JP3561943B2 - 画像符号化方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば動画像を符号化して、伝送あるいは記録媒体に記録するテレビ会議システムや、テレビ電話システム、放送用機器、ディスク装置、テープ装置などに用いて好適な画像符号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来のテレビ会議システムやテレビ電話システムなどのように、動画像信号を遠隔地に伝送するシステムにおいては、伝送路を効率良く利用するために、画像信号を、そのライン相関やフレーム間相関を利用して圧縮符号化するようになされている。
【0003】
ライン相関を利用した場合には、画像信号を、例えばDCT(離散コサイン変換)処理などの直交変換処理することによって圧縮することができる。
【0004】
また、フレーム間相関を利用した場合には、画像信号をさらに圧縮することが可能となる。即ち、例えば図8に示すように、時刻t1,t2(但し、例えばt1<t2で、t2−t1は、フレーム周期に等しい値であるとする)において、フレーム画像PC1,PC2がそれぞれ発生しているとき、例えばフレーム画像PC1に対するPC2の差を演算して、差分画像PC12を生成する。そして、この差分画像PC12を、フレーム画像PC2の代わりに符号化する。
【0005】
通常、時間的に隣接するフレーム画像は、それ程大きな変化を有していないため、フレーム画像PC1とPC2との差(PC2−PC1)を演算すると、その結果得られる差分画像PC12の信号は小さな値になる。そこで、フレーム画像PC2の代わりに差分画像PC12を符号化することにより、フレーム画像PC2そのものを符号化する場合より、発生符号量(発生ビット量)を低減することができる。
【0006】
さらに、この場合、フレーム画像PC1に対し動き補償を施してから、差分画像PC12を算出するようにすることにより、より圧縮率を向上させることができる。
【0007】
動き補償を行う場合には、まず、フレーム画像PC2が、例えば16×16ドットや8×8ドットなどの所定の大きさのブロック(いわゆるマクロブロックやブロックなど)に分割される。そして、フレーム画像PC2を構成するブロックそれぞれと、フレーム画像PC1とがパターンマッチングされ、これによりフレーム画像PC2の各ブロックにおける輝度信号のパターンに、最も類似しているフレーム画像PC1上の画像部分(画像ブロック)が検出される。
【0008】
このようにして検出されたフレーム画像PC1上の画像部分の位置と、それに対応するフレーム画像PC2のブロックの位置とのオフセット(フレーム画像PC2のブロックの位置に対するフレーム画像PC1上の画像部分の位置)が、動きベクトルとして検出される。
【0009】
フレーム画像PC1を、動きベクトルに対応して、動き補償したもの、即ち動きベクトルだけ移動したものは、いま符号化しようとしているブロックに注目すれば、フレーム画像PC1そのものより、フレーム画像PC2に近似するので、この動き補償されたフレーム画像PC1に対するフレーム画像PC2の差分画像PC12は、動き補償を行わない場合に比べ、その信号値はより小さな値となり、従って発生符号量をより低減することができる。
【0010】
ここで、以下、適宜、フレーム画像PC2のように、いま符号化の対象となっている、差分が求められる画像を参照画像、フレーム画像PC1のように、参照画像から減算される画像を探索画像という。
【0011】
以上のようにして算出された動きベクトルと差分画像PC12は、通常、可変長符号化されて伝送される。
【0012】
ところで、パターンマッチングによって、参照画像(フレーム画像PC2)のブロックの輝度信号のパターンに最も類似している探索画像(フレーム画像PC1)上の画像部分を探索する場合、例えば次にようにして行われる。
【0013】
即ち、例えば図9に示すように、いま符号化対象となっている参照画像上のブロックをAとし、このブロックAの位置からベクトル(ΔX,ΔY)だけずれた位置における探索画像上のブロックをA’とすると、まずブロックAに属する画素値A(X,Y)(但し、(X,Y)は、画素の座標)と、ブロックA’に属する画素値A’(X+ΔX、Y+ΔY)との、例えば差の絶対値和E(ΔX,ΔY)などが、次式にしたがって算出される。
【0014】
E(ΔX,ΔY)=Σ|A(X,Y)−A’(X+ΔX,Y+ΔY)|・・・(1)
但し、Σは、ブロックAに含まれる座標(X,Y)全体に関するサメーションを意味する。
【0015】
ここで、E(ΔX,ΔY)は、式(1)から、ブロックAおよびA’における画像どうしが近似している程小さな値になる。従って、E(ΔX,ΔY)は、いわばブロックAとA’との間の誤差(残差)に対応するものであり、以下、残差(または誤差)という。なお、この残差は、上述したように、ブロックAとA’との差分の絶対値和であるから、差分画像の符号量にも対応する。
【0016】
いわゆるフルサーチやマルチステップサーチなどのサーチアルゴリズムによれば、サーチ範囲の中の全てのベクトル(ΔX,ΔY)(これは、動きベクトルの候補になるものなので、以下、候補ベクトルという)に対して、残差E(ΔX,ΔY)が算出され、その値を最小にするベクトル(ΔX,ΔY)が、上述した動きベクトルとして検出される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像の実際の動きに即した動きベクトルを得るためには、例えば画像上の速い(大きな)動きをする物体に対応することなどができるようにする必要があり、従ってサーチ範囲、即ち候補ベクトルが指示する範囲を広げる必要がある。
【0018】
即ち、例えば図10に示すように、残差E(△X,△Y)が、図中等高線で示すような分布をしており、●印で示す位置が、残差E(△X,△Y)を最小にする位置である場合、サーチ範囲が、濃い影を付してある狭い範囲であるときには、その範囲内で残差E(△X,△Y)を最小にする、図中点線の矢印で示すベクトルVbが動きベクトルとして検出される。従って、この場合には、画像の実際の動きを精度良く反映した動きベクトルを得ることができない。
【0019】
一方、サーチ範囲が、薄い影を付してある広い範囲であるときには、残差E(△X,△Y)を真に最小にする、図中太い実線の矢印示すベクトルVaが動きベクトルとして検出される。従って、この場合には、画像の実際の動きに即した動きベクトルを得ることができる。
【0020】
このように、サーチ範囲を広げると、上述したように速い動きに対応することができるようになる。しかしながら、例えば画像上の物体の動きが比較的小さく、且つその形状が平坦であったり、あるいは画像が繰り返しのテクスチャであったりすると、単純に(真に)最小の残差E(△X,△Y)を与える候補ベクトルは、非常に大きな長さを有するものとなる場合がある。従って、この場合、その大きな長さの候補ベクトルが、実際に画像にそれだけの動きがないのにも関わらず、動きベクトルとされることになる。即ち、この場合、画像の実際の動きに即していない、いわば偽りの動きベクトルが検出されることになる。
【0021】
さらに、上述したように、動きベクトルが可変長符号化される場合には、その大きさが長いと、発生符号量が増加する。従って、この場合、長さの大きな動きベクトルの発生によって、差分画像に対する発生符号量が小さくても、動きベクトルと差分画像の発生符号量を合わせたものは、動き補償を行わず符号化した場合よりも増加することがあった。
【0022】
このことは、画像上の物体の動きが比較的小さく、且つその形状が平坦であったり、あるいは画像が繰り返しのテクスチャであったりする場合だけでなく、画像上に動きの速い物体がある場合も同様で、サーチ範囲が広いと、上述したように、画像の実際の動きに即した動きベクトルを得ることができ、従って差分画像の発生符号量は減少するが、その動きベクトルは、物体の動きが大きいために、図11に示すように、その長さが大きくなり、これにより全体の発生符号量が増加する課題があった。
【0023】
即ち、図12に示すように、残差を最小にしなくても、ある程度正確に(精度良く)画像の動きを表す、大きさの短いベクトルVdを動きベクトルとする方が、全体の発生符号量を低減することができるのにも関わらず、従来の手法によれば、単純に残差を最小にするベクトルVcが動きベクトルとされるため、全体として発生符号量が増加してしまう課題があった。
【0024】
そこで、動きベクトルの符号化にあたって、近傍のブロックの動きベクトルとの差分などを符号化する方法があるが、この方法では、画像の動きがほぼ一様であれば、発生符号量を低減することができるが、画像の動きの変化が大きい場合には、やはり発生符号量が増加する課題があった。
【0025】
さらに、図13に示すように、直前のフレーム画像で発生した動きベクトルを参考にし、今回のサーチ範囲を、その動きベクトルの近傍のみにするテレスコピックサーチと呼ばれる物体の動きを予測した方式が知られている。
【0026】
しかしながら、テレスコピックサーチにおいては、サーチ範囲が限定されるため、予測が外れた場合、つまり画像内に、突然今までと異なる動きがあった場合、図14に示すように、その真の動きに即した動きベクトルを検出することは困難となる。それでも、テレスコピックサーチによれば、今回のサーチ範囲内で残差を最小にする候補ベクトルが動きベクトルとして検出される。従って、例えば図14に示したように、真の動きの方向とサーチ範囲の方向が逆の場合には、検出された動きベクトルにより動き補償を行って、差分画像を生成しても、その信号値は、小さな値にならず、その結果、発生符号量が増加する課題があった。
【0027】
一方、上述した偽りの動きベクトルが検出されることによる発生符号量の増加を防止する方法としては、大きさの短い候補ベクトルが、優先して動きベクトルとされるように、例えば図15(b)に示すような、動きが大きくなるほど、残差が大きくなるような重み付けを行う(残差に、例えば重み付け関数W(△X)を乗算する)方法が考えられる。なお、図15においては、△X方向だけを考慮し、△Y方向は無視している。
【0028】
従来の場合には、例えばランダムノイズのある平坦なテクスチャの画像に対し、例えば図15(a)に示すような残差E(△X)(但し、E(△X)は、E(△X,△Y)の△Y方向を無視したもの)が得られると、上述したようにその最小値を与える、原点から離れた点X0が、動きベクトルとして検出されることになるが、重み付けを行う場合によれば、残差E(△X)が、図15(b)に示した重み付け関数W(△X)と乗算され、その結果得られる、図15(c)に示すE(△X)・W(△X)の最小値を与える、原点に近い点X1が、動きベクトルとして検出されることになる。
【0029】
しかしながら、この方法では、画像における背景を重視した動きベクトルが検出されるようになり、画像上に、背景に対して動いている物体がある場合、やはり偽りの動きベクトルが検出される課題があった。
【0030】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、偽りの動きベクトルが検出されることを防止するとともに、発生符号量を低減することができるようにするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像符号化方法は、パターンマッチング法によって、画像信号から、符号化の対象とされる第1の画像と、第2の画像との画素の誤差を最小にする動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいて動き補償を行うことにより予測画像信号を求め、画像信号と予測画像信号との差分を算出し、その差分データと、動きベクトルとを可変長符号化する画像符号化方法において、誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けし、第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けするように、2以上の重み付けを行うことを特徴とする。
【0032】
請求項2に記載の画像符号化方法は、パターンマッチング法によって、画像信号から、符号化の対象とされる第1の画像と、第2の画像との画素の誤差を最小にする動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいて動き補償を行うことにより予測画像信号を求め、画像信号と予測画像信号との差分を算出し、その差分データと、動きベクトルとを可変長符号化する画像符号化方法において、誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けし、基準位置と、第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けするように、2以上の重み付けを行うことを特徴とする。
【0033】
請求項3に記載の画像符号化方法は、動きベクトルが、1フレームの画像の所定のブロックごとに検出され、第2の重みが、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものであることを特徴とする。
【0034】
請求項4に記載の画像符号化方法は、第1の重みが、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものであることを特徴とする。
【0035】
【作用】
請求項1に記載の画像符号化方法においては、誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けされ、第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出される。従って、ほぼ正確な動きベクトルを検出することができ、かつ発生符号量を低減することができる。
【0036】
請求項2に記載の画像符号化方法においては、誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けされ、基準位置と、第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出される。従って、ほぼ正確な動きベクトルを検出することができ、かつ発生符号量を低減することができる。
【0037】
請求項3に記載の画像符号化方法においては、第2の重みが、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像の背景の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【0038】
請求項4に記載の画像符号化方法においては、第1の重みが、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像内の物体の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【0039】
【実施例】
図1は、本発明の画像符号化方法を適用した画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。この画像符号化装置には、図示せぬ信号処理回路において、例えば16×16などのブロック(マクロブロック)にブロック化された画像が、例えばフレーム単位で供給されるようになされている。ブロック化された画像のうち、いま符号化対象となっている画像は、参照画像として、カレントメモリ1に入力され、そこで一時記憶されるようになされている。そして、カレントメモリ1からは、参照画像のブロック(以下、適宜、参照画像ブロックという)が、画像の走査の方向と同様に、左から右、上から下の順番で読み出され、差分器3および演算器15に供給されるようになされている。
【0040】
サーチメモリ2には、参照画像との残差E(△X,△Y)が演算されるもの(例えば、参照画像の1フレーム前の画像や1フレーム後の画像など)が、探索画像として入力されるようになされており、サーチメモリ2は、探索画像を一時記憶するようになされている。さらに、サーチメモリ2には、図示せぬベクトル発生回路がフルサーチ方式などで発生する候補ベクトル(△X,△Y)が順次供給されるようになされている。即ち、サーチメモリ2には、所定の広いサーチ範囲内を順次指示していく候補ベクトル(△X,△Y)が供給されるようになされている。
【0041】
そして、サーチメモリ2からは、探索画像のうち、候補ベクトル(△X,△Y)が指示する画像ブロックが読み出され、差分器3に供給されるようになされている。従って、サーチメモリ2からは、候補ベクトル(△X,△Y)にしたがって、サーチ範囲内の画像ブロック(以下、適宜、探索画像ブロックという)が順次読み出され、差分器3に供給されることになる。
【0042】
差分器3は、カレントメモリ1からの参照画像ブロックに含まれる画素と、サーチメモリ2からの探索画像ブロックに含まれる画素との差分をとり、さらに、例えばその絶対値を演算する。即ち、参照画像ブロックの座標(X,Y)における画素を、A(X,Y)とするとともに、その参照画像ブロックから候補ベクトル(△X,△Y)だけ離された探索画像ブロックの画素を、A’(X+ΔX,Y+ΔY)とすると、差分器3では、式
S(X,Y)=|A(X,Y)−A’(X+ΔX,Y+ΔY)|
にしたがって、参照画像ブロックの画素と、探索画像ブロックの画素との差分の絶対値S(X,Y)が、1画素単位で算出され、累積加算器4に順次出力される。なお、差分器3では、画素間の差分の絶対値の他、例えばその差分の自乗値を算出するようにしても良い。
【0043】
累積加算器4は、差分器3より出力される1画素単位のS(X,Y)を、参照画像の1ブロック単位で累積加算し、これにより前述した残差E(△X,△Y)を算出する。
【0044】
従って、差分器3および累積加算器4によっては、前述した式(1)で示される演算が行われ、これによりサーチ範囲内における候補ベクトル(△X,△Y)それぞれに対する残差E(△X,△Y)が得られるようになされている。
【0045】
累積加算器4は、画素間の差分の絶対値S(X,Y)の、参照画像の1ブロックの累積加算値、即ち残差E(△X,△Y)を算出すると、それを演算器5に順次出力する。
【0046】
演算器5には、残差E(△X,△Y)の他、重み算出器13または14それぞれから、過去に検出された動きベクトルに基づいて得られる重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)も供給されるようになされている(詳細は、後述する)。
【0047】
演算器5は、上述したようなパターンマッチング方法によって得られた残差E(△X,△Y)に、重み算出器13または14それぞれから供給される重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)を、例えば乗算し、これにより残差E(△X,△Y)に、重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)に対応する重み付けを行った残差(以下、適宜、重み付き残差という)F(△X,△Y)を算出する。この重み付き残差F(△X,△Y)は、最小残差検出回路(Min)6に供給される。
【0048】
最小値検出回路6は、サーチ範囲内における候補ベクトル(△X,△Y)それぞれに対する重み付き残差F(△X,△Y)のうちの最小のものを検出し、その最小の重み付き残差F(△X,△Y)を与える候補ベクトル(△X,△Y)を動きベクトル(△X,△Y)として出力するようになされている。この動きベクトル(△X,△Y)は、可変長符号化回路7、動き補償回路(MC)11、および前・現フレームベクトル蓄積メモリ12に供給されるようになされている。
【0049】
可変長符号化回路7では、最小値検出回路6からの動きベクトルが、その直前に同じく最小値検出回路6から供給された動きベクトル(最小値検出回路6から、いま供給された動きベクトルに対応するブロックの1つ前のブロック(例えば、左横に隣接するブロック)の動きベクトル)との差分をとられ、さらに所定の可変長符号化テーブルにしたがって可変長符号化されて、マルチプレクサ(MIX)9に供給される。従って、動きベクトルが、左隣のブロックの動きベクトルと一致している場合には、符号化効率を向上させることができる。なお、左横に隣接するブロックがない場合、即ちいま符号化しようとしているブロックが、フレームの左端のブロックである場合には、例えばそのブロックの動きベクトルがそのまま可変長符号化される。
【0050】
一方、動き補償回路11では、ローカルデコードメモリ10から読み出された画像に、最小値検出回路6からの動きベクトルに対応して動き補償が施され、演算器15に供給される。ローカルデコードメモリ10には、サーチメモリ2に記憶されている探索画像が既に符号化され、図示せぬローカルデコーダで復号されたものが、予測原画像として供給されて記憶されるようになされている。
【0051】
従って、動き補償回路11からは、いま符号化対象となっている参照画像のブロックとの重み付き残差F(△X,△Y)を最小にする予測原画像(探索画像)の画像部分に動き補償を施したものが、演算器15に出力されることになる。
【0052】
演算器15では、カレントメモリ1から供給された参照画像ブロックと、動き補償回路11から供給された画像ブロックとの差分が求められ、この差分画像が、可変長符号化回路8に供給される。可変長符号化回路8では、演算器15からの差分画像が、所定の可変長符号化テーブルにしたがって可変長符号化され、マルチプレクサ9に出力される。なお、可変長符号化回路8においては、必要に応じて、差分画像を、DCT処理などの直交変換処理し、さらにその結果得られる直交変換データを、所定の量子化ステップで量子化したものを可変長符号化するようにすることができる。
【0053】
マルチプレクサ9では、可変長符号化回路8および9からの可変長符号化データ(上述したように、差分画像を可変長符号化したものと、動きベクトルの差分を可変長符号化したもの)、並びにその他必要な情報が多重化され、図示せぬ伝送路を介して受信側に伝送されたり、あるいは図示せぬ記録媒体(例えば、光磁気ディスクや磁気テープなど)に記録される。
【0054】
一方、最小値検出回路6から、蓄積メモリ12に供給された動きベクトル(△X,△Y)は、そこで一時記憶される。なお、蓄積メモリ12は、少なくとも1フレームの画像の動きベクトルを記憶することができるようになされている。
【0055】
蓄積メモリ12は、記憶している動きベクトルのうち、いま符号化対象となっている参照画像のフレームよりも前に符号化されたフレームの画像の動きベクトルに基づいて、いま符号化しようとしている参照画像ブロックの動きベクトルの予測値(推定値)(以下、第1の重み中心ベクトルという)V1(=Vx,Vy)を求め、重み算出器13に出力する。
【0056】
ここで、第1の重み中心ベクトルV1としては、いわゆるテレスコピック予測されたものが用いられる(これは、参照画像ブロックにおける物体画像(背景となる画像があり、その背景画像上を動いている物体の画像)の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置を指示するベクトルである)。即ち、第1の重み中心ベクトルV1としては、例えば図2に示すように、参照画像のフレーム(以下、適宜、現フレームという)の直前に符号化されたフレーム(以下、適宜、前フレームという)の画像(探索画像)の、参照画像ブロックと同一の位置のブロックの動きベクトルなどが用いられる(但し、これに限られるものではない)。図2においては、現フレームより、時間的に1フレーム前のフレームが、前フレームとなる場合を示している。
【0057】
重み算出器13には、第1の重み中心ベクトルV1(=(Vx,Vy))の他、候補ベクトル(△X,△Y)も供給されるようになされており、そこでは、例えば次式で与えられる第1の重み関数W1にしたがって、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)に付加する第1の重みW1(△X,△Y)が算出される。
W1(△X,△Y)=K1×√((△X−Vx)2+(△Y−Vy)2)・・・(2)
但し、K1は、所定の比例定数である。
【0058】
なお、第1の重みW1(△X,△Y)は、上式以外の関数によって求めるようにすることができる。また、この関数は、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)を引数に加えたもの(W1(△X,△Y,E(△X,△Y)))とするようにしても良い(但し、この場合には、図1において点線で示すように、残差E(△X,△Y)を、累積加算器4から重み算出器13に供給するようにする必要がある)。
【0059】
即ち、第1の重みW1を与える関数は、例えば動きベクトルの差分または差分画像を可変長符号化する可変長符号化回路7または8がそれぞれ使用する所定の可変長符号化テーブルなどによって変えるようにすることができる。但し、この関数は、図3に示すように、候補ベクトル(△X,△Y)が、第1の重み中心ベクトルV1に一致するときに、最小の第1の重みW1を与え、候補ベクトル(△X,△Y)が、第1の重み中心ベクトルV1から離れるほど、大きな値の第1の重みW1を与えるような単調増加関数とする必要がある。
【0060】
ここで、図3においては、第1の重みW1の分布状態を等高線で示してあるが、この等高線に付してある第1の重みW1の値(重み値)は、絶対的なものではなく、例えば第1の重みW1の最小値を0と表したときの相対値である。
【0061】
図1に戻り、蓄積メモリ12は、上述した第1の重み中心ベクトルV1の他、記憶している動きベクトルのうち、いま符号化対象となっている参照画像ブロックよりも前に符号化された参照画像ブロックの動きベクトルに基づいて、いま符号化しようとしている参照画像ブロックの動きベクトルの予測値(推定値)(以下、第2の重み中心ベクトルという)V2(=Zx,Zy)を求め、重み算出器14に出力する。
【0062】
即ち、蓄積メモリ12は、例えば図4に示すように、現フレームのいま符号化対象になっているブロックeの近傍のブロックのうち、ブロックeに隣接する既に符号化されたブロックa乃至d(但し、ブロックa乃至dは、ブロックeの左上、真上、右上、左横にそれぞれ隣接するものである)それぞれの動きベクトルに、方向や大きさが揃ったベクトル(即ち、可変長符号化回路7で可変長符号化される動きベクトルの差分が小さくなり、その結果可変長符号化回路7から出力される可変長符号化データの符号量(ビット量)が少なくなるようなベクトル)としての、例えば動きベクトルa乃至dの平均値などを、第2の重み中心ベクトルV2(これは、参照画像ブロックにおける背景画像の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置を指示するベクトルである)として、重み算出器14に出力する。
【0063】
ここで、第2の重み中心ベクトルV2としては、上述したようにして可変長符号化されるときに差分がとられる左隣の1つのブロックの動きベクトルだけを用いるようにしても良いが、この場合には、いま符号化対象となっているブロックにおける動きを精度良く予測することができないことがあるので、上述のように、符号化対象となっているブロックの近傍のブロックの動きベクトルを、その平均などを取るなどの方法で総合的に加味したものとする方が好ましい。
【0064】
符号化対象となっているブロックの近傍のブロックの動きベクトルの平均値を、第2の重み中心ベクトルV2とした場合、この第2の重み中心ベクトルV2は、近傍のブロックで長さの大きい動きベクトルが発生していなければ、通常は、原点(0,0)近傍のベクトルとなる。
【0065】
重み算出器14には、第2の重み中心ベクトルV2(=(Zx,Zy))の他、候補ベクトル(△X,△Y)も供給されるようになされており、そこでは、例えば次式で与えられる第2の重み関数W2にしたがって、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)に付加する第2の重みW2(△X,△Y)が算出される。
W2(△X,△Y)=K2×√((△X−Zx)2+(△Y−Zy)2)・・・(3)
但し、K2は、所定の比例定数である。
【0066】
なお、第2の重みW2(△X,△Y)は、上式以外の関数によって求めるようにすることができる。また、この関数は、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)を引数に加えたもの(W2(△X,△Y,E(△X,△Y)))とするようにしても良い(但し、この場合には、図1において点線で示すように、残差E(△X,△Y)を、累積加算器4から重み算出器14に供給するようにする必要がある)。
【0067】
即ち、第2の重みW2を与える関数は、上述した第1の重みW1を与える関数と同様に、例えば動きベクトルの差分または差分画像を可変長符号化する可変長符号化回路7または8がそれぞれ使用する所定の可変長符号化テーブルによって変えるようにすることができる。但し、この関数は、図3に対応する図5に示すように、候補ベクトル(△X,△Y)が、第2の重み中心ベクトルV2に一致するときに、最小の第2の重みW2を与え、候補ベクトル(△X,△Y)が、第2の重み中心ベクトルV2から離れるほど、大きな値の第2の重みW2を与えるような単調増加関数とする必要がある。
【0068】
ここで、図5においても、図3における場合と同様に、第2の重みW2の分布状態を等高線で示してあるが、この等高線に付してある第2の重みW2の値(重み値)は、絶対的なものではなく、例えば第2の重みW2の最小値を0と表したときの相対値である。
【0069】
以上のようにして、重み算出器13または14でそれぞれ算出された第1の重みW1(△X,△Y)または第2の重みW2(△X,△Y)は、演算器5に供給される。演算器5では、上述したように、残差E(△X,△Y)に、第1の重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)が乗算され、即ち式
F(△X,△Y)=E(△X,△Y)×W1(△X,△Y)×W2(△X,△Y)・・・(4)
にしたがって、重み付き残差F(△X,△Y)が算出され、最小値検出回路6に出力される。
【0070】
最小値検出回路6においては、同じく上述したように、サーチ範囲内における候補ベクトル(△X,△Y)それぞれに対する重み付き残差F(△X,△Y)のうちの最小のものが検出され、その最小の重み付き残差F(△X,△Y)を与える候補ベクトル(△X,△Y)が動きベクトル(△X,△Y)として出力される。
【0071】
ここで、図6は、図3または図5にそれぞれ示した第1の重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)を掛け合わせた重みを示している。図6から、第1または第2の重み中心ベクトルV1またはV2の近傍の候補ベクトル(△X,△Y)に対する重み付き残差F(△X,△Y)は、相対的に小さくなり、第1または第2の重み中心ベクトルV1またはV2から離れた候補ベクトル(△X,△Y)に対する重み付き残差F(△X,△Y)は、相対的に大きくなることがわかる。
【0072】
上述したように、第1の重み中心ベクトルV1は、参照画像ブロックにおける物体画像の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置を指示するものであり、また第2の重み中心ベクトルV2は、参照画像ブロックにおける背景画像の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置(上述したように、通常は、原点付近)を指示するものであるから、式(4)にしたがって得られる重み付き残差F(△X,△Y)の最小値を与える候補ベクトル(△X,△Y)を動きベクトル(△X,△Y)とすることにより、この動きベクトルは、大きさが短く、参照画像中の背景および物体の両方の動きを反映したものとなる。このように、動きベクトルは、画像の動きを反映したものであるから、差分画像の符号量を低減することができ、さらに動きベクトルは、大きさの短いものであるから、画像全体の符号量を低減することができる。
【0073】
また、動きベクトルをそのまま可変長符号化した場合の発生符号量を低減することができる。
【0074】
さらに、図7(a)は、第1の重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)を掛け合わせた重みの、△X方向だけを考慮し、△Y方向は無視したものW1(△X)×W2(△X)を示している。
【0075】
これを、例えばランダムノイズのある平坦なテクスチャの画像から得られる、前述した図15(a)に示した残差E(△X)に乗算することにより重み付けを行ったもの、即ち重み付き残差は、図7(b)に示すようなものになる。従って、この場合、図中、X2またはX3で示す第1または第2の重み中心ベクトルV1またはV2が指示する位置付近が動きベクトルとして検出され易くなり、画像の実際の動きに即していない偽りの動きベクトルが検出されることを防止することができる。
【0076】
なお、符号化の開始時においては、蓄積メモリ12(図1)には、まだ動きベクトルが記憶されていないので、演算器5は、累積加算器4からの残差E(△X,△Y)をそのまま最小値検出回路6に出力するようになされている。従って、この場合には、従来の装置と同様にして動きベクトルが検出されることになる。
【0077】
また、本実施例では、残差E(△X,△Y)に対し、2つの重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)を乗算することにより重み付けを行うようにしたが、この他、例えば残差E(△X,△Y)に対し、2つの重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)を加算することにより重み付けを行うようにすることができる。但し、この場合、演算器5には、乗算処理ではなく、加算処理を行わせるようにする必要がある。
【0078】
さらに、本実施例においては、残差E(△X,△Y)に対し、2つの重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)(あるいはW1(△X,△Y,E(△X,△Y))およびW2(△X,△Y,E(△X,△Y)))による重み付けを行うようにしたが、この他、これ以外の、過去に検出された動きベクトルに基づく重み(動きベクトルの大きさを小さくするとともに、可変長符号化による発生符号量を少なくする重み)を用いた、3以上の重み付けを行うようにすることができる。
【0079】
即ち、例えば以下に示すような式にしたがって、重み付き残差F(△X,△Y)を算出するようにすることができる。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
また、本実施例では、フレーム単位の画像に対して処理を施すようにしたが、フィールド単位の画像に対しても同様の処理を行うようにすることができる。
【0085】
さらに、本実施例においては、第1および第2の重みW1およびW2による重み付けの比率については言及しなかったが、可変長符号化回路7で近接ブロックの動きベクトルとの差分をとり、可変長符号化することを考えれば、第1の重みW1より第2の重みW2による重み付けの影響を強くする(W1よりW2のダイナミックレンジを広くする)方が、より発生符号量を低減することができる。但し、例えばパーンしている背景上を小さな物体が移動しているような画像に対しては、第2の重みW2より第1の重みW1による重み付けの影響を強くする方が好ましい。
【0086】
また、本発明は、例えばMPEGやJPEGなどに準拠した画像符号化装置に適用することが可能である。
【0087】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像符号化方法によれば、誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けされ、第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出されるので、発生符号量を低減することができる。
【0088】
請求項2に記載の画像符号化方法によれば、誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けされ、基準位置と、第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出されるので、発生符号量を低減することができる。
【0089】
請求項3に記載の画像符号化方法によれば、第2の重みが、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像の背景の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【0090】
請求項4に記載の画像符号化方法によれば、第1の重みが、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像内の物体の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像符号化方法を適用した画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】蓄積メモリ12が出力する第1の重み中心ベクトルV1を説明する図である。
【図3】重み算出器13が算出する第1の重みW1を説明する図である。
【図4】蓄積メモリ12が出力する第2の重み中心ベクトルV2を説明する図である。
【図5】重み算出器14が算出する第2の重みW2を説明する図である。
【図6】図3または図5にそれぞれ示した第1または第2の重みW1またはW2を掛け合わせた重みを示す図である。
【図7】図6に示す重みと、その重みによる重み付けが行われた残差とを示す図である。
【図8】フレーム間相関を利用した画像圧縮の原理を説明する図である。
【図9】動きベクトルの検出原理を説明する図である。
【図10】サーチ範囲が広い場合と狭い場合の動きベクトルの検出の様子を示す図である。
【図11】可変長符号化後の発生符号量が多い動きベクトルを示す図である。
【図12】可変長符号化後の発生符号量と、動きベクトルとの関係を説明する図である。
【図13】テレスコピックサーチを説明する図である。
【図14】テレスコピックサーチにおいて、画像の動きの予測が外れた場合の様子を説明する図である。
【図15】従来の重み付け方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 カレントメモリ
2 サーチメモリ
3 差分器
4 累積加算器
5 演算器
6 最小値検出回路
7,8 可変長符号化回路
9 マルチプレクサ
10 ローカルデコードメモリ
11 動き補償回路
12 前・現フレームベクトル蓄積メモリ
13,14 重み算出器
15 演算器
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば動画像を符号化して、伝送あるいは記録媒体に記録するテレビ会議システムや、テレビ電話システム、放送用機器、ディスク装置、テープ装置などに用いて好適な画像符号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来のテレビ会議システムやテレビ電話システムなどのように、動画像信号を遠隔地に伝送するシステムにおいては、伝送路を効率良く利用するために、画像信号を、そのライン相関やフレーム間相関を利用して圧縮符号化するようになされている。
【0003】
ライン相関を利用した場合には、画像信号を、例えばDCT(離散コサイン変換)処理などの直交変換処理することによって圧縮することができる。
【0004】
また、フレーム間相関を利用した場合には、画像信号をさらに圧縮することが可能となる。即ち、例えば図8に示すように、時刻t1,t2(但し、例えばt1<t2で、t2−t1は、フレーム周期に等しい値であるとする)において、フレーム画像PC1,PC2がそれぞれ発生しているとき、例えばフレーム画像PC1に対するPC2の差を演算して、差分画像PC12を生成する。そして、この差分画像PC12を、フレーム画像PC2の代わりに符号化する。
【0005】
通常、時間的に隣接するフレーム画像は、それ程大きな変化を有していないため、フレーム画像PC1とPC2との差(PC2−PC1)を演算すると、その結果得られる差分画像PC12の信号は小さな値になる。そこで、フレーム画像PC2の代わりに差分画像PC12を符号化することにより、フレーム画像PC2そのものを符号化する場合より、発生符号量(発生ビット量)を低減することができる。
【0006】
さらに、この場合、フレーム画像PC1に対し動き補償を施してから、差分画像PC12を算出するようにすることにより、より圧縮率を向上させることができる。
【0007】
動き補償を行う場合には、まず、フレーム画像PC2が、例えば16×16ドットや8×8ドットなどの所定の大きさのブロック(いわゆるマクロブロックやブロックなど)に分割される。そして、フレーム画像PC2を構成するブロックそれぞれと、フレーム画像PC1とがパターンマッチングされ、これによりフレーム画像PC2の各ブロックにおける輝度信号のパターンに、最も類似しているフレーム画像PC1上の画像部分(画像ブロック)が検出される。
【0008】
このようにして検出されたフレーム画像PC1上の画像部分の位置と、それに対応するフレーム画像PC2のブロックの位置とのオフセット(フレーム画像PC2のブロックの位置に対するフレーム画像PC1上の画像部分の位置)が、動きベクトルとして検出される。
【0009】
フレーム画像PC1を、動きベクトルに対応して、動き補償したもの、即ち動きベクトルだけ移動したものは、いま符号化しようとしているブロックに注目すれば、フレーム画像PC1そのものより、フレーム画像PC2に近似するので、この動き補償されたフレーム画像PC1に対するフレーム画像PC2の差分画像PC12は、動き補償を行わない場合に比べ、その信号値はより小さな値となり、従って発生符号量をより低減することができる。
【0010】
ここで、以下、適宜、フレーム画像PC2のように、いま符号化の対象となっている、差分が求められる画像を参照画像、フレーム画像PC1のように、参照画像から減算される画像を探索画像という。
【0011】
以上のようにして算出された動きベクトルと差分画像PC12は、通常、可変長符号化されて伝送される。
【0012】
ところで、パターンマッチングによって、参照画像(フレーム画像PC2)のブロックの輝度信号のパターンに最も類似している探索画像(フレーム画像PC1)上の画像部分を探索する場合、例えば次にようにして行われる。
【0013】
即ち、例えば図9に示すように、いま符号化対象となっている参照画像上のブロックをAとし、このブロックAの位置からベクトル(ΔX,ΔY)だけずれた位置における探索画像上のブロックをA’とすると、まずブロックAに属する画素値A(X,Y)(但し、(X,Y)は、画素の座標)と、ブロックA’に属する画素値A’(X+ΔX、Y+ΔY)との、例えば差の絶対値和E(ΔX,ΔY)などが、次式にしたがって算出される。
【0014】
E(ΔX,ΔY)=Σ|A(X,Y)−A’(X+ΔX,Y+ΔY)|・・・(1)
但し、Σは、ブロックAに含まれる座標(X,Y)全体に関するサメーションを意味する。
【0015】
ここで、E(ΔX,ΔY)は、式(1)から、ブロックAおよびA’における画像どうしが近似している程小さな値になる。従って、E(ΔX,ΔY)は、いわばブロックAとA’との間の誤差(残差)に対応するものであり、以下、残差(または誤差)という。なお、この残差は、上述したように、ブロックAとA’との差分の絶対値和であるから、差分画像の符号量にも対応する。
【0016】
いわゆるフルサーチやマルチステップサーチなどのサーチアルゴリズムによれば、サーチ範囲の中の全てのベクトル(ΔX,ΔY)(これは、動きベクトルの候補になるものなので、以下、候補ベクトルという)に対して、残差E(ΔX,ΔY)が算出され、その値を最小にするベクトル(ΔX,ΔY)が、上述した動きベクトルとして検出される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像の実際の動きに即した動きベクトルを得るためには、例えば画像上の速い(大きな)動きをする物体に対応することなどができるようにする必要があり、従ってサーチ範囲、即ち候補ベクトルが指示する範囲を広げる必要がある。
【0018】
即ち、例えば図10に示すように、残差E(△X,△Y)が、図中等高線で示すような分布をしており、●印で示す位置が、残差E(△X,△Y)を最小にする位置である場合、サーチ範囲が、濃い影を付してある狭い範囲であるときには、その範囲内で残差E(△X,△Y)を最小にする、図中点線の矢印で示すベクトルVbが動きベクトルとして検出される。従って、この場合には、画像の実際の動きを精度良く反映した動きベクトルを得ることができない。
【0019】
一方、サーチ範囲が、薄い影を付してある広い範囲であるときには、残差E(△X,△Y)を真に最小にする、図中太い実線の矢印示すベクトルVaが動きベクトルとして検出される。従って、この場合には、画像の実際の動きに即した動きベクトルを得ることができる。
【0020】
このように、サーチ範囲を広げると、上述したように速い動きに対応することができるようになる。しかしながら、例えば画像上の物体の動きが比較的小さく、且つその形状が平坦であったり、あるいは画像が繰り返しのテクスチャであったりすると、単純に(真に)最小の残差E(△X,△Y)を与える候補ベクトルは、非常に大きな長さを有するものとなる場合がある。従って、この場合、その大きな長さの候補ベクトルが、実際に画像にそれだけの動きがないのにも関わらず、動きベクトルとされることになる。即ち、この場合、画像の実際の動きに即していない、いわば偽りの動きベクトルが検出されることになる。
【0021】
さらに、上述したように、動きベクトルが可変長符号化される場合には、その大きさが長いと、発生符号量が増加する。従って、この場合、長さの大きな動きベクトルの発生によって、差分画像に対する発生符号量が小さくても、動きベクトルと差分画像の発生符号量を合わせたものは、動き補償を行わず符号化した場合よりも増加することがあった。
【0022】
このことは、画像上の物体の動きが比較的小さく、且つその形状が平坦であったり、あるいは画像が繰り返しのテクスチャであったりする場合だけでなく、画像上に動きの速い物体がある場合も同様で、サーチ範囲が広いと、上述したように、画像の実際の動きに即した動きベクトルを得ることができ、従って差分画像の発生符号量は減少するが、その動きベクトルは、物体の動きが大きいために、図11に示すように、その長さが大きくなり、これにより全体の発生符号量が増加する課題があった。
【0023】
即ち、図12に示すように、残差を最小にしなくても、ある程度正確に(精度良く)画像の動きを表す、大きさの短いベクトルVdを動きベクトルとする方が、全体の発生符号量を低減することができるのにも関わらず、従来の手法によれば、単純に残差を最小にするベクトルVcが動きベクトルとされるため、全体として発生符号量が増加してしまう課題があった。
【0024】
そこで、動きベクトルの符号化にあたって、近傍のブロックの動きベクトルとの差分などを符号化する方法があるが、この方法では、画像の動きがほぼ一様であれば、発生符号量を低減することができるが、画像の動きの変化が大きい場合には、やはり発生符号量が増加する課題があった。
【0025】
さらに、図13に示すように、直前のフレーム画像で発生した動きベクトルを参考にし、今回のサーチ範囲を、その動きベクトルの近傍のみにするテレスコピックサーチと呼ばれる物体の動きを予測した方式が知られている。
【0026】
しかしながら、テレスコピックサーチにおいては、サーチ範囲が限定されるため、予測が外れた場合、つまり画像内に、突然今までと異なる動きがあった場合、図14に示すように、その真の動きに即した動きベクトルを検出することは困難となる。それでも、テレスコピックサーチによれば、今回のサーチ範囲内で残差を最小にする候補ベクトルが動きベクトルとして検出される。従って、例えば図14に示したように、真の動きの方向とサーチ範囲の方向が逆の場合には、検出された動きベクトルにより動き補償を行って、差分画像を生成しても、その信号値は、小さな値にならず、その結果、発生符号量が増加する課題があった。
【0027】
一方、上述した偽りの動きベクトルが検出されることによる発生符号量の増加を防止する方法としては、大きさの短い候補ベクトルが、優先して動きベクトルとされるように、例えば図15(b)に示すような、動きが大きくなるほど、残差が大きくなるような重み付けを行う(残差に、例えば重み付け関数W(△X)を乗算する)方法が考えられる。なお、図15においては、△X方向だけを考慮し、△Y方向は無視している。
【0028】
従来の場合には、例えばランダムノイズのある平坦なテクスチャの画像に対し、例えば図15(a)に示すような残差E(△X)(但し、E(△X)は、E(△X,△Y)の△Y方向を無視したもの)が得られると、上述したようにその最小値を与える、原点から離れた点X0が、動きベクトルとして検出されることになるが、重み付けを行う場合によれば、残差E(△X)が、図15(b)に示した重み付け関数W(△X)と乗算され、その結果得られる、図15(c)に示すE(△X)・W(△X)の最小値を与える、原点に近い点X1が、動きベクトルとして検出されることになる。
【0029】
しかしながら、この方法では、画像における背景を重視した動きベクトルが検出されるようになり、画像上に、背景に対して動いている物体がある場合、やはり偽りの動きベクトルが検出される課題があった。
【0030】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、偽りの動きベクトルが検出されることを防止するとともに、発生符号量を低減することができるようにするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像符号化方法は、パターンマッチング法によって、画像信号から、符号化の対象とされる第1の画像と、第2の画像との画素の誤差を最小にする動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいて動き補償を行うことにより予測画像信号を求め、画像信号と予測画像信号との差分を算出し、その差分データと、動きベクトルとを可変長符号化する画像符号化方法において、誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けし、第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けするように、2以上の重み付けを行うことを特徴とする。
【0032】
請求項2に記載の画像符号化方法は、パターンマッチング法によって、画像信号から、符号化の対象とされる第1の画像と、第2の画像との画素の誤差を最小にする動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいて動き補償を行うことにより予測画像信号を求め、画像信号と予測画像信号との差分を算出し、その差分データと、動きベクトルとを可変長符号化する画像符号化方法において、誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けし、基準位置と、第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けするように、2以上の重み付けを行うことを特徴とする。
【0033】
請求項3に記載の画像符号化方法は、動きベクトルが、1フレームの画像の所定のブロックごとに検出され、第2の重みが、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものであることを特徴とする。
【0034】
請求項4に記載の画像符号化方法は、第1の重みが、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものであることを特徴とする。
【0035】
【作用】
請求項1に記載の画像符号化方法においては、誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けされ、第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出される。従って、ほぼ正確な動きベクトルを検出することができ、かつ発生符号量を低減することができる。
【0036】
請求項2に記載の画像符号化方法においては、誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けされ、基準位置と、第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出される。従って、ほぼ正確な動きベクトルを検出することができ、かつ発生符号量を低減することができる。
【0037】
請求項3に記載の画像符号化方法においては、第2の重みが、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像の背景の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【0038】
請求項4に記載の画像符号化方法においては、第1の重みが、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像内の物体の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【0039】
【実施例】
図1は、本発明の画像符号化方法を適用した画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。この画像符号化装置には、図示せぬ信号処理回路において、例えば16×16などのブロック(マクロブロック)にブロック化された画像が、例えばフレーム単位で供給されるようになされている。ブロック化された画像のうち、いま符号化対象となっている画像は、参照画像として、カレントメモリ1に入力され、そこで一時記憶されるようになされている。そして、カレントメモリ1からは、参照画像のブロック(以下、適宜、参照画像ブロックという)が、画像の走査の方向と同様に、左から右、上から下の順番で読み出され、差分器3および演算器15に供給されるようになされている。
【0040】
サーチメモリ2には、参照画像との残差E(△X,△Y)が演算されるもの(例えば、参照画像の1フレーム前の画像や1フレーム後の画像など)が、探索画像として入力されるようになされており、サーチメモリ2は、探索画像を一時記憶するようになされている。さらに、サーチメモリ2には、図示せぬベクトル発生回路がフルサーチ方式などで発生する候補ベクトル(△X,△Y)が順次供給されるようになされている。即ち、サーチメモリ2には、所定の広いサーチ範囲内を順次指示していく候補ベクトル(△X,△Y)が供給されるようになされている。
【0041】
そして、サーチメモリ2からは、探索画像のうち、候補ベクトル(△X,△Y)が指示する画像ブロックが読み出され、差分器3に供給されるようになされている。従って、サーチメモリ2からは、候補ベクトル(△X,△Y)にしたがって、サーチ範囲内の画像ブロック(以下、適宜、探索画像ブロックという)が順次読み出され、差分器3に供給されることになる。
【0042】
差分器3は、カレントメモリ1からの参照画像ブロックに含まれる画素と、サーチメモリ2からの探索画像ブロックに含まれる画素との差分をとり、さらに、例えばその絶対値を演算する。即ち、参照画像ブロックの座標(X,Y)における画素を、A(X,Y)とするとともに、その参照画像ブロックから候補ベクトル(△X,△Y)だけ離された探索画像ブロックの画素を、A’(X+ΔX,Y+ΔY)とすると、差分器3では、式
S(X,Y)=|A(X,Y)−A’(X+ΔX,Y+ΔY)|
にしたがって、参照画像ブロックの画素と、探索画像ブロックの画素との差分の絶対値S(X,Y)が、1画素単位で算出され、累積加算器4に順次出力される。なお、差分器3では、画素間の差分の絶対値の他、例えばその差分の自乗値を算出するようにしても良い。
【0043】
累積加算器4は、差分器3より出力される1画素単位のS(X,Y)を、参照画像の1ブロック単位で累積加算し、これにより前述した残差E(△X,△Y)を算出する。
【0044】
従って、差分器3および累積加算器4によっては、前述した式(1)で示される演算が行われ、これによりサーチ範囲内における候補ベクトル(△X,△Y)それぞれに対する残差E(△X,△Y)が得られるようになされている。
【0045】
累積加算器4は、画素間の差分の絶対値S(X,Y)の、参照画像の1ブロックの累積加算値、即ち残差E(△X,△Y)を算出すると、それを演算器5に順次出力する。
【0046】
演算器5には、残差E(△X,△Y)の他、重み算出器13または14それぞれから、過去に検出された動きベクトルに基づいて得られる重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)も供給されるようになされている(詳細は、後述する)。
【0047】
演算器5は、上述したようなパターンマッチング方法によって得られた残差E(△X,△Y)に、重み算出器13または14それぞれから供給される重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)を、例えば乗算し、これにより残差E(△X,△Y)に、重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)に対応する重み付けを行った残差(以下、適宜、重み付き残差という)F(△X,△Y)を算出する。この重み付き残差F(△X,△Y)は、最小残差検出回路(Min)6に供給される。
【0048】
最小値検出回路6は、サーチ範囲内における候補ベクトル(△X,△Y)それぞれに対する重み付き残差F(△X,△Y)のうちの最小のものを検出し、その最小の重み付き残差F(△X,△Y)を与える候補ベクトル(△X,△Y)を動きベクトル(△X,△Y)として出力するようになされている。この動きベクトル(△X,△Y)は、可変長符号化回路7、動き補償回路(MC)11、および前・現フレームベクトル蓄積メモリ12に供給されるようになされている。
【0049】
可変長符号化回路7では、最小値検出回路6からの動きベクトルが、その直前に同じく最小値検出回路6から供給された動きベクトル(最小値検出回路6から、いま供給された動きベクトルに対応するブロックの1つ前のブロック(例えば、左横に隣接するブロック)の動きベクトル)との差分をとられ、さらに所定の可変長符号化テーブルにしたがって可変長符号化されて、マルチプレクサ(MIX)9に供給される。従って、動きベクトルが、左隣のブロックの動きベクトルと一致している場合には、符号化効率を向上させることができる。なお、左横に隣接するブロックがない場合、即ちいま符号化しようとしているブロックが、フレームの左端のブロックである場合には、例えばそのブロックの動きベクトルがそのまま可変長符号化される。
【0050】
一方、動き補償回路11では、ローカルデコードメモリ10から読み出された画像に、最小値検出回路6からの動きベクトルに対応して動き補償が施され、演算器15に供給される。ローカルデコードメモリ10には、サーチメモリ2に記憶されている探索画像が既に符号化され、図示せぬローカルデコーダで復号されたものが、予測原画像として供給されて記憶されるようになされている。
【0051】
従って、動き補償回路11からは、いま符号化対象となっている参照画像のブロックとの重み付き残差F(△X,△Y)を最小にする予測原画像(探索画像)の画像部分に動き補償を施したものが、演算器15に出力されることになる。
【0052】
演算器15では、カレントメモリ1から供給された参照画像ブロックと、動き補償回路11から供給された画像ブロックとの差分が求められ、この差分画像が、可変長符号化回路8に供給される。可変長符号化回路8では、演算器15からの差分画像が、所定の可変長符号化テーブルにしたがって可変長符号化され、マルチプレクサ9に出力される。なお、可変長符号化回路8においては、必要に応じて、差分画像を、DCT処理などの直交変換処理し、さらにその結果得られる直交変換データを、所定の量子化ステップで量子化したものを可変長符号化するようにすることができる。
【0053】
マルチプレクサ9では、可変長符号化回路8および9からの可変長符号化データ(上述したように、差分画像を可変長符号化したものと、動きベクトルの差分を可変長符号化したもの)、並びにその他必要な情報が多重化され、図示せぬ伝送路を介して受信側に伝送されたり、あるいは図示せぬ記録媒体(例えば、光磁気ディスクや磁気テープなど)に記録される。
【0054】
一方、最小値検出回路6から、蓄積メモリ12に供給された動きベクトル(△X,△Y)は、そこで一時記憶される。なお、蓄積メモリ12は、少なくとも1フレームの画像の動きベクトルを記憶することができるようになされている。
【0055】
蓄積メモリ12は、記憶している動きベクトルのうち、いま符号化対象となっている参照画像のフレームよりも前に符号化されたフレームの画像の動きベクトルに基づいて、いま符号化しようとしている参照画像ブロックの動きベクトルの予測値(推定値)(以下、第1の重み中心ベクトルという)V1(=Vx,Vy)を求め、重み算出器13に出力する。
【0056】
ここで、第1の重み中心ベクトルV1としては、いわゆるテレスコピック予測されたものが用いられる(これは、参照画像ブロックにおける物体画像(背景となる画像があり、その背景画像上を動いている物体の画像)の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置を指示するベクトルである)。即ち、第1の重み中心ベクトルV1としては、例えば図2に示すように、参照画像のフレーム(以下、適宜、現フレームという)の直前に符号化されたフレーム(以下、適宜、前フレームという)の画像(探索画像)の、参照画像ブロックと同一の位置のブロックの動きベクトルなどが用いられる(但し、これに限られるものではない)。図2においては、現フレームより、時間的に1フレーム前のフレームが、前フレームとなる場合を示している。
【0057】
重み算出器13には、第1の重み中心ベクトルV1(=(Vx,Vy))の他、候補ベクトル(△X,△Y)も供給されるようになされており、そこでは、例えば次式で与えられる第1の重み関数W1にしたがって、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)に付加する第1の重みW1(△X,△Y)が算出される。
W1(△X,△Y)=K1×√((△X−Vx)2+(△Y−Vy)2)・・・(2)
但し、K1は、所定の比例定数である。
【0058】
なお、第1の重みW1(△X,△Y)は、上式以外の関数によって求めるようにすることができる。また、この関数は、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)を引数に加えたもの(W1(△X,△Y,E(△X,△Y)))とするようにしても良い(但し、この場合には、図1において点線で示すように、残差E(△X,△Y)を、累積加算器4から重み算出器13に供給するようにする必要がある)。
【0059】
即ち、第1の重みW1を与える関数は、例えば動きベクトルの差分または差分画像を可変長符号化する可変長符号化回路7または8がそれぞれ使用する所定の可変長符号化テーブルなどによって変えるようにすることができる。但し、この関数は、図3に示すように、候補ベクトル(△X,△Y)が、第1の重み中心ベクトルV1に一致するときに、最小の第1の重みW1を与え、候補ベクトル(△X,△Y)が、第1の重み中心ベクトルV1から離れるほど、大きな値の第1の重みW1を与えるような単調増加関数とする必要がある。
【0060】
ここで、図3においては、第1の重みW1の分布状態を等高線で示してあるが、この等高線に付してある第1の重みW1の値(重み値)は、絶対的なものではなく、例えば第1の重みW1の最小値を0と表したときの相対値である。
【0061】
図1に戻り、蓄積メモリ12は、上述した第1の重み中心ベクトルV1の他、記憶している動きベクトルのうち、いま符号化対象となっている参照画像ブロックよりも前に符号化された参照画像ブロックの動きベクトルに基づいて、いま符号化しようとしている参照画像ブロックの動きベクトルの予測値(推定値)(以下、第2の重み中心ベクトルという)V2(=Zx,Zy)を求め、重み算出器14に出力する。
【0062】
即ち、蓄積メモリ12は、例えば図4に示すように、現フレームのいま符号化対象になっているブロックeの近傍のブロックのうち、ブロックeに隣接する既に符号化されたブロックa乃至d(但し、ブロックa乃至dは、ブロックeの左上、真上、右上、左横にそれぞれ隣接するものである)それぞれの動きベクトルに、方向や大きさが揃ったベクトル(即ち、可変長符号化回路7で可変長符号化される動きベクトルの差分が小さくなり、その結果可変長符号化回路7から出力される可変長符号化データの符号量(ビット量)が少なくなるようなベクトル)としての、例えば動きベクトルa乃至dの平均値などを、第2の重み中心ベクトルV2(これは、参照画像ブロックにおける背景画像の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置を指示するベクトルである)として、重み算出器14に出力する。
【0063】
ここで、第2の重み中心ベクトルV2としては、上述したようにして可変長符号化されるときに差分がとられる左隣の1つのブロックの動きベクトルだけを用いるようにしても良いが、この場合には、いま符号化対象となっているブロックにおける動きを精度良く予測することができないことがあるので、上述のように、符号化対象となっているブロックの近傍のブロックの動きベクトルを、その平均などを取るなどの方法で総合的に加味したものとする方が好ましい。
【0064】
符号化対象となっているブロックの近傍のブロックの動きベクトルの平均値を、第2の重み中心ベクトルV2とした場合、この第2の重み中心ベクトルV2は、近傍のブロックで長さの大きい動きベクトルが発生していなければ、通常は、原点(0,0)近傍のベクトルとなる。
【0065】
重み算出器14には、第2の重み中心ベクトルV2(=(Zx,Zy))の他、候補ベクトル(△X,△Y)も供給されるようになされており、そこでは、例えば次式で与えられる第2の重み関数W2にしたがって、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)に付加する第2の重みW2(△X,△Y)が算出される。
W2(△X,△Y)=K2×√((△X−Zx)2+(△Y−Zy)2)・・・(3)
但し、K2は、所定の比例定数である。
【0066】
なお、第2の重みW2(△X,△Y)は、上式以外の関数によって求めるようにすることができる。また、この関数は、候補ベクトル(△X,△Y)に対応する残差E(△X,△Y)を引数に加えたもの(W2(△X,△Y,E(△X,△Y)))とするようにしても良い(但し、この場合には、図1において点線で示すように、残差E(△X,△Y)を、累積加算器4から重み算出器14に供給するようにする必要がある)。
【0067】
即ち、第2の重みW2を与える関数は、上述した第1の重みW1を与える関数と同様に、例えば動きベクトルの差分または差分画像を可変長符号化する可変長符号化回路7または8がそれぞれ使用する所定の可変長符号化テーブルによって変えるようにすることができる。但し、この関数は、図3に対応する図5に示すように、候補ベクトル(△X,△Y)が、第2の重み中心ベクトルV2に一致するときに、最小の第2の重みW2を与え、候補ベクトル(△X,△Y)が、第2の重み中心ベクトルV2から離れるほど、大きな値の第2の重みW2を与えるような単調増加関数とする必要がある。
【0068】
ここで、図5においても、図3における場合と同様に、第2の重みW2の分布状態を等高線で示してあるが、この等高線に付してある第2の重みW2の値(重み値)は、絶対的なものではなく、例えば第2の重みW2の最小値を0と表したときの相対値である。
【0069】
以上のようにして、重み算出器13または14でそれぞれ算出された第1の重みW1(△X,△Y)または第2の重みW2(△X,△Y)は、演算器5に供給される。演算器5では、上述したように、残差E(△X,△Y)に、第1の重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)が乗算され、即ち式
F(△X,△Y)=E(△X,△Y)×W1(△X,△Y)×W2(△X,△Y)・・・(4)
にしたがって、重み付き残差F(△X,△Y)が算出され、最小値検出回路6に出力される。
【0070】
最小値検出回路6においては、同じく上述したように、サーチ範囲内における候補ベクトル(△X,△Y)それぞれに対する重み付き残差F(△X,△Y)のうちの最小のものが検出され、その最小の重み付き残差F(△X,△Y)を与える候補ベクトル(△X,△Y)が動きベクトル(△X,△Y)として出力される。
【0071】
ここで、図6は、図3または図5にそれぞれ示した第1の重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)を掛け合わせた重みを示している。図6から、第1または第2の重み中心ベクトルV1またはV2の近傍の候補ベクトル(△X,△Y)に対する重み付き残差F(△X,△Y)は、相対的に小さくなり、第1または第2の重み中心ベクトルV1またはV2から離れた候補ベクトル(△X,△Y)に対する重み付き残差F(△X,△Y)は、相対的に大きくなることがわかる。
【0072】
上述したように、第1の重み中心ベクトルV1は、参照画像ブロックにおける物体画像の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置を指示するものであり、また第2の重み中心ベクトルV2は、参照画像ブロックにおける背景画像の動きを反映した動きベクトルが存在しそうな範囲の中心となる位置(上述したように、通常は、原点付近)を指示するものであるから、式(4)にしたがって得られる重み付き残差F(△X,△Y)の最小値を与える候補ベクトル(△X,△Y)を動きベクトル(△X,△Y)とすることにより、この動きベクトルは、大きさが短く、参照画像中の背景および物体の両方の動きを反映したものとなる。このように、動きベクトルは、画像の動きを反映したものであるから、差分画像の符号量を低減することができ、さらに動きベクトルは、大きさの短いものであるから、画像全体の符号量を低減することができる。
【0073】
また、動きベクトルをそのまま可変長符号化した場合の発生符号量を低減することができる。
【0074】
さらに、図7(a)は、第1の重みW1(△X,△Y)またはW2(△X,△Y)を掛け合わせた重みの、△X方向だけを考慮し、△Y方向は無視したものW1(△X)×W2(△X)を示している。
【0075】
これを、例えばランダムノイズのある平坦なテクスチャの画像から得られる、前述した図15(a)に示した残差E(△X)に乗算することにより重み付けを行ったもの、即ち重み付き残差は、図7(b)に示すようなものになる。従って、この場合、図中、X2またはX3で示す第1または第2の重み中心ベクトルV1またはV2が指示する位置付近が動きベクトルとして検出され易くなり、画像の実際の動きに即していない偽りの動きベクトルが検出されることを防止することができる。
【0076】
なお、符号化の開始時においては、蓄積メモリ12(図1)には、まだ動きベクトルが記憶されていないので、演算器5は、累積加算器4からの残差E(△X,△Y)をそのまま最小値検出回路6に出力するようになされている。従って、この場合には、従来の装置と同様にして動きベクトルが検出されることになる。
【0077】
また、本実施例では、残差E(△X,△Y)に対し、2つの重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)を乗算することにより重み付けを行うようにしたが、この他、例えば残差E(△X,△Y)に対し、2つの重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)を加算することにより重み付けを行うようにすることができる。但し、この場合、演算器5には、乗算処理ではなく、加算処理を行わせるようにする必要がある。
【0078】
さらに、本実施例においては、残差E(△X,△Y)に対し、2つの重みW1(△X,△Y)およびW2(△X,△Y)(あるいはW1(△X,△Y,E(△X,△Y))およびW2(△X,△Y,E(△X,△Y)))による重み付けを行うようにしたが、この他、これ以外の、過去に検出された動きベクトルに基づく重み(動きベクトルの大きさを小さくするとともに、可変長符号化による発生符号量を少なくする重み)を用いた、3以上の重み付けを行うようにすることができる。
【0079】
即ち、例えば以下に示すような式にしたがって、重み付き残差F(△X,△Y)を算出するようにすることができる。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
また、本実施例では、フレーム単位の画像に対して処理を施すようにしたが、フィールド単位の画像に対しても同様の処理を行うようにすることができる。
【0085】
さらに、本実施例においては、第1および第2の重みW1およびW2による重み付けの比率については言及しなかったが、可変長符号化回路7で近接ブロックの動きベクトルとの差分をとり、可変長符号化することを考えれば、第1の重みW1より第2の重みW2による重み付けの影響を強くする(W1よりW2のダイナミックレンジを広くする)方が、より発生符号量を低減することができる。但し、例えばパーンしている背景上を小さな物体が移動しているような画像に対しては、第2の重みW2より第1の重みW1による重み付けの影響を強くする方が好ましい。
【0086】
また、本発明は、例えばMPEGやJPEGなどに準拠した画像符号化装置に適用することが可能である。
【0087】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像符号化方法によれば、誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けされ、第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出されるので、発生符号量を低減することができる。
【0088】
請求項2に記載の画像符号化方法によれば、誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けされ、基準位置と、第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けされるように、2以上の重み付けが行われ、その結果得られる所定の誤差を最小にする動きベクトルが検出されるので、発生符号量を低減することができる。
【0089】
請求項3に記載の画像符号化方法によれば、第2の重みが、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像の背景の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【0090】
請求項4に記載の画像符号化方法によれば、第1の重みが、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものであるので、画像内の物体の動きを、精度良く反映した動きベクトルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像符号化方法を適用した画像符号化装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】蓄積メモリ12が出力する第1の重み中心ベクトルV1を説明する図である。
【図3】重み算出器13が算出する第1の重みW1を説明する図である。
【図4】蓄積メモリ12が出力する第2の重み中心ベクトルV2を説明する図である。
【図5】重み算出器14が算出する第2の重みW2を説明する図である。
【図6】図3または図5にそれぞれ示した第1または第2の重みW1またはW2を掛け合わせた重みを示す図である。
【図7】図6に示す重みと、その重みによる重み付けが行われた残差とを示す図である。
【図8】フレーム間相関を利用した画像圧縮の原理を説明する図である。
【図9】動きベクトルの検出原理を説明する図である。
【図10】サーチ範囲が広い場合と狭い場合の動きベクトルの検出の様子を示す図である。
【図11】可変長符号化後の発生符号量が多い動きベクトルを示す図である。
【図12】可変長符号化後の発生符号量と、動きベクトルとの関係を説明する図である。
【図13】テレスコピックサーチを説明する図である。
【図14】テレスコピックサーチにおいて、画像の動きの予測が外れた場合の様子を説明する図である。
【図15】従来の重み付け方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 カレントメモリ
2 サーチメモリ
3 差分器
4 累積加算器
5 演算器
6 最小値検出回路
7,8 可変長符号化回路
9 マルチプレクサ
10 ローカルデコードメモリ
11 動き補償回路
12 前・現フレームベクトル蓄積メモリ
13,14 重み算出器
15 演算器
Claims (4)
- パターンマッチング法によって、画像信号から、符号化の対象とされる第1の画像と、第2の画像との画素の誤差を最小にする動きベクトルを検出し、
前記動きベクトルに基づいて動き補償を行うことにより予測画像信号を求め、
前記画像信号と予測画像信号との差分を算出し、その差分データと、前記動きベクトルとを可変長符号化する画像符号化方法において、
前記誤差に対し、少なくとも、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルを基にした第1の重みで重み付けし、前記第1の画像の既に検出された動きベクトルを基にした第2の重みで重み付けするように、2以上の重み付けを行う
ことを特徴とする画像符号化方法。 - パターンマッチング法によって、画像信号から、符号化の対象とされる第1の画像と、第2の画像との画素の誤差を最小にする動きベクトルを検出し、
前記動きベクトルに基づいて動き補償を行うことにより予測画像信号を求め、
前記画像信号と予測画像信号との差分を算出し、その差分データと、前記動きベクトルとを可変長符号化する画像符号化方法において、
前記誤差に対し、少なくとも、検出しようとする動きベクトルにより指示される基準位置と、既に符号化された画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第1の重みで重み付けし、前記基準位置と、前記第1の画像の既に検出された動きベクトルにより指示される位置との距離により定まる第2の重みで重み付けするように、2以上の重み付けを行う
ことを特徴とする画像符号化方法。 - 前記動きベクトルは、1フレームの画像の所定のブロックごとに検出され、
前記第2の重みは、同一フレームの画像のブロックの動きベクトルのうちの既に検出された動きベクトルに対応したものである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像符号化方法。 - 前記第1の重みは、既に符号化されたフレームの画像の既に検出された動きベクトルに対応したものである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像符号化方法。
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