having a property of giving a color by donating electrons or accepting a proton such as an acid, and having a partial skeleton of lactone, lactam, sultone, spiropyran, ester, amide, or the like. Compounds that have a partial skeleton that is opened or cleaved upon contact with an electron-accepting compound are used. For example, triphenylmethane compounds, fluoran compounds, phenothiazine compounds, indolylphthalide compounds, leuco auramine compounds, rhodamine lactam compounds, triphenylmethanephthalide compounds, triazene compounds, spiropyran compounds, Fluorene compounds and the like. Examples of the electron accepting compound include a phenolic compound, an organic acid or a metal salt thereof, and an oxybenzoic acid ester.
[0086]
The photothermal conversion material of the present invention can be suitably used for a lithographic printing original plate for direct plate making. The lithographic printing plate precursor for direct plate making is provided with a light-heat conversion layer on a support. Further, a silicon rubber layer may be laminated on the light-to-heat conversion layer, and a protective layer or the like may be further laminated.
[0087]
The components constituting the light-to-heat conversion layer include, in addition to the light-to-heat conversion material, an image forming component, a binder resin, and the like. Alternatively, a layer containing an image forming component may be provided by being laminated on the light-to-heat conversion layer.
[0088]
As the image forming components, those which form an image by physical or chemical change by heat and those which have been conventionally studied variously can be used. For example, those containing a microencapsulated heat-fusible substance and a binder resin disclosed in JP-A-3-108588 and having a hydrophilic surface disclosed in JP-A-62-164049. A support containing, on a support, a blocked isocyanate together with an active hydrogen-containing binder; a support containing a microencapsulated lipophilic component and a hydrophilic binder polymer disclosed in JP-A-7-1849; No. 8,220,752, an acid precursor, a compound containing a vinyl ether group, a compound containing an alkali-soluble resin and the like, a polymer compound having a hydroxyl group disclosed in JP-A-9-5993, and o A compound containing a naphthoquinonediazide compound or the like, a nitro compound disclosed in JP-A-9-131977. Those containing cellulose, etc., the polymerization initiator and ethylenically unsaturated monomer is disclosed in JP-A-9-146264, oligomers, such as those containing macromonomer or the like, not particularly limited. In some cases, as disclosed in JP-A-9-80745, JP-A-9-131977, JP-A-9-146264, etc., a silicone rubber is provided on a light-to-heat conversion layer (photosensitive layer or heat-sensitive recording layer). The image portions may be formed by laminating the layers and, after exposure, contacting or peeling off the silicone rubber layer.
[0089]
The binder resin used in the light-to-heat conversion layer is not particularly limited, but, for example, acrylic acid, methacrylic acid, acrylic acid ester, a homopolymer or copolymer of an acrylic acid monomer such as methacrylic acid ester, methyl cellulose, ethyl cellulose , Cellulose-based polymers such as cellulose acetate, polystyrene, vinyl chloride-vinyl acetate copolymers, polyvinylpyrrolidone, polyvinylbutyral, polyvinyl-based polymers such as polyvinyl alcohol and copolymers of vinyl compounds, polyesters, condensations such as polyamides Polymer, a rubber-based thermoplastic polymer such as a butadiene-styrene copolymer, and a polymer obtained by polymerizing and crosslinking a photopolymerizable compound such as an epoxy compound.
[0090]
As a support to be used, for example, paper, paper laminated with plastic (for example, polyethylene, polypropylene, polystyrene, etc.), for example, a metal plate such as aluminum (including aluminum alloy), zinc, copper, etc., for example, cellulose diacetate , Cellulose triacetate, cellulose butyrate, polyethylene terephthalate, polyethylene, polystyrene, polypropylene, polycarbonate, plastic films such as polyvinyl acetal, etc., as typical examples, coated paper, metal plates such as aluminum, polyethylene Examples thereof include a plastic film such as terephthalate, rubber, or a composite thereof, and are preferably aluminum, an aluminum-containing alloy, and a plastic film. The thickness of the support is 25 μm to 3 mm, preferably 100 μm to 500 μm.
[0091]
Usually, a light-to-heat conversion material, an image forming component, a binder resin and the like are dispersed or dissolved in an organic solvent or the like and applied to a support to prepare a lithographic printing original plate for printing.
[0092]
A primer layer may be provided between the support and the light-to-heat conversion layer for improving the adhesiveness and the printing properties, or the support itself may be subjected to a surface treatment. Examples of the primer layer used include those obtained by exposing and curing various photosensitive polymers as described in JP-A-60-22903 before laminating a light-to-heat conversion layer. The epoxy resin disclosed in Japanese Patent No. 50760 is thermally cured, the gelatin disclosed in JP-A-63-133151 is hardened, and the epoxy resin disclosed in JP-A-3-200965 is disclosed. And those using a urethane resin and a silane coupling agent, and those using a urethane resin disclosed in JP-A-3-273248.
[0093]
As a protective film for protecting the surface of the light-to-heat conversion layer or the silicon rubber layer, a transparent film, for example, a laminate of polyethylene, polypropylene, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyvinyl alcohol, polyethylene terephthalate, cellophane, etc. May be used after stretching.
[0094]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to the examples.
[0095]
(Example 1)
Production of 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-diisopentoxyisoindoline (compound (VI- (29))
At room temperature, ammonia gas was introduced at a flow rate of 120 mL / min for 1 hour into a liquid in which 0.7 g of metallic sodium was dissolved in 200 mL of n-propyl alcohol. Next, 22.8 g of 4- (2-aminophenylthio) -5-chloro-3,6-diisopentoxyphthalonitrile was added, and the mixture was stirred at 50 to 60 ° C. for 20 hours. After cooling, n-propyl alcohol was distilled off, 200 mL of toluene was added to the residue, and the mixture was heated and dissolved at 30 to 40 ° C. Next, 500 mL of water was added, and the mixture was dispersed, allowed to stand, and separated. The same operation was repeated four times to wash the toluene layer. Next, toluene was distilled off from the toluene layer, 200 mL of n-heptane was added, the mixture was stirred at 60 to 65 ° C for 30 minutes, and then cooled to room temperature. The crystals were collected by filtration and dried, and 20.3 g of 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-diisopentoxyisoindoline of the following structural formula was obtained (yield: 85. 8%).
[0096]
Embedded image
[0097]
The elemental analysis value, mass analysis value and melting point of this crystal were as follows. FIG. 1 shows the infrared absorption spectrum of this compound.
MS (m / e): 474 (M + )
Melting point: 174.8-176.1 ° C.
[0098]
(Example 2)
Production of 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline (compound (VI- (61))) At room temperature, ammonia gas was introduced into the liquid in which 0.9 g of sodium was dissolved at a flow rate of 120 mL / min for 1 hour, followed by 4- (2-aminophenylthio) -5-chloro-3,6-di-n. -Octyloxyphthalonitrile (35.8 g) was added, and the mixture was stirred for 20 hours at 50 to 60 ° C. After cooling, the same treatment as in Example 1 was performed to give 5- (2-aminophenylthio) -6 of the following structural formula. Thus, 16.4 g (yield: 44.4%) of -chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline was obtained.
[0099]
Embedded image
The elemental analysis value, mass analysis value and melting point of this crystal were as follows. FIG. 2 shows the infrared absorption spectrum of this compound.
MS (m / e): 559 (M + )
Melting point: 97-99 ° C
[0100]
(Example 3)
Production of 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-ethoxyethoxy) isoindoline (compound (VI- (77))
At room temperature, ammonia gas was introduced at a flow rate of 120 mL / min for 1 hour into a liquid in which 0.8 g of metallic sodium was dissolved in 250 mL of n-propyl alcohol. Then, 4- (2-aminophenylthio) -5-chloro-3,6-di- (2-ethoxyethoxy) Phthalonitrile 27.6 g was added, and the mixture was stirred at 50 to 60 ° C for 20 hours. After cooling, the same treatment as in Example 1 was carried out to give 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-ethoxyethoxy) iso of the following structural formula. 27.6 g of indoline (96.2% yield) were obtained.
[0101]
Embedded image
The elemental analysis value, mass analysis value and melting point of this crystal were as follows. FIG. 3 shows the infrared absorption spectrum of this compound.
MS (m / e): 480 (M + )
Melting point: 114-116 ° C
[0102]
(Example 4)
Production of 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-tert-butylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-diisopentoxyisoindoline (compound (VI- (92))
At room temperature, ammonia gas was introduced at a flow rate of 120 mL / min for 1 hour into a solution of 0.6 g of metallic sodium dissolved in 200 mL of n-propyl alcohol. Next, 27.0 g of 4- (2-aminophenylthio) -5- (4-tert-butylphenylthio) -3,6-diisopentoxyphthalonitrile was added, and the mixture was stirred at 50 to 60 ° C. for 20 hours. . After cooling, the same treatment as in Example 1 was performed to give 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-tert-butylphenylthio) -1,3-diimino-4,7-diamine of the following structural formula. 20.9 g (75.2% yield) of isopentoxyisoindoline was obtained.
[0103]
Embedded image
The elemental analysis value, mass analysis value and melting point of this crystal were as follows. FIG. 4 shows the infrared absorption spectrum of this compound.
MS (m / e): 605 (M + +1)
Melting point: 198-199 ° C
[0104]
(Example 5)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (31))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.75 g of DBU to 145 to 155 ° C., 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, produced in Example 1 was used. 4.75 g of 7-diisopentoxyisoindoline and 0.47 g of vanadium chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C for 3 hours, the mixture was cooled to 60 to 70 ° C and 300 ml of methanol was added. After cooling to room temperature, the precipitate was collected by filtration and dried to obtain 3.6 g of a blackish green powder. Purification by column chromatography [silica gel / toluene: n-hexane (1: 1)] gave 2.5 g of a purified product as a black-green powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0105]
FIG. 5 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 1545 (M + )
[0106]
The toluene solution of the compound thus obtained showed a maximum absorption at 1004.5 nm and a gram extinction coefficient of 8.29 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 6 shows this absorption spectrum chart.
[0107]
(Comparative Example 1) Production of phthalocyanine compound (compound disclosed in JP-A-8-176101)
After mixing 12.6 g of 4- (2-aminophenylthio) -5-chloro-3,6-diisopentoxyphthalonitrile, 1.9 g of vanadium chloride, 7.8 g of DBU and 78 mL of n-pentyl alcohol, the mixture was refluxed. Stirred for 48 hours. After cooling, the mixture was discharged into 500 mL of methanol, and the precipitate was collected by filtration and dried to obtain 6.3 g of a crude product as a black powder. This was purified by column chromatography (silica gel / toluene) to obtain 2.8 g of a purified product as a black powder.
[0108]
The toluene solution of the compound thus obtained shows a maximum absorption at 943 nm and a gram extinction coefficient of 4.76 × 10 4 ml / g · cm.
[0109]
(Example 6)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (32))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.75 g of DBU to 145 to 155 ° C., 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, produced in Example 1 was used. 4.75 g of 7-diisopentoxyisoindoline and 0.3 g of copper (I) chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C for 3 hours, the mixture was cooled to 60 to 70 ° C and 300 ml of methanol was added. After cooling to room temperature, the precipitate was collected by filtration and dried to obtain 3.6 g of a blackish green powder. Purification by column chromatography [silica gel / toluene: n-hexane (3: 1)] gave 2.7 g of a purified product as a black-blue powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0110]
FIG. 7 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 1543 (M + )
[0111]
The toluene solution of the compound thus obtained shows a maximum absorption at 938 nm and a gram extinction coefficient of 8.23 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 8 shows this absorption spectrum chart.
[0112]
(Comparative Example 2) Production of phthalocyanine compound (compound disclosed in JP-A-8-176101)
12.6 g of 4- (2-aminophenylthio) -5-chloro-3,6-diisopentoxyphthalonitrile, 1.2 g of copper (I) chloride, 7.8 g of DBU, and 78 mL of n-pentyl alcohol were mixed. Thereafter, the mixture was stirred under reflux for 48 hours. After cooling, the mixture was discharged into 500 mL of methanol, and the precipitate was collected by filtration and dried to obtain 7.3 g of a crude product as a black powder. This was purified by column chromatography (silica gel / toluene) to obtain 3.2 g of a purified product as a black powder.
[0113]
The toluene solution of the compound thus obtained shows a maximum absorption at 896 nm and a gram extinction coefficient of 2.71 × 10 4 ml / g · cm.
[0114]
(Example 7)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (34))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.75 g of DBU to 145 to 155 ° C., the 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, 4.75 g of 7-diisopentoxyisoindoline and 0.3 g of zinc chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C. for 8 hours, the same treatment as in Example 5 was performed to obtain 3.3 g of a dark blue powder. Purification by column chromatography [activated alumina / toluene: methanol (50: 1)] gave 1.8 g of a purified product as a dark blue powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0115]
FIG. 9 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 1544 (M + )
[0116]
The toluene solution of the compound thus obtained showed a maximum absorption at 873.5 nm and a gram extinction coefficient of 7.26 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 10 shows the absorption spectrum chart.
[0117]
(Example 8)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (112))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.61 g of DBU to 145 to 155 ° C., 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, produced in Example 1 was used. 3.79 g of 7-diisopentoxyisoindoline and 0.4 g of manganese chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C. for 2 hours, the same treatment as in Example 5 was performed to obtain 2.8 g of a dark blue powder. Purification by column chromatography [silica gel / toluene: methanol (50: 1)] gave 1.6 g of a purified product as a dark blue powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0118]
[0119]
The toluene solution of the compound thus obtained showed a maximum absorption at 1047.0 nm and a gram extinction coefficient of 7.36 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 11 shows the absorption spectrum chart.
[0120]
(Example 9)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (137)))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.76 g of DBU to 145 to 155 ° C., the 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, 5.59 g of 7-di-n-octyloxyisoindoline and 0.3 g of nickel chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C. for 9 hours, the same treatment as in Example 5 was performed to obtain 3.8 g of a dark blue powder. Purification by column chromatography [activated alumina / toluene] yielded 2.7 g of a purified product as a dark blue powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0121]
FIG. 12 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 1706 (M + )
[0122]
The toluene solution of the compound thus obtained shows a maximum absorption at 900.5 nm and a gram extinction coefficient of 7.10 × 10 4 ml / g · cm. This absorption spectrum chart is shown in FIG.
[0123]
(Example 10)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (152))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.76 g of DBU to 145 to 155 ° C., 5- (2-aminophenylthio) -6- (4-tert-butylphenylthio)-produced in Example 4 was used. 6.04 g of 1,3-diimino-4,7-diisopentoxyisoindoline and 0.4 g of vanadium chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C. for 8 hours, the same treatment as in Example 5 was performed to obtain 4.7 g of a dark green powder. Purification by column chromatography [silica gel / toluene: n-hexane (1: 2)] gave 3.1 g of a purified product as a dark green powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0124]
FIG. 14 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 2065 (M + +1)
[0125]
The toluene solution of the compound thus obtained showed a maximum absorption at 1066.0 nm and a gram extinction coefficient of 8.02 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 15 shows this absorption spectrum chart.
[0126]
(Example 11)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (159))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.61 g of DBU to 145 to 155 ° C., 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, prepared in Example 2 was used. 4.47 g of 7-di-n-octyloxyisoindoline and 0.3 g of vanadium chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C. for 5 hours, the same treatment as in Example 5 was performed to obtain 3.1 g of a dark green powder. Purification by column chromatography [silica gel / toluene: n-hexane (1: 2)] gave 1.6 g of a purified product as a dark green powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0127]
FIG. 16 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 1712 (M + )
[0128]
The toluene solution of the compound thus obtained shows a maximum absorption at 1004.0 nm and a gram extinction coefficient of 8.20 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 17 shows this absorption spectrum chart.
[0129]
(Example 12)
Production of phthalocyanine compound (compound (I- (164)))
After heating a mixture of 15 mL of 2-n-butoxyethanol and 0.76 g of DBU to 145 to 155 ° C., 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4, prepared in Example 3 was used. 7.18 g of 7-di- (2-ethoxyethoxy) isoindoline and 0.6 g of vanadium chloride were added. Next, after stirring at 155 to 160 ° C. for 10 hours, the same treatment as in Example 5 was performed to obtain 5.1 g of a dark green powder. Purification by column chromatography [activated alumina / toluene: acetone (100: 1)] gave 3.8 g of a purified product as a dark green powder. The product was confirmed to be the target by the following analysis results.
[0130]
FIG. 18 shows the IR spectrum of the obtained compound.
MS (m / e): 1552 (M + +1)
[0131]
The toluene solution of the compound thus obtained showed a maximum absorption at 998.0 nm and a gram extinction coefficient of 8.40 × 10 4 ml / g · cm. FIG. 19 shows this absorption spectrum chart.
[0132]
(Example 13) Production of near-infrared absorbing material
24.4 g of 1,4-bis (α, α-dimethylisocyanatomethyl) benzene, 23.4 g of 1,3,5-tris (3-thiopropyl) isocyanate, and the phthalocyanine compound synthesized in Example 5 (I- (31 )) 2 g and 0.06 g of dibutyltin dilaurate were mixed to obtain a uniform liquid. This liquid was poured into a mold consisting of a glass mold and a PVC gasket surface-treated with a fluorine-based external release agent, and heated at 70 ° C. for 4 hours, 80 ° C. for 2 hours, 120 ° C. for 2 hours, and then cooled. And released. The obtained resin molded product was black-brown and had a characteristic absorption wavelength region of 900 to 1100 nm, and it well absorbed near-infrared rays of this wavelength.
[0133]
(Example 14) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed except that the phthalocyanine compound (I- (32)) synthesized in Example 6 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 800 to 1050 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0134]
(Example 15) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed, except that the phthalocyanine compound (I- (34)) synthesized in Example 7 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 750 to 950 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0135]
(Example 16) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed except that the phthalocyanine compound (I- (112)) synthesized in Example 8 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 950 to 1200 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0136]
(Example 17) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed except that the phthalocyanine compound (I- (137)) synthesized in Example 9 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 800 to 1000 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0137]
(Example 18) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed, except that the phthalocyanine compound (I- (152)) synthesized in Example 10 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 950 to 1200 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0138]
(Example 19) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed except that the phthalocyanine compound (I- (159)) synthesized in Example 11 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 900 to 1100 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0139]
(Example 20) Production of near-infrared absorbing material
The same operation as in Example 13 was performed, except that the phthalocyanine compound (I- (164)) synthesized in Example 12 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 13, A near-infrared absorbing material was produced. The characteristic absorption wavelength region of the obtained resin molded product was 850 to 1000 nm, and the near infrared ray of this wavelength was well absorbed.
[0140]
(Example 21) Production of near-infrared absorbing filter
1 g of the phthalocyanine compound (I- (31)) synthesized in Example 5 was added to 100 g of polystyrene, heated and melted, and a filter was produced by injection molding. The filter thus obtained exhibited good transmittance characteristics and was excellent in durability.
[0141]
(Examples 22 to 28) Production of near-infrared absorbing filter
The near-infrared absorbing filter was manufactured by performing the same operation as in Example 21 except that the phthalocyanine compound synthesized in Examples 6 to 12 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 21. did. All of the filters thus obtained exhibited good transmittance characteristics and were excellent in durability.
[0142]
(Example 29) Production of photothermal conversion material
On a polyethylene terephthalate (PET) film having an average thickness of 5 μm, 10 g of Delpet 80N (manufactured by Asahi Kasei Corporation; acrylic resin) and 0.1 g of the phthalocyanine compound (I- (31)) synthesized in Example 5 A solution dissolved in 90 g of a toluene / methyl ethyl ketone (1/1) mixed solution was applied to a dry film thickness of about 5 μm to obtain a sample.
[0143]
Laser light of a YAG laser (wavelength: 1064 nm) was condensed by a lens, and arranged so as to have a beam diameter of 10 μm on the surface of the sample. The YAG laser was adjusted so that the power of the laser reaching the surface was 180 mW, and the sample was irradiated with a single pulse with a pulse width of 20 μs. Observation of the irradiated sample by an optical microscope confirmed that a through hole having a diameter of about 10 μm was formed.
[0144]
(Example 30) Production of photothermal conversion material
A photothermal conversion material was prepared by performing the same operation as in Example 29 except that the phthalocyanine compound (I-112) synthesized in Example 8 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) in Example 29. did.
[0145]
(Example 31) Production of photothermal conversion material
A photothermal conversion material was obtained by performing the same operation as in Example 29 except that the phthalocyanine compound (I-152) synthesized in Example 10 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 29. Was prepared. Similar tests were performed with good results.
[0146]
(Example 32) Production of photothermal conversion material
A photothermal conversion material was obtained by performing the same operation as in Example 29 except that the phthalocyanine compound (I-159) synthesized in Example 11 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 29. Was prepared. Similar tests were performed with good results.
[0147]
Example 33 Production of Laser Thermal Recording Material
On the surface of a commercially available thermosensitive recording paper (Thermoautochrome Paper A-20 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.), 10 g of Delpet 80N (manufactured by Asahi Kasei Corporation; acrylic resin) and 10 g of the phthalocyanine compound (I- (31)) A sample in which 0.1 g was dissolved in 90 g of a toluene / methyl ethyl ketone (1/1) mixed solution was applied to a dry film thickness of about 5 μm to obtain a sample.
[0148]
Laser light of a single mode semiconductor laser (wavelength 980 nm) was condensed by a lens and arranged so that the beam diameter was 50 μm on the surface of the sample. The semiconductor laser was adjusted so that the power of the laser reaching the surface was 35 mW, and a single pulse was applied to the sample with a pulse width of 30 ms. When the irradiated sample was observed with an optical microscope, a black-brown portion having a diameter of about 50 μm was confirmed.
[0149]
Example 34 Production of Laser Thermal Recording Material
A photothermal conversion material was obtained by performing the same operation as in Example 33 except that the phthalocyanine compound (I-112) synthesized in Example 8 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 33. Was prepared. Similar tests were performed with good results.
[0150]
(Example 35) Production of laser thermosensitive recording material
A light-to-heat conversion material was obtained by performing the same operation as in Example 33 except that the phthalocyanine compound (I-152) synthesized in Example 10 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 33. Was prepared. Similar tests were performed with good results.
[0151]
Example 36 Production of Laser Thermal Recording Material
A photothermal conversion material was obtained by performing the same operation as in Example 33 except that the phthalocyanine compound (I-159) synthesized in Example 11 was used instead of the phthalocyanine compound (I- (31)) used in Example 33. Was prepared.
[0152]
【The invention's effect】
The novel phthalocyanine compound of the present invention has absorption at 800 to 1200 nm, has a high extinction coefficient, is excellent in solubility in various organic solvents and resins, and has excellent durability. It can be suitably used for various applications such as.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an infrared absorption spectrum of 5- (2-aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-diisopentoxyisoindoline synthesized in Example 1.
FIG. 2 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di-n-octyloxyisoindoline synthesized in Example 2 (compound (VI- (61) 3) is an infrared absorption spectrum.
FIG. 3 5- (2-Aminophenylthio) -6-chloro-1,3-diimino-4,7-di- (2-ethoxyethoxy) isoindoline synthesized in Example 3 (compound (VI- ( 77)) is an infrared absorption spectrum.
FIG. 4 5- (2-Aminophenylthio) -6- (4-tert-butylphenylthio) -1,3-diiminoisopentoxyisoindoline synthesized in Example 4 (compound (VI- (92 3) is an infrared absorption spectrum of FIG.
FIG. 5 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (31))) synthesized in Example 5.
FIG. 6 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (31))) synthesized in Example 5 in a toluene solution.
FIG. 7 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (32))) synthesized in Example 6.
8 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (32))) synthesized in Example 6 in a toluene solution. FIG.
FIG. 9 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (34))) synthesized in Example 7.
10 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (34))) synthesized in Example 7 in a toluene solution. FIG.
FIG. 11 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (Compound (I- (112))) synthesized in Example 8 in a toluene solution.
12 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (137))) synthesized in Example 9. FIG.
13 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (137))) synthesized in Example 9 in a toluene solution. FIG.
FIG. 14 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (152))) synthesized in Example 10.
15 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (152))) synthesized in Example 10 in a toluene solution. FIG.
16 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (159)) synthesized in Example 11. FIG.
17 shows an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (Compound (I- (159))) synthesized in Example 11 in a toluene solution. FIG.
18 is an infrared absorption spectrum of a phthalocyanine compound (compound (I- (164))) synthesized in Example 12. FIG.
19 is an absorption spectrum of a phthalocyanine compound (Compound (I- (164))) synthesized in Example 12 in a toluene solution. FIG.
Claims (11)
の少なくとも1種からなるフタロシアニン化合物。General formulas (II) to (V):
A phthalocyanine compound comprising at least one of the following.
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