JP3562346B2 - コークス炉の炉壁補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉の炉壁補修方法に関し、とくに、窯口レッジの脱落を有利に補修できるコークス炉の炉壁補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭を乾留してコークスにする設備として、コークス炉が知られている。常用のコークス炉は、下部に蓄熱室を配置し、上部に炭化室と燃焼室を交互に配している。そして、燃焼室から隔壁を介して与えられる熱によって、炭化室に装入された石炭を乾留する。
【0003】
乾留後、コークスは炭化室の奥に配置されたプッシャにより出口(窯口という)から押し出される。窯口の両側の隔壁は、図2の平断面図に示すように、燃焼室2を囲む煉瓦壁3の炉外側の面を鉄皮6で保護し、この鉄皮6をバックステー5で固定して構成される。ドアフレーム4との取り合いから、鉄皮6はその幅両端部が炉内側に退くように曲げられ、これに応じて煉瓦壁3のコーナ部にも凹みが設けられている。また、炭化室1の出口(窯口1A )の縦縁に相当する部位は、変動幅の大きい繰り返し温度昇降による熱応力に加え、ドア8の開閉による衝撃や振動が直に加わるために、特に損傷しやすい。そのため、この部位では鉄皮6と煉瓦壁3の間に窯口レッジ7と呼ばれる補強材が介装されている。
【0004】
窯口レッジ7は、鉄皮6にリベット9で固着された鉄製のプロテクションレッジ7a と煉瓦壁3に張り付けられた鉄製の煉瓦側レッジ7b とで構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
窯口レッジ7と鉄皮6ないし煉瓦壁3との隙間にはモルタルを充填し、乾留ガスの外部漏洩を阻止しているが、操業しているうちに炭化室1側からモルタルに亀裂が進展するので、2週間に1回はモルタル吹き付けを行って亀裂を塞ぐ。
しかし、亀裂を完全になくすことは困難であり、進展した亀裂を通って侵入する乾留ガスによって窯口レッジ7が腐食され、炉高方向の一部区間で脱落することがある。
【0006】
これを放置しておくと、鉄皮に接する煉瓦(フロント煉瓦という)の損耗が加速し、断熱性が劣化して燃焼室の熱効率が低下し、また、煉瓦壁コーナ部の損耗も進んで亀裂が炭化室から燃焼室まで貫通し、乾留ガスが燃焼室に漏洩して不完全燃焼し発煙量が増加するなどの悪影響を及ぼすため、窯口レッジの脱落個所が見つかったら速やかに補修する必要がある。
【0007】
この脱落個所の空洞は相当に大きく、モルタル吹き付けで空洞全体を埋めるのでは耐久性が不十分となるため、この補修工事は、従来、煉瓦壁から鉄皮を取り外し、プロテクションレッジの脱落個所に新品のプロテクションレッジをリベットまたはネジで固定し、一方、煉瓦側レッジが脱落した個所には新品の煉瓦側レッジを張り付け、そのうえで鉄皮を元の位置に取り付けるという方法で行われていた。
【0008】
しかしながら、上記方法では、約 6.5〜 6.7mの炉高区間にわたってフロント煉瓦を覆う1枚板の鉄皮を取り外す必要があり作業負荷が大きい。また、取り外す必要のない窯口レッジ健全部まで鉄皮とともに取り外されるため無駄が多い。また、鉄製のプロテクションレッジや煉瓦側レッジの新品は、脱落個所の補修部材に充てるには高価に過ぎる。
【0009】
上記従来技術の諸問題に鑑み、本発明は、鉄皮を取り外さずに窯口レッジの脱落を補修でき、しかも材料費を節減できるコークス炉の炉壁補修方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鉄皮と煉瓦壁の間に介装されてコークス炉の窯口の両縁部をなす窯口レッジの脱落を補修する方法であって、窯口レッジ脱落個所の煉瓦壁に対向する鉄皮面に鉄棒を溶接し、この鉄棒に係合する溝を形成した耐火物製のブロックを、該ブロックの溝と前記鉄棒が係合するように鉄皮と煉瓦壁の間に装入することを特徴とするコークス炉の炉壁補修方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、窯口レッジ脱落個所の煉瓦壁に対向する鉄皮面に鉄棒を溶接し、この鉄棒に係合する溝を形成した耐火物製のブロックを、該ブロックの溝と前記鉄棒が係合するように鉄皮と煉瓦壁の間に装入するようにした。
これによれば、補修部材として、鉄製の窯口レッジの代わりに、より安価な耐火物製のブロックを用いるので、材料費を節減できる。
【0012】
このブロックを構成する耐火物の材質としては、コーディエライト、アルミナ、ハイアルミナ、シャモット、溶融シリカなどが好適である。なお、ブロックは、焼成品だけでなく、装入時に型崩れしないものであれば耐火材料を成形したままの未焼成品にて作成してもよい。
また、窯口レッジ脱落個所の煉瓦壁に対向する鉄皮面に鉄棒を溶接し、この鉄棒に係合する溝を形成した耐火物製のブロックを、該ブロックの溝と前記鉄棒が係合するように鉄皮と煉瓦壁の間に装入するので、鉄皮を取り付けたままの状態で窯口レッジの健全個所はそのままで脱落個所のみ補修することができ、無駄が省けて工期を大幅に短縮することができる。なお、ブロック装入は炭化室側から行うことができる。
【0013】
ブロックは溝を介して鉄棒で係止されるので、補修後の操業時の振動等により炭化室側に張り出すことはない。このように鉄棒は、ブロックの炭化室側への張り出しを防止するストッパとして用いるため、その長さ方向を炉高方向に平行にして溶接するのが好ましい。鉄棒としては、通常の築炉や建築に使用される鉄筋を使用できる。
【0014】
また、溝を鉄棒に係合させた時点ですでにブロックが炭化室側に突き出ていては、コークスの通過を妨げるとともにブロック自体の破損を招きやすいから、ブロック上の溝形成位置は、この溝を鉄皮に溶接した鉄棒に係合させたときにブロックと煉瓦壁とが面一になる位置とするのが好ましい。
なお、補修開始時には常法により窯口レッジ脱落個所の研掃を行い、煉瓦壁に生じている亀裂をモルタル等で充填するのがよい。また、ブロック装入作業は、常法により適宜耐火性充填材(モルタル、プラスティック材等)でブロックと煉瓦壁ないし鉄皮との隙間を充填しながら進めるのがよい。
【0015】
図1は、本発明により補修したコークス炉窯口付近の炉壁構造の一例を示す平断面図である。(a) はプロテクションレッジは脱落したが煉瓦側レッジ7b は残っている個所、(b) はプロテクションレッジと煉瓦側レッジの両方とも脱落した個所をそれぞれ補修したもので、いずれも炭化室1側から鉄皮6に鉄棒10を溶接し、鉄棒6に係合させる溝12を形成した耐火物製のブロック11を、鉄棒6に溝12を係合させ、隙間を耐火性充填材13で充填しながら装入して構成されている。ブロック11のサイズは、それぞれの脱落個所の空洞サイズに整合させ、装入後ブロック11と煉瓦壁3の炭化室1側に露出する面が面一になるように設定されている。
【0016】
【実施例】
カールスチル式コークス炉の炉頂から約4m下方までの炉高区間で、操業時に1つの燃焼室のフロント煉瓦に張られた鉄皮の温度が220 〜240 ℃と異常に高くなっており、この燃焼室からの発煙量が異常に増加していることが観測され、休炉時にこの異常部分を調査したところ窯口レッジの脱落が発見された。ある個所ではプロテクションレッジのみ脱落し、別の個所ではプロテクションレッジと煉瓦壁レッジの両方が脱落していたので、これら脱落個所を本発明により前者は図1(a) 、後者は図1(b) の炉壁構造とするように補修した。
【0017】
補修にあたっては、脱落個所をブラストで研掃し、露出した煉瓦壁に見いだされた亀裂をモルタル吹き付けにより塞ぎ、煉瓦壁に取り付けられた状態の鉄皮に、16mmφ×100mm 長の鉄筋を、長さ方向を炉高方向に揃えて一列に溶接し、この鉄筋に係合させる溝を形成した耐火物製のブロックを、溝を鉄筋に係合させ、かつ脱落空洞との間の隙間を適宜プラスティック材で埋めながら装入した。プラスティック材は操業再開後の炉熱により硬化する。
【0018】
ブロックは図1(a),(b) に対応する2種類のサイズとし、ブロックの素材としては、耐スポール性に優れ強度の高いコーディエライト・ムライト質耐火物(48% Al2O3−43%SiO2−4% MgO)のステンレスファイバ2%添加品を使用した。この補修工事の費用は、鉄皮を取り外して新品の鉄製窯口レッジを固着する従来法の約1/10で済んだ。また、工事期間は同従来法の約1/3 に短縮した。
【0019】
この補修後の操業では、補修個所の鉄皮の温度は通常レベルの200 ℃前後に落ちつき、燃焼室からの発煙量も通常レベルに低減した。
【0020】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、コークス炉窯口レッジ脱落の補修工事を安価にかつ短い工期で実施できるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により補修したコークス炉窯口付近の炉壁構造の一例を示す平断面図である。
【図2】補修前のコークス炉窯口付近の炉壁構造を示す平断面図である。
【符号の説明】
1 炭化室
1A 窯口
2 燃焼室
3 煉瓦壁
4 ドアフレーム
5 バックステー
6 鉄皮
7 窯口レッジ
7a プロテクションレッジ
7b 煉瓦側レッジ
8 ドア
9 リベット
10 鉄棒
11 ブロック
12 溝
13 耐火性充填材
Claims (1)
- 鉄皮と煉瓦壁の間に介装されてコークス炉の窯口の両縁部をなす窯口レッジの脱落を補修する方法であって、窯口レッジ脱落個所の煉瓦壁に対向する鉄皮面に鉄棒を溶接し、この鉄棒に係合する溝を形成した耐火物製のブロックを、該ブロックの溝と前記鉄棒が係合するように鉄皮と煉瓦壁の間に装入することを特徴とするコークス炉の炉壁補修方法。
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