JP3563214B2 - プラズマエッチング方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シリコン窒化物薄膜等を高選択性でプラズマエッチングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、反応性プラズマで半導体ウェハ,LCD用ガラス基板等の被処理基体をエッチングしている。半導体材料としては種々の材料薄膜があるが、緻密な構造をもつシリコン窒化物(SiNx)の薄膜も、たとえばLSIプロセスにおける酸化,拡散によるマスク材料,LDD構造におけるゲート電極の保護膜,LCD等の電子デバイスにおける保護膜として使用されている。
マスクの形成に際しては、レジストパターンに沿った方向性エッチングが要求される。酸化や拡散プロセスを経た後の剥離工程では方向性が必要とされないが、エッチング工程では、シリコン酸化膜,アルミニウム等の下地材料に対してシリコン窒化物(SiNx)の薄膜を選択的にエッチングする必要がある。
【0003】
また、LSIの微細化に伴ってコンタクトホールでは自己整合コンタクト構造(SAC)が採用されており、ゲート材料を囲むように形成されたシリコン窒化物(SiNx)の薄膜に対してシリコン酸化物(SiOx)等の材料薄膜を選択的にエッチングするプロセスが要求されている。しかも、要求される加工精度が高度に微細化している最近の傾向に対応して、高速,高選択比,高精度で選択エッチングする技術の開発が望まれている。
【0004】
従来では、プラズマ源に印加される電力,圧力等の各種パラメータを制御すること、添加するガス種の選択,添加量を変化させること等による選択エッチングの開発及び制御が進められている。しかし、これらのパラメータは相互に相対的に変化するため、高精度制御が困難であった。また、ウェハの大口径化及びデバイス構造の複雑化に伴って、ウェハ全域にわたって均一にエッチングするプロセスの開発においては、従来のエッチング後に形状,エッチング速度等の特性を評価する方法によると、膨大なコスト及び時間がかかり、しかも信頼性が乏しくなる。エッチングの経時変化等によっても、大口径のウェハに対して高精度にシリコン窒化物(SiNx)の薄膜を選択エッチングすることが困難になる。
【0005】
下地材料に対してシリコン窒化物(SiNx)を選択的にエッチングし、或いはシリコン窒化物(SiNx)に対してシリコン酸化物(SiOx)等の材料薄膜を選択的にエッチングするプロセスにおいて、従来は、シリコン窒化物(SiNx)の薄膜から発生するエッチング生成ガス、たとえばN2ガス等の解離から生じたN原子の発光線を分光器で計測している。しかし、感度が十分でないため、高精度にエッチングの終点を検出したり、経時変化をモニタリングすることへの利用が困難であった。また、エッチングガスとして窒素含有ガスを使用する場合、エッチングガスからの発光とシリコン窒化物(SiNx)の薄膜から発生する窒素からの発光の両者が検出されるため、従来から使用されているN原子の発光線を用いるプロセス制御は不可能である。
更に、プラズマから離れた処理室に被処理基体を配置し、プラズマから輸送されてきたラジカルのみを用いて被処理基体をエッチングするプロセスでは、適当な発光種が存在しない。そのため、従来の発光線を用いたモニタリング法は適用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のプラズマ処理における問題を解消すべく案出されたものであり、エッチング時に発生するFCNがエッチング進行状況と密接に関係していることを利用することにより、処理室内の反応性プラズマ又はリモートプラズマで処理されるシリコン窒化物(SiNx)薄膜等を高精度で再現性良く高速に選択エッチングし、しかも大口径のウェハも均一処理が可能なプラズマエッチング法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマエッチング方法は、その目的を達成するため、フルオロカーボン又はハロゲンガスを含むエッチングガスをプラズマ化し、窒素原子を含む被処理基体をプラズマ化したエッチングガスでエッチングする際、プラズマ中のFCN分子を赤外吸収分光分析法で計測し、計測されたFCN分子の密度に基づいてプラズマ強度を制御することを特徴とする。プラズマから生じるラジカルのみを真空容器内に送り込み、被処理基体をエッチングする場合にも適用できる。被処理基体としては、シリコン窒化物の薄膜又は基体が使用される。
【0008】
このプラズマエッチングに使用する装置は、放電室から放出されるプラズマに対向して真空容器内に配置される窒素原子含有被処理基体を支持する電極と、真空容器に接続された真空排気装置と、フルオロカーボン又はハロゲンガスを含むエッチングガスを真空容器に導入する反応性ガス導入口と、被処理基体の上方域に向けて所定波長の赤外光を発射する発光素子と、被処理基体の上方域を通過した赤外光が入射する受光素子と、FCNスペクトルを測定する赤外吸収分光分析手段とを備えている。
反応性ガスをプラズマ化した反応性プラズマから生じたラジカルを放電室から真空容器内の被処理基体に導くように、誘導管で放電室と真空容器を接続しても良い。赤外吸収分光分析手段で測定されたFCNの分子密度は、メインコントローラで演算され、制御信号としてプラズマ制御用電源又は圧力制御系に出力される。
【0009】
【作用】
プラズマエッチングプロセスにおける反応性プラズマ中には、多数のラジカル,イオン,中性粒子が存在しており、種々の材料と反応してエッチングが進行する。エッチング中には、材料表面との反応で生成した反応生成物が発生する。したがって、反応生成物をリアルタイムで高精度に計測できると、被処理基体のエッチング状態を詳しく把握することが可能である。また、これらの情報をプラズマエッチング装置の制御系にフィードバックするとき、リアルタイムで高精度のエッチングプロセス制御が可能となる。
【0010】
本発明者等は、このような観点から多岐にわたってシリコン窒化物のプラズマエッチングを調査・研究した。その結果、エッチングガスとして種々のフルオロカーボンガス又はハロゲンガスを用いてシリコン窒化膜,シリコン酸化膜,シリコン等をエッチングし、エッチング中の活性種を赤外半導体レーザ吸収分光分析法で計測したところ、シリコン窒化物(SiNx)の薄膜をエッチングした場合のみに波長1060cm-1付近に鋭い吸収スペクトルがみられることを見い出した。解析の結果、この吸収スペクトルはFCN分子に起因することが判明した。
【0011】
すなわち、シリコン窒化物(SiNx)をエッチングする場合にのみ極めて高感度でFCNのスペクトルが発現するため、このスペクトルをモニタリングし、プラズマエッチング装置にフィードバックするとき、エッチング状態を詳細に把握できる。したがって、シリコン窒化物(SiNx)の薄膜等、少なくとも窒素原子を含む材料をフルオロカーボンガス又はハロゲンガスを用いてエッチングするプロセスの開発及びプロセスの高精度制御,信頼度の高いプロセスの構築等が可能になる。
【0012】
【実施例】
実施例1:
本実施例では、設備構成を図1に示すECRプラズマ処理装置を使用した。このプラズマ処理装置は、処理室を形成する真空容器10を備え、真空容器10の上部にECR放電を発生させる放電室20が連結されている。
真空容器10の内部には、電極として働く載置台11が設けられている。載置台11上に、ポリイミド樹脂等の絶縁材料製の環状薄膜でできた静電チャック12に板状電極13を介装して配置している。板状電極13に電源14から直流高電圧を印加すると、被処理基体Wを吸着するクーロン力が発生する。
載置台11には、被処理基体Wの温度を調節するため、液体窒素を循環させることができる冷却ジャケット等の冷却機構15やヒータ等の加熱機構16が設けられている。載置台11から被処理基体Wへ効率よく伝熱するため、静電チャック12に形成された複数の孔からヘリウム等のバッククリーンガスを被処理基体Wの裏面に供給する伝熱ガス供給機構17が載置台11に組み込まれている。
【0013】
放電室20には、石英等の誘電体からなる窓21を介してたとえば2.45GHzのマイクロ波を導入するための導波管22が接続されている。導波管22は、マイクロ波電源23に接続されている。放電室20の外壁は、冷却機構の給水管24から送り込まれた冷却水で水冷される。冷却に使用された水は、排水管25から排出される。
冷却機構24の外側に、放電室20を取り囲む磁気コイル26が取り付けられている。マイクロ波の照射によって放電室20内に放電が発生し、その放電中で電子がサイクロトロン運動するように、たとえば875ガウス程度の磁場が磁気コイル26により与えられる。これにより、高密度のプラズマが生起する。
載置台11には、マッチング回路31を介してバイアス用高周波電力印加用の高周波電源32が接続されている。被処理基体Wには、高周波電源32からの高周波の印加によってマイナス数十からマイナス300V程度のバイアスが印加される。
【0014】
放電室20には、たとえばAr等の不活性ガス及び三フッ化メタン(CHF3)等の反応性ガスAを導入するための導入口41が開口している。また、同様な反応性ガスBを導入するため、第2の導入口42が真空容器10に開口している。
真空容器10から延びた排気管43は、真空ポンプ等の真空は域装置(図示せず)に接続されている。フルオロカーボンを含む反応性ガスA,B等の原料ガスは、導入口41,42から一定量が送り込まれ、排気管43を介して排気される。これにより、真空容器10の雰囲気圧が所定値に制御される。
【0015】
真空容器10の外側には、NaCl等の赤外光が透過する材料で作られた少なくとも二つの窓33,33が相対向する位置に設けられている。それぞれの窓33,33から真空容器10の内部を覗くように、所定波長の赤外半導体レーザを出射する発光素子34と、発光素子34から出射され真空容器10内を通過した赤外半導体レーザを検出する受光素子35が設けられている。
発光素子34及び受光素子35は、赤外半導体レーザのスペクトル変化に基づいて真空容器10内にあるラジカル,イオン,原子,分子等のプラズマ粒子の密度や組成を計測する。受光素子35で計測されたプラズマ粒子の密度や組成に関する計測データは、メインコントローラ30に入力され、演算結果を高周波電源32又はマイクロ波電源23に出力する。メインコントローラ30からは圧力制御系36にも制御信号が出力され、真空容器10内の雰囲気圧が制御される。
【0016】
以上のプラズマ処理装置を用い、フルオロカーボンをプラズマ化した反応性ガスでシリコン,シリコン酸化膜,シリコン窒化膜を次のようにエッチング処理した。
先ず、被処理基体Wとして、直径12インチのシリコン基板,シリコン基板上に形成したシリコン窒化膜及びシリコン基板上に形成したシリコン酸化膜をそれぞれ真空容器10内の載置台11上にセットした。放電室20に三フッ化メタン(CHF3)ガスを含む反応性ガスを導入し、圧力0.4Paに維持した。反応性ガスの導入量は、CHF3換算で50sccmに設定した。そして、マイクロ波出力1000Wで放電を生起させた。
【0017】
被処理基体Wに400KHzの高周波を印加し、バイアス500Wの電力を被処理基体Wの表面に印加し、シリコン,シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜をそれぞれエッチングした。エッチング中、被処理基体Wは、基板温度25℃に保持した。また、真空容器10に設置した発光素子34及び受光素子35を用い、被処理基体Wの上方10mmの位置にあるCF,CF2,CF3等のラジカル及びエッチング中に存在する粒子の密度を測定した。
各材料のエッチング中にラジカル密度のエッチング速度依存性を調査した。なお、エッチング速度は、バイアスの印加電力を調整することにより変化させた。調査の結果、エッチング中に主としてCF,CF2,CF3等のラジカルが存在するが、エッチング速度の上昇に応じてラジカル密度が減少する傾向にあった。
【0018】
更に、種々の実験を重ねたところ、シリコン窒化膜のエッチング中においてのみ、図2に示すように1060cm-1付近に強度の大きなスペクトルが観察された。これらのスペクトルは、スペクトル解析の結果からシアン化フッ素(FCN)の分子に起因することが判明した。すなわち、赤外吸収分光分析法を用いることにより、シリコン窒化膜のエッチングプラズマ中にFCN分子が多量に存在することを見い出した。
次いで、FCN分子の発生機構を明らかにするため、この条件下におけるエッチング特性を評価したところ、エッチング速度がシリコンで0.1μm/分,シリコン窒化膜で0.3μm/分,シリコン酸化膜で0.7μm/分であった。また、各材料におけるウエハ内のエッチング速度の均一性は、約±15%であった。
【0019】
更に、FCN分子のエッチング時間依存性を調査した。図3の調査結果にみられるように、FCN分子の強度は、エッチング時間50秒で大きく減衰し、それ以降は一定値を示していた。このときの吸収強度の減衰速度は、図4に示すように、エッチング速度の均一性と密接な関係にあることが判った。しかも、FCN分子密度の減衰点はシリコン窒化膜のエッチング終了時間に対応しているので、FCN分子は、エッチング中にラジカル(CF,CF2,CF3)とシリコン窒化膜との反応により形成されることが判った。すなわち、シリコン窒化膜がエッチングされるときにおいてのみFCN分子が発生し、赤外半導体レーザ吸収分光分析法によりFCN分子を極めて高い感度で計測できることが判明した。したがって、赤外半導体レーザ吸収分光分析法を用いてFCN分子の密度を観測することにより、シリコン窒化膜のエッチング終点を高精度で検出できる。
【0020】
そこで、更にシリコン窒化物及びシリコン酸化物の薄膜が形成されたシリコン基板を被処理基体Wとして使用し、シリコン及びシリコン窒化膜に対するシリコン酸化膜の選択比を向上させる方法を検討した。使用した被処理基体Wは、直径12インチのシリコン基板上の一部にシリコン窒化物の薄膜が形成され、シリコン窒化物薄膜を覆うように膜厚0.3〜1.3μmのシリコン酸化物薄膜が基板全面に形成され、有機質レジストで膜厚0.5μm,直径0.3μmのホールパターンをシリコン酸化物薄膜上に形成したシリコン基板である。
流量10sccmのシクロサイクロオクタフッ化ブテン(C4F8)及び流量150sccmのArを含む反応性ガスを放電室20に導入し、放電室20を圧力1Paの雰囲気に維持した。この条件下でマイクロ波パワー出力1200Wにより放電を生起させた。
【0021】
被処理基体Wに400KHzの高周波を印加し、バイアス800Wの電力を被処理基体Wの表面に印加し、レジストパターンをマスクにしてシリコン及びシリコン窒化物薄膜に対してシリコン酸化物の薄膜を選択エッチングした。このときのエッチング速度は、シリコンで0.03μm/分,シリコン窒化膜で0.05μm/分,シリコン酸化膜で0.8μm/分であった。すなわち、シリコン酸化物薄膜に対する選択比は、シリコンが27,シリコン窒化物が16であった。また、各材料におけるウエハ内のエッチング速度の均一性は、約±5%以下であった。
【0022】
エッチング形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、シリコン酸化膜はほぼ垂直形状でエッチングされていた。また、エッチング中におけるFCN分子のスペクトルを測定したところ、極めて小さな強度であった。このことから、FCN分子の吸収スペクトルを計測することにより、シリコン窒化物の薄膜に対するシリコン酸化物の薄膜の選択比やエッチング特性をリアルタイムでモニタリングできることが判る。すなわち、FCN分子のスペクトルを常時計測し、スペクトル変化に応じてマイクロ波電力の強度,基板に印加する高周波電力強度,圧力等を制御するとき、高選択比の選択エッチング,経時変化に対するフィードバックが可能になる。
【0023】
次いで、同様な構造を持つウェハ5000枚について、同じ条件下でシリコン窒化物の薄膜及びシリコンに対してシリコン酸化物の薄膜を選択エッチングし、経時変化を調査した。その結果、2000枚あたりからFCN密度の増加が観察された。このときのエッチング特性を評価したところ、選択比の低下(選択比10)が検出され、経時変化を高精度でモニタリングできることが判った。
【0024】
実施例2:
本実施例では、設備構成を図5に示すマイクロ波励起ダウンストリーム型エッチング装置を使用した。このエッチング装置は、処理室を形成する真空容器50の上側に2.45GHzのマイクロ波励起放電を発生する放電室60を連結している。
真空容器50の内部には、実施例1と同様に載置台51が配置されている。載置台51上に、ポリイミド樹脂等の絶縁材料製の環状薄膜でできた静電チャック52に板状電極53を介装して配置している。板状電極53に電源54から直流高電圧を印加すると、被処理基体Wを吸着するクーロン力が発生する。
載置台51には、被処理基体Wの温度を調節するため、液体窒素を循環させることができる冷却ジャケット等の冷却機構55やヒータ等の加熱機構56が設けられている。載置台51から被処理基体Wへ効率よく伝熱するため、静電チャック52に形成された複数の孔からヘリウム等のバッククリーンガスを被処理基体Wの裏面に供給する伝熱ガス供給機構57が載置台51に組み込まれている。
【0025】
放電室60には、たとえば2.45GHzのマイクロ波を導入するための導入管61が石英等の誘電体でできた導波管62を介して接続されている。導入管61は、マイクロ波電源63に接続されている。放電室60は、冷却機構の給水管64から送り込まれた冷却水で冷却される。冷却水は、排水管65から系外に送り出される。
Ar等の不活性ガス及び四フッ化メタン(CF4)等の反応性ガスAは、導入口81から放電室60に送り込まれる。真空容器50は、排気管83を介して真空ポンプ等の真空排気装置(図示せず)に接続されている。導入口81からフルオロカーボン等を含む反応性ガスを一定量導入すると共に、排気管83を介して排気することにより、真空容器50及び放電室60内が所定のガス圧力に維持される。
【0026】
真空容器50の外側には、NaCl等の赤外光が透過する材料で作られた少なくとも二つの窓73,73が相対向する位置に設けられている。それぞれの窓73,73から真空容器50の内部を除くように、所定波長の赤外半導体レーザを出射する発光素子74と、発光素子74から出射され真空容器10内を通過した赤外半導体レーザを検出する受光素子75が設けられている。
【0027】
発光素子74及び受光素子75は、赤外半導体レーザのスペクトル変化に基づいて真空容器50内にあるラジカル,イオン,原子,分子等のプラズマ粒子の密度や組成を計測する。受光素子75で計測されたプラズマ粒子の密度や組成に関する計測データは、メインコントローラ70に入力され、演算結果をマイクロ波電源63に出力する。メインコントローラ70からは圧力制御系76にも制御信号が出力され、真空容器50の雰囲気圧が制御される。
以上のプラズマ処理装置を用い、シリコン,シリコン酸化膜,シリコン窒化膜をエッチング処理し、シリコン酸化物の薄膜に対するシリコン窒化物の薄膜のエッチング選択性を調査した。
【0028】
エッチングされる被処理基体Wとしては、基板上にシリコン酸化物の薄膜が形成され、シリコン酸化物の薄膜上の一部にシリコン窒化物の薄膜が形成された直径12インチのシリコン基板を使用した。被処理基体Wを真空容器50内の載置台51上にセットし、真空容器50を室温に維持した。
放電室60に四フッ化メタン(CF4)及び酸素(O2)を含む反応性ガスAを導入し、圧力49Paに維持した。反応性ガスの導入量は、CF4を100sccm,O2を70sccmに設定した。マイクロ波出力1000Wで放電を生起させた。
この装置では、放電部に形成されたプラズマにより四フッ化メタン(CF4)及び酸素(O2)が分解され、イオン,ラジカル,分子を含む反応性プラズマCが生成する。しかし、放電室60と真空容器50とが十分に離れているので、イオン種は真空容器50に送り込まれるまでに全て失活し、寿命の長いラジカルのみが真空容器50に輸送される。したがって、シリコン酸化物の薄膜に対するシリコン窒化物の薄膜をラジカルで選択エッチングすることになる。
【0029】
真空容器50内に配置された被処理基体Wの上方10mmの位置で、発光素子74及び受光素子75を用いた赤外半導体レーザ吸収分光分析により、CF,CF2,CF3等のラジカル及びエッチング中に存在する粒子の密度を測定した。エッチング処理中に、ラジカル(CF,CF2,CF3)及びフッ素原子の外に、図2と同様のFCN分に起因するスペクトルが1060cm-1付近に観測された。このときのエッチング特性を評価したところ、エッチング速度がシリコン窒化膜で0.1μm/分,シリコン酸化膜で0.02μm/分であった。各薄膜におけるウエハ内のエッチング速度の均一性は、約±5%であった。
次いで、FCN分子のエッチング時間依存性を調査したところ、エッチング時間120秒でFCN分子の強度が大きく減衰し、それ以降は一定値を示していた。このときの吸収強度の減衰速度は、実施例1と同様に被処理基体Wのエッチング速度の均一性と密接な関係にあった。また、種々の条件下でエッチングの均一性及びFCN分子のスペクトル強度の減衰を調査したところ、均一性の高いエッチング条件ほどFCN分子のスペクトルが急峻に減衰することが判った。
【0030】
FCN分子は、エッチング中にラジカル(CF,CF2,CF3)とシリコン窒化膜との反応により形成される。すなわち、シリコン窒化膜がエッチングされるときにおいてのみFCN分子が発生し、赤外半導体レーザ吸収分光分析法によりFCN分子を極めて高い感度で計測できる。したがって、赤外半導体レーザ吸収分光分析法を用いてFCN分子の密度を観測することにより、シリコン窒化膜のエッチング終点を高精度で検出できる。また、FCN分子の吸収スペクトルを計測することにより、シリコン窒化物の薄膜に対するシリコン酸化物の薄膜の選択比及びエッチング均一性をリアルタイムでモニタリングできる。
【0031】
更に、FCN分子の吸収スペクトルを常時計測し、スペクトルの変化に応じてマイクロ波電力の強度や圧力を変化させるとき、選択エッチングプロセスの開発やエッチング経時変化に対するフィードバックが可能になる。具体的には、同様な構造をもつウェハ5000枚について、同じ条件下でシリコン窒化物の薄膜及びシリコンに対してシリコン酸化物の薄膜を選択エッチングし、経時変化を調査した。その結果、1000枚あたりからFCN密度の減少が観察された。このときのエッチング特性を評価したところ、エッチング速度の低下(0.05μm/分)が検出され、経時変化を高精度でモニタリングできることが判った。
【0032】
以上の実施例では、ECRマイクロ波プラズマ処理装置及びマイクロ波励起ダウンストリームエッチング装置に適用した場合を説明した。しかし、本発明はこれに拘束されるものでなく、真空容器内に反応性プラズマを形成し、シリコン窒化物の薄膜を選択エッチングし、或いは他の材料,薄膜に対してシリコン窒化物の薄膜のエッチングを抑制する限り、平行平板型プラズマ処理装置,誘導結合型プラズマ処理装置等の各種プラズマ処理装置にも適用できる。
また、プラズマ形成用の周波数として2.45GHzのマイクロ波を使用したが、他の周波数のマイクロ波,13.56MHz等の高周波,100MHz付近のVHF,500MHz付近のUHF帯の周波数等を用いても実施可能である。
エッチングされる被処理基体としても、シリコン窒化物の薄膜のエッチングに限らず、窒素原子を含む材料又は薄膜である限り、窒化ガリウム,窒化カーボン,窒化ゲルマニウム,ポリイミド等に対しても適用可能である。更に、エッチング生成物としてFCN分子が存在する系である限り、フルオロカーボン又はハロゲンガスに少なくとも窒素原子を含むガスを混合したエッチングガスを使用し、シリコン,シリコン酸化物,金属,絶縁材料等をエッチングすることもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、フルオロカーボン又はハロゲンガスを含む反応性ガスをプラズマ化して窒素含有薄膜又は基体をエッチングする際に発生するFCNが極めて感度の高いスペクトルとして観察されることを利用し、エッチングの進行状況を把握している。そのため、シリコン窒化物の薄膜等のエッチングプロセスにおいて、プラズマを乱すことなくエッチング速度,選択比,均一性等のエッチング状態をリアルタイム且つ高感度で知ることができる。また、これらの情報をプロセス処理装置にフィードバックするとき、エッチングプロセスの高精度制御が可能となる。このようにして、本発明によるとき、シリコン,シリコン酸化物等に対してシリコン窒化物の薄膜等が高精度で選択エッチングされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で使用したプラズマエッチング装置
【図2】フルオロカーボンの反応性プラズマでシリコン窒化物の薄膜をエッチングしたときに発生するFCNのスペクトル
【図3】シリコン基体上に形成したシリコン窒化物の薄膜をプラズマエッチングしたときのFCNスペクトルの強度変化を示すグラフ
【図4】シリコン窒化物の薄膜のエッチング速度の均一性とFCN分子の吸収強度の減衰速度との間に密接な相関関係があることを示すグラフ
【図5】本発明の実施例2で使用したプラズマエッチング装置
【符号の説明】
10,50:真空容器 11,51:載置台 12,52:静電チャック 13,53:板状電極
14,54:直流電源 15,55:冷却機構 16,56:加熱機構 17,57:伝熱ガス供給機構
20,60:放電室 21:窓 61:マイクロ波導入管 22,62:導波管 23,63:マイクロ波電源 24,64:冷却機構の給水管 25,65:冷却機構の排水管 26:磁気コイル
30,70:メインコントローラ 31:マッチング回路 32:高周波電源 33,73:窓
34,74:発光素子(レーザ光源) 35,75:受光素子 36,76:圧力制御系
41,42,81:反応ガス導入口 43,83:排気管
A,B:反応性ガス C:反応性プラズマ W:被処理基体(シリコン基板)

Claims (3)

  1. フルオロカーボン又はハロゲンガスを含むエッチングガスをプラズマ化し、窒素原子を含む被処理基体をプラズマ化したエッチングガスでエッチングする際、被処理基体の上方空間にあるFCN分子を赤外吸収分光分析法で計測し、計測されたFCN分子の密度に基づいてプラズマ強度又はガス圧力を制御するプラズマエッチング方法。
  2. フルオロカーボン又はハロゲンガスを含むエッチングガスをプラズマ化し、窒素原子を含む被処理基体がセットされた真空容器にプラズマから生じるラジカルを導入し、被処理基体をラジカルでエッチングする際、被処理基体の上方空間にあるFCN分子を赤外吸収分光分析法で計測し、計測されたFCN分子の密度に基づいてプラズマ強度又はガス圧力を制御するプラズマエッチング方法。
  3. シリコン窒化物の薄膜又は基体を被処理基体とする請求項1又は2記載のプラズマエッチング方法。
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