JP3562577B2 - 認証システム - Google Patents

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    • G06F21/00Security arrangements for protecting computers, components thereof, programs or data against unauthorised activity
    • G06F21/30Authentication, i.e. establishing the identity or authorisation of security principals
    • G06F21/31User authentication
    • G06F21/32User authentication using biometric data, e.g. fingerprints, iris scans or voiceprints

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は認証システム、特にエンティティの筆記時のペンの方向に現れる個人差を利用する認証システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及によってネットワーク上の通信を利用した商取引が盛んに行われているが、商取引の安全を確保するために各エンティティの認証を行うことが重要である。一般には、認証局が取引に必要なパスワードやIDナンバーを予め各エンティティに付与し、そのパスワード等をネットワークに通信可能に接続された端末装置に入力させることで認証を行う。しかし、パスワードやIDナンバーが他人の知るところとなった場合、認証局はそのパスワード等を入力したものが別人であることを識別することができない。
【0003】
かかる背景に鑑み、近年、「バイオメトリクス(生体識別)」による認証の研究が盛んに行われている。バイオメトリクスによる認証方法にはDNA、顔、網膜、指紋等の人間の身体的・物理的特徴を用いる方法と、署名や声等の人間の行動の特徴を用いる方法とがある。前者の方法によれば、指紋等の身体的特徴を別人が盗用して本人に成り済ますのは極めて困難であるため、認証がきわめて確実に行われるという利点がある。しかし、DNAや顔や指紋を識別するための特殊かつ高価な装置が必要となるため実用化が困難という問題がある。一方、後者の方法の一例として、筆跡照合による方法が提案されている。筆跡の照合はDNAや顔の識別と比較して簡単な構成の装置により行えるので、実用性が高い。しかし、別人により本人の筆跡が巧みに模倣される可能性は高く、認証の信頼性が十分とはいえない。
【0004】
そこで、本願発明者は、筆記時におけるペンの方向に現れる個人差に着目し、その個人差を利用した信頼性・実用性の高い認証方法を提案している(電子情報通信学会、信学技報「署名時のペンの方向に着目したオンライン署名照合」(1998年2月刊行)参照)。この認証方法によれば、まず、本人が署名するときの筆記面に対するペンの方向の時間変化が測定され、基準の署名データとして登録される。次に、任意の者が同一の署名をするときのペンの方向の時間変化が測定され、認証用の署名データとして基準の署名データと比較される。両データの比較に際し、それぞれの時間スケールが整合される。例えば、基準の署名データ、認証用の署名データの測定時間の比が1.1:1とすると、後者の時間スケールは前者の時間スケールに合わせて1.1倍に一様に拡大される。こうして時間スケールが整合された上で両データが比較され、両データの誤差が所定の閾値以下であれば認証用の署名データに係る署名者は本人であり、閾値より大きければ別人であると判断される。この認証方法は筆跡のみを利用する認証方法と比較して格段に向上することが示された。
【0005】
しかし、全体的な時間スケールを整合させても、筆記時間の部分的なばらつきにより本人が別人と誤認される可能性が残されていた。例えば、二分されるパターンについて、基準の署名データの測定時には前半:後半が0.45:0.55という時間配分で書かれ、認証用の署名データの測定時には前半:後半が0.55:0.45という時間配分で書かれたとする。また、前半と後半とでペンの方向が顕著に変化したとする。この場合、配分比0.45〜0.55の時間帯で両方の署名データの誤差が大きくなり、結果として基準の署名データ及び認証用の署名データが同一人から測定されたにもかかわらず別人と誤認される可能性があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる背景に鑑み、本発明は、筆記時間の部分的ばらつきの影響を排除し、ペンの方向の時間変化を比較することでより信頼性の高い認証システムを提供することを解決課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の第1態様の認証システムは、筆記面に対するペンの傾斜角及び方位角の一方又は両方により表される該ペンの方向ベクトルを時系列的に測定する方向測定手段と、該筆記面における該ペンの先端の位置ベクトルを時系列的に測定するペン先位置測定手段と、第1エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトルと、該ペン先位置測定手段により測定された位置ベクトルとを成分に含む第1ベクトルを時系列的に生成する第1ベクトル生成手段と、第2エンティティが該ペンを用いて該筆記面に該所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトルと、該ペン先位置測定手段により測定された位置ベクトルとを成分に含む第2ベクトルを時系列的に生成する第2ベクトル生成手段と、該第1ベクトル生成手段により生成された第1ベクトルに含まれる方向ベクトルと該第2ベクトル生成手段により生成された第2ベクトルに含まれる方向ベクトルとの差と、該第1ベクトルに含まれる位置ベクトルと該第2ベクトルに含まれる位置ベクトルとの差とが、それぞれ規格化され、前者を後者より大きく重み付けし上で加算することにより、該第1ベクトルと該第2ベクトルとの差を求め、該差の累積値が最小になるように第1ベクトル及び第2ベクトルの時間スケールを整合させるDPマッチング処理を行うDPマッチング処理手段と、該DPマッチング処理手段により行われるDPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差の累積値が所定の閾値以下の場合は第1エンティティと第2エンティティとが一致すると判定し、該閾値より大きい場合は第1エンティティと第2エンティティとが相違すると判定する判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1態様の認証システムによれば、まず、第1エンティティがペンを用いて筆記面に所定パターンを書くとき、方向測定手段により筆記面に対する傾斜角又は方位角により表されるペンの「方向ベクトル」が時系列的に測定される。また、このとき、ペン先位置測定手段により筆記面におけるペンの先端の「位置ベクトル」が時系列的に測定される。そして、第1ベクトル生成手段により、測定されたペンの「方向ベクトル」及びペンの先端の「位置ベクトル」を成分に含む第1ベクトルが時系列的に生成される。また、第2エンティティがペンを用いて筆記面に所定パターンを書くとき、方向測定手段によりペンの方向ベクトルが時系列的に測定される。さらに、このとき、ペン先位置測定手段により筆記面におけるペンの先端の「位置ベクトル」が時系列的に測定される。そして、第2ベクトル生成手段により、測定されたペンの方向ベクトル及びペンの先端の「位置ベクトル」を成分に含む第2ベクトルが時系列的に生成される。ここで「筆記面」は、平面のみならず球面の一部等の曲面を含む。また、「所定パターン」とはペンを用いて筆記面に書ける又は描けるあらゆるパターンを意味し、文字、記号、符号、図形、これらの組み合わせ、及びこれらの断片的部分を含む。
【0009】
次に、DPマッチング処理手段によりDPマッチング処理が行われ、第1及び第2ベクトルの差の累積値が最小となるように、即ち、第1及び第2ベクトルが最もよく整合するように時間スケールが調整される。この第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、第1ベクトルに成分として含まれている方向ベクトルと第2ベクトルに成分として含まれている方向ベクトルとの差、及び第1ベクトルに成分として含まれている位置ベクトルと第2ベクトルに成分として含まれている位置ベクトルとの差が含まれる。また、前者が後者より大きく重み付けされた上で加算されることにより、第1ベクトルと第2ベクトルとの差が求められる。ここで、ベクトルの「差」は、両ベクトルのなす角度、両ベクトルで表されるベクトル空間内の点同士の距離、両ベクトルの内積、両ベクトルの長さの差等を含む。
【0010】
本発明のDPマッチング処理の概要について図2を用いて説明する。簡単のため、第1及び第2ベクトルは1次元とし、第1ベクトルが図2(a)に点線で示すように時間0〜tで増加、t〜tで減少、t〜tで増加し、第2ベクトルが図2(a)に実線で示すように時間0〜t’で増加、t’〜t’で減少、t’〜t’で増加したとする。また、t’<t<t’<t<t<t’であり、時間0〜t、t〜t、t〜tの比が2:2:1、時間0〜t’、t’〜t’、t’〜t’の比が1:2:3であり、両ベクトルの時間変化に部分的ばらつきがあるとする。この場合、DPマッチング処理が行われると、図2(b)に点線で示す第1ベクトルの時間0〜t、t〜t、t〜tに合わせ、実線で示すように第2データの時間0〜t’、t’〜t’、t’〜t’が伸縮される。一方、従来通り第2ベクトルの時間スケールが第1ベクトルの時間スケールに合わせて図2(b)に一点鎖線で示すように一様に縮小されると、両ベクトルはその時間スケールの部分的ばらつきを反映して大きく相違した形となる。
【0011】
最後に、判定手段により、DPマッチング処理における差の累積値が所定の閾値以下の場合には両エンティティが一致すると判定され、閾値より大きい場合には両エンティティが相違すると判定される。
【0012】
本発明の第1態様の認証システムによれば、DPマッチング処理により両ベクトルの時間変化の部分的ばらつきが解消されて両ベクトルが最もよく整合される。その上で、両ベクトルの差の累積値に基づいて第1エンティティと第2エンティティとの同否が判定される。このように両ベクトルの時間変化の部分的ばらつきが解消されるので、第1エンティティと第2エンティティとが同一にもかかわらず、筆記時に生じるペンの方向の時間的な部分的ばらつきのために別人と判定されるおそれを抑制することができる。
【0013】
また、DPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、各ベクトルに含まれる方向ベクトル同士の差、及び各ベクトルに含まれる方向ベクトル同士の差が含まれている。従って、第1及び第2ベクトルの差には、第1、第2ベクトルのそれぞれの成分である方向ベクトル、位置ベクトルの差が含まれている。従って、筆記面に対するペンの方向、筆記面におけるペンの先端の位置から両エンティティの筆記癖を総合的に比較した上で認証を行うことができる。また、DPマッチング処理において、第1、第2ベクトルにそれぞれ含まれる方向ベクトルの差と、位置ベクトルの差とがそれぞれ規格化され、重み付けされてから加算されることで第1ベクトルと第2ベクトルとの差が求められる。ここで「規格化」とは、単位次元の異なるベクトル成分の差をまとめて評価できるようにそれぞれの単位を無次元化し、大きさを[0、1]等の共通する範囲内の数値とすることをいう。また、重み付けが「方向ベクトルの規格化された差の重み」>「位置ベクトルの規格化された差の重み」とされている。本願発明者が得た知見によれば、位置ベクトルよりも方向ベクトルに各エンティティの筆記癖が現れやすい。従って、第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、各エンティティの筆記癖が適切に反映され、この差に基づいて認証を行うことにより、認証システムの信頼性をさらに向上させることができる。
【0014】
本発明の第1態様の認証システムは、さらに、前記筆記面における前記ペンの筆圧を時系列的に測定する筆圧測定手段を備え、前記第1ベクトル生成手段が、第1エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該筆圧測定手段により測定された筆圧を成分として含む前記第1ベクトルを時系列的に生成し、前記第2ベクトル生成手段が、第2エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該筆圧測定手段により測定された位置ベクトルを成分として含む前記第2ベクトルを時系列的に生成し、前記DPマッチング処理手段が、該第1ベクトル生成手段により生成された第1ベクトルに含まれる位置ベクトルと該第2ベクトル生成手段により生成された第2ベクトルに含まれる位置ベクトルとの差と、該第1ベクトルに含まれる筆圧と該第2ベクトルに含まれる筆圧との差とをそれぞれ規格化し、前者を後者より大きく重み付けした上で加算することにより、該第1ベクトルと該第2ベクトルとの差を求め、該差の累積値が最小になるように該第1ベクトル及び該第2ベクトルの時間スケールを整合させるDPマッチング処理を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、DPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、各ベクトルに含まれる方向ベクトル同士の差、各ベクトルに含まれる位置ベクトルの差、及び各ベクトルに含まれる筆圧同士の差が含まれている。従って、筆記面に対するペンの方向、ペン先端の位置、及び筆圧から両エンティティの筆記癖を総合的に比較した上で認証を行うことができる。また、DPマッチング処理において、第1、第2ベクトルにそれぞれ含まれる方向ベクトルの差と、位置ベクトルの差と、筆圧の差とがそれぞれ規格化され、重み付けされてから加算されることで第1ベクトルと第2ベクトルとの差が求められる。また、重み付けが「方向ベクトルの規格化された差の重み」>「位置ベクトルの規格化された差の重み」>「筆圧の規格化された差の重み」とされている。本願発明者が得た知見によれば、筆圧よりも位置ベクトル、位置ベクトルよりも方向ベクトルに各エンティティの筆記癖が現れやすい。従って、第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、各エンティティの筆記癖が適切に反映され、この差に基づいて認証を行うことにより、認証システムの信頼性をさらに向上させることができる。
【0016】
また、前記課題を解決するための本発明の第2態様の認証システムは、筆記面に対するペンの傾斜角及び方位角の一方又は両方により表される該ペンの方向ベクトルを時系列的に測定する方向測定手段と、該筆記面における該ペンの筆圧を時系列的に測定する筆圧測定手段と、第1エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトル、及び該筆圧測定手段により測定された筆圧を成分に含む第1ベクトルを時系列的に生成する第1ベクトル生成手段と、第2エンティティが該ペンを用いて該筆記面に該所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトル、及び該筆圧測定手段により測定された筆圧を成分に含む第2ベクトルを時系列的に生成する第2ベクトル生成手段と、該第1ベクトル生成手段により生成された第1ベクトルに含まれる方向ベクトルと該第2ベクトル生成手段により生成された第2ベクトルに含まれる方向ベクトルとの差、及び該第1ベクトルに含まれる筆圧と該第2ベクトルに含まれる筆圧との差をそれぞれ規格化され、前者を後者より大きく重み付けした上で加算することにより、該第1ベクトルと該第2ベクトルとの差を求め、該差の累積値が最小になるように該第1ベクトル及び該第2ベクトルの時間スケールを整合させるDPマッチング処理を行うDPマッチング処理手段と、該DPマッチング処理手段により行われるDPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差の累積値が所定の閾値以下の場合は第1エンティティと第2エンティティとが一致すると判定し、該閾値より大きい場合は第1エンティティと第2エンティティとが相違すると判定する判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明の第2態様の認証システムによれば、DPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、各ベクトルに含まれる方向ベクトル同士の差、及び各ベクトルに含まれる筆圧同士の差が含まれている。従って、筆記面に対するペンの方向、筆圧から両エンティティの筆記癖を総合的に比較した上で認証を行うことができる。また、DPマッチング処理において、第1、第2ベクトルにそれぞれ含まれる方向ベクトルの差と、筆圧の差とがそれぞれ規格化され、重み付けされてから加算されることで第1ベクトルと第2ベクトルとの差が求められる。また、重み付けが「方向ベクトルの規格化された差の重み」>「筆圧の規格化された差の重み」とされている。本願発明者が得た知見によれば、筆圧よりも方向ベクトルに各エンティティの筆記癖が現れやすい。従って、第1ベクトルと第2ベクトルとの差には、各エンティティの筆記癖が適切に反映され、この差に基づいて認証を行うことにより、認証システムの信頼性をさらに向上させることができる。
【0020】
また、第1エンティティが前記ペンを用いて前記筆記面に前記所定パターンを複数回にわたって書いたとき、前記第1データ生成手段により複数組の第1ベクトルが時系列的に生成され、前記DPマッチング処理手段が該複数組の第1ベクトルに対してDPマッチング処理を施し、該第1ベクトル生成手段がDPマッチング処理後の該複数組の第1ベクトルの平均ベクトルを新たな一の第1ベクトルとして時系列的に生成することが好ましい。
【0021】
さらに、第2エンティティが前記ペンを用いて前記筆記面に前記所定パターンを複数回にわたって書いたとき、前記第2データ生成手段により複数組の第2ベクトルが時系列的に生成され、前記DPマッチング処理手段が該複数組の第2ベクトルに対してDPマッチング処理を施し、該第2ベクトル生成手段がDPマッチング処理後の該複数組の第2ベクトルの平均ベクトルを新たな一の第2ベクトルとして時系列的に生成することが好ましい。
【0022】
この認証システムでは、DPマッチング処理が施された複数組の第1、第2ベクトルが平均化される。従って、偶発的な筆記癖が各エンティティに固有の筆記癖であるかのように第1、第2ベクトルに反映される事態が抑制される。すなわち、一の組の第1、第2ベクトルに偶発的な筆記癖が反映されていても、別の組の第1、第2ベクトルにはその筆記癖が反映されていない可能性が高い。このため、DPマッチング処理後の複数組のベクトルの平均化によりかかる偶発的な筆記癖の影響を緩和することができる。また、偶発的に現れなかった筆記癖が、固有の筆記癖ではないかのように第1、第2ベクトルに反映されない事態が抑制される。すなわち、一の組の第1、第2ベクトルに固有の筆記癖が反映されていなくても、別の組の第1、第2ベクトルにはその筆記癖が反映されている可能性が高いため、ベクトルの平均化によりその筆記癖を明確化することができる。このように偶発的な筆記癖の影響が緩和され、固有の筆記癖が明確化された第1、第2ベクトルに基づき各エンティティの異同が判定されることにより認証の信頼性を向上させることができる。
【0023】
前記閾値が、複数組の第1ベクトルに対するDPマッチング処理における前記差の累積値の最大値と同程度に設定されることが好ましい。この差の累積値は同一の第1エンティティが同一の所定パターンを書くときに筆記癖がどの程度ばらつくかを示すものである。すなわち、第1エンティティと一致する第2エンティティが認証に際して同一の所定パターンを書くとき、筆記癖のばらつきにより差の累積値が同程度になると予想される。かかる筆記癖のばらつきを予想した上で認証が行われるので、両エンティティが一致するにもかかわらず、相違すると誤って判定される可能性を軽減することができる。また、筆記癖のばらつきが大きい第1エンティティに対しては閾値を増加させて認証の条件をやや緩和する一方、筆記癖のばらつきが小さい第1エンティティに対しては閾値を低めに押さえて認証システム全体の信頼性を確保することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の認証システムの実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態の認証システムの説明的構成図であり、図2は本実施形態の認証システムにおけるDPマッチングの概要説明図であり、図3は本実施形態の認証システムにおけるDPマッチング処理の詳細の説明図である。
【0025】
図1に示す認証システムは、複数箇所に設置された略平板状のタブレット(筆記面)1と、図示しない磁石が仕込まれたペン2と、タブレット1に接続された端末装置3と、複数の端末装置3にネットワークを介して通信可能に接続された認証用端末装置4とを備えている。
【0026】
タブレット1は、ペン2に仕込まれた磁石の磁気を検出することでタブレット1に対する傾斜角θ及び方位角φで表されるペン2の方向ベクトルa=(cosθsinφ、cosθcosφ、sinθ)を時系列的に測定する方向測定手段5と、タブレット1におけるペン2の先端の位置ベクトルb=(x、y)を時系列的に測定するペン先位置測定手段6と、タブレット1に対するペン先の筆圧pを時系列的に測定する筆圧測定手段7とを備えている。認証用端末装置4は、認証の基準となる第1ベクトルを生成する第1ベクトル生成手段8と、認証に際して第1ベクトルと比較される第2ベクトルを生成する第2ベクトル生成手段9と、両ベクトルのDPマッチング処理を行うDPマッチング処理手段10と、DPマッチング処理の結果に基づいて本人か否かを判定する判定手段11と、認証に必要な種々のデータを記憶保持するメモリ12とを備えている。第1ベクトル生成手段8、第2ベクトル生成手段9により生成される第1ベクトル(a、b、p)、第2ベクトル(a、b、p)は、ある時点の3次元の方向ベクトルa、a、2次元の位置ベクトルb、b、筆圧p、pを含む6次元のベクトルである。
【0027】
前記構成の認証システムによる認証の手順について説明する。本実施形態では、認証システムがクレジット・カードを利用したショッピングに適用され、タブレット1、ペン2、端末装置3を備えたカード発行の窓口及びショップが存在し、また、カード会社が認証用端末装置4を所有している。まず、カードを所望する第1エンティティが、カード発行に必要な個人データをカード発行の窓口にある端末装置3に入力する。また、第1エンティティはペン2を用いてその端末装置3に接続されたタブレット1に自己の氏名(本発明の「所定パターン」)を署名する。このとき、方向測定手段5、ペン先位置測定手段6、筆圧測定手段7によりペン2の方向ベクトル、位置ベクトル、筆圧が時系列的に測定され、基準の署名データとされる。また、筆圧が0から有限値となったときが書き始めの時刻として測定され、筆圧が最終的に0となったときが書き終えの時刻として測定される。続いて、個人データ及び基準の署名データが発行窓口の端末装置3から認証用端末装置4に送信される。そして、カード会社が第1エンティティにカードを発行する場合、暗証番号等のカード・データとともに基準の署名データがメモリ12に記憶保持される。
【0028】
タブレット1等が備えられたショップにおいて、カード会社から付与されたカードを用いてショッピングを希望する第2エンティティは、ショップの端末装置3にカード・データを入力するとともに、ペン2を用いてタブレット1に署名する。このとき、方向測定手段5、ペン先位置測定手段6、筆圧測定手段7によりペン2の方向ベクトル、位置ベクトル、筆圧が時系列的に測定され、認証用の署名データとされる。続いて、カード・データ及び認証用の署名データがショップの端末装置3から認証用端末装置4に送信される。
【0029】
次に、カード会社の認証用端末装置4において、ショップの端末装置3から送信されてきたカード・データに対応し、メモリ12に記憶保持されている基準の署名データに基づいて第1ベクトル生成手段8が第1ベクトルを生成する。また、ショップの端末装置3から送信されてきた認証用の署名データに基づいて第2ベクトル生成手段9が第2ベクトルを生成する。
【0030】
さらに、DPマッチング処理手段10により第1、第2ベクトルに対してDPマッチング処理が行われる。DPマッチング処理によれば、既に図2を用いて概要を説明したように両ベクトルの差の累積値が最小になるように両ベクトルの時間スケールが調整されるが、その詳細については後述する。第1、第2ベクトルの差dは次式(1)で表される。
【0031】
Figure 0003562577
ここで、函数f(X)=(X−minX)/(maxX−minX)は、差Xを無次元化して区間[0、1]の範囲に規格化する函数である。上式(1)の右辺の第1項は、ペン2の方向ベクトルa、aのなす角度を表す。また、第2項は位置ベクトルb、bの距離を表し、第3項はペン先の筆圧p、pの差異を表す。また、α、β、γはいずれの、各エンティティの筆記癖がペン2の方向、ペン2の先端の位置、筆圧のうちいずれに強く現れるかに応じて決定される重みである。
【0032】
最後に、第1、第2ベクトルに対するDPマッチング処理における差の累積値と閾値とが比較される。その結果、差の累積値が閾値以下ならば第1エンティティと第2エンティティとが一致する、すなわち、ショップで署名したのは本来のカード所有者本人と判定される。また、差の累積値が閾値より大きければ第1エンティティと第2エンティティとが相違する、すなわち、ショップで署名したのは本来のカード所有者とは別人と判定される。この判定結果は認証用端末装置4からショップの端末装置3に送信され、本人と判定された場合にはショッピングが進行し、別人と判定された場合にはショッピングが停止する。
【0033】
ここで、本実施形態のDPマッチング処理の詳細について図3を用いて説明する。第1、第2ベクトルは前述のように6次元であるが、ここでは説明を簡単にするため1次元とする。第1ベクトル生成手段8により、所定時間Δtごとに図3(a)に点線で示すように変化するn=6個の第1ベクトルのセット(3、2、1、2、3、1)が生成されたとする。また、第2ベクトル生成手段9により、所定時間Δtごとに図3(a)に実線で示すように変化するn=5個の第2ベクトルのセット(3、1、2、3、0)が生成されたとする。
【0034】
本実施形態のDPマッチング処理では、格子点(m、m)にm個目の第1ベクトル及びm個目の第2ベクトルが対応する図3(c)に示す格子系が用いられる。例えば、格子点(1、3)には1個目の第1ベクトル(=3)及び3個目の第2ベクトル(=2)が対応する。そして、格子点に対応する第1ベクトルと第2ベクトルとの差(上式(1)参照)の累積値が最小になるように(1、1)から(n=6、n=5)に至るまで格子点が接続される。例えば、差を両ベクトルの差の絶対値とすると、格子点(1、1)における両ベクトルの差は、1個目の第1ベクトル(=3)と1個目の第2ベクトル(=3)との差の絶対値をとって0となる。なお、このとき、格子点(m、m)は格子点(m+1、m)、(m、m+1)又は(m+1、m+1)に接続される。例えば、格子点(1、1)は、格子点(1、2)、(2、1)又は(2、2)のいずれかに接続される。
【0035】
ここで、図3(c)に示す経路1{(1、1)→(2、2)→(3、2)→(4、3)→(5、4)→(6、5)}及び経路2{(1、1)→(1、2)→(2、3)→(3、4)→(4、4)→(5、5)→(6、5)}を考える。各格子点に対応する第1及び第2ベクトルの差の累積値を調べると、経路1では2、経路2では9である。比較のため各経路について、例えば、格子点(3、2)を通る経路1については、3個目の第1ベクトルの時刻2Δtに2個目の第2ベクトルの時刻Δtが対応するように両ベクトルの時間スケールを整合させる。この結果を図3(b)に示すが、差の累積値が小さい経路1に従った場合、差の累積値が大きい経路2に従った場合より両ベクトルがよく整合している。これから明らかなように、差の累積値が最小となる経路に従って両データの時間スケールが整合されると、両ベクトルの整合性が最良となる。
【0036】
本実施形態の認証システムによれば、DPマッチング処理により両ベクトルが最もよく整合するように両ベクトルの時間スケールが調整される。その上で、両ベクトルの差の累積値に基づいてカードの本来の所有者である第1エンティティとそのカードを用いてショッピングをしようとする第2エンティティとの同否が判定される。このように両ベクトルの時間変化の部分的ばらつきが解消されるので、両エンティティが同一にもかかわらず、署名に際してペン2の時間変化に部分的ばらつきが生じて別人と判定されるおそれを抑制することができる。
【0037】
また、上式(1)に示すように、第1ベクトルと第2ベクトルとの差dには方向ベクトルa、aのなす角度、位置ベクトルb、bの距離、筆圧p、pの差異が含まれている。従って、タブレット1に対するペン2の方向、タブレット1におけるペン2の先端の位置、タブレット1に対する筆圧から両エンティティの筆記癖を総合的に比較した上で認証を行うことができる。
【0038】
本願発明者が複数人に対して行った実験によれば、α+β+γ=1という条件下で上式(1)の重みをα=0.49>β=0.34>γ=0.17とすると、本人が本人と判定された確率が平均で98.2%とかなり高くなった。α>β>γという大小関係は、筆圧よりも位置ベクトル、位置ベクトルよりも方向ベクトルに各エンティティの筆記癖が現れやすいことを意味する。従って、大小関係α>β>γから決定される第1ベクトルと第2ベクトルとの差dに基づいて認証を行うことにより、認証システムの信頼性を向上させることができる。
【0039】
また、大小関係α>β>γとされると第1、第2エンティティがタブレット1にペン2を用いて署名するときのペン2の方向ベクトルa、aのなす角度が認証に際して最重視されている。例えば、右利きのエンティティと左利きのエンティティとでは筆記時のペン2の方向ベクトルが著しく相違するので両者が相違することが明確に判定される。また、タブレット1に手を触れずに筆記するエンティティのペン2の方向ベクトルは、タブレット1に手を置きながら筆記するエンティティのそれと比較してタブレット1に対して略垂直になる傾向があるので、かかる傾向によっても認証を行うことができる。
【0040】
なお、本実施形態では認証システムがカードを用いたショッピングに適用されたが、他の実施形態として銀行口座からの預金の引き出し等、認証が必要なあらゆる場面に適用されてもよい。
【0041】
また、本実施形態ではタブレット1に書かれる所定パターンがエンティティ自身の氏名であったが、他の実施形態として所定パターンが特定の文字、記号、符号、またはこれらの断片的部分であってもよい。特に、所定パターンとして文字等の断片的部分が用いられる場合、タブレット1に異なる文字等を書いても、それらの文字等が共通の所定パターンを含むときは認証が行えるので認証システムの汎用性が向上する。例えば、第1エンティティが反時計回りに記号「△」を書き、第2エンティティが反時計回りに記号「□」を書いたとする。この場合、前者の底辺及び後者の下辺は筆記面において右向きのパターンとして共通しており、ペン先を右に動かすときの各エンティティの癖が現れる。従って、このパターンを筆記面に書くときのペン2の方向に対応する第1、第2ベクトルが比較されることで、より確実に認証が行われる。また、この場合、右向きのパターンが書かれている時間は、筆圧測定手段7により測定される筆圧ではなく、ペン先位置測定手段6により測定される位置ベクトルの時間変化に基づいて測定される。タブレット1においてx正方向を右とすると、dx/dt>0、dy/dt=0である時間において所定パターンが書かれていると測定される。
【0042】
さらに、本実施形態では第1、第2ベクトルは6次元であったが、他の実施形態としてペン2の方向ベクトルを残して低次元化し、3、4又は5次元のベクトルとされてもよい。この場合も、第1及び第2ベクトルに対するDPマッチング処理における差の累積値には、各エンティティがタブレット1に筆記する際のペン2の方向に現れる個人差が反映されるため、この個人差を利用して信頼性の高い認証を行うことができる。
【0043】
また、本実施形態では上式(1)の重みをα>β>γとしたが、他の実施形態として、α<β<γ、α=β=γ等のこれ以外の関係に従って重み付けされてもよい。この場合も第1及び第2ベクトルの差dを表す上式(1)には、右辺第1項で表されるようにペン2の方向ベクトルa、aのなす角度が反映されている。従って、ペン2の方向ベクトルに現れる各エンティティの筆記癖が反映された形で認証を行うことができる。
【0044】
さらに、本実施形態ではエンティティはカード発行のため、そしてカードを用いたショッピングのために1回ずつ署名したが、他の実施形態としていずれかの場面でエンティティが複数回にわたって署名し、複数の署名データから第1ベクトル生成手段8、第2ベクトル生成手段9により複数組の第1、第2ベクトルが生成され、DPマッチング処理手段10が複数組の第1、第2ベクトルに対してDPマッチング処理を施し、第1ベクトル生成手段8、第2ベクトル生成手段9がDPマッチング処理後の複数組の第1、第2ベクトルの平均ベクトルを新たな一の第1、第2ベクトルとして生成してもよい。
【0045】
この場合、DPマッチング処理が施された複数組の第1、第2ベクトルが平均化される。従って、偶発的な筆記癖が各エンティティに固有の筆記癖であるかのように第1、第2ベクトルに反映される事態が抑制される。すなわち、一の組の第1、第2ベクトルに偶発的な筆記癖が反映されていても、別の組の第1、第2ベクトルにはその筆記癖が反映されていない可能性が高い。このため、DPマッチング処理後の複数組のベクトルの平均化によりかかる偶発的な筆記癖の影響を緩和することができる。また、偶発的に現れなかった筆記癖が、固有の筆記癖ではないかのように第1、第2ベクトルに反映されない事態が抑制される。すなわち、一の組の第1、第2ベクトルに固有の筆記癖が反映されていなくても、別の組の第1、第2ベクトルにはその筆記癖が反映されている可能性が高いため、ベクトルの平均化によりその筆記癖を明確化することができる。このように偶発的な筆記癖の影響が緩和され、固有の筆記癖が明確化された第1、第2ベクトルに基づき各エンティティの異同が判定されることにより認証の信頼性を向上させることができる。
【0046】
また、複数組の第1ベクトルに対してDPマッチング処理が行われる場合、このDPマッチング処理における差の累積値の最大値と同程度に閾値が設定されてもよい。この差の累積値は同一の第1エンティティが同一の所定パターンを書くときに筆記癖がどの程度ばらつくかを示すものである。すなわち、第1エンティティと一致する第2エンティティが認証に際して同一の所定パターンを書くとき、筆記癖のばらつきにより差の累積値が同程度になると予想される。かかる筆記癖のばらつきを予想した上で認証が行われるので、両エンティティが一致するにもかかわらず、相違すると誤って判定される可能性を軽減することができる。また、筆記癖のばらつきが大きい第1エンティティに対しては閾値を増加させて認証の条件をやや緩和する一方、筆記癖のばらつきが小さい第1エンティティに対しては閾値を低めにして認証システム全体の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の認証システムの説明的構成図
【図2】本実施形態の認証システムにおけるDPマッチング処理の概要説明図
【図3】本実施形態の認証システムにおけるDPマッチング処理の詳細な説明図
【符号の説明】
1‥タブレット(筆記面)、2‥ペン、5‥方向測定手段、6‥ペン先位置測定手段、7‥筆圧測定手段、8‥第1ベクトル生成手段、9‥第2ベクトル生成手段、10‥DPマッチング処理手段、11‥判定手段

Claims (6)

  1. 筆記面に対するペンの傾斜角及び方位角の一方又は両方により表される該ペンの方向ベクトルを時系列的に測定する方向測定手段と、
    該筆記面における該ペンの先端の位置ベクトルを時系列的に測定するペン先位置測定手段と、
    第1エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトル、及び該ペン先位置測定手段により測定された位置ベクトルを成分に含む第1ベクトルを時系列的に生成する第1ベクトル生成手段と、
    第2エンティティが該ペンを用いて該筆記面に該所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトル、及び該ペン先位置測定手段により測定された位置ベクトルを成分に含む第2ベクトルを時系列的に生成する第2ベクトル生成手段と、
    該第1ベクトル生成手段により生成された第1ベクトルに含まれる方向ベクトルと該第2ベクトル生成手段により生成された第2ベクトルに含まれる方向ベクトルとの差、及び該第1ベクトルに含まれる位置ベクトルと該第2ベクトルに含まれる位置ベクトルとの差をそれぞれ規格化し、前者を後者より大きく重み付けした上で加算することにより、該第1ベクトルと該第2ベクトルとの差を求め、該差の累積値が最小になるように第1ベクトル及び第2ベクトルの時間スケールを整合させるDPマッチング処理を行うDPマッチング処理手段と、
    該DPマッチング処理手段により行われるDPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差の累積値が所定の閾値以下の場合は第1エンティティと第2エンティティとが一致すると判定し、該閾値より大きい場合は第1エンティティと第2エンティティとが相違すると判定する判定手段とを備えていることを特徴とする認証システム。
  2. 前記筆記面における前記ペンの筆圧を時系列的に測定する筆圧測定手段を備え、
    前記第1ベクトル生成手段が、第1エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該筆圧測定手段により測定された筆圧を成分として含む前記第1ベクトルを時系列的に生成し、
    前記第2ベクトル生成手段が、第2エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該筆圧測定手段により測定された位置ベクトルを成分として含む前記第2ベクトルを時系列的に生成し、
    前記DPマッチング処理手段が、該第1ベクトル生成手段により生成された第1ベクトルに含まれる位置ベクトルと該第2ベクトル生成手段により生成された第2ベクトルに含まれる位置ベクトルとの差と、該第1ベクトルに含まれる筆圧と該第2ベクトルに含まれる筆圧との差とをそれぞれ規格化し、前者を後者より大きく重み付けした上で加算することにより、該第1ベクトルと該第2ベクトルとの差を求め、該差の累積値が最小になるように該第1ベクトル及び該第2ベクトルの時間スケールを整合させるDPマッチング処理を行うことを特徴とする請求項1記載の認証システム。
  3. 筆記面に対するペンの傾斜角及び方位角の一方又は両方により表される該ペンの方向ベクトルを時系列的に測定する方向測定手段と、
    該筆記面における該ペンの筆圧を時系列的に測定する筆圧測定手段と、
    第1エンティティが該ペンを用いて該筆記面に所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトル、及び該筆圧測定手段により測定された筆圧を成分に含む第1ベクトルを時系列的に生成する第1ベクトル生成手段と、
    第2エンティティが該ペンを用いて該筆記面に該所定パターンを書くとき、該方向測定手段により測定された該ペンの方向ベクトル、及び該筆圧測定手段により測定された筆圧を成分に含む第2ベクトルを時系列的に生成する第2ベクトル生成手段と、
    該第1ベクトル生成手段により生成された第1ベクトルに含まれる方向ベクトルと該第 2ベクトル生成手段により生成された第2ベクトルに含まれる方向ベクトルとの差、及び該第1ベクトルに含まれる筆圧と該第2ベクトルに含まれる筆圧との差をそれぞれ規格化され、前者を後者より大きく重み付けした上で加算することにより、該第1ベクトルと該第2ベクトルとの差を求め、該差の累積値が最小になるように該第1ベクトル及び該第2ベクトルの時間スケールを整合させるDPマッチング処理を行うDPマッチング処理手段と、
    該DPマッチング処理手段により行われるDPマッチング処理における第1ベクトルと第2ベクトルとの差の累積値が所定の閾値以下の場合は第1エンティティと第2エンティティとが一致すると判定し、該閾値より大きい場合は第1エンティティと第2エンティティとが相違すると判定する判定手段とを備えていることを特徴とする認証システム。
  4. 第1エンティティが前記ペンを用いて前記筆記面に前記所定パターンを複数回にわたって書いたとき、前記第1データ生成手段により複数組の第1ベクトルが時系列的に生成され、前記DPマッチング処理手段が該複数組の第1ベクトルに対してDPマッチング処理を施し、該第1ベクトル生成手段がDPマッチング処理後の該複数組の第1ベクトルの平均ベクトルを新たな一の第1ベクトルとして時系列的に生成することを特徴とする請求項1、2又は3記載の認証システム。
  5. 前記閾値が、複数組の第1ベクトルに対するDPマッチング処理における前記差の累積値の最大値と同程度に設定されることを特徴とする請求項記載の認証システム。
  6. 第2エンティティが前記ペンを用いて前記筆記面に前記所定パターンを複数回にわたって書いたとき、前記第2データ生成手段により複数組の第2ベクトルが時系列的に生成され、前記DPマッチング処理手段が該複数組の第2ベクトルに対してDPマッチング処理を施し、該第2ベクトル生成手段がDPマッチング処理後の該複数組の第2ベクトルの平均ベクトルを新たな一の第2ベクトルとして時系列的に生成することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の認証システム。
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